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技術 角膜撮影装置

出願人 株式会社トーメーコーポレーション
発明者 西尾勝人伊藤優作
出願日 2006年8月31日 (14年3ヶ月経過) 出願番号 2006-236209
公開日 2008年3月13日 (12年9ヶ月経過) 公開番号 2008-054964
状態 特許登録済
技術分野 眼の診断装置
主要キーワード 反転開始位置 前進制御 後退制御 撮像用光源 反転作動 矩形枠形状 各照明光源 各水平線
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題

角膜内皮細胞の合焦位置をより正確且つ速やかに検出して、より精度の高い撮像を行うことの出来る、新規な構造の角膜撮影装置を提供すること。

解決手段

駆動手段116を駆動せしめて照明光学系14,18および撮像光学系20を被検眼Eの前後方向で離隔する方向に後退せしめる撮像時後退制御手段(S3)、116を設けると共に、該撮像時後退制御手段(S3)、116による後退作動に際して該撮像光学系20の光電素子28により角膜像を時間と位置を異ならせて複数撮像させる連続的撮像手段(S6),122を設け、且つ、該撮像時後退制御手段(S3)、116による後退作動に際しての該連続的撮像手段(S6),122による撮像作動状態を、該被検眼Eの該角膜Cからの反射光受光信号に応じて制御する撮像作動制御手段117を設けた。

概要

背景

従来から、眼疾患の有無判断や眼の術後経過の診断などに際して、角膜、特に角膜内皮細胞状態を観察することが行われている。

このような角膜内皮の細胞状態を観察するに際して、被検眼に対して非接触で角膜内皮細胞撮像することの出来る角膜撮影装置が知られている。この角膜撮影装置は、照明光学系によりスリット状の照明光を被検眼の角膜に斜めから照射して、角膜からの反射光撮像光学系で受光して角膜内皮細胞を撮像するようになっている。

ところで、角膜内皮細胞はその厚さ寸法が薄いことから、角膜撮影装置においては、鮮明な角膜内皮細胞の合焦像を得ることが難しいという問題がある。特に、角膜撮影装置においては、スリット状の照明光を採用していることから、角膜上皮角膜実質による反射光による悪影響を回避して鮮明な角膜内皮細胞を得るためには、照明光学系および撮像光学系を角膜内皮細胞に対する接近/離隔方向において正確に内皮合焦位置に位置合わせすることが必要となる。

そこで、従来では、例えば特許文献1(特公平7−121255号公報)に示されているように、角膜からの反射光の光量分布を検出するラインセンサを採用して、角膜内皮細胞の合焦位置を検出し、位置合わせするようにしたものが提案されている。即ち、角膜上皮と角膜実質および角膜内皮からなる角膜における反射光量の分布特性を考慮することで、ラインセンサの出力値におけるピーク位置から、角膜内皮細胞の合焦位置を推定するものであり、この推定された合焦位置に照明光学系および撮像光学系を位置合わせした状態で角膜内皮細胞の撮像を行うようになっている。

しかしながら、かかる特許文献1に記載の如き従来構造の角膜撮影装置においては、角膜内皮細胞の合焦位置を安定して精度良く検出することが難しいという問題があった。具体的には、例えば、屈折力矯正手術等で角膜厚さが薄くなっている場合等も含んで、角膜の厚さには個人差があり、薄い角膜の場合には角膜上皮と角膜内皮の両ピークを検出することが難しくなって、内皮合焦位置を正しく特定できなくなるおそれがある。また、角膜実質の性状により、特に眼疾患等で角膜実質ににごりがある場合等にも、角膜実質と角膜内皮の反射レベル拮抗して角膜内皮のピークによる合焦位置を検出することが出来なかったり、誤った位置検出を行うおそれもあった。

さらに、たとえ合焦位置が精度良く検出できたとしても、ラインセンサで検出した合焦推定位置に位置合わせした後に撮像が行われることから、被検眼の微動によって合焦位置がずれてしまうことで、鮮明な内皮合焦像が得られなくなるおそれもあった。

また、例えば特許文献2(特許2831538号公報)には、光学系を被検眼に対して接近する方向に前方移動せしめ、先ず角膜上皮との合焦位置を検出して、かかる角膜上皮との合焦位置から、解剖学的な角膜厚みに基づいて角膜内皮細胞の合焦位置を推定する角膜撮影装置が開示されている。かかる角膜撮影装置においては、先ず、被検眼に対して照明光を照射しつつ、光学系を被検眼に対して接近方向に移動せしめる。そして、角膜上皮からの反射光を検出することによって角膜上皮との合焦位置を検出した後に、解剖学的な角膜厚みに基づいて予め設定された、角膜上皮から角膜内皮までの離隔距離に応じた距離だけ合焦位置を角膜内皮側に移動せしめることによって、合焦位置を角膜内皮細胞に対して位置合わせするようにようにされている。

ところが、特許文献2に記載の如き角膜撮影装置においても、角膜内皮細胞の合焦位置を正確に検出することは難しかった。即ち、前述のように、角膜厚さには個人差があって、角膜上皮と角膜内皮との距離も被検者ごとに異なることから、光学系を予め設定した距離だけ角膜上皮から角膜内皮に向けて移動せしめるのみでは、必ずしも正確な位置を捉えられるものではない。また、かかる角膜撮影装置は、そのような個人的な差異を考慮して、所定範囲に亘って連続的撮像を行うようにされているが、角膜内皮細胞を確実に撮像するためには、個人的な差異を包含し得る広い範囲に亘って連続的撮像を行う必要があって、撮像に時間を要することとなる。被検者は、撮像中は目を開け続けなければならず、且つ、眩しい照明光に照らされることから、撮像時間が長くなると、被検者の負担が大きくなるという問題もあった。

特公平7−121255号公報
特許2831538号公報

概要

角膜内皮細胞の合焦位置をより正確且つ速やかに検出して、より精度の高い撮像を行うことの出来る、新規な構造の角膜撮影装置を提供すること。駆動手段116を駆動せしめて照明光学系14,18および撮像光学系20を被検眼Eの前後方向で離隔する方向に後退せしめる撮像時後退制御手段(S3)、116を設けると共に、該撮像時後退制御手段(S3)、116による後退作動に際して該撮像光学系20の光電素子28により角膜像を時間と位置を異ならせて複数撮像させる連続的撮像手段(S6),122を設け、且つ、該撮像時後退制御手段(S3)、116による後退作動に際しての該連続的撮像手段(S6),122による撮像作動状態を、該被検眼Eの該角膜Cからの反射光の受光信号に応じて制御する撮像作動制御手段117を設けた。

目的

ここにおいて、本発明は上述の如き事情背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、角膜内皮細胞の合焦位置をより正確且つ速やかに検出して、より精度の高い撮像を行うことの出来る、新規な構造の角膜撮影装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

スリット光束を被検眼に対して斜めから照射する照明光源を備えた照明光学系と、該スリット光束による該被検眼の角膜からの反射光束受光して角膜像を撮像する光電素子を備えた撮像光学系とを備え、それら照明光学系及び撮像光学系を全体として該被検眼に対して接近乃至は離隔方向に移動させて合焦せしめる駆動手段を備えた角膜撮影装置において、前記撮像光学系による撮像作動に際して前記駆動手段を制御せしめて前記照明光学系及び前記撮像光学系を前記被検眼の前後方向で該被検眼から離隔する方向に後退させる撮像時後退制御手段を設けると共に、該撮像時後退制御手段による後退作動に際して前記撮像光学系の前記光電素子により前記角膜像を時間と位置を異ならせて複数撮像させる連続的撮像手段を設け、且つ、該撮像時後退制御手段による後退作動に際しての該連続的撮像手段による該角膜像の撮像作動状態を、該被検眼の該角膜からの反射光受光信号に応じて制御する撮像作動制御手段を設けたことを特徴とする角膜撮影装置。

