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技術 記録装置

出願人 リコープリンティングシステムズ株式会社大日本印刷株式会社
発明者 大内明美前川勉玉橋邦裕樫村顕
出願日 2008年2月22日 (11年5ヶ月経過) 出願番号 2008-041104
公開日 2008年6月12日 (11年2ヶ月経過) 公開番号 2008-132794
状態 特許登録済
技術分野 インクジェット記録方法及びその記録媒体 インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード 積み重ね保管 粉体金属 補助ヘッド OMR 保管性能 並行配置 コールドフィルター 補助インク
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年6月12日)のものです。
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図面 (9)

課題

インクジェット記録と他方式の画像形成装置による記録を組み合わせた記録装置において、印刷品質および保管性能が良好な印刷物を作成する記録装置を提供する。

解決手段

被記録体上の固定情報印刷領域外可変情報印刷する可変情報印刷部を有する記録装置において、可変情報記録部を紫外線電子線等を照射することにより硬化する特性を有するインク吐出するインクジェットヘッドとし、可変情報記録部にて印刷される被記録体上のインク滴の厚みを固定情報の厚みの±15μmとするか、インク滴自体の厚みを15μm以下にする。

概要

背景

最近、固定情報となる共通の文字絵柄部分を予めオフセット印刷凸版印刷等で被記録体印刷しておき、更に顧客等のニーズに応じて必要な情報のみを可変情報として被記録体に加えて印刷する、いわゆる追い刷り印刷が行われるようになっている。可変情報は電子写真プリンタインクジェットプリンタ等、一部毎に異なった内容(可変情報)を印刷することが可能なプリンタにて記録される。

このような被記録体上の予め記録された固定情報に可変情報を付加する印刷方法および印刷装置に関しては、特許文献1に開示されている。

特開平10−58652号公報

概要

インクジェット記録と他方式の画像形成装置による記録を組み合わせた記録装置において、印刷品質および保管性能が良好な印刷物を作成する記録装置を提供する。被記録体上の固定情報の印刷領域外に可変情報を印刷する可変情報印刷部を有する記録装置において、可変情報記録部を紫外線電子線等を照射することにより硬化する特性を有するインク吐出するインクジェットヘッドとし、可変情報記録部にて印刷される被記録体上のインク滴の厚みを固定情報の厚みの±15μmとするか、インク滴自体の厚みを15μm以下にする。

目的

上記特許文献1においては、固定情報を記録する手段として紫外線硬化性樹脂が用いられているが、可変情報を記録する手段として紫外線硬化性の樹脂を使用し、インクジェットで印刷する点について開示されていない。従って、顧客が必要とする可変情報を任意に印刷した場合に、固定情報に対して極めて低い画質の印刷物を提供することとなってしまう。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

インク被記録体上に吐出するインクジェットヘッドを備えた記録装置において、前記インクジェットヘッドで、前記被記録体上の固定情報印刷領域外紫外線電子線等を照射することにより硬化する特性を有するインクを吐出して可変情報印刷することを特徴とする記録装置。

技術分野

0001

本発明は記録装置に関し、特にインクジェット記録と他方式の画像形成装置による記録を組み合わせた記録装置に関する。

背景技術

0002

最近、固定情報となる共通の文字絵柄部分を予めオフセット印刷凸版印刷等で被記録体印刷しておき、更に顧客等のニーズに応じて必要な情報のみを可変情報として被記録体に加えて印刷する、いわゆる追い刷り印刷が行われるようになっている。可変情報は電子写真プリンタインクジェットプリンタ等、一部毎に異なった内容(可変情報)を印刷することが可能なプリンタにて記録される。

0003

このような被記録体上の予め記録された固定情報に可変情報を付加する印刷方法および印刷装置に関しては、特許文献1に開示されている。

0004

特開平10−58652号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上記特許文献1においては、固定情報を記録する手段として紫外線硬化性樹脂が用いられているが、可変情報を記録する手段として紫外線硬化性の樹脂を使用し、インクジェットで印刷する点について開示されていない。従って、顧客が必要とする可変情報を任意に印刷した場合に、固定情報に対して極めて低い画質印刷物を提供することとなってしまう。

