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課題

主にLCD、PDP等のディスプレイに用いられる反射防止積層体であって、中空粒子及び中実粒子を有しながら、耐擦傷性に優れ、且つ屈折率が1.45以下となり、低反射性を確保した屈折率層を有する反射防止積層体を提供する。

解決手段

屈折率が1.45以下の屈折率層を有する反射防止積層体であって、屈折率層形成用組成物が、電離放射線硬化性樹脂と、外殻層に囲まれた内部が多孔質又は空洞であり、且つ、表面に架橋形成基が修飾されている架橋反応性の中空粒子と、内部が多孔質でも空洞でもなく、且つ表面に架橋形成基が修飾されている架橋反応性の中実粒子と、を含有し、前記架橋反応性基が、電離放射線硬化性基を有し、同一構造又は極めて類似の構造であり、前記組成物を、電離放射線照射して得られる屈折率層からなることを特徴とする、反射防止積層体。

概要

背景

液晶ディスプレイ(LCD)、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)等の画像表示装置における表示面は、蛍光灯等の外部光源から照射された光線による反射を少なくし、その視認性を高めることが求められる。このため、従来から、透明な物体の表面を屈折率の低い透明皮膜低屈折率層)で被覆することにより反射性が小さくなるという現象を利用した反射防止膜を画像表示装置の表示面に設けることにより、表示面の反射性を低減させて視認性を向上させることが検討されている。

低屈折率にする方法は種々あるが、1つの方法として、屈折率が1である空気を膜内部に含有させることによって、膜全体の屈折率を低下させる方法が挙げられる。
この様な膜内部に空気を含有させた屈折率層として、例えば特許文献1では、低屈折率で且つ、機械強度に優れる反射防止膜を提供することを目的として、電離放射線硬化性樹脂組成物と、外殻層を有し、内部が多孔質又は空洞であるシリカ微粒子を含んでなり、電離放射線硬化性基を有するシランカップリング剤により、そのシリカ微粒子の表面の少なくとも一部を処理されてなる低屈折率層を有する反射防止膜が開示されている。

また、特許文献2には、上記低屈折率層の反射防止性能を向上させることを目的として、分子中に少なくとも2個の(メタアクリロイルオキシ基を有する化合物又はそのオリゴマー多孔質微粒子とを含む組成物からの硬化被膜を用いる技術が開示されている。
しかし、多孔質微粒子は無機物であるため、シランカップリング剤等の表面処理を行わなければ有機系のバインダー成分との親和性に劣る。そのため、当該多孔質微粒子が硬化膜中で凝集し、不均一に分布しやすくなる。その結果、面内の屈折率が場所によって異なったり、透明な部分と不透明な部分が混在した膜となる。斯かる不均一な膜構造を有する反射防止膜は、耐スチールウール性等の耐擦傷性が劣るという問題がある。

さらに、特許文献3には、屈折率層の被膜硬度の向上や当該層への帯電防止等の機能の付与を期待して、多孔質微粒子と、多孔質でない無機化合物微粒子と、硬化性化合物及び樹脂から選ばれるバインダー成分とを含む組成物からの硬化被膜を屈折率層として用いる技術が開示されている。

中実粒子は、粒子内部が多孔質でもなく、空洞でもなく、密であるため粒子自体の強度が中空粒子よりも高い。そのため、中実粒子を屈折率層に含有させることにより、屈折率層の膜厚方向(膜平面に対して垂直方向)の押圧力に対する強度の向上が期待できる。

特開2005−99778号公報
特開2003−262703号公報
特開2003−266606号公報

概要

主にLCD、PDP等のディスプレイに用いられる反射防止積層体であって、中空粒子及び中実粒子を有しながら、耐擦傷性に優れ、且つ屈折率が1.45以下となり、低反射性を確保した屈折率層を有する反射防止積層体を提供する。屈折率が1.45以下の屈折率層を有する反射防止積層体であって、屈折率層形成用組成物が、電離放射線硬化性樹脂と、外殻層に囲まれた内部が多孔質又は空洞であり、且つ、表面に架橋形成基が修飾されている架橋反応性の中空粒子と、内部が多孔質でも空洞でもなく、且つ表面に架橋形成基が修飾されている架橋反応性の中実粒子と、を含有し、前記架橋反応性基が、電離放射線硬化性基を有し、同一構造又は極めて類似の構造であり、前記組成物を、電離放射線照射して得られる屈折率層からなることを特徴とする、反射防止積層体。

目的

本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、中空粒子及び中実粒子を有しながら、耐擦傷性に優れ、且つ屈折率が1.45以下となり、低反射性を確保した屈折率層を有する反射防止積層体を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
5件
牽制数
8件

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請求項1

屈折率が1.45以下の屈折率層を有する反射防止積層体であって、前記屈折率層が、屈折率層形成用組成物を、電離放射線照射して得られる硬化物であって、前記屈折率層形成用組成物は、電離放射線硬化性樹脂と、外殻層に囲まれた内部が多孔質又は空洞であり、且つ、表面に架橋形成基が修飾されている架橋反応性中空粒子と、内部が多孔質でも空洞でもなく、且つ表面に架橋形成基が修飾されている架橋反応性の中実粒子とを含有し、前記中空粒子表面の架橋形成基と、前記中実粒子表面の架橋形成基は、粒子表面に対する結合基スペーサ部及び電離放射線硬化性基からなり、同一構造を有するか、又は、構造上の相違があるとしても、電離放射線硬化性基については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分の有無が異なるのみの範囲内であり、粒子表面に対する結合基については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分の有無が異なるのみの範囲内であり、スペーサ部については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分又は異種原子を含み水素を除く構成原子数が1〜3の官能基1つ分の有無が異なるのみの範囲内か、或いは、骨格の炭素鎖長炭素原子1〜2個分異なるのみの範囲内である類似構造を有する架橋形成基であることを特徴とする反射防止積層体。

請求項2

前記中空粒子及び前記中実粒子が無機粒子であることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止積層体。

請求項3

前記中空粒子及び前記中実粒子が金属酸化物金属窒化物金属硫化物及び金属ハロゲン化物からなる群から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の反射防止積層体。

請求項4

前記中空粒子及び前記中実粒子の表面への架橋形成基の修飾は、粒子表面に対する結合性基、スペーサ部及び電離放射線硬化性基からなり、同一構造を有するか、又は、構造上の相違があるとしても、電離放射線硬化性基については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分の有無が異なるのみの範囲内であり、粒子表面に対する結合基については、その骨格が共通し、且つ、結合基に結合するスペーサ部以外の基は、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分の有無が異なるのみの範囲内であり、スペーサ部については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分又は異種原子を含み水素を除く構成原子数が1〜3の官能基1つ分の有無が異なるのみの範囲内か、或いは、骨格の炭素鎖長が炭素原子1〜2個分異なるのみの範囲内である類似構造を有するカップリング剤を用いて行われることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の反射防止積層体。

請求項5

前記中空粒子100重量部に対して、前記カップリング剤を1重量部以上、200重量部以下、且つ、前記中実粒子100重量部に対して、前記カップリング剤を1重量部以上、200重量部以下用いて修飾されたものであることを特徴とする、請求項4に記載の反射防止積層体。

請求項6

前記中実粒子の平均粒径Aと、前記中空粒子の平均粒径Bとが、以下の関係:10nm≦A≦40nm;30nm≦B≦60nm;且つA≦B、をもつことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の反射防止積層体。

請求項7

前記屈折率層が、前記中実粒子100重量部に対し、前記中空粒子5重量部〜50重量部を含有することを特徴とする、請求項6に記載の反射防止積層体。

請求項8

前記中実粒子の平均粒径Aと、前記中空粒子の平均粒径Bとが、以下の関係:30nm<A≦100nm;30nm≦B≦60nm;且つA>B、をもつことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の反射防止積層体。

請求項9

前記屈折率層が、前記中実粒子100重量部に対し、前記中空粒子5重量部〜50重量部を含有することを特徴とする、請求項8に記載の反射防止積層体。

請求項10

前記電離放射線硬化性樹脂の少なくとも一部が、一分子中に少なくとも1つ以上の水素結合形成基と、3つ以上の電離放射線硬化性基とを有する化合物で形成されることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の反射防止積層体。

請求項11

前記電離放射線硬化性基が、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基であることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の反射防止積層体。

請求項12

前記電離放射線硬化性基を介して、前記電離放射線硬化性樹脂と前記中空粒子と前記中実粒子が共有結合していることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の反射防止積層体。

請求項13

前記屈折率層の膜厚が、0.05μm以上、0.15μm以下であることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の反射防止積層体。

請求項14

前記中実粒子の屈折率が、前記電離放射線硬化性樹脂の屈折率よりも小さいことを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の反射防止積層体。

請求項15

光透過性基材の一面側に、前記屈折率層が最も屈折率が小さい低屈折率層として、直接又は他の層を介して設けられていることを特徴とする、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の反射防止積層体。

請求項16

前記他の層が、ハードコート層であることを特徴とする、請求項15に記載の反射防止積層体。

技術分野

0001

本発明は、LCDなどのディスプレイ画像表示装置)の前面に設置する反射防止積層体に関するものである。

背景技術

0002

液晶ディスプレイ(LCD)、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)等の画像表示装置における表示面は、蛍光灯等の外部光源から照射された光線による反射を少なくし、その視認性を高めることが求められる。このため、従来から、透明な物体の表面を屈折率の低い透明皮膜低屈折率層)で被覆することにより反射性が小さくなるという現象を利用した反射防止膜を画像表示装置の表示面に設けることにより、表示面の反射性を低減させて視認性を向上させることが検討されている。

0003

低屈折率にする方法は種々あるが、1つの方法として、屈折率が1である空気を膜内部に含有させることによって、膜全体の屈折率を低下させる方法が挙げられる。
この様な膜内部に空気を含有させた屈折率層として、例えば特許文献1では、低屈折率で且つ、機械強度に優れる反射防止膜を提供することを目的として、電離放射線硬化性樹脂組成物と、外殻層を有し、内部が多孔質又は空洞であるシリカ微粒子を含んでなり、電離放射線硬化性基を有するシランカップリング剤により、そのシリカ微粒子の表面の少なくとも一部を処理されてなる低屈折率層を有する反射防止膜が開示されている。

0004

また、特許文献2には、上記低屈折率層の反射防止性能を向上させることを目的として、分子中に少なくとも2個の(メタアクリロイルオキシ基を有する化合物又はそのオリゴマー多孔質微粒子とを含む組成物からの硬化被膜を用いる技術が開示されている。
しかし、多孔質微粒子は無機物であるため、シランカップリング剤等の表面処理を行わなければ有機系のバインダー成分との親和性に劣る。そのため、当該多孔質微粒子が硬化膜中で凝集し、不均一に分布しやすくなる。その結果、面内の屈折率が場所によって異なったり、透明な部分と不透明な部分が混在した膜となる。斯かる不均一な膜構造を有する反射防止膜は、耐スチールウール性等の耐擦傷性が劣るという問題がある。

0005

さらに、特許文献3には、屈折率層の被膜硬度の向上や当該層への帯電防止等の機能の付与を期待して、多孔質微粒子と、多孔質でない無機化合物微粒子と、硬化性化合物及び樹脂から選ばれるバインダー成分とを含む組成物からの硬化被膜を屈折率層として用いる技術が開示されている。

