図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2008年6月26日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

隣接チャネルとの電波干渉を防止して通信効率を向上させること。

解決手段

キャリアセンス時に検索された空きチャネルの中から使用チャネルを選択する際に、隣接チャネルの空き状況に応じて使用チャネルを選択するとともに、選択された使用チャネルでの通信速度を隣接チャネルの使用状況に応じて通信可能な最大速度に設定して通信を開始する。

概要

背景

日本や欧州では、UHF帯電波を利用したRFIDシステム構築する場合、使用可能な周波数帯域が狭い。図8はUHF帯のチャネル配置例を示す図である。同図に示すように、日本では952.0〜954.0MHzの2MHzの帯域を200kHz幅で分割した9個のチャネルが配置されており、欧州では865.6〜867.6MHzの2MHzの帯域を200kHz幅で分割した10個のチャネルが配置されている。このように使用可能な周波数帯域が狭い地域においては、リーダライタのような無線通信装置複数台近接して設置する場合、リーダライタ間相互の電波干渉を回避するために、いわゆるキャリアセンス電波法義務付けられている。

キャリアセンスはLBT(Listen Before Talk)とも呼ばれており、リーダライタとRFIDタグとの間で通信を行う前に、搬送波キャリア)の受信電力強度を測定(センス)して、通信可能な周波数の電波であるかどうかを確認するものである。すなわち、リーダライタからRFIDタグに向けて送信する電波について、その周波数帯域にあるチャネルの受信電力強度を測定し、測定された受信電力強度が所定レベル以上であればそのチャネルが使用中であると判断して送信を待ち所定レベル未満であればそのチャネルが未使用であると判断して送信を行うことにより、近接するリーダライタとの混信を防ぐようにしている。

このように、キャリアセンスを行うことでリーダライタが通信を開始する前に使用可能なチャネルの空き状況を調べ、空きチャネルがあればその周波数の電波を送信することが規定されているが、複数個の空きチャネルが存在する場合にどのチャネルを選択して使用するのかについては特に規定されていない。そこで、空きチャネルの選択方式としては例えば次のような方式が提案されている。

(A)空きチャネルを発見次第そのチャネルを選択する。複数個の空きチャネルがある場合には予め優先順位を決めておく。
(B)全チャネルを検索し、測定された受信電力強度が最も低いチャネルを選択する。
(C)全チャネルを検索し、空きチャネルの近傍チャネルのレベルを評価し、それを重み付けする。さらにチャネルレベル評価の際にアプリケーション重要度に基づく重み付けをし、その重み付けに従ってチャネルを選択する(例えば下記の特許文献1参照)。

従来のチャネル選択方式では、上記(A)⇒(B)⇒(C)の順にチャネルの評価を複雑に行うため、結果として、キャリアセンスシステム内での総通信量を増大させることが可能となる。

特開2006−197233号公報

概要

隣接チャネルとの電波干渉を防止して通信効率を向上させること。キャリアセンス時に検索された空きチャネルの中から使用チャネルを選択する際に、隣接チャネルの空き状況に応じて使用チャネルを選択するとともに、選択された使用チャネルでの通信速度を隣接チャネルの使用状況に応じて通信可能な最大速度に設定して通信を開始する。

目的

本発明はチャネル評価方法の工夫により総通信量を増大させるためになされたものであり、キャリアセンス機能を有する無線通信装置において、空きチャネルの検索時に隣接チャネルの干渉波の影響を考慮して使用チャネルを選択し、かつ選択した使用チャネルについて最適な通信速度で通信を行うことによって、無線通信装置とデータキャリアとの間の通信効率を向上させることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

複数個区分された周波数帯域上のチャネルを1個または複数個利用してデータキャリアとの間で無線によるデータ通信を行なう無線通信装置であって、データキャリアとの無線通信の前に、所定範囲の連続したチャネル群において、チャネル単位で測定された受信電力強度に基づいて、周波数帯域が連続した奇数個の空きチャネル検索し、検索によって抽出された前記の奇数個の連続した空きチャネル全体の周波数帯域幅が広いほど大きな通信速度に設定して、データキャリアとの通信を開始することを特徴とする無線通信装置。

