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技術 廃棄物地層処分場の地下貯蔵施設及び廃棄物の回収方法

出願人 鹿島建設株式会社
発明者 須山泰宏
出願日 2006年9月19日 (13年9ヶ月経過) 出願番号 2006-252761
公開日 2008年4月3日 (12年2ヶ月経過) 公開番号 2008-073572
状態 特許登録済
技術分野 汚染除去及び汚染物処理 固体廃棄物の処理
主要キーワード 定置構造 空気搬送システム 建設段階 地下貯蔵施設 連続タイプ 多層配置 パネルレイアウト 地質環境
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

高レベル放射性廃棄物等の地層処分場地下貯蔵施設において、施設形態を変更することで、廃棄体回収における施工性、廃棄体の回収の容易性、安全性、作業性などを大幅に向上できる廃棄物地層処分場の地下貯蔵施設及び廃棄物の回収方法を提供する。

解決手段

第1の処分坑道1に処分坑道長手方向に間隔をおいて掘削形成された複数列処分孔3に第2の処分坑道2を処分坑道1と平行に掘削形成し、並列配置の2本の処分坑道1、2を複数列の処分孔3で連結した梯子状処分パネルとし、処分坑道1、2は、掘削深度を変えることで、処分孔3を水平に対して少し傾斜させて掘削形成する。下側の処分坑道2のみを掘削し、緩衝材Bを下から掘削して引き出し、廃棄体Cを下から引き出して回収する。

概要

背景

原子力発電から生じる放射性廃棄物のうち高レベル放射性廃棄物は、使用済核燃料再処理工程で分離された液体廃棄物であり、放射能レベルが高いばかりでなく、長期間にわたって放射能を持ち続ける長寿命放射性核種が数多く含まれている。そのため、このような高レベル放射性廃棄物は、ガラス原料と共にステンレス鋼製のキャニスターに溶かし込みガラス固化体として安定化処理し、冷却のため数10年間貯蔵した後、ガラス固化体が収納されたキャニスターをオーバーパックと称される厚肉鋼板製の密閉容器内に密閉収納するなどして廃棄体とし、この廃棄体を地下300mより深い安定した地層中埋設処分するようにしている。

この地層処分では、現在、地下深部トンネル処分坑道)を掘削し、廃棄体を埋設した後、その周囲(処分坑道内)をベントナイトなどで埋め戻すことにより埋設処分することが考えられている。この地層処分での安全性を示すためには、放射性廃棄物に含まれる核種地下水に乗って人間が住んでいる世界に届かないように、岩盤自体の低透水性に期待すると共に、人間が掘削した処分坑道を確実に埋め戻し、核種の卓越した移行経路となる水みちを作らないことが要求されている。

従来考えられている施設形状は、施工性、安全性、経済性の観点から、トンネルを同じ深度並行に多数掘削し、一枚のパネルのような形状とするものである。図6、図7に示すように、高レベル放射性廃棄物の地層処分施設50は、地上施設51と地下施設52とから構成されている。地下施設52は、地上と地下を結ぶ立坑斜坑等のアクセス坑道53、地下深部に複数並列して水平に掘削形成された処分坑道54、これら処分坑道に接続される主要坑道55等から構成されている。処分坑道54は区画されて独立した水平な処分パネルに分割されており、処分サイト地質環境条件等に応じて、分散配置多層配置等の柔軟なパネルレイアウトが可能とされ、また建設操業閉鎖の主要な作業を独立・並行して実施できるようにされている。

また、処分坑道54における廃棄体の定置方式には、種々の方式が考えられているが、例えば、図5(a)に示すような処分孔竪置き方式、図5(b)に示すような処分坑道横置き方式がある。図5(a)では、天然バリアとしての岩盤A中に掘削形成された処分坑道54の底盤部から下に向って処分孔56を鉛直に掘削形成し、トンネル軸方向には所定の間隔をおいて多数形成し、この処分孔56内に人工バリアとして地下水や岩盤圧の影響を低減する緩衝材(ベントナイト等) Bを敷き詰めると共に、この緩衝材B中に竪にした廃棄体Cを埋設定置している。処分坑道54は埋め戻される。図5(b)では、処分坑道54内に緩衝材Bを敷き詰めると共に、この緩衝材B中に横にした廃棄体Cをトンネル軸方向に所定の間隔をおいて埋設定置している。

