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技術 圧延ラインの組織・材質管理システム

出願人 東芝三菱電機産業システム株式会社
発明者 小原一浩佐野光彦
出願日 2007年1月11日 (13年11ヶ月経過) 出願番号 2007-003660
公開日 2008年7月24日 (12年5ヶ月経過) 公開番号 2008-168320
状態 特許登録済
技術分野 圧延の制御
主要キーワード 温度測定機器 数式群 出荷停止 リサイクル素材 インターフェース盤 ミルシート 破壊式 冷却テーブル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年7月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

顧客の要求する組織材質仕様を満たす製品を効率よく製造することを可能とする圧延ラインの組織・材質管理システムを得る。

解決手段

注文データベース31と、素材データベース32と、注文情報及び素材情報に基づいて、製造順序を決定する製造順序決定手段33と、製造順序に基づいて、製造指示情報リストを作成する製造指示手段34と、製造指示情報のリストに基づいて、機器を制御する圧延ライン制御手段6と、圧延実績データ収集する圧延データ収集手段41と、圧延実績データに基づき組織・材質を算出する組織・材質モデル42と、組織・材質モデルの算出値及び注文情報に基づいて、組織・材質仕様を満たしているか否かを判定する組織・材質判定手段43と、判定結果が当該組織・材質仕様を満たしていない場合、注文データベースを検索し当該圧延製品引き当て可能な注文情報を引き当てる引当手段35とを備える。

概要

背景

近年、圧延製品に対して顧客が要求する仕様は厳しくなる一方であり、とりわけ近年は、圧延製品の寸法形状に加え、強度及び延性などの組織材質許容範囲内に収めることが重要となっている。このような高度な製品の製造にはますます高度な技術が必要であり、例えば、大ひずみ加工や、材料温度の高精度管理などの技術が使われる。しかし、これらの技術を実操業に適用する場合には、材料の表面と内部、先端部と尾端部で各々加工条件及び温度条件が異なり、また、仕上げ圧延後冷却装置においても、流量変化応答遅れなどから、通常オーステナイト域からフェライト域へと変態する過程にずれが生じ、冷却速度を均一に保つことは難しい。

また、金属材料の組織組織・材質をその用途に応じて創り分けようというさまざまな試みがなされている。例えば、熱間圧延後の金属材料を冷却する際に冷却水高圧で大量に噴射し冷却速度を高め、金属組織を変化させ、所望の引張強度や延性をもたせようとする方法が用い始められている。ところが、このような製造方法を実用化するにあたっては、製造した金属材料が要求される組織組織・材質を満足しているかを効率的に計測する方法がないという問題点があった。従来は例えば、引張強度、延性、及び、成形性といった機械的性質を、引張り試験などの破壊試験により計測していたが、(i)検査結果が得られるまでに数時間〜数日必要、(ii)破壊試験故に全数計測ができないといった問題点があった。このため、かねてより破壊検査を行わずして組織組織・材質を検知することが強く望まれていた。

近年、上記の通り破壊検査によって得られてきた機械的性質を、圧延プロセス条件から計算で求められた金属組織を元にして、機械的性質を推定する、いわゆる組織・材質予測技術が開発されてきている。これまで、製品の被圧延材である熱延コイルなどを出荷する場合、客先の要求に応じて、JIS規格値などに適合しているかどうかを証明するため、ミルシートと呼ばれる資料が添付される場合がある。これには通常、主要成分値のほか、上記破壊検査によって得られた引張り強さなどが記入される。しかし、近年海外などでは上記組織・材質予測技術による計算値品質保証に用いることを認める動きがあり、注目されている。

このように、組織・材質予測技術の活用が進められてきているが、これまでは製造条件を決定する手段など限られた分野での活用が図られてきた。例えば、製造条件指示値の範囲と、そのときの機械的性質の実績値を格納したデータベースを元に、要求仕様を満足する製造条件を求める方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

更に、要求仕様を満足する実績が無い場合、組織・材質予測モデルを用いて組織・材質を予測し、要求仕様を満足する製造条件を求めることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。

