図面 (/)

技術 タンタルと炭素結合物の製造方法、タンタルと炭素の傾斜組成構造、タンタルチューブとPIT炭素芯の製造方法、タンタルチューブとPIT炭素芯、タンタル炭化物配線の製造方法、タンタル炭化物配線

出願人 東洋炭素株式会社
発明者 金子忠昭
出願日 2006年9月27日 (14年4ヶ月経過) 出願番号 2006-263429
公開日 2008年4月10日 (12年10ヶ月経過) 公開番号 2008-081362
状態 特許登録済
技術分野 圧接、拡散接合 半導体の電極 圧接、拡散接合 半導体集積回路装置の内部配線 炭素・炭素化合物 セラミックスの接合 金属質材料の表面への固相拡散
主要キーワード 基材板 ワイヤーチューブ 炭素ヒータ 断面拡大写真 タンタル炭化物 タンタル基板 石油コークス粉 金属パターニング
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年4月10日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (14)

課題

簡易な方法で、所定の形状のタンタル炭素固相拡散接合を可能とし更に、タンタルと炭素を固相拡散接合を行う場所以外のタンタ表面に炭化物を形成することを可能とする。

解決手段

タンタル若しくはタンタル合金炭素基板とを真空熱処理炉内に設置し、前記タンタル若しくはタンタル合金表面に形成されている自然酸化膜であるTa2O5が昇華する条件下で熱処理を行い、前記Ta2O5を除去した後、前記真空熱処理炉内に炭素源を導入して熱処理を行い、前記タンタル若しくはタンタル合金表面と炭素基板表面を固相拡散接合させると同時に、タンタルと炭素を固相拡散接合を行う場所以外のタンタル表面に炭化物を形成する。

概要

背景

タンタル炭素固相拡散接合に付いては今だ研究の報告がないが神戸製鋼ホームページKOBELCOの拡散接合可能な金属としてTa及びTa合金グラファイト接合出来る組み合わせとして認知されていない。図12にKOBELCOホームページより引用した拡散接合可能な金属の組み合わせ可能図を示す。タンタルの炭化物、例えばTaCは、遷移金属炭化物中で一番融点が高く、化学的定性が高く研究の報告がなされている。図13にTaCのフェーズダイアグラムを示す。このようなTaCは、従来から高温雰囲気下における各種用途への応用が模索され、以下のような種々の方法による製造方法が報告されている。従来のTaCを製造する方法の文献例として次のようなものが挙げられる。

例えば、特許文献1には、微粉末のTaC粉末と、HfC,ZrC,HfN等の他の化合物の微粉末を混合し、約1Paの真空中で2000℃で焼結し、TaCとこれら他の化合物の固溶体を形成し、TaCの粒成長を抑制することによって緻密なTaC焼結体を作製する方法が記載されている。

また、特許文献2には、酸化タンタル(Ta2O5)とカーボンを混合し、水素炉で所定の温度で一次炭化を行い、得られた炭化物の遊離カーボンの量を測定し、次いでこの測定結果に基づいてカーボン量を調整して一次炭化物に添加し、次いで真空炭化炉で所定の温度で二次炭化を行いTaCを製造する方法が記載されている。

また、特許文献3には、真空中で金属Taを蒸発させ、同時にC2H2ガスを導入して、両者を反応性イオンプレーティング法により蒸着中圧力/成膜速度を6.0×10-2Pa・min/μm以上で反応させてタングステン製電子放射材料の表面に組成比1<C/Ta<1.2から成る耐熱性に優れ、悪い真空状態でも安定に放射電流が得られ、且つ長寿命TaC膜被覆する方法が記載されている。

また、特許文献4には、レンズプリズム等の高精度のガラス光学素子プレス成形する際に用いられる金型表面に被覆される離型膜として、次の(a)酸化クロムを50〜99モル%と酸化タンタルを1〜50モル%とからなるセラミック材料、(b)窒化クロムを50〜99モル%と窒化タンタルを1〜50モル%とからなるセラミック材料、(c)炭化クロムを50〜99モル%と炭化タンタルを1〜50モル%とからなるセラミック材料から選ばれる一種から構成したものが記載されている。

また、特許文献5には、1000℃を超える高温還元性ガス雰囲気中においても、優れた還元性ガス反応抑制効果を発揮し、製品寿命を大きく延ばすことができる還元性雰囲気炉用炭素複合材料として、金属タンタル及び反応ガスを使用してアークイオンプレーティングAIP)式反応性蒸着法により黒鉛基材の表面に形成される炭化タンタルの皮膜について記載されている。

また、特許文献6には、Taを有する化合物と、炭化水素系の溶媒とを含む導電性Ta系膜形成材料を使用してCVD法によって導電性のTa系膜を形成する方法について記載されている。

また、特許文献7には、黒鉛製ルツボ内壁にTa板を配置する。そして、Ta板と接触するように炭素粉末充填してTa板を覆う。その後、黒鉛製ルツボを加熱してTa板を炭化させ、黒鉛製ルツボの内壁をTaCでコーティングする方法が記載されている。

また、特許文献8には、1300℃〜1600℃に加熱した真空炉内でTaまたはTa合金の表面に、炭素源を与えてTaCとTa2C膜を形成させその後に表面に付着した未反応の炭素原子をTa基材内部に拡散する様に真空中で高温アニール加熱して、炭化処理を行い、TaC形成する方法が記載されている。
特開平6−87656号公報
特開2000−44222号公報
特開平8−64110号公報
特開平7−330351号公報
特開平10−245285号公報
特開2000−265274号公報
特開平11−116399号公報
米国特許第5383981号明細書