0006

中実粒子は、粒子内部が多孔質でもなく、空洞でもなく、密であるため粒子自体の強度が中空粒子よりも高い。そのため、中実粒子を屈折率層に含有させることにより、屈折率層の膜厚方向(膜平面に対して垂直方向)の押圧力に対する強度の向上が期待できる。

0007

特開2005−99778号公報
特開2003−262703号公報
特開2003−266606号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献3に記載された方法を採用すると、上記期待に反して屈折率層の硬度が逆に低下する場合があることが判明した。具体的には、硬度の向上を狙って多孔質でない無機化合物粒子(中実粒子)を含有させると、屈折率層の耐擦傷性が悪くなり、表面硬度が寧ろ低下することがわかった。

0009

また、中実粒子は、内部が密で空気を含まないため中空粒子よりも屈折率が高い。そのため、膜強度を向上させる目的で屈折率層に多量の中実粒子を添加すると当該層の屈折率が高くなり、当該層からなる反射防止膜の反射防止性能が低下するという問題もある。

0010

本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、中空粒子及び中実粒子を有しながら、耐擦傷性に優れ、且つ屈折率が1.45以下となり、低反射性を確保した屈折率層を有する反射防止積層体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明に係る反射防止積層体は、屈折率が1.45以下の屈折率層を有する反射防止積層体であって、
前記屈折率層が、屈折率層形成用組成物を、電離放射線照射して得られる硬化物であって、
前記屈折率層形成用組成物は、電離放射線硬化性樹脂と、
外殻層に囲まれた内部が多孔質又は空洞であり、且つ、表面に架橋形成基が修飾されている架橋反応性の中空粒子と、
内部が多孔質でも空洞でもなく、且つ表面に架橋形成基が修飾されている架橋反応性の中実粒子とを含有し、
前記中空粒子表面の架橋形成基と、前記中実粒子表面の架橋形成基は、粒子表面に対する結合基スペーサ部及び電離放射線硬化性基からなり、同一構造を有するか、又は、構造上の相違があるとしても、電離放射線硬化性基については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分の有無が異なるのみの範囲内であり、粒子表面に対する結合基については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分の有無が異なるのみの範囲内であり、スペーサ部については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分又は異種原子を含み水素を除く構成原子数が1〜3の官能基1つ分の有無が異なるのみの範囲内か、或いは、骨格の炭素鎖長炭素原子1〜2個分異なるのみの範囲内である類似構造を有する架橋形成基であることを特徴とする。

0012

前記中空粒子は、当該粒子内部に空気を含み、空気の屈折率が1なので屈折率層中の電離放射線硬化性樹脂や中実粒子よりも屈折率が低い。このため、当該中空粒子を含有する屈折率層は低屈折率化が可能となり、本発明に係る反射防止積層体の反射性を低減させ、視認性を向上させることができる。

0013

また、前記中実粒子は当該粒子内部に空隙を有しないため中空粒子に比べ、外部から粒子にかかる圧力(外圧)で潰れにくく、耐圧性に優れる。そのため、当該中実粒子を含有する屈折率層の耐擦傷性を向上させやすくなる。本明細書では、空隙とは空気を含む空洞又は多孔質構造体に含まれる空孔を意味する。

0014

更に、本発明に係る前記中空粒子及び前記中実粒子は、当該粒子表面を同一構造であるか又は1次構造共通部分が極めて多い架橋形成基で修飾されている。当該架橋形成基は架橋反応性を有するため、中空粒子、中実粒子、及び電離放射線硬化性樹脂間で架橋結合を形成し得る。斯かる架橋結合により、当該粒子及び当該樹脂間の結びつきが従来の反射防止層に比べ強固になる。また、架橋形成基の共通部分が極めて多いため、従来に比べ、当該中空粒子と当該中実粒子との間の親和性が高く、前記中空粒子同士の凝集、及び前記中実粒子同士の凝集が起こり難く、前記中空粒子及び前記中実粒子が前記屈折率層中で均一、且つ、密に充填する。これにより、本発明に係る屈折率層は、当該層表面が滑らかとなり、当該層表面の引掻きに対する耐擦傷性(耐スチールウール性)を向上することが可能となる。

0015

また、本発明に係る反射防止積層体は、前記中空粒子及び前記中実粒子が無機粒子であることが好ましい。無機粒子は硬度が高いため、電離放射線硬化性樹脂と混合して屈折率層を形成した際、当該層の耐擦傷性を向上することができる。

0016

本発明に係る反射防止積層体においては、前記中空粒子及び前記中実粒子が金属酸化物金属窒化物金属硫化物及び金属ハロゲン化物からなる群から選ばれる少なくとも一つであることが、高強度で耐圧性が良好な粒子が安定して得られるため好ましい。

0017

本発明に係る反射防止積層体においては、前記中空粒子及び前記中実粒子の表面への架橋形成基の修飾は、粒子表面に対する結合性基、スペーサ部及び電離放射線硬化性基からなり、同一構造を有するか、又は、構造上の相違があるとしても、電離放射線硬化性基については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分の有無が異なるのみの範囲内であり、粒子表面に対する結合基については、その骨格が共通し、且つ、結合基に結合するスペーサ部以外の基は、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分の有無が異なるのみの範囲内であり、スペーサ部については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分又は異種原子を含み水素を除く構成原子数が1〜3の官能基1つ分の有無が異なるのみの範囲内か、或いは、骨格の炭素鎖長が炭素原子1〜2個分異なるのみの範囲内である類似構造を有するカップリング剤を用いて行われることが生産性に優れるため好ましい。

0018

本発明に係る反射防止積層体においては、前記中空粒子100重量部に対して、前記カップリング剤を1重量部以上、200重量部以下、且つ、前記中実粒子100重量部に対して、前記カップリング剤を1重量部以上、200重量部以下用いて修飾することが好ましい。前記カップリング剤の使用量を1重量部以上とすることにより、主に有機成分からなる電離放射線硬化性樹脂に対する前記中空粒子及び前記中実粒子の親和性が向上し、塗工液や屈折率層中での当該中空粒子及び当該中実粒子の均一分散が安定的に行われ、当該カップリング剤の使用量を50重量部以下とすることにより、当該中空粒子及び当該中実粒子の処理に使用されなかった遊離のカップリング剤の発生を良好に抑制でき、前記屈折率層の柔らかさを確保できる。

0019

本発明に係る反射防止積層体の一形態においては、前記中実粒子の平均粒径Aと、前記中空粒子の平均粒径Bとが、以下の関係:
10nm≦A≦40nm;
30nm≦B≦60nm;且つ
A≦B、
をもつことが好ましい。
また、前記積層体においては、前記屈折率層が、前記中実粒子100重量部に対し、前記中空粒子5重量部〜50重量部を含有することが好ましい。斯かる範囲とすることにより、前記屈折率層中における前記中空粒子間の隙間に前記中実粒子が入り込み、さらに密に充填するため、当該層表面の耐擦傷性、特に耐スチールウール性を向上させる効果が特に高い。
本発明において、平均粒径とは、溶液中の粒子を動的光散乱方法で測定し、粒径分布累積分布で表したときの50%粒径(d50メジアン径)を意味する。当該平均粒径は、日機装(株)製のMicrotrac粒度分析計を用いて測定することができる。また、膜中の平均粒径については、透過型電子顕微鏡TEM;Transmission Electron Microscope)を用いて測定する。具体的には、50〜200万倍で粒子の観察を行い、観察した粒子100個の平均値をもって平均粒径とする。

0020

本発明に係る反射防止積層体の別の形態においては、前記中実粒子の平均粒径Aと、前記中空粒子の平均粒径Bとが、以下の関係:
30nm<A≦100nm;
30nm≦B≦60nm;且つ
A>B、
をもつことが好ましい。
また、前記積層体においては、前記屈折率層が、前記中実粒子100重量部に対し、前記中空粒子5重量部〜50重量部を含有することが好ましい。斯かる範囲とすることにより、前記屈折率層において、体積の大きな前記中実粒子が増え、製膜時に前記中実粒子と前記中空粒子の隙間が生じ、その隙間に空気が存在するため、前記屈折率層の反射率を低下させる効果が特に高い。

0021

本発明に係る反射防止積層体においては、前記電離放射線硬化性樹脂の少なくとも一部が、一分子中に少なくとも1つ以上の水素結合形成基と、3つ以上の電離放射線硬化性基とを有する化合物で形成されることが好ましい。電離放射線硬化性樹脂が上記の様に水素結合形成基を有すると、加熱によって同種の官能基同士、又は異種の官能基間重合反応架橋反応等を進行させて硬化し、塗膜を形成することができる。また、前記電離放射線硬化性樹脂が上記の様に電離放射線硬化性基を有すると、電離放射線の照射によって当該硬化性基が重合反応や架橋反応等を進行させて硬化し、塗膜を形成することができる

0022

本発明に係る反射防止積層体においては、前記電離放射線硬化性基が、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基であることが好ましい。アクリロイル基及びメタクリロイル基は生産性に優れ、また、硬化後の屈折率層における機械強度のコントロールが容易である。

0023

本発明に係る反射防止積層体においては、前記電離放射線硬化性基を介して、前記電離放射線硬化性樹脂と前記中空粒子と前記中実粒子が共有結合していることが、前記屈折率層の耐擦傷性を向上させることができるため好ましい。

0024

本発明に係る反射防止積層体においては、前記屈折率層の膜厚が、0.05μm以上、0.15μm以下であることが、当該屈折率層が十分な反射防止効果を得られるため好ましい。

0025

本発明に係る反射防止積層体においては、前記中実粒子の屈折率が、前記電離放射線硬化性樹脂の屈折率よりも小さいことが好ましい。中実粒子の屈折率を電離放射線硬化性樹脂の屈折率よりも小さくすれば、屈折率層の屈折率をより低減できる。

0026

本発明に係る反射防止積層体においては、光透過性基材の一面側に、前記屈折率層が最も屈折率が小さい低屈折率層として、直接又は他の層を介して設けられていることが好ましい。

0027

本発明に係る反射防止積層体においては、前記他の層が、ハードコート層であることが好ましい。

発明の効果

0028

本発明に係る反射防止積層体は、屈折率層において、前記中空粒子及び中実粒子が均一、且つ、密に充填するため、層強度が向上し、耐擦傷性に優れる。

発明を実施するための最良の形態

0029

本発明に係る反射防止積層体は、屈折率が1.45以下の屈折率層を有する反射防止積層体であって、
前記屈折率層が、屈折率層形成用組成物を、電離放射線照射して得られる硬化物であって、
前記屈折率層形成用組成物は、電離放射線硬化性樹脂と、
外殻層に囲まれた内部が多孔質又は空洞であり、且つ、表面に架橋形成基が修飾されている架橋反応性の中空粒子と、
内部が多孔質でも空洞でもなく、且つ表面に架橋形成基が修飾されている架橋反応性の中実粒子とを含有し、
前記中空粒子表面の架橋形成基と、前記中実粒子表面の架橋形成基は、粒子表面に対する結合基、スペーサ部及び電離放射線硬化性基からなり、同一構造を有するか、又は、構造上の相違があるとしても、電離放射線硬化性基については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分の有無が異なるのみの範囲内であり、粒子表面に対する結合基については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分の有無が異なるのみの範囲内であり、スペーサ部については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分又は異種原子を含み水素を除く構成原子数が1〜3の官能基1つ分の有無が異なるのみの範囲内か、或いは、骨格の炭素鎖長が炭素原子1〜2個分異なるのみの範囲内である類似構造を有する架橋形成基であることを特徴とする。

