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技術 燃料電池

出願人 キヤノン株式会社
発明者 大島伸佳
出願日 2006年11月15日 (14年6ヶ月経過) 出願番号 2006-309403
公開日 2008年5月29日 (12年11ヶ月経過) 公開番号 2008-123960
状態 未査定
技術分野 燃料電池(本体) 燃料電池(システム)
主要キーワード 側面穴 通流口 入口近辺 単独セル 燃料供給用パイプ 引き出し配線パターン 宇宙衛星 空気取り込み
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年5月29日)のものです。
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図面 (13)

課題

発電能力の低下を招くさまざまな異常を局所レベルで早期に検知することができ、異常原因の特定や対処を速やかに行なうことが可能となる燃料電池を提供する。

解決手段

燃料および酸化剤の反応により発電を行なう燃料電池セルを有する燃料電池であって、 前記燃料電池セルは、該燃料電池セル内に複数個温度センサ601が配置された構造を備え、該複数個の温度センサによって該燃料電池セル内の複数の個所における発電状況に応じた温度を検出する構成とする。 その際、前記燃料電池セル内に配置された温度センサの少なくとも2箇所の配置関係を、前記燃料電池セルに供給される燃料経路上流と下流の関係、 または、前記燃料電池セル中の前記酸化剤の取り入れ口からの距離の遠近の関係、 または、前記燃料電池セルの内部で発生した水の排出経路の上流と下流の関係とすることができる。

概要

背景

従来、使用されている電池として、乾電池と言われている一次電池や、車のバッテリーなどに使われる鉛蓄電池モバイル機器などで使われるリチウム電池などの二次電池がある。
一次電池は、内部に反応物質を保持しており、反応物質の化学反応により電流を生じるが、反応物質がすべて消費されてしまうと使用できなくなる。
また、近年における電子機器高性能多機能化に伴う電力消費量の拡大により十分なエネルギー量を供給出来なくなってきている。
二次電池は、内部に反応物を設け、電流を発生させることで反応物が減少するが、充電することによって逆反応が起こり、生成物質がもとの反応物質に戻ることで繰り返し使用することができる。
しかしながら、一回の充電で使用できるエネルギーは一次電池のものよりも少なく、また、充電するために外部電力を必要し、充電するのに数十分から数時間の充電時間を必要としている。

これに対し、近年、地球環境に対して低公害電力を発生させる燃料電池が注目されている。
燃料電池は従来、宇宙衛星で実用化され、それから、省エネルギー性・環境に対し低公害であることから、発電装置自動車用駆動源として開発が進められてきた。
また、燃料電池は単位面積当りで、従来の電池に比べ数倍から十倍近い電気出力が得られることから、さらなる小型、軽量に可能性があるため電気機器の分野でも開発が行われている。
さらに、燃料のみを交換すれば連続して使用が可能であるため、二次電池の様に充電に時間がかかることもない。

燃料電池には、様々な方式のものがあるが、常温から100℃の範囲で作動し、起動時間が短く、単位面積当りの電力が他の燃料電池よりも優れている点から、小型電気機器、とりわけ持ち運びして使用する機器に対しては、固体高分子型燃料電池が適している。
また、大きな出力を得るための燃料電池には、水素を燃料に使用するのが効果的である。
常圧下において気体である水素を貯蔵する方法として、つぎのような方法が挙げるられる。
第一の方法としては、水素を圧縮して高圧ガスとして保存する方法である。
第二の方法としては、水素を低温にして、液体として貯蔵する方法である。
第三の方法としては、水素吸蔵合金を使用して水素を貯蔵する方法である。
第四の方法として、メタノールガソリンなどを燃料タンクに積み、改質して水素に変換し使用するという方法がある。
また、最近、第五の方法としてカーボンナノチューブグラファイトナノファイバーカーボンナノホーンなどの炭素系材料が注目されている。これらの炭素系材料では、重量当たり約10wt%の水素を吸蔵できる可能性があるためである。

