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技術 電源システムおよびそれを備えた車両、蓄電装置の昇温制御方法、ならびに蓄電装置の昇温制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 市川真士石川哲浩
出願日 2006年7月25日 (15年1ヶ月経過) 出願番号 2006-202028
公開日 2008年2月7日 (13年6ヶ月経過) 公開番号 2008-029171
状態 特許登録済
技術分野 二次電池の保守(温度調整,ガス除去) 電池の充放電回路 二次電池の保守(充放電、状態検知) 車両の電気的な推進・制動 電池等の充放電回路 車両の電気的な推進・制動
主要キーワード 規定温度未満 入力項 過電圧破壊 電圧上限値 リミッタ値 走行時制御 内部発熱 フィードフォワード補償
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年2月7日)のものです。
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図面 (14)

課題

蓄電装置および負荷装置間で電圧変換可能なコンバータとコンバータに並列して負荷装置に接続される蓄電部とを利用して蓄電装置を昇温可能な電源ステムおよびそれを備えた車両を提供する。

解決手段

蓄電装置6の昇温制御時、コンバータECU2は、主正母線PLおよび主負母線MNLを介して蓄電装置6および蓄電部7間で電力が授受されるようにコンバータ8を制御する。具体的には、コンバータECU2は、電圧値Vhが第1の電圧値に達すると、コンバータ8の目標電圧を第1の電圧値よりも低い第2の電圧値に設定し、電圧値Vhが第2の電圧値に達すると、コンバータ8の目標電圧を第1の電圧値に設定する。

概要

背景

近年、環境問題背景に、ハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)や電気自動車(Electric Vehicle)などが注目されている。これらの車両は、動力源として電動機を搭載し、その電力源として二次電池キャパシタなどの蓄電装置を搭載する。

一般に、二次電池やキャパシタなどの蓄電装置は、温度が低下すると容量が低下し、その結果、充放電特性が低下する。したがって、上記のような車両においては、車両システム起動後、蓄電装置の温度が低下している場合には、速やかに蓄電装置を昇温する必要がある。

特開2005−332777号公報(特許文献1)は、低温時にバッテリ充放電を制御してバッテリの内部発熱によりバッテリを暖機するウォームアップ制御装置を開示する。このウォームアップ制御装置は、充放電パターン設定手段と、リミッタ値設定手段と、ウォームアップ制御手段とを備える。充放電パターン設定手段は、バッテリ状態に基づいて、バッテリの充電放電とを交互にパルス状に繰返す充放電パターンを可変設定する。リミッタ値設定手段は、バッテリ温度に応じて、充放電パターンの最大振幅規制するリミッタ値を可変設定する。ウォームアップ制御手段は、バッテリ温度が規定温度未満のとき、充放電パターン設定手段により設定された充放電パターンに従うバッテリの充放電を、リミッタ値設定手段により設定されたリミッタ値の範囲内で実行する。

このウォームアップ制御装置によれば、低温時にバッテリの状態に応じて充放電を効率よく制御して内部発熱による温度上昇を促進することができ、低温時に低下したバッテリ容量を早期に回復させることができる(特許文献1参照)。
特開2005−332777号公報
特開2003−274565号公報

概要

蓄電装置および負荷装置間で電圧変換可能なコンバータとコンバータに並列して負荷装置に接続される蓄電部とを利用して蓄電装置を昇温可能な電源ステムおよびそれを備えた車両を提供する。蓄電装置6の昇温制御時、コンバータECU2は、主正母線PLおよび主負母線MNLを介して蓄電装置6および蓄電部7間で電力が授受されるようにコンバータ8を制御する。具体的には、コンバータECU2は、電圧値Vhが第1の電圧値に達すると、コンバータ8の目標電圧を第1の電圧値よりも低い第2の電圧値に設定し、電圧値Vhが第2の電圧値に達すると、コンバータ8の目標電圧を第1の電圧値に設定する。

目的

それゆえに、この発明の目的は、蓄電装置および負荷装置間で電圧変換可能なコンバータとコンバータに並列して負荷装置に接続される蓄電部とを利用して蓄電装置を昇温可能な電源システムおよびそれを備えた車両を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
9件

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請求項1

負荷装置電力を供給可能な電源ステムであって、充放電可能な蓄電装置と、当該電源システムと前記負荷装置との間で電力を授受可能なように構成された電力線と、前記蓄電装置と前記電力線との間に設けられ、前記蓄電装置と前記電力線との間で電圧変換を行なうコンバータと、前記電力線に接続される充放電可能な蓄電部と、所定の目標値を設定して前記コンバータを制御する制御装置と、前記電力線の電圧を検出する電圧センサとを備え、前記制御装置は、前記蓄電装置および前記蓄電部の少なくとも一方を昇温する昇温制御時、前記電圧センサからの検出電圧が下限値に達すると、前記蓄電装置から前記電力線を介して前記蓄電部へ前記コンバータが電力を流すように前記目標値を設定し、前記検出電圧が上限値に達すると、前記蓄電部から前記電力線を介して前記蓄電装置へ前記コンバータが電力を流すように前記目標値を設定する、電源システム。

請求項2

前記上下限値は、前記蓄電装置の状態に応じて設定される、請求項1に記載の電源システム。

請求項3

前記上下限値は、前記蓄電装置の温度が低いほど大きな値に設定される、請求項2に記載の電源システム。

請求項4

前記上下限値は、前記蓄電装置の充電状態を示す状態量が少ないほど大きな値に設定される、請求項2に記載の電源システム。

請求項5

前記上下限値は、前記電力線の電圧上限値を超えない範囲で前記電圧上限値近傍に設定される、請求項1に記載の電源システム。

請求項6

前記上下限値は、前記蓄電部を優先して昇温するとき、前記蓄電装置の電圧を下回らない範囲で前記蓄電装置の電圧近傍に設定される、請求項1に記載の電源システム。

請求項7

前記制御装置は、前記電力線の電圧が目標電圧になるように前記コンバータを制御し、前記昇温制御時、前記検出電圧が前記下限値に達すると、前記下限値よりも高い第1の電圧値に前記目標電圧を設定し、前記検出電圧が前記上限値に達すると、前記上限値よりも低い第2の電圧値に前記目標電圧を設定する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電源システム。

請求項8

前記第1の電圧値は、前記上限値であり、前記第2の電圧値は、前記下限値である、請求項7に記載の電源システム。

請求項9

前記制御装置は、前記蓄電装置の充放電電流目標電流になるように前記コンバータを制御し、前記昇温制御時、前記検出電圧が前記下限値に達すると、前記蓄電装置が放電するように前記目標電流を第1の電流値に設定し、前記検出電圧が前記上限値に達すると、前記蓄電装置が充電されるように前記目標電流を第2の電流値に設定する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電源システム。

