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技術 ハニカム状多孔質フィルムを鋳型とした金属パターンアレイ

出願人 国立研究開発法人理化学研究所国立大学法人北海道大学
発明者 下村政嗣石井大佑藪浩
出願日 2006年9月4日 (14年2ヶ月経過) 出願番号 2006-238543
公開日 2008年3月13日 (12年8ヶ月経過) 公開番号 2008-055585
状態 特許登録済
技術分野 マイクロマシン
主要キーワード 水滴粒子 金属微小球 ハニカムフィルム 疎水性有機溶媒溶液 水微粒子 自然共鳴 パターンアレイ 高湿度空気
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図面 (5)

課題

安価かつ容易に少数のプロセスにおいて、多種の金属パターンアレイを作製する方法、並びに当該方法により作製される金属パターンアレイを提供する。

解決手段

自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムの孔内に金属を析出させ、次いで有機溶剤で処理してハニカム状多孔質フィルムを除去することによって得られる金属パターンアレイ。

概要

背景

金属パターンアレイ作製方法としては、フォトリソグラフィー法スクリーン印刷法、及び蒸着法などが知られている。フォトリソグラフィー法は、フォトレジスト材料を塗布した金属フィルムフォトマスクを介した露光により、パターンアレイを作製する方法であるが、多工程であり、露光工程に制限がある。スクリーン印刷法は、スクリーンを介して溶融金属基板印刷し、パターンアレイを作製する方法であるが、パターン精度が悪いという問題がある。また、蒸着法は、金属パターンを介して金属を蒸着し、パターンアレイを作製する方法であるが、高価な装置が必要であり、高真空下という制限がある。

一方、材料の自己組織化により構造を作製する試みがなされている。特に溶液キャストし、溶液表面上に結露した水滴鋳型として多孔質膜を得るハニカム構造化フィルムの作製は、様々な材料から数百nm〜数十μmの孔径を持つフィルムを得ることが簡単に出来るため、生体適合性材料などから細胞培養基板などへの応用が研究されている(非特許文献1〜3)。特許文献1には、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムから成る鋳型にパターン転写用材料充填することによって、ハニカム状多孔質フィルムのパターンを該パターン転写用材料に転写することを含む、メゾ構造体の作製方法が記載されている。

また、特許文献2には、膜厚方向導電性および膜面方向絶縁性を確保しつつ、さらなる狭ピッチ化に対応し易い異方性導電膜を提供することを目的として、膜厚方向に貫通した多数の孔部を有し、前記孔部はハニカム状に配列されるとともに前記孔部の内壁面は外側方向に湾曲されている、高分子よりなる多孔質膜と、この多孔質膜の孔部内壁面に被覆された導電層とを備えた異方性導電膜が記載されている。

O. Karthaus, N. Maruyama, X.Cieren, M. Shimomura, H. Hasegawa, T. Hashimoto, Langmuir, 2000, 16(15), 6071-6076
N. Maruyama, O. Karthaus, K. Ijiro, M. Shimomura, T. Koito, S. Nishimura, T. Sawadaishi, N. Nishi, S. Tokura, Supramol. Science, 1998, 5, 331
T. NishikawaR. Ookura, J. Nishida, K. Arai, J. Hayashi, N. Kurono, T. Sawadaishi, M. Hara, M. Shimomura, Langmuir, 2002, 18(15), 5734
特開2004−330330号公報
特開2005−285536号公報

概要

安価かつ容易に少数のプロセスにおいて、多種の金属パターンアレイを作製する方法、並びに当該方法により作製される金属パターンアレイを提供する。自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムの孔内に金属を析出させ、次いで有機溶剤で処理してハニカム状多孔質フィルムを除去することによって得られる金属パターンアレイ。

目的

本発明は、上記した従来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。即ち、本発明は、安価かつ容易に少数のプロセスにおいて、多種の金属パターンアレイを作製する方法、並びに当該方法により作製される金属パターンアレイを提供することを解決すべき課題とした。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムの孔内に金属を析出させ、次いで有機溶剤で処理してハニカム状多孔質フィルムを除去することによって得られる金属パターンアレイ

