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技術 導電性中空体およびその製造方法

出願人 松本油脂製薬株式会社
発明者 高原一郎北野健一重田啓彰三木勝志
出願日 2007年8月10日 (12年6ヶ月経過) 出願番号 2007-209778
公開日 2008年3月21日 (11年11ヶ月経過) 公開番号 2008-066298
状態 特許登録済
技術分野 粉末冶金 化学的被覆 非絶縁導体 電線ケーブルの製造(1)
主要キーワード 垂直スクリュー 最適膨張 平均真比重 内包保持 揺動攪拌 導電性粘着材 含弗素化合物 融着体
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

硬度および真比重が小さく、樹脂への分散性に優れた導電性中空体およびその製造方法を提供することである。

解決手段

導電性中空体は、熱可塑性樹脂からなる外殻部およびそれに囲まれた中空部から構成された中空体本体と、前記外殻部の外表面に付着した導電性粒子または前記外殻部の外表面を被覆する導電性金属層とからなり、真比重が0.01〜0.65g/ccである。導電性中空体の製造方法は、熱可塑性樹脂からなる外殻部およびそれに囲まれた中空部から構成され、真比重が0.005〜0.30g/ccである中空体本体の外表面を、無電解メッキ法によって導電性金属層で被覆する工程を含む製造方法である。

概要

背景

方導電性フィルム導電性ペースト導電性接着剤導電性粘着材等の異方性導電材料の主要な構成材料は、たとえば、導電性粒子バインダー樹脂等と混合して得られる。
導電性粒子に求められる重要な特性は、異方性導電材料に用いる場合では導電性が高いことであり、導電性粒子としては金属粒子(特に金属超微粒子)が好ましく、なかでも銀超微粒子耐酸化性にも優れているため汎用されている。しかしながら、銀超微粒子は硬度が高いので基板の損傷が問題となる。また、銀超微粒子は比重も高いので樹脂への分散性に劣る点が問題である。

従来、硬度および比重が小さい導電性粒子としては、アクリル系微粒子の表面に金属層を有したものが知られている(特許文献1参照)。しかしながら、このアクリル系微粒子は、基板に対する損傷性、樹脂への分散性が十分に満足できるものではないという欠点がある。
基板に対する損傷性や樹脂への分散性に優れた樹脂材料として、通常、塩化ビニリデン系共重合体アクリロニトリル系共重合体アクリル系共重合体等の熱可塑性樹脂外殻とし、その内部にイソブタンイソペンタン等の炭化水素系発泡剤封入された構造を有する熱膨張性微小球(一般には熱膨張性マイクロカプセルと呼ばれている。)を膨張して得られる中空粒子が知られている(特許文献2参照)。
特公平7−97717号公報
米国特許第3615972号明細書

概要

硬度および真比重が小さく、樹脂への分散性に優れた導電性中空体およびその製造方法を提供することである。 導電性中空体は、熱可塑性樹脂からなる外殻部およびそれに囲まれた中空部から構成された中空体本体と、前記外殻部の外表面に付着した導電性粒子または前記外殻部の外表面を被覆する導電性金属層とからなり、真比重が0.01〜0.65g/ccである。導電性中空体の製造方法は、熱可塑性樹脂からなる外殻部およびそれに囲まれた中空部から構成され、真比重が0.005〜0.30g/ccである中空体本体の外表面を、無電解メッキ法によって導電性金属層で被覆する工程を含む製造方法である。 なし

目的

本発明の目的は、硬度および真比重が小さく、樹脂への分散性に優れた導電性中空体およびその製造方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

熱可塑性樹脂からなる外殻部およびそれに囲まれた中空部から構成された中空体本体と、前記外殻部の外表面に付着した導電性粒子または前記外殻部の外表面を被覆する導電性金属層とからなり、真比重が0.01〜0.65g/ccである、導電性中空体。

請求項2

平均粒子径が0.1〜1000μmである、請求項1に記載の導電性中空体。

請求項3

粒度分布変動係数CV値が30%以下である、請求項1または2に記載の導電性中空体。

請求項4

圧縮時変形率が70%以上であり、且つ除圧後復元率が40%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の導電性中空体。

請求項5

前記導電性粒子が、銀、金、白金ニッケル、銅、カーボンブラック酸化亜鉛および酸化チタンからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む粒子である、請求項1〜4のいずれかに記載の導電性中空体。

請求項6

前記前記導電性金属層が、銀、金、白金、ニッケルおよび銅からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の導電性中空体。

請求項7

熱可塑性樹脂からなる外殻部およびそれに囲まれた中空部から構成され、真比重が0.005〜0.30g/ccである中空体本体の外表面を、無電解メッキ法によって導電性金属層で被覆する工程を含む、導電性中空体の製造方法。

請求項8

熱可塑性樹脂からなる外殻に内包され且つ前記熱可塑性樹脂の軟化点以下の沸点を有する発泡剤とから構成された熱膨張性微小球と、導電性粒子とを混合する工程と、前記混合工程で得られた混合物を前記軟化点超の温度で加熱して、前記熱膨張性微小球を膨張させるとともに、前記導電性粒子を得られる中空体本体の外表面に付着させる工程を含む、導電性中空体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、導電性中空体およびその製造方法に関する。さらに詳しくは弾力性に優れ、真比重が小さい導電性中空体およびその製造方法に関する。

