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技術 固定具、鉄筋コンクリート構造体、および鉄筋コンクリート構造体の製造方法

出願人 高周波熱錬株式会社
発明者 村田義行
出願日 2006年8月23日 (14年6ヶ月経過) 出願番号 2006-226607
公開日 2008年3月6日 (12年11ヶ月経過) 公開番号 2008-050803
状態 特許登録済
技術分野 杭・地中アンカー 建築物の補強部材
主要キーワード 点付け溶接 溶接工法 アングル部材 材質劣化 鉄筋コンクリート構造体 補強リング プレキャスト製品 定着力
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年3月6日)のものです。
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図面 (6)

課題

鉄筋材質劣化させることなく、鉄筋と補強部材とを強固にかつ容易に固定できる固定具鉄筋コンクリート構造体、および鉄筋コンクリート構造体の製造方法を提供すること。

解決手段

固定具30は、主筋11に設けられる補強リング15に対して少なくとも一端側が溶接される(被溶接部31)。固定具30のように、補強リング15に係合する係合部33を他端側に有していてもよい。このような固定具30により、主筋11が補強リング15との間に拘束され、主筋11と補強リング15とを強固に固定できる。主筋11と補強リング15とを溶接しないので主筋11の材質劣化を回避でき、また、溶接作業を容易にできる。

概要

背景

従来、鉄筋コンクリート杭などの製造に際しては、主筋およびフープ筋(あるいはスパイラル筋)などからなる鉄筋籠が使用されている。この製造時における鉄筋籠の剛性を確保するために、鉄筋同士を連結する補強リング補強部材)などが使用されている。この補強リングと鉄筋とを接合する際には、溶接工法による場合が最も高い剛性を確保できると考えられているが、溶接による鉄筋の材質劣化のおそれが指摘されているため、この補強リングと鉄筋とを無溶接で接合可能な各種の金物が提案されている(例えば、特許文献1、2)。

特許文献1に記載の金物は、鉄筋と補強リングとの交差部分において、鉄筋の周りに設けられるU字状部材と、このU字状部材の両端が共に貫通するプレートおよびアングル部材と、U字状部材の両端にそれぞれ螺合する2つのナットとを備えている。
また、特許文献2に記載の金物は、線材の折り曲げによりばね性を有し、その両端がそれぞれ補強リングと鉄筋とに係止される。

特開2006−046031号公報(図2)
特開2002−356845号公報(図27)

概要

鉄筋の材質劣化させることなく、鉄筋と補強部材とを強固にかつ容易に固定できる固定具鉄筋コンクリート構造体、および鉄筋コンクリート構造体の製造方法を提供すること。固定具30は、主筋11に設けられる補強リング15に対して少なくとも一端側が溶接される(被溶接部31)。固定具30のように、補強リング15に係合する係合部33を他端側に有していてもよい。このような固定具30により、主筋11が補強リング15との間に拘束され、主筋11と補強リング15とを強固に固定できる。主筋11と補強リング15とを溶接しないので主筋11の材質劣化を回避でき、また、溶接作業を容易にできる。

目的

このような問題点に鑑み、本発明の目的は、鉄筋の材質を劣化させることなく、鉄筋と補強部材とを強固にかつ容易に固定できる固定具、鉄筋コンクリート構造体、および鉄筋コンクリート構造体の製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

鉄筋に交差して設けられる補強部材との間に前記鉄筋を拘束する拘束部を備え、前記補強部材に少なくとも一端側が溶接されることで前記鉄筋を前記補強部材に固定することを特徴とする鉄筋コンクリート構造体に用いられる固定具

請求項2

請求項1に記載の固定具において、他端側は、前記補強部材に係合することを特徴とする鉄筋コンクリート構造体に用いられる固定具。

請求項3

請求項2に記載の固定具において、当該固定具は、線状部材が折り曲げられて形成されるとともに、前記補強部材に溶接される被溶接部と、前記補強部材の前記被溶接部が溶接される側とは反対側に係合する係合部と、前記被溶接部と前記係合部との間で鉄筋を前記補強部材との間に拘束する拘束部とを備えることを特徴とする鉄筋コンクリート構造体に用いられる固定具。