請求項2

ハニカム状多孔質フィルムの孔内に析出させる金属が、ニッケルリン、ニッケル/ホウ素、ニッケル/コバルト、ニッケル/銅、ニッケル/フッ素、コバルト、銅、銀、スズ、金、白金チタン亜鉛、鉛、クロム、鉄、クロムを含む合金、鉄を含む合金、あるいは上記した金属又は合金の酸化物又は硫化物である、請求項1に記載の金属パターンアレイ。

請求項3

パラジウム触媒による無電解めっきによりハニカム状多孔質フィルムの孔内に金属を析出させる、請求項1又は2に記載の金属パターンアレイ。

請求項4

パラジウム触媒による無電解めっきによりハニカム状多孔質フィルムの孔内に析出させる金属が、ニッケルである、請求項3に記載の金属パターンアレイ。

請求項5

自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムの孔内を、該ハニカム状多孔質フィルムを溶解せず、且つ親和性のある有機溶剤で満たし、次いで、塩化パラジウム酸性溶液に浸漬して孔内へ選択的にパラジウムを付与し、次いで、パラジウムが孔内へ付与されたハニカム状多孔質フィルムを無電解ニッケルめっき液に浸漬してハニカム状多孔質フィルムの孔内のみにニッケルを析出させることによって金属の析出を行う、請求項1から4の何れかに記載の方法。

請求項6

自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムが、両親媒性を有する単独のポリマー又はポリマーと両親媒性ポリマーとから成るポリマー混合物疎水性有機溶媒溶液基板上にキャストし、該有機溶媒蒸散させると同時に該キャスト液表面で結露させ、該結露により生じた微小水滴蒸発させることにより得られるハニカム状多孔質フィルムである、請求項1から5の何れかに記載の金属パターンアレイ。

請求項7

(1)自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムの孔内に金属を析出させる工程、及び(2)上記工程(1)で得た生成物を有機溶剤で処理してハニカム状多孔質フィルムを除去する工程を含む、金属パターンアレイの製造方法。

請求項8

ハニカム状多孔質フィルムの孔内に析出させる金属が、ニッケル/リン、ニッケル/ホウ素、ニッケル/コバルト、ニッケル/銅、ニッケル/フッ素、コバルト、銅、銀、スズ、金、白金、チタン、亜鉛、鉛、クロム、鉄、クロムを含む合金、鉄を含む合金、あるいはその酸化物又は硫化物である、請求項7に記載の方法。

請求項9

パラジウム触媒による無電解めっきによりハニカム状多孔質フィルムの孔内に金属を析出させる、請求項7又は8に記載の方法。

請求項10

パラジウム触媒による無電解めっきによりハニカム状多孔質フィルムの孔内に析出させる金属が、ニッケルである、請求項9に記載の方法。

請求項11

工程(1)において、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムの孔内を、該ハニカム状多孔質フィルムを溶解せず、且つ親和性のある有機溶剤で満たし、次いで、塩化パラジウム酸性溶液に浸漬して孔内へ選択的にパラジウムを付与し、次いで、パラジウムが孔内へ付与されたハニカム状多孔質フィルムを無電解ニッケルめっき液に浸漬してハニカム状多孔質フィルムの孔内のみにニッケルを析出させることによって金属の析出を行う、請求項7から10の何れかに記載の方法。

請求項12

自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムが、両親媒性を有する単独のポリマー又はポリマーと両親媒性ポリマーとから成るポリマー混合物の疎水性有機溶媒溶液を基板上にキャストし、該有機溶媒を蒸散させると同時に該キャスト液表面で結露させ、該結露により生じた微小水滴を蒸発させることにより得られるハニカム状多孔質フィルムである、請求項7から11の何れかに記載の方法。

請求項13

請求項1から6の何れかに記載の金属パターンアレイから製造される中空金属微小球

技術分野

0001

本発明は、ハニカム状多孔質フィルム鋳型とした金属パターンアレイ及びその製造方法に関するものである。より詳細には、本発明は、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムを鋳型とし、その孔内に金属を析出させ、ハニカム状多孔質フィルムを有機溶剤にて溶解除去することで得られる金属パターンアレイ、及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