請求項2

前記照明光学系の前記照明光源の一つとして、前記被検眼に照射されて前記角膜による反射光が前記撮像光学系の前記光電素子に導かれることにより前記角膜像を撮像するための撮像用光源が採用されており、該撮像用光源による照射光束の該角膜による反射光の該光電素子による出力信号を前記受光信号として、前記撮像作動制御手段において、前記角膜像の撮像作動状態が該光電素子の出力信号に基づいて制御される請求項1に記載の角膜撮影装置。

請求項3

前記光電素子による出力信号を前記受光信号として、前記撮像作動制御手段において、前記撮像時後退制御手段による後退作動の速度が変更制御されることにより前記角膜像の撮像作動状態が該光電素子の出力信号に基づいて制御される請求項2に記載の角膜撮影装置。

請求項4

前記光電素子による出力信号を前記受光信号として、前記撮像作動制御手段において、前記連続的撮像手段による前記角膜像の連続的な撮像時間間隔が変更制御されることにより前記角膜像の撮像作動状態が該光電素子の出力信号に基づいて制御される請求項2又は3に記載の角膜撮影装置。

請求項5

前記照明光学系の前記照明光源の一つとして、前記被検眼に照射されて前記角膜による反射光が前記撮像光学系の前記光電素子に導かれることにより前記角膜像を撮像するための撮像用光源とは別に位置検出用光源が採用されていると共に、該位置検出用光源による照射光束の該角膜による反射光を受光するラインセンサが採用されており、該ラインセンサによる出力信号を前記受光信号として、前記撮像作動制御手段において、前記角膜像の撮像作動状態が該ラインセンサの出力信号に基づいて制御される請求項1乃至4の何れか一項に記載の角膜撮影装置。

請求項6

前記撮像作動制御手段において、前記ラインセンサによる出力信号に基づいて前記角膜からの反射光が確認されたことを条件として前記撮像用光源の発光と前記連続的撮像手段による該角膜像の撮像作動をそれぞれ開始するように制御される請求項5に記載の角膜撮影装置。

請求項7

前記撮像制御手段において、前記ラインセンサによって検出された前記角膜の内皮からの合焦位置における反射光量に対応する出力信号に比して、それよりも低い所定光量に対応する出力信号を検知レベルに設定し、該角膜の反射光を受光した該ラインセンサの出力信号が該検知レベルに達したことを条件として、前記撮像作動制御手段において前記撮像用光源の発光と前記連続的撮像手段による該角膜像の撮像作動をそれぞれ開始するように制御される請求項6に記載の角膜撮影装置。

請求項8

前記撮像時後退制御手段による撮像作動に際しての前記後退作動の前に、前記駆動手段を制御せしめて前記照明光学系及び前記撮像光学系を前記被検眼の前後方向で該被検眼に接近する方向に前進させる撮像前前進制御手段を設けると共に、該撮像前前進制御手段による前進作動から前記撮像時後退制御手段による後退作動への切り換えによる移動方向の反転を、該被検眼の該角膜からの反射光の受光信号に基づいて制御する反転作動制御手段を設けた請求項1乃至7の何れかに記載の角膜撮影装置。

請求項9

請求項5に記載の前記位置検出用光源と前記ラインセンサを採用して、前記被検眼の角膜からの反射光の受光信号として該ラインセンサの出力信号を用い、前記撮像前前進制御手段による前進作動に際して、該ラインセンサの出力信号に基づいて、内皮合焦の位置よりも後方側に設定された反転位置において前記反転作動制御手段による移動方向の反転が行われる請求項8に記載の角膜撮影装置。

請求項10

前記撮像作動制御手段において、前記照明光学系及び前記撮像光学系の移動距離、前記被検眼の角膜からの反射光の受光信号、経過時間の少なくとも一つに基づいて前記連続的撮像手段による撮像作動を終了する請求項1乃至9の何れか一項に記載の角膜撮影装置。

請求項11

前記光電素子によって撮像された撮影画像を記憶せしめる記憶手段を備えると共に、該撮影画像の光量レベル及びコントラストの少なくとも一方に基づいて該撮影画像を取捨選択して該記憶手段に記憶せしめる画像選択手段を備えた請求項1乃至10の何れか一項に記載の角膜撮影装置。

技術分野

0001

本発明は、被検眼に対して照明光照射して、被検眼の角膜からの反射光受光することによって角膜像を撮像する角膜撮影装置に関するものである。

背景技術

0002

従来から、眼疾患の有無判断や眼の術後経過の診断などに際して、角膜、特に角膜内皮細胞状態を観察することが行われている。

0003

このような角膜内皮の細胞状態を観察するに際して、被検眼に対して非接触で角膜内皮細胞を撮像することの出来る角膜撮影装置が知られている。この角膜撮影装置は、照明光学系によりスリット状の照明光を被検眼の角膜に斜めから照射して、角膜からの反射光を撮像光学系で受光して角膜内皮細胞を撮像するようになっている。

0004

ところで、角膜内皮細胞はその厚さ寸法が薄いことから、角膜撮影装置においては、鮮明な角膜内皮細胞の合焦像を得ることが難しいという問題がある。特に、角膜撮影装置においては、スリット状の照明光を採用していることから、角膜上皮角膜実質による反射光による悪影響を回避して鮮明な角膜内皮細胞を得るためには、照明光学系および撮像光学系を角膜内皮細胞に対する接近/離隔方向において正確に内皮合焦位置に位置合わせすることが必要となる。

0005

そこで、従来では、例えば特許文献1(特公平7−121255号公報)に示されているように、角膜からの反射光の光量分布を検出するラインセンサを採用して、角膜内皮細胞の合焦位置を検出し、位置合わせするようにしたものが提案されている。即ち、角膜上皮と角膜実質および角膜内皮からなる角膜における反射光量の分布特性を考慮することで、ラインセンサの出力値におけるピーク位置から、角膜内皮細胞の合焦位置を推定するものであり、この推定された合焦位置に照明光学系および撮像光学系を位置合わせした状態で角膜内皮細胞の撮像を行うようになっている。

0006

しかしながら、かかる特許文献1に記載の如き従来構造の角膜撮影装置においては、角膜内皮細胞の合焦位置を安定して精度良く検出することが難しいという問題があった。具体的には、例えば、屈折力矯正手術等で角膜厚さが薄くなっている場合等も含んで、角膜の厚さには個人差があり、薄い角膜の場合には角膜上皮と角膜内皮の両ピークを検出することが難しくなって、内皮合焦位置を正しく特定できなくなるおそれがある。また、角膜実質の性状により、特に眼疾患等で角膜実質ににごりがある場合等にも、角膜実質と角膜内皮の反射レベル拮抗して角膜内皮のピークによる合焦位置を検出することが出来なかったり、誤った位置検出を行うおそれもあった。

0007

さらに、たとえ合焦位置が精度良く検出できたとしても、ラインセンサで検出した合焦推定位置に位置合わせした後に撮像が行われることから、被検眼の微動によって合焦位置がずれてしまうことで、鮮明な内皮合焦像が得られなくなるおそれもあった。

