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技術 排熱回収装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 佐野明宏
出願日 2006年11月28日 (14年0ヶ月経過) 出願番号 2006-320782
公開日 2008年6月12日 (12年6ヶ月経過) 公開番号 2008-133776
状態 未査定
技術分野 排気消音装置 熱ガス機関
主要キーワード 作動流体入口 低温度差 作動流体供給口 加圧停止 蓄圧タンク内 被駆動プーリ 負荷閾値 蓄圧タンク
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

排熱回収用熱機関作動流体加圧手段を駆動する頻度を低減すること。

解決手段

排熱回収装置10は、スターリングエンジン100により、内燃機関1から排出される排ガスExの熱エネルギ回収する。排熱回収装置10は、スターリングエンジンの作動流体を内部に蓄える蓄圧タンク12と、内燃機関1によって駆動されて前記作動流体を加圧して蓄圧タンク12へ供給する圧縮機11と、圧縮機11と内燃機関1との間に配置されるクラッチ16とを備える。クラッチ16は、内燃機関の負荷状態又は蓄圧タンク内の圧力の少なくとも一方に応じて係合又は解放される。

概要

背景

熱機関一種である排熱回収用熱機関を用いることにより、乗用車バストラック等の車両に搭載される熱機関である内燃機関排熱回収する技術がある。このような用途に用いられる排熱回収用熱機関としては、例えば、理論熱効率に優れたスターリングエンジンがある。スターリングエンジンを排熱回収用熱機関として用いて内燃機関等の排熱を回収しようとする場合、摺動部の摩擦をできる限り低減して、排熱の回収効率を向上させる必要がある。このため、ピストンシリンダとの間にスターリングエンジンの作動流体を介在させて気体軸受を構成し、両者の摩擦を低減するものがある。摺動部に気体軸受を設ける場合、過負荷気体供給不足等の理由により、摺動部で接触が発生することがある。特許文献1には、気体軸受において、軸受と軸との間の電気導通を検知して、軸受と軸との接触を判定する技術が開示されている。

特開平8−93768号公報

概要

排熱回収用熱機関の作動流体の加圧手段を駆動する頻度を低減すること。排熱回収装置10は、スターリングエンジン100により、内燃機関1から排出される排ガスExの熱エネルギを回収する。排熱回収装置10は、スターリングエンジンの作動流体を内部に蓄える蓄圧タンク12と、内燃機関1によって駆動されて前記作動流体を加圧して蓄圧タンク12へ供給する圧縮機11と、圧縮機11と内燃機関1との間に配置されるクラッチ16とを備える。クラッチ16は、内燃機関の負荷状態又は蓄圧タンク内の圧力の少なくとも一方に応じて係合又は解放される。 −1

目的

特許文献1には、気体軸受において、軸受と軸との間の電気導通を検知して、軸受と軸との接触を判定することは開示されているが、排熱回収対象である内燃機関の燃料消費の増加や作動流体の加圧手段の耐久性低下といった問題点については言及されておらず、改善の余地がある。そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、排熱回収用熱機関の作動流体の加圧手段を駆動する頻度を低減できる排熱回収装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

熱機関排熱回収する排熱回収用熱機関と、加圧された前記排熱回収用熱機関の作動流体を内部に蓄え、前記作動流体を前記排熱回収用熱機関の内部へ供給する蓄圧手段と、前記熱機関によって駆動されて前記作動流体を加圧して、前記蓄圧手段へ供給する加圧手段と、前記熱機関の負荷状態又は前記蓄圧手段に蓄えられる前記作動流体の圧力の少なくとも一方に応じて、前記加圧手段による前記蓄圧手段への前記作動流体の供給を制御する加圧制御手段と、を含むことを特徴とする排熱回収装置

請求項2

前記加圧制御手段は、前記熱機関の負荷状態又は前記蓄圧手段に蓄えられる前記作動流体の圧力の少なくとも一方に応じて、前記加圧手段による前記蓄圧手段への前記作動流体の供給を実行又は停止することを特徴とする請求項1に記載の排熱回収装置。

請求項3

前記加圧制御手段は、前記蓄圧手段に蓄えられる前記作動流体の圧力が、前記排熱回収用熱機関に必要な圧力よりも大きく、かつ前記熱機関の負荷が予め定めた所定の値以上である場合には、前記加圧手段による前記蓄圧手段への前記作動流体の供給を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の排熱回収装置。

請求項4

前記加圧制御手段は、前記蓄圧手段に前記作動流体を蓄える余裕がある場合、かつ、前記熱機関及び前記排熱回収装置を搭載する車両が減速状態である場合には、前記加圧手段によって前記蓄圧手段へ前記作動流体を供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の排熱回収装置。

請求項5

前記車両の減速加速度が所定の閾値よりも大きい場合、前記熱機関と前記車両の駆動輪との間の変速比を現状よりも小さくすることを特徴とする請求項4に記載の排熱回収装置。

請求項6

前記蓄圧手段に蓄えられる前記作動流体の圧力が大きくなるにしたがって、現状よりも前記変速比を小さくする割合を大きくすることを特徴とする請求項5に記載の排熱回収装置。

請求項7

熱機関の排熱を回収する排熱回収用熱機関と、前記熱機関によって駆動されて前記排熱回収用熱機関の作動流体を加圧する加圧手段と、前記加圧手段と前記蓄圧手段とを接続する第1作動流体供給通路と、前記熱機関と前記加圧手段との間に設けられる動力断続手段と、前記加圧手段によって加圧された前記作動流体を内部に蓄える蓄圧手段と、前記蓄圧タンクと前記排熱回収用熱機関の内部とを接続する第2作動流体供給通路と、を含むことを特徴とする排熱回収装置。

請求項8

前記動力断続手段は、前記蓄圧手段に蓄えられる前記作動流体の圧力が、前記排熱回収用熱機関に必要な圧力よりも大きく、かつ前記熱機関の負荷が予め定めた所定の値以上である場合には、前記熱機関と前記加圧手段とを切り離すことを特徴とする請求項7に記載の排熱回収装置。

請求項9

前記加圧制御手段は、前記蓄圧手段に前記作動流体を蓄える余裕がある場合、かつ、前記熱機関及び前記排熱回収装置を搭載する車両が減速状態である場合には、熱機関と前記加圧手段とを接続することを特徴とする請求項7に記載の排熱回収装置。

請求項10

前記車両の減速加速度が所定の閾値よりも大きい場合、前記熱機関が発生する動力を前記車両の駆動輪へ伝達する動力伝達手段の変速比を現状よりも小さくすることを特徴とする請求項9に記載の排熱回収装置。

請求項11

前記蓄圧手段に蓄えられる前記作動流体の圧力が大きくなるにしたがって、現状よりも前記変速比を小さくする割合を大きくすることを特徴とする請求項10に記載の排熱回収装置。

技術分野

0001

本発明は、熱機関排熱回収する排熱回収装置に関する。

背景技術

0002

熱機関の一種である排熱回収用熱機関を用いることにより、乗用車バストラック等の車両に搭載される熱機関である内燃機関の排熱を回収する技術がある。このような用途に用いられる排熱回収用熱機関としては、例えば、理論熱効率に優れたスターリングエンジンがある。スターリングエンジンを排熱回収用熱機関として用いて内燃機関等の排熱を回収しようとする場合、摺動部の摩擦をできる限り低減して、排熱の回収効率を向上させる必要がある。このため、ピストンシリンダとの間にスターリングエンジンの作動流体を介在させて気体軸受を構成し、両者の摩擦を低減するものがある。摺動部に気体軸受を設ける場合、過負荷気体供給不足等の理由により、摺動部で接触が発生することがある。特許文献1には、気体軸受において、軸受と軸との間の電気導通を検知して、軸受と軸との接触を判定する技術が開示されている。