また、固体高分子型燃料電池の発電は以下の様にして行われる。
高分子電解質膜には、パーフルオロスルホン酸系陽イオン交換樹脂がよく用いられる。
例えば、このような膜としては、デュポン社のナフィオンなどがよく知られている。
固体高分子電解質膜を、白金などの触媒担持した一対の多孔質電極、すなわち、燃料極酸化剤極とで狭持した膜電極複合体発電セルとなる。
この発電セルに対して、酸化剤極には酸化剤を、燃料極には燃料を供給することにより、高分子電解質膜中プロトンが移動し、発電が行われる。

燃料電池における発電反応発熱反応であり、反応場の温度が60℃以上であると効率がよい。
一方、固体高分子電解質膜等の、燃料電池を構成する部材の材質にもよるが、通常は100℃以下の温度に制御することが安定的な発電を行なうために必要とされている。
したがって、発電反応が効率よく行なわれていること、および部材に問題が発生するような高温になっていないことを確認するためには、発電反応が行なわれる部位またはその近傍にて温度を測定することの重要性は高いものといえる。
また、固体高分子型燃料電池に限らず、他の形式の燃料電池においても、発電反応に伴い発熱し、また発電反応に適した温度範囲は各々決まっていることから、同様の課題は共通して存在する。

このような課題に対処するため、特許文献1では電解質膜の温度の監視を行なう方法が提案されている。
また、特許文献2では、つぎのようにして出力変動要因推定可能にする燃料電池システムが提案されている。
ここでは、多数のセルからなる燃料電池システムにおいて、複数のセルグループに分けてグループ毎出力電圧計測して運転状態診断するシステムなどによって、燃料電池の発電状況を逐次監視し、発電性能の変化(低下)を捉える手法が採られている。
特開2000−58093号公報
特開2004−127915号公報

概要

発電能力の低下を招くさまざまな異常を局所レベルで早期に検知することができ、異常原因の特定や対処を速やかに行なうことが可能となる燃料電池を提供する。燃料および酸化剤の反応により発電を行なう燃料電池セルを有する燃料電池であって、 前記燃料電池セルは、該燃料電池セル内に複数個温度センサ601が配置された構造を備え、該複数個の温度センサによって該燃料電池セル内の複数の個所における発電状況に応じた温度を検出する構成とする。 その際、前記燃料電池セル内に配置された温度センサの少なくとも2箇所の配置関係を、前記燃料電池セルに供給される燃料経路上流と下流の関係、 または、前記燃料電池セル中の前記酸化剤の取り入れ口からの距離の遠近の関係、 または、前記燃料電池セルの内部で発生した水の排出経路の上流と下流の関係とすることができる。

目的

本発明は、上記課題に鑑み、発電能力の低下を招くさまざまな異常を局所レベルで早期に検知することができ、異常原因の特定や対処を速やかに行なうことが可能となる燃料電池を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

燃料および酸化剤の反応により発電を行なう燃料電池セルを有する燃料電池であって、前記燃料電池セルは、該燃料電池セル内に複数個温度センサが配置された構造を備え、該複数個の温度センサによって該燃料電池セル内の複数の個所における発電状況に応じた温度を検出することを特徴とする燃料電池。

請求項2

前記複数個の温度センサは、前記燃料電池セル内に配置された温度センサの少なくとも2箇所の配置関係が、前記燃料電池セルに供給される燃料経路上流と下流の関係にあることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。

請求項3

前記複数個の温度センサは、前記燃料電池セル内に配置された温度センサの少なくとも2箇所の配置関係が、前記燃料電池セル中の前記酸化剤の取り入れ口からの距離の遠近の関係にあることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。

請求項4

前記複数個の温度センサは、前記燃料電池セル内に配置された温度センサの少なくとも2箇所の配置関係が、前記燃料電池セルの内部で発生した水の排出経路の上流と下流の関係にあることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。

請求項5

前記燃料電池セルは、両面に反応層を形成した電解質膜と、ガス拡散層と、を少なくとも含む燃料電池部材が、電力を取り出すための電極上に積層された構造を有する燃料電池セルであって、前記電極は、該電極を構成する基板によって形成された、燃料ガスを流入させることによって前記燃料電池部材に面圧印加するための閉鎖空間を備え、前記複数個の温度センサが、前記閉鎖空間を形成する前記基板に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料電池。

