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技術 坐剤

出願人 大正製薬株式会社
発明者 阿部晃也
出願日 2007年11月16日 (13年1ヶ月経過) 出願番号 2007-297470
公開日 2008年6月26日 (12年6ヶ月経過) 公開番号 2008-143894
状態 特許登録済
技術分野 医薬品製剤 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬
主要キーワード 放出液 測定チューブ 混合乳化剤 混合ワックス ローマンカモミール 層状ケイ酸塩鉱物 カユプテ ナイフ状
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

静止性保管性および速溶性崩壊性)の何れにも優れ、治療効果の高い坐剤を提供すること。

解決手段

次の成分(A)〜(D) (A)常温固体脂肪酸トリグリセリド、 (B)常温で固体の炭素原子数14から18のグリセリン脂肪酸エステルの1種また は2種以上、 (C)直腸下部滞留性基剤成分、 (D)常温で澄明液体エステル油、を含有することを特徴とする坐剤。

概要

背景

坐剤は、肛門から挿入後、直腸内で体温によって自然に融解し、これに含有される薬物が直腸から吸収され、薬理効果を発揮するものである。このうち、特に痔疾疾患治療に用いられる坐剤においては、直腸下部に滞留し、ここで薬物を放出することが望まれている。

これまでに本出願人は、直腸挿入前に指で保持した際には、指の体温などでは融解せず、直腸に挿入し、融解が開始した後も、直腸上部へ移動することが抑制された静止性および保管性に優れた坐剤を報告している(特許文献1〜2)。

これらの坐剤は静止性や保管性に優れたものではあるが、更に、治療効果を高めるためには、坐剤に直腸での速溶性崩壊性)が必要であった。
WO99/17737号国際公開パンフレット
WO2002/024161号国際公開パンフレット

概要

静止性、保管性および速溶性(崩壊性)の何れにも優れ、治療効果の高い坐剤を提供すること。次の成分(A)〜(D) (A)常温固体脂肪酸トリグリセリド、 (B)常温で固体の炭素原子数14から18のグリセリン脂肪酸エステルの1種また は2種以上、 (C)直腸下部滞留性基剤成分、 (D)常温で澄明液体エステル油、を含有することを特徴とする坐剤。なし

目的

従って、本発明の課題は、静止性、保管性および速溶性(崩壊性)の何れにも優れ、治療効果の高い坐剤を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

次の成分(A)〜(D)(A)常温固体脂肪酸トリグリセリド、(B)常温で固体の炭素原子数14から18のグリセリン脂肪酸エステルの1種または2種以上、(C)直腸下部滞留性基剤成分、(D)常温で澄明液体エステル油、を含有することを特徴とする坐剤

請求項2

成分(D)の常温で澄明な液体のエステル油が、中鎖脂肪酸トリグリセリドおよびミリスチン酸イソプロピルから選ばれるエステル油の1種または2種以上である請求項1記載の坐剤。

請求項3

更に、成分(E)として薬物を含有するものである請求項1または2記載の坐剤。

請求項4

直腸下部滞留型である請求項1ないし3の何れかに記載の坐剤。

技術分野

0001

本発明は坐剤に関し、更に詳細には、静止性保管性および速溶性崩壊性)に優れた坐剤に関する。

背景技術

0002

坐剤は、肛門から挿入後、直腸内で体温によって自然に融解し、これに含有される薬物が直腸から吸収され、薬理効果を発揮するものである。このうち、特に痔疾疾患治療に用いられる坐剤においては、直腸下部に滞留し、ここで薬物を放出することが望まれている。

0003

これまでに本出願人は、直腸挿入前に指で保持した際には、指の体温などでは融解せず、直腸に挿入し、融解が開始した後も、直腸上部へ移動することが抑制された静止性および保管性に優れた坐剤を報告している(特許文献1〜2)。

0004

これらの坐剤は静止性や保管性に優れたものではあるが、更に、治療効果を高めるためには、坐剤に直腸での速溶性(崩壊性)が必要であった。
WO99/17737号国際公開パンフレット
WO2002/024161号国際公開パンフレット

