図面 (/)

技術 エキスの製造方法

出願人 クノール食品株式会社
発明者 柳田晃伸島圭吾松本尚峰島希
出願日 2006年6月28日 (14年6ヶ月経過) 出願番号 2006-178328
公開日 2008年1月17日 (12年11ヶ月経過) 公開番号 2008-005746
状態 特許登録済
技術分野 種実、スープ、その他の食品
主要キーワード 評価対象試料 味覚検査 混合機器 キューブ状 手作り 鶏ガラ 混合エキス 投入順序
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年1月17日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

従来、手作りブイヨンフォンでのみ味わうことが可能であった、自然な「素材風味」と「コク味濃厚感」を合わせ持つエキス類を、効率的に製造する方法を確立することを目的とする。

解決手段

固形分濃度が40質量%以上となるように2種類以上のエキス類を混合加熱させる第一工程と、これに少なくとも1種類以上のエキス類を加えて加熱させる第二工程と、を逐次経由することを特徴とする、エキスの製造方法と、前記方法により得られたエキスを用いた、スープソース、ブイヨン又はルーを提供する。

概要

背景

手作りスープソースは、ブイヨンフォンなどの「素材だし汁」をベースとして作られる。ブイヨンやフォンの味及び風味に関する特徴は、素材の種類、量及び煮込み時間等、厨房の調埋条件により変わるものである。一般的には、肉や野菜等の素材を短時間であっさり加熱した場合、素材そのものの風味を前面に出したブイヨンを得ることができ、逆に長時間かけてじっくり煮込んだ場合、コク濃厚感のあるブイヨンを得ることができることが知られている。
シェフは、スープやソースに求める性質の違いによって、ブイヨンの作り方、即ち加熱調理時間や素材の投入順序やタイミングといった調理方法に変化を持たせ、「素材の風味」と「コクや濃厚感」が得られるよう調節している。

一方、加工食品の分野において手作りのブイヨンの味及び風味を再現する場合、肉や野菜等の素材から抽出したエキス類などを原料として使用することが一般的である。
しかしながら、この方法では、かなりのエキス類の添加量を見込まなければならず、実用性の面でコスト的な課題が存在した。

そこで、その有効な改善策として、少量でも強い効果を発揮する原料を用いることが挙げられる。
例えば、HVP(植物蛋白分解物)、HAP(動物蛋白分解物)、酵母エキス等を使用することで、少量でもコク味及び複雑味の向上を図ることができることが知られている。
しかしながら、これらは好ましくない風味や雑味をも合わせて有しており、目標とする「コクと濃厚感」を満足する形で再現することは困難であった。

また、野菜エキスなど、糖を多く含む原料を予めアルカリで処理した後に、肉エキス混合加熱することで、コク味を増強できる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この方法の場合、効率よくコク味を向上できるものの、pHの条件によっては褐変が進行し過ぎて強い苦味が生じたりするために、品質コントロールが難しいという問題があった。

さらに、動物エキス植物エキスを混合し、得られた混合物を加熱するというブイヨンの製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この方法の場合、細かな条件コントロールを要することはない。
しかしながら、「コクと濃厚感」を強く得るために加熱時間を長くすると、「素材の風味」が大きく飛散してしまうことになり、逆に「素材の風味」を活かすために加熱時間を短くすると、「コクと濃厚感」が十分得られないという課題があった。

特許3496489号
特許2793830号

概要

従来、手作りのブイヨンやフォンでのみ味わうことが可能であった、自然な「素材の風味」と「コク味や濃厚感」を合わせ持つエキス類を、効率的に製造する方法を確立することを目的とする。固形分濃度が40質量%以上となるように2種類以上のエキス類を混合加熱させる第一工程と、これに少なくとも1種類以上のエキス類を加えて加熱させる第二工程と、を逐次経由することを特徴とする、エキスの製造方法と、前記方法により得られたエキスを用いた、スープ、ソース、ブイヨン又はルーを提供する。 なし

目的

本発明は、上記問題点を解消し、従来手作りのブイヨンやフォンにてのみ味わうことが可能であった、自然な「素材の風味」と「コク味や濃厚感」を合わせ持つエキスを効率よく製造しうる方法を確立することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

固形分濃度が40質量%以上となるように2種類以上のエキス類混合加熱させる第一工程と、これに少なくとも1種類以上のエキス類を加えて加熱させる第二工程と、を逐次経由することを特徴とする、エキスの製造方法。

請求項2

第一工程で使用する2種類以上のエキス類が、畜肉魚肉鶏ガラ及び魚介類、並びにこれらから抽出されたエキスよりなる第1群と、野菜類及び果実類、並びにこれらから抽出乃至搾されたエキスよりなる第2群のうち、少なくとも第1群及び第2群からそれぞれ1種類以上ずつ選択されたものである、請求項1記載のエキスの製造方法。

請求項3

第二工程で使用するエキス類が、畜肉、魚肉、鶏ガラ及び魚介類、野菜類及び果実類からそれぞれ抽出されたエキスの中から選択されたものである、請求項1記載のエキスの製造方法。

請求項4

請求項1、2又は3に記載の方法により得られたエキスを用いた、スープソースブイヨン又はルー。

技術分野

0001

本発明は、スープソースなどの風味を向上させるエキスの製造方法に関するものである。

背景技術

0002

手作りのスープやソースは、ブイヨンフォンなどの「素材だし汁」をベースとして作られる。ブイヨンやフォンの味及び風味に関する特徴は、素材の種類、量及び煮込み時間等、厨房の調埋条件により変わるものである。一般的には、肉や野菜等の素材を短時間であっさり加熱した場合、素材そのものの風味を前面に出したブイヨンを得ることができ、逆に長時間かけてじっくり煮込んだ場合、コク濃厚感のあるブイヨンを得ることができることが知られている。
シェフは、スープやソースに求める性質の違いによって、ブイヨンの作り方、即ち加熱調理時間や素材の投入順序やタイミングといった調理方法に変化を持たせ、「素材の風味」と「コクや濃厚感」が得られるよう調節している。

