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技術 電気泳動表示媒体

出願人 ブラザー工業株式会社
発明者 大鹿由美子
出願日 2006年8月25日 (14年5ヶ月経過) 出願番号 2006-228836
公開日 2008年3月6日 (12年11ヶ月経過) 公開番号 2008-052084
状態 未査定
技術分野 エレクロ、電気泳動、可変反射吸収素子 光の可変吸収、エレクトロクロミック表示素子
主要キーワード ディンプル構造 ディンプル付き ディンプル状 表示電極層 熱的エネルギー 染着処理 電気泳動微粒子 衝突頻度
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題

2種類の帯電粒子同士の衝突を回避することにより、表示切替応答性を向上できる電気泳動表示媒体を提供する。

解決手段

表示パネル2では、黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60は、表面形状が互いに異なっている。例えば、黒色帯電粒子50を多数のディンプルを表面に備えるディンプル粒子とし、白色帯電粒子60を多数の子粒子を表面に備える凸型粒子とする。これにより、黒色帯電粒子50の直進性が向上する一方、白色帯電粒子60は表示液40の抵抗を強く受けるので直進性が低下する。つまり、黒色帯電粒子50は、表示基板10及び背面基板20の間を最短距離で移動するが、白色帯電粒子60はその黒色帯電粒子50を避けるように移動する。よって、黒色帯電粒子50と白色帯電粒子60との衝突を回避できるので表示切替の応答性を向上できる。

概要

背景

従来より、電気泳動現象を利用して表示パネル電気泳動表示媒体)に画像を表示する電気泳動表示装置が知られている。この表示パネルは、透明な表示基板と、該表示基板に対向して配置される背面基板と、表示基板及び背面基板の各表面に各々形成される一対の電極と、表示基板及び背面基板の間にスペーサを介して封入される表示液と、該表示液中に分散する2種の帯電粒子とを主体に構成されている。帯電粒子は、黒色帯電粒子と、該黒色帯電粒子とは異なる極性帯電する白色帯電粒子とで構成されているのが一般的である。このような表示パネルの一例として、例えば、少なくとも一方が透明な2枚の対向する電極と、両電極の周縁内面に配置されたスペーサーとで形成されるセル内に、高絶縁性低粘度の無着色分散媒中に色調及び帯電特性が互いに異なる少なくとも2種の電気泳動性微粒子(帯電粒子)を分散した液を封入してなる電気泳動表示素子(電気泳動表示媒体)が知られている(例えば、特許文献1参照)。

この電気泳動表示素子では、一対の電極間電圧印加され、分散媒中に電界が発生すると、各電気泳動性微粒子が電気泳動を起こし、一方の電気泳動微粒子はその帯電極性に応じて一方の電極に移動して付着し、他方の電気泳動微粒子は他方の電極に移動して付着する。このときその透明な電極上には、その電極に付着する電気泳動性微粒子の色調が表示される。
特開昭62−269124号公報

概要

2種類の帯電粒子同士の衝突を回避することにより、表示切替応答性を向上できる電気泳動表示媒体を提供する。表示パネル2では、黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60は、表面形状が互いに異なっている。例えば、黒色帯電粒子50を多数のディンプルを表面に備えるディンプル粒子とし、白色帯電粒子60を多数の子粒子を表面に備える凸型粒子とする。これにより、黒色帯電粒子50の直進性が向上する一方、白色帯電粒子60は表示液40の抵抗を強く受けるので直進性が低下する。つまり、黒色帯電粒子50は、表示基板10及び背面基板20の間を最短距離で移動するが、白色帯電粒子60はその黒色帯電粒子50を避けるように移動する。よって、黒色帯電粒子50と白色帯電粒子60との衝突を回避できるので表示切替の応答性を向上できる。

目的

本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、2種類の帯電粒子同士の衝突を回避することにより、表示切替の応答性を向上できる電気泳動表示媒体を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

互いに離間した一対の基板と、当該一対の基板の間スペーサを介して封入される表示液と、当該表示液内に分散され、電界の作用によって前記表示液内を移動する一対の帯電粒子とを備え、前記一対の帯電粒子は、第1帯電粒子と、当該第1帯電粒子とは異なる色及び極性を有する第2帯電粒子とから構成され、前記第1帯電粒子が前記一対の基板間を移動する際の、前記一対の基板間の最短距離の方向に直交する方向への前記第1帯電粒子の移動量に対する前記最短距離の方向に沿った移動量の割合を示す前記第1帯電粒子の直進性と、前記第2帯電粒子が前記一対の基板間を移動する際の、前記一対の基板間の最短距離の方向に直交する方向への前記第2帯電粒子の移動量に対する前記最短距離の方向に沿った移動量の割合を示す前記第2帯電粒子の直進性とが互いに異なることを特徴とする電気泳動表示媒体

請求項2

前記第1帯電粒子の形状と、前記第2帯電粒子の形状とが互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示媒体。

請求項3

前記第1帯電粒子の表面形状はディンプル構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気泳動表示媒体。

請求項4

前記第1帯電粒子は、架橋重合粒子であることを特徴とする請求項3に記載の電気泳動表示媒体。

請求項5

前記第2帯電粒子の表面形状は凸形状になっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電気泳動表示媒体。

請求項6

前記第2帯電粒子は母粒子と、当該母粒子の表面に結合され、前記母粒子よりも径の小さい子粒子とから構成されていることを特徴とする請求項5に記載の電気泳動表示媒体。

請求項7

前記子粒子は、ハイブリダイゼーション法により、前記母粒子の表面に物理的に結合されていることを特徴とする請求項6に記載の電気泳動表示媒体。

請求項8

前記一対の基板は、透明な表示基板背面基板とから構成され、前記表示基板に設けられる第1電極と、前記背面基板に設けられる第2電極とを備え、前記第2電極の表面積は、前記第1電極の表面積よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の電気泳動表示媒体。

請求項9

複数の前記第1帯電粒子が、前記第1基板又は前記第2基板の表面に沿って最密に1層からなる第1帯電粒子層を形成した場合に、当該第1帯電粒子層の端に位置する前記第1帯電粒子と前記スペーサとの間には、少なくとも1個の前記第2帯電粒子が配置可能な隙間があることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の電気泳動表示媒体。

