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技術 ランスパイプ

出願人 東京窯業株式会社
発明者 副田知美荒巻敬三
出願日 2006年11月13日 (14年4ヶ月経過) 出願番号 2006-306917
公開日 2008年5月29日 (12年9ヶ月経過) 公開番号 2008-121072
状態 特許登録済
技術分野 鋳造前の予備処理と金属の鋳造 炭素鋼又は鋳鋼の製造 溶融状態での鋼の処理
主要キーワード 長尺管状 脱炭素 ランスパイプ 断面略矩形 非金属成分 長尺板状 定形耐火物層 軸長方向
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

溶湯から受ける浮力に起因する芯金の曲がり、及び、耐火物層の亀裂や剥離を抑制することができるランスパイプを提供する。

解決手段

ランスパイプは、ガス及び溶湯処理剤の少なくとも何れか一方を流通させる流通経路11を有する長尺管状の芯金10と、芯金10の内側面に軸長方向に沿って設けられた長尺補強リブ2と、芯金10の外周面被覆する耐火物層4とを具備し、補強リブ2は板状に形成され、対向する一対の側面がそれぞれ芯金10の内側面に接合されている。

概要

背景

ランスパイプは、製銑・製鋼工程などにおいて、溶銑溶鋼等の溶湯撹拌脱リン脱炭素脱珪脱硫処理等の非金属成分除去処理成分調整温度制御等のために、ガス溶湯処理剤溶湯中に吹き込む長尺パイプである。このランスパイプは、鋼等の金属製の長尺の管(芯金)と、芯金の外周面被覆するように設けられる耐火物層とによって主に構成されている。そして、溶湯に浸漬されると、溶湯より比重の小さいランスパイプは浮力を受け、曲げ応力が作用するため、千数百℃以上という極めて高温の溶湯によって加熱され軟化した芯金が、曲がってしまうことがある。

そこで、従来、図6(a),(b)に例示するように、芯金110の外周面に軸長方向に沿って、長尺棒状で断面略円形補強リブ102や断面略矩形の補強リブ103を設け、芯金110の外周面及び補強リブ102,103を被覆するように耐火物層104を設けたランスパイプ100が使用されている。このような補強リブ102,103によって、芯金110の剛性が高められ、曲げ応力による変形が生じ難いものとなる。

上記の従来技術は、公然に実施されているものであり、出願人は、この従来技術が記載された文献を、本願出願時においては知見していない。

概要

溶湯から受ける浮力に起因する芯金の曲がり、及び、耐火物層の亀裂や剥離を抑制することができるランスパイプを提供する。ランスパイプは、ガス及び溶湯処理剤の少なくとも何れか一方を流通させる流通経路11を有する長尺管状の芯金10と、芯金10の内側面に軸長方向に沿って設けられた長尺の補強リブ2と、芯金10の外周面を被覆する耐火物層4とを具備し、補強リブ2は板状に形成され、対向する一対の側面がそれぞれ芯金10の内側面に接合されている。

目的

そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、溶湯から受ける浮力に起因する芯金の曲がり、及び、耐火物層の亀裂や剥離を抑制することができるランスパイプの提供を課題とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

溶湯に浸漬されるランスパイプであって、ガス及び溶湯処理剤の少なくとも何れか一方を流通させる流通経路を有する長尺管状芯金と、該芯金の内側面に軸長方向に沿って設けられた長尺補強リブと、前記芯金の外周面被覆する耐火物層とを具備することを特徴とするランスパイプ。

請求項2

前記補強リブは板状に形成され、対向する一対の側面がそれぞれ前記芯金の内側面に接合されていることを特徴とする請求項1に記載のランスパイプ。

請求項3

複数の前記補強リブの交差によって少なくとも一つの交差部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のランスパイプ。

請求項4

前記補強リブは、溶湯に浸漬される浸漬部に設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載のランスパイプ。

