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技術 グリッド内の突然の電圧変化における風力発電プラントの運転方法

出願人 ノルデックス・エナジー・ゲーエムベーハー
発明者 マティアス・チュルケグンナー・シュミットトーマス・フレーゼエーベルハルト・フォス
出願日 2007年12月13日 (11年7ヶ月経過) 出願番号 2007-322374
公開日 2008年7月10日 (11年0ヶ月経過) 公開番号 2008-161046
状態 特許登録済
技術分野 発電機の制御
主要キーワード 変向点 反作用効果 電源グリッド 保護措置 駆動トレーン 主変換器 風力発電プラント ロータ領域
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

グリッド電圧の突然の変化に起因する風力発電プラントコンポーネントのこれらの機械的応力を低減させる風力発電プラントの運転方法を提供する。

解決手段

駆動モーメント発電機へ駆動トレーンを介して伝達するロータを有する風力発電プラントを運転するための方法であって、上記発電機は、上記駆動モーメントの反対側へ作用する予め設定可能な発電機のモーメントをもたらし、かつグリッド接続可能である。本方法は、上記グリッド内の突然の電圧変化の後、上記発電機のモーメントが上記駆動トレーンのねじり振動位相位置に依存して制御されることを特徴とする。

概要

背景

このような風力発電プラントは、通常、電気事業施設電源グリッドへ接続され、電力をこの電源グリッドへ供給する。風力発電プラントはそうすることで有効電力及び無効電力を供給し、おそらくは電源グリッドの安定化に貢献することができる。

電気事業施設の風力発電プラントに対する要求は、詳細なグリッド接続規則明記されている。この点に関しては、近年、グリッド内電圧降下時の風力発電プラントの運転に対する要求が大幅に変化している。過去には、風力発電プラントは電圧降下に際して可能な限り早急にグリッドから分離されなければならなかったが、現在のグリッド接続規則は、所定の電圧降下では風力発電プラントがグリッドに接続されたままに維持され、無効電力の供給を通じてグリッドがサポートされなければならない、と規定している。例えば、グリッド接続規則は、グリッドに残る電圧定格電圧の15%を超えていて、所定の時間を超えない電圧降下では、風力発電プラントはグリッドから分離されるべきでない、と規定する場合がある。

しかしながら、風力発電プラントがグリッドの電圧の突然の変化の間にもグリッドへ接続されたままである場合は、その電気コンポーネントの損傷または破壊を回避するために特殊な保護措置が講じられなければならない。

対応する保護デバイスを有する発電ステム及び上記発電システムの運転方法は、WO 2004/030199から知られる。この既知の発電システムは、グリッドに結合されるステータコイル及び少なくとも1つのロータ・コイルを備える二重給電三相発電機を有する。上記既知の方法では、グリッドの突然の電圧変化の検出後、ステータ回路内の電流高速カットオフユニット活動化を介して中断される。その後、発電機は再び実際のグリッド電圧に同期され、グリッドとステータとの間に再び電流が流れる。発電システムのコンポーネント電気過負荷は、この措置を通じて回避される。

しかしながら、このような発電システムを風力発電プラントにおいて使用する場合は、電圧変化の間に発生する機械的応力も考慮されなければならない。例えば、発電機のモーメントの最も顕著で急激な変化は突然の電圧変化の結果として発生するが、これは、例えば、風力発電プラントの可動部品の大きい遅れ係数に関連して、駆動トレーンエレメントの高い機械的応力に繋がる。

概要

グリッド電圧の突然の変化に起因する風力発電プラントのコンポーネントのこれらの機械的応力を低減させる風力発電プラントの運転方法を提供する。駆動モーメントを発電機へ駆動トレーンを介して伝達するロータを有する風力発電プラントを運転するための方法であって、上記発電機は、上記駆動モーメントの反対側へ作用する予め設定可能な発電機のモーメントをもたらし、かつグリッドへ接続可能である。本方法は、上記グリッド内の突然の電圧変化の後、上記発電機のモーメントが上記駆動トレーンのねじり振動位相位置に依存して制御されることを特徴とする。

目的

この点を踏まえて、本発明の目的は、グリッド電圧の突然の変化に起因する風力発電プラントのコンポーネントのこれらの機械的応力を低減させる風力発電プラントの運転方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