発明が解決しようとする課題

0005

従って、本発明の課題は、静止性、保管性および速溶性(崩壊性)の何れにも優れ、治療効果の高い坐剤を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、坐剤に特定のエステル油を配合することにより、静止性および保管性を維持しながら、速溶性(崩壊性)にも優れた坐剤が得られることを見出し、本発明を完成した。

0007

すなわち、本発明は 次の成分(A)〜(D)
(A)常温固体脂肪酸トリグリセリド
(B)常温で固体の炭素原子数14から18のグリセリン脂肪酸エステルの1種また
は2種以上、
(C)直腸下部滞留性基剤成分
(D)常温で澄明液体のエステル油、
を含有することを特徴とする坐剤である。

発明の効果

0008

本発明の坐剤は、直腸挿入前に指で保持した際は、指の体温では融解せず、直腸に挿入し、融解が開始した後も、直腸上部へ移動することが抑制されたものであり、しかも、これらの性質と共に、坐剤の速溶性(崩壊性)をも向上させたものである。

0009

従って、本発明の坐剤は痔疾患等の治療に好適に用いることができるものである。

発明を実施するための最良の形態

0010

本明細書において「常温で固体」とは15℃〜25℃で固形状態であるものをいう。また、「常温で澄明な液体」とは15℃〜25℃で濁りのない透きとおった液体状態をいい、このものは着色していても差し支えない。

0011

本発明の坐剤に含有される成分(A)の常温で固体の脂肪酸トリグリセリド(以下、単に「脂肪酸トリグリセリド」ということもある)としては、パルミチン酸トリグリセリド等の脂肪酸のトリグリセリドが挙げられ、具体的には、カカオ脂ラノリン油ハードファット等である。これら脂肪酸トリグリセリドの中でもハードファットが好ましい。このうち、ハードファットとしては、例えば、ウイテプゾールW−35、ウイテプゾールE85(いずれも商品名:Sasol Germany GmbH製)、イソカカオ(商品名:花王製)、ファーマゾール(商品名:日本油脂製)等の市販品を利用しても良い。これら成分(A)の発明の坐剤における含有量は50〜90質量%(以下、単に「%」という)、好ましくは65〜85%である。

0012

また、本発明の坐剤に含有される成分(B)の常温で固体の炭素原子数14から18のグリセリン脂肪酸エステル(以下、単に「グリセリン脂肪酸エステル」ということもある)としては、ミリスチン酸モノグリセリド(炭素原子数14)、パルミチン酸モノグリセリド(炭素原子数16)、ステアリン酸モノグリセリド(炭素原子数18)の1種または2種以上が挙げられる。これらグリセリン脂肪酸エステルの中でもパルミチン酸モノグリセリドまたはステアリン酸モノグリセリドが好ましい。このグリセリン脂肪酸エステルとしてはサンソフト8000C、(商品名:太陽化学株式会社)、NIKKOL MGS−A(日光ケミカルズ製)、ポエムS−100(理研ビタミン社製)等の市販品を利用することもできる。これら成分(B)の本発明の坐剤における含有量は5〜30%、好ましくは6.5〜13%である。

0013

更に、本発明の坐剤に含有される成分(C)の直腸下部滞留性基剤成分とは、直腸の肛門部近傍の直腸下部に製剤を滞留することができる直腸投与用基剤成分のことである。この様な成分としては、アクリル酸重合体ポリガムアルカリ金属塩層状ケイ酸塩鉱物アクリル酸デンプンポリビニルアルコールペクチンメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース等のセルロース類ポリビニルピロリドンプルランおよびトラガントゴム等の粘膜付着性高分子等が挙げられる。これらの中でもアクリル酸重合体、ポリガムアルカリ金属塩、層状ケイ酸塩鉱物およびアクリル酸デンプンのうち1種または2種以上が好ましく、特にアクリル酸重合体が好ましい。また、アクリル酸重合体の中でも、最も好ましくはカルボキシビニルポリマーである。このカルボキシビニルポリマーとしては、カーボポール980NF(商品名:noveon inc社製)、カーボポールULTREZ 10(日光ケミカルズ株式会社)等の市販品を利用することもできる。これら成分(C)の本発明の坐剤における含有量は0.2〜15%、好ましくは1〜10%である。