0003

特開平8−93768号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ピストンとシリンダとの間にスターリングエンジンの作動流体を介在させて気体軸受を構成し、これによってピストンをシリンダ内に支持する場合、ピストンとシリンダとが接触しないようにすることが重要である。また、排熱回収においては、熱源低質であるため、スターリングエンジンのクランクケース内部の作動流体を加圧して、スターリングエンジンから取り出す出力を増加させることが有効である。気体軸受のピストン支持機能を発揮させるため、及びスターリングエンジンからより大きな出力を取り出すためには、スターリングエンジンの作動流体を加圧する必要がある。

0005

このためには、作動流体の加圧手段によって、スターリングエンジンの作動流体の圧力を所定の値以上に保持する必要があり、前記加圧手段を常に運転する必要がある。作動流体の加圧手段は、排熱回収対象である熱機関によって駆動することが考えられるが、この場合には、排熱回収対象である熱機関の燃料消費の増加や作動流体の加圧手段の耐久性低下を招くおそれがある。したがって、排熱回収用熱機関であるスターリングエンジンの作動流体の加圧手段を駆動する頻度をできる限り低減する必要がある。

0006

特許文献1には、気体軸受において、軸受と軸との間の電気導通を検知して、軸受と軸との接触を判定することは開示されているが、排熱回収対象である内燃機関の燃料消費の増加や作動流体の加圧手段の耐久性低下といった問題点については言及されておらず、改善の余地がある。そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、排熱回収用熱機関の作動流体の加圧手段を駆動する頻度を低減できる排熱回収装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上述の目的を達成するために、本発明に係る排熱回収装置は、熱機関の排熱を回収する排熱回収用熱機関と、加圧された前記排熱回収用熱機関の作動流体を内部に蓄え、前記作動流体を前記排熱回収用熱機関の内部へ供給する蓄圧手段と、前記熱機関によって駆動されて前記作動流体を加圧して、前記蓄圧手段へ供給する加圧手段と、前記熱機関の負荷状態又は前記蓄圧手段に蓄えられる前記作動流体の圧力の少なくとも一方に応じて、前記加圧手段による前記蓄圧手段への前記作動流体の供給を制御する加圧制御手段と、を含むことを特徴とする。

0008

この排熱回収装置は、排熱回収用熱機関の作動流体を蓄える蓄圧手段を介して、排熱回収用熱機関へ作動流体を供給するように構成され、排熱回収対象の熱機関の負荷状態又は排熱回収用熱機関の作動流体の蓄圧手段に蓄えられる作動流体の圧力のうち、少なくとも一方に応じて、加圧手段による蓄圧手段への作動流体の供給を制御する。これによって、加圧手段を常に駆動する必要がなくなるので、排熱回収用熱機関の作動流体の加圧手段を駆動する頻度を低減することができる。

0009

次の本発明に係る排熱回収装置のように、前記排熱回収装置において、前記加圧制御手段は、前記熱機関の負荷状態又は前記蓄圧手段に蓄えられる前記作動流体の圧力の少なくとも一方に応じて、前記加圧手段による前記蓄圧手段への前記作動流体の供給を実行又は停止してもよい。

0010

次の本発明に係る排熱回収装置のように、前記排熱回収装置において、前記加圧制御手段は、前記蓄圧手段に蓄えられる前記作動流体の圧力が、前記排熱回収用熱機関に必要な圧力よりも大きく、かつ前記熱機関の負荷が予め定めた所定の値以上である場合には、前記加圧手段による前記蓄圧手段への前記作動流体の供給を停止するようにすることが好ましい。これによって、例えば、排熱回収対象の熱機関が高負荷で運転されている場合には、熱機関による加圧手段の駆動は停止されるので、加圧手段を駆動することによる熱機関の発生する動力低下を抑制できる。

0011

次の本発明に係る排熱回収装置のように、前記排熱回収装置において、前記加圧制御手段は、前記蓄圧手段に前記作動流体を蓄える余裕がある場合、かつ、前記熱機関及び前記排熱回収装置を搭載する車両が減速状態である場合には、前記加圧手段によって前記蓄圧手段へ前記作動流体を供給することが好ましい。これによって、排熱回収対象の熱機関の出力が要求されない場合に加圧手段を駆動して作動流体を蓄圧手段へ蓄えることができるので、熱機関の燃料消費を抑制できる。

0012

次の本発明に係る排熱回収装置のように、前記排熱回収装置において、前記車両の減速加速度が所定の閾値よりも大きい場合、前記熱機関と前記車両の駆動輪との間の変速比を現状よりも小さくすることが好ましい。これによって、排熱回収対象である熱機関を搭載した車両に過大な減速加速度が発生することを抑制できる。

0013

次の本発明に係る排熱回収装置のように、前記排熱回収装置において、前記蓄圧手段に蓄えられる前記作動流体の圧力が大きくなるにしたがって、現状よりも前記変速比を小さくする割合を大きくすることが好ましい。これによって、排熱回収対象である熱機関を搭載した車両に過大な減速加速度が発生することを、より効果的に抑制できる。

0014

次の本発明に係る排熱回収装置は、熱機関の排熱を回収する排熱回収用熱機関と、前記熱機関によって駆動されて前記排熱回収用熱機関の作動流体を加圧する加圧手段と、前記加圧手段と前記蓄圧手段とを接続する第1作動流体供給通路と、前記熱機関と前記加圧手段との間に設けられる動力断続手段と、前記加圧手段によって加圧された前記作動流体を内部に蓄える蓄圧手段と、前記蓄圧タンクと前記排熱回収用熱機関の内部とを接続する第2作動流体供給通路と、を含むことを特徴とする。

0015

この排熱回収装置は、排熱回収用熱機関の作動流体を蓄える蓄圧手段を介して、排熱回収用熱機関へ作動流体を供給するように構成され、排熱回収対象の熱機関の負荷状態又は排熱回収用熱機関の作動流体の蓄圧手段に蓄えられる作動流体の圧力のうち、少なくとも一方に応じて、加圧手段による蓄圧手段への作動流体の供給を実行又は停止する。これによって、加圧手段を常に駆動する必要がなくなるので、排熱回収用熱機関の作動流体の加圧手段を駆動する頻度を低減することができる。

0016

次の本発明に係る排熱回収装置のように、前記排熱回収装置において、前記動力断続手段は、前記蓄圧手段に蓄えられる前記作動流体の圧力が、前記排熱回収用熱機関に必要な圧力よりも大きく、かつ前記熱機関の負荷が予め定めた所定の値以上である場合には、前記熱機関と前記加圧手段とを切り離すことが好ましい。これによって、例えば、排熱回収対象の熱機関が高負荷で運転されている場合には、熱機関による加圧手段の駆動は停止されるので、加圧手段を駆動することによる熱機関の発生する動力低下を抑制できる。

0017

次の本発明に係る排熱回収装置のように、前記排熱回収装置において、前記加圧制御手段は、前記蓄圧手段に前記作動流体を蓄える余裕がある場合、かつ、前記熱機関及び前記排熱回収装置を搭載する車両が減速状態である場合には、熱機関と前記加圧手段とを接続することが好ましい。これによって、排熱回収対象の熱機関の出力が要求されない場合に加圧手段を駆動して作動流体を蓄圧手段へ蓄えることができるので、熱機関の燃料消費を抑制できる。

0018

次の本発明に係る排熱回収装置のように、前記排熱回収装置において、前記車両の減速加速度が所定の閾値よりも大きい場合、前記熱機関が発生する動力を前記車両の駆動輪へ伝達する動力伝達手段の変速比を現状よりも小さくすることが好ましい。これによって、排熱回収対象である熱機関を搭載した車両に過大な減速加速度が発生することを抑制できる。

0019

次の本発明に係る排熱回収装置のように、前記排熱回収装置において、前記蓄圧手段に蓄えられる前記作動流体の圧力が大きくなるにしたがって、現状よりも前記変速比を小さくする割合を大きくすることが好ましい。これによって、排熱回収対象である熱機関を搭載した車両に過大な減速加速度が発生することを、より効果的に抑制できる。