請求項4

請求項3に記載の固定具において、前記係合部は、前記補強部材の端部を挟む略コ字形状とされていることを特徴とする鉄筋コンクリート構造体に用いられる固定具。

請求項5

請求項1から請求項4のいずれかに記載の固定具を備えることを特徴とする鉄筋コンクリート構造体。

請求項6

請求項5に記載の鉄筋コンクリート構造体において、前記補強部材は、帯鋼により環状に形成され、前記帯鋼の両端部が互いに重ねられた部分に固定される前記鉄筋には、前記固定具の両端側が前記補強部材に溶接される固定具を使用し、前記補強部材のその他の部分に固定される前記鉄筋には、前記固定具の一端側が前記補強部材に溶接され他端側が前記補強部材に係合する固定具を使用することを特徴とする鉄筋コンクリート構造体。

請求項7

鉄筋に交差して設けられる補強部材に鉄筋を固定する固定具の少なくとも一端側を前記補強部材に溶接し、前記固定具と前記補強部材との間に前記鉄筋を拘束することを特徴とする鉄筋コンクリート構造体の製造方法。

請求項8

請求項7に記載の鉄筋コンクリート構造体の製造方法において、前記固定具の他端側を前記補強部材に係合したのち、前記固定具の一端側を前記補強部材に溶接することを特徴とする鉄筋コンクリート構造体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、鉄筋コンクリート構造体における鉄筋を固定する固定具、この固定具を備える鉄筋コンクリート構造体、および鉄筋コンクリート構造体の製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、鉄筋コンクリート杭などの製造に際しては、主筋およびフープ筋(あるいはスパイラル筋)などからなる鉄筋籠が使用されている。この製造時における鉄筋籠の剛性を確保するために、鉄筋同士を連結する補強リング補強部材)などが使用されている。この補強リングと鉄筋とを接合する際には、溶接工法による場合が最も高い剛性を確保できると考えられているが、溶接による鉄筋の材質劣化のおそれが指摘されているため、この補強リングと鉄筋とを無溶接で接合可能な各種の金物が提案されている(例えば、特許文献1、2)。

0003

特許文献1に記載の金物は、鉄筋と補強リングとの交差部分において、鉄筋の周りに設けられるU字状部材と、このU字状部材の両端が共に貫通するプレートおよびアングル部材と、U字状部材の両端にそれぞれ螺合する2つのナットとを備えている。
また、特許文献2に記載の金物は、線材の折り曲げによりばね性を有し、その両端がそれぞれ補強リングと鉄筋とに係止される。

0004

特開2006−046031号公報(図2
特開2002−356845号公報(図27)

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1のような金物では、ボルト、ナットなどの部材が高価であること、そしてプレート等も必要となり部品点数が増えることから、部材コストが高騰してしまう。また、ボルト、ナットの取り付けに手間が掛かるため、各鉄筋にそれぞれこのような金物を取り付けるのに非常に時間が掛かるという問題がある。

0006

一方、特許文献2のような金物では、一端部を係止してから撓ませ、他端部を係止する作業が難しく、しかも、接合力を大きくするために一端部から他端部までの寸法を大きくとったり、鋼材の径を太くすることなどが必要となるため、取り付けに大きな力を要し迅速に作業できないという問題がある。また、この金物の場合、鋼材の径や長さ寸法によっては、鉄筋の軸方向に金物がずれるおそれがある。

0007

このような問題点に鑑み、本発明の目的は、鉄筋の材質劣化させることなく、鉄筋と補強部材とを強固にかつ容易に固定できる固定具、鉄筋コンクリート構造体、および鉄筋コンクリート構造体の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明の鉄筋コンクリート構造体に用いられる固定具は、鉄筋に交差して設けられる補強部材との間に前記鉄筋を拘束する拘束部を備え、前記補強部材に少なくとも一端側が溶接されることで前記鉄筋を前記補強部材に固定することを特徴とする。