概要

簡易な方法で、所定の形状のタンタルと炭素を固相拡散接合を可能とし更に、タンタルと炭素を固相拡散接合を行う場所以外のタンタ表面に炭化物を形成することを可能とする。タンタル若しくはタンタル合金炭素基板とを真空熱処理炉内に設置し、前記タンタル若しくはタンタル合金表面に形成されている自然酸化膜であるTa2O5が昇華する条件下で熱処理を行い、前記Ta2O5を除去した後、前記真空熱処理炉内に炭素源を導入して熱処理を行い、前記タンタル若しくはタンタル合金表面と炭素基板表面を固相拡散接合させると同時に、タンタルと炭素を固相拡散接合を行う場所以外のタンタル表面に炭化物を形成する。

目的

本発明は上記問題に鑑みてなされ、簡易な方法で、タンタル或いはタンタルの合金の基板を炭素基板と固相拡散接合させることが可能であり、また、タンタル或いはタンタルの合金の基板を炭素基板と固相拡散接合させる場所以外のタンタル或いはタンタルの合金の基板表面に均一な厚みのタンタルの炭化物を形成することができるとともに、熱履歴によっても剥離することのない固相拡散接合を行うと同時にタンタル表面にタンタル炭化物を生成出来るタンタルと炭素結合物の製造方法及び、それによるタンタルと炭素の傾斜組成構造タンタルチューブとPIT炭素芯の製造方法、タンタルチューブとPIT炭素芯、タンタル炭化物配線の製造方法、タンタル炭化物配線を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
5件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

タンタル若しくはタンタル合金表面炭素基板表面とをそれぞれ片面又は両面を重ね合わせた状態で真空熱処理炉内に設置し、前記タンタル若しくはタンタル合金表面に形成されている自然酸化膜であるTa2O5が昇華する条件下で熱処理を行い、前記Ta2O5を除去した後、前記真空熱処理炉内温度を更に上昇させて、前記タンタル若しくはタンタル合金表面と前記炭素基板表面を固相拡散結合分子接合する温度条件下で前記タンタル若しくはタンタル合金表面と前記炭素基板表面を固相拡散分子結合することを特徴とするタンタルと炭素結合物の製造方法。

請求項2

タンタル若しくはタンタル合金表面と炭素基板表面とをそれぞれ片面又は両面を重ね合わせた状態で真空熱処理炉内に設置し、前記タンタル若しくはタンタル合金表面に形成されている自然酸化膜であるTa2O5が昇華する条件下で熱処理を行い、前記Ta2O5を除去した後、前記真空熱処理炉内に炭素源を導入して前記真空熱処理炉内温度を更に上昇させて、前記タンタル若しくはタンタル合金表面と前記炭素基板表面を固相拡散結合で分子接合する温度条件下で前記タンタル若しくはタンタル合金表面と前記炭素基板表面を固相拡散分子結合すると同時に前記タンタル若しくはタンタル合金の表面の前記炭素基板を接合しない部分の全部の領域は炭素侵入して形成されたTaCであることを特徴とするタンタルと炭素結合物の製造方法。

請求項3

前記タンタル若しくはタンタル合金は表面の前記Ta2O5を除去した後に前記タンタル若しくはタンタル合金の全部の領域に予め炭素分子浸炭させた状態のものをもちい、炭素基板表面とをそれぞれ片面又は両面を重ね合わせて真空熱処理炉内に設置し、固相拡散結合で分子接合する温度条件下で前記タンタル若しくはタンタル合金表面と前記炭素基板表面を結合するものであって、前記タンタル若しくはタンタル合金の表面に前記炭素基板を接合しない部分の全部の領域は炭素が侵入して形成されたTaCである請求項1または2に記載のタンタルと炭素結合物の製造方法。

請求項4

前記タンタル若しくはタンタル合金表面と前記炭素基板表面の固相拡散結合部分の組成は前記タンタル若しくはタンタル合金表面からTa2C、Ta4C3、TaC、Cの順の傾斜組成構造である請求項1〜3のいずれか1項に記載のタンタルと炭素結合物の製造方法。

請求項5

前記タンタル若しくはタンタル合金の表面に前記炭素基板を接合しない部分の全部の領域に炭素が侵入して形成されたTaCの詳細組成は前記タンタル若しくはタンタル合金表面からTa2C、Ta4C3、TaCの順の傾斜組成構造である請求項1〜3のいずれか1項に記載のタンタルと炭素結合物の製造方法。

請求項6

前記自然酸化膜が除去される際の放射率の変化を放射温度計で測定する熱処理法であることを特徴とする請求項1に記載のタンタルと炭素結合物の製造方法。

請求項7

自然酸化膜であるTa2O5が昇華する条件下での前記熱処理条件が、約1750℃以上、圧力約1Pa以下である請求項1に記載のタンタルと炭素結合物の製造方法。

請求項8

前記タンタル若しくはタンタル合金表面に前記炭素基板表面とをそれぞれ片面又は両面を重ね合わせた状態で真空熱処理炉内に設置し、前記タンタル若しくはタンタル合金表面と前記炭素基板表面を固相拡散結合で分子接合する熱処理条件が、1860℃以上2500℃以下、圧力1Pa以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のタンタルと炭素結合物の製造方法。

請求項9

前記真空熱処理炉内に炭素源を導入して、前記タンタル若しくはタンタル合金表面にタンタルの炭化物を形成する前記熱処理条件が、1860℃以上2500℃以下、圧力1Pa以下である請求項2に記載のタンタルと炭素結合物の製造方法。

請求項10

請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたタンタルと炭素結合物におけるタンタルと炭素の傾斜組成構造であって、前記タンタル若しくはタンタル合金表面と前記炭素基板表面の固相拡散結合部分の組成は前記タンタル若しくはタンタル合金表面からTa2C、Ta4C3、TaC、Cの順であることを特徴とするタンタルと炭素の傾斜組成構造。

請求項11

請求項2または3に記載の製造方法で製造されたタンタルと炭素結合物におけるタンタルと炭素の傾斜組成構造であって、前記タンタル若しくはタンタル合金の表面に前記炭素基板を接合しない部分の全部の領域に炭素が侵入して形成されたTaCの詳細組成は前記タンタル若しくはタンタル合金表面からTa2C、Ta4C3、TaCの順であることを特徴とするタンタルと炭素の傾斜組成構造。