請求項10

前記第2の電流値は、前記第1の電流値の符号を反転した値である、請求項9に記載の電源システム。

請求項11

前記蓄電装置は、二次電池を含み、前記蓄電部は、キャパシタを含む、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電源システム。

請求項12

前記蓄電部は、前記電力線の電力変動成分を低減する平滑コンデンサである、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電源システム。

請求項13

請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の電源システムと、前記電源システムから電力の供給を受けて車両の駆動力を発生する駆動力発生部とを備える車両。

請求項14

負荷装置へ電力を供給可能な電源システムにおける蓄電装置の昇温制御方法であって、前記電源システムは、充放電可能な蓄電装置と、当該電源システムと前記負荷装置との間で電力を授受可能なように構成された電力線と、前記蓄電装置と前記電力線との間に設けられ、前記蓄電装置と前記電力線との間で電圧変換を行なうコンバータと、前記電力線に接続される充放電可能な蓄電部と、前記電力線の電圧を検出する電圧センサとを備え、前記昇温制御方法は、所定の目標値を設定して前記コンバータを制御する第1のステップと、前記電圧センサからの検出電圧が下限値に達したか否かを判定する第2のステップと、前記検出電圧が前記下限値に達したと判定されたとき、前記蓄電装置から前記電力線を介して前記蓄電部へ前記コンバータが電力を流すように前記目標値を設定する第3のステップと、前記検出電圧が上限値に達したか否かを判定する第4のステップと、前記検出電圧が前記上限値に達したと判定されたとき、前記蓄電部から前記電力線を介して前記蓄電装置へ前記コンバータが電力を流すように前記目標値を設定する第5のステップとを含む、蓄電装置の昇温制御方法。

請求項15

負荷装置へ電力を供給可能な電源システムにおける蓄電装置の昇温制御コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体であって、前記電源システムは、充放電可能な蓄電装置と、当該電源システムと前記負荷装置との間で電力を授受可能なように構成された電力線と、前記蓄電装置と前記電力線との間に設けられ、前記蓄電装置と前記電力線との間で電圧変換を行なうコンバータと、前記電力線に接続される充放電可能な蓄電部と、前記電力線の電圧を検出する電圧センサとを備え、前記記録媒体は、所定の目標値を設定して前記コンバータを制御する第1のステップと、前記電圧センサからの検出電圧が下限値に達したか否かを判定する第2のステップと、前記検出電圧が前記下限値に達したと判定されたとき、前記蓄電装置から前記電力線を介して前記蓄電部へ前記コンバータが電力を流すように前記目標値を設定する第3のステップと、前記検出電圧が上限値に達したか否かを判定する第4のステップと、前記検出電圧が前記上限値に達したと判定されたとき、前記蓄電部から前記電力線を介して前記蓄電装置へ前記コンバータが電力を流すように前記目標値を設定する第5のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録する、コンピュータ読取可能な記録媒体。

技術分野

0001

この発明は、電源ステムに含まれる蓄電装置昇温するための制御技術に関する。

背景技術

0002

近年、環境問題背景に、ハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)や電気自動車(Electric Vehicle)などが注目されている。これらの車両は、動力源として電動機を搭載し、その電力源として二次電池キャパシタなどの蓄電装置を搭載する。

0003

一般に、二次電池やキャパシタなどの蓄電装置は、温度が低下すると容量が低下し、その結果、充放電特性が低下する。したがって、上記のような車両においては、車両システム起動後、蓄電装置の温度が低下している場合には、速やかに蓄電装置を昇温する必要がある。

0004

特開2005−332777号公報(特許文献1)は、低温時にバッテリ充放電を制御してバッテリの内部発熱によりバッテリを暖機するウォームアップ制御装置を開示する。このウォームアップ制御装置は、充放電パターン設定手段と、リミッタ値設定手段と、ウォームアップ制御手段とを備える。充放電パターン設定手段は、バッテリ状態に基づいて、バッテリの充電放電とを交互にパルス状に繰返す充放電パターンを可変設定する。リミッタ値設定手段は、バッテリ温度に応じて、充放電パターンの最大振幅規制するリミッタ値を可変設定する。ウォームアップ制御手段は、バッテリ温度が規定温度未満のとき、充放電パターン設定手段により設定された充放電パターンに従うバッテリの充放電を、リミッタ値設定手段により設定されたリミッタ値の範囲内で実行する。

0005

このウォームアップ制御装置によれば、低温時にバッテリの状態に応じて充放電を効率よく制御して内部発熱による温度上昇を促進することができ、低温時に低下したバッテリ容量を早期に回復させることができる(特許文献1参照)。
特開2005−332777号公報
特開2003−274565号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記の特開2005−332777号公報では、バッテリとインバータとの間に配設されてバッテリおよびインバータ間で電圧変換可能なコンバータと、コンバータに並列してインバータに接続される蓄電部(キャパシタなど)とを備える電源システムにおける昇温制御については特に開示されていない。

0007

それゆえに、この発明の目的は、蓄電装置および負荷装置間で電圧変換可能なコンバータとコンバータに並列して負荷装置に接続される蓄電部とを利用して蓄電装置を昇温可能な電源システムおよびそれを備えた車両を提供することである。

0008

また、この発明の別の目的は、蓄電装置および負荷装置間で電圧変換可能なコンバータとコンバータに並列して負荷装置に接続される蓄電部とを利用して蓄電装置を昇温するための昇温制御方法を提供することである。

0009

さらに、この発明の別の目的は、蓄電装置および負荷装置間で電圧変換可能なコンバータとコンバータに並列して負荷装置に接続される蓄電部とを利用して蓄電装置を昇温するための昇温制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

この発明によれば、電源システムは、負荷装置へ電力を供給可能な電源システムであって、充放電可能な蓄電装置と、当該電源システムと負荷装置との間で電力を授受可能なように構成された電力線と、蓄電装置と電力線との間に設けられ、蓄電装置と電力線との間で電圧変換を行なうコンバータと、電力線に接続される充放電可能な蓄電部と、所定の目標値を設定してコンバータを制御する制御装置と、電力線の電圧を検出する電圧センサとを備える。制御装置は、蓄電装置および蓄電部の少なくとも一方を昇温する昇温制御時、電圧センサからの検出電圧が下限値に達すると、蓄電装置から電力線を介して蓄電部へコンバータが電力を流すように目標値を設定し、検出電圧が上限値に達すると、蓄電部から電力線を介して蓄電装置へコンバータが電力を流すように目標値を設定する。

