図面 (/)

技術 筒状制振装置とその製造方法および筒状制振装置を備えた装着構造体

出願人 住友理工株式会社
発明者 長谷川浩一村松篤
出願日 2006年7月28日 (14年4ヶ月経過) 出願番号 2006-206403
公開日 2008年2月14日 (12年9ヶ月経過) 公開番号 2008-032121
状態 未査定
技術分野 防振装置
主要キーワード 装着構造体 振幅倍率 配設条件 分割構造体 最小幅寸法 装着条件 チューニング幅 凹状断面
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年2月14日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (13)

課題

当接型の筒状制振装置ロッド状の振動部材に容易に装着することが出来ると共に、制振効果が有利に発揮され得る、筒状制振装置の新規な製造方法を提供する。

解決手段

筒状制振装置10の製造方法が、外周面周方向に延びるマス装着溝22と周上の一箇所に軸方向全長に亘って延びるスリット30を備えた本体ゴム弾性体16を準備する本体ゴム準備工程と、スリット30を拡開させてロッド状の振動部材12に対して本体ゴム弾性体16を軸直角方向から外挿、装着すると共に、本体ゴム弾性体16の内周面に振動部材12に打ち当たる当接内周面28を設定する本体ゴム装着工程と、本体ゴム弾性体16と別体の環状マス部材18を準備するマス準備工程と、環状マス部材18をマス装着溝22に嵌め入れて本体ゴム弾性体16に組み付けるマス組付工程とを、含んでいる。

概要

背景

力の伝達部材としてのシャフトアームビーム等の他、流体通路を形成する管体等の各種のロッド状の振動部材においては、それ自体の共振やそれを介しての振動伝達等が問題となる場合がある。かかる問題に対処するための方策として、従来から、(i)振動部材にマス部材を固設するマスダンパや、(ii)振動部材にバネ部材を介してマス部材を連結支持せしめるダイナミックダンパ(特許文献1(特開2004−92674号公報)参照)、(iii)振動部材の表面にシート状の弾性材を貼着した制振材が、知られている。

ところが、マスダンパやダイナミックダンパは、何れも、大きなマス材の質量が必要になることに加えて、有効な制振効果の発揮される周波数域が狭いという問題があった。また、制振材は、広い貼着面積が必要になると共に、重量が嵩むという問題があった。更に、ダイナミックダンパは、マス−バネ系のバネ部材を構成するゴム材温度依存性が高いために、目的とする制振効果を安定して得ることが難しいという問題もあった。

このような問題に対処するために、本出願人は、先に、特許文献2(国際公開第00/14429号パンフレット)において、独立マス部材の飛び跳ねによる打ち当たりに基づいて制振効果を発揮する当接型の制振装置を提案した。この制振装置は、振動部材に固定されたハウジングに対して独立マス部材を非接着変位可能に収容配置し、振動入力に伴い、独立マス部材を弾性的な当接面を介してハウジングに当接させることで、滑り摩擦や打ち当たりによるエネルギ損失等を利用して制振効果が得られるようになっている。これにより、独立マス部材の質量や独立マス部材と振動部材の当接部を構成する弾性材のばね剛性を調節すること等によって、比較的に小さなマス質量で、広い周波数域の振動に対して制振効果が発揮される。

ところが、制振すべき振動周波数域チューニングするに際して、例えば独立マス部材の大きさを設定変更しようとすると、それがハウジングの配設スペース等の条件で制限されることが多く、また、独立マス部材と振動部材の当接部を構成する弾性材の耐久性の低下等によってばね剛性が調整され難い場合があることから、チューニング幅が制限される場合があった。特に、制振すべき振動が低周波数域にある場合に、独立マス部材の大きな質量や弾性材の低ばね特性が十分に得られ難いことに起因して、所期の制振効果が安定して発揮され難い問題を内在していた。

そこで、本出願人は、更に、改良された当接型の制振装置として、特許文献3(特開2002−155988号公報)において、筒状乃至は環状のマス部材が振動部材に外挿されていると共に、マス部材の振動部材に対する軸直角方向の当接部が、当接に伴い剪断変形する弾性材で構成されて、マス部材に固着された構造のものを提案した。かかる構造によれば、マス部材の周りにハウジングを特別に設ける必要がなくなって、マス部材のチューニング自由度が向上されることに加え、弾性材を圧縮変形させる場合に比して当接部のばね定数を小さく設定することが出来る。それによって、チューニング周波数低周波側に設定変更することが容易となる。

しかしながら、特許文献3に示される制振装置においては、筒状乃至は環状のマス部材を振動部材の端部から長手方向に沿って外挿して、振動部材の目的とする位置に装着するようになっている。そのため、長尺の振動部材への装着作業に手間がかかるだけでなく、例えば振動部材の軸直角方向断面が長手方向で変化していたり、振動部材の端部から装着位置までの間に屈曲部湾曲部が設けられていたりする場合に、それらの形状や大きさ等によっては、マス部材を長手方向に沿って外挿することが出来ない場合があった。しかも、振動部材の端部が他部材に固定される前にマス部材を外挿する必要があり、既に端部が他部材に固定されて閉じられた振動部材に対しては装着することが出来ないという不具合があった。

そもそも、筒状乃至は環状のマス部材を備えた筒状制振装置にあっては、振動部材への装着作業に不具合が起きないように、マス部材や当接部の形状や大きさ、構造等の形態が、振動部材の長手方向に外挿する部位の形態に応じて設定される必要があったのであり、そのため、チューニング性能が制限されて、所期の制振効果が十分に得られ難い問題を内在していたのである。

特開2004−92674号公報
国際公開第00/14429号パンフレット
特開2002−155988号公報

概要

当接型の筒状制振装置をロッド状の振動部材に容易に装着することが出来ると共に、制振効果が有利に発揮され得る、筒状制振装置の新規な製造方法を提供する。筒状制振装置10の製造方法が、外周面周方向に延びるマス装着溝22と周上の一箇所に軸方向全長に亘って延びるスリット30を備えた本体ゴム弾性体16を準備する本体ゴム準備工程と、スリット30を拡開させてロッド状の振動部材12に対して本体ゴム弾性体16を軸直角方向から外挿、装着すると共に、本体ゴム弾性体16の内周面に振動部材12に打ち当たる当接内周面28を設定する本体ゴム装着工程と、本体ゴム弾性体16と別体の環状マス部材18を準備するマス準備工程と、環状マス部材18をマス装着溝22に嵌め入れて本体ゴム弾性体16に組み付けるマス組付工程とを、含んでいる。

目的

ここにおいて、本発明は、上述の如き事情背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、当接型の筒状制振装置をロッド状の振動部材に対して容易に装着することが出来ると共に、制振効果が有利に発揮され得る、筒状制振装置の新規な製造方法や新規な構造の筒状制振装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

中空筒体形状とされて、外周面には周方向に延びるマス装着溝を有すると共に、周上の一箇所には軸方向全長に亘って延びるスリットを有する本体ゴム弾性体を準備する本体ゴム準備工程と、該本体ゴム弾性体の前記スリットを拡開させて、制振対象となるロッド状の振動部材に対して該本体ゴム弾性体を軸直角方向から装着し、該本体ゴム弾性体の内周面全長に亘って該振動部材の外周面に対して隙間をもって外挿位置させると共に、該本体ゴム弾性体の内周面の前記マス装着溝から軸方向に離れた部分において該振動部材との軸直角方向の離隔距離が最も小さくされて該振動部材に打ち当たる当接内周面を設定する本体ゴム装着工程と、前記本体ゴム弾性体とは別体の環状マス部材を準備するマス準備工程と、該環状マス部材を、前記振動部材に装着された前記本体ゴム弾性体の前記マス装着溝に嵌め入れることによって該本体ゴム弾性体に組み付けるマス組付工程とを、含むことを特徴とする当接型の筒状制振装置の製造方法。