技術分野

0001

本発明は、電気泳動表示媒体に関し、詳細には、電気泳動現象を利用して画像を表示する電気泳動表示媒体に関する。

背景技術

0002

従来より、電気泳動現象を利用して表示パネル(電気泳動表示媒体)に画像を表示する電気泳動表示装置が知られている。この表示パネルは、透明な表示基板と、該表示基板に対向して配置される背面基板と、表示基板及び背面基板の各表面に各々形成される一対の電極と、表示基板及び背面基板の間にスペーサを介して封入される表示液と、該表示液中に分散する2種の帯電粒子とを主体に構成されている。帯電粒子は、黒色帯電粒子と、該黒色帯電粒子とは異なる極性帯電する白色帯電粒子とで構成されているのが一般的である。このような表示パネルの一例として、例えば、少なくとも一方が透明な2枚の対向する電極と、両電極の周縁内面に配置されたスペーサーとで形成されるセル内に、高絶縁性低粘度の無着色分散媒中に色調及び帯電特性が互いに異なる少なくとも2種の電気泳動性微粒子(帯電粒子)を分散した液を封入してなる電気泳動表示素子(電気泳動表示媒体)が知られている(例えば、特許文献1参照)。

0003

この電気泳動表示素子では、一対の電極間電圧印加され、分散媒中に電界が発生すると、各電気泳動性微粒子が電気泳動を起こし、一方の電気泳動微粒子はその帯電極性に応じて一方の電極に移動して付着し、他方の電気泳動微粒子は他方の電極に移動して付着する。このときその透明な電極上には、その電極に付着する電気泳動性微粒子の色調が表示される。
特開昭62−269124号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、特許文献1に記載の電気泳動表示素子では、多数の電気泳動性微粒子を分散媒中に内包しているので、分散媒にかかる電界の向きが切り替わると、2種類の電気泳動性微粒子は互いに反対の電極に向かってそれぞれ移動する。このとき、互いに異なる電気泳動性微粒子の一部はその移動中に互いに衝突してしまうので、表示切替に要する時間が長くなるという問題点があった。

0005

本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、2種類の帯電粒子同士の衝突を回避することにより、表示切替の応答性を向上できる電気泳動表示媒体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の電気泳動表示媒体は、互いに離間した一対の基板と、当該一対の基板の間にスペーサを介して封入される表示液と、当該表示液内に分散され、電界の作用によって前記表示液内を移動する一対の帯電粒子とを備え、前記一対の帯電粒子は、第1帯電粒子と、当該第1帯電粒子とは異なる色及び極性を有する第2帯電粒子とから構成され、前記第1帯電粒子が前記一対の基板間を移動する際の、前記一対の基板間の最短距離の方向に直交する方向への前記第1帯電粒子の移動量に対する前記最短距離の方向に沿った移動量の割合を示す前記第1帯電粒子の直進性と、前記第2帯電粒子が前記一対の基板間を移動する際の、前記一対の基板間の最短距離の方向に直交する方向への前記第2帯電粒子の移動量に対する前記最短距離の方向に沿った移動量の割合を示す前記第2帯電粒子の直進性とが互いに異なることを特徴とする。

0007

また、請求項2に係る発明の電気泳動表示媒体は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記第1帯電粒子の形状と、前記第2帯電粒子の形状とが互いに異なることを特徴とする。

0008

また、請求項3に係る発明の電気泳動表示媒体は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記第1帯電粒子の表面形状はディンプル構造であることを特徴とする。

0009

また、請求項4に係る発明の電気泳動表示媒体は、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記第1帯電粒子は、架橋重合粒子であることを特徴とする。

0010

また、請求項5に係る発明の電気泳動表示媒体は、請求項1乃至3の何れかに記載の発明の構成に加え、前記第2帯電粒子の表面形状は凸形状になっていることを特徴とする。

0011

また、請求項6に係る発明の電気泳動表示媒体は、請求項5に記載の発明の構成に加え、前記第2帯電粒子は母粒子と、当該母粒子の表面に結合され、前記母粒子よりも径の小さい子粒子とから構成されていることを特徴とする。

0012

また、請求項7に係る発明の電気泳動表示媒体は、請求項6に記載の発明の構成に加え、前記子粒子は、ハイブリダイゼーション法により、前記母粒子の表面に物理的に結合されていることを特徴とする。

0013

また、請求項8に係る発明の電気泳動表示媒体は、請求項1乃至7の何れかに記載の発明の構成に加え、前記一対の基板は、透明な表示基板と背面基板とから構成され、前記表示基板に設けられる第1電極と、前記背面基板に設けられる第2電極とを備え、前記第2電極の表面積は、前記第1電極の表面積よりも小さいことを特徴とする。

0014

また、請求項9に係る発明の電気泳動表示媒体は、請求項1乃至7の何れかに記載の発明の構成に加え、複数の前記第1帯電粒子が、前記第1基板又は前記第2基板の表面に沿って最密に1層からなる第1帯電粒子層を形成した場合に、当該第1帯電粒子層の端に位置する前記第1帯電粒子と前記スペーサとの間には、少なくとも1個の前記第2帯電粒子が配置可能な隙間があることを特徴とする。

発明の効果

0015

請求項1に係る発明の電気泳動表示媒体では、一対の基板の間に封入された表示液に電界がかけられると、第1帯電粒子は自身の帯電極性に応じて一方の基板側に移動し、第2帯電粒子は自身の帯電極性に応じて他方の基板側に移動する。そして、第1帯電粒子の直進性と第2帯電粒子の直進性とが互いに異なるので、直進性の低い方の帯電粒子は、直進性の高い方の帯電粒子の移動を避けるようにして移動する。これは、直進性の低い方の帯電粒子が、直進性の高い方の帯電粒子に比べて周囲から受ける抵抗を強く受けるからである。つまり、直進性の低い方の帯電粒子は、直進性の高い方の帯電粒子の流れを抵抗として受けるので、その抵抗を避けるようにして移動する。よって、第1帯電粒子及び第2帯電粒子が互いに衝突するのを効果的に回避できるので、第1帯電粒子及び第2帯電粒子の移動時間を短縮することができ、表示切替に要する時間を短縮することができる。

0016

また、請求項2に係る発明の電気泳動表示媒体では、請求項1に記載の発明の効果に加え、第1帯電粒子の形状と、第2帯電粒子の形状とが互いに異なるので、表示液の流れに対する抵抗を互いに異ならせることができる。これにより、第1帯電粒子の直進性と、第2帯電粒子の直進性とを互いに異ならせることができる。