0009

また、本発明の鉄筋コンクリート構造体の製造方法は、鉄筋に交差して設けられる補強部材に鉄筋を固定する固定具の少なくとも一端側を前記補強部材に溶接し、前記固定具と前記補強部材との間に前記鉄筋を拘束することを特徴とする。

0010

ここで、本発明における鉄筋コンクリート構造体は、現場打ちにより製造されるものでも、工場で製造されるプレキャスト製品であってもよい。

0011

これらの発明によれば、少なくとも一端側で溶接による接合力が得られるので、鉄筋と補強部材とを大きな接合力で固定できる。ここで、鉄筋と補強部材とが溶接されるわけでは無く、補強部材に固定具が溶接される点が重要であり、つまり、このような固定具により、構造部材である鉄筋の材質の劣化を回避しつつ、溶接による大きな接合力を実現できる。これにより、鉄筋を含んで構成される鉄筋籠などの剛性を向上させることができる。

0012

なお、本発明における溶接は、コンクリート構造体における構造部材ではない補強部材と固定具との間の溶接であるから、鉄筋同士を溶接する場合のような厳密な品質管理を不要にでき、溶接作業を容易にかつ迅速に実施できる。
また、打設するコンクリートとの定着力向上のために鉄筋は異形とされることが多いのに対して、補強部材は平坦表面形状とされることが多いため、固定具との溶接品質を良好にできる。

0013

また、本発明の固定具では固定手段としてボルト、ナットを用いる場合などとは異なり、ねじ切り加工等が不要であるため、部材コストを低廉にできる。

0014

さらに、このような固定具を使用しないとき、鉄筋と補強部材とは、直接溶接されたり、特殊な金物を使用して接合されることになるが、このような場合と比べて、鉄筋と補強部材との固定に要する作業量が増えることはなく、前述のように品質管理が不要であるため作業時間を短縮でき、容易に作業できる。これにより、鉄筋コンクリート構造体の工期を短縮できる。

0015

本発明の固定具において、前記固定具の他端側は、前記補強部材に係合することが好ましい。
または本発明の鉄筋コンクリート構造体の製造方法において、前記固定具の他端側を前記補強部材に係合したのち、前記固定具の一端側を前記補強部材に溶接することが好ましい。

0016

これらの発明によれば、前述のように一端側が補強部材に溶接されることで接合力の増大および作業の容易化を図りながら、他端側が補強部材に係合する構成により、固定具の補強部材への取付けをより一層容易にできる。

0017

本発明の固定具において、当該固定具は、線状部材が折り曲げられて形成されるとともに、前記補強部材に溶接される被溶接部と、前記補強部材の前記被溶接部が溶接される側とは反対側に係合する係合部と、前記被溶接部と前記係合部との間で鉄筋を前記補強部材との間に拘束する拘束部とを備えることが好ましい。

0018

この発明によれば、線状部材の折り曲げにより、固定具を安価に製作できる。
さらに、線状部材を例えばL字状に折り曲げるだけで係合部を簡略に形成でき、補強部材の端部に係合部を引っ掛けて係合させることが可能となるので、固定具を低コスト化できるとともに、取り付けの容易化も図ることができる。
なお、拘束部の形状については、例えば、V字状、U字状などであってよい。

0019

本発明の固定具において、前記係合部は、前記補強部材の端部を挟む略コ字形状とされていることが好ましい。

0020

この発明によれば、コ字状の係合部を補強部材の端部に掛けることで係合が安定するので、溶接作業を容易に行えるとともに、この固定具を介した補強部材と鉄筋との固定強度を高くできる。

0021

本発明の鉄筋コンクリート構造体は、前述の固定具を備えることを特徴とする。

0022

この発明によれば、前述の固定具を備えるため、前述と同様の作用および効果を享受できる。

0023

本発明の鉄筋コンクリート構造体では、前記補強部材は、帯鋼により環状に形成され、前記帯鋼の両端部が互いに重ねられた部分に固定される前記鉄筋には、前記固定具の両端側が前記補強部材に溶接される固定具を使用し、前記補強部材のその他の部分に固定される前記鉄筋には、前記固定具の一端側が前記補強部材に溶接され他端側が前記補強部材に係合する固定具を使用することが好ましい。