0011

好ましくは、上下限値は、蓄電装置の状態に応じて設定される。
さらに好ましくは、上下限値は、蓄電装置の温度が低いほど大きな値に設定される。

0012

また、さらに好ましくは、上下限値は、蓄電装置の充電状態を示す状態量が少ないほど大きな値に設定される。

0013

好ましくは、上下限値は、電力線の電圧上限値を超えない範囲で電圧上限値近傍に設定される。

0014

また、好ましくは、上下限値は、蓄電部を優先して昇温するとき、蓄電装置の電圧を下回らない範囲で蓄電装置の電圧近傍に設定される。

0015

好ましくは、制御装置は、電力線の電圧が目標電圧になるようにコンバータを制御する。そして、制御装置は、昇温制御時、検出電圧が下限値に達すると、下限値よりも高い第1の電圧値に目標電圧を設定し、検出電圧が上限値に達すると、上限値よりも低い第2の電圧値に目標電圧を設定する。

0016

さらに好ましくは、第1の電圧値は、上限値であり、第2の電圧値は、下限値である。
また、好ましくは、制御装置は、蓄電装置の充放電電流目標電流になるようにコンバータを制御する。そして、制御装置は、昇温制御時、検出電圧が下限値に達すると、蓄電装置が放電するように目標電流を第1の電流値に設定し、検出電圧が上限値に達すると、蓄電装置が充電されるように目標電流を第2の電流値に設定する。

0017

さらに好ましくは、第2の電流値は、第1の電流値の符号を反転した値である。
好ましくは、蓄電装置は、二次電池を含み、蓄電部は、キャパシタを含む。

0018

好ましくは、蓄電部は、電力線の電力変動成分を低減する平滑コンデンサである。
また、この発明によれば、車両は、上述したいずれかの電源システムと、電源システムから電力の供給を受けて車両の駆動力を発生する駆動力発生部とを備える。

0019

また、この発明によれば、昇温制御方法は、負荷装置へ電力を供給可能な電源システムにおける蓄電装置の昇温制御方法である。電源システムは、充放電可能な蓄電装置と、当該電源システムと負荷装置との間で電力を授受可能なように構成された電力線と、蓄電装置と電力線との間に設けられ、蓄電装置と電力線との間で電圧変換を行なうコンバータと、電力線に接続される充放電可能な蓄電部と、電力線の電圧を検出する電圧センサとを備える。そして、昇温制御方法は、所定の目標値を設定してコンバータを制御する第1のステップと、電圧センサからの検出電圧が下限値に達したか否かを判定する第2のステップと、検出電圧が下限値に達したと判定されたとき、蓄電装置から電力線を介して蓄電部へコンバータが電力を流すように目標値を設定する第3のステップと、検出電圧が上限値に達したか否かを判定する第4のステップと、検出電圧が上限値に達したと判定されたとき、蓄電部から電力線を介して蓄電装置へコンバータが電力を流すように目標値を設定する第5のステップとを含む。

0020

また、この発明によれば、記録媒体は、負荷装置へ電力を供給可能な電源システムにおける蓄電装置の昇温制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。電源システムは、充放電可能な蓄電装置と、当該電源システムと負荷装置との間で電力を授受可能なように構成された電力線と、蓄電装置と電力線との間に設けられ、蓄電装置と電力線との間で電圧変換を行なうコンバータと、電力線に接続される充放電可能な蓄電部と、電力線の電圧を検出する電圧センサとを備える。そして、記録媒体は、所定の目標値を設定してコンバータを制御する第1のステップと、電圧センサからの検出電圧が下限値に達したか否かを判定する第2のステップと、検出電圧が下限値に達したと判定されたとき、蓄電装置から電力線を介して蓄電部へコンバータが電力を流すように目標値を設定する第3のステップと、検出電圧が上限値に達したか否かを判定する第4のステップと、検出電圧が上限値に達したと判定されたとき、蓄電部から電力線を介して蓄電装置へコンバータが電力を流すように目標値を設定する第5のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録する。

発明の効果

0021

この発明においては、蓄電装置と電力線との間にコンバータが設けられ、電力線に蓄電部が接続される。そして、蓄電装置および蓄電部の少なくとも一方を昇温する昇温制御時、制御装置は、電圧センサからの検出電圧が下限値に達すると、蓄電装置から電力線を介して蓄電部へコンバータが電力を流すようにコンバータの目標値を設定し、電圧センサからの検出電圧が上限値に達すると、蓄電部から電力線を介して蓄電装置へコンバータが電力を流すようにコンバータの目標値を設定するので、電源システムと負荷装置との間で電力を授受することなく、かつ、電力線の電圧を上下限値内に制御しつつ、蓄電装置と蓄電部との間で電力を授受することができる。

0022

したがって、この発明によれば、電源システムが負荷装置と電力の授受を開始する前に、蓄電装置を昇温することができる。その結果、低温下においても、車両の走行開始時から蓄電装置の充放電特性を十分に確保することができる。

0023

また、この発明によれば、電力線の電圧が過電圧になるのを防止することができる。その結果、電力線に接続される各機器過電圧破壊から保護することができる。

発明を実施するための最良の形態

0024

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。

0025

[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による車両の全体ブロック図である。図1を参照して、この車両100は、電源システム1と、駆動力発生部3とを備える。駆動力発生部3は、インバータ30−1,30−2と、モータジェネレータ34−1,34−2と、動力伝達機構36と、駆動軸38と、駆動ECU(Electronic Control Unit)32とを含む。

0026

インバータ30−1,30−2は、主正母線PLおよび主負母線MNL並列接続される。そして、インバータ30−1,30−2は、電源システム1から供給される駆動電力直流電力)を交流電力に変換してそれぞれモータジェネレータ34−1,34−2へ出力する。また、インバータ30−1,30−2は、それぞれモータジェネレータ34−1,34−2が発電する交流電力を直流電力に変換して回生電力として電源システム1へ出力する。

0027

なお、各インバータ30−1,30−2は、たとえば、三相分のスイッチング素子を含むブリッジ回路から成る。そして、インバータ30−1,30−2は、それぞれ駆動ECU32からの駆動信号PWM1,PWM2に応じてスイッチング動作を行なうことにより、対応のモータジェネレータを駆動する。

0028

モータジェネレータ34−1,34−2は、それぞれインバータ30−1,30−2から供給される交流電力を受けて回転駆動力を発生する。また、モータジェネレータ34−1,34−2は、外部からの回転力を受けて交流電力を発電する。たとえば、モータジェネレータ34−1,34−2は、永久磁石埋設されたロータを備える三相交流回転電機から成る。そして、モータジェネレータ34−1,34−2は、動力伝達機構36と連結され、動力伝達機構36にさらに連結される駆動軸38を介して回転駆動力が車輪(図示せず)へ伝達される。

