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技術 半導体ウエハとその製造方法

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 池田知治西脇剛
出願日 2006年8月28日 (13年11ヶ月経過) 出願番号 2006-230356
公開日 2008年3月6日 (12年5ヶ月経過) 公開番号 2008-053595
状態 未査定
技術分野 気相成長(金属層を除く) 絶縁膜の形成 半導体装置の製造処理一般
主要キーワード 造方向 加工設備 ドライアッシング 技術要素 準備工程 窒化ケイ素膜 窒素プラズマ 不良率
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

支持基板や他の基板を用いることなく、半導体ウエハに反りや割れ等の不具合が生じることを防止する。

解決手段

半導体ウエハ1の半導体構造6が形成される半導体構造形成領域5の外周近傍に、半導体構造形成領域5よりも弾性率が大きい半導体ウエハ補強領域3を形成する。半導体構造形成領域5から半導体ウエハ補強領域3にかけて、弾性率が連続的に変化している。半導体構造形成領域5の表面に半導体構造6を作りこむ工程と、半導体ウエハ1の裏面を研磨して半導体ウエハ1の厚み減じる工程を経て、半導体構造6を有する薄型の半導体ウエハ1を製造する。

概要

背景

半導体ウエハを薄く加工し、薄い半導体ウエハを利用して半導体装置を製造する場合が増加している。特に、縦型の半導体装置を製造する場合には、導通時の損失を少なくするために、薄型の半導体装置を製造する必要があり、半導体ウエハを薄く加工する必要がある。しかしながら半導体ウエハを薄く加工すると、半導体装置の製造過程で半導体ウエハに反りや割れ等の不具合が生じることがある。
半導体ウエハの大口径化が進んでいる。半導体ウエハが大口径になるほど、半導体ウエハを薄く加工したときに、半導体ウエハに反りや割れ等の不具合が生じ易くなる。
大口径で薄い半導体ウエハを、反りや割れ等から保護する技術が必要とされている。

薄型の半導体装置を製造するために、半導体ウエハの表面に半導体構造を形成し、半導体構造を形成した半導体ウエハの表面に支持基板接着する技術が特許文献1に開示されている。この技術では、支持基板を接着した状態で半導体ウエハの裏面を研磨して所望する薄さとし、研磨した裏面に半導体構造を作りこむ。その後に、半導体ウエハの表面から支持基板をはがしている。半導体ウエハの表面に支持基板が接着されているため、裏面を研磨して半導体構造を作りこむ工程で、半導体ウエハに反りや割れ等の不具合が生じることを防止している。
半導体ウエハの外周近傍のみを局所的に厚くする技術が特許文献2に開示されている。半導体ウエハの外周近傍を厚くすることによって、半導体ウエハに反りや割れが生じることを防止している。半導体ウエハの外周近傍を局所的に厚くするために、半導体ウエハの外周近傍に他の基板を貼り付ける技術が開示されている。あるいは、半導体ウエハを所望する厚みよりも厚く形成した後に、半導体ウエハの外周近傍以外をエッチングまたは研磨して薄くする技術が開示されている。
半導体ウエハの外周近傍に、半導体ウエハの強度よりも高い強度を有する被膜を形成する技術が特許文献3に開示されている。強度が高い被膜を利用することによって、半導体ウエハの外周端部が割れることを防止している。

特開2004−140101号公報
特開2002−299196号公報
特開平5−21304号公報

概要

支持基板や他の基板を用いることなく、半導体ウエハに反りや割れ等の不具合が生じることを防止する。 半導体ウエハ1の半導体構造6が形成される半導体構造形成領域5の外周近傍に、半導体構造形成領域5よりも弾性率が大きい半導体ウエハ補強領域3を形成する。半導体構造形成領域5から半導体ウエハ補強領域3にかけて、弾性率が連続的に変化している。半導体構造形成領域5の表面に半導体構造6を作りこむ工程と、半導体ウエハ1の裏面を研磨して半導体ウエハ1の厚み減じる工程を経て、半導体構造6を有する薄型の半導体ウエハ1を製造する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

