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技術 コークス押し出し方法及びコークス製造方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 福島康博菊地伸太郎田中均内田哲郎下山泉亀崎俊一石野和成島村隆宏
出願日 2006年6月27日 (14年5ヶ月経過) 出願番号 2006-176338
公開日 2008年1月17日 (12年10ヶ月経過) 公開番号 2008-007539
状態 特許登録済
技術分野 コークス工業
主要キーワード 不規則振動 押し出し過程 押し出し荷重 インパルス波 補修直後 傾斜付き ストレインアンプ エアーハンマー
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年1月17日)のものです。
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図面 (4)

課題

コークス炉炭化室からコークス塊押し出す際に、的確に押し出し負荷を低減して、コークス炉壁の損傷を軽減することができるコークス押し出し方法及びコークス製造方法を提供すること。

解決手段

コークス炉の炭化室内のコークス塊を、押し出し装置を用いて炭化室から押し出す際に、当該炭化室における前回押し出し時の前記押し出し装置の駆動装置負荷電流値が所定の値を超えた場合に、コークス塊に振動を付与しながら押し出すことを特徴とするコークス押し出し方法を用いる。または、炭化室が空窯にした直後である場合、炭化室に隣接する炭化室が空の場合、炭化室が炉壁補修を行なった直後である場合、炭化室の炉壁が欠損を有する場合に、コークス塊に振動を付与しながら押し出す。

概要

背景

コークス炉において、炭化室内石炭乾留して生成されたコークスコークス塊)を押し出し装置を用いて炭化室から押し出す際に、炭化室内でコークスの押し詰りを起こし、その結果、押し出し負荷が増大して、コークス炉炭化室炉壁に大きな力が作用し、炉壁を損傷することがある。押し詰りが甚だしい場合には、炉壁が破壊されたり、あるいは押し出し装置でコークスを押し出すことが不可能となり、炉の温度を下げてから、人力でコークスを掻き出したりしなければならない。このように押し詰りが発生すると、炉壁の補修費が増大し、炉の停止による生産量の低減を余儀なくされる。

このような問題に対して、押し出し負荷を低減し、炉壁の損傷を防止するための技術として、以下のようなものが提案されている。

例えば、コークス炉の炭化室の炉底レンガを補修する際に、乾燥粉コークスを炭化室に入れ、乾燥粉コークスが炉底レンガ表面の凹部を埋めて平坦にすることによって、コークス押し出し時におけるコークス塊と炉底間の摩擦を低減する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。

また、原料石炭を炭化室内へ装入するに先立ち、粒状(5mm以下)の耐火材料グラファイトやSi3N4など)を傾斜付きの炉底に敷き詰めておき、コークス押し出し時におけるコークス塊と炉底間の摩擦を低減して、結果として炉壁損傷を防ぐという技術もある(例えば、特許文献2参照。)。
特開昭59−187082号公報
特開平8−120278号公報

概要

コークス炉の炭化室からコークス塊を押し出す際に、的確に押し出し負荷を低減して、コークス炉壁の損傷を軽減することができるコークス押し出し方法及びコークス製造方法を提供すること。コークス炉の炭化室内のコークス塊を、押し出し装置を用いて炭化室から押し出す際に、当該炭化室における前回の押し出し時の前記押し出し装置の駆動装置負荷電流値が所定の値を超えた場合に、コークス塊に振動を付与しながら押し出すことを特徴とするコークス押し出し方法を用いる。または、炭化室が空窯にした直後である場合、炭化室に隣接する炭化室が空の場合、炭化室が炉壁の補修を行なった直後である場合、炭化室の炉壁が欠損を有する場合に、コークス塊に振動を付与しながら押し出す。

目的

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、コークス炉の炭化室からコークス塊を押し出す際に、的確に押し出し負荷を低減して、コークス炉壁の損傷を軽減することができるコークス押し出し方法及びコークス製造方法を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

コークス炉炭化室内コークス塊を、押し出し装置を用いて炭化室から押し出す際に、当該炭化室における前回押し出し時の前記押し出し装置の駆動装置負荷電流値が所定の値を超えた場合に、コークス塊に振動を付与しながら押し出すことを特徴とするコークス押し出し方法

請求項2

コークス炉の炭化室内のコークス塊を、押し出し装置を用いて炭化室から押し出す際に、前記炭化室が空窯にした直後である場合に、コークス塊に振動を付与しながら押し出すことを特徴とするコークス押し出し方法。

