図面 (/)

技術 糞尿処理剤およびそれを用いた糞尿処理方法

出願人 大豊化学工業株式会社足立寛一
発明者 足立寛一
出願日 2007年5月29日 (13年7ヶ月経過) 出願番号 2007-141948
公開日 2008年1月17日 (12年11ヶ月経過) 公開番号 2008-006434
状態 特許登録済
技術分野 汚泥処理 固体廃棄物の処理
主要キーワード 反応遅延効果 粉砕されうる 粉体アルミニウム 人糞尿 水溶紙 生石灰粉末 水洗式トイレ ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年1月17日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

必ずしも電力を必要とせず、臭気発散しない状態で、簡易にかつ効率的に大量の糞尿を処理可能な糞尿処理剤、およびそれを用いた糞尿処理方法を提供する。

解決手段

疎水性被覆剤表面処理した粉粒状生石灰および発熱剤を含む糞尿処理剤、ならびにそれを用いた糞尿処理方法である。

概要

背景

一般的に、トイレットは、糞尿を水とともに下水道に流す水洗式のものと、タンクに溜めておく汲み取り式のものに大別することができる。水洗式トイレットの場合、糞尿は水とともに下水道に流され、下水処理場で処理される。一方、汲み取り式トイレットの場合、バキュームカー等によりタンクから糞尿を汲み取り、下水処理場に運ばれて処理される。

下水処理場においては、糞尿を含む汚水浄化槽貯溜され、ここで糞尿中の有機物活性汚泥等の微生物の作用により分解除去され、ついで、水分は何段階かの処理工程を経て浄化され、河川放流される。

しかしながら、地震等の災害による長期の停電および断水時等においては、トイレットが使用できなくなり、各家庭では糞尿が大量に溜まってしまう。大量に溜まった糞尿からは悪臭発散し続け、そのままにしておくと、その臭気により生活環境が著しく悪化してしまう。そこで、一般には糞尿をプラスチック製の袋に入れ、密封状態でとりあえず保管しておく方法等が採られているが、前記プラスチック製の袋は破損し易いため、保管中に破損して糞尿が漏れ出し、周囲に悪臭を発散させてしまう等の問題がある。また、前記プラスチック製の袋に入れられた糞尿は、時間とともに腐敗して臭気ガスが溜まり、その圧力で、前記プラスチック製の袋から臭気ガスが漏れ出てしまう等の問題もある。

また、工事現場イベント会場キャンプ場等においては、簡易トイレットが使用されているが、従来の簡易トイレットにおいては、設置しているうちに大量の糞尿が溜まり、周囲に悪臭を発散する等の問題がある。

さらに、介護医療の分野においては、ポータブルトイレットが使用されているが、従来のポータブルトイレットにおいては、介護者汚物を処理し容器洗浄する等の手間がかかり、また臭気が発散する等の問題がある。

このような状況下、おが屑中に糞尿を導入し、おがおよび糞尿ともども攪拌して、糞尿中の微生物により糞尿を処理する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。

また、生石灰微粒子の表面を高級脂肪酸、その塩およびそのエステルからなる群より選ばれた少なくとも1種の被覆剤被覆してなる糞尿処理剤、ならびにそれを用いた糞尿の処理方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−300324号公報
特開2002−210496号公報

概要

必ずしも電力を必要とせず、臭気を発散しない状態で、簡易にかつ効率的に大量の糞尿を処理可能な糞尿処理剤、およびそれを用いた糞尿処理方法を提供する。疎水性の被覆剤で表面処理した粉粒状の生石灰および発熱剤を含む糞尿処理剤、ならびにそれを用いた糞尿処理方法である。なし

目的

そこで、本発明は、必ずしも電力を必要とせず、臭気を発散しない状態で、簡易にかつ効率的に大量の糞尿を処理することができる糞尿処理剤、およびそれを用いた糞尿処理方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

請求項2

前記表面処理される生石灰の平均粒径が0.1μm〜5mmの範囲である、請求項1に記載の糞尿処理剤。

請求項3

前記表面処理される生石灰の平均粒径が1μm〜1mmの範囲である、請求項2に記載の糞尿処理剤。

請求項4

前記被覆剤が、高級脂肪酸、高級脂肪酸塩、および高級脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の糞尿処理剤。