また、本発明に関連する先行技術文献として特許文献1〜8がある。特許文献1の発明は、一対の立坑と複数段の処分坑道と各処分坑道の多数の処分孔から構成される梯子型地下施設である。特許文献2の発明は、地上施設と中間施設の間、中間施設と処分坑道との間で、加減圧空気により気送台車往復動させるものである。特許文献3の発明は、廃棄体と緩衝材とを処分孔や処分坑道に定置埋設する方法である。特許文献4の発明は、処分坑道を主要坑道から直角に分岐させて廃棄体を搬送定置するものである。特許文献5の発明は、空気搬送システムによる処分坑道等の建設方法および地層処分方法である。特許文献6の発明は、高レベル放射性廃棄物の処分坑道に定置するための定置構造である。特許文献7、8の発明は、放射性廃棄物を搬送用立坑や搬送用斜坑から収納用斜坑に特別な形状の緩衝体を介して交互に貯蔵処分するものである。

特開2005−331313号公報
特開2005−17048号公報
特開2004−286451号公報
特開2003−215297号公報
特開2003−148097号公報
特開2002−48900号公報
特開平11−223699号公報
特開平11−153699号公報

概要

高レベル放射性廃棄物等の地層処分場地下貯蔵施設において、施設形態を変更することで、廃棄体回収における施工性、廃棄体の回収の容易性、安全性、作業性などを大幅に向上できる廃棄物地層処分場の地下貯蔵施設及び廃棄物の回収方法を提供する。第1の処分坑道1に処分坑道長手方向に間隔をおいて掘削形成された複数列の処分孔3に第2の処分坑道2を処分坑道1と平行に掘削形成し、並列配置の2本の処分坑道1、2を複数列の処分孔3で連結した梯子状の処分パネルとし、処分坑道1、2は、掘削深度を変えることで、処分孔3を水平に対して少し傾斜させて掘削形成する。下側の処分坑道2のみを掘削し、緩衝材Bを下から掘削して引き出し、廃棄体Cを下から引き出して回収する。

目的

本発明は、このような課題を解決すべくなされたもので、その目的は、高レベル放射性廃棄物等の地層処分場の地下貯蔵施設において、施設形態を変更することにより、廃棄体回収における施工性、廃棄体の回収の容易性、安全性、あるいは作業性などを大幅に向上させることができる廃棄物地層処分場の地下貯蔵施設及び廃棄物の回収方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

廃棄物地層処分場の地下の地盤中に建設される地下貯蔵施設であり、地盤中に掘削形成された処分坑道から処分孔が処分坑道長手方向に間隔をおいて複数個掘削形成され、処分孔内廃棄物が緩衝材を介して埋設定置される処分孔方式の地下貯蔵施設において、一端側が第1の処分坑道に連結された複数個の処分孔の他端側に第2の処分坑道が連結されていることを特徴とする廃棄物地層処分場の地下貯蔵施設。

請求項2

請求項1に記載の地下貯蔵施設において、処分坑道が間隔をおいて複数本配列され、各処分坑道がそれぞれ複数個の処分孔により連結されていることを特徴とする廃棄物地層処分場の地下貯蔵施設。

請求項3

請求項2に記載の地下貯蔵施設において、1本の処分坑道に連結される2組の処分孔の位置が処分坑道長手方向に互いにずらして配置されていることを特徴とする廃棄物地層処分場の地下貯蔵施設。

請求項4

請求項1または請求項3のいずれか1つに記載の地下貯蔵施設において、処分孔は水平に対して40°以下の傾斜角で傾斜していることを特徴とする廃棄物地層処分場の地下貯蔵施設。