0008

また、例えば特許文献2(特許2831538号公報)には、光学系を被検眼に対して接近する方向に前方移動せしめ、先ず角膜上皮との合焦位置を検出して、かかる角膜上皮との合焦位置から、解剖学的な角膜厚みに基づいて角膜内皮細胞の合焦位置を推定する角膜撮影装置が開示されている。かかる角膜撮影装置においては、先ず、被検眼に対して照明光を照射しつつ、光学系を被検眼に対して接近方向に移動せしめる。そして、角膜上皮からの反射光を検出することによって角膜上皮との合焦位置を検出した後に、解剖学的な角膜厚みに基づいて予め設定された、角膜上皮から角膜内皮までの離隔距離に応じた距離だけ合焦位置を角膜内皮側に移動せしめることによって、合焦位置を角膜内皮細胞に対して位置合わせするようにようにされている。

0009

ところが、特許文献2に記載の如き角膜撮影装置においても、角膜内皮細胞の合焦位置を正確に検出することは難しかった。即ち、前述のように、角膜厚さには個人差があって、角膜上皮と角膜内皮との距離も被検者ごとに異なることから、光学系を予め設定した距離だけ角膜上皮から角膜内皮に向けて移動せしめるのみでは、必ずしも正確な位置を捉えられるものではない。また、かかる角膜撮影装置は、そのような個人的な差異を考慮して、所定範囲に亘って連続的撮像を行うようにされているが、角膜内皮細胞を確実に撮像するためには、個人的な差異を包含し得る広い範囲に亘って連続的撮像を行う必要があって、撮像に時間を要することとなる。被検者は、撮像中は目を開け続けなければならず、且つ、眩しい照明光に照らされることから、撮像時間が長くなると、被検者の負担が大きくなるという問題もあった。

0010

特公平7−121255号公報
特許2831538号公報

発明が解決しようとする課題

0011

ここにおいて、本発明は上述の如き事情背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、角膜内皮細胞の合焦位置をより正確且つ速やかに検出して、より精度の高い撮像を行うことの出来る、新規な構造の角膜撮影装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

以下、前述の如き課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。

0013

すなわち、本発明の第一の態様は、スリット光束を被検眼に対して斜めから照射する照明光源を備えた照明光学系と、該スリット光束による該被検眼の角膜からの反射光束を受光して角膜像を撮像する光電素子を備えた撮像光学系とを備え、それら照明光学系及び撮像光学系を全体として該被検眼に対して接近乃至は離隔方向に移動させて合焦せしめる駆動手段を備えた角膜撮影装置において、前記撮像光学系による撮像作動に際して前記駆動手段を制御せしめて前記照明光学系及び前記撮像光学系を前記被検眼の前後方向で該被検眼から離隔する方向に後退させる撮像時後退制御手段を設けると共に、該撮像時後退制御手段による後退作動に際して前記撮像光学系の前記光電素子により前記角膜像を時間と位置を異ならせて複数撮像させる連続的撮像手段を設け、且つ、該撮像時後退制御手段による後退作動に際しての該連続的撮像手段による該角膜像の撮像作動状態を、該被検眼の該角膜からの反射光の受光信号に応じて制御する撮像作動制御手段を設けたことを、特徴とする。

0014

本態様に従う構造とされた角膜撮影装置においては、撮像時後退制御手段によって、照明光学系および撮像光学系を被検眼から離隔する方向に後退作動せしめることから、角膜実質などからの反射光の影響を受けることがない。即ち、角膜の後方は房水で満たされていることから、角膜の後方では照明光源の光束は殆ど反射されることはなく、角膜の後端で始めて相応の反射光を得ることが出来る。これにより、角膜からの反射光を明瞭に検出することが出来て、かかる反射光に応じて撮像作動状態を制御する撮像作動制御手段の作動の安定化を図ることが出来る。また、被検眼からの反射光に基づいて撮像作動を制御することから、被検者間の個人的な角膜厚みの差異などにも柔軟に対応することが出来ると共に、効率的な作動制御を行うことも可能となる。

0015

それと共に、角膜像を連続的に撮像することによって、所定範囲に亘って角膜像を複数枚撮像することが出来る。これにより、前述の撮像作動の安定化との相乗的効果によって、撮像ミスの発生をより有効に防ぐことが出来る。

0016

なお、撮像作動制御手段による撮像作動状態の制御態様としては、各種の制御態様が採用可能である。例えば、角膜後端に位置する角膜内皮細胞からの反射光の受光信号に応じて連続的撮像を開始することによって、角膜内皮細胞像を高精度に且つ優れた効率をもって撮像することが出来る。更に、撮像作動状態の制御態様は、このような連続的撮像の開始制御に限定されることは無く、角膜からの反射光の受光信号に応じて、連続的撮像の時間間隔や、照明光源の照度、或いは光学系の後退作動の速度等を変化せしめたりしても良い。

0017

また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る角膜撮影装置において、前記照明光学系の前記照明光源の一つとして、前記被検眼に照射されて前記角膜による反射光が前記撮像光学系の前記光電素子に導かれることにより前記角膜像を撮像するための撮像用光源が採用されており、該撮像用光源による照射光束の該角膜による反射光の該光電素子による出力信号を前記受光信号として、前記撮像作動制御手段において、前記角膜像の撮像作動状態が該光電素子の出力信号に基づいて制御されることを、特徴とする。

0018

本態様に従う構造とされた角膜撮影装置においては、角膜像の撮像を行う光電素子を用いて、角膜による反射光を受光することが出来る。これにより、構成をより簡易なものとすることが出来る。

0019

また、本発明の第三の態様は、前記第二の態様に係る角膜撮影装置において、前記光電素子による出力信号を前記受光信号として、前記撮像作動制御手段において、前記撮像時後退制御手段による後退作動の速度が変更制御されることにより前記角膜像の撮像作動状態が該光電素子の出力信号に基づいて制御されることを、特徴とする。

0020

本態様に従う構造とされた角膜撮影装置においては、後退作動速度を変更せしめることによって、連続的撮像における撮像枚数を調節することが出来る。また、より効率的な作動制御を行うことも可能となる。例えば、光学系を角膜後方から比較的早い速度で後退作動せしめて、角膜からの反射光を受光した時点で比較的遅い速度に変更することによって、光学系を角膜と速やかに位置合わせすることが出来て、撮像時間の短縮を図ることが出来る。

0021

また、本発明の第四の態様は、前記第二又は第三の態様に係る角膜撮影装置において、前記光電素子による出力信号を前記受光信号として、前記撮像作動制御手段において、前記連続的撮像手段による前記角膜像の連続的な撮像時間間隔が変更制御されることにより前記角膜像の撮像作動状態が該光電素子の出力信号に基づいて制御されることを、特徴とする。

0022

本態様に従う構造とされた角膜撮影装置においては、連続的撮像における時間間隔を変更することによって、撮像枚数を調節することが出来る。例えば、角膜からの反射光を受光するまでは、比較的長い時間間隔で撮像を行い、角膜からの反射光を受光した時点で、比較的短い時間間隔で撮像を行う等することが出来る。

0023

また、本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れか一つの態様に係る角膜撮影装置において、前記照明光学系の前記照明光源の一つとして、前記被検眼に照射されて前記角膜による反射光が前記撮像光学系の前記光電素子に導かれることにより前記角膜像を撮像するための撮像用光源とは別に位置検出用光源が採用されていると共に、該位置検出用光源による照射光束の該角膜による反射光を受光するラインセンサが採用されており、該ラインセンサによる出力信号を前記受光信号として、前記撮像作動制御手段において、前記角膜像の撮像作動状態が該ラインセンサの出力信号に基づいて制御されることを、特徴とする。

