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技術 導電性熱可塑性樹脂組成物の成形用混合物およびこれを成形してなる成形品

出願人 旭化成ケミカルズ株式会社
発明者 山本美穂子安東久雄
出願日 2006年12月21日 (13年2ヶ月経過) 出願番号 2006-344019
公開日 2008年7月10日 (11年8ヶ月経過) 公開番号 2008-156401
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物
主要キーワード 円盤中心 円周端 成形用混合物 電気接点部品 モノフィラメント径 成形品毎 金属系フィラー 含浸被覆
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年7月10日)のものです。
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図面 (2)

課題

高い導電性発現し、且つ導電ペーストを塗布することなく導電性のばらつきの少ない信頼性の高い成形品を提供する。

解決手段

導電性繊維をそれぞれ特定処理方法を用いて特定量含有する熱可塑性樹脂ペレット二種以上を特定の比率で混合したものを成形に用いる。

概要

背景

熱可塑性樹脂は、その優れた機械的強度成形加工性から様々な分野で用いられており、近年では熱可塑性樹脂に導電性電磁波シールド性を付与して金属部品代替する動き活発である。その一つに、電極、スイッチ等の接点材料抵抗体部品が挙げられる。
熱可塑性樹脂に導電性を付与する方法としては、導電性繊維短繊維カーボンブラック等の導電性充填材を配合する方法が知られているが、目標とする導電性を得るためには多量の添加が必要であったため、得られた成形品は機械的強度に劣ったものであった。これを改良する目的で、連続導電性繊維を熱可塑性樹脂で被覆後、冷却・切断してペレット長と同じ長さの導電性繊維を含有する熱可塑性樹脂ペレットを得、これを成形に用いることで、成形品中導電繊維を長く保ち、高い導電性と機械的強度を発現する方法が提案されている。(特許文献1〜6)

しかし、少量且つ繊維長の長い導電性繊維を用いて導電性を付与された成形品は、測定部位成形品毎表面抵抗率が大きくばらついてしまうという問題があった。このばらつきは、導電性繊維の添加量を増加することにより、ある程度は改善される。しかしながら、従来の手法を用いて製造された導電性繊維含有量の多い成形用ペレットは、ペレタイズ時、あるいはペレット運搬中に導電性繊維に沿って割れ易く、その際導電性繊維の毛羽立ちが生じてしまう。この毛羽の成形品への混入が、成形品の外観不良、及び表面抵抗率のばらつきの原因となってしまうという問題があった。このため、信頼性を要する電極等の接点材料として使用するためには、接点部に導電ペーストを塗布する等、多大な手間とコストが必要であった。

特開昭60−18315号公報
特開昭63−51109号公報
特開平6−270142号公報
特開2000−167828号公報
特開2000−71245号公報
特開2005−89515号公報

概要

高い導電性を発現し、且つ導電ペーストを塗布することなく導電性のばらつきの少ない信頼性の高い成形品を提供する。導電性繊維をそれぞれ特定処理方法を用いて特定量含有する熱可塑性樹脂ペレット二種以上を特定の比率で混合したものを成形に用いる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

全混合物中における導電性繊維含有量が20〜40重量%であって、下記[I]および[II]を主構成成分とすることを特徴とする導電性熱可塑性樹脂組成物成形用混合物。[I]熱可塑性樹脂(A)にて導電性連続繊維束押出被覆した後、所定の長さに切断して得られたペレットであって、導電性繊維の含有量が5〜25重量%である熱可塑性樹脂ペレット。[II]熱可塑性樹脂(B)にて導電性連続繊維束を含浸被覆した後、所定の長さに切断して得られたペレットであって、導電性繊維の含有量が50〜95重量%である熱可塑性樹脂ペレット。

請求項2

熱可塑性樹脂(A)がスチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載の導電性熱可塑性樹脂組成物の成形用混合物。

請求項3

[I]が導電性連続繊維束を熱可塑性樹脂(B)にて含浸被覆した後、さらに熱可塑性樹脂(A)にて押出被覆して、所定の長さに切断して得られたペレットであることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物の成形用混合物。

請求項4

熱可塑性樹脂(B)がゴム強化スチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物の成形用混合物。

請求項5

全混合物を100重量部とした時、[I]が50〜95重量部、且つ[II]が5〜50重量部であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物の成形用混合物。

請求項6

請求項1〜5のいずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物の成形用混合物を射出成形してなることを特徴とする成形品