駆動モーメント発電機へ駆動トレーンを介して伝達するロータを有する風力発電プラント運転するための方法であって、上記発電機は、上記駆動モーメントの反対側へ作用する予め設定可能な発電機のモーメントをもたらしかつグリッド接続可能であり、上記グリッド内の突然の電圧変化の後、上記発電機のモーメントは上記駆動トレーンのねじり振動位相位置に依存して制御されることを特徴とする方法。

請求項2

上記発電機のモーメントは上記突然の電圧変化の発生後最小値をとり、かつ上記駆動トレーンのねじり振動の位相位置に依存する時点で上記最小値から増大し始めることを特徴とする、請求項1記載の方法。

請求項3

上記時点は、上記駆動モーメントが正で増大する時間間隔内に存在することを特徴とする、請求項2記載の方法。

請求項4

上記時点は、上記駆動モーメントの時間コース変向点にほぼ一致することを特徴とする、請求項3記載の方法。

請求項5

上記発電機のモーメントは、上記突然の電圧変化に続く駆動モーメントが正でありかつ増大している複数の時間間隔において増大され、かつ駆動モーメントが低減している、または負である時間間隔においてほぼ一定に維持されることを特徴とする、請求項2から4のいずれか1つに記載の方法。

請求項6

上記発電機のモーメントは、予め決められた所望される値に達するまで増大されることを特徴とする、請求項2から5のいずれか1つに記載の方法。

請求項7

上記発電機のモーメントは減衰しながら増大し、その時定数は、上記駆動トレーンの振動周波数に依存することを特徴とする、請求項1から6のいずれか1つに記載の方法。

請求項8

上記時定数の大きさは、上記発電機のモーメントの増大が上記駆動トレーンのねじり振動の4分の1周期内に実質的に完了するように決められることを特徴とする、請求項7記載の方法。

請求項9

上記駆動トレーンのねじり振動の位相位置は、上記駆動モーメントの連続する直接的測定によって検出されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1つに記載の方法。

請求項10

上記駆動トレーンのねじり振動の位相位置は、上記駆動トレーンまたは駆動トレーン・エレメントの回転速度の連続測定を介して検出されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1つに記載の方法。

請求項11

上記駆動トレーンのねじり振動の位相位置は、上記ロータまたは駆動トレーン・エレメントの加速度の連続測定を介して検出されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1つに記載の方法。

請求項12

上記駆動トレーンのねじり振動の位相位置の検出は、上記発電機において連続して測定された電流値及び/または電圧値分析を介して行われることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1つに記載の方法。

請求項13

上記駆動トレーンのねじり振動の位相位置は、連続して測定される値の大きさの外挿を介して決定されることを特徴とする、請求項9から12のいずれか1つに記載の方法。

請求項14

上記駆動トレーンのねじり振動の固有振動数は測定または計算され、上記ねじり振動の位相位置は、上記固有振動数及び突然の電圧変化の時点を基礎として決定されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか1つに記載の方法。

請求項15

上記発電機のモーメントは、突然の電圧変化の発生後の時間間隔でほぼ値ゼロをとることを特徴とする、請求項1から14のいずれか1つに記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、駆動モーメント発電機へ駆動トレーンを介して伝達するロータを有する風力発電プラント運転方法に関し、発電機は駆動モーメントとは反対側へ作用する予め設定可能な発電機のモーメントをもたらし、かつグリッド接続可能である。

背景技術

0002

このような風力発電プラントは、通常、電気事業施設電源グリッドへ接続され、電力をこの電源グリッドへ供給する。風力発電プラントはそうすることで有効電力及び無効電力を供給し、おそらくは電源グリッドの安定化に貢献することができる。

0003

電気事業施設の風力発電プラントに対する要求は、詳細なグリッド接続規則明記されている。この点に関しては、近年、グリッド内電圧降下時の風力発電プラントの運転に対する要求が大幅に変化している。過去には、風力発電プラントは電圧降下に際して可能な限り早急にグリッドから分離されなければならなかったが、現在のグリッド接続規則は、所定の電圧降下では風力発電プラントがグリッドに接続されたままに維持され、無効電力の供給を通じてグリッドがサポートされなければならない、と規定している。例えば、グリッド接続規則は、グリッドに残る電圧定格電圧の15%を超えていて、所定の時間を超えない電圧降下では、風力発電プラントはグリッドから分離されるべきでない、と規定する場合がある。

0004

しかしながら、風力発電プラントがグリッドの電圧の突然の変化の間にもグリッドへ接続されたままである場合は、その電気コンポーネントの損傷または破壊を回避するために特殊な保護措置が講じられなければならない。