0030

前記中空粒子は、屈折率が1の空気を当該粒子内部に含み、屈折率層中の電離放射線硬化性樹脂や中実粒子よりも屈折率が低い。このため、当該中空粒子を含有する屈折率層は低屈折率化が可能となり、本発明に係る反射防止積層体の反射性を低減させ、視認性を向上させることができる。尚、屈折率の測定は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、分光光度計で測定した反射率曲線からシミュレーションを用いて算出する方法や、エリプソメータを用いて測定する方法を挙げることができる。

0031

また、前記中実粒子は当該粒子内部に空隙を有しないため中空粒子に比べ、外部から粒子にかかる圧力(外圧)で潰れにくく、耐圧性に優れる。そのため、当該中実粒子を含有する屈折率層の耐擦傷性を向上させやすくなる。

0032

更に、本発明に係る前記中空粒子及び前記中実粒子は、当該粒子表面を同一構造であるか又は1次構造の共通部分が極めて多い架橋形成基で修飾されている。当該架橋形成基は架橋反応性を有するため、中空粒子、中実粒子、及び電離放射線硬化性樹脂間で架橋結合を形成し得る。斯かる架橋結合により、当該粒子及び当該樹脂間の結びつきが従来の反射防止層に比べ強固になる。また、架橋形成基の共通部分が極めて多いため、従来に比べ、当該中空粒子と当該中実粒子との間の親和性が高く、前記中空粒子同士の凝集、及び前記中実粒子同士の凝集が起こり難く、前記中空粒子及び前記中実粒子が前記屈折率層中で均一、且つ、密に充填する。これにより、本発明に係る屈折率層は、当該層表面が滑らかとなり、当該層表面の引掻きに対する耐擦傷性(耐スチールウール性)を向上することが可能となる。

0033

以下、本発明に係る屈折率層を形成するための成分である屈折率層形成用組成物、及びそれを用いた反射防止積層体について順に説明する。

0034

<1.屈折率層形成用組成物>
本発明に係る屈折率層形成用組成物とは、必須成分として、表面に架橋形成基が修飾されている架橋反応性の中空粒子、表面に架橋形成基が修飾されている架橋反応性の中実粒子、及び電離放射線硬化性樹脂を含む。以下、屈折率層形成用組成物の必須成分である、前記中空粒子、前記中実粒子、及び前記電離放射線硬化性樹脂、並びに必要に応じて用いられるその他の成分について説明する。

0035

<1−1−1.中空粒子>
本発明に係る中空粒子は、外殻層を有し、外殻層に囲まれた内部が多孔質組織又は空洞である粒子をいう。当該多孔質組織及び当該空洞には空気(屈折率:1)が含有されており、当該中空粒子を屈折率層に含有させることで、当該層の屈折率を低減することができる。

0036

本発明に係る中空粒子の材料は、無機系、有機系のものを使用することができる。生産性や強度等を考慮し、無機材料であることが好ましい。この場合には、外殻層が無機材料で形成されることになる。

0037

中空粒子を無機材料で形成する場合、中空粒子の材料は、金属酸化物、金属窒化物、金属硫化物、及び金属ハロゲン化物からなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。中空粒子を上記材料とすれば、外殻が高強度で外圧により潰れにくい粒子が得られる。さらに好ましいのは、中空粒子の材料を、金属酸化物又は金属ハロゲン化物で形成することであり、特に好ましいのは、金属酸化物又は金属フッ化物で形成することである。これら材料を用いると、さらに高強度、且つ、低屈折率な中空粒子を得られる。

0038

ここで、金属酸化物等に用いる金属元素としては、Na、K、Mg、Ca、Ba、Al、Si、Bが好ましく、Mg、Ca、Al及びSiがさらに好ましい。斯かる金属元素を用いることにより、低屈折率、且つ、他の元素に比べて製造が容易な中空粒子が得られる。上記金属元素は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0039

空隙を有する有機系の微粒子の具体例としては、特開2002−80503号公報で開示されている技術を用いて調製した中空ポリマー微粒子が好ましく挙げられる。

0040

本発明において中空粒子を金属酸化物で形成する場合、材料の屈折率や生産性を考慮し、シリカ二酸化珪素:SiO2)からなる中空粒子を用いることが特に好ましい。中空シリカ粒子は、微細な空隙を内部に有しており、屈折率1の空気が当該粒子内部に含まれている。そのため、当該粒子自体の屈折率が中実粒子及び電離放射線硬化性樹脂に比べて低く、当該粒子を含有する屈折率層の屈折率を低下させることができる。すなわち、空隙を有する中空シリカ粒子は、内部に気体を有しないシリカ粒子屈折率n=1.46程度)に比べると、屈折率が1.20〜1.45と低く、屈折率層の屈折率を1.45以下にすることができる。

0041

<1−1−2.中空粒子の製造方法>
上記中空シリカ粒子の種類は、屈折率が1.44以下であればよく、特に限定されるものではない。斯かる中空シリカ粒子としては、特開平7−133105号公報、特開2001−233611号公報等に開示された複合酸化物ゾル又は中空シリカ微粒子を挙げることができる。斯かる中空シリカ微粒子は、具体的には、以下の第一乃至第三工程により製造することができ、さらに以下の第四工程を行ってもよい。

0042

すなわち、第一工程として、予めシリカ原料及びシリカ以外の無機酸化物原料アルカリ水溶液を個別に調製するか、又は、両原料を混合した水溶液を調製する。次に、目的とする複合酸化物複合割合に応じて、得られた上記水溶液を、pH10以上のアルカリ水溶液中に撹拌しながら徐々に添加する。こうして、複合酸化物からなるコロイド粒子を得る。尚、第一工程の代わりに、予めシード粒子を含む分散液を出発原料とすることも可能である。
ここでシード粒子とは、中空粒子の調製において、空洞又は多孔質組織を形成するために用いることができる粒子であり、当該粒子を種として粒子が成長して核粒子となる。続く第二工程で当該核粒子の全部又は一部が除去され、前記空洞又は前記多孔質組織を形成する。シード粒子を用いることで、成長粒子粒径制御が容易となり、粒径が均一な核粒子を得ることができる。

0043

次に、第二工程として、上記の工程で得られた複合酸化物からなるコロイド粒子から、珪素酸素以外の元素の少なくとも一部を選択的に除去する。具体的には、複合酸化物中の元素を、鉱酸若しくは有機酸を用いて溶解除去するか又は、陽イオン交換樹脂と接触させてイオン交換除去する。こうして、一部元素が除去された複合酸化物のコロイド粒子を得る。

0044

続いて、第三工程として、上記の工程で得られた一部元素が除去された複合酸化物のコロイド粒子に、加水分解性有機ケイ素化合物又はケイ酸液等を加えることにより、コロイド粒子の表面を加水分解性有機ケイ素化合物又はケイ酸液等の重合物で被覆する。この様にして、上記公報に記載の複合酸化物ゾルであるシリカ微粒子を得ることができる。

0045

加水分解性の有機珪素化合物としては、例えば、一般式RnSi(OR’)4−n(ここで、R、R’:アルキル基アリール基ビニル基アクリル基等の炭化水素基、n=0、1、2又は3)で表されるアルコキシシランを用いることができる。特に、テロラメトキシシランテトラエトキシシランテトライソプロポキシシラン等のテトラアルコキシシランが好ましく用いられる。

0046

添加方法としては、例えば、これらのアルコキシシラン、純水、及びアルコール混合溶液触媒としての少量のアルカリ又は酸を添加した溶液を、第二工程で得られた前記コロイド粒子に加え、アルコキシシランを加水分解して生成した珪酸重合物をコロイド粒子の表面に沈着させる。このとき、アルコキシシラン、アルコール、触媒を同時に前記コロイド粒子中に添加してもよい。アルカリ触媒としては、アンモニアアルカリ金属水酸化物アミン類を用いることができる。また、酸触媒としては、各種の無機酸と有機酸を用いることができる。

0047

前記コロイド粒子の分散媒が、水単独、又は有機溶媒に対する水の比率が高い場合には、珪酸液による被覆処理も可能である。珪酸液とは、水ガラス等のアルカリ金属珪酸塩の水溶液をイオン交換処理して脱アルカリした珪酸の低重合物の水溶液である。珪酸液を用いる場合には、前記コロイド粒子中に珪酸液を所定量添加し、同時にアルカリを加えて珪酸液を重合ゲル化させ、珪酸重合物をコロイド粒子表面に沈着させる。尚、珪酸液と上記アルコキシシランを併用して被覆処理を行うことも可能である。有機珪素化合物又は珪酸液の添加量は、コロイド粒子の表面をそれぞれの重合物が十分に被覆できる程度とする。

0048

更に、第四工程として、上記第三工程で得られたシリカ粒子を50〜300℃の範囲で水熱処理することが好ましい。水熱処理温度を50℃以上とすれば、最終的に得られるシリカ粒子又はシリカ粒子分散液中のアルカリ金属酸化物及び/又はアンモニアの含有量が効果的に低減して、塗工液の保存安定性被膜強度が向上する。一方、水熱処理温度を300℃以下とすれば、塗工液の保存安定性や被膜強度が向上し、シリカ粒子の凝集が抑制される。

0049

第三工程までで得られたシリカ粒子は、当該粒子表面に、イオン性不純物として各種低分子化合物が存在する傾向が強い。前記イオン性不純物は、前記粒子の原料中に含まれていたものや、製造工程で加えられた添加物等に起因するものである。従って、第四工程において、前記イオン性不純物を水熱処理で除去することにより、前記シリカ粒子表面不純物量を所定量以下にしやすくなる。

0050

具体的には、シリカ粒子中のアルカリ金属酸化物の含有量を、好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは5ppm以下、特に好ましくは2ppm以下とする。特に、アルカリ金属酸化物の含有量を5ppm以下とすることにより、シリカ粒子を含む塗工液の安定性が向上する。すなわち、塗工液を長期保存したような場合でも、塗工液の粘度上昇が抑えられ、優れた保存安定性が実現できる。また、アルカリ金属酸化物の含有量を上記範囲とすることにより、シリカ粒子表面とシランカップリング剤等の架橋形成基を導入するための化合物との反応がより強固に起こると推察され、結果的に屈折率層の強度も向上する(シランカップリング剤については後述する)。また、アルカリ金属酸化物の含有量を10ppm以下とすることにより、製膜性及び得られる膜の強度を向上することができる。尚、アルカリ金属酸化物の含有量は、M2O(Mはアルカリ金属元素を表す)としての含有量を意味し、一般的な原子吸光法又はICPMS測定によって、含有量を測定できる。

0051

また、シリカ粒子中のアンモニア(アンモニウムイオンを含む)の含有量は、好ましくは2000ppm以下、さらに好ましくは1500ppm以下、特に好ましくは1000ppm以下である。特に、アンモニアの含有量を1500ppm以下とすることにより、シリカ粒子を含む塗工液の安定性が向上する。すなわち、塗工液を長期保存したような場合でも、塗工液の粘度上昇が抑えられ、優れた保存安定性を実現できる。また、アンモニアの含有量を上記の範囲とすることにより、シリカ粒子表面とシランカップリング剤等の架橋形成基を導入するための化合物との反応がより強固に起こると推察され、結果的に屈折率層の強度も向上する。また、アンモニアの含有量を2000ppm以下とすると、上記と同様に、製膜性及び得られる膜の強度を向上することができる。尚、シリカ粒子中のアンモニア(アンモニウムイオンを含む)の含有量は、NH3としての含有量を意味し、一般的な化学分析法によって、含有量を測定できる。

