図面 (/)

技術 エレベータのかごへの非接触給電装置

出願人 東芝エレベータ株式会社
発明者 繁田正昭伊東弘晃中垣薫雄出森公人中田好彦大坪亮海田勇一郎
出願日 2006年9月12日 (13年9ヶ月経過) 出願番号 2006-247116
公開日 2008年3月27日 (12年3ヶ月経過) 公開番号 2008-068944
状態 特許登録済
技術分野 エレベーターの昇降案内装置及びロープ類 エレベータ制御
主要キーワード 各並列回路 変調周波数信号 一般電源 取り出し負荷 マイクロ導波管 微少間隔 主シーブ 三相商用電源
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年3月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

低い設備費用で、エレベータかご電力を非接触で効率的に供給する。

解決手段

高周波電源32から、エレベータのかご27の移動経路に沿って配線された給電線34に対して、50Hzから10kHzの範囲内の周波数を有する高周波電流を流し、かごに、給電線に対して非接触で磁気的に結合する磁気コア36を取付け、この磁気コアに、給電線に流れる高周波電流に対応した交流電圧誘起される2次巻線37を巻付ける。そして、この2次巻線に誘起された交流電圧を負荷39に対応した電力形態に変換する受電部38とを備えている。そして、給電線は、導電材料で形成された円形断面形状を有した1本の導線とこの導線の外周面を覆う絶縁被覆層とで形成され、かつ、導線の半径は高周波電源から供給される高周波電流の周波数に対応する表皮深δさ以下である。

概要

背景

エレベータかご等のように一定の範囲内で移動している移動体に搭載された負荷に外部から非接触で電力を供給する手法として、図16に示す電磁誘導原理を採用することが実用化されている(非特許文献1参照)。図示するように、電線一次コイル)に交流電流i1を流すと電流の周囲に磁束φが発生する。この磁束φが二次コイルを貫通すると二次コイルの両端に交流電圧V2が誘導される。この交流電圧V2により負荷であるランプに電力が供給される。

具体的には、図17に示すように、電力供給側高周波電源1から給電線(一次コイル)2へ高周波電流を供給する。電力受領側において、E字断面形状を有する磁気コア3の各溝に前記給電線2が通過する。この磁気コア3に2次巻線(二次コイル)4が巻回され、この2次巻線4に受信ユニット5が接続されている。すなわち、磁気コア3に巻回された2次巻線(二次コイル)4で電磁誘導により給電線2から電気エネルギーを非接触で取出す。給電線2は、損失の少ないリッツ線が適用されている。

図18(a)に特許文献1に記載されている非接触給電装置の構成を示す。この装置は、電源6、給電線7(軌道側に設置された部分7a、電源と軌道との間の区間に敷設された部分7b)、ピックアップ手段8を搭載した台車9から構成される。電源6は給電線7に高周波電流を流す。台車9に搭載されたピックアップ手段8は、電磁誘導により磁束を介して給電線7から電力を取り出し負荷に供給する。

同軸ケーブルからなる給電線7aは図18(b)に示す断面形状を有する。芯線10の外郭部に絶縁線11を挟んで外皮線12が芯線10を取り巻くように配置されており、全体がシース13で被覆されている。芯線10は、単線またはリッツ線が用いられる。外皮線12は、芯線10と平行状に配置された複数の単線または網組みした配線部材で構成される。

このような非接触給電装置において、電力の給電効率を上げるためには、給電線4、7に通流させる高周波電流の周波数を上昇させる必要がある。しかしながら、導体に高周波電流を流すと、電流が導体表面近くに集中して流れる表皮効果(skin effect)が生じる。表皮効果が生じると、導線では内部に電流が流れないために、導線の実効断面積が減少して、実効抵抗が増大する(非特許文献2参照)。

この表皮効果を定量的に評価する指標として、表皮深さ(skin depth)が定義されている。この表皮深さは、導体の表面に流れる電流の電流密度に対して、電流密度が1/e(自然対数の底 e=2.71829…)になった位置の導体の表面からの距離(深さ)δを示し、(1)式で示される。

δ=1/(πfμσ)1/2 …(1)
但し、f;周波数μ;導体の透磁率σ;導体の導電率
ちなみに、導体が銅の場合、(1)式は、(2)式で示すように、表皮深さδ(単位mm)は周波数f(単位Hz)の関数となる。

δ(mm)=74.9/[f(Hz)]1/2 …(2)
図19は、この(2)式で示される導体材料が銅である場合における周波数f(Hz)と表皮深さδ(mm)との関係を示す特性図である。

