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技術 有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法

出願人 凸版印刷株式会社
発明者 阿部優子北爪栄一横井肇森川徳子
出願日 2006年9月22日 (14年3ヶ月経過) 出願番号 2006-257010
公開日 2008年4月3日 (12年8ヶ月経過) 公開番号 2008-078447
状態 未査定
技術分野 電場発光光源(EL) エレクトロルミネッセンス光源
主要キーワード 導電性高分子樹脂 絶縁性レジスト 絶縁性隔壁 密閉封止 発光性色素 ガラスキャップ 平版印刷法 発光媒体材料
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課題

湿式法によって形成される有機発光媒体層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光色純度に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法を提供することである。

解決手段

透明電極対向電極の間に少なくとも正孔輸送層有機発光層を含む有機発光媒体層を備え、有機発光媒体層中の少なくとも一層以上は有機発光媒体材料インキ化塗布法又は印刷法により形成される有機エレクトロルミネッセンス素子であって、有機発光媒体層中に発光色度調整層を有し、発光色度調整層が、必要とする発光波長以外の領域に吸収を示す発光色調整材料を含むインキを塗布法又は印刷法により形成されている有機エレクトロルミネッセンス素子。

概要

背景

有機EL素子導電性有機発光媒体層電圧印加することにより、注入された電子正孔再結合させ、この再結合の際に有機発光層を構成する有機発光材料発光させるものである。有機発光層へ電圧を印加すると共に光を外部へ取り出すために、前記有機発光媒体層の両側には第一電極と第二電極を設けて構成される。この素子は透明基板上に、第一電極、有機発光層、第二電極(対向電極)を順次積層して構成され、基板上に形成される第一電極は陽極、有機発光媒体層上に形成される対向電極は陰極として利用されることが通常である。

更に発光効率を増大させるなどの目的から、陽極と有機発光層の間に正孔輸送層正孔注入層、または有機発光層と陰極の間に電子輸送層電子注入層が適宜選択して設けられ、有機EL素子として構成されることが多い。そして有機発光層と正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層をあわせて有機発光媒体層を呼ばれている。

有機発光媒体層の例としては,正孔注入層に銅フタロシアニン、正孔輸送層にN,N’—ジ(1−ナフチル)—N,N’—ジフェニル−1,1’—ビフェニルー4,4’—ジアミン発光体層トリス(8—キノリノールアルミニウムをそれぞれ用いたものが挙げられる。

これら有機発光媒体層を構成し機能する物質発光媒体材料)はいずれも低分子化合物であり、各層は1〜100nm程度の厚みで抵抗加熱方式などの真空蒸着法などによって積層される。このため、低分子材料を用いる有機薄膜EL素子の製造のためには、複数の蒸着を連結した真空蒸着装置を必要とし、生産性が低く製造コストが高いなどの問題点があった。

これに対し、有機発光媒体層として高分子材料を用いた高分子EL素子がある。発光体層としては、ポリスチレンポリメチルメタクリレートポリビニルカルバゾールなどの高分子中に低分子の発光色素を溶解させたものや、ポリフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリアルキルフルオレン誘導体(PAF)等の高分子発光体が用いられる。これら高分子材料は、溶剤に溶解または分散することで塗布法印刷法と言った湿式法により塗布膜を形成することができるため、前述の低分子材料を用いた有機EL素子と比較して、大気圧下での膜形成が可能であり設備コストが安い、という利点がある。

前記湿式法、例えば塗布法としては、スピンコート法バーコート法スリットコート法ディップコート法等があるが、高精細パターニングやRGB3色塗り分けの為には凹版印刷法凸版印刷法平版印刷法スクリーン印刷法等の印刷法による薄膜形成が最も有効であると考えられる。

これら有機EL素子は、有機発光層の材料を変えることにより、RGBの発光色を揃えることが可能であり、フルカラーディスプレイへの応用が検討されている。より高品質
フルカラーディスプレイを得る為には、RGB各発光色色純度を高くする必要があるが、従来の有機EL素子では半値幅の広い発光スペクトルを有する有機材料を用いることが多いため、得られる有機EL素子の色純度も低いものが多い。特に高分子材料を有機発光媒体層に用いる場合には、低分子材料と比較して材料選択の幅が狭く、湿式法を用いて優れた色純度を有する有機EL素子を得ることは難しい。

これらの問題を解決する為に特許文献1では有機発光層中に発光領域を調整する発光領域制御層を設けることで、キャリア再結合領域を制御し、色純度の調整を行うことが提案されている。

