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技術 形状変動監視方法および形状変動監視システム

出願人 大成建設株式会社
発明者 近藤高弘宮崎裕道
出願日 2006年9月19日 (14年3ヶ月経過) 出願番号 2006-252127
公開日 2008年4月3日 (12年8ヶ月経過) 公開番号 2008-076058
状態 特許登録済
技術分野 光学的手段による測長装置 機関車 測量一般 鉄道車両の補助装置 軌道敷設、保線機械
主要キーワード 設置手間 保線区 図方向 所定角度ピッチ 離反距離 道路面下 変位図 平面処理
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年4月3日)のものです。
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図面 (6)

課題

監視対象部に非接触で測定でき、高速で且つ精度の高い測定を行うことができる形状変動監視方法および形状変動監視ステムを提供する。

解決手段

形状変動が起こり得る監視対象部10の形状を測定し、監視対象部10の変動を監視する形状変動監視方法であって、監視対象部10の範囲外に基準ポイント20を設け、三次元レーザスキャナ30を用いて監視対象部10と基準ポイント20を含む範囲を、基準ポイント20を基に決定される同一の測定条件で、所定時間ごとに測定し、三次元レーザスキャナ30で同一の測定条件で測定された測定点を比較して、監視対象部10の変動を監視する。

概要

背景

形状変動が起こり得る監視対象部は、例えば、土工事現場直上の鉄道軌道道路などがある。近年、鉄道軌道直下での土工事(例えば、JES(Jointed Element Structure)工法で行うアンダーパス工事など)を行う場合、掘削施工時に列車通過直後から次の列車通過までの間に施工範囲の鉄道軌道計測重点計測)を義務付ける旨の軌道計測指針鉄道会社から示されている。この重点計測は、3分以内に施工範囲である重点エリア測定点を測定し、列車通過に影響のある沈下異常かどうかを判断する(鉄道軌道を監視する)必要がある。

この重点計測を行うために、従来、自動追尾式トータルステーション(TS)を用いた測定が行われていた。しかしながら、前記TSで測定すると、測定点1点当たりで15〜20秒を要していたので、測定点が多数あると3分以内に測定が完了しない場合がある。この場合、測定点を少なくすると、3分以内に測定は完了するが、それでは、測定点の不足によって品質が低下してしまう。そこで、複数のロッド接合部で互いに傾動可能に接合して鉄道軌道に沿わして配置し、ロッド同士の接合部のジョイント角度を測定することで、ロッドジョイント部の相対変位量を測定する装置が提案されていた。

なお、その他の形状変動監視方法としては、例えば、特許文献1に示すようなものもあった。特許文献1には、鉄道軌道を監視するシステムであって、レーザ光を鉄道軌道に照射することでその変位量を検出する変位検出手段を、鉄道軌道に沿って複数設け、この変位検出手段の変位情報保線区管理所に送信する現場側通信手段と、保線区管理所内に設けられ現場側通信手段からの変位情報を受信する管理側通信手段と、保線区管理所内に設けられ管理側通信手段によって受信された変位情報に基づいて鉄道軌道の異常変位を監視する監視手段とをさらに設けたシステムが示されている。このシステムによれば、労力を要することなく、連続して高精度に鉄道軌道の変位を監視できる。
特開2002−46605号公報

概要

監視対象部に非接触で測定でき、高速で且つ精度の高い測定を行うことができる形状変動監視方法および形状変動監視システムを提供する。形状変動が起こり得る監視対象部10の形状を測定し、監視対象部10の変動を監視する形状変動監視方法であって、監視対象部10の範囲外に基準ポイント20を設け、三次元レーザスキャナ30を用いて監視対象部10と基準ポイント20を含む範囲を、基準ポイント20を基に決定される同一の測定条件で、所定時間ごとに測定し、三次元レーザスキャナ30で同一の測定条件で測定された測定点を比較して、監視対象部10の変動を監視する。

目的

そこで、本発明は前記の問題を解決すべく案出されたものであって、監視対象部に非接触で測定でき、高速で且つ精度の高い測定を行うことができる形状変動監視方法および形状変動監視システムを提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

形状変動が起こり得る監視対象部の形状を測定し、前記監視対象部の変動を監視する形状変動監視方法であって、前記監視対象部の範囲外に基準ポイントを設け、三次元レーザスキャナを用いて、前記監視対象部と前記基準ポイントを含む範囲を、前記基準ポイントを基に決定される同一の測定条件で、所定時間ごとに測定し、前記三次元レーザスキャナで同一の測定条件で測定された測定点同士を比較して、前記監視対象部の変動を監視することを特徴とする形状変動監視方法。