0006

また、上記特許文献1においては、可変情報を記録するインクと被記録体の関係については言及されていない。インクジェット記録はインク種、被記録体の種類によって印刷品質が大きく異なるため、この点について無視してしまうと、高画質の印刷物を提供することはできない。

0007

一方、本発明の如く、紫外線電子線等でインクを硬化させる方式は、可変情報を付加する際の被記録体に対応できるインクジェット用インクとして追い刷りに適するが、高速性を重視するあまり、インク滴吐出とほぼ同時に硬化されるため、インク滴が指触で判別できる程度のドーム状の形状を有したまま被記録体に定着されてしまう可能性がある。この傾向はインクを吸収する層がない被記録体で特に強い。このようなドーム状に形成されたインク滴よりなる印刷物においては、多量枚数積み重ねてを保管する際に、インクの裏写りよごれ、他の被記録体への張り付きや擦り汚れが発生するばかりか、被記録体を複数重ねた場合に可変情報印刷部のみの盛り上がりにより被記録体への制定や収納に支障をきたしたりしていた。

0008

上より、本発明の目的は、インクジェット記録と他方式の画像形成装置による記録を組み合わせた記録装置において、印刷品質および保管性能が良好な印刷物を作成する記録装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するため本発明においては、インクを被記録体上に吐出するインクジェットヘッドを備えた記録装置において、前記インクジェットヘッドで、前記被記録体上の固定情報の印刷領域外に紫外線や電子線等を照射することにより硬化する特性を有するインクを吐出して可変情報を印刷することを特徴とする。

発明の効果

0010

本発明の記録装置は、従来紫外線や電子線等で記録液を硬化させる方式のプリンタにおいて問題とされてきたインクの厚みが改善され、インクジェット記録と他方式の画像形成装置による記録を組み合わせた記録物の印刷品質および保管性能が良好な記録装置およびその記録物を提供することが可能となった。

発明を実施するための最良の形態

0011

この本発明において使用するインクは、紫外線、電子線、その他の放射線等のエネルギによって重合(硬化)する特性を有するものを意味する。また、図1に示すように、本発明の印刷物は固定情報と可変情報を同一の被記録体に印刷することにより得られるものである。よって、固定情報が非接触で記録が可能な場合(例えばインクジェット方式)や、可変情報のインクの転写が発生しない状況下で記録を行う場合には、記録の順番は特に問題にならない。

0012

本発明において、印刷された可変情報のインクの厚みは、既に印刷されている固定情報の記録と同等であることが望ましく、具体的には固定情報の印刷の厚みの±15μmにするとよい。特に望ましいのは−3〜10μm、さらに望ましくは−1〜8μmである。これより大きい場合は被記録体の可変情報を印刷した所定の領域だけが厚くあるいは薄くなり、積み重ねた印刷物が多くなるに従い安定した形状を保ちにくく保管性能が劣る。また、特に厚い場合は可変情報のインクの凸部が被記録体と接触し、擦られることにより、インクの裏写りやよごれ、被記録体への張り付きを生じやすくなる。一方、薄い場合は、可変情報のインパクトが低くなる。すなわち、固定情報の厚さが印刷物の厚さにほぼ等しい場合には、インク滴の厚みは15μm以下にするとよく、硬化が効率良く行える点でも好ましい。これに対して、固定情報の厚みが、印刷が発泡印刷や浮き出し印刷のように40μm以上と厚い場合は、固定情報の印刷の厚みの±15μmとするのがよい。