しかしながら、有機発光層中に別の層を設ける場合工程が煩雑になり、コスト高になることを免れない。

以下に公知文献を記す。
特開2003−36980号公報

概要

湿式法によって形成される有機発光媒体層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光色純度に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法を提供することである。透明電極と対向電極の間に少なくとも正孔輸送層と有機発光層を含む有機発光媒体層を備え、有機発光媒体層中の少なくとも一層以上は有機発光媒体材料インキ化し塗布法又は印刷法により形成される有機エレクトロルミネッセンス素子であって、有機発光媒体層中に発光色度調整層を有し、発光色度調整層が、必要とする発光波長以外の領域に吸収を示す発光色調整材料を含むインキを塗布法又は印刷法により形成されている有機エレクトロルミネッセンス素子。

目的

そこで本発明の課題は、湿式法によって形成される有機発光媒体層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)において、発光色純度に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

透明電極対向電極の間に少なくとも正孔輸送層有機発光層を含む有機発光媒体層を備え、有機発光媒体層中の少なくとも一層以上は有機発光媒体材料インキ化し、塗布法又は印刷法により層形成された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記有機発光媒体層中に発光色度調整層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項2

前記発光色度調整層は、発光色調整材料を含むインキを塗布法又は印刷法により層形成されていることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項3

前記発光色度調整層は、必要とする発光波長以外の領域に吸収を示すことを特徴とする請求項1、又は2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項4

前記発光色度調整層は、導電性高分子樹脂に発光色調整材料を分散させてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項5

前記導電性高分子樹脂は、その分子量が10000〜500000であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項6

透明電極と対向電極の間に少なくとも正孔輸送層と有機発光層を含む有機発光媒体層を備え、有機発光媒体層中の少なくとも一層以上は有機発光媒体材料をインキ化し、塗布する、又は印刷することにより層形成する前記請求項1乃至4のいずれか1項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記有機エレクトロルミネッセンス素子は、有機発光媒体層のうちのいずれかの層の表面に発光色調整材料を含むインキを塗布する、又は印刷することにより、発光色度調整層を形成すること特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。

請求項7

前記発光色調整材料を含むインキは、溶媒、導電性高分子樹脂、発光色調整材料を混合した塗布液であり、分子量が10000〜500000からなる導電性高分子樹脂に発光色調整材料を分散させて形成することを特徴とする請求項6記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という)の有機発光媒体層の少なくとも一層以上を湿式法によって形成される有機発光媒体層を有する有機EL素子に関し、特に、発光色純度に優れた有機EL素子及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に関する。

背景技術

0002

有機EL素子は導電性の有機発光媒体層に電圧印加することにより、注入された電子正孔再結合させ、この再結合の際に有機発光層を構成する有機発光材料を発光させるものである。有機発光層へ電圧を印加すると共に光を外部へ取り出すために、前記有機発光媒体層の両側には第一電極と第二電極を設けて構成される。この素子は透明基板上に、第一電極、有機発光層、第二電極(対向電極)を順次積層して構成され、基板上に形成される第一電極は陽極、有機発光媒体層上に形成される対向電極は陰極として利用されることが通常である。

0003

更に発光効率を増大させるなどの目的から、陽極と有機発光層の間に正孔輸送層正孔注入層、または有機発光層と陰極の間に電子輸送層電子注入層が適宜選択して設けられ、有機EL素子として構成されることが多い。そして有機発光層と正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層をあわせて有機発光媒体層を呼ばれている。

0004

有機発光媒体層の例としては,正孔注入層に銅フタロシアニン、正孔輸送層にN,N’—ジ(1−ナフチル)—N,N’—ジフェニル−1,1’—ビフェニルー4,4’—ジアミン発光体層トリス(8—キノリノールアルミニウムをそれぞれ用いたものが挙げられる。

0005

これら有機発光媒体層を構成し機能する物質発光媒体材料)はいずれも低分子化合物であり、各層は1〜100nm程度の厚みで抵抗加熱方式などの真空蒸着法などによって積層される。このため、低分子材料を用いる有機薄膜EL素子の製造のためには、複数の蒸着を連結した真空蒸着装置を必要とし、生産性が低く製造コストが高いなどの問題点があった。