請求項6

請求項1乃至5のいずれか1項に記載の燃料電池セルが複数積層され、燃料電池スタックとして構成されていることを特徴とする燃料電池。

請求項7

請求項1乃至5のいずれか1項に記載の燃料電池セル、または請求項6に記載の燃料電池スタックが、筐体内に収容され構成されていることを特徴とする燃料電池。

技術分野

0001

本発明は、燃料電池に関し、特に燃料電池セル温度検知を可能とした燃料電池に関するものである。

背景技術

0002

従来、使用されている電池として、乾電池と言われている一次電池や、車のバッテリーなどに使われる鉛蓄電池モバイル機器などで使われるリチウム電池などの二次電池がある。
一次電池は、内部に反応物質を保持しており、反応物質の化学反応により電流を生じるが、反応物質がすべて消費されてしまうと使用できなくなる。
また、近年における電子機器高性能多機能化に伴う電力消費量の拡大により十分なエネルギー量を供給出来なくなってきている。
二次電池は、内部に反応物を設け、電流を発生させることで反応物が減少するが、充電することによって逆反応が起こり、生成物質がもとの反応物質に戻ることで繰り返し使用することができる。
しかしながら、一回の充電で使用できるエネルギーは一次電池のものよりも少なく、また、充電するために外部電力を必要し、充電するのに数十分から数時間の充電時間を必要としている。

0003

これに対し、近年、地球環境に対して低公害電力を発生させる燃料電池が注目されている。
燃料電池は従来、宇宙衛星で実用化され、それから、省エネルギー性・環境に対し低公害であることから、発電装置自動車用駆動源として開発が進められてきた。
また、燃料電池は単位面積当りで、従来の電池に比べ数倍から十倍近い電気出力が得られることから、さらなる小型、軽量に可能性があるため電気機器の分野でも開発が行われている。
さらに、燃料のみを交換すれば連続して使用が可能であるため、二次電池の様に充電に時間がかかることもない。

0004

燃料電池には、様々な方式のものがあるが、常温から100℃の範囲で作動し、起動時間が短く、単位面積当りの電力が他の燃料電池よりも優れている点から、小型電気機器、とりわけ持ち運びして使用する機器に対しては、固体高分子型燃料電池が適している。
また、大きな出力を得るための燃料電池には、水素を燃料に使用するのが効果的である。
常圧下において気体である水素を貯蔵する方法として、つぎのような方法が挙げるられる。
第一の方法としては、水素を圧縮して高圧ガスとして保存する方法である。
第二の方法としては、水素を低温にして、液体として貯蔵する方法である。
第三の方法としては、水素吸蔵合金を使用して水素を貯蔵する方法である。
第四の方法として、メタノールガソリンなどを燃料タンクに積み、改質して水素に変換し使用するという方法がある。
また、最近、第五の方法としてカーボンナノチューブグラファイトナノファイバーカーボンナノホーンなどの炭素系材料が注目されている。これらの炭素系材料では、重量当たり約10wt%の水素を吸蔵できる可能性があるためである。

0005

また、固体高分子型燃料電池の発電は以下の様にして行われる。
高分子電解質膜には、パーフルオロスルホン酸系陽イオン交換樹脂がよく用いられる。
例えば、このような膜としては、デュポン社のナフィオンなどがよく知られている。
固体高分子電解質膜を、白金などの触媒担持した一対の多孔質電極、すなわち、燃料極酸化剤極とで狭持した膜電極複合体発電セルとなる。
この発電セルに対して、酸化剤極には酸化剤を、燃料極には燃料を供給することにより、高分子電解質膜中プロトンが移動し、発電が行われる。

0006

燃料電池における発電反応発熱反応であり、反応場の温度が60℃以上であると効率がよい。
一方、固体高分子電解質膜等の、燃料電池を構成する部材の材質にもよるが、通常は100℃以下の温度に制御することが安定的な発電を行なうために必要とされている。
したがって、発電反応が効率よく行なわれていること、および部材に問題が発生するような高温になっていないことを確認するためには、発電反応が行なわれる部位またはその近傍にて温度を測定することの重要性は高いものといえる。
また、固体高分子型燃料電池に限らず、他の形式の燃料電池においても、発電反応に伴い発熱し、また発電反応に適した温度範囲は各々決まっていることから、同様の課題は共通して存在する。

