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技術 汚染性評価方法、汚染性評価装置、及び光学部材の製造方法

出願人 大日本印刷株式会社
発明者 伊藤潔
出願日 2006年9月8日 (14年3ヶ月経過) 出願番号 2006-244544
公開日 2008年3月21日 (12年9ヶ月経過) 公開番号 2008-064685
状態 未査定
技術分野 光学的手段による材料の調査、分析
主要キーワード 圧着用治具 密着度合い 人工指紋 汚染部位 片側部分 性能確認 評価見本 付着条件
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年3月21日)のものです。
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図面 (5)

課題

様々な部材に適用可能で、再現性が高く、微妙な汚れ差異の検出が可能となる防汚性の定量的な汚染性評価方法汚染性評価装置、及び光学部材の製造方法を提供する。

解決手段

スラブ型光導波路光導波路基板1の互いに平行に対峙する1対の切子面のうち一方の面上に試験体3を密着させた状態で、光導波路基板1の一端側に光2を入射させ、他端側から出射される光2を検出することにより、光導波路基板1と接する試験体3の表面の汚染度合いを評価する汚染性評価方法により上記課題を解決する。また、試験体3を密着して設置する光導波路基板1と、光導波路基板1の一端側に光2を入射する光源と、光導波路基板1の他端側から出射される光2を検出する検出器と、を有する汚染性評価装置により上記課題を解決する。

概要

背景

ディスプレイ用反射防止フィルムや、タッチパネル反射防止フィルム等の光学フィルムに代表される光学部材において求められる性能の一つに防汚性がある。防汚性で重要視される点として、具体的には、指紋付着性指紋拭き取り性を挙げることができる。すなわち、光学部材においては、指紋の付着による汚れや、指紋拭き取り後に残留する汚れにより、本来発現すべき光学特性が低減されてしまうことから、指紋付着性が低く、付着しても簡単に拭き取れるような性能が求められる。

また、光学部材の防汚性の向上が求められることに従い、当該防汚性自体の評価の再現性も重要となっている。例えば、特許文献1においては、光ディスク表面の防汚性、指紋付着性又は指紋除去性を定量的に再現性よく評価するための人工指紋液について記載されている。
特許第3745317号明細書(段落0006、0057)

概要

様々な部材に適用可能で、再現性が高く、微妙な汚れの差異の検出が可能となる防汚性の定量的な汚染性評価方法汚染性評価装置、及び光学部材の製造方法を提供する。スラブ型光導波路光導波路基板1の互いに平行に対峙する1対の切子面のうち一方の面上に試験体3を密着させた状態で、光導波路基板1の一端側に光2を入射させ、他端側から出射される光2を検出することにより、光導波路基板1と接する試験体3の表面の汚染度合いを評価する汚染性評価方法により上記課題を解決する。また、試験体3を密着して設置する光導波路基板1と、光導波路基板1の一端側に光2を入射する光源と、光導波路基板1の他端側から出射される光2を検出する検出器と、を有する汚染性評価装置により上記課題を解決する。

目的

上記のように、防汚性自体の評価の再現性が重要視されてきているにも関わらず、防汚性を再現性よく定量評価する方法は提案されていないのが実情である。例えば、特許文献1は、人工指紋液の開発により、指紋の付着の段階における再現性の向上を目的とするものである。指紋付着性や指紋除去性の定量的な評価については、同文献では、光ディスクに記録された信号のジッタを測定することによって評価している。これは、光ディスクでのみ実現可能な評価手法であり、他の用途に用いる光学部材(例えば、ディスプレイ用反射防止フィルムやタッチパネル用反射防止フィルム等の光学フィルム)に広く採用することができない。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

スラブ型光導波路光導波路基板の互いに平行に対峙する1対の切子面のうち一方の面上に試験体密着させた状態で、前記光導波路基板の一端側に光を入射させ、他端側から出射される光を検出することにより、前記光導波路基板と接する前記試験体の表面の汚染度合いを評価することを特徴とする汚染性評価方法

請求項2

前記試験体の表面が、人為的に汚染されていることを特徴とする請求項1に記載の汚染性評価方法。

請求項3

前記人為的な汚染が、指紋付着による汚染であることを特徴とする請求項2に記載の汚染性評価方法。

請求項4

前記試験体の表面の汚染度合いを評価した後、該試験体の表面を洗浄し、該試験体の汚染度合いを再び評価することにより、前記表面の汚染からの回復度合いを評価することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の汚染性評価方法。

請求項5

前記光導波路基板上における前記試験体の密着度合いの変化によって前記他端側から出射される光の強度が変化した場合に、前記強度を補正して前記試験体の表面の汚染度合いを評価することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の汚染性評価方法。

請求項6

試験体を密着して設置する光導波路基板と、該光導波路基板の一端側に光を入射する光源と、前記光導波路基板の他端側から出射される光を検出する検出器と、を有することを特徴とする汚染性評価装置

請求項7

前記光導波路基板上における前記試験体の密着度合いの変化によって前記他端側から出射される光の強度が変化した場合に、前記強度を補正する補正機構を有することを特徴とする請求項6に記載の汚染性評価装置。

請求項8

光学部材を得る工程と、スラブ型の光導波路の光導波路基板の互いに平行に対峙する1対の切子面のうち一方の面上に前記光学部材を密着させた状態で、前記光導波路基板の一端側に光を入射させ、他端側から出射される光を検出することにより、前記光導波路基板と接する前記光学部材の表面状態を評価する検査工程と、を有することを特徴とする光学部材の製造方法。

請求項9

前記検査工程における光学部材の表面状態の評価が、人為的に汚染された後に行われる汚染度合いの評価であることを特徴とする請求項8に記載の光学部材の製造方法。

請求項10

前記人為的な汚染が、指紋付着による汚染であることを特徴とする請求項9に記載の光学部材の製造方法。

請求項11

前記検査工程において、前記光学部材の表面の汚染度合いを評価した後、該光学部材の表面を洗浄し、該光学部材の汚染度合いを再び評価することにより、前記表面の汚染からの回復度合いを評価することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。

請求項12

前記検査工程において、前記光導波路基板上における前記光学部材の密着度合いの変化によって前記他端側から出射される光の強度が変化した場合に、前記強度を補正して前記光学部材の表面の表面状態を評価することを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。

請求項13

前記光学部材が、光学フィルムであることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、スラブ型光導波路分光法を利用した汚染性評価方法、この方法を用いた汚染性評価装置、及び光学部材の製造方法に関する。

背景技術

0002

ディスプレイ用反射防止フィルムや、タッチパネル反射防止フィルム等の光学フィルムに代表される光学部材において求められる性能の一つに防汚性がある。防汚性で重要視される点として、具体的には、指紋付着性指紋拭き取り性を挙げることができる。すなわち、光学部材においては、指紋の付着による汚れや、指紋拭き取り後に残留する汚れにより、本来発現すべき光学特性が低減されてしまうことから、指紋付着性が低く、付着しても簡単に拭き取れるような性能が求められる。