0006

これに対し、有機発光媒体層として高分子材料を用いた高分子EL素子がある。発光体層としては、ポリスチレンポリメチルメタクリレートポリビニルカルバゾールなどの高分子中に低分子の発光色素を溶解させたものや、ポリフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリアルキルフルオレン誘導体(PAF)等の高分子発光体が用いられる。これら高分子材料は、溶剤に溶解または分散することで塗布法印刷法と言った湿式法により塗布膜を形成することができるため、前述の低分子材料を用いた有機EL素子と比較して、大気圧下での膜形成が可能であり設備コストが安い、という利点がある。

0007

前記湿式法、例えば塗布法としては、スピンコート法バーコート法スリットコート法ディップコート法等があるが、高精細パターニングやRGB3色塗り分けの為には凹版印刷法凸版印刷法平版印刷法スクリーン印刷法等の印刷法による薄膜形成が最も有効であると考えられる。

0008

これら有機EL素子は、有機発光層の材料を変えることにより、RGBの発光色を揃えることが可能であり、フルカラーディスプレイへの応用が検討されている。より高品質
フルカラーディスプレイを得る為には、RGB各発光色の色純度を高くする必要があるが、従来の有機EL素子では半値幅の広い発光スペクトルを有する有機材料を用いることが多いため、得られる有機EL素子の色純度も低いものが多い。特に高分子材料を有機発光媒体層に用いる場合には、低分子材料と比較して材料選択の幅が狭く、湿式法を用いて優れた色純度を有する有機EL素子を得ることは難しい。

0009

これらの問題を解決する為に特許文献1では有機発光層中に発光領域を調整する発光領域制御層を設けることで、キャリア再結合領域を制御し、色純度の調整を行うことが提案されている。

0010

しかしながら、有機発光層中に別の層を設ける場合工程が煩雑になり、コスト高になることを免れない。

0011

以下に公知文献を記す。
特開2003−36980号公報

発明が解決しようとする課題

0012

そこで本発明の課題は、湿式法によって形成される有機発光媒体層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)において、発光色純度に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0013

本発明の請求項1に係る発明は、透明電極と対向電極の間に少なくとも正孔輸送層と有機発光層を含む有機発光媒体層を備え、有機発光媒体層中の少なくとも一層以上は有機発光媒体材料インキ化し、塗布法又は印刷法により層形成された有機EL素子であって、前記有機発光媒体層中に発光色度調整層を有することを特徴とする有機EL素子である。

0014

本発明の請求項2に係る発明は、前記発光色度調整層は、発光色調整材料を含むインキを塗布法又は印刷法により層形成されていることを特徴とする請求項1記載の有機EL素子である。

0015

本発明の請求項3に係る発明は、前記発光色度調整層は、必要とする発光波長以外の領域に吸収を示すことを特徴とする請求項1、又は2記載の有機EL素子である。

0016

本発明の請求項4に係る発明は、前記発光色度調整層は、導電性高分子樹脂に発光色調整材料を分散させてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の有機EL素子である。

0017

本発明の請求項5に係る発明は、前記導電性高分子樹脂は、その分子量が10000〜500000であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の有機EL素子である。

0018

本発明の請求項6に係る発明は、透明電極と対向電極の間に少なくとも正孔輸送層と有機発光層を含む有機発光媒体層を備え、有機発光媒体層中の少なくとも一層以上は有機発光媒体材料をインキ化し、塗布する、又は印刷することにより層形成する前記請求項1乃至4のいずれか1項記載の有機EL素子の製造方法であって、
前記有機EL素子は、有機発光媒体層のうちのいずれかの層表面に発光色調整材料を含むインキを塗布する、又は印刷することにより、発光色度調整層を形成すること特徴とする
有機EL素子の製造方法である。

0019

本発明の請求項7に係る発明は、前記発光色調整材料を含むインキは、溶媒、導電性高分子樹脂、発光色調整材料を混合した塗布液であり、分子量が10000〜500000からなる導電性高分子樹脂に発光色調整材料を分散させて形成することを特徴とする請求項6記載の有機EL素子の製造方法である。

発明の効果

0020

本発明の有機EL素子およびその製造方法によれば、有機発光媒体層中に発光色調整層を有することから、より色純度に優れた有機EL素子を得ることができる。また、本発明の有機EL素子の製造方法によれば、発光色調整層を湿式法によって塗布膜を形成することにより、簡便に有機EL素子の色純度を向上させることができる。

発明を実施するための最良の形態

0021

本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)およびその製造方法を一実施形態に基づいて以下説明する。