0017

また、請求項3に係る発明の電気泳動表示媒体では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、第1帯電粒子の表面形状はディンプル構造であるので、ディンプル付きゴルフボールと同様に直進性を向上させることができる。つまり、ディンプルによって第1帯電粒子の後方に表示液がスムーズに回り込むことにより、表示液による抵抗が軽減されて直進性を向上することができる。したがって、第1帯電粒子の直進性を第2帯電粒子の直進性よりも高くできるので、第1帯電粒子及び第2帯電粒子が互いに衝突するのを効果的に回避することができる。

0018

また、請求項4に係る発明の電気泳動表示媒体では、請求項3に記載の発明の効果に加え、第1帯電粒子は、モノマー重合させて化学的に得られる架橋重合粒子であるので、その表面に複数の凹部を有するディンプル構造を容易に形成することができる。

0019

また、請求項5に係る発明の電気泳動表示媒体では、請求項1乃至3の何れかに記載の発明の効果に加え、第2帯電粒子の表面形状は凸形状になっているので、表示液の流れに対する抵抗を高くすることができる。これにより、第2帯電粒子の直進性を、第1帯電粒子の直進性よりも低くすることができる。また、第2帯電粒子の直進性が低下するので、第2帯電粒子は第1帯電粒子の移動を避けるようにして移動する。これにより、第1帯電粒子及び第2帯電粒子が互いに衝突する確率を低減できるので、第1帯電粒子及び第2帯電粒子の移動時間を短縮することができる。

0020

また、請求項6に係る発明の電気泳動表示媒体では、請求項5に記載の発明の効果に加え、第2帯電粒子は、母粒子に結合された子粒子によって、第2帯電粒子にかかる表示液による抵抗を容易に高くすることができる。これにより、第1帯電粒子の直進性よりも低い直進性を備える第2帯電粒子を形成することができる。

0021

また、請求項7に係る発明の電気泳動表示媒体では、請求項6に記載の発明の効果に加え、子粒子は、ハイブリダイゼーション法により、母粒子の表面に物理的に強固に結合されているので、表示液中で子粒子が母粒子の表面から剥がれ落ちることがない。

0022

また、請求項8に係る発明の電気泳動表示媒体では、請求項1乃至7の何れかに記載の発明の効果に加え、第1電極に付着していた一方の帯電粒子は、第1電極の表面積よりも小さい表面積を有する第2電極に向かって収束するように移動する。また、第2電極に付着していた他方の帯電粒子は、第1電極に向かって拡散するように移動する。つまり、収束するように第2電極に移動する一方の帯電粒子に対し、他方の帯電粒子は、一方の帯電粒子から逃げるように外側に拡散しながら第1電極に移動する。これにより、例えば、多数の第1帯電粒子が第1電極の表面に隙間無く付着している場合でも、多数の第1帯電粒子は第2電極に向かって収束するように移動する。つまり、収束して移動する第1帯電粒子の外側に、第2帯電粒子が通過できる空間が形成されるので、第1帯電粒子及び第2帯電粒子の衝突を効果的に回避することができる。さらに、第1電極を表示基板側に設け、第2電極を背面基板側に設けることによって、表示基板に表示される色の領域を狭めることがない。

0023

また、請求項9に係る発明の電気泳動表示媒体では、請求項1乃至7の何れかに記載の発明の効果に加え、例えば、第1帯電粒子が最密に1層に配列した状態で一方の基板から他方の基板側に移動した場合でも、第2帯電粒子は、その端に位置する第1帯電粒子とスペーサとの間の隙間を通過することができる。これにより、第1帯電粒子及び第2帯電粒子が互いに衝突する頻度を効果的に少なくすることができる。

発明を実施するための最良の形態

0024

以下、本発明の一実施形態である表示パネル2について、図面を参照して説明する。図1は、表示パネル2の概略構成を示す断面図であり、図2は、黒色帯電粒子50の正面図であり、図3は、白色帯電粒子60の正面図であり、図4乃至図8は、黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60の動きを示す説明図である。なお、図1図5乃至図8において、表示パネル2の上側の面を表示パネル2の上面とし、下側の面を表示パネル2の下面とする。

0025

本実施形態の表示パネル2は、例えば、携帯用電子機器等に搭載されるものであり、制御装置(図示外)に駆動制御されることによって種々の画像を表示できるものである。なお、図1に示す表示パネル2が、本発明の「電気泳動表示媒体」に相当する。

0026

まず、表示パネル2の構成について説明する。図1に示すように、表示パネル2は、上側に略水平に設けられる表示基板10と、該表示基板10の下側に、スペーサ31を介して略水平に対向配置された背面基板20とを備えている。なお、本実施形態では、この表示基板10と背面基板20との離間幅は25μmに調整されている。そして、表示基板10と背面基板20とに挟まれる隙間には、隔壁32によって区分けされた複数の表示部30が格子状に形成されている。なお、この隔壁32は、各画素の周囲を取り囲むようにして設けられている。

0027

次に、表示基板10の構造について説明する。図1に示すように、表示基板10は、透明部材により形成され、表示面となる表示層11と、当該表示層11の下面側に設けられ、表示部30に電界を発生させる透明な表示電極層12とから構成されている。そして、表示層11は、高い透明性と高い絶縁性を有する材料によって形成され、例えば、ポリエチレンナフタレートポリエーテルサルホンポリイミドポリエチレンテレフタレートガラス等が使用される。一方、表示電極層12は、高い透明性を有し、電極として利用できる材料によって形成され、例えば、金属酸化物である酸化インジウムスズ、フッ素がドープされた酸化スズインジウム酸化アルミニウムがドープされた酸化亜鉛等が使用される。なお、本実施形態では、表示層11は透明なガラス基板であり、表示電極層12は酸化インジウムスズにより形成された透明電極である。このような構造を備えることにより、利用者は、透明な表示基板10を介して表示部30を視認することができる。

0028

次に、背面基板20の構造について説明する。図1に示すように、背面基板20は、表示パネル2を支持する筐体支持層21と、該筐体支持層21の上面に各表示部30毎に設けられ、それぞれの表示部30に電界を発生させる背面電極層22とから構成されている。そして、筐体支持層21は、高い絶縁性を有する材料が使用され、例えば、ガラスや絶縁処理された金属フィルム等の無機材料や、ポリエチレンテレフタレート等の有機材料が使用される。なお、背面基板20を形成する各層は、表示基板10とは異なり、透明でも有色でもよい。本実施形態では、筐体支持層21はガラス基板であり、背面電極層22は酸化インジウムスズにより形成された電極である。

