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技術 光走査素子、光走査装置、光走査型表示装置、網膜走査型表示装置及び光走査素子における貫通孔の生成方法

出願人 ブラザー工業株式会社
発明者 内垣友好
出願日 2006年12月27日 (13年8ヶ月経過) 出願番号 2006-352953
公開日 2008年7月17日 (12年1ヶ月経過) 公開番号 2008-164827
状態 特許登録済
技術分野 機械的光走査系 マイクロマシン FAXの走査装置
主要キーワード 捻り変位 応力集中箇所 発生値 揺動振動 捻り回転 揺動周期 ベース台 揺動軸線
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年7月17日)のものです。
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図面 (17)

課題

光走査素子において反射ミラー振れ角を大きくした場合の梁部の強度低下を容易に抑えること。

解決手段

反射面を有するミラー部2と、ミラー部2に連結されるミラー支持部3a,3bと、ミラー支持部3a,3bに連結され、振動によりミラー支持部3a,3bに捻れ変位を生じさせる枠部とを有する第1部材8と、第1部材8の枠部4を固定して保持する第2部材11と、枠部4に固着され、枠部4に振動を伝達する圧電体12a,12bとから構成され、枠部4は梁部5a,5bとその梁部5a,5bの両端に位置する固定部6a〜6dとを有し、ミラー支持部3a,3bは梁部5a,5bの連結部Qa,Qbにおいて連結され、枠部4は固定部6a〜6dにおいて第2部材11に固定され、圧電体12a,12bは固定部6a,6bと梁部5aとに跨って設けられ、圧電体12a,12bと連結部Qaとの間の梁部5aに貫通孔7a,7bを設けた。

概要

背景

従来から、投影型表示装置等においては画像信号により変調されたレーザー光走査して投映像を形成するための光走査素子が知られている。例えば、回転多面鏡ポリゴンミラー)や振動駆動反射鏡ガルバノミラー)が用いられてきた。このうち、ガルバノミラー型の光走査素子は、例えば、特許文献1に記載されているように、反射ミラー部を振動系支持部にて支持し、この支持部を圧電体を利用して共振させているために、ポリゴンミラー型の光走査素子と比較して駆動部を小型化することができる。

図15は、従来のガルバノミラー型の光走査素子100を表す分解斜視図である。なお、この反射ミラー部105の構成を簡略的に表している。

この光走査素子100は、図15に示すように、支持部102と振動体103と圧電体107a〜107dとを有している。支持部102の両サイドにはベース台101が形成されており、このベース台101の上に振動体103が載置される。振動体103は、反射ミラー部105とその周囲に構成した枠部104と、反射ミラー部105と枠部104とを連結し、反射ミラー部105を両側から支持するミラー支持部106とから一体的に構成されている。ミラー支持部106は反射ミラー部105の捻り回転回転軸をなしている。

枠部104は、ミラー支持部106に連結された梁部108と、この梁部108の両端に位置し、その裏面がベース台101に固定された固定部109とを有している。枠部104の表面には固定部109から梁部108にかけて4つの圧電体107a〜107dが固着されている。圧電体107a,107bと圧電体107c,107dには、互いに逆相となる交番電圧印加され、反射ミラー部105はミラー支持部106を回転軸として揺動を行う。

図16は、光走査素子100が入射して反射する反射光束112を走査してスクリーン113上に投射する投射型表示装置概念図である。光源120により画像変調されて出射した光束111は光走査素子100の反射ミラー部105に照射する。反射ミラー部105は揺動するので、反射光束112は上下に震動し、スクリーン113上に上下の軌跡を描くことになる。例えば、光源120からの画像変調された光束111が、光束111に含まれる画像データの水平走査期間と同期して水平走査がなされている場合に、反射ミラー部105の揺動を上記画像の垂直走査期間と同期させることにより、スクリーン113上に画像を表示させることができる。
特開平9−101474号公報

概要

光走査素子において反射ミラーの振れ角を大きくした場合の梁部の強度低下を容易に抑えること。反射面を有するミラー部2と、ミラー部2に連結されるミラー支持部3a,3bと、ミラー支持部3a,3bに連結され、振動によりミラー支持部3a,3bに捻れ変位を生じさせる枠部とを有する第1部材8と、第1部材8の枠部4を固定して保持する第2部材11と、枠部4に固着され、枠部4に振動を伝達する圧電体12a,12bとから構成され、枠部4は梁部5a,5bとその梁部5a,5bの両端に位置する固定部6a〜6dとを有し、ミラー支持部3a,3bは梁部5a,5bの連結部Qa,Qbにおいて連結され、枠部4は固定部6a〜6dにおいて第2部材11に固定され、圧電体12a,12bは固定部6a,6bと梁部5aとに跨って設けられ、圧電体12a,12bと連結部Qaとの間の梁部5aに貫通孔7a,7bを設けた。

目的

そこで、本発明は、反射ミラーの振れ角を大きくした場合の梁部の強度低下を容易に抑えることができる光走査素子及びこの光走査素子を備えた光走査装置光走査型表示装置網膜走査型表示装置及び光走査素子における貫通孔の生成方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

入射した光束を揺動する反射面により走査する光走査素子において、前記反射面を有するミラー部と、前記ミラー部に連結され、捻れ変位により前記ミラー部に揺動を生じさせる揺動軸をなすミラー支持部と、前記ミラー支持部に連結され、振動により前記ミラー支持部に捻れ変位を生じさせる枠部とを有する第1部材と、前記第1部材の枠部を固定して保持する第2部材と、前記枠部に固着され、前記枠部に振動を伝達する圧電体と、を備え、前記枠部は梁部とその梁部の両端に位置する固定部とを有し、前記ミラー支持部は前記梁部の連結部において連結され、前記枠部は前記固定部において前記第2部材に固定され、前記圧電体は前記固定部と前記梁部とに跨って設けられ、前記圧電体と前記連結部との間の前記梁部に貫通孔が設けられたことを特徴とする光走査素子。