発明の効果

0020

この発明は、排熱回収用熱機関の作動流体の加圧手段を駆動する頻度を低減できる。

発明を実施するための最良の形態

0021

以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。なお、以下の説明では、排熱回収用熱機関としてスターリングエンジンを用い、熱機関である内燃機関の排ガスから熱エネルギを回収する場合を例とする。なお、排熱回収用熱機関としては、スターリングエンジンの他、ブレイトンサイクルを利用した排熱回収装置等を用いることができる。また、熱機関の種類は問わない。

0022

本実施形態は、排熱回収用熱機関の作動流体を蓄える蓄圧手段を介して、排熱回収用熱機関へ作動流体を供給するように構成され、排熱回収対象の熱機関の負荷状態又は排熱回収用熱機関の作動流体の蓄圧手段に蓄えられる作動流体の圧力のうち、少なくとも一方に応じて、前記作動流体の加圧手段による蓄圧手段への作動流体の供給を制御する点に特徴がある。次の説明では、作動流体の加圧手段による蓄圧手段への作動流体の供給を実行又は停止することにより、蓄圧手段への作動流体の供給が制御されるが、蓄圧手段への作動流体の供給を制御する手法はこれに限定されるものではない。例えば、排熱回収対象の熱機関の負荷状態等に応じて、加圧手段による作動流体の供給量を変化させることにより、蓄圧手段への作動流体の供給を制御してもよい。

0023

図1−1は、本実施形態に係る排熱回収装置の構成を示す全体図である。図1−2は、本実施形態に係る排熱回収装置を搭載した車両の一例を示す説明図である。図1−2に示すように、本実施形態において、熱機関である内燃機関1及び排熱回収装置10は、乗用車やトラック等の車両60に搭載され、車両60の動力発生源となる。本実施形態において、排熱回収装置10は、排熱回収用熱機関として、スターリングエンジン100を備えており、内燃機関1の排ガス通路3を流れる排ガスExから熱の供給を受けて駆動される。このように、本実施形態に係る排熱回収装置10は、内燃機関1の排熱を、排熱回収用熱機関であるスターリングエンジン100によって回収する。

0024

内燃機関1の発生する動力は、内燃機関出力軸1sを介して、動力伝達手段である内燃機関用変速装置4に入力される。内燃機関用変速装置4は、内燃機関1の出力や車両60の車速等に応じて変速比を自動的に変更できる、いわゆる自動変速機であり、機関ECU(Electronic Control Unit)50によって変速比が変更される。内燃機関用変速装置4は、有段の変速数比可変装置ベルト式CVT(Continuous Variable Transmission)、あるいはトロイダル式のCVTを用いることができる。

0025

内燃機関用変速装置4は、内燃機関1の発生する動力と、排熱回収用熱機関用変速装置5から出力されるスターリングエンジン100の動力とを合成して、変速装置出力軸9に出力する。変速装置出力軸9は、差動ギヤ6に接続されており、差動ギヤ6は、変速装置出力軸9から入力された出力を第1駆動軸6S_Aと第2駆動軸6S_Bとに分割して出力する。これによって、第1駆動軸6S_Aに取り付けられる第1駆動輪7A及び第2駆動軸6S_Bに取り付けられる第2駆動輪7Bが駆動され、図1−2に示す車両60を走行させる。

0026

上述したように、本実施形態において、スターリングエンジン100の発生する動力は、内燃機関1の発生する動力と合成されて、変速装置出力軸9から同軸で取り出される。これに限られず、スターリングエンジン100の発生する動力で、例えば発電機を駆動することにより、内燃機関1の排ガスExから回収した熱エネルギを電気エネルギに変換して利用してもよい。

0027

スターリングエンジン100の発生する動力を内燃機関用変速装置4へ伝達する排熱回収用熱機関用変速装置5は、その変速比を変更する機能を備える。スターリングエンジン100は、急激な回転数変化に対する追従性が低い。このため、例えば、加速時等のように内燃機関1の回転数が急激に変化した場合には、スターリングエンジン100の回転の変化が追従できず、スターリングエンジン100は内燃機関1に駆動され、内燃機関1の負荷となってしまうおそれがある。本実施形態のように、変速比を可変できる排熱回収用熱機関用変速装置5を用いれば、内燃機関1の回転数が急激に変化してスターリングエンジン100の回転の変化が追従できない場合には、変速比を変更することにより、スターリングエンジン100が内燃機関1によって駆動されることを抑制できるので、好ましい。

0028

排熱回収用熱機関用変速装置5には、例えば、ベルト式のCVTやトロイダル式のCVT、あるいは有段の回転数比可変装置を用いることができる。排熱回収用熱機関用変速装置5は、機関ECU50によって制御される。なお、排熱回収用熱機関用変速装置5は、変速比を可変できないものを用いるとともに、スターリングエンジン100と排熱回収用熱機関用変速装置5との間に、例えばクラッチのような動力断続手段を設けてもよい。そして、スターリングエンジン100の回転の変化が内燃機関1の回転数変化に追従できない場合には、前記動力断続手段によってスターリングエンジン100が発生する動力の伝達を切断してもよい。

0029

スターリングエンジン100を用いて回収した排ガスExの熱エネルギは、スターリングエンジン100で運動エネルギに変換され、出力として取り出される。スターリングエンジン100の出力軸であるクランク軸110は、カップリング8を介して排熱回収用熱機関用変速装置5の入力軸5sと接続される。これによって、スターリングエンジン100が発生する出力はカップリング8を介して排熱回収用熱機関用変速装置5に伝達される。なお、排熱回収用熱機関用変速装置5が、その変速比を変更する機能を持つ場合でも、クランク軸110と入力軸5sとの間に動力断続手段として、例えばクラッチを設けてもよい。このようにすれば、例えば、冷間始動時のように、スターリングエンジン100を駆動できる程度まで、内燃機関1の排ガス温度が高くない場合には、クランク軸110と入力軸5sとを切り離すことによって、スターリングエンジン100が内燃機関1によって駆動されることを回避できる。このように、クランク軸110と入力軸5sとの間に動力断続手段を設けることにより、制御の自由度が向上する。

0030

本実施形態に係る排熱回収装置10が備えるスターリングエンジン100は、より多くの出力を取り出すため、内燃機関1によって駆動される加圧手段によって作動流体が加圧される。本実施形態において、スターリングエンジン100の作動流体には空気が用いられる。本実施形態において、加圧手段には、圧縮機11を用いる。圧縮機11は、ピストン式でもよいし、軸流式でもよいし、遠心式でもよく、形式は問わない。

0031

圧縮機11は、圧縮機入力軸2に取り付けられた被駆動プーリ22と、内燃機関1の内燃機関出力軸1sに取り付けられた駆動プーリ21とに掛け渡されたベルト23を介して、内燃機関1によって駆動される。圧縮機入力軸2には、動力断続手段であるクラッチ16が設けられており、内燃機関1と圧縮機11との間の動力伝達を断続する。ここで、クラッチ16の動作は、ECU50が備える圧力制御装置30によって制御される。

0032

クラッチ16を係合させれば、内燃機関1と圧縮機11との間で動力が伝達される。そして、内燃機関1によって圧縮機11が駆動されて、蓄圧タンク12へ空気、すなわちスターリングエンジン100の作動流体が供給される。一方、クラッチ16を解放すれば、内燃機関1と圧縮機11とが切り離され、内燃機関1と圧縮機11との間での動力伝達は行われないので、圧縮機11は駆動されず、蓄圧タンク12へ空気は供給されない。このように、クラッチ16は、蓄圧手段である蓄圧タンク12へ、排熱回収用熱機関であるスターリングエンジン100の作動流体の供給を実行又は停止する、加圧制御手段として機能する。

0033

クラッチ16は、例えば、電磁式のクラッチを用いることができ、圧縮機11にクラッチ16を組み込んでもよい。このようにすれば、コンパクト化を図ることができる。また、動力断続手段であるクラッチ16は、内燃機関1と圧縮機11との間における動力伝達経路に配置すればよく、クラッチ16の配置場所は被駆動プーリ22と圧縮機11との間に限定されるものではない。例えば、駆動プーリ21に動力断続手段であるクラッチ16を組み込んでもよい。