請求項2

データキャリアとの無線通信の前に、所定範囲の連続したチャネル群において、チャネル単位で測定された受信電力強度に基づいて、第1の閾値以下の受信電力強度である空きチャネルを検索して1つの空きチャネルを抽出し、抽出した前記1つの空きチャネルに高周波数側で隣接したチャネルと低周波数側で隣接したチャネルの両者での受信電力強度が、前記の第1の閾値よりも大なる第2の閾値以下である場合に、連続した奇数個の空きチャネルとすることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。

請求項3

前記の空きチャネルの検索の度にチャネル単位の受信電力強度データを蓄積し、空きチャネルの探索時に過去の受信電力強度に基づいて空きチャネル状況を推定して通信速度を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信装置。

技術分野

0001

本発明は無線データ通信を行う無線通信装置に関する。

背景技術

0002

日本や欧州では、UHF帯電波を利用したRFIDシステム構築する場合、使用可能な周波数帯域が狭い。図8はUHF帯のチャネル配置例を示す図である。同図に示すように、日本では952.0〜954.0MHzの2MHzの帯域を200kHz幅で分割した9個のチャネルが配置されており、欧州では865.6〜867.6MHzの2MHzの帯域を200kHz幅で分割した10個のチャネルが配置されている。このように使用可能な周波数帯域が狭い地域においては、リーダライタのような無線通信装置を複数台近接して設置する場合、リーダライタ間相互の電波干渉を回避するために、いわゆるキャリアセンス電波法義務付けられている。

0003

キャリアセンスはLBT(Listen Before Talk)とも呼ばれており、リーダライタとRFIDタグとの間で通信を行う前に、搬送波キャリア)の受信電力強度を測定(センス)して、通信可能な周波数の電波であるかどうかを確認するものである。すなわち、リーダライタからRFIDタグに向けて送信する電波について、その周波数帯域にあるチャネルの受信電力強度を測定し、測定された受信電力強度が所定レベル以上であればそのチャネルが使用中であると判断して送信を待ち所定レベル未満であればそのチャネルが未使用であると判断して送信を行うことにより、近接するリーダライタとの混信を防ぐようにしている。

0004

このように、キャリアセンスを行うことでリーダライタが通信を開始する前に使用可能なチャネルの空き状況を調べ、空きチャネルがあればその周波数の電波を送信することが規定されているが、複数個の空きチャネルが存在する場合にどのチャネルを選択して使用するのかについては特に規定されていない。そこで、空きチャネルの選択方式としては例えば次のような方式が提案されている。

0005

(A)空きチャネルを発見次第そのチャネルを選択する。複数個の空きチャネルがある場合には予め優先順位を決めておく。
(B)全チャネルを検索し、測定された受信電力強度が最も低いチャネルを選択する。
(C)全チャネルを検索し、空きチャネルの近傍チャネルのレベルを評価し、それを重み付けする。さらにチャネルレベル評価の際にアプリケーション重要度に基づく重み付けをし、その重み付けに従ってチャネルを選択する(例えば下記の特許文献1参照)。

0006

従来のチャネル選択方式では、上記(A)⇒(B)⇒(C)の順にチャネルの評価を複雑に行うため、結果として、キャリアセンスシステム内での総通信量を増大させることが可能となる。

0007

特開2006−197233号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明はチャネル評価方法の工夫により総通信量を増大させるためになされたものであり、キャリアセンス機能を有する無線通信装置において、空きチャネルの検索時に隣接チャネル干渉波の影響を考慮して使用チャネルを選択し、かつ選択した使用チャネルについて最適な通信速度で通信を行うことによって、無線通信装置とデータキャリアとの間の通信効率を向上させることを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記の目的を達成するため、本発明の無線通信装置は、複数個に区分された周波数帯域上のチャネルを1個または複数個利用してデータキャリアとの間で無線によるデータ通信を行なう無線通信装置であって、データキャリアとの無線通信の前に、所定範囲の連続したチャネル群において、チャネル単位で測定された受信電力強度に基づいて、周波数帯域が連続した奇数個の空きチャネルを検索し、検索によって抽出された前記の奇数個の連続した空きチャネル全体の周波数帯域幅が広いほど大きな通信速度に設定して、データキャリアとの通信を開始することを特徴とする。

