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技術 温冷感判定装置、温冷感判定方法、温冷感判定プログラム、空調制御装置、空調制御方法および空調制御プログラム

出願人 株式会社東芝
発明者 仲山加奈子鈴木琢治大内一成亀山研一
出願日 2006年9月21日 (13年5ヶ月経過) 出願番号 2006-256271
公開日 2008年4月3日 (11年11ヶ月経過) 公開番号 2008-075975
状態 特許登録済
技術分野 診断用測定記録装置 空調制御装置 空調制御装置1
主要キーワード ファジー入力 リップル検出 温度平均 平均皮膚温 リストバンド型 熱水分 温熱指標 環境側
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題

日常生活に支障をきたすことなく、正確な温冷感判定を行うことのできる温冷感判定装置、温冷感判定方法、温冷感判定プログラム、および温冷感判定結果を利用した空調制御装置空調制御方法および空調制御プログラムを提供する。

解決手段

被験者皮膚温を検出する皮膚温検出手段100と、皮膚温検出手段100により検出された皮膚温の変動であって、予め定められた周期の変動を検出する周期変動検出手段102と、周期変動検出手段102により検出された周期変動に基づいて、被験者の温冷感を判定する温冷感判定手段104とを備えた。

概要

背景

従来から、被験者生体信号を用いて、各個人温冷感を判定する温冷感判定装置研究開発が進められている。この温冷感判定装置は、SET* (Standard Effective Temperature)、PMV(Predicted Mean Vote)と呼ばれる温熱指標に比べて、比較的手軽に温冷感を判定できる装置として注目されている。なお、SET*、PMVなどの温熱指標は、気温・気湿・気流放射熱着衣量作業量など環境側にも数多くの計測機器を設置する必要がある。

生体信号を用いた温冷感判定では、主に皮膚温指標として用いられている。例えば、7点の皮膚温の平均体温、深部体温皮膚表面熱流を用いた実験値より得られた温冷感予測式に基づいて、温冷感を判定する技術が知られている(例えば、「非特許文献1」および「非特許文献2」参照)。

また、皮膚温のみに基づいて温冷感予測値を得る技術も知られている。例えば、特許文献1には、10分おきに人体の10点の皮膚温を計測することによって温冷感を判定する技術が開示されている。また、特許文献2には、1分間の平均皮膚温を算出し、1分前との差分をファジー入力とすることで温冷感を判定する技術が開示されている。

石黒晃子(A. Ishiguro)、外5名、「寝室寝具および人体の熱水分移動を考慮した快適な睡眠環境:温冷感予測式を用いた空調制御(Indoor climate for comfortable sleep, considering heat and moisture transfer between a bedroom, bedding and a human body: Air control system using a predictive model for thermal comfort)」、“The Third International Conference on Human-Environment System(ICHES'05)”、(東京)、2005年9月、p139-144
森郁恵、外3名、「非定常状態における温冷感予測に関する実験的考察」、日本建築学会計画系論文集、2003年1月、第563号、p9-15
特開平06−265189号公報

概要

日常生活に支障をきたすことなく、正確な温冷感判定を行うことのできる温冷感判定装置、温冷感判定方法、温冷感判定プログラム、および温冷感判定結果を利用した空調制御装置空調制御方法および空調制御プログラムを提供する。被験者の皮膚温を検出する皮膚温検出手段100と、皮膚温検出手段100により検出された皮膚温の変動であって、予め定められた周期の変動を検出する周期変動検出手段102と、周期変動検出手段102により検出された周期変動に基づいて、被験者の温冷感を判定する温冷感判定手段104とを備えた。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、日常生活に支障をきたすことなく、正確な温冷感判定を行うことのできる温冷感判定装置、温冷感判定方法、温冷感判定プログラム、および温冷感判定結果を利用した空調制御装置、空調制御方法および空調制御プログラムを提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

被験者皮膚温を検出する皮膚温検出手段と、前記皮膚温検出手段により検出された前記皮膚温から、予め定められた皮膚温の周期変動を検出する周期変動検出手段と、前記周期変動検出手段により検出された前記周期変動に基づいて、前記被験者の温冷感を判定する温冷感判定手段とを備えることを特徴とする温冷感判定装置