0005

対応する保護デバイスを有する発電システム及び上記発電システムの運転方法は、WO 2004/030199から知られる。この既知の発電システムは、グリッドに結合されるステータコイル及び少なくとも1つのロータ・コイルを備える二重給電三相発電機を有する。上記既知の方法では、グリッドの突然の電圧変化の検出後、ステータ回路内の電流高速カットオフユニット活動化を介して中断される。その後、発電機は再び実際のグリッド電圧に同期され、グリッドとステータとの間に再び電流が流れる。発電システムのコンポーネント電気過負荷は、この措置を通じて回避される。

0006

しかしながら、このような発電システムを風力発電プラントにおいて使用する場合は、電圧変化の間に発生する機械的応力も考慮されなければならない。例えば、発電機のモーメントの最も顕著で急激な変化は突然の電圧変化の結果として発生するが、これは、例えば、風力発電プラントの可動部品の大きい遅れ係数に関連して、駆動トレーンのエレメントの高い機械的応力に繋がる。

発明が解決しようとする課題

0007

この点を踏まえて、本発明の目的は、グリッド電圧の突然の変化に起因する風力発電プラントのコンポーネントのこれらの機械的応力を低減させる風力発電プラントの運転方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

この目的は、特許請求項1に記載されている特徴を有する方法によって達成される。

0009

本発明による方法は、駆動モーメントを発電機へ駆動トレーンを介して伝達するロータを有する風力発電プラントの運転に寄与する。上記発電機は、駆動モーメントとは反対側へ作用する予め設定可能な発電機のモーメントをもたらしかつグリッドへ接続可能であり、グリッド内の突然の電圧変化の後、発電機のモーメントは駆動トレーンのねじり振動位相位置に依存して制御される。

0010

本方法の基礎は、電圧変化に関連する発電機のモーメントの突然の変化により、グリッド内の突然の電圧変化は、特に、風力発電プラントの駆動トレーンの機械的振動に繋がる可能性がある、という調査結果にある。この場合の駆動トレーンは、ロータ軸及び発電機軸及び相互に接続されるギヤボックスを備えていてもよい。一方で、ギヤボックスのない風力発電プラントの場合、駆動トレーンは実質的に、発電機をロータに接続する連続した軸から成る。

0011

駆動モーメントはロータによりロータ軸上へかけられるトルクであり、風力から引き出される。予め設定可能な発電機のモーメントはロータによる発電機の駆動力に等しく、この駆動モーメントに対向して作用する。これらのモーメントの定義において、駆動モーメント及び発電機のモーメントは、正常運転では正のモーメントである。グリッド内の突然の電圧変化は、例えばグリッド誤差の結果としての電圧降下である場合もあるが、グリッド電圧のかなりの量が減衰する別の理由で発生することもあり、例えば、電圧降下は最終的にグリッド電圧の30%以上になることがある。しかしながら、上記突然の電圧変化は、先に電圧降下を引き起こした可能性のある欠陥が除去された後のグリッドにおける突然の電圧上昇であることもある。

0012

観察及び計算の結果、発電機のモーメントの突然の変化によりトリガされる駆動トレーンのモーメントのねじり振動は、正常運転で伝達される定格モーメントに類似する大きさに達するほど多大な振幅を有する可能性のあることが証明されている。これにより、駆動モーメント及び発電機のモーメントは、高いピーク値及び負の値をもとることができる。これらのねじり振動の位相位置を考慮すれば、駆動トレーン及び駆動トレーンに接続される風力発電プラントのコンポーネントに発生する全体的なモーメント応力を大幅に下げることができる。

発明を実施するための最良の形態

0013

本発明の好適な一実施形態によれば、発電機のモーメントは突然の電圧変化発生の後に最小値をとり、駆動トレーンのねじり振動の位相位置に依存する一時点でこの最小値から増大し始める。本発明のこの実施形態において、機械的応力は、具体的には発電機のモーメントが増大する時点から影響されることが発見されている。上記応力は、この時点が駆動トレーンのねじり振動の位相位置に従って選択される際に意図的に低減されてもよい。

0014

本発明の好適な一実施形態では、上記時点は、駆動モーメントが正であって増大する時間間隔内に存在する。上記増大は正であり、即ち、駆動モーメントは正の勾配を有する。従って、発電機のモーメントの増大は、駆動モーメントの増大と同時に発生する。これにより、発電機のモーメントの増大による駆動トレーンの振動の相殺が達成される。その結果、上記振動は発電機のモーメントの意図的な制御を介して減衰される。この場合、駆動モーメントはロータ領域内のロータ軸に作用するトルクであり、同じく駆動トレーンのねじり振動の反作用効果を介する振動ともなる。