0022

図1は、本発明の実施の形態における有機EL素子の構造例を示す側断面図である。図示の様に、この有機EL素子は、透光性基板101の上に透明電極102を設け、その上部を正孔輸送層103a、発光色調整層103b、有機発光媒体層103cからなる有機発光媒体層103と、対向電極104を配置したものである。

0023

本発明における透光性基板101(図1)としては、透光性があり、ある程度の強度がある基材なら制限はないが、具体的にはガラス基板プラスチック製のフィルムまたはシートを用いることができる。0.2〜1mmの薄いガラス基板を用いれば、バリア性が非常に高い薄型の有機EL素子を作製することができる。

0024

透明導電層102としては、透明または半透明の電極を形成することのできる導電性物質なら特に制限はない。具体的にはインジウムと錫の複合酸化物(以下ITOという)を好ましく用いることができる。前記透光性基板101上に蒸着またはスパッタリング法により成膜することができる。また、オクチル酸インジウムやアセトンインジウムなどの前駆体を基材上に塗布後、熱分解により酸化物を形成する塗布熱分解法等により形成することもできる。あるいは、アルミニウム、金、銀等の金属が半透明状に蒸着されたものを用いることができる。あるいはポリアニリン等の有機半導体も用いることができる。

0025

上記、透明導電層102は、必要に応じてエッチングによりパターニングを行ったり、UV処理プラズマ処理などにより表面の活性化を行ってもよい。

0026

マトリクス表示可能なディスプレイとして有機EL素子を製造する際には、透明導電層をストライプ状に形成し、有機発光媒体層を挟んで形成される対向電極を透明電極と直交するストライプ状に形成することで、各交点が発光する方式のパッシブマトリクス表示とすることができる。また、基板101に各画素に対応する薄膜トランジスタを形成し、これと導通するように各画素に対応する対向電極を各々設けアクティブマトリクス表示とすることもできる。

0027

透明導電層102をエッチングによりパターン状に形成した場合、透明電極パターン端部の凹凸が大きく、上方に積層する有機発光媒体層では覆い切れない場合、透明電極と対向電極間短絡が発生することが懸念される。そのため透明電極の端部は絶縁性樹脂などで被覆することが好ましい。透明電極端部の被覆には、例えばポリイミドアクリルポリウレタンなどの樹脂の組成物感光性を持たせ、これを塗布、マスク露光現像する
ことで行うことが出来る。

0028

また、透明電極の端部を覆おう絶縁性の樹脂(絶縁性隔壁105とする)の高さを一定以上、例えば0.5μm以上1.5μm以下とすると、隣接する透明電極パターン同士に形成される有機発光媒体層が異なる場合に、画素同士の混色を防ぐ役割を果たす。

0029

有機発光媒体層103は、有機発光層と発光色調整層からなる2層構造に限らず、図1へ示すような正孔輸送層103aと発光色調整層103bおよび有機発光層103cからなる3層構造であっても良い。また、必要に応じてこれらに更に電子輸送層や絶縁層を設けた多層構造であってもよい。これら有機発光媒体層103の少なくとも一層を湿式法により形成する。

0030

正孔輸送層103aに用いる正孔輸送材料としては、一般に正孔輸送材料として用いられているものであれば良く、銅フタロシアニンやその誘導体、1,1—ビス(4—ジ—p—トリルアミノフェニルシクロヘキサン、N,N’—ジフェニル—N,N’—ビス(3—メチルフェニル)—1,1’—ビフェニルー4,4’—ジアミン、N,N’—ジ(1—ナフチル)—N,N’—ジフェニルー1,1’—ビフェニルー4,4’—ジアミン等の芳香族アミン系などの低分子も用いることができるが、中でもポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4—エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物等の有機材料が、湿式法による膜形成が可能でありより好ましい。

0031

これら正孔輸送材料は、トルエンキシレン、アセトン、メチルエチルケトンメチルイソブチルケトンシクロヘキサノンメタノールエタノールイソプロピルアルコール酢酸エチル酢酸ブチル、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて正孔輸送塗布液とし、湿式法により膜形成が出来る。

0032

有機発光層103cに用いる発光体としては、一般に有機発光材料として用いられているものであれば良く、クマリン系ペリレン系、ピラン系、アンロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’—ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’—ジアリール置換ピロロピロール系等の発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に溶解させたものや、PPV系やPAF系、ポリパラフェニレン系等の高分子発光体を用いることができる。