請求項2

前記温冷感判定手段は、前記周期変動検出手段により前記周期変動が検出された場合に、適温であると判定することを特徴とする請求項1に記載の温冷感判定装置。

請求項3

前記周期変動検出手段は、前記皮膚温に対する周波数解析により前記周期変動を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の温冷感判定装置。

請求項4

前記皮膚温検出手段により検出された前記皮膚温と予め設定された閾値とを比較する比較手段をさらに備え、前記温冷感判定手段は、さらに前記比較手段による比較結果に基づいて前記温冷感を判定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の温冷感判定装置。

請求項5

前記皮膚温検出手段により検出された前記皮膚温の任意時間における勾配を検出する勾配検出手段をさらに備え、前記温冷感判定手段は、さらに前記勾配検出手段により検出された前記勾配に基づいて、前記温冷感を判定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の温冷感判定装置。

請求項6

前記温冷感判定手段は、前記勾配が予め定められた閾値よりも大きい場合に、前記被験者が寒いと感じていると判定することを特徴とする請求項5に記載の温冷感判定装置。

請求項7

前記温冷感判定手段は、前記勾配が前記閾値以下である場合に、前記被験者が暑いと感じていると判定することを特徴とする請求項6に記載の温冷感判定装置。

請求項8

前記温冷感判定手段は、前記勾配検出手段により前記勾配が検出されない場合に、さらに前記皮膚温検出手段により検出された前記皮膚温に基づいて、前記温冷感を判定することを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の温冷感判定装置。

請求項9

前記温冷感判定手段は、前記皮膚温が予め定められた閾値よりも小さい場合に、前記被験者が暑いと感じていると判定することを特徴とする請求項8に記載の温冷感判定装置。

請求項10

前記温冷感判定手段は、前記皮膚温が前記閾値以上である場合に、前記被験者が暑いと感じていると判定することを特徴とする請求項9に記載の温冷感判定装置。

請求項11

前記周期変動検出手段は、勾配を検出する前記任意時間よりも短い周期の前記周期変動を検出することを特徴とする請求項5に記載の温冷感判定装置。

請求項12

前記周期変動検出手段は、30秒以上の周期の前記周期変動を検出することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の温冷感判定装置。

請求項13

前記周期変動検出手段は、180秒以下の周期の前記周期変動を検出することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の温冷感判定装置。

請求項14

前記皮膚温検出手段は、前記被験者の末梢系の皮膚温を検出することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の温冷感判定装置。

請求項15

被験者の皮膚温を検出する皮膚温検出ステップと、前記皮膚温検出ステップにおいて検出された前記皮膚温から、予め定められた皮膚温の周期変動を検出する周期変動検出ステップと、前記周期変動検出ステップにおいて検出された前記周期変動に基づいて、前記被験者の温冷感を判定する温冷感判定ステップとを有することを特徴とする温冷感判定方法。

請求項16

温冷感判定処理コンピュータに実行させる温冷感判定プログラムであって、被験者の皮膚温を取得する皮膚温取得ステップと、前記皮膚温取得ステップにおいて取得した前記皮膚温から、予め定められた皮膚温の周期変動を検出する周期変動検出ステップと、前記周期変動検出ステップにおいて検出された前記周期変動に基づいて、前記被験者の温冷感を判定する温冷感判定ステップとを有することを特徴とする温冷感判定プログラム。

請求項17

被験者の皮膚温を検出する皮膚温検出手段と、前記皮膚温検出手段により検出された前記皮膚温から、予め定められた皮膚温の周期変動を検出する周期変動検出手段と、前記周期変動検出手段により検出された前記周期変動に基づいて、前記被験者の温冷感を判定する温冷感判定手段と、前記温冷感判定手段による判定結果に基づいて、空調を制御する空調制御手段とを備えることを特徴とする空調制御装置

請求項18

被験者の皮膚温を検出する皮膚温検出ステップと、前記皮膚温検出ステップにおいて検出された前記皮膚温から、予め定められた皮膚温の周期変動を検出する周期変動検出ステップと、前記周期変動検出ステップにおいて検出された前記周期変動に基づいて、前記被験者の温冷感を判定する温冷感判定ステップと、前記温冷感判定ステップにおける判定結果に基づいて、空調を制御する空調制御ステップとを有することを特徴とする空調制御方法