請求項12

タンタル若しくはタンタル合金をチューブ状の形状に加工しチューブの中にPIT方式で炭素粉末圧入し更に前記タンタル若しくはタンタル合金チューブを圧延成形して焼結固形化前の加工性の高い間に全体を所定のコイル形状に加工した後に、真空熱処理炉内に設置し、前記タンタル若しくはタンタル合金表面に形成されている自然酸化膜であるTa2O5が昇華する条件下で熱処理を行い、前記Ta2O5を除去した後、前記真空熱処理炉内に炭素源を導入して前記真空熱処理炉内温度を更に上昇させて、前記タンタル若しくはタンタル合金チューブ内面と前記炭素粉末PITを固相拡散結合で分子接合する温度条件下で前記タンタル若しくはタンタル合金表面と前記PIT方式で圧縮圧接された炭素粉末が高温で焼結固形化しチューブの内表面と固相拡散分子結合すると同時に前記タンタル若しくはタンタル合金チューブの外表面に炭素が侵入して形成されたTaCであることを特徴とするタンタルチューブとPIT炭素芯の製造方法。

請求項13

タンタル若しくはタンタル合金をチューブ状の形状に加工しチューブの中にPIT方式で炭素粉末を圧入し更に前記タンタル若しくはタンタル合金チューブを圧延成形してリボン状に成形して焼結固形化前の加工性の高い間に全体を所定のコイル形状に加工した後に、真空熱処理炉内に設置し、前記タンタル若しくはタンタル合金表面に形成されている自然酸化膜であるTa2O5が昇華する条件下で熱処理を行い、前記Ta2O5を除去した後、前記真空熱処理炉内に炭素源を導入して前記真空熱処理炉内温度を更に上昇させて、前記タンタル若しくはタンタル合金リボン内表面と前記炭素粉末PITを固相拡散結合で分子接合する温度条件下で前記タンタル若しくはタンタル合金リボン内表面と前記PIT方式で圧縮圧接された炭素粉末が高温で焼結固形化しリボンの内表面と固相拡散分子結合すると同時に前記タンタル若しくはタンタル合金リボンの外表面に炭素が侵入して形成されたTaCであることを特徴とするタンタルチューブとPIT炭素芯の製造方法。

請求項14

請求項12または13に記載の製造方法で製造されたタンタルチューブとPIT炭素芯であって、前記タンタルチューブとPIT炭素芯がタンタル炭化物フィラメント若しくはヒータであることを特徴とするタンタルチューブとPIT炭素芯。

請求項15

SiC半導体基板上に真空下で所定の形状にレーザー又は電子線でパターニングして加熱処理する事で炭素リッチ基板表面を作り、タンタル若しくはタンタル合金をその部分にパターニングして、前記パターニングしたタンタル若しくはタンタル合金の表面に形成されている自然酸化膜であるTa2O5が昇華する条件下で熱処理を行い、前記パターニングされたタンタル若しくはタンタル合金の表面から前記Ta2O5を除去した後、炭素源を導入して熱処理を行い、前記パターニングされたタンタル若しくはタンタル合金の表面とSiC基板表面の炭素リッチ部分から炭素を浸入させて形成されたSiC半導体タンタル炭化物配線の製造方法。

請求項16

SiC半導体基板上を真空下で加熱処理する事で炭素リッチなSiC基板表面環境を作り、前記基板表面にタンタル若しくはタンタル合金をパターニングして、表面に形成されている自然酸化膜であるTa2O5が昇華する条件下で熱処理を行い、前記パターニングされたタンタル若しくはタンタル合金の表面から前記Ta2O5を除去した後、炭素源を導入して熱処理を行い、前記パターニングされたタンタル若しくはタンタル合金の表面とSiC基板表面の炭素リッチなSiC表面部分から炭素を浸入させて形成されたSiC半導体のタンタル炭化物配線の製造方法。

請求項17

請求項15または16に記載の製造方法で製造されたタンタル炭化物配線であって、前記タンタル炭化物配線は所定の形状にCVD法又は真空蒸着されたタンタル若しくはタンタル合金の表面の全てに炭素が浸入して形成されたTaCであることを特徴とするタンタル炭化物配線。

技術分野

0001

本発明は、タンタル炭素固相拡散接合を用いたタンタルと炭素結合物の製造方法等に関する。

背景技術

0002

タンタルと炭素の固相拡散接合に付いては今だ研究の報告がないが神戸製鋼ホームページKOBELCOの拡散接合可能な金属としてTa及びTa合金グラファイト接合出来る組み合わせとして認知されていない。図12にKOBELCOホームページより引用した拡散接合可能な金属の組み合わせ可能図を示す。タンタルの炭化物、例えばTaCは、遷移金属炭化物中で一番融点が高く、化学的定性が高く研究の報告がなされている。図13にTaCのフェーズダイアグラムを示す。このようなTaCは、従来から高温雰囲気下における各種用途への応用が模索され、以下のような種々の方法による製造方法が報告されている。従来のTaCを製造する方法の文献例として次のようなものが挙げられる。

0003

例えば、特許文献1には、微粉末のTaC粉末と、HfC,ZrC,HfN等の他の化合物の微粉末を混合し、約1Paの真空中で2000℃で焼結し、TaCとこれら他の化合物の固溶体を形成し、TaCの粒成長を抑制することによって緻密なTaC焼結体を作製する方法が記載されている。

0004

また、特許文献2には、酸化タンタル(Ta2O5)とカーボンを混合し、水素炉で所定の温度で一次炭化を行い、得られた炭化物の遊離カーボンの量を測定し、次いでこの測定結果に基づいてカーボン量を調整して一次炭化物に添加し、次いで真空炭化炉で所定の温度で二次炭化を行いTaCを製造する方法が記載されている。