0029

なお、駆動力発生部3がハイブリッド車両に適用される場合には、モータジェネレータ34−1,34−2は、動力伝達機構36または駆動軸38を介してエンジン(図示せず)にも連結される。そして、駆動ECU32によって、エンジンの発生する駆動力とモータジェネレータ34−1,34−2の発生する駆動力とが最適な比率となるように制御が実行される。このようなハイブリッド車両に適用される場合には、モータジェネレータ34−1,34−2のいずれか一方を専ら電動機として機能させ、他方のモータジェネレータを専ら発電機として機能させてもよい。

0030

駆動ECU32は、図示されない各センサから送信された信号、走行状況およびアクセル開度などに基づいて、モータジェネレータ34−1,34−2のトルク目標値TR1,TR2および回転数目標値MRN1,MRN2を算出する。そして、駆動ECU32は、モータジェネレータ34−1の発生トルクおよび回転数がそれぞれトルク目標値TR1および回転数目標値MRN1となるように駆動信号PWM1を生成してインバータ30−1を制御し、モータジェネレータ34−2の発生トルクおよび回転数がそれぞれトルク目標値TR2および回転数目標値MRN2となるように駆動信号PWM2を生成してインバータ30−2を制御する。また、駆動ECU32は、算出したトルク目標値TR1,TR2および回転数目標値MRN1,MRN2を電源システム1のコンバータECU2(後述)へ出力する。

0031

一方、電源システム1は、蓄電装置6と、蓄電部7と、コンバータ8と、平滑コンデンサCと、コンバータECU2と、電池ECU4と、電流センサ10と、電圧センサ12,18と、温度センサ14−1,14−2とを含む。

0032

蓄電装置6は、充放電可能な直流電源であり、たとえば、ニッケル水素電池リチウムイオン電池などの二次電池から成る。蓄電装置6は、正極線PLおよび負極線NLを介してコンバータ8に接続される。蓄電部7も、充放電可能な直流電源であり、たとえば、電気二重層キャパシタから成る。蓄電部7は、主正母線MPLおよび主負母線MNLに接続される。なお、蓄電装置6をキャパシタで構成してもよいし、蓄電部7を二次電池で構成してもよい。

0033

コンバータ8は、蓄電装置6と主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間に設けられ、コンバータECU2からの駆動信号PWCに基づいて、蓄電装置6と主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間で電圧変換を行なう。

0034

平滑コンデンサCは、主正母線MPLと主負母線MNLとの間に接続され、主正母線MPLおよび主負母線MNLに含まれる電力変動成分を低減する。電圧センサ18は、主正母線MPLおよび主負母線MNL間の電圧値Vhを検出し、その検出結果をコンバータECU2へ出力する。

0035

電流センサ10は、蓄電装置6に対して入出力される電流値Ibを検出し、その検出結果をコンバータECU2および電池ECU4へ出力する。なお、電流センサ10は、蓄電装置6から出力される電流放電電流)を正値として検出し、蓄電装置6に入力される電流(充電電流)を負値として検出する。なお、図では、電流センサ10が正極線PLの電流値を検出する場合が示されているが、電流センサ10は負極線NLの電流を検出してもよい。

0036

電圧センサ12は、蓄電装置6の電圧値Vbを検出し、その検出結果をコンバータECU2および電池ECU4へ出力する。温度センサ14−1,14−2は、蓄電装置6内部の温度Tb1および蓄電部7内部の温度Tb2をそれぞれ検出し、その検出結果を電池ECU4へ出力する。

0037

電池ECU4は、電流センサ10からの電流値Ib、電圧センサ12からの電圧値Vbおよび温度センサ14−1からの温度Tb1に基づいて、蓄電装置6の充電状態(State Of Charge:SOC)を示す状態量SOCを算出し、その算出した状態量SOCを温度Tb1,Tb2とともにコンバータECU2へ出力する。なお、状態量SOCの算出方法については、種々の公知の手法を用いることができる。

0038

コンバータECU2は、電流センサ10および電圧センサ12,18からの各検出値、電池ECU4からの温度Tb1,Tb2および状態量SOC、ならびに駆動ECU32からのトルク目標値TR1,TR2および回転数目標値MRN1,MRN2に基づいて、コンバータ8を駆動するための駆動信号PWCを生成する。そして、コンバータECU2は、その生成した駆動信号PWCをコンバータ8へ出力し、コンバータ8を制御する。なお、コンバータECU2の構成については、後ほど詳しく説明する。

0039

図2は、図1に示したコンバータ8の概略構成図である。図2を参照して、コンバータ8は、チョッパ回路40と、正母線LNAと、負母線LNCと、配線LNBと、平滑コンデンサC1とを含む。チョッパ回路40は、トランジスタQA,QBと、ダイオードDA,DBと、インダクタLとを含む。

0040

正母線LNAは、一方端がトランジスタQBのコレクタに接続され、他方端が主正母線MPLに接続される。負母線LNCは、一方端が負極線NLに接続され、他方端が主負母線MNLに接続される。

0041

トランジスタQA,QBは、負母線LNCと正母線LNAとの間に直列に接続される。具体的には、トランジスタQAのエミッタが負母線LNCに接続され、トランジスタQBのコレクタが正母線LNAに接続される。ダイオードDA,DBは、それぞれトランジスタQA,QBに逆並列に接続される。インダクタLは、トランジスタQAとトランジスタQBとの接続点に接続される。

0042

配線LNBは、一方端が正極線PLに接続され、他方端がインダクタLに接続される。平滑コンデンサC1は、配線LNBと負母線LNCとの間に接続され、配線LNBおよび負母線LNC間の直流電圧に含まれる交流成分を低減する。

0043

そして、チョッパ回路40は、コンバータECU2(図示せず)からの駆動信号PWCに応じて、蓄電装置6の放電時には、正極線PLおよび負極線NLから受ける直流電力(駆動電力)を昇圧し、蓄電装置6の充電時には、主正母線MPLおよび主負母線MNLから受ける直流電力(回生電力)を降圧する。

0044

以下、コンバータ8の電圧変換動作昇圧動作および降圧動作)について説明する。昇圧動作時において、コンバータECU2は、トランジスタQBをオフ状態に維持し、かつ、トランジスタQAを所定のデューティー比オンオフさせる。トランジスタQAのオン期間においては、蓄電装置6から配線LNB、インダクタL、ダイオードDB、および正母線LNAを順に介して、放電電流が主正母線MPLへ流れる。同時に、蓄電装置6から配線LNB、インダクタL、トランジスタQA、および負母線LNCを順に介して、ポンプ電流が流れる。インダクタLは、このポンプ電流により電磁エネルギー蓄積する。そして、トランジスタQAがオン状態からオフ状態に遷移すると、インダクタLは、蓄積した電磁エネルギーを放電電流に重畳する。その結果、コンバータ8から主正母線MPLおよび主負母線MNLへ供給される直流電力の平均電圧は、デューティー比に応じてインダクタLに蓄積される電磁エネルギーに相当する電圧だけ昇圧される。