0014

また更に、本発明の坐剤に含有される成分(D)の常温で澄明な液体のエステル油(以下、単に「エステル油」ということもある)としては、エステル構造を有する中鎖脂肪酸トリグリセリド高級脂肪酸エステル等が挙げられる。このうち好ましいものとしては、カプリル酸カプリン酸等の炭素数6〜10の飽和脂肪酸のトリグリセリドを主成分とする中鎖脂肪酸トリグリセリドや、ミリスチン酸イソプロピルパルミチン酸イソプロピル等の炭素数12〜18の中鎖脂肪酸ないし長鎖脂肪酸の低級アルキルエステルなどが挙げられ、より好ましいものとしては中鎖脂肪酸トリグリセリドおよびミリスチン酸イソプロピルが挙げられる。この中鎖脂肪酸トリグリセリドとしては、パナセート810S(商品名:日本油脂株式会社)、トリエスターF−810(日光ケミカルズ株式会)等の市販品を利用することもできる。これら成分(D)は、1種または2種以上配合することができ、その本発明の坐剤における含有量は1.5〜30%、好ましくは3.0〜27%である。

0015

また、本発明の坐剤には、更に成分(E)として薬物を配合することができる。ここで薬物とは、通常、直腸投与されうる薬物であり、例えば、塩酸テトラヒドロゾリン塩酸ナファゾリン塩酸フェニレフリン塩酸エフェドリンおよび塩酸オキシメタゾリン血管収縮剤アセチルサリチル酸アセトアミノフェン塩酸ブプレノルフィンイブプロフェンケトプロフェンピロキシカム塩酸モルヒネ塩化リゾチームおよびグリチルレチン酸消炎解熱鎮痛剤ペニシリン類セファロスポリン類、テトラサイクリン類およびマクロライド類の抗生物質5−フルオロウラシルおよびフトラフール抗腫瘍性薬剤エコナゾール硝酸エコナゾール、ミコナゾール硝酸ミコナゾールクロトリマゾールビフォナゾール塩酸テルビナフィン塩酸ブテナフィン抗真菌剤ヒドロコルチゾン酢酸ヒドロコルチゾンプレドニゾロン酢酸プレドニゾロンデキサメタゾンおよび酢酸デキサメタゾンステロイド剤テトラカインメピバカインクロプロカインブピバカインプロパラカイン、フェナカインコカインオキシプロカイン、プロピトカイン、オルソカイン、オキセサゼイン塩酸テトラカイン塩酸メピバカイン塩酸クロロプロカイン塩酸ブピバカイン塩酸プロパラカイン塩酸フェナカイン塩酸コカイン塩酸オキシブプロカイン塩酸プロピトカイン塩酸プリルカインおよびメピバカインの局所麻酔剤酸化亜鉛タンニン酸タンニン酸アルブミンおよび硫酸アルミニウムカリウム収れん剤ジフェンヒドラミン塩酸ジフェンヒドラミンおよびマレイン酸クロルフェニラミン抗ヒスタミン剤アラントインおよびアルミニウムクロルヒドロキシアラントイネートの創傷治癒促進剤塩酸クロルヘキシジンセトリミド塩化デカリニウムおよび塩化ベンザルコニウム殺菌剤スルフイソミジンスルフイソミジンナトリウムホモスルファミンおよびスルファジアジンサルファ剤肝油エルゴカルシフェロールリボフラビン塩酸ピリドキシンおよび酢酸トコフェロールビタミン類d−カンフルdl−カンフルl−メントールdl−メントールハッカ油およびユーカリ油清涼化剤ドンペリドン制吐剤ビサコジル排便促進剤テオフィリン気管支拡張剤インシュリンペプチドが挙げられる。これら薬剤の本発明の坐剤における含有量は、0.01〜6.0%、好ましくは0.06〜3.6%である。