0024

補強部材を帯鋼により環状に形成する場合、帯鋼の両端部が重ねられた部分と他の部分とではその厚みに差が出る。
この発明によれば、重ねられない部分には一端側が係合する固定具を使用することで、溶接箇所が少なくなるので固定作業を一層容易化できる。そして、重ねられた部分では、両端側が溶接される固定具を使用することで、重ねられた部分の厚みに応じた固定具を別途製作することを不要にできる。これにより、補強部材に設けられる鉄筋すべてを本発明の固定具によって固定可能となり、コストダウン工期短縮などの効果を大きくできる。

発明を実施するための最良の形態

0025

〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面を参照して説明する。なお、第2実施形態以降の説明に間し、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略化する。

0026

本実施形態では、鉄筋コンクリート構造体として現場打ち(場所打ち)鉄筋コンクリート杭を例示する。
図1は、本実施形態における1を示す。図1(A)は、杭1の側面図であり、図1(B)は、図1(A)のB−B線における杭1の断面図である。
杭1は、鉄筋としての主筋11およびスパイラル筋12を構造部材として有する鉄筋籠10と、この鉄筋籠10に設けられるコンクリート部20とを備えている。
主筋11は、複数本鋼棒であり、図1(B)に示すように、杭1の周方向に沿って配置されている。
スパイラル筋12は、これらの主筋11の外周側に設けられており、図示しない結束線などによって各主筋11と固定されている。なお、本実施形態では、スパイラル筋12を採用したが、このスパイラル筋12に代えてフープ筋を採用しても問題ない。

0027

ここで、鉄筋籠10の内周側には、鉄筋籠10の施工時における剛性を確保するための円環状の補強リング15が複数箇所に設けられている。補強リング15は、帯鋼の両端部を互いに重ね合わせて溶接等で接合することで形成され、図1では図示を省略したが、重なり部151(図2)を有する。
図2は、この補強リング15と主筋11とが略直交する部分を示す。なお、図2では、図1で示したスパイラル筋12やコンクリート部20の図示を省略した。各主筋11はそれぞれ、補強リング15に固定具30または固定具40によって固定されている。

0028

図3図4は、本実施形態で用いられる固定具30、40をそれぞれ示す。
図3の固定具30は、線材の折り曲げにより、略直線状の被溶接部31と、U字状の拘束部32と、拘束部32の端部からL字状に曲がる係合部33とを備えて形成されている。
この固定具30は、補強リング15の外周面部154への被溶接部31の溶接と、補強リング15の内周面部153(図2)への係合部33の係合とによって、補強リング15に取り付けられている。
なお、補強リング15に取り付けられた状態で、被溶接部31は主筋11に対して斜めに交差し、拘束部32は補強リング15の周方向に沿った側面部152と略同じ位置で主筋11の外周に沿っている。そして、係合部33は、補強リング15の側面部152から補強リング15の内周面部153(図2)に沿って略直角に折れ曲がっている。

0029

このような固定具30は、図2に示すように、補強リング15の重なり部151以外の部分に配置される各主筋11にそれぞれ設けられる。

0030

一方、補強リング15の重なり部151には、図4の固定具40が設けられる。なお、本実施形態に限らず、この固定具40が重なり部151以外に設けられていてもよい。
固定具40は、線材の折り曲げにより、U字状に形成された拘束部32と、この拘束部32両端側の略直線状の被溶接部31,31とを備えて対称に形成され、両端側の被溶接部31,31が補強リング15の外周面部154に溶接される。
補強リング15に取り付けられた状態で、固定具40の被溶接部31,31は補強リング15の周方向と略平行となる。