背景技術

0002

方導電性フィルム導電性ペースト導電性接着剤導電性粘着材等の異方性導電材料の主要な構成材料は、たとえば、導電性粒子バインダー樹脂等と混合して得られる。
導電性粒子に求められる重要な特性は、異方性導電材料に用いる場合では導電性が高いことであり、導電性粒子としては金属粒子(特に金属超微粒子)が好ましく、なかでも銀超微粒子耐酸化性にも優れているため汎用されている。しかしながら、銀超微粒子は硬度が高いので基板の損傷が問題となる。また、銀超微粒子は比重も高いので樹脂への分散性に劣る点が問題である。

0003

従来、硬度および比重が小さい導電性粒子としては、アクリル系微粒子の表面に金属層を有したものが知られている(特許文献1参照)。しかしながら、このアクリル系微粒子は、基板に対する損傷性、樹脂への分散性が十分に満足できるものではないという欠点がある。
基板に対する損傷性や樹脂への分散性に優れた樹脂材料として、通常、塩化ビニリデン系共重合体アクリロニトリル系共重合体アクリル系共重合体等の熱可塑性樹脂外殻とし、その内部にイソブタンイソペンタン等の炭化水素系発泡剤封入された構造を有する熱膨張性微小球(一般には熱膨張性マイクロカプセルと呼ばれている。)を膨張して得られる中空粒子が知られている(特許文献2参照)。
特公平7−97717号公報
米国特許第3615972号明細書

発明が解決しようとする課題

0004

本発明の目的は、硬度および真比重が小さく、樹脂への分散性に優れた導電性中空体およびその製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂からなる外殻部およびそれに囲まれた中空部からなる中空体本体に導電性粒子を付着させた構造の導電性中空体や、熱可塑性樹脂からなる外殻部およびそれに囲まれた中空部から構成される中空体に導電性金属層被覆された導電性中空体であって、しかもその真比重が特定範囲にあれば、上記課題が一挙に解決するという知見を得て、本発明に到達した。
すなわち、本発明にかかる導電性中空体は、熱可塑性樹脂からなる外殻部およびそれに囲まれた中空部から構成された中空体本体と、前記外殻部の外表面に付着した導電性粒子または前記外殻部の外表面を被覆する導電性金属層とからなり、真比重が0.01〜0.65g/ccである。

0006

導電性中空体の平均粒子径が0.1〜1000μmであると好ましい。また、導電性中空体の粒度分布変動係数CV値が30%以下であると好ましい。
圧縮時変形率が70%以上であり、且つ除圧後復元率が40%以下であると好ましい。
前記導電性粒子が、銀、金、白金ニッケル、銅、カーボンブラック酸化亜鉛および酸化チタンからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む粒子であると好ましい。一方、前記前記導電性金属層が、銀、金、白金、ニッケルおよび銅からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含有すると好ましい。

0007

本発明にかかる導電性中空体の製造方法は、熱可塑性樹脂からなる外殻部およびそれに囲まれた中空部から構成され、真比重が0.005〜0.30g/ccである中空体本体の外表面を、無電解メッキ法によって導電性金属層で被覆する工程を含む製造方法である。
本発明にかかる別の導電性中空体の製造方法は、熱可塑性樹脂からなる外殻に内包され且つ前記熱可塑性樹脂の軟化点以下の沸点を有する発泡剤とから構成された熱膨張性微小球と、導電性粒子とを混合する工程と、前記混合工程で得られた混合物を前記軟化点超の温度に加熱して、前記熱膨張性微小球を膨張させるとともに、得られる中空体本体の外表面に前記導電性粒子を付着させる工程を含む製造方法である。

発明の効果

0008

本発明の導電性中空体は、硬度および真比重が小さく、樹脂への分散性に優れる。
本発明の導電性中空体の製造方法は、いずれも、硬度および真比重が小さく、樹脂への分散性に優れる導電性中空体を効率よく製造できる。

発明を実施するための最良の形態

0009

〔導電性中空体〕
本発明の導電性中空体は、中空体本体と導電性粒子または導電性金属層とからなる。中空体本体は、後述するように熱可塑性樹脂からなるので、硬度および真比重が小さく、樹脂への分散性に優れる。また、導電性中空体の導電性は、導電性粒子または導電性金属層によって発揮される。
導電性中空体の真比重は、0.01〜0.65g/ccであり、好ましくは0.02〜0.55g/cc、さらに好ましくは0.03〜0.45g/cc、特に好ましくは0.04〜0.40g/cc、最も好ましくは0.05〜0.35g/ccである。真比重が0.01g/ccより小さい場合は、導電性材料として使用する際に、均一分散性が低くなる場合があり好ましくない。一方、真比重が0.65g/ccより大きい場合は、導電性材料として使用する際に、低比重化効果が低くなるため、導電性中空体の添加量が大きくなり、非経済的である。

0010

導電性中空体の平均粒子径(体積平均粒子径)については、用途に応じて自由に設計することができるために特に限定されないが、通常0.1〜1000μm、好ましくは0.3〜500μm、さらに好ましくは0.5〜300μm、特に好ましくは0.8〜200μmである。
導電性中空体の粒度分布の変動係数CVは、特に限定されないが、好ましくは30%以下、さらに好ましくは25%以下、特に好ましくは20%以下である。変動係数CVは、以下に示す計算式(1)および(2)で算出される。

0011

(式中、sは粒子径標準偏差、<x>は平均粒子径、xi
i番目の粒子径、nは粒子の数である。)