0010

また、本発明の無線通信装置において、データキャリアとの無線通信の前に、所定範囲の連続したチャネル群において、チャネル単位で測定された受信電力強度に基づいて、第1の閾値以下の受信電力強度である空きチャネルを検索して1つの空きチャネルを抽出し、抽出した前記1つの空きチャネルに高周波数側で隣接したチャネルと低周波数側で隣接したチャネルの両者での受信電力強度が、前記の第1の閾値よりも大なる第2の閾値以下である場合に、連続した奇数個の空きチャネルとするようにしてもよい。

0011

さらに、本発明の無線通信装置において、前記の空きチャネルの検索の度にチャネル単位の受信電力強度データを蓄積し、空きチャネルの探索時に過去の受信電力強度に基づいて空きチャネル状況を推定して通信速度を設定するようにしてもよい。

0012

本発明の無線通信装置は、特に高出力型UHF帯や低出力型UHF帯のリーダライタのような、キャリアセンスによる混信防止対策が必要なRFIDシステムに使用されるリーダライタに好適に適用できる。

発明の効果

0013

本発明の無線通信装置によれば、キャリアセンス時に検索された空きチャネルの中から使用チャネルを選択する際に、隣接チャネルの空き状況に応じて使用チャネルを選択するとともに、選択した使用チャネルでの通信速度を隣接チャネルの使用状況に応じて通信可能な最大速度に設定して通信するようにした。このため、空きチャネルが多い場合には高速で通信し、空きチャネルが少ない場合には低速で通信することによって、隣接チャネルの電波干渉による通信エラーや通信時間の増大などの影響を抑えることができ、固定でのチャネル選択方式に比べて大幅に通信効率を高めることが可能になる。

発明を実施するための最良の形態

0014

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。

0015

図1は本発明の無線通信装置であるリーダライタの構成を示す図である。

0016

同図に示すように、本実施形態のリーダライタ1は、電波を利用してデータキャリアであるRFIDタグとの間で無線によるデータ通信を行う装置である。より具体的には、リーダライタ1は、図8に示したUHF帯における9個のチャネルのうちから選択した1個のチャネル周波数の電波を選択して使用し、RFIDタグに対してそのメモリに記憶されているデータの読み出しや書き込みを行うものであって、以下に説明する制御部2、発信器3、送信部4、受信部5、サーキュレータ6、アンテナ7を備えて構成されている。

0017

制御部2は、リーダライタ1とRFIDタグとの間の送受信を制御するものであり、主にRFIDタグへ送信する送信信号S1を生成して出力し、RFIDタグから受信した受信信号S2を入力して処理する。なお、制御部2の構成については図2において詳しく説明する。

0018

発信器3は、制御部2からの制御信号S3に基づいて送信信号S1の搬送周波数を設定するものであり、本実施形態ではPLL回路によって構成されている。

0019

送信部4は、RFIDタグへの読み出し信号または書き込み信号を送信信号S1として出力するものであり、ディジタルアナログ変換器41、変調器42、高周波増幅器43を備えてなる。まずディジタルアナログ変換器41は、制御部2から出力された送信データディジタル信号からアナログ信号に変換してベースバンド信号S4として出力する。次に変調器42は、発信器3で設定された所定周波数の搬送波f0をディジタルアナログ変換器41から入力されたベースバンド信号S4で変調するとともに、読み出し信号を送信する場合には搬送波f0を無変調とする。さらに高周波増幅器43は、変調器42から入力されたRF信号電力増幅を行う。そして、高周波増幅器43から出力された送信信号S1はサーキュレータ6と低域通過フィルタ8を介してアンテナ7から放射される。