0045

一方、降圧動作時において、コンバータECU2は、トランジスタQBを所定のデューティー比でオン/オフさせ、かつ、トランジスタQAをオフ状態に維持する。トランジスタQBのオン期間においては、主正母線MPLから正母線LNA、トランジスタQB、インダクタL、および配線LNBを順に介して、充電電流が蓄電装置6へ流れる。そして、トランジスタQBがオン状態からオフ状態に遷移すると、インダクタLが電流変化を妨げるように磁束を発生するので、充電電流は、ダイオードDA、インダクタL、および配線LNBを順に介して流れ続ける。一方で、電気エネルギー的にみると、主正母線MPLおよび主負母線MNLから直流電力が供給されるのはトランジスタQBのオン期間だけであるので、充電電流が一定に保たれるとすると(インダクタLのインダクタンスが十分に大きいとすると)、コンバータ8から蓄電装置6へ供給される直流電力の平均電圧は、主正母線MPLおよび主負母線MNL間の直流電圧にデューティー比を乗じた値となる。

0046

このようなコンバータ8の電圧変換動作を制御するため、コンバータECU2は、トランジスタQAのオン/オフを制御するための駆動信号PWCAおよびトランジスタQBのオン/オフを制御するための駆動信号PWCBから成る駆動信号PWCを生成する。

0047

図3は、図1に示したコンバータECU2の機能ブロック図である。図3を参照して、コンバータECU2は、走行時制御部42と、昇温制御部44とを含む。

0048

走行時制御部42は、モータジェネレータ34−1,34−2のトルク目標値TR1,TR2および回転数目標値MRN1,MRN2を駆動ECU32から受ける。また、走行時制御部42は、電圧センサ18から電圧値Vhを受け、電流センサ10から電流値Ibを受ける。

0049

そして、走行時制御部42は、昇温制御部44からの制御信号TL非活性化されているとき、すなわち、昇温制御部44による昇温制御が実行されていないとき、これらの信号に基づいて、コンバータ8を駆動するための駆動信号PWCを生成し、その生成した駆動信号PWCをコンバータ8へ出力する。一方、走行時制御部42は、制御信号CTLが活性化されているとき、すなわち、昇温制御部44による昇温制御の実行中は、駆動信号PWCの生成を中止する。

0050

昇温制御部44は、電池ECU4から温度Tb1,Tb2および状態量SOCを受ける。また、昇温制御部44は、電圧センサ12から電圧値Vbを受け、電圧センサ18から電圧値Vhを受ける。そして、昇温制御部44は、温度Tb1,Tb2のいずれか一方が規定値よりも低いとき、コンバータ8ならびに主正母線MPLおよび主負母線MNLを介して蓄電装置6および蓄電部7間で電力の授受を行なうことにより蓄電装置6および蓄電部7を昇温する昇温制御を実行する。

0051

具体的には、昇温制御部44は、温度Tb1,Tb2のいずれか一方が規定値よりも低いとき、上記各信号に基づいて後述の方法により駆動信号PWCを生成する。そして、昇温制御部44は、その生成した駆動信号PWCをコンバータ8へ出力するとともに、走行時制御部42へ出力される制御信号CTLを活性化する。

0052

図4は、図3に示した昇温制御部44の詳細な機能ブロック図である。図4を参照して、昇温制御部44は、目標値設定部50と、減算部52,56と、PI制御部54と、変調部58とを含む。

0053

目標値設定部50は、温度Tb1,Tb2に基づいて、蓄電装置6および蓄電部7の昇温制御を実行するか否かを判定し、昇温制御の実行時、図3に示した走行時制御部42へ出力される制御信号CTLを活性化する。そして、目標値設定部50は、昇温制御時、電圧値Vhに基づいて後述の方法によりコンバータ8の目標電圧VRを生成し、その生成した目標電圧VRを減算部52へ出力する。

0054

減算部52は、目標値設定部50から出力される目標電圧VRから電圧値Vhを減算し、その演算結果をPI制御部54へ出力する。PI制御部54は、目標電圧VRと電圧値Vhとの偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を減算部56へ出力する。減算部56は、電圧値Vb/目標電圧VRで示されるコンバータ8の理論昇圧比逆数からPI制御部54の出力を減算し、その演算結果をデューティー指令Tonとして変調部58へ出力する。なお、この減算部56における入力項(電圧値Vb/目標電圧VR)は、コンバータ8の理論昇圧比に基づくフィードフォワード補償項である。

0055

変調部58は、デューティー指令Tonと図示されない発振部により生成される搬送波キャリア波)とに基づいて、コンバータ8を駆動するためのPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、その生成したPWM信号を駆動信号PWCとしてコンバータ8のトランジスタQA,QBへ出力する。

0056

図5は、図4に示した昇温制御部44による昇温制御のフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理は、一定時間ごとまたは所定の条件の成立時(たとえばシステム起動時)にメインルーチンから呼出されて実行される。

0057

図4および図5を参照して、目標値設定部50は、温度センサ14−1からの温度Tb1または温度センサ14−2からの温度Tb2が予め設定されたしきい温度Tth(たとえば−10℃)よりも低いか否かを判定する(ステップS10)。目標値設定部50は、温度Tb1,Tb2がいずれもしきい温度Tth以上であると判定すると(ステップS10においてNO)、ステップS90へ処理を進めるとともに、走行時制御部42(図3)へ出力される制御信号CTLを非活性化する。

0058

ステップS10において温度Tb1またはTb2がしきい温度Tthよりも低いと判定されると(ステップS10においてYES)、目標値設定部50は、走行時制御部42へ出力される制御信号CTLを活性化する。そして、目標値設定部50は、コンバータ8の目標電圧VRが設定されているか否かを判定する(ステップS20)。目標値設定部50は、目標電圧VRが設定されていないと判定すると(ステップS20においてNO)、後述のステップS80へ処理を進める。

0059

ステップS20において目標電圧VRが設定されていると判定されると(ステップS20においてYES)、目標値設定部50は、目標電圧VRが第1の電圧値VhHであるか、それとも第2の電圧値VhL(<VhH)であるかを判定する(ステップS30)。