0012

本発明の導電性中空体では、その圧縮時変形率および除圧後復元率が特定の範囲であると、硬度が小さく、弾力性に富む
導電性中空体の圧縮時変形率については、70%以上であれば特に限定されないが、好ましくは70〜99.6%、さらに好ましくは72〜95%、特に好ましくは75〜90%である。圧縮時変形率が70%未満の場合、導電性中空体に弾力性が無く、すなわち硬度が高くなり好ましくないことがある。一方、圧縮時変形率が99.6%超の場合、中空体外殻部の熱可塑性樹脂の破壊が発生することがある。
導電性中空体の除圧後復元率については、40%以下であれば特に限定されないが、好ましくは0.01〜40%、さらに好ましくは0.01〜35%、特に好ましくは0.01〜30%である。除圧後復元率が40%超の場合、導電性中空体に弾力性が無く、すなわち脆くなり好ましくないことがある。一方、除圧後復元率が0.01%未満は、すなわち除圧後ほぼ圧縮前の形状に戻っているということと同義である。

0013

以下、中空体本体、導電性粒子、導電性金属層を詳しく説明する。
(中空体本体)
本発明の導電性中空体を構成する中空体本体は、外殻部およびそれに囲まれた中空部からなる。中空体本体は、(ほぼ)球状で、内部に大きな空洞に相当する中空部を有している。中空体本体の形状を身近な物品で例えるならば、たとえば、軟式テニスボールを挙げることができる。中空体本体は、その硬度および真比重が小さいので、本発明の導電性中空体に同物性を付与する。

0014

中空体本体の平均粒径については、特に限定はないが、好ましく0.1〜1000μm、さらに好ましくは0.3〜500μm、特に好ましくは0.5〜300μmであり、最も好ましくは0.8〜200μmである。
中空体本体の真比重については、特に限定はないが、通常、0.005〜0.30g/ccであり、好ましくは0.010〜0.25g/cc、さらに好ましくは0.015〜0.20g/ccである。中空体本体の真比重が0.005g/ccより小さい場合は、耐久性が低くなることがある。一方、中空体本体の真比重が0.30g/ccより大きい場合は、低比重化効果が低くなるため、導電性中空体の添加量が大きくなり、非経済的であることがある。

0015

中空体本体を構成する外殻部は、以下で詳しく説明する熱膨張性微小球の外殻を構成する熱可塑性樹脂からなる。外殻部は、その外表面と内表面とで囲まれ、端部はなく、連続した形状を有する。外殻部の厚み、すなわち外表面と内表面と間の距離については、均一であることが好ましいが、不均一であってもよい。
外殻部の平均厚みについては、特に限定はないが、好ましくは0.01〜10μm、さらに好ましくは0.1〜5μm、特に好ましくは0.2〜1μmである。外殻部の平均厚みが0.01μmより小さい場合は、耐久性が低くなることがある。一方、外殻部の平均厚みが10μmより大きい場合は、弾性が低下することがある。なお、外殻部の平均厚みとは、熱膨張性微小球全体としての平均粒子径から算出される外殻部の平均厚みであり、実施例に示す計算式で算出される。

0016

中空体本体の平均粒子径に対する外殻部の平均厚みの割合(外殻部の平均厚み/中空体本体の平均粒子径)については、特に限定はないが、好ましくは0.0005〜0.1、さらに好ましくは0.0010〜0.7、特に好ましくは0.0015〜0.5である。外殻部の平均厚み/中空体本体の平均粒子径が、0.0005〜0.1の範囲外では中空体が弾性を示さないおそれがある。
中空体本体を構成する中空部は、(ほぼ)球状であり、外殻部の内表面と接している。中空部は、基本的には以下で詳しく説明する発泡剤が気化した気体で満たされており、発泡剤は液化した状態であってもよい。発泡剤の全部または一部は空気等の他の気体で置換されていてもよい。

0017

中空部は、中空体本体中に複数あってもよいが、通常は、大きな中空部が1つであることが多い。
(導電性粒子)
導電性粒子は、外殻部の外表面に付着している。ここでいう付着とは、単に中空体本体の外表面に導電性粒子が吸着された状態であってもよく、中空体本体の外表面近傍の熱可塑性樹脂が加熱によって融解し、中空体本体の外表面に導電性粒子がめり込み、固定された状態であってもよいという意味である。

0018

導電性粒子の粒子形状は不定形であっても球状であってもよいが、常温下での粉体流動性の観点からは球状の粒子を全体の50%以上含有するのが好ましい。ここで、球状とは粒子の長径短径の比が1.0〜1.5の範囲にあるものを意味する。
導電性粒子を構成する材料としては、たとえば、クロム、鉄、銅、コバルト、ニッケル、チタンパラジウム亜鉛、錫、金、白金、銀、アルミニウムインジウム等の金属;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム酸化スズ等の金属酸化物;カーボンブラック等を挙げることができる。導電性粒子はこれらの金属の合金からなる粒子であってもよく、上記金属からなる粒子、上記金属酸化物からなる粒子、カーボンブラックからなる粒子の1種または2種以上から構成されていてもよい。

0019

導電性粒子が、銀、金、白金、ニッケル、銅、カーボンブラック、酸化亜鉛および酸化チタンからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む粒子であると、導電性が良好であるため好ましく、酸化性の観点からは、銀を含む粒子であるとさらに好ましい。
導電性粒子の平均粒子径については、用いる中空体本体により適宜選択され、特に限定はないが、導電性の観点からは、好ましくは0.001〜10μm、さらに好ましくは0.005〜5μm、特に好ましくは0.01〜3μmである。

0020

導電性粒子の平均粒子径と中空体本体の平均粒子径との比率(導電性粒子の平均粒子径/中空体本体の平均粒子径)は、中空体表面への付着性の観点から好ましくは0.20以下、さらに好ましくは0.15以下、特に好ましくは0.01以下である。
導電性粒子と中空体本体との重量比率(導電性粒子/中空体本体)については、特に限定はないが、好ましくは99.5/0.5〜50/50、さらに好ましくは99/1〜55/45、特に好ましくは97/3〜60/40である。導電性粒子/中空体本体(重量比率)が、99.5/0.5より大きい場合、導電性中空体の真比重が大きくなり低比重化効果が発揮されなくなることがある。一方、導電性粒子/中空体本体(重量比率)が、50/50より小さい場合、導電性粒子の表面被覆が不十分になり、導電性の悪化や製造時に融着体が発生することがある。
(導電性金属層)