特許第3053251号公報
特許第3053252号公報

概要

顧客の要求する組織・材質仕様を満たす製品を効率よく製造することを可能とする圧延ラインの組織・材質管理システムを得る。注文データベース31と、素材データベース32と、注文情報及び素材情報に基づいて、製造順序を決定する製造順序決定手段33と、製造順序に基づいて、製造指示情報リストを作成する製造指示手段34と、製造指示情報のリストに基づいて、機器を制御する圧延ライン制御手段6と、圧延実績データ収集する圧延データ収集手段41と、圧延実績データに基づき組織・材質を算出する組織・材質モデル42と、組織・材質モデルの算出値及び注文情報に基づいて、組織・材質仕様を満たしているか否かを判定する組織・材質判定手段43と、判定結果が当該組織・材質仕様を満たしていない場合、注文データベースを検索し当該圧延製品に引き当て可能な注文情報を引き当てる引当手段35とを備える。

目的

この発明は、このような従来の圧延組織・材質管理システムの問題点を解決するためのもので、圧延ライン実績値を用いて組織・材質予測モデルにより組織・材質を圧延後直ちに計算し、製品組織・材質の検査すり抜けを防止し、製造工程修正までの遅れ時間を最小化し不良品発生を抑制し、配送先変更に伴う無駄なコストの発生を防止し、製品の再製造の遅れによる納期遅延を防止することが可能となり、圧延ラインのトータル操業効率を大幅に向上させることができる圧延ラインの組織・材質管理システムを提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

圧延製品を製造する圧延ラインを管理する圧延ライン管理システムにおいて、前記圧延製品の組織材質仕様を含む注文情報を記憶する注文データベースと、前記圧延製品の素材に関する情報を含む素材情報を記憶する素材データベースと、前記注文データベースに記憶された前記注文情報及び前記素材データベースに記憶された前記素材情報に基づいて、前記圧延製品の製造順序を決定する製造順序決定手段と、前記製造順序決定手段により決定された前記製造順序に基づいて、前記圧延製品の製造を指示するための製造指示情報リストを作成する製造指示手段と、前記製造指示手段により作成された前記製造指示情報のリストに基づいて、前記圧延ラインに有する機器を制御する圧延ライン制御手段と、前記圧延ラインから圧延実績データ収集する圧延データ収集手段と、前記圧延データ収集手段により収集された圧延実績データに基づき組織・材質を算出する組織・材質モデルと、前記組織・材質モデルの算出値及び前記注文データベースに記憶された前記注文情報に基づいて、前記圧延製品が前記組織・材質仕様を満たしているか否かを判定する組織・材質判定手段と、前記組織・材質判定手段の判定結果が当該組織・材質仕様を満たしていない場合、前記注文データベースを検索し当該圧延製品に引き当て可能な前記注文情報を引き当てる引当手段と、を備えたことを特徴とする圧延ラインの組織・材質管理システム

請求項2

製造指示手段により決定された製造順序に基づいて、圧延ラインで製造された圧延製品を搬出する制御を行う搬出制御手段と、引当手段の引き当て結果に基づいて、前記圧延製品の搬出先を変更する指令を前記搬出制御手段に出力する搬出先変更手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の圧延ラインの組織・材質管理システム。

請求項3

圧延製品を製造する圧延ラインを管理する圧延ライン管理システムにおいて、前記圧延製品の組織・材質仕様を含む注文情報を記憶する注文データベースと、前記圧延製品の素材に関する情報を含む素材情報を記憶する素材データベースと、前記注文データベースに記憶された前記注文情報及び前記素材データベースに記憶された前記素材情報に基づいて、前記圧延製品の製造順序を決定する製造順序決定手段と、前記製造順序決定手段により決定された前記製造順序に基づいて、前記圧延製品の製造を指示するための製造指示情報のリストを作成する製造指示手段と、前記製造指示手段により作成された前記製造指示情報のリストに基づいて、前記圧延ラインに有する機器を制御する圧延ライン制御手段と、前記圧延ラインから圧延実績データを収集する圧延データ収集手段と、前記圧延データ収集手段により収集された圧延実績データに基づき組織・材質を算出する組織・材質モデルと、前記組織・材質モデルの算出値及び前記注文データベースに記憶された前記注文情報に基づいて、前記圧延製品が前記組織・材質仕様を満たしているか否かを判定する組織・材質判定手段と、前記組織・材質判定手段の判定結果が当該組織・材質仕様を満たしていない場合、該圧延製品に対応する該注文情報と同一の前記注文を前記注文データベースに追加し、前記製造順序決定手段に対して前記圧延製品により決定された前記製造順序の再決定を要求する製造順序再決定要求手段と、を備えたことを特徴とする圧延ラインの組織・材質管理システム。