0005

また、特許文献3には、真空中で金属Taを蒸発させ、同時にC2H2ガスを導入して、両者を反応性イオンプレーティング法により蒸着中圧力/成膜速度を6.0×10-2Pa・min/μm以上で反応させてタングステン製電子放射材料の表面に組成比1<C/Ta<1.2から成る耐熱性に優れ、悪い真空状態でも安定に放射電流が得られ、且つ長寿命TaC膜被覆する方法が記載されている。

0006

また、特許文献4には、レンズプリズム等の高精度のガラス光学素子プレス成形する際に用いられる金型表面に被覆される離型膜として、次の(a)酸化クロムを50〜99モル%と酸化タンタルを1〜50モル%とからなるセラミック材料、(b)窒化クロムを50〜99モル%と窒化タンタルを1〜50モル%とからなるセラミック材料、(c)炭化クロムを50〜99モル%と炭化タンタルを1〜50モル%とからなるセラミック材料から選ばれる一種から構成したものが記載されている。

0007

また、特許文献5には、1000℃を超える高温還元性ガス雰囲気中においても、優れた還元性ガス反応抑制効果を発揮し、製品寿命を大きく延ばすことができる還元性雰囲気炉用炭素複合材料として、金属タンタル及び反応ガスを使用してアークイオンプレーティングAIP)式反応性蒸着法により黒鉛基材の表面に形成される炭化タンタルの皮膜について記載されている。

0008

また、特許文献6には、Taを有する化合物と、炭化水素系の溶媒とを含む導電性Ta系膜形成材料を使用してCVD法によって導電性のTa系膜を形成する方法について記載されている。

0009

また、特許文献7には、黒鉛製ルツボ内壁にTa板を配置する。そして、Ta板と接触するように炭素粉末充填してTa板を覆う。その後、黒鉛製ルツボを加熱してTa板を炭化させ、黒鉛製ルツボの内壁をTaCでコーティングする方法が記載されている。

0010

また、特許文献8には、1300℃〜1600℃に加熱した真空炉内でTaまたはTa合金の表面に、炭素源を与えてTaCとTa2C膜を形成させその後に表面に付着した未反応の炭素原子をTa基材内部に拡散する様に真空中で高温アニール加熱して、炭化処理を行い、TaC形成する方法が記載されている。
特開平6−87656号公報
特開2000−44222号公報
特開平8−64110号公報
特開平7−330351号公報
特開平10−245285号公報
特開2000−265274号公報
特開平11−116399号公報
米国特許第5383981号明細書

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、特許文献1に記載のものは、微粉末のTaC粉末と、HfC,ZrC,HfN等の他の化合物の微粉末を混合し、約1Paの真空中で2000℃で焼結してTaCを作製するため、任意の形状のTaCの形成が困難であるという問題がある。

0012

また、特許文献2に記載のものは、Ta2O5及びCとを混合し、成形後、2度の炭化処理を経てTaCを形成するものであるため、前述の特許文献1のものと同様、所定の形状のTaCを形成することが困難であるという問題を有している。

0013

また、特許文献3に記載のものは、タングステンフィラメント外周面にTaCの被膜を形成するものであり、必然的にタングステン等の基材との界面が形成されるものであるため、TaCのクラック剥離等の発生を避けることが困難である。

0014

また、特許文献4に記載のものは、特許文献3に記載のものと同様、基材表面に被膜として形成されるものであり、特許文献3と同様に、表面に形成される酸化クロムを50〜99モル%と酸化タンタルを1〜50モル%とからなるセラミック材料等のクラック、剥離等を避けることが困難である。

0015

また、特許文献5に記載のものは、基材である黒鉛材の表面にアークイオンプレーティング式反応性蒸着法によってTaCを形成したものであるため、特許文献3及び4に記載のものと同様に、基材とTaCとの界面が明確に形成され、TaCのクラック、剥離等を避けることが困難である。

0016

また、特許文献6に記載のものも、CVD法によって導電性Ta系膜を形成しているため、前述の特許文献3〜5に記載のものと同様に、基材と導電性Ta系膜との界面が形成されるため、熱履歴等によって導電性Ta系膜のクラック、剥離等を避けることが困難である。

0017

また、特許文献7に記載のものは、Taと炭素粉末とを直接接触させて、熱処理することによってTaの表面にTaCを形成したものであり、明細書中には特に記載はないが、TaとTaCとの境界が明確に現れているものと考えられる。このため、熱履歴によってTaC層部分が剥離することが考えられる。

0018

また、特許文献8に記載のものは、その明細書のFIG5A〜FIG5Fに示されているようにTa2C、TaC層の形成後に高温アニールで表面の未反応の炭素原子をTa基板内部に拡散させることによりTa2C層も消滅アニール前の約2倍の厚みのTaCのバルク状結晶に成している。拡大写真の観察でTa基材とTaCの境界が明確に分かれており、このため、その明細書中に記載はないが、繰返し受ける熱応力によって、層間での層間剥離とTaC層のクラツクが発生しやすいものと考えられる。

0019

Ta基板表面の自然酸化膜Ta2O5に1300℃〜1600℃の低い温度で炭素原子を反応させても自然酸化膜Ta2O5が化学的に安定でありTaの炭化速度が低く炭素原子の拡散深さが非常に浅い為真空加熱アニールを数十時間も行って炭素原子を拡散させてTaC膜を成長させても所望の厚みが得られていない。 合わせて長時間の加熱で結晶粒子が大きく成長してバルク状に成り粒界も大きくなつておりTa基材とTaCの境界が明確に分かれてしまい層間での層間剥離とTaC層内のクラツクが発生しやすいものと考えられる。

0020

本発明は上記問題に鑑みてなされ、簡易な方法で、タンタル或いはタンタルの合金の基板炭素基板と固相拡散接合させることが可能であり、また、タンタル或いはタンタルの合金の基板を炭素基板と固相拡散接合させる場所以外のタンタル或いはタンタルの合金の基板表面に均一な厚みのタンタルの炭化物を形成することができるとともに、熱履歴によっても剥離することのない固相拡散接合を行うと同時にタンタル表面にタンタル炭化物を生成出来るタンタルと炭素結合物の製造方法及び、それによるタンタルと炭素の傾斜組成構造タンタルチューブとPIT炭素芯の製造方法、タンタルチューブとPIT炭素芯、タンタル炭化物配線の製造方法、タンタル炭化物配線を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0021