技術分野

0001

本発明は電気電子製造分野に好適な熱可塑性樹脂成形品に関するものである。

背景技術

0002

熱可塑性樹脂は、その優れた機械的強度成形加工性から様々な分野で用いられており、近年では熱可塑性樹脂に導電性電磁波シールド性を付与して金属部品代替する動き活発である。その一つに、電極、スイッチ等の接点材料抵抗体部品が挙げられる。
熱可塑性樹脂に導電性を付与する方法としては、導電性繊維短繊維カーボンブラック等の導電性充填材を配合する方法が知られているが、目標とする導電性を得るためには多量の添加が必要であったため、得られた成形品は機械的強度に劣ったものであった。これを改良する目的で、連続導電性繊維を熱可塑性樹脂で被覆後、冷却・切断してペレット長と同じ長さの導電性繊維を含有する熱可塑性樹脂ペレットを得、これを成形に用いることで、成形品中導電繊維を長く保ち、高い導電性と機械的強度を発現する方法が提案されている。(特許文献1〜6)

0003

しかし、少量且つ繊維長の長い導電性繊維を用いて導電性を付与された成形品は、測定部位成形品毎表面抵抗率が大きくばらついてしまうという問題があった。このばらつきは、導電性繊維の添加量を増加することにより、ある程度は改善される。しかしながら、従来の手法を用いて製造された導電性繊維含有量の多い成形用ペレットは、ペレタイズ時、あるいはペレット運搬中に導電性繊維に沿って割れ易く、その際導電性繊維の毛羽立ちが生じてしまう。この毛羽の成形品への混入が、成形品の外観不良、及び表面抵抗率のばらつきの原因となってしまうという問題があった。このため、信頼性を要する電極等の接点材料として使用するためには、接点部に導電ペーストを塗布する等、多大な手間とコストが必要であった。

0004

特開昭60−18315号公報
特開昭63−51109号公報
特開平6−270142号公報
特開2000−167828号公報
特開2000−71245号公報
特開2005−89515号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上述の通り、成形品中の導電性繊維長を長く保つことにより、高い機械的強度と導電性を同時に発現する方法は既にいくつか検討されている。しかしながら、高い導電性を発現し、且つ導電ペーストを塗布することなく導電性のばらつきの少ない信頼性の高い成形品を得ることは困難であった。

課題を解決するための手段

0006

本発明者等は、上述の問題を解決するために鋭意検討した結果、導電性繊維を特定方法を用いて、それぞれ特定量含有する熱可塑性樹脂ペレット二種以上を特定の比率で混合したものを成形に用いることにより、上述した課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、
[1]全混合物中における導電性繊維の含有量が20〜40重量%であって、下記[I
]および[II]を主構成成分とすることを特徴とする導電性熱可塑性樹脂組成物成形用混合物
[I]熱可塑性樹脂(A)にて導電性連続繊維束押出被覆した後、所定の長さに切断して得られたペレットであって、導電性繊維の含有量が5〜25重量%である熱可塑性樹脂ペレット。
[II]熱可塑性樹脂(B)にて導電性連続繊維束を含浸被覆した後、所定の長さに切断して得られたペレットであって、導電性繊維の含有量が50〜95重量%である熱可塑性樹脂ペレット、

0007

[2]熱可塑性樹脂(A)がスチレン系樹脂であることを特徴とする上記[1]記載の導電性熱可塑性樹脂組成物の成形用混合物、
[3][I]が導電性連続繊維束を熱可塑性樹脂(B)にて含浸被覆した後、さらに熱可塑性樹脂(A)にて押出被覆して、所定の長さに切断して得られたペレットであることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物の成形用混合物、
[4]熱可塑性樹脂(B)がゴム強化スチレン系樹脂であることを特徴とする上記[1]〜[3]いずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物の成形用混合物、
[5]全混合物を100重量部とした時、[I]が50〜95重量部、且つ[II]が5〜50重量部であることを特徴とする上記[1]〜[4]いずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物の成形用混合物、
[6]上記[1]〜[5]のいずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物の成形用混合物を射出成形してなることを特徴とする成形品、
である。

発明の効果

0008

本発明により、導電性に優れ、成形条件、あるいは測定部位による導電性のばらつきが極めて少ない、電極等の接点材料に最適な成形品を得ることが出来る。

発明を実施するための最良の形態

0009

本発明において、導電性連続繊維束とは、導電性を有する連続繊維モノフィラメントが千本から数十万本の束になったものを言う。導電性連続繊維としては、例えば、炭素繊維金属繊維金属メッキを施した炭素繊維、あるいは金属メッキを施したガラス繊維等が挙げられるが、この中で導電性と比重バランスを考慮すると、炭素繊維が好ましい。
連続炭素繊維としては、公知のものを使用することが出来、例えば、ポリアクリロニトリル系(以下、PAN系と言う。)、ピッチ系セルロース系が挙げられるが、この中で強度と導電性のバランスからPAN系が好ましい。炭素繊維のモノフィラメントの直径としては、導電性と取り扱いの容易さのバランスを考慮すると、3〜20μm、好ましくは5〜15μm、更に好ましくは5〜10μmである。また、炭素繊維束中のモノフィラメントの数としては、1,000〜100,000本、好ましくは3,000〜50,000本、更に好ましくは3,000〜20,000本である。生産性の観点から1000本以上が好ましい。1000本未満であると、組成物中の導電性繊維含有量を調整するために、熱可塑性樹脂による被覆工程における生産性を著しく落として運転せざるを得ない。一方、射出成形工程における導電性繊維の分散性、成形品の外観や導電性、及び導電性の信頼性の観点から100,000本以下が好ましい。
連続金属繊維としては、公知の導電性金属繊維を使用することが出来、例えば、銅、鉄、ニッケル、金、銀、チタンアルミニウムやこれらを主成分とするステンレス真鍮等の合金製の繊維が挙げられる。