金属パターンアレイの作製方法としては、フォトリソグラフィー法スクリーン印刷法、及び蒸着法などが知られている。フォトリソグラフィー法は、フォトレジスト材料を塗布した金属フィルムフォトマスクを介した露光により、パターンアレイを作製する方法であるが、多工程であり、露光工程に制限がある。スクリーン印刷法は、スクリーンを介して溶融金属基板印刷し、パターンアレイを作製する方法であるが、パターン精度が悪いという問題がある。また、蒸着法は、金属パターンを介して金属を蒸着し、パターンアレイを作製する方法であるが、高価な装置が必要であり、高真空下という制限がある。

0003

一方、材料の自己組織化により構造を作製する試みがなされている。特に溶液キャストし、溶液表面上に結露した水滴を鋳型として多孔質膜を得るハニカム構造化フィルムの作製は、様々な材料から数百nm〜数十μmの孔径を持つフィルムを得ることが簡単に出来るため、生体適合性材料などから細胞培養基板などへの応用が研究されている(非特許文献1〜3)。特許文献1には、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムから成る鋳型にパターン転写用材料充填することによって、ハニカム状多孔質フィルムのパターンを該パターン転写用材料に転写することを含む、メゾ構造体の作製方法が記載されている。

0004

また、特許文献2には、膜厚方向導電性および膜面方向絶縁性を確保しつつ、さらなる狭ピッチ化に対応し易い異方性導電膜を提供することを目的として、膜厚方向に貫通した多数の孔部を有し、前記孔部はハニカム状に配列されるとともに前記孔部の内壁面は外側方向に湾曲されている、高分子よりなる多孔質膜と、この多孔質膜の孔部内壁面に被覆された導電層とを備えた異方性導電膜が記載されている。

0005

O. Karthaus, N. Maruyama, X.Cieren, M. Shimomura, H. Hasegawa, T. Hashimoto, Langmuir, 2000, 16(15), 6071-6076
N. Maruyama, O. Karthaus, K. Ijiro, M. Shimomura, T. Koito, S. Nishimura, T. Sawadaishi, N. Nishi, S. Tokura, Supramol. Science, 1998, 5, 331
T. NishikawaR. Ookura, J. Nishida, K. Arai, J. Hayashi, N. Kurono, T. Sawadaishi, M. Hara, M. Shimomura, Langmuir, 2002, 18(15), 5734
特開2004−330330号公報
特開2005−285536号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、上記した従来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。即ち、本発明は、安価かつ容易に少数のプロセスにおいて、多種の金属パターンアレイを作製する方法、並びに当該方法により作製される金属パターンアレイを提供することを解決すべき課題とした。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、自己組織化により作製したハニカムフィルムを鋳型として使用し、その表面の親水疎水性を利用した選択的な無電解めっきにより、孔内のみに金属を析出させ、ポリマーを有機溶剤にて溶解除去することにより、多種の金属パターンアレイを安価かつ容易に少数のプロセスにおいて製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0008

即ち、本発明によれば、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムの孔内に金属を析出させ、次いで有機溶剤で処理してハニカム状多孔質フィルムを除去することによって得られる金属パターンアレイが提供される。

0009

本発明の別の側面によれば、(1)自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムの孔内に金属を析出させる工程、及び(2)上記工程(1)で得た生成物を有機溶剤で処理してハニカム状多孔質フィルムを除去する工程を含む、金属パターンアレイの製造方法が提供される。

0010

好ましくは、ハニカム状多孔質フィルムの孔内に析出させる金属は、ニッケルリン、ニッケル/ホウ素、ニッケル/コバルト、ニッケル/銅、ニッケル/フッ素、コバルト、銅、銀、スズ、金、白金チタン亜鉛、鉛、クロム、鉄、クロムを含む合金、鉄を含む合金、あるいは上記した金属又は合金の酸化物又は硫化物である。

0011

好ましくは、パラジウム触媒による無電解めっきによりハニカム状多孔質フィルムの孔内に金属を析出させる。
好ましくは、パラジウム触媒による無電解めっきによりハニカム状多孔質フィルムの孔内に析出させる金属は、ニッケルである。

0012

好ましくは、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムの孔内を、該ハニカム状多孔質フィルムを溶解せず、且つ親和性のある有機溶剤で満たし、次いで、塩化パラジウム酸性溶液に浸漬して孔内へ選択的にパラジウムを付与し、次いで、パラジウムが孔内へ付与されたハニカム状多孔質フィルムを無電解ニッケルめっき液に浸漬してハニカム状多孔質フィルムの孔内のみにニッケルを析出させることによって金属の析出を行う。