0016

更に、本発明の坐剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分として油脂類界面活性剤溶解剤分散剤防腐剤抗酸化剤香料等を添加することができる。 なお、これら任意成分の種類、添加量等については何ら限定されるものではない。

0017

油脂類としては、ダイズ油ダイズ硬化油、硬化油、ごま油ヒマシ油綿実油小麦胚芽油ナタネ油ラッカセイ油オリーブ油サフラワー油ひまわり油フィトステロールカウナウロウミツロウサラシミツロウモクロウラノリン、ポリエキシエチレンラノリン、スクワランスクワレン流動パラフィンパラフィンゲル化炭化水素マイクロクリスタリンワックスワセリン白色ワセリンセタノールポリオキシエチレンセチルエーテル混合ワックス、セタノール・ポリオキシエチレンセチルエーテル・ラウリル硫酸ナトリウム混合ワックス、セタノール・ポッリソルベート混合ワックス、ミリスチルアルコール、セタノール・ポリエチレングリコール脂肪酸エステル混合ワックス、セタノール・ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル混合ワックス、コレステロール、ミリスチン酸、ステアリン酸,パルミチン酸、ベヘン酸イソステアリン酸、イソステアリルパルミテートオレイン酸オレイルアルコールステアリルアルコールベヘニルアルコールオクチルドデカノールイソステアリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコールオクタンジオールヘキシルデカノールラウリルアルコールパルミチン酸デキストリンジメチルポリシロキサンメチルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・メチルポリオキシエチレンシロキサン共重合体、ジメチルポリシロキサン・二酸化ケイ素合物シリコン油クロタミトン等が挙げられる。

0018

界面活性剤としては、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルステアリン酸ポリオキシル等の脂肪酸ポリオキシルヤシ油脂肪酸ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド脂肪酸ジエタノールアミドレシチンセスキオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステルポリオキシエチレンヒマシ油ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エーテルポリオキシエチレンベヘニルエーテルポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンやし油脂肪酸グリセリル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(セトマクロゴール)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンソルビッドミツロウ、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンアラキルエーテル・ステアリルアルコール混合物、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸アンモニウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリン酸ジエタノールアミドラウロイルサルコシンナトリウムリン酸ポリオコシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウムポリオキシエチレンラウリルエーテル、アルキルアリルポリエーテルアルコール高級アルコール硫酸化物、N-ココイル-L-アルギニンエチルエステルDL-ピロリドンカルボン酸塩、N-ココイル-N-メチルアミノエチルスルホン酸ナトリウムN-メチル-2-ピロリドンモノステアリン酸ポリエチレングリコール、N-アシル-L-グルタミン酸ナトリウムアリルグリシジルエーテル塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩・アルキルナフタレンスルホン酸塩混合乳化剤ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムノニルフェノキシポリオキシエチレンエタン硫酸エステルアンモニウムリン脂質エチレングリコールモノメチルエーテルジエチレングリコールモノブチルエーテルジオクチルソジウムスルホサクシネートジブナートナトリウムアクリル酸メチルアクリル酸−2−エチルヘキシル共重合樹脂エマルジョンシリコン樹脂エマルジョンペンタエリスチルクエン酸高級脂肪酸エステル・ミツロウ・ノニオン乳化剤混合物等が挙げられる。