0020

受信部5は、RFIDタグから返信された信号を受信信号S2として入力するものであり、帯域制限フィルタ51、ローノイズアンプ52、復調器53、増幅器54、アナログディジタル変換器55を備えてなる。帯域制限フィルタ51を介して入力された受信信号S2はRFIDタグの反射波による微弱な電波であるため、ローノイズアンプ52で増幅されて復調器53に出力される。ここで復調器53は、入力された受信信号S2を発信器3からの所定周波数の搬送波f0によってベースバンド信号S4に復調する。次に、復調されたベースバンド信号S4は増幅器54に入力されて電力増幅される。さらにアナログディジタル変換器55は、増幅されたベースバンド信号S4をアナログ信号からディジタル信号に変換して出力する。そして、アナログディジタル変換器55から出力された受信信号S2は制御部2へ入力されて処理される。

0021

本実施形態ではRFIDタグに電源を内蔵しないパッシブタグを使用しているため、リーダライタ1とRFIDタグとの間の通信方式半二重方式であり、アンテナ7を送信用受信用とで共用し、サーキュレータ6によって送信信号S1と受信信号S2を分離するようになっている。すなわち、送信時には送信部4から出力された送信信号S1がサーキュレータ6から低域通過フィルタ8を介してアンテナ7へと導かれ、アンテナ7から外部のRFIDタグに向けて放射される。一方、受信時にはアンテナ7で受信したRFIDタグからの受信信号S2が低域通過フィルタ8を介してサーキュレータ6から受信部5へと導かれる。

0022

図2はリーダライタにおける制御部の構成を示す図である。

0023

同図に示すように、制御部2は送信データ生成部21と符号化部22を備えており、送信データ生成部21で生成した送信データを符号化部22で符号化し、その符号化された送信データをディジタル信号としてディジタルアナログ変換器41に出力する。また、制御部2は復号化部23と受信データ処理部24を備えており、アナログディジタル変換器55から入力されるディジタル化された受信信号S2を復号化部23で復号化し、その復号化された受信データを受信データ処理部24で処理する。

0024

さらに、制御部2はFFT処理部25、チャネル選択処理部26、FIFOメモリ27を備えている。まずFFT処理部25は、キャリアセンス時においてアナログディジタル変換器55から入力されたディジタル信号を用いて高速フーリエ変換処理を行うものである。すなわち、FFT処理部25ではアナログディジタル変換器55から入力されたディジタル量のデータに対して高速フーリエ変換処理を実行することにより、ディジタル信号に含まれる各周波数成分を抽出し、図5に示すような周波数帯域ごとの受信電力強度の分布データを取得して出力する。

0025

次に、チャネル選択処理部26は、キャリアセンス時にFFT処理部25から入力された周波数帯域ごとの受信電力強度の分布データをFIFOメモリ27に記憶させるとともに、FIFOメモリ27から読み出した受信電力強度分布データに基づいて空きチャネルを評価し、1チャネル以上の連続した空きチャネル群が複数個存在する場合にはその中から最適なチャネル群を選択する処理を行う。さらに、チャネル選択処理部26は、選択した使用チャネルにおける搬送波f0の伝送速度(通信速度)を通信可能な最大速度に変更するために、発信器3に対して送信信号S1の搬送周波数を設定する制御信号S3を出力する。なお、チャネル選択処理については図5において詳しく説明する。

0026

図3パッシブ型RFIDの通信方式と各通信期間スペクトル状態を示す図である。

0027

上述したように、本実施形態のリーダライタ1はパッシブ型RFIDによる通信方式を採用しており、リーダライタ1からRFIDタグへと送信される電波はRFIDタグを動作させる起電力を供給する役割を担うので、アンテナ7から高出力で放射される。同図に示すように、リーダライタ1からRFIDタグへの通信期間においては、リーダライタ1のアンテナ7から読取コマンドが変調波として送信される。このとき、RFIDタグでは読取コマンドの復調、解析が行われる。また、コマンド送信時にはRFIDタグへの信号の伝送速度を指定するオプションを付加することができ、毎通信ごとにその伝送速度を変更することが可能である。なお、同図(b)はチャネル内に帯域制限されたリーダライタ1の変調波スペクトルを示している。