0029

そして、各背面電極層22にはチャネルCH1が、表示電極層12にはチャネルCH2が各々接続されている。そして、図示外の制御装置によってこれらのチャネルCH1、チャネルCH2が各々制御され、背面電極層22、表示電極層12に電圧が印加されると、表示部30に電界が発生するようになっている。本実施形態では、表示電極層12を基準電位ゼロボルト)とし、背面電極層22にプラスの電圧が印加されると、背面電極層22がプラス、表示電極層12がマイナスとなる。また、背面電極層22にマイナスの電圧が印加されると、背面電極層22がマイナス、表示電極層12がプラスとなる。なお、これとは逆に、表示電極層12を基準電位(ゼロボルト)としてもよい。また、電界の発生方法はこれら以外の方法でもよい。

0030

次に、表示部30の構造について説明する。図1に示すように、表示基板10と背面基板20との間にはスペーサ31が設けられ、該スペーサ31は、表示パネル2の外周に沿って配設されている。さらに、表示基板10と背面基板20とスペーサ31との間には、密閉空間が形成されている。そして、その密閉空間は、隔壁32によって複数の表示部30に均等に分割され、分割された1つの表示部30において1つの画素が形成されている。よって、表示パネル2は、複数の表示部30が格子状に並んで形成されたパネルとして構成されている。なお、スペーサ31及び隔壁32は、ポリエチレンテレフタレートの樹脂フィルムが使用されている。また、各表示部30の密閉空間内には、表示液40が封入されている。

0031

次に、表示液40について説明する。この表示液40は、白色を呈する複数の白色帯電粒子60と、黒色を呈する複数の黒色帯電粒子50とがそれぞれ分散する分散媒である。ここで、分散媒とは、粒子分散質)が分散する液体物質をいう。本実施形態の表示液40は、黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60を分散質とし、無極性溶媒に所定量の極性溶媒を添加した液体物質が分散媒である。そして、無極性溶媒には、主に炭化水素系溶剤が使用される。本実施形態では、パラフィン系溶剤(73wt%)(商品名「Isopar G」:エクソンモービル社製)が使用されている。一方、極性溶媒には、無極性溶媒に可溶なアルコールが使用されている。本実施形態では、ヘキサノールが使用されている。なお、表示液40中の極性溶媒の一部が、白色帯電粒子60及び黒色帯電粒子50の周囲に留まることによって帯電性を向上させるものである。

0032

次に、本発明の特徴である黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60について説明する。図1に示すように、表示液40内に分散する一対の帯電粒子は、黒色帯電粒子50と、白色帯電粒子60である。そして、本実施形態では、黒色帯電粒子50をプラス(+)に帯電させ、白色帯電粒子60をマイナス(−)に帯電させている。よって、表示基板10側をマイナス、背面基板20側をプラスにして表示部30に電界を発生させた場合、黒色帯電粒子50は表示基板10側に移動し、白色帯電粒子60は背面基板20側に移動する。このとき、表示基板10には黒色が表示される。また、表示基板10側をプラス、背面基板20側をマイナスにして表示部30に逆向きの電界を発生させた場合、黒色帯電粒子50は背面基板20側に移動し、白色帯電粒子60は表示基板10側に移動する。このとき、表示基板10に表示されていた黒色は白色に切り替わる。なお、後述するが、この黒色と白色の表示切替時間は、黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60の表示液中の移動時間によって大きく影響を受ける。

0033

ここで、帯電粒子の「直進性」について説明する。帯電粒子の直進性とは、帯電粒子が表示基板10と背面基板20との間を移動する際の、表示基板10と背面基板20との最短距離の方向に直交する方向への帯電粒子の移動量に対する最短距離の方向に沿った移動量の割合を示すものである。つまり、最短距離の方向に沿った移動量が、最短距離の方向に直交する方向への移動量よりも高ければ高いほど直進性は高くなる。その逆に、最短距離の方向に直交する方向への移動量が、最短距離の方向に沿った移動量より高ければ高いほど直進性は低くなる。一般的に、周囲の液体の抵抗を受けにくい表面形状を備える粒子は直進性が高く、周囲の抵抗を受けやすい表面形状を備える粒子は直進性が低いといえる。

0034

そして、本実施形態では、互いに表面形状の相異なる黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60を用いることによって、黒色帯電粒子50の直進性と、白色帯電粒子60の直進性とを互いに異ならせている。これにより、黒色帯電粒子50と白色帯電粒子60の衝突頻度を回避して、表示切替時間を短縮することができる。なお、この表示切替時間の短縮効果については後述する。

0035

次に、黒色帯電粒子50の構造について説明する。図2に示すように、黒色帯電粒子50は、所謂「重合ディンプル粒子」であり、略球状の表面に多数のディンプル51を備えるものである。そして、これら多数のディンプル51によって、表示液40中の移動における直進性を向上することができる。なお、ディンプル構造による黒色帯電粒子50の直進性向上の効果およびその評価については後述する。

0036

次に、ディンプル構造を備える黒色帯電粒子50の作製方法について説明する。この黒色帯電粒子50の基礎となる黒色ディンプル粒子は、モノマーを重合しつつ架橋剤を添加することによって得られる架橋重合粒子である。この架橋重合粒子の製造方法は、モノマーを重合しつつ架橋剤を添加して、重合ディンプル粒子を製造する重合粒子製造工程と、その製造した重合粒子に染料等を介して染着処理する染着工程とから構成されている。以下、各工程を順に説明する。

0037

まず、重合粒子製造工程について説明する。はじめに、攪拌機冷却管温度計ガス導入管等を備える反応器に、溶媒として、メタノール(関東化学(株)製)582g、及びイソプロピルアルコール(関東化学(株)製)145gを充填し、更に分散剤として、ポリビニルビロリドンナカライテスク(株)製K−30)30g、1−ヘキサデカノール(ナカライテスク(株))7gを投入する。続いて、樹脂材料となるモノマーとして、スチレンモノマー(関東化学(株)製)207g、及びn−ブチルアクリレート(関東化学(株)製)43gを反応器に投入した後、反応器内にガス導入管から窒素ガスを充填して窒素ガス置換を行なう。