請求項4

圧延製品を製造する圧延ラインを管理する圧延ライン管理システムにおいて、前記圧延製品の組織・材質仕様を含む注文情報を記憶する注文データベースと、前記圧延製品の素材に関する情報を含む素材情報を記憶する素材データベースと、前記注文データベースに記憶された前記注文情報及び前記素材データベースに記憶された前記素材情報に基づいて、前記圧延製品の製造順序を決定する製造順序決定手段と、前記製造順序決定手段により決定された前記製造順序に基づいて、前記圧延製品の製造を指示するための製造指示情報のリストを作成する製造指示手段と、前記製造指示手段により作成された前記製造指示情報のリストに基づいて、前記圧延ラインに有する機器を制御する圧延ライン制御手段と、前記圧延ラインから圧延実績データを収集する圧延データ収集手段と、前記圧延データ収集手段により収集された圧延実績データに基づき組織・材質を算出する組織・材質モデルと、前記組織・材質モデルの算出値及び前記注文データベースに記憶された前記注文情報に基づいて、前記圧延製品が前記組織・材質仕様を満たしているか否かを判定する組織・材質判定手段と、前記組織・材質判定手段の判定結果が当該組織・材質仕様を満たしていない場合、前記注文データベースを検索し当該圧延製品に引き当て可能な前記注文情報を引き当てる引当手段と、前記引当手段の引き当て結果が引き当て可能な前記注文情報がある場合、前記圧延製品の搬出先を変更する指令を前記搬出制御手段に出力する搬出先変更手段と、前記引当手段の引き当て結果が引き当て可能な前記注文情報がない場合、該圧延製品に対応する該注文情報と同一の前記注文情報を前記注文データベースに追加し、前記製造順序決定手段に対して前記圧延製品により決定された前記製造順序の再決定を要求する製造順序再決定手段と、を備えたことを特徴とする圧延ラインの組織・材質管理システム。

請求項5

組織・材質判定手段は、圧延データ収集手段の実績値に基づいて、圧延製品の結晶粒径および、フェライトパーライトベイナイトマルテンサイト各相のうち、いずれか1つ以上の相の体積率を算出し、これに基づいて引っ張り強さ、耐力伸び、硬さ、r値のうち、いずれか1つ以上の機械的性質数式モデルにより推定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の圧延ラインの組織・材質管理システム。

請求項6

組織・材質モデルは、精度向上を目的として、圧延後に測定される機械的性質の実績情報を用いて、組織・材質モデルの学習を行う、組織・材質モデル学習機能を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の圧延ラインの組織・材質管理システム。

技術分野

0001

この発明は、顧客の要求する組織材質仕様を満たす製品を効率よく製造することを可能とする圧延ラインの組織・材質管理システムに関する。

背景技術

0002

近年、圧延製品に対して顧客が要求する仕様は厳しくなる一方であり、とりわけ近年は、圧延製品の寸法形状に加え、強度及び延性などの組織・材質を許容範囲内に収めることが重要となっている。このような高度な製品の製造にはますます高度な技術が必要であり、例えば、大ひずみ加工や、材料温度の高精度管理などの技術が使われる。しかし、これらの技術を実操業に適用する場合には、材料の表面と内部、先端部と尾端部で各々加工条件及び温度条件が異なり、また、仕上げ圧延後冷却装置においても、流量変化応答遅れなどから、通常オーステナイト域からフェライト域へと変態する過程にずれが生じ、冷却速度を均一に保つことは難しい。