請求項2

前記基準ポイントは、箱状のマーカーブロックにて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の形状変動監視方法。

請求項3

前記監視対象部は、鉄道軌道上に設けられ、前記三次元レーザスキャナで同一の測定条件で測定された測定点を基に、前記鉄道軌道上の枕木平面部を比較して、前記監視対象部の変動を監視することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の形状変動監視方法。

請求項4

前記枕木の平面部の比較は、前記三次元レーザスキャナで同一の測定条件で測定された測定点を基に近似する平面方程式を算出して行うことを特徴とする請求項3に記載の形状変動監視方法。

請求項5

前記監視対象部は、鉄道軌道上に設けられ、前記基準ポイントは、前記鉄道軌道の延長方向に所定の間隔をあけて設けられ、前記三次元レーザスキャナによって測定された座標データを基に前記鉄道軌道の縦断図を所定時間ごとに作成し、これらの縦断図を比較して前記監視対象部の変動を監視することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の形状変動監視方法。

請求項6

前記監視対象部は、鉄道軌道上に設けられ、前記基準ポイントは、前記鉄道軌道の幅方向に所定の間隔をあけて設けられ、前記三次元レーザスキャナによって測定された座標データを基に前記鉄道軌道の横断図を所定時間ごとに作成し、これらの横断図を比較して前記監視対象部の変動を監視することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の形状変動監視方法。

請求項7

形状変動が起こり得る監視対象部の範囲外に設けられた基準ポイントと、前記監視対象部の形状を、前記基準ポイントを基に互いに対応付けられる同一の測定条件で所定時間ごとに測定する三次元レーザスキャナと、前記三次元レーザスキャナで所定時間ごとに測定された座標データの前記基準ポイント同士を照合させて、各座標データを重ね合わせた変位図を作成する画像処理手段と、を備えたことを特徴とする形状変動監視システム

請求項8

前記監視対象部は、鉄道軌道上に設けられ、前記基準ポイントは、前記鉄道軌道の延長方向に所定の間隔をあけて設けられ、前記画像処理手段は、前記三次元レーザスキャナによって測定された座標データを基に前記鉄道軌道直上の縦断図を所定時間ごとに作成することを特徴とする請求項7に記載の形状変動監視システム。

請求項9

前記監視対象部は、鉄道軌道上に設けられ、前記基準ポイントは、前記鉄道軌道の幅方向に所定の間隔をあけて設けられ、前記画像処理手段は、前記三次元レーザスキャナによって測定された座標データを基に前記鉄道軌道直上の横断図を所定時間ごとに作成することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の形状変動監視システム。

技術分野

0001

本発明は、形状変動が起こり得る監視対象部の形状を測定し、前記監視対象部の変動を監視するための形状変動監視方法および形状変動監視システムに関する。

背景技術

0002

形状変動が起こり得る監視対象部は、例えば、土工事現場直上の鉄道軌道道路などがある。近年、鉄道軌道直下での土工事(例えば、JES(Jointed Element Structure)工法で行うアンダーパス工事など)を行う場合、掘削施工時に列車通過直後から次の列車通過までの間に施工範囲の鉄道軌道計測重点計測)を義務付ける旨の軌道計測指針鉄道会社から示されている。この重点計測は、3分以内に施工範囲である重点エリア測定点を測定し、列車通過に影響のある沈下異常かどうかを判断する(鉄道軌道を監視する)必要がある。

0003

この重点計測を行うために、従来、自動追尾式トータルステーション(TS)を用いた測定が行われていた。しかしながら、前記TSで測定すると、測定点1点当たりで15〜20秒を要していたので、測定点が多数あると3分以内に測定が完了しない場合がある。この場合、測定点を少なくすると、3分以内に測定は完了するが、それでは、測定点の不足によって品質が低下してしまう。そこで、複数のロッド接合部で互いに傾動可能に接合して鉄道軌道に沿わして配置し、ロッド同士の接合部のジョイント角度を測定することで、ロッドジョイント部の相対変位量を測定する装置が提案されていた。