請求項19

空調制御処理をコンピュータに実行させる空調制御プログラムであって、被験者の皮膚温を取得する皮膚温ステップと、前記皮膚温ステップにおいて取得した前記皮膚温から、予め定められた皮膚温の周期変動を検出する周期変動検出ステップと、前記周期変動検出ステップにおいて検出された前記周期変動に基づいて、前記被験者の温冷感を判定する温冷感判定ステップと、前記温冷感判定ステップにおける判定結果に基づいて、空調を制御する空調制御ステップとを有することを特徴とする空調制御プログラム。

技術分野

0001

本発明は、被験者温冷感を判定する温冷感判定装置温冷感判定方法、温冷感判定プログラム空調制御装置空調制御方法および空調制御プログラムに関するものである。

背景技術

0002

従来から、被験者の生体信号を用いて、各個人の温冷感を判定する温冷感判定装置の研究開発が進められている。この温冷感判定装置は、SET* (Standard Effective Temperature)、PMV(Predicted Mean Vote)と呼ばれる温熱指標に比べて、比較的手軽に温冷感を判定できる装置として注目されている。なお、SET*、PMVなどの温熱指標は、気温・気湿・気流放射熱着衣量作業量など環境側にも数多くの計測機器を設置する必要がある。

0003

生体信号を用いた温冷感判定では、主に皮膚温指標として用いられている。例えば、7点の皮膚温の平均体温、深部体温皮膚表面熱流を用いた実験値より得られた温冷感予測式に基づいて、温冷感を判定する技術が知られている(例えば、「非特許文献1」および「非特許文献2」参照)。

0004

また、皮膚温のみに基づいて温冷感予測値を得る技術も知られている。例えば、特許文献1には、10分おきに人体の10点の皮膚温を計測することによって温冷感を判定する技術が開示されている。また、特許文献2には、1分間の平均皮膚温を算出し、1分前との差分をファジー入力とすることで温冷感を判定する技術が開示されている。

0005

石黒晃子(A. Ishiguro)、外5名、「寝室寝具および人体の熱水分移動を考慮した快適な睡眠環境:温冷感予測式を用いた空調制御(Indoor climate for comfortable sleep, considering heat and moisture transfer between a bedroom, bedding and a human body: Air control system using a predictive model for thermal comfort)」、“The Third International Conference on Human-Environment System(ICHES'05)”、(東京)、2005年9月、p139-144
森郁恵、外3名、「非定常状態における温冷感予測に関する実験的考察」、日本建築学会計画系論文集、2003年1月、第563号、p9-15
特開平06−265189号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記の非特許文献1,2にかかる技術では、平均皮膚温や表面皮膚熱流を計測するために多くの温度センサを人体の各所に装着する必要がある。また、深部体温計測のために体内温度計を挿入する必要がある。このため、日常生活送りながら温冷感判定を行うのは困難である。

0007

また、特許文献1にかかる技術では、10点の温度を計測するため広い面積が必要であり、やはり行動を伴う日常では計測困難である。赤外線センサによる無拘束の計測も考えられるが、行動範囲センサのある位置に制限されてしまう。特許文献2にかかる技術では、短時間の微分値ファジー入力値としているので、温度の急激な変化などの外乱に対して誤った温冷感判定をする可能性がある。

0008

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、日常生活に支障をきたすことなく、正確な温冷感判定を行うことのできる温冷感判定装置、温冷感判定方法、温冷感判定プログラム、および温冷感判定結果を利用した空調制御装置、空調制御方法および空調制御プログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、温冷感判定装置であって、被験者の皮膚温を検出する皮膚温検出手段と、前記皮膚温検出手段により検出された前記皮膚温から、予め定められた皮膚温の周期変動を検出する周期変動検出手段と、前記周期変動検出手段により検出された前記周期変動に基づいて、前記被験者の温冷感を判定する温冷感判定手段とを備えることを特徴とする。

0010

また、本発明の他の形態は、温冷感判定方法であって、被験者の皮膚温を検出する皮膚温検出ステップと、前記皮膚温検出ステップにおいて検出された前記皮膚温から、予め定められた皮膚温の周期変動を検出する周期変動検出ステップと、前記周期変動検出ステップにおいて検出された前記周期変動に基づいて、前記被験者の温冷感を判定する温冷感判定ステップとを有することを特徴とする。