請求項3

コークス炉の炭化室内のコークス塊を、押し出し装置を用いて炭化室から押し出す際に、前記炭化室に隣接する炭化室が空の場合に、コークス塊に振動を付与しながら押し出すことを特徴とするコークス押し出し方法。

請求項4

コークス炉の炭化室内のコークス塊を、押し出し装置を用いて炭化室から押し出す際に、前記炭化室が炉壁補修を行なった直後である場合に、コークス塊に振動を付与しながら押し出すことを特徴とするコークス押し出し方法。

請求項5

コークス炉の炭化室内のコークス塊を、押し出し装置を用いて炭化室から押し出す際に、前記炭化室の炉壁が欠損を有する場合に、コークス塊に振動を付与しながら押し出すことを特徴とするコークス押し出し方法。

請求項6

押し出し装置がコークス塊に押し当てて炭化室からコークス塊を押し出すためのラムヘッドを有し、該ラムヘッドを振動させることによりコークス塊に振動を付与することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のコークス押し出し方法。

請求項7

振動方向として少なくとも押し出し方向成分を含んだ振動を付与することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のコークス押し出し方法。

請求項8

2Hz〜100Hzの周波数成分を1種類以上含んだ振動を付与することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のコークス押し出し方法。

請求項9

1種類以上の正弦波を含んだ波形の振動を付与することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のコークス押し出し方法。

請求項10

振動レベルが0.5G〜10Gの加速度レベルである振動を付与することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のコークス押し出し方法。

請求項11

請求項1ないし請求項10に記載のコークス押し出し方法を用いて、コークス塊を炭化室から押し出すことを特徴とするコークス製造方法

技術分野

0001

本発明は、炉体の下部に蓄熱室を有し、その上部に燃焼室炭化室とが交互に配列された室炉式コークス炉において、炭化室で乾留して生成されたコークスを炭化室から押し出すためのコークス押し出し方法及びコークス製造方法に関する。

背景技術

0002

コークス炉において、炭化室内石炭を乾留して生成されたコークス(コークス塊)を押し出し装置を用いて炭化室から押し出す際に、炭化室内でコークスの押し詰りを起こし、その結果、押し出し負荷が増大して、コークス炉炭化室炉壁に大きな力が作用し、炉壁を損傷することがある。押し詰りが甚だしい場合には、炉壁が破壊されたり、あるいは押し出し装置でコークスを押し出すことが不可能となり、炉の温度を下げてから、人力でコークスを掻き出したりしなければならない。このように押し詰りが発生すると、炉壁の補修費が増大し、炉の停止による生産量の低減を余儀なくされる。

0003

このような問題に対して、押し出し負荷を低減し、炉壁の損傷を防止するための技術として、以下のようなものが提案されている。

0004

例えば、コークス炉の炭化室の炉底レンガを補修する際に、乾燥粉コークスを炭化室に入れ、乾燥粉コークスが炉底レンガ表面の凹部を埋めて平坦にすることによって、コークス押し出し時におけるコークス塊と炉底間の摩擦を低減する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。

0005

また、原料石炭を炭化室内へ装入するに先立ち、粒状(5mm以下)の耐火材料グラファイトやSi3N4など)を傾斜付きの炉底に敷き詰めておき、コークス押し出し時におけるコークス塊と炉底間の摩擦を低減して、結果として炉壁損傷を防ぐという技術もある(例えば、特許文献2参照。)。
特開昭59−187082号公報
特開平8−120278号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、前記の特許文献1、2に記載されている技術では、十分な押し出し負荷低減には結びつかないという問題がある。

0007

すなわち、前記の特許文献1、2に記載されている技術は、いずれも、コークス塊と炭化室炉底との摩擦力低減を図ろうとするものであるが、コークスの押し詰りの発生及び押し出し負荷の増大の主原因は、コークス塊と炭化室炉底との摩擦力ではなく、押し出し装置を用いてコークス塊の押し出しを行う際に、押し出し装置のラムヘッドで押されたコークス塊が変形・崩壊して、押し出し方向と直交する水平方向にひろがることにより、コークス塊と炭化室側壁との摩擦力が増すことにあるからである。

0008

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、コークス炉の炭化室からコークス塊を押し出す際に、的確に押し出し負荷を低減して、コークス炉壁の損傷を軽減することができるコークス押し出し方法及びコークス製造方法を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0009

このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)、コークス炉の炭化室内のコークス塊を、押し出し装置を用いて炭化室から押し出す際に、当該炭化室における前回の押し出し時の前記押し出し装置の駆動装置負荷電流値が所定の値を超えた場合に、コークス塊に振動を付与しながら押し出すことを特徴とするコークス押し出し方法。
(2)、コークス炉の炭化室内のコークス塊を、押し出し装置を用いて炭化室から押し出す際に、前記炭化室が空窯にした直後である場合に、コークス塊に振動を付与しながら押し出すことを特徴とするコークス押し出し方法。
(3)、コークス炉の炭化室内のコークス塊を、押し出し装置を用いて炭化室から押し出す際に、前記炭化室に隣接する炭化室が空の場合に、コークス塊に振動を付与しながら押し出すことを特徴とするコークス押し出し方法。
(4)、コークス炉の炭化室内のコークス塊を、押し出し装置を用いて炭化室から押し出す際に、前記炭化室が炉壁の補修を行なった直後である場合に、コークス塊に振動を付与しながら押し出すことを特徴とするコークス押し出し方法。
(5)、コークス炉の炭化室内のコークス塊を、押し出し装置を用いて炭化室から押し出す際に、前記炭化室の炉壁が欠損を有する場合に、コークス塊に振動を付与しながら押し出すことを特徴とするコークス押し出し方法。
(6)、押し出し装置がコークス塊に押し当てて炭化室からコークス塊を押し出すためのラムヘッドを有し、該ラムヘッドを振動させることによりコークス塊に振動を付与することを特徴とする(1)ないし(5)のいずれかに記載のコークス押し出し方法。
(7)、振動方向として少なくとも押し出し方向成分を含んだ振動を付与することを特徴とする(1)ないし(6)のいずれかに記載のコークス押し出し方法。
(8)、2Hz〜100Hzの周波数成分を1種類以上含んだ振動を付与することを特徴とする(1)ないし(7)のいずれかに記載のコークス押し出し方法。
(9)、1種類以上の正弦波を含んだ波形の振動を付与することを特徴とする(1)ないし(8)のいずれかに記載のコークス押し出し方法。
(10)、振動レベルが0.5G〜10Gの加速度レベルである振動を付与することを特徴とする(1)ないし(9)のいずれかに記載のコークス押し出し方法。
(11)、(1)ないし(10)に記載のコークス押し出し方法を用いて、コークス塊を炭化室から押し出すことを特徴とするコークス製造方法。

発明の効果

0010

本発明によれば、コークス炉の炭化室からコークス塊を押し出す際の押し出し負荷を低減させることができる。これによりコークス炉の炉壁の損傷を軽減し、炉壁の延命化を図ることができる。また、押し詰りの発生を防止できるので、操業遅延が回避され、生産性が向上する。さらに、配合炭揮発分や配合炭の膨張圧高膨張圧炭の配合量に関わらず押し出し負荷(例えば、押し出しラム駆動装置の最高負荷電流値)を、管理レベル内に維持できるので、配合炭の管理が非常に容易となる。したがって、コストの安い揮発分の多い石炭や揮発分の少ない石炭あるいは、膨張圧の高い石炭の使用量を増加させることができるので、コークス製造のコストも低減できる。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明では、コークス炉の炭化室内に装入した石炭を乾留して製造したコークスの塊であるコークス塊に対して、振動を付与しながら炭化室から押し出すことで、押し出し負荷を低減させる。コークス塊に振動を付与することにより、コークス塊と炭化室炉壁との間の摩擦を静摩擦から動摩擦に変化させて、摩擦係数を低下させ、それにより押し出し負荷が低減する。そして、このようなコークス塊への振動付与は、押し詰まりが発生しやすい、押し出し力が高くなると予想される場合に行なうことが効果的である。

0012

なお、本発明で言うコークス塊は、炭化室内にあるコークス全体のことを指すものであり、コークス同士が固着したブロック状のコークス部分だけを意味するものではない。コークスは、炉内で冷却される過程で、ひび割れるが、押し出し過程で、コークス同士が、お互いに密に接触し、一体化したものとしてコークス全体に振動を伝えることができるので、コークス全体が固着して一体化したブロック状である必要はない。