半導体構造を形成する半導体構造形成領域と、半導体構造形成領域の弾性率よりも弾性率が大きい半導体ウエハ補強領域と、を有しており、半導体構造形成領域から半導体ウエハ補強領域にかけて、弾性率が連続的に変化していることを特徴とする半導体ウエハ

請求項2

半導体ウエハ補強領域が半導体ウエハの外周に沿って半導体ウエハを一巡していることを特徴とする請求項1の半導体ウエハ。

請求項3

半導体構造形成領域がシリコンで形成されており、半導体ウエハ補強領域が炭化ケイ素又は窒化ケイ素で形成されていることを特徴とする請求項1又は2の半導体ウエハ。

請求項4

半導体ウエハを用意する準備工程と、半導体ウエハの一部分の弾性率を、その一部分以外の半導体ウエハの弾性率よりも大きく変質させる変質工程と、を有することを特徴とする半導体ウエハの製造方法。

請求項5

変質工程に先立って、半導体ウエハの表面と裏面と側面の各々の全面に保護膜を形成する工程と、半導体ウエハの外周近傍の表面と外周近傍の裏面と側面に形成されている保護膜を除去する工程と、保護膜が除去された面から半導体ウエハに、弾性率を大きく変質させる元素注入する工程を有していることを特徴とする請求項4の製造方法。

請求項6

半導体ウエハの外周近傍の表面と外周近傍の裏面と側面に形成されている保護膜を同時に除去することを特徴とする請求項5の製造方法。

請求項7

変質工程で一部分が変質した半導体ウエハの変質していない領域に半導体構造を作りこむ工程と、変質工程で一部分が変質した半導体ウエハの厚みを減じる工程と、を有していることを特徴とする請求項5又は6の製造方法。

請求項8

半導体ウエハの表面に半導体構造を作りこむ工程を先に実施し、次いで半導体ウエハの裏面の材料を除去して半導体ウエハの厚みを減じる工程を実施することを特徴とする請求項7の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、半導体ウエハに関する。特に、半導体ウエハに応力が加わっても反りや割れ等の不具合が生じにくい半導体ウエハとその製造方法に関する。

背景技術

0002

半導体ウエハを薄く加工し、薄い半導体ウエハを利用して半導体装置を製造する場合が増加している。特に、縦型の半導体装置を製造する場合には、導通時の損失を少なくするために、薄型の半導体装置を製造する必要があり、半導体ウエハを薄く加工する必要がある。しかしながら半導体ウエハを薄く加工すると、半導体装置の製造過程で半導体ウエハに反りや割れ等の不具合が生じることがある。
半導体ウエハの大口径化が進んでいる。半導体ウエハが大口径になるほど、半導体ウエハを薄く加工したときに、半導体ウエハに反りや割れ等の不具合が生じ易くなる。
大口径で薄い半導体ウエハを、反りや割れ等から保護する技術が必要とされている。

0003

薄型の半導体装置を製造するために、半導体ウエハの表面に半導体構造を形成し、半導体構造を形成した半導体ウエハの表面に支持基板接着する技術が特許文献1に開示されている。この技術では、支持基板を接着した状態で半導体ウエハの裏面を研磨して所望する薄さとし、研磨した裏面に半導体構造を作りこむ。その後に、半導体ウエハの表面から支持基板をはがしている。半導体ウエハの表面に支持基板が接着されているため、裏面を研磨して半導体構造を作りこむ工程で、半導体ウエハに反りや割れ等の不具合が生じることを防止している。
半導体ウエハの外周近傍のみを局所的に厚くする技術が特許文献2に開示されている。半導体ウエハの外周近傍を厚くすることによって、半導体ウエハに反りや割れが生じることを防止している。半導体ウエハの外周近傍を局所的に厚くするために、半導体ウエハの外周近傍に他の基板を貼り付ける技術が開示されている。あるいは、半導体ウエハを所望する厚みよりも厚く形成した後に、半導体ウエハの外周近傍以外をエッチングまたは研磨して薄くする技術が開示されている。
半導体ウエハの外周近傍に、半導体ウエハの強度よりも高い強度を有する被膜を形成する技術が特許文献3に開示されている。強度が高い被膜を利用することによって、半導体ウエハの外周端部が割れることを防止している。