0011

また、本発明の他の形態は、温冷感判定処理コンピュータに実行させる温冷感判定プログラムであって、被験者の皮膚温を取得する皮膚温取得ステップと、前記皮膚温取得ステップにおいて取得した前記皮膚温から、予め定められた皮膚温の周期変動を検出する周期変動検出ステップと、前記周期変動検出ステップにおいて検出された前記周期変動に基づいて、前記被験者の温冷感を判定する温冷感判定ステップとを有することを特徴とする。

0012

また、本発明の他の形態は、空調制御装置であって、被験者の皮膚温を検出する皮膚温検出手段と、前記皮膚温検出手段により検出された前記皮膚温から、予め定められた皮膚温の周期変動を検出する周期変動検出手段と、前記周期変動検出手段により検出された前記周期変動に基づいて、前記被験者の温冷感を判定する温冷感判定手段と、前記温冷感判定手段による判定結果に基づいて、空調を制御する空調制御手段とを備えることを特徴とする。

0013

また、本発明の他の形態は、空調制御方法であって、被験者の皮膚温を検出する皮膚温検出ステップと、前記皮膚温検出ステップにおいて検出された前記皮膚温から、予め定められた皮膚温の周期変動を検出する周期変動検出ステップと、前記周期変動検出ステップにおいて検出された前記周期変動に基づいて、前記被験者の温冷感を判定する温冷感判定ステップと、前記温冷感判定ステップにおける判定結果に基づいて、空調を制御する空調制御ステップとを有することを特徴とする。

0014

また、本発明の他の形態は、空調制御処理をコンピュータに実行させる空調制御プログラムであって、被験者の皮膚温を取得する皮膚温ステップと、前記皮膚温ステップにおいて取得した前記皮膚温から、予め定められた皮膚温の周期変動を検出する周期変動検出ステップと、前記周期変動検出ステップにおいて検出された前記周期変動に基づいて、前記被験者の温冷感を判定する温冷感判定ステップと、前記温冷感判定ステップにおける判定結果に基づいて、空調を制御する空調制御ステップとを有することを特徴とする。

発明の効果

0015

本発明によれば、日常生活に支障をきたすことなく、正確な温冷感判定を行うことができるという効果を奏する。また、日常生活に支障をきたすことなく、正確な温冷感判定を行うことができ、その結果を利用して正確な空調制御を行うことができるという効果を奏する。

発明を実施するための最良の形態

0016

以下に、本発明にかかる温冷感判定装置、温冷感判定方法、温冷感判定プログラム、空調制御装置、空調制御方法および空調制御プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。

0017

(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる温冷感判定システム1の全体構成を示すブロック図である。温冷感判定システム1は、温冷感判定装置10と、温度センサ20とを備えている。温冷感判定装置10は、皮膚温取得部100と、リップル検出部102と、温冷感判定部104と、出力部106とを備えている。

0018

皮膚温取得部100は、温度センサ20から継続的に皮膚温を取得する。リップル検出部102は、皮膚温取得部100が取得した皮膚温の周期変動、すなわちリップルを検出する。ここで、リップルとは、リップル状の変動であり、比較的短時間を周期とした変動である。具体的には、フーリエ変換などの周波数解析により30秒以上180秒以下の周期のリップルを検出する。温冷感判定部104は、リップル検出部102により検出されたリップルや皮膚温等に基づいて、被験者の温冷感判定を行う。出力部106は、温冷感判定部104による温冷感判定の結果を出力する。なお、温冷感判定部104および出力部106の処理については後述する。

0019

図2は、温冷感判定システム1の外観構成を示す図である。温冷感判定システム1は、被験者の指の付け根に装着され、皮膚温を検出することができる。温冷感判定システム1は、指輪型に形成されている。温度センサ20は、皮膚と密着する面に設けられている。また、指輪内に、温冷感判定装置10と、判定結果を無線で送信できる送信部とが設けられている。

0020

他の例としては、温冷感判定システム1は、指先に装着するものでもよい。また、他の例としては、付け爪型などにして爪に装着するものでもよい。温冷感判定システム1は、動静脈吻合血管を有する末梢部の皮膚温を計測可能であればよく、装着する部位は指に限定されるものではない。例えば、足などでもよい。