この実効抵抗の増大を防止するためには、マイクロ波マイクロ導波管等のように導線を中空にするか、多数の細線絶縁して寄合わせたリッツ線とすることが実用化されている。具体的には、高周波領域においては、表皮深さδの2倍以下の直径を有するリッツ線が採用されている。
特開2002−2335号公報
高三 正巳、近直、森田 勝幸、渡辺 勲、大立泰治、「非接触給電を用いた高速搬送台車の開発」、平成9年電気学会産業応用部門全国大会、pp1−4
Ned Mohan,Tore M.Undeland,William P.Robbins,”Power Electronics Converters,Applications and Design", Second Edition,pp748-754

概要

低い設備費用で、エレベータのかごに電力を非接触で効率的に供給する。高周波電源32から、エレベータのかご27の移動経路に沿って配線された給電線34に対して、50Hzから10kHzの範囲内の周波数を有する高周波電流を流し、かごに、給電線に対して非接触で磁気的に結合する磁気コア36を取付け、この磁気コアに、給電線に流れる高周波電流に対応した交流電圧が誘起される2次巻線37を巻付ける。そして、この2次巻線に誘起された交流電圧を負荷39に対応した電力形態に変換する受電部38とを備えている。そして、給電線は、導電材料で形成された円形断面形状を有した1本の導線とこの導線の外周面を覆う絶縁被覆層とで形成され、かつ、導線の半径は高周波電源から供給される高周波電流の周波数に対応する表皮深δさ以下である。

目的

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、低い設備費用で、かごに搭載された負荷に電力を非接触で効率的に供給できるエレベータのかごへの非接触給電装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

交流商用電源から供給される交流電力から、50Hzから10kHzの範囲内の周波数を有する高周波電流を生成する高周波電源と、エレベータ昇降路内におけるかご移動経路に沿って配線され、前記高周波電源から供給された高周波電流が通流する給電線と、前記昇降路内を移動するかごに取付けられ、前記給電線に対して非接触で磁気的に結合する磁気コアと、この磁気コアに巻回され、前記給電線に流れる高周波電流に対応した交流電圧誘起される2次巻線と、この2次巻線に誘起された交流電圧を前記かごに設けられた負荷に対応した電力形態に変換する受電部とを備え、前記給電線は、導電材料で形成された円形断面形状を有した1本の導線とこの導線の外周面を覆う絶縁被覆層とで形成され、かつ、前記導線の半径は前記高周波電源から供給される高周波電流の周波数に対応する表皮深さ以下であることを特徴とするエレベータのかごへの非接触給電装置

請求項2

交流商用電源から供給される交流電力から、50Hzから10kHzの範囲内の周波数を有する高周波電流を生成する高周波電源と、エレベータの昇降路内におけるかごの移動経路に沿って配線され、前記高周波電源から供給された高周波電流が通流する給電線と、前記昇降路内を移動するかごに取付けられ、前記給電線に対して非接触で磁気的に結合する複数の磁気コアと、この各磁気コアに巻回され、前記給電線に流れる高周波電流に対応した交流電圧が誘起される複数の2次巻線と、この複数の2次巻線に誘起された交流電圧を前記かごに設けられた負荷に対応した電力形態に変換する受電部とを備え、前記給電線は、導電材料で形成された円形断面形状を有した1本の導線とこの導線の外周面を覆う絶縁被覆層とで形成され、かつ、前記導線の半径は前記高周波電源から供給される高周波電流の周波数に対応する表皮深さ以下であることを特徴とするエレベータのかごへの非接触給電装置。

請求項3

前記導線の半径は、前記高周波電源から供給される高周波電流の周波数に対応する表皮深さ以下で、かつ、リッジ線でない一般電源ケーブルの導線の半径以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のエレベータのかごへの非接触給電装置。

請求項4

前記給電線は、前記昇降路内における前記かごの移動経路を複数回周回するように前記移動経路に沿って配線されていることを特徴とする請求項1または2記載のエレベータのかごへの非接触給電装置。