0038

この後、重合開始剤として、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル(関東化学(株)製)15gを反応器内に投入する。そして、前記のように調整された溶液を攪拌機により攪拌しつつ、約60℃に加温して8時間重合させる。かかる重合反応により、球状の重合粒子(スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体)が得られる。ここで、重合粒子は、ほぼ球状の形状を有しており、また、重合粒子における平均粒子径及び分散度は、分散度測定器コールター製コールターマルチサイザーを使用)にて測定したところ、平均粒子径約4μm、分散度1.03であることが確認された。

0039

そして、前記のような球状の重合粒子が得られた後、重合反応系中に架橋剤として、ジビニルベンゼン(ナカライテスク(株)製)5gを添加し、更に約2時間の重合反応を行なう。このように生成された重合粒子を分散媒から分別して乾燥させると、図2に示すような複数のディンプルを表面に有する重合粒子が得られる。なお、この重合粒子の平均粒子径は4.9μm、分散度は1.05であった。ここで、前記のようにモノマーの重合途中で重合反応系中に添加された架橋剤は、粒子径約4μmまで成長した球状の重合粒子から重合反応が進行するに伴い、更に大きな粒子径の重合粒子に成長していく過程において、モノマー分子間ランダム架橋反応を起こすものであり、その結果、重合粒子の表面部には、複数のディンプルが形成されるものと考えられる。

0040

また、架橋剤を添加する時点において生成されている重合粒子の粒子径と、添加される架橋剤の添加量との間には相互関係が存在する。例えば、架橋剤を添加する時点における重合粒子の粒子径が小さい場合には、添加する架橋剤の添加量を多くしないと、重合粒子にディンプルが形成され難く、一方、架橋剤の添加時点で重合粒子が大きな粒子径を有している場合には、架橋剤の添加量が少量であっても、重合粒子にディンプルが形成され易い。例えば、架橋剤を添加する時点における重合粒子の粒子径が、3〜6μmの範囲にある場合には、モノマーの仕込量に対して1%以上の架橋剤を添加すれば、重合粒子にディンプルの形成が可能であり、望ましくは2%以上、更に、望ましくは3%以上添加するのがよい。

0041

また、重合粒子の平均粒子径に応じて、架橋剤の添加量を調整することが望ましい。例えば、重合粒子の粒子径が2〜8μmの範囲にある場合、架橋剤はモノマーの仕込量に対して8%〜1%添加するのがよく、また、重合粒子の粒子径が1〜10μmの範囲にある場合には、10%〜0.1%の架橋剤を添加するのがよい。なお、本実施例に使用可能な架橋剤はジビニルベンゼンに限定されることはなく、以下に示す各種の化合物が架橋剤として使用することができる。例えば、芳香族ジビニル化合物ビニル基を2つ以上有するカルボン酸エステル等が使用可能である。

0042

ここに、芳香族ジビニル化合物としては、ジビニルナフタレン、N,N−ジビニルアニリン及びその誘導体がある。また、ビニル基を2つ以上有するカルボン酸エステルとしては、ポリエチレングリコールジメタクリレートポリエチレングリコールジアクリレートトリエチレングリコールジメタクリレートトリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキシレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキシレングリコールジアクリレート、ネオベンチグリコールジメタクリレート、ネオベンチルグリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレートポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニルプロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレートトリメチロールプロパントリアクリレートテトラメチロールメタンテトラメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレートジブロムネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジブロネオペンチルグリコールジアクリレートフタル酸ジアクリルエチレングリコールジメタクリレートエチレングリコールジアクリレートジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリレートアリルアクリレート、t−ブチルアミノエチルジメタクリレート、t−ブチルアミノエチルジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート等がある。その他、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィドジビニルスルホン等のジビニル化合物やビニル基を3つ以上有する化合物が単独又は混合物として使用可能である。

0043

次に、染着工程について説明する。まず、黒色染料オリエント化学(株)製オイルブラック860)15.0g、及び、荷電制御剤(オリエント化学(株)製 E−84)6.0gを分散溶媒としてのエタノール750cc中に分散して染着溶液を調整する。かかる染着溶液に対して、前述したようにして得られたディンプル付き重合粒子150gを加えて、30℃に加温しながら約1時間攪拌する。これにより、ディンプル付き重合粒子は黒色染料により染着される。その後洗着されたディンプル付き重合粒子と分散溶媒とをろ過により分別し、乾燥した黒色粒子を得ることができる。そして、この黒色粒子を表示液40中でプラスに帯電させることにより、黒色帯電粒子50を得ることができる。

0044

次に、白色帯電粒子60について説明する。図3に示すように、白色帯電粒子60は、球状の母粒子61と、該母粒子61の表面に接合され、母粒子61よりも小さい多数の子粒子62とから構成された、所謂「凸型粒子」である。母粒子61は帯電可能な材料で形成され、例えば、アクリル樹脂等が使用される。このアクリル樹脂の例としては、ポリアクリル酸や、そのエステル類等が挙げられる。なお、アクリル樹脂の他にも、PC(ポリカーボネイト)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、ABSアクリロニトリルブタジエンスチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、POM(ポリアセタール)等が利用可能である。一方、子粒子62は、母粒子61の表面に一部が埋没した状態で機械的に結合されている。この子粒子62によって、白色帯電粒子60は、表示液40内の移動中に受ける抵抗が高くなるので、移動における直進性を低下させることができる。

0045

次に、母粒子61に対する子粒子62の接合方法について説明する。図3に示すように、子粒子62は、ハイブリダイゼーション法によって母粒子61の表面に機械的に接合されている。具体的には、子粒子62は、その一部が埋没した状態で母粒子61の表面に接合されている。このハイブリダイゼーション法の処理方法は以下の通りである。まず、処理装置は、奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステム(NHS)を使用した。このNHSは、粉体同士の混合物を形成する混合機と、乾式で微粉体同士を接合するハイブリダイザーと、捕集器と、各装置を制御する制御盤と、装置を操作するための操作盤とから構成されている。まず、母粒子となる粉体を10gと、子粒子となる粉体0.4gとを混合機で混合する。次いで、ハイブリダイザーに投入する。そして、ハイブリダイザーでは、25℃、9700rpmで3分間の処理を行った。すると、ハイブリダイザーでは、粒子が気相中に分散しながら、衝撃力主体とする機械的熱的エネルギーが粒子に与えられることによって固定化処理が行われる。そして、その生成した処理粉体は捕集器によって速やかに捕集される。こうして、母粒子61の表面に子粒子62が結合した白色帯電粒子60を生成することができる。