請求項2

前記貫通孔が前記梁部に複数設けられたことを特徴とする請求項1に記載の光走査素子。

請求項3

前記複数の貫通孔は、前記揺動軸線に対して対称となる位置に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の光走査素子。

請求項4

前記貫通孔の領域を、前記梁部における前記圧電体と前記連結部との間の領域の5〜50%としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光走査素子。

請求項5

前記貫通孔は、前記圧電体から前記連結部までの距離の1/3以上の位置に設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光走査素子。

請求項6

前記貫通孔の形状を円形状としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光走査素子。

請求項7

前記枠部は前記ミラー部を囲むように配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光走査素子。

請求項8

前記圧電体は、前記梁部両端の固定部の少なくとも一方の固定部と梁部とに跨って固着されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光走査素子。

請求項9

前記圧電体は、前記梁部と前記梁部の両端の固定部とにそれぞれに跨って固着されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光走査素子。

請求項10

請求項1〜9のいずれか1項に記載の光走査素子を備え、画像信号に応じて変調された光束を前記光走査素子により走査する光走査装置

請求項11

請求項1〜9のいずれか1項に記載の光走査素子を備え、画像信号に応じて変調された光束を前記光走査素子により走査して投影する光走査型表示装置

請求項12

請求項1〜9のいずれか1項に記載の光走査素子を備え、画像信号に応じて変調された光束を前記光走査素子により走査して網膜上に投影表示する網膜走査型画像表示装置

請求項13

請求項1〜9のいずれか1項に記載の光走査素子における前記貫通孔の生成方法であって、前記貫通孔をウェットエッチングにより生成する工程を含むことを特徴とする光走査素子における貫通孔の生成方法。

技術分野

0001

本発明は、レーザープリンタ投影型表示装置に用いられる光スキャナー用の光走査素子に関する。特に、振動体振動させることにより反射ミラー揺動させる光走査素子に関する。

背景技術

0002

従来から、投影型表示装置等においては画像信号により変調されたレーザー光走査して投映像を形成するための光走査素子が知られている。例えば、回転多面鏡ポリゴンミラー)や振動駆動反射鏡ガルバノミラー)が用いられてきた。このうち、ガルバノミラー型の光走査素子は、例えば、特許文献1に記載されているように、反射ミラー部を振動系支持部にて支持し、この支持部を圧電体を利用して共振させているために、ポリゴンミラー型の光走査素子と比較して駆動部を小型化することができる。

0003

図15は、従来のガルバノミラー型の光走査素子100を表す分解斜視図である。なお、この反射ミラー部105の構成を簡略的に表している。

0004

この光走査素子100は、図15に示すように、支持部102と振動体103と圧電体107a〜107dとを有している。支持部102の両サイドにはベース台101が形成されており、このベース台101の上に振動体103が載置される。振動体103は、反射ミラー部105とその周囲に構成した枠部104と、反射ミラー部105と枠部104とを連結し、反射ミラー部105を両側から支持するミラー支持部106とから一体的に構成されている。ミラー支持部106は反射ミラー部105の捻り回転回転軸をなしている。

0005

枠部104は、ミラー支持部106に連結された梁部108と、この梁部108の両端に位置し、その裏面がベース台101に固定された固定部109とを有している。枠部104の表面には固定部109から梁部108にかけて4つの圧電体107a〜107dが固着されている。圧電体107a,107bと圧電体107c,107dには、互いに逆相となる交番電圧印加され、反射ミラー部105はミラー支持部106を回転軸として揺動を行う。

0006

図16は、光走査素子100が入射して反射する反射光束112を走査してスクリーン113上に投射する投射型表示装置概念図である。光源120により画像変調されて出射した光束111は光走査素子100の反射ミラー部105に照射する。反射ミラー部105は揺動するので、反射光束112は上下に震動し、スクリーン113上に上下の軌跡を描くことになる。例えば、光源120からの画像変調された光束111が、光束111に含まれる画像データの水平走査期間と同期して水平走査がなされている場合に、反射ミラー部105の揺動を上記画像の垂直走査期間と同期させることにより、スクリーン113上に画像を表示させることができる。
特開平9−101474号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、上記従来の光走査素子100においては、反射ミラー部105の振れ角の調整を梁部の厚みを変更することによって行っていたために、反射ミラー部105の振れ角を大きくしようとすると、梁部の強度が不足してしまう恐れがあった。

0008

しかも、梁部の厚みを変更すると光走査素子100の共振周波数まで変わってしまい、所望の共振周波数及び反射ミラーの振れ角になるように調整することが難しい。

0009

そこで、本発明は、反射ミラーの振れ角を大きくした場合の梁部の強度低下を容易に抑えることができる光走査素子及びこの光走査素子を備えた光走査装置光走査型表示装置網膜走査型表示装置及び光走査素子における貫通孔生成方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

請求項1に記載の発明は、入射した光束を揺動する反射面により走査する光走査素子において、前記反射面を有するミラー部と、前記ミラー部に連結され、捻れ変位により前記ミラー部に揺動を生じさせる揺動軸をなすミラー支持部と、前記ミラー支持部に連結され、振動により前記ミラー支持部に捻れ変位を生じさせる枠部とを有する第1部材と、前記第1部材の枠部を固定して保持する第2部材と、前記枠部に固着され、前記枠部に振動を伝達する圧電体とを備え、前記枠部は梁部とその梁部の両端に位置する固定部とを有し、前記ミラー支持部は前記梁部の連結部において連結され、前記枠部は前記固定部において前記第2部材に固定され、前記圧電体は前記固定部と前記梁部とに跨って設けられ、前記圧電体と前記連結部との間の前記梁部に貫通孔が設けられたことを特徴とする。