0003

また、金属材料の組織組織・材質をその用途に応じて創り分けようというさまざまな試みがなされている。例えば、熱間圧延後の金属材料を冷却する際に冷却水高圧で大量に噴射し冷却速度を高め、金属組織を変化させ、所望の引張強度や延性をもたせようとする方法が用い始められている。ところが、このような製造方法を実用化するにあたっては、製造した金属材料が要求される組織組織・材質を満足しているかを効率的に計測する方法がないという問題点があった。従来は例えば、引張強度、延性、及び、成形性といった機械的性質を、引張り試験などの破壊試験により計測していたが、(i)検査結果が得られるまでに数時間〜数日必要、(ii)破壊試験故に全数計測ができないといった問題点があった。このため、かねてより破壊検査を行わずして組織組織・材質を検知することが強く望まれていた。

0004

近年、上記の通り破壊検査によって得られてきた機械的性質を、圧延プロセス条件から計算で求められた金属組織を元にして、機械的性質を推定する、いわゆる組織・材質予測技術が開発されてきている。これまで、製品の被圧延材である熱延コイルなどを出荷する場合、客先の要求に応じて、JIS規格値などに適合しているかどうかを証明するため、ミルシートと呼ばれる資料が添付される場合がある。これには通常、主要成分値のほか、上記破壊検査によって得られた引張り強さなどが記入される。しかし、近年海外などでは上記組織・材質予測技術による計算値品質保証に用いることを認める動きがあり、注目されている。

0005

このように、組織・材質予測技術の活用が進められてきているが、これまでは製造条件を決定する手段など限られた分野での活用が図られてきた。例えば、製造条件指示値の範囲と、そのときの機械的性質の実績値を格納したデータベースを元に、要求仕様を満足する製造条件を求める方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

0006

更に、要求仕様を満足する実績が無い場合、組織・材質予測モデルを用いて組織・材質を予測し、要求仕様を満足する製造条件を求めることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。

0007

特許第3053251号公報
特許第3053252号公報

発明が解決しようとする課題

0008

このように、組織・材質予測により圧延で組織・材質を作り込む製造条件を求める方法については提案されてきたが、製造後の組織・材質について、要求仕様を満たしているかどうかについては、組織・材質予測による検討は行われておらず、破壊検査による方法だけが行われてきた。この破壊検査は、上記のとおり手間がかかるため、通常ロット変わりと呼ばれる、鋼種が変更した場合、目標板厚板幅などが変更した場合などに代表サンプルとして1回行われてきたのが実情である。そして、もし、製品の組織・材質が許容範囲外であれば、(1)顧客への出荷や、下工程への運搬を取りやめるとともに、(2)顧客の注文応えるため、製造工程での問題点を正した上で、要求仕様を満たす製品を納期内に再度製造しなければならない。
このように、上記に述べたような従来の圧延組織・材質管理システムには、次の問題があった。

0009

従来、圧延材の組織・材質は、圧延後に圧延材の一部を切り出して所定の試験片形状に加工した上で、実験室で引張り試験等の破壊式検査法により測定するのが一般的であった。しかし、このような従来の組織・材質測定法は多大な労力が必要なため全数検査はできず抜き取り検査とせざるを得なかった。このため、抜き取り検査の対象とならなかった製品については、組織・材質が必ずしも許容範囲内でない可能性が残り、不良品良品として扱われる検査すり抜けが生じ、顧客または下工程に出荷されてしまうことがある可能性があった。

0010

また、上記の従来の組織・材質測定法では、測定結果が得られるために数時間から数日の時間が必要であり、また、製造工程の修正処理は必ずしも自動化されておらず、製造工程の修正と抜き取り検査で組織・材質不良が発見され製造工程修正が行われるまでの遅れ時間に、多数の不良品が製造されてしまう問題点があった。

0011

さらに、上記のように検査結果が得られるまでに時間がかかるため、出荷停止時の配送先変更処理運搬作業開始に間に合わず、当初予定の配送先に運搬済みの製品を別の配送場所に運搬し直す無駄なコストが発生したり、下工程で行った追加工の作業が無駄になる可能性があった。