請求項5

前記被覆剤の使用量が、前記生石灰に対し、0.01〜10質量%の範囲である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の糞尿処理剤。

請求項6

前記発熱剤が生石灰である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の糞尿処理剤。

請求項7

前記発熱剤として用いられる生石灰の割合が、前記表面処理した生石灰100質量部に対し20〜200質量部の範囲である、請求項6に記載の糞尿処理剤。

請求項8

さらに吸水材を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の糞尿処理剤。

請求項9

請求項1〜8のいずれか1項に記載の糞尿処理剤と糞尿とを混合する工程を有する糞尿処理方法

請求項10

前記糞尿処理剤の使用量が、前記糞尿100質量部に対し、1〜200質量部の範囲である請求項9に記載の糞尿処理方法。

請求項11

前記糞尿処理剤の使用量が、前記糞尿100質量部に対し、80〜120質量部の範囲である請求項10に記載の糞尿処理方法。

技術分野

0001

本発明は、糞尿処理剤およびそれを用いた糞尿処理方法に関し、より詳細には、疎水性被覆剤表面処理した生石灰および発熱剤を含む糞尿処理剤、ならびにそれを用いた糞尿処理方法に関する。

背景技術

0002

一般的に、トイレットは、糞尿を水とともに下水道に流す水洗式のものと、タンクに溜めておく汲み取り式のものに大別することができる。水洗式トイレットの場合、糞尿は水とともに下水道に流され、下水処理場で処理される。一方、汲み取り式トイレットの場合、バキュームカー等によりタンクから糞尿を汲み取り、下水処理場に運ばれて処理される。

0003

下水処理場においては、糞尿を含む汚水浄化槽貯溜され、ここで糞尿中の有機物活性汚泥等の微生物の作用により分解除去され、ついで、水分は何段階かの処理工程を経て浄化され、河川放流される。

0004

しかしながら、地震等の災害による長期の停電および断水時等においては、トイレットが使用できなくなり、各家庭では糞尿が大量に溜まってしまう。大量に溜まった糞尿からは悪臭発散し続け、そのままにしておくと、その臭気により生活環境が著しく悪化してしまう。そこで、一般には糞尿をプラスチック製の袋に入れ、密封状態でとりあえず保管しておく方法等が採られているが、前記プラスチック製の袋は破損し易いため、保管中に破損して糞尿が漏れ出し、周囲に悪臭を発散させてしまう等の問題がある。また、前記プラスチック製の袋に入れられた糞尿は、時間とともに腐敗して臭気ガスが溜まり、その圧力で、前記プラスチック製の袋から臭気ガスが漏れ出てしまう等の問題もある。

0005

また、工事現場イベント会場キャンプ場等においては、簡易トイレットが使用されているが、従来の簡易トイレットにおいては、設置しているうちに大量の糞尿が溜まり、周囲に悪臭を発散する等の問題がある。

0006

さらに、介護医療の分野においては、ポータブルトイレットが使用されているが、従来のポータブルトイレットにおいては、介護者汚物を処理し容器洗浄する等の手間がかかり、また臭気が発散する等の問題がある。

0007

このような状況下、おが屑中に糞尿を導入し、おがおよび糞尿ともども攪拌して、糞尿中の微生物により糞尿を処理する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。

0008

また、生石灰の微粒子の表面を高級脂肪酸、その塩およびそのエステルからなる群より選ばれた少なくとも1種の被覆剤で被覆してなる糞尿処理剤、ならびにそれを用いた糞尿の処理方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−300324号公報
特開2002−210496号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、特許文献1および2に記載の方法は、大きな装置を必要するためコストが高くなる他、電力を必要とするため用途が制限される等の問題を有している。さらに、特許文献1に記載の方法は、微生物による処理であるため、処理能力限界があるため処理速度が遅い等の問題を有している。

0010

そこで、本発明は、必ずしも電力を必要とせず、臭気を発散しない状態で、簡易にかつ効率的に大量の糞尿を処理することができる糞尿処理剤、およびそれを用いた糞尿処理方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上記目的は、下記(1)〜(11)の本発明により達成される。