請求項2

前記環状マス部材を、前記本体ゴム弾性体における前記マス装着溝の形成部位の外周面に非接着で組み付ける請求項1に記載の筒状制振装置の製造方法。

請求項3

前記環状マス部材として、周上の一箇所に開口部が形成されたC字形状のものを採用し、前記振動部材に装着された前記本体ゴム弾性体に対して該開口部を通じて該環状マス部材を外挿し、かかる外挿状態下で縮径して前記マス装着溝に嵌め込む請求項1又は2に記載の筒状制振装置の製造方法。

請求項4

前記環状マス部材を複数の分割構造体によって形成し、それら分割構造体を前記マス装着溝に嵌め入れると共に、周方向で互いに組み合わせて相互に連結固定する請求項1又は2に記載の筒状制振装置の製造方法。

請求項5

ロッド状の振動部材に対して全長に亘って隙間をもった外挿状態で装着される中空筒体形状の本体ゴム弾性体を有しており、該本体ゴム弾性体の外周面には周方向に延びるマス装着溝が形成されていると共に、該本体ゴム弾性体の周上の一箇所には軸方向全長に亘って延びるスリットが形成されている一方、該本体ゴム弾性体と別体形成された環状マス部材が該マス装着溝に嵌め込まれて該本体ゴム弾性体に組み付けられていると共に、該本体ゴム弾性体の内周面において該環状マス部材が組み付けられた該マス装着溝から軸方向に離隔した位置には、該マス装着溝の形成部位よりも該振動部材に対する軸直角方向の隙間寸法が小さくされて該振動部材に対する軸直角方向での相対的な飛び跳ね変位に際して打ち当たる当接内周面が設定されていることを特徴とする当接型の筒状制振装置。

請求項6

前記環状マス部材が前記本体ゴム弾性体における前記マス装着溝の形成部位の外周面に非接着で組み付けられている請求項5に記載の筒状制振装置。

請求項7

前記環状マス部材が、前記マス嵌着溝への外挿状態下で縮径されることにより該マス装着溝に嵌め込まれている請求項5又は6に記載の筒状制振装置。

請求項8

前記環状マス部材が、周上の一箇所において開口部が形成されたC字形状の軸直角方向断面を有している請求項7に記載の筒状制振装置。

請求項9

前記環状マス部材が、周方向で互いに組み合わされて相互に連結固定された分割構造体によって形成されている請求項5又は6に記載の筒状制振装置。

請求項10

中空筒体形状の本体ゴム弾性体の外周面に周方向に延びるマス装着溝が形成されていると共に、該本体ゴム弾性体の周上の一箇所に軸方向全長に亘って延びるスリットが形成されており、該本体ゴム弾性体がロッド状の振動部材に対して全長に亘って隙間をもった外挿状態で装着されている一方、該本体ゴム弾性体と別体形成された環状マス部材が該マス装着溝に嵌め込まれて該本体ゴム弾性体に組み付けられていると共に、該本体ゴム弾性体の内周面において該環状マス部材が組み付けられた該マス装着溝から軸方向に離隔した位置には、該マス装着溝の形成部位よりも該振動部材に対する軸直角方向の隙間寸法が小さくされて該振動部材に対する軸直角方向での相対的な飛び跳ね変位に際して打ち当たる当接内周面が設定されていることを特徴とする当接型の筒状制振装置を備えた装着構造体

技術分野

0001

本発明は、各種のシャフトアーム管体等のように、振動が伝達されて加振される中空または中実ロッド状の振動部材に装着されて、振動部材の振動に対して制振効果が得られる、筒状制振装置とその製造方法および筒状制振装置を備えた装着構造体に関するものである。

背景技術

0002

力の伝達部材としてのシャフトやアーム、ビーム等の他、流体通路を形成する管体等の各種のロッド状の振動部材においては、それ自体の共振やそれを介しての振動伝達等が問題となる場合がある。かかる問題に対処するための方策として、従来から、(i)振動部材にマス部材を固設するマスダンパや、(ii)振動部材にバネ部材を介してマス部材を連結支持せしめるダイナミックダンパ(特許文献1(特開2004−92674号公報)参照)、(iii)振動部材の表面にシート状の弾性材を貼着した制振材が、知られている。

0003

ところが、マスダンパやダイナミックダンパは、何れも、大きなマス材の質量が必要になることに加えて、有効な制振効果の発揮される周波数域が狭いという問題があった。また、制振材は、広い貼着面積が必要になると共に、重量が嵩むという問題があった。更に、ダイナミックダンパは、マス−バネ系のバネ部材を構成するゴム材温度依存性が高いために、目的とする制振効果を安定して得ることが難しいという問題もあった。

0004

このような問題に対処するために、本出願人は、先に、特許文献2(国際公開第00/14429号パンフレット)において、独立マス部材の飛び跳ねによる打ち当たりに基づいて制振効果を発揮する当接型の制振装置を提案した。この制振装置は、振動部材に固定されたハウジングに対して独立マス部材を非接着変位可能に収容配置し、振動入力に伴い、独立マス部材を弾性的な当接面を介してハウジングに当接させることで、滑り摩擦や打ち当たりによるエネルギ損失等を利用して制振効果が得られるようになっている。これにより、独立マス部材の質量や独立マス部材と振動部材の当接部を構成する弾性材のばね剛性を調節すること等によって、比較的に小さなマス質量で、広い周波数域の振動に対して制振効果が発揮される。

0005

ところが、制振すべき振動周波数域チューニングするに際して、例えば独立マス部材の大きさを設定変更しようとすると、それがハウジングの配設スペース等の条件で制限されることが多く、また、独立マス部材と振動部材の当接部を構成する弾性材の耐久性の低下等によってばね剛性が調整され難い場合があることから、チューニング幅が制限される場合があった。特に、制振すべき振動が低周波数域にある場合に、独立マス部材の大きな質量や弾性材の低ばね特性が十分に得られ難いことに起因して、所期の制振効果が安定して発揮され難い問題を内在していた。

0006

そこで、本出願人は、更に、改良された当接型の制振装置として、特許文献3(特開2002−155988号公報)において、筒状乃至は環状のマス部材が振動部材に外挿されていると共に、マス部材の振動部材に対する軸直角方向の当接部が、当接に伴い剪断変形する弾性材で構成されて、マス部材に固着された構造のものを提案した。かかる構造によれば、マス部材の周りにハウジングを特別に設ける必要がなくなって、マス部材のチューニング自由度が向上されることに加え、弾性材を圧縮変形させる場合に比して当接部のばね定数を小さく設定することが出来る。それによって、チューニング周波数低周波側に設定変更することが容易となる。

0007

しかしながら、特許文献3に示される制振装置においては、筒状乃至は環状のマス部材を振動部材の端部から長手方向に沿って外挿して、振動部材の目的とする位置に装着するようになっている。そのため、長尺の振動部材への装着作業に手間がかかるだけでなく、例えば振動部材の軸直角方向断面が長手方向で変化していたり、振動部材の端部から装着位置までの間に屈曲部湾曲部が設けられていたりする場合に、それらの形状や大きさ等によっては、マス部材を長手方向に沿って外挿することが出来ない場合があった。しかも、振動部材の端部が他部材に固定される前にマス部材を外挿する必要があり、既に端部が他部材に固定されて閉じられた振動部材に対しては装着することが出来ないという不具合があった。

0008

そもそも、筒状乃至は環状のマス部材を備えた筒状制振装置にあっては、振動部材への装着作業に不具合が起きないように、マス部材や当接部の形状や大きさ、構造等の形態が、振動部材の長手方向に外挿する部位の形態に応じて設定される必要があったのであり、そのため、チューニング性能が制限されて、所期の制振効果が十分に得られ難い問題を内在していたのである。

0009

特開2004−92674号公報
国際公開第00/14429号パンフレット
特開2002−155988号公報

発明が解決しようとする課題

0010

ここにおいて、本発明は、上述の如き事情背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、当接型の筒状制振装置をロッド状の振動部材に対して容易に装着することが出来ると共に、制振効果が有利に発揮され得る、筒状制振装置の新規な製造方法や新規な構造の筒状制振装置を提供することにある。