0011

また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記貫通孔が前記梁部に複数設けられたことを特徴とする。

0012

また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記複数の貫通孔は、前記揺動軸線に対して対称となる位置に設けられたことを特徴とする。

0013

また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記貫通孔の領域を、前記梁部における前記圧電体と前記連結部との間の領域の5〜50%としたことを特徴とする。

0014

また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記貫通孔は、前記圧電体から前記連結部までの距離の1/3以上の位置に設けられたことを特徴とする。

0015

また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記貫通孔の形状を円形状としたことを特徴とする。

0016

また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記枠部は前記ミラー部を囲むように配置されていることを特徴とする。

0017

また、請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発明において、前記圧電体は、前記梁部両端の固定部の少なくとも一方の固定部と梁部とに跨って固着されていることを特徴とする。

0018

また、請求項9に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発明において、前記圧電体は、前記梁部と前記梁部の両端の固定部とにそれぞれに跨って固着されていることを特徴とする。

0019

また、請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光走査素子を備え、画像信号に応じて変調された光束を前記光走査素子により走査する光走査装置とした。

0020

また、請求項11に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光走査素子を備え、画像信号に応じて変調された光束を前記光走査素子により走査して投影する光走査型表示装置とした。

0021

また、請求項12に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光走査素子を備え、画像信号に応じて変調された光束を前記光走査素子により走査して網膜上に投影表示する網膜走査型画像表示装置とした。

0022

また、請求項13に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光走査素子における前記貫通孔の生成方法であって、前記貫通孔をウェットエッチングにより生成する工程を含む光走査素子における貫通孔の生成方法とした。

発明の効果

0023

本発明の光走査素子では、入射した光束を揺動する反射面により走査する光走査素子において、反射面を有するミラー部と、ミラー部に連結され、捻れ変位によりミラー部に揺動を生じさせる揺動軸をなすミラー支持部と、ミラー支持部に連結され、振動によりミラー支持部に捻れ変位を生じさせる枠部とを有する第1部材と、第1部材の枠部を固定して保持する第2部材と、枠部に固着され、枠部に振動を伝達する圧電体とを備え、枠部は梁部とその梁部の両端に位置する固定部とを有し、ミラー支持部は梁部の連結部において連結され、枠部は固定部において第2部材に固定され、圧電体は固定部と梁部とに跨って設けられ、圧電体と連結部との間の梁部に貫通孔が設けられたことを特徴とする。これにより、反射ミラーの振れ角を大きくした場合の梁部の強度低下を抑えることができる、という利点を有する。しかも、共振周波数を変えることなくミラー部の振れ角を大きくすることができる、という利点も有する。

0024

また、貫通孔を梁部に複数設けることにより、各貫通孔に発生する応力を分散し、梁部の強度低下をさらに抑えることができる、という利点を有する。

0025

また、複数の貫通孔を、揺動軸線に対して非対称となる位置に設けることにより、ねじり振動に加えて不要な縦振動まで発生してしまうことになるが、複数の貫通孔を揺動軸線に対して対称となる位置に設けることにより、望ましくない縦振動の発生を防止することができる、という利点を有する。

0026

また、貫通孔の領域を、梁部における圧電体と連結部との間の領域の5〜50%とすることにより、ミラー部の振れ角を大きくしつつも、梁部の強度低下を抑制することができる、という利点を有する。

0027

また、貫通孔を、圧電体から連結部までの距離の1/3以上の位置に設けることにより、より効果的にミラー部の振れ角を大きくすることができる、という利点を有する。

0028

また、貫通孔の形状を円形状とすることにより、貫通孔における応力集中を抑制し、梁部の強度低下をさらに抑えることができる、という利点を有する。

0029

また、枠部ミラー部を囲むように形成することにより、ミラー部の取り扱いが容易となり、第1部材と第2部材の張り合わせも容易となる、という利点を有する。

0030

また、圧電体を、梁部の両端の固定部の少なくとも一方の固定部と梁部とに跨って固着することにより、圧電体の使用数を減少させることができる、という利点を有する。

0031

また、圧電体を、梁部の両端の固定部と梁部との間にそれぞれ跨って固着することにより、ミラー部を安定して揺動させることができる、という利点を有する。

0032

また、上記光走査素子を備えた光走査装置、光走査型表示装置、網膜走査型画像表示装置とすることにより、光走査素子を小型化し、かつ光走査走査角を大きくとることができるので、装置全体コンパクトに構成することができる、という利点を有する。

0033

また、上記光走査素子における貫通孔を、ウェットエッチングすることによって形成することにより、貫通孔のエッジを滑らかにすることができ、従って、貫通孔における応力集中を抑制することができる、という利点を有する。その他本発明の効果は以下の実施の形態の説明において説明する。

発明を実施するための最良の形態

0034

本発明の実施形態における光走査素子は、ミラー部と、そのミラー部を支持するミラー支持部と、そのミラー支持部と連結して当該ミラー支持部を保持する枠部からなる第1部材と、両端に凸部を有し、その凸部において上記第1部材の枠部を固定する第2部材と、第1部材の枠部に固着された圧電体とから構成されている。第1部材の枠部は、更に梁部とその梁部の両端に位置する固定部からなり、ミラー支持部は梁部の長手方向中央に位置する連結部において連結しており、枠部はその固定部において第2部材の凸部に固定されている。圧電体は、固定部と梁部の連結部に向けて連結部を越えない所定位置まで延在して梁部と固定部とに跨って固着されている。そして、所定位置まで延在した圧電体と連結部との間の梁部に貫通孔が設けられている。

0035

圧電体が振動することにより、この振動が梁部に伝達され、梁部の連結点において連結するミラー支持部に捻れ変位を起こさせ、この捻れ変位によりミラー部に揺動を生じさせる。この場合、ミラー支持部はミラー部の揺動軸をなしている。ミラー部がミラー支持部からなる揺動軸を中心にして揺動振動することにより、ミラー部に入射した光は揺動周期に基づく周期反射光を走査する。