0012

(1)疎水性の被覆剤で表面処理した生石灰および発熱剤を含む糞尿処理剤。

0013

(2)前記表面処理される生石灰の平均粒径が0.1μm〜5mmの範囲である(1)の糞尿処理剤。

0014

(3)前記表面処理される生石灰の平均粒径が1μm〜1mmの範囲である(2)に記載の糞尿処理剤。

0015

(4)前記被覆剤が、高級脂肪酸、高級脂肪酸塩、および高級脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種である(1)〜(3)のいずれか1つの糞尿処理剤。

0016

(5)前記被覆剤の使用量が、前記生石灰に対し、0.01〜10質量%の範囲である(1)〜(4)のいずれか1つの糞尿処理剤。

0017

(6)前記発熱剤が生石灰である(1)〜(5)のいずれか1つの糞尿処理剤。

0018

(7)前記発熱剤として用いられる生石灰の割合が、前記表面処理した生石灰100質量部に対し、20〜200質量部の範囲である(6)に記載の糞尿処理剤。

0019

(8)さらに、吸水材を含む(1)〜(7)のいずれか1つの糞尿処理剤。

0020

(9)(1)〜(8)のいずれか1つの糞尿処理剤と糞尿とを混合する工程を有する糞尿処理方法。

0021

(10)前記糞尿処理剤の使用量が、前記糞尿100質量部に対し、1〜200質量部の範囲である(9)の糞尿処理方法。

0022

(11)前記糞尿処理剤の使用量が、前記糞尿100質量部に対し、80〜120質量部の範囲である(10)の糞尿処理方法。

発明の効果

0023

本発明の糞尿処理方法によれば、必ずしも電力を必要とせず、臭気を発散しない状態で、簡易にかつ効率的に大量の糞尿を処理することが可能であり、また、処理後において、糞尿を粉末化できるため、取り扱い性に優れ、輸送コストが安価である等の利点を有する。また、被覆剤の効果により、糞尿の処理後に得られる粉末も疎水性を有するため、例えば、雨水等の水分の混入があったとしても、得られた粉末は、元の糞尿の形態に戻ることはない。さらに、前記のような糞尿処理の系内は、温度が80〜95℃にも達し、かつ、強アルカリ性であるため、糞尿中の菌を殺菌することが可能であり、処理後の物質の腐敗による悪臭の発生を抑制することができる。

発明を実施するための最良の形態

0024

まず、本発明の糞尿処理剤について説明する。

0025

本発明による糞尿処理剤は、疎水性の被覆剤で表面処理した生石灰および発熱剤を含み、さらに必要に応じて、吸水材および/または添加剤を含有していてもよい。以下、本発明による糞尿処理剤の構成成分について詳述する。

0026

[表面処理される生石灰]
本発明で用いられる表面処理される生石灰(CaO)の形態は、特に制限されないが、大便に対して効果的に分散させるという観点から、粉粒状であることが好ましい。また、その平均粒径は、0.1μm〜5mmの範囲であることが好ましく、0.5μm〜2mmの範囲であることがより好ましく、1μm〜1mmの範囲であることが特に好ましい。前記表面処理される生石灰の平均粒径が0.1μm未満である場合には、製造が困難となり生産コストが高くなる場合がある。一方、5cmより大きい場合には、得られる糞尿処理剤と糞尿との接触面積が減少し、反応効率が低下する場合がある他、糞尿処理時に塊状物が生じ、未反応物が残存する場合がある。また、必要に応じて、前記表面処理される生石灰は、平均粒径が異なる2種以上の生石灰が組み合わせて使用されてもよい。なお、本発明において、前記平均粒径は、粒度分布測定装置により測定した値を採用するものとする。

0027

[疎水性の被覆剤]
本発明で用いられる疎水性の被覆剤は、該被覆剤を使用して生石灰の表面を処理した際に、生石灰に対して疎水性を付与することができ、かつ、被覆後の生石灰を粉粒状にしやすくする化合物であることが好ましい。