0052

シリカ粒子中の不純物化合物の含有量を上記範囲とするため、第四工程(水熱処理工程)を複数回繰り返しても良い。水熱処理を繰り返すことによって、得られるシリカ系粒子中のアルカリ金属酸化物及び/又はアンモニア(アンモニウムイオンを含む)の含有量を低減することができる。

0053

<1−2−1.中実粒子>
本発明に係る中実粒子は、当該粒子内部が多孔質でもなく空洞でもない粒子をいう。空隙を有しないため中空粒子に比べ、外部から粒子にかかる圧力(外圧)で潰れにくく、耐圧性に優れる。そのため、当該中実粒子を含有する屈折率層の耐擦傷性を向上させやすくなる。

0054

本発明に係る中実粒子の材料は、無機系、有機系のものを使用することができる。屈折率層の押圧力に対する強度の向上を考慮し、無機材料を用いることが好ましい。

0055

中実粒子を無機材料で形成する場合、当該中実粒子の材料は、金属酸化物、金属窒化物、金属硫化物、及び金属ハロゲン化物からなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。中実粒子を上記材料とすれば、高強度な粒子が安定して得られる。より好ましいのは、中実粒子の材料を、金属酸化物又は金属ハロゲン化物とすることであり、さらに好ましいのは、金属酸化物又は金属フッ化物とすることである。これら材料を用いると、さらに、屈折率が低く、反射防止層としての性能が良好となりやすい。

0056

前記金属酸化物等に用いる金属元素としては、Na、K、Mg、Ca、Ba、Al、Si、Bが好ましく、Mg、Ca、Al及びSiがさらに好ましい。斯かる金属元素を用いることにより、強度を高くし、屈折率を低くすることができる。前記金属元素は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0057

本発明においては、屈折率層の屈折率をより低減するために、中実粒子の屈折率は、電離放射線硬化性樹脂の屈折率よりも小さいことが好ましい。シリカ(SiO2)の屈折率は1.42〜1.46であり、電離放射線硬化性樹脂として好ましく用いられるアクリル系樹脂の屈折率1.49〜1.55よりも低い。このため、中実粒子の材料は、シリカ(SiO2)を用いることが特に好ましい。

0058

<1−2−2.中実粒子の製造方法>
中実粒子は、従来公知の製造方法で製造することができる。斯かる方法としては、例えば、化学的手法であるゾルゲル法物理的方法であるガス中蒸着法等を挙げることができる。

0059

<1−3.中空粒子と中実粒子の関係>
本発明に係る反射防止積層体の一形態においては、中実粒子の平均粒径A及び中空粒子の平均粒径Bは、以下の関係:
10nm≦A≦40nm;
30nm≦B≦60nm;且つ
A≦B、
をもつことが好ましく、A+10≦Bであることがさらに好ましい。
また、本発明に係る反射防止積層体においては、屈折率層が、前記中実粒子100重量部に対し、前記中空粒子5重量部〜50重量部を含有することが好ましい。上記範囲とすることにより、前記屈折率層中における前記中空粒子間の隙間に前記中実粒子が入り込み、さらに密に充填するため、当該層表面の耐擦傷性、特に耐スチールウール性を向上させる効果が特に高い。

0060

本発明に係る反射防止積層体の別の形態においては、中実粒子の平均粒径A及び中空粒子の平均粒径Bは、以下の関係:
30nm<A≦100nm;
30nm≦B≦60nm;且つ
A>B、
をもつことが好ましく、A≧B+10であることがさらに好ましい。
また、本発明に係る反射防止積層体においては、屈折率層が、前記中実粒子100重量部に対し、前記中空粒子5重量部〜50重量部を含有することが好ましい。上記範囲とすることにより、前記屈折率層における前記中実粒子の体積占有率が大きくなり、前記屈折率層の反射率を低減させる効果が特に高い。
従来の表面処理による中空粒子及び中実粒子では、中実粒子が中空粒子に比べて大きい場合、異種粒子同士の親和性が低いため同種の粒子同士の凝集が起こりやすく、その結果、ヘイズが上がってしまっていた。それに対して、中空粒子及び中実粒子が本発明の表面処理を用いることにより、中実粒子が中空粒子に比べて大きい場合であっても、異種粒子間の親和性が高く、層内において均一、且つ、密に充填しやすい。また、粒径が大きい粒子同士を混合するため充填された粒子間の隙間が大きくなり、空気が存在する。そのため、上記範囲を有することにより本発明の低屈折率層は、反射率を低減する効果が特に高くなる。

0061

本発明に係る中空粒子の外殻層の厚みは、通常1nm以上、好ましくは2nm以上とする。外殻層の厚さを上記範囲とすると、粒子の被覆が良好に行われやすくなり、電離放射線硬化性樹脂等の他の成分が粒子内部に侵入しにくくなる。この結果、内部の空洞や多孔質構造の減少が低減され、低屈折率の効果が得やすくなる。一方、中空粒子の外殻層の厚みは、通常30nm以下、好ましくは20nm以下とする。外殻層の厚さを上記範囲とすると、粒子の多孔性が低下させることなく、低屈折率の効果が得られる。

0062

<1−4.架橋形成基>
本発明に係る中空粒子及び中実粒子は、当該粒子表面を同一構造を有するか、又は、構造上の相違があるとしても、電離放射線硬化性基については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分の有無が異なるのみの範囲内であり、粒子表面に対する結合基については、その骨格が共通し、且つ、結合基に結合するスペーサ部以外の基は、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分の有無が異なるのみの範囲内であり、スペーサ部については、その骨格が共通し、且つ、炭素原子数が1〜3の炭化水素基1つ分又は異種原子を含み水素を除く構成原子数が1〜3の官能基1つ分の有無が異なるのみの範囲内か、或いは、骨格の炭素鎖長が炭素原子1〜2個分異なるのみの範囲内である類似構造を有する架橋形成基で修飾されている。当該架橋形成基となる化合物としては、例えば、カップリング剤が挙げられ、当該カップリング剤としてはシランカップリング剤が好ましい。当該シランカップリング剤のシリルオキシ部分が加水分解により、前記結合基となり得る。

0063

本発明で好適に用いられるシランカップリング剤としては、3‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3‐メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3‐アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3‐アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3‐メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3‐メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、2‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2‐メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。

0064

<1−4−1.結合基>
結合基とは、前記架橋形成基が前記中空粒子及び前記中実粒子に結合する部位であり、前記中空粒子及び前記中実粒子と共有結合を形成し得る基を意味する。具体例として、上記シランカップリング剤の一つである3‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを例とすると、下記化学式(1)において、シランカップリング剤1である3‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの‐Si(OCH3)3部分2が加水分解され、結合基である‐Si(OH)3に変化し得る。

0065

0066

<1−4−2.スペーサ部>
本発明に係るスペーサ部とは、架橋形成基において、前記結合基と後述する電離放射線硬化性基を繋ぐ部位であり、当該架橋形成基に有機成分よりなる電離放射線硬化性樹脂との親和性を付与する機能も有する。具体例として上記シランカップリング剤の一つである3‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを例とすると、上記化学式(1)において、シランカップリング剤1である3‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの‐COO(CH2)3部分3がスペーサ部に該当する。
<1−4−3.電離放射線硬化性基>
本発明に係る電離放射線硬化性基とは、屈折層を形成する必須成分である電離放射線硬化性樹脂と電離放射線の照射により、重合反応や架橋反応が進行し、硬化し得る官能基である。前記硬化性基は、前記樹脂と重合することで屈折率層の強度を向上させる機能を有する。

0067

斯かる電離放射線硬化性基としては、例えば、光ラジカル重合光カチオン重合、光アニオン重合のような重合反応、あるいは、光二量化を経て進行する付加重合又は縮重合等の反応形式により反応が進行するものが挙げられる。特に、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合を有する基は、紫外線電子線等の電離放射線の照射により、直接又は開始剤の作用を受けて間接的に光ラジカル重合反応を生じさせることができるため、光硬化工程を含む取り扱いが比較的容易である。これらの中でも、生産性に優れ、また、硬化後の屈折率層における機械強度のコントロールが容易であることから、電離放射線硬化性基としては(メタ)アクリロイル基が好ましい。尚、本発明において(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル及び/又はメタクリロイルを意味する。

0068

具体例として上記シランカップリング剤の一つである3‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを例とすると、上記化学式(1)において、シランカップリング剤1である3‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのCH2=C(CH3)‐部分4が電離放射線硬化性基に該当する。

0069

図1乃至図2は、架橋形成基となる化合物の一種であるシランカップリング剤を用いた場合を例とした、前記粒子表面の修飾の機構を模式的に示した図である。
図1では、第一段階として、シランカップリング剤101が、加水分解反応110により、結合基を有する架橋形成基102を生成し、
続いて第二段階として、前記架橋形成基102が、粒子表面の極性基103との水素結合111により、粒子表面の極性基と水素結合した架橋形成基104を形成する。
さらに第三段階として、前記水素結合した架橋形成基104が、加熱及び脱水反応112により、目的とする、架橋形成基により表面を修飾された粒子105が生成する。

0070

図2は、第一段階として、シランカップリング剤101が、加水分解反応110により、結合基を有する架橋形成基102を生成し、
続いて第二段階として、前記架橋形成基102が、脱水縮合反応113により、脱水縮合した架橋形成基106を生成する。
さらに第三段階として、前記脱水縮合した架橋形成基106が粒子表面の極性基103と水素結合111により、粒子表面の極性基と水素結合した架橋形成基の脱水縮合体107を形成する。
第四段階として、前記脱水縮合体107が、加熱及び脱水反応112により、目的とする、脱水縮合した架橋形成基により表面を修飾された粒子108が生成する。

0071

シリカ粒子の表面を架橋形成基により修飾するための一例として、シリカ粒子へのシランカップリング剤の処理量は、シリカ粒子に対して、好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上とする。上記範囲とすれば、電離放射線硬化性樹脂組成物に対するシリカ粒子の親和性を良好にできる。一方、シリカ粒子へのシランカップリング剤の処理量は、シリカ粒子に対して好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下とする。上記範囲とすれば、シリカ粒子の処理に使用されなかった遊離のシランカップリング剤の発生を良好に抑制でき、外部衝撃に対する復元性が向上し、割れや傷の発生が抑制される。

0072

シランカップリング剤によるシリカ粒子表面の修飾方法としては、有機溶剤への分散性と、電離放射線硬化性樹脂との親和性とを向上させることができれば、特に制限されず、従来の方法により処理することができる。例えば、シリカ粒子の分散液に所定量のシランカップリング剤を加え、必要に応じて、酸処理アルカリ処理、又は加熱処理をすることにより、シリカ粒子の表面を修飾することができる。

0073

また、上記した以外のシランカップリング剤を用いる場合、好適なものの見分け方としては、修飾後の前記粒子表面が疎水性、又は親水性かで見分ける。具体的な見分け方としては、当該シランカップリング剤を用いて前記粒子表面を修飾し、乾燥させた後にメノウ乳鉢等を用いて大きさ1mm以下の微粉末状としたものが水に浮くかどうかで見分ける。