0003

また、光学部材の防汚性の向上が求められることに従い、当該防汚性自体の評価の再現性も重要となっている。例えば、特許文献1においては、光ディスク表面の防汚性、指紋付着性又は指紋除去性を定量的に再現性よく評価するための人工指紋液について記載されている。
特許第3745317号明細書(段落0006、0057)

発明が解決しようとする課題

0004

上記のように、防汚性自体の評価の再現性が重要視されてきているにも関わらず、防汚性を再現性よく定量評価する方法は提案されていないのが実情である。例えば、特許文献1は、人工指紋液の開発により、指紋の付着の段階における再現性の向上を目的とするものである。指紋付着性や指紋除去性の定量的な評価については、同文献では、光ディスクに記録された信号のジッタを測定することによって評価している。これは、光ディスクでのみ実現可能な評価手法であり、他の用途に用いる光学部材(例えば、ディスプレイ用反射防止フィルムやタッチパネル用反射防止フィルム等の光学フィルム)に広く採用することができない。

0005

このため、指紋付着性や指紋除去性の防汚性の評価は、専ら目視による官能評価が行われているのが現状である。しかしながら、目視観察では、微妙な汚れの差異の検出、評価が難しく、必ずしも再現性が高いとはいえない。

0006

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、様々な部材に適用可能で、再現性が高く、微妙な汚れの差異の検出が可能となる汚染性評価方法、汚染性評価装置、及び光学部材の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記目的の下、本発明者は、光学部材表面近傍(表面から数十nmオーダー)の細かい情報を検出することにより、光学部材等の表面に付着する汚れの状態を精度よく検出することができることを見出した。そして、上記光学部材表面近傍の細かい情報を検出するための方法として、スラブ型の光導波路分光分析法を適用することができることを見出し、本発明を完成させた。

0008

すなわち、本発明の汚染性評価方法は、スラブ型の光導波路の光導波路基板の互いに平行に対峙する1対の切子面のうち一方の面上に試験体密着させた状態で、前記光導波路基板の一端側に光を入射させ、他端側から出射される光を検出することにより、前記光導波路基板と接する前記試験体の表面の汚染度合いを評価することを特徴とする。

0009

この発明によれば、様々な光学部材をはじめとする試験体に適用可能で、再現性が高く、微妙な汚れの差異の検出が可能となる防汚性の定量的な汚染性評価方法が提供される。

0010

また、本発明の汚染性評価方法においては、前記試験体の表面が、人為的に汚染されていることが好ましい。この発明によれば、試験体の汚染度合いのみならず試験体の防汚性能(耐汚染性)の評価も可能となる。

0011

また、本発明の汚染性評価方法においては、前記人為的な汚染が、指紋付着による汚染であることが好ましい。指紋付着による汚染においては、特に再現性よく、試験体の汚染度合いや、試験体の防汚性能(耐汚染性)の評価を行うことが可能となる。

0012

また、本発明の汚染性評価方法においては、前記試験体の表面の汚染度合いを評価した後、該試験体の表面を洗浄し、該試験体の汚染度合いを再び評価することにより、前記表面の汚染からの回復度合いを評価することが好ましい。この発明によれば、試験体の汚染からの回復度合い(清浄度の回復度合い)を評価できるようになる。

0013

また、本発明の汚染性評価方法においては、前記光導波路基板上における前記試験体の密着度合いの変化によって前記他端側から出射される光の強度が変化した場合に、前記強度を補正して前記試験体の表面の汚染度合いを評価することが好ましい。この発明によれば、汚染度合いの評価の再現性がより確保しやすくなる。

0014

本発明の汚染性評価装置は、試験体を密着して設置する光導波路基板と、該光導波路基板の一端側に光を入射する光源と、前記光導波路基板の他端側から出射される光を検出する検出器と、を有することを特徴とする。

0015

この発明によれば、様々な光学部材をはじめとする試験体に適用可能で、再現性が高く、微妙な汚れの差異の検出が可能となる防汚性の定量的な汚染性評価装置が提供される。

0016

本発明の汚染性評価装置は、前記光導波路基板上における前記試験体の密着度合いの変化によって前記他端側から出射される光の強度が変化した場合に、前記強度を補正する補正機構を有することが好ましい。この発明によれば、汚染度合いの評価の再現性がより確保しやすくなる。

0017

本発明の光学部材の製造方法は、光学部材を得る工程と、スラブ型の光導波路の光導波路基板の互いに平行に対峙する1対の切子面のうち一方の面上に前記光学部材を密着させた状態で、前記光導波路基板の一端側に光を入射させ、他端側から出射される光を検出することにより、前記光導波路基板と接する前記光学部材の表面状態を評価する検査工程と、を有することを特徴とする。

0018

この発明によれば、得られた光学部材の表面状態(汚染度合い)を評価できるので、万が一不純物汚染物製造ライン混入した場合においても、これら不純物や汚染物による不具合の発生を容易に検知できるようになる。

0019

また、本発明の光学部材の製造方法においては、前記検査工程における光学部材の表面状態の評価が、人為的に汚染された後に行われる汚染度合いの評価であることが好ましい。この発明によれば、様々な光学部材をはじめとする試験体に適用可能で、再現性が高く、微妙な汚れの差異の検出が可能となる防汚性の定量的な検査工程が提供される。

0020

また、本発明の光学部材の製造方法においては、前記人為的な汚染が、指紋付着による汚染であることが好ましい。指紋付着による汚染においては、特に再現性よく、試験体の汚染度合いや、試験体の防汚性能(耐汚染性)の評価を行うことが可能となる。

0021

また、本発明の光学部材の製造方法においては、前記検査工程において、前記光学部材の表面の汚染度合いを評価した後、該光学部材の表面を洗浄し、該光学部材の汚染度合いを再び評価することにより、前記表面の汚染からの回復度合いを評価することが好ましい。この発明によれば、試験体の汚染からの回復度合い(清浄度の回復度合い)を評価することができる検査工程が提供される。

0022

また、本発明の光学部材の製造方法においては、前記検査工程において、前記光導波路基板上における前記光学部材の密着度合いの変化によって前記他端側から出射される光の強度が変化した場合に、前記強度を補正して前記光学部材の表面の表面状態を評価することが好ましい。この発明によれば、汚染度合いの評価の再現性がより確保しやすくなる。

0023

また、本発明の光学部材の製造方法においては、前記光学部材が、光学フィルムであることが好ましい。この発明によれば、光学部材として好ましい例である光学フィルムの有効な製造方法が提供される。光学フィルムとしては、例えば液晶ディスプレイ用の光学フィルムだけではなく、PDP、CRT、ELDなど、あらゆるディスプレイに適用できる光学フィルムを挙げることができる。

発明の効果

0024

本発明によれば、様々な光学部材をはじめとする試験体に適用可能で、再現性が高く、微妙な汚れの差異の検出が可能となる防汚性の定量的な汚染性評価方法、この評価方法を実施するための汚染性評価装置、及びこの評価方法を利用した光学部材の製造方法が提供される。