0015

本発明のさらなる好適な実施形態によれば、上記時点は、駆動モーメントの時間コースにおける変向点にほぼ一致する。この場合、ねじり振動を相殺する発電機のモーメントは、ねじり動作の加速がその方向を反転する瞬間に有効になる。従って、ねじり振動の特に有効な減衰が達成される。

0016

好適には、発電機のモーメントの増成は、変向点に続いて駆動モーメントが最大になる時点で既に実質上完了している。しかしながら、モーメント増成の可能速度は限定的であり、よって、状況によっては、モーメントの増成は変向点からこれに続く最大時点までの好ましい時間間隔内で完全に実行され得ない。従って、本発明の好適な一実施形態では、発電機のモーメントは、突然の電圧変化に続いて駆動モーメントが正でありかつ増大している複数の時間間隔において増大され、駆動モーメントが低減している、または負である時間間隔においてほぼ一定に維持される。従って、駆動モーメントが低減している、または負である時間間隔では、発電機のモーメントの増大は、駆動トレーンのねじり振動の励起を回避するために事実上停止される。発電機のモーメントの変更は、発電機のモーメントの増大がねじり振動を相殺する時間間隔においてのみ行われる。システムの機械的応力は、これを通じて最小化されることが可能であり、ねじり振動は可能な限り迅速に低減される。任意選択として、発電機のモーメントの増成は、ねじり振動の「正の半波」全体に亘って、即ち、駆動モーメントの減衰勾配における変向点に至るまで実行されてもよい。モーメント増成の限定された最大可能速度では、モーメントは上記速度によるより少数振動周期において、延てはより短時間で増成されてもよい。

0017

本発明の好適な一実施形態によれば、発電機のモーメントは、予め決められた所望の値に達するまで増大される。好適には、本方法は、風力発電プラントが再び正常運転になるまで実行される。

0018

原則的には、発電機のモーメントの増大は、例えば線形的または指数関数的である任意のコースで発生してもよい。本発明の好適な一実施形態では、発電機のモーメントは、減衰しながら増大し、その時定数は、駆動トレーンの振動周波数に依存する。これにより、発電機のモーメントの増大速度と駆動トレーンの振動速度との一致が達成される。駆動トレーンの振動は、これによって特に効果的に減衰され、さらなる振動モードの励起が防止される。

0019

本発明のさらなる実施形態によれば、上記時定数の大きさは、発電機のモーメントの増大が駆動トレーンのねじり振動の4分の1周期内に実質的に完了するように決められる。例えば、発電機のモーメントの所望される値の3/4までの増大は、この時間間隔内に実行されてもよい。これを実行することにより、かなりの割合の発電機のモーメントがねじり振動の最初の周期において既に到達され、よって、風力発電プラントは、ねじり振動に追加の励起を生じさせることなく高い発電機のモーメントでの作動に極めて迅速に復帰する。

0020

本発明のさらなる好適な実施形態によれば、駆動トレーンのねじり振動の位相位置は、駆動モーメントの連続する直接的測定によって検出される。この測定は、例えば、ロータ軸上の張力計ストリップを使用して実行されてもよい。

0021

本発明のさらなる好適な実施形態では、駆動トレーンのねじり振動の位相位置は、駆動トレーンまたは駆動トレーン・エレメントの回転速度の連続測定を介して検出される。従って、発電機のモーメントの制御は、回転速度の測定値を基礎として実行されてもよい。

0022

本発明のさらなる好適な実施形態では、駆動トレーンのねじり振動の位相位置は、駆動トレーン・エレメントのロータ加速度の連続測定を介して検出される。

0023

本発明のさらなる好適な実施形態によれば、駆動トレーンのねじり振動の位相位置の検出は、発電機において連続して測定された電流値及び/または電圧値分析を介して行われる。例えば、発電機のモーメントは、発電機上の電流値及び/または電圧値から決定されてもよい。発電機のモーメントは、駆動トレーンのねじり振動に影響される。駆動モーメントのコース及び位相位置は、これから、適切な数学的モデルを基礎として計算されてもよい。