0034

図1−3は、加圧制御手段の他の構成例を示す説明図である。本実施形態において、加圧制御手段は、蓄圧手段である蓄圧タンク12へ、排熱回収用熱機関であるスターリングエンジン100の作動流体の供給を実行又は停止する機能を有していればよい。図1−3に示す加圧制御手段は、内燃機関1によって直接、すなわちクラッチ16のような動力断続手段を間に介在させずに圧縮機11を駆動する。圧縮機11と蓄圧タンク12との間には、作動流体放出先切替手段として、ECU50が備える圧力制御装置30によって制御される三方弁24が設けられている。そして、三方弁24によって、圧縮機11が吐出する空気の吐出先を、蓄圧タンク12又は大気中のいずれか一方に切り替える。

0035

三方弁24は、圧縮機11から吐出される空気が流入する作動流体入口24Iと、蓄圧タンク12と接続されて圧縮機11から吐出される空気を蓄圧タンクへ供給する作動流体供給口24Sと、圧縮機11から吐出される空気を大気中に放出する作動流体放出口24Eとを備える。蓄圧タンク12へ空気を供給しない場合には、作動流体入口24Iと作動流体放出口24Eとを連通させる。すると、圧縮機11を駆動しても、圧縮機11から吐出される空気は大気中へ放出されるので、蓄圧タンク12へは供給されない。また、圧縮機11から吐出される空気を大気中へ放出するため、内燃機関1と圧縮機11とを直結していても、内燃機関1へはほとんど負荷はない。一方、蓄圧タンク12へ空気を供給する場合には、作動流体入口24Iと作動流体供給口24Sとを連通させる。すると、圧縮機11が吐出する空気が作動流体供給口24Sから吐出されて、蓄圧タンク12へ供給される。

0036

圧縮機11で加圧された空気は、第1作動流体供給通路18を介して蓄圧手段である蓄圧タンク12へ供給される。第1作動流体供給通路18には、蓄圧タンク12から圧縮機11への空気の逆流を防止するため、第1逆止弁14が取り付けられる。また、蓄圧タンク12には、内部の圧力が規定値を超えないように、リリーフ弁17が取り付けられる。

0037

蓄圧タンク12とスターリングエンジン100とは、第2作動流体供給通路19で接続されており、蓄圧タンク12内の空気は、第2作動流体供給通路19を介してスターリングエンジン100の内部へ供給される。第2作動流体供給通路19には、スターリングエンジン100から蓄圧タンク12への空気の逆流を防止するため、第2逆止弁15が取り付けられる。また、第2作動流体供給通路19には、第2作動流体供給通路19を開閉する通路開閉手段として、開閉弁13が設けられる。

0038

開閉弁13は、ECU50が備える圧力制御装置30によって開閉される。開閉弁13が開くと、第2作動流体供給通路19によって蓄圧タンク12とスターリングエンジン100の内部とが連通される。そして、蓄圧タンク12の内部の圧力がスターリングエンジン100の内部の圧力よりも高い場合には、蓄圧タンク12内の空気が、スターリングエンジン100の内部へ供給される。開閉弁13が閉じると蓄圧タンク12とスターリングエンジン100の内部との連通が遮断されるので、スターリングエンジン100の内部への空気の供給が停止される。

0039

蓄圧タンク12には、蓄圧手段内部圧力検出手段として、蓄圧タンク圧力センサ44が取り付けられている。そして、蓄圧タンク圧力センサ44によって、蓄圧タンク12の内部に蓄えられる空気の圧力を検出する。また、スターリングエンジン100には、排熱回収用熱機関内部圧力検出手段として、スターリングエンジン用圧力センサ45が取り付けられている。そして、スターリングエンジン用圧力センサ45によって、スターリングエンジン100の内部に充填される作動流体の圧力を検出する。

0040

蓄圧タンク圧力センサ44及びスターリングエンジン用圧力センサ45の検出信号は、ECU50に接続されており、前記検出信号は、ECU50が備える圧力制御装置30が取得して、本実施形態に係る作動流体の圧力制御に用いられる。また、機関ECU50には、アクセル開度センサ40、内燃機関回転数センサ41、ブレーキセンサ42、エアフローメータ43、車速センサ46等のセンサ類が接続されている。機関ECU50及び機関ECUが備える圧力制御装置30は、これらのセンサ類から取得される情報に基づいて、スターリングエンジン100へ供給する作動流体の圧力制御や内燃機関用変速装置4の制御を実行する。次に、本実施形態に係る排熱回収装置に適用する排熱回収用熱機関の構成を説明する。

0041

図2は、本実施形態に係る排熱回収用熱機関であるスターリングエンジンを示す断面図である。本実施形態に係る排熱回収用熱機関であるスターリングエンジン100は、いわゆるα型の直列気筒スターリングエンジンである。そして、第1シリンダである高温側シリンダ101内に収められた第1ピストンである高温側ピストン103と、第2シリンダである低温側シリンダ102内に収められた第2ピストンである低温側ピストン104とが直列に配置されている。

0042

高温側シリンダ101と低温側シリンダ102とは、基準体である基板111に、直接、又は間接的に支持、固定されている。本実施形態に係るスターリングエンジン100においては、この基板111が、スターリングエンジン100の各構成要素の位置基準となる。このように構成することで、前記各構成要素の相対的な位置精度を確保できる。また、後述するように、本実施形態に係るスターリングエンジン100は、高温側シリンダ101と高温側ピストン103との間、及び低温側シリンダ102と低温側ピストン104との間に作動流体である空気を介在させ、気体軸受GBを構成する。

0043

基準体である基板111に、高温側シリンダ101と低温側シリンダ102とを直接又は間接的に取り付けることにより、ピストンとシリンダとのクリアランスを精度よく保持することができるので、気体軸受GBの機能を十分に発揮させることができる。さらに、スターリングエンジン100の組み立ても容易になる。

0044

高温側シリンダ101と低温側シリンダ102との間には、略U字形状ヒータ加熱器)105と再生器106とクーラー107とで構成される熱交換器108が配置される。このように、ヒータ105を略U字形状にすることによって、内燃機関の排ガス通路内のような比較的狭い空間にも、ヒータ105を容易に配置することができる。また、このスターリングエンジン100のように、高温側シリンダ101と低温側シリンダ102とを直列に配置することにより、内燃機関のヒータケース3Cのような筒状の空間にもヒータ105を比較的容易に配置することができる。

0045

ヒータ105の一方の端部は高温側シリンダ101側に配置され、他方の端部は再生器106側に配置される。再生器106は、一方の端部がヒータ105側に配置され他方の端部はクーラー107側に配置される。クーラー107の一方の端部は再生器106側に配置され、他方の端部は低温側シリンダ102側に配置される。

0046

また、高温側シリンダ101、低温側シリンダ102及び熱交換器108内には作動流体が封入されており、ヒータ105から供給される熱及びクーラー107で排出する熱によってスターリングサイクルを構成し、スターリングエンジン100を駆動する。ここで、例えば、ヒータ105、クーラー107は、熱伝導率が高く耐熱性に優れた材料のチューブを複数束ねた構成とすることができる。また、再生器106は、多孔質蓄熱体で構成することができる。なお、ヒータ105、クーラー107及び再生器106の構成は、この例に限られるものではなく、排熱回収対象の熱条件やスターリングエンジン100の仕様等によって、好適な構成を選択することができる。

0047

熱交換器108は、少なくともヒータ105が中空のヒータケース3C内に配置される。中空のヒータケース3Cは、排熱回収対象である熱機関の排出する排ガスExが通過する排気通路を構成する。ヒータ105は、ヒータケース3Cを流れる排ガスExからの熱エネルギによってヒータ105内を流れる作動流体を加熱する。なお、ヒータケース3C内には、熱交換器108の再生器106を配置してもよい。

0048

本実施形態において、排ガスExは、高温側シリンダ101側から低温側シリンダ102側に向かって流れる。これによって、熱機関から排出された排ガスExは、温度低下が抑えられた状態でヒータ105に供給されるので、排ガスExの熱エネルギを効率よく回収することができる。