請求項5

前記給電線は、前記昇降路内におけるかごのガイドレールに沿って配線されていることを特徴とする請求項1または2記載のエレベータのかごへの非接触給電装置。

請求項6

前記受電部は、2次巻線に誘起された交流電圧を直流電力に変換することを特徴とする請求項1または2記載のエレベータのかごへの非接触給電装置。

請求項7

前記交流商用電源は単相商用電源であることを特徴とする請求項1または2記載のエレベータのかごへの非接触給電装置。

請求項8

前記交流商用電源は三相商用電源であることを特徴とする請求項1または2記載のエレベータのかごへの非接触給電装置。

技術分野

0001

本発明は、ビル等に備えられたエレベータに係わり、特に、昇降路内を上下移動するかごに外部から電力非接触状態で供給するエレベータのかごへの非接触給電装置に関する。

背景技術

0002

エレベータのかご等のように一定の範囲内で移動している移動体に搭載された負荷に外部から非接触で電力を供給する手法として、図16に示す電磁誘導原理を採用することが実用化されている(非特許文献1参照)。図示するように、電線一次コイル)に交流電流i1を流すと電流の周囲に磁束φが発生する。この磁束φが二次コイルを貫通すると二次コイルの両端に交流電圧V2が誘導される。この交流電圧V2により負荷であるランプに電力が供給される。

0003

具体的には、図17に示すように、電力供給側高周波電源1から給電線(一次コイル)2へ高周波電流を供給する。電力受領側において、E字断面形状を有する磁気コア3の各溝に前記給電線2が通過する。この磁気コア3に2次巻線(二次コイル)4が巻回され、この2次巻線4に受信ユニット5が接続されている。すなわち、磁気コア3に巻回された2次巻線(二次コイル)4で電磁誘導により給電線2から電気エネルギーを非接触で取出す。給電線2は、損失の少ないリッツ線が適用されている。

0004

図18(a)に特許文献1に記載されている非接触給電装置の構成を示す。この装置は、電源6、給電線7(軌道側に設置された部分7a、電源と軌道との間の区間に敷設された部分7b)、ピックアップ手段8を搭載した台車9から構成される。電源6は給電線7に高周波電流を流す。台車9に搭載されたピックアップ手段8は、電磁誘導により磁束を介して給電線7から電力を取り出し負荷に供給する。

0005

同軸ケーブルからなる給電線7aは図18(b)に示す断面形状を有する。芯線10の外郭部に絶縁線11を挟んで外皮線12が芯線10を取り巻くように配置されており、全体がシース13で被覆されている。芯線10は、単線またはリッツ線が用いられる。外皮線12は、芯線10と平行状に配置された複数の単線または網組みした配線部材で構成される。

0006

このような非接触給電装置において、電力の給電効率を上げるためには、給電線4、7に通流させる高周波電流の周波数を上昇させる必要がある。しかしながら、導体に高周波電流を流すと、電流が導体表面近くに集中して流れる表皮効果(skin effect)が生じる。表皮効果が生じると、導線では内部に電流が流れないために、導線の実効断面積が減少して、実効抵抗が増大する(非特許文献2参照)。

0007

この表皮効果を定量的に評価する指標として、表皮深さ(skin depth)が定義されている。この表皮深さは、導体の表面に流れる電流の電流密度に対して、電流密度が1/e(自然対数の底 e=2.71829…)になった位置の導体の表面からの距離(深さ)δを示し、(1)式で示される。

0008

δ=1/(πfμσ)1/2 …(1)
但し、f;周波数μ;導体の透磁率σ;導体の導電率
ちなみに、導体が銅の場合、(1)式は、(2)式で示すように、表皮深さδ(単位mm)は周波数f(単位Hz)の関数となる。

0009

δ(mm)=74.9/[f(Hz)]1/2 …(2)
図19は、この(2)式で示される導体材料が銅である場合における周波数f(Hz)と表皮深さδ(mm)との関係を示す特性図である。

0010

この実効抵抗の増大を防止するためには、マイクロ波マイクロ導波管等のように導線を中空にするか、多数の細線絶縁して寄合わせたリッツ線とすることが実用化されている。具体的には、高周波領域においては、表皮深さδの2倍以下の直径を有するリッツ線が採用されている。
特開2002−2335号公報
高三 正巳、近直、森田 勝幸、渡辺 勲、大立泰治、「非接触給電を用いた高速搬送台車の開発」、平成9年電気学会産業応用部門全国大会、pp1−4
Ned Mohan,Tore M.Undeland,William P.Robbins,”Power Electronics Converters,Applications and Design", Second Edition,pp748-754

発明が解決しようとする課題

0011

このように高周波になると表皮効果が発生し、導線の実効断面積が減少して、実効抵抗が増大するので、高周波領域においては、例えば、表皮深さδの2倍以下の直径(2R≦2δ R;半径)を有するリッツ線が採用されるが、高コストであり問題である。