0036

第1部材は、ステンレス等の金属材料シリコン等の半導体材料により一体的に形成されている。即ち、ミラー部と、このミラー部を支持するミラー支持部と、このミラー支持部に連結して捻り変位を生じさせる枠部とは同一材料により一体的に形成されている。また、同一材料によらないで異なる材料により一体的に形成しても良い。ミラー部はその表面が光を反射する反射面を有している。アルミニュウムや銀の薄膜を形成して反射面とすることができる。

0037

第1部材を固定して保持する第2部材は、アルミニュウムなどの金属材料やプラスチックなどの材料により構成されている。第1部材と第2部材とは接着剤により固定されている。圧電体は、電圧印加により変形すPZTチタン酸ジルコン酸鉛)やチタン酸バリウム等の強誘電体を使用するのが望ましい。圧電体は、第1部材の枠部の固定部と梁部とに跨って接着剤、あるいは導電性接着剤により固着されている。

0038

また、梁部の強度低下を抑えるという観点から、貫通孔は梁部に複数設けることが好ましく、これらの貫通孔の領域は、梁部における圧電体と連結部との間の領域の5%以上でかつ50%を超えないように形成される。貫通孔の形状は、円形状とすることが好ましく、また、貫通孔はウェットエッチングで形成することが好ましい。ここで、「円形状」とは、角がない円形(真ん円や楕円)のほか、多角形(6角形や10角形など)を含む。なお、多角形は作りやすいが、応力集中を考えて、角数が多いことが望ましい。また、複数の貫通孔は、不要な振動の発生を防止するという観点から、揺動軸線に対して対称となる位置に設けることが好ましい。

0039

また、ミラー部の振れ角を大きくという観点から貫通孔の位置は、梁部における圧電体から連結部までの距離の1/3以上の位置とすることが好ましい。

0040

本発明の実施の形態における光走査表示装置は、画像信号に応じて変調された映像光束を生成する映像光生成部と、入射したこの映像光を走査して反射する上記光走査素子と、走査された映像光を結像させる光学系とから構成されている。より具体的には、映像信号を含む映像光を第1の光走査素子に入射させて、その映像信号に同期して反射光の水平走査を行い、その水平走査された反射光を第2の光走査素子に入射させて、その映像信号に同期して反射光の垂直走査を行い、その水平及び垂直走査された光を光学系に入射して結像させる。光走査型表示装置としては、投影型表示装置のほか、画像信号に応じて変調された光束を光走査素子により走査して網膜上に投影表示する網膜走査型画像表示装置などがある。

0041

以下、本実施形態における光走査素子について、図面を用いて詳細に説明する。

0042

図1は、本発明の実施の形態に係る光走査素子1を構成する各構成要素を説明するための模式的な分解斜視図であり、図2は、各構成要素を組み立てた光走査素子1を表す模式的な斜視図である。

0043

図1において、光走査素子1は、入射した光束を揺動する反射面により走査するために用いられる素子であり、第1部材8と、第1部材8を積層固定して保持する第2部材11と、第1部材8の2つの隅に固着される第1圧電体12a、第2圧電体12bとから構成されている。

0044

第1部材8は、反射面を有する反射ミラーであるミラー部2と、そのミラー部2に連結され、捻れ変位によりミラー部2に揺動を生じさせる揺動軸をなしてミラー部2を支持する第1ミラー支持部3a及び第2ミラー支持部3bと、これらミラー支持部3a,3bに連結してミラー部2を保持する枠部4とにより構成される。枠部4は、第1梁部5a及び第2梁部5bと、第1梁部5aの両端に位置する第1固定部6a及び第2固定部6bと、第2梁部5bの両端に位置する第3固定部6c及び第4固定部6d等から構成されている。ここで、第1ミラー支持部3aは第1梁部5aの第1連結部Qaと連結される。通常、第1ミラー支持部3aは第1梁部5aの長手方向中央部において連結される。第2ミラー支持部3bも同様に第2梁部5bの第2連結部Qbと連結される。第1梁部5aには、揺動軸線上にある第1連結部Qaに対して対称に第1貫通孔7a及び第2貫通孔7bが設けられる。また、同様に、第2梁部5bには、揺動軸線上にある第2連結部Qbに対して対称に第3貫通孔7c及び第4貫通孔7dが設けられる。

0045

第2部材11は底部9と両端部に設けた第1凸部10aと第2凸部10bとから構成されている。第1部材8と第2部材11とは、第1固定部6a及び第3固定部6cと第1凸部10aとを積層して接着剤により固定される。同様に、第2固定部6b及び第4固定部6dと第2凸部10bとを積層して接着剤により固定される。

0046

図2において、第1圧電体12aは第1梁部5aと第1固定部6aとに、第2圧電体12bは第1梁部5aと第2固定部6bとにそれぞれ跨って導電性接着剤により固定されている。ここで、第1貫通孔7aは、第1圧電体12aと第1連結部Qaとの間の第1梁部5aに設けられる。同様に、第2貫通孔7bは第2圧電体12bと第1連結部Qaとの間の第1梁部5aに、それぞれ設けられる。また、第1梁部5aと第2梁部5bとは、ミラー部2の中央で揺動軸Xと直交する線Yに対称に設けられており、第3貫通孔7c及び第4貫通孔7dは、この線Yに対して第1貫通孔7a及び第2貫通孔7bと対称の位置にそれぞれ設けられる。