0013

好ましくは、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムが、両親媒性を有する単独のポリマー又はポリマーと両親媒性ポリマーとから成るポリマー混合物疎水性有機溶媒溶液を基板上にキャストし、該有機溶媒蒸散させると同時に該キャスト液表面で結露させ、該結露により生じた微小水滴蒸発させることにより得られるハニカム状多孔質フィルムである。

0014

本発明の別の側面によれば、本発明の金属パターンアレイから製造される中空金属微小球が提供される。

発明の効果

0015

本発明による金属パターンアレイの製造方法によれば、従来の技術では加工することが困難な金属フィルムを、鋳型法により大量に生産できるため、コストや手間を改善することができる。また、鋳型であるハニカム状多孔質フィルムの孔の構造を任意に調整できるため、任意の形状の金属パターンアレイを作製することができる。また、本発明による金属パターンアレイの製造方法によれば、大面積にわたりパターン精度の高いハニカム状多孔質フィルムを鋳型としているため、一度に大面積の金属パターンアレイを作製することが可能となる。また、特殊な装置が必要な蒸着や溶融金属によるものではなく、簡便な無電解めっき法による金属析出であるため、本発明の金属パターンアレイの製造方法によれば、安価かつ容易に金属パターンアレイを作製することが可能である。本発明の方法で得られる金属パターンアレイは、選択的電磁波吸収シートもしくは反射シートとして有用である。

発明を実施するための最良の形態

0016

以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の方法は、自己組織化により作製したハニカムフィルムを鋳型として使用し、様々な金属を、ハニカム状多孔質フィルムの孔内に金属を析出させ、次いで有機溶剤で処理してハニカム状多孔質フィルムを除去することによって、金属パターンアレイを製造することを特徴とする(図1)。

0017

(A)ハニカム状多孔質フィルム
本発明で用いるハニカム状多孔質フィルムは、自己組織化により作製したものであり、例えば、溶液をキャストし、溶液表面上に結露した水滴を鋳型として多孔質膜を得ることによって作製することができる(本明細書中上記した非特許文献1〜3、及び特許文献1を参照)。自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムの一例としては、両親媒性を有する単独のポリマー、又は(両親媒性ポリマー以外の)ポリマーと両親媒性ポリマーとから成るポリマー混合物の疎水性有機溶媒溶液を基板上にキャストし、該有機溶媒を蒸散させると同時に該キャスト液表面で結露させ、該結露により生じた微小水滴を蒸発させることにより得られるハニカム状多孔質フィルムを使用することができる。このようなハニカム状多孔質フィルムは、例えば、特開2001−157574号公報、特開2002−347107号公報又は特開2002−335949号公報に記載の方法に準じて作製することができる。具体的な製造方法について以下に説明する。

0018

ポリマーとしては、両親媒性を有する単独のポリマーを使用してもよいし、あるいは、(両親媒性ポリマー以外の)ポリマーと両親媒性を有するポリマーから成る複数のポリマーの混合物を使用してもよい。

0020

両親媒性ポリマーとしては、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロック共重合体アクリルアミドポリマー主鎖骨格とし、疎水性側鎖としてドデシル基親水性側鎖としてラクトース基或いはカルボキシル基を併せ持つ両親媒性ポリマー、或いはヘパリンデキストラン硫酸核酸(DNAやRNA)などのアニオン性高分子長鎖アルキルアンモニウム塩とのイオンコンプレックスゼラチンコラーゲンアルブミン等の水溶性タンパク質親水性基とした両親媒性ポリマー等を利用することが望ましい。

0021

また、両親媒性を有する単独のポリマーとしては、例えば、ポリ乳酸−ポリエチレングリコールブロック共重合体ポリε−カプロラクトン−ポリエチレングリコールブロック共重合体、ポリリンゴ酸−ポリリンゴ酸アルキルエステルブロック共重合体などが挙げられる。