0012

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、低い設備費用で、かごに搭載された負荷に電力を非接触で効率的に供給できるエレベータのかごへの非接触給電装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

上記課題を解消するために本発明のエレベータのかごへの非接触給電装置においては、交流商用電源から供給される交流電力から、50Hzから10kHzの範囲内の周波数を有する高周波電流を生成する高周波電源と、エレベータの昇降路内におけるかごの移動経路に沿って配線され、高周波電源から供給された高周波電流が通流する給電線と、昇降路内を移動するかごに取付けられ、給電線に対して非接触で磁気的に結合する磁気コアと、この磁気コアに巻回され、給電線に流れる高周波電流に対応した交流電圧が誘起される2次巻線と、この2次巻線に誘起された交流電圧をかごに設けられた負荷に対応した電力形態に変換する受電部とを備えている。さらに、給電線は、導電材料で形成された円形断面形状を有した1本の導線とこの導線の外周面を覆う絶縁被覆層とで形成され、かつ、導線の半径は高周波電源から供給される高周波電流の周波数に対応する表皮深さ以下である。

0014

このように構成されたエレベータのかごへの非接触給電装置においては、昇降路内を移動するかごに取付けられた磁気コアに対して非接触状態で磁気的に結合する高周波電流が流れる給電線における導線の半径Rは、高周波電源から供給された50Hzから10kHzの範囲内の周波数を有する高周波電流の周波数fに対応する図19の特性から求めた表皮深さδ以下に設定されている(R≦δ)ので、導体の断面における電流が流れていない又は流れる電流が少ない部分の割合が大幅に減少するので、導線の実効断面積が大きくなり、実効抵抗が低下する。

0015

その結果、リッツ線以外の一般的な電力線を給電線とした電力のかごに対する給電が可能となるので、低い設備費用でもって、かごに対する非接触給電装置を実現ができる。また表皮深さ以下の半径の導線が組込まれた給電線により給電するので、表皮効果が発生せず、送電効率の優れたかごに対する非接触給電装置を実現することができる。

0016

また、別の発明のエレベータのかごへの非接触給電装置においては、交流商用電源から供給される交流電力から、50Hzから10kHzの範囲内の周波数を有する高周波電流を生成する高周波電源と、エレベータの昇降路内におけるかごの移動経路に沿って配線され、前記高周波電源から供給された高周波電流が通流する給電線と、昇降路内を移動するかごに取付けられ、給電線に対して非接触で磁気的に結合する複数の磁気コアと、この各磁気コアに巻回され、給電線に流れる高周波電流に対応した交流電圧が誘起される複数の2次巻線と、この複数の2次巻線に誘起された交流電圧をかごに設けられた負荷に対応した電力形態に変換する受電部とを備えている。さらに、給電線は、導電材料で形成された円形断面形状を有した1本の導線とこの導線の外周面を覆う絶縁被覆層とで形成され、かつ、導線の半径は高周波電源から供給される高周波電流の周波数に対応する表皮深さ以下である。

0017

このように構成されたエレベータのかごへの非接触給電装置においても、給電線の導線半径は高周波電流の周波数に対応する表皮深さ以下であるので、前述した発明のエレベータのかごへの非接触給電装置とほぼ同様の作用効果を奏することが可能である。

0018

さらに、この発明においては、磁気コア及び2次巻線が複数設けられているので、かごへ供給する電力量を増加できる。

0019

また、導線の半径を、高周波電源から供給される高周波電流の周波数に対応する表皮深さ以下で、かつ、リッジ線でない一般電源ケーブルの導線の半径以上とすることによって、より現実的な給電線とすることができる。

0020

さらに、給電線を昇降路内におけるかごの移動経路を複数回周回するように移動経路に沿って配線することによって、磁気コアに磁気的に結合する給電線の本数が増加し、磁気コアに生じる磁束を増大できるので、かごへ供給する電力量を増加できる。

0021

また、給電線を昇降路内におけるかごのガイドレールに沿って配線することによって、給電線の配線に係わる設備費用を低減できる。

0022

さらに、受電部は、かごに設けられた負荷が直流負荷の場合には、次巻線に誘起された交流電圧を直流電力に変換して当該直流負荷に供給する。

0023

また、交流商用電源として、単相商用電源又は三相商用電源を採用できる。

発明の効果

0024

本発明においては、低い設備費用で、かごに搭載された負荷に電力を非接触で効率的に供給できる。

発明を実施するための最良の形態

0025

以下、本発明の各実施形態を図面を用いて説明する。

0026

(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係わるエレベータのかごへの非接触給電装置が組込まれたエレベータシステムの要部を示す模式図である。