0047

また、第1圧電体12aは第1配線14aと共通配線15及び導電性材料からなる枠部4を介して駆動回路13から交流電圧が印加される。同様に、第2圧電体12bは第2配線14bと共通配線15及び枠部4を介して駆動回路13から上記交流電圧とは逆相の交流電圧が印加されるように構成されている。各圧電体12a,12bは駆動回路13からの交流電圧により振動し、第1梁部5aと第2梁部5bに対してこの振動を伝達する。第1梁部5a及び第2梁部5bの振動により、第1ミラー支持部3a及び第2ミラー支持部3bに回転トルクを与えて捻れ変位を発生させ、各ミラー支持部の長手方向中心を揺動軸Xとしてミラー部2に揺動振動を発生させる。このミラー部2の揺動振動の周波数は、表示装置の水平走査に使用されるような高周波の場合には共振周波数となる。

0048

なお、上記実施の形態においては、第1部材8としてはステンレスを使用したが、これに限定されず、他の金属やシリコンなどの半導体材料、合成樹脂等を使用することができる。合成樹脂を使用する場合には、圧電体12a,12bが固着される表面に電極等を形成して圧電体12a,12bから電極を取り出しやすくする必要がある。また、ミラー部2は表面を鏡面に仕上げ、光の反射損失を低減するためのアルミニュウムや銀の薄膜を堆積し、あるいは、薄板を設置することが望ましい。また、圧電体12a,12bとしてPZT圧電体を使用しているが、これに限定されず、チタン酸バリウム等の圧電体を使用することができる。また、第2部材11としてアルミニュウムの金属を使用したが、これに限定されず、プラスチックやセラミックスを使用することができる。

0049

また、上記実施の形態においては、2つの圧電体12a,12bを使用したがこれに限定されず、例えば、図3(a)に示すように第1圧電体12aの1個のみを固着させても良いし、図3(b)に示すように第1圧電体12a,第2圧電体12b及び第3圧電体12cの3つの圧電体によりミラー部2を揺動させても良い。これら場合においても図2に示す光走査素子1と同様に、梁部の連結部と固定部との間の梁部の領域のうち、圧電体が固定されていない領域にも貫通孔が設けられる。例えば、図3(a)においては、第1圧電体12aと第1連結部Qaとの間の第1梁部5aに第1貫通孔7aが設けられる他、梁部の連結部と固定部との間の梁部の領域のうち、圧電体が固定されていない領域に第2貫通孔7b〜第4貫通孔7dが設けられる。なお、第2貫通孔7bは、揺動軸X線上に対して第1貫通孔7aと対称に設けられ、第3貫通孔7c及び第4貫通孔7dは、ミラー部2の中央で揺動軸Xと直交する線に対して第1貫通孔7a及び第2貫通孔7bと対称の位置にそれぞれ設けられる。

0050

また、図3(c)に示すように、第1圧電体12a,第2圧電体12b,第3圧電体12c及び第4圧電体12dの4つの圧電体によりミラー部を揺動させても良い。このように圧電体を第1部材8の4つの隅に固着することによって、図2に示す構成に比べ反射ミラーの振れ角を大きくすることができる。

0051

なお、図3(a)から図3(c)に示した各圧電体は上面から見て長方形の形状を有しているが、圧電体の形状は長方形に限定されない。図3(d)は、三角形の形状を有する第1圧電体12a’を第1固定部6aと第1梁部5aとに跨って固着した光走査素子1の上面図である。このように圧電体が固定部と梁部に跨って固定されていればよく、圧電体の平面形状は問わない。

0052

また、枠部4は、ミラー部2を取り囲むようにしてミラー部2の周囲に形成したが、第1ミラー支持部3a及び第2ミラー支持部3bと平行する手前側と奥側の枠部4を除去して、第1梁部5aとその両端の第1固定部6a及び第2固定部6bと、第2梁部5bとその両端の第3固定部6c及び第4固定部6dのみとすることができる。また、上記実施の形態においては、第1ミラー支持部3aと第2ミラー支持部3bの2つの支持部によりミラー部2を支持するが、これを、第1ミラー支持部3a又は第2ミラー支持部3bのみの片側支持の構成とすることができる。

0053

次に、光走査素子1の製造方法について説明する。第1圧電体12a及び第2圧電体12bは、バルクのPZT焼結体からダイシングにより切り出し、表面を研磨して所定の厚さ、例えば0.1mm〜0.3mmのPZTチップに加工する。次に、このPZTチップを加熱し、厚さ方向に電界を印加して分極処理を施す。分極したPZTチップを洗浄し、厚さ方向の一方の表面に真空蒸着法により金薄膜を堆積して一方の電極とする。

0054

第1部材8の材料としてステンレスを用いる。所定の厚さ、例えば10μm〜50μmのステンレス板の上にフォトレジストを形成し、フォトリソグラフィ工程により枠部4、第1ミラー支持部3aと第2ミラー支持部3b、及びミラー部2の上にレジストを残すようにパターニングを行う。次に酸によりウエットエッチング処理を施して、パターニングされた領域のステンレス板を残して枠部4とする。なお、貫通孔7a〜7dは、このウェットエッチング処理の工程により枠部4を形成する際に同時に形成される。また、第2部材11の材料としてアルミニュウムを用い、対向する2辺に第1凸部10aと第2凸部10bと底部9に加工する。第1及び第2凸部10a、10bの上辺と底部9との間の段差は、揺動するミラー部2の外周が接触しない十分な深さにする。なお、第1部材8の加工は、フォトリソグラフィ処理及びウェットエッチング処理の他に、打ち抜き加工により形成することができる。

0055

次に、第1圧電体12a及び第2圧電体12bを枠部4の固定部と梁部に跨って固着させる。各圧電体の金薄膜が形成されていない面に銀含有の導電性接着剤を均一に塗布して枠部4の所定の位置2箇所に張り合わせる。次に、枠部4の第1固定部6a〜第4固定部6dと第2部材11の第1凸部10a及び第2凸部10bの各隅部とを銀含有エポキシ系接着剤により張り合わせる。次に、これら張り合わされた第1圧電体12a及び第2圧電体12b、第1部材8及び第2部材11を乾燥機オーブン)に投入して100℃〜150℃、約30分間保持して接着固定し、冷却後に乾燥機から取り出す。第1部材8と第2部材11は導電性接着剤により接着しているので、圧電体を駆動する電極は圧電体の表面の金薄膜と枠部4又は第2部材11から取り出すことができる。