0028

一方、RFIDタグからリーダライタ1への通信期間において、リーダライタ1はアンテナ7から無変調の連続搬送波CWを送信している。そして、これより少し遅れてRFIDタグからリーダライタ1へと返信される電波は、RFIDタグのアンテナインピーダンスがタグ内部のメモリのデータに応じて変化する。これにより、リーダライタ1からの電波はタグのアンテナインピーダンスの変化に応じて反射量が変わり、タグのデータで変調された微弱な信号として返信される。また、RFIDタグのインピーダンス変調速度は、送信コマンド内で指定された伝送速度によって決定される。なお、同図(c)はリーダライタ1の連続搬送波CWとRFIDタグのインピーダンス変化による微弱な信号の変調波スペクトルを示している。

0029

図4は通信速度と周波数帯域の関係を示す図である。

0030

同図に示すように、リーダライタ1からRFIDタグへのデータの伝送速度が大きくなると、影響を受ける周波数帯域が広くなるという特性がある。つまり、通信速度が高速の場合、使用チャネルに隣接するチャネルにまで上下側波帯占有帯域広がり、その隣接チャネルで使用されている搬送波の影響を受けやすくなる。

0031

例えば図示した例は、リーダライタ1からの搬送波f0がnチャネルのときのRFIDタグの変調波スペクトルを示したものであり、データ伝送速度が40kbps(低速)の場合は符号化により上側波帯(USB:Upper Side Band)と下側波帯(Lower Side Band)の占有帯域幅がそれぞれ80kHzまで広がり、80kbps(中速)の場合は符号化により同帯域幅が160kHzまで広がり、160kbps(高速)の場合は同帯域幅が320kHzまで広がることがわかる。特に伝送速度を高速に設定した場合には、隣接するn+1チャネルに妨害波スペクトルがあると周波数帯域がかぶり、リーダライタ1とRFIDタグとの間の通信信頼性が低下してしまう。

0032

そこで、本実施形態のリーダライタ1は、キャリアセンスによるチャネル評価時に、隣接するリーダライタの干渉波の強度を統計的に検査し、干渉波の強度に応じて通信速度を最適値に変化させることにより、リーダライタ1とRFIDタグとの間の通信効率を高めるようにしている。

0033

図5は受信電力強度分布データと空きチャネルの関係を示す図である。

0034

上述したように、制御部2のFFT処理部25において、キャリアセンス時にアナログディジタル変換器55から入力されたディジタル信号を用いて高速フーリエ変換処理を実行することにより、同図のようなチャネル単位で測定された受信電力強度分布データを取得する。同図において、横軸はUHF帯で使用可能な9個のチャネル(CH)を示し、縦軸は受信電力強度(dBm)のレベルをTh1、Th2、Th3の3段階の閾値に分けて示してある。

0035

ここで、閾値Th1は高出力型UHF帯のキャリアセンスレベルとして規定された−74dBmに設定されている。そして、図示した例では、測定された受信電力強度が閾値Th1未満のチャネル、つまりCH2、CH3、CH6、CH9の4個のチャネルが通信可能な空きチャネルであることを表わしている。そして、この受信電力強度分布データのように空きチャネルが複数個存在する場合、チャネル選択処理部26では次のように空きチャネルの評価をしてから最適なチャネルを選択するとともに、選択した使用チャネルにおける通信速度を決定する。

0036

図6は制御部でのチャネル選択処理の一例を示すフローチャート図である。

0037

同図において、まずリーダライタ1はRFIDタグとの通信に先立ち、アンテナ7から電波の送信を停止してキャリアセンスを行う(ステップ601)。すなわち、アンテナ7と受信部5を介してUHF帯の全チャネル(CH1〜9)で受信電力強度を測定し、チャネル選択処理部26はFFT処理部25からの受信電力強度分布データに基づいて受信電力強度が閾値Th1のキャリアセンスレベル(−74dBm)未満である空きチャネルを検索する。図5の例でいえば、CH2、CH3、CH6、CH9の4個のチャネルが空きチャネルに相当する。