0011

また、本発明の解決課題には、当接型の筒状制振装置におけるロッド状の振動部材への装着が容易になると共に、優れた制振効果が得られる、新規な構造の筒状制振装置を備えた装着構造体を提供することもある。

課題を解決するための手段

0012

以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。

0013

すなわち、本発明の特徴とするところは、(イ)中空筒体形状とされて、外周面には周方向に延びるマス装着溝を有すると共に、周上の一箇所には軸方向全長に亘って延びるスリットを有する本体ゴム弾性体を準備する本体ゴム準備工程と、(ロ)本体ゴム弾性体のスリットを拡開させて、制振対象となるロッド状の振動部材に対して本体ゴム弾性体を軸直角方向から装着し、本体ゴム弾性体の内周面全長に亘って振動部材の外周面に対して隙間をもって外挿位置させると共に、本体ゴム弾性体の内周面のマス装着溝から軸方向に離れた部分において振動部材との軸直角方向の離隔距離が最も小さくされて振動部材に打ち当たる当接内周面を設定する本体ゴム装着工程と、(ハ)本体ゴム弾性体とは別体の環状マス部材を準備するマス準備工程と、(ニ)環状マス部材を、振動部材に装着された本体ゴム弾性体のマス装着溝に嵌め入れることによって本体ゴム弾性体に組み付けるマス組付工程とを、含む当接型の筒状制振装置の製造方法にある。

0014

このような本発明に係る筒状制振装置の製造方法では、本体ゴム弾性体をスリットを通じて軸直角方向から振動部材に外挿状態で装着すると共に、かかる本体ゴム弾性体のマス装着溝に環状マス部材を嵌め入れて本体ゴム弾性体に組み付けることで、振動部材に装着された状態の筒状制振装置が実現される。

0015

これにより、筒状制振装置を振動部材の軸方向端部から外挿することなく、振動部材の目的とする位置に直接に装着することが出来る。従って、筒状制振装置の振動部材への装着が極めて簡単になる。また、振動部材の装着位置以外の部位における形状や大きさ、装着スペース、或いは振動部材の端部が他部材に固定されているか等の形態を特に考慮せずとも、本体ゴム弾性体や環状マス部材の形態を設定変更することが出来、その結果、本体ゴム弾性体の当接内周面と振動部材の離隔距離や環状マス部材の質量を高精度に設定することも可能となって、チューニング性能が有利に向上され得る。

0016

また、本体ゴム弾性体とは別体の環状マス部材が準備されることによって、大きさや質量等の異なる環状マス部材の複数とばね剛性等の異なる本体ゴム弾性体の複数を組み合わせて、複数種類の制振装置が容易に実現される。即ち、制振すべき振動周波数のチューニング性能が向上される。

0017

それ故、当接型の筒状制振装置がロッド状の振動部材に容易に装着されて、目的とする制振効果が有利に発揮され得るのである。

0018

加えて、筒状制振装置における製造と振動部材への装着を一連の作業で行うことが出来、制振装置を装着前に特別にストックする必要がないことから、生産効率飛躍的に向上され得る。

0019

また、本発明に係る筒状制振装置の製造方法においては、環状マス部材を、本体ゴム弾性体におけるマス装着溝の形成部位の外周面に非接着で組み付けることが、好適に採用される。このような製造方法では、環状マス部材と本体ゴム弾性体の間に接着処理を施す工程がなくて、製作容易性が一層有利に向上され得る。

0020

特に本製造方法によれば、環状マス部材が本体ゴム弾性体の外周面に非接着で組み付けられることによって、環状マス部材による本体ゴム弾性体の拘束力が軽減される。これにより、本体ゴム弾性体のたわみが十分に確保されて、特に低ばね剛性による低周波数域のチューニングも有利に図られ得る。

0021

さらに、環状マス部材が本体ゴム弾性体の外周面に非接着で組み付けられることで、振動入力に伴い環状マス部材と本体ゴム弾性体の間に生じる滑り摩擦に基づいて制振効果が期待される。それによって、特性のブロード化が有利に図られ得る。

0022

それ故、制振すべき振動周波数のチューニング性能が向上されて、問題となる低周波数域の振動に対しても優れた制振効果が得られるのである。

0023

また、本発明に係る筒状制振装置の製造方法においては、環状マス部材として、周上の一箇所に開口部が形成されたC字形状のものを採用し、振動部材に装着された本体ゴム弾性体に対して開口部を通じて環状マス部材を外挿し、かかる外挿状態下で縮径してマス装着溝に嵌め込むことが、採用されても良い。これにより、周方向の曲げ変形が容易となって、環状マス部材の縮径加工が容易になることに加え、環状マス部材の内周面を本体ゴム弾性体の外周面に対してより密着状に当接させることによって、環状マス部材と本体ゴム弾性体の間の滑り摩擦による制振効果を向上させることも可能となる。

0024

また、本発明に係る筒状制振装置の製造方法においては、環状マス部材を複数の分割構造体によって形成し、それら分割構造体をマス装着溝に嵌め入れると共に、周方向で互いに組み合わせて相互に連結固定することが、採用されても良い。これにより、環状マス部材を本体ゴム弾性体に対して縮径加工によらずに組み付けることが出来、例えば剛性や質量の大きな環状マス部材でも容易に組み付けることが出来る。それによって、環状マス部材の設計変更に基づくチューニング性能の更なる向上が図られ得る。

0025

さらに、本発明の特徴とするところは、ロッド状の振動部材に対して全長に亘って隙間をもった外挿状態で装着される中空筒体形状の本体ゴム弾性体を有しており、本体ゴム弾性体の外周面には周方向に延びるマス装着溝が形成されていると共に、本体ゴム弾性体の周上の一箇所には軸方向全長に亘って延びるスリットが形成されている一方、本体ゴム弾性体と別体形成された環状マス部材がマス装着溝に嵌め込まれて本体ゴム弾性体に組み付けられていると共に、本体ゴム弾性体の内周面において環状マス部材が組み付けられたマス装着溝から軸方向に離隔した位置には、マス装着溝の形成部位よりも振動部材に対する軸直角方向の隙間寸法が小さくされて振動部材に対する軸直角方向での相対的な飛び跳ね変位に際して打ち当たる当接内周面が設定されている当接型の筒状制振装置にある。

0026

このような本発明に従う構造とされた筒状制振装置においては、振動部材の振動入力に伴い環状マス部材が変位して振動部材に打ち当たる際に、本体ゴム弾性体の当接内周面を介して打ち当たることとなる。従って、本体ゴム弾性体の共振作用を利用すれば、低周波数域の小さなエネルギ振動入力時においても、振動部材に対する環状マス部材の振幅倍率を1以上とすることが出来る。それ故、環状マス部材が効率的に飛び跳ね変位して、環状マス部材と振動部材の滑り摩擦や衝突によるエネルギ損失に基づく制振効果が有利に発揮され得る。

0027

そこにおいて、本体ゴム弾性体の周上の一箇所に軸方向全長に亘って延びるスリットが形成されていることにより、本体ゴム弾性体が振動部材に外挿装着される際に、本体ゴム弾性体に形成されたスリットを拡開させ、かかるスリットを通じて、本体ゴム弾性体を軸直角方向から振動部材に組み付ける態様が好適に採用される。それによって、筒状制振装置を振動部材の端部から外挿して、目的とする位置にまで移動させる手間が省けて、装着作業が容易になることに加え、既に端部が他部材に固定されて閉じてしまった振動部材に対しても組み付けることが可能となり、装着態様が有利に拡張され得るのである。

0028

また、本発明に係る筒状制振装置においては、環状マス部材が本体ゴム弾性体におけるマス装着溝の形成部位の外周面に非接着で組み付けられている構造が、好適に採用される。

0029

また、本発明に係る筒状制振装置においては、環状マス部材が、マス嵌着溝への外挿状態下で縮径されることによりマス装着溝に嵌め込まれている構造が、採用されても良い。このような構造によれば、環状マス部材の本体ゴム弾性体への組み付け状態の安定が、簡単な作業で実現され得る。