0012

また、上記のように検査結果が得られるまでに時間がかかるため、製品の組織・材質が許容範囲外であった場合の再製造が遅れ、納期を守れなくなる場合があるという問題点があった。もちろん、納期遅延を防止するために、製造歩留まりを考慮して予め多めに製造しておく方法もあるが、この場合、在庫保管コストが発生する。近年顧客の要求に応えるために圧延製品の種類は増加する一方、かつ指定納期厳守のジャストインタイムが要求されており、品質の把握が遅れると在庫保管コストが膨大になる問題点があった。

0013

この発明は、このような従来の圧延組織・材質管理システムの問題点を解決するためのもので、圧延ライン実績値を用いて組織・材質予測モデルにより組織・材質を圧延後直ちに計算し、製品組織・材質の検査すり抜けを防止し、製造工程修正までの遅れ時間を最小化し不良品発生を抑制し、配送先変更に伴う無駄なコストの発生を防止し、製品の再製造の遅れによる納期遅延を防止することが可能となり、圧延ラインのトータル操業効率を大幅に向上させることができる圧延ラインの組織・材質管理システムを提供するものである。

課題を解決するための手段

0014

この発明に係る圧延ラインの組織・材質管理システムにおいては、圧延製品を製造する圧延ラインを管理するものにおいて、圧延製品の組織・材質仕様を含む注文情報を記憶する注文データベースと、圧延製品の素材に関する情報を含む素材情報を記憶する素材データベースと、注文データベースに記憶された注文情報及び素材データベースに記憶された素材情報に基づいて、圧延製品の製造順序を決定する製造順序決定手段と、製造順序決定手段により決定された製造順序に基づいて、圧延製品の製造を指示するための製造指示情報リストを作成する製造指示手段と、製造指示手段により作成された製造指示情報のリストに基づいて、圧延ラインに有する機器を制御する圧延ライン制御手段と、圧延ラインから圧延実績データ収集する圧延データ収集手段と、圧延データ収集手段により収集された圧延実績データに基づき組織・材質を算出する組織・材質モデルと、組織・材質モデルの算出値及び注文データベースに記憶された注文情報に基づいて、圧延製品が組織・材質仕様を満たしているか否かを判定する組織・材質判定手段と、組織・材質判定手段の判定結果が当該組織・材質仕様を満たしていない場合、注文データベースを検索し当該圧延製品に引き当て可能な注文情報を引き当てる引当手段とを備えたものである。

発明の効果

0015

この発明によれば、圧延ライン実績値を用いて組織・材質予測モデルにより組織・材質を圧延後直ちに計算し、製品組織・材質の検査すり抜けを防止し、製造工程修正までの遅れ時間を最小化し不良品発生を抑制し、配送先変更に伴う無駄なコストの発生を防止し、製品の再製造の遅れによる納期遅延を防止することが可能となり、圧延ラインのトータルの操業効率を大幅に向上させる効果がある。

発明を実施するための最良の形態

0016

実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について、図面を用いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1における圧延ラインの組織・材質管理システムの構成を示すブロック図である。図中の矢印は、主にデータの流れる方向を表したものである。

0017

本システムは、圧延ライン1、搬送装置2、製品管理装置3、組織・材質判定装置4、運搬制御装置5、圧延ライン制御装置6を備えている。圧延ライン1は、圧延素材(以下、スラブという)7から圧延製品(コイル)8を製造するためのラインである。

0018

圧延ライン1は、加熱装置11、圧延機からなる加圧装置12、冷却装置13、巻取装置14、これらを結ぶ搬送テーブル15を備え、電動機や油圧装置等で駆動される。
加熱装置11は、スラブ7を加熱するための炉である。
圧延機12は、単数または複数スタンドからなり、例えば1スタンドの可逆式粗圧延機と7スタンドのタンデム式仕上圧延機からなる構成のものなどである。
冷却装置13は、圧延製品(スラブから製品として完成する途中の状態も含む、以下同様)の温度を制御するために、冷却水により圧延製品を冷却する装置である。冷却装置は、例えばランアウトテーブル冷却テーブルなどである。
巻取装置14は、圧延製品を搬送するために巻き取るための装置である。
搬送テーブル15は、各工程における圧延製品を次の工程に搬送するための機器である。