0010

連続炭素繊維に金属メッキを施したものあるいはガラス繊維に金属メッキを施したものとしては、公知の炭素繊維、ガラス繊維に上述した金属をメッキしたものが挙げられる。これら金属繊維、及び金属メッキ処理を施した炭素繊維、あるいは金属メッキ処理を施し
たガラス繊維のモノフィラメントの直径としては、導電性と取り扱いの容易さとのバランスを考慮すると3〜20μm、好ましくは5〜15μmである。
また、これらの導電性連続繊維束には、これを配合した熱可塑性樹脂の力学的特性の向上、あるいは導電性の向上、及び連続繊維束取り扱い性向上の目的で、カップリング剤サイジング剤等の表面処理剤による処理を施してあっても良い。かかる表面処理剤としては、例えばシラン系、チタネート系等のカップリング剤、エポキシ系、ウレタン系、エーテル系、エステル系アミド系、アクリル系、ポリビニルアルコール系のサイジング剤等が挙げられる。

0011

本発明に用いられる熱可塑性樹脂(A)としては、特に制限されないが、スチレン系樹脂、ポリカーボネートオレフィン系樹脂ポリアミド系樹脂塩化ビニル系樹脂熱可塑性ポリエステルポリアセタールポリスフォンシリコーン樹脂ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられ、単独又は二種以上のアロイとしても使用することが出来る。
この中で、特に好ましいのは、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、及びこれらのアロイである。
スチレン系樹脂としては、芳香族ビニル化合物単一重合体、芳香族ビニル化合物、及びこれらと共重合可能単量体とを共重合させてなる共重合体ゴム質重合体に芳香族ビニル化合物、及びこれらと共重合可能な単量体とをグラフト共重合させてなるグラフト共重合体、及びこれらの混合物が挙げられる。

0012

芳香族ビニル化合物としては、スチレンα−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ビニルナフタレンモノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレンジブロモスチレン等が挙げられ、これらは単独、又は二種以上を組み合わせて使用することが出来るが、この中で特に好ましいのは、スチレン、及びα−メチルスチレンである。
芳香族ビニル化合物と共重合可能な単量体としては、例えば、アクリロニトリルメタアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物アクリル酸メチルアクリル酸エチルアクリル酸ブチル等のアクリル酸エステルや同様な置換体メタクリル酸エステル、さらに、アクリル酸メタクリル酸等のアクリル酸類やN−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド等のN−置換マレイミド系単量体グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有単量体等が挙げられ、この中で特に好ましいのはアクリロニトリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、N−フェニルマレイミド、グリシジルメタクリレートである。これらは単独、又は二種以上を組み合わせて使用することが出来る。

0013

スチレン系樹脂における還元粘度(ηsp/c)は0.2〜1.0dl/g、好ましくは0.3〜1.0dl/g、さらに好ましくは0.4〜1.0dl/g、特に好ましくは0.45〜1.0dl/gである。これがこの範囲にあると耐衝撃性、及び難燃性に優れた組成物を得ることが出来る。還元粘度は、樹脂0.50gを2−ブタノン100mlにて溶解した溶液を、30℃にてCannon−Fenske型毛細管中の流出時間を測定することにより得られる。

0014

スチレン系グラフト共重合体におけるゴム質重合体としては、例えば、ポリブタジエンブタジエンスチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体ポリイソプレン、スチレン−イソプレン共重合体等の共役ジエン系ゴム、及びこれらの水素添加物、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル系ゴムエチレンα−オレフィンポリエン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、シリコーンゴムシリコーンアクリルゴム等が挙げられ、これらは単独、又は二種以上を組み合わせて使用することが出来る。この中で特に好ましいのは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−スチ
レン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリル共重合体、アクリル系ゴム、エチレン−α−オ
レフィン−ポリエン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、シリコーンゴム、シリコーン−アクリルゴムである。
スチレン系グラフト共重合体におけるゴム質重合体の重量平均粒子径は、耐衝撃性等の機械的強度、成形加工性、成形品外観のバランスから、好ましくは0.1〜1.2μm、より好ましくは0.15〜0.8μm、さらに好ましくは0.15〜0.6μm、特に好ましくは0.2〜0.4μmである。