0013

以下、本発明を実現するための記録装置の一例について図2を参照して説明する。

0014

図2において、1はインクジェット記録装置を示す。固定情報を記録した被記録体8は給紙部2から、搬送ベルト6により搬送される。インクジェットヘッド3により可変情報を記録して、露光機4で記録と同時または記録直後に硬化・定着を行う。インクジェットヘッド3または露光機4の近傍には可変情報のインクの厚みを検出するセンサ(図示せず)が設けられており、このセンサの検出結果に応じ、加工部5により必要に応じてインク滴の厚みの調整を行う。更に、インク滴の厚みを高くする場合、高さを微調整する場合等、必要に応じて補助インクジェットヘッド10で再吐出し、補助露光機7で硬化定着を行う。可変情報が印刷された印刷物はスタッカ9に排出される。なお、露光機4は紫外線、電子線、その他の放射線等が使用される。

0015

以上の構成により、固定情報の厚みが大きい場合には、これに合わせて可変情報の厚みも大きくすることができる、すなわち、図2に示すように、インクジェットヘッド3および露光機4で印刷した可変情報の厚みが目的とする厚みに達していない場合、補助インクジェットヘッド10によりインクを吐出させ、補助露光機7で硬化させて、インク滴を重ねて厚くすることができる。この操作を必要に応じて複数回繰り返し、インク滴を厚くして任意の厚みにすることができる。

0016

なお、図2に示す露光機4、補助露光機7としては、紫外線(UV)照射ランプ、電子線等が挙げられる。UV照射ランプにおいては、熱が発生し、被記録体が変形してしまう可能性があるため、冷却機構、例えば、コールドミラーコールドフィルター、ワーク冷却等が具備されていると望ましい。オゾンを除去する機構が具備されるとさらに好ましい。ランプの種類としては、高圧水銀灯超高圧水銀灯メタルハライド等があるが、オゾンレスのランプが良い。超高圧水銀灯は点光源であるが、光学系と組み合わせて光利用効率を高くしたDeepUVタイプは、短波長領域の照射が可能である。メタルハライドは、波長領域が広いため着色物に有効的である。Pb、Sn、Feなどの金属のハロゲン化物が用いられ、光開始剤吸収スペクトルに合わせて選択できる。硬化に有効であるランプであれば特に制限無く使用できるが、特にUVA光線発生装置が有効である。紫外線等の照射においては、紫外線ランプの発する熱によって、被印刷基材が熱的な変形を起こす可能性があるので、紫外線のみが照射されて熱線が照射されないような照射装置を用いることが必要である。硬化を効率よくするためにポリビニルアルコール等の酸素遮断膜を形成し、その上から照射させることも有効である。

0017

また、本発明の可変情報用インクが付着した被記録体は、紫外線、電子線等によって硬化させるが、複数色のインクを用いて印刷を行う場合には、複数の色のインクを付着させた後に被記録体に紫外線、電子線等を照射しても、あるいは1色毎に紫外線、電子線等を照射させる工程を色毎に繰り返しても良い。特にカーボーンブラックを添加したインクは硬化が阻害されるため、他のインクよりも照射効率を良くするか、または照射エネルギーを大きくする工夫が必要である。また、固定情報の印刷が発泡印刷や浮き出し印刷のように厚い場合はこれに合わせて可変情報の印刷を厚くする場合は紫外線、電子線等が表面だけでなく内部まで照射する必要がある。

0018

次に、可変情報の厚みを調整するための他の例について、図3を用いて説明する。

0019

図3は、図2に示す加工部5に装着される研磨装置の一例を示す。ラッピングテープ20は、供給ロール21から研磨ロール22へと送られ、更に巻き取りロール23へと送られる。研磨ロール22のの軸の両側には圧力調整装置24が設けられており、ラッピングテープ20の被記録体8への押し付けを調整している。被記録体8は平滑な載置台19に吸引吸着されており、所定の速度でラッピングテープの走行方向とは逆方向(矢印A方向)へ移動することにより、ラッピングテープ20によって研磨が行われる。なお、研磨の荷重は0.3〜1MPaが好ましい。過剰な研磨は画質を低下させる。また、ラッピングテープ20は研磨粒子を含有する部分としない部分を交互に配置したり、被記録体8の搬送方向に並行配置した別ローラ研磨屑移行させたり、研磨屑を取り去る機能を備えると更なる画質の向上が図られる。