0028

前記被覆剤の具体例としては、例えば、パラフィンステアリルアミン、高級脂肪酸、高級脂肪酸の塩、または高級脂肪酸のエステルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物などが挙げられ、これらの中でも、高級脂肪酸、高級脂肪酸の塩、および高級脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。かかる高級脂肪酸としては、炭素数8〜26の一価または多価の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸が好ましく、炭素数8〜24の一価または多価の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸がより好ましく、炭素数10〜20の一価の飽和脂肪酸が特に好ましい。前記高級脂肪酸の具体例としては、カプリル酸ペラルゴン酸カプリン酸ラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸ステアリン酸アラキン酸リグノセリン酸オレイン酸リノール酸リノレン酸アラキドン酸などが挙げられる。前記高級脂肪酸の塩の具体例としては、アンモニウム塩ナトリウム塩カリウム塩などのアルカリ金属塩;またはカルシウム塩マグネシウム塩などの第2族の金属の塩などが挙げられる。また、前記高級脂肪酸のエステルの具体例としては、メチルエステルエチルエステル、n−プロピルエステルイソプロピルエステル、n−ブチルエステル、sec−ブチルエステル、tert−ブチルエステル、イソブチルエステルn−ヘキシルエステルなどのアルキルエステル;またはシクロヘキシルエステルなどのシクロアルキルエステルなどが挙げられる。

0029

被覆剤の使用量は、表面処理される生石灰に対し、0.01〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜3質量%の範囲であることがより好ましく、0.4〜1.5質量%の範囲であることが特に好ましい。被覆剤の使用量が、0.01質量%未満である場合には、糞尿処理時に、十分な反応遅延効果が得られず、急激に反応が進行し、均一な混合ができないために塊状物が生成する他、反応生成物の疎水性が保たれず、水分の混入等により元の糞尿の形態に戻る虞がある。一方、10質量%を超える場合には、生石灰の活性表面積が減少するため効率的に反応が進行しない虞がある他、コストが高くなる虞がある。

0030

[疎水性の被覆剤で表面処理した生石灰]
疎水性の被覆剤で表面処理した生石灰の製造方法は、本発明の糞尿処理剤およびそれを用いた糞尿処理方法に悪影響を及ぼさない限り、特に制限されない。具体的には、例えば、被覆剤の融点よりも高い温度において、生石灰粉末と被覆剤とを混合する方法、または被覆剤の融点より若干低い温度に保持した生石灰粉末に、攪拌下、前記被覆剤の溶融物噴霧する方法等が好ましく挙げられる。また、前記生石灰は、通常、炭酸カルシウム焼成して製造されるため、焼成により得られた生石灰を所定の温度まで冷却した後、上記の表面処理方法に付すこともまた好ましい。前記の表面処理した生石灰は、必要に応じて、異なる使用量の被覆剤を用いて表面処理した生石灰を、2種以上組み合わせて使用してもよい。

0031

前記の表面処理した生石灰の形状は、特に制限されないが、粉粒状であることが好ましい。また、その平均粒径は、0.1μm〜5mmの範囲であることが好ましく、0.5μm〜2mmの範囲であることがより好ましく、1μm〜1mmの範囲であることが特に好ましい。

0032

[発熱剤]
本発明で用いられる発熱剤は、本発明の糞尿処理剤およびこれを用いた糞尿処理方法において悪影響を及ぼさない限り、特に制限されず、公知の発熱剤を使用することができるが、糞尿処理の系内において、水分、空気、または消石灰(Ca(OH)2)等との反応により発熱し、前記被覆剤の溶融に必要な熱量を供給しうる物質であることが好ましい。かかる発熱剤の具体例としては、例えば、生石灰、粉体アルミニウム酸化アルミニウム酸化マグネシウム、または無水塩化マグネシウム等が挙げられる。これらの化合物は単独でもまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0033

これらの中でも、糞尿処理にも寄与できるという観点から、生石灰を用いることが好ましい。この場合の生石灰の使用量は、前記表面処理した生石灰100質量部に対して、20〜200質量部の範囲であることが好ましく、処理後の処理物を粉末として得るという観点から、25〜150質量部の範囲であることがより好ましく、25〜100質量部の範囲であることが特に好ましい。生石灰の使用量が20質量部未満である場合には、発熱量が少なく、前記表面処理した生石灰の活性化が効率的に行えないために、糞尿処理時間が長くなる虞がる。一方、生石灰の使用量が200質量部を超える場合には、発生する過剰な熱量により、前記表面処理した生石灰が即座に活性化され、塊状物が生じ、未反応物が残存する虞がある。