本発明は、上記目的を達成するために以下のような幾つかの特徴を主に有している。本発明において、以下の主な特徴は単独で、若しくは、適宜組合わされて備えられている。

0022

本発明はタンタル若しくはタンタル合金表面と炭素基板表面とをそれぞれ片面又は両面を重ね合わせた状態で真空熱処理炉内に設置し、前記タンタル若しくはタンタル合金表面に形成されている自然酸化膜であるTa2O5が昇華する条件下で熱処理を行い、前記Ta2O5を除去した後、前記真空熱処理炉内温度を更に上昇させて、前記タンタル若しくはタンタル合金表面と前記炭素基板表面を固相拡散結合分子接合する温度条件下で前記タンタル若しくはタンタル合金表面と前記炭素基板表面を固相拡散分子結合することを特徴とするタンタルと炭素結合物の製造方法を提供する。

0023

本発明はタンタル若しくはタンタル合金表面と炭素基板表面とをそれぞれ片面又は両面を重ね合わせた状態で真空熱処理炉内に設置し、前記タンタル若しくはタンタル合金表面に形成されている自然酸化膜であるTa2O5が昇華する条件下で熱処理を行い、前記Ta2O5を除去した後、前記真空熱処理炉内に炭素源を導入して前記真空熱処理炉内温度を更に上昇させて、前記タンタル若しくはタンタル合金表面と前記炭素基板表面を固相拡散結合で分子接合する温度条件下で前記タンタル若しくはタンタル合金表面と前記炭素基板表面を固相拡散分子結合すると同時に前記タンタル若しくはタンタル合金の表面の前記炭素基板を接合しない部分の全部の領域は炭素が侵入して形成されたTaCであることを特徴とするタンタルと炭素結合物の製造方法を提供する。

0024

また、本発明のタンタルと炭素結合物の製造方法では前記タンタル若しくはタンタル合金は表面の前記Ta2O5を除去した後に前記タンタル若しくはタンタル合金の全部の領域に予め炭素分子浸炭させた状態のものをもちい、炭素基板表面とをそれぞれ片面又は両面を重ね合わせて真空熱処理炉内に設置し、固相拡散結合で分子接合する温度条件下で前記タンタル若しくはタンタル合金表面と前記炭素基板表面を結合するものであって、前記タンタル若しくはタンタル合金の表面に前記炭素基板を接合しない部分の全部の領域は炭素が侵入して形成されたTaCであることを特徴とする。

0025

また、本発明のタンタルと炭素結合物の製造方法では前記タンタル若しくはタンタル合金表面と前記炭素基板表面の固相拡散結合部分の組成は前記タンタル若しくはタンタル合金表面からTa2C、Ta4C3、TaC、Cの順の傾斜組成構造であることを特徴とする。

0026

また、本発明のタンタルと炭素結合物の製造方法では前記タンタル若しくはタンタル合金の表面に前記炭素基板を接合しない部分の全部の領域に炭素が侵入して形成されたTaCの詳細組成は前記タンタル若しくはタンタル合金表面からTa2C、Ta4C3、TaCの順の傾斜組成構造であることを特徴とする。

0027

また、本発明のタンタルと炭素結合物の製造方法では前記自然酸化膜が除去される際の放射率の変化を放射温度計で測定する熱処理法であることを特徴とする。

0028

また、本発明のタンタルと炭素結合物の製造方法では自然酸化膜であるTa2O5が昇華する条件下での前記熱処理条件が、約1750℃以上、圧力約1Pa以下であることを特徴とする。

0029

また、本発明のタンタルと炭素結合物の製造方法では前記タンタル若しくはタンタル合金表面に前記炭素基板表面とをそれぞれ片面又は両面を重ね合わせた状態で真空熱処理炉内に設置し、前記タンタル若しくはタンタル合金表面と前記炭素基板表面を固相拡散結合で分子接合する熱処理条件が、1860℃以上2500℃以下、圧力1Pa以下であることを特徴とする。

0030

また、本発明のタンタルと炭素結合物の製造方法では前記真空熱処理炉内に炭素源を導入して、前記タンタル若しくはタンタル合金表面にタンタルの炭化物を形成する前記熱処理条件が、1860℃以上2500℃以下、圧力1Pa以下であることを特徴とする。

0031

本発明は上述した製造方法で製造されたタンタルと炭素結合物におけるタンタルと炭素の傾斜組成構造であって、前記タンタル若しくはタンタル合金表面と前記炭素基板表面の固相拡散結合部分の組成は前記タンタル若しくはタンタル合金表面からTa2C、Ta4C3、TaC、Cの順であることを特徴とするタンタルと炭素の傾斜組成構造を提供する。

0032

本発明は上述した製造方法で製造されたタンタルと炭素結合物におけるタンタルと炭素の傾斜組成構造であって、前記タンタル若しくはタンタル合金の表面に前記炭素基板を接合しない部分の全部の領域に炭素が侵入して形成されたTaCの詳細組成は前記タンタル若しくはタンタル合金表面からTa2C、Ta4C3、TaCの順であることを特徴とするタンタルと炭素の傾斜組成構造を提供する。

0033

本発明はタンタル若しくはタンタル合金をチューブ状の形状に加工しチューブの中にPIT方式で炭素粉末を圧入し更に前記タンタル若しくはタンタル合金チューブを圧延成形して焼結固形化前の加工性の高い間に全体を所定のコイル形状に加工した後に、真空熱処理炉内に設置し、前記タンタル若しくはタンタル合金表面に形成されている自然酸化膜であるTa2O5が昇華する条件下で熱処理を行い、前記Ta2O5を除去した後、前記真空熱処理炉内に炭素源を導入して前記真空熱処理炉内温度を更に上昇させて、前記タンタル若しくはタンタル合金チューブ内面と前記炭素粉末PITを固相拡散結合で分子接合する温度条件下で前記タンタル若しくはタンタル合金表面と前記PIT方式で圧縮圧接された炭素粉末が高温で焼結固形化しチューブの内表面と固相拡散分子結合すると同時に前記タンタル若しくはタンタル合金チューブの外表面に炭素が侵入して形成されたTaCであることを特徴とするタンタルチューブとPIT炭素芯の製造方法を提供する。