0033

これら有機発光層は、トルエン、キシレン、アセトン、アニソールメチルアニソールジメチルアニソール、メシチレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて有機発光塗布液とし、湿式法により膜形成ができる。特にトルエン、キシレン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、安息香酸エチル安息香酸メチル、メシチレン等の芳香族系溶媒高分子発光材料溶解性が良く、また大気圧中での沸点が180℃以下であることから扱いも容易であり、有機発光媒体層成膜後の溶媒除去の点で好ましい。

0034

また有機発光媒体層を形成する塗布液は必要に応じて、界面活性剤酸化防止剤紫外線吸収剤粘度調整剤等を添加しても良い。

0035

本発明によれば、前記有機発光媒体層103中に発光色調整層103bを設けることにより、必要とする波長領域の発光のみを得ることが出来るため、有機EL素子の色純度を向上させることが出来る。この発光色調整層103bには、特定の波長領域に吸収を示す発光色調整材料を用いることで、上記の効果、すなわち必要とする波長領域の発光のみが
得られる。

0036

発光色調整層103bに用いる材料としては、溶媒と、導電性高分子樹脂と、特定領域に吸収を示す発光色調整材料を混合し、分散させた塗布液である。

0037

前記溶媒に用いる材料は、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等であり、単独または混合材料として用いる。

0038

前記導電性高分子は、分子量が10000〜500000高分子樹脂から選択する。分子量が小さすぎる場合、塗布成膜後に結晶化し、ショートや非発光の原因となり、電流が流れにくくなる、また、大きすぎる場合には、溶解性が下がりインキ化しにくくなる。この導電性高分子としては、特にポリアセチレン系、ポリパラフェニレン系、ポリチオフェン系ポリピロール系、ポリフェニレンビニレン系、ポリカルバゾール系等の導電性高分子から選択する。

0039

前記発光色調整材料は、所望の波長領域に吸収を示し、且つ正孔や電子などのキャリアの輸送を妨げないことが必要とされる。この発光色調整層に用いる材料としては、シアニンアントラキノン系、ぺリレン系、フタロシアニン系、フルオレノン系等の特定領域に吸収を示す発光色調整材料を分散させたものが、EL発光特性を妨げることなく発光色が調整可能である。

0040

発光色調整層の形成に用いる塗布液としては、特にポリアセチレン系、ポリカルバゾール系、ポリパラフェニレン系、ポリチオフェン系、ポリピロール系、ポリフェニレンビニレン系等の導電性高分子に、シアニン系アントラキノン系、ぺリレン系、フタロシアニン系、フルオレノン系等の特定領域に吸収を示す物質を分散させるために、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させており、発光色調整層の塗布液を用いて、印刷法により発光色調整層の膜形成する。また、導電性高分子化合物に光や熱で架橋する基を導入することで、他の層を積層する際に、界面からの発光色調整材料の溶出を防ぐことが可能である。

0041

図1に示す様に、発光色調整層は、正孔輸送層103aと有機発光層103cの間に設ける場合に限らず、有機発光層中であれば何れの箇所に挿入しても良い。また、発光色調整層は1層に限らず、異なる吸収領域を有する層を積層することで複数の波長領域の吸収を得ることも可能である。

0042

次に対向電極104としてMg,Al,Yb等の金属単体又は、有機発光媒体層と接する界面にLiやLiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性や導電性の高いAl、Cu等を積層して用いる。または、電子注入効率と安定性を両立させる為の、仕事関数の低い金属と安定な金属との合金、例えばMgAg,AlLi,CuLi等の合金が使用できる。必要に応じて、陰極の形成方法は、抵抗加熱蒸着法電子ビーム法、スパッタリング法を用いることが出来る。陰極の層厚さは、10〜100nm程度が望ましい。

0043

そして、有機EL素子の積層体は、外界酸素や水分から保護する為の、例えばガラスキャップ接着剤を用いて密閉封止する封止工程を経て、有機EL素子を得ることが出来る。また、透光性基板が可とう性を有する場合には、可とう性フィルムを用いた封止材料を用いて密閉することが出来る。

0044

以下、本発明における有機EL素子の実施例1〜2を挙げるが、本発明は下記実施例に何ら制限されるものではない。実施例では、パッシブマトリクス型の有機EL素子を示したが、アクティブマトリクス型の有機EL素子であっても構わない。パッシブマトリクス方式とは、ストライプ状の電極を直交させるよう画素ごとにトランジスタを形成した、いわゆる薄膜トランジスタ(TFT)基板を用いることにより、画素ごとに独立して発光する方式である。