請求項5

廃棄物地層処分場の地下の地盤中に建設される地下貯蔵施設であり、地盤中に掘削形成された処分坑道から処分孔が処分坑道長手方向に間隔をおいて複数個掘削形成され、処分孔内に廃棄物が緩衝材を介して埋設定置される処分孔方式の地下貯蔵施設において、処分孔内に埋設された廃棄物を回収する方法であって、建設時に、一端側が第1の処分坑道に連結された複数個の処分孔の他端側に第2の処分坑道を掘削形成し、廃棄物の埋設後、第1又は第2の処分坑道のいずれか一方を掘削し、掘削した処分坑道を利用して、処分孔内の緩衝材を掘削し、処分孔内の廃棄物を取り出すことを特徴とする廃棄物の回収方法

請求項6

廃棄物地層処分場の地下の地盤中に建設される地下貯蔵施設であり、地盤中に掘削形成された処分坑道から処分孔が処分坑道長手方向に間隔をおいて複数個掘削形成され、処分孔内に廃棄物が緩衝材を介して埋設定置される処分孔方式の地下貯蔵施設において、処分孔内に埋設された廃棄物を回収する方法であって、廃棄物回収時に、一端側が第1の処分坑道に連結された複数個の処分孔の他端側に第2の処分坑道を掘削形成し、この掘削した処分坑道を利用して、処分孔内の緩衝材を掘削し、処分孔内の廃棄物を取り出すことを特徴とする廃棄物の回収方法。

技術分野

0001

本発明は、原子力発電から生じる放射性廃棄物等の地層処分場の地下に建設される地下貯蔵施設に関するものであり、将来の回収可能性を考慮したものである。

背景技術

0002

原子力発電から生じる放射性廃棄物のうち高レベル放射性廃棄物は、使用済核燃料再処理工程で分離された液体廃棄物であり、放射能レベルが高いばかりでなく、長期間にわたって放射能を持ち続ける長寿命放射性核種が数多く含まれている。そのため、このような高レベル放射性廃棄物は、ガラス原料と共にステンレス鋼製のキャニスターに溶かし込みガラス固化体として安定化処理し、冷却のため数10年間貯蔵した後、ガラス固化体が収納されたキャニスターをオーバーパックと称される厚肉鋼板製の密閉容器内に密閉収納するなどして廃棄体とし、この廃棄体を地下300mより深い安定した地層中埋設処分するようにしている。

0003

この地層処分では、現在、地下深部トンネル処分坑道)を掘削し、廃棄体を埋設した後、その周囲(処分坑道内)をベントナイトなどで埋め戻すことにより埋設処分することが考えられている。この地層処分での安全性を示すためには、放射性廃棄物に含まれる核種地下水に乗って人間が住んでいる世界に届かないように、岩盤自体の低透水性に期待すると共に、人間が掘削した処分坑道を確実に埋め戻し、核種の卓越した移行経路となる水みちを作らないことが要求されている。

0004

従来考えられている施設形状は、施工性、安全性、経済性の観点から、トンネルを同じ深度並行に多数掘削し、一枚のパネルのような形状とするものである。図6図7に示すように、高レベル放射性廃棄物の地層処分施設50は、地上施設51と地下施設52とから構成されている。地下施設52は、地上と地下を結ぶ立坑斜坑等のアクセス坑道53、地下深部に複数並列して水平に掘削形成された処分坑道54、これら処分坑道に接続される主要坑道55等から構成されている。処分坑道54は区画されて独立した水平な処分パネルに分割されており、処分サイト地質環境条件等に応じて、分散配置多層配置等の柔軟なパネルレイアウトが可能とされ、また建設・操業閉鎖の主要な作業を独立・並行して実施できるようにされている。

0005

また、処分坑道54における廃棄体の定置方式には、種々の方式が考えられているが、例えば、図5(a)に示すような処分孔竪置き方式、図5(b)に示すような処分坑道横置き方式がある。図5(a)では、天然バリアとしての岩盤A中に掘削形成された処分坑道54の底盤部から下に向って処分孔56を鉛直に掘削形成し、トンネル軸方向には所定の間隔をおいて多数形成し、この処分孔56内に人工バリアとして地下水や岩盤圧の影響を低減する緩衝材(ベントナイト等) Bを敷き詰めると共に、この緩衝材B中に竪にした廃棄体Cを埋設定置している。処分坑道54は埋め戻される。図5(b)では、処分坑道54内に緩衝材Bを敷き詰めると共に、この緩衝材B中に横にした廃棄体Cをトンネル軸方向に所定の間隔をおいて埋設定置している。