0020

上述した研磨方法しては、従来の方法が特に限定すること無しに使用できる。例えば、インクの凸部をバフ研磨等によって研磨粒子を使用して厚みを低くする湿式による研削方法や、硬化したインク滴上を走行するアルミナ等の微細な研磨粒子が付着したラッピングテープや研磨粒子を樹脂中に分散した研磨フィルム等によって乾式研磨することによってインクの厚さを調整する方法がある。この他にもガスレーザで研磨したり、エッチングする方法がある。

0021

可変情報の厚みを調整するための更に他の例について、図4を用いて説明する。

0022

図4は、図2に示す加工部5に装着される加圧装置の一例を示す。加圧ローラ32の軸の両側には圧力調整装置31が設けられており、加圧ローラの被記録体8への押し付けを調整している。加圧ローラ32は、金属ローラ樹脂ローラ、または金属ローラ表面をPFAポリエチレンポリウレタンナイロン等のチューブ被覆したローラのいずれを用いてもよい。被記録体8は平滑な載置台19に吸引吸着されており、所定の速度で搬送される過程で加圧ローラによる加圧が行われる。なお、インクに加えられる圧力は、インクの硬度に密接に関係するため、可変情報を硬化する工程を加圧の前後に分けても行っても、加圧の前に行っても良い。

0023

上述の例では加圧ローラとしたが、加圧装置としては平板によるプレスでもよい。加圧力は可変情報の厚みが15μm以下になるように調整ができればよいが、好ましくは20MPa以下、さらに好ましくは10MPa以下がよい。過剰な加圧は画質を低下させる。また、可変情報と加圧装置との接触面に、シリコーンオイル等を塗布し、加圧処理信頼性を向上させることも有効である。

0024

可変情報の厚みを調整するための更に他の例について、図5を用いて説明する。

0025

図5は、図2の構成に付加される加熱装置の一例を示す。被記録体8を搬送する搬送ベルト6をヒータ40で加熱し、被記録体8を間接的に加熱する。可変情報を印刷するインクジェットヘッド3及び露光機4に対向して設置されたヒータ40により、印刷中および印刷後も加熱が行われる。これによって、可変情報の厚みを調整する。なお、硬化後の加熱はあまり有効でない。このように、被記録体を直接または間接的に加熱することにより、被記録体に着弾したインクの粘度を直ちに低下させて被記録体の縦(浸透)方向、横(拡散)方向に流動しやすくするとよい。熱風を伴うとインクの噴射が不安定になる可能性があるので、加熱装置が被記録体を支持する搬送基板であるプラテン部材の一部として設けられるのが好ましい。加熱装置はセラミックヒータハロゲンランプヒータであってもよい。

0026

加熱装置によりインク滴の厚みが固定情報のインクの厚さの±15μmになるように調整することが可能となるが、加熱温度は好ましくは使用する樹脂のガラス転移温度(Tg)100℃以下、さらに好ましくは80°以下とするとよい。加熱処理は、可変情報を硬化する工程を加熱の前後に分けて行っても、加熱の後行っても良い。

0027

本発明でとくに望ましく使用できる、紫外線や電子線等を照射することによりを照射することにより硬化する可変情報を印刷するインクはインクジェットヘッドより安定した吐出ができれば特に限定はないが、望ましくは粘度が25℃で7〜40mPa・s、表面張力は20〜40mN/mである。

0028

可変情報に用いられるインクは、分子構造中にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する比較的低粘度の樹脂モノマー紫外線硬化樹脂の製造に使用される光重合性プレポリマーおよび光開始剤等から構成される。これらはインクジェット用インクの主成分として十分な印刷物保管安定性が得られる。インクの流動性が安定している他に、印刷画像を擦ったり折り曲げたりすることに耐えうる強度を持っている。