0024

本態様に従う構造とされた角膜撮影装置においては、ラインセンサを用いることから、角膜の上皮や実質、内皮などの各層からの反射光を光量分布として検出することが出来る。これにより、角膜各層の光量分布に基づいて、より高精度な作動制御を行うことが可能となる。なお、本態様における位置検出用光源としては、撮像用光源よりも照度の小さい光源が好適に採用される。このようにすれば、例えば光学系のアライメントなどの角膜撮影時以外の場合には、照度の小さい位置検出用光源を用いることによって、照明される被検者の負担を小さくすることが出来る。そして、更に好適には、位置検出用光源として、赤外光束を発する光源が採用される。このようにすれば、位置検出用光源による照射光束を被検者が感じることが無いことから、被検者の負担を更に軽減することが出来る。なお、撮像作動制御手段における撮像作動状態の制御態様は、前記態様1と同様に、各種の制御態様が採用可能である。

0025

また、本発明の第六の態様は、前記第五の態様に係る角膜撮影装置において、前記撮像作動制御手段において、前記ラインセンサによる出力信号に基づいて前記角膜からの反射光が確認されたことを条件として前記撮像用光源の発光と前記連続的撮像手段による該角膜像の撮像作動をそれぞれ開始するように制御されることを、特徴とする。

0026

本態様に従う構造とされた角膜撮影装置においては、ラインセンサによって検出された角膜からの反射光に基づいて、光学系と角膜との相対位置を考慮したより高度な作動制御を行うことが出来る。これにより、撮像用光源を長時間発光せしめることが回避されて、被検者の負担を軽減することが出来ると共に、より確実な撮像を行うことが出来る。

0027

また、本発明の第七の態様は、前記第六の態様に係る角膜撮影装置において、前記撮像制御手段において、前記ラインセンサによって検出された前記角膜の内皮からの合焦位置における反射光量に対応する出力信号に比して、それよりも低い所定光量に対応する出力信号を検知レベルに設定し、該角膜の反射光を受光した該ラインセンサの出力信号が該検知レベルに達したことを条件として、前記撮像作動制御手段において前記撮像用光源の発光と前記連続的撮像手段による該角膜像の撮像作動をそれぞれ開始するように制御されることを、特徴とする。

0028

本態様に従う構造とされた角膜撮影装置においては、合焦位置の反射光量よりも低い出力信号を受信した時点で連続的撮像を開始することによって、角膜内皮の合焦位置よりもやや後方の位置から連続的撮像を開始することが出来る。これにより、角膜内皮像をより確実に撮像することが出来る。

0029

また、本発明の第八の態様は、前記第一乃至第七の何れか一つの態様に係る角膜撮影装置において、前記撮像時後退制御手段による撮像作動に際しての前記後退作動の前に、前記駆動手段を制御せしめて前記照明光学系及び前記撮像光学系を前記被検眼の前後方向で該被検眼に接近する方向に前進させる撮像前前進制御手段を設けると共に、該撮像前前進制御手段による前進作動から前記撮像時後退制御手段による後退作動への切り換えによる移動方向の反転を、該被検眼の該角膜からの反射光の受光信号に基づいて制御する反転作動制御手段を設けたことを、特徴とする。

0030

本態様に従う構造とされた角膜撮影装置においては、撮像前前進制御手段によって前進せしめられた光学系の反転作動を、被検眼の角膜から実際に反射された反射光に基づいて行うことによって、各被検眼ごとの個体差に応じた的確な位置で反転作動を行うことが出来る。これにより、各被検眼に応じたより正確で効率的な撮像作動を行うことが出来る。

0031

ここにおいて、角膜からの反射光に基づいて反転作動を制御する具体的な態様としては、様々な態様が適宜に採用可能である。例えば、角膜からの反射光としては、角膜上皮や角膜内皮など、角膜を構成する各層からの反射光が適宜に採用可能である。また、これらの反射光を受光する手段としては、前記光電素子を用いても良いし、前記態様5に記載のラインセンサを用いることなども可能である。好適には、光電素子やラインセンサによって角膜上皮からの反射光を検出した位置から、解剖学的な角膜厚さなどの所定距離だけ照明光学系および撮像光学系を更に前進せしめることによって、光学系の合焦位置を角膜の後方に位置せしめ、かかる位置を反転位置として後退作動を開始するなどの態様が採用され得る。

0032

また、本発明の第九の態様は、前記第八の態様に係る角膜撮影装置において、請求項5に記載の前記位置検出用光源と前記ラインセンサを採用して、前記被検眼の角膜からの反射光の受光信号として該ラインセンサの出力信号を用い、前記撮像前前進制御手段による前進作動に際して、該ラインセンサの出力信号に基づいて、内皮合焦の位置よりも後方側に設定された反転位置において前記反転作動制御手段による移動方向の反転が行われることを、特徴とする。

0033

本態様に従う構造とされた角膜撮影装置においては、ラインセンサを用いることによって、角膜各層からの反射光量の分布を検出して、かかる光量分布に基づく作動制御を行うことが出来る。従って、例えば、角膜上皮など所定の層を検出する際に、前記第八の態様において光電素子のみを用いた構成の場合には、特定の時点における特定の層からの反射光しか検出することが出来ないが、光電素子に代えて、或いは光電素子と共に、ラインセンサを用いることによって、所定の厚さ寸法に亘る各層からの反射光の光量分布を検出することが出来る。それ故、他の層の反射光量との比較に基づいて目的とする層をより正確に検出することが出来ることから、反転位置の設定をより確実に行うことが出来る。これにより、反転位置をより確実に内皮合焦の位置よりも後方に設定することが出来て、角膜内皮細胞像をより確実に撮像することが出来る。なお、ラインセンサの出力信号に基づく反転制御の具体的な態様としては、例えば、ラインセンサによって角膜上皮からの反射光を検出して、かかる角膜上皮の位置から、解剖学的な角膜厚みなどの所定距離だけ更に前進せしめた位置を反転位置とする態様などが例示される。

0034

また、本発明の第十の態様は、前記第一乃至第九の態様に係る角膜撮影装置において、前記撮像作動制御手段において、前記照明光学系及び前記撮像光学系の移動距離、前記被検眼の角膜からの反射光の受光信号、経過時間の少なくとも一つに基づいて前記連続的撮像手段による撮像作動を終了することを、特徴とする。

0035

本態様に従う構造とされた角膜撮影装置においては、上記条件によって連続的撮像を終了することによって、連続的撮像に要する時間を短縮することが出来て、撮像効率が向上せしめられると共に、被検者の負担を軽減することも出来る。

0036

なお、上記各条件の具体的な内容は適宜に設定することが可能であるが、例えば、光学系の移動距離としては、後退作動を開始した位置から解剖学的な角膜厚さ寸法よりもやや長い距離を移動した時点で終了したり、経過時間としては、撮像開始からの所定時間の経過によって連続的撮像を終了するなどすることが出来る。また、反射光の受光信号としては、実際に反射光が受光されなくなった時点で終了しても良いし、或いは、請求項5に記載のラインセンサによって角膜の反射光から上皮位置を検出して、光学系がかかる上皮位置に到達した時点で撮像を終了するなどしても良い。

0037

また、本発明の第十一の態様は、前記第一乃至第十の何れか一つに係る角膜撮影装置において、前記光電素子によって撮像された撮影画像を記憶せしめる記憶手段を備えると共に、該撮影画像の光量レベル及びコントラストの少なくとも一方に基づいて該撮影画像を取捨選択して該記憶手段に記憶せしめる画像選択手段を備えたことを、特徴とする。