0013

まず、コークス塊に振動を付与する一実施形態を図面に基づいて説明する。

0014

図1は、コークス炉炭化室内のコークス塊と押し出し装置の、押し出し方向における縦断面を示す説明図であり、図2は、コークス押し出し装置の一例を示す斜視図である。

0015

図1中、10がコークス炉の炭化室で、その中でコークス塊11が生成される。そして、図1図2において、20がコークス押し出し装置であり、押し出しラム21と、押し出しラム駆動装置(図示せず)と、押し出しラム21の先端に設けられたラムヘッド22とを備えているとともに、コークス塊11に押し当てられるラムヘッド22の押し当て面が、上下方向に、上部押し当て面22a、中間押し当て面22b、下部押し当て面22cの3個の押し当て面に分割されていて、その内の押し当て面積が一番大きい中間押し当て面22bを加振ロッド24を介して押し出し方向に振動させるための加振機23が押し出しラム21に取り付けられている。

0016

上記のように構成されたコークス押し出し装置20を用いて、コークス塊11を炭化室10から押し出す場合の手順を以下(a)〜(c)に示す。

0017

(a)まず、図1に示すように炭化室10外に待機している状態から、押し出しラム21を作動させて、ラムヘッド22の各押し当て面22a、22b、22cを炭化室10内のコークス塊11に押し当て、ラムヘッド22を図1中の白矢印の向きに前進させる。

0018

(b)次に、コークス塊11の押し出しを開始するとほぼ同時に、加振機23によって中間押し当て面22bを押し出し方向(図1中に両方向の矢印で示す)に振動させて、コークス塊11に振動を付与しながら、ラムヘッド22を前進させる。

0019

(c)そして、コークス塊11全体が炭化室10から押し出されたら、中間押し当て面22bの振動を停止し、押し出しラム21を当初の待機位置まで後退させる。

0020

上記のようにしてコークス塊11の押し出しを行うことによって、コークス塊11に付与される振動で、コークス塊11と炭化室10の炉壁との間の摩擦が静摩擦から動摩擦に変化して、摩擦係数が低下し、それにより押し出し負荷が低減する。その結果、炉壁の損傷を抑止することができるとともに、押し詰りによる操業遅延が回避され、生産性をあげることが可能となる。

0021

なお、上記では、押出しの最初から最後までコークス塊に振動を付与したが、押し出しラム駆動装置の負荷電流値を測定し、押し出し荷重(押し出し負荷)が所定の値以上になった際に、コークス塊11に振動を付与し、押し出し荷重が所定の値より小さくなったら、振動を付与するのを停止するようにしてもよい。通常、押し出し荷重が最大になるのは、押し出し開始位置からのラムヘッド22の前進移動距離が1m〜1.5mになったところなので、ラムヘッド22の前進移動距離が1.5mを超えたら、コークス塊11に振動を付与するのを停止するようにしてもよい。

0022

なお、ラムヘッドの振動方向は、コークス塊全体に振動を付与することができれば、炉の上下方向や押し出し方向のいずれも用いることができる。しかし、炉の上下方向への振動を主体とした振動は、ラムヘッドからコークス塊全体に確実に振動を伝えることが難しく、例えば、ラムヘッドに複数の突起を設けてコークス塊に突起を突き刺す等の工夫が必要である。しかし、この場合、ラムヘッドの突起を突き刺されたコークス塊の周辺部分のみが振動し、その部分のみのコークス塊が崩壊する可能性が高く、コークス塊全体に振動を伝えにくくなる。さらに、上下方向の振動方向を主体とした場合は、コークス塊を持ち上げる方向を含むので、加振機の負荷が大きく、加振機の駆動能力を大きくする必要がある。

0023

以上のことから、ラムヘッドの振動方向は、押し出し方向の振動成分を含んだ振動方向の場合が、ラムヘッドの構造を簡単することができ、加振機の駆動能力を小さくできるので、好ましい。さらに好適には、押し出し方向の振動成分を主体とした振動方向がより好ましい。もちろん、斜め上方方向、あるいは、斜め下方方向に振動を与えてもよい。

0024

また、上記では、中間押し当て面22bにのみ加振機23を連結しているが、上部押し当て面22a、下部押し当て面22cにもそれぞれ加振機を連結して、振動させる押し当て面を適宜1個以上選択して振動させてもよい。また、ラムヘッド22の押し当て面を3個に分割し、その内の中間押し当て面22bの押し当て面積が一番大きくなるようにしているが、必要に応じて、分割する個数や押し当て面積の割合を選定すればよい。もちろん、ラムヘッド22の押し当て面を分割しなくともよい。