0034

本発明はタンタル若しくはタンタル合金をチューブ状の形状に加工しチューブの中にPIT方式で炭素粉末を圧入し更に前記タンタル若しくはタンタル合金チューブを圧延成形してリボン状に成形して焼結固形化前の加工性の高い間に全体を所定のコイル形状に加工した後に、真空熱処理炉内に設置し、前記タンタル若しくはタンタル合金表面に形成されている自然酸化膜であるTa2O5が昇華する条件下で熱処理を行い、前記Ta2O5を除去した後、前記真空熱処理炉内に炭素源を導入して前記真空熱処理炉内温度を更に上昇させて、前記タンタル若しくはタンタル合金リボン内表面と前記炭素粉末PITを固相拡散結合で分子接合する温度条件下で前記タンタル若しくはタンタル合金リボン内表面と前記PIT方式で圧縮圧接された炭素粉末が高温で焼結固形化しリボンの内表面と固相拡散分子結合すると同時に前記タンタル若しくはタンタル合金リボンの外表面に炭素が侵入して形成されたTaCであることを特徴とするタンタルチューブとPIT炭素芯の製造方法を提供する。

0035

本発明は上述の製造方法で製造されたタンタルチューブとPIT炭素芯であって、前記タンタルチューブとPIT炭素芯がタンタル炭化物のフィラメント若しくはヒータであるタンタルチューブとPIT炭素芯を提供する。

0036

本発明はSiC半導体基板上に真空下で所定の形状にレーザー又は電子線でパターニングして加熱処理する事で炭素リッチな基板表面を作り、タンタル若しくはタンタル合金をその部分にパターニングして、前記パターニングしたタンタル若しくはタンタル合金の表面に形成されている自然酸化膜であるTa2O5が昇華する条件下で熱処理を行い、前記パターニングされたタンタル若しくはタンタル合金の表面から前記Ta2O5を除去した後、炭素源を導入して熱処理を行い、前記パターニングされたタンタル若しくはタンタル合金の表面とSiC基板表面の炭素リッチ部分から炭素を浸入させて形成されたSiC半導体のタンタル炭化物配線の製造方法を提供する。

0037

本発明はSiC半導体基板上を真空下で加熱処理する事で炭素リッチなSiC基板表面環境を作り、前記基板表面にタンタル若しくはタンタル合金をパターニングして、表面に形成されている自然酸化膜であるTa2O5が昇華する条件下で熱処理を行い、前記パターニングされたタンタル若しくはタンタル合金の表面から前記Ta2O5を除去した後、炭素源を導入して熱処理を行い、前記パターニングされたタンタル若しくはタンタル合金の表面とSiC基板表面の炭素リッチなSiC表面部分から炭素を浸入させて形成されたSiC半導体のタンタル炭化物配線の製造方法を提供する。

0038

本発明は上述の製造方法で製造されたタンタル炭化物配線であって、前記タンタル炭化物配線は所定の形状にCVD法又は真空蒸着されたタンタル若しくはタンタル合金の表面の全てに炭素が浸入して形成されたTaCであるタンタル炭化物配線を提供する。

発明の効果

0039

本発明のタンタルと炭素結合物の製造方法では、簡易な方法で、所定形状のタンタルと炭素の結合物を形成することができるとともに、タンタルと炭素の結合物のクラック、剥離等の発生がないため、タンタルと炭素の結合物の優位性、例えば、TaCの持つ、優れた高融点、高硬度機械特性電気特性等の性能を確実に発揮することが可能となり、各種用途への応用が容易に行える。

発明を実施するための最良の形態

0040

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係るタンタルと炭素結合物の製造方法に用いられる真空加熱炉概要を示す図である。図1において、符号1は真空加熱炉等の真空熱処理炉、2は真空チャンバー、3は予熱室、4は搬送室、5はタンタル若しくはタンタル合金の基材板、6は予熱ランプ、8は支持台、9は搬送トレイ、10は昇降台、11aは保温防護部材を兼ねた炭素トレイ、11bは保温防護部材、12は熱反射板、13は炭素源注入口、14は真空ポンプ接続口、15は基材5の出入口、16は温度等の測定窓、17は赤外線放射温度計、20は炭素ヒータ、22は搬送室4と真空チャンバー間2をシールするシール部材を示している。

0041

図2は、本実施形態に係る固相拡散接合工程におけるタンタルとグラファイト拡散接合部の接合面積増加過程を示す。拡散接合においては、図2に示すような過程で進むと考えられている。図2(a)は常温で接合面を突き合わせた様子を示している。加熱・加圧によって、接触した突起部が塑性変形クリープ変形機構によって変形し、密着面積が増加する。これと並行して、未密着部(空隙)表面への原子の拡散により接合が進行していく(図2(b))。図2(c)では、拡散の役割がより重要となり、空隙の消失と、一部の接合境界の移動が生じる。さらに接合が進行すると図2(d)に示すように、結晶粒界に取り残された空隙が原子の拡散によって消失する。ただし、これらの各段階は重なり合って進行する。

0042

図3に示すように、高温高真空熱処理炉にグラファイトブロック、もしくはグラファイトシートとTaをセットし、高真空環境下においてアニールすることにより接合を行った実施例を説明する。実験条件としては、2000℃〜2200℃(1×10−5torr)で2〜10時間真空アニールを行った。
I.グラファイトブロック、もしくはグラファイトシートとTaを図3のような配置で高温高真空熱処理炉中の予備加熱炉に設置し、炉内を1×10−5torr程度になるまで真空引きを行なう。
II.予備加熱炉内が真空に引けると、真空中で試料温度が800℃になるまで1時間ほど掛けてゆっくりと加熱を行ない、炉内のガス出しを行なう。
III.サンプルを予備加熱炉から熱処理炉に搬送することにより、800℃から2000℃〜2200℃まで瞬間昇温させ、2〜10時間真空アニールを行う。