発明を実施するための最良の形態

0025

次に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。

0026

本発明においては、スラブ型の光導波路の光導波路基板の互いに平行に対峙する1対の切子面のうち一方の面上に試験体を密着させた状態で、この光導波路基板の一端側に光を入射させ、他端側から出射される光を検出することにより、光導波路基板と接する試験体の表面の汚染度合いを評価する。

0027

本発明は、試験体表面の汚染度合いを評価するためにスラブ型の光導波路分光分析法を用いることに特徴がある。試験体表面の汚染物質は、目視検査で容易に確認できるような粗大塵を除けば、一般に試験体表面に1μm以下の厚み、或いはしみ込み深さで付着している。従って、試験体表面の汚れの状態を精度よく検出するためには、試験体表面近傍(表面から数十nmオーダー)の細かい情報を精度よく検出することが望ましい。一方、スラブ型の光導波路分光分析法は、光導波路基板内を進む照射光から、光導波路基板に密着する接触物(試験体)の界面に染みこむエバネッセント波分光し、その吸収物性から光導波路基板と接触物界面の状態を調べるナノ分析機器である。したがって、スラブ型の光導波路分光分析法を用いることにより、試験体と光導波路基板との界面に存在する汚染物質の情報を精度よく検出することができるようになる。

0028

以下に、本発明の汚染性評価方法及び汚染性評価装置の具体的な例について、図面を参照しながら説明する。まず汚染性評価装置から説明する。

0029

[汚染性評価装置]
汚染性評価装置は、試験体を密着して設置する光導波路基板と、光導波路基板の一端側に光を入射する光源と、光導波路基板の他端側から出射される光を検出する検出器と、を有する。この汚染性評価装置につき、まず測定原理を説明した後に、具体的な装置の構成につき説明する。

0030

図1は、スラブ型の光導波路分光法の原理図である。スラブ型の光導波路は、通常、石英等の透明材料からなる光導波路基板1が用いられる。光導波路基板1は、図1に示すように、互いに平行に対峙する1対の切子面(図1では上下の2面)と、この平行な切子面と傾斜して交叉し、互いに非平行に対峙する両側端の切子面とから構成されるスラブ形状を有する。そして、光導波路基板1の一端側の切子面(図1では左側の傾斜面)から光2を入れると、その光2が光導波路基板1の平行に対峙する両切子面(図1では、上側の表面と下側の表面)間で全反射して進行し、他端の切子面(図1では右側の傾斜面)から出射する。このとき、光導波路基板上の上記平行な切子面のうちの1方の面上に試験体3を密着させると、光導波路基板1内を全反射して進む光2の表面波が試験体3中に僅かに(光の波長程度の距離)染みこむ。この表面波は、エバネッセント波4と言われ、図1中に記載したように、試験体3内を指数関数的に減衰しながら染みこむ。このときの染み込み深さ(dp)は、次式のように表される。下記式において、λは入射波波長、θは入射角度、n1は導波路基板屈折率、n2は試験体もしくは試験体周辺環境の屈折率である。

0031

0032

このスラブ型光導波路においては、染み込み深さ(dp)が非常に浅く、調整により光導波路基板1の表面から1μm以内に存在する分子のみについての情報を選択的に且つ非破壊的解析することができる。また、より薄い光導波路基板1を用いることにより、反射回数を増やすことにより、滲出するエバネッセント波の累積量を増やすことができ、より高感度で測定することができる。こうしたスラブ型の光導波路を利用したスペクトル測定装置としては、特開平8−75639号公報及び特開2001−108611号公報に開示されている測定装置を挙げることができ、より具体的には、システムインスツルメンツ社製のSIS−50型装置を挙げることができる。

0033

図2は、汚染性評価装置として利用可能なスラブ型光導波路を利用したスペクトル測定装置の一例を示す模式的な構成図である。図2の汚染性評価装置は、試験体を密着して設置する光導波路基板を有するスラブ型光導波路13と、光導波路基板の一端側に光を入射する光源10と、光導波路基板の他端側から出射される光を検出する検出器である分光器41と、を有する。より具体的には、図2の汚染性評価装置は、光源10、入射光側光ファイバー31、レンズ33、34、光チョッパー30、入射光側レンズ11、入射光側プリズム12、スラブ型光導波路13、位置制御機構16、出射光側プリズム14、出射光側レンズ15、光ファイバー32、分光器41、光電子増倍管43、増幅器44、及びコンピュータ42から構成される。

0034

光源10は、光導波路基板の一端側に光を入射するために用いられる。光源10としては、遠紫外から遠赤外までのうち任意の波長範囲を持つ光を発射する光源が使用され、例えば、Xeランプが使用される。光チョッパー30は、光源10からの光を一定の周期断続光にするものであり、光源10と入射光側光ファイバー31の間に設けられる。

0035

スラブ型光導波路13は、試験体を密着して設置する光導波路基板を有し、試料測定部に設置される。試料測定部は、入射光側レンズ11、出射光側レンズ15、入射光側プリズム12、出射光側プリズム14、スラブ型光導波路13、位置制御機構16を有している。入射光側レンズ11は、入射光側光ファイバー31の出口側の先端に設けられ、出射光側レンズ15は、出射光側光ファイバー32の入口側の先端に設けられる。なお、特開2001−108611号公報に記載のように、プリズムを使用しない光結合法を適用することもできる。

0036

図3図4は、スラブ型光導波路の周辺部を拡大して示した模式的な平面図と断面図である。図3、4からわかるように、基板51と光導波路基板52とからなるスラブ型光導波路13上に、入射光側プリズム12及び出射光側プリズム14が配置されている。

0037

入射光側プリズム12と出射光側プリズム14は、スラブ型光導波路13上に配置される。各プリズム12,14は、汚染を受けた又は汚染を受けたおそれのある試験体3aと、汚染を受けていない試験体3b(以下、単に、試験体3a、試験体3bと呼ぶ場合がある。)とをプリズムを付け直すことなく測定可能にするため、細長いものが使用される。スラブ型光導波路13は、光導波路基板52を支持するための基板51と、光導波路基板52とからなる。スラブ型光導波路13の片側部分においては、汚染された又は汚染されたおそれのある面が光導波路基板52と接するようにして帯状の試験体3aが光導波路基板52上に密着されており、その反対側、即ち試験体3aに隣接する部分に、リファレンスとなる試験体3bが密着されている。図4の断面図においては、試験体3bが図示されていないが、これは、同図が試験体3aを横断する断面を図示しているからである。また、試験体3a、3bとしては、表面の汚染度合いを評価する必要性のあるものであれば制限はされない。このような試験体3a、3bとしては、例えば、ディスプレイ用反射防止フィルム、タッチパネル用反射防止フィルム等の光学フィルムに代表される光学部材や、CD、DVD、青色レーザー対応ディスク等の光ディスクを挙げることができる。試験体3a、3bは、図3に示すように光導波路基板52上に設置できるような大きさとする必要があるので、上記光学フィルムや光ディスク等は所定の大きさなるようにそれぞれ切り出される。