0019

搬送装置2は、圧延ラインで製造された圧延製品を搬送するための装置である。搬送装置2は、例えばウォーキングビームコンベヤクレーン自動車などである。

0020

製品管理装置3は、圧延製品の製造工程を管理する。製品管理装置3は、コンピュータで構成される。このコンピュータは、例えば、記憶媒体に記憶されたプログラム等に従って、演算処理部(例えば、CPU)にデータの演算処理をさせる装置である。

0021

組織・材質判定装置4は、組織・材質モデルからの算出値に基づいて、圧延製品の組織・材質が許容範囲外か否かの判定を行う。組織・材質判定装置4は、コンピュータで構成される。

0022

運搬制御装置5は、製品管理装置からの指示に基づいて、圧延製品を搬送する搬送装置を制御する。また、組織・材質判定装置4の判定結果に基づいて、圧延製品の搬送先を変更する制御を搬送装置にする。運搬制御装置5は、コンピュータで構成される。

0023

圧延ライン制御装置6は、圧延ラインを構成する各機器を制御する装置である。圧延ライン制御装置6は、製造指示機能からの製造指示情報に基づき、圧延ラインの各機器の設定及び制御を行う。例えば、圧延ライン制御装置6は、製品板厚目標値に一致させるために圧延機のロールギャップを変化させる自動板厚制御に加え、加熱炉抽出温度を目標値に一致させるために加熱炉への燃料投入量を変化させる加熱炉燃焼制御、及び、圧延機出側温度管理点の温度を目標値に一致させるために圧延機のロール回転速度及び冷却水量を変化させる温度制御機能などを行う。

0024

次に、各装置の詳細について説明する。
製品管理装置3は、注文データベース31、素材データベース32、製造順序決定機能33、製造指示機能34、引当機能35を備えている。

0025

注文データベース31は、顧客からの注文情報のリストを保管するデータベースである。注文情報は、合金成分などによって決まる材種コード製品寸法及び製品組織・材質の許容範囲、製品の配送先、納期、及びその他の顧客から要求された仕様などの情報が含まれる。

0026

素材データベース32は、スラブについて、寸法、保有有無、入荷予定日時のリスト、及びその他の素材に関する情報などを保管するデータベースである。

0027

製造順序決定機能33は、注文データベース31及び素材データベース32を参照し納期を守るように圧延ラインでの圧延製品の製造順序を決定する。

0028

これは、以下のようにして行う。
まず、製造順序決定機能33は、製品の組織・材質が許容範囲内となるように、圧延工程の温度管理点における温度目標値を定める。この温度管理点は、例えば、加熱炉の抽出位置や、放射温度計などの温度測定機器の設置位置である。また、温度目標値は、過去の操業実績に基づく数値計算機内の数表の形で記憶させておき、材種及び目標寸法キーとして索引して決める。

0029

次に、製造順序決定機能33は、加熱炉の温度変化速度や、圧延機の圧延ロールの磨耗や熱膨張によるロールプロファイル幅方向直径分布)の変化などによる製造制約を考慮して圧延製品の製造順序を決定する。例えば、まず、抽出温度がほぼ等しい材種を集め、次に板幅変化パターンが所謂コフィンスケジュールとなるように製造順序を定める。
また、製造順序決定機能33は、スラブの入荷予定日時が遅く加熱炉への装入時刻に間に合わない場合には、この製造順序を後ろにずらす処理も行う。

0030

コフィンスケジュールとは、図2に示すように、ロール交換時T1から次のロール交換時T2までの間、すなわちロールキャンペーンCAの間を、コイル数COの個数に応じて、目標板幅Wを変えていく方法である。

0031

製造指示機能34は、製造順序決定機能33の出力に基づき、製造順にソートされた製造指示情報のリストを作成する。製造指示情報34aは注文情報から製品寸法及び製品組織・材質の許容範囲、製品の配送先、及び、納期など圧延ラインに必要な指示情報抜粋したものに加え、上記の温度目標値等を含むものである。