0030

さらに、上述の筒状制振装置においては、環状マス部材が、周上の一箇所において開口部が形成されたC字形状の軸直角方向断面を有している構造が、好適に採用される。

0031

また、本発明に係る筒状制振装置においては、環状マス部材が、周方向で互いに組み合わされて相互に連結固定された分割構造体によって形成されている構造が採用されても良い。

0032

更にまた、本発明の特徴とするところは、中空筒体形状の本体ゴム弾性体の外周面に周方向に延びるマス装着溝が形成されていると共に、本体ゴム弾性体の周上の一箇所に軸方向全長に亘って延びるスリットが形成されており、本体ゴム弾性体がロッド状の振動部材に対して全長に亘って隙間をもった外挿状態で装着されている一方、本体ゴム弾性体と別体形成された環状マス部材がマス装着溝に嵌め込まれて本体ゴム弾性体に組み付けられていると共に、本体ゴム弾性体の内周面において環状マス部材が組み付けられたマス装着溝から軸方向に離隔した位置には、マス装着溝の形成部位よりも振動部材に対する軸直角方向の隙間寸法が小さくされて振動部材に対する軸直角方向での相対的な飛び跳ね変位に際して打ち当たる当接内周面が設定されている当接型の筒状制振装置を備えた装着構造体にある。

0033

このような本発明に従う構造とされた装着構造体においては、主振動系たる振動部材に対しての副振動系を構成する筒状制振装置にあって、本体ゴム弾性体の外周面に周方向に延びるマス装着溝が形成されていると共に、本体ゴム弾性体の周上の一箇所に軸方向全長に亘って延びるスリットが形成されている。これにより、筒状制振装置が振動部材に外挿装着される際に、本体ゴム弾性体に形成されたスリットを拡開させ、かかるスリットを通じて、本体ゴム弾性体を軸直角方向から振動部材に組み付けると共に、マス装着溝に環状マス部材を嵌め入れる態様が好適に採用される。

0034

従って、筒状制振装置を振動部材の端部から外挿して、目的とする位置にまで移動させる手間が省けて、装着作業が容易になることに加え、既に端部が他部材に固定されて閉じてしまった振動部材に対しても組み付けることが出来、装着態様の拡張が有利に図られ得る。また、振動部材の装着位置以外の部位における形状や大きさ、装着スペース、或いは振動部材の端部が他部材に固定されているか等の形態を特別に考慮する必要がなくなり、本体ゴム弾性体の当接内周面と振動部材の離隔距離を高精度に設定することも可能となって、チューニング性能が向上され得る。

0035

それ故、当接型の筒状制振装置がロッド状の振動部材に装着された装着構造体が容易に実現され得ると共に、所期の制振効果が安定して得られるのである。

発明を実施するための最良の形態

0036

以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について説明する。先ず、図1〜2には、本発明の第一の実施形態としての筒状制振装置10がロッド状の振動部材としてのアーム12に装着されてなる装着構造体14が示されている。この筒状制振装置10は、本体ゴム弾性体16と環状マス部材としての環状マス金具18を含んで構成されており、主振動系たるアーム12に装着されて、主振動系に対する副振動系を構成するようになっている。

0037

より詳細には、本体ゴム弾性体16は、図3にも示されているように、略円筒形状を有していると共に、ゴム弾性材からなる。ゴム弾性材としては、例えば、ASTM規格D2240のショアD硬さが好ましくは80以下、より好ましくは20〜40とされて、天然ゴムスチレンブタジエンゴムイソプレンゴムアクリロニトリルブタジエンゴムクロロプレンゴムブチルゴム等の単体若しくはそれらを適宜に混合したものが採用される。

0038

本体ゴム弾性体16の軸方向(図1中、左右)の中央に位置する円筒形状の中央筒部20には、マス装着溝22が設けられている。マス装着溝22は、中央筒部20の外周面に開口する矩形凹状断面で本体ゴム弾性体16の周方向の全体に亘って連続して延びている。また、マス装着溝22の幅寸法が、中央筒部20の軸方向長さよりも僅かに小さくされており、本体ゴム弾性体16の全体の軸方向長さと比較すると、その1/4〜1/2とされている。かかるマス装着溝22が中央筒部20に形成されていることによって、マス装着溝22の底部を構成する本体ゴム弾性体16の軸方向中央部分の厚さ寸法が小さくされている。

0039

また、本体ゴム弾性体16の中央筒部20の軸方向両端部分には、軸方向外方に向かって径寸法が次第に小さくなるテーパ状部24がそれぞれ設けられている。更に、テーパ状部24の小径側先端部分に対して、軸方向に延びる円筒形状の端部側筒部26が設けられている。中央筒部20においてマス装着溝22が形成されていない軸方向両側の厚さ寸法と端部側筒部26の厚さ寸法が、略同じとされている。

0040

すなわち、本体ゴム弾性体16におけるマス装着溝22を備えた中央筒部20の外径寸法が、軸方向両側の端部側筒部26の外径寸法よりも大きくされており、本体ゴム弾性体16の最大外径寸法とされている。これにより、本体ゴム弾性体16の軸方向両端の端部側筒部26が、本体ゴム弾性体16の中央筒部20よりも径方向(軸直角方向)の内方張り出した形状とされている。本体ゴム弾性体16の内周面において、中央筒部20の内周面よりも径方向内方に張り出した端部側筒部26の内周面が、本実施形態に係る当接内周面28とされている。当接内周面28は、周方向に連続して延びる円筒形状を呈している。このことからも明らかなように、本実施形態では、当接内周面28が、マス装着溝22の軸方向両側にそれぞれ形成されていると共に、各当接内周面28は、マス装着溝22の幅方向の各端部から軸方向に所定の距離:Lだけ隔てた部分に位置せしめられている。

0041

そこにおいて、本体ゴム弾性体16の周上の一箇所には、スリット30が形成されている。スリット30は、本体ゴム弾性体16の内周面と外周面を厚さ方向に貫通していると共に、軸方向全長に亘って延びて、本体ゴム弾性体16の各端部側筒部26の軸方向端面を貫通している。それによって、本体ゴム弾性体16が、周上の一箇所で軸方向に切り欠かれた筒体とされている。

0042

なお、スリット30は、例えば、本体ゴム弾性体16を加硫成形した後に、その周上の一箇所に軸方向に延びる切断加工が施されることで形成される。また、本体ゴム弾性体16が変形しない状態下で、スリット30の幅方向両端面が、全体に亘って互いに重ね合わせられているか、或いは本体ゴム弾性体16の周方向に僅かな距離を隔てて対向位置せしめられていることにより、スリット30が外観略線状を呈している。

0043

一方、環状マス金具18は、図4にも示されているように、周方向に略一定の矩形断面で延びる円環形状とされていると共に、鉄やアルミニウム等の金属材ナイロン系樹脂等の樹脂材、或いはそれらの複合材等を用いて形成される。

0044

また、環状マス金具18の周上の一箇所には、開口部32が形成されている。開口部32は、環状マス金具18の内周面と外周面を厚さ方向に貫通していると共に、軸方向に所定の幅寸法で延びて環状マス金具18の軸方向両端部を貫通している。それによって、環状マス金具18が、C字形状の軸直角方向断面を有している。

0045

特に本実施形態では、環状マス金具18の内周面に開口する開口部32の幅方向両端部分の幅方向(図6中、上下)の離隔距離、即ち開口部32の最小幅寸法:w1と、アーム12の径寸法:D1と、本体ゴム弾性体16におけるマス装着溝22の底部を構成する中央筒部20の厚さ寸法:tとの関係において、以下の式1が成り立つように、本体ゴム弾性体16や環状マス金具18が成形されている(図6参照。)。
w1 ≧ D1 + 2t ・・・式1
即ち、開口部32の最小幅寸法:w1が、アーム12の径寸法:D1と本体ゴム弾性体16の中央筒部20の軸直角寸法(厚さ寸法:tの2倍)の合計と同じか、それよりも大きくされている。