0006

また、本発明に関連する先行技術文献として特許文献1〜8がある。特許文献1の発明は、一対の立坑と複数段の処分坑道と各処分坑道の多数の処分孔から構成される梯子型地下施設である。特許文献2の発明は、地上施設と中間施設の間、中間施設と処分坑道との間で、加減圧空気により気送台車往復動させるものである。特許文献3の発明は、廃棄体と緩衝材とを処分孔や処分坑道に定置埋設する方法である。特許文献4の発明は、処分坑道を主要坑道から直角に分岐させて廃棄体を搬送定置するものである。特許文献5の発明は、空気搬送システムによる処分坑道等の建設方法および地層処分方法である。特許文献6の発明は、高レベル放射性廃棄物の処分坑道に定置するための定置構造である。特許文献7、8の発明は、放射性廃棄物を搬送用立坑や搬送用斜坑から収納用斜坑に特別な形状の緩衝体を介して交互に貯蔵処分するものである。

0007

特開2005−331313号公報
特開2005−17048号公報
特開2004−286451号公報
特開2003−215297号公報
特開2003−148097号公報
特開2002−48900号公報
特開平11−223699号公報
特開平11−153699号公報

発明が解決しようとする課題

0008

地層処分とは放射性廃棄物を取り出す意図がないことを意味するが、高レベル放射性廃棄物の地層処分に係る安全規制の基本的考え方として、高レベル放射性廃棄物の地層処分場の閉鎖に際しては、建設段階・操業段階で得られたデータを追加し、安全評価の結果が妥当であることの確認を行い、またその妥当性を確認するまでの期間は、高レベル放射性廃棄物の回収の可能性を維持することが重要である、という考え方があり、廃棄物を取り出す可能性は除外することはできない。

0009

現在の処分施設施設形態においては回収可能性を全く考えていないため、もし実施するとなると、多くの課題が残る。また、回収可能性をどの段階まで考慮するかで考え方も異なる。ここでは、現在考えられている閉鎖前段階(処分坑道は全て埋め戻し済み、立坑・連絡坑道・主要坑道は埋め戻し未実施)を対象とする(図4参照)。

0010

現在考えられている廃棄体の設置方法である処分孔竪置き方式と処分坑道横置き方式(図5参照)において、回収可能性を考えた場合、下記に示すような課題がある。

0011

(1)処分孔竪置き方式(図5(a)参照)
a)廃棄体を回収するためには、全ての処分坑道を再掘削する必要がある。
b)処分坑道の再掘削後、処分孔に埋め戻されている緩衝材を再掘削する必要がある。緩衝材は地下水の浸水により生じる膨潤などにより密実に埋め戻されているため、下から上への掘り起しは非常に困難である。特に廃棄体周りは、狭隘部となるため、更に困難となる。
c)処分孔から廃棄体を安全に引き上げる必要があるが、かなりの重量物であるため、安全上問題がある。

0012

(2)処分坑道横置き方式(図5(b)参照)
a)廃棄体を回収するためには、全ての処分坑道を再掘削する必要がある。
b)処分坑道のスペースが狭く、竪置き方式のように再掘削及び廃棄体運搬用機器大型機器)が入らない。
c)緩衝材の掘り出しが竪置き方式よりは容易であるが、やはりしづらい。
d)緩衝材の引き抜きが竪置き方式よりは容易であるが、やはりしづらい。

0013

本発明は、このような課題を解決すべくなされたもので、その目的は、高レベル放射性廃棄物等の地層処分場の地下貯蔵施設において、施設形態を変更することにより、廃棄体回収における施工性、廃棄体の回収の容易性、安全性、あるいは作業性などを大幅に向上させることができる廃棄物地層処分場の地下貯蔵施設及び廃棄物の回収方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0014