0004

なお、その他の形状変動監視方法としては、例えば、特許文献1に示すようなものもあった。特許文献1には、鉄道軌道を監視するシステムであって、レーザ光を鉄道軌道に照射することでその変位量を検出する変位検出手段を、鉄道軌道に沿って複数設け、この変位検出手段の変位情報保線区管理所に送信する現場側通信手段と、保線区管理所内に設けられ現場側通信手段からの変位情報を受信する管理側通信手段と、保線区管理所内に設けられ管理側通信手段によって受信された変位情報に基づいて鉄道軌道の異常変位を監視する監視手段とをさらに設けたシステムが示されている。このシステムによれば、労力を要することなく、連続して高精度に鉄道軌道の変位を監視できる。
特開2002−46605号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、前記ロッドジョイント式の方法では、複数ジョイントされたロッドを、鉄道軌道に沿わして設けられたガイドパイプ配線しなければならず、その設置に非常に多くの作業手間を要するといった問題があった。また、鉄道軌道を整備する際には、ガイドパイプを一旦、取り外して再び設置しなければならない。

0006

また、特許文献1の鉄道軌道変位監視システムでは、レーザ光を鉄道軌道に照射する変位検出手段を鉄道軌道に沿って複数設けているので、その設置に非常に多くの手間を要する。

0007

そこで、本発明は前記の問題を解決すべく案出されたものであって、監視対象部に非接触で測定でき、高速で且つ精度の高い測定を行うことができる形状変動監視方法および形状変動監視システムを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、形状変動が起こり得る監視対象部の形状を測定し、前記監視対象部の変動を監視する形状変動監視方法であって、前記監視対象部の範囲外に基準ポイントを設け、前記三次元レーザスキャナを用いて、前記監視対象部と前記基準ポイントを含む範囲を、前記基準ポイントを基に決定される同一の測定条件で、所定時間ごとに測定し、前記三次元レーザスキャナで同一の測定条件で測定された測定点同士を比較して、前記監視対象部の変動を監視することを特徴とする形状変動監視方法である。

0009

本発明において、基準ポイントを基に決定される同一の測定条件とは、基準ポイントを原点として、この原点から所定ピッチで、三次元レーザスキャナのレーザ光の照射角度を変えていくことをいう。したがって、原点から数えて所定順番目の測定点ごとに、三次元レーザスキャナのレーザ光の傾斜角度確定される。

0010

前記のような方法によれば、広い範囲を計測できる三次元レーザスキャナを形状変動監視に用いることで、測定基材設置手間が少なく監視対象部に非接触で且つ高速な測定を行うことができる。また、監視対象部の範囲外に基準ポイントを設けたことで、基準ポイントを基に決定される同一の測定条件で監視対象部を測定できるので、測定位置の対象点を確定できるとともに、測定ごとに測定点を忠実再現することができる。三次元レーザスキャナは、対象を多数の点(点群データ)として測定して立体的に表示する装置であるので、単に鉄道軌道(監視対象部)を測定するだけでは、測定位置の対象点を確定できず、測定点の再現性に問題があり、このように、測定の度に測定点が相違すると、監視対象部が変動していない場合でも測定値が変動してしまい、監視対象部の実際の変動を正確に把握することができない問題があったが、この問題を解決することができるので、非常に有意義である。すなわち、同一条件の測定によって忠実に再現された測定点で監視対象部の測定を行うことができ、三次元レーザスキャナによる測定データ同士を、同一の測定面で比較することができるので、短時間で精度の高い測定を行え、正確な監視対象部の変動監視を行うことができる。また、三次元レーザスキャナは、広い範囲の監視対象部を測定することができるので、特許文献1の鉄道軌道変位監視システムと比較して、測定機器個数が少なく、設置の手間を大幅に低減できる。さらに、本発明では、監視対象部の範囲外に基準ポイントを設けるが、部分的に設置するだけで済み鉄道軌道に沿わせる必要はないので、従来のロッドジョイント式のガイドパイプと比較して部品点数は非常に少なく、施工手間を大幅に低減できる。

0011

請求項2に係る発明は、前記基準ポイントは、箱状のマーカーブロックにて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の形状変動監視方法である。

0012

このような方法によれば、基準ポイントの認識が容易になるとともに、監視対象部への設置固定も容易に行うことができる。

0013

請求項3に係る発明は、前記監視対象部が、鉄道軌道上に設けられ、前記三次元レーザスキャナで同一の測定条件で測定された測定点を基に、前記鉄道軌道上の枕木平面部を比較して、前記監視対象部の変動を監視することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の形状変動監視方法である。

0014

このような方法によれば、砂利で構成されていることが多い鉄道軌道の道床等では、その形状が不安定であるので、変動の監視が困難であるが、枕木の平面部を比較することで、正確に監視対象部の変動を監視することができる。