0021

導電性金属層は、外殻部の外表面を被覆する。
導電性金属層としては、たとえば、上記導電性粒子の説明で述べた金属を挙げることができ、これらの金属の合金からなっていてもよい。

0022

導電性金属層が、銀、金、白金、ニッケルおよび銅からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含有すると、導電性が良好であるため好ましく、酸化性の観点からは、銀を含む粒子であるとさらに好ましい。
導電性金属層の平均厚みについては、特に限定はないが、導電性中空体の比重の観点からは、好ましくは0.01μm〜10μm、さらに好ましくは0.05〜2μm、特に好ましくは0.1〜1μmである。導電性金属層の平均厚みが0.01μmより小さい場合は、導電性が低下することがある。一方、導電性金属層の平均厚みが10μmより大きい場合は、導電性中空体の真比重が大きくなり、低比重化効果が低下することがある。
(導電性中空体の製造方法)

0023

導電性中空体の製造方法については、特に限定はないが、たとえば、無電解メッキ電気メッキ真空蒸着イオンプレーティングイオンスパッタリング等によって、導電性金属層で中空体本体の外表面を被覆する方法;導電性粒子を中空体本体の外表面に付着させる方法等で製造される。これらの製造方法のうちでも、後述する無電解メッキを利用する方法や、導電性粒子を付着させる方法が、中空体本体への圧力変化温度変化等の負荷が少ないという点で好ましい。
〔導電性中空体の製造方法(その1)〕
本発明の導電性中空体の製造方法は、中空体本体の外表面を無電解メッキ法によって導電性金属層で被覆する工程を含む製造方法である。

0024

中空体本体は、熱可塑性樹脂からなる外殻部およびそれに囲まれた中空部から構成され、真比重が0.005〜0.30g/ccである。中空体本体については、上記で説明したとおりである。
中空体本体の外表面を導電性金属層で被覆する無電解メッキ法は、一般には、順にエッチング工程、活性化工程および無電解メッキ工程の各工程に分けられる。

0025

エッチング工程は、エッチング液を使用して中空体本体の外表面に凹凸を形成して、外表面を被覆する導電性金属層の密着性を高める工程である。エッチング液としては、特に限定はないが、たとえば、苛性ソーダ水溶液などのアルカリ水溶液無水クロム酸水溶液などの酸水溶液等が挙げられる。これらのエッチング液は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。なお、エッチング工程は必ずしも必須ではなく、高い密着性の導電性金属層が形成される場合は無くてもよい。
次に、活性化工程は、(エッチング工程を経た)中空体本体の外表面に触媒からなる層(触媒層)を形成させるとともに、この触媒層を活性化させる工程である。触媒層の活性化により、次の無電解メッキ工程における金属の析出が促進される。活性化工程で使用する触媒としては、特に限定はないが、たとえば、アミン錯塩系触媒等のアルカリ触媒アルカリキャタリスト)等が挙げられる。これらの触媒は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。

0026

最後に、無電解メッキ工程は、上記触媒層が形成された中空体本体の外表面を、導電性金属層で被覆する工程である。無電解メッキ工程では、触媒層が形成された中空体本体を無電解金属メッキ液に浸漬することにより、中空体本体の外表面に導電性金属層が形成される。中空体本体の外表面に銀メッキ層を形成させる場合、中空体本体の触媒層をジメチルアミノボラン等の還元剤により還元した後、無電解銀メッキ液に浸漬するか、または、触媒層が形成された中空体本体を無電解銀メッキ液に浸漬した後、還元剤を添加して還元することにより、中空体本体の外表面に銀メッキ層を形成させることができる。
〔導電性中空体の製造方法(その2)〕
本発明の別の導電性中空体の製造方法は、熱膨張性微小球と導電性粒子とを混合する工程(混合工程)と、前記混合工程で得られた混合物を前記軟化点超の温度に加熱して、前記熱膨張性微小球を膨張させるとともに、得られる中空体本体の外表面に前記導電性粒子を付着させる工程(付着工程)を含む製造方法である。
(混合工程)

0027

混合工程は、熱膨張性微小球と導電性粒子とを混合する工程である。
混合工程で使用する導電性粒子は、上記で説明したとおりである。また、熱膨張性微小球は、熱可塑性樹脂からなる外殻に内包され且つ前記熱可塑性樹脂の軟化点以下の沸点を有する発泡剤とから構成される。熱膨張性微小球は、熱可塑性樹脂の軟化点超の温度で加熱することによって膨張し、上記中空体本体が得られる。

0028

混合工程における熱膨張性微小球と導電性粒子との重量比率(導電性粒子/熱膨張性微小球)については、特に限定はないが、好ましくは99.5/0.5〜50/50、さらに好ましくは99/1〜55/45、特に好ましくは97/3〜60/40である。導電性粒子/熱膨張性微小球(重量比率)が99.5/0.5より大きい場合は、導電性中空体の真比重が大きくなり、低比重化効果が小さくなる。一方、導電性粒子/熱膨張性微小球(重量比率)が50/50より小さい場合は、表面被覆が不十分になり、導電性の悪化や製造時に融着体が発生することがある。
熱膨張性微小球は、熱可塑性樹脂からなる外殻とそれに内包され且つ前記熱可塑性樹脂の軟化点以下の沸点を有する発泡剤とから構成されており、熱膨張性微小球は微小球全体として熱膨張性(微小球全体が加熱により膨らむ性質)を示す。以下の説明において、内包物質と発泡剤とを同義に用いることがある。