本発明の請求項1に係る発明は、廃棄物地層処分場の地下の地盤中に建設される地下貯蔵施設であり、地盤中に掘削形成された処分坑道から処分孔が処分坑道長手方向に間隔をおいて複数個掘削形成され、処分孔内に廃棄物が緩衝材を介して埋設定置される処分孔方式の地下貯蔵施設において、一端側が第1の処分坑道に連結された複数個の処分孔の他端側に第2の処分坑道が連結されていることを特徴とする廃棄物地層処分場の地下貯蔵施設である。

0015

本発明は、特に高レベル放射性廃棄物の地層処分場の処分坑道に有効に適用されるものである。その他の廃棄物の地層処分にも適用することができる。本発明の基本形態は、例えば図1に示すように、1個あるいは2個以上の廃棄体が緩衝材を介して埋設定置される複数配列の処分孔を2つの処分坑道(大き目の空間)に連結するものである。処分孔は、後述する理由から、水平に対して少し傾斜させて掘削形成するのが好ましいが、水平、鉛直、傾斜なども本発明に含まれる。

0016

処分孔を2つの処分坑道に連結させることにより、廃棄体を回収する際、片側の処分坑道のみを掘削すればよく、全ての処分坑道を掘削しなくても回収が可能となる。従来の処分孔竪置き方式と同様に大きめの空間の処分坑道から機械大型機械)などにより処分孔内の再掘削、廃棄物の取り出し・運搬が可能となる。また、従来の処分孔竪置き方式に対して処分坑道の数が1本増えることになるが、繋いだ処分孔に埋設定置する廃棄体の数を従来の1個に対して2個にすれば、処分坑道の数は変わらず、さらに2個以上と多くすれば、全体として処分坑道自体の本数を減らすことができる。

0017

処分孔を水平から少し傾斜させ、下側の処分坑道のみを掘削し、下側の処分坑道から緩衝材の掘り起こしを行えば、緩衝材の再掘削が従来のように上から行う場合よりも容易となる。同様に、下側の処分坑道から廃棄体の引き抜きを行えば、従来のように上から行う場合よりも、廃棄体の取り出しを容易に、かつ、安全に行うことができる。なお、上側の処分坑道のみを掘削し、上側の処分坑道から、緩衝材の再掘削と廃棄体の取り出しを行ってもよい。この場合でも、処分孔が水平に近ければ、容易に安全に行うことができる。

0018

下側の処分坑道は、操業時には排水に用いることができる。その結果、処分孔はドライの状況で緩衝材の埋め戻しが可能となり、上側の処分坑道もドライの状況で埋め戻しが可能となる。また、処分坑道自体も排水を考慮し、水平に対して僅かながら勾配を設けるようにしてもよい。

0019

本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の地下貯蔵施設において、処分坑道が間隔をおいて複数本配列され、各処分坑道がそれぞれ複数個の処分孔により連結されていることを特徴とする廃棄物地層処分場の地下貯蔵施設である。

0020

例えば、図2図3に示すように、2本の処分坑道と複数配列の処分孔から構成されるパネルを処分孔長手方向に連続させる場合であり、1本の処分坑道に2組の処分孔が連結される。処分坑道の全体の本数を減らすことができ、また回収時に掘削する処分坑道の数を減らすことができると共に、同時に2箇所の廃棄体の取り出しが可能となる。図2折版形の場合は、一つ置きの下側の処分坑道のみの掘削で全ての廃棄体を回収でき、緩衝材・廃棄体の取り出しも下側へ行うことができ、緩衝材の除去・廃棄物の回収が容易となり、さらに操業時には上部からの廃棄体の定置・緩衝材の設置が簡易となる。図3フラット形の場合は、一つ置きの処分坑道で廃棄体の引き抜きを上側と下側に行うことになる。

0021

本発明の請求項3に係る発明は、請求項2に記載の地下貯蔵施設において、1本の処分坑道に連結される2組の処分孔の位置が処分坑道長手方向に互いにずらして配置されていることを特徴とする廃棄物地層処分場の地下貯蔵施設である。

0022

図2図3に示すように、1本の処分坑道に2組の処分孔を連結する場合、その位置を一致させずに、その位置を変える場合である。例えば、図示例のように、処分孔を互い違いに配列する。操業時に処分孔内に緩衝材を充填する際、処分孔の底部に蓋をするが、処分孔がずれて配置されていれば、処分坑道の底部で前記蓋の反力を取ることができる。