0004

特開2004−140101号公報
特開2002−299196号公報
特開平5−21304号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1の技術では、半導体ウエハに支持基板を接着する工程と、半導体ウエハから支持基板をはがす工程が必要であり、半導体装置の製造コストが高くなる。また、支持基板と、半導体ウエハに支持基板を接着するための材料(接着剤等)が必要であり、半導体装置を製造するための材料コストが高くなる。
特許文献2の技術でも、半導体ウエハの外周近傍に他の基板を貼り付ける工程が必要であり、半導体装置の製造コストが高くなる。また、他の基板と、半導体ウエハに他の基板を接着するための材料が必要であり、半導体装置を製造するための材料コストが高くなる。半導体ウエハの外周近傍以外をエッチングまたは研磨して薄くする技術による場合は、半導体ウエハの外周近傍とそれ以外の領域における半導体ウエハの材質が同じであるために、半導体ウエハの補強効果が小さい。十分な補強効果を得るためには、半導体ウエハの外周近傍を極端に厚くする必要がある。また、半導体ウエハの外周近傍を厚くするという特異な形状のため、専用の加工設備を用意する必要がある。
特許文献3の技術では、半導体ウエハと被膜の強度が異なるため、両者の境界部分に応力が集中し、結果として半導体ウエハが割れ易くなる問題がある。
本発明では、支持基板や他の基板を用いることなく、半導体ウエハに反りや割れ等の不具合が生じることを防止する。

課題を解決するための手段

0006

本発明で創作された半導体ウエハは、半導体構造を形成する半導体構造形成領域と、半導体構造形成領域の弾性率よりも弾性率が大きい半導体ウエハ補強領域を有しており、半導体構造形成領域から半導体ウエハ補強領域にかけて、弾性率が連続的に変化している。
上記の半導体ウエハによると、半導体ウエハを移動させたり、半導体構造形成領域に半導体構造を形成したりするときに、半導体ウエハ補強領域が存在していることから、半導体ウエハに反りや割れ等の不具合が生じることを防止できる。半導体ウエハ補強領域の弾性率が大きいために、半導体ウエハに外部から力が加えられても変形しにくい。すなわち、半導体ウエハ補強領域が変形しづらいため、半導体ウエハ自体も変形しづらい。また、半導体構造形成領域から半導体ウエハ補強領域にかけて弾性率が連続的に変化しているため、半導体構造形成領域と半導体ウエハ補強領域の境界部分に局所的に大きな応力が加わることがない。また、専ら半導体ウエハを補強するためだけの材料(支持基板等)を必要としないため、半導体装置を製造するためのコストを低くすることができる。

0007

半導体ウエハ補強領域が半導体ウエハの外周に沿って半導体ウエハを一巡していることが好ましい。
上記の半導体ウエハは、外周の弾性率が大きく、変形しづらい。半導体ウエハの外周を支持して半導体ウエハを移動させるときに、弾性率が大きい半導体ウエハ補強領域を支持することができるため、半導体ウエハに割れが生じにくい。また、半導体構造形成領域が半導体ウエハ補強領域に囲われているため、半導体構造形成領域に反りや割れ等の不具合が生じにくい。

0008

本発明の半導体ウエハでは、半導体構造形成領域がシリコンで形成されており、半導体ウエハ補強領域が炭化ケイ素又は窒化ケイ素で形成されていることが好ましい。
上記の半導体ウエハによると、半導体ウエハの中でも最も大口径化が進んでいるシリコンウエハを薄く加工して使用することができる。炭化ケイ素の弾性率はシリコンの弾性率の約3.3倍であり、窒化ケイ素の弾性率はシリコンの弾性率の約2.2倍である。大口径のシリコンウエハを薄く加工して使用しても、反りや割れ等の不具合が生じにくい。また、半導体構造形成領域の面積を広く確保することができるため、1枚の半導体ウエハから多数の半導体装置を製造することができる。半導体装置のコストを低くすることができる。