0060

ステップS30において目標電圧VRが第1の電圧値VhHであると判定されると、目標値設定部50は、電圧値Vhが第1の電圧値VhH以上であるか否かを判定する(ステップS40)。目標値設定部50は、電圧値Vhが第1の電圧値VhH以上であると判定すると(ステップS40においてYES)、目標電圧VRを第2の電圧値VhL(<VhH)に設定する(ステップS50)。一方、目標値設定部50は、電圧値Vhが第1の電圧値VhHよりも低いと判定すると(ステップS40においてNO)、ステップS50を実行することなくステップS60へ処理を進める。

0061

すなわち、目標値設定部50は、目標電圧VRが第1の電圧値VhHのときに電圧値Vhが第1の電圧値VhH以上になると、第1の電圧値VhHよりも低い第2の電圧値VhLに目標電圧VRを変更する。

0062

そして、昇温制御部44は、目標電圧VRに基づき駆動信号PWCを生成してコンバータ8を駆動し、実際に昇温制御を実行する(ステップS60)。

0063

一方、ステップS30において目標電圧VRが第2の電圧値VhLであると判定されると、目標値設定部50は、電圧値Vhが第2の電圧値VhL以下であるか否かを判定する(ステップS70)。目標値設定部50は、電圧値Vhが第2の電圧値VhL以下であると判定すると(ステップS70においてYES)、目標電圧VRを第1の電圧値VhH(>VhL)に設定する(ステップS80)。一方、目標値設定部50は、電圧値Vhが第2の電圧値VhHよりも高いと判定すると(ステップS70においてNO)、ステップS80を実行することなくステップS60へ処理を進める。

0064

すなわち、目標値設定部50は、目標電圧VRが第2の電圧値VhLのときに電圧値Vhが第2の電圧値VhL以下になると、第2の電圧値VhLよりも高い第1の電圧値VhHに目標電圧VRを変更する。

0065

図6は、昇温制御時における電圧および電流の波形図である。図6を参照して、時刻t1より前では、目標電圧VRは第2の電圧値VhLに設定されている。そして、時刻t1において、電圧値Vhが第2の電圧値VhLに達すると、目標電圧VRは、第1の電圧値VhHに設定される。すなわち、目標電圧VRは、第2の電圧値VhLから第2の電圧値VhLよりも高い第1の電圧値VhHに変更される。

0066

そうすると、電圧値Vhは第1の電圧値VhHに向けて上昇していく。このとき、コンバータ8は、蓄電装置6から主正母線MPLおよび主負母線MNLへ電流を流すように動作する(電流値Ibは正値)。すなわち、蓄電装置6からコンバータ8ならびに主正母線MPLおよび主負母線MNLを順に介して蓄電部7へ電力が流され、その結果、蓄電装置6および蓄電部7の内部発熱により蓄電装置6および蓄電部7の温度が上昇する。

0067

時刻t2において、電圧値Vhが第1の電圧値VhHに達すると、目標電圧VRは、第2の電圧値VhLに設定される。すなわち、目標電圧VRは、第1の電圧値VhHから第1の電圧値VhHよりも低い第2の電圧値VhLに変更される。

0068

そうすると、電圧値Vhは第2の電圧値VhLに向けて下降していく。このとき、コンバータ8は、主正母線MPLおよび主負母線MNLから蓄電装置6へ電流を流すように動作する(電流値Ibは負値)。すなわち、蓄電部7から主正母線MPLおよび主負母線MNLならびにコンバータ8を順に介して蓄電装置6へ電力が流され、その結果、蓄電装置6および蓄電部7の温度が上昇する。

0069

そして、温度Tb1,Tb2が規定温度を超えるまで時刻t3以降も同様に目標電圧VRが変更され、蓄電装置6および蓄電部7間で電力を授受することにより昇温制御が実行される。

0070

なお、電圧値Vhの制御範囲である第1および第2の電圧値VhH,VhLは、主正母線MPLおよび主負母線MNLの電圧上限値を超えず、かつ、蓄電装置6の電圧を下回らない範囲で任意に設定することができるが、蓄電装置6および蓄電部7の状態に応じて可変とすることができる。

0071

たとえば、極低温時は、蓄電装置6の容量が大きく低下するので、できるだけ効率的に昇温制御を実行する必要がある。また、蓄電装置6のSOCが低い場合にも、同様にできるだけ効率的に昇温制御を実行する必要がある。

0072

図7は、効率的な昇温制御を実現するための電圧設定とそのときの電圧波形とを示した図である。図7を参照して、蓄電装置6が低温であるほど、または、蓄電装置6のSOCが低いほど、第1および第2の電圧値VhH,VhLは大きな値に設定される。たとえば、図に示されるように、蓄電装置6が極低温または低SOCの場合、第1および第2の電圧値VhH1,VhL1は、主正母線MPLおよび主負母線MNLの電圧上限値Vh_maxの近傍に設定される。

0073

このような電圧設定により、主正母線MPLおよび主負母線MNLの電圧値Vhは、その制御可能範囲(Vb≦Vh≦Vh_max)内で相対的に高い値に制御される。したがって、蓄電装置6の充放電電流が一定であるとした場合、主正母線MPLおよび主負母線MNLに接続される蓄電部7の充放電電流が小さくなるので、蓄電部7における損失内部抵抗による損失)を抑えることができる。

0074

一方、蓄電部7の昇温を優先したい場合もある。
図8は、蓄電部7の昇温を優先する場合の電圧設定とそのときの電圧波形とを示した図である。図8を参照して、蓄電部7の昇温を優先する場合、第1および第2の電圧値VhH2,VhL2は小さな値に設定される。たとえば、図に示されるように、第1および第2の電圧値VhH2,VhL2は、蓄電装置6の電圧値Vbの近傍に設定される。

0075

このような電圧設定により、主正母線MPLおよび主負母線MNLの電圧値Vhは、その制御可能範囲(Vb≦Vh≦Vh_max)内で相対的に低い値に制御される。したがって、蓄電装置6の充放電電流が一定であるとした場合、蓄電部7の充放電電流が大きくなるので、蓄電部7における損失(内部抵抗による損失)は大きくなる。その結果、蓄電部7の昇温が促進される。

0076

なお、上記においては、目標電圧VRを第1の電圧値VhHまたは第2の電圧値VhLに設定するものとしたが、目標電圧VRは、第1の電圧値VhHより高く、または、第2の電圧値VhLより低くてもよい。そして、目標電圧VRが第1の電圧値VhHよりも高い値に設定されている場合、電圧値Vhが第1の電圧値VhHに達すると、目標電圧VRを第2の電圧値VhLよりも低い値に変更し、目標電圧VRが第2の電圧値VhLよりも低い値に設定されている場合、電圧値Vhが第2の電圧値VhLに達すると、目標電圧VRを第1の電圧値VhHよりも高い値に変更するようにしてもよい。