0031

以上の構成の鉄筋コンクリート杭1を製造する際には、工場や建設現場で主筋11とスパイラル筋12とを結束して鉄筋籠10(図1)を成形するとともに、鉄筋籠10に補強リング15を取り付ける。すなわち、前述の固定具30,40を使用して補強リング15に各主筋11をそれぞれ固定する。
本実施形態では、現場で鉄筋籠10を横に倒した状態でこの補強リング15の取付を行う。具体的に、主筋11に対して適切な取り付け位置に補強リング15を配置し、補強リング15と主筋11とが交差する部分において、固定具30(図3)の拘束部32を主筋11の外周に設けるとともに係合部33を補強リング15の内周面部153(図2)に掛ける。

0032

そして、固定具30の被溶接部31を補強リング15の外周面部154に溶接することにより、補強リング15に主筋11が固定される。ここで、被溶接部31の溶接により、拘束部32が適度に収縮するため、拘束部32と補強リング15との間に主筋11が強固に拘束される。なお、主筋11の軸方向に沿って係合部33が補強リング15に係合することもあって、主筋11と補強リング15との位置がずれない。
なお、何本かの主筋11に固定具30をそれぞれ係合したのち、これらの固定具30を補強リング15に一度に溶接してもよい。

0033

上記の固定具30の取り付けと前後して構わないが、補強リング15の重なり部151(図2)に固定される主筋11については、固定具40(図4)を使用する。すなわち、この主筋11の外周に固定具40の拘束部32を設け、被溶接部31,31をそれぞれ補強リング15の外周面部154に溶接する。この際も、被溶接部31,31の溶接によって拘束部32が適度に収縮し、主筋11が強固に拘束される。
なお、本実施形態では、固定具40は重なり部151に1つだけ設けられているが、重なり部151の寸法や主筋11の配置により、補強リング15に複数の固定具40が使用されていてもよい。

0034

このようにして補強リング15にすべての主筋11を固定したら、鉄筋籠10(図1)を現場の掘削孔に設置する。ここで、固定具30,40により、各主筋11は補強リング15に大きな接合力で確実に固定されているため、鉄筋籠10にはねじれなどが生じず、鉄筋籠10の剛性が確保される。
さらに、掘削孔内部の鉄筋籠10の周りに図示しない型枠を設置し、この型枠内にコンクリートを打設することにより、杭1が製造される。

0035

以上の本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1)鉄筋コンクリート杭1に用いられる固定具30,40においては、少なくとも一端側で溶接による接合力が得られるので、主筋11と補強リング15とを大きな接合力で固定できる。これにより、構造部材である主筋11の材質の劣化を回避しつつ、溶接による大きな接合力を実現でき、主筋11を含んで構成される鉄筋籠10の剛性を向上させることができる。

0036

ここで、杭1における構造部材ではない補強リング15と固定具30,40とを溶接することにより、主筋11とスパイラル筋12とを溶接する場合のような厳密な品質管理を不要にでき、これによって溶接作業を容易にかつ迅速に実施できる。

0037

また、固定具30,40は固定手段としてボルト、ナットなどを備えないため、部材コストを低廉にできる。

0038

さらに、このような固定具30,40を使用しないとき、主筋11と補強リング15とは、直接溶接されたり、特殊な金物を使用して接合されることになるが、このような場合と比べて、主筋11と補強リング15との固定に要する作業量が増えることはなく、前述のように品質管理が不要であるため作業時間を短縮でき、容易に作業できる。これにより、杭1の工期を短縮できる。

0039

(2)また、固定具30については、前述のように被溶接部31が補強リング15に溶接されることで接合力の増大および作業の容易化などを図りながら、係合部33が補強リング15に係合する構成であるので、補強リング15への取付けをより一層容易にできる。

0040

(3)補強リング15が帯鋼により形成されるので、補強リング15の表面部に固定具30,40の被溶接部31を点付け溶接とならないで良好に溶接できる。

0041

(4)また、線状部材の折り曲げにより、固定具30,40を安価に製作できるとともに、固定具30に関しては線状部材をL字状に折り曲げるだけで係合部33を簡略に形成できるので、部材コストを低減できるとともに、取り付けの容易化も図ることができる。