0021

また、他の例としては、温冷感判定装置10を温度センサ20と分離させてもよい。例えば、温度センサ20は、前述のように指に装着すべく、指輪型に形成し、温冷感判定装置10は、リストバンド型に形成し、腕に装着するようにしてもよい。

0022

また、熱電対サーミスタなどの温度センサを皮膚に密着させることを前提としているが、サーモグラフィーサーモパイルなどを用いることにより、非接触で温度計測してもよい。

0023

次に、リップルと温冷感の関係について説明する。手や足などの末梢部分には、動静脈吻合血管が存在している。この動静脈吻合血管は、毛細血管を介さずに細動脈細静脈とを直接短絡する血管である。動静脈吻合血管は、筋層を伴っており、暑さを感じる状況では、体から熱を放出すべく、動静脈吻合血管を拡張させ血流量を増加させる。逆に、寒さを感じるような状況では、体内に熱を溜め込むべく、動静脈吻合血管を収縮させ血流量を減少させる。

0024

また、適温の範囲内では、拡張収縮を繰り返し血流量の微調整することで、微妙な体温コントロールを行っていると考えられる。そのため、末梢部位の体温は、体温調節に関する血流量変化に伴い、快適温度付近で短時間周期で変動する。

0025

図3−1および図3−2は、リップルと温冷感の関係を示す図である。図3−1は、皮膚温の計測結果を示す図である。図3−1の0分から35分の間には、リップルが検出されている。図3−2は、図3−1の温度計測と同時に得られた被験者に温冷感の申告値を示す図である。指標が−1〜1を適温とし、指標がより小さいほど寒く、より大きいほど暑いことを示している。図3−1においてリップルが検出されている間は、被験者は適温と感じていることがわかる。また、リップルが検出されなくなった後に、寒いと感じ初めている。すなわち、リップルにより適温と感じているか否かを判定することができる。

0026

なお、実験時の気温は常に25℃で一定である。リップルが抽出されなくなった35分にやや遅れて寒いと感じはじめるのは、生体内部の変化がおこった後に、感覚の変化が起こり、寒いと感じているためである。

0027

図4は、温冷感判定部104によるリップル抽出処理を説明するための図である。温冷感判定部104は、図3−1に示すような皮膚温が得られると、フーリエ変換により図4に示すようなパワースペクトルを得る。これにより、例えば0.0056Hzから0.033Hzの周波数を抽出する。そして、抽出された0.0056Hzから0.033Hzの周波数におけるピークと、予め設定された閾値とを比較し、閾値以上である場合にリップルありと判断する。

0028

なお、0.0056Hz以下の領域においては、リップル以外のトレンドが検出されていると考えられる。そこで、0.0056Hzよりも大きい領域とするのが好ましい。0.0056Hzは、180秒周期に相当する。すなわち、180秒以下の周期の変動をリップルとして検出するのが望ましい。

0029

また、0.033Hz以下の領域とするのが望ましい。0.033Hzは、30秒周期に相当する。図3−2に示すような温度変化目視を複数のデータに対して行ったところ、検出されたリップルはいずれも30秒周期以上であった。また、図4に示すように周波数解析により得られるピークも0.033Hz以下に見られる。

0030

他の例としては、ピークと閾値とを比較するのにかえて、抽出された0.0056Hzから0.033Hzの周波数範囲における積分値と、予め設定された閾値とを比較し、閾値以上である場合にリップルありと判断してもよい。

0031

また、他の例としては、リップル検出部102は、バンドパスフィルタであってもよい。周波数0.0056Hzから0.033Hzの波をカットオフ周波数とする。そして、フィルタ出力値より得られたリップルの振幅を予め設定された閾値と比較し、閾値以上である場合にリップルありと判断してもよい。

0032

図5は、温冷感判定装置10における温冷感判定処理を示すフローチャートである。まず、皮膚温取得部100は、温度センサ20から皮膚温を取得する(ステップS100)。次に、リップル検出部102は、皮膚温取得部100が取得した皮膚温からリップルを検出する(ステップS102)。温冷感判定部104は、リップルありの場合については(ステップS104,Yes)、適温と感じていると判定する(ステップS106)。