技術分野

0001

本発明は、ランスパイプに関するものであり、特に、溶湯中に浸漬され、ガス溶湯処理剤を溶湯中に供給するランスパイプに関するものである。

背景技術

0002

ランスパイプは、製銑・製鋼工程などにおいて、溶銑溶鋼等の溶湯撹拌脱リン脱炭素脱珪脱硫処理等の非金属成分除去処理成分調整温度制御等のために、ガスや溶湯処理剤を溶湯中に吹き込む長尺パイプである。このランスパイプは、鋼等の金属製の長尺の管(芯金)と、芯金の外周面被覆するように設けられる耐火物層とによって主に構成されている。そして、溶湯に浸漬されると、溶湯より比重の小さいランスパイプは浮力を受け、曲げ応力が作用するため、千数百℃以上という極めて高温の溶湯によって加熱され軟化した芯金が、曲がってしまうことがある。

0003

そこで、従来、図6(a),(b)に例示するように、芯金110の外周面に軸長方向に沿って、長尺棒状で断面略円形補強リブ102や断面略矩形の補強リブ103を設け、芯金110の外周面及び補強リブ102,103を被覆するように耐火物層104を設けたランスパイプ100が使用されている。このような補強リブ102,103によって、芯金110の剛性が高められ、曲げ応力による変形が生じ難いものとなる。

0004

上記の従来技術は、公然に実施されているものであり、出願人は、この従来技術が記載された文献を、本願出願時においては知見していない。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記のような補強リブを設けても、充分に芯金の曲がりを防ぐことはできず、芯金の変形によって耐火物層に亀裂や剥離が生じてしまうことがあった。また、いったん亀裂が生じると、補強リブに沿って亀裂が直線状に伸展し易いものであった。更に、耐火物層の亀裂や剥離により、直接に溶湯に接した芯金が損傷を受けるという問題があった。

0006

そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、溶湯から受ける浮力に起因する芯金の曲がり、及び、耐火物層の亀裂や剥離を抑制することができるランスパイプの提供を課題とするものである。

課題を解決するための手段

0007

上記の課題を解決するため、本発明にかかるランスパイプは、「溶湯に浸漬されるランスパイプであって、ガス及び溶湯処理剤の少なくとも何れか一方を流通させる流通経路を有する長尺管状の芯金と、該芯金の内側面に軸長方向に沿って設けられた長尺の補強リブと、前記芯金の外周面を被覆する耐火物層とを」具備している。

0008

「溶湯処理剤」としては、CaO、FeO、Na2CO3、CaF2等の粉体や、成分調整のための各種添加剤を例示することができる。また、「ガス」としては、溶湯内で酸化反応を行わせるための酸素ガスや、溶湯処理剤を搬送する媒体として、或いは溶湯の撹拌や温度制御等のために吹き込まれるアルゴン等の不活性ガス窒素ガスを例示することができる。

0009

「芯金」は、鋼や合金鋼等の金属で構成される長尺管状の部材であり、例えば、断面を略円形楕円形に形成することができる。なお、材質や寸法は、対象とする溶湯の処理量処理温度、流通させる溶湯処理剤の種類や流量等により、適宜設定することができる。

0010

「補強リブ」は、鋼や合金鋼等の金属で構成され、例えば、断面を略円形、楕円形、矩形多角形状の長尺に形成することができる。また、中実であっても中空(管状)であっても良く、中実であれば剛性をより高いものにでき、中空であればランスパイプの軽量化を図ることができる。更に、芯金の軸長方向に沿って設けられれば、芯金の全長に亘って設けられるものであって、部分的に設けられるものであっても構わない。

0011

加えて、補強リブは一つの芯金に対して複数を設けることができ、例えば、一断面視において、芯金の軸心に対して略等角度間隔放射状となるように設けることができる。なお、補強リブの材質や寸法は、対象とする溶湯の処理温度、芯金の寸法等により、適宜設定することができる。また、補強リブは溶接等により芯金に対して取付けられるものであっても、芯金と一体的に形成されるものであっても良い。

0012

「耐火物層」を構成する耐火材料の種類は特に限定されず、例えば、耐スポーリング性に優れるアルミナシリカ系、ハイアルミナ系、アルミナ−クロム系耐火材料や、耐熱衝撃性耐食性に優れるアルミナ−マグネシア系耐火材料を使用することができる。また、一つのランスパイプに形成される耐火物層は、単一種類の耐火材料により構成されるものであっても、部分的に異なる種類の耐火材料が配されるものであっても構わない。更に、耐火物層は、キャスタブル耐火材料泥しょう固化、乾燥させたキャスタブル耐火物層であっても、加圧成形工程を経て形成された定形耐火物層であっても、両者を複合させた耐火物層であっても良い。