0049

上述したように、高温側ピストン103と低温側ピストン104とは、高温側シリンダ101と低温側シリンダ102内に気体軸受GBを介して支持されている。すなわち、ピストンリングを介さないで、ピストンをシリンダ内に支持する構造である。これによって、ピストンとシリンダとの摩擦を低減して、スターリングエンジン100の熱効率を向上させることができる。また、ピストンとシリンダとの摩擦を低減することにより、例えば、内燃機関の排熱回収のような低熱源、低温度差運転条件下においても、スターリングエンジン100を運転して熱エネルギを回収できる。

0050

図1に示すように、スターリングエンジン100を構成する高温側シリンダ101、高温側ピストン103、コンロッド109、クランク軸110等の各構成要素は、筺体100Cに格納される。ここで、スターリングエンジン100の筺体100Cは、クランクケース114Aと、シリンダブロック114Bとを含んで構成されている。

0051

筺体100C内には作動流体が充填されており、筺体100C内の作動流体の圧力が所定の値よりも高く加圧される。これは、高温側及び低温側シリンダ101、102、及び熱交換器108内の作動流体を加圧して、スターリングエンジン100からより多くの出力を取り出すためである。筺体100C内の作動流体の圧力が所定の下限値以下になった場合には、図1−1に示す開閉弁13が開かれて、蓄圧タンク12内の空気が筐体100C内へ供給される。これによって、筺体100C内の作動流体の圧力は、所定の下限値よりも高い値に維持される。

0052

また、本実施形態に係るスターリングエンジン100では、筺体100Cにはシール軸受116が取り付けられており、クランク軸110がシール軸受116により支持される。クランク軸110の出力は、オルダムカップリングのようなフレキシブルカップリング118を介して筺体100Cの外部へ取り出される。次に、本実施形態に係る圧力制御装置30について説明する。

0053

図3は、本実施形態に係る作動流体の圧力制御に用いる圧力制御装置の構成を示す説明図である。図3に示すように、本実施形態に係る圧力制御装置30は、機関ECU50に組み込まれて構成されている。機関ECU50は、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)50pと、記憶部50mと、入力ポート55、出力ポート56と、入力インターフェース57、出力インターフェース58とから構成される。

0054

なお、機関ECU50とは別個に、本実施形態に係る圧力制御装置30を用意し、これを機関ECU50に接続してもよい。そして、本実施形態に係る作動流体の圧力制御を実現するにあたっては、機関ECU50が備える、スターリングエンジン100等に対する制御機能を、前記圧力制御装置30が利用できるように構成してもよい。

0055

圧力制御装置30は、圧力判定部31と、運転条件判定部32と、加圧制御部33とを含んで構成される。これらが、本実施形態に係る作動流体の圧力制御を実行する部分となる。本実施形態において、圧力制御装置30は、機関ECU50を構成するCPU50pの一部として構成される。また、CPU50pには、総合制御部53hが備えられており、これによって内燃機関1の運転や内燃機関用変速装置4等の動作を制御する。

0056

CPU50pと記憶部50mとは、バス543を介して接続される。また、圧力制御装置30と総合制御部53hとは、入力ポート55、バス541、出力ポート56、バス542を介して接続される。これにより、圧力制御装置30を構成する圧力判定部31と運転条件判定部32と加圧制御部33とは、相互に制御データをやり取りしたり、一方に命令を出したりできるように構成される。また、圧力制御装置30は、機関ECU50が有する内燃機関1やスターリングエンジン100等の運転制御データを取得し、これを利用することができる。さらに、圧力制御装置30は、本実施形態に係る作動流体の圧力制御を、機関ECU50が予め備えている運転制御ルーチン割り込ませたりすることができる。

0057

入力ポート55には、入力インターフェース57が接続されている。入力インターフェース57には、アクセル開度センサ40、内燃機関回転数センサ41、ブレーキセンサ42、エアフローメータ43、蓄圧タンク圧力センサ44、スターリングエンジン用圧力センサ45、車速センサ46その他の、作動流体の圧力制御に必要な情報を取得する情報検出手段が接続されている。これらの情報検出手段から出力される信号は、入力インターフェース57内のA/Dコンバータ57aやディジタル入力バッファ57dにより、CPU50pが利用できる信号に変換されて入力ポート55へ送られる。これにより、CPU50pは、内燃機関1の運転制御や、作動流体の圧力制御に必要な情報を取得することができる。

0058

出力ポート56には、出力インターフェース58が接続されている。出力インターフェース58には、クラッチ16、内燃機関用変速装置4等の、作動流体の圧力制御に必要な制御対象が接続されている。出力インターフェース58は、制御回路581、582等を備えており、CPU50pで演算され、生成された制御信号に基づき、前記制御対象を動作させる。このような構成により、機関ECU50のCPU50pは、前記センサ類からの出力信号に基づき、内燃機関1、スターリングエンジン100、内燃機関用変速装置4あるいは排熱回収用熱機関用変速装置5を制御することができる。

0059

記憶部50mには、本実施形態に係る作動流体の圧力制御の処理手順を含むコンピュータプログラム制御マップ、あるいは本実施形態に係る作動流体の圧力制御に用いる制御データマップ等が格納されている。ここで、記憶部50mは、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。

0060

上記コンピュータプログラムは、CPU50pへ既に記録されているコンピュータプログラムと組み合わせによって、本実施形態に係る作動流体の圧力制御の処理手順を実現できるものであってもよい。また、この圧力制御装置30は、前記コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、圧力判定部31、運転条件判定部32及び加圧制御部33との機能を実現するものであってもよい。次に、本実施形態に係る作動流体の圧力制御の例を説明する。次の説明では、適宜図1−1〜図3を参照されたい。

0061

(第1制御例)
図4は、本実施形態に係る作動流体の圧力制御における第1制御例の手順を示すフローチャートである。本実施形態に係る作動流体の圧力制御を実行するにあたり、ステップS101において、圧力制御装置30の圧力判定部31は、蓄圧タンク圧力センサ44により、蓄圧タンク12内に蓄えられる空気の圧力(以下蓄圧タンク内圧力という)Pを検出し、蓄圧タンク内圧力Pが第1の作動流体圧力閾値P_Aよりも小さいか否かを判定する。ここで、第1の作動流体圧力閾値P_Aは、スターリングエンジン100の運転に必要な、スターリングエンジン100内における作動流体の圧力である。

0062

ここで、スターリングエンジン100内の作動流体の圧力が第1の作動流体圧力閾値P_A以下になった場合には、圧力制御装置30の加圧制御部33によって、図1−1に示す開閉弁13が開かれて、蓄圧タンク12内の空気がスターリングエンジン100内へ供給される。これによって、スターリングエンジン100内の作動流体の圧力は、第1の作動流体圧力閾値P_Aよりも高い値に維持される。

0063

ステップS101でYesと判定された場合、すなわち、圧力判定部31がP<P_Aと判定した場合、蓄圧タンク12は、スターリングエンジン100の運転に必要な最低限の圧力の空気を供給することができない。このため、ステップS101でYesと判定された場合は、無条件で蓄圧タンク12内の空気の圧力を第1の作動流体圧力閾値P_A以上に加圧する必要がある。ステップS101でYesと判定された場合はステップS102に進み、圧力制御装置30の加圧制御部33は、図1−1に示すクラッチ16を係合させて、内燃機関1によって圧縮機11を駆動することにより、蓄圧タンク12内の空気の圧力を第1の作動流体圧力閾値P_A以上に加圧する。

0064

ステップS101でNoと判定された場合、すなわち、圧力判定部31がP≧P_Aと判定した場合、ステップS103に進む。ステップS103において、圧力判定部31は、ステップS101で取得した蓄圧タンク内圧力Pが、第2の作動流体圧力閾値P_Aよりも小さいか否かを判定する。ここで、第2の作動流体圧力閾値P_Bは、第2の作動流体圧力閾値P_Aよりも大きく、蓄圧タンク12の許容圧力P_Dよりも小さい値の圧力である。例えば、第2の作動流体圧力閾値P_Bは、作動流体圧力閾値P_Aと許容圧力P_Dとの中間程度の大きさに設定される。