0056

なお、上記実施の形態において、第1部材8はステンレスを使用したが、これをシリコン、チタン、銅、ニッケルタングステン等の半導体や金属を使用することができる。また、圧電体はバルクのPZT焼結体からダイシングにより切り出したが、これを、エアロゾルデポジット法ゾルゲル法などによりミラー部2に直接薄膜圧電体を形成することができる。

0057

次に、光走査素子1における共振周波数及びミラー部の振れ角と貫通孔との関係を具体的に説明する。

0058

図4(a)は本実施の形態における光走査素子1の平面図であり、図4(b)は図4(a)のY—Y’部分の断面図である。図4(a),(b)に示すように、第1圧電体12a及び第2圧電体12bは同一形状であり、長さ(P1+P2)の薄い板状の長方形を有している。第1圧電体12aは第1固定部6aにP1の長さで、第1梁部5aにはP2の長さで跨って固着されている。第2圧電体12bは第2固定部6bにP1の長さで、第1梁部5aにはP2の長さで跨って固着されている。ここで、第1圧電体12aと第1連結部Qaとの間の第1梁部5aの長さをL1とする。同様に、第2圧電体12bと第1連結部Qaとの間の第1梁部5aの長さをL1とする。また、第1圧電体12aと第1貫通孔7aとの間の第1梁部5aの長さをL2とし、第1貫通孔7aの長さをL3とする。同様に、第2圧電体12bと第2貫通孔7bとの間の第1梁部5aの長さをL2とし、第2貫通孔7bの長さをL3とする。ここでは、一例として、P1=1mm,P2=3mm,L=2.47mmとし、固定部や梁部を構成する第1部材8の厚さを50μmとした光走査素子1について、貫通孔の有無で実験した結果を以下に示す。

0059

貫通孔7a〜7dがない従来の光走査素子(従来モデルA)におけるミラー部の振れ角特性と、図2及び図4に示す貫通孔7a〜7dがある本実施形態の光走査素子1(新規モデルA)のミラー部2の振れ角特性を表1に示す。なお、新規モデルAは、図4において、L2=1.845mm,L3=0.625mmとする。

0060

0061

上記表1に示すように、貫通孔7a〜7dがある新規モデルAは、貫通孔7a〜7dがない従来モデルAに比べミラー部2の振れ角が大きくなっており、しかも、共振周波数は略同一であることがわかる。このように本実施形態における光走査素子1では、貫通孔によってミラー部2の振れ角を大きくすることができ、しかも共振周波数が変わらないことから、従来の光走査素子のようにミラー部の振れ角を調整しつつ共振周波数を調整していたのに比べて、光走査素子の設計が容易となる。

0062

次に、光走査素子1におけるミラー部2の振れ角と貫通孔の位置との関係を具体的に説明する。

0063

図5及び図6は、上記新規モデルAと貫通孔7a〜7dの長さL3を同一としつつも、圧電体からの距離L2を異ならしめたものである。新規モデルAは上述のようにL2=1.845mmである光走査素子、図5(a)はL2=1.5mmである光走査素子(新規モデルB)、図5(b)はL2=1.355mmである光走査素子(新規モデルC)、図5(c)はL2=1.02mmである光走査素子(新規モデルD)、図5(d)はL2=0.75mmである光走査素子(新規モデルE)、図6(a)はL2=0.5mmである光走査素子(新規モデルF)、図6(b)はL=0.188mmである光走査素子(新規モデルG)、図6(c)はL=0mmである光走査素子である。

0064

上記新規モデルA〜Fについてのミラー部の振れ角特性を表2に示す。

0065

0066

ここで、上記新規モデルA〜Fの結果から変位変化率(従来モデルAを1としたときのミラー部の振れ角比率)と圧電体から貫通孔までの距離との関係をグラフ化したものを図7に示す。貫通孔7a,7bは、圧電体から遠い方がミラー部2の振れ角が大きいことがわかる。一方、圧電体に最近接した場合には、逆に貫通孔7a〜7dを設けない光走査素子よりもミラー部2の振れ角が小さくなることがわかった。特に、貫通孔7a,7bの位置は、第1及び第2圧電体12a,12bから第1連結部Qaまでの距離(ここでは、L1=2.47mm)の1/3(ここでは、約0.85mm)以上の位置に設けることが望ましく、これにより貫通孔7a〜7dがない光走査素子に比べ約140%以上の振れ角向上を図ることができる。なお、上述のように貫通孔7c,7dは、貫通孔7a,7bと同等の位置にあり、これらの貫通孔7c,7dについても同様である。

0067

次に、光走査素子1におけるミラー部2の振れ角と貫通孔の大きさとの関係を説明する。図8(a)〜(d)は、貫通孔7a〜7dの長さL3を異ならしめたものである。図8(a)はL3=0.1875mmである光走査素子(新規モデルI)、図8(b)はL3=0.625mmである光走査素子(新規モデルJ)、図8(c)はL3=1.25mmである光走査素子(新規モデルK)、図8(d)はL2=1.875mmである光走査素子(新規モデルL)である。なお、各モデルの貫通孔7a〜7dは、連結部Qa,Qbに接した状態である。また、新規モデルJは新規モデルAと同等の形状であるが、説明の便宜上新規モデルJとしている。

0068

上記新規モデルI〜Lについてのミラー部2の振れ角特性を表3に示す。なお、ここでの開口率とは、梁部における圧電体12a,12bと第1連結部Qaとの間の各領域の面積に対する、貫通孔の領域が占める割合を意味する。また、貫通孔7c,7dは、上述のように貫通孔7a,7bと同等の位置にある。