0015

また、スチレン系グラフト共重合体におけるグラフト率は、好ましくは10〜150重量%、より好ましくは20〜110重量%、更に好ましくは25〜60重量%である。グラフト率をこの範囲にすることで、耐衝撃性に優れ、成形加工性の良好な組成物を得ることが出来る。尚、グラフト率とは、ゴム質重合体にグラフト共重合した単量体の、ゴム質重合体に対する重量割合として定義される。その測定法は、重合反応により生成した重合体アセトンに溶解し、遠心分離器によりアセトン可溶分不溶分とに分離する。この時、アセトンに溶解する成分は重合反応した共重合体のうちグラフト反応しなかった成分(非グラフト成分)であり、アセトン不溶分はゴム質重合体、及びゴム質重合体にグラフト反応した成分(グラフト成分)である。アセトン不溶分の重量からゴム質重合体の重量を差し引いた値がグラフト成分の重量として定義されるので、これらの値からグラフト率を求めることが出来る。

0016

ポリカーボネート樹脂としては、ヒドロキシアリール化合物ホスゲンとの界面重縮合によって得られるもの、又はジヒドロキシアリール化合物ジフェニルカーボネートとのエステル交換反応溶融重縮合)によって得られるもの等、公知の重合法によって得られるものが挙げられる。
オレフィン系樹脂としては、例えば、高密度中密度低密度ポリエチレンポリプロピレンポリブテン、4−メチルペンテン−1樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイロン6ナイロン11ナイロン66、ナイロン610等が挙げられる。

0017

塩化ビニル系樹脂としては、例えば、塩化ビニル、及びこれと共重合可能な単量体とを共重合させてなる共重合体が挙げられる。塩化ビニルと共重合可能な単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、エチレン、プロピレン1−ヘキセン等のα−オレフィン系単量体、酢酸ビニルプロピオン酸ビニル等のエステル系単量体、ブチルビニルエーテルセチルビニルエーテルフェニルビニルエーテル等のエーテル系単量体、(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステルや同様な置換体のメタクリル酸エステル、さらに、アクリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸類やN−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド等のN−置換マレイミド系単量体等が挙げられる。

0019

熱可塑性樹脂ペレット[I]を製造する方法としては、導電性連続繊維束を張力下で引き揃えながらクロスヘッドダイを通過させて熱可塑性樹脂(A)にて押出被覆し、切断してペレット化する方法を用いることが出来る。この時、導電性連続繊維束に対する被覆量は、例えばクロスヘッドダイのダイス口径や樹脂の引き取り速度を適切に設定することで制御することが出来る。
熱可塑性樹脂ペレット[I]における導電性繊維の含有量は、5〜25重量%、好ましくは10〜25重量%、さらに好ましくは10〜22重量%、特に好ましくは12〜22重量%である。これがこの範囲にあると、導電性繊維が成形品中により均一に分散し、且つペレット割れによる繊維の毛羽立ちを抑制することが出来るので、外観、導電性に優れ、導電性のばらつきの少ない信頼性の高い成形品を得ることが出来る。

0020

また、導電性連続繊維束を熱可塑性樹脂(A)によって被覆する前に、予め熱可塑性樹脂(B)を含浸させ、繊維束中のモノフィラメント表面を被覆することにより、さらに導電性のばらつきの少ない信頼性の高い成形品を得ることが出来る。含浸被覆法としては、例えば連続繊維束に熱可塑性樹脂を溶融引き出し法により含浸被覆させる方法、連続繊維束を熱可塑性樹脂のエマルジョンサスペンジョン、溶液、あるいは溶融物の入った含浸槽中を通過させた後に固化する方法、樹脂粉末等を振動気体で分散させたところへ連続繊維束を通過させ、粉末を付着させた後に加熱して含浸被覆させる方法等が挙げられる。熱可塑性樹脂(B)がゴム強化スチレン系樹脂である時には、含浸被覆法としてエマルジョンを用いる方法が最も好ましい。

0021

熱可塑性樹脂(B)としては、特に制限は無く、例えば上述した熱可塑性樹脂(A)の例として挙げられたものを使用することが出来る。この中で好ましいのはスチレン系樹脂、特に好ましいのは、ゴム質重合体に芳香族ビニル化合物、及びこれらと共重合可能な単量体とをグラフト共重合させてなるグラフト共重合体を含有するゴム強化スチレン系樹である。
熱可塑性樹脂(B)は、必ずしも熱可塑性樹脂(A)と組成分子量、組成分布が同一である必要は無いが、機械的強度、及び分散性を考慮すると、熱可塑性樹脂(A)と相溶性を示すか、公知のポリマーアロイとして用いられている組み合わせであることが好ましい。さらに、熱可塑性樹脂(B)の成形温度における流動性は、熱可塑性樹脂(A)よりも優れている方が導電性繊維をより均一に分散させることが出来るので、外観、導電性に優れ、導電性のばらつきの少ない信頼性の高い成形品を得ることが出来る。
また、熱可塑性樹脂ペレット[I]における熱可塑性樹脂(B)と熱可塑性樹脂ペレット[II]における熱可塑性樹脂(B)も、必ずしも同一である必要は無い。