0013

上記の構成により、溶湯中にランスパイプが浸漬された際に、溶湯から受ける浮力によって芯金に作用する曲げ応力に対する芯金の剛性を高め、曲げ応力による変形を生じ難いものとする補強リブを、耐火物層とは無関係に設けることができる。すなわち、従来の補強リブは芯金の外周面に設けられ、その補強リブ及び芯金の外周面を被覆するように耐火物層が設けられるため、耐火物層の充填性を考慮すると、補強リブを数多く設けることはできなかった。これに対し、本発明では、補強リブが芯金の内側面に設けられ、耐火物層の成形とは無関係であるため、補強リブの数を増やすことが可能となり、芯金をより多方向から作用する曲げ応力に対して曲がり難いものとすることができる。

0014

また、従来では、芯金の外周面に設けられる補強リブに沿って、耐火物層に直線状の亀裂が生じることがあった。これは、芯金の曲がりに起因すると共に、ランスパイプが極めて高温の溶湯中に浸漬された際、金属で構成される補強リブと耐火物層とでは、熱膨張率が大きく異なることにも起因していた。これに対し、芯金の内側面に設けられる本発明の補強リブは、耐火物層と接していないため、補強リブ及び耐火物層の熱膨張率の差異に起因する、耐火物層の直線状の亀裂の発生を回避することができる。

0015

なお、芯金の内側面に設けられる本発明の補強リブと、芯金の外周面に設けられる補強リブとを併用することもできる。これにより、芯金の外周面に設けられる補強リブの数を抑えても、芯金の内側面に設けられる補強リブによって、対抗できる曲げ応力の方向が補われ、多方向から作用する曲げ応力に対して剛性の高い芯金とすることができる。

0016

また、上記のように、芯金の内側面に設けられる補強リブと芯金の外周面に設けられる補強リブとを併用する場合、芯金全体としての曲げ応力に対する剛性を従来品(図6参照)より高めることができるため、芯金の曲がりに起因する耐火物層の亀裂や剥離が抑制される。また、仮に芯金が曲がりかけて耐火物層に亀裂が生じたとしても、それ以上の変形が抑制され、補強リブに沿って直線状の亀裂が伸展する恐れを低減することができる。

0017

次に、本発明にかかるランスパイプは、「前記補強リブは板状に形成され、対向する一対の側面がそれぞれ前記芯金の内側面に接合されている」ものとすることができる。

0018

「板状」の補強リブの厚さは、芯金のサイズ、対象とする溶湯の処理温度等により、適宜設定することができる。また、板状の補強リブの軸長方向の長さは特に限定されず、芯金の全長に亘る長さであっても、芯金の全長に対して部分的に設けられる長さであっても良い。また、板状の補強リブは、一つ又は複数を設けることができ、複数を設ける場合は、例えば、一断面視において、互いに平行に或いは交差するように設けることができる。更に、板状の補強リブの軸長方向の長さが、芯金の全長に対して部分的に設けられる長さである場合は、複数の補強リブを軸長方向に沿った所定間隔で設けることができる。

0019

上記の構成により、芯金の内部空間を横切るように板状の補強リブが設けられることとなる。これにより、その横切る方向に略等しい方向に作用する曲げ応力に対して、補強リブが「つっかい棒」のように作用することとなる。また、芯金において、曲げの外側となって引張り応力が作用する領域と、曲げの内側となって圧縮応力が作用する領域とが、板状の補強リブによって連結されていることとなり、引張り応力と圧縮応力とが相殺される。これにより、溶湯中に浸漬されたランスパイプが溶湯から受ける浮力によって、曲げ応力が作用した際の芯金の曲がりを、極めて有効に抑制することができる。また、芯金の曲がりに起因して生じる耐火物層の亀裂や剥離も、有効に抑制することができる。