0027

ビル等の建屋内に形成されたエレベータの昇降路21の上側に設けられた機械室22内に制御盤23及び巻上機24が設置されている。巻上機24の主シーブ25及びそらせシーブ26に、一端にかご27が取付けられ、他端に釣合錘28が取付けられた主ロープ29が掛けられている。外部の単相商用電源30から電源ケーブル31を介して単相交流電力が供給される制御盤23内には、巻上機24に組込まれた電動機を回転駆動するモータ駆動回路、図示しない乗場呼びボタンやかご呼びボタンのボタン操作による行先階を指定した呼びに応じて、モータ駆動回路へかご27を指定階へ移動させる指示を出す運転制御部等が組込まれている。

0028

さらに、機械室22内には、単相商用電源30から電源ケーブル31を介して単相交流電力が供給される高周波電源32が設置されている。この高周波電源32は入力された例えば100Vの単相交流電力から、50Hzから10kHzの範囲内の前記制御盤23の設定器33で設定された周波数fSを有する単相の高周波電流Iを生成して、昇降路21内に配線された給電線34に通流させる。

0029

この給電線34は、例えば、昇降路21内の側壁21aに支持部材を介して固定された、かご27の上下方向の移動をガイドするガイドレール35に支持されている。具体的には、この給電線34は、上端が高周波電源32の出力端子に接続され、下端がガイドレール35の下端で折り返されており、平行する2本の給電線34a、34bを直列接続した状態である。

0030

一方、かご27の側面27aには、図2(a)に示すように、E字形断面を有する磁気コア36が取付けられている。この磁気コア36の各溝36a、36bに前記給電線34における各給電線34a、34bが貫通し、この磁気コア36の中央の磁極36cに2次巻線37が巻回されている。この2次巻線37の両端は受電部38の入力端子に接続されている。この受電部38において、図4に示すように、2次巻線37に誘起された高周波の交流電圧は、整流器54で直流に変換され、直流リアクトル53aと平滑コンデンサ53bとで、この直流に含まれる高調波成分が除去され、受電部38の出力端子に接続された直流の負荷39に供給される。この直流の負荷39は、例えば、かご27内を照明する照明器や、かご呼びボタン、行き先等を含む各種表示器電源回路ドア開閉器等である。

0031

図2(b)は前記給電線34(34a、34b)の断面図である。この給電線34は、円形断面形状を有した導電材料である銅で形成された1本の導線40と、この導線40の外周面を覆う絶縁被覆層41とで形成されている。そして、導線40の半径R(mm)は、高周波電源32から給電線34に供給される高周波電流Iの周波数fSに対応する表皮深さδS以下である。

0032

さらに、高周波電源32から給電線34に供給される高周波電流Iの周波数fSの範囲は前述したように、50Hzから10kHzの範囲内から操作者にて選択されて制御盤23の設定器33にて設定された周波数である。下限周波数50Hzは、単相商用電源30から供給される50Hzの単相交流電力を周波数変換せずに、そのまま高周波電流Iとして、給電線34に印加可能にする周波数である。また、前述したように、給電線34に供給される高周波電流Iの周波数が高い方が電力の給電効率が高いが、過度に高いと、電波法規制を受けるので、規制を受けない最高周波数の10kHzを上限周波数としている。

0033

前述したように、導体材料が銅である導体における周波数f(Hz)と表皮深さδ(mm)との関係は図19に示されている。50Hz及び10kHzに対応する各表皮深さδ(mm)は、それぞれ、10.6mm、0.9mmとなる。仮に、操作者が操作盤23の設定器33で選択設定した周波数fSが1kHzの場合は、表皮深さδSは4.5mmとなる。

0034

したがって、実施形態装置における給電線34における導線40の半径Rの取り得る最大値Rmaxは、設定周波数fSが50Hzの場合で10.6mm、設定周波数fSが1kHzの場合で4.5mm、設定周波数fSが10kHzの場合で0.9mmとなる。

0035

なお、給電線34における導線40の半径Rの取り得る最小値Rminは、リッジ線でない一般電源ケーブルの導線の半径以上である。

0036

このように、高周波電流Iが通流する給電線34における導線40の半径Rを表皮効果が顕著に現れる表皮深さδ(mm)以下に設定しているので、導線40の断面における電流が流れていない又は流れる電流が少ない部分の割合が大幅に減少するので、導線40の実効断面積が大きくなり、実効抵抗が低下する。