0046

なお、本実施形態では、子粒子62は、ハイブリダイゼーション法によって母粒子61の表面に機械的に接合されているが、化学的に接合してもよい。また、母粒子61の表面を加工することによって複数の凸形状を形成してもよい。さらには、母粒子61の形状そのものを変えて凸形状を形成してもよい。

0047

次に、表示パネル2の駆動時における黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60のそれぞれの動きについて、図4乃至図8を参照して説明する。なお、図4乃至図8では、黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60の動きを明確に説明するため、便宜上、粒子径、粒子数等を変更して示すものとする。

0048

まず、図4に示すように、表示電極層12をマイナス、背面電極層22をプラスにして表示部30に電界を発生させた場合、プラスに帯電した黒色帯電粒子50は表示基板10側に移動して表示電極層12に付着し、白色帯電粒子60は背面基板20側に移動して背面電極層22に付着する。このとき、表示基板10には黒色が表示される。次いで、黒色帯電粒子50の全てを表示電極層12の中央に寄せ集め、最密に1層からなる黒色帯電粒子層を形成する。なお、最密とは、隣り合う黒色帯電粒子50同士が接触した状態を意味する。そして、この状態を表示パネル2の断面で見たときに、黒色帯電粒子層の両側に位置する黒色帯電粒子50とスペーサ31又は隔壁32との間には、少なくとも1個の白色帯電粒子60が配置可能な隙間が設けられている。これは、電界が切り替わり、表示液40内を直進して移動する黒色帯電粒子50に対して、その両側の隙間を介して白色帯電粒子60を通過させることによって、異なる粒子同士の衝突を避けるためである。なお、前記隙間の間隔は、各粒子径、各粒子数、スペーサ31(隔壁32)と隔壁32の間の距離等により調整される。

0049

次に、表示電極層12をプラス、背面電極層22をマイナスにして表示部30にかかる電界の向きが切り替わった場合、図5に示すように、黒色帯電粒子50は表示電極層12から離れ、白色帯電粒子60は背面電極層22から離れる。さらに、図6に示すように、直進性の高い黒色帯電粒子50は、その配列をほとんど崩すことなく、背面電極層22に向かって移動する。一方、表示液40の抵抗を受け易い白色帯電粒子60は、黒色帯電粒子50の移動に伴う表示液40の流れに背面基板20側に押されるため、その中央で2つの集合分断される。そして、一列に並んだ黒色帯電粒子50の両側の隙間に向かって回り込むようにそれぞれ移動する。つまり、黒色帯電粒子50が白色帯電粒子60に近づけば近づくほど、白色帯電粒子60は表示液40に押し流され、黒色帯電粒子50から離れる方向に移動する。これにより、黒色帯電粒子50と白色帯電粒子60との衝突を回避できる。また、表示切替が複数回繰り返された場合でも、黒色帯電粒子層が直進して表示液40内を移動することから、黒色帯電粒子層の両側の隙間が保持されるので、異なる粒子同士の衝突をさらに回避することができる。

0050

さらに、黒色帯電粒子50は背面電極層22に向かって移動し、白色帯電粒子60はその黒色帯電粒子50の周囲を回り込みながら表示電極層12に向かって移動する。よって、図7に示すように、黒色帯電粒子50の配置と、白色帯電粒子60の配置とが互いに入れ替わって逆転する。そして、図8に示すように、黒色帯電粒子50は背面電極層22に一列に並んだ状態でそのまま付着し、白色帯電粒子60も表示電極層12に一列に配列した状態で付着する。このとき、表示基板10には白色が表示される。このように、直進性の互いに異なる2種類の粒子を用いることによって、異なる粒子同士の衝突を避けることができる。これにより、黒色帯電粒子50と白色帯電粒子60との入れ替わりに要する時間を短縮できるので、表示パネル2の表示切替の応答性を向上できる。

0051

次に、ディンプル粒子の直進性評価試験について説明する。この試験は、ディンプル粒子の直進性を評価するためのものである。まず、試験方法について説明する。本試験では、図9に示すように、表示パネル2と同様の構成を備える実験用のセル500を使用した。このセル500は、第1基板100と第2基板200とを備え、その間にスペーサ310を介して形成される表示部300に表示液400を封入したものである。なお、第1基板100は、表示層110と、該表示層11の内面(表示部300に対向する面)に設けられた第1電極層120とから構成され、第2基板200は、筐体支持層210と、該筐体支持層210の内面(表示部300に対向する面)に設けられた第2電極層220とから構成されている。なお、第1基板100と第2基板200との離間幅は1cmとした。さらに、この表示液400内には、0.1wt%のテスト粒子80を投入した。また、テスト粒子80はマイナスに帯電させた。

0052

また、セル500の第1電極層120は配線を介してグランド71に接続され、第2電極層220は、配線を介してスイッチ72に接続され、該スイッチ72は200Vの直流電源73のプラス側に接続され、該直流電源73のマイナス側は配線を介してグランド74に接続されている。よって、スイッチ72をオンすると、第1電極層120が基準電位(ゼロボルト)となり、第2電極層220にプラスの電圧が印加されるので、第2電極層220がプラス、第1電極層120がマイナスとなり、表示液40に電界がかけられた状態となる。

0053

そして、上記構成からなるセル500において、表示液400に電界をかけてから5秒後のテスト粒子80の移動量を顕微鏡で観察した。なお、テスト粒子80の移動量は、表示液中に分散する多数のテスト粒子80の中からいくつかを選択し、そのテスト粒子80の移動量をPC(パーソナルコンピュータ)による画像解析で測定した。また、画像解析では、テスト粒子80の移動量をもとに、x方向への移動量と、y方向への移動量とを求め、直進性(T)を示すx/yを算出した。これにより、3種類のテスト粒子80の直進性の比較をおこなった。なお、テスト粒子80は、1.球状粒子スタンダード)、2.凸型粒子、3.ディンプル粒子の3種類とした。なお、本試験でいう「凸型粒子」とは、本実施形態での白色帯電粒子60の表面形状を有する粒子(図3参照)をいい、「ディンプル粒子」とは、本実施形態での黒色帯電粒子50の表面形状を有する粒子(図2参照)をいう。また、これら3種類のテスト粒子80の径は全て同じとし、凸型粒子については母粒子の径を基準とした。