0038

一方、検出部は、図2に示すように、分光器41、光電子増倍管43、増幅器44、及びコンピュータ42を有している。

0039

図2〜4に示される汚染性評価装置における測定について次に説明する。光源10から照射された白色光は、光チョッパー30で一定の周期の断続光にされた後、入射光側光ファイバー31に導入される。入射光側光ファイバー31に導入された断続光は、入射光側光ファイバー31を通り、入射側の先端に設けられた入射光側レンズ11で集光され、適当な角度で入射光側プリズム12に導入される。入射光側レンズ11で集光された断続光は、入射光側プリズム12に導入された後、スラブ型光導波路13の一端側から光導波路基板52内に入射し、その光導波路基板52内に入射した断続光は、光導波路基板52内の平行対峙する1対の切子面間(光導波路基板52の表裏面間)で全反射を繰返した後、光導波路基板52の他端側から出射し、出射光側プリズム14に導入される。出射光側プリズム14に導入された断続光は、出射光側光ファイバー32の入光側の先端に設けられた出射光側レンズ15により取り出され、出射光側光ファイバー32によって、検出器をなす分光器41に送られる。分光器41によって分光された断続光は、光電子増倍管43、増幅器44を経て、コンピュータ42に送られ演算処理されることにより、分光吸収スペクトルが得られる。そして、汚染を受けていない試験体3bより得られるスペクトル(主に試験体3bの表面近傍の材料に由来するスペクトル)を基準として、汚染を受けた又は汚染を受けたおそれのある試験体3aから得られるスペクトルの350nmから400nmに現れる、試験体3a表面の汚染由来の特徴的なピーク吸収強度積分値から、試験体3aの表面の汚染度合いを定量的に検出することができる。ここで、あらかじめ吸収強度と汚染物質の付着量との関係につき検量線を求めておけば、より正確な分析を行いやすくなる。尚、汚染物質の特定や定量迄は不要で、単に汚染の有無のみ検出すれば済む用途の場合は、分光器は設けずに、出射光側光ファイバー32から直接光電子増倍管43に出射光を送っても良い。

0040

350nmから400nmに現れる試験体3a表面の汚染由来の特徴的なピークを利用する利点の一つとして、汚染物質の定性的な分析が可能となる点も挙げることができる。例えば、汚染物質が人間の皮脂由来のものである場合にはトリグリセリド由来のピークが観測され、汚染物質がファンデーションのような化粧品由来のものである場合にはタルクマイカチタニア等に由来するピークが観測される。

0041

ところで、上記測定において重要な点の一つは、光導波路基板52と試験体3a、3bとの密着を確保することである。このため、図3、4には図示していないが、光導波路基板52上に試験体3a、3bを密着させた後、圧着用治具により完全に圧着、固定することが望ましい。この光導波路基板52と試験体3a、3bとの密着の確保が重要となるのは、以下の2つの理由からである。

0042

第1の理由は、エバネッセント波を利用して光導波路基板52と試験体3a、3bとの界面の詳細な情報を検出するという、スラブ型の光導波路分光分析法の特徴に由来するものである。より具体的に説明すれば、光導波路基板52と試験体3a、3bとの密着の状態が測定のたびに変化すると、光導波路基板52と試験体3a、3bとが形成する界面の状態、及び試験体中に滲入するエバネッセント波の強度も測定ごとに変化することとなり、汚染度合いの評価結果にバラツキが発生して、かえって再現性が得られないおそれがある。このため、光導波路基板52と試験体3a、3bとの密着の確保が重要となる。

0043

第2の理由は、汚染性評価方法及び汚染性評価装置における試験体表面の汚染度合いを、スペクトルのピークの積分値から求める点に由来する。より具体的に説明すれば、汚染された試験体3aの測定ごとに光導波路基板52と試験体3a、3bとの密着度合いにバラツキが生じると、測定ごとにピーク強度が変化し、上記ピークの積分値が変動するおそれが生じる。この場合も、再現性に問題が生じるおそれがでてくるため、光導波路基板52と試験体3a、3bとの密着の確保が重要となる。

0044

したがって、上述の圧着用治具を用いて、光導波路基板52と試験体3a、3bとの密着度合いを測定ごとに常に一定とすることが好ましい。但し、圧着用治具の形状を工夫する等して上記密着度合いを測定ごとに常に一定になるようにしても、測定者の圧着用治具の使い方によっては、測定ごとに光導波路基板52と試験体3a、3bとの密着度合いが変動する可能性を完全に排除できない場合もあり得る。このような場合においても再現性の高い評価結果を得るために、光導波路基板52上における試験体3a、3bの密着度合いの変化によって光導波路基板52の他端側から出射される光の強度が変化した場合に、この強度を補正する補正機構を汚染性評価装置に設けることが好ましい。補正機構としては、例えば、所定の補正処理を行うソフトウェアをコンピュータ42内に搭載するものを挙げることができる。より具体的には、発生しうる密着度合いの変動に伴う出射光の強度の変動をデータベース化してコンピュータ42内のメモリに格納するとともに、測定の際に得られる生データと上記データベース内のデータとを比較して、生データに補正処理をかけるようなソフトウェアをコンピュータ42に搭載すればよい。このような補正機構を設けることにより、光導波路基板52上における試験体3a、3bの密着度合いの変化によって、光導波路基板52の他端側から出射される光の強度が変化した場合においても、この光の強度変化を補正して、試験体3a表面の汚染度合いの評価結果の再現性を確保できるような処理が行われることとなる。

0045

[汚染性評価方法]
本発明の汚染性評価方法においては、スラブ型の光導波路の光導波路基板の互いに平行に対峙する1対の切子面のうち一方の面上に試験体を密着させた状態で、光導波路基板の一端側に光を入射させ、他端側から出射される光を検出することにより、光導波路基板と接する試験体の表面の汚染度合いを評価する。汚染性評価方法については、上記汚染性評価装置の説明の際にすでに言及している部分もあるので、説明の重複を避けるために、以下では、本発明の汚染性評価方法の応用的な評価について説明する。

0046

応用的な評価方法として、試験体の表面が人為的に汚染されており、この表面の汚染度合いを評価する方法を採用することが好ましい。このような応用的な評価により、試験体の汚染度合いのみならず試験体の防汚性能(耐汚染性)の評価も可能となる。

0047

様々な種類の試験体に対して、それぞれ人為的な汚染を施した後に、リファレンス(汚染されていない試験体)を基準として、汚染を受けた試験体から得られるスペクトルの350nmから400nmに現れる、試験体表面の汚染由来の特徴的なピークの吸収強度積分値を測定して、それぞれの試験体で得られた積分値の大小を比較することにより、汚れやすさ、汚れにくさ(防汚性能)の精密な相対評価を行うことができるようになる。この結果、例えば、汚れにくい試験体(例えば光学部材)の開発における有効な評価手段を得ることができる。

0048

防汚性能の評価を行う際に重要なのは、人為的な汚染を再現性よく行うことである。複数の試験体間で防汚性能を比較する場合に、客観的な汚染の度合いが試験体ごとに異なると、正確な評価が行われにくくなるからである。具体的には、上記人為的な汚染を指紋付着による汚染とすることが好ましい。さらに、評価間のバラツキを抑えるために、人間の指を用いて試験体に指紋を付着させる方法よりも、人工指紋液を一定の加重により試験体に押圧して、当該人工指紋液を試験体に付着させるという方法を採用することが好ましい。人間の指を用いると、体調によって分泌される皮脂が一定とならない可能性があるからである。