0065

ステップS103でYesと判定された場合、すなわち、圧力判定部31がP<P_Bと判定した場合、排熱回収用熱機関に必要な圧力、すなわち第1の作動流体圧力閾値P_Aに対しては余裕があるが、スターリングエンジン100へ空気を供給する際の余裕を考慮すると、蓄圧タンク12内の空気の圧力を現状よりも高くすることが好ましい。この場合、図1−2に示す車両60が加速するときのように、内燃機関1に対して大きな出力が要求される場合に圧縮機11を駆動すると、要求された加速性能が発揮できないおそれがある。そこで、内燃機関1が高負荷で運転される場合には、内燃機関1による圧縮機11の駆動を停止する。ここで、高負荷とは、例えば、負荷率で80%以上をいう。

0066

内燃機関1が高負荷で運転されていることを判定するためには、現状における内燃機関1の負荷を求めて判定すればよい。ステップS103でYesと判定された場合、ステップS104において、圧力制御装置30の運転条件判定部32は、現状における内燃機関1の負荷が、予め定めた所定の負荷閾値K_Cよりも小さいか否かを判定する。ここで、内燃機関1の負荷は、内燃機関回転数センサ41から取得する内燃機関1の機関回転数と、エアフローメータ43から取得する吸入空気量とから求めることができる。また、現状における内燃機関1の負荷の代わりに、アクセル開度センサ40によって検出されるアクセル開度を用いて、内燃機関1が高負荷で運転されているか否かを判定してもよい。

0067

ステップS104でYesと判定された場合、すなわち、運転条件判定部32が、現状における内燃機関1の負荷が、予め定めた所定の負荷閾値K_Cよりも小さいと判定した場合にはステップS102に進む。そして、加圧制御部33は、図1−1に示すクラッチ16を係合させて、内燃機関1によって圧縮機11を駆動することにより、蓄圧タンク12内の空気の圧力を第1の作動流体圧力閾値P_B以上に加圧する。

0068

ステップS103でNoと判定された場合、すなわち、圧力判定部31がP≧P_Bと判定した場合、蓄圧タンク12内の空気の圧力は、スターリングエンジン100の内部の作動流体を加圧するために十分な余裕があると判断できる。この場合、圧縮機11による蓄圧タンク12内の空気の加圧は不要なので、ステップS105において、加圧制御部33によって蓄圧タンク12内の空気の加圧が停止される。蓄圧タンク12内の空気の加圧停止は、クラッチ16を解放して、内燃機関1と圧縮機11とを切り離すことにより実現できる(以下同様)。これによって、内燃機関1は圧縮機11の駆動から解放されるので、内燃機関1の燃料消費が抑制される。また、内燃機関1が圧縮機11を駆動する分の出力を図1−2に示す車両60の走行に用いることができるので、例えば、車両60の加速時においては、加速性能が向上する。

0069

ステップS104でNoと判定された場合、すなわち、圧力判定部31がP<P_Bと判定し、かつ、運転条件判定部32が、現状における内燃機関1の負荷が、予め定めた所定の負荷閾値K_C以上であると判定した場合には、内燃機関1が圧縮機11を駆動する分、内燃機関1が図1−2に示す車両60を駆動する動力が低減するので、ドライバビリティが低下するおそれがある。この場合、ステップS105において、加圧制御部33によって蓄圧タンク12内の空気の加圧が停止される。これによって、内燃機関1は圧縮機11の駆動から解放されるので、内燃機関1が圧縮機11を駆動する分の出力を図1−2に示す車両60の走行に用いることができるので、ドライバビリティの悪化を抑制できる。

0070

このように、本実施形態に係る作動流体の圧力制御における第1制御例では、内燃機関1の負荷状態又は蓄圧タンク12に蓄えられる空気の圧力の少なくとも一方に応じて、圧縮機11による蓄圧タンク12への空気の供給を実行又は停止する。これによって、常に圧縮機11を駆動する必要はないので、圧縮機11を駆動する内燃機関1の燃料消費の増加を抑制でき、圧縮機11の耐久性低下も抑制できる。また、内燃機関1が高負荷である場合には、内燃機関1による圧縮機11の駆動は停止されるので、内燃機関1が発生する動力を、すべて図1−2に示す車両60の駆動に用いることができる。

0071

(第2制御例)
図5は、本実施形態に係る作動流体の圧力制御における第2制御例の手順を示すフローチャートである。第2制御例におけるステップS201、ステップS202は、上述した第1制御例におけるステップS101、ステップS102と同様なので、説明を省略する。

0072

第2制御例におけるステップS201でNoと判定された場合、すなわち、圧力判定部31がP≧P_Aと判定した場合、ステップS203に進む。内燃機関1によって圧縮機11を駆動して蓄圧タンク12内の空気を加圧する場合、内燃機関1が圧縮機11を駆動する負荷ができる限り小さくなる範囲で圧縮機11を駆動することが好ましい。このためには、内燃機関1が無負荷、あるいは低負荷で運転されているときに圧縮機11を駆動することが好ましい。

0073

第2制御例では、例えば、図1−2に示す、内燃機関1を搭載する車両60が減速状態にあるか否かで、内燃機関1が無負荷、あるいは低負荷で運転されているか否かを判定する。なお、この他にも、下り坂等でいわゆるエンジンブレーキが作用していることを用いたり、アクセルがOFFであることを用いたり、現状における内燃機関1の負荷を用いたりして、内燃機関1が無負荷、あるいは低負荷で運転されているか否かを判定することもできる。ここで、低負荷とは、例えば、負荷率で20%以下をいう。

0074

ステップS203において、運転条件判定部32は、図1−2に示す、内燃機関1が搭載されている車両60が減速状態であるか否かを判定する。これは、例えば、ブレーキセンサ42によって検出される制動信号や、車速センサ46によって検出される車両60の車速に基づいて求めた減速加速度等を用いて判定することができる。例えば、ブレーキセンサ42から制動信号が検出された場合には、車両60が減速状態であると判定する。

0075

ステップS203でYesと判定された場合、ステップS204に進む。ステップS204において、圧力判定部31は、ステップS201で取得した蓄圧タンク内圧力Pが、蓄圧タンク12の許容圧力P_Dよりも小さいか否かを判定する。蓄圧タンク内圧力Pが蓄圧タンク12の許容圧力P_Dよりも低い場合、蓄圧タンク内圧力Pをより上昇させておくことにより、圧縮機11の作動頻度を低減させることが好ましい。ステップS204でYesと判定された場合、すなわち、圧力判定部31がP<P_Dと判定した場合にはステップS202に進む。そして、加圧制御部33は、図1−1に示すクラッチ16を係合させて、内燃機関1によって圧縮機11を駆動することにより、蓄圧タンク12内の空気の圧力を許容圧力P_Dまで加圧する。

0076

ステップS203でNoと判定された場合、すなわち、運転条件判定部32が、車両60は減速状態でないと判定した場合、内燃機関1によって圧縮機11を駆動すると、内燃機関1の燃料消費が増加したり、内燃機関1の発生する動力が低減してドライバビリティが悪化したりするおそれがある。この場合、ステップS205において、加圧制御部33によって蓄圧タンク12内の空気の加圧が停止される。これによって、内燃機関1は圧縮機11の駆動から解放されるので、内燃機関1の燃料消費が抑制される。また、内燃機関1が圧縮機11を駆動する分の出力を図1−2に示す車両60の走行に用いることができるので、ドライバビリティの悪化を抑制できる。

0077

ステップS204でNoと判定された場合、すなわち、運転条件判定部32が、車両60は減速状態でないと判定し、かつ、圧力判定部31がP≧P_Dと判定した場合には、蓄圧タンク内圧力をこれ以上上昇できる余地はない。この場合、ステップS205において、加圧制御部33によって蓄圧タンク12内の空気の加圧が停止される。