0020

また、補強リブは芯金の内部空間、すなわち流通経路を横切るように設けられるものであるが、長尺の「板状」であり、かつ、「軸長方向に沿って」設けられるものであるため、流通経路が塞がれることがなく、ガスや溶湯処理剤を流通させる間隙を充分に確保することができる。

0021

また、本発明にかかるランスパイプは、「複数の前記補強リブの交差によって少なくとも一つの交差部が形成されている」ものとすることができる。

0022

従って、本発明によれば、交差するように設けられた複数の板状の補強リブでは、それぞれが芯金の内部空間を横切る方向が異なっているため、複数の方向から作用する曲げ応力に対して、芯金が曲がり難いものとなる。また、芯金において曲げによる引張り応力が作用している領域及び圧縮応力が作用している領域を連結している補強リブと、曲げ応力がさほど作用していない領域同士を連結している補強リブとが、交差部で連結されていることにより、曲げ応力がさほど作用していない領域も曲げ応力を負担することとなる。これにより、芯金全体として曲げ応力に対する剛性がより高いものとなり、芯金を曲げ応力に対してより変形し難いものとすることができる。

0023

更に、本発明にかかるランスパイプは、「前記補強リブは、溶湯に浸漬される浸漬部に設けられる」ものとすることができる。

0024

「浸漬部」は、ランスパイプのうち溶湯中に浸漬させる部分であり、例えば、全長の1/2〜2/3の長さに相当する部分とすることができる。

0025

従って、本発明によれば、ランスパイプが溶湯から浮力を受ける部分で、補強リブによって芯金の曲げ応力に対する剛性が高められるため、浮力によって作用する曲げ応力に起因する芯金の曲がりを、より確実に抑制することができる。

発明の効果

0026

以上のように、本発明の効果として、溶湯から受ける浮力に起因する芯金の曲がり、及び、耐火物層の亀裂や剥離を抑制することができるランスパイプを、提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0027

以下、本発明の最良の一実施形態であるランスパイプについて、図1乃至図5に基づいて説明する。ここで、図1は本実施形態のランスパイプの使用状態を示す説明図であり、図2(a)は図1における要部のX視断面図であり、図2(b)は図1のX視断面を斜視的に表した説明図であり、図3乃至図5は、他の実施形態の補強リブを説明する断面図である。なお、図1乃至図5は概略図であり、各構成の形状や寸法比を正確に表示したものではない。

0028

本実施形態のランスパイプ1は、図1に示すように、取鍋21に収容された溶湯22に、略鉛直方向に挿入されるものであり、ガス及び溶湯処理剤の少なくとも何れか一方を流通させる流通経路11を有する長尺管状の芯金10と、芯金10の外周面を被覆する耐火物層4と、後述の補強リブとを具備している。ここで、芯金10は、鋼や合金鋼等の耐熱性を有する金属で、断面略円形の長尺の管状に形成されている。

0029

耐火物層4は、キャスタブル耐火材料を水及び結合剤硬化剤分散剤等の調整剤と混合した泥しょうを、芯金10を中央に配した成形型振動下で流し込み、固化させた後乾燥させて形成したアルミナ−シリカ系キャスタブル耐火物層である。なお、耐火物層4を構成する耐火材料の種類は、これに限定されるものではなく、要求される特性に基づき適宜選択することができる。また、図1では、耐火物層4が芯金10と同心の略円筒状に形成された場合を図示しているが、これに限定されるものではなく、耐火物層4の径方向の厚さが、部分的に異なる構成とすることもできる。例えば、溶湯22への溶損分を考慮し、浸漬部6における耐火物層4を厚くすることができる。

0030

流通経路11は、長尺管状の芯金10の中心に軸長方向に延びており、流通経路11の上端に、ガス・溶湯処理剤を供給する供給装置(図示しない)と接続される導入口11bが設けられていると共に、流通経路11の下端には、溶湯22中にガス・溶湯処理剤を吐出するための吐出口11cが設けられている。なお、図示では、流通経路11がランスパイプ1の下端に開口して吐出口11cを構成する場合を例示しているが、これに限定されず、流通経路11の下端を閉端とし、流通経路11から分岐するように複数の吐出口を設けても良い。そして、溶湯22中にランスパイプ1が浸漬された状態で、導入口11bから溶湯処理剤等を導入すれば、流通経路11及び吐出口11cを介して、溶湯22中に溶湯処理剤等が吐出される。このとき、ランスパイプ1が溶湯22に浸漬されている長さLに相当する部分が浸漬部6であり、本実施形態では、全長の約1/2の長さを浸漬部6としている。