0046

なお、本実施形態では、開口部32の最小幅寸法:w1が、アーム12の径寸法:D1よりも大きくされており、更にアーム12の径寸法:D1と中央筒部20の軸直角寸法の合計:D1+2tよりも僅かに大きくされている。また、開口部32の最小幅寸法:w1が、本体ゴム弾性体16の中央筒部20の外径寸法(本体ゴム弾性体16の最大外径寸法):D2よりも小さくされており、更に本体ゴム弾性体16のマス装着溝22に環状マス金具18を組付ける前のマス装着溝22の外径寸法:D3よりも僅かに小さくされている。

0047

また、マス装着溝22への組付け前の環状マス金具18における開口部32の開口方向(図5中、左右)に略直交する方向の内径寸法:d1が、本体ゴム弾性体16の中央筒部20の外径寸法:D2よりも小さくされていると共に、環状マス金具18を組付ける前のマス装着溝22の外径寸法:D3よりも大きくされている。

0048

このような環状マス金具18が本体ゴム弾性体16のマス装着溝22に外挿された状態下で、環状マス金具18に八方絞り等の縮径加工が施されている。環状マス金具18が縮径変形することに伴い、開口部32の幅方向両端部が互いに接近する方向に変位する。本実施形態では、開口部32の幅方向両端部が互いに重ね合わせられている。

0049

また、環状マス金具18の縮径変形によって、環状マス金具18の内径寸法が、d1からd2に変化して小さくされている(図2参照。)。この環状マス金具18のマス装着溝22への組み付け状態における内径寸法:d2は、環状マス金具18を組付ける前のマス装着溝22の外径寸法:D3に比して僅かに小さくされている。これにより、本体ゴム弾性体16におけるマス装着溝22の形成部位が弾性変形して、環状マス金具18の内周面がマス装着溝22の底面を構成する本体ゴム弾性体16の中央筒部20の外周面に対して全体に亘って弾性的に密着されている。

0050

さらに、環状マス金具18の軸方向(図1中、左右)の寸法が、マス装着溝22の幅方向(図1中、左右)の寸法と同じか、それよりも僅かに大きくされている。それによって、環状マス金具18がマス装着溝22に嵌め込まれた状態で、本体ゴム弾性体16におけるマス装着溝22の形成部位が弾性変形をし、環状マス金具18の軸方向両端面が、マス装着溝22の幅方向両端面(換言すると筒状制振装置10の軸方向の両側壁面)を構成する本体ゴム弾性体16の中央筒部20の外周面に対して弾性的に密着されている。

0051

これにより、環状マス金具18がマス装着溝22に嵌め込まれて、本体ゴム弾性体16の外周面に非接着で組み付けられ、本実施形態に係る筒状制振装置10が構成されている。

0052

このような構造とされた筒状制振装置10が、図1,2に示される如きアーム12に組み付けられることで、筒状制振装置10およびアーム12を備えた装着構造体14が構成されるようになっている。アーム12は、円形断面で軸方向に所定の長さで延びる中実のロッド状とされており、例えば自動車サスペンション部材等に適用される。

0053

かかるアーム12に対して筒状制振装置10の本体ゴム弾性体16が外挿されて、アーム12の振動が問題となる位置に配される。また、アーム12の筒状制振装置10を挟んだ軸方向両側には、位置決め手段としての円環形状のストッパ金具34が固設されている。一対のストッパ金具34,34におけるアーム12の長手方向(図1中、左右)の離隔距離が筒状制振装置10の軸方向長さよりも大きくされていることで、筒状制振装置10の軸直角方向の変位が許容されていると共に、アーム12における一対のストッパ金具34,34の間を超えた領域への筒状制振装置10の軸方向の変位が制限されている。

0054

なお、ストッパ金具34の構造は、公知のものが採用可能であることから、その詳細な説明を省略するが、好適にはアーム12に軸直角方向から組み付けられるものが採用される。例えば、特開平11−141600号公報の図7にも示されているように、周上の一部に丁番部が設けられて周方向に拡開可能な構造とされ、拡開されたストッパ金具34が軸直角方向からアーム12に嵌め付けられて、拡開部分が閉じられると共にボルト等でアーム12に締め付け固定されたり、或いは特開平11−141600号公報の図8にも示されているように、周方向で複数に分割した構造とされ、それらがアーム12の周囲に巻き付けるように配されて互いにボルト等でアーム12に固定されたりする形態が採用される。また、ストッパ金具34が、予めアーム12に一体的に固設されていても良い。

0055

そして、筒状制振装置10とアーム12を同一中心軸上に位置せしめた状態下で、本体ゴム弾性体16の当接内周面28とアーム12の外周面の間には、全周に亘って所定の寸法:δ1の隙間が連続して設けられていると共に、本体ゴム弾性体16の中央筒部20の内周面とアーム12の外周面の間には、全周に亘って所定の寸法:δ2の隙間が連続して設けられており、δ1<δ2とされている。要するに、本体ゴム弾性体16が、ロッド状のアーム12に対して全長に亘って隙間をもった外挿状態で装着されている。なお、図1,2には、理解を容易とするために、筒状制振装置10とアーム12を同一中心軸上に位置せしめた状態が示されており、筒状制振装置10がアーム12に装着されて静止した状態では、筒状制振装置10が重力の作用によって隙間:δ1だけ鉛直下方に変位して、本体ゴム弾性体16の各当接内周面28における周上の一箇所がアーム12の外周面に当接している。

0056

ここで、本実施形態に係る筒状制振装置10の製造方法の一具体例と筒状制振装置10およびアーム12を備えた装着構造体14の製造方法の一具体例について併せて説明するが、本発明はかかる具体例に限定されるものでない。

0057

先ず、前述の如き本体ゴム弾性体16や環状マス金具18、一対のストッパ金具34,34を、それぞれ別体形成して準備する。これにより、マス装着溝22やスリット30を有する本体ゴム弾性体16を準備する本体ゴム準備工程と、本体ゴム弾性体16とは別体の環状マス金具18を準備するマス準備工程を完了する。

0058

また、図5にも示されているように、本体ゴム弾性体16の内周面に開口するスリット30の幅方向両端部分の幅方向(図5中、上下)の離隔距離、即ちスリット30の最小幅寸法:w2を、アーム12の径寸法:D1よりも大きくする。それによって、本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づき、スリット30が周方向に広がるように拡開する。

0059

この拡開したスリット30から、アーム12の目的とする装着部分を本体ゴム弾性体16の内側に嵌め入れる。換言すれば、本体ゴム弾性体16を、拡開したスリット30を通じてアーム12の軸直角方向(図5中、左右)からアーム12に嵌め付ける。また、本体ゴム弾性体16の弾性変形を解除して、スリット30が拡開していない元の閉じた状態にすることで、本体ゴム弾性体16を初期の円筒形状にする。

0060

その結果、本体ゴム弾性体16の内周面を全長に亘ってアーム12の外周面に対して隙間をもって外挿位置させると共に、本体ゴム弾性体16の内周面において、マス装着溝22の形成部位となる中央筒部20の内周面を挟んだ軸方向両側に形成された当接内周面28,28が、アーム12に対する軸直角方向の離隔距離で最も小さくなる。これにより、本体ゴム弾性体16をアーム12に装着する本体ゴム装着工程が完了する。

0061

また、図6にも示されているように、環状マス金具18を、アーム12に装着された本体ゴム弾性体16のマス装着溝22に軸直角方向から入れて、アーム12を内挿した本体ゴム弾性体16の中央筒部20におけるマス装着溝22の底部を構成する部分(本体ゴム弾性体16の軸方向中央部分)を、環状マス金具18の開口部32を通じて環状マス金具18の内側に嵌め入れる。

0062

特に本実施形態では、開口部32の最小幅寸法:w1が、環状マス金具18を組付ける前のマス装着溝22の外径寸法:D3よりも僅かに小さくされていると共に、アーム12の径寸法:D1と本体ゴム弾性体16の中央筒部20の軸直角寸法(厚さ寸法:tの2倍)の合計よりも大きくされている。また、アーム12が中央筒部20に対して隙間:δ2をもって内挿されている。従って、中央筒部20を縮径するように弾性変形させつつ、アーム12を内挿した状態の中央筒部20を開口部32を通じて環状マス金具18の内側に嵌め入れることが可能となる。