0029

発泡剤は、熱可塑性樹脂の軟化点以下の沸点を有する物質であれば特に限定はなく、たとえば、炭素数1〜12の炭化水素及びそれらのハロゲン化物含弗素化合物テトラアルキルシランアゾジカルボンアミド等の加熱により熱分解してガスを生成する化合物等を挙げることができる。これらの発泡剤は、1種または2種以上を併用してもよい。
炭素数1〜12の炭化水素としては、たとえば、プロパンシクロプロパンプロピレンブタンノルマルブタン、イソブタン、シクロブタンノルマルペンタンシクロペンタン、イソペンタン、ネオペンタンノルマルヘキサンイソヘキサンシクロヘキサンヘプタンシクロヘプタンオクタンイソオクタンシクロオクタン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン石油エーテル等の炭化水素が挙げられる。これらの炭化水素は、直鎖状分岐状、脂環状のいずれでもよく、脂肪族であるものが好ましい。
炭素数1〜12の炭化水素のハロゲン化物としては、塩化メチル塩化メチレンクロロホルム四塩化炭素等が挙げられる。これらのハロゲン化物は、上述した炭化水素のハロゲン化物(フッ化物塩化物臭化物ヨウ化物等)であることが好ましい。

0030

含弗素化合物としては、特に限定されず、たとえば、エーテル構造を有し、塩素原子および臭素原子を含まず、炭素数2〜10の化合物が好ましい。具体的には、C3H2F7OCF2H、C3HF6OCH3、C2HF4OC2H2F3、C2H2F3OC2H2F3、C4HF8OCH3、C3H2F5OC2H3F2、C3HF6OC2H2F3、C3H3F4OCHF2、C3HF6OC3H2F5、C4H3F6OCHF2、C3H3F4OC2HF4、C3HF6OC3H3F4、C3F7OCH3、C4F9OCH3、C4F9OC2H5、C7F15OC2H5等のハイドロフルオロエーテルが挙げられる。ハイドロフルオロエーテルの(フルオロアルキル基は直鎖状でも分岐状でもよい。
熱膨張性微小球は、たとえば、ラジカル重合性単量体を含む単量体混合物重合して得られる熱可塑性樹脂から構成され、単量体混合物に重合開始剤を適宜配合、重合することにより、熱膨張性微小球の外殻を形成することができる。

0031

ラジカル重合性単量体としては、特に限定はないが、たとえば、アクリロニトリルメタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリル等のニトリル系単量体アクリル酸メタクリル酸イタコン酸マレイン酸フマル酸シトラコン酸等のカルボキシル基含有単量体塩化ビニリデン酢酸ビニルメチル(メタ)アクリレートエチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t‐ブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体スチレンα−メチルスチレンクロロスチレン等のスチレン系単量体アクリルアミド置換アクリルアミドメタクリルアミド、置換メタクリルアミド等のアクリルアミド系単量体;N−フェニルマレイミド、N−(2−クロロフェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド等のマレイミド系単量体等を挙げることができる。カルボキシル基含有単量体については、一部または全部のカルボキシル基が重合時に中和されていてもよい。
これらのラジカル重合性単量体は、1種または2種以上を併用してもよい。これらの内でも、単量体混合物が、ニトリル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、カルボキシル基含有単量体、スチレン系単量体、酢酸ビニルおよび塩化ビニリデンから選ばれた少なくとも1種のラジカル重合性単量体を含む単量体混合物であると好ましい。特に、単量体混合物が、ニトリル系単量体を必須成分として含む単量体混合物であると、耐熱性を付与できるため、好ましい。ニトリル系単量体の重量割合は、単量体混合物に対して、耐熱性を考慮すると、好ましくは80重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上であり、特に好ましくは95重量%以上である。

0032

また、単量体混合物が、ニトリル系単量体とともにカルボキシル基含有単量体を必須成分として含む単量体混合物であると、耐熱性を付与できるとともに、熱膨張性微小球を膨張させることによって得られる熱膨張した微小球について、再膨張できる余力を有するように製造することができ、かつ90℃以上(好ましくは100℃以上、さらに好ましくは120℃以上)の温度で、再膨張を開始させるように設定することができるため、さらに好ましい。ニトリル系単量体の重量割合は、内包された発泡剤の内包保持率及び発泡性、さらには熱膨張した微小球の再膨張開始温度を調節すること等を考慮すると、単量体混合物に対して、好ましくは20〜95重量%であり、より好ましくは20〜80重量%であり、さらに好ましくは20〜60重量%であり、特に好ましくは20〜50重量%であり、最も好ましくは20〜40重量%である。また、カルボキシル基含有単量体の重量割合は、熱膨張した微小球の再膨張開始温度を調節すること、さらには内包された発泡剤の内包保持率及び発泡性等を考慮すると、単量体混合物に対して、好ましくは5〜80重量%であり、より好ましくは20〜80重量%であり、さらに好ましくは40〜80重量%であり、特に好ましくは50〜80重量%であり、最も好ましくは60〜80重量%である。