0049

人工指紋液としては、例えば、特許第3745317号明細書に紹介されているものを用いることができる。具体的には、トリオレイン及び微粒子を含有する疑似指紋液を挙げることができる。そして、所定の重さを有する転写部材(例えば円筒形圧子)を用いて、上記人工指紋液を試験体表面に押圧して付着させる。

0050

本発明のさらなる応用的な評価として、試験体の表面の汚染度合いを評価した後、この試験体の表面を洗浄し、試験体の汚染度合いを再び評価することが好ましい。これにより、前記表面の汚染からの回復度合い(清浄度の回復度合い)を評価することができる。

0051

洗浄後に、試験体から得られるスペクトルの350nmから400nmに現れる試験体表面の汚染由来の特徴的なピークの吸収強度積分値の値が小さくなって、リファレンスにより近くなる試験体ほど、清浄度の回復度合いが高いといえるので、この応用的な評価により、試験体の汚染からの回復度合い(清浄度の回復度合い)の評価も可能となる。試験体表面の汚染度合いのみの評価であれば、精度は低いものの、人間の目による目視評価でもある程度の評価は可能である。しかし、洗浄された試験体は、通常は汚染されていない試験体と見分けがつかないので、試験体の汚染からの回復度合い(清浄度の回復度合い)を目視で評価することは困難である。これに対して、本発明の評価方法は、エバネッセント波により光導波路基板と試験体とが形成する界面の情報を精度よく検出できるので、試験体の汚染からの回復度合い(清浄度の回復度合い)という微妙な評価を精度よくかつ再現性よく行いやすくなるという利点がある。

0052

本発明では、汚染性試験と、清浄度の回復度合いの試験とを切り分けて行うことができる利点もある。試験体の一例である光学部材においては、汚れにくく、汚れをきれいにふき取れる(清浄度の回復度合いが高い)ものが好ましく求められるが、たとえ汚れやすくても、汚れをきれいにふき取れる(清浄度の回復度合いが高い)ものであっても用途によっては、実使用に適する場合がある。このような、「よごれやすくても、汚れをきれいにふき取れる(清浄度の回復度合いが高い)」光学部材の開発を行うに際して、本発明の汚染性評価方法を好ましく採用することができる。

0053

試験体の汚染からの回復度合い(清浄度の回復度合い)の評価に際して行う洗浄の具体的な方法は、特に制限はない。但し、重要なのは、試験体の表面の洗浄を再現性よく行うことである。複数の試験体間で清浄度の回復度合いを比較する場合に、客観的な洗浄の度合いが試験体ごとに異なると、正確な評価が行われにくくなるからである。

0054

試験体が、ディスプレイ用反射防止フィルムや、タッチパネル用反射防止フィルム等の光学フィルムに代表される光学部材である場合には、一般的には、洗浄は、キムワイプ等のふき取りアイテムで試験体表面の汚れ(汚染部位)を一定の力、角度加減ふき取る方法が採用される。洗浄ごとに力、角度加減を一定にできるのであれば、人力で行ってもよいが、機械的に洗浄を行う方法の一例として耐摩耗試験機を利用する方法を挙げることができる。なお、本発明の反射防止フィルムとは、光学干渉による反射防止フィルムと、凹凸形状による防眩性付与による反射防止フィルムの両方を意味する。

0055

機械的な洗浄を耐摩耗試験機で行う場合、耐摩耗試験機(例えば、ヘイドン社製の耐摩耗試験機TYPE F)の圧子部位に巻き付けたキムワイプ等のふき取りアイテムを、一定の加重で試験体の汚染された表面に押圧した後、上記圧子部位を往復運動させて試験体の汚れを拭き取ればよい。ふき取りアイテムや拭き取る際の加重を制御することによって、再現性の高い洗浄を行いやすくなる。

0056

以上のようにして洗浄された試験体について、上述した、光導波路基板を有するスラブ型の光導波路を利用した汚染性評価装置で汚染性を再度評価すれば、試験体の汚染からの回復度合い(清浄度の回復度合い)の評価を定量的にかつ再現性よく行うことができる。

0057

[光学部材の製造方法]
本発明の光学部材の製造方法は、光学部材を得る工程と、スラブ型の光導波路の光導波路基板の互いに平行に対峙する1対の切子面のうち一方の面上に前記光学部材を密着させた状態で、光導波路基板の一端側に光を入射させ、他端側から出射される光を検出することにより、光導波路基板と接する光学部材の表面状態を評価する検査工程と、を有する。その結果、試験体の表面の汚染度合い、耐汚染性、汚染からの回復度合い(清浄度の回復度合い)を、光学部材の製造工程中で評価できる。このため、例えば光学部材の製造工程の最後の段階で汚染性評価方法により検査工程を行えば、光学部材の品質管理又は性能確認を行うことができる。

0058

光学部材として、ディスプレイ用反射防止フィルムや、タッチパネル用反射防止フィルム等の光学フィルムに代表される光学部材を挙げることができる。なお、光学部材以外であっても、例えば、上記試験体の例として述べた通り、表面の汚染度合いを評価する必要性のあるものであれば上記製造方法に適用可能である。

0059

光学部材の代表例としては、上記の通り、ディスプレイ用反射防止フィルムや、タッチパネル用反射防止フィルム等の光学フィルムがある。光学フィルムも様々な態様がある。代表的な例としては、反射防止性能に優れ、光透過性基材ハードコート層高屈折率層低屈折率層層構成を有する反射防止積層体(Anti Reflection製品)と、最表面に凹凸形状を有する、光透過性基材/防眩層(ハードコート機能を有する)の層構成を有する防眩性光学積層体(Anti Glare製品)と、を挙げることができる。なお、防眩層は、単層であっても、多層であってもよい。

0060

(光学部材を得る工程)
光学部材を得る工程として、以下では、上記光学積層体を得るための工程を例として説明する。光学積層体を得る工程は、通常、光透過性基材上に凹凸を有する防眩層を設ける工程と、この工程によって得られた防眩層上に樹脂バインダーを含有する表面調整層形成用組成物によって表面調整層を形成する工程と、を有する。表面調整層とは、該凹凸を有する防眩層の凹凸形状を、より好ましい形に調整するための層である。特に、防眩層においては、黒色階調が不良であること(光が凹凸面で散乱するため、黒が灰色がかって見えてしまうこと)が課題となっており、表面調整層を形成することで、この課題を良好に改良することができる。ここで、黒色の階調が向上し、黒がのある黒に見えるような物性を、艶黒感と呼ぶ。