0043

図4は前記の工程で行ったグラファイトとタンタルを固相拡散結合させた試料の接合部浸炭層の炭化タンタルの傾斜組成断面拡大写真を示す。Taの表面から炭素が内部に拡散し、表層部に略均一なTaC層が形成され、そのTaC層の内面には、TaとTaCを結合するアンカー層遷移層)としてTa4C3、Ta2C層が現れている。図4の接合部拡大断面図がアンカー層(遷移層)を介して炭素とタンタル金属分子拡散接合している状況が確認出来る。

0044

図5に示すフローチャートは本実施形態に係る浸炭工程を説明しており、真空環境内で炭素蒸気圧を金属Taに直接照射することにより浸炭処理を行い、その後高真空アニールをし、バルク内への炭素原子の拡散を促すことによって炭素濃度の層内均一化を行う。高温真空炭化処理炉に金属Taを挿入し、真空環境下においてカーボンヒーターからの炭素蒸気圧を金属Taに直接照射することにより炭化反応させTaCを合成する。実験条件としては1700℃〜2250℃(1×10−3torr)で2時間浸炭処理を行う。

0045

図6に上記図5の工程中の温度プロファイルを示す。自然酸化膜であるTa2O5が昇華する好ましい熱処理条件は、処理圧力が低ければ、比較的低温で行うことができるが、確実に表面の自然酸化膜を昇華するためには、圧力約1Pa以下において、約1750℃以上2250℃以下の範囲、更に好ましくは、圧力約0.5Pa以下において約1860℃以上2500℃以下の範囲の条件下で熱処理することが好ましい。このような条件で熱処理を行うことによって、表面に形成されている自然酸化膜であるTa2O5が確実に昇華して、除去される。

0046

自然酸化膜であるTa2O5の除去後、前記真空熱処理炉1内に炭素源を導入して、前記タンタル若しくはタンタル合金基材5の表面にタンタルの炭化物を形成する好ましい熱処理条件は、圧力約1Pa以下において約1860℃以上2500℃以下の範囲である。更に好ましくは圧力約0.5Pa以下において約2000℃以上2500℃以下の範囲である。

0047

自然酸化膜であるTa2O5の除去後の熱処理条件において、ヒータに黒鉛製の抵抗加熱ヒータを使用した場合、ヒータからの蒸気が炭素源となり得る。しかしながら、本実施形態に係るタンタルの炭化物製造条件下においては、黒鉛ヒータの消耗も激しくなる為、このように、放射温度計の出力が変化した直後から、別途、炭素源となる炭素材料を基材5とともに加熱処理室内に設置することが好ましい。また、炭素を含むガスを導入することもできる。

0048

図7にはタンタル基板表面に浸炭してTa基板表面にTa2C・Ta4C3・TaCが形成された断面拡大写真を示しておりTaの表面から炭素が内部に拡散し、表層部に略均一なTaC層が形成され、そのTaC層の内面には、TaとTaCを結合するアンカー層(遷移層)としてTa4C3、Ta2C層が現れている。図7のタンタル基板表面の拡大断面図がアンカー層(遷移層)を介して炭化タンタルとタンタル金属が分子接合している状況が確認出来る。

0049

図8にはPIT方式炭素内芯タンタルチューブ製法工程の一例を示す。タンタル金属をチューブ状に加工し、炭素粉末や石油コークス粉体を注入し圧延引き落しドローイングして真円状又はリボン状形状のワイヤーチューブを形成させる。高温真空加熱によりタンタルチューブの表面の酸化皮膜を昇華させて除去した後に炭素源を挿入して高温真空加熱する事で、タンタルチューブの内面は焼結固形化したカーボン内芯と固相拡散接合して浸炭してTaCに改質され、タンタルチューブの外面は炭素源を挿入する事で浸炭してTaCに改質され、タンタルチューブの内外面両面からTaCに改質されて、カーボンを内芯とするTaC被覆カーボンヒーターが得られる。

0050

図9にはPIT方式炭素内芯タンタルチューブ断面図の一例を示す。従来からカーボンヒーターは白熱電球のヒーターに使われた歴史もあり数々の長所がある反面、寿命や強度等の問題があり寿命や強度に非常に安定した特性を持つTaCチューブを被覆したカーボンヒーターの内芯として高純度高温用途加熱ヒーター材等に利用が期待できる。

0051

図10は本発明の実施形態に係るタンタルチューブとPIT炭素芯を製造するフローチャートを示す図である。Taチューブにカーボン粉末を圧入しチューブを圧延加工成形した後にコイル状に成形した後に、Taチューブを高温真空加熱する事でTaチューブ表面酸化膜を昇華させる。更に温度を上げる事で内芯のカーボン粉末を焼結固形化させてTaチューブ内表面と固相拡散結合させてTaCに改質する。Taチューブ外表面は高温真空加熱中に炭素源を挿入して浸炭する事でTaCに改質する。以上の工程で内芯カーボンヒーターをTaCで被覆してシールする工程概念図を示し、比較的加工のしやすいTa若しくはTa合金のPITの段階で所定の形状に加工した後、本実施形態に係るタンタル炭化物の製造方法の条件下で処理すると、所定形状のTaCを形成することができる。このため、フィラメントやヒータの電極としても任意の形状に加工して使用することが可能となる。