0038

本態様に従う構造とされた角膜撮影装置においては、操作者による撮影画像の取捨選択の作業が不要とされるか、大幅に軽減される。ここにおいて、光量レベルに基づく取捨選択の具体的な態様としては、撮影画像を構成する各画素輝度値の平均が所定値以上である場合にかかる撮影画像を記憶手段に記憶する態様などが例示される。また、コントラストに基づく取捨選択の具体的な態様としては、隣接する画素の輝度値の差の総和が所定値以上である場合にかかる撮影画像を記憶手段に記憶する態様などが例示される。即ち、角膜上皮の反射光は略一様の光量となる一方、角膜内皮細胞からの反射光は、細胞の中央部分で明るく、壁部で暗いように、輝度値の差が明瞭に現れることから、輝度値の差の総和が大きくなる。従って、輝度値の差の総和が大きな画像を選択することによって、角膜内皮細胞が撮像された画像を選択することが出来る。

発明を実施するための最良の形態

0039

以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。

0040

先ず、図1に、本発明における角膜撮影装置の一実施形態としての装置光学系10を示す。装置光学系10は、被検眼Eの前眼部を観察する観察光学系12を挟んで、一方の側に撮像照明光学系14および位置検出光学系16が設けられ、他方の側に位置検出照明光学系18および撮像光学系20が設けられた構造とされている。なお、特に本実施形態においては、撮像照明光学系14および位置検出照明光学系18を含んで、照明光学系が構成されている。

0041

観察光学系12は、被検眼Eに近い位置から順にハーフミラー22、対物レンズ24、ハーフミラー26、コールドミラー27、および光電素子としてのCCD28が光軸O1上に設けられて構成されている。また、被検眼Eの前方には、複数(本実施形態においては、2つ)の観察用光源30,30が配設されている。観察用光源30,30は、赤外光束を発する例えば赤外LEDなどが用いられる。そして、コールドミラー27は、赤外光を透過せしめる一方、可視光を反射するようにされており、観察用光源30,30から発せられて被検眼Eの前眼部で反射された反射光束が、対物レンズ24およびコールドミラー27を通して、CCD28上で結像されるようになっている。

0042

撮像照明光学系14は、被検眼Eに近い位置から順に投影レンズ32、コールドミラー34、スリット36、集光レンズ38、撮像用光源40が設けられて構成されている。撮像用光源40は可視光束を発する例えばLED等が用いられる。コールドミラー34は、赤外光を透過せしめる一方、可視光を反射するようにされている。そして、撮像用光源40から発せられた光束は、対物レンズ38およびスリット36を通してスリット光束とされて、コールドミラー34により反射された後に投影レンズ32を通して、角膜Cに対して斜め方向から照射されるようになっている。

0043

位置検出光学系16は、その光軸の一部が撮像照明光学系14の光軸と一致せしめられており、被検眼Eに近い位置から順に投影レンズ32、コールドミラー34、ラインセンサ44が設けられて構成されている。そして、後述する観察用光源54から照射されて角膜Cで反射された光束が、投影レンズ32、コールドミラー34を通して、ラインセンサ44上に結像されるようになっている。

0044

一方、位置検出照明光学系18は、被検眼Eに近い位置から順に対物レンズ46、コールドミラー48、集光レンズ52、および位置検出用光源としての観察用光源54が設けられて構成されている。観察用光源54は、例えば赤外LEDなどの赤外光源が好適に採用される。そして、観察用光源54から発せられた赤外光束が、角膜Cに対して斜めから照射されるようになっている。なお、観察用光源54は、例えばハロゲンランプや可視光LEDなどの可視光源赤外フィルタを組み合わせることによって構成しても良い。但し、観察用光源54は、必ずしも赤外光源とされる必要は無く、ハロゲンランプや可視光LEDなどの可視光源を用いても良い。可視光源を用いる場合には、その照度は撮像用光源40の照度よりも小さくされることが好ましい。これにより、アライメント等、観察用光源54による光束を照射せしめる際の被検者の負担を軽減することが出来る。

0045

撮像光学系20は、その光軸の一部が位置検出照明光学系18の光軸と一致せしめられており、被検眼Eに近い位置から順に対物レンズ46、コールドミラー48、スリット56、変倍レンズ58、合焦レンズ60、コールドミラー27、CCD28が設けられて構成されている。そして、撮像用光源40から照射されて角膜Cで反射された光束が、対物レンズ46を介してコールドミラー48で反射された後に、スリット56によって平行光束とされて、変倍レンズ58、合焦レンズ60を介して、コールドミラー27で反射されてCCD28上に結像されるようになっている。

0046

また、観察光学系12上に設けられるハーフミラー22は、固視標光学系64、アライメント光学系66の一部を構成している。

0047

指標光学系64は、被検眼Eに近い位置から順にハーフミラー22、投影レンズ68、ハーフミラー70、ピンホール板72、固視標光源74が設けられて構成されている。固視標光源74は例えばLEDなどの可視光を発する光源であり、固視標光源74から発せられた光束は、ピンホール板72、ハーフミラー70を透過した後、投影レンズ68によって平行光束とされて、ハーフミラー22によって反射されて被検眼Eに照射される。

0048

アライメント光学系66は、被検眼Eに近い位置から順にハーフミラー22、投影レンズ68、ハーフミラー70、絞り76、ピンホール板78、集光レンズ80、アライメント光源82が設けられて構成されている。アライメント光源82からは赤外光が発せられるようになっており、かかる赤外光は集光レンズ80により集光されてピンホール板78を通過し、絞り76に導かれる。そして、絞り76を通過した光はハーフミラー70に反射されて、投影レンズ68によって平行光束とされた後に、ハーフミラー22によって反射されて被検眼Eに照射される。

0049

また、観察光学系12上に設けられたハーフミラー26は、アライメント検出光学系84の一部を構成している。

0050

アライメント検出光学系84は、被検眼Eに近い位置から順にハーフミラー26、位置検出可能なアライメント検出センサ88が設けられて構成されている。そして、アライメント光源82から照射されて、角膜Cで反射された光束が、ハーフミラー26で反射されて、アライメント検出センサ88に導かれるようになっている。

0051

このような構造とされた装置光学系10は、図2に示す角膜撮影装置100に収容されている。角膜撮影装置100は、ベース102の上に本体部104が設けられており、かかる本体部104の上にケース106が前後左右および上下動可能に設けられて構成されている。ベース102には、電源装置が内蔵されていると共に、操作スティック108が設けられており、かかる操作スティック108を操作してケース106を駆動せしめることが出来るようにされている。また、本体部104には、後述する各制御回路などが収容されていると共に、例えば液晶モニタなどからなる表示画面110が設けられている。

0052

さらに、図3に示すように、角膜撮影装置100には、ケース106を駆動せしめることによって、装置光学系10を被検眼Eに対して接近乃至は離隔方向に移動せしめる駆動手段が設けられている。これらの駆動手段は例えばラック・ピニオン機構などによって構成されており、本実施形態においては、装置光学系10を図3における上下方向のX方向に駆動せしめるX軸駆動機構112、図3における紙面と垂直のY方向に駆動せしめるY軸駆動機構114、図3における左右方向のZ方向に駆動せしめるZ軸駆動機構116が設けられている。