0033

単量体混合物がカルボキシル基含有単量体を必須成分として含む場合、単量体成分に含まれるカルボキシル基含有単量体以外の単量体として、カルボキシル基含有単量体のカルボキシル基と反応する単量体を含有していてもよい。カルボキシル基含有単量体のカルボキシル基と反応する単量体としては、たとえば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、マグネシウムモノ(メタ)アクリレート、ジンクモノ(メタ)アクリレート、ビニルグリシジルエーテルプロペニルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。カルボキシル基含有単量体のカルボキシル基と反応する単量体の重量割合は、単量体混合物に対して、好ましくは0.1〜10重量%であり、より好ましくは1〜8重量%であり、最も好ましくは3〜5重量%である。
単量体混合物は、上記ラジカル重合性単量体以外に、重合性二重結合を2個以上有する重合性単量体架橋剤)を含んでいてもよい。架橋剤を用いて重合させることにより、本製造方法で得られた熱膨張した微小球に含まれる凝集微小球含有率が小さくなり、熱膨張後の内包された発泡剤の保持率(内包保持率)の低下が抑制され、効果的に熱膨張させることができる。

0034

架橋剤の重量割合については、特に限定はないが、架橋の程度、外殻に内包された発泡剤の内包保持率、耐熱性及び熱膨張性を考慮すると、単量体混合物に対して、好ましくは0.01〜5重量%であり、さらに好ましくは0.05〜3重量%である。
重合開始剤については、特に限定はなく、公知の重合開始剤を用いることができる。重合開始剤は、ラジカル重合性単量体に対して可溶な油溶性の重合開始剤が好ましい。

0035

熱膨張性微小球は、従来公知の熱膨張性マイクロカプセルの製造方法で使用される種々の手法を用いて製造することができる。
すなわち、ラジカル重合性単量体を必須とし任意に架橋剤を含む単量体混合物と、重合開始剤と、発泡剤とを混合し、得られた混合物を適当な分散安定剤等を含む水系懸濁液中懸濁重合させる方法等である。

0036

重合温度は、重合開始剤の種類によって自由に設定されるが、好ましくは40〜100℃、さらに好ましくは45〜90℃、特に好ましくは50〜85℃の範囲で制御される。重合初期圧力についてはゲージ圧で0〜5.0MPa、さらに好ましくは0.1〜3.0MPa、特に好ましくは0.2〜2.0MPaの範囲である。
熱膨張性微小球の平均粒子径については、用途に応じて自由に設計することができるために特に限定されず、好ましくは1〜100μm、さらに好ましくは2〜80μm、特に好ましくは5〜60μmである。

0037

また、熱膨張性微小球の粒度分布の変動係数CVは、特に限定されないが、好ましくは30%以下、さらに好ましくは25%以下、特に好ましくは20%以下である。
混合工程において、熱膨張性微小球と導電性粒子とを混合するのに用いられる装置としては、特に限定はなく、容器攪拌羽根といった極めて簡単な機構を備えた装置を用いて行うことができる。また、一般的な揺動または攪拌を行える粉体混合機を用いてもよい。粉体混合機としては、たとえば、リボン型混合機垂直スクリュー型混合機等の揺動攪拌または攪拌を行える粉体混合機を挙げることができる。また、近年、攪拌装置を組み合わせたことにより効率のよい多機能な粉体混合機であるスーパーミキサー(株式会社カワタ製)およびハイスピードミキサー(株式会社深江製)、ニューグラムマシン(株式会社セイシン企業製)、SVミキサー(株式会社神鋼環境ソリューション社製)等を用いてもよい。
(付着工程)

0038

付着工程は、前記混合工程で得られた、熱膨張性微小球と導電性粒子とを含む混合物を、熱膨張性微小球の外殻を構成する熱可塑性樹脂の軟化点超の温度に加熱する工程である。付着工程では、熱膨張性微小球を膨張させるとともに、得られる中空体本体の外表面に導電性粒子を付着させる。ここでいう付着とは、単に中空体本体の外表面に導電性粒子が吸着にされた状態であってもよく、中空体本体の外表面近傍の熱可塑性樹脂が加熱によって融解し、中空体本体の外表面に導電性粒子がめり込み、固定された状態であってもよい。
加熱は、一般的な接触伝熱型または直接加熱型の混合式乾燥装置を用いて行えばよい。混合式乾燥装置の機能については、特に限定はないが、温度調節可能で原料分散混合する能力や、場合により乾燥を早めるための減圧装置冷却装置を備えたものが好ましい。加熱に使用する装置としては、特に限定はないが、たとえば、レーディゲミキサー(株式会社マツボー製)、ソリッドエアー(株式会社ホソカワミクロン)等を挙げることができる。

0039

加熱の温度条件については、熱膨張性微小球の種類にもよるが最適膨張温度とするのが良く、好ましくは約60〜250℃、より好ましくは70〜230℃、さらに好ましくは80〜220℃である。
〔導電性中空体の利用〕
本発明の導電性中空体は種々応用することができる。たとえば、本発明の導電性中空体を樹脂中に分散させることによって導電性組成物が得られる。

0040

樹脂としては、公知のゴム類熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が使用できる。
ゴム類としては、たとえば、天然ゴムブチルゴムシリコンゴム等が挙げられる。

0041

熱硬化性樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂フェノール樹脂メラミン樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリエチレンエチレン酢酸ビニル共重合体およびエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のポリオレフィン系樹脂ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレートおよびポリブチル(メタ)アクリレート等のアクリレート系樹脂ポリスチレン、スチレン− アクリル酸エステル共重合体、SB型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体およびこれらの水添加物等のブロックポリマーポリスチレン系樹脂が挙げられる。

0042

以下に、本発明の実施例を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例で製造した熱膨張性微小球について、次に示す要領で物性を測定し、さらに性能を評価した。