0022

熱可塑性樹脂ペレット[II]を製造する方法としては、導電性連続繊維束に熱可塑性樹脂(B)を含浸させ、繊維束中のモノフィラメント表面を被覆した後、所定の長さに切断する公知の方法を使用することが出来る。含浸被覆法としては、例えば連続繊維束に熱可塑性樹脂を溶融引き出し法により含浸被覆させる方法、連続繊維束を熱可塑性樹脂のエマルジョン、サスペンジョン、溶液、あるいは溶融物の入った含浸槽中を通過させた後に固化する方法、樹脂粉末等を振動や気体で分散させたところへ連続繊維束を通過させ、粉末を付着させた後に加熱して含浸被覆させる方法等が挙げられる。熱可塑性樹脂(B)がゴム強化スチレン系樹脂である時には、含浸被覆法としてエマルジョンを用いる方法が最も好ましい。
熱可塑性樹脂ペレット[II]における導電性繊維の含有量は、50〜95重量%、好
ましくは50〜90重量%、さらに好ましくは55〜90重量%、特に好ましくは60〜85重量%である。これがこの範囲にあると、導電性繊維が成形品中により均一に分散し、且つペレット割れによる繊維の毛羽立ちを抑制することが出来るので、外観、導電性に優れ、導電性のばらつきの少ない信頼性の高い成形品を得ることが出来る。

0023

本発明において、熱可塑性樹脂ペレット[I]、および熱可塑性樹脂ペレット[II]の長さは3〜20mmが好ましく、より好ましくは5〜15mm、特に好ましくは5〜12mmである。これがこの範囲にあると外観、導電性に優れ、導電性のばらつきの少ない信頼性の高い成形品を得ることが出来る。
熱可塑性樹脂ペレット[I]、および熱可塑性樹脂ペレット[II]を混合する方法については、タンブラー等公知の方法を用いることが出来る。
少なくとも熱可塑性樹脂ペレット[I]および熱可塑性樹脂ペレット[II]を構成成分とする全混合物中における導電性繊維の含有量は、20〜40重量%、好ましくは20〜35重量%、さらに好ましくは22〜35重量%、特に好ましくは22〜30重量%である。これがこの範囲にあると、成形性、外観、導電性に優れ、導電性のばらつきの少ない信頼性の高い成形品を得ることが出来る。

0024

また、全混合物を100重量部とした時の熱可塑性樹脂ペレット[I]は50〜95重量部、好ましくは60〜95重量部、さらに好ましくは60〜90重量部、特に好ましくは70〜90重量部、且つ熱可塑性樹脂ペレット[II]は5〜50重量部、好ましくは5〜40重量部、さらに好ましくは10〜40重量部、特に好ましくは10〜30重量部である。これがこの範囲にあると、外観、導電性に優れ、導電性のばらつきの少ない信頼性の高い成形品を得ることが出来る。
本発明における成形法としては、射出成形、射出圧縮成形ブロー成形押出成形真空成形圧縮成形等の公知の方法が挙げられるが、この中では生産性に優れる射出成形が特に好ましい。

0025

本発明において、その目的に応じて公知の添加剤、例えば、炭素繊維以外の導電性フィラー(例えば、アセチレンブラックケッチェンブラック等のカーボンブラック、ナノチューブカーボン黒鉛等の炭素系フィラー、銅、鉄、ニッケル、金、銀、チタン、アルミニウム、及びステンレス、真鍮等の前述した金属を主成分とする合金等の金属系フィラー酸化亜鉛酸化チタン酸化アルミニウム酸化スズ酸化インジウム等の金属酸化物系フィラーガラス表面に上記金属メッキ処理を施した複合系フィラー等)、可塑剤滑剤(例えば、高級脂肪酸、及びその金属塩、高級脂肪酸アミド類等)、熱安定化剤、酸化防止剤(例えば、フェノール系、フォスファイト系、チオジブロプロピオン酸エステル型のチオエーテル等)、耐候剤(例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、シアノアクリレート系、蓚酸誘導体ヒンダードアミン系等)、着色剤顔料染料臭素系難燃剤(例えば、テトラブロモビスフェノールA及びその誘導体、テトラブロモビスフェノールS、テトラブロモ無水フタル酸ヘキサブロモベンゼン臭素化ジフェニルエーテル臭素化ポリカーボネートオリゴマー及びその末端変性品、臭素化エポキシ樹脂ビスフェノールAタイプ、ノボラックタイプ)及びその末端変性品、臭素化フェノキシ樹脂トリブロモフェニルフォスフェート臭素化ポリスチレン、臭素化フェニレンエーテルオリゴマー等)、リン系難燃剤トリフェニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリフェニルチオホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリキシレニルチオホスフェート、ハイドロキノンビスジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ハイドロキノンビス(ジキシレニルホスフェート)等のホスフェート類、赤リンホスファゼン系化合物ポリリン酸アンモニウム等)、難燃助剤(例えば、三酸化アンチモン五酸化アンチモン等)、帯電防止剤(例えば、ポリアミドエーテルエステル等のポリアミドエラストマー四級アンモニウム塩系、ピリジン誘導体脂肪族スルホン酸塩、芳香族スルホン酸塩硫酸エステル塩、多価アルコ
ール部分エステルアルキルジエタノールアミンアルクジエタノールアミドポリアルキレングリコール誘導体ベタイン系、イミダゾリン誘導体等)、抗菌剤抗カビ剤摺動性改良剤(例えば、低分子量ポリエチレン等の炭化水素系、高級アルコール多価アルコールポリグリコールポリグリセロール、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド脂肪酸脂肪族アルコールとのエステル、脂肪酸と多価アルコールとのフル、あるいは部分エステル、脂肪酸とポリグリコールとのフル、あるいは部分エステル、シリコーン系フッ素樹脂系等)等をその目的に合わせて任意の割合で配合することが出来る。