0022

本発明で用いるハニカム構造体を作成するに当たってはポリマー溶液上に微小水滴粒子を形成させることが必要であることから、使用する有機溶媒としては非水溶性(疎水性)であることが必要である。疎水性有機溶媒の例としてはクロロホルム塩化メチレン等のハロゲン系有機溶媒ベンゼントルエンキシレン等の芳香族炭化水素酢酸エチル酢酸ブチル等のエステル類メチルイソブチルケトンなどの非水溶性ケトン類二硫化炭素などが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で使用しても、又、これらの溶媒を組み合わせた混合溶媒として使用してもよい。疎水性有機溶媒に溶解するポリマーと両親媒性ポリマーの両者の合計のポリマー濃度は、好ましくは0.01から10重量%であり、より好ましくは0.05から5重量%である。ポリマー濃度が0.01重量%より低いと得られるフィルムの力学強度不足し望ましくない。また、ポリマー濃度が10重量%以上ではポリマー濃度が高くなりすぎ、十分なハニカム構造が得られない。

0023

また、ポリマーと両親媒性ポリマーを使用する場合、その組成比は特に限定されないが、好ましくは99:1〜50:50(wt/wt)の範囲内である。両親媒性ポリマー比が1以下の場合には、均一なハニカム構造が得るのが困難となる場合があり、又、両親媒性ポリマー比が50以上では得られるハニカム構造体の安定性、特に力学的な安定性が低下する場合がある。

0024

先ず、上記ポリマー有機溶媒溶液を基板上にキャストしハニカム構造体を調製する。基板としてはガラス、金属、シリコンウェハー等の無機材料ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエーテルケトン等の耐有機溶剤性に優れた高分子などを使用できる。

0025

ハニカム構造が形成される機構は次のように考えられる。疎水性有機溶媒が蒸発するとき、潜熱奪う為に、キャストフィル表面の温度が下がり、微小な水の液滴がポリマー溶液表面に凝集、付着する。ポリマー溶液中の親水性部分の働きによって水と疎水性有機溶媒の間の表面張力が減少し、このため、水微粒子が凝集して1つの塊になろうとするに際し、安定化される。溶媒が蒸発していくに伴い、ヘキサゴナルの形をした液滴が最密充填した形で並んでいき、最後に、水が飛び、ポリマーが規則正しくハニカム状に並んだ形として残る。

0026

従って、該フィルムを調製する環境としては、
(1)疎水性有機溶媒溶液を基板上にキャストし、高湿度空気を吹き付けることで該有機溶媒を徐々に蒸散させると同時に該キャスト液表面で結露させ、該結露により生じた微小水滴を蒸発させる方法;並びに
(2)疎水性有機溶媒溶液を、相対湿度50〜95%の大気下で基板上にキャストし、該有機溶媒を蒸散させると同時に該キャスト液表面で結露させ、該結露により生じた微小水滴を蒸発させる方法;
などが好ましい。

0027

このようにしてできるハニカム構造体のひとつひとつ(個々)の大きさは、特には限定されないが、好ましくは0.1から100μmであり、より好ましくは0.1から10μmである。

0028

(B)ハニカム状多孔質フィルムへの金属の析出、及びハニカム状多孔質フィルムの除去
本発明においては、上記の(A)に記載したハニカム状多孔質フィルムの孔内に金属を析出させ、次いで有機溶剤で処理してハニカム状多孔質フィルムを除去することによって金属パターンアレイを製造する。

0029

ハニカム状多孔質フィルムの孔内に金属を析出させるためには、めっき法を採用することができる。本発明においては、例えば、パラジウム触媒による無電解めっき、無電解めっきによって析出したニッケルとの置換めっき、又は無電解めっきによって析出したニッケルを電極とした電気めっきによって、ハニカム状多孔質フィルムの孔内に金属を析出させることができる。パラジウム触媒による無電解めっきとしては、ニッケル/リン、ニッケル/ホウ素、ニッケル/コバルト、ニッケル/銅、ニッケル/フッ素、コバルト、銅、銀、スズなどを金属として析出することができる。無電解めっきによって析出したニッケルとの置換めっきとしては、金、白金、又はチタンなどを金属として析出することができる。また、無電解めっきによって析出したニッケルを電極とした電気めっきとしては、金、白金、亜鉛、鉛、クロム、鉄、クロムを含む合金、鉄を含む合金、および、上記した金属又は合金の酸化物又は硫化物などを金属として析出することができる。なお、酸化物は酸素下で加熱することにより得られ、硫化物は酸化物と硫黄化合物の反応に得られる。