0029

これらはいずれも記録媒体へのぬれ性が良好で広範囲の各種被着体物質に対し密着性に優れる。さらに、低粘度化および高速化のために水および溶剤を添加しても良い。可変情報用インクの構成成分をいずれも良く溶解させ、印刷後は速やかに蒸発するものであればいずれの溶剤でも良い。

0030

また、本発明のインクを着色する場合には、染料顔料等の着色剤を混合する。無機顔料粉体金属等主成分に分散が可能であるものはすべてインクとして扱われる。添加量は1〜20重量部が適量である。

0031

本発明のインクに更に機能性を発現するため、各種の増感剤光安定化剤、表面処理剤界面活性剤、粘度低下剤酸化防止剤老化防止剤架橋促進剤重合禁止剤可塑剤防腐剤分散剤等を混合することができる。特に可変情報の記録の厚さを15μmよりも厚くする必要がある場合は硬化を促進させる増感剤の添加が有効である。

0032

発明の目的とする分野のプリンタの印刷速度は、従来のインクジェット記録より高速である場合に特に有効である。速度に関して明瞭な限定はないが、ノズル及び用紙の間の相対速度が10ips(inch/s)以上となる記録速度が特に好ましい。いずれにおいても、ノズル及び用紙(記録媒体)との相対的な移動速度が10ips以上となる工程であり、例えばライン型記録の如く、ヘッド部分が固定され用紙のみ移動する場合は紙移動速度(紙送り速度)が上記相対速度に該当する。例えば、ライン型記録の紙送り速度Vは、インク滴の吐出周波数f、記録解像度Rにより、V =f×Rで示される。従来の5ips以下(通常は1ips以下)の記録においては従来報告されている多数のインクがそのまま適用出来る。本発明は少なくとも5ips以上、特に好ましくは10ips以上の高速度記録において、効果的に利用出来る。

0033

インク吸収性が低い被記録体においては、インクドットの拡散や異色インク間の混色を防ぐためにインク滴の着弾と同時に硬化させる必要があり、インクが固定情報の記録より厚くなりやすい。これは特に固定情報がオフセット印刷やスクリーン印刷レーザプリンタなどインクジェット記録と定着手段が異なる方式また、インクジェット記録においても水性や油性、溶剤系など、本発明で使用するインク種と異なるインクジェットプリンタで記録が行なわれた場合に顕著である。従って、本発明で使用する被記録体は金属、プラスチック等、紙に限定されず、これら被記録体にインク受容層を設けた場合は特に好ましい。特に、紙に対する液体の浸透は繊維の空隙への毛細管浸透と繊維自身膨潤が併行する複雑な現象であるが、円筒形毛細管モデルもとづく下記Lucas−Washburnの式が解析に広く使用されている。液体の浸透深さHは、液体の表面張力γ、粘度η、細管半径r、浸透時間t及び液体と毛細管の接触角θを用いて下式で示される。

0034

H=(γrtcosθ/2η)0.5
図6に示すように、上式縦軸H、横軸t0.5でプロットすると、原点を通過する直線となるが、実際の系ではある程度の浸透時間t0で折れ曲がる挙動を示すことが多い。この切片(図中のKr)を粗さ指数、傾き(図中のKa)を吸収係数、t0を濡れ時間と称することがある。この切片の命名は、インクが初期段階では用紙の表面凹凸に湿潤するのみで基体に浸透を開始するには一定時間(t0)を要するとの解釈に基づいている。本発明の吸収係数は、図6グラフと同様のプロットにおいて、浸透深さ(インク吸収量)(縦軸)をml/m2単位、浸透時間(横軸)を(ms)0.5単位とした場合の傾き(Ka)と定義される。

0035

上述した図6のグラフを元にして、本発明で使用可能な被記録体について検討した結果を図7に示す。図7において、普通紙、インクジェット専用紙コートボール紙のように、吸収係数の閾値となる0.7(ml/m2)/(ms)0.5より大きい吸収係数を有する被記録体は、被記録体自身のインク吸収力により可変情報の高さを制御することが可能である。可変情報の厚みを制御するために必要な被記録体の吸収係数は、特に好ましくは1.5(ml/m2)/(ms)0.5以上である。10.0(ml/m2)/(ms)0.5以上の被記録体は不要な裏抜け(裏面にまでインクが達する)現象を生じ高品質の記録は得難い。