0063

このように本体ゴム弾性体16のマス装着溝22に外挿されると共に、アーム12を内挿した中央筒部20を内側に嵌め入れた環状マス金具18に対して、軸直角方向外方から八方絞り等の縮径加工を施す。そして、環状マス金具18の縮径変形に伴い、開口部32の幅方向両端部を互いに接近する方向に変位せしめると共に、互いに付き合わせるように重ね合わせる。かかる縮径変形によって、環状マス金具18の内周面を、マス装着溝22の底面を構成する本体ゴム弾性体16の中央筒部20の外周面に対して全体に亘って弾性的に密着状態で重ね合わせると共に、環状マス金具18の軸方向両端面を、マス装着溝22の幅方向両端面を構成する本体ゴム弾性体16の中央筒部20の外周面に対して弾性的に密着状態で重ね合わせる。これにより、環状マス金具18をアーム12に装着された本体ゴム弾性体16のマス装着溝22に嵌め入れて本体ゴム弾性体16に組み付けるマス組付工程が完了すると共に、アーム12が本体ゴム弾性体16に内挿された状態の筒状制振装置10が実現される。特に本実施形態では、環状マス金具18が本体ゴム弾性体16の外周面に非接着で組み付けられている。

0064

また、例えば、周上の一部に丁番部が設けられて周方向に拡開可能な構造のストッパ金具34を、軸直角方向からアーム12の所定の位置に嵌め付けて、図示しない拡開部分を周方向に閉じると共にボルト等でアーム12に締め付け固定する。そして、一対のストッパ金具34,34をアーム12に固定すると共に、筒状制振装置10の軸方向長さよりも大きな距離を隔てて対向位置せしめ、それらの対向面間にアーム12に装着された筒状制振装置10を位置せしめる。なお、ストッパ金具34のアーム12に対する固定は、筒状制振装置10をアーム12に装着する前にしても良く、装着後にしても良い。また、例えば、周方向に連続した円環形状を有するストッパ金具34をアーム12の端部から圧入して固定した後に、一対のストッパ金具34,34の対向面間に延びるアーム12に対して前述の如く筒状制振装置10を装着することも可能である。要するに、ストッパ金具34の構造や筒状制振装置10とストッパ金具34のアーム12に対する組み付け工程は、アーム12の形状や自動車への配設状態、製作性等に応じて適当に設定される。これにより、図1,2に示されている如き、アーム12に対して筒状制振装置10が装着された装着構造体14が実現される。

0065

上述の如き構造とされた筒状制振装置10においては、アーム12に軸直角方向の振動が入力されると、本体ゴム弾性体16とアーム12が軸直角方向に相対的に変位して、本体ゴム弾性体16における中央筒部20の内周面よりもアーム12の外周面に対する軸直角方向の隙間寸法が小さくされた当接内周面28がアーム12の外周面に打ち当たる。即ち、環状マス金具18が本体ゴム弾性体16の当接内周面28,28を介してアーム12に打ち当たることとなり、かかる打ち当たりに際しての滑り摩擦や衝撃によるエネルギ損失に基づいて、制振効果が発揮される。

0066

特に本実施形態では、当接内周面28が、本体ゴム弾性体16の中央筒部20に形成されたマス装着溝22から軸方向に所定の距離:Lだけ離隔されていると共に、中央筒部20の内周面よりもアーム12の外周面に対する軸直角方向の隙間寸法が小さくされている。それによって、環状マス金具18が当接内周面28を介してアーム12に打ち当たる際に、当接内周面28を備えた端部側筒部26と環状マス金具18の間に剪断方向外力が及ぼされて、本体ゴム弾性体16において中央筒部20と端部側筒部26の間に設けられたテーパ状部24,24が、主として剪断方向に弾性変形する。

0067

その結果、テーパ状部24の剪断変形に基づいて低動ばね特性が得られることとなり、環状マス金具18のアーム12への打ち当たりによる制振効果における共振作用的なピーク領域を低周波側に設定することが容易になって、低周波数域の振動に対する制振効果が有利に発揮され得るのである。

0068

そこにおいて、本実施形態に係る筒状制振装置10では、本体ゴム弾性体16の周上の一箇所にスリット30が形成されていると共に、本体ゴム弾性体16の外周面に周方向に延びるマス装着溝22が形成されていることによって、本体ゴム弾性体16をスリット30を通じて軸直角方向からアーム12に外挿状態で装着した後に、マス装着溝22に環状マス金具18を嵌め入れて本体ゴム弾性体16に組み付ける製造方法が、好適に採用され得る。

0069

これにより、筒状制振装置10をアーム12の軸方向端部から外挿して目的とする位置まで移動させることなく、当該位置に直接に装着することが出来るため、装着が極めて簡単になる。

0070

特に本実施形態では、スリット30が、本体ゴム弾性体16の周上において軸方向と平行に延びる外観略線状とされていることから、その成形が簡単とされると共に、スリット30の拡開作業が容易になる。また、本体ゴム弾性体16がアーム12に装着された際には、スリット30の幅方向両端部が互いに重ね合わせられて、スリット30が閉じた状態になることから、スリット30を設けたことによるばね特性の影響が抑えられて、所期の制振効果が安定して得られる。

0071

また、アーム12の装着位置以外の部位における形状や大きさ、装着スペース、或いはアーム12の端部が自動車を構成する他部材に固定されているか等の形態を特に考慮せずとも、本体ゴム弾性体16や環状マス金具18の形態を設定変更することが出来、その結果、本体ゴム弾性体16の当接内周面28とアーム12の外周面の離隔距離や環状マス金具18の質量を高精度に設定することも可能となって、チューニング性能が有利に向上され得る。

0072

さらに、環状マス金具18と本体ゴム弾性体16が、それぞれ別体形成されていることによって、要求される振動周波数域に応じて、大きさや質量等が設定変更された環状マス金具18とばね剛性等が設定変更された本体ゴム弾性体16の少なくとも一方を現行の環状マス金具18または本体ゴム弾性体16に代えて、本体ゴム弾性体16または環状マス金具18に組み付けることが可能となる。

0073

すなわち、環状マス金具18と本体ゴム弾性体16を成形する際に各々独立した金型が用意されることから、環状マス金具18と本体ゴム弾性体16を一体加硫成形する金型に比して、金型構造が簡単とされる。

0074

また、振動周波数域をチューニングする際に、一体加硫成形する金型では形態が異なる金型を新たに用意しなければ環状マス金具18と本体ゴム弾性体16の少なくとも一方を設定変更することが出来ないのに対して、本実施形態では、環状マス金具18と本体ゴム弾性体16の何れか一方の金型を設定変更すれば、容易にチューニングされる。しかも、それぞれ形態の異なる環状マス金具18の複数と本体ゴム弾性体16の複数を組み合わせることによって、チューニング特性が、簡単な構造で、有利に向上され得る。

0075

また、環状マス金具18と本体ゴム弾性体16を一体加硫成形する場合には、比較的に長い時間をかけて加硫しなければ、環状マス金具18の熱容量等の影響によって、本体ゴム弾性体16の架橋状態が安定しない問題がある。この点に関して本実施形態では、環状マス金具18と本体ゴム弾性体16が別体形成されることから、本体ゴム弾性体16の加硫成形において環状マス金具18の熱容量等の影響を考慮する必要がなくなり、環状マス金具18と本体ゴム弾性体16を一体加硫成形する場合に比して、本体ゴム弾性体16の成形を短時間で行うことが出来る。その結果、優れた量産性が発揮され得る。

0076

また、本体ゴム弾性体16の外周面にマス装着溝22を形成し、そこに環状マス金具18が嵌め込まれることで本体ゴム弾性体16の外周面に組み付けられるようにしたことから、安定した組み付け状態が実現される。これにより、環状マス金具18を本体ゴム弾性体16に組み付ける際に、例えば環状マス金具18と本体ゴム弾性体16の間に接着剤を塗布したり、環状マス金具18と本体ゴム弾性体16を一体加硫成形したりする等の複雑な処理を施す必要がない。それ故、製作容易性が有利に向上され得る。