0074

本発明においては、全てのシランカップリング剤がシリカ粒子表面に導入されず、単量体又は縮合体として、電離放射線硬化性樹脂等を含む屈折率層形成用組成物中に存在してもよい。シランカップリング剤は、電離放射線硬化性樹脂やシリカ粒子との親和性に優れるため、シリカ粒子を屈折率層形成用組成物中で安定的に分散させることができる。また、シランカップリング剤は、電離放射線の照射や加熱による硬化の際に、膜中に取りこまれて架橋剤として作用するため、シランカップリング剤全量がシリカ粒子表面に導入された場合と比べて、屈折率層の性能が向上しやすくなる。

0075

上記は中空粒子及び中実粒子をシリカで形成した場合だが、シリカ以外の材料で当該粒子を形成する場合には、それぞれの材料に適した表面修飾を適宜行えばよい。

0076

また、上記カップリング剤以外の化合物でも、上記特性を具備するものであれば、本発明に係る架橋形成基を導入するための化合物として用いて良い。

0077

<1−5.電離放射線硬化性樹脂>
本発明において、電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線の照射により反応し、硬化し得る樹脂である。生産性を考慮すると好ましい樹脂として、熱硬化性樹脂紫外線硬化性樹脂、並びに熱、及び放射線を併用して硬化させ得る樹脂を挙げることができる。

0078

上記電離放射線硬化性樹脂の屈折率層中の含有量は、好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上、特に好ましくは30重量%以上である。一方、好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下、特に好ましくは50重量%以下である。上記範囲内とすれば低屈折率でありながら実使用上問題が無い膜強度が発揮されやすい。

0079

電離放射線硬化性樹脂は、反射防止性能を確保するための適切な屈折率を有し、光透過性基材との接着性が確保しやすく、屈折率層の機械的強度を確保しやすい材料であればよい。

0080

電離放射線硬化性樹脂中に、1分子中に少なくとも1つ以上の水素結合形成基と、3つ以上の電離放射線硬化性基と、を有する化合物が含まれることが好ましい。これにより、電離放射線硬化性樹脂の少なくとも一部が、1分子中に少なくとも1つ以上の水素結合形成基と、3つ以上の電離放射線硬化性基とを有する化合物で形成される。ここで、水素結合基とは、加熱によって同種の官能基同士、又は異種の官能基間で重合反応や架橋反応等を進行させて硬化し、塗膜を形成することができる官能基を意味する。

0081

電離放射線で硬化する電離放射線硬化性基、及び単独又は硬化剤との併用により熱硬化する水素結合形成基、を有する化合物を用いることにより、屈折率層形成用組成物を被塗工体の表面に塗布、乾燥し、電離放射線の照射と加熱とを併用して行った際に、塗膜内に架橋結合等の化学結合が形成され、塗膜を効率的に硬化させやすくなる。また、中空粒子及び中実粒子を無機粒子(特にシリカ)で形成した場合、当該粒子の表面に存在する水酸基と、上記化合物とが共有結合を形成しやすくなり、且つ、中空粒子及び/又は中実粒子と、放射線硬化性樹脂とが架橋結合を形成するため、屈折率層の強度の向上を図ることができる。

0082

1分子中に少なくとも1つ以上の水素結合形成基と、3つ以上の電離放射線硬化性基とを有する化合物に用いられる電離放射線硬化性基としては、例えば、光ラジカル重合、光カチオン重合、光アニオン重合等の重合反応、光二量化を経て進行する付加重合反応、又は縮重合反応が進行する官能基が挙げられる。特に、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合を有する基は、紫外線や電子線等の電離放射線の照射により、直接又は開始剤の作用を受けて間接的に光ラジカル重合反応を生じさせることができるため、光硬化工程を含む取り扱いが比較的容易である。斯かる官能基の中でも、(メタ)アクリロイル基は、生産性に優れ、また、硬化後の屈折率層における機械強度のコントロールが容易であるため好ましい。

0083

1分子中に少なくとも1つ以上の水素結合形成基と、3つ以上の電離放射線硬化性基とを有する化合物に用いられる水素結合形成基としては、例えば、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基アミノ基、エポキシ基等を挙げることができる。斯かる官能基の中でも水酸基は、中空粒子や中実粒子を無機粒子(特にシリカ)で形成した場合に、これら無機粒子との親和性にも優れるため、無機粒子の屈折率層形成用組成物中での分散性を向上させることができる。水酸基は、前記化合物への導入が容易であり、また、中空粒子や中実粒子を無機粒子とした場合に、これら粒子表面の水酸基に吸着するため、前記屈折率層形成用組成物や膜中に均一に分散させることができる。従って、前記屈折率層形成用組成物の寿命が向上するとともに、中空粒子や中実粒子の凝集による膜の透明性低下や膜強度の低下が起こり難い膜を形成することができる。

0084

1分子中に少なくとも1つ以上の水素結合形成基と、3つ以上の電離放射線硬化性基とを有する化合物としては、通常、水酸基等の水素結合形成基を持つものが用いられる。水素結合形成基は、合成時に副生され、モノマーの一部として混在するものであってもよい。具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート誘導体ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート等を挙げることができる。

0085

これらに加え、水酸基残基を有するエポキシアクリレート樹脂(例えば、共栄社化学(株)製「エポキシエステル」や昭和高分子(株)製「リポキシ」等がある)や、ウレタンアクリレート樹脂(各種イソシアナートと水酸基を有するモノマーとが、ウレタン結合を介して重付加によって得られる樹脂。例えば、日本合成化学工業(株)製「紫光(登録商標)」や共栄社化学(株)製「ウレタンアクリレート」がある)等の、水素結合形成基を含有する数平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィー;GPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定したポリスチレン換算数平均分子量)が2万以下のオリゴマー類も好ましく用いられる。

0086

これらのモノマー類やオリゴマー類は、膜の架橋密度を高める効果に優れていることに加え、数平均分子量が2万以下と小さいので流動性が高く、塗工適性に優れる。

0087

さらに、必要に応じて、水素結合形成基を有するモノマーを含む(共)重合体であって、主鎖や側鎖に(メタ)アクリレート基を有する数平均分子量2万以上の反応性ポリマー等も好ましく使用することができる。これらの反応性ポリマーは、例えば、「マクロモノマー」(東亞合成(株)製)等の市販品を使用することもでき、また、メタクリル酸メチルグリシジルメタクリレートとの共重合体を予め重合しておき、後から共重合体のグリシジル基と、メタクリル酸アクリル酸のカルボキシル基と縮合させることで、(メタ)アクリレート基を有する反応性ポリマーを得てもよい。尚、本発明において、(共)重合体とは、重合体及び/又は共重合体を意味する。

0088

本発明においては、数平均分子量が2万以下のモノマー及び/又はオリゴマーと数平均分子量が2万以上のポリマーを適宜組み合わせ、屈折率層の諸性質を容易に調節することが可能である。

0089

1分子中に少なくとも1つ以上の水素結合形成基と、3つ以上の電離放射線硬化性基とを有する化合物の含有量は、電離放射線硬化性樹脂100重量部に対して、好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは30重量部以上とする。一方、当該化合物の含有量は、当該樹脂100重量部に対して、好ましくは100重量部以下とする。上記範囲とすれば、屈折率層の機械的強度を強くすることができる。

0090

<1−6.その他の成分>
屈折率層を形成する屈折率層形成用組成物には、必要に応じて本発明の効果を損なわない限り、必須成分である上記電離放射線硬化性樹脂、中空粒子、及び中実粒子以外の成分も含まれていてもよい。当該電離放射線硬化性樹脂、中空粒子、及び中実粒子以外の成分としては、溶剤重合開始剤、硬化剤、架橋剤、紫外線遮断剤紫外線吸収剤表面調整剤レベリング剤)、及びその他の成分が挙げられる。上記材料のうち、一例として、表面調整剤(レベリング剤)、重合開始剤及び硬化剤について以下説明する。

0091

<1−6−1.表面調整剤(レベリング剤)>
屈折率層は、電離放射線硬化性樹脂、中空粒子及び中実粒子の何れに対しても相溶性を有する表面調整剤(レベリング剤)を含有してもよく、当該レベリング剤はケイ素系化合物が好ましい。斯かるケイ素系化合物を含有させることにより、膜表面を平坦化しやすくなり、また、反射防止積層体に必要とされる耐擦傷性の向上に寄与する滑り性を付与しやすくなる。尚、「相溶性」とは、ケイ素系化合物を、電離放射線硬化性樹脂、中空粒子及び中実粒子が存在する塗膜中に、当該塗膜の平坦性や滑り性の効果が確認できる程度の量を加えた場合でも、屈折率層の白濁やヘイズの上昇等による透明性の低下が確認できない程度の親和性を有することをいう。

0092

本発明においては、ケイ素系化合物の少なくとも一部が、電離放射線硬化性樹脂と、化学反応により共有結合を形成して塗膜最表面に固定されていることが好ましい。これにより、滑り性を安定的に付与でき、反射防止積層体の長期に渡る耐擦傷性を維持できる。

0093

上記ケイ素系化合物は、下記化学式(2)で示される構造を有することが好ましい。

0094

化学式(2)中、Raはメチル基等の炭素数1〜20のアルキル基やフェニル基を示し、Rbは非置換、もしくはアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、又は(メタ)アクリロイル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又はポリエーテル変性基を示し、各Ra、Rbは互いに同一でも異なっていても良い。また、mは0〜200、nは0〜200の整数である。

0095

上記一般式のような基本骨格を持つシリコーン化合物は、一般に表面張力が低く、撥水性離型性に優れていることが知られているが、側鎖又は末端に種々の官能基を導入することで、更なる効果を付与できる。例えば、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、(メタ)アクリロイル基、アルコキシ基等を導入することにより反応性を付与でき、前記電離放射線硬化性樹脂との化学反応により共有結合を形成しやすくなる。

0096

このような化合物は、市販の製品として入手することができ、例えば、ポリエーテル変性シリコーンオイルSF4460(商品名、GE東シリコーン(株)製)、X22−164E(商品名、信越シリコーン(株)製)等、目的に合わせて種々の変性シリコーンオイルを入手できる。

0097

斯かるケイ素系化合物は、期待する効果の程度に応じて単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。これらの化合物を適宜組み合わせることにより、防汚染性撥水撥油性、滑り性、耐擦傷性、耐久性レベリング性等の諸性質を調節し、目的とする機能を発現させることができる。

0098

上記ケイ素系化合物の含有量は、電離放射線硬化性樹脂、中空粒子及び中実粒子の総重量に対して、好ましくは1.5重量%以上、さらに好ましくは2重量%以上、一方、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは4重量%以下とする。含有量を2重量%以上とすれば、反射防止積層体に十分な滑り性を付与でき、また4重量%以下とすれば、塗膜の強度を確保しやすいからである。

0099

<1−6−2.重合開始剤>
重合開始剤は、本発明においては必ずしも必要ではない。しかしながら、電離放射線硬化性樹脂、架橋形成基により修飾された中空粒子及び架橋形成基により修飾された中実粒子、並びに任意成分である他の樹脂の電離放射線硬化性基が、電離放射線照射によって重合反応を生じ難い場合には、他の樹脂及び当該粒子の反応形式に合わせて、適切な開始剤を用いるのが好ましい。