0020

分散剤としては、軽質無水ケイ酸疎水性軽質無水ケイ酸軽質酸化アルミニウム等が挙げられる。

0023

香料としては、メントールカンフルベルガモットラベンダーパイン、ローズオットーウィンターグリーンシトロネラティートリーペパーミントレモンレモングラスレモンユーカリローズマリーカンファークローブゼラニウム・ブルボンマジョラムスイートラバジンローズウッドパルマローザ、プチゴレンサイプレスシナモン、ジュニパー、オレンジ・スイート、スパイクラベンダー、タイムチモール、タイムリナロールバジルヒソップヘリクリサムマンリンユーカリデイビスヨーロッパアカマツ、ラバンサラアロマティカ、レモンバーベナレモンバームローマンカモミール、イランイラン、カモミールジャーマン、カモミールローマン、カユプテクラリセージグレーフルーツサンダルウッドシダーウッドアトラス、シダーウッドバージニアジャスミンアブソリュートスペアミント、タイムツヤノール、ニアウリ・シネオール、ネロリ、バジル・スイート、パチュリー、パルマローザ、フェンネルスイート、プチグレンフランキンセンス、ユーカリ・グロブルス、ユーカリ・ラジアタ、ラバンサラ、カミツレ油、ケイヒ油シンナムアルデヒドチョウジ油、ハッカ油、ピペロナール、ユーカリ油、ロジンローズ水ローマカミツレ油オレンジ油テレピン油等を挙げることができる。

0024

本発明の坐剤は、特に制約はなく、常法に従って製造することができるが、その好ましい方法の一例としては、例えば、加温溶融(50℃〜70℃)した坐剤基剤に他の成分を攪拌しながら順次溶解または分散して配合し、約50℃に冷却後坐剤コンテナ充填し、更に冷却して成型し、坐剤を得る方法を挙げることができる。

0025

斯くして得られる本発明の坐剤は、静止性、保管性および速溶性(崩壊性)に優れているので、特に直腸下部滞留型の坐剤、すなわち、直腸に挿入し、融解が開始した後も、直腸上部へ移動することなく、直腸下部の痔疾患部で製剤が滞留し、効果的に有効性分を放出する坐剤として用いることが好ましい。

0026

以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。

0027

実 施 例 1
坐剤の製造(1):
表1に示す処方の坐剤を以下に記載の製造方法に従い各100個製造した。

0028

<製造方法>
表1に示す成分(A)のうち、ウイテプゾールW−35の一部とウイテプゾールE−85の全量、成分(C)の全量、成分(D)または液状油および分散剤の全量を70℃に加温し、攪拌して溶解させた。これを55〜65℃に維持したものに、別途、成分(E)と成分(A)のウイテプゾールW−35の一部とを55〜65℃に加温し、攪拌して溶解したものを添加した。更に、これを50〜55℃に維持したものに、別途成分(A)のウイテプゾールW−35の残りと成分(B)とを70〜80℃に加温し、攪拌して溶解させたものを添加した。最後にこの溶解物を50℃に維持したまま樹脂製コンテナに充填し、冷却することにより坐剤を製造した。

0029

0030

試 験 例 1
融点測定
実施例1で製造した各坐剤(n=3)について、その溶融温度を以下の方法に従い測定した。その結果を表2に示した。

0031

<溶融温度測定方法
溶融温度は日本薬局方融点測定法第2法に従い測定した。

0032

0033

<結果>
実施品1および2はいずれも40℃以上の溶融温度であった。この結果より実施品1および2は溶融温度が高く、保管性に優れていることがわかった。

0034

試 験 例 2
放出試験(1):
実施例1で製造した各坐剤(n=3)について、坐剤に含有させた酢酸ヒドロコルチゾンの放出試験を以下の方法および条件に従い行った。酢酸ヒドロコルチゾンの放出試験の結果を図1に示した。

0035

<放出試験方法>
坐剤を封入するためのチューブを備えた坐剤溶出試験器理研工業株式会社製)を用いて上下運動透析膜法(山崎勝、伊壮一、田部和久、「坐剤溶出試験法の比較」、医薬品研究、28巻、232(1997))によって測定した。具体的な測定条件は以下の通りである。

0036

<放出試験測定条件>
放出液リン酸塩緩衝液(pH7.2)*1
放出液の設定温度:37℃
測定チューブセルロースチューブ*2(約15cm)の下端ステンレス製クロー
で止め、チューブの上端からあらかじめ重量を測定しておいた坐剤をい
れ、空気が入らないようにクローサーで止めて封入した。
上下運動数:30回/分
サンプリング:一定時間後に容器から1mLずつサンプリングした。サンプリング後は
同量の放出液を補充した。
薬物放出量:HPLC法による測定
*1:リン酸緩衝液の調製
緩衝液用0.2Mリン酸二水素カリウム試液50mLに0.2N水酸化ナトリウ
ム試液34.7mLおよび水を加えて200mLとした。
*2:和光純薬工業製:Dialysis Membrene,Size36 Viskase Sales Corporation