0053

また、角膜撮影装置100には、装置光学系10による角膜像の撮像の作動制御を行う撮像制御手段としての撮像制御回路117が設けられている。そして、X軸駆動機構112、Y軸駆動機構114、Z軸駆動機構116は、それぞれ、撮像制御回路117に接続されて、撮像制御回路117からの駆動信号に基づいて駆動せしめられるようにされている。また、アライメント検出センサ88は、XYアライメント検出回路118に接続されており、かかるXYアライメント検出回路118は、撮像制御回路117に接続されている。また、ラインセンサ44は、Zアライメント検出回路120に接続されており、かかるZアライメント検出回路120は、撮像制御回路117に接続されている。これにより、アライメント検出センサ88およびラインセンサ44の検出情報が、撮像制御回路117に入力されるようになっている。なお、図示は省略するが、撮像制御回路117は、各照明光源30、40、54、74、82にも接続されており、これらの発光を制御出来るようにされている。

0054

さらに、角膜撮影装置100には、CCD28が受像した画像が入力されて、かかる画像を取捨選択する画像選択回路122が設けられていると共に、かかる画像選択回路122によって選択された画像を記憶する記憶手段としての記憶装置124が設けられている。

0055

次に、このような構造とされた角膜撮影装置100において、撮像制御回路117が実行する角膜内皮の撮像手順の概略を図4に示し、以降、順に説明する。

0056

先ず、S1において、被検眼Eに対して、装置光学系10のX方向およびY方向の位置合わせ(XYアライメント)を行う。かかるXYアライメント時には、固視標光源74から照射された固視標光が被検眼Eに導かれる。そして、被検者にかかる固視標光を固視させることによって、被検眼Eの光軸方向を、観察光学系12の光軸O1の方向と一致させることが出来る。かかる状態下で、観察用光源30、30から照射されて、被検眼Eの前眼部で反射された光束がCCD28上に導かれる。これにより、図5に示すように、表示画面110上に、被検眼Eの前眼部が表示される。

0057

さらに、表示画面110上には、例えばスーパーインポーズ信号などによって生成された、矩形枠形状アライメントパターン125が、被検眼Eに重ねて表示される。それと共に、アライメント光源82から被検眼Eに向けて照射された光束が、被検眼Eの前眼部で反射されて、CCD28に導かれることによって、表示画面110に、点状のアライメント光126として表示されるようになっている。そして、操作者は操作スティック108を操作することによって、装置光学系10を駆動せしめて、アライメント光126がアライメントパターン125の枠内に入るように、装置光学系10の位置を調節する。

0058

また、アライメント光源82から照射されて、被検眼Eの前眼部で反射された光束の一部は、ハーフミラー26で反射されて、アライメント検出センサ88に導かれるようになっている。なお、アライメント光源82からは被検者に認識されない赤外光束が照射されることによって、被検者の負担が軽減されている。ここにおいて、アライメント検出センサ88は、アライメント光126がアライメントパターン125の枠内に入ると、アライメント光126のX方向の位置とY方向の位置を検出することが出来るようにされている。かかるX方向位置とY方向位置は、XYアライメント検出回路118に入力される。XYアライメント検出回路118は、X方向の位置情報に基づいて観察光学系10の光軸O1が被検眼Eの光軸に近づくようにX軸駆動機構112を駆動すると共に、Y方向の位置情報に基づいて観察光学系10の光軸O1が被検眼Eの光軸に近づくようにY軸駆動機構114を駆動せしめる。これにより、装置光学系10の被検眼Eに対するXY方向の位置合わせが行われる。なお、後述するように、かかるXYアライメントは、撮像中も適宜のタイミングで実施される。また、特に本実施形態においては、アライメント光源82と観察用光源30,30を短時間で交互に点滅せしめると共に、アライメント光源82の点灯タイミングに合わせてアライメント検出センサ88による検出が行われるようになっている。これにより、XYアライメントに際して観察用光源30,30の赤外光束が影響を与えることの無いようにされている。なお、アライメント光源82と観察用光源30,30の点滅はCCD28における受光信号への変換速度よりも高速に行われることから、CCD28の受光信号が出力される表示画面110には、両光源82,30が点滅して認識されることはなく、恰も両光源82,30が連続して点灯しているように認識される。

0059

次に、S2において、Z軸駆動機構116を駆動せしめて、装置光学系10を、被検眼Eに対して接近する方向に前進作動せしめる。このように、本実施形態においては、S2およびZ軸駆動機構116を含んで、撮像前前進制御手段が構成されている。そして、観察用光源54を発光せしめて、観察用光源54から照射された赤外光束を、被検眼Eの角膜Cに対して斜め方向から照射すると共に、角膜Cから反射された光束を、ラインセンサ44によって受光する。特に本実施形態においては、観察用光源54から照射される光束が赤外光束とされていることから、被検者の負担が軽減されている。

0060

そして、観察用光源54からの赤外光束は、角膜Cの上皮細胞や角膜実質、角膜内皮など、角膜Cの各層毎に異なる反射光量をもって反射せしめられる。図6に概略的に示すように、観察用光源54からの赤外光束Lは、空気と角膜Cとの境界面となる上皮細胞eでまず反射される。また、上皮細胞eを透過した光束の一部は角膜実質sや角膜内皮enで反射される。そして、上皮細胞eで反射された反射光束e’の光量が最も多く、角膜内皮enで反射された反射光束en’の光量は相対的に小さく、角膜実質sで反射された反射光束s’の光量が最も小さくなる。また、前房aは房水で満たされていることから、前房aでは赤外光束Lは殆ど反射されることはない。

0061

これらの反射光束は、ラインセンサ44に検出されて、ラインセンサ44には、図7のような光量分布が検出される。図7において、光量の最も多い第一ピーク部128は、角膜上皮からの反射光を示す。次に光量の多い第二ピーク部130は、角膜内皮からの反射光を示す。そして、撮像制御回路117は、Z軸駆動機構116を駆動せしめて、ラインセンサ44によって検出された角膜上皮の位置から人眼生理学的な角膜厚みのばらつきを考慮した所定距離:D1だけ、装置光学系10を角膜Cに接近する方向に前進駆動せしめる。なお、角膜上皮からの移動距離は、例えば1000〜1500μmの範囲内で適宜に設定される。これにより、装置光学系10における撮像光学系20の合焦位置は、角膜Cにおける内皮細胞よりも後方に位置せしめられる。そして、かかる角膜上皮から所定距離:D1だけ後方の位置が、装置光学系10の反転位置とされる。

0062

次に、装置光学系10が反転位置に位置せしめられると、S3において、Z軸駆動機構116が反対方向に駆動せしめられて、装置光学系10はZ軸上で被検眼Eから離隔する方向に後退作動せしめられる。このように、本実施形態においては、S3およびZ軸駆動機構116を含んで、反転作動制御手段および撮像時後退制御手段が構成されている。ここにおいて、装置光学系10は、反転位置から後退作動が開始されて、撮像が終了するまでの間に、後退速度が変化せしめられるようになっている。図8に、装置光学系10の後退作動における移動速度の変化を示す。

0063

先ず、前述のように、装置光学系10は、反転位置(図8中、P1)から、後退作動が開始される。かかる後退作動は、例えば、500μm〜3000μm/sec,より好適には2000μm/sec前後の比較的早い速度で行われる。そして、S4において、角膜内皮細胞位置から所定距離:D2(図7参照)だけ後方の位置(図8中、P2)に到達した時点から、観察用光源30,30を消灯せしめると共に、撮像用光源40の発光を開始する。なお、本実施形態においては、角膜内皮細胞からの所定距離:D2は、予め定められた、ラインセンサ44によって検出される光量分布が第二ピーク部130よりもやや小さい所定の閾値となる位置からの離隔距離とされている。また、所定距離:D2の具体値としては、ラインセンサ44の検出精度や被検眼Eの位置ずれ等を考慮して確実に角膜内皮細胞を捉えられるように、或る程度余裕のある値が好ましいが、所定距離:D2が大きくなると撮像用光源40の発光時間が長くなって、被検者の負担を増加せしめることから、所定距離:D2は、200〜500μmの範囲内の値が好適に採用される。また、撮像用光源40は、所定の短い間隔で点滅発光せしめられており、かかる撮像用光源40が消灯せしめられたタイミングで、前記S1におけるXYアライメントが同時に行われるようになっている。