0038

次に、チャネル選択処理部26は、キャリアセンスによって検索された空きチャネルのうち、中レベル以上の空きチャネルが存在するかどうかのチェックを行う(ステップ602)。ここで「中レベル以上の空きチャネル」とは、空きチャネルの中で、隣接した少なくとも上下両側1個ずつのチャネルの受信電力強度が共に閾値Th2未満の条件を満たすチャネルのことをいう。図5の例で説明すると次のとおりになる。

0039

空きチャネルとして検索されたのはCH2、CH3、CH6、CH9の4個のチャネルである。このうちCH2は、隣上のCH3の受信電力強度が閾値Th2未満であるが、隣下のCH1の受信電力強度が閾値Th2を超えているので中レベル以上の空きチャネルに相当せず、低レベルの空きチャネルであると評価される。CH3は、上下両隣のCH2とCH4の受信電力強度が共に閾値Th2未満であるので、中レベル以上の空きチャネルに相当する。CH6は、上下両隣のCH5とCH7の受信電力強度が共に閾値Th2を超えているので、中レベル以上の空きチャネルに相当せず、低レベルの空きチャネルであると評価される。CH9は、隣上にチャネルがなく受信電力強度が閾値Th2未満であり、かつ隣下のCH8の受信電力強度も閾値Th2未満であるので、中レベル以上の空きチャネルに相当する。

0040

次に、チャネル選択処理部26は、中レベル以上の空きチャネルの中に、高レベルの空きチャネルが存在するかどうかのチェックを行う(ステップ603)。ここで「高レベルの空きチャネル」とは、中レベル以上の空きチャネルの中で、隣接した少なくとも上下両隣2個ずつのチャネルの受信電力強度がすべて閾値Th3未満の条件を満たすチャネルのことをいう。図5の例で説明すると次のとおりになる。

0041

中レベル以上の空きチャネルとして検索されたのはCH3、CH9の2個のチャネルである。このうちCH3は、隣下2個のCH1とCH2の受信電力強度が共に閾値Th3未満であり、かつ隣上2個のCH4とCH5の受信電力強度も共に閾値Th3未満であるので、高レベルの空きチャネルに相当する。一方、CH9は、隣上には受信電力強度が閾値Th3以上のものはないが、隣下2個目のCH7の受信電力強度が閾値Th3を超えているので、高レベルの空きチャネルに相当せず、中レベルの空きチャネルであると評価される。

0042

このように、チャネル選択処理部26は、すべての空きチャネルについて低・中・高のどのレベルに該当するかの評価をした後、次の手順に従って使用チャネルを選択し、その通信速度を決定する。

0043

はじめに、高レベルの空きチャネルがあるかどうかを判断する(ステップ604)。ここで、高レベルの空きチャネルがある場合、その中から使用チャネルを選択する(ステップ609)。高レベルの空きチャネルについては、図4で説明したようにデータ伝送速度を高速(160kbps)に設定して上下側波帯の占有帯域幅が320kHzまで広がったとしても、使用チャネルの上下両隣2個ずつのチャネルの受信電力強度がすべて閾値Th3未満であるので、隣接するチャネルとの電波干渉は起こらない。したがって、高レベルの空きチャネルを使用する場合には、LBF(Local Beam Forming)で発信器3のLo信号に重み付けをし、変調器42から出力されるRF信号に重み付けを行うことによって通信可能な最大速度を高速に設定して通信を開始する(ステップ607)。なお、通信が終了して新たな通信を行う前には必ずステップ601のキャリアセンスを実行する。

0044

図5の例でいえば、高レベルの空きチャネルであるCH3が存在するので、これを使用チャネルとして選択し、通信速度を高速に設定して通信を行う。なお、高レベルの空きチャネルが複数個ある場合も考えられるが、この場合にはすべてのチャネルの受信電力強度が閾値Th1未満であるので、任意のチャネルを選択すればよい。