0032

引当機能35は、組織・材質判定装置4の圧延製品に対する判定結果が許容範囲外であった場合、注文データベース31に問い合わせを行い、当該圧延製品に要求仕様が合致する注文がないか検索する。つまり、例えば温度実績値などが目標値と異なり、当該圧延製品の結晶粒径が粗大化して予定していた強度が得られなかった場合などには、当初の注文には合致しないものの、用途が異なればそれほどの強度を必要せず、十分仕様を満たす場合がある。このような場合には別の注文の要求仕様に合致している可能性があり、そのような注文を検索する。もし、注文データベースに当該圧延製品に要求仕様が合致する注文があった場合には、当該圧延製品に検索結果として得られた注文を引き当てる。

0033

具体的には、引当機能35は、当該圧延製品の搬出先を、検索結果として得られた注文情報に記載された搬出先に変更し、吏に、製造済みとして注文データベース31からその注文を削除する。
もし合致する注文がなければ、引当機能35は、運搬制御装置5へ指令信号を出力し、当該圧延製品の搬出先を不良製品仮置きエリアとする。この場合、当該圧延製品は出荷予定のない不良品として将来合致する注文が来るのを待つか、あるいは、再溶解などのリサイクル素材として搬出されることになる。

0034

また、引当機能35は、組織・材質判定装置4の圧延製品に対する判定結果が許容範囲外であった場合、当該圧延製品の注文情報(以下注文情報Aと述べる)に基づき、次のように再製造を行う。
まず、加熱炉内にあるスラブに対応する製品管理装置3で作成した製造指示情報34aを検索し、鋼種及びスラブ寸法が注文情報Aに合致するものを抽出する。このとき、加熱炉の温度変更速度制約を考慮して抽出温度目標値が大きく異なるものは除外する。また、ロールプロファイル制約(例えば、コフィンスケジュールなど)を考慮し目標板幅が大きく異なるものも除外する。更に、納期が注文情報Aの納期より早いものも除外する。

0035

このように検索結果として得られたスラブのうち、最も製造順序が早いものを選択し、このスラブに注文情報Aを引き当てる。すると今度は、引き当て対象となったスラブの製造予定が未定となるので、その注文情報(以下注文情報B)について、上記と同様に検索を行い、スラブを引き当てる。この操作を加熱炉内のスラブの製造情報に合致するものが見つからなくなるまで繰り返し行う。加熱炉内のスラブに対する製造指示情報に注文情報Aまたは注文情報Bに合致するものがなくなると、その注文情報と同一の内容を注文データベースに追加し、製造順序決定機能に対し、製造順序の再決定を要求する製造順序再決定要求機能を備えている。また、このとき、必要な組織・材質、寸法のスラブの数量が不足する場合には、画面上にスラブ購入が必要である旨の警告を表示する。なお、購買システムに接続し自動的にスラブの追加発注を行ってもよい。

0036

次に、組織・材質判定装置4は、圧延データ収集機能41、組織・材質モデル42、組織・材質判定機能43を備えている。

0037

圧延データ収集機能41は、圧延した際の温度、荷重などの実績値のみならず、各スタンドの温度履歴、冷却装置上の温度履歴などの計算値を含む、該当圧延製品に関する圧延データを収集する機能である。

0038

組織・材質モデル42は、上記圧延データ収集機能41により収集される、圧延データに基づき、金属組織を算出し、この結果に基づき引っ張り強さ、耐力伸び、硬さ、r値などのうち、いずれか1つ以上の機械的性質を数式モデルにより推定、算出する。組織・材質を予測するモデルには、様々なものが提案されており、静的回復、静的再結晶、動的回復、動的再結晶、粒成長などを表す数式群からなるものが広く知られている。一例として、塑性加工技術シリーズ板圧延コロナ社)P198〜229に一例が掲載されている。これらにより圧延製品の結晶粒径やフェライトパーライトベイナイトマルテンサイト体積率などを把握することができる。これらの金属組織情報を元に、引張り強さ、耐力などの機械的性質などの組織・材質を予測できることが広く知られている。一例として、第173・174回西記念技術講座熱延鋼材組織変化および組織・材質の予測」((社)日本鉄鋼協会刊P125)に掲載されている。