0100

例えば、電離放射線硬化性樹脂の電離放射線硬化性基が(メタ)アクリロイル基である場合には、光ラジカル重合開始剤を用いる。光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類ベンゾフェノン類ケタール類アントラキノン類チオキサントン類アゾ化合物過酸化物、2,3‐ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、チウラム化合物類、フルオロアミン化合物等を挙げることができる。より具体的には、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2‐メチル‐1[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノプロパン‐1‐オンベンジルジメチルケトン、1‐(4‐ドデシルフェニル)‐2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロパン‐1‐オン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1−オン、1‐(4‐イソプロピルフェニル)‐2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロパン‐1‐オン、2‐ヒドロキシ‐1‐{4‐[4‐(2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐プロピオニル)‐ベンジル]‐フェニル}‐2‐メチル‐プロパン‐1‐オン、ベンゾフェノン等を挙げることができる。これらのうちでも、1‐ヒドロキシ‐シクロヘキシル‐フェニル‐ケトン、及び、2‐メチル‐1[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノプロパン‐1‐オン、2‐ヒドロキシ‐1‐{4‐[4‐(2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐プロピオニル)‐ベンジル]‐フェニル}‐2‐メチル‐プロパン‐1‐オン、は、少量でも電離放射線の照射による重合反応を開始し、促進するので好ましい。上記光ラジカル重合開始剤は、いずれか一方を単独で、又は、両方を組み合わせて用いることができる。これらは市販のものを用いてもよく、例えば、2‐ヒドロキシ‐1‐{4‐[4‐(2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐プロピオニル)‐ベンジル]‐フェニル}‐2‐メチル‐プロパン‐1‐オンは、イルガキュア127(Irgacure 127)の商品名(イルガキュア、Irgacureは登録商標)でチバ・スペシャルティケミカルズ(株)から入手できる。

0101

光ラジカル重合開始剤を用いる場合には、電離放射線硬化性樹脂を主体とする樹脂成分の合計100重量部に対して、光ラジカル重合開始剤を好ましくは3重量部以上15重量部以下の割合で配合する。

0102

<1−6−3.硬化剤>
硬化剤は、通常、電離放射線硬化性樹脂の一部に含まれる水素結合形成基の熱硬化反応を促進するために配合される。また、中空粒子及び中実粒子をシリカで形成し、当該粒子の少なくとも一部を表面処理されたシリカ粒子とする場合には、表面に存在するシラノール基、表面処理に用いたシランカップリング剤、及び当該シランカップリング剤の縮合体の未反応部等の熱硬化反応を促進するために、硬化剤が配合される。

0103

熱硬化性極性基が水酸基である場合には、硬化剤としては、通常、メチロールメラミン等の塩基性基を有する化合物、又は、金属アルコキシド等の加水分解により水酸基を発生する加水分解性基を有する化合物を挙げることができる。塩基性基としては、アミンニトリルアミドイソシアネート基が好ましく用いられ、加水分解性基としては、アルコキシ基が好ましく用いられる。後者の場合は特に、下記化学式(3)で表されるアルミニウム化合物及び/又は当該化合物の誘導体が、水酸基との相性が良く、特に好ましく用いられる。

0104

化学式(3)
AlR3
(化学式(3)中、残基R3は、同一でも異なってもよく、ハロゲン、炭素数10以下、好ましくは4以下のアルキルアルコキシ、もしくはアシルオキシ、又はヒドロキシであり、これらの基は全部又は一部がキレート配位子により置き換えられていてもよい)

0105

尚、上記化合物は、アルミニウム化合物及び/又は当該化合物から誘導されるオリゴマー及び/又は錯体、並びに無機酸のアルミニウム塩又は有機酸のアルミニウム塩の中から選定することができる。

0106

具体的には、アルミニウム‐sec‐ブトキシド、アルミニウム‐iso‐プロポキシド、及びそのアセチルアセトンアセト酢酸エチルアルカノールアミン類グリコール類、及びその誘導体との錯体等を挙げることができる。

0107

硬化剤を用いる場合には、電離放射線硬化性樹脂を主体とする樹脂成分の合計100重量部に対して、硬化剤を好ましくは0.05重量部以上、30.0重量部以下の割合で配合する。

0108

<1−7.屈折率層>
上記各成分からなる屈折率層は、一般的には、溶剤に上記の必須成分の他、必要に応じてその他の各成分を含有させ、一般的な調製法に従って分散処理することにより屈折率層形成用組成物を作製する。そして、当該組成物を基材に塗布し、その後乾燥、硬化することにより屈折率層を形成できる。溶剤は上記各成分を混合した際の粘性、流動性に応じて必要となるため、当該溶剤を用いずに屈折率層形成用組成物を作成しても良い。以下、溶剤、屈折率層形成用組成物の調整方法、及び屈折率層の形成方法について説明する。

0109

<1−7−1.溶剤>
電離放射線硬化性樹脂を比較的多量に用いる場合には、樹脂中のモノマー及び/又はオリゴマーが、液状媒体としても機能し得るので、溶剤を用いなくても屈折率層形成用組成物の状態に調製できる場合がある。従って、適宜、固形成分を溶解分散し、濃度を調整して、塗工性に優れた屈折率層形成用組成物を調製するために溶剤を使用すれば良い。

0110

屈折率層の固形成分を溶解分散するために用いる溶剤は、特に制限されず、種々の有機溶剤、例えば、イソプロピルアルコールメタノールエタノール等のアルコール類メチルエチルケトンメチルイソブチルケトンシクロヘキサノン等のケトン類酢酸エチル酢酸ブチル等のエステル類ハロゲン化炭化水素トルエンキシレン等の芳香族炭化水素、又はこれらの混合物を挙げることができる。

0111

上記溶媒の中でも、ケトン系の有機溶剤を用いるのが好ましい。ケトン系溶剤を用いて屈折率層形成用組成物を調製すると、光透過性基材や反射防止積層体の基材表面に容易に薄く均一に塗布しやすくなり、且つ、塗工後において溶剤の蒸発速度が適度で乾燥むらを起こし難いので、均一な厚さの大面積塗膜を容易に得やすくなる。

0112

上記溶媒をケトン系の有機溶媒とすることが好ましいもう一つの理由は、表面に微少凹凸を有するハードコート耐擦傷機能)層の上に屈折率層を形成する場合においても、均一に塗工しやすくなるためである。具体的には、反射防止積層体の基材側の支持層としてハードコート層を用いた場合に、当該層に防眩層としての機能を付与するために、ハードコート層の表面を微細凹凸状に形成し、その上に、中屈折率層若しくは高屈折率層を介して、又は中屈折率層若しくは高屈折率層を介さずに、低屈折率層としての屈折率層を形成する場合がある。ケトン系溶剤を用いて屈折率層形成用組成物を調製すると、このような微細凹凸状の表面にも均一に塗工することができ、塗工むらを防止しやすくなる。尚、ハードコート層、中屈折率層、高屈折率層については後述する。

0113

ケトン系溶剤としては、1種のケトンからなる単独溶剤、2種以上のケトンからなる混合溶剤、及び1種又は2種以上のケトン系溶剤と共に他の溶剤を含有しケトン溶剤としての性質を失っていない異種混合溶剤を挙げることができる。これらのうち、異種混合溶剤を用いることが好ましく、この場合、ケトン系溶剤は、溶剤全体の70重量%以上、特に80重量%以上含有させることが好ましい。

0114

溶剤の量は、各成分を均一に溶解、分散することができ、調製後放置しても中空粒子や中実粒子が凝集せず、且つ、塗工時に希薄すぎない濃度となるように適宜調節する。この条件が満たされる範囲内で溶剤の添加量を少なくして高濃度の屈折率層形成用組成物を調製することが好ましい。これにより、容量を少なくした状態で保存でき、塗工作業時に適度な濃度に希釈して使用することができる。固形分と溶剤の合計量を100重量部とした時に、全固形分0.5〜50重量部に対して、溶剤を50〜95.5重量部、さらに好ましくは、全固形分10〜30重量部に対して、溶剤を70〜90重量部の割合で用いることにより、特に分散安定性に優れ、長期保存に適した屈折率層形成用組成物が得られる。

0115

<1−7−2.屈折率層形成用組成物の調製方法
上記の各必須成分及び各所望成分を任意の順序で混合して、屈折率層形成用組成物を調製できる。中空粒子や中実粒子がコロイド状であれば、そのまま混合することが可能である。また、粉状であえば、得られた混合物にビーズ等の媒体投入し、ペイントシェーカービーズミル等で適切に分散処理することにより、屈折率層形成用組成物が得られる。

0116

<1−7−3.屈折率層の形成方法>
屈折率層を形成するには、上記のようにして得られた屈折率層形成用組成物を被塗工体の表面に塗布、乾燥した後、電離放射線の照射及び/又は加熱により硬化させる。

0117

屈折率層形成用組成物を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法ディップ法スプレー法スライドコート法、バーコート法ロールコーター法メニスカスコーター法、フレキソ印刷法スクリーン印刷法ビードコーター法等が挙げることができる。また、塗布後の、乾燥や電離放射線の照射及び/又は加熱は、周知の方法を適宜用いればよい。

0118

上記屈折率層形成用組成物を塗布して得られる屈折率層の膜厚は、0.05μm以上、0.15μm以下であることが好ましい。当該屈折率層の膜厚を0.05μm以上とすることにより、屈折率層としての十分な製膜性が得られる。また、当該屈折率層の膜厚を0.15μm以下とすることにより、材料費を低減することができる。

0119

<2.反射防止積層体>
本発明に係る反射防止積層体は、透明樹脂基材及び屈折率層を必須要素とし、当該積層体の強度及び/又は光学特性の向上を図るため、ハードコート層、防眩層、帯電防止層等の機能層を形成しても良い。

0120

<2−1.反射防止積層体の層構成
本発明に係る反射防止積層体の一例の断面図を図3概念的に示す。なお、図3以下の断面図において、説明の容易化のために、厚み方向(図の上下方向)を面方向(図の左右方向)の縮尺よりも大幅に拡大誇張して図示してある。図3に示す反射防止積層体10は、透明樹脂基材20の観察者80側の面に、透明樹脂基材20に近い側からハードコート層40と屈折率層(低屈折率層)30が形成されている。
本発明に係る反射防止積層体は、透明樹脂基材の一面側に、前記屈折率層が最も屈折率が小さい低屈折率層として、直接又は他の層を介して最表面に設けられていることが好ましい。また、当該他の層がハードコート層であることが好ましい。斯かる層構成とすることにより、反射防止積層体の最も観察者側の面に、屈折率が低く、且つ耐擦傷性に優れた前記屈折率層が設けられるため、表示面の反射性が低減され、良好な視認性を得られる。また、前記屈折率層がハードコート層を介して、透明樹脂基材の観察者側に設けられることにより、当該ハードコート層は、前記屈折率層が耐え得る以上の衝撃を受けた場合に、当該層の損傷面積を低減し、且つ、ディスプレイ側にある透明樹脂基材やその他の層を保護することができる。
以下、本発明に係る反射防止積層体を形成する、前記屈折率層以外の必須基材である透明樹脂基材、及び必要に応じて設けられるハードコート層等のその他の機能層を順に説明する。

0121

<2−2.透明樹脂基材>
反射防止積層体を構成する透明樹脂基材は、板状であってもフィルム(乃至シート。以下同様)状であっても良い。但し、屈折率層、ハードコート層等の機能層を積層することから当該基材は薄いものが好ましい。透明樹脂基材の透明性は高いほどよいが、好ましくは可視光域380〜780nmにおける光線透過率が70%以上、より好ましくは80%以上となる光透過性が良い。なお、光透過率の測定は、分光光度計(例えば、(株)島津製作所製 UV−3100PC)を用い、室温、大気中で測定した値を用いることができる。