0054

なお、本試験でいう「直進性」とは、テスト粒子80が第1基板100と第2基板200との間を移動する際の、第1基板100と第2基板200との最短距離の方向に直交する方向へのテスト粒子80の移動量に対する最短距離の方向に沿った移動量の割合を示すものとする。そこで、図9に示すように、セル500の厚み方向(第1基板100から第2基板200に向かう方向)をx方向とし、当該厚み方向に直交する方向をy方向とした場合における、テスト開始から5秒後のテスト粒子80のx方向への移動量と、y方向への移動量とを求め、直進性(T)=x/yを算出することによって、テスト粒子80の直進性を算出した。

0055

次に、直進性評価試験の結果について説明する。図10図11に示すように、凸型粒子のx方向への移動量は3.0(×10−2mm)、y方向への移動量は22.0(×10−2mm)であった。また、従来形状である球状粒子のx方向への移動量は6.3(×10−2mm)、y方向への移動量は5.3(×10−2mm)であった。さらに、ディンプル粒子のx方向への移動量は20.3(×10−2mm)、y方向への移動量は2.8(×10−2mm)であった。

0056

次に、上記試験結果について考察する。従来形状である球状粒子は、図11に示すように、表示液400の抵抗を受けながら第2基板200側に移動する。よって、x方向への移動量のみならず、y方向への移動量が生じている。これに対し、凸型粒子は、x方向への移動量よりもy方向への移動量が高くなった。これは、母粒子61表面に設けられた多数の子粒子62によって、表示液400の抵抗を強く受け、直進性が大きく低下したことが原因と推測される。これに反し、ディンプル粒子では、y方向への移動量よりもx方向への移動量がはるかに高くなった。これは、粒子表面に設けられた多数のディンプルによって、粒子後方に表示液400がスムーズに回り込んだためと考えられ、表示液400による抵抗が軽減されて直進性が向上したことが原因と推測される。

0057

次に、表示パネル2の表示切替評価試験について説明する。この試験は、粒子形状の組合せと切替表示に要する時間との関係について調べるためのものである。まず、試験方法について説明する。本試験では、図1に示す表示パネル2と同じ実験用の表示パネル(図示外)を使用した。この表示パネルは、表示基板と背面基板との間の表示部に表示液が封入され、その表示液に2種類のテスト粒子1,2を互いに組み合わせて所定濃度となるようにそれぞれ投入されたものである。

0058

ここで、テスト粒子1,2について説明する。テスト粒子1,2は、本実施形態でいう黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60に相当するものであり、帯電極性、色調が互いに異なるように調整した。なお、本試験では、テスト粒子1は白色、テスト粒子2は黒色に調整した。さらに、テスト粒子1,2で使用される粒子は、その表面形状の違いによって、1.球状粒子(スタンダード)、2.凸型粒子、3.ディンプル粒子を用意した。さらに、これら3種類の粒子を、テスト粒子1,2としてそれぞれ互いに組み合わせ、1.球状−球状、2.球状−ディンプル、3.球状−凸型、4.凸型−ディンプル、5.凸型−凸型、6.ディンプル−ディンプル、の計6種類の組合せを設定した。そして、これらの組合せで表示液40内に投入し、表示パネル2における表示切替に要する時間を計測した。なお、本試験では、白表示から黒表示に切り替わる際に要した時間を計測した。

0059

次に、切替表示評価試験の結果について説明する。図12に示すように、球状−球状の組合せの場合は70(msec)であり、球状−ディンプルの組合せの場合は40(msec)であり、球状−凸型の組合せの場合は50(msec)であり、凸型−ディンプル状の組合せの場合は30(msec)であり、凸型−凸型の組合せの場合は100(msec)であり、ディンプル−ディンプルの組合せの場合は50(msec)であった。

0060

次に、上記試験結果について考察する。従来の組合せである球状−球状では、表示切替時間が70msecであったのに対し、球状−ディンプルでは、表示切替時間が40msecと短くなっている。これは、ディンプル粒子であるテスト粒子2が、球状のテスト粒子1よりも直進性が向上し、テスト粒子1の直進性と差異が生じたためと推測される。つまり、テスト粒子1の直進性と、テスト粒子2の直進性とが互いに異なることによって衝突頻度が低下し、表示切替時間が短縮されたと考えられる。また、球状−凸型でも同様に、テスト粒子1の形状とテスト粒子2の形状とが互いに異なるので、テスト粒子1の直進性とテスト粒子2の直進性が異なり、粒子同士の衝突が回避され、表示切替時間が短縮されたと考えられる。しかし、何れの粒子もディンプルではなく、ディンプル粒子よりも移動速度は遅いので、表示切替時間は球状−ディンプルよりは長くなったと推測される。

0061

そして、凸型−ディンプルでは30msecと最も短く、球状−ディンプルよりも表示切替時間が短くなった。これは、凸型粒子が球状粒子よりも表示液の抵抗を強く受けるため、真っ直ぐに移動するディンプル粒子に対して素早く移動し、より確実にディンプル粒子に対する衝突を回避できたからと推測される。一方、凸型−凸型では、表面形状が何れも表示液の抵抗を受け易い形状であり、各基板間の移動に要する時間が長くなるため、球状−球状に比べて表示切替時間がかなり長くなったと推測される。また、ディンプル−ディンプルでは、表面形状が何れも直進性の高いディンプルであるが、直進性が共に同じになってしまうので、かえって衝突頻度が高くなり、表示切替時間が長くなったものと推測される。以上のことから、粒子形状の組合せを凸型−ディンプルにすることによって、表示パネル2の表示切替時間を最も短縮することができる。つまり、表示パネル2の表示切替の応答性を最も向上できると判断された。

0062

なお、以上の説明において、図1に示す表示電極層12が本発明の「第1電極」に相当し、背面電極層22が本発明の「第2電極」に相当し、黒色帯電粒子50が本発明の「第1帯電粒子」に相当し、白色帯電粒子60が本発明の「第2帯電粒子」に相当する。

0063

以上説明したように、本実施形態である表示パネル2では、互いに表面形状の異なる黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60を用いることによって、黒色帯電粒子50の直進性と、白色帯電粒子60の直進性とを互いに異ならせ、これら粒子同士の衝突を回避することができる。例えば、黒色帯電粒子50を多数のディンプル51を表面に備えるディンプル粒子とし、白色帯電粒子60を多数の子粒子62を表面に備える凸型粒子とする。これにより、黒色帯電粒子50は表示液40の移動中における直進性が向上し、白色帯電粒子60は表示液40の抵抗を強く受けるので直進性が低下する。つまり、黒色帯電粒子50は、表示基板10及び背面基板20の間を最短距離で移動するが、白色帯電粒子60はその黒色帯電粒子50を避けるようにして移動するので、黒色帯電粒子50と白色帯電粒子60との衝突を効果的に回避することができる。よって、表示パネル2の表示切替時間が短縮するので、表示切替の応答性を向上することができる。