0061

光透過性基材としては、平滑性耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましい。光透過性基材を形成する材料としては、例えば、ポリエステル系(ポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレート等)、セルロース系(セルローストリアセテートセルロースジアセテートセルロースアセテートブチレート等)、アクリル系(ポリメチルメタクリレート等)、ポリエーテルスルフォンポリスフォンポリプロピレンポリメチルペンテンポリ塩化ビニルポリビニルアセタールポリエーテルケトンポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が挙げられる。更に、脂環構造を有した非晶質オレフィンポリマー(Cyclo−Olefin−Polymer:COPフィルムもある。これは、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体ビニル脂環式炭化水素系重合体樹脂などが用いられる基材である。例えば、日本ゼオン(株)製のゼオネックスゼオノアノルボルネン系樹脂)、住友ベークライト(株)製のスミライトFS−1700(スミライトは登録商標)、JSR(株)製のアートン(変性ノルボルネン系樹脂)、三井化学(株)製のアペル環状オレフィン共重合体、アペルは登録商標)、Ticona社製のTopas(環状オレフィン共重合体、Topasは登録商標)、日立化成(株)製のオプトレッツOZ−1000シリーズ脂環式アクリル樹脂)などが挙げられる。また、トリアセチルセルロース代替基材として旭化成ケミカルズ(株)製のFVシリーズ(低複屈折率、低光弾性率フィルム)も好ましい。また、光透過性基材の厚さは、通常、20μm以上300μm以下であるが、基材によっては、300μm以上5000μm以下の場合もある。

0062

光透過性基材上への防眩層の形成方法としては特に限定されないが、硬化型樹脂及び凹凸形成性微粒子(防眩層の凹凸形状を形成するための微粒子であり、以後、微粒子、と記載する場合がある。)を含有する防眩層形成用組成物を用いて凹凸形状を有した防眩層を形成する方法によって行うことが好ましい。微粒子は、種類、大きさ、形の異なるものを何種類か適宜選択して用いることができる。一般的には、粒径が1μm以上20μm以下である、ポリスチレンビーズメラミンビーズ、アクリル(ポリメチルメタクリレートなど)ビーズ、アクリル−スチレンビーズベンゾグアナミンホルムアルデヒドビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ等のプラスチックビーズや、シリカビーズが使用される。ビーズは、数種類を同時に使うこともでき、例えば、粒径が1μm以上20μm以下である、アクリルビーズ等のプラスチックビーズと平均粒径が1〜3μmの不定形シリカビーズとを併用することができる。

0063

防眩層は、上記微粒子及び硬化型樹脂を含有する防眩層形成用組成物により形成することができる。上記硬化型樹脂としては、透明性のものが好ましく、例えば、紫外線又は電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂との混合物又は熱硬化型樹脂を挙げることができる。より好ましくは電離放射線硬化型樹脂である。電離放射線硬化型樹脂としては、後述する表面調整層において樹脂バインダーとして使用することができる樹脂として例示した樹脂を使用することができる。

0064

防眩層は、微粒子と樹脂とを適切な溶剤、例えば、イソプロピルアルコールメタノールエタノール等のアルコール類メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトンMIBK)、シクロヘキサノン等のケトン類酢酸メチル酢酸エチル酢酸ブチル等のエステル類ハロゲン化炭化水素トルエンキシレン等の芳香族炭化水素;又はこれらの混合物に混合して得た防眩層形成用組成物を光透過性基材に塗布することにより形成することができる。

0065

また、上記防眩層形成用組成物に、フッ素系又はシリコーン系等のレベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤を添加した上記防眩層形成用組成物は、塗布適性が向上し、かつ、耐擦傷性という効果を付与することができる。

0066

上記防眩層形成用組成物を光透過性基材に塗布する方法としては、ロールコート法、ミヤバーコート法グラビアコート法等の塗布方法が挙げられる。上記防眩層形成用組成物の塗布後に、必要に応じて乾燥と紫外線硬化を行う。紫外線源の具体例としては、超高圧水銀灯高圧水銀灯低圧水銀灯カーボンアーク灯ブラックライト蛍光灯メタルハライドランプ灯の光源が挙げられる。紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子加速器が挙げられる。樹脂が硬化し、樹脂中の微粒子が固定されて、防眩層の最表面に所望の凹凸形状が形成される。

0067

次に、上記のようにして得られた防眩層上に樹脂バインダーを含有する表面調整層形成用組成物によって表面調整層を形成する。

0068

表面調整層は、樹脂バインダーを含有するものである。上記樹脂バインダーとしては特に限定されないが、透明性のものが好ましく、例えば、紫外線又は電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂を挙げることができる。なお、本明細書において、「樹脂」は、モノマーオリゴマー等の樹脂成分も包含する概念である。

0069

上記電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、(メタアクリレート基等のラジカル重合性官能基を有する化合物等の1又は2以上の不飽和結合を有する化合物を挙げることができる。1の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレートエチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレンメチルスチレン、N−ビニルピロリドン等を挙げることができる。2以上の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能化合物と(メタ)アルリレート等の反応生成物(例えば多価アルコールポリ(メタ)アクリレートエステル)、等を挙げることができる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートを指すものである。

0070

上記化合物のほかに、不飽和二重結合を有する比較的低分子量のポリエステル樹脂ポリエーテル樹脂アクリル樹脂エポキシ樹脂ウレタン樹脂アルキッド樹脂スピロアセタール樹脂ポリブタジエン樹脂ポリチオールポリエン樹脂等も上記電離放射線硬化型樹脂として使用することができる。

0071

上記電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用する場合には、光重合開始剤又は光重合促進剤を上記表面調整層形成用組成物に添加することが好ましい。光重合開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類(例えば、商品イルガキュア184(チバ・スペシャルティケミカルズ(株)製、イルガキュアは登録商標)として市販されている1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、ベンゾフェノン類チオキサントン類プロピオフェノン類、ベンジル類、アシルホスフィンオキシド類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることができる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩芳香族スルホニウム塩芳香族ヨードニウム塩メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いることができる。光重合開始剤の添加量は、上記電離放射線硬化型樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上、10質量部以下であることが好ましい。

0072

表面調整層は、前述したように、艶黒感を向上させるために有効である。一方、表面調整層によっては、艶黒感は向上するが、防眩性が悪化してしまう場合もある。よって、艶黒感を失わずに防眩性を向上させる目的から、流動性調整剤を含有させてもよい。流動性調整剤としては有機微粒子無機微粒子が一般的に用いられる。流動性調製剤としては、好ましくは、コロイダルシリカATOジルコニア超微粒子、超微粒子酸化アンチモン等が用いられ、コロイダルシリカが特に好ましい。その好ましいサイズは、1〜70nm程度である。なお、本発明において「コロイダルシリカ」とは、コロイド状態シリカ粒子を水又は有機溶媒に分散させたコロイド溶液を意味する。上記コロイダルシリカの粒子径(直径)は、例えば1〜70nmの超微粒子のものであることが好ましい。なお、本明細書におけるコロイダルシリカの粒子径は、BET法による平均粒子径(BET法により表面積を測定し、粒子が真球であるとして換算して平均粒子径を算出する)である。

0073

また、表面調整層は、上述したような機能のほかに、帯電防止、屈折率調整、高硬度化防汚染性等を付与する機能を有するものであってもよい。この場合、上記表面調整層は、必要に応じてその他の添加剤(例えば防汚剤)を含有する表面調整層形成用組成物によって形成することができる。