0064

そして、装置光学系10を比較的速い速度で後退作動せしめつつ、S5において、CCD28によって角膜Cの内皮細胞からの反射光が検出された時点(図8中、P3)から、装置光学系10の減速が開始される。S5における内皮細胞からの反射光の検出は、例えば、図9に示すように、CCD28によって撮像された画像132における1本以上(本実施形態においては、5本)の適当な水平線:l1〜l5上の画素の輝度値から、所定値以上の輝度値を有する画素の数に基づいて、角膜内皮細胞からの反射光を検出したと判定する。本実施形態においては、画像132における各画素の輝度値を輝度値1〜輝度値255の255階調(輝度値1が最も暗く、輝度値255が最も明るい)で検出し、内皮反射光のムラを考慮して、画像132上の5本の水平線:l1〜l5上の各画素の輝度値を検出する。そして、水平線:l1〜l5上の各画素において輝度値が25〜255になる画素数カウントする。なお、輝度値25〜255は、目視で明らかな反射光を認識できる程度の光量である。そして、水平線:l1〜l5においてカウントされた画素数の平均値、或いは、水平線:l1〜l5においてカウントされた画素数のうちの最大値が、角膜内皮上での距離に換算して略30μmにおける反射光量と対応する位置が減速開始点図8中、P3)とされる。

0065

そして、S5における減速作動が開始されると共に、S6において、CCD28によって検出される角膜内皮像の連続的撮像が開始される。かかる連続的撮像は、所定の時間間隔(例えば、1/30秒)ごとにCCD28によって受像された撮影像(画像)を画像選択回路122に入力することによって行われる。これにより、時間と位置が異ならされた複数の角膜像が画像選択回路122に入力される。そして、かかる連続的撮像と共に、画像選択回路122によって、入力された画像の取捨選択および記憶装置124への記憶が行われるようになっている。このように、本実施形態においては、S6および画像選択回路122を含んで連続的撮像手段および画像選択手段が構成されている。

0066

図9および図10に、画像選択回路122における画像の取捨選択方法を例示する。先ず、前述のS5における角膜内皮細胞の検出と同様にして、図9に示すように、CCD28によって取得された画像132における1本以上(本実施形態においては、5本)の水平線:l1〜l5上の各画素の輝度値を取得する。

0067

0068

そして、図10および数式1に示すように、取得された水平線:l1〜l5の各ラインの画素(X1〜Xn)に対して、水平線:l1〜l5毎にそれぞれ、数式1に基づいて、(i)隣り合う画素の輝度値差の絶対値を求めて、(ii)当該輝度値差の総和を求める。

0069

そして、数式1に基づいて各水平線:l1〜l5ごとに求めた輝度値差の総和の平均値を求める。この値が大きいほど、角膜内皮細胞像がより広い範囲で撮像された画像であると認識される。即ち、図11および前述の図6に概略的に示すように、例えば前房aの撮影画像は、房水で照射光束が透過せしめられて、反射光束が殆ど得られないことから、全体的に暗い画像となる。また、角膜実質sの撮影画像は、角膜実質sが透明とされていることから、前房aと同様に照射光束が透過せしめられて、全体的に暗い画像となる。更に、角膜上皮eでは反射光量が多いことから、全体的に一様な明るい画像となる。従って、これらの部位の画像は、隣接する画素の輝度値の差が小さくなる。これに対して、角膜内皮enでは、内皮細胞の中央部分と細胞壁によるコントラストが明確に現れて、隣接する画素の輝度値の差が大きくなることから、角膜内皮細胞enが広範囲に亘って撮像された画像では、輝度値差の総和が大きくなるのである。そこで、かかる水平線:l1〜l5ごとに求めた輝度値差の総和の平均値が所定値以上となった画像のみを記憶装置124に記憶せしめることによって、角膜内皮細胞像が有効に得られた画像のみを取捨選択することが出来る。

0070

なお、特に本実施形態においては、上記判定を行う前に、所定の水平線(例えば、前記水平線:l1〜l5)上において、輝度値が240以上の画素が連続して50μm〜100μm程度の範囲に亘って存在する場合には、かかる画像を排除するようにされている。即ち、画像に角膜上皮の一部が写っている場合、角膜上皮と角膜実質との境界線上で大きな輝度値差が生じる。それ故、角膜内皮細胞との合焦位置が正しく得られない(ピンぼけ)などして、角膜内皮における輝度値差の総和が小さくなった場合に、角膜実質との境界線の影響で輝度値差が大きくなって、角膜上皮が撮像された画像が選択されるおそれがある。従って、上記判断基準を用いることによって、角膜上皮の一部が写った画像を排除出来るようにされている。

0071

次に、S5において減速作動が開始されて、後述する比較的遅い速度に達した時点(図8中、P4)から、装置光学系10はかかる一定の比較的遅い速度で後退作動せしめられる。そして、減速が完了した時点から、更に所定範囲(図8中、P4〜P6)に亘って、S6における連続的撮像および画像の取捨選択が行われる。なお、かかるP4〜P6の範囲内に、角膜内皮細胞との合焦位置(図8中、P5)も含まれることとなる。

0072

ここにおいて、S5における減速が完了する比較的遅い移動速度は、低速で移動しつつ連続的撮像を行う範囲(図8中、P4〜P6)とCCD28による画像の取り込み時間や撮像枚数等を考慮して適宜に決定される。例えば、低速で移動して連続的撮像を行う範囲としては、被検眼Eの微動などを考慮して、200μm以上の範囲が好適に採用され得る。そして、CCD28の画像取り込み時間が1枚あたり1/30秒で、連続的撮像の範囲が200μmとすると、10枚撮像する場合には600μm/sec、20枚撮像する場合には300μm/sec、30枚撮像する場合には200μm/sec、40枚撮像する場合には150μm/sec、50枚撮像する場合には100μm/secに設定される。従って、連続的撮像によって確実に角膜内皮撮影像を取得するためには、100〜300μm/secの速度が好適に採用される。このように、本実施形態においては、CCD28による画像取り込み時間が略一定とされて、装置光学系10の移動速度が変化せしめられることによって、連続的撮像による撮像枚数が調節されているが、例えば、装置光学系10の移動速度を一定にして、S5における角膜内皮からの反射光の検出に基づいて、CCD28による画像取り込み時間の間隔を異ならせることによって、撮像枚数を調節することなどしても良いし、それら移動速度や取り込み時間の両方を制御する等しても良い。

0073

そして、低速移動および連続的撮像の開始位置(図8中、P4)から、所定距離(例えば、本実施形態においては200μm)だけ後退移動した時点(図8中、P6)で、S7において、加速が開始されて、装置光学系10は、減速が開始される前の速度にまで加速せしめられる。なお、かかる加速開始位置決定基準としては、移動距離のみならず、例えば、前述のS5における角膜内皮反射光の検出手順と同様の方法に従って、角膜内皮反射光が検出されなくなった段階で加速を開始したり、撮像開始から所定時間が経過した段階で加速を開始したりしても良いし、それらを適宜に組み合わせて用いるなどしても良い。