0034

しかしながら、前記発熱剤の使用量は、上記の発熱剤が生石灰である場合の使用量に制限されず、前記被覆剤の種類および使用量、ならびに発熱剤の種類などに基づき適宜調整可能である。

0035

また、発熱剤として生石灰を用いる場合、形状は特に制限されないが、粉粒状であることが好ましい。また、その平均粒径は0.1μm〜5mmであることが好ましく、0.5μm〜2mmであることがより好ましい。

0036

なお、前記の疎水性の被覆剤で表面処理した生石灰が、糞尿処理時に水分等との反応による凝集を起こさず、かつ、糞尿処理時の混合条件により効率的に粉砕されうる場合、または前記疎水性の被覆剤の欄で述べたような物理的および/もしくは化学的機構により、被覆剤で表面処理した生石灰の表面から被覆剤が剥離され、活性面露出した生石灰と糞尿との反応により、本発明で使用される前記表面処理した生石灰の表面に存在する被覆剤溶融に必要な熱量が供給されうる場合等においては、前記の表面処理した生石灰を発熱剤として使用することも可能である。

0037

[吸水材]
本発明の糞尿処理剤は、吸水材をさらに含むことが好ましい。本発明で用いられうる吸水材は、活性な生石灰と糞尿との反応を制御する観点、すなわち、糞尿中に含まれる水分が、一度に生石灰の活性表面と反応して凝集により塊状物を生成し、未反応の糞尿が残存することを抑制する観点から添加されるものである。前記吸水材は、本発明の糞尿処理剤およびそれを用いた糞尿処理方法において悪影響を及ぼさない限り、特に制限はなく、公知の物質を使用することができるが、吸水性を有し、かつ吸水した水分が、生石灰の活性表面との接触において反応しうる物質であることが好ましい。かかる吸水材の例としては、例えば、おが屑、水溶紙繊維束、不織布、ピートモス、または草炭等が挙げられる。これらは単独でもまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。吸水材の使用量は、吸水材の種類や形状、および被処理物である糞尿中に含まれる水分量などにより適宜調整可能であるが、糞尿処理剤100質量部に対して、1〜10質量部の範囲であることが好ましく、2〜6質量部の範囲であることがより好ましい。

0038

[添加剤]
本発明の糞尿処理剤は、本発明の糞尿処理剤およびそれを用いた糞尿処理方法において悪影響を及ぼさない限り、吸水材に代えてまたは吸水材に加えてその他の添加剤をさらに含有していてもよい。かかる添加剤の例としては、臭気対策の観点から、香料消臭剤、または脱臭剤;前記表面処理した生石灰の水に対する濡れ性を向上させるという観点から、アルコール等の親水性有機化合物、または界面活性剤;糞尿中の水分含量を制御するという観点から、シリカゲル無水硫酸ナトリウム等の乾燥剤吸水性樹脂等の保水剤等が挙げられる。これらの添加剤は、単独でもまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0039

前記香料の例としては、例えば、レモンオイルレモングラスシナモン油、ラベンダー油、ベチパー等が挙げられる。

0041

また、糞尿処理剤を糞尿に添加する際に用いられうる、後述の水溶性樹脂からなる包袋、水溶紙からなる包袋、または水解性不織布からなる包袋も、本発明の糞尿処理剤の添加剤として含有されうる。

0042

[糞尿処理剤]
本発明の糞尿処理剤の調製方法は、特に制限されず、例えば、疎水性の被覆剤で表面処理した生石灰、および発熱剤を混合し、必要に応じて、さらに吸水材および/または所望の添加剤を混合する方法等が挙げられる。

0043

前記表面処理した生石灰は、疎水性の被覆剤で被覆されているため、得られる糞尿処理剤の耐湿性が高まるだけではなく、糞尿処理時に糞尿と接触してもすぐには反応を起こさない反応遅延性を有していることから、生石灰の活性表面と直ちに接触して塊状物等を生成することがない。したがって、糞尿と本発明の糞尿処理剤とは均一に混合されうる。しかし、前記被覆剤として高級脂肪酸、特に炭素数が15〜26である高級脂肪酸を使用した場合には疎水性がより高く、水分を多く含有する糞尿と混合すると攪拌が困難となる場合がある。このような場合には、粉体の攪拌を容易にするという観点から、界面活性剤等の添加剤または比較的疎水性の低い高級脂肪酸の塩、特に炭素数が8〜14である高級脂肪酸の塩を糞尿処理剤にさらに添加して使用してもよい。