0045

一方、高レベルの空きチャネルがない場合には、中レベルの空きチャネルがあるかどうかを判断する(ステップ605)。ここで中レベルの空きチャネルがある場合には、その中から使用チャネルを選択する(ステップ608)。中レベルの空きチャネルは上下両隣1個のチャネルの受信電力強度が閾値Th2未満であるため、図4に示したようにデータ伝送速度を中速(80kbps)に設定しても上下側波帯の占有帯域幅が160kHzまでしか広がらず、隣接するチャネルとの電波干渉は起こらない。したがって、中レベルの空きチャネルを使用する場合には、通信速度を中速に設定して通信を開始する(ステップ607)。

0046

さらに、中レベルの空きチャネルもない場合には、低レベルの空きチャネルの中から使用チャネルを選択する(ステップ606)。低レベルの空きチャネルは上下両隣のチャネルの受信電力強度が閾値Th2以上であるため、図4に示したようにデータ伝送速度を低速(40kbps)に設定すれば占有帯域幅が80kHzまでしか広がらず、隣接するチャネルとの電波干渉は起こらない。したがって、低レベルの空きチャネルを使用する場合には、通信速度を低速に設定して通信を開始する(ステップ607)。

0047

このように、上述した機能を有するリーダライタ1によれば、すべての空きチャネルについてレベル評価をした後に、隣接チャネルの空き状況に応じて伝送速度を変化させるようになっている。これにより、空きチャネルが多い場合は高速でデータを伝送し、少ない場合は低速でデータ伝送することによって、隣接チャネルの電波干渉による通信エラーや通信時間の増大などの影響を抑えることができるので、固定でのチャネル選択方式に比べて大幅に通信効率を高めることが可能になる。なお、同図で説明したチャネル選択処理に替えて、次のようなチャネル選択処理を採用してもよい。

0048

図7は制御部でのチャネル選択処理の他の例を示すフローチャート図である。

0049

同図において、まずリーダライタ1はRFIDタグとの通信に先立ち、アンテナ7から電波の送信を停止してキャリアセンスを行う(ステップ701)。すなわち、アンテナ7と受信部5を介してUHF帯の全チャネル(CH1〜9)で受信電力強度を測定し、チャネル選択処理部26はFFT処理部25からの受信電力強度分布データに基づいて受信電力強度が閾値Th1のキャリアセンスレベル(−74dBm)未満である空きチャネルを検索する(ステップ702)。なお、このキャリアセンスによる空きチャネル検索は、図6のときと同様である。

0050

次に、チャネル選択処理部26は空きチャネル情報を蓄積する(ステップ703)。すなわち、チャネル選択処理部26はキャリアセンスによって検索された各チャネルの受信電力強度のデータをFIFOメモリ27に蓄積する。この空きチャネル情報の蓄積はキャリアセンスの度に行うようにし、FIFOメモリ27に最新の各チャネルのデータを規定量蓄積していく。

0051

次いで、チャネル選択処理部26はチャネル履歴情報のチェックを行う(ステップ704)。ここで「チャネル履歴情報」とは、FIFOメモリ27に蓄積されている過去のチャネル情報履歴を用いて算出された空きチャネルの数の平均値のことをいう。過去のチャネル情報は、例えば最新のn回分のデータや現在からn分以内のデータのように、回数や時間によって直近の各チャネルの電波干渉状態を反映できるデータを採用するのが好ましい。

0052

そして、チャネル選択処理部26は、チャネル履歴情報のチェックによって過去の平均空きチャネル数が3個以上存在するかどうかを判断する(ステップ705)。ここで過去の平均空きチャネル数が3個以上存在する場合には、次に、過去の平均空きチャネル数が5個以上存在するかどうかを判断する(ステップ708)。その結果、過去の平均空きチャネル数が5個以上存在する場合には、今回のキャリアセンスによって検索された空きチャネルの中から使用チャネルを選択する(ステップ710)。過去の平均空きチャネル数が5個以上存在すれば、最近に通信を実行した他のリーダライタの台数が少ないことが推定できるので、LBFによって伝送速度を最大の高速(160kbps)に設定して通信を開始する(ステップ707)。なお、通信が終了して新たな通信を行う前には必ずステップ701のキャリアセンスを実行する。