0122

好ましい前記基材としては、例えば、トリアセテートセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ジアセチルセルロースアセテートブチレートセルロース、ポリエーテルサルホン、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂ポリエステルポリカーボネートポリスルホンポリエーテルトリメチルペンテンポリエーテルケトン、(メタ)アクリロニトリル環状ポリオレフィン等の各種樹脂で形成したフィルム等を挙げることができる。

0123

前記基材の厚さは、好ましくは30μm以上、さらに好ましくは50μm以上、一方で当該基材の厚さは好ましくは200μm以下である。

0124

上記放射線硬化性樹脂に熱硬化性を有する極性基を用いる場合には、前記屈折率層形成用組成物を被塗工体である前記透明樹脂基材の表面に直接又はハードコート層等の他の層を介して塗布、乾燥、及び硬化させることによって、上記極性基の作用により塗膜の被塗工体表面に対する優れた密着性が得られる。

0125

<2−3−1.ハードコート層>
本発明に係る反射防止積層体においては、前記屈折率層が、ハードコート層を介して、透明樹脂基材の観察者側に設けられることが好ましい。斯かる層構成とすることにより、当該ハードコート層は、前記屈折率層が耐え得る以上の衝撃を受けた場合に、当該屈折率層の損傷面積を低減し、且つ、ディスプレイ側にある透明樹脂基材やその他の層を保護する機能を有する。
ハードコート層は、通常、電離放射線硬化性樹脂を使用して形成する。なお、本明細書において、「ハードコート層」とは、JIS K5600−5−4:1999で示される鉛筆硬度試験でH以上の硬度を示すものをいう。

0126

ハードコート層を形成する電離放射線硬化性樹脂としては、好ましくはアクリレート系の官能基を有するものを挙げることができる。具体的には、比較的低分子量のポリエステル樹脂ポリエーテル樹脂アクリル樹脂エポキシ樹脂ウレタン樹脂アルキッド樹脂スピロアセタール樹脂ポリブタジエン樹脂ポリチオールポリエーテル樹脂、多価アルコール等を挙げることができる。また、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート誘導体やジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;等の多官能化合物のモノマー類やエポキシアクリレートやウレタンアクリレート等のオリゴマー等を挙げることもできる。
また、透明性を損なわない範囲で表面が被覆された無機粒子又は有機粒子を用い、粒子とハードコート成分に共有結合を形成し、硬度を向上させたハードコート層を用いても良い。

0127

上記電離放射線硬化性樹脂と共に用いる光重合開始剤、製膜の方法等については、先に例示したものの中から適宜選定して使用する。

0128

ハードコート層は硬化後の膜厚は、好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは0.8μm以上、一方、当該膜厚は、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは20μm以下とする。膜厚を0.1μm以上とすれば十分なハードコート性能が得られやすくなり、100μm以下とすれば、外部からの衝撃に対しも十分な強度を得やすい。

0129

また、本発明においては、上記電離放射線硬化性樹脂からなるハードコート層が、後述する様な中屈折率層又は高屈折率層、帯電防止層の機能を兼ね備えるものであっても良い。

0130

<2−3−2.防眩層>
防眩層は、通常、電離放射線硬化性樹脂と、防眩層用粒子とから構成される。防眩層用粒子を含むことで、耐擦傷性に加えて、防眩性能を付与することができる。

0131

電離放射線硬化性樹脂としては、前記ハードコート層に好ましく用いられるものの中から適宜選定することができる。

0132

防眩層用粒子の形状は、例えば、球状のものを用いればよい。球状形状としては、例えば真球状、楕円状等を挙げることができる。好ましくは、真球状のものが用いられる。

0133

防眩層用粒子の材料としては、無機系、有機系いずれのものであってもよい。防眩層用粒子は、通常、防眩性を発揮するものであり、透明性の材料を用いることが好ましい。このような防眩層用粒子としては、無機ビーズとしてはシリカビーズ等が挙げられ、有機ビーズとしては、プラスチックビーズが挙げられる。

0134

プラスチックビーズを用いる場合には、屈折率1.40〜1.60のものを用いることが好ましい。プラスチックビーズの屈折率を上記範囲に限定する理由は以下の通りである。すなわち、電離放射線硬化性樹脂、特にアクリレート又はメタクリレート系樹脂の屈折率は通常1.45〜1.55であり、電離放射線硬化性樹脂の屈折率にできるだけ近い屈折率を持つプラスチックビーズを選択することにより、塗膜の透明性を損なわずに防眩性を向上させることができるからである。

0135

電離放射線硬化性樹脂の屈折率に近い屈折率を持つプラスチックビーズの具体例としては、ポリメチルメタクリレートビーズ等のアクリルビーズ(屈折率:1.49)、ポリカーボネートビーズ(屈折率:1.58)、ポリスチレンビーズ(屈折率:1.50)、スチレンビーズ(屈折率:1.59)、メラミンビーズ(屈折率:1.57)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率:1.54)、ポリアクリルスチレンビーズ(屈折率:1.57)、アクリル‐スチレンビーズ(屈折率:1.54)、ポリエチレンビーズ(屈折率:1.53)等が挙げられる。屈折率が上記範囲にあれば、これ以外のものでも使用することができる。

0136

これらの防眩層用粒子の粒径は、3μm以上、8μm以下のものが好適に用いられる。また、電離放射線硬化性樹脂100重量部に対して、防眩層用粒子の含有量は、好ましくは2重量部以上、さらに好ましくは10重量部以上、一方、当該含有量は、好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは25重量部以下とする。

0137

塗工液を塗布、硬化させることにより防眩層を形成する場合には、塗工液内における防眩層用粒子の分散を確保することが好ましい。具体的には、電離放射線硬化性樹脂中に防眩層用粒子を混合した塗工液においては、使用時に沈殿した防眩層用粒子をよく攪拌して分散させる必要がある場合がある。このような不都合を無くすために、防眩層を形成するために塗工液に沈降防止剤として、粒径が、通常0.5μm以下、好ましくは0.1μm以上、0.25μm以下のシリカビーズを添加してもよい。尚、このシリカビーズは添加するほど有機フィラーの沈降防止に有効であるが、塗膜の透明性に影響を与える場合がある。従って、シリカビーズの含有量は、塗膜の透明性を損なわず、且つ、沈降防止することができる範囲とすることが好ましい。具体的には、電離放射線硬化性樹脂100重量部に対して0.1重量部未満程度シリカビーズを添加するのが好ましい。

0138

防眩層は硬化後の膜厚は、好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは0.8μm以上、一方、当該膜厚は好ましくは100μm以下、さらに好ましくは20μm以下とする。前記膜厚を0.1μm以上とすれば十分なハードコート性能が得られやすくなり、100μm以下とすれば、外部からの衝撃に対しも十分な強度を得やすい。

0139

防眩層は、防眩層用粒子の平均粒径をR(μm)とし、防眩層表面の凹凸の十点平均粗さをRz(μm)とし、防眩層の表面の凹凸平均間隔をSm(μm)とし、凹凸部の平均傾斜角をθaとした場合に、以下の4式の関係を同時に満たすものが好ましい。
30≦Sm≦200、
0.90≦Rz≦1.60、
1.3≦θa≦2.5、
0.3≦R≦10

0140

また、防眩層の別の好ましい様態によれば、防眩層用粒子と電離放射線硬化性樹脂の屈折率をそれぞれ、n1、n2とした場合に、下記の式を満たすものであり、且つ、防眩層内部のヘイズ値が55%以下である防眩層が好ましい。
Δn=|n1−n2|<0.1

0141

<2−3−3.帯電防止層>
反射防止積層体には、静電気の発生を抑えてゴミの付着を防止したり、液晶ディスプレイ等に組みこまれた際の外部からの静電気障害を防止するために、必要に応じて帯電防止層を形成してもよい。この場合の帯電防止層の性能としては反射防止積層体形成後の表面抵抗が1012Ω/□以下となることが好ましい。しかし、表面抵抗が1012Ω/□以上であっても、帯電防止層を設けることにより、帯電防止層を有しない反射防止積層体に比べて、埃付着が抑えられやすくなる。

0142

帯電防止層を樹脂で形成する場合においては、帯電防止層は、樹脂及び帯電防止剤を含有する。ここで、帯電防止層形成用樹脂としては、ハードコート層で用いるものと同様のものを用いればよい。

0143

帯電防止層形成用樹脂に含まれる帯電防止剤には、例えば、第4級アンモニウム塩ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性帯電防止剤スルホン酸塩基硫酸エステル塩基リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基等のアニオン性基を有するアニオン系帯電防止剤アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系等の両性帯電防止剤;アミノアルコール系、グリセリン系ポリエチレングリコール系等のノニオン性の帯電防止剤;ポリアセチレンポリアニリンポリチオフェン等の導電性ポリマードーパント組合せたもの(例えば3,4‐エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等)の導電性ポリマー;スズやチタンアルコキシドのような有機金属化合物やそれらのアセチルアセトナート塩の様な金属キレート化合物等の各種界面活性剤型帯電防止剤;さらには上記の如き帯電防止剤を高分子量化した高分子型帯電防止剤等が挙げられる。また、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基金属キレート部を有し電離放射線により重合可能なモノマーやオリゴマー、そして電離放射線により重合可能な官能基を有するカップリング剤のような有機金属化合物等の重合性帯電防止剤を挙げることができる。

0144

他の帯電防止剤として、粒径が100nm以下の微粒子、例えば酸化スズスズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズATO)、インジウムドープ酸化亜鉛(AZO)、酸化アンチモン酸化インジウム等を挙げることができる。特に、粒径を可視光線波長以下の100nm以下とすることで、帯電防止層の透明性を確保しやすくなり、反射防止積層体の透明性が損なわれにくくなるという利点が発揮される。

0145

上記帯電防止剤を、上記ハードコート層や防眩層を形成する塗工液中に混合することにより、帯電防止性能とハードコート性能の2つの性質、又は帯電防止性能と防眩性能の2つの性質を同時に改善した塗膜を得やすくなる。

0146

<2−3−4.高屈折率層及び中屈折率層(屈折率が1.46〜2.00の屈折率層)>
高屈折率層及び中屈折率層は、通常、電離放射線硬化性樹脂と屈折率調整用の粒子とを主に含有する。電離放射線硬化性樹脂としては、ハードコート層と同様のものを用いることができる。また、必要に応じて用いられる光重合開始剤、各種添加剤、形成方法等についてもハードコート層と同様とすればよい。

0147

屈折率調整用の粒子としては、例えば、粒子径が100nm以下の微粒子を挙げることができる。このような微粒子としては、酸化亜鉛(屈折率:1.90)、チタニア(屈折率:2.3〜2.7)、セリア(屈折率:1.95)、スズドープ酸化インジウム(屈折率:1.95)、アンチモンドープ酸化スズ(屈折率:1.80)、イットリア(屈折率:1.87)、ジルコニア(屈折率:2.0)からなる群から選ばれた1種以上を挙げることができる。

0148

屈折率調整用の粒子は、電離放射線硬化性樹脂よりも屈折率が高いものを用いることが好ましい。屈折率は、高屈折率層及び中屈折率層中における屈折率調整用の粒子の含有率によって決まる。すなわち、屈折率調整用の粒子の含有量が多いほど屈折率が高くなるので、電離放射線硬化性樹脂と粒子の構成比率を変えることで、屈折率を1.46〜2.00の範囲で自由に制御することができる。