0025

さらに、振動の周波数帯域は、2Hz〜100Hzの単一周波数が制御上好ましいが、この帯域の周波数成分が、2種類以上含まれてもよい。規則振動あるいは不規則振動でもよい。振動の周波数帯域が100Hzを超えると、振動の振幅が小さくなるので、コークス塊に与える振動の効果が小さくなる。より好ましくは、60Hz以下である。また、振動の周波数帯域が2Hz未満になると、十分な加速度を得るために加振機への投入エネルギーの増大が必要であり、コークス塊に与える振動の効果が、不十分になりがちである。特に、30Hz〜60Hzが好ましい。

0026

また、振動波形は、必ずしも正弦波である必要はなく、三角波矩形波あるいは、連続したインパルス波のような波形やそれらが混在した波形でもよい。また、1種類以上の正弦波を含んだ波形でラムヘッドを振動させることが好ましい。

0027

また、振動の加速度レベルは、コークス塊に有効な振動を与えるために0.5G以上の加速度レベルがあればよい。さらに1G以上の加速度レベルがさらに好ましい。また、押し出し装置の機械的強度を考慮して10G以下とするのが、好ましい。なお、加速度レベルの「G」は重力加速度で1G=9.8m/s2である。

0028

なお、加速度レベルの測定は、任意の方法で行なうことができる。例えば、ラムヘッドの加振部分に取り付けた加速度ピックアップの信号をチャージアンプで変換し、パソコンで記録して求めることができる。

0029

また、加振機は、周波数と加速度レベルを任意に調整できる装置が好ましく、その駆動方法は、モーター油圧水圧等が採用できる。但し、高温負荷から狭いスペースに搭載可能な加振機構として、例えば、バイブロハンマーエアーハンマー等が使用可能である。

0030

上記のような振動付与は、全てのコークス押し出し時に行なうこともできるが、押し出し力が高くなると予想される場合に行なうことが効果的である。

0031

コークス炉操業において、コークス炉内にて乾留が終了したコークス塊を押し出す際に、押し出しの途中で、押出し機の負荷が上がり最後まで押せない、押し詰まりが発生する場合がある。押し詰まりは、炭化室のレンガの状況に大きく影響を受け、炉壁・炉底に欠損がある場合、補修直後の場合に多く発生する。また、直近押出電流値の高い場合、空窯にした後、隣接窯が空の場合にも押し詰まりの発生が多い。

0032

押し詰まりは、炉壁とコークスとの過剰な接触や、押し詰まり処置時の温度低下によるレンガ損傷を引き起こすので避けるべき問題である。従って本発明においては、(A)直近の押出電流値の高い炭化室、(B)空窯にした直後の炭化室、(C)隣接炭化室が空の炭化室、(D)補修を行なった炭化室、(E)目視により欠損の認められた炭化室について、押し出しの際に、コークス塊に振動を付与することで、押し出し負荷を低減させて、押し詰りの発生を防止する。(A)〜(D)については、振動の付与は、押出し開始から完了まで行うことが好ましい。以下、上記(A)〜(E)について具体的に説明する。

0033

(A)直近の押出電流値の高い炭化室
炭化室内のコークス塊を、押し出し装置を用いて押し出す際に、押し出し力の高い炭化室については、次回の押し出し時に押し詰まりの発生が予測される。押し出し力は、押し出し装置の駆動装置の負荷電流値である、押出電流値として測定することができる。すなわち、押出電流値の高い炭化室は次回の押し出し時に押し詰まりの発生が予測される。したがって、押出電流値を測定して押出電流値が所定の値を超えた場合に、その炭化室での次回の押し出し時に、振動を付与した押し出しを行なう。

0034

(B)空窯にした直後の炭化室
空窯とは、空の状態の炭化室である。4時間以上炭化室を空の状態で保持して補修等を行なうと、炭化室の温度が低下し、次回乾留する場合炭化不良を起こすおそれがある。このような場合には、空窯から昇温した直後にコークス塊を押出す際に振動を付与する。

0035

(C)隣接炭化室が空の炭化室
対象とする炭化室に隣接する炭化室が空の場合で、隣接する炭化室が4時間以上空であり温度が低下すると、対象とする炭化室の温度も下がり炭化不良を起こしやすくなるため、押し詰まりが発生し易い。このような炭化室では、コークス塊を押出す際に振動を付与する。