0009

本発明の半導体ウエハは半導体ウエハの製造方法にも具現化することができる。その製造方法は、半導体ウエハを用意する準備工程と、半導体ウエハの一部分の弾性率を、その一部分以外の半導体ウエハの弾性率よりも大きく変質させる変質工程を有している。
上記の製造方法によると、半導体ウエハに、その半導体ウエハよりも弾性率の大きい材料を貼り付けたりしないでも、反りや割れ等の不具合が生じにくい半導体ウエハを製造することができる。また、変質されなかった部分から変質された部分にかけて、弾性率が連続的に変化している半導体ウエハを製造することができる。変質されなかった部分と変質された部分の境界近傍に、局所的に大きな応力が加わることを防止できる。

0010

本発明の製造方法では、変質工程に先立って、半導体ウエハの表面と裏面と側面の各々の全面に保護膜を形成する工程と、半導体ウエハの外周近傍の表面と外周近傍の裏面と側面に形成されている保護膜を除去する工程と、保護膜が除去された面から半導体ウエハに、弾性率を大きく変質させる元素注入する工程を有していることが好ましい。
上記の製造方法によると、半導体ウエハの外周近傍に、半導体ウエハの弾性率を大きくする元素を注入することができる。

0011

本発明の製造方法では、上記保護膜を除去する工程において、半導体ウエハの外周近傍の表面と外周近傍の裏面と側面に形成されている保護膜を同時に除去することが好ましい。
上記の製造方法によると、保護膜を除去する工程を短縮することができる。すなわち、半導体ウエハの外周近傍の表面に形成されている保護膜を除去する工程と、半導体ウエハの外周近傍の裏面に形成されている保護膜を除去する工程と、半導体ウエハの側壁に形成されている保護膜を除去する工程を同時に行うことができる。半導体ウエハの製造コストを低くすることができる。

0012

本発明の製造方法では、変質工程で一部分が変質した半導体ウエハの変質していない領域に半導体構造を作りこむ工程と、変質工程で一部分が変質した半導体ウエハの厚みを減じる工程を有していることが好ましい。
上記の製造方法によると、弾性率が大きい半導体ウエハ補強領域によって反りや割れが防止されている半導体ウエハに、半導体構造を作りこむことができる。半導体装置の不良率を低くすることができる。また、半導体ウエハの厚みを減じるときに、半導体ウエハに加えられる応力によって、半導体ウエハに損傷が与えられることがない。従来では製造することが難しい程度まで厚みを減じた半導体装置を製造することができる。

0013

本発明の製造方法では、変質工程で一部分が変質した半導体ウエハの表面に半導体構造を作りこむ工程を先に実施し、次いで、半導体ウエハの裏面の材料を除去して半導体ウエハの厚みを減じる工程を実施することが好ましい。
上記の製造方法によると、半装体ウエハの表面に半導体構造を作りこむときの半導体ウエハの厚みは、所望する半導体ウエハの厚みよりも厚い。すなわち、半導体ウエハの扱いが容易なときに半導体ウエハの表面に半導体構造を作りこむことができる。半導体ウエハに反りや割れ等の不具合が生じることを、より効果的に防止できる。

発明の効果

0014

本発明の半導体ウエハによると、半導体ウエハに別の基板を付加したり、半導体ウエハに皮膜を形成したりすることなく、半導体ウエハに反りや割れ等の不具合が生じることを防止できる。本発明の半導体ウエハを使用して半導体装置を製造すると、半導体装置の不良率を低くすることができる。ひいては、半導体装置の製造コストを低くすることができる。また、薄型の半導体ウエハを形成することができるため、その半導体ウエハを利用して従来では製造することが難しい程度まで厚みを減じた半導体装置を製造することができる。