0023

本発明の請求項4に係る発明は、請求項1または請求項3のいずれか1つに記載の地下貯蔵施設において、処分孔は水平に対して40°以下の傾斜角で傾斜していることを特徴とする廃棄物地層処分場の地下貯蔵施設である。

0024

緩衝材・廃棄体の取り出し、排水などの面から、水平に対して少し傾斜させるのが好ましいが、急傾斜では廃棄体の取り出し時の安全性に問題が生じるため、40°以下とする。

0025

本発明の請求項5に係る発明は、廃棄物地層処分場の地下の地盤中に建設される地下貯蔵施設であり、地盤中に掘削形成された処分坑道から処分孔が処分坑道長手方向に間隔をおいて複数個掘削形成され、処分孔内に廃棄物が緩衝材を介して埋設定置される処分孔方式の地下貯蔵施設において、処分孔内に埋設された廃棄物を回収する方法であって、建設時に、一端側が第1の処分坑道に連結された複数個の処分孔の他端側に第2の処分坑道を掘削形成し、廃棄物の埋設後、第1又は第2の処分坑道のいずれか一方を掘削し、掘削した処分坑道を利用して、処分孔内の緩衝材を掘削し、処分孔内の廃棄物を取り出すことを特徴とする廃棄物の回収方法である。

0026

図1図3に示すように、予め第2の処分坑道を掘削形成しておくものであり、第1又は第2の処分坑道のいずれか一方を掘削して回収に使用することができる。

0027

本発明の請求項6に係る発明は、廃棄物地層処分場の地下の地盤中に建設される地下貯蔵施設であり、地盤中に掘削形成された処分坑道から処分孔が処分坑道長手方向に間隔をおいて複数個掘削形成され、処分孔内に廃棄物が緩衝材を介して埋設定置される処分孔方式の地下貯蔵施設において、処分孔内に埋設された廃棄物を回収する方法であって、廃棄物回収時に、一端側が第1の処分坑道に連結された複数個の処分孔の他端側に第2の処分坑道を掘削形成し、この掘削した処分坑道を利用して、処分孔内の緩衝材を掘削し、処分孔内の廃棄物を取り出すことを特徴とする廃棄物の回収方法である。

0028

建設時には第2の処分坑道を掘削せずに、廃棄体回収時に新たに掘削する場合であり、この新たに掘削した処分坑道を回収に用いる。

発明の効果

0029

本発明は、以上のような構成からなるので、次のような効果が得られる。

0030

(1)一端側が第1の処分坑道に連結された複数個の処分孔の他端側に第2の処分坑道を連結して構成されているため、従来の処分孔竪置き方式・処分坑道横置き方式の施設形態と比較し、廃棄体回収のための処分坑道の掘削土量を半分に減らすことが可能であり、工期短縮及びコスト低減を図ることができる。

0031

(2)従来の処分坑道横置き方式のように、大型機械が入らないという問題が無くなり、回収作業を効率よく行うことができる。

0032

(3)処分孔を水平から少し傾斜させ、下側の処分坑道から緩衝材の掘り起こしを行うことにより、従来の処分孔竪置き方式・処分坑道横置き方式と比較し、作業効率が向上する。

0033

(4)処分孔を水平から少し傾斜させ、下側の処分坑道から廃棄体の引き抜きを行うことにより、従来の処分孔竪置き方式・処分坑道横置き方式と比較し、作業効率が向上すると共に、落下などの危険性が減り、作業の安全性が向上する。

0034

(5)処分孔を水平から傾斜させ、定置及び埋め戻しを上から行うことにより、緩衝材の充填も容易となり、作業能率の向上を図ることができる。

0035

(6)下側の処分坑道で水を引き、水圧下げることができるため、処分孔と上側の処分坑道はドライになり、施工がし易くなる。

0036

(7)上側・下側の処分坑道の掘削後、処分孔の掘削においては、下側の処分坑道も使用することができ、レイズ・ボーリング工法の適用も可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0037