0007

このような課題に対処するため、特許文献1では電解質膜の温度の監視を行なう方法が提案されている。
また、特許文献2では、つぎのようにして出力変動要因推定可能にする燃料電池システムが提案されている。
ここでは、多数のセルからなる燃料電池システムにおいて、複数のセルグループに分けてグループ毎出力電圧計測して運転状態診断するシステムなどによって、燃料電池の発電状況を逐次監視し、発電性能の変化(低下)を捉える手法が採られている。
特開2000−58093号公報
特開2004−127915号公報

発明が解決しようとする課題

0008

ところで、上記従来例における特許文献1、2のいずれのものにおいても、温度検知の手段をスタックもしくはセルに組み込んで監視することで、燃料電池内部の異常の検出を行なうものである。
それらは、単独セル特定エリア異常検出を行なえるものではなく、燃料電池全体あるいはセル単位での異常検出にとどまるものである。
しかしながら、燃料電池の発電能力の低下は、各セルの特定エリアで起こりうる様々の故障よっても招かれる。
例えば、各セルの特定エリアにおける、発電時の生成ガス滞留、燃料および大気の流入量の低下、さらには構成部材の熱による膨張収縮に伴う、接触抵抗局所的増加、等によっても発電能力の低下が生じる。
これに対して、上記従来例のものでは、単独セルの特定エリアの異常検出を行なえないことから、これらの問題に対処することが困難である。

0009

本発明は、上記課題に鑑み、発電能力の低下を招くさまざまな異常を局所レベルで早期に検知することができ、異常原因の特定や対処を速やかに行なうことが可能となる燃料電池を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、次のように構成した燃料電池を提供するものである。
本発明の燃料電池は、燃料および酸化剤の反応により発電を行なう燃料電池セルを有する燃料電池であって、
前記燃料電池セルは、該燃料電池セル内に複数個温度センサが配置された構造を備え、該複数個の温度センサによって該燃料電池セル内の複数の個所における発電状況に応じた温度を検出することを特徴とする。
また、本発明の燃料電池は、前記複数個の温度センサは、前記燃料電池セル内に配置された温度センサの少なくとも2箇所の配置関係が、前記燃料電池セルに供給される燃料経路上流と下流の関係にあることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池は、前記複数個の温度センサは、前記燃料電池セル内に配置された温度センサの少なくとも2箇所の配置関係が、前記燃料電池セル中の前記酸化剤の取り入れ口からの距離の遠近の関係にあることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池は、前記複数個の温度センサは、前記燃料電池セル内に配置された温度センサの少なくとも2箇所の配置関係が、前記燃料電池セルの内部で発生した水の排出経路の上流と下流の関係にあることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池は、前記燃料電池セルは、両面に反応層を形成した電解質膜と、発電時にガス拡散および集電するための部材と、を少なくとも含む燃料電池部材が、電力を取り出すための電極上に積層された構造を有する燃料電池セルであって、
前記電極は、該電極を構成する電極基板によって形成された、燃料ガスを流入させることによって前記燃料電池部材に面圧印加するための閉鎖空間を備え、
前記複数個の温度センサが、前記閉鎖空間を形成する前記基板に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池は、上記したいずれかに記載の燃料電池セルが複数積層され、燃料電池スタックとして構成されていることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池は、上記したいずれかに記載の燃料電池セル、または上記した燃料電池スタックが、筐体内に収容され構成されていることを特徴とする。

発明の効果

0011

本発明の燃料電池によれば、発電能力の低下を招くさまざまな異常を局所レベルで早期に検知することができ、異常原因の特定や対処を速やかに行なうことが可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0012

本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例により説明する。

0013

つぎに、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1においては、本発明を適用した燃料および酸化剤の反応により発電を行なう燃料電池セルを有する燃料電池について説明する。
本発明は、図2に示すような構造の燃料電池セルに適用することで、より大きな効果をもたらすが、まず、図2の構造を模式的にあらわした図1を用いて概略の説明する。
なお、図1は、後に詳しく説明する図2の閉鎖空間208を中心に機能を模式的にあらわした横断面図である。図1括弧内には、図2電池セル構造における対応部の符号を付し、以下に説明する。