0078

このように、本実施形態に係る作動流体の圧力制御の第2制御例では、内燃機関1の負荷状態又は蓄圧タンク12に蓄えられる空気の圧力の少なくとも一方に応じて、圧縮機11による蓄圧タンク12への空気の供給を実行又は停止する。そして、内燃機関1の負荷状態によって蓄圧タンク12への空気の供給を判定する際には、内燃機関1が無負荷あるいは軽負荷のときに蓄圧タンク12への空気の供給を実行する。これによって、常に圧縮機11を駆動する必要はないので、圧縮機11を駆動する内燃機関1の燃料消費の増加を抑制でき、圧縮機11の耐久性低下も抑制できる。また、内燃機関1が高負荷である場合には、内燃機関1による圧縮機11の駆動は停止されるので、内燃機関1が発生する動力を、すべて図1−2に示す車両60の駆動に用いることができ、ドライバビリティの悪化を効果的に抑制できる。

0079

さらに、図1−2に示す車両60が下り坂を走行しているときや、いわゆるエンジンブレーキが作動しているときのように、内燃機関1の出力が要求されない場合に圧縮機11を駆動して作動流体を蓄圧タンク12へ蓄える。これによって、内燃機関1の燃料消費を抑制でき、また、圧縮機11を駆動することによる内燃機関1の発生する動力低下が車両60の駆動に与える影響を低減できる。

0080

(第3制御例)
図6は、本実施形態に係る作動流体の圧力制御における第3制御例に用いる圧力制御装置の構成を示す説明図である。図7は、本実施形態に係る作動流体の圧力制御における第3制御例の手順を示すフローチャートである。図6に示すように、第3制御例に用いる圧力制御装置30aは、図3を用いて説明した、第1及び第2制御例に用いる圧力制御装置30に、変速比制御部34をさらに備えた構成である。他の構成は、第1及び第2制御例に用いる圧力制御装置30と同様であり、第3制御例に用いる圧力制御装置30aは、図3に示すECU50内に設けられる。次に、本実施形態に係る作動流体の圧力制御における第3制御例の手順を説明する。

0081

第3制御例におけるステップS301、ステップS302は、上述した第1及び第2制御例におけるステップS101、ステップS102、ステップS201、ステップS202と同様なので、説明を省略する。ステップS302において、圧力制御装置30aの加圧制御部33は、図1−1に示すクラッチ16を係合させて、内燃機関1によって圧縮機11を駆動することにより、蓄圧タンク12内の空気の圧力を第1の作動流体圧力閾値P_A以上に加圧する。

0082

内燃機関1によって圧縮機11を駆動すると、内燃機関1が発生する動力の一部が圧縮機11の駆動に用いられる。これによって、図1−2に示す車両60を減速させ、車両60の運転者には減速感を与える。この減速感が大きくなると、車両60の運転者には違和感を与えるので、第3制御例では、車両60に発生する減速加速度に基づいて、内燃機関用変速装置4の変速比を変更する。すなわち、減速加速度が大きくなるにしたがって、内燃機関用変速装置4の変速比を小さくする。これによって、車両60に発生する減速加速度を抑制できるので、車両60の運転者に与える違和感を低減できる。

0083

ここで、内燃機関用変速装置4の入力軸、すなわち内燃機関出力軸1sの回転数を入力回転数、内燃機関用変速装置4の出力軸、すなわち変速装置出力軸9の回転数を出力回転数とすると、内燃機関用変速装置4の変速比は、入力回転数/出力回転数である。なお、内燃機関用変速装置4の変速比を変更するということは、内燃機関1と、この内燃機関1が搭載される、図1−2に示す車両60の駆動輪、すなわち、図1−1に示す第1駆動輪7A及び第2駆動輪7Bとの間の変速比を変更することになる。

0084

ステップS303において、圧力制御装置30aの運転条件判定部32は、車両60の減速加速度(減速度)が、所定の第1減速度閾値G_E1よりも大きいか否かを判定する。車両60の減速加速度は、例えば、車速センサ46によって検出される車両60の車速に基づいて求めることができる。また、車両60の前後方向における加速度を検出できる加速度センサを用いて車両60の減速加速度を検出してもよい。

0085

ステップS303でYesと判定された場合、すなわち、車両60の減速加速度(減速度)が所定の第1減速度閾値G_E1よりも大きいと運転条件判定部32が判定した場合、ステップS304に進む。ステップS304において、圧力制御装置30aの変速比制御部34は、図1−1に示す内燃機関用変速装置4をシフトアップする。すなわち、変速比制御部34は、内燃機関用変速装置4の変速段を、現在よりも変速比の小さい変速段へ切り替える。これによって、内燃機関1が車両60の駆動輪を駆動する力を低減することができるので、車両60に発生する減速加速度を抑制できる。その結果、車両60の運転者に与える違和感を低減できる。

0086

ここで、蓄圧タンク内圧力Pが高くなるほど、圧縮機11の圧縮仕事は大きくなり、内燃機関1が圧縮機11を駆動する動力も大きくなる。その結果、車両60の発生する減速加速度も大きくなる。したがって、蓄圧タンク内圧力Pに応じて、内燃機関用変速装置4の変速比を変化させる割合を変更することが好ましい。すなわち、内燃機関用変速装置4の変速比は、蓄圧タンク内圧力が大きくなるにしたがって、小さい値に設定することが好ましい。本制御例では、蓄圧タンク内圧力が大きくなるにしたがって、より変速比の小さい変速段へシフトアップする。これによって、車両60に発生する減速加速度をより適切に低減できるので、車両60の運転者に与える違和感をより効果的に低減できる。

0087

ステップS303でNoと判定された場合、すなわち、車両60の減速加速度(減速度)が所定の第1減速度閾値G_E1以下であると運転条件判定部32が判定した場合、ステップS305に進む。ステップS305において、変速比制御部34は、図1−1に示す内燃機関用変速装置4の変速段を現状の変速段に維持する。車両60の減速加速度(減速度)が所定の第1減速度閾値G_E1以下である場合、車両60に発生する減速加速度は車両60の運転者の許容範囲なので、現状の変速段を維持しても運転者に与える違和感は許容されるからである。

0088

ステップS301でNoと判定された場合、すなわち、圧力判定部31がP≧P_Aと判定した場合、ステップS306に進む。内燃機関1によって圧縮機11を駆動して蓄圧タンク12内の空気を加圧する場合、内燃機関1が圧縮機11を駆動する負荷ができる限り小さくなる範囲で圧縮機11を駆動することが好ましい。このためには、内燃機関1が無負荷、あるいは低負荷で運転されているときに圧縮機11を駆動することが好ましい。

0089

第3制御例では、例えば、図1−2に示す、内燃機関1を搭載する車両60が制動状態にあるか否かで、内燃機関1が無負荷、あるいは低負荷で運転されているか否かを判定する。なお、この他にも、下り坂等でいわゆるエンジンブレーキが作用していることを用いたり、アクセルがOFFであることを用いたり、現状における内燃機関1の負荷を用いたりして、内燃機関1が無負荷、あるいは低負荷で運転されているか否かを判定することもできる。

0090

ステップS306において、運転条件判定部32は、図1−2に示す、内燃機関1が搭載されている車両60が制動状態であるか否かを判定する。これは、例えば、ブレーキセンサ42によって検出される制動信号や、車速センサ46によって検出される車両60の車速に基づいて求めた減速加速度等を用いて判定することができる。例えば、ブレーキセンサ42から制動信号が検出された場合には、車両60が減速状態であると判定する。

0091

ステップS306でYesと判定された場合、ステップS307に進む。ステップS307において、圧力制御装置30aの圧力判定部31は、ステップS301で取得した蓄圧タンク内圧力Pが、蓄圧タンク12の許容圧力P_Dよりも小さいか否かを判定する。蓄圧タンク内圧力Pが蓄圧タンク12の許容圧力P_Dよりも低い場合、蓄圧タンク内圧力Pをより上昇させておくことにより、圧縮機11の作動頻度を低減させることが好ましい。