0043

〔平均粒子径と粒度分布の測定〕
レーザー回折式粒度分布測定装置(SYMPATEC社製HEROS&RODOS)を使用した。乾式分散ユニットの分散圧は5.0bar、真空度は5.0mbarで乾式測定法により測定し、D50値を平均粒子径とした。
〔真比重の測定〕
真比重は温度25℃においてイソプロピルアルコールを用いた液置換法アルキメデス法)により測定した。

0044

〔熱膨張性微小球の真比重の測定〕
真比重dcは環境温度25℃、相対湿度50%の雰囲気下においてイソプロピルアルコールを用いた液浸法(アルキメデス法)により測定した。
具体的には、容量100ccのメスフラスコを空にし、乾燥後、メスフラスコ重量(WB1)を量した。秤量したメスフラスコにイソプロピルアルコールをメニスカスまで正確に満たした後、イソプロピルアルコール100ccの充満されたメスフラスコの重量(WB2)を秤量した。
また、容量100ccのメスフラスコを空にし、乾燥後、メスフラスコ重量(WS1)を秤量した。秤量したメスフラスコに約50ccの熱膨張性微小球を充填し、熱膨張性微小球の充填されたメスフラスコの重量(WS2)を秤量した。そして、熱膨張性微小球の充填されたメスフラスコに、イソプロピルアルコールを気泡が入らないようにメニスカスまで正確に満たした後の重量(WS3)を秤量した。そして、得られたWB1、WB2、WS1、WS2およびWS3を下式に導入して、熱膨張性微小球の真比重dcを計算した。
真比重dc={(WS2−WS1)×(WB2−WB1)/100}/{(WB2−WB1)−(WS3−WS2)}
なお、熱膨張した微小球の真比重も上記と同様に計算した。

0045

〔微小球の外殻樹脂の真比重測定〕
外殻樹脂(外殻を構成する熱可塑性樹脂)の真比重dpの測定は、熱膨張性微小球30gをアセトニトリル900mlに分散させた後に超音波分散機30分間で処理し、室温で3時間放置した後、120℃で5時間加熱乾燥した。得られた乾燥微小球を真空ポンプでさらに2時間減圧乾燥し、質量変化が無いことを確認し、上記真比重の測定方法と同様にして外殻樹脂の真比重を測定した。

0046

〔熱膨張性微小球の含水率の測定〕
測定装置として、カールフィッシャー水分計(MKA−510N型、京都電子工業株式会社製)を用いて測定した。
〔熱膨張性微小球に封入された発泡剤の内包率の測定〕
熱膨張性微小球1.0gを直径80mm、深さ15mmのステンレス製蒸発皿に入れ、その重量(W1)を測定した。アセトニトリル30mlを加え均一に分散させ、3時間室温で放置した後に、120℃で2時間加熱し乾燥後の重量(W2)を測定した。発泡剤の内包率は、下記の式により計算される。
内包率(重量%)=(W1−W2)(g)/1.0(g)×100−(含水率)(重量%)
(式中、含水率は、上記方法で測定される。)

0047

〔外殻部平均厚みの計算〕
外殻部平均厚みを下式にしたがって算出する。
外殻部平均厚み=<x>/2〔1−{1−dc(1−G/100)/dp}1/3〕
<x>:熱膨張性微小球全体としての平均粒子径(μm)
dc:微小球の平均真比重(g/cc)
dp:外殻を構成する熱可塑性樹脂の平均真比重(g/cc)
G:内包率(重量%)

0048

〔圧縮時変形率及び除圧後復元率の測定〕
導電性中空体を直径6mm(内径5.65mm)および深さ4.8mmのアルミカップに約4mmの高さまで入れ、導電性中空体層の上部に直径5.6mmおよび厚み0.1mmのアルミ蓋を載せたものを試料とした。次いで、DMA(DMAQ800型、TA instruments社製)を使用し、この試料に25℃の環境下で加圧子によりアルミ蓋の上部から0.01Nの力を加えた状態での導電性中空体層の高さL1を測定した。その後、導電性中空体層を0.01Nから18Nまで10N/minの速度で加圧後の導電性中空体層の高さL2を測定した。18Nから0.01Nまで10N/minの速度で除圧した後の導電性中空体層の高さL3を測定した。そして、次式に示すように、測定した導電性中空体層の高さL1とL2との比から圧縮時変形率を定義する。また、測定した導電性中空体層の高さL1とL3との比から除圧後復元率を定義する。
圧縮時変形率(%)=(1−L2/L1)×100
除圧後復元率(%)=(1−L3/L1)×100

0049

〔金属層平均被覆膜厚の測定〕
導電性中空体0.5gを精秤し、30%硝酸水溶液10mlに溶かした後、溶解液濾紙濾過しながら正確に200mlにメスアップし、銀含有率WAg及びニッケル含有率WNiについては弱酸性下Cu−PAN(金属指示薬同仁化学製)、銅含有率WCuについては弱塩基性下Cu−PAN(金属指示薬、同仁化学製)を指示薬として、0.01MのEDTA標準液を使用しキレート滴定により、それぞれ測定した。下記式にて、それぞれの金属メッキ層厚を算出する。
銀メッキ層厚(μm)=(ρP×WAg×D)/{6×ρAg×(100−WAg)}
ニッケルメッキ層厚(μm)=(ρP×WNi×D)/{6×ρNi×(100−WNi)}
銅メッキ層厚(μm)=(ρP×WCu×D)/{6×ρCu×(100−WCu)}
ρP:中空体本体の比重
ρAg:銀の比重
ρNi:ニッケルの比重
ρCu:銅の比重
WAg:銀含有率(%)
WNi:ニッケル含有率(%)
WCu:銅含有率(%)
D:中空体本体の平均粒子径(μm)