0014

図2に示される閉鎖空間208が構成された燃料電池セル201はフレキシブル基板で構成されている。
そのため、図1に模式的に示すように基板106(212)および基板105(209)によって形成された閉鎖空間107(208)に至った燃料ガスの圧力により、基板106および基板105の上下面が膨らむ。
これにより、積層したガス拡散層101(213)、MEA103(218)およびガス拡散層102(214)を筐体104(222)内壁押し付け締結力を発生させることができる。
このような構成によれば、面全体で均一な圧力を加えられるため、接触抵抗を低減させることができる。

0015

つぎに、図2を用いて、上記本実施例の燃料電池セルの詳細な構成について説明する。
図2において、202は電極、209及び212は基板である。
213、214はガス拡散層、215及び216は反応層、217は電解質膜、218は両面に反応層が形成された電解質膜からなるMEAである。
219は金属層、220はスペーサ、221は固定材、222は筐体である。
また、206、207、210、211は通流口、203、204、205は流路、208は面圧発生のための流路である。

0016

本実施例の燃料電池セル201において、電力を取り出すための電極202は、つぎのような構造を備えている。
すなわち、燃料ガスが流れる流路203、204、通流口206、207、面圧発生のための閉鎖空間208を構成するための流路が形成されている基板209に、基板212を貼り合わさって構成されている。
基板209、212の材料としては、例えば、両面に導電層を形成したフレキシブル基板、セラミック基板アルミ基板シリコン基板等に流路もしくは配線パターンを形成したものが挙げられる。
本実施例では、フレキシブルで安価なフレキシブル基板が好ましいものとして用いられている。
また、これらを貼り合わせる方法としては、ろう接超音波接合接着等が挙げられるが、安価で後に解体が容易な、ろう接のはんだ接合が好ましい。
これにより、シール部材、気密を保持するための部品精度が必要なくなる。
また、基板の両面の電通は、図示しないスルーホールビアで取られている。

0017

ガス拡散層213、214は、流入してきたガス拡散と、集電材としての機能を有するので、材料としてはカーボン材が挙げられる。
両面に反応層215、216が形成された電解質膜217には、電極202より流入してきた燃料ガスを外気にリークするのを防ぐため、電解質膜217の外周辺金属膜219が形成されている。
この金属膜219は、めっき、スパッタなどにより金属層が形成されたものか、薄い金属箔をかしめた構造が挙げられる。
スペーサ220は、電極202とMEA218との高さを調整するための部材である。

0018

本実施例の燃料電池セル201は、以上のように構成された電極202上に、ガス拡散層213、MEA218、スペーサ220、ガス拡散層214を積層した積層体によって構成される。
電極202、スペーサ220、MEA218は、それぞれ上記で挙げた接合もしくは接着により貼り合わせることができる。
これにより、シールに必要な部品を必要とせず、これらの部品精度を考慮する必要を省くことができる。
固定材221としては、接着剤等が用いられ、積層した部材を更に固定する。

0019

以上のように構成した燃料電池セル201を、図3に示すように、通流口223、開口224が形成された、中空状の筐体222に収容することで、燃料電池となる。
筐体222に入れた後、筐体222から燃料電池セル201がはみ出ないように、筐体222の側面穴に、例えば、テープ着脱可能な蓋、金属板かしめ、接着剤、溶接などで塞ぐことができる。
その際、後に燃料電池セル201を取り出すことができる、テープ、着脱可能な蓋などが好ましい。

0020

また、図5に示すように、このような燃料電池セル201を複数積層して燃料電池スタック307を構成し、筐体308に収容して燃料電池を構成することができる。
但し、このように燃料電池スタックとした場合には、図2の燃料電池セル上面開口部224から空気取り込みが出来なくなるので、空気取り込み及びガス拡散のため、図4に示すように、ガス拡散層301を、MEA218上に積層する構成を採ることができる。

0021

つぎに、図6図7(a)、(b)を用いて、本実施例における燃料電池セルの温度検知を可能とする構成例について説明する。
図6は、燃料電池セルの電極202の部分構成を示す図である。
各部の機能等は上記したとおりであるが、ここで特に追記説明しているのは、基板209および基板212に関する構成である。
前述したように、これらの基板はフレキシブル基板で構成されているが、実際には、図6に示ように銅箔部401がポリイミド402を挟む構成になっている。
また、図7(a)は温度センサの出力回路の構成例を示す図であり、図7(b)は図6に示す燃料電池セルの閉鎖空間208に、温度センサの出力回路を実装した構成例の概要を説明するための斜視図である。