0033

リップルが検出されなかった場合については適温でないことがわかる。そこで、温冷感判定部104はさらに皮膚温と予め定められた閾値とを比較する。ここで、閾値は、例えば28℃と設定する。皮膚温が閾値以下である場合には(ステップS106,No、ステップS108,No)、寒いと感じていると判定する(ステップS110)。一方、皮膚温が閾値よりも大きい場合には(ステップS106,No、ステップS108,Yes)、暑いと感じていると判定する(ステップS112)。

0034

以上の温冷感判定が終了すると、出力部106は、温冷感判定結果を出力する(ステップS114)。以上で、温冷感判定装置10における温冷感判定処理が完了する。

0035

以上のように、リップルの有無に基づいて、適温か否かを判定することができる。さらに皮膚温と閾値とを比較することにより、適温でない場合には、寒いのか暑いのかを判定することができる。このように、簡易な装置により、日常生活に支障をきたすことなく、正確に温冷感を判定することができる。

0036

図6は、実施の形態1にかかる温冷感判定装置10のハードウェア構成を示す図である。温冷感判定装置10は、ハードウェア構成として、温冷感判定装置10における温冷感判定処理を実行する温冷感判定プログラムなどが格納されているROM52と、ROM52内のプログラムに従って温冷感判定装置10の各部を制御するCPU51と、温冷感判定装置10の制御に必要な種々のデータを記憶するRAM53と、ネットワークに接続して通信を行う通信I/F57と、各部を接続するバス62とを備えている。

0037

先に述べた温冷感判定装置10における温冷感判定プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルCD−ROMフロッピー登録商標ディスクFD)、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。

0038

この場合には、温冷感判定プログラムは、温冷感判定装置10において上記記録媒体から読み出して実行することにより主記憶装置上にロードされ、上記ソフトウェア構成で説明した各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。

0039

また、本実施の形態の温冷感判定プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。

0040

以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができる。

0041

(実施の形態2)
図7は、実施の形態2にかかる温冷感判定システム1の全体構成を示す図である。実施の形態2にかかる温冷感判定装置10は、勾配検出部110をさらに備えている。勾配検出部110は、リップル検出部102が検出するリップルの周期に比べて長い時間における皮膚温の温度勾配を検出する。温冷感判定部104は、リップルに加えて、勾配検出部110により抽出された勾配に基づいて、温冷感を判定する。

0042

図8は、勾配検出部110の処理を説明するための図である。勾配検出部110は、例えばローパスフィルタである。勾配検出部110は、ある時間(τ−1)からτまでの区間温度平均T(τ)と、時間(τ-2)から(τ‐1)までの区間の温度平均T(τ‐1)の差を算出する。そして、この差分値が予め設定されている基準値に比べて大きい場合に勾配ありと判断する。

0043

図9は、実施の形態2にかかる温冷感判定装置10における温冷感判定処理を示すフローチャートである。実施の形態2にかかる温冷感判定装置10は、皮膚温取得後(ステップS100)、リップル検出(ステップS102)に加えて、勾配検出部110が勾配を検出する(ステップS120)。なお、リップル検出と勾配検出は順不同である。

0044

リップルが検出された部分については(ステップS122,Yes)、適温と判定する(ステップS124)。リップルが検出されなかった部分、すなわち適温でない部分については、勾配に基づいて、暑いと感じているか寒いと感じているかを判定する。すなわち、勾配が閾値以下である場合には(ステップS128,Yes)、寒いと感じていると判定する(ステップS130)。勾配が閾値よりも大きい場合には(ステップS128,No)、寒いと判定する(ステップS132)。以上の温冷感判定結果を出力する(ステップS134)。以上で、実施の形態2にかかる温冷感判定装置10の温冷感判定処理が完了する。

0045

なお、実施の形態2にかかる温冷感判定システム1のこれ以外の構成および処理は、実施の形態1にかかる温冷感判定システム1の構成および処理と同様である。

0046

(実施の形態3)
図10は、実施の形態3にかかる温冷感判定装置10における温冷感判定処理を示すフローチャートである。実施の形態3にかかる温冷感判定装置10は、実施の形態2にかかる温冷感判定装置10とほぼ同様であるが、温冷感判定部104が、さらに体温に基づいて、温冷感を判定する点で異なっている。