0030

上記した無電解めっきのための触媒としては、塩化パラジウム酢酸パラジウム硝酸パラジウム、臭化パラジウム、硫酸パラジウムなど水に可溶なパラジウム化合物を用いることができる。また、無電解ニッケルリンめっき無電解銅めっきのような自己触媒の作用をもつ金属めっきであれば、ニッケル化合物銅化合物も触媒となりうる。

0031

パラジウム触媒による無電解めっきにおいては、先ず、ハニカム状多孔質フィルムの孔内にパラジウムを付与する。パラジウムは、フィルム表面での酸化還元反応により金属を析出させるための触媒である。本発明においては、孔内と孔外の親水性・疎水性の違いを利用して、パラジウムを、ハニカム状多孔質フィルムの孔内に選択的に付与することにより、酸化還元反応場を意図的に作製することができる。代表的な湿式工程によるパラジウム付与法としては、(1)スズコロイドを前駆体として付与した後に、パラジウムを付与する方法、(2)スズ−パラジウムコロイドを付与する方法、及び(3)パラジウム錯体被めっき体表面で形成させる方法などが挙げられる。

0032

また、ハニカム状多孔質フィルムの孔内に満たされている空気がパラジウム溶液の浸入を妨げることを防ぐために、ハニカム状多孔質フィルムの孔内を予め脱気することが好ましい。この目的のためには、ハニカム状多孔質フィルムを溶解せず、且つハニカム状多孔質フィルムと親和性のある有機溶剤で、ハニカム状多孔質フィルムの孔内を満たすことが好ましい。使用する有機溶剤としては、水と混ざり合うか、もしくは水よりも沸点が低い有機溶剤が好ましく、例えば、エタノールメタノールなどを用いることができる。Cap/PSのうちのCapのみを溶解する有機溶剤(例えば、イソプロパノールなど)も親水性・疎水性の差を無くしてしまうため不適である。使用する有機溶剤としては、上記の条件を満たす限り、水との混合溶液も可能である。

0033

本発明においては、上記のようにしてハニカム状多孔質フィルムの孔内に金属を析出させた後に、有機溶剤で処理してハニカム状多孔質フィルムを除去することによって金属パターンアレイを製造することができる。

0034

ハニカム状多孔質フィルムを除去するために使用する有機溶剤としては、ハニカム状多孔質フィルムを溶解する有機溶剤であればよく、例えば、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化物、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンなどの環状エーテル類などが挙げられ、これらのうちの1種を単独で使用してもよいし、または2種以上を混合して使用することもできる。

0035

(C)本発明の金属パターンアレイの用途
本発明の方法で製造した金属パターンアレイは、例えば、選択的電磁波吸収シートもしくは反射シートとして有用である。電磁波吸収シートとは、軟磁性体自然共鳴電磁波を熱エネルギーに変えることで,電磁波がシートを透過したり,反射したりするのを防ぐ。デジタルカメラ携帯電話機ノートパソコンマイクロプロセッサやLSI、液晶パネルなどから放射される不要輻射を抑えるといった用途がある。この電磁波吸収シートが周期構造をもつと、吸収や反射する電磁波の周波数帯が制限される。このような選択的電磁波吸収材料は、例えば、2.45GHz周波数帯を利用している無線LANの電磁波のみを吸収材料などに用いられている。この吸収シートを組み込んだ内装用建材床材天井材などを使用することにより、不要電波を防止し、電波混線などを防ぐことが可能となる。広範囲の周波数帯の電磁波を吸収・反射する材料は数多くある。本発明による金属パターンアレイは、ある周波数帯だけを選択的に透過もしくは吸収する材料として期待できる。

0036

また、本発明により得られる金属パターンアレイは、中空の金属微小球が連なって構成されている。これらの中空金属微小球の一つ一つを分離することにより、同じ形状の中空金属微小球を得ることができる。