0022

図7(b)においても、各部の機能等は上記したとおりであるが、ここで異なるのは、基板209の銅箔部401を加工して温度センサ実装用および信号取り出し用の配線パターン501、502および503を構成していることである。
温度センサ自体は公知のものを用いることができ、原理としては温度の変化により電気抵抗値が変わるものであればよい。
種類としては熱電対サーミスタ白金測温抵抗体、等を用いることができ、それぞれ感度分解能線形性など特徴が異なるが、内部に組み込みも可能なものであれば特に制限はない。
しかし、図2で説明した燃料電池セルはフレキシブル基板を用いていることから、実装が容易なチップ状のものが広く出回っているチップ・サーミスタが好ましい。
ただし、種類によっては温度と抵抗値が必ずしもリニアの関係にないことから、補正手段が必要となる場合もあり得る。
また、分解能なども必要とする精度にかなうものを選択しなければならない。

0023

ここで、燃料電池セルが発電を開始すれば、それに伴い発熱を生じるため温度センサ504の抵抗値が変化する。
この変化をとらえる回路としては様々であるが、簡易的なものとしては図7(a)に示すような回路を用いることができる。
図7(a)の回路で検出した電圧値をA/Dやマイコン、記憶部などで構成された測定・制御回路に取り込んで演算処理を施せば、温度−抵抗値の関係から容易にその時点での温度を検出することができる。
また温度データのプロファイルを記憶しておけば、その経時変化の傾向をつかむことも可能となる。

0024

ここで、温度センサの出力回路として、温度センサ504を実装した端子部分から引き出された配線501、502および503には、それぞれリニアライズ用の抵抗505、出力電圧測定回路506、電源電圧507に接続した構成とすることができる。
なお、抵抗505は温度センサ504の温度−抵抗値特性を線形化するためのものである。
測定回路506で測定された値をVoutとした時、抵抗505の値をR1、電源電圧507をVc、そのときの温度センサの抵抗値をRTとすれば
Vout=R1/( RT−R1) Vc
の関係が成立する。
この検出された値と温度−抵抗値の関係から簡単な計算によってその時点での発電部直近の温度を求めることができる。この方法を利用して当該セルでの当該エリアの発電状況を検出するわけである。

0025

なお、図7(b)は本実施例の基本的な考えを説明するものであり、実際には図8(a)、(b)で示すように、複数の温度センサを適切な数量配置して構成される。
すなわち、複数の温度センサを均等にフレキシブル基板に配置することにより構成される。
また、図8(a)、(b)には不図示ではあるが、図7と同様にそれぞれの温度センサに対して引き出し配線パターン電源および検出回路が接続されていることは勿論である。
また、図7(b)では基板209側のみに温度センサおよび引き出し配線を構成しているが、基板212に裏面(不図示)側にも同様に構成して図8(b)の様にすれば、さらに精密な測定も可能になる。
すなわち、燃料電池セルを積層しスタックとした場合、隣接する直下のセルから伝わる反応熱を主に基板209上の温度センサで検知する一方、基板212上の温度センサでは同一セル内にある直上の反応層での発熱を直近で観測することができる。
例えば、図9に示される温度センサを配置した構成例における温度センサによる温度検出エリアのイメージを示す図において、同図に示す右上の温度センサでは、bで示したエリアの温度変化を監視する役割をになうことになる。

0026

複数の温度センサの配置の仕方により、様々な場合における異常の発生を検知することができる。
例えば、単一の燃料電池セル中での燃料ガスの流れ方向を考慮し、前記燃料電池セルに供給される燃料経路の上流と下流の関係になるように配置した場合、次の異常を判断することができる。
上流側と下流側共に反応温度の低下がみられた場合、燃料ガスの供給不足が疑われ、下流側でのみ反応温度の低下がみられたときは、燃料ガスの中に不純物ガスが流路端に滞留してきていると判断される。
また、単一の燃料電池セル中で、酸化剤ガスの取り入れ口からの距離を考慮し、燃料電池セル中の前記酸化剤の取り入れ口からの距離の、遠いところと近いところ、すなわち遠近の関係になるように配置した場合、次の異常を判断することができる。
近い側の反応温度が低下せず、遠い側の反応温度のみが低下した場合、酸化剤ガスの供給が不足していることが疑われる。
また、単一の燃料電池セル中で、発電反応に伴って発生する水の排出経路を考慮し、前記燃料電池セルの内部で発生した水の排出経路の上流と下流の関係になるように配置した場合、次の異常を判断することができる。
上流側の反応温度が低下せず、下流側の反応温度のみが低下した場合、水の排出がうまく行っておらず、下流側に水の滞留(フラッディング)が起こっていることが疑われる。