0037

HPLC測定条件>
・酢酸ヒドロコルチゾンの定量条件
カラム:TSK-ODS 80Ts 4.6×150mm
温度:50℃
流速:1.0mL/分
波長:240nm
注入量:20μL
移動相:水/メタノール/リン酸=450/550/1
標準溶液:酢酸ヒドロコルチゾン溶液*3
*3:酢酸ヒドロコルチゾン0.05gを精密に量り、メタノールで正確に200
mLとした。この液2mLを正確に量り、メタノールで正確に100mLと
し、これを標準溶液とした。

0038

<結果>
図1に示すように、実施品1および2は、成分(D)を配合していない比較品1と比較して酢酸ヒドロコルチゾンの放出性が著しく向上した。また、実施品1および実施品2は、成分(D)に含まれない液状油を配合した比較品2〜4と比べても、放出性が向上した。特に成分(D)としてミリスチン酸イソプロピルを用いた場合には放出性が比較品1と比べて約2.0倍向上した。この結果より、実施品1および実施品2は薬剤の放出性に優れていることがわかった。

0039

試 験 例 3
滞留性試験
実施例1で製造した坐剤のうち実施品1、実施品2および比較品1(それぞれn=3)について、ウサギ直腸における滞留性試験を行った。滞留性はウサギの肛門に坐剤を挿入してから30分後に開腹し、坐剤の位置を肉眼で観察することにより評価した。ウサギ直腸内における坐剤の到達距離図2に示した。

0040

<結果>
図2に示すように、実施品1および実施品2は同じく直腸滞留性基剤成分を含むが、成分(D)を配合していない比較品1と有意差が付かない同程度の直腸移動距離であった。この結果より、実施品1および実施品2は静止性にも優れていることがわかった。

0041

実 施 例 2
坐剤の製造(2):
実施例1の表1に示す処方において、成分(D)のパナセート810Sの含有量を300mg/個(実施品1)から150mg/個(実施品3)、400mg/個(実施品4)および500mg/個(実施品5)に代える以外は、実施例1と同様にして坐剤を製造した。

0042

試 験 例 4
放出試験(2):
実施例2で製造した各坐剤(n=3)について試験例2と同様に酢酸ヒドロコルチゾンの放出試験を行った。酢酸ヒドロコルチゾンの放出試験の結果を図3に示した。

0043

<結果>
放出試験の結果から、パナセート810Sの配合量が増加することにより放出率も向上することがわかった。

0044

試 験 例 5
硬度測定
実施例2で製造した各坐剤(n=3)について以下の方法に従い硬度測定を行った。坐剤の硬度測定の結果を表3および図4に示した。

0045

0046

硬度測定方法
坐剤を切断する際の荷重を測定し坐剤の硬度を評価した。具体的には坐剤を固定し、刃の厚さが5mmのナイフ状金属板材質:鉄製)で徐々に荷重をかけ、坐剤が割れた時の荷重(kg)を測定し、それを硬度とした。

0047

<結果>
硬度測定の結果から、パナセート810Sの配合量の増加にともない坐剤の硬度は減少することがわかった。製造適性の点から、パナセート810Sの配合量は500mg/個以下が適当であると考えられた。

0048

本発明の坐剤は、静止性、保管性および速溶性(崩壊性)のいずれにも優れたものである。

0049

従って、本発明の坐剤は痔疾患等の治療に好適に用いることができる。

図面の簡単な説明

0050

酢酸ヒドロコルチゾンの放出試験の結果を示す図面である。
坐剤のウサギ直腸内における到達距離を示す図面である。
酢酸ヒドロコルチゾンの放出試験の結果を示す図面である。
坐剤の硬度測定の結果を示す図面である。 以 上

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