0036

(D)補修を行なった炭化室
空窯にしてから補修を行なう場合、空窯にすることなく補修を行なう場合、どちらの場合であっても、炉壁の補修を行なった場合、補修部の凸凹が起因となり押詰りが発生し易い。このような炭化室では、補修直後にコークス塊を押出す際に振動を付与する。

0037

(E)欠損の認められた炭化室
目視により、または他の手段、例えば炭化室内の画像解析により、炭化室の炉壁に亀裂、損耗、傷、突起部など、破孔しやすい部位があり、局部的な異常を有することが分かった場合、その部分が押し詰まりの原因となりやすく、押し詰まりが発生しやすい。このような炭化室では、コークス塊を押出す際に振動を付与する。亀裂等の部位が特定できている場合には、その位置付近を押し出しラムが通過する際のみにコークス塊に振動を付与することが効率的である。

0038

室炉式コークス炉で、図1図2に示したコークス押し出し装置20を用いて、コークス塊に振動を付与しながら押し出しを行った。振動の付与は、全ての炭化室ではなく、前回の押し出し時の押し出し電流値が63A以上であった炭化室、空窯にして補修を行なった炭化室、その補修を行なった炭化室に隣接する炭化室、目視により炉壁に亀裂が観察された炭化室のみに対して行なった。振動を付与する際には、コークス塊の端面からラムヘッド22によりコークス塊11に振動(周波数50Hz、加速度レベル1G、正弦波)を加えながら、押し出しラム駆動装置(油圧シリンダ)により一定速度で押し出し、押し出し力(押し出し荷重)を測定した。なお、ラムヘッド22は押し出し面22a、22b、22cに三分割されていて、そのうちの押し出し面22b(押し出し面の全体面積の1/2)を振動可能とし、背面より加振機23で加振した。なお、加振機23は、振動モーター偏芯した高速回転)を用いた。尚、加振パターンは、押し出し開始時に振動を付与し(振動ON)、押し出し終了時に振動を停止(振動OFF)した。

0039

その際、押し出し力は、ラムヘッド22に取り付けたロードセルの信号をストレインアンプで変換し、計測器(パソコン)で記録して求めた。また、加速度レベルは、ラムヘッド22の加振部分(押し出し面22b)に取り付けた加速度ピックアップ(B&K社製Piezoelectric Charge Accelerometer型番Type 4383)の信号をチャージアンプ(B&K社製Charge Amplifier 型番Type 2635)で変換し、計測器(パソコン)で記録して求めた。

0040

以上のような方法でコークスの製造を継続したところ、前回の押し出し時の押し出し電流値が高かった炭化室においては、従来30回の押し出しに付き2回の押し詰まりが発生していたところ、振動の付与により30回の押し出しを行なっても1回の押し詰まりも発生しなかった。

0041

空窯にして補修を行なった炭化室についても、従来30回の押し出しに付き2回の押し詰まりが発生していたところ、振動の付与により30回の押し出しを行なっても1回の押し詰まりも発生しなかった。

0042

空窯補修を行なった炭化室に隣接する炭化室については、従来30回の押し出しに付き1回の押し詰まりが発生していたところ、振動の付与により30回の押し出しを行なっても1回の押し詰まりも発生しなかった。

0043

目視により炉壁に亀裂が観察された炭化室については、従来30回の押し出しに付き4回の押し詰まりが発生していたところ、振動の付与により30回の押し出しを行なっても1回の押し詰まりも発生しなかった。

0044

図3に、押し出し電流値が高い炭化室において測定した、押し出し力の時間変化実線で示す。また参考に、以前に押し詰まりが発生した時に測定した押し出し力の時間変化を点線で併せて示す。図3によれば、振動を付与しない場合は押し出し力が588kNまで上昇して押し詰まりが発生したが、振動を付与することで、押し出し力が低下して、押し詰まりが発生しなかったことが分かる。

0045

以上のような方法でコークス塊に振動を付与することで、コークス炉における押し詰まりの発生を防止して、コークスを製造することができた。

図面の簡単な説明

0046

本発明の一実施形態を示す説明図である。
コークス押し出し装置の一例を示す斜視図である。
押し出し力の時間変化を示すグラフである。

符号の説明

0047

10コークス炉の炭化室
11コークス塊
20コークス押し出し装置
21押し出しラム
22ラムヘッド
22a 上部押し当て面
22b 中間押し当て面
22c 下部押し当て面
23加振機
24加振ロッド

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