0050

〔導電性中空体の分散性の評価〕
エポキシ樹脂(エポキシ系接着剤アラルダイトラピッド、ハンツマン・アドバンスドマテリアルズ社製)100重量部に導電性中空体2.5重量部を分散し、20〜25℃にて24時間かけて硬化させた。その後に、得られた硬化物ミクロトーム(Leica、RM2235)でスライスした。次いで、スライスされた断面を電子顕微鏡倍率50倍)にて観察し、導電性中空体の分散性を目視で判断した。

0051

〔実施例1〕
中空体本体としてマツモトマイクロスフェアF−80ED(本油脂製薬株式会社製、平均粒子径:100.0μm、真比重:0.022g/cc、外殻部平均厚み:0.30μm、CV:29%)を1g秤量し、粉末メッキプレディップ液(奥野製薬社製)に分散させ、30℃で30分間攪拌することによりエッチングを行った。エッチング後の中空体本体を水洗後、硫酸パラジウムを1重量%含有するPd触媒化液100mlに添加し、30℃で30間攪拌させてパラジウムイオンを粒子に吸着させた。この粒子を濾取、水洗した後、0.5重量%のジメチルアミンボラン液(pH6.0に調整)に添加し、Pdを活性化させた中空体本体を得た。
得られたPd活性化中空体本体に蒸留水500mlを加え、超音波処理機を用いて充分に分散させることにより懸濁液を得た。この懸濁液を50℃で攪拌しながら、硫酸銀50g/L、次亜リン酸ナトリウム40g/L、クエン酸50g/Lからなる無電解メッキ液(pH7.5に調整)を徐々に添加し無電解銀メッキを行った。金属被覆層がおおよそ0.10μmになった時点で無電解メッキ液の添加をやめ、アルコール置換した後、真空乾燥させることにより、銀が被覆した導電性中空体を得た(Agメッキ層厚:0.15μm、真比重:0.138g/cc、平均粒子径:100.4μm、圧縮時変形率81%、除圧後復元率30%)。得られた導電性中空体は導電性を示した。SEMによる分散性の評価は良好であった。

0052

〔比較例1〕
<中空体本体の調製>
イオン交換水340gにコロイダルシリカ20重量%水溶液25g、ポリスチレンスルホン酸10重量%水溶液10gを均一に混合して、これを水相とした。次に、アクリロニトリル80g、メタクリル酸10g、ヒドロキシエチルメタクリレート0.8g、エチレングリコールジメタクリレート1.5g、メタクリル酸メチル10g、アゾビスイソブチロニトリル0.5gおよびn−ヘキサン62gを混合して均一に溶解して、これを油相とした。上記で調製した水相と油相とを混合し、ホモミキサーで16000rpmにて1分間撹拌し、油相/水相の懸濁液を得た。この懸濁液をオートクレーブ仕込み、60℃にて20時間かけて重合を行った。得られた分散液を濾紙濾過し、40℃の循風乾燥機にて乾燥し、熱膨張性微小球を得た(平均粒子径:2.1μm)。

0053

上記で得られた熱膨張性微小球100gを離型紙上に約100cm2の面積に拡げ、180℃の循風乾燥機で15分間加熱処理し膨張させ、中空体本体を得た(平均粒子径:5.1μm、真比重:0.34g/cc、外殻部平均厚み:0.30μm、CV:36%、)。
銀被覆の導電性中空体の製造>
上記<中空体本体の調製>で得られた中空体本体を用いる他は、実施例1と全く同様の操作より銀被覆の導電性中空体を得た(Agメッキ層厚:0.18μm、真比重:0.69g/cc、平均粒子径:5.5μm、圧縮時変形率54%、除圧後復元率42%)。この導電性中空体を使用して実施例1の導電性中空体と同様の導電性を出すためには、2.5倍量(重量比)必要であった。SEMによる分散性の評価は均一ではなく、偏りが見られた。

0054

〔実施例2〕
パゼットCKハクスイテック株式会社製の導電性酸化亜鉛、平均粒子径:2.5μm)9kgとマツモトマイクロスフェアーF−100D(松本油脂製薬株式会社製、平均粒子径:25μm、真比重:1.02g/cc)1kgとをSVミキサー(神鋼環境ソリューション株式会社製、内容量:30L)に投入し、10分間混合した。その後、得られた混合物をレーディゲミキサー(株式会社マツボー製)に投入し、ジャケット温度230℃で10分間加熱し、混合物の温度が170℃に到達した時点で冷却し、導電性中空体を得た(平均粒子径:87μm、真比重:0.28g/cc、圧縮時変形率83%、除圧後復元率24%)。得られた導電性中空体は導電性を示した。SEMによる分散性の評価は良好であった。

0055

〔実施例3〕
ニッケルメッキをするために、実施例1における無電解メッキ液をニムデンNPR−4(上工業株式会社製)に置きかえて、80℃で攪拌、添加すること以外は実施例1と同様の操作により、ニッケル被覆の導電性中空体を得た(Niメッキ層厚:0.13μm、真比重:0.120g/cc、平均粒子径:100.3μm、圧縮時変形率78%、除圧後復元率34%)。得られた導電性中空体は導電性を示した。SEMによる分散性の評価は良好であった。

0056

〔実施例4〕
銅メッキをするために、実施例1における無電解メッキ液をスルカップPEA(上村工業株式会社製)に置きかえて、35℃で攪拌、添加すること以外は実施例1と同様の操作により、銅被覆の導電性中空体を得た(Cuメッキ層厚:0.14μm、真比重:0.121g/cc、平均粒子径:100.3μm、圧縮時変形率79%、除圧後復元率31%)。得られた導電性中空体は導電性を示した。SEMによる分散性の評価は良好であった。

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