0037

図3は、高周波電源32の概略構成図である。単相商用電源30から電源ケーブル31を介して供給された50Hz、100vの単相交流は、単相ブリッジ回路からなる整流器42で直流に変換され、直流リアクトル43aと平滑コンデンサ43bとで、この直流に含まれる高調波成分が除去される。高調波成分が除去された直流は次のインバータ44の直流側端子45a、45bに入力されている。このインバータ44においては、直流側端子45a、45b相互簡に、ダイオード46aとスイッチング素子46bとの並列回路46が4個、単相ブリッジ接続されている。各並列回路46のスイッチング素子46bは、制御部47から出力されるPWM(パルス幅変調)信号48で通電制御される。

0038

したがって、このインバータ44は入力された直流を交流に変換する。このインバータ42の交流側端子(出力端子)49a、49b間には、コイル50aとコンデンサ50bからなるフィルタ50を介して、給電線34(34a、34b)が接続されている。このフィルタ50はインバータ44から給電線34(34a、34b)へ出力される高周波信号Iの高調波成分を除去して設定された周波数fSの正弦波形とする。

0039

制御部47には、前記単相商用電源30から駆動電源が供給されており、制御盤23に設けられた設定器33にて、操作員操作入力した開始/停止信号51、変調率信号52、変調周波数信号53が入力される。制御部47は、開始/停止信号51に応じて、インバータ44へ送出するPWM信号48をオンオフ制御する。さらに、変調率信号52に応じてPWM信号48のパルス幅を変更することによって、インバータ44から出力される単相の高周波電流Iの振幅、すなわち電流値を制御する。また、変調周波数信号53に応じてPWM(パルス幅変調)信号48の出力周期を変更することによって、インバータ44から出力される単相の高周波電流Iの周波数fを制御する。すなわち、操作者は、制御盤23の接定器33で、高周波電源32から給電線34(34a、34b)へ出力される高周波電流Iの電流値と周波数fを任意の値に設定可能である。

0040

このように構成された第1実施形態のエレベータのかごへの非接触給電装置においては、高周波電源32から出力された高周波電流Iが流れる給電線34(34a、34b)は、かご27の側面に取付けられた、磁気コア36に磁気的に結合し、この磁気コア36の磁極36cに巻回された2次巻線7にて、高周波電流Iに対応した交流電圧が誘起され、この交流電圧は受電部38で直流に変換されて、直流の負荷39に供給される。

0041

そして、非接触状態で磁気的に結合する高周波電流Iが流れる給電線34における導線40の半径Rは、高周波電源32から供給された50Hzから10kHzの範囲内の周波数を有する高周波電流の周波数fに対応する表皮深さδ以下に設定されている(R≦δ)ので、導線0の断面における電流が流れていない又は流れる電流が少ない部分の割合が大幅に減少するので、導線の実効断面積が大きくなり、実効抵抗が低下する。したがって、リッツ線以外の一般的な電力線を給電線とした電力のかごに対する給電が可能となるので、低い設備費用でもって、かごに対する非接触給電装置を実現ができる。

0042

(第2実施形態)
図5は本発明の第2実施形態に係わるエレベータのかごへの非接触給電装置が組込まれたエレベータシステムの要部を示す模式図である。図1に示す第1実施形態のエレベータのかごへの非接触給電装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。

0043

この第2実施形態のエレベータのかごへの非接触給電装置においては、かご27の側面27bに同一仕様の2個の磁気コア55、56が上下方向に互いに微少距離離間して取付けられている。そして、図6に示すように、給電線34a、34bはそれぞれ、2個の磁気コア55、56の各溝内を貫通する。各磁気コア55、56の中央の磁極55c、56cに2次巻線57、58が巻回されている。各2次巻線57、58の他端は、かご27の上面に設けられた受電部38の整流器54の入力端子に対して並列接続されている。その他の構成及び動作は図1の第1実施形態とほぼ同じである。

0044

このように構成された第2実施形態においては、各2次巻線57、58においてそれぞれ第1実施形態の2次巻線37に誘起された電圧が誘起される。したがって、受電部38から負荷39へ供給する直流電力を増加することが可能である。さらに、負荷39の容量に応じて、いずれか一方の2次巻線57、58のみを受電部38に接続することにより、負荷39に供給する直流電力の容量を調整できる。