0047

実施の形態3にかかる温冷感判定装置10は、リップルが検出されなかった場合については、さらに勾配の有無を確認する。なお、任意の基準値を設定し、勾配がこの基準値以上である場合に勾配ありと判断する。なお、この基準値は、後述の閾値に比べて小さい値である。

0048

勾配がある場合に(ステップS140,Yes)、勾配が閾値以下である場合には(ステップS142,Yes)、寒いと感じていると判定する(ステップS144)。一方、勾配が閾値よりも大きい場合には(ステップS142,No)、暑いと感じていると判定する(ステップS146)。

0049

一方、勾配無しと判断された場合には(ステップS140,No)、体温と閾値とを比較する。ここで、閾値は例えば、28℃である。皮膚温取得部100が取得した皮膚温の予め定めた短時間における平均値と閾値とを比較する。

0050

体温が閾値以上である場合には(ステップS150,Yes)、暑いと感じていると判定する(ステップS146)。一方、体温が閾値よりも小さい場合には(ステップS150,No)、寒いと感じていると判定する(ステップS144)。以上の判定結果を出力し(ステップS152)、温冷感判定処理が完了する。

0051

なお、実施の形態3にかかる温冷感判定システム1のこれ以外の構成および処理は、実施の形態2にかかる温冷感判定システム1の構成および処理と同様である。

0052

(実施の形態4)
図11は、実施の形態4にかかる空調制御システム2の全体構成を示すブロック図である。空調制御システム2は、空調制御装置30と、温度センサ20と、空調装置40を備えている。空調制御装置30は、皮膚温取得部100と、リップル検出部102と、空調制御部300とを備えている。

0053

空調制御部300は、リップル検出部102によりリップルが検出されたか否かに基づいて、冷房暖房などの空調を制御する。具体的には、空調装置40に対し、冷房のオンオフおよび暖房のオンオフを遠隔指示する。なお、他の例としては、空調制御として、冷房暖房のオンオフに加えて、風速風向などの遠隔指示を行ってもよい。

0054

皮膚温取得部100およびリップル検出部102の処理は、それぞれ温冷感判定装置10における皮膚温取得部100およびリップル検出部102の処理と同様である。

0055

図12は、実施の形態4にかかる空調制御装置30による空調制御処理を示すフローチャートである。皮膚温取得(ステップS100)、リップル検出(ステップS102)の後、空調制御部300は、リップルが検出された場合には(ステップS104,Yes)、空調のオンオフを確認する。空調がオンになっている場合には(ステップS200,Yes)、空調をオフにする(ステップS202)。このように、リップルが検出された場合、すなわち被験者が適温と感じている場合には、適度な室温であるので、空調をオフにする。

0056

ステップS102において、リップルが検出された場合には(ステップS104,No)、空調のオンオフを確認する。空調がオンになっていない場合には(ステップS204,No)、空調をオンにする(ステップS206)。このように、リップルが検出されていない場合には、被験者が適温と感じていないので、適度な室温にすべく、空調をオンにする。以上の処理を空調制御終了の指示を受け付けるまで繰り返す(ステップS210)。以上で、実施の形態4にかかる空調制御処理が完了する。

0057

このように、実施の形態4にかかる空調制御装置30は、リップルの有無に基づいて、空調のオンオフを制御するので、快適な空調制御を実現することができる。さらに、空調の運転を最小限にとどめることができるので、省エネにも貢献することができる。

0058

実施の形態4にかかる空調制御システム2のこれ以外の構成および処理は、他の実施の形態にかかる温冷感判定システム1の構成および処理と同様である。

0059

(実施の形態5)
図13は、実施の形態5にかかる空調制御システム2の全体構成を示す図である。空調制御システム2は、空調制御装置30と、温度センサ20と、空調装置40とを備えている。空調制御装置30は、皮膚温取得部100と、リップル検出部102と、温冷感判定部104と、空調制御部302とを備えている。空調制御部302は、温冷感判定部104による温冷感判定の結果に基づいて空調を制御する。これ以外の各部の処理は、それぞれ他の実施の形態にかかる温冷感判定装置10における各部の処理と同様である。

0060

図14は、実施の形態5にかかる空調制御装置30による空調制御処理を示すフローチャートである。まず、リップル検出部102から温冷感判定部104の処理により温冷感判定が行われる(ステップS220)。この処理は、実施の形態1において図5を参照しつつ説明した温冷感判定処理と同様である。本実施の形態の空調制御装置30は、この温冷感判定処理により得られた判定結果に基づいて、空調を制御する。