0015

請求項4に係る発明は、前記枕木の平面部の比較は、前記三次元レーザスキャナで同一の測定条件で測定された測定点を基に近似する平面方程式を算出して行うことを特徴とする請求項3に記載の形状変動監視方法である。

0016

このような方法によれば、三次元レーザスキャナで監視対象部を測定すると、測定誤差があるが、近似する平面方程式を算出することで、測定誤差を最小にして、監視対象部の変動監視の精度を向上させることができる。

0017

請求項5に係る発明は、前記監視対象部は、鉄道軌道上に設けられ、前記基準ポイントは、前記鉄道軌道の延長方向に所定の間隔をあけて設けられ、前記三次元レーザスキャナによって測定された座標データを基に前記鉄道軌道の縦断図を所定時間ごとに作成し、これらの縦断図を比較して前記監視対象部の変動を監視することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の形状変動監視方法である。

0018

このような方法によれば、鉄道軌道における縦断面を重ね合わせて時系列変化を確認することができ、縦断面方向において変動を細かく監視することができる。また、基準ポイントを、鉄道軌道の延長方向に所定の間隔をあけて設けたことによって、基準ポイント同士を繋ぐだけで、縦断図の断面方向を容易に決定できる。

0019

請求項6に係る発明は、前記監視対象部は、鉄道軌道上に設けられ、前記基準ポイントは、前記鉄道軌道の幅方向に所定の間隔をあけて設けられ、前記三次元レーザスキャナによって測定された座標データを基に前記鉄道軌道の横断図を所定時間ごとに作成し、これらの横断図を比較して前記監視対象部の変動を監視することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の形状変動監視方法である。

0020

このような方法によれば、鉄道軌道における横断面を重ね合わせて時系列変化を確認することができ、横断面方向において変動を細かく監視することができる。また、基準ポイントを、鉄道軌道の幅方向に所定の間隔をあけて設けたことによって、基準ポイント同士を繋ぐだけで、横断図の断面方向を容易に決定できる。

0021

請求項7に係る発明は、形状変動が起こり得る監視対象部の範囲外に設けられた基準ポイントと、前記監視対象部の形状を、前記基準ポイントを基に互いに対応付けられる同一の測定条件で所定時間ごとに測定する三次元レーザスキャナと、前記三次元レーザスキャナで所定時間ごとに測定された座標データの前記基準ポイント同士を照合させて、各座標データを重ね合わせた変位図を作成する画像処理手段と、を備えたことを特徴とする形状変動監視システムである。

0022

このような構成によれば、請求項1に係る発明と同様に監視対象部に非接触で且つ高速でさらに精度の高い測定を行うことができる。

0023

請求項8に係る発明は、前記監視対象部は、鉄道軌道上に設けられ、前記基準ポイントは、前記鉄道軌道の延長方向に所定の間隔をあけて設けられ、前記画像処理手段は、前記三次元レーザスキャナによって測定された座標データを基に前記鉄道軌道直上の縦断図を所定時間ごとに作成することを特徴とする請求項7に記載の形状変動監視システムである。

0024

このような構成によれば、鉄道軌道において、縦断図を重ね合わせて時系列変化を確認することができ、縦断図方向において変動を細かく監視することができる。

0025

請求項9に係る発明は、前記監視対象部は、鉄道軌道上に設けられ、前記基準ポイントは、前記鉄道軌道の幅方向に所定の間隔をあけて設けられ、前記画像処理手段は、前記三次元レーザスキャナによって測定された座標データを基に前記鉄道軌道直上の横断図を所定時間ごとに作成することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の形状変動監視システムである。

0026

このような構成によれば、鉄道軌道において、横断図を重ね合わせて時系列変化を確認することができ、横断図方向において変動を細かく監視することができる。

発明の効果

0027

本発明によれば、監視対象部に非接触で測定でき、高速で且つ精度の高い測定を行うことができるといった優れた効果を発揮する。

発明を実施するための最良の形態

0028

次に、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。

0029

図1は本発明に係る形状変動監視方法および形状変動監視システムを実施するための最良の実施の形態を示した全体斜視図、図2は鉄道軌道における縦断図およびその変位図、図3は鉄道軌道における横断図およびその変位図である。なお、本実施の形態では、監視対象部が鉄道軌道であって、その鉄道軌道直下で土工事が行われる場合の形状変動監視方法を例に挙げて説明する。