0069

0070

この表3からわかるように、貫通孔7a,7bの領域が大きいほどミラー部2の振れ角が大きいことがわかる。但し、開口率が50%を超えるとエッチングパーツとしての強度が不足することになることから、開口率は50%以内とすることが好ましい。また、開口率が5%以下ではミラー部2の振り角の向上が余り望めないことから開口率は5%以上とすることが望ましい。また、鋭意検討の結果、ミラー部2の振れ角向上及びエッチングパーツとしての強度低下防止の観点から開口率は10%〜40%とすることが好ましく、さらに好ましくは、15%〜35%であった。

0071

次に、光走査素子1におけるミラー部の振れ角と貫通孔の数との関係を説明する。図9は、貫通孔の総面積を同一とし、その領域を上記新規モデルCと略同一の位置としてこの領域に貫通孔の個数を変えた光走査素子の例を示している。図9(a)は貫通孔の数を上下2つずつとした光走査素子(新規モデルM)、図9(b)は貫通孔の数を上下3つずつとした光走査素子(新規モデルN)、図9(c)は貫通孔の数を上下4つずつとした光走査素子(新規モデルO)である。なお、本実施形態において、貫通孔の総面積とは、固定部と梁部との間のそれぞれの領域に設けられる貫通孔の面積の各領域ごとの合計である。例えば、第1圧電体12aと第1連結部Qaとの間にある第1貫通孔7aの面積(第1貫通孔7aが複数の貫通孔で構成される場合にはそれらの合計の面積)を意味する。また、第2圧電体12bと第1連結部Qaとの間にある第2貫通孔7bの面積(第2貫通孔7bが複数の貫通孔で構成される場合にはそれらの合計の面積)を意味する。ここでは各領域の貫通孔の総面積を同一としている。

0072

上記新規モデルC,M〜Oについての貫通孔エッジに発生する応力値の比較結果を表4に示す。なお、応力値の比較結果は、新規モデルCの応力値を基準とした場合の例を示している。ここで、貫通孔エッジに発生する応力値とは、光走査素子1にミラー部2を揺動させるときに貫通孔のエッジ部分に発生する応力の値である。

0073

0074

上記表4からわかるように、貫通孔の総面積を一定とした場合、光走査素子1にミラー部2を揺動させるときに発生する応力値は、貫通孔の個数が多くなると低下する傾向が見られる。一方で、ミラー部2の振れ角は貫通孔の総面積が一定であれば貫通孔の個数に関係なく略一定であった。従って、貫通孔のエッジに発生する応力低減の観点から、貫通孔の個数は多いことが望ましい。貫通孔のエッジに発生する応力が大きい場合には、その応力集中箇所からマイクロクラックが発生する恐れがあり、光走査素子1の破壊につながるからである。なお、本実施形態において貫通孔の数とは、固定部と梁部との間のそれぞれの領域に設けられる各領域ごとの貫通孔の数であり、例えば、第1圧電体12aと第1連結部Qaとの間にある貫通孔の数を、第2圧電体12bと第1連結部Qaとの間にある貫通孔の数をそれぞれ意味しており、ここでは各領域の貫通孔の数を同一としている。

0075

次に、光走査素子1における貫通孔7a〜7dの対称性について説明する。図10(a)は長さL3=1.025の第1貫通孔7aを連結部Qaから1.95mmのところに配置し、長さL3=0.625の第2貫通孔7bを連結部Qaから1.72mmのところに配置した光走査素子(新規モデルP)、図10(b)は長さL3=0.625の第1貫通孔7aを連結部Qaから1.72mmのところに配置し、長さL3=0.625の第2貫通孔7bを連結部Qaから1.72mmのところ3つ配置した光走査素子(新規モデルQ)である。なお、第3貫通孔7cは第2梁部5bに第1貫通孔7aと同等の位置及び大きさで配置され、第4貫通孔7dは第2梁部5bに第2貫通孔7bと同等の位置及び大きさで配置される。

0076

新規モデルP,Qのミラー部2を振動させたところ、捩れ振動に加えて縦振動が発生した。図11は、貫通孔が非対称である新規モデルPと貫通孔が対称の新規モデルBにおけるミラー部2の変位推移を示している。このように縦振動が発生するとミラー部2の振れ角が安定せず、またミラー部2を振動させているときに第1梁部5a及び第2梁部5bにかかる応力が大きくなるといった問題が発生する。従って、第1貫通孔7aと第2貫通孔7bとは同一形状とし、揺動軸X線上を中心として対称となる位置に配置することが望ましい。また、第3貫通孔7cと第4貫通孔7dも同様に、同一形状とし、揺動軸X線上を中心として対称となる位置に配置し、さらに、第1貫通孔7a及び第2貫通孔7bと第3貫通孔7c及び第4貫通孔7dとは、ミラー部2の中心で揺動軸Xと直交する線に対して対称となるように配置することにより、ミラー部2に安定した振動を発生することができる。

0077

次に、光走査素子1における貫通孔7a〜7dの形状と発生応力との関係を説明する。図12は貫通孔7a〜7dの形状を円形状の貫通孔とした光走査素子(新規モデルR)の例を示しており、新規モデルBと同等の位置に貫通孔を配置している。この新規モデルRの応力発生値は、新規モデルBの応力発生値を1とすると、0.76であった。従って、貫通孔7a〜7dの形状を円形状とすることによって、より発生応力を抑えることができる。