0044

前記糞尿処理剤を糞尿に添加する方法としては、特に制限されないが、取り扱いの容易性等の観点から、例えば、前記糞尿処理剤を予め包袋に入れておき、糞尿処理時に前記包袋をそのまま糞尿に添加する方法が好ましい。この場合の包袋は、糞尿処理時に糞尿処理剤が糞尿に効率的に拡散するよう、水溶性樹脂からなる包袋、水溶紙からなる包袋、または水解性不織布からなる包袋であることが好ましい。なお、これらの態様を含め、前記糞尿処理剤は、耐湿、耐水条件下で保存することが好ましい。

0045

次に、本発明の糞尿処理剤を用いた糞尿処理方法について詳述する。

0046

本発明の糞尿処理方法は、本発明の糞尿処理剤と糞尿とを混合する工程を有する。

0047

本発明の糞尿処理方法に付される糞尿は、人糞尿のみならず、例えば、牛糞尿豚糞尿鶏糞尿等の畜糞尿等も包含する。また、前記糞尿は、大便単独でもよいし、小便単独でもよいし、大便と小便との混合物であってもよい。

0048

前記糞尿処理剤の使用量は、被処理物である糞尿100質量部に対し、1〜200質量部の範囲であることが好ましく、10〜150質量部の範囲であることがより好ましく、80〜120質量部であることがさらに好ましい。前記使用量が、1質量部未満である場合には、糞尿の吸着処理が十分に行えず、未反応物が残存してしまう虞がある。一方、200質量部より多い場合には、処理効率が悪くなる虞がある。

0049

本発明の糞尿処理方法は、本発明の糞尿処理剤およびそれを用いた糞尿処理方法に悪影響を及ぼさない限り、特に制限されず、例えば、被処理物である糞尿を前記糞尿処理剤に添加し攪拌する方法、前記糞尿処理剤を被処理物である糞尿に添加し攪拌する方法、または前記糞尿処理剤および被処理物である糞尿を同時に添加し攪拌する方法などが挙げられる。前記糞尿処理剤と被処理物である糞尿とを混合する温度は、糞尿処理に使用する装置によるが、急速な反応により、塊状物が生じ、未反応物が残存することを防止する観点から、使用する被覆剤の融点以下の温度において混合を開始することが好ましく、具体的には、5〜40℃であることが好ましい。

0050

前記のような処理により発熱剤が糞尿との反応により発熱して、前記表面処理した生石灰の被覆剤を溶融し生石灰の活性表面を露出させ、前記生石灰が、さらに糞尿中の水分と反応して発熱すると共に、反応生成物である水酸化カルシウムが糞尿を吸着することにより処理後の物質は粉末として得られる。こうして得られた処理後の粉末は、前記被覆剤の効果により疎水性を有し、雨水等の水分の混入等によっても元の糞尿の形態に戻ることはない。また、上記の処理系内は、温度が80〜95℃にも達し、かつ、強アルカリ性であるため糞尿中の菌を殺菌することができ、処理後の物質の腐敗による悪臭の発生を抑制することができる。

0051

以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例により何ら制限されるものではない。なお、以下の記載において、疎水性の被覆剤で表面処理した生石灰を、「疎水性生石灰」と略記することがある。なお、生石灰の平均粒径は、粒度分布測定装置(型番マイクロトラック粒度分布測定装置 9320HRA(X−100)、日機装株式会社製)を用いて測定した。

0052

(実施例1:糞尿処理剤の調製)
炭酸カルシウムを焼成することにより粉粒状生石灰(平均粒径21μm)を得た。得られた生石灰の温度が約60℃になった後、前記粉粒状生石灰と前記粉粒状生石灰に対し0.75質量%の粒状ステアリン酸とを混合した後、冷却してステアリン酸で表面処理した粉粒状の疎水性生石灰(平均粒径:21μm)を得た。得られた疎水性生石灰70質量部、および発熱剤である生石灰(平均粒径185μm)30質量部を混合し、糞尿処理剤を調製した。