0030

まず、本実施の形態に係る形状変動監視方法を実施するために用いられる形状変動監視システムについて説明する。

0031

図1に示すように、かかる形状変動監視システム1は、形状変動が起こり得る監視対象部10の範囲外に設けられた基準ポイント20と、監視対象部10の形状を、基準ポイント20を基に決定される同一の測定条件で所定時間ごとに測定する三次元レーザスキャナ30と、三次元レーザスキャナ30で所定時間ごとに測定された座標データの基準ポイント20同士を照合させて、各座標データを重ね合わせた変位図を作成する画像処理手段40と、を備えている。

0032

ここで、基準ポイント20を基に決定される同一の測定条件とは、基準ポイント20を原点として、この原点から所定角度ピッチで、三次元レーザスキャナ30のレーザ光31の照射方向を変えていくことをいう。すなわち、原点から数えて所定順番目の測定点ごとに、三次元レーザスキャナ30のレーザ光31の傾斜角度が確定されることとなる。

0033

本実施の形態では、監視対象部10は、鉄道軌道11であって、直下の土工事の影響を受けて隆起陥没などの形状変動が起こり得る部分を示す。鉄道軌道11は、鉄道車両(図示せず)の走行誘導するレール12aと、このレール12aの間隔を一定に保って支持する枕木12bと、この枕木12bを支持して、走行する車両の重量を路面に伝える道床12cとを備えて構成されている。

0034

基準ポイント20は、箱状のマーカーブロック21にて構成されており、鉄道車両の走行に影響を与えないレール12aの側部の道床12c上に設置され固定されている。マーカーブロック21は、直方体または円柱などの特定の形状を呈しており、例えば、温度による膨張などの影響を受けない樹脂材料にて構成されている。

0035

基準ポイント20は、鉄道軌道11の延長方向に所定の間隔をあけて設けられ、監視対象部10の両外側に配置されている。また、基準ポイント20は、鉄道軌道11の幅方向にも所定の間隔をあけて設けられ、レール12aの幅方向両側に配置されている。すなわち、基準ポイント20は、レール12aの幅方向両側で、監視対象部10の両外側の合計四箇所に設置されている。なお、基準ポイント20の設置位置は道床12c上に限られるものではなく、変動が起こらず、鉄道車両の走行に影響を与えない部分であれば他の場所であってもよい。なお、本実施の形態では、基準ポイント20は、4箇所に設けられているが、少なくとも1箇所に設けられていればよい。

0036

三次元レーザスキャナ30は、計測対象物(本実施の形態では監視対象部10である鉄道軌道11)にレーザ光31を照射して、そのレーザ光31が計測対象物で反射して戻ってくるまでの時間から算出される距離と、レーザ光31の照射角度とから、計測対象物の反射ポイント三次元座標(x座標、y座標、z座標)を算出する。レーザ光31は、例えば水平方向に360度、垂直方法に320度の範囲で所定の角度ピッチ放射状に照射可能であり、三次元レーザスキャナ30は、各反射ポイントを座標データの集まりである点群データとして収集することで、計測対象物を立体的に表示することができる。本実施の形態では、三次元レーザスキャナ30は、ポール32を介して所定の位置に固定されている。三次元レーザスキャナ30は、鉄道軌道11の監視対象部10全体を見渡せるとともに、鉄道車両の走行に影響を与えないように、鉄道軌道11の斜め上方に配置され固定されている。

0037

以下に、三次元レーザスキャナ30による測定およびデータ処理の状態を具体的に説明する。まず、三次元レーザスキャナ30でマーカーブロック21を含む監視対象部10を測定する。このとき、三次元レーザスキャナ30は、任意のマーカーブロック21が特定の形状をしているので、画像処理された画面とマーカーブロック21の形状を照合させることで、画像処理された画像内からそのマーカーブロック21を特定することができ、マーカーブロック21の座標を読込む事ができる。これによって、例えばブロックの重心位置、表面の重心位置を決定できる。

0038

次に、測定したデータのうち、鉄道軌道11の枕木12bの平らな面(平面部)を処理して変位量を求める。これは、鉄道軌道11の道床12cが砂利で構成されていることが多く、その形状が不安定であるため、形状が安定している枕木12bを選んだためである。