0077

以上のように、この実施の形態1においては、蓄電装置6と主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間にコンバータ8が設けられ、主正母線MPLおよび主負母線MNLに蓄電部7が接続される。そして、昇温制御時、コンバータECU2(昇温制御部44)は、電圧値Vhが下限値(第2の電圧値VhL)に達すると、蓄電装置6から主正母線MPLおよび主負母線MNLを介して蓄電部7へコンバータ8が電力を流すように目標電圧VRを設定し、電圧値Vhが上限値(第1の電圧値VhH)に達すると、蓄電部7から主正母線MPLおよび主負母線MNLを介して蓄電装置6へコンバータ8が電力を流すように目標電圧VRを設定するので、電源システム1と駆動力発生部3との間で電力を授受することなく、かつ、第1および第2の電圧値VhH,VhLによって規定される範囲内に電圧値Vhを制御しつつ、蓄電装置6と蓄電部7との間で電力を授受することができる。

0078

したがって、この実施の形態1によれば、電源システム1が駆動力発生部3と電力の授受を開始する前に、蓄電装置6および蓄電部7を昇温することができる。その結果、低温下においても、車両100の走行開始時から蓄電装置6および蓄電部7の充放電特性を十分に確保することができる。

0079

また、この実施の形態1によれば、主正母線MPLおよび主負母線MNLの電圧が過電圧になるのを防止することができる。その結果、主正母線MPLおよび主負母線MNLに接続される各機器(平滑コンデンサCやインバータ30−1,30−2など)を過電圧破壊から保護することができる。

0080

[実施の形態2]
実施の形態1では、昇温制御部44は、電圧制御系によって構成されるが、実施の形態2では、昇温制御部が電流制御系によって構成される。

0081

実施の形態2による車両およびコンバータECUの全体構成は、図1および図3にそれぞれ示した車両100およびコンバータECU2と同じである。

0082

図9は、実施の形態2における昇温制御部の詳細な機能ブロック図である。図9を参照して、昇温制御部44Aは、目標値設定部50Aと、減算部60,64と、PI制御部62と、変調部58とを含む。

0083

目標値設定部50Aは、昇温制御時、電圧値Vhに基づいて後述の方法によりコンバータ8の目標電流IRを生成し、その生成した目標電流IRを減算部60へ出力する。なお、目標値設定部50Aのその他の機能は、実施の形態1における目標値設定部50と同じである。

0084

減算部60は、目標値設定部50Aから出力される目標電流IRから電流値Ibを減算し、その演算結果をPI制御部62へ出力する。PI制御部62は、目標電流IRと電流値Ibとの偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を減算部64へ出力する。減算部64は、電圧値Vb/目標電圧VRで示されるコンバータ8の理論昇圧比の逆数からPI制御部62の出力を減算し、その演算結果をデューティー指令Tonとして変調部58へ出力する。なお、変調部58については、実施の形態1で説明したとおりである。

0085

図10は、図9に示した昇温制御部44Aによる昇温制御のフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理も、一定時間ごとまたは所定の条件の成立時(たとえばシステム起動時)にメインルーチンから呼出されて実行される。

0086

図9および図10を参照して、目標値設定部50Aは、温度Tb1またはTb2が予め設定されたしきい温度Tth(たとえば−10℃)よりも低いか否かを判定する(ステップS110)。目標値設定部50Aは、温度Tb1,Tb2がいずれもしきい温度Tth以上であると判定すると(ステップS110においてNO)、ステップS190へ処理を進めるとともに、走行時制御部42(図3)へ出力される制御信号CTLを非活性化する。

0087

ステップS110において温度Tb1またはTb2がしきい温度Tthよりも低いと判定されると(ステップS110においてYES)、目標値設定部50Aは、走行時制御部42へ出力される制御信号CTLを活性化する。そして、目標値設定部50Aは、コンバータ8の目標電流IRが設定されているか否かを判定する(ステップS120)。目標値設定部50Aは、目標電流IRが設定されていないと判定すると(ステップS120においてNO)、後述のステップS180へ処理を進める。

0088

ステップS120において目標電流IRが設定されていると判定されると(ステップS120においてYES)、目標値設定部50Aは、目標電流IRが第1の電流値I*(I*は正値)であるか、それとも第2の電流値(−I*)であるかを判定する(ステップS130)。

0089

ステップS130において目標電流IRが第1の電流値I*であると判定されると、目標値設定部50Aは、電圧値Vhが第1の電圧値VhH以上であるか否かを判定する(ステップS140)。目標値設定部50Aは、電圧値Vhが第1の電圧値VhH以上であると判定すると(ステップS140においてYES)、目標電流IRを第2の電流値(−I*)に設定する(ステップS150)。一方、目標値設定部50Aは、電圧値Vhが第1の電圧値VhHよりも低いと判定すると(ステップS140においてNO)、ステップS150を実行することなくステップS160へ処理を進める。

0090

すなわち、目標値設定部50Aは、目標電流IRが第1の電流値I*のときに電圧値Vhが第1の電圧値VhH以上になると、目標電流IRを第2の電流値(−I*)に変更する。

0091

そして、昇温制御部44Aは、目標電流IRに基づき駆動信号PWCを生成してコンバータ8を駆動し、実際に昇温制御を実行する(ステップS160)。

0092

一方、ステップS130において目標電流IRが第2の電流値(−I*)であると判定されると、目標値設定部50Aは、電圧値Vhが第2の電圧値VhL(<VhH)以下であるか否かを判定する(ステップS170)。目標値設定部50Aは、電圧値Vhが第2の電圧値VhL以下であると判定すると(ステップS170においてYES)、目標電流IRを第1の電流値I*に設定する(ステップS180)。一方、目標値設定部50Aは、電圧値Vhが第2の電圧値VhLよりも高いと判定すると(ステップS170においてNO)、ステップS180を実行することなくステップS160へ処理を進める。

0093

すなわち、目標値設定部50Aは、目標電流IRが第2の電流値(−I*)のときに電圧値Vhが第2の電圧値VhL以下になると、目標電流IRを第1の電流値I*に変更する。

0094

図11は、昇温制御時における電圧および電流の波形図である。図11を参照して、時刻t1より前では、目標電流IRは第2の電流値(−I*)に設定されている。そして、時刻t1において、電圧値Vhが第2の電圧値VhLに達すると、目標電流IRは、第1の電流値I*に設定される。すなわち、目標電流IRは、第2の電流値(−I*)から第1の電流値I*に変更される。