以下、本発明を図示する実施の形態に基づいて説明する。この実施形態は、高レベル放射性廃棄物の地下貯蔵施設に適用した例である。図1は、本発明に係る地下貯蔵施設の基本形態の一例を示す斜視図と鉛直断面図である。図2は、本発明に係る地下貯蔵施設の連続タイプの一例を示す斜視図と鉛直断面図である。図3は、本発明に係る地下貯蔵施設の連続タイプの他の例を示す斜視図と鉛直断面図である。

0038

図1の実施形態においては、第1の処分坑道1に処分坑道長手方向に間隔をおいて掘削形成された複数列の処分孔3に第2の処分坑道2を処分坑道1と平行に掘削形成し、並列配置の2本の処分坑道1、2を複数列の処分孔3で連結した梯子状の処分パネルとする。処分坑道1、2は、水平または水平に対して少し傾斜させて掘削形成し、処分坑道1と2の掘削深度を変えることにより、処分孔3を水平に対して少し傾斜させて掘削形成する。傾斜角θは、廃棄体取り出しの安全上、急傾斜は好ましくないので、40°以下とする。

0039

処分孔3内には、廃棄体(オーバーパック)Cが1個あるいは2個以上を処分孔長手方向に所定のピッチで水平または傾斜角θと同じ傾斜の横置き方式で配置され、空間部が埋め戻し材としての緩衝材(ベントナイト等) Bで埋め戻される。1個の処分孔3に廃棄体Cを1個埋設定置する場合は、処分坑道の数は、従来の処分孔竪置き方式の場合の2倍になるが、廃棄体Cを2個とすれば、処分坑道の数は変わらない。3個以上とすれば、全体として処分坑道の数を減らすことができる。

0040

図2の実施形態は、図1の実施形態を処分坑道の直交方向に連続させた連続タイプで、W字状に折曲させた折板形である。水平面内において複数本の処分坑道を間隔をおいて平行に掘削形成し、隣接する処分坑道間を複数列の処分孔3で連結する。処分坑道の掘削深度を交互に変えることにより、上側の処分坑道1と下側の処分坑道2が交互に配置され、傾斜角θの処分孔3が傾斜方向を変えて配置される。この場合、上側の処分坑道1を緩衝材・廃棄体の搬入に使用し、下側の処分坑道2を廃棄体の回収に使用することができる。

0041

図3の実施形態は、フラット形の連続タイプである。この場合、複数本の処分坑道を傾斜角θの平面内で間隔をおいて平行に掘削形成する。処分孔3は傾斜角θの平面内に配設される。この場合、一つ置きの処分坑道1を緩衝材・廃棄体の搬入に、処分坑道2を廃棄体の回収に使用することができる。

0042

図2図3の実施形態において、1本の処分坑道1、2に連結される2組の処分孔3の位置は処分坑道長手方向に互いにずらして配置するのが好ましい。図示例は、隣接する処分孔3、3の中間に他の組の処分孔3が位置する互い違いの場合であるが、処分孔3の位置がずれていればよい。操業時に処分孔3内に緩衝材を充填する際、処分孔3の底部に蓋をする、あるいは少し緩衝材Bを埋め戻した後に蓋をするが、処分孔3がずれて配置されていれば、処分坑道1または2の底部で前記蓋の反力を取ることができる。

0043

(A)廃棄体の回収時
図1において、下側の処分坑道2のみを掘削し、この処分坑道2に再掘削用・廃棄体運搬用の機械などを設置し、処分孔3内の緩衝材Bを掘削して取り出し、廃棄体Cを取り出す。廃棄体Cは処分坑道2内を運搬し、地上等に回収する。処分孔3は水平に対して少し傾斜し、下側の処分坑道2から取り出すため、緩衝材B・廃棄体Cを極めて容易に取り出すことができる。また、急傾斜でないため、廃棄体Cを安全に取り出すことができる。なお、上側の処分坑道1のみを掘削し、この上側の処分坑道1から緩衝材B・廃棄体Cの取り出しを行うこともできる。この場合でも、処分孔3は水平に対して緩やかに傾斜しているため、取り出しを容易に、かつ、安全に行うことができる。