0024

本発明のさらなる好適な実施形態によれば、駆動トレーンのねじり振動の位相位置は、連続して測定される値の大きさ(magnitude)の外挿(extrapolatio)を介して決定される。従って、発電機のモーメントを制御する最適な時点は測定データを基礎として予想されるが、上記データは、常に測定プロセス及びデータ分析による所定の遅延を含んでいる。これにより、発電機のモーメントの制御精度を高めることができる。

0025

本発明のさらなる好適な実施形態によれば、駆動トレーンのねじり振動の固有振動数が測定または計算され、ねじり振動の位相位置は、この固有振動数及び突然の電圧変化の時点を基礎として決定される。この場合は、ねじり振動の位相位置の高価な測定を回避することができ、代わりに、風力発電プラントの駆動トレーンの既知の機械特性を基礎として発電機のモーメントの増大を予め設定することができる。

0026

本発明のさらなる好適な実施形態では、発電機のモーメントは、突然の電圧変化の発生後の時間間隔でほぼ値ゼロをとる。これにより、発電機のモーメントの特に滑らかな始動が可能になる。

0027

以下、本発明を、4つの図に表すその2つの実現例によってさらに詳しく説明する。

0028

図1は、駆動モーメントのコース、即ち、外部の風からロータ軸上へ作用する風力発電プラントのトルクのコースを表す。下側の図は、発電機のモーメントのコースを表す。

0029

図1における双方の図に共通する時間軸は、約1秒の時間間隔を表している。表に示したモーメントのコースは、シミュレーションの計算によるものである。

0030

図における時間の開始部分では、風力発電プラントは通常の運転状態にある。駆動モーメント10及び発電機のモーメント12は、この時点で値1に標準化されている。t=20秒と示された時点では、グリッド内に突然の電圧降下が存在する。この電圧降下の結果、発電機のモーメントはまず急激に増加し、その後極めて短時間にゼロに落ちる。

0031

発電機のモーメント12のこの突然の変動の結果、駆動トレーンの機械的なねじり振動が励起され、これにより、駆動モーメント10に反作用力がかかる。従って、駆動モーメントは、−0.5を下回る値から1を優に超える範囲に及ぶ著しく変動する値をとる。本図から分かるように、展開するねじり振動の振動数は約2から3Hzである。

0032

破線で表される曲線14は、発電機のモーメントが再び増成されず、値ゼロに留まる場合の駆動モーメントのコースを表している。従って、曲線14は、駆動トレーンの機械的振動特性を描いたものである。ねじり振動の振幅は、表示されている時間間隔ではほぼ一定に維持されることが分かり、これから、本機械システム内部の小規模な減衰を推論することができる。

0033

16で示されている駆動モーメントのコースは、時点18における本発明による発電機のモーメントの増大後のねじり振動のコースを表す。本方法では、駆動モーメントの位相位置が連続して測定される。18で示される時点では、駆動モーメント10は増大を続けている。さらに、これはまさに変向点を通って進行中であり、即ち、ねじり振動の角速度はその最大値から低下し始めたばかりである。この時点18では、発電機のモーメント22は所望される値まで、本例ではPT1コースで増加を続けている。これから、増成中の発電機のモーメントは、20で示される時間間隔においてねじり振動の減衰を引き起こす。図1の上側の図では、減衰に起因する駆動モーメント16の急速な振幅低下を明らかに見ることができる。同時に、発電機のモーメントの所望される値は、この時間間隔20内で発電機のモーメントの急速な増成により既に実質的に到達されている。従って、初期のモーメントにおいて、目的とされるパワーのほとんどの部分は再びグリッドに供給される。

0034

時間間隔20に続く時間域では、発電機のモーメントは増大を続けるもののその速度は低下し、よってねじり振動の追加励起は可能な限り回避される。

0035

図2に表す発電機のモーメント制御フローチャートは、主変換器が電圧降下後に再度発電機とグリッドとを同期できる状態にあるかどうかをチェックする菱形30(HU(主変換器)は同期の準備ができているか?)で始まる。準備が整っていれば、ねじり振動の位相位置は32で示される菱形(駆動モーメントの好適な位置であるか?)において分析される。このために、例えば、駆動モーメントの連続的な測定が行われる。この場合、発電機のモーメントの増成にとって好適な位相位置は、増成中である発電機のモーメントがねじり振動を減衰させる位相位置である。先に述べたように、駆動モーメントが正であって増大する値をとる好適な時間間隔がこれに当たる。これは、駆動トレーンのねじり動作が振動に起因して遅くなり始める、図1の20で示される時間間隔に相当する。より正確に言えば、上記間隔は、駆動モーメントの増加勾配における変向点で始まる。