発明を実施するための最良の形態

0015

本発明の特徴を列記する。
(第1形態)半導体ウエハの表面と裏面と側面の各々の全面に保護膜を形成した後、RIE法を利用して、半導体ウエハの外周近傍の表面と外周近傍の裏面と側面に形成されている保護膜を同時に除去する。
(第2形態)シリコンウエハの保護膜が除去された面にシリコンを炭化させる材料を塗布し、半導体ウエハを熱処理することによって、シリコンを炭化させる材料が塗布された部分のシリコンを炭化ケイ素に変質させる。
(第3形態) シリコンウエハの保護膜が除去された面に窒素プラズマ照射し、窒素プラズマが照射された部分のシリコンを窒化ケイ素に変質させる

0016

図面を参照して以下に実施例を詳細に説明する。
(第1実施例)
図1は、本発明の半導体ウエハ1の平面図を示している。図2は、図1のII−II線に沿った断面図を示している。
図1に示しているように、半導体ウエハ1は、半導体構造形成領域5と半導体ウエハ補強領域3を有している。半導体ウエハ1の直径は300mmであり、半導体構造形成領域5の直径は294mmである。すなわち、半導体構造形成領域5の外周に沿って、幅3mmの半導体ウエハ補強領域3が一巡することによって、半導体ウエハ1を形成している。半導体構造形成領域5の表面に半導体構造6が形成されている。
図2に示すように、半導体ウエハ補強領域3は、半導体ウエハ1の外周近傍の表面から外周近傍の裏面に至る範囲に形成されている。半導体ウエハ補強領域3は、炭化ケイ素(SiC)2で形成されている。半導体構造形成領域5は、シリコン(Si)4で形成されており、1枚の半導体ウエハ1の半導体構造形成領域5に62個(図1を参照)の半導体構造6が作りこまれている。半導体構造形成領域5の弾性率(シリコンの弾性率:130GPa)よりも、半導体ウエハ補強領域3の弾性率(炭化シリコンの弾性率:430GPa)の方が大きい。後述するが、半導体構造形成領域5と半導体ウエハ補強領域3の境界付近において、半導体構造形成領域5の弾性率と半導体ウエハ補強領域3の弾性率は連続的に変化している。ここで、弾性率が大きいとは、同じ応力が加わったときのひずみ量が小さいことを意味する。シリコンと炭化ケイ素に同じ応力を加えた場合、シリコンよりも炭化ケイ素の方がひずみ量が小さいために、炭化ケイ素の弾性率はシリコンの弾性率よりも大きいということになる。
半導体ウエハ1は、外周近傍にひずみ量が小さい半導体ウエハ補強領域3が形成されている。半導体ウエハ1に応力が加えられても、半導体ウエハ1の外周近傍がひずみにくいため、全体として半導体ウエハ1に反りや割れが生じにくい。すなわち、半導体ウエハ1を移動させたり、半導体構造形成領域5に半導体構造6を作りこんだりするときに、半導体ウエハ1に加えられる応力によって、半導体ウエハ1に反りや割れ等の不具合が生じることを防止できる。
また、半導体構造6,6間に隙間10が形成されている。隙間10は、半導体構造6を各々の半導体装置に分離するときのダイシングラインである。
図2に示しているように、半導体ウエハ1の裏面に電極12が形成されている。本実施例では、半導体構造形成領域5と半導体ウエハ補強領域3の裏面の全範囲に電極12が形成されている。

0017

図3は、図1のII−II線に沿った半導体ウエハ1内の位置と、弾性率の関係を示している。縦軸は弾性率(単位:GPa)を示しており、横軸は半導体ウエハ1内の位置(単位:mm)を示している。横軸の位置は、図1紙面側端部を0として、紙面右側端部を300として示している。図中の破線20は、半導体ウエハ1の紙面左側端部の半導体構造形成領域5と半導体ウエハ補強領域3の境界を示しており、破線22は、半導体ウエハ1の紙面右側端部の半導体構造形成領域5と半導体ウエハ補強領域3の境界を示している。なお、図3では、半導体構造6の弾性率と電極12の弾性率は考慮していない。すなわち、半導体構造形成領域5と半導体ウエハ補強領域3のみで形成された半導体ウエハ1の位置と弾性率の関係を示している。
カーブ24から明らかなように、半導体構造形成領域5の弾性率よりも、半導体ウエハ補強領域3の弾性率の方が大きい。また、半導体構造形成領域5と半導体ウエハ補強領域3の境界20,22において、半導体ウエハ1の弾性率が連続的に変化している。すなわち、半導体構造形成領域5から半導体ウエハ補強領域3にかけて、弾性率が連続的に変化していることを示している。半導体ウエハ1のひずみ量を小さくすることができるとともに、半導体ウエハ1に応力が加えられたときに、境界部分20,22に応力が集中することを防止できる。