0078

図13は、レーザープリンタに用いられる光走査装置25に上記光走査素子1を用いた模式的なブロック図である。同一の部分又は同一の機能の部分には同一の符号を付した。

0079

図13において、画像を形成するための変調信号を入力したレーザー光源26はレーザービームを光走査素子1に照射する。光走査素子1のミラー部2に入射したレーザービームは揺動軸に対して直角方向に走査される。走査されたレーザービームはFθレンズ27を通過して凹面鏡29により反射されて回転ドラム上の感光体28に照射し、感光体28に静電潜像を形成する。回転ドラムが回転してこの静電潜像を図示しない複写紙に複写する。ここで、光走査素子1は、上記図1から図12により説明した光走査素子1を用いている。また、Fθレンズ27は、回転ドラム表面の感光体28をレーザービームが走査する走査速度を補正するために設けられているが、変調信号と揺動速度を調節することにより、除去することができる。

0080

図14によりレーザープリンタに用いられる光走査装置25の実施の形態を説明したが、1次元又は2次元バーコード読み取り装置等においても光走査装置が使用され、この光走査装置に上記図1から図12により説明した光走査素子1を使用することができる。

0081

図14は、上記光走査素子1を用いた網膜走査型表示装置30のブロック図である。同一
の部分又は同一の機能の部分には同一の符号を付した。

0082

図14において、網膜走査型表示装置30は観察者眼球48の網膜50上に映像を直接結像する。青色の光を発光するBレーザー37、緑色の光を発光するGレーザー38及び赤色に光を発光するRレーザー39から出射した映像光はコリメート光学系40により平行光となり、ダイクロイックミラー41により合成され、結合光学系42により集光されて光ファイバー49に導入される。光ファイバー49から出射した映像光はコリメート光学系43を介して上記図1から図12を用いて説明した光走査素子1のミラー部2に照射される。ミラー部2は水平走査駆動回路44により駆動されて揺動振動し、反射光を水平走査する。水平走査された映像光はリレー光学系45を介してガルバノミラー51に照射される。ガルバノミラー51は磁界により鏡面が揺動して反射光を垂直方向に走査する。ガルバノミラー51から反射した映像光は第2のリレー光学系53を介して眼球48の網膜50の上に結像される。

0083

映像信号供給回路33は映像信号を入力して青(B)色、緑(G)色及び赤(R)色に対応する画像信号をBレーザー駆動回路34、Gレーザー駆動回路35及びRレーザー駆動回路36のそれぞれに出力する。Bレーザー37はBレーザー駆動回路34からの駆動信号に基づいて光強度が変調されたB色のレーザー光を出射する。Gレーザー38及びRレーザー39も同様に各画像信号に基づいて光強度が変調された各色のレーザー光を出射する。

0084

映像信号供給回路33は画像信号に同期した同期信号を水平走査駆動回路44及び垂直走査駆動回路46に出力する。水平同期信号回路31は水平走査駆動回路に水平同期信号を出力し、垂直同期信号回路32は垂直走査駆動回路46に垂直同期信号を出力する。水平走査駆動回路44は光走査素子1に駆動信号を出力してミラー部2を揺動振動させる。この場合の揺動はミラー部2の共振振動に基づく。フォトセンサー55は水平走査駆動回路44により水平走査された光の一部を受光して電気信号に変換し、BD信号検出回路47に出力する。BD信号検出回路47は水平走査のタイミングを検出して映像信号供給回路33にタイミング信号を出力し、映像信号供給回路33は入力したタイミング信号により映像信号の開始タイミングを正確に決定する。

0085

なお、上記網膜走査型表示装置30において、垂直走査をガルバノミラー51としたが、これに上記光走査素子1を用いることができる。垂直走査の周波数は例えば60Hz程度と低くなる。従って、ミラー部の揺動は、共振振動を利用しないで電気信号による捩れ角制御により行う。

0086

また、図14においては光走査素子1を網膜走査型表示装置30に適用した例を説明したが、第2のリレー光学系53を投射レンズ系に変更し、眼球48に変えて投影スクリーンあるいは建物の壁などとすれば、投射型の光走査型表示装置とすることができる。図14の実施の形態においてはRGBフルカラーの表示装置であるが、例えば1色又は2色のレーザー光源を走査して大画面用の光走査型表示装置を得ることができる。

図面の簡単な説明

0087

本発明の実施形態に係る光走査素子の構成要素を表す説明図である。
本発明の実施形態に係る光走査素子を表す模式的な斜視図である。
本発明の他の実施形態に係る光走査素子を表す上面図である。
本発明の他の実施形態に係る光走査素子を表し、図4(a)が上面図、図4(b)が断面図である。
貫通孔の位置を変えた光走査素子を表す模式的な斜視図である。
貫通孔の位置を変えた光走査素子を表す模式的な斜視図である。
貫通孔の位置とミラー部の変位変化率との関係を表すグラフである。
貫通孔の大きさを変えた光走査素子を表す模式的な斜視図である。
貫通孔の数を変えた光走査素子を表す模式的な斜視図である。
複数の貫通孔を非対称にした光走査素子を表す模式的な斜視図である。
複数の貫通孔を非対称に配置した光走査素子のミラー部の変位推移と複数の貫通孔を対称に配置した光走査素子のミラー部の変位推移とを示す図である。
貫通孔の形状を円形状にした光走査素子を表す模式的な斜視図である。
本発明の実施形態に係る光走査装置を表す概念図である。
本発明の実施形態に係る網膜走査型表示装置のブロック図である。
従来公知の光走査素子を示す斜視図である。
従来公知の光走査素子を用いて投射する状態を表す説明図である。

符号の説明

0088

1光走査素子
2ミラー部
3a 第1ミラー支持部
3b 第2ミラー支持部
4 枠部
5a 第1梁部
5b 第2梁部
6a 第1固定部
6b 第2固定部
6c 第3固定部
6d 第4固定部
7a 第1貫通孔
7b 第2貫通孔
7c 第3貫通孔
7d 第4貫通孔
8 第1部材
9 底部
11 第2部材
12a 第1圧電体
12b 第2圧電体
25光走査装置
Qa 第1連結部
Qb 第2連結部

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