0074

上記表面調整層の形成方法は特に限定されないが、例えば、上記した有機微粒子又は無機微粒子、樹脂バインダー(モノマー、オリゴマー等の樹脂成分を包含する)、溶剤及び任意成分とを混合して得た表面調整層形成用組成物を防眩層上に塗布することにより形成することができる。溶剤としては、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ハロゲン化炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;又はこれらの混合物が挙げられ、好ましくは、ケトン類、エステル類が挙げられる。

0075

上記表面調整層形成用組成物は、更に、フッ素系又はシリコーン系等のレベリング剤を含有するものであってもよい。レベリング剤を添加した表面調整層形成用組成物は、塗工面を良好にし、耐擦傷性の効果を付与できるという機能を有する。

0076

上記表面調整層形成用組成物は、ミヤバーコート法、ロールコート法、グラビアコート法等の公知の塗布方法によって塗装することができる。表面調整層形成用組成物の塗布後に、必要に応じて乾燥と硬化を行う。上記表面調整層の形成においては、上記樹脂バインダーとして紫外線硬化型樹脂を使用し、紫外線によって硬化を行うことが好ましい。紫外線によって硬化を行う場合、190〜380nmの波長域の紫外線を使用することが好ましい。紫外線による硬化は、例えば、メタルハライドランプ灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯等によって行うことができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げることができる。

0077

(検査工程)
以上のようにして得られた光学積層体に例示される光学フィルムに対して以下のようにして検査を行う。すなわち、スラブ型の光導波路の光導波路基板の互いに平行に対峙する1対の切子面のうち一方の面上に光学フィルムを密着させた状態で、光導波路基板の一端側に光を入射させ、他端側から出射される光を検出することにより、光導波路基板と接する光学フィルムの表面状態を評価する。このような評価は、通常、製造直後の光学フィルムを所定の頻度で製造ラインから採取し、この採取された光学フィルム(試験体)を別途評価することによって行われる。圧着用治具の使い方により、測定毎における光導波路基板上における光学フィルムの密着度合いにバラツキが生じ、これにより光導波路基板の他端側から出射される光の強度が変化した場合において、この強度を補正して、光学フィルムの表面の表面状態を評価することが好ましい等の点については、上記汚染性評価方法及び汚染性評価装置において説明した原理・手法・装置等を利用できるので、ここでの説明は省略する。このような評価を行うことにより、得られた光学フィルムの表面状態(汚染度合い)を評価できるので、万が一不純物や汚染物が製造ラインに混入した場合においても、これら不純物や汚染物による不具合の発生を容易に検知できるようになる。

0078

上記検査工程においては、光学フィルムの表面状態の評価が、人為的に汚染された後に行われる汚染度合いの評価であってもよい。このような応用的な評価方法により、光学フィルムの防汚性能の品質確認を行うことができる。特に、製造直後の光学フィルムを所定の頻度で製造ラインから採取し、この採取された光学フィルム(試験体)を別途評価する場合に、上記応用的な評価を行うことが好ましい。上記人為的な汚染が、指紋付着による汚染であることが好ましい旨等の評価手法の詳細については、上記汚染性評価方法及び汚染性評価装置において説明した原理・手法・装置等を利用できるので、ここでの説明は省略する。

0079

上記検査工程においては、光学フィルムの表面の汚染度合いを評価した後、この光学フィルムの表面を洗浄し、光学フィルムの汚染度合いを再び評価することにより、上記表面の汚染からの回復度合いを評価してもよい。このようなさらなる応用的な評価により、光学フィルムの清浄度の回復性能の品質確認を行うことができる。特に、製造直後の光学フィルムを所定の頻度で製造ラインから採取し、この採取された光学フィルム(試験体)を別途評価する場合に、上記のさらなる応用的な評価を行うことが好ましい。評価手法の詳細については、上記汚染性評価方法及び汚染性評価装置において説明した原理・手法・装置等を利用できるので、ここでの説明は省略する。

0080

なお、以上述べた検査工程は、上記例示の如く光学部材を得る工程自体が完全に完了した後に実施することもできるが、光学部材を得る工程中の適宜の段階で(製造工程途中半製品ではあっても、汚染性の評価を行う必要性や意義が生じた以降であれば)実施することもできる。また、光学部材を得る工程自体の完了後に検査工程を実施する場合も、二つの工程間の時間間隔は任意であり(1秒後、1日後、1箇月後等)、適宜設定すれば良い。

0081

次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。

0082

(光学積層体及び試験体の調製)
まず、下記材料を十分混合し、固形分40.5%の組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルター濾過して防眩層形成用組成物を調製した。

0083

紫外線硬化型樹脂;
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51)
2.20質量部
イソシアヌル酸変性ジアクリレートM215(日本化薬(株)製、屈折率1.51)
1.21質量部
ポリメチルメタクリレート(分子量75,000) 0.34質量部
光硬化開始剤
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
0.22質量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
0.04質量部
透光性第一微粒子;
単分散アクリルビーズ(粒子径9.5μm、屈折率1.535)
0.68質量部
透光性第二微粒子;
不定形シリカインキ(平均粒子径1.5μm、固形分60%、シリカ成分は全固形分の15%)
0.64質量部
レベリング剤;
シリコーン系レベリング剤
0.02質量部
溶剤;
トルエン5.88質量部
シクロヘキサノン1.55質量部

0084

次に、下記材料を十分混合して組成物として調整した。この組成物を孔径10μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して固形分40.5%の表面調整層用組成物を調製した。

0085

紫外線硬化型樹脂;
多官能ウレタンアクリレートUV1700B(日本合成化学工業(株)製屈折率1.51)
31.1質量部
アロニックスM315(商品名、東亞合成(株)製イソシアヌル酸のエチレンオキサイドモル付加物トリアクリレート
10.4質量部
光硬化開始剤;
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
1.49質量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
0.41質量部
防汚剤;
UT−3971(日本合成化学工業(株)製)
2.07質量部
溶剤;
トルエン525.18質量部
シクロヘキサノン60.28質量部

0086

厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム東洋紡績社製、商品名「A4300」)を透明基材として用い、防眩層形成用組成物を、フィルム上にコーティング巻線ロッド(ミヤバー)#8を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させ防眩層を形成した。

0087

さらに防眩層の上に、表面調整層用組成物を、コーティング用巻線ロッド(ミヤバー)#10を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が100mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、表面調整層を積層し、光学積層体を得た(基材上の防眩層の総厚:約 12.5μm)。

0088

以上のようにして得られたフィルム状の光学積層体から、汚染性評価用の試験体として、0.5cm × 2cmの大きさのフィルムを切り出した。

0089

[実施例1]
(試験体の汚染(指紋付着))
トリオレイン及び微粒子を含有する擬似指紋液(人工指紋液)を、500g荷重の加わる圧子(接触面は直径1.2mmφの円)により試験体上に押圧して、人工指紋液を試験体表面に付着させた。この付着方法により、指紋を定量的に試験体に付着させることが可能であり、本実験は、上記の付着条件にて、1mm2あたり、0.04mgの人工指紋を付着させた。