0045

実施例1、2における有機EL素子の説明図を図2に示した。

0046

図2へ示す様に、厚さ0.7mm、100mm四方のガラス基板を透光性基板201とし、800μピッチ(L/S=700/100)のITOラインを透明電極202として設けた。その後、ITO端カバーする様に絶縁性レジストフォトリソ法でパターニングし、絶縁性隔壁205を設けた。

0047

続いて、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸(以下PEDOT/PSS)の1wt%水分散液を正孔輸送層用塗布液としてスリットコート法により厚さ70nmに塗布し、正孔輸送層203aを得た。

0048

続いて、ポリビニルカルバゾールに585nm,628nmに吸収を有するアントラキノン系材料を48:2で分散させ、1wt%ジクロロエタン分散液を発光色度調整層用途布液としてスリットコート法により厚さ10nmに塗布し、発光色度調整層203bを得た。

0049

続いて有機発光層用途布液として有機発光材料であるポリフルオレン系系青色高分子材料1Vol%、トルエン84Vol%、アニソール15Vol%を用い凸版印刷法により印刷、乾燥し有機発光層203cを得た。

0050

次いで、陰極層204として、MgAgを2元蒸着法により150nmの厚みでパターン形成し、最後にガラスキャップと接着剤を用いて密閉封止し、パッシブマトリクス型の有機EL素子を作製した。

0051

実施例1で得られた有機EL素子の発光スペクトルは463nmにピークを有し、CIE色度座標系における色度はx=0.13,y=0.17であった。

0052

図2へ示す様に、厚さ0.7mm、100mm四方のガラス基板を透光性基板201とし、800μピッチ(L/S=700/100)のITOラインを透明電極202として設けた。その後、ITO端をカバーする様に絶縁性レジストをフォトリソ法でパターニングし、絶縁性隔壁205を設けた。

0053

続いてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸(以下PEDOT/PSS)の1wt%水分散液を正孔輸送層用塗布液としてスリットコート法により厚さ70nmに塗布し、正孔輸送層203aを得た。

0054

続いて、ポリビニルカルバゾールに640nmに吸収を有するアントラキノン系材料を49:1で分散させ、1wt%ジクロロエタン分散液を発光色度調整層用途布液としてスリットコート法により厚さ10nmに塗布し、発光色度調整層203bを得た。

0055

続いて、有機発光層用途布液として有機発光材料であるポリスピロ系系緑色高分子材料
1Vol%、キシレン84Vol%、アニソール15Vol%を用い凸版印刷法により印刷、乾燥し有機発光層203cを得た。

0056

次いで、陰極層204として、MgAgを2元蒸着法により150nmの厚みでパターン形成し、最後にガラスキャップと接着剤を用いて密閉封止し、パッシブマトリクス型の有機EL素子を作製した。

0057

実施例2で得られた有機EL素子の発光スペクトルは501nmにピークを有し、CIE色度座標系における色度はx=0.22,y=0.62であった。

0058

次いで、本発明における比較例1〜2として、実施例3〜4を実施した、以下に比較例としての実施例3〜4を説明する。

0059

実施例3(比較例1)においては、発光色度調整層を設けないこと以外は実施例1と同様の条件で有機EL素子を作製した。この条件で得られた有機EL素子の発光スペクトルは465nmにピークを有し、CIE色度座標系における色度はx=0.15,y=0.18であった。

0060

実施例4(比較例2)においては、発光色度調整層を設けないこと以外は実施例2と同様の条件で有機EL素子を作製した。この条件で得られた有機EL素子の発光スペクトルは503nmにピークを有し、CIE色度座標系における色度はx=0.25,y=0.60であった。

0061

従って本発明の実施例1〜2、比較例の実施例3〜4の結果の比較により、本発明の実施例1〜2では、発光色度の改善が可能である。

図面の簡単な説明

0062

本発明の実施の形態における有機EL素子の構造を示す断面図である
本発明の実施例の有機EL素子の構造を示す側断面図である。

符号の説明

0063

101…透光性基板
102…透明電極
103…有機発光媒体層
103a…正孔輸送層
103b…発光色調整層
103c…有機発光層
104…対向電極
105…絶縁性隔壁
201…透光性基板
202…透明電極
203…有機発光媒体層
203a…正孔輸送層
203b…発光色調整層
203c…有機発光層
204…陰(電)極
205…絶縁性隔壁

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