0037

(1)ハニカム状多孔質フィルムの作製
ハニカム状多孔質フィルムの作製は文献(T. Nishikawa, R. Ookura, J. Nishida, K. Arai, J. Hayashi, N. Kurono, T. Sawadaishi, M. Hara, M. Shimomura, Langmuir, 2002, 18(15), 5734.)に従った。鋳型となるハニカム状多孔質フィルム作成には、以下に示したCapとPS混合(1/10)を用いた。Capは、以下の化1に示したカプロン酸誘導体アクリレート共重合体を用いた。PSは以下の化1に示したポリスチレン(Mw 〜200,000、Aldrich)を用いた。

0038

0039

Cap/PS混合膜の作成にはクロロホルムを用いた。1.0 g/L 〜 10 g/Lの溶液を固体基板上(主にガラス)に10μL 〜10mL滴下し、高湿度(40〜70%)の空気を吹き付けた。溶液は次第に白濁干渉色が観察され、完全に溶媒、水滴が蒸発した後に光学顕微鏡走査型電子顕微鏡(SEM)で構造を観察すると、ハニカム状の多孔質膜が形成されているのが観察された(図2)。膜の孔は膜内でお互いが連結しており、膜の中心を通る平面に関して上下がほぼ対象となっており、三次元的に結合した構造を持っていた。特開2000−330330号公報によると、孔径はキャスト量を変えることによって、200nm〜15μmまで調節することが可能である。

0040

(2)孔内へのパラジウム付与
ハニカム状多孔質フィルムの孔内へ親水性・疎水性の差を利用することにより、選択的にパラジウムを付与することが出来る。実際にパラジウムを付与したフィルムは、Cap/PS(1:10)の孔径10μmのフィルムを用いた。ハニカム状多孔質フィルムを塩化パラジウムの酸性水溶液に室温で12時間浸漬した。このとき、ハニカム状多孔質フィルムの孔内に満たされている空気が塩化パラジウム酸性溶液の浸入を妨げるため、事前にエタノールによって孔内を満たし、脱気した。塩化パラジウム酸性溶液は、1 g/Lの塩化パラジウム(Aldrich)と0.4 mg/Lの王水(関東化学)の水溶液を用いた。浸漬後のハニカム状多孔質フィルムを純水でよく洗浄し、過剰吸着したパラジウムを除去した。パラジウムは親水性基と錯体を形成しやすいことから、ハニカム状多孔質フィルムの孔内は親水性基をもつCapが多く存在しているため、孔内へ選択的にのみ、パラジウムが付与される。

0041

(3)孔内への無電解めっきによるニッケル析出
ニッケル/リン合金をハニカム状多孔質フィルムの孔内へ析出させる金属として用いた。パラジウムが孔内へ付与されたハニカム状多孔質フィルムを無電解ニッケルめっき液に浸漬した。無電解ニッケルめっき液は7.4 g/Lの次亜リン酸ニッケル六水和物(関東化学)、5.9 g/Lのホウ酸(関東化学)、1.2 g/Lの酢酸ナトリウム(関東化学)、0.65 g/Lの硫酸アンモニウム(関東化学)の水溶液を用いた。純水でよく洗浄し、室温で乾燥後構造を観察すると(図3)、ハニカム状多孔質フィルムの孔内のみニッケル/リンが析出していた。これはハニカム状多孔質フィルムの孔内に存在するパラジウムを触媒とした酸化還元反応により、ニッケル/リン合金が孔内にのみ析出して得られた構造であると考えられる。

0042

(4)ハニカム状多孔質フィルムの除去
孔内にニッケル/リン合金をもつハニカム状多孔質フィルムを有機溶剤で溶解除去することで、金属パターンアレイを作製できる。有機溶剤は、テトラヒドロフランを用いた。完全にハニカム状多孔質フィルムを溶解除去した後にSEMで構造を観察すると、ニッケル/リン合金で構成された直径10μmの金属パターンアレイが形成されているのが観察された(図4)。断面図から、金属パターンアレイは中空構造であった。

図面の簡単な説明

0043

図1は、本発明によるハニカム状多孔質フィルムを鋳型とした選択的無電解めっきによる金属パターンアレイの作製の概要を示す。
図2は、ハニカム状多孔質フィルムの走査型顕微鏡(SEM)像を示す。
図3は、孔内へ無電解めっきにより選択的にニッケル/リンが析出されたハニカム状多孔質フィルムのSEM像を示す。
図4は、金属パターンアレイの表面、底面、断面、全体像のSEM像を示す。

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