0027

このようにして、温度センサを配置したエリアとそれに応じた検出値とから、その時点での異常発生エリアとその故障モードあるいは異常傾向を迅速に捉えることができる。
例えば、全体的に一律で温度が低い場合にはセルの故障もしくは燃料ガスの不足、あるエリアだけ低い場合に不要なガスの滞留、等というようにセルの構造に応じて温度パターンとその処理方法を記憶しておく。
異常時の処理としては、検出パターンに応じて、ユーザへの警告表示、あるいは燃料ガスの注入停止や注入強化、不要なガスのパージなどの処理をすることができる。
なお、本実施例ではフレキシブル基板に温度センサを実装する形態を説明したが、温度検知の観点から考えれば、必ずしもフレキシブル基板上に限られるものではない。
すなわち、理論上は配置場所が反応層に近接しているほど、より実態に即した検出が可能になるものである。
しかし、実際には温度センサの配置および引き出し配線の作り込み等考慮すると、本実施例で説明した形態が最も現実的なものである。

0028

以上のように、本実施例では、燃料電池セルは、該燃料電池セル内に複数個の温度センサが配置された構造により、該複数個の温度センサによって該燃料電池セル内の複数の個所における発電状況に応じた温度を検出することが可能なる。
その際、上記燃料電池セルを、両面に反応層を形成した電解質膜と、ガス拡散層と、を少なくとも含む燃料電池部材が、電力を取り出すための電極上に積層された構造を有する燃料電池セルとする構成を採ることができる。
そして、このような電極を構成する基板によって形成された、燃料ガスを流入させることによって前記燃料電池部材に面圧を印加するための閉鎖空間に、上記複数個の温度センサを配置するようにすることで、より大きな効果をもたらすことが可能となる。

0029

[実施例2]
実施例2においては、発電異常が起こりやすいエリア等に限定して配置された燃料電池の構成例について説明する。
図10に、本実施例の構成例を説明するための図を示す。図10(a)は温度センサの配列を示す図であり、図10(b)は温度センサが配列された燃料電池の断面模式図を示す。
なお、図10には、図1の実施例1と同じ構成に同一の符号が付されているので、共通する部分の説明は省略する。図10において、601は温度センサである。

0030

本実施例では、実施例1で均等に配置していた温度センサが、発電異常が起こりやすいエリア、温度変化が起こりやすい(起動時などは除く)エリアに限定して配置されている。
実際には生成ガスが溜まりやすいエリア、接触抵抗に変化が現れやすいエリア、燃料ガス濃度分布に変動がおきやすいエリアなどに限定する方法である。
例えば、図10の場合は、基板の両端と中央部とでの接触抵抗の差異を監視できること、燃料ガス流入口近辺で集中的に反応が起こってしまう現象を監視できることなどを考慮して、周辺部と中央部とに温度センサを配置したものである。
本実施例によれば、温度センサの使用個数を削減できるだけでなく、温度検出・制御系も簡素化されることで、コストの削減を図ることができる。

0031

[実施例3]
本発明を適用した燃料電池は、図11の構造をもった燃料電池セル、またはそれを積層してスタックとした、従来から知られている図12に示されるエンドプレートボルト圧縮バネを用いて締め付け加圧している構造の燃料電池に対しても効果的である。
図11において、1101は電解質膜、1102a、1102bは反応層、1103a、1103bはガス拡散層、1104は酸化剤流路形成部材、1105a、1105bは電極、1106a、1106bはセパレータである。
また、1107は燃料供給口、1108a、1108bは燃料供給用パイプ、1109a、1109bは開口部である。
なお、1104の酸化剤流路形成部材は側面が不図示の酸化剤供給口に面しており、酸化剤を取り入れる。
また、図12において、1201は発電反応部、1202は支持部材、1203はセル、1204はスタック、1205は燃料電池、1206はエンドプレート、1207はボルト、1208は圧縮バネである。