0026

本発明の成形品は、その優れた導電性、導電信頼性、および機械的強度から、電子・電気機器精密機器OA機器、及びその周辺機器ハウジングカバー、及びこれらの部品搬送ケース電磁波シールド部品、情報電子、自動車等の電気接点部品電極部品等に用いることが出来る。

0027

以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
[参考例1]熱可塑性樹脂(a−1)の製造
ポリブタジエンゴムラテックス(日機装(株)社製マイクロトラック粒度分析計「nanotrac150」にて測定した体積平均粒子径=0.25μm、固形分量=49重量%)110重量部に、脱イオン水45重量部を加え、気相部を窒素置換した後、脱イオン水25重量部にナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.15重量部、硫酸第一鉄0.001重量部、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム塩0.09重量部を溶解してなる水溶液を加えて、55℃に昇温した。続いて、1.5時間かけて70℃まで昇温しながら、アクリロニトリル15重量部、スチレンを35重量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.6重量部、クメンハイドロパオキシド0.1重量部よりなる単量体混合液、及び脱イオン水15重量部にナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.13重量部を溶解してなる水溶液を5時間にわたり添加した。添加終了後1時間、反応槽を70℃に制御しながら重合反応を完結させた。
このようにして得られたABSラテックスに、シリコーン樹脂製消泡剤、及びフェノール系酸化防止剤エマルジョンを添加した後、硫酸アルミニウム水溶液を加えて凝固させ、さらに、十分な脱水水洗を行った後、乾燥させてグラフト共重合体(a−1)を得た。この時、グラフト率は55重量%であり、非グラフト成分の還元粘度(0.5g/100ml、2−ブタノン溶液中、30℃測定)は0.26であった。

0028

[参考例2]熱可塑性樹脂(a−2)の製造
特許1960531号公報に記載の実施例1に記載の方法にて、アクリロニトリル、及びスチレンを、溶媒としてセカンダリーブチルアルコールを用い、重合反応器に上記混合液を連続的に添加し、重合計の温度を140から160℃にコントロールして重合反応を行った。その後、未反応のモノマー真空下にて除去し、アクリロニトリル−スチレン共重合体の固形粉末を得た。該共重合体の組成は、フーリエ変換赤外分光光度計(FR−IR)(日本分光(株)製)を用いた組成分析の結果、アクリロニトリルは30重量%、スチレンが70重量%であった。また、還元粘度(0.5g/100ml、2−ブタノン溶液中、30℃測定)は0.65であった。

0029

[参考例3]熱可塑性樹脂(A−1)の製造
充分に乾燥し、水分の除去を行った熱可塑性樹脂(a−1)30重量部、および熱可塑性樹脂(a−2)70重量部をタンブラーにて混合した後、二軸押出機(東機械(株)製、TEM−48BS、L/D=46)にてシリンダー温度250℃で溶融混練し、熱可塑性樹脂(A−1)のペレットを得た。

0030

[参考例4]熱可塑性樹脂(A−2)
熱可塑性樹脂(A−2)として以下のものを使用した。
ビスフェノールAとジフェニルカーボネートから、溶融エステル交換法により製造された、ビスフェノールA系ポリカーボネートであり、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネートを300ppm、および、ホスファイト熱安定剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを150ppm含むもの。
ゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、テトラヒドロフランを溶媒として、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から下式による換算分子量較正曲線を用いて求められた重量平均分子量(Mw)は22,800であった。
MPC=0.3591MPS1.0388
(MPCは芳香族ポリカーボネートの分子量、MPSはポリスチレンの分子量)