0090

(汚染性評価の試験)
リファレンスとなる試験体と、指紋付着の処理を行った試験体とを、しわ、たるみのない様に、ローラーによりシステムインスツルメンツ(株)製石英導波路基板上に密着させた。このとき、指紋付着の処理を行った試験体における、指紋付着面と光導波路基板とが接触するように密着させた。そして、圧着用治具についている圧着目盛りが100になるまで、圧着用治具の密着を行い、光導波路基板と試験体との圧着、固定を行った。この検体について、システムインスツルメンツ(株)製SIS−50型光導波路分光光度計によりエバネッセント波の分光吸収スペクトルを測定した。

0091

リファレンスとなる試験体より得られるスペクトル(主にフィルムにコーティングされている光学材料由来)を基準として、指紋付着の処理を行った試験体から得られるスペクトルの350nmから400nmに現れる、試験体の表面に付着した指紋由来のピークの吸収強度積分値から指紋付着量を求めた。このとき、あらかじめ、圧着目盛りを100とした場合における、吸収強度と汚染物質の付着量との関係につき検量線を求めておき、この検量線を利用して指紋付着量を求めた。その結果、指紋付着(汚染)を施した試験体の場合、0.05mgの指紋付着量を確認した。

0092

具体的には、検量線は、以下の方法で作成した。予め、汚染物質を、ミヤバーによるバーコーティングにより膜厚(付着量)を変えて付着させた試験体を作製し、続いて、上記の光導波路分光光度計により、これらの試験体の吸収強度を求めた。付着量と、相対吸収強度の測定結果を表1に示す。この付着量と相対吸収強度の値より検量線を作成した。次に、指紋付着(汚染)を施した試験体の吸収強度を同様にして測定した結果、相対吸収強度は、3.0であり、検量線より、0.05mgの指紋付着量を確認した。

0093

0094

ところで、圧着治具の圧力(圧着目盛り)によって、光導波路基板と試験体との密着度が変動するため、吸収強度が変化する。そこで、圧着目盛りを緩めて50とした場合(光導波路基板と試験体との密着性下げた場合)においても、圧着目盛り100の場合と整合する測定データが得られるか否かを確かめるために以下の実験を行った。

0095

圧着目盛り50の状態で光導波路基板と上記指紋付着(汚染)を施した試験体との圧着、固定を行い、指紋付着量を測定した。そして、予め求めておいた、圧着目盛りが50における吸収強度と汚染物質の付着量との検量線(作成方法は、目盛りが100の時と同様)を利用して、指紋付着量を求めた。その結果、上記測定と同様の0.05mgの指紋付着を確認した。この結果から、光導波路基板と試験体との密着度の変動により、光導波路基板から検出される光の強度が変化した場合においても、適切な検量線を利用することにより、前記強度の補正が可能となるといえる。より具体的には、圧着用治具の圧力(光導波路基板と試験体との密着度)を変化させた場合の検量線を細かく求めておき、これをデータベース化し、このデータベースと所定のソフトウェアとを組み合わせて用いれば、測定装置側での自動的な強度補正も可能となるといえる。

0096

次に、下記の方法により、各試験体上に付着した汚染物質(人工指紋液)の洗浄を行った後に、各試験体の汚染度合いを再度評価することにより、各試験体の汚染からの回復度合いを評価した。

0097

(汚染物質の洗浄処理
ヘイドン社製磨耗試験機TYPE Fの圧子部位に拭き取りアイテム(キムワイプ)を巻きつけ、付着性を評価したサンプルに対し、500g加重、10cm幅×20往復させることで汚染物質を拭き取り、各試験体に洗浄処理を施した。

0098

(各試験体の汚染からの回復度合いの評価)
上記洗浄後、上記した汚染性評価の試験と同様にして分光光度計により分光吸収スペクトルを求めた。その結果、圧着目盛りが100、50共に、それぞれの検量線を用いることにより、洗浄処理を施した試験体の表面における0.01mgの指紋残留が確認された。

0099

本来、エバネッセント波吸収特性を厳密に調べる場合には、圧着目盛り100として、試験体を光導波路基板に強く圧着させて測定する必要があるが、上記結果によれば、必ずしもその必要はないことがわかる。圧着目盛りを100として試験体を光導波路基板に強く圧着すると、石英の光導波路基板が破損し易くなるので、工場での品質管理等においては、簡便な圧着目盛り50での評価を行いたい。この場合においても、適切な検量線を用いることにより、再現よく、精度の高い指紋付着、指紋拭き取り性の評価ができる。

0100

[比較例1]
3枚の試験体を準備し、実施例1の「(試験体の汚染(指紋付着))」と同様にして、この試験体に人為的な汚染処理を施した。この試験体の汚染度合いを人間の目(目視)により評価した。

0101

目視による評価は以下のようにして行った。まず、予め指紋の付着(汚染)度合いを5段階に変えた評価指標見本を用意した。そして、この評価指標見本と、上記汚染処理を施した試験体とを並べて、同一の照明光の下で目視観察を行った。評価は、5段階の評価見本を元に、最も近しく見える段階をもって評価値とすることによって行った。ここで、汚染が最もひどい場合が「レベル1」、指紋の未付着面と同等の清浄度を有する場合が「レベル5」となるようにした。また、評価は異なる観察者5名により実施した。得られた結果を表2に示す。

0102

次に、実施例1の「(汚染物質の洗浄処理)」と同様にして、上記試験体に洗浄を施した。そして、洗浄処理後に、上記5段階の評価指標見本を用いた目視観察と同様の方法で、試験体の汚染からの回復度合いを評価した。

0103

0104

以上の結果から、照明は同じでも、汚れの度合いの感じ方は人によって異なり、特に洗浄処理後では評価レベルに大きなばらつきが生じることがわかる。人間の目による評価、評価方法としては信頼性、再現性に問題があるといえる。

0105

本発明の汚染性評価方法、汚染性評価装置、及び製造方法は、ディスプレイ用反射防止フィルム、タッチパネル用反射防止フィルム等の光学フィルムや、CD、DVD等の光学ディスク等の各分野に好ましく用いることができる。

図面の簡単な説明

0106

スラブ型光導波路分光法の原理図である。
汚染性評価装置として利用可能なスラブ型光導波路を利用したスペクトル測定装置の一例を示す模式的な構成図である。
スラブ型光導波路の周辺部を拡大して示した模式的な平面図である。
スラブ型光導波路の周辺部を拡大して示した模式的な断面図である。

符号の説明

0107

1、52光導波路基板
2 光
3、3a、3b試験体
4エバネッセント波
10光源
11入射光側レンズ
12 入射光側プリズム
13スラブ型光導波路
14出射光側プリズム
15 出射光側レンズ
16位置制御機構
30光チョッパー
31 入射光側光ファイバー
32 光ファイバー
33、34 レンズ
41分光器
42コンピュータ
43光電子増倍管
44増幅器
51 基板

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