0031

次に、補強リブ2について、図1における要部(芯金及びその内部)のX視断面図である図2(a)、及び図1のX視断面を斜視的に表した説明図である図2(b)を用いて説明する。補強リブ2は、金属材料で長尺の板状に形成され、長手方向を芯金10の軸長方向に沿わせた状態で、対向する一対の側面がそれぞれ芯金10の内側面に接合されている。また、本実施形態では、補強リブ2は二つ設けられ、その交差によって一つの交差部5が形成されている。なお、補強リブ2の側面と芯金10の内側面との接合は、溶接等により行うことができる。

0032

より詳細に説明すると、長尺板状の二つの補強リブ2は、それぞれ芯金10の内径(直径)と略等しい幅を有し、芯金10の軸心で互いに略直交して交差部5を形成している。このような構成により、それぞれの補強リブ2が、芯金10の内部空間を横切る方向に略一致する方向に作用する曲げ応力に対して、「つっかい棒」のように作用する。また、芯金10において曲げの外側となって引張り応力が作用する領域と、曲げの内側となって圧縮応力が作用する領域とが、補強リブ2によって連結されていることにより、圧縮応力と引張り応力とが相殺される。これにより、溶湯中に浸漬されたランスパイプ1が受ける浮力に起因する芯金10の曲がりを、有効に抑制することができる。特に、本実施形態では、それぞれの補強リブ2が芯金10の内部空間を横切る方向が異なっているため、異なる方向から作用する曲げ応力に対して芯金10が曲がり難いものとなる。

0033

また、芯金10に曲げ応力が作用した際、芯金10において曲げによる引張り応力が作用している領域及び圧縮応力が作用している領域を連結している補強リブ2と、曲げ応力がさほど作用していない領域同士を連結している補強リブ2とが、交差部5によって連結されているため、曲げ応力がさほど作用していない領域も曲げ応力を負担することとなる。これにより、芯金10全体として曲げ応力に対する剛性がより高いものとなり、変形し難いものとなっている。

0034

加えて、補強リブ2は板状であるため、芯金10の内部空間を横切るように設けられるものであっても、流通経路11が補強リブ2によって塞がれることがなく、流通経路11を介して、ガスや溶湯処理剤を取鍋に供給することができる。

0035

また、補強リブ2は数を増加させれば多方向から作用する曲げ応力に抗することができるが、構成が複雑となって製造し難いものとなり、逆に、補強リブ2の数が少なければ、構成が簡易で製造は容易であるが、対抗できる曲げ応力の方向が限定されてしまうこととなる。これに対し、本実施形態では、二つの補強リブ2を直交させる構成としたことにより、上記の相反する要請調和が図られたものとなっている。

0036

更に、補強リブ2は芯金10の内側面に設けられるため、耐火物層4の成形の際の充填性を考慮することなく設けることができる。また、補強リブ2は、耐火物層4と接していないため、補強リブと耐火物層4との熱膨張率の差に起因して、耐火物層4に補強リブに沿った直線状の亀裂が生じるという、従来の問題を回避することができる。

0037

なお、ランスパイプ1が大型で芯金10の内径が大きい場合などは、更に補強リブ2の数を増やし、例えば、図3(a)に示すように、軸心に交差部5を形成する放射状の構成とし、或いは、図3(b)のように格子状の構成とすることもできる。このような構成により、流通経路11を確保しつつ芯金10の曲げ剛性をより高めることができる。

0038

また、例えば、図4(a)に示すように、幅が芯金10の内径(直径)と略等しい一つの補強リブ2を、芯金10の内部空間を軸心を通って横切るように設けることもできる。更に、図4(b)に示すように、複数の補強リブ2を互いに平行に設けることができ、これにより、ある方向から作用する曲げ応力に対する芯金10の剛性を、更に高めることができる。