0095

そうすると、電圧値Vhは第1の電圧値VhHに向けて上昇していく。このとき、コンバータ8は、蓄電装置6から主正母線MPLおよび主負母線MNLへ第1の電流値I*に相当する電流を流すように動作する。すなわち、蓄電装置6からコンバータ8ならびに主正母線MPLおよび主負母線MNLを順に介して蓄電部7へ電力が流され、その結果、蓄電装置6および蓄電部7の内部発熱により蓄電装置6および蓄電部7の温度が上昇する。

0096

時刻t2において、電圧値Vhが第1の電圧値VhHに達すると、目標電流IRは、第2の電流値(−I*)に設定される。すなわち、目標電流IRは、第1の電流値I*から第2の電流値(−I*)に変更される。

0097

そうすると、電圧値Vhは第2の電圧値VhLに向けて下降していく。このとき、コンバータ8は、主正母線MPLおよび主負母線MNLから蓄電装置6へ第2の電流値(−I*)に相当する電流を流すように動作する。すなわち、蓄電部7から主正母線MPLおよび主負母線MNLならびにコンバータ8を順に介して蓄電装置6へ電力が流され、その結果、蓄電装置6および蓄電部7の温度が上昇する。

0098

そして、温度Tb1,Tb2が規定温度を超えるまで時刻t3以降も同様に目標電流IRが変更され、蓄電装置6および蓄電部7間で電力を授受することにより昇温制御が実行される。

0099

なお、この実施の形態2においても、第1および第2の電圧値VhH,VhLは、主正母線MPLおよび主負母線MNLの電圧上限値を超えず、かつ、蓄電装置6の電圧を下回らない範囲で任意に設定することができるが、蓄電装置6および蓄電部7の状態に応じて可変とすることができる。

0100

図12は、効率的な昇温制御を実現するための電圧設定とそのときの電圧および電流の波形とを示した図である。図12を参照して、蓄電装置6が低温であるほど、または、蓄電装置6のSOCが低いほど、第1および第2の電圧値VhH,VhLは大きな値に設定される。たとえば、図に示されるように、蓄電装置6が極低温または低SOCの場合、第1および第2の電圧値VhH1,VhL1は、主正母線MPLおよび主負母線MNLの電圧上限値Vh_maxの近傍に設定される。

0101

図13は、蓄電部7の昇温を優先する場合の電圧設定とそのときの電圧および電流の波形とを示した図である。図13を参照して、蓄電部7の昇温を優先する場合、第1および第2の電圧値VhH2,VhL2は小さな値に設定される。たとえば、図に示されるように、第1および第2の電圧値VhH2,VhL2は、蓄電装置6の電圧値Vbの近傍に設定される。

0102

なお、上記においては、第2の電流値(−I*)は、第1の電流値I*の符号を反転したものとしたが、第2の電流値(負値)の大きさ(絶対値)は、第1の電流値(正値)と必ずしも同じである必要はない。

0103

以上のように、この実施の形態2においては、昇温制御部44Aを電流制御系で構成したので、昇温制御時に蓄電装置6に対して入出力される電流値(電力値)を設定できる。したがって、この実施の形態2によれば、昇温制御時における蓄電装置6のSOCの管理が容易になる。また、目標電流の大きさに応じて昇温速度を制御することもできる。

0104

なお、上記の各実施の形態においては、昇温制御時、蓄電装置6と蓄電部7との間で電力を授受するものとしたが、蓄電部7に代えて平滑コンデンサCを用い、蓄電装置6と平滑コンデンサCとの間で電力を授受することにより蓄電装置6を昇温してもよい。

0105

また、上記においては、電源システム1は、蓄電装置6および蓄電部7を含むものとしたが、蓄電部7に並列に接続されるさらに多くの蓄電部を備えてもよい。その場合、蓄電装置6と複数の蓄電部との間で電力を授受することにより昇温制御を実現することができる。

0106

なお、上記の実施の形態において、図4および図9に示した昇温制御部44,44Aは、各ブロックに相当する機能を有する回路で構成してもよいし、予め設定されたプログラムに従ってコンバータECU2が処理を実行することにより実現してもよい。後者の場合、上述した昇温制御部44,44Aの制御は、CPU(Central Processing Unit)によって行なわれ、CPUは、上記の機能ブロックおよびフローチャートに示される処理を実行するためのプログラムをROM(Read Only Memory)から読出し、その読出したプログラムを実行して上記の機能ブロックおよびフローチャートに従って処理を実行する。したがって、ROMは、上記の機能ブロックおよびフローチャートに示される処理を実行するためのプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取可能な記録媒体に相当する。

0107

なお、上記において、蓄電装置6は、この発明における「蓄電装置」に対応し、蓄電部7は、この発明における「蓄電部」に対応する。また、主正母線MPLおよび主負母線MNLは、この発明における「電力線」に対応し、コンバータECU2は、この発明における「制御装置」に対応する。さらに、電圧センサ18は、この発明における「電圧センサ」に対応し、インバータ30−1,30−2およびモータジェネレータ34−1,34−2は、この発明における「駆動力発生部」を形成する。

0108

今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

図面の簡単な説明

0109

この発明の実施の形態1による車両の全体ブロック図である。
図1に示すコンバータの概略構成図である。
図1に示すコンバータECUの機能ブロック図である。
図3に示す昇温制御部の詳細な機能ブロック図である。
図4に示す昇温制御部による昇温制御のフローチャートである。
昇温制御時における電圧および電流の波形図である。
効率的な昇温制御を実現するための電圧設定とそのときの電圧波形とを示した図である。
蓄電部の昇温を優先する場合の電圧設定とそのときの電圧波形とを示した図である。
実施の形態2における昇温制御部の詳細な機能ブロック図である。
図9に示す昇温制御部による昇温制御のフローチャートである。
昇温制御時における電圧および電流の波形図である。
効率的な昇温制御を実現するための電圧設定とそのときの電圧および電流の波形とを示した図である。
蓄電部の昇温を優先する場合の電圧設定とそのときの電圧および電流の波形とを示した図である。

符号の説明

0110

1電源システム、2コンバータECU、3駆動力発生部、4電池ECU、6蓄電装置、7蓄電部、8 コンバータ、10電流センサ、12,18電圧センサ、14−1,14−2温度センサ、30−1,30−2インバータ、32 駆動ECU、34−1,34−2モータジェネレータ、36動力伝達機構、38駆動軸、40チョッパ回路、42走行時制御部、44,44A昇温制御部、52,56,60,64 減算部、54,62PI制御部、58変調部、70目標値生成部、MPL主正母線、MNL主負母線、PL 正極線、NL 負極線、C,C1平滑コンデンサ、LNA 正母線、LNC負母線、LNB配線、QA,QBトランジスタ、DA,DBダイオード、Lインダクタ。

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