0039

しかし、この枕木12b部分を測定しても、図4に示すように、実際の測定値は単に三位元の点座標値であるため、枕木12b上の測定点も誤差を含んでいる。すなわち、枕木12a上は実際には平らな平面であるが、三次元レーザスキャナ30で実際に測定すると、測定結果は、測定誤差があるため凹凸の面として測定される。そこで、本発明では、以下のような手法を用いる。

0040

同一平面上の測定点(X,Y,Z)には、立体幾何学的に平面方程式aX+bY+cZ+d=0を満たすa,b,c,dが存在する。そして、同一平面上の複数の測定点(X,Y,Z)から、最小二乗法で平面方程式aX+bY+cZ+d=0となるa,b,c,dを求める。このようにすることで、三次元レーザスキャナ30による測定誤差を最小にして最も近似の平面方程式を求めることができ、精度を向上させることができる。

0041

ここで求めた平面方程式に枕木12bの平面中心位置(X,Y)を与えるとその点でのZ成分を計算できる。この値を枕木12bの測定座標値とする。そして、この作業を枕木12bの平面位置ごとに行う。このようにすることで、マーカーブロック21(平面上の位置を確定するための基準点)と測定対象の鉄道軌道11(枕木12b部分)の測定処理結果から鉄道軌道11の縦断図(図2参照(レール12a部分))や横断図(図3参照)などが求められる。

0042

そして、実施に鉄道軌道11に変位が発生した場合には、図5に示すように、前回測定した枕木12bの平面方程式の平面51が、変位後の平面方程式の平面51’のように変化する。そこで、前記したのと同様に枕木12aの平面中心位置(X,Y)を与えて、Z成分を計算すると、鉄道軌道11の沈下・隆起の影響を知ることができる。

0043

また、かかる三次元レーザスキャナ30では、マーカーブロック21を原点として、原点から所定の垂直方向角度ピッチ水平方向角度ピッチで測定点が決定される。したがって、原点(基準ポイント20)を基に決定される同一の測定条件(垂直方向角度と水平方向角度)で、所定時間ごとに測定することができる。すなわち、原点から数えて所定順番目の測定点では、常に三次元レーザスキャナ30のレーザ光31の傾斜角度が確定され同一となる。

0044

画像処理手段40は、パーソナルコンピュータワークステーションなどのコンピュータにて構成されており、三次元レーザスキャナ30と接続されている。画像処理手段40は、三次元レーザスキャナ30で測定された測定点の座標データの集まりである点群データを三次元座標上で整理して立体画像化処理して、モニターなどの表示手段41に立体的に表示する機能を有している。また、画像処理手段40は、座標データを記憶する記憶手段(図示せず)を有している。記憶手段は、画像処理手段40に内蔵されていても、外部に別体で設けられて接続されていてもよい。画像処理手段40は、三次元レーザスキャナ30で所定時間ごとに測定された座標データを順次受信して、それらの座標データ内の基準ポイント20同士を照合させて、同一の測定条件で測定された測定点同士が同一位置に表示されるように各座標データを重ね合わせた変位図を作成する。座標データは、重ね合わさないで、一つずつでも表示可能である。各座標データを重ね合わせた変位図で、監視対象部10に変動が発生した場合は、各座標データ間にずれが発生する。画像処理手段40は、座標データ間にずれが発生した場合は、そのずれの差分が予め設定されたしきい値以上の場合、それを変動発生として検知して、色分けして表示するように構成されている。そして、変動発生を検知した場合は、それを警告表示するとともに、警告音を鳴らしたり、所定の監理センターなどに自動的に連絡したりするように構成してもよい。

0045

本実施の形態では、画像処理手段40は、三次元レーザスキャナ30で同一の測定条件で測定された測定点を基に、鉄道軌道11上の枕木12bの平面部を比較して、監視対象部10の変動を監視するように構成されている。具体的には、枕木12bの平面部の比較は、三次元レーザスキャナ30で同一の測定条件で測定された測定点50を基に近似する平面方程式を算出して行う。近似する平面方程式は、前記したように最小二乗法で求めるように構成されている。

0046

また、画像処理手段40は、鉄道軌道11の延長方向に所定の間隔をあけて設けられた基準ポイント20を基準として、三次元レーザスキャナ30によって測定された座標データを基に鉄道軌道直上の縦断図(図2の(a)参照)を所定時間ごとに作成するように構成されている。この縦断図は、画像処理されて形成された立体平面からマーカーブロック21を抽出して、このマーカーブロック21を繋ぐことで縦断図の断面方向が決定される。鉄道軌道11の延長方向両側に設けられた基準ポイント20であるマーカーブロック21を両端として、その内側のレール12aの天端の測定点を繋ぐことで形成されている。ここで、マーカーブロック21の位置は変動しないので、マーカーブロック21とレール12aの天端との最初の位置関係(a−1)を記憶させておき、その位置関係と計測した座標データとを比較することで、現状の変動状態を検知することができる。ここで、図2の(a)の(a−2)の場合は、変動なしであり、(a−3)の場合は変動ありであることが判る。