0045

(第3実施形態)
図7は本発明の第3実施形態に係わるエレベータのかごへの非接触給電装置が組込まれたエレベータシステムの要部を示す模式図である。図1に示す第1実施形態のエレベータのかごへの非接触給電装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。

0046

この第3実施形態のエレベータのかごへの非接触給電装置においては、高周波電源32から高周波電流Iが供給される給電線34は、昇降路21内におけるかごの移動経路における上端から下端までの範囲を2回周回するように折返されている。したがって、給電線34は、4本の給電線34a、34b、34c、34dを直列接続したものである。よって、図8に示すように、磁気コア36の各溝36a、36bにはそれぞれ2本の給電線(34a、34c)(34d、34e)が貫通する。

0047

したがって、磁気コア36内に生起される磁束は、給電線34a、34bの2本のみが通過に比較して、磁気コア36内に生起される磁束が大幅に増加するので、磁極36cに巻回された2次巻線37に誘起する交流電圧が上昇するので、受電部38から負荷39に供給する直流電力の容量を増加できる。

0048

(第4実施形態)
図9は本発明の第4実施形態に係わるエレベータのかごへの非接触給電装置が組込まれたエレベータシステムの要部を示す模式図である。図5図7に示す第2、第3実施形態のエレベータのかごへの非接触給電装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。

0049

この第4実施形態においては、図5に示すように2つの磁気コア55、59をかご27の側面27aを取付けると共に、図7に示すように給電線34を昇降路21内におけるかごの移動経路における上端から下端までの範囲を2回周回するように折返している。

0050

そして、図7に示すように、2個の磁気コア55、56の各溝内には、それぞれ2本の(給電線34a、34c)、(給電線34b、34c)が貫通しているので、磁気コア55、59に生起される磁束が大幅に増加するので、各磁気コア55、56の中央の磁極55c、56cに巻回されている2次巻線57、58に誘起される交流電圧が上昇する。この2つの2次巻線57、58はかご27の上面に設けられた受電部38の整流器54の入力端子に対して並列接続されている。

0051

したがって、受電部38から負荷39に供給する直流電力の容量をさらに増加できる。

0052

(第5実施形態)
図11は本発明の第5実施形態に係わるエレベータのかごへの非接触給電装置が組込まれたエレベータシステムの要部を示す模式図である。図1に示す第1実施形態のエレベータのかごへの非接触給電装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。

0053

この第5実施形態のエレベータのかごへの非接触給電装置においては、三相商用電源60から三相交流が電源ケーブル61を介して高周波電源62及び制御盤63に供給される。高周波電源62は図12に示すように構成されている。図3と同一部分は同一符号が付されている。

0054

この高周波電源62においては、電源ケーブル61を介して供給された50Hz、200vの三相交流は、三相ブリッジからなる整流器64で直流に変換され、直流リアクトル43aと平滑コンデンサ43bとで高調波成分が除去され、インバータ44で単相の交流に変換される。そして、制御部47は三相商用電源60から駆動電源が供給され、制御盤63の設定器33の操作者が操作入力した開始/停止信号51、変調率信号52、変調周波数信号53に基づいて給電線34(34a、34b)に供給される。したがって、操作者は高周波電流Iの振幅、周波数を任意に設定可能である。その他の構成は第1の実施形態と同じである。よって、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。このように、三相電源で駆動されるエレベータにおいても、かご27に非接触で電力を供給できる。

0055

(第6実施形態)
図13は本発明の第6実施形態に係わるエレベータのかごへの非接触給電装置が組込まれたエレベータシステムの要部を示す模式図である。図5図11に示す第2、第5実施形態のエレベータのかごへの非接触給電装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。

0056

この第6実施形態のエレベータのかごへの非接触給電装置においては、前述した三相商用電源60から電源ケーブル61を介して高周波電源62及び制御盤63に供給される。高周波電源62は図12に示すように構成されている。また、この第6実施形態においては、図5に示す第2実施形態と同様に、かご27の側面27bに同一仕様の2個の磁気コア55、56が上下方向に互いに微少間隔を開けて取付けられている。したがって、第2実施形態と同様に、受電部38から負荷39へ供給する直流電力を増加することが可能である。

0057

(第7実施形態)
図14は本発明の第7実施形態に係わるエレベータのかごへの非接触給電装置が組込まれたエレベータシステムの要部を示す模式図である。図7図11に示す第3、第5実施形態のエレベータのかごへの非接触給電装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。