0052

図11は、本発明の実施形態に係るタンタル炭化物配線を製造するフローチャートを示す図である。半導体基板表面にレーザー照射等で所定のパターン形状炭化層を形成する上にタンタル若しくはタンタル合金を本実施形態に係るタンタル炭化物の製造方法の条件下で処理すると、所定形状にパターニングされたのTaCを形成することができる。炭化ケイ素(以下、SiCという。)等の半導体基板表面にレーザー照射等で局部加熱して所定のパターン形状の炭化層を形成する。更に半導体基板上に形成された炭化層の上にタンタル若しくはタンタル合金を蒸着等の任意の方法で積み重ねる(Ta金属パターニング工程)。高温真空加熱炉に炭素源を導入して熱処理を行い、前記パターニングされたタンタル若しくはタンタル合金の表面から炭素を浸炭してTaCを形成し、タンタル若しくはタンタル合金とSiC基板の界面からはSiC基板表面の炭化されたSiCがタンタル若しくはタンタル合金と固相拡散接合してタンタル若しくはタンタル合金を背面からTaCに改質させてタンタルの炭化物配線を形成する。

0053

このように本実施形態に係るタンタルの炭化物の製造方法は、1750℃以上2250℃以下の真空中でTa若しくはTa合金基材表面に形成されている自然酸化膜であるTa2O5を昇華させて除去してから真空中に炭素源を導入しTa若しくはTa合金基材表面にTaCとTa4C3及びTa2Cを形成する。

0054

本発明のTa基板表面の自然酸化膜除去及び真空中加熱炉に炭素源を挿入した時の化学変化を以下の化学式で説明する。

0055

因みに、特許文献8に記載の従来製法では1300℃〜1600℃の真空中に炭素源を導入しTaC及びTa2Cを形成させた後に1300℃〜1600℃の真空中で15時間程度の長時間アニールして表面付着した未反応炭素原子を拡散させてTaC層を成長させる。

0056

特許文献8に記載の従来製法の化学変化を以下の化学式で説明される。

0057

そのため、特許文献8に掲載の拡大写真の観察からわかるように、Ta基材とTaCの境界が明確に分かれており、繰返し受ける熱応力によって、層間での層間剥離とTaC層のクラツクが発生しやすいものと考えられる。Ta基板表面の自然酸化膜Ta2O5に1300℃〜1600℃の低い温度で炭素原子を反応させても自然酸化膜Ta2O5が化学的に安定でありTaの炭化速度が低く炭素原子の拡散深さが非常に浅い為真空加熱アニールを数十時間も行って炭素原子を拡散させてTaC膜を成長させても所望の厚みが得られていない。合わせて長時間の加熱で結晶粒子が大きく成長してバルク状に成り粒界も大きくなつておりTa基材とTaCの境界が明確に分かれてしまい層間での層間剥離とTaC層内のクラツクが発生しやすいものと考えられる。

0058

尚、本発明は、上記の好ましい実施形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることができることは理解されよう。

0059

本発明に係るタンタルと炭素結合物の製造方法によると、簡易な方法で、確実にタンタルと炭素結合物を製造することが可能であり、その優れた化学的特性を利用した熱処理用治具はもちろんであるが、照明等のフィラメントやヒータとして用いられる電極や半導体ウエハー上の回路配線等、各種産業用用途への利用可能性を有している。

図面の簡単な説明

0060

本発明の実施形態に係るタンタルと炭素結合物の製造方法に用いられる真空加熱炉の概要図。
本発明の実施形態に係る固相拡散接合工程におけるTaとグラファイトの拡散接合部の接合面積の増加過程を示す概念図。
本発明の実施形態に係るTaとグラファイトを接合させる材料の配置図を示す。
本発明の実施形態に係るグラファイトとタンタルを固相拡散結合させた試料の接合部浸炭層の炭化タンタルの傾斜組成断面拡大写真。
本発明の実施形態に係るタンタルの表面の酸化膜を離脱させた後に炭素源を導入してTa表面に浸炭させて炭化タンタルを作る工程フローチャートの概念図。
本発明の実施形態に係る上記図5の工程の真空加熱温度制御と自然酸化膜の脱離時点を示す真空加熱炉の加熱条件とを示す概念図。
本発明の実施形態に係るタンタル基板表面に浸炭して基板表面にTa2C・Ta4C3・TaCが形成された断面拡大写真。
本発明の実施形態に係るPIT方式炭素内芯タンタルチューブ製法工程の一例を示す概念図。
本発明の実施形態に係るPIT方式炭素内芯タンタルチューブ断面図の一例を示す概念図
本発明の実施形態に係るタンタルの炭化物電極を製造するフローチャートを示す図である。
本発明の実施形態に係るタンタル炭化物配線を製造するフローチャートを示す図である。
KOBELCOホームページより引用した拡散接合可能な金属の組み合わせ可能図。
TaとCのフェーズダイアグラムを示す図。

符号の説明

0061

1真空熱処理炉
2真空チャンバー
3予熱室
4搬送室
5 Ta基材
6予熱ランプ
8支持台
9搬送トレイ
10昇降台
11a炭素トレイ
11b保温防護部材
12熱反射板
13炭素源注入口
14真空ポンプ接続口
15試料出入口
16測定窓
17赤外線放射温度計
20ヒータ
22 シール部材

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社の「 半導体集積回路」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題・解決手段】一対の信号線が配線される半導体集積回路において、それらの信号線の配線形状を簡素化する。出力回路は、所定の差動信号を正側出力端子および負側出力端子から出力する。論理回路には、それぞれの... 詳細

  • 广州克力労保用品有限公司の「 銅表面の研磨と酸化装置」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題】本発明は銅表面の研磨と酸化装置を開示した。【解決手段】ベースを含み、前記ベースの上端面には輸送ブロックが固定的に設置され、前記輸送ブロックの中には挟み輸送装置が設置され、前記挟み輸送装置は銅管... 詳細

  • 株式会社アルバックの「 スパッタリング方法及びスパッタリング装置」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題・解決手段】成膜直後の基板表面に付着する微細なパーティクルの数を可及的に抑制できるスパッタリング方法及びスパッタリング装置を提供する。真空チャンバ1内にカーボン製のターゲットTgと成膜対象物Wf... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