0047

また、図2の(b)に示すように、複数の縦断図を重ねて表示して変位図を形成するようにしてもよい。このようにすれば、監視対象部10の縦断方向の変動を時系列で表示でき、容易に検知することができる。変動を検知した場合は、ずれの部分を、色を変えて表示したり、線種を変えて表示したりしてもよいし(図2の(b)では線種を変えて表示し、12a’にて示している)、変動の検知を警告表示するとともに、警告音を発したり、所定の監理センターなどに自動的に連絡したりするように構成してもよい。

0048

また、画像処理手段40は、鉄道軌道11の幅方向にも所定の間隔をあけて設けられた基準ポイント20を基準として、三次元レーザスキャナ30によって測定された座標データを基に鉄道軌道直上の横断図(図3の(a)参照)を所定時間ごとに作成するように構成されている。この横断図は、鉄道軌道11の幅方向両側に設けられた基準ポイント20であるマーカーブロック21同士を結ぶ面と平行な断面であり、その部分のレール12a、枕木12bおよび道床12cの天端の測定点を繋ぐことで形成されている。ここで、マーカーブロック21の位置は変動しないので、マーカーブロック21とレール12a、枕木12bおよび道床12cの天端との最初の位置関係(a−1(マーカーブロック21は図示せず))を記憶させておき、その位置関係と計測した座標データとを比較することで、現状の変動状態を検知することができる。ここで、図3の(a)の(a−2)の場合は、変動なしであり、(a−3)の場合は変動ありであることが判る。

0049

また、図3の(b)に示すように、同位置での複数の横断図を重ねて表示するようにしてもよい。このようにすれば、監視対象部10の横断方向の変動を時系列で表示でき、容易に検知することができる。変動を検知した場合は、ずれの部分を、色を変えて表示したり、線種を変えて表示したりしてもよいし(図3の(b)では線種を変えて表示し、12’にて示している)、変動の検知を警告表示するとともに、警告音を発したり、所定の監理センターなどに自動的に連絡したりするように構成してもよい。

0050

前記構成の形状変動監視システム1を用いて監視対象部10の形状変動を監視するに際しては、監視対象部10の範囲外に基準ポイント20を設け、三次元レーザスキャナ30で監視対象部10と基準ポイント20を含む範囲を、基準ポイント20を原点として、これを基に決定された同一の測定条件で、所定時間ごとに測定し、三次元レーザスキャナ30で同一の測定条件で測定された測定点同士を比較して監視する。これによれば、以下のような作用効果を得られる。三次元レーザスキャナ30で形状の測定を行う場合は、対象を多数の点で測定するため、基準ポイント20を設けなければ、対象点の確定や計測点の再現性に問題があったが、この問題を解決することができる。具体的には、図4に示すように三次元レーザスキャナ30(図1参照)で測定した測定面は、3個の測定点50,50,50を結んだ三角形の平面51でサーフェスモデルを作っている。この場合、ある監視対象部の表面を測定しても、その測定表面上は凸凹した面で構成されることとなる。この凹凸面では、局所的に高い場所と低い場所が発生するので、測定点がずれると、同一の監視対象部の表面を測定しても、測定表面にばらつきが発生する。このことは構造物の変位量を測定する場合、大きな誤差となってしまう。しかし、本実施の形態では、前記のように、監視対象部10の範囲外に基準ポイント20を設けたことで、基準ポイント20が移動することはなく、基準点を設定できるので、測定位置の原点を確定できるとともに、測定点を、原点からの垂直方向角度と水平方向角度とから一義的に特定できるので忠実に再現することができる。したがって、互いに同一の測定条件で監視対象部10の測定を行うことができるので、三次元レーザスキャナ30による測定データ同士を、同一条件で比較することができ、精度の高い正確な監視対象部10(鉄道軌道11)の変動監視を行うことができる。