0077

特に本実施形態では、環状マス金具18が本体ゴム弾性体16の外周面に非接着で組み付けられていることによって、製作容易性が一層向上され得ることに加えて、環状マス金具18による本体ゴム弾性体16の拘束力が軽減されている。これにより、本体ゴム弾性体16のたわみが十分に確保されて、特に低ばね剛性による低周波数域のチューニングも有利に図られ得る。

0078

さらに、マス装着溝22の底面が環状マス金具18の内周面に弾性的に密着されていると共に、マス装着溝22の軸方向両側壁面が環状マス金具18の軸方向両端面に弾性的に密着されているため、振動入力に伴い環状マス金具18と本体ゴム弾性体16の間に滑り摩擦が有効に生ぜしめられる。それによって、かかる滑り摩擦に基づいて制振特性のブロード化が有利に図られ得る。

0079

それ故、制振すべき振動周波数のチューニング性能が向上されて、問題となる低周波数域の振動に対しても優れた制振効果が発揮される筒状制振装置10が、アーム12に容易に装着されて、それら筒状制振装置10およびアーム12を備えてなる装着構造体14が有利に実現され得るのである。

0080

また、本実施形態においては、環状マス金具18の開口部32の最小幅寸法:w1が、環状マス金具18を組付ける前のマス装着溝22の外径寸法:D3よりも僅かに小さくされているものの、アーム12の径寸法:D1よりも大きくされていることに加えて、アーム12が中央筒部20に対して隙間:δ2をもって内挿されている。その結果、中央筒部20を縮径するように弾性変形させつつ、アーム12を中央筒部20に内挿した状態で、中央筒部20を開口部32を通じて環状マス金具18の内側に嵌め入れることが可能となる。従って、筒状制振装置10のアーム12への装着作業と製造を並行させる態様が有利に実現され得る。

0081

特に、環状マス金具18の開口部32の最小幅寸法:w1が、アーム12の径寸法:D1と中央筒部20の軸直角寸法:2tの合計:D1+2tよりも僅かに大きくされていることによって、中央筒部20を開口部32を通じて環状マス金具18に嵌め込む際に、開口部32の角部と中央筒部20が接触して中央筒部20を損傷せしめることが抑えられる。その結果、本体ゴム弾性体16の耐久性が向上され得る。

0082

また、マス装着溝22への組付け前の環状マス金具18における内径寸法:d1が、本体ゴム弾性体16の中央筒部20の外径寸法:D2よりも小さくされていると共に、環状マス金具18を組付ける前のマス装着溝22の外径寸法:D3よりも大きくされていることによって、環状マス金具18のマス装着溝22への嵌め付けの容易性が確保されつつ、環状マス金具18の内径寸法:d1が抑えられる。それ故、環状マス金具18の縮径加工が容易となって、組み付け作業が一層容易になる。

0083

次に、図7には、本発明の第二の実施形態としての筒状制振装置40がアーム12に組み付けられてなる装着構造体が示されている。本実施形態に係る筒状制振装置40は、第一の実施形態に係る筒状制振装置10の本体ゴム弾性体16や当接内周面28等と異なる形態のものを備えている。なお、以下の説明において、前記実施形態と実質的に同一の構造とされた部材および部位については、前記実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。

0084

本実施形態に係る本体ゴム弾性体42は、ストレートに延びる円筒形状とされている。本体ゴム弾性体42の内径寸法が全体に亘って略一定とされている。この本体ゴム弾性体42の軸方向中央部分から軸方向外方に離隔した軸方向両側の外周面にマス装着溝22が設けられており、環状マス金具18が、マス装着溝22に嵌め込まれて、本体ゴム弾性体42の外周面に非接着で組み付けられている。

0085

また、本体ゴム弾性体42の周上の一箇所には、前記第一の実施形態と同様なスリット30が形成されており、かかるスリット30が拡開されて、本体ゴム弾性体42の内側にアーム12が嵌め入れられることで、本体ゴム弾性体42が、軸方向全長に亘って軸直角方向に隙間をもってアーム12に外挿された状態で装着されている。

0086

、アーム12における本体ゴム弾性体42の軸方向中央部分と軸直角方向で対向位置せしめられる部分には、略円環形状当接リング44が圧入等で固定されている。当接リング44は周方向の全周に亘って略一定の矩形断面で延びている。

0087

そして、筒状制振装置40とアーム12を同一中心軸上に位置せしめた状態下で、本体ゴム弾性体42における一対のマス装着溝22,22の間の軸方向中央部分の内周面とアーム12に固定された当接リング44の外周面との間には、全周に亘って所定の寸法:δ3の隙間が連続して設けられていると共に、本体ゴム弾性体42におけるマス装着溝22が形成された軸方向両端の内周面とアーム12の外周面の間には、全周に亘って所定の寸法:δ4の隙間が連続して設けられており、δ3<δ4とされている。

0088

すなわち、本実施形態では、本体ゴム弾性体42において、マス装着溝22の形成部位よりもアーム12に対する軸直角方向の隙間寸法が小さくされて、アーム12に対する軸直角方向での相対的な飛び跳ね変位に際して打ち当たる当接内周面46が、軸方向に離隔して一対形成されたマス装着溝22,22の間の軸方向中央部分の内周面を含んで構成されている。

0089

このような構造とされた筒状制振装置40においては、本体ゴム弾性体42がスリット30を通じてアーム12に軸直角方向から外挿装着されると共に、環状マス金具18がアーム12に装着された本体ゴム弾性体42のマス装着溝22に嵌め込まれて、本体ゴム弾性体42の外周面に非接着で組み付けられている。それ故、第一の実施形態に係る筒状制振装置10と同様に、筒状制振装置40のアーム12に対する装着容易性と制振すべき振動周波数のチューニング性能が、ともに有利に向上され得る。

0090

特に本実施形態では、環状マス金具18が一対設けられていることから、マスパワーに基づく制振効果が一層有利に発揮され得る。

0091

また、本体ゴム弾性体42がストレートな円筒形状とされていることによって、金型構造が簡単となることに加え、加硫成形した際に凹凸部分に発生する歪みが軽減されて、耐久性が向上され得る。

0092

さらに、本実施形態では、本体ゴム弾性体42の当接内周面46が、アーム12に固設された当接リング44を介してアーム12に当接するようになっているので、当接リング44の形状や大きさ、構造等を設定変更することによって、チューニング性能が一層有利に向上され得る。

0093

以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であり、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能である。また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。

0094

例えば、環状マス金具18や本体ゴム弾性体16、マス装着溝22、当接内周面28、スリット30における形状や大きさ、構造、数、配置等の形態は、要求される制振性能や製作性、装着性配設条件等によって適宜に設定変更されるものであり、例示の如きものに限定されない。

0095

具体的には、例えば図8にも示されているように、本体ゴム弾性体16において、環状マス金具18が組み付けられたマス装着溝22を軸方向に離隔して3つ形成し、軸方向で互いに隣り合うマス装着溝22,22の形成部位の間に当接内周面28を形成すると共に、本体ゴム弾性体16の軸方向両側に位置するマス装着溝22の軸方向外方にも当接内周面28を形成することによって、各マス装着溝22を挟んだ軸方向両側に当接内周面28を形成するようにしても良い。

0096

さらに、図8にも示されているように、各装着溝22や各環状マス金具18における形状や寸法等をそれぞれ異ならせることによって、チューニング特性を向上させるようにしても良い。

0097

また、図9にも示されてるように、円筒形状を有する本体ゴム弾性体48の軸方向中間部分にテーパ状部24を形成し、テーパ状部24を挟んだ軸方向両側に大径筒部50と大径筒部50よりも小径の小径筒部52を形成して、環状マス金具18が組み付けられたマス装着溝22を大径筒部50の外周面に形成すると共に、小径筒部の内周面によって、本体ゴム弾性体48がアーム12に打ち当たる当接内周面28を構成することも可能である。