0044

図2の場合も、下側の処分坑道2のみを掘削し、処分孔3内の緩衝材Bを掘削して取り出し、廃棄体Cを取り出す。この折板形の連続タイプの場合、処分坑道の全体の本数を減らすことができ、また回収時に掘削する処分坑道の数を減らすことができると共に、1本の処分坑道2で同時に2箇所の廃棄体Cの取り出しが可能となる。さらに、一つ置きの下側の処分坑道2のみの掘削で全ての廃棄体を回収でき、緩衝材・廃棄体の取り出しも下側へ行うことができ、緩衝材の除去・廃棄物の回収が容易となり、さらに操業時には上部からの廃棄体の定置・緩衝材の設置が簡易となる。

0045

図3の場合は、一つ置きの処分坑道2のみを掘削し、処分孔3内の緩衝材Bを掘削して取り出し、廃棄体Cを取り出す。このフラット形の連続タイプの場合も、処分坑道の全体の本数を減らすことができ、また回収時に掘削する処分坑道の数を減らすことができると共に、1本の処分坑道2で同時に2箇所の廃棄体Cの取り出しが可能となる。なお、この場合、1本の処分坑道2に対して緩衝材・廃棄体の取り出しを上側と下側から行うことになる。

0046

(B)操業時
図1において、操業は、上側の処分坑道1と下側の処分坑道2の掘削と、処分孔3の掘削が終了した時点で開始する。下側の処分坑道2で処分孔3の蓋をし、あるいは少し緩衝材Bを埋め戻した後、蓋をし、上側の処分坑道1から処分孔3内に緩衝材Bを充填し、廃棄体Cを埋設定置する。

0047

下側の処分坑道2は、操業時には排水に用いる。その結果、処分孔3はドライの状況で緩衝材Bの埋め戻しが可能となる。また、上側の処分坑道1もドライの状況で埋め戻しが可能となる。下側で水を引き、水圧を下げるため、処分孔3と上側の処分坑道1はドライになり易い。

0048

図2の場合は、一つ置きの上側の処分坑道1を使用して上記と同様に操業することができる。図3の場合は、処分坑道1、2を使用して上記と同様に操業することができる。ここで、1本の処分坑道に連結される2組の処分孔3の位置をずらして配置することにより、処分孔底部の蓋の反力を処分坑道の底部で取ることができる。

0049

(C)建設時(掘削時)
図1図3において、上側の処分坑道1と下側の処分坑道2の掘削後、処分孔3の掘削を行うが、この処分孔3の掘削では、下側の処分坑道2も使用することができるため、レイズ・ボーリング工法の適用も可能となる。

0050

なお、以上は建設時(掘削時)に下側の処分坑道2を掘削する場合について説明したが、建設時に下側の処分坑道2を掘削せずに、廃棄体回収時に新たに掘削することもできる。この場合、新たに掘削した下側の処分坑道2を用いて緩衝材・廃棄体の引き抜きを行うことになる。

0051

なお、以上は放射性廃棄物の地層処分場に適用した場合について説明したが、その他の廃棄物の地層処分にも適用することができる。

図面の簡単な説明

0052

本発明に係る地下貯蔵施設の基本形態の一例を示す(a)は斜視図、(b)は鉛直断面図である。
本発明に係る地下貯蔵施設の連続タイプの一例を示す(a)、(b)は斜視図、(c)は鉛直断面図である。
本発明に係る地下貯蔵施設の連続タイプの他の例を示す(a)は斜視図、(b)は鉛直断面図である。
高レベル放射性廃棄物の地層処分を時系列で示す図である。
廃棄体の定置方法を断面にして示す斜視図であり、(a)は処分孔竪置き方式、(b)は処分坑道横置き方式である。
高レベル放射性廃棄物の地層処分場の一例を示す断面による斜視図である。
従来の処分坑道による処分パネルを示す平面図である。

符号の説明

0053

1…処分坑道(第1・上側)
2…処分坑道(第2・下側)
3…処分孔
A…岩盤
B…緩衝材
C…廃棄体

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