0036

一方、ワイドフォーマット用紙アート紙など、吸収係数の閾値となる0.7(ml/m2)/(ms)0.5以下の吸収係数を有する被記録体である場合には、前述した他の加工部による処理を行なわないと可変情報の厚みを15μm以下とし、かつ混色等がない高品質の印刷を得るのは難しくなる。しかし、発泡印刷や浮き出し印刷のように固定情報の印刷の厚さが100μm以上あるような場合は可変情報の印刷の厚みはこれより±15μmの範囲にするため、吸収係数はこの限りではない。

0037

高画質を得るためにはノズル先端からインク滴の着弾位置まではおよそ1mm程度が望ましいため固定情報の印刷の厚さはこれ以下がよい。浸透速度の測定にはブリストー法、これを自動化した動的走査吸液測定法等がある。

0038

次に本発明を実施例により具体的に説明するが、記載例に限定されるものではない。

0039

ビヒクルとしてウレタンアクリレート(三菱レイヨン製、商品名:ダイヤビームUK6038)を10重量部、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタアクリレート(MANDA)(日本化薬製、商品名KAYARADMANDA)を90重量部および光重合開始剤チバスペシャリティケミカルズ製、商品名イルガキュア1700)を3重量部、着色剤として黒顔料(三菱化学製、商品名:MA77)4重量部の全300gをホモジナイザ日立工機製HG30)を用いて、回転数2,000rpmで均質な混合物が得られるまで分散し、続いてろ過を行い不純物等を除去し、可変情報用インクを得た。結果を図8に示す。

0040

インクの粘度は回転粘度計(トキメック製EDLモデル)、表面張力は自動表面張力計協和界面科学社製CVBP-Zモデル)にて測定した。いずれも測定温度は25℃である。粘度は9.5mPa・s、表面張力は32.5mN/mであった。

0041

用紙を一定の速さで移動させながら、ダイレクト刷版作成機(日立工機製SJ02A)を使用し、まず紙表面にインク吐出速度3kHz、用紙送り速度を10ipsとして、解像度300(×600)dpiで、水性インクを使用したインクジェットプリンタで厚み1μmの固定情報が印刷されているコートボール紙(インク吸液係数1.0(ml/m2)/(ms)0.5)に可変情報を印刷した。次いで直ちに紫外線照射装置ウシ電機製、UVC−1212/1MNLC3−AA04)で300mJ/cm2の光量を照射して硬化させた。インクの厚みはミツトヨ製デジマティックマクロメータで測定したところ5μmであった。また、インクのにじみおよび積み重ね保管時のインクの転写を調べた。硬化後40℃の高温下において印刷物上にコートボール紙を重ね、その上に4kgの重りをのせたまま6時間放置した後、重ねたコートボール紙面におけるインクの転写およびにじみを調べ、転写の度合いを3段階で目視評価した。転写、にじみが全く無かった記録物は◎、実用レベルの記録物は○、実用不可の記録物は×によって評価した。記録部の盛り上がりは5000枚記録後、目視評価した。実用レベルであるものは○、ないものは×で評価した。実施例1の記録物はいずれの評価も実用化レベルに有ることがわかった。