0064

なお、本発明の電気泳動表示媒体は、上記実施形態に限らず、各種変形が可能なことはいうまでもない。例えば、上記実施形態では、表示電極層12の表面積と、背面電極層22の表面積とは互いに同じであるが、互いに異ならせることによって、より確実に粒子同士の衝突を回避することができる。そこで、上記実施形態の変形例として、表示電極層の表面積と、背面電極層の表面積とが互いに異なる表示パネル600について説明する。図13乃至図16は、変形例である表示パネル600における黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60の動きを示す説明図である。なお、上記実施形態の表示パネル2と同じ構成部分については同符号を付して説明を省略する。

0065

図13に示すように、表示パネル600は、表示パネル2と同様の構成を備え、上記実施形態の背面基板20とは異なる背面基板90を備えている。この背面基板90は、筐体支持層91と、該筐体支持層91の上面の中央に設けられた背面電極層92とから構成されている。この背面電極層92は、表示電極層12よりも表面積が小さくなっており、表示パネル600の断面を見たときに、その両側に隙間を空けた状態で筐体支持層91の上面に設けられている。なお、表示液40、黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60は上記実施形態と同じであり、黒色帯電粒子50は「ディンプル粒子」であり、白色帯電粒子60は「凸型粒子」である。

0066

次に、表示パネル600の駆動時における黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60のそれぞれの動きについて、図13乃至図16を参照して説明する。なお、図13乃至図16では、黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60の動きを明確に説明するため、粒子径、粒子数等を変更して示している。

0067

まず、図13に示すように、表示電極層12をマイナス、背面電極層92をプラスにして表示部30に電界を発生させた場合、プラスに帯電した黒色帯電粒子50は表示基板10側に移動して表示電極層12に付着し、白色帯電粒子60は背面基板20側に移動して背面電極層92に付着する。そして、複数の黒色帯電粒子50は一列に並んだ状態で表示電極層12に付着するが、背面電極層92は背面基板90の中央に配置されているので、複数の白色帯電粒子60は団子状に折り重なって背面電極層92に付着する。このとき、表示基板10には黒色が表示される。

0068

次いで、表示電極層12をプラス、背面電極層92をマイナスにして表示部30にかかる電界の向きが切り替わった場合、図14に示すように、黒色帯電粒子50は表示電極層12から離れ、白色帯電粒子60は背面電極層92から離れる。さらに、図15に示すように、直進性の高い黒色帯電粒子50は、背面電極層92に向かって真っ直ぐに移動するので、その配列が崩れて表示部30の中央に集合するように移動する。一方、表示液40の抵抗を受け易い白色帯電粒子60は、黒色帯電粒子50の移動に伴って表示液40の流れに押されるため、その中央で2つの集合に分断され、中央に集合する黒色帯電粒子50の両側に回り込みながら移動する。

0069

さらに、黒色帯電粒子50が背面電極層92に向かって移動し、白色帯電粒子60がその黒色帯電粒子50の周囲を取り囲みながら表示電極層12に向かって移動することによって、黒色帯電粒子50の配置と、白色帯電粒子60の配置とが互いに入れ替わって逆転する。そして、図16に示すように、黒色帯電粒子50は背面電極層92に団子状に折り重なった状態で付着し、白色帯電粒子60は表示電極層12に一列に配列した状態で付着する。このとき、表示基板10には白色が表示される。このように、表示電極層12及び背面電極層92の表面積を互いに異ならせることによって、黒色帯電粒子50を表示液40内を移動中に中央に集合させることができる。

0070

これにより、中央に集合する黒色帯電粒子50とスペーサ31又は隔壁32との間に大きな隙間ができるので、その隙間を白色帯電粒子60が通過することができる。つまり、上記実施形態のように、表示パネル2を断面で見たときに、表示基板10上に一列に並ぶ黒色帯電粒子50の両側と、スペーサ31又は隔壁32との間に隙間を形成できなくても、白色帯電粒子60が余裕を持って通過できるほどの大きな隙間を形成することができる。これにより、異なる粒子同士の衝突をより確実に回避することができる。また、背面電極層92の表面積を、表示電極層12の表面積よりも小さくすることによって、表示基板10に表示される色の表示領域を狭めることがない。

0071

なお、このような変形例の他にも種々の変更が可能である。例えば、白色帯電粒子60をディンプル粒子にして、黒色帯電粒子50を凸型粒子にしてもよい。

0072

また、上記実施形態では、表示基板10及び背面基板20に、表示電極層12及び背面電極層22がそれぞれ設けられているが、本発明は、これら電極(表示電極層12及び背面電極層22)を備えていない表示パネルにも適用可能である。

0073

本発明の電気泳動表示媒体は、表示部を備えた様々な電子機器に適用可能である。

図面の簡単な説明

0074

表示パネル2の概略構成を示す断面図である。
黒色帯電粒子50の正面図である。
白色帯電粒子60の正面図である。
黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60の動きを示す説明図である。
黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60の動きを示す説明図である。
黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60の動きを示す説明図である。
黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60の動きを示す説明図である。
黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60の動きを示す説明図である。
直進性評価試験の試験方法を示した説明図である。
直進性評価試験の結果を示す表である。
凸型粒子、球状粒子、ディンプル粒子の移動量を示した説明図である。
表示切替時間評価試験の結果を示す表である。
変形例である表示パネル600における黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60の動きを示す説明図である。
変形例である表示パネル600における黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60の動きを示す説明図である。
変形例である表示パネル600における黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60の動きを示す説明図である。
変形例である表示パネル600における黒色帯電粒子50及び白色帯電粒子60の動きを示す説明図である。

符号の説明

0075

2表示パネル
10表示基板
11表示層
12表示電極層
20背面基板
21筐体支持層
22背面電極層
30 表示部
31スペーサ
32隔壁
40表示液
50黒色帯電粒子
51ディンプル
60白色帯電粒子
61母粒子
62子粒子
90 背面基板
91 筐体支持層
92 背面電極層
600 表示パネル

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