0061

具体的には、適温と感じていると判定された場合には(ステップS222,適温)、暖房または冷房がオンになっているか否かを確認する。暖房または冷房がオンになっている場合には(ステップS224,Yes)、オンからオフに切り替える(ステップS226)。

0062

寒いと感じていると判定された場合には(ステップS222,寒い)、暖房がオンになっているか否かを確認する。暖房がオンになっていない場合には(ステップS228,No)、暖房をオンにする(ステップS230)。冷房がオンになっている場合には、冷房から暖房に切り替える。

0063

なお、寒いと感じていると判定された場合の他の例としては、冷房がオンになっている場合には、冷房をオフにし、冷房も暖房もオフになっている場合には、暖房をオンにすることとしてもよい。

0064

暑いと感じていると判定された場合には(ステップS232,暑い)、冷房がオンになっているか否かを確認する。冷房がオンになっていない場合には(ステップS232,No)、冷房をオンにする(ステップS234)。暖房がオンになっている場合には、暖房から冷房に切り替える。

0065

なお、暑いと感じていると判定された場合の他の例としては、暖房がオンになっている場合には、暖房をオフにし、暖房も冷房もオフになっている場合には、冷房をオンにすることとしてもよい。

0066

実施の形態5にかかる空調制御システム2のこれ以外の構成および処理は、他の実施の形態にかかる温冷感判定システム1または空調制御システム2の構成および処理と同様である。

0067

(実施の形態6)
次に、実施の形態6にかかる空調制御システム2について説明する。実施の形態6にっかる空調制御システム2の空調制御装置30は、リップルおよび勾配に基づいて、温冷感を判定する。そして、温冷感の判定結果に基づいて、空調を制御する。

0068

図15は、実施の形態6にかかる空調制御システム2の全体構成を示すブロック図である。実施の形態6にかかる空調制御システム2の空調制御装置30は、実施の形態5にかかる空調制御装置30の機能構成に加えて勾配検出部110をさらに備えている。温冷感判定部104は、リップルの有無と勾配に基づいて、温冷感を判定する。空調制御部302は、温冷感判定部104による温冷感の判定結果に基づいて、空調を制御する。

0069

実施の形態6にかかる空調制御装置30による空調制御処理においては、まず実施の形態2において図9を参照しつつ説明した温冷感判定処理を行う。これ以外の処理は、実施の形態5にかかる空調制御装置30による空調制御処理と同様である。

0070

なお、実施の形態5の他の例としては、実施の形態2にかかる温冷感判定処理にかえて、図10の温冷感処理を行ってもよい。

図面の簡単な説明

0071

実施の形態1にかかる温冷感判定システム1の全体構成を示すブロック図である。
温冷感判定システム1の外観構成を示す図である。
皮膚温の計測結果を示す図である。
図3−1の温度計測と同時に得られた被験者に温冷感の申告値を示す図である。
温冷感判定部104によるリップル抽出処理を説明するための図である。
温冷感判定装置10における温冷感判定処理を示すフローチャートである。
実施の形態1にかかる温冷感判定装置10のハードウェア構成を示す図である。
実施の形態2にかかる温冷感判定システム1の全体構成を示す図である。
勾配検出部110の処理を説明するための図である。
実施の形態2にかかる温冷感判定装置10における温冷感判定処理を示すフローチャートである。
実施の形態3にかかる温冷感判定装置10における温冷感判定処理を示すフローチャートである。
実施の形態4にかかる空調制御システム2の全体構成を示すブロック図である。
実施の形態4にかかる空調制御装置30による空調制御処理を示すフローチャートである。
実施の形態5にかかる空調制御システム2の全体構成を示す図である。
実施の形態5にかかる空調制御装置30による空調制御処理を示すフローチャートである。
実施の形態6にかかる空調制御システム2の全体構成を示すブロック図である。

符号の説明

0072

1温冷感判定システム
10温冷感判定装置
20温度センサ
30空調制御装置
40空調装置
51 CPU
52 ROM
53 RAM
57通信I/F
62バス
100皮膚温取得部
102リップル検出部
104 温冷感判定部
106 出力部
110勾配検出部
300,302空調制御部

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