0098

また、前記実施形態では、環状マス金具18が、周上の一箇所において軸方向に延びる開口部32が形成されたC字形状の軸直角方向断面を有しており、本体ゴム弾性体16のマス装着溝22に軸直角方向から入れられると共に、開口部32を通じて本体ゴム弾性体16の中央筒部20が環状マス金具18に嵌め込まれて、環状マス金具18に縮径加工が施されていることで、環状マス金具18が本体ゴム弾性体16の外周面に非接着で組み付けられるようになっていたが、これに限定されるものでない。例えば図10にも示されているように、軸方向断面が略円弧形状分割マス金具54の複数(本具体例では2つ)をマス装着溝22に軸直角方向から嵌め入れると共に、分割マス金具54を周方向で互いに付き合わせた部位をボルトナットで固定することによって、環状マス金具18が、周方向で互いに組み合わされて相互に連結固定された分割構造体としての分割マス金具54によって形成されるようにしても良い。

0099

また、前記実施形態では、筒状制振装置10をアーム12の制振すべき位置に位置決め配置する位置決め手段として、アーム12に固設されるストッパ金具34が採用されていたが、これに限定されるものでない。

0100

例えば図11にも示されているように、アーム12の一部に径寸法が小さな小径部56を設けて、小径部56の長手寸法よりも小さな軸方向長さの本体ゴム弾性体16を、そのスリット30を拡開させつつ、小径部56に外挿状態で組付けると共に、本体ゴム弾性体16の軸方向両端部を、アーム12における小径部56を挟んだ両側の大径部58との間に現れる円環形状の段差部60に対して軸方向で対向位置せしめて、且つ本体ゴム弾性体16の軸方向両側の端部側筒部26の内径寸法を段差部60の外径寸法(大径部58の径寸法)よりも小さくすることによって、かかる段差部60,60で制振装置の位置決め手段を構成しても良い。

0101

また、例えば図12にも示されているように、アーム12の一部に径寸法が大きな大径部58を設けて、大径部58の長手寸法よりも大きな軸方向長さの中央筒部20を備えた本体ゴム弾性体16を、そのスリット30を拡開させつつ、大径部58に外挿状態で組付けると共に、本体ゴム弾性体16における中央筒部20の内周面と当接内周面28の境界に位置して軸直角方向に円環形状に広がる内周面62を、アーム12における大径部58を挟んだ両側の小径部56との間に現れる円環形状の段差部60に対して軸方向で対向位置せしめて、且つ本体ゴム弾性体16の軸方向両側の端部側筒部26の内径寸法を段差部60の外径寸法よりも小さくすることによって、かかる段差部60,60で制振装置の位置決め手段を構成しても良い。なお、本具体例において、筒状制振装置とアーム12を同一中心軸上に位置せしめた状態下で、本体ゴム弾性体16の当接内周面28とアーム12の小径部56の外周面の間には、全周に亘って所定の寸法:δ5の隙間を連続して設けていると共に、本体ゴム弾性体16の中央筒部20の内周面とアーム12の大径部58の外周面の間には、全周に亘って所定の寸法:δ6の隙間を連続して設けており、δ5<δ6とされている。

0102

これら図11図12に示されているような長手方向で軸直角方向断面が異なるアーム12に対して筒状制振装置を組み付ける場合には、例えば本体ゴム弾性体16にスリット30が設けられていないとすると、当接内周面28を内側に設けた端部側筒部26の内径寸法がアーム12の大径部58の径寸法よりも小さくされているために、端部側筒部26に大径部58を内挿して軸方向に移動させることが難しくなる。この点において本実施形態では、本体ゴム弾性体16に形成されたスリット30を拡開させることによって、端部側筒部26の内径寸法を大径部58の径寸法よりも大きくした状態で、端部側筒部26に大径部58を内挿して軸方向に移動させたり、或いは本体ゴム弾性体16をスリット30を通じて軸直角方向からアーム12の小径部56に直接に外挿したりすることが可能となるのであり、それによって、装着が飛躍的に容易になるのである。

0103

また、前記実施形態では、スリット30が、軸方向と平行に延びる外観略線状を呈していたが、例えば軸方向に傾斜して延びていたり、本体ゴム弾性体16の周上を螺旋状に延びていても良い。

0104

また、環状マス金具18の開口部32は必須の構成要件でなく、要求される製作性や装着条件によって、例えば周方向に連続した大径の円環形状の環状マス金具を、アーム12の端部から軸方向に外挿すると共に、本体ゴム弾性体16の軸方向一方の端部側筒部26から軸方向に外挿して、マス装着溝22の底面と該環状マス金具の内周面を軸直角方向に対向位置せしめると共に、環状マス金具に縮径加工を施すことによって、環状マス金具をマス装着溝22に嵌め入れて本体ゴム弾性体16に組み付けることも可能である。

0105

更に、前記第二の実施形態では、本体ゴム弾性体42における一対のマス装着溝22,22の形成部位の間の中央部分が、アーム12に固設された当接リング44と軸直角方向で対向位置せしめられていることによって、当該中央部分の内周面で当接内周面46が構成されていたが、例えば本体ゴム弾性体の軸方向中央部分にマス装着溝を形成する一方、アームに所定距離を隔てて一対の当接リングを固設して、本体ゴム弾性体のマス装着溝の形成部位を挟んだ軸方向両側を、それぞれ当接リングと軸直角方向で対向位置せしめることによって、当該両側の各内周面で当接内周面を構成しても良い。

0106

加えて、前記実施形態では、筒状制振装置10が振動部材としての自動車のサスペンション部材のアーム12に適用されるものの具体例が示されていたが、例えば本発明に係る筒状制振装置10をスタビライザーサイドドアビームステアリングシャフトステアリングコラムステアリングロッドの他、エアコン配管等のパイプホース類、或いは自動車以外の中実乃至は中空の各種のロッド状の振動部材に対して適用可能であることは、勿論である。

図面の簡単な説明

0107

本発明の第一の実施形態としての筒状制振装置を制振対象であるアームに装着してなる装着構造体の縦断面図。
図1のII−II断面図。
同制振装置の一部を構成する本体ゴム弾性体の斜視図。
同制振装置の一部を構成する環状マス金具の斜視図。
同制振装置の一製造工程を示す縦断面図。
同制振装置における図5と異なる一製造工程を示す縦断面図。
本発明の第二の実施形態としての制振装置をアームに装着してなる装着構造体の縦断面図。
本発明の別の一具体例としての制振装置をアームに装着してなる装着構造体の縦断面図。
本発明のまた別の一具体例としての制振装置をアームに装着してなる装着構造体の縦断面図。
本発明の更に別の一具体例としての制振装置をアームに装着してなる装着構造体の横断面図。
本発明の更にまた別の一具体例としての制振装置をアームに装着してなる装着構造体の縦断面図。
本発明のまた別の一具体例としての制振装置をアームに装着してなる装着構造体の縦断面図。

符号の説明

0108

10…筒状制振装置、12…アーム、16…本体ゴム弾性体、18…環状マス金具22…マス装着溝、28…当接内周面、30…スリット

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社フジタの「 滑り支承」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】上部構造体を水平方向に移動可能に支持する機能に加え、エネルギーを減衰する機能を持たせた滑り支承を提供すること。【解決手段】滑り支承16Aは、上部構造体12に設けられた下向きの滑り面20と、下部... 詳細

  • 株式会社フジタの「 滑り支承」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】上部構造体を水平方向に移動可能に支持する機能に加え、エネルギーを減衰する機能を有している。【解決手段】上部構造体12と下部構造体14の間に配置され上部構造体12を下部構造体14上で水平方向に移... 詳細

  • 株式会社フジタの「 滑り支承」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】上部構造体を水平方向に移動可能に支持する機能に加え、エネルギーを減衰する機能を持たせた滑り支承を提供する。【解決手段】複数の滑り支承16Aは上向きの滑り面20、下向きの滑り面18を介して上部構... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