0051

さらに、三次元レーザスキャナ30で同一の測定条件で測定された測定点を基に、最小二乗法によって近似する平面方程式を求めて、測定データを平面処理することによって、三次元レーザスキャナ30で測定された平面上の測定点の誤差が最小化される。また、座標データを平面処理することで、再度、同一平面51’を測定したときに前回平面51との比較が容易になり、平面の離反距離Lや傾斜角度Aなどの新たな情報を得ることができる。具体的には、三次元レーザスキャナ30で、鉄道軌道11の枕木12bを測定して平面処理し、再度、同一平面51’を測定した場合に、各平面51,51’間の離反距離Lや傾斜角度Aから、鉄道軌道11の隆起や沈下を測定できる。

0052

このように、枕木12bの平面部を比較することで、正確に監視対象部の変動を監視することができる。また、枕木12bの平面部の比較を、三次元レーザスキャナ30で同一の測定条件で測定された測定点50を基に近似する平面方程式を最小二乗法で算出して行うことで、測定誤差を最小にして、監視対象部の変動監視の精度を向上させることができる。

0053

そして、三次元レーザスキャナ30は、トータルステーションと比較して測定時間が短いので、短時間で監視対象部10の測定を行うことができる。したがって、土工事現場直上の鉄道軌道11の監理を行うに際して、3分以内に施工範囲である重点エリアの測定点を測定することができる。また、三次元レーザスキャナ30は、一度の測定で広い範囲の監視対象部10を測定することができるので、測定時間の短縮を図れるとともに、特許文献1の鉄道軌道変位監視システムと比較して、測定機器の個数が少なく、設置の手間を大幅に低減できる。さらに、本発明では、監視対象部10の範囲外に基準ポイント20を設けるが、部分的に設置するだけで済み鉄道軌道11に沿わせる必要はないので、従来のロッドジョイント式のガイドパイプと比較して部品点数は非常に少なく、施工手間および施工費用を大幅に低減できる。

0054

さらに、基準ポイント20を、箱状のマーカーブロック21にて構成しているので、三次元レーザスキャナ30による測定データ内での基準ポイント20の認識が容易になるとともに、監視対象部10への設置固定も容易に行うことができる。

0055

また、本実施の形態では、基準ポイント20は、鉄道軌道11の延長方向および幅方向に所定の間隔をあけて設けられたマーカーブロック21にて構成されて、三次元レーザスキャナ30によって測定された座標データを基に鉄道軌道11の縦断図および横断図を所定時間ごとに作成し、これらの縦断図および横断図を比較して、監視対象部10の変動を監視するようになっているので、容易に精度よく変動状態を検知することができる。また、このとき、マーカーブロック21を鉄道軌道11の延長方向に所定の間隔をあけて設けたことによって、これらマーカーブロック21同士を繋ぐだけで、縦断図の断面方向を決定することができ、座標データから縦断図の断面方向を算定して決定しなくても済むので、その断面方向を容易に決定することができる。また、マーカーブロック21を鉄道軌道11の幅方向に所定の間隔をあけて設けたことによって、これらマーカーブロック21同士を繋ぐだけで、横断図の断面方向を容易に決定することができる。

0056

さらに、図2の(b)または図3の(b)に示すように、複数の縦断図同士、または横断図同士を重ねて表示して変位図を形成すれば、監視対象部10の縦断方向または横断方向の変動を視覚的に把握することができ、さらに容易に且つ精度よく検知することができる。

0057

前記のような形状変動監視方法および形状変動監視システムを列車安全運行の警報用測定装置に適用する一方で、三次元レーザスキャナよりも詳細な変化を精密に把握できるトータルステーションやリンク式の測定装置などの従来の計測方法を併用して計測することで、きめ細かく且つ緊急性の高い高速測定を同時に行うことが可能となる。

0058

以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、前記実施の形態では、鉄道軌道11の変動を計測する場合を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。例えば、道路面下トンネル構築する場合や、トンネルの下方に他のトンネルを構築する場合などにも適用できる。さらに、法面の変動管理にも適用することができる。

図面の簡単な説明

0059

本発明に係る形状変動監視方法および形状変動監視システムを実施するための最良の実施の形態を示した全体斜視図である。
鉄道軌道における(a)は縦断図、(b)はその変位図である。
鉄道軌道における(a)は横断図、(b)はその変位図である。
三次元レーザスキャナで測定した座標データのサーフェスモデルを示した図である。
平面処理された座標データを示した図である。

符号の説明

0060

1形状変動監視システム
10監視対象部
11鉄道軌道
12b枕木
20基準ポイント
21マーカーブロック
30三次元レーザスキャナ
40画像処理手段

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