0053

(実施例2:糞尿処理剤の調製)
実施例1と同様にして得られた糞尿処理剤100質量部に対し、さらに、水溶紙5質量部を混合し、糞尿処理剤を調製した。

0054

(実施例3:糞尿処理剤の調製)
実施例1と同様にして得られた疎水性生石灰(平均粒径21μm)70質量部および発熱剤である生石灰(平均粒径300μm)30質量部を混合し、糞尿処理剤を調製した。

0055

(実施例4:糞尿処理剤の調製)
炭酸カルシウムを焼成することにより粉粒状生石灰(平均粒径185μm)を得た。得られた生石灰の温度が約60℃になった後、攪拌下で、得られた生石灰に対し0.4質量%の粒状ステアリン酸と、前記生石灰とを混合した後、冷却してステアリン酸で表面処理した粉粒状の疎水性生石灰(平均粒径:185μm)を得た。得られた疎水性生石灰70質量部および発熱剤である生石灰(平均粒径185μm)30質量部を混合し、糞尿処理剤を調製した。

0056

(比較例1:糞尿処理剤の調製)
実施例1と同様にして得られた疎水性生石灰(平均粒径21μm)をそのまま糞尿処理剤とした。

0057

(比較例2:糞尿処理剤の調製)
粒状ステアリン酸の量を0.75質量%とした以外は、実施例4と同様にして、疎水性生石灰(平均粒径185μm)を得た。

0058

(比較例3:糞尿処理剤の調製)
実施例4と同様にして得られた疎水性生石灰(平均粒径185μm)をそのまま糞尿処理剤とした。

0059

(比較例4:糞尿処理剤の調製)
実施例1において使用したものと同様の生石灰(平均粒径185μm)をそのまま糞尿処理剤とした。

0060

実施例1〜4および比較例1〜4の糞尿処理剤の組成等について、下記表1にまとめた。

0061

0062

(糞尿処理試験
本試験においては、大便の代用サンプルとして、大豆醤油搾り粕100質量部に対し、200質量部の水を添加したものを用いた。これをサンプルAとする。また、小便の代用サンプルとして、水を用いた。これをサンプルBとする。試験容器としては、手動攪拌翼を備えた容器(直径290mm×高さ450mm)を用いた。

0063

上記の容器中に、前記実施例1〜4および前記比較例1〜4で調製した糞尿処理剤を入れ、次いで、以下の表2に示す量の被処理物を、室温において、それぞれ添加し攪拌することにより糞尿処理試験を行った。表中の反応までの時間とは、糞尿処理剤と被処理物とを混合し攪拌開始後、処理系中の温度が50℃に達するまでの時間(単位:秒)を表す。また、処理後の粉体状況は、未反応物がなく粉体が得られた場合を○、最終的に粉末ではなく塊状物が生成した場合を△、反応しなかった場合または未反応物が残存した場合を×で表した。

0064

0065

上記の表より、比較例1〜3の疎水性生石灰のみからなる糞尿処理剤を用いた場合(表2中のNo.11〜15)においては、疎水性生石灰の平均粒径および被覆剤の使用量にかかわらず、被処理物との反応性が悪く、また、処理後に得られる処理物も、未反応物が残存したり、塊状物が生じるなど、いずれにおいても粉末として得ることはできなかった。また、比較例4の生石灰のみからなる糞尿処理剤を用いた場合においては(表2中のNo.16および17)、反応性はよいものの、反応遅延性を有していないために急激に反応が進行してしまい、処理後に得られる処理物も、塊状物が生じる等、粉末として得ることはできなかった。

0066

一方、本発明の実施例1〜4の糞尿処理剤を用いた場合には(表2中のNo.1〜10)、いずれも被処理物との反応までの時間が1分以内と短く、また、処理後に得られる処理物も、良好な粉体として得ることができた。さらに、添加剤として水溶紙を添加した場合においては(表2中のNo.4)、未添加の場合(表2中のNo.2)に比して、反応までの時間が半減する等、処理性能が向上した。

0067

以上の結果より、本発明による、被覆剤を用いて生石灰を表面処理して得られる疎水性生石灰、および発熱剤を混合してなる糞尿処理剤は、手動での攪拌条件においても、種々の固液組成比を有する糞尿に対し適用可能であり、いずれの場合においても効率的に糞尿処理することが可能であることがわかる。

0068

本発明は、トイレットの関連分野に好適に用いられうる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