0039

組織・材質判定機能43は、注文データベース31に記憶された注文情報に基づいて、組織・材質モデル42により算出した圧延製品の組織・材質が製品情報による許容範囲内か否かを判定する。組織・材質判定機能43は、判定結果に基づいて、製品管理装置3(引当機能等)及び運搬制御装置5(搬出先変更機能等)に対して、指令信号を出力する。

0040

次に、運搬制御装置5は、搬出制御機能51、搬出先変更機能52を備えている。
搬出制御機能51は、製造指示情報に基づいて圧延後の製品の搬出先及び搬出経路を決定する。搬送装置2は、この決定結果に基づいて、圧延製品を搬出し、下工程への搬出や客先へと出荷する。このとき、搬出制御機能51は、出荷順序に応じて製品の積み方を決めたり、納期に早すぎる場合には所定の保管場所に保管するようにする。

0041

搬出先変更機能52は、組織・材質判定機能43による判定結果が許容範囲外であった場合に、即座に搬出先を再決定し、搬出制御機能51に出力する。これにより配送先変更に伴う無駄なコストの発生を防止することができる。

0042

以上述べたように、この発明によれば、圧延製品を製造する圧延ラインにおいて、圧延製品の組織・材質を検査し、検査結果に基づいて圧延製品の工程を管理する圧延ラインの組織・材質管理システムを提供することにある。また、圧延ラインのトータルの操業効率を大幅に向上させることができる組織・材質管理システムを提供することができる。さらに、製品の再製造の遅れによる納期遅延を防止することが可能となる。

0043

なお、本実施形態において、組織・材質判定機能43は、注文データベース31の情報に基づいて、組織・材質が許容範囲外か否かの判定をしたが、これ以外の情報で判定を行ってもよい。例えば、製造順序決定機能33で演算した製造工程に関する情報に基づいて判定を行ってもよい。この場合より、製造管理に即した組織・材質判定をすることができる。

0044

また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から本実施形態における処理が実行される場合もこの発明における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成であっても良い。

0045

この発明におけるコンピュータは、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であっても良い。
また、この発明におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置マイコン等も含み、プログラムによってこの発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。

0046

実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について、図面を用いて説明する。図3はこの発明の実施の形態2における圧延ラインの組織・材質管理システムの構成を示すブロック図である。図中の矢印は、主にデータの流れる方向を表したものである。

0047

ここで、実施の形態1と同一の箇所については、言及しない。この実施の形態2では、機械的性質計測手段44、組織・材質モデル学習手段45を備えている。前述のとおり、機械的性質計測手段44によりロット毎などに計測された機械的性質の実測値を用い、組織・材質モデルの実績計算値と比較を行うことにより、組織・材質モデル学習手段45にて該組織・材質モデル42の向上を図るものである。学習を行った後は、組織・材質モデル42の予測精度が向上する。

0048

なお、この発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を構成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。

図面の簡単な説明

0049

この発明の対象となる制御盤配電盤等の盤構成の概要を示す概略構成図である。
この発明の実施の形態1による盤間外線ケーブル設計手法基本構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態1による盤間外線ケーブルの設計手法のケーブル情報抽出工程を示すフローチャートである。

符号の説明

0050

1圧延ライン
2搬送装置
3製品管理装置
4組織・材質判定装置
5運搬制御装置
6 圧延ライン制御装置
7圧延素材(スラブ)
8圧延製品(コイル)
インターフェース盤単位並替工程
11加熱装置
12加圧装置(圧延機)
13冷却装置
14巻取装置
15搬送テーブル
31注文データベース
32素材データベース
33製造順序決定機能
34製造指示機能
34a製造指示情報
35引当機能
41圧延データ収集機能
42 組織・材質モデル
43 組織・材質判定機能
44機械的性質計測手段
45 組織・材質モデル学習手段
51搬出制御機能
52 搬出先変更機能

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