0058

この第7実施形態のエレベータのかごへの非接触給電装置においては、前述した三相商用電源60から電源ケーブル61を介して高周波電源62及び制御盤63に供給される。高周波電源62は図12に示すように構成されている。また、この第7実施形態においては、図7に示す第3実施形態と同様に、高周波電源32から高周波電流Iが供給される給電線34を4本の給電線34a、34b、34c、34dを直列接続したものである。よって、磁極36cに巻回された2次巻線37に誘起する交流電圧が上昇するので、受電部38から負荷39に供給する直流電力の容量を増加できる。

0059

(第8実施形態)
図15は本発明の第8実施形態に係わるエレベータのかごへの非接触給電装置が組込まれたエレベータシステムの要部を示す模式図である。図9図11に示す第4、第5実施形態のエレベータのかごへの非接触給電装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。

0060

この第8実施形態のエレベータのかごへの非接触給電装置においては、前述した三相商用電源60から電源ケーブル61を介して高周波電源62及び制御盤63に供給される。高周波電源62は図12に示すように構成されている。また、この第8実施形態においては、図9に示す第4実施形態と同様に、2つの磁気コア55、59をかご27の側面27aを取付けると共に、給電線34を昇降路21内におけるかごの移動経路における上端から下端までの範囲を2回周回するように折返している。

0061

したがって、したがって、受電部38から負荷39に供給する直流電力の容量をさらに増加できる。

0062

なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。各実施形態においては、かご27における負荷39は直流負荷を採用したが、交流負荷を採用することも可能である。この場合は、受電部38は、2次巻線に誘起された高周波の交流電圧を例えば50Hzの低周波の交流電力に周波数変換して負荷に供給する。

0063

さらに、第2、第4、第6、第8実施形態において、各磁気コア55、56の中央の磁極55c、56cに巻回されている2次巻線57、58他端を、かご27の上面に設けられた受電部38の整流器54の入力端子に対して並列接続したが、受電部38の整流器54の入力端子に対して直列接続することも可能である。

図面の簡単な説明

0064

本発明の第1実施形態に係わるエレベータのかごへの非接触給電装置が組込まれたエレベータシステムの要部を示す模式図
同実施形態のかごへの非接触給電装置の磁気コア、給電線、2次巻線を示す図
同実施形態のかごへの非接触給電装置に組込まれた高周波電源の概略構成を示す回路
同実施形態のかごへの非接触給電装置に組込まれた受電部の概略構成を示す回路図
本発明の第2実施形態に係わるエレベータのかごへの非接触給電装置が組込まれたエレベータシステムの要部を示す模式図
同実施形態のかごへの非接触給電装置の磁気コア、給電線、2次巻線を示す図
本発明の第3実施形態に係わるエレベータのかごへの非接触給電装置が組込まれたエレベータシステムの要部を示す模式図
同実施形態のかごへの非接触給電装置の磁気コア、給電線、2次巻線を示す図
本発明の第4実施形態に係わるエレベータのかごへの非接触給電装置が組込まれたエレベータシステムの要部を示す模式図
同実施形態のかごへの非接触給電装置の磁気コア、給電線、2次巻線を示す図
本発明の第5実施形態に係わるエレベータのかごへの非接触給電装置が組込まれたエレベータシステムの要部を示す模式図
同実施形態のかごへの非接触給電装置に組込まれた高周波電源の概略構成を示す回路図
本発明の第6実施形態に係わるエレベータのかごへの非接触給電装置が組込まれたエレベータシステムの要部を示す模式図
本発明の第7実施形態に係わるエレベータのかごへの非接触給電装置が組込まれたエレベータシステムの要部を示す模式図
本発明の第8実施形態に係わるエレベータのかごへの非接触給電装置が組込まれたエレベータシステムの要部を示す模式図
電磁誘導原理を示す図
一般的な非接触給電装置を示す図
従来の非接触給電装置を示す図
周波数と表皮深さの関係を示す図

符号の説明

0065

21…昇降路、22…機械室、23,63…制御盤、27…かご、30…単相商用電源、31,61…電源ケーブル、32,62…高周波電源、34,34a,34b,34c,34d…給電線、35…ガイドレール、36,55,56…磁気コア、37,57,58…2次巻線、38…受電部、39…負荷、40…導線、41…絶縁被覆層、42,54,62…整流器、44…インバータ、47…制御部、60…三相商用電源

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