0039

或いは、図4(c)に示すように、複数の補強リブ2を、芯金10に内接する多角形を形成するように設けることができる。図示では、三つの補強リブ2によって三角形が構成されている場合を例示している。このような構成により、多方向から作用する曲げ応力に対して、芯金10が曲がり難いものとなる。なお、内径がさほど大きくない芯金10に対して、複数の補強リブ3を多方向に向けて設ける場合は、上記のように、交差部5が形成される構成の方が、補強リブ2と芯金10の内側面との間の流通経路11を大きく確保し易く、より好適である。

0040

更に、補強リブの他の実施形態として、図5(a)に示すように、長尺棒状の補強リブ3とすることができる。図示では、断面が略矩形の四つの補強リブ3が、芯金10の軸心に対して略等角度間隔で放射状に配されている場合を例示している。なお、補強リブ3の形状はこれに限定されず、例えば、断面を略円形に形成することもできる。

0041

このような構成により、補強リブ3は芯金10の内側面に設けられるため、耐火物層4の成形の際の充填性を考慮する必要なく、補強リブ3の数や形状を設定することができる。例えば、図5(b)に示すように、補強リブ3の数を増加させることもでき、より多方向から作用する曲げ応力に対して、曲がり難い芯金10とすることができる。なお、かかる補強リブ3は、芯金10と一体的に形成することも、別体の棒状部材を芯金10の内側面に溶接等することにより形成することもできる。

0042

更に、図5(c)に例示するように、芯金10の内側面に設けられる補強リブ3と、芯金10の外周面に設けられる補強リブ9とを併用することもできる。図示の例では、補強リブ9及び補強リブ3が、芯金10の軸心に対する角度位置で一致しないように設定されているため、外周面の補強リブ9の数を抑えつつ、対抗できる曲げ応力の作用する方向を内側面の補強リブ3によって補うことができ、芯金10全体として、多方向から作用する曲げ応力に対する剛性を高めることができる。また、補強リブ3を併用することにより、外周面にのみに補強リブ9が設けられる従来の場合より、曲げ応力に対する剛性が高められているため、曲げ応力に起因して耐火物層4に発生する亀裂が抑制され、また、仮に亀裂が発生したとしても、芯金10の更なる変形が抑制されることにより、外周面の補強リブ9に沿って耐火物層4の亀裂が直線状に伸展する恐れを低減することができる。

0043

上記のような長尺板状の補強リブ2及び長尺棒状の補強リブ3,9は、長手方向の長さを芯金10の全長とほぼ等しく設定し、芯金10の全長に亘って設けられるものであっても、所定長さの補強リブ2,3,9が芯金10の軸長方向に沿って部分的に設けられるものであっても、所定長さの補強リブ2,3,9が芯金10の軸長方向に沿って複数箇所に設けられるものであっても良いが、少なくとも浸漬部6において設けられる。これにより、ランスパイプ1が溶湯22から浮力を受ける部分において、芯金10の曲げ剛性が高められ、浮力によって作用する曲げ応力に起因する芯金10の曲がりを、より確実に抑制することができる。

0044

以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。

0045

例えば、本実施形態では、取鍋に収容された溶湯に対して、略鉛直方向にランスパイプを挿入する場合を例示したが、これに限定されず、溶湯の液面に対して斜め上方から挿入されるランスパイプについても、本発明を適用することができる。また、本実施形態の構成に加え、耐火物層を芯金に保持させるためのV型やY型の周知のスタッドアンカー部材)を、更に備える構成とすることもできる。

図面の簡単な説明

0046

本実施形態のランスパイプの使用状態を示す説明図である。
(a)は図1における要部のX視断面図あり、(b)は図1のX視断面を斜視的に表した説明図である。
他の実施形態の補強リブを説明する断面図である。
他の実施形態の補強リブを説明する断面図である。
他の実施形態の補強リブを説明する断面図である。
従来のランスパイプの横断面図である。

符号の説明

0047

1ランスパイプ
2,3補強リブ
4耐火物層
5 交差部
6 浸漬部
10芯金
11流通経路
22 溶湯

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