0042

(5)補強リング15は帯鋼により環状に形成されるため、重なり部151とそれ以外の部分とではその厚みに差が出るところ、重なり部151と、それ以外の部分とで、使用する固定具30,40を使い分けている。
すなわち、補強リング15の重なり部151以外の部分に固定される主筋11には、固定具30を使用するため、溶接箇所が少なくなり、補強リング15に主筋11を固定する作業を一層容易化できる。そして、補強リング15の重なり部151に固定される主筋11には、固定具40を使用するため、重なり部151の厚みに応じて被溶接部31と係合部33との間の距離を設定して固定具30を別途製作することを不要にできる。これにより、すべての主筋11を固定具30,40によって固定可能となるので、コストダウン、工期短縮などの効果を大きくできる。

0043

〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態で使用した固定具30(図3)と置換可能な他の固定具について説明する。
図5は、本実施形態の固定具50を示す。この固定具50は、前述の固定具30(図3)、固定具40(図4)と適宜組み合わせて使用してもよい。

0044

固定具50は、線状部材の折り曲げにより、被溶接部31と、拘束部32と、係合部35とを備えて形成されている。
被溶接部31および拘束部32は、前述の固定具40(図4)の場合と同様に形成されているが、拘束部32の端部には、補強リング15の外周面部154、側面部152、および内周面部(図2)に亘るコ字状の係合部35が連設されている。

0045

この固定具50の補強リング15への取り付けは、固定具30(図3)の場合と略同様に行うが、補強リング15の端部に係合部35を掛けた際に、係合部35が安定的に係合するため、被溶接部31の溶接作業を容易にできる。
また、係合部35により、補強リング15の端部が挟持されるので、この固定具50を介した補強リング15と主筋11との固定強度を高くできる。

0046

〔本発明の変形例〕
本発明は、以上で説明した各実施形態に限定されない。
例えば、前記各実施形態では、コンクリート構造体の例として断面円形状の杭1を示したが、これに限らず、例えば断面四角形状であったり、また杭ではなくてフーチング部などであってもよい。鉄筋籠は、これらコンクリート構造体の形状に応じて適宜決められるため、円環状の補強リング15を用いるとは限らない。

0047

つまり、補強部材の形状も限定されず、前記各実施形態の補強リング15には様々な径に対応し得るプレート状の帯鋼が用いられていたが、これに限らず、断面L字状の補強部材や、断面円形状であったり、リブ等を有する異形の補強部材であってもよい。このような補強部材にも、例えば固定具30の被溶接部31と係合部33との間の距離を適宜設定することにより、取り付けできる。
また、重なり部151のような継ぎ目が無いように補強部材を形成した場合は、補強部材に固定されるすべての主筋について同じ構成の固定具30(あるいは固定具50)を使用できる。

0048

さらに、固定具についても、補強部材および鉄筋の形状等に応じて、適宜、被溶接部や拘束部、係合部などの具体的形状、寸法などを決めればよい。
拘束部の形状は、前記各実施形態ではU字状であったが、これに限らず、例えば山形などに形成されていてもよい。
また、前記各実施形態で例示した固定具30,40,50はいずれも補強リング15の外周面部154に溶接されていたが、補強リング15の内周面部153に溶接されるようにこれらの固定具を形成することも検討できる。

0049

以上、本発明を実施するための最良の構成について具体的に説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形および改良を加えることができるものである。
上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。

0050

本発明は、鉄筋コンクリート構造体全般において、構造部材としての鉄筋と、その補強部材とを固定するために用いることができる。

図面の簡単な説明

0051

本発明の第1実施形態における鉄筋コンクリート杭1の側面部および横断面図。
前記実施形態における補強リングと主筋との交差部分を示す斜視図。
前記実施形態における補強リングと主筋とを固定する固定具の斜視図。
前記実施形態における補強リングの重なり部に用いる固定具の斜視図。
本発明の第2実施形態における固定具の斜視図。

符号の説明

0052

1鉄筋コンクリート杭(鉄筋コンクリート構造体)
11主筋(鉄筋)
15補強リング(補強部材)
30固定具
40 固定具
50 固定具
31 被溶接部
32拘束部
33係合部
35 係合部
151 重なり部
152 側面部
153内周面部
154外周面部

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