0018

(第2実施例)
図4に示す半導体ウエハ101は、第1実施例の半導体ウエハ1の変形例である。半導体ウエハ1と同じ構成については、同一の参照番号を付すことで説明を省略する。
半導体ウエハ101の外周近傍と、半導体ウエハ101の中央部分に十字型に半導体ウエハ補強領域103が形成されている。半導体ウエハ101の半導体ウエハ補強領域103が形成されていない部分に半導体構造形成領域105が形成されている。半導体構造形成領域105は、シリコンで形成されている。半導体構造形成領域105は、半導体ウエハ補強領域103によって4箇所に区画されている。1枚の半導体ウエハ101の半導体構造形成領域105に45個の半導体構造6が形成されている。半導体ウエハ補強領域103は、窒化ケイ素(Si3N4)で形成されている。半導体ウエハ補強領域103は、半導体ウエハ101の表面から裏面に至る範囲に形成されている(図示省略)。半導体構造形成領域105の弾性率(シリコンの弾性率:130GPa)よりも、半導体ウエハ補強領域103(窒化ケイ素の弾性率:290GPa)の方が大きい。

0019

(第1製造方法)
図5〜10は、第1実施例の半導体ウエハ1の製造工程を示している。まず、図5に示すように、シリコンウエハ14(直径:300mm、厚さ:700μm)を用意する。ここで用意するシリコンウエハ14は、半導体構造6が作りこまれた後のシリコン4(図2を参照)の厚み(厚さ:200μm)よりも厚い。次に、図6に示すように、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を利用してシリコンウエハ14の表面と裏面と側面の各々の全面に窒化ケイ素膜(保護膜)16を形成する。
次いで、図7に示すように、シリコンウエハ14の表面側の窒化ケイ素膜16の表面にマスク層15を形成する。マスク層15は、半導体構造形成領域5に対応する範囲にのみ形成し、後で実施するRIE(Reactive Ion Etching)法でエッチングされない材料を用いる。その後に、RIE法を実施し、半導体ウエハ補強領域3(図2を参照)に対応する部分(シリコンウエハ1の外周から3mmの範囲)の窒化ケイ素膜16を除去し、シリコンウエハ14を露出させる。図7中の矢印は、保護膜16をエッチングするプラズマの照射を示している。保護膜16を除去するためにRIE法を利用すると、図7に示すように、半導体ウエハの外周近傍の表面と外周近傍の裏面と側面に形成されている保護膜16を同時に除去することができる。この現象はRIE法を利用すると得られる現象である。RIE装置では、ESC(Electrostatic Chuck)上に半導体ウエハを配置してエッチングする。ESCは、プラズマによる破壊を防止するために、半導体ウエハよりも小さい径で形成されている。すなわち、半導体ウエハの裏面側の外周近傍は、RIE装置内のプラズマが照射される空間に晒されている。半導体ウエハの表面をエッチングするプラズマが、半導体ウエハの裏面側に回りこむことによって、外周近傍の裏面の保護膜16と側面の保護膜16も同時に除去することができる。