0032

本実施例の燃料電池では、燃料供給口1107より燃料の水素が供給され、燃料供給用パイプ1108a、1108bの開口部1109bより、ガス拡散層1103b、及び反応層1102bへと導かれる。
また、酸化剤としての酸素は、酸化剤流路形成部材1104を通じて供給され、ガス拡散層1103a、及び反応層1102aへと導かれる。
電解質膜1101を挟んで、燃料の水素と酸化剤の酸素(空気)での化学反応により、発電が行われ、それと同時に水が発生する。
反応層1102a、1102bの周辺に実施例1もしくは実施例2で説明したような配置で温度センサおよび引き出し配線を構成し、セル外部の電源および測定、制御回路に接続して温度検出すれば、それらと同様の判断することができる。すなわち、実施例1、実施例2と同様に燃料電池セル内で発生する異常の内容を判断することができる。その結果を用いた処理・制御方法等についても同様である。
また、積層型燃料電池において、各セルの隔壁および反応ガスの流路の役割を主とするセパレータについても実施例と同様に温度センサを配置し、温度検出をする構成を採ることもできる。

0033

以上の各実施例の構成によれば、各セルの局所的な発電状況を監視することができるため、発電能力の低下を招くさまざまな異常を局所レベルで早期に検知することが可能になる。
したがって、異常原因の特定や対処を速やかに行なうことができるため、燃料電池およびそれを用いたシステムの安定的な運転を実現し、燃料電池の信頼性向上を図ることができる。

図面の簡単な説明

0034

本発明の実施例1における燃料電池セルの構造の概略を説明するための断面模式図。
本発明の実施例1における燃料電池セルの構造を詳細に説明するための図。
本発明の実施例1における燃料電池セルを中空状の筐体に収容して形成される燃料電池の構成例を説明するための図。
本発明の実施例1における燃料電池セルにより燃料電池スタックを構成した際の、ガス拡散層をMEA上に積層する構成例を説明るための図。
本発明の実施例1における燃料電池セルを複数積層して燃料電池スタックを構成して筐体に収容した燃料電池の構成を示す図。
本発明の実施例1の燃料電池セルにおける電極の部分構成を示す図。
本発明の実施例1における燃料電池セルの温度検知を可能とする構成を説明する図である。(a)は温度センサの出力回路の構成例を示す図、(b)は燃料電池セルの閉鎖空間に、温度センサの出力回路を実装した構成例の概要を説明するための斜視図。
本発明の実施例1の燃料電池セルにおいて温度センサを配置した構成例を説明するための図であり、(a)は温度センサの配列を示す図、(b)は温度センサが配列された燃料電池の断面模式図。
本発明の実施例1の温度センサを配置した構成例における温度センサによる温度検出エリアのイメージを示す図。
本発明の実施例2の燃料電池セルにおいて温度センサを配置した構成例を説明するための図であり、(a)は温度センサの配列を示す図、(b)は温度センサが配列された燃料電池の断面模式図。
本発明の実施例3に用いられる燃料電池セルの構成を示す図。
従来から知られているエンドプレートをボルトと圧縮バネを用いて締め付け加圧している構造の燃料電池の構成を示す図。

符号の説明

0035

101/102:ガス拡散層
103:MEA
104:筐体
105/106:基板
107:閉鎖空間
201:燃料電池セル
202:電極
203/204/205:流路
206/207:通流口
208:閉鎖空間(流路)
209:基板
210/211:通流口
212:基板
213/214:ガス拡散層
215/216:反応層
217:電解質膜
218:MEA
219:金属層
220:スペーサ
221:固定材
222:筐体
223:通流口
224:開口部
301:ガス拡散層
302/303/204:パイプ
305/306:流通口
307:燃料電池スタック
308:筐体
309:燃料電池
401:銅箔部
402:ポリイミド
501/502/503:引き出し配線
504:温度センサ
505:抵抗
506:出力電圧測定回路
507:電源電圧
601:温度センサ

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