0031

[参考例5]熱可塑性樹脂Bラテックスの製造
ポリブタジエンゴムラテックス(日機装(株)社製、マイクロトラック粒度分析計「nanotrac150」にて測定した体積平均粒子径=0.25μm、固形分量=49重量%)43重量部に、脱イオン水93重量部、アルケニルコハク酸カリウムアルケニル基はC13〜C15)5.0重量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.1重量部を加え、気相部を窒素置換した後、55℃に昇温した。続いて、アクリロニトリル24重量部、スチレン56重量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.7重量部、クメンハイドロパーオキシド0.10重量部よりなる単量体混合液、及び脱イオン水25重量部にナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.15重量部、硫酸第一鉄0.001重量部、エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩0.04重量を溶解してなる水溶液を6時間にわたり添加しながら、1.5時間かけて70℃まで昇温し、それ以降は反応槽を70℃に制御しながら重合反応を完結させた。その後、これにフェノール系酸化防止剤エマルジョンを添加し、充分に攪拌し、さらに固形分40重量%となるように脱イオン水にて希釈した。ラテックス中の未反応の全モノマー量ガスクロマトグラフィーによる定量分析の結果、12000ppmであった。また、樹脂分中のグラフト率は53重量%であり、非グラフト成分の還元粘度(0.5g/100ml、2−ブタノン溶液中、30℃測定)は0.29であった。

0032

[参考例6]導電性熱可塑性樹脂ペレット(I−1)の製造
下記導電性連続繊維束を55℃に制御された熱可塑性樹脂(B)のラテックス槽中を通過させて含浸処理を行った後、乾燥機を通過させて水分を完全に除去した。この時、導電性連続繊維束に対する熱可塑性樹脂付着量は、重量測定の結果42重量%であった。熱可塑性樹脂(A−1)ペレットを単軸押出し機中にて溶融混練した後、押出し機先端に取り付けたクロスヘッドダイから押出しながら、前記の含浸処理を施した連続炭素繊維束をクロスヘッドダイ中に連続的に供給することで、熱可塑性樹脂(A−1)にて連続炭素繊維束を被覆してストランドとし、冷却後にこれを回転刃からなるカッターにて切断し、5mmのペレットを得た。
また、上記ストランドを5cm程度の長さに切断したものを10本採取し、これらを2−ブタノンにて溶解して、熱可塑性樹脂(A−1)、及び熱可塑性樹脂(B)を除去後、導電性連続繊維を取り出した。これを乾燥して重量を測定し、ストランド中における導電性連続繊維の含有量を求めた結果、14.1重量%であった。

0033

[導電性連続繊維束]
三菱レイヨン(株)製「パイロフィルCFトウTR30S−12L」
PAN系炭素繊維モノフィラメント径=7μm、フィラメント数=12000本
目付=800mg/m、密度=1.79g/cm3
引張強度=4410MPa、引張弾性率=235GPa
サイズ剤エポキシ系樹脂サイズ剤付着量=0.8wt%

0034

[参考例7]導電性熱可塑性樹脂ペレット(I−2)の製造
参考例6と同様にして、導電性熱可塑性樹脂ペレット(I−2)を製造した。ストランド中における導電性連続繊維の含有量を求めた結果、19.8重量%であった。
[参考例8]導電性熱可塑性樹脂ペレット(I−3)の製造
参考例6と同様にして、導電性熱可塑性樹脂ペレット(I−2)を製造した。ストランド中における導電性連続繊維の含有量を求めた結果、30.4重量%であった。
[参考例9]導電性熱可塑性樹脂ペレット(I−4)の製造
熱可塑性樹脂(A−1)を熱可塑性樹脂(A−2)とした以外は参考例6と同様にして、導電性熱可塑性樹脂ペレット(I−4)を製造した。ストランド中における導電性連続繊維の含有量を求めた結果、14.2重量%であった。

0035

[参考例10]導電性熱可塑性樹脂ペレット(II−1)の製造
参考例6で用いたものと同様の導電性連続繊維束を55℃に制御された熱可塑性樹脂(B)のラテックス槽中を通過させて含浸処理を行った後、乾燥機を通過させて水分を完全に除去した後、これを回転刃からなるカッターにて切断し、5mmのペレットを得た。ストランド中における導電性連続繊維の含有量を求めた結果、69.6重量%であった。
[参考例11]導電性熱可塑性樹脂ペレット(II−2)の製造
参考例10と同様にして導電性熱可塑性樹脂ペレット(II−2)を得た。ストランド中における導電性連続繊維の含有量を求めた結果、55.2重量%であった。
[参考例12]導電性熱可塑性樹脂ペレット(II−3)
熱可塑性樹脂Bのラテックスを脱イオン水を加えて固形分量を20wt%としたものを使用した以外は参考例10と同様にして導電性熱可塑性樹脂ペレット(II−3)を得た。ストランド中における導電性連続繊維の含有量を求めた結果、97.1重量%であった。

0036

[実施例1]
80℃にて3時間乾燥させた導電性熱可塑性樹脂ペレット(I−1)80重部、および導電性熱可塑性樹脂ペレット(II−1)20重量部を、タンブラーにて30分ブレンドした。これを射出成形機(東芝機械(株)製 IS130FB)のホッパー投入し、下記成形条件にて直径20mm、厚み1mmの円盤を射出成形した。
[成形条件]
スクリュー径:45mm
シリンダー温度:260℃
金型温度:60℃
背圧:100kgf/cm3
射出速度:30%
スクリュー回転数:100rpm
射出時間:10秒
冷却時間:10秒
ゲート形状ピンゲート(φ=2mm)
ゲート位置円盤中心