0020

次いで図8に示すように、露出したシリコンウエハ14の表面(半導体ウエハ補強領域3を形成する範囲のシリコンウエハ14の表面が露出している)にポリイミド18を塗布する。次いで、窒素(N2)雰囲気中で1200℃で熱処理を行って、ポリイミド18が塗布されている部分のシリコンウエハ14を炭化させる。この結果、シリコンウエハ14の外周部分に炭化ケイ素領域20が形成される。次いで、図9に示すように、ポリイミド18をドライアッシング(Dry Ashing)法で除去した後、窒化ケイ素膜16を熱リン酸等で除去する。
この段階で、シリコンウエハ14の外周近傍にシリコンよりも弾性率が大きい炭化ケイ素領域20が形成されている半導体ウエハを得ることができる。
次に図10に示すように、半導体ウエハの表面に半導体構造6を作りこむ。ここでは、半導体構造6の詳細は重要でないため、簡略化して図示している。次に、シリコンウエハ14が所望する厚さ(200μm)になるまでシリコンウエハ14の裏面の全面を研磨し、半導体ウエハの厚みを減じる。
次に、スパッタ法を利用して、半導体ウエハ1の裏面に電極12を形成することによって、図2に示す半導体ウエハ1を得る。図2では、半導体ウエハ1の裏面の全領域に電極12が形成されているが、半導体構造6が形成されている部分に対向する位置にのみ形成することもできる。
なお、隙間10に沿って半導体ウエハ1をダイシングすることによって、複数の半導体装置(本実施例では62個)を得ることができる。

0021

(第2製造方法)
第2実施例の半導体ウエハ101の製造方向を説明する。
上述したように、半導体ウエハ101は、半導体ウエハ1の変形例である。但し、半導体構造形成領域105の形状と半導体ウエハ補強領域103の形状と、半導体ウエハ補強領域103の材質が異なる。実質的に第1製造方法と同じ工程については、説明を省略する。
図6に示すように、シリコンウエハ14の全表面に保護膜16を形成した後に、半導体ウエハ補強領域103を形成する領域(図4を参照)の保護膜16を除去する。保護膜16の除去は、シリコンウエハ14の表面とシリコンウエハ14の裏面を別々に行う。次に、シリコンウエハ14の保護膜16が除去された表面とシリコンウエハ14の保護膜16が除去された裏面に窒素プラズマを照射する。半導体ウエハ14の保護膜16が除去された部分が、窒化ケイ素に変質する。その後の工程は、第1製造方法と実質的に同一のため省略する。

0022

半導体ウエハ補強領域の厚みは、シリコンウエハを貫通していなくてもよい。シリコンウエハの表面側、あるいはシリコンウエハの裏面側のみが局所的に変質していてもよい。後で研磨して除去する裏面側の厚み内のみを変質することによって半導体ウエハ補強領域を形成する場合には、半導体ウエハ補強領域の平面パターンを自由に設定できる。外周を一巡するパターンであってもよいし、必要であれば裏面の全体を変質して弾性率を増大させてもよい。

0023

前述の実施例及び製造方法によると、さらに下記の効果が得られる。
半導体ウエハに補強部材等を貼り付けるための接着剤を使用しないため、半導体装置を熱処理するときの温度の制約が少なくなる。例えば、イオン注入した不純物活性化させるときの熱処理温度が制約されることがないため、製造方法に起因する半導体装置の不具合を少なくすることができる。

0024

実験例)
半導体ウエハ1を製造して、半導体ウエハ1の反り量を計測した。
図1の半導体ウエハ1において、半導体ウエハ1の直径を300mm、半導体構造形成領域5の直径を294mmとした。すなわち、半導体ウエハ補強領域3の幅を3mmとした。半導体ウエハ1の厚さを160μmとした。本実験例では、半導体ウエハ補強領域3は、裏面から10μmまでの範囲とした。すなわち、半導体ウエハ1の外周から3mmまでの範囲の裏面から10μmまでの深さ範囲を炭化ケイ素に変質した。比較例として、直径300mm、厚さ160μmのシリコンウエハを用意した。
本実験例では、半導体ウエハ1の両端(半導体ウエハ補強領域3)を支持して、1G(9.8m/s2)の加速度を加えたときの半導体ウエハ1の反り量を計測した。比較例のシリコンウエハの反り量は17mmとなり、半導体ウエハ1の反り量は4mmとなった。本実験例の結果、半導体構造形成領域5の弾性率よりも弾性率の大きな半導体ウエハ補強領域3を形成することによって、半導体ウエハ1の反り量を小さくできることが確認できた。また、本実験例では、半導体ウエハの外周近傍の裏面側のみに半導体ウエハ補強領域3を形成した。半導体ウエハ1の反り量をさらに小さくするためには、半導体ウエハの外周近傍の表面から裏面に至る範囲を変質し、弾性率を大きくすることが有効である。