0092

ステップS307でYesと判定された場合、すなわち、圧力判定部31がP<P_Dと判定した場合にはステップS308に進む。そして、ステップS308において、加圧制御部33は、図1−1に示すクラッチ16を係合させて、内燃機関1によって圧縮機11を駆動することにより、蓄圧タンク12内の空気の加圧を開始し、ステップS309に進む。なお、蓄圧タンク12内の空気の圧力は、許容圧力P_Dまで加圧される。

0093

ステップS309において、運転条件判定部32は、車両60の減速加速度(減速度)が、所定の第1減速度閾値G_E1よりも大きいか否かを判定する。ステップS309でYesと判定された場合、すなわち、車両60の減速加速度(減速度)が所定の第1減速度閾値G_E1よりも大きいと運転条件判定部32が判定した場合、ステップS304に進む。

0094

ステップS304において、圧力制御装置30aの変速比制御部34は、図1−1に示す内燃機関用変速装置4をシフトアップする。すなわち、変速比制御部34は、内燃機関用変速装置4の変速段を、現在よりも変速比の小さい変速段へ切り替える。これによって、内燃機関1が車両60の駆動輪を駆動する力を低減できるので、車両60の運転者が想定したよりも大きい減速加速度が発生することを回避できる。

0095

ステップS309でNoと判定された場合、すなわち、車両60の減速加速度(減速度)が所定の第1減速度閾値G_E1以下であると運転条件判定部32が判定した場合、ステップS310に進む。ステップS310において、運転条件判定部32は、車両60の減速加速度(減速度)が、所定の第2減速度閾値G_E2よりも小さいか否かを判定する。ここで、第1減速度閾値G_E1>第2減速度閾値G_E2である。ステップS310でYesと判定された場合、すなわち、車両60の減速加速度(減速度)が所定の第2減速度閾値G_E2よりも小さいと運転条件判定部32が判定した場合、ステップS311に進む。

0096

ステップS311において、変速比制御部34は、図1−1に示す内燃機関用変速装置4をシフトダウンする。すなわち、変速比制御部34は、内燃機関用変速装置4の変速段を、現状よりも変速比の大きい変速段へ切り替える。上述したステップS306において、図1−2に示す車両60の運転者には減速したいという意思があると判断できる。しかしながら、車両60の減速加速度が所定の第2減速度閾値G_E2よりも小さい場合、運転者の要求する減速加速度が得られない場合がある。したがって、図1−1に示す内燃機関用変速装置4をシフトダウンすることによって、現状よりも大きい変速比に切り替える。これによって、内燃機関1が車両60の駆動輪を駆動する力を増加することにより、車両60により大きい減速加速度を発生させ、運転者の要求する減速加速度が得られないことを回避する。

0097

ステップS310でNoと判定された場合、すなわち、車両60の減速加速度(減速度)が所定の第2減速度閾値G_E2以上かつ所定の第1減速度閾値G_E1以下であると運転条件判定部32が判定した場合、ステップS312に進む。車両60の減速加速度が所定の第2減速度閾値G_E2以上かつ所定の第1減速度閾値G_E1以下である場合、車両60には、適切な減速加速度が発生していると判断できる。この場合、ステップS312において、変速比制御部34は、図1−1に示す内燃機関用変速装置4の変速段を現状の変速段に維持する。

0098

ステップS306でNoと判定された場合、すなわち、運転条件判定部32が、車両60は減速状態でないと判定した場合、内燃機関1によって圧縮機11を駆動すると、内燃機関1の燃料消費が増加したり、内燃機関1の発生する動力が低減してドライバビリティが悪化したりするおそれがある。この場合、ステップS313において、加圧制御部33によって蓄圧タンク12内の空気の加圧が停止される。これによって、内燃機関1は圧縮機11の駆動から解放されるので、内燃機関1の燃料消費が抑制される。また、内燃機関1が圧縮機11を駆動する分の出力を図1−2に示す車両60の走行に用いることができるので、ドライバビリティの悪化を抑制できる。

0099

ステップS307でNoと判定された場合、すなわち、運転条件判定部32が、車両60は減速状態でないと判定し、かつ、圧力判定部31がP≧P_Dと判定した場合には、蓄圧タンク内圧力をこれ以上上昇できる余地はない。この場合、ステップS313において、加圧制御部33によって蓄圧タンク12内の空気の加圧が停止される。

0100

このように、本実施形態に係る作動流体の圧力制御の第3制御例では、内燃機関1の負荷状態又は蓄圧タンク12に蓄えられる空気の圧力の少なくとも一方に応じて、圧縮機11による蓄圧タンク12への空気の供給を実行又は停止する。そして、蓄圧タンク12への空気の供給を実行するときには、内燃機関1を搭載した、図1−2に示す車両60の減速加速度に応じて内燃機関用変速装置4の変速比を変更する。これによって、車両60の減速加速度を許容範囲に抑えることができるので、車両60の運転者に与える違和感を低減できる。

0101

以上、本実施形態では、排熱回収用熱機関の作動流体を蓄える蓄圧手段を介して、排熱回収用熱機関へ作動流体を供給するように構成し、排熱回収対象の熱機関の負荷状態又は排熱回収用熱機関の作動流体の蓄圧手段に蓄えられる作動流体の圧力のうち、少なくとも一方に応じて、前記作動流体の加圧手段による蓄圧手段への作動流体の供給を実行又は停止する。これによって、加圧手段を常に駆動する必要がなくなるので、排熱回収用熱機関の作動流体の加圧手段を駆動する頻度を低減することができる。そして、排熱回収対象である熱機関の燃料消費を抑制でき、また作動流体の加圧手段の耐久性低下を抑制できる。また、排熱回収用熱機関の内部における作動流体の圧力も適切な圧力に維持できるので、排熱回収用熱機関からより多くの動力を取り出すことができ、また、気体軸受の機能を十分に発揮させ、ピストンとシリンダとの接触を抑制できる。

0102

以上のように、本発明に係る排熱回収装置は、熱機関の排熱回収に有用であり、特に、排熱回収装置が備える排熱回収用熱機関の作動流体の加圧手段を駆動する頻度を低減することに適している。

図面の簡単な説明

0103

本実施形態に係る排熱回収装置の構成を示す全体図である。
本実施形態に係る排熱回収装置を搭載した車両の一例を示す説明図である。
加圧制御手段の他の構成例を示す説明図である。
本実施形態に係る排熱回収用熱機関であるスターリングエンジンを示す断面図である。
本実施形態に係る作動流体の圧力制御に用いる圧力制御装置の構成を示す説明図である。
本実施形態に係る作動流体の圧力制御における第1制御例の手順を示すフローチャートである。
本実施形態に係る作動流体の圧力制御における第2制御例の手順を示すフローチャートである。
本実施形態に係る作動流体の圧力制御における第3制御例に用いる圧力制御装置の構成を示す説明図である。
本実施形態に係る作動流体の圧力制御における第3制御例の手順を示すフローチャートである。

符号の説明

0104

1内燃機関
1s 内燃機関出力軸
2圧縮機入力軸
3排ガス通路
4内燃機関用変速装置
5排熱回収用熱機関用変速装置
6差動ギヤ
7A、7B駆動輪
8カップリング
9変速装置出力軸
10排熱回収装置
11圧縮機
12蓄圧タンク
13開閉弁
14 第1逆止弁
15 第2逆止弁
16クラッチ
17リリーフ弁
18 第1作動流体供給通路
19 第2作動流体供給通路
21駆動プーリ
22被駆動プーリ
23ベルト
30、30a圧力制御装置
31 圧力判定部
32運転条件判定部
33加圧制御部
34変速比制御部
40アクセル開度センサ
41内燃機関回転数センサ
42ブレーキセンサ
43エアフローメータ
44 蓄圧タンク圧力センサ
45スターリングエンジン用圧力センサ
46車速センサ
50機関ECU
100 スターリングエンジン

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