0037

この円盤の中心部に塩化銀を直径7mmの円形に塗布して図1のように回路繋ぎ、円盤の円周端から3mmの部位に低抵抗率計(三菱化学(株)製、ロレスターEPMCP−T360)に接続したプローブピン先0.26R)を接触させ、抵抗値を測定した。さらに円盤を約3°回転させて同様に測定を行い、これを500回繰り返した。表面抵抗率の平均は122Ω/□であり、標準偏差σは90であった。また、ISO179に準じて測定した該樹脂組成物の23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強さは5.1kJ/
m2、ISO178に準じて測定した曲げ弾性率は13300MPaであった。
また、この円盤を475℃にて電気炉にて加熱処理を施し、熱可塑性樹脂成分燃焼させて炭素繊維を取り出し、これにクロロホルムを加えて炭素繊維を液中に充分分散させた後、スポイドにてスライドグラス上に数滴落とし、クロロホルムを乾燥させた。その後、これを10〜15倍の倍率光学顕微鏡にて写真撮影し、500本以上の炭素繊維から各繊維長を求めたところ、成形品中の含有量が、1.5mmを超える長さの炭素繊維は4.5wt%、0.5〜1.5mmの長さの炭素繊維は9.2wt%、0.5mm未満の長さの炭素繊維は11.5wt%であった。

0038

[比較例1]
表1の割合で導電性熱可塑性樹脂ペレット(I−3)、導電性熱可塑性樹脂ペレット(II−1)、および熱可塑性樹脂ペレット(A−1)を混合する以外は実施例1と同様に成形、評価を行った。表面抵抗率の平均は405Ω/□であり、標準偏差σは150であった。また、ISO179に準じて測定した該樹脂組成物の23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強さは5.0kJ/m2、ISO178に準じて測定した曲げ弾性率は13200MPaであった。
また、成形品中の炭素繊維の含有量は、1.5mmを超える長さの炭素繊維は4.7wt%、0.5〜1.5mmの長さの炭素繊維は10.3wt%、0.5mm未満の長さの炭素繊維は10.0wt%であった。
[実施例2〜5、および比較例2〜5]
導電性熱可塑性樹脂ペレット(I)、導電性熱可塑性樹脂ペレット(II)、および熱可塑性樹脂ペレット(A)を表1の割合で混合する以外は実施例1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表1に示す。

0039

0040

実施例1〜5は、特定処理方法を用いて、導電性繊維の含有量が特定の範囲にある導電性熱可塑性樹脂ペレット(I)、および導電性熱可塑性樹脂ペレット(II)を併用することにより、表面抵抗率が低く、且つ標準偏差σの値が小さい、すなわち表面抵抗率のばらつきが小さく信頼性の高い成形品を得ることが出来る。
比較例1は、導電性熱可塑性樹脂ペレット(I)中の導電性繊維含有量が範囲外であるため、ペレット割れに起因する導電性繊維の毛羽立ちが発生し、成形品中の導電性繊維の分散性に劣ったものとなる。その結果、実施例1と同等の導電性繊維含有量、および繊維長分布を持っているにも拘わらず、表面抵抗率が高く、また標準偏差σが大きい信頼性の劣ったものとなっている。

0041

比較例2は導電性熱可塑性樹脂ペレット(II)単独であり導電性熱可塑性樹脂ペレット(I)を含有せず、成形品中の導電性繊維の分散性に劣るため、表面抵抗率が高く、また標準偏差σが大きい信頼性に劣ったものとなっている。
比較例3は導電性熱可塑性樹脂ペレット(II)の導電性繊維含有量が範囲外であり、ペレット割れに起因する導電性繊維の毛羽立ちが発生し、成形品中の導電性繊維の分散性に劣ったものとなる。その結果、実施例1と同等の導電性繊維含有量、および繊維長分布を持っているにも拘わらず、表面抵抗率が高く、また標準偏差σが大きい信頼性に劣ったものとなっている。

0042

比較例4は、導電性熱可塑性樹脂ペレット(I)中における導電性繊維の含有量が範囲外であり、また導電性熱可塑性樹脂ペレット(II)を配合していないため、成形品中における導電性繊維の含有量が多いにも拘わらず表面抵抗率の標準偏差σが大きい信頼性の劣ったものとなっている。
比較例5は、成形品中の導電性繊維の含有量が範囲外であるため、表面抵抗率が高く、また標準偏差σが大きい信頼性に劣ったものとなっている。

0043

本発明により、高い導電性を発現し、成形品の測定部位による導電性のばらつきの少ない信頼性の高い成形品を得ることができる。

図面の簡単な説明

0044

表面抵抗率の測定方法を説明する概略図である。

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