0036

菱形32におけるチェックの結果、駆動モーメントの位相位置が上述の意味で好適なものでなかった場合、発電機のモーメントは増成されない。ボックス34(増成は開始されない)は、これを表示している。

0037

反対に、32におけるチェックの結果、駆動モーメントの位相位置が好適であれば、ボックス36(事前設定コースによる発電機のモーメントの増成開始)において発電機のモーメントの増成が開始される。この目的に沿って、主変換器は開始信号を受信し、この時点で予め設定された発電機のモーメントを予め設定されたコースで増大させる。このプロセスは、図1の時点18でトリガされる発電機のモーメント22のコースに従ってもよい。

0038

本発明の一代替実施形態は、発電機のモーメントの増成の制御を提供する。図3に表すフローチャートでは、この制御方法もやはり、主変換器(HU)が同期を実行できる状態にあるかどうか(菱形40:HUは同期の準備ができているか?)のチェックに始まり、これは、発電機のモーメントが最終値に達するまで連続して実行される。

0039

準備ができていれば、菱形42(駆動モーメントの位相位置は好適であるか)において駆動モーメントの連続測定の分析が始まる。この分析の結果、駆動モーメントの位相位置が好適であれば(図2の説明参照)、ボックス44(発電機のモーメント増成の最大勾配)において、予め設定された最大速度、即ち予め設定された最大勾配による発電機のモーメントの増大が実行される。この実行に際して、ボックス46(発電機のモーメントの測定)で発電機のモーメントが測定される。この測定値は、菱形48(最終値に達したか?)において分析される。発電機のモーメントの増成は、発電機のモーメントが予め設定された最終値に達すると完了する(ボックス50:発電機のモーメント増成の完了)。

0040

これに対して、48におけるチェックの結果、発電機のモーメントがまだ予め設定された最終値に達していなければ、フローチャートは菱形40からやり直される。42で実行される駆動モーメントの位相位置の分析の結果、位相位置が好ましくなければ、即ち、発電機のモーメントのさらなる増大が駆動トレーンのねじり振動をさらに励起するような位相位置であれば、ボックス52(発電機のモーメント増成の勾配を低減またはなしにする)において発電機のモーメントのさらなる増成が停止されるか、低減された速度でしか継続されない。これにより、駆動トレーンのねじり振動の好適でない位相位置では、発電機のモーメントは本質的に一定に維持される。その後、ボックス46において発電機のモーメントの測定が行われ、48において予め設定された最終値に達したかどうかがチェックされる。このループは、最終値に達するまで繰り返される。

0041

図3のフローチャートに表す発電機のモーメントの制御方法が実行されると、駆動モーメント及び発電機のモーメントのコースは図4に表す60及び62のようになる。

0042

時間間隔64の終わりまで、両モーメントのコースは図1に表す実現例と変わらない。しかしながら、第1の実現例とは対照的に、70で示される領域内の発電機のモーメントの増成は時点66において、駆動モーメントの68における増大スロープの終わりと共に停止する。時点66における好ましくない位相位置は、駆動モーメントの位相位置のチェック時に検出されていた。発電機のモーメントは、ねじり振動の不必要な励起を回避するために、それ以上増大されない。

0043

72で示される時点では、好ましい位相位置が再び検出され、発電機のモーメントの増大が74で示される時間間隔において新たに開始される。

0044

このように、発電機のモーメントの増成は、ねじり振動が発電機のモーメントの増大によって減衰される時間間隔に限定される。或いは、発電機のモーメントの増大はこれらの時間間隔同士の間に実行されてもよいが、その場合は速度がかなり遅くなる。

0045

図1及び4に表すPT1コースの代わりに、発電機のモーメントの線形増加または高次減衰が実行されてもよい。

図面の簡単な説明

0046

本発明による方法の第1の実現例における駆動モーメント及び発電機のモーメントのコースを示す。
図1の方法における発電機のモーメントの制御を示すフローチャートである。
本発明による方法の第2の実現例における発電機のモーメントの制御を示すフローチャートである。
図2の制御を使用する第2の実現例における駆動モーメント及び発電機のモーメントの時間コースを示す。

符号の説明

0047

10、16 …駆動モーメント
12、22 …発電機のモーメント
20 … 発電機のモーメントを増成する時間間隔

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