0074

そして、装置光学系10が加速せしめられて、減速が開始される前の比較的速い速度に達すると(図8中、P7)、S8において、被検眼Eの微動などを考慮して、例えば100μm程度後退せしめられた後に、後退作動を停止すると共に、撮像用光源40を消灯して、撮像を終了する(図8中、P8)。

0075

なお、図12から図16に、装置光学系10が後退移動せしめられる過程で各位置において撮像された角膜内皮細胞像を示す。先ず、図12は、CCD28によって角膜内皮からの反射光が受光された付近図8中、P3付近)における角膜内皮細胞像である。かかる位置では、画面の殆どの領域には前房相当部133が撮像されて、角膜内皮細胞134は画面右端に少し確認出来る程度である。前房相当部133は、照射光が前房で透過されて殆ど反射光が得られないことから、暗く撮像される。図13は、低速移動が開始された付近(図8中、P4付近)における角膜内皮細胞像である。かかる位置では、P3付近(図12)に比して、角膜内皮細胞134の左端部がより画面の左側に位置せしめられて、角膜内皮細胞134がより大きく撮像されている。図14は、角膜内皮細胞との合焦位置付近図8中、P5付近)における角膜内皮細胞像である。かかる位置において、角膜内皮細胞134が最も大きく撮像される。なお、画面右端には、角膜実質135が、角膜内皮細胞134よりも暗く撮像される。そして、図15は、装置光学系10の低速移動が終了される付近(図8中、P6付近)における角膜内皮細胞像である。かかる位置では、P5付近(図14)に比して、角膜内皮細胞134の右端部が画面の左側に位置せしめられて、角膜内皮細胞134がより小さくなると共に、画面右端に角膜上皮136が撮像される。図16は、装置光学系10の低速移動後の加速が終了した付近(図8中、P7付近)における角膜内皮細胞像である。かかる位置では、角膜内皮細胞134は画面左端に僅かに撮像されるのみであり、角膜上皮136が大きく撮像される。このように、角膜内皮細胞像は、角膜内皮の後方から角膜内皮との合焦位置に行くに連れて、次第に大きく撮像されて、角膜内皮との合焦位置で最も大きく撮像される。そして、角膜内皮との合焦位置から更に後退移動せしめられるに連れて、次第に小さく撮像されることとなる。

0076

このような構造とされた角膜撮影装置100においては、装置光学系10を角膜Cの後方から移動せしめて、角膜Cの内皮の後端部の反射光によって角膜内皮細胞の位置を検出することから、角膜実質等の反射光の影響を受けることなく、角膜内皮細胞の位置を正確に検出することが出来る。そして、かかる角膜内皮細胞からの反射光は、実際に被検眼Eから反射されるものであることから、各被検者毎の角膜厚みの違いに関わらず、角膜内被細胞の位置を正確に検出することが出来る。従って、角膜内皮細胞像の撮像を確実に行うことが出来る。

0077

それと共に、本実施形態においては、装置光学系10が、角膜内皮細胞に到達するまでは比較的速やかに移動せしめられることから、撮像に要する時間も短縮されて、被検者の負担を軽減することも出来る。

0078

さらに、本実施形態においては、画像選択回路122によって、撮影画像の取捨選択が行われることから、撮像状態の良い画像のみを取り扱うことが出来る。これにより、連続的撮像によって複数枚撮像される画像の選別などの取扱いの手間を軽減して、作業の効率化を図ることが出来る。

0079

以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。

0080

例えば、前記装置光学系10はあくまでも例示であって、各光学系を構成するレンズやスリットの構成および配設位置などは、前述の如き構成に限定されない。例えば、前述の実施形態においては、観察光学系12の光軸O1上にコールドミラー27が配設されていたが、例えば、コールドミラー27に代えて、受光光束全反射するミラーを光軸O1上から外れた位置で、撮像用光源40からの光束を反射してCCD28に導く位置に配設する等しても良い。ここにおいて、観察用光源30,30は必ずしも赤外光源とされる必要は無く、可視光源を用いても良い。或いは、受光光束を全反射するミラーを観察光学系12の光軸O1上に移動可能に配設して、観察光学系12の光束を遮光しつつ撮像光学系20の光束をCCD28に導く状態と、観察光学系12の光軸O1上から外れた位置に移動して観察光学系12の光束をCCD28に導く状態の何れかを択一的に発現せしめたりしても良い。また、観察用光源54とラインセンサ44の位置を入れ替える等しても良い。

0081

なお、前述の実施形態におけるラインセンサ44は必ずしも必要ではないのであって、例えば、CCD28を用いて角膜上皮位置を検出した後に、所定距離だけ被検眼Eに向けて前進した位置を反転位置として、かかる反転位置から後退作動を開始するなどしても良い。具体的には、装置光学系10を被検眼Eに向けて前進せしめつつ、撮像用光源40による被検眼Eからの反射光をCCD28で受光する。そして、CCD28によって角膜上皮からの反射光を検出するまで、装置光学系10を前進せしめる。ここにおいて、角膜上皮からの反射光の検出は、例えば、前記実施形態において、角膜内皮細胞からの反射光を検出する場合(図4中、S5)と略同様に行うことが出来る。即ち、CCD28によって受像された画像から、所定数(例えば、5本)の水平線上の画素の輝度値を取得して、角膜上皮からの反射像に相当する所定値以上の輝度値を有する画素数が所定数を超えた時点で、角膜上皮からの反射光を検出したと判定する。

0082

そして、角膜上皮からの反射光を検出した位置から、角膜厚みを考慮して、角膜内皮細胞の後方に達することの出来る所定距離(例えば、前記実施形態において図7に示す距離:D1)だけ、装置光学系10を更に前進せしめる。これにより、装置光学系10を、前記実施形態における反転開始位置と略同じ位置に位置決めすることが出来る。そして、かかる位置から反転作動を開始して、撮像を開始する。なお、このような態様においては、撮像用光源40は、角膜上皮からの反射光を検出するために、前進作動の開始時から発光が開始されていることから、後退作動の開始時点で既に発光せしめられることとなる。

0083

このような態様によれば、ラインセンサ44も不要となることから、より簡易な構成をもって、正確な角膜内皮細胞像の撮像を行うことが出来る。また、構成が簡易となることから、角膜撮影装置の小型化を図ることも出来る。

図面の簡単な説明

0084

本発明の一実施形態としての光学系を説明するための説明図。
本発明の一実施形態としての角膜撮影装置を説明するための説明図。
図1に示した光学系に接続される制御回路等を説明するための説明図。
角膜撮影装置の撮影手順を示すフローチャート
表示画面に表示される前眼部を説明するための説明図。
角膜各層における反射光束を説明するための説明図。
光量検出手段によって検出される光量分布を示す説明図。
装置光学系の移動速度を変化を示す説明図。
角膜内皮反射光の検出方法および画像の取捨選択方法を説明するための説明図。
画像の取捨選択方法を説明するための説明図。
角膜各層の構造を説明するための説明図。
図8中、P3の位置に相当する角膜内皮細胞像。
図8中、P4の位置に相当する角膜内皮細胞像。
図8中、P5の位置に相当する角膜内皮細胞像。
図8中、P6の位置に相当する角膜内皮細胞像。
図8中、P7の位置に相当する角膜内皮細胞像。

符号の説明

0085

10:装置光学系、12:観察光学系、14:撮像照明光学系、16:位置検出光学系、18:位置検出照明光学系、20:撮像光学系、28:CCD、30:観察用光源、40:撮像用光源、44:ラインセンサ、54:観察用光源、64:固視標光学系、66:アライメント光学系、74:固視標光源、82:アライメント光源、84:アライメント検出光学系、88:アライメント検出センサ

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