0025

以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、半導体ウエハのサイズや半導体ウエハ補強領域のサイズや半導体構造のサイズは、あくまで例示である。使用する半導体ウエハのサイズと所望する半導体ウエハの厚みにおいて、半導体構造形成領域に反りや割れが生じないように半導体ウエハ補強領域が形成されていればよい。
第1実施例では、シリコンウエハの保護膜として窒化ケイ素を形成している。しかしながら、保護膜は、半導体ウエハ補強領域を形成するためにシリコンを炭化させる熱処理において変質しない材料であればよい。例えば、保護膜として、酸化ケイ素を使用することができる。
第1実施例では、半導体ウエハ補強領域を形成するためにシリコンウエハの表面にポリイミドを塗布している。しかしながら、ポリイミド以外の材料を塗布してもよい。シリコンを炭化させることができる材料であればよい。例えば、レジスト等を利用することができる。
第1実施例では、半導体構造形成領域はシリコンであり、半導体ウエハ補強領域は炭化ケイ素である。しかしながら、半導体ウエハ補強領域は炭化ケイ素に限られない。シリコンよりも弾性率の大きな材料であればよく、第2実施例で示したように、窒化ケイ素を利用することもできる。目的と用途に応じて選択すればよい。
第1製造方法では、半導体ウエハの表面に半導体構造を作りこんだ後に、半導体ウエハの厚みを減じている。しかしながら、半導体ウエハの厚みを所望する厚さに減じた後に、半導体ウエハの表面に半導体構造を作りこんでもよい。
第1製造方法では、半導体ウエハ1の裏面側に半導体構造を形成していない。しかしながら、例えば、IGBTのように裏面側にも半導体構造を有する半導体装置を製造することもできる。半導体ウエハの厚みを所望する厚さにした後に、半導体ウエハの裏面側に半導体構造を形成すればよい。
第2製造方法では、シリコンウエハの保護膜が除去された表面とシリコンウエハの保護膜が除去された裏面に窒素プラズマを照射している。しかしながら、シリコンウエハの保護膜を除去した後に、窒素雰囲気で1100℃以上の熱処理を実施することによって窒化ケイ素に変質させることもできる。熱処理を行う場合は、半導体構造形成領域の保護膜として酸化シリコンを使用する。
上記第1,2実施例では、半導体構造形成領域はシリコンで形成されている。しかしながら、半導体構造形成領域はシリコンに限られない。例えば、窒化ガリウム(GaN)やガリウム砒素GaAs)等を利用することもできる。
上記第1,2実施例では、半導体ウエハ補強領域は、半導体ウエハの表面から裏面に至る範囲に形成されている。しかしながら、半導体ウエハの厚さ方向の一部分に形成されていてもよい。実験例で示したように、半導体ウエハ補強領域が、半導体ウエハの厚さ方向の一部分に形成されている場合でも、半導体ウエハの反りを小さくすることができる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。

図面の簡単な説明

0026

実施例1の半導体ウエハの平面図を示す。
図1のII−II線に沿った断面図を示す。
図1のII−II線に沿った半導体ウエハの位置と弾性率の関係を示す。
実施例2の半導体ウエハの平面図を示す。
実施例1の半導体ウエハの製造過程を示す。
実施例1の半導体ウエハの製造過程を示す。
実施例1の半導体ウエハの製造過程を示す。
実施例1の半導体ウエハの製造過程を示す。
実施例1の半導体ウエハの製造過程を示す。
実施例1の半導体ウエハの製造過程を示す。

符号の説明

0027

1,101:半導体ウエハ
3,103:半導体ウエハ補強領域
5,105:半導体構造形成領域
6:半導体構造
16:保護膜

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