0149

また、中屈折率層及び高屈折率層は、化学蒸着法CVD)や物理蒸着法PVD)等の蒸着法により形成した酸化チタン酸化ジルコニウムの様な屈折率の高い無機酸化物蒸着膜としたり、又は、酸化チタンのような屈折率の高い無機酸化物粒子を分散させた塗膜とすることができる。中屈折率層としては、屈折率1.46〜1.80の範囲の光透過層を使用し、また、高屈折率層としては屈折率1.65以上の光透過層を使用することができる。

0150

本発明に係る反射防止積層体において、上記中屈折率層及び/又は高屈折率層を設ける場合は、前記屈折率層(低屈折率層)よりもディスプレイ側となる位置に当該中屈折率層及び/又は高屈折率層を設け、さらに中屈折率層及び高屈折率層を設ける場合は、反射性を低減するために、ディスプレイ側に近い位置から中屈折率層、高屈折率層、及び低屈折率層を設ける。また、斯かる形態において、さらにハードコート層を設ける場合、当該ハードコート層は、前記中屈折率層の透明樹脂基材側の面に設ける。

0151

<2−4.反射防止積層体の層構成の変形例>
図4乃至図7は、本発明に係る反射防止積層体の層構成の他の例を模式的に示した断面図である。
図4には、透明樹脂基材20の観察者80側に、屈折率層(低屈折率層)が設けられた反射防止積層体10が図示されている。
図5には、透明樹脂基材20の観察者80側に、透明樹脂基材に近い側から、高屈折率層50、及び屈折率層(低屈折率層)がこの順に設けられた反射防止積層体10が図示されている。
図6には、透明樹脂基材20の観察者80側に、透明樹脂基材に近い側から、ハードコート層40、中屈折率層60、高屈折率層50、及び屈折率層(低屈折率層)30がこの順に設けられた反射防止積層体10が図示されている。
図7には、透明樹脂基材20の観察者80側に、透明樹脂基材に近い側から、帯電防止層70、ハードコート層40、高屈折率層50、及び屈折率層(低屈折率層)30がこの順に設けられた反射防止積層体10が図示されている。

0152

本発明は、上記形態に限定されるものではない。上記形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

0153

以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。

0154

<3−1−1.表面修飾された中空粒子(表面修飾中空シリカ微粒子A)の調製>
中空粒子として、中空シリカ微粒子(触媒化成工業(株)製)のイソプロパノール分散液を、ロータリーエバポレーターを用いてイソプロピルアルコールからメチルイソブチルケトン(以下、MIBKという場合がある)に溶媒置換を行い、シリカ微粒子20重量%の分散液を得た。このメチルイソブチルケトン分散液100重量%に3‐メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランを5重量%添加し、50℃で1時間加熱処理することにより、表面処理された中空シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン分散液を得た。

0155

<3−1−2.表面修飾された中空粒子(表面修飾中空シリカ微粒子C)の調製>
中空粒子として、中空シリカ微粒子(触媒化成工業(株)製)のイソプロパノール分散液を、ロータリーエバポレーターを用いてイソプロピルアルコールからメチルイソブチルケトンに溶媒置換を行い、シリカ微粒子20重量%の分散液を得た。このメチルイソブチルケトン分散液100重量%に3‐グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを5重量%添加し、50℃で1時間加熱処理することにより、表面処理された中空シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン分散液を得た。

0156

<3−2−1.表面修飾された中実粒子(表面修飾中実シリカ微粒子A)の調製>
中実粒子として、メチルイソブチルケトン分散シリカゾル(MIBK−ST:商品名、日産化学工業(株)製。シリカ固形分20重量%)100重量部に3‐メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランを5重量%添加し、50℃で1時間加熱処理することにより、表面処理された中実シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン分散液を得た。

0157

<3−2−2.表面修飾された中実粒子(表面修飾中実シリカ微粒子B)の調製>
乾燥空気中、メルカプトプロピルトリメトキシシラン7.8重量%、ジブチルスズジラウレート0.2重量%からなる溶液に対し、イソフォロンジイソシアネート20.6重量%を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間攪拌した。これにペンタエリスリトールトリアクリレート71.4重量%を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間加熱攪拌することで化合物(1)を得た。次に窒素気流下、メタノールシリカゾル(メタノール溶剤コロイダルシリカ分散液:商品名、日産化学工業(株)製。シリカ固形分30重量%)88.5重量%(固形分26.6重量%)、合成した化合物(1)8.5重量%、p‐メトキシフェノール0.01重量%の混合液を、60℃で4時間攪拌した。続いてこの反応混合液に化合物(2)としてメチルトリメトキシシラン3重量%を添加し、60℃、1時間攪拌した後、オルト蟻酸メチルエステル9重量%を添加し、さらに1時間同一温度で加熱処理することにより表面処理された中実シリカ微粒子35重量%のメタノール分散液を得た。

0158

<3−2−3.表面修飾された中実粒子(表面修飾中実シリカ微粒子C)の調製>
中実粒子として、メチルイソブチルケトン分散シリカゾル(MIBK−ST:商品名、日産化学工業(株)製。シリカ固形分20重量%)100重量部に3‐グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを5重量%添加し、50℃で1時間加熱処理することにより、表面処理された中実シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン分散液を得た。

0159

<実施例1>
<3−3−1.低屈折率層形成用組成物の調製>
下記組成の成分を混合して低屈折率層形成用組成物を調製した。

0160

表面修飾中空シリカ微粒子A(中空シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン)
:15.0重量部
表面修飾中実シリカ微粒子A(中実シリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン)
:0.4重量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)
:1.2重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA
:0.4重量部
イルガキュア127(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
:0.1重量部
X−22−164E(商品名、信越化学工業(株)製)
:0.15重量部
メチルイソブチルケトン
:83.5重量部

0161

<3−3−2.ハードコート層形成用組成物の調製>
下記の組成の成分を配合してハードコート層形成用組成物を調製した。

0162

表面修飾中実シリカ微粒子B(中実シリカ微粒子35重量%のメチルイソブチルケトン)
:25.0重量部
ウレタンアクリレート(紫光UV1700−B:商品名、日本合成化学工業(株)製)
:25.0重量部
イルガキュア184(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
:0.2重量部
メチルエチルケトン
:49.8重量部

0163

<3−4.基材/ハードコート層/低屈折率層フィルムの作製>
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム(富士写真フィルム(株)製)上に,上記組成のハードコート層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後,紫外線照射装置フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源パルプ)を用いて、照射線量10mJ/cm2で紫外線照射を行い,ハードコート層を硬化させて、膜厚約15μmのハードコート層を有する、基材/ハードコート層フィルムを得た。

0164

得られた基材/ハードコート層フィルム上に,上記の低屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることより溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて,照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて、基材/ハードコート層/低屈折率層の反射防止積層体を得た。
低屈折率層の膜厚は,島津製作所(株)製分光光度計(UV−3100PC)を用いて測定した反射率の極小値が波長550nm付近になるように設定した。

0165

なお、PETA、及びDPHAはほぼ全量が重合するので、上記電離放射線硬化性樹脂組成物に対する中実シリカ粒子の含有量は、電離放射線硬化性樹脂に対する中実シリカ粒子の含有量とほぼ同様と考えてよい。

0166

上記の様にして得られた、基材/ハードコート層/低屈折率層の反射防止積層体について、以下の4点の測定を行った。
<3−5−1.反射率測定
島津製作所(株)製分光光度計(UV−3100PC)を用いて、入射角反射角が夫々5°の時の最低反射率を測定した。

0167

<3−5−2.ヘイズ値測定>
JIS K7105:1981「プラスチック光学的特性試験方法」に準じて、反射防止積層体の最表面のヘイズ値を測定した。

0168

<3−5−3.擦過性評価試験(耐スチールウール性)>
#0000のスチールウールを用い、荷重を変えて光学積層体表面を20往復した時の傷の有無を目視により確認した。評価基準は以下の通りとした。

0169

○:傷がないもの
△:傷が数本(1〜10本)認められるもの
×:傷が多数(10本以上)認められるもの

0170

<3−5−4.硬度評価試験(鉛筆硬度測定)>
光学積層体の表面を、所定の鉛筆を用いて、500g荷重で5本線を引きその後の光学積層体表面の傷の有無を目視し評価した。傷のつかなかったときの鉛筆の硬度を確認した。結果を表−1に示す。

0171

<実施例2>
表面修飾中実シリカ微粒子Aの粒径を変えた以外は、実施例1と同様にして反射防止積層体を作製した。評価結果を表面修飾中実シリカ微粒子の粒径とともに、表−1に示す。

0172

<実施例3>
表面修飾中空シリカゾルAの粒径と、表面修飾中実シリカ微粒子Aの粒径を変えた以外は、実施例1と同様にして反射防止積層体を作製した。評価結果を表面修飾中空シリカゾルAの粒径と表面修飾中実シリカ微粒子Aの粒径とともに、表−1に示す。

0173

<実施例4>
MIBK分散中空シリカ微粒子分散液とMIBK分散中実シリカゾルとを混合し、同時に表面修飾を行った以外は実施例1と同様にして反射防止積層体を作製した。評価結果を表面修飾中実シリカ微粒子の粒径とともに、表−1に示す。

0174

<比較例1>
表面修飾中実シリカ微粒子Aを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして反射防止積層体を作製した。評価結果を表−1に示す。

0175

<比較例2>
表面修飾中実シリカ微粒子Aの代わりに未処理のMIBK分散中実シリカゾルMIBK−STを用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止積層体を作製した。評価結果を表−1に示す。

0176

<比較例3>
表面修飾中実シリカ微粒子Aの代わりに表面修飾中実シリカ微粒子Bを用いた以外は、実施例2と同様にして反射防止積層体を作製した。評価結果を表−1に示す。

0177

<比較例4>
表面修飾中実シリカ微粒子Aの代わりに表面修飾中実シリカ微粒子Bを用いた以外は、実施例3と同様にして反射防止積層体を作製した。評価結果を表−1に示す。

0178

<比較例5>
表面修飾中実シリカ微粒子Aの代わりに表面修飾中実シリカ微粒子C、及び表面修飾中空シリカ微粒子Aの代わりに表面修飾中空シリカ微粒子Cとした以外は、実施例1と同様にして低屈折率層形成用組成物を作製した。組成物は白濁し、反射防止積層体作製時に膜面上に凝集物が認められた。

0179

図面の簡単な説明

0180

図1は、本発明に係る架橋形成基による粒子表面の修飾の機構を模式的に示した図である。
図2は、本発明に係る架橋形成基による粒子表面の修飾の別の機構を模式的に示した図である。
図3は、本発明に係る反射防止積層体の一例を模式的に示した断面図である。
図4は、本発明に係る反射防止積層体の一例を模式的に示した断面図である。
図5は、本発明に係る反射防止積層体の一例を模式的に示した断面図である。
図6は、本発明に係る反射防止積層体の一例を模式的に示した断面図である。
図7は、本発明に係る反射防止積層体の一例を模式的に示した断面図である。

符号の説明

0181

1シランカップリング剤
2結合基となる部分
3スペーサ部
4電離放射線硬化性基
10反射防止積層体
20 透明樹脂基材
30屈折率層(低屈折率層)
40ハードコート層
50高屈折率層
60中屈折率層
70帯電防止層
80 観察者

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