0042

ビヒクルとしてウレタンアクリレート(大成化工製、商品名:アクリットWBR−829)を100重量部、および着色剤としてシアン顔料水分散体(チバスシャルテケミカルズ製KIJ200-23-2)を30重量部として実施例1と同様の方法で均質な可変情報用インクを得た。結果を図8に示す。粘度は30.5mPa・s、表面張力は31mN/mであった。インクを40℃に加温し、粘度を15mPa・sとして実施例1と同様の条件で厚み10μmのスクリーン印刷で固定情報が印刷されているPVCフィルム(インクの吸液係数0.2(ml/m2)/(ms)0.5))に実施例1で使用した黒インクとあわせて2色印刷を行った。次いで直ちに実施例1と同じ紫外線照射装置で(200mJ/cm2)の光量を照射した。インクの厚みは黒とシアンインクが重なった濃い青色部が36μmであったため、表面を1.0μmのアルミナ粒子を含むテープを設置した研磨装置により荷重5.0kg/cm2で研磨した。ラッピングを施すことによってインクの厚さは20μmとなった。実施例2の記録物はにじみがなく保管時の評価がいずれも実用化レベルに有ることがわかった。

0043

着色剤としてマゼンタ顔料分散体オリエント化学製、商品名:MICROPIGMOMRD−2)を使用した以外は実施例2と同様の方法で均質な可変情報用インクを得た。結果を図8に示す。粘度は7mPa・s、表面張力は27mN/mであった。実施例1と同様の条件で厚み2μmのオフセット印刷で固定情報が印刷されているPVCフィルム(インク吸液係数0.4(ml/m2)/(ms)0.5))に印刷した。次いで直ちに実施例1と同じ紫外線照射装置で150mJ/cm2の光量を照射した。インクの厚みは22μmであったため、加圧装置により加圧した。金属ローラ表面をPFAチューブで被覆し、シリコーンオイルを塗布したローラを用い10MPaで加圧したところ、インクの厚さは10μmとなった。実施例4の記録物はにじみがなく保管時の評価がいずれも実用化レベルに有ることがわかった。

0044

着色剤としてイエロ顔料水分散体(オリエント化学製、商品名:MICROPIGMO WMYW−5)を使用した以外は実施例2と同様の方法で均質な可変情報用インクを得た。結果を図8に示す。粘度は17mPa・s、表面張力は35mN/mであった。実施例1と同様の条件でオフセット印刷で固定情報を印刷(厚み1μm)してあるPVCフィルム(該インクでの吸液係数0.3(ml/m2)/(ms)0.5))に印刷した。次いで直ちに実施例1と同じ紫外線照射装置で80mJ/cm2の光量を照射した。インクの厚みは18μmであったため、図6加温装置で記録媒体を50℃に加温したところインクの厚さは12μmとなった。実施例4の記録物は保管時の評価がいずれも実用化レベルに有ることがわかった。

0045

実施例1と同様のインクおよび同様の条件で、発泡印刷で固定情報を印刷(厚み60μm)してあるPVCフィルム(インク吸液係数0.3(ml/m2)/(ms)0.5))に印刷した。次いで直ちに実施例1と同じ紫外線照射装置で80mJ/cm2の光量を照射した。インクの厚みは25μmであったため、固定情報の方が35μm厚かった。そこで補助ヘッドで同様のインクをその上に噴射して後、再び紫外線照射装置で80mJ/cm2の光量を照射したところインクの厚さは45μmとなった。実施例5の印刷物は保管時の評価がいずれも実用化レベルに有ることがわかった。

図面の簡単な説明

0046

本発明の記録装置で作成される印刷物の一例を示す模式図。
本発明の記録装置の一例となる概略側面断面図。
本発明の加工部の一例となる研磨装置の概略断面図。
本発明の加工部の一例となる加圧装置の概略断面図。
本発明の加工部の一例となる加熱装置の概略断面図。
円筒形毛細管モデルに基づくインク吸収量と浸透時間との関係を示すグラフ。
被記録体のインク吸収量と浸透時間との関係を示すグラフ。
本発明で使用した可変情報用インクの組成印刷結果について示した表。

符号の説明

0047

2は給紙部、3はインクジェットヘッド、4は露光機、5は加工部、6は搬送ベルト、7は補助露光機、8は被記録体、9はスタッカ、10は補助インクジェットヘッド、19、30は載置台、20はラッピングテープ、21は供給ロール、22は研磨ロール、23は巻き取りロール、24は圧力調整装置、31は圧力調整装置、32は加圧ロール、40はヒータである。

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