0053

一方、ステップ708において、過去の平均空きチャネル数が5個以上存在しない場合にも、今回のキャリアセンスで検索された空きチャネルの中から使用チャネルを選択するが、ここでは伝送速度を最大よりも低下させた中速(80kbps)に設定する(ステップ709)。そして、伝送速度を中速に設定することにより、上下側波帯の占有帯域幅を狭めて隣接チャネルとの電波干渉が起こらないようにしてから通信を開始する(ステップ707)。

0054

さらに、ステップ705において、過去の平均空きチャネル数が3個以上存在しない場合にも、今回のキャリアセンスで検索された空きチャネルの中から使用チャネルを選択するが、この場合には伝送速度を最小の低速(40kbps)に設定する(ステップ706)。そして、伝送速度を低速に設定することにより、上下側波帯の占有帯域幅をより一層狭めて隣接チャネルとの電波干渉が起こらないようにしてから通信を開始する(ステップ707)。

0055

このように、図7に示したチャネル選択処理では、キャリアセンスの度に過去のチャネル使用履歴を保持して蓄積していき、通信前に直近の各チャネルの電波状態を参照できるようにした。これにより、キャリアセンスによって測定した瞬時の空きチャネル状況ではなく、蓄積された過去の統計から空きチャネルの割合を推測し、電波干渉する恐れがあるリーダライタの台数を推定してそれに応じた伝送速度を決定するようになっているので、より実際の環境に即した効果を発揮することができる。特に、運用上システム内のリーダライタの設置台数増減するような環境において好適である。また、本例のようなチャネル履歴情報を用いたチャネル選択処理において、図6のチャネルレベル評価を併用すれば通信効率をより一層向上させることができる。

0056

なお、上述した実施形態では、本発明の無線通信装置を高出力型UHF帯のリーダライタに適用した例を挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、キャリアセンスによる混信防止対策が必要なシステムに使用されるものであれば、低出力型UHF帯のリーダライタやその他の周波数帯域の通信機器にも同様に適用できる。

図面の簡単な説明

0057

本発明の無線通信装置であるリーダライタの構成を示す図。
リーダライタにおける制御部の構成を示す図。
パッシブ型RFIDの通信方式と各通信期間のスペクトル状態を示す図。
通信速度と周波数帯域の関係を示す図。
受信電力強度分布データと空きチャネルの関係を示す図。
制御部でのチャネル選択処理の一例を示すフローチャート図。
制御部でのチャネル選択処理の他の例を示すフローチャート図。
UHF帯のチャネル配置例を示す図。

符号の説明

0058

1リーダライタ(無線通信装置)
2 制御部
21送信データ生成部
22 符号化部
23復号化部
24受信データ処理部
25FFT処理部
26チャネル選択処理部
27FIFOメモリ
3発信器
4 送信部
41ディジタルアナログ変換器
42変調器
43高周波増幅器
5 受信部
51帯域制限フィルタ
52ローノイズアンプ
53復調器
54増幅器
55アナログディジタル変換器
6サーキュレータ
7アンテナ
8低域通過フィルタ
S1送信信号
S2受信信号
S3制御信号
S4ベースバンド信号
f0 搬送波

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社ソシオネクストの「 通信回路、通信システム及び通信方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】第一の論理状態と第二の論理状態が定義された信号が入力され、前記第一の論理状態又は前記第二の論理状態を示す信号を出力する第一のバッファと、前記第一のバッファから出力される信号が入力され... 詳細

  • 株式会社NTTドコモの「 ユーザ端末及び無線通信方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】ビーム回復手順の実施が想定される場合に、RLMを適切に制御すること。本発明の一態様に係るユーザ端末は、仮想の下り制御チャネルに関する情報を受信する受信部と、前記情報に基づいて、下り制... 詳細

  • 株式会社NTTドコモの「 ユーザ端末及び無線通信方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】同期信号ブロックを利用する無線通信システムにおいて制御チャネルの設定領域の情報を適切に通知するために、本発明のユーザ端末の一態様は、制御リソースセットの構成を示す所定ビット情報を含む... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