0003

一方、加工食品の分野において手作りのブイヨンの味及び風味を再現する場合、肉や野菜等の素材から抽出したエキス類などを原料として使用することが一般的である。
しかしながら、この方法では、かなりのエキス類の添加量を見込まなければならず、実用性の面でコスト的な課題が存在した。

0004

そこで、その有効な改善策として、少量でも強い効果を発揮する原料を用いることが挙げられる。
例えば、HVP(植物蛋白分解物)、HAP(動物蛋白分解物)、酵母エキス等を使用することで、少量でもコク味及び複雑味の向上を図ることができることが知られている。
しかしながら、これらは好ましくない風味や雑味をも合わせて有しており、目標とする「コクと濃厚感」を満足する形で再現することは困難であった。

0005

また、野菜エキスなど、糖を多く含む原料を予めアルカリで処理した後に、肉エキス混合加熱することで、コク味を増強できる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この方法の場合、効率よくコク味を向上できるものの、pHの条件によっては褐変が進行し過ぎて強い苦味が生じたりするために、品質コントロールが難しいという問題があった。

0006

さらに、動物エキス植物エキスを混合し、得られた混合物を加熱するというブイヨンの製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この方法の場合、細かな条件コントロールを要することはない。
しかしながら、「コクと濃厚感」を強く得るために加熱時間を長くすると、「素材の風味」が大きく飛散してしまうことになり、逆に「素材の風味」を活かすために加熱時間を短くすると、「コクと濃厚感」が十分得られないという課題があった。

0007

特許3496489号
特許2793830号

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、上記問題点を解消し、従来手作りのブイヨンやフォンにてのみ味わうことが可能であった、自然な「素材の風味」と「コク味や濃厚感」を合わせ持つエキスを効率よく製造しうる方法を確立することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0009

本発明者は上記問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、畜肉魚肉鶏ガラ及び魚介類、並びにこれらから抽出されたエキスと、野菜類及び果実類、並びにこれらから抽出乃至搾されたエキスとを混合加熱濃縮させる第一工程、及びこれに少なくとも、畜肉、魚肉、鶏ガラ及び魚介類、野菜類及び果実類からそれぞれ抽出された、少なくとも1種類以上のエキス類を加えて加熱させる第二工程を逐次経由させることにより、上記課題を解決しうることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。

0010

即ち、請求項1に係る本発明は、固形分濃度が40質量%以上となるように2種類以上のエキス類を混合加熱させる第一工程と、これに少なくとも1種類以上のエキス類を加えて加熱させる第二工程と、を逐次経由することを特徴とする、エキスの製造方法を提供するものである。
請求項2に係る本発明は、第一工程で使用する2種類以上のエキス類が、畜肉、魚肉、鶏ガラ及び魚介類、並びにこれらから抽出されたエキスよりなる第1群と、野菜類及び果実類、並びにこれらから抽出乃至搾汁されたエキスよりなる第2群のうち、少なくとも第1群及び第2群からそれぞれ1種類以上ずつ選択されたものである、請求項1記載のエキスの製造方法を提供するものである。
請求項3に係る本発明は、第二工程で使用するエキス類が、畜肉、魚肉、鶏ガラ及び魚介類、野菜類及び果実類からそれぞれ抽出されたエキスの中から選択されたものである、請求項1記載のエキスの製造方法を提供するものである。
請求項4に係る本発明は、請求項1、2又は3に記載の方法により得られたエキスを用いた、スープ、ソース、ブイヨン又はルーを提供するものである。

発明の効果

0011

本発明によれば、自然な「素材の風味」と「コク味や濃厚感」を合わせ持つエキスを製造することができる。しかも、本発明によれば、細かな条件コントロール等を要することがなく、効率的に製造することができる。
即ち、本発明によれば、肉及び野菜、若しくはこれらのエキス類を一緒に煮込むことで、「コクと濃厚感」を予め効率的に発現させた上で、さらに「素材の風味」が豊かな畜肉エキス類、野菜エキス類或いは果実エキス類を後から加えて加熱混合することで、自然な「素材の風味」を有し、且つ、「コクと濃厚感」が付与されたエキスを効率的に得ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0012

以下、本発明について更に詳細に説明する。
請求項1に係る本発明は、エキスの製造方法に関し、固形分濃度が40質量%以上となるように2種類以上のエキス類を混合加熱させる第一工程と、これに少なくとも1種類以上のエキス類を加えて加熱させる第二工程と、を逐次経由することを特徴とするものである。
ここで上記第一工程と第二工程とを逐次経由しなかった場合、例えば上記第一工程或いは第二工程のみを行った場合や、両工程の順序が逆になったりした場合には、本発明の目的を達成することはできない。

0013

本発明による「エキス」とは、加工食品等のスープ、ソース、或いはブイヨンなどに配含することで、好ましいコク味、濃厚感、風味及び香りを付与する原料である。形状としては、液状、ペースト状、粉末状等がある。

0014

本発明における第一工程では、原料として2種類以上のエキス類を用い、第二工程ではこれとは別に1種類以上のエキス類を用いる。
なお、ここでのエキス類とは、原料としてはエキスそのものだけに限定されず、畜肉、魚肉、鶏ガラ及び魚介類、或いは野菜類及び果実類をも含む趣旨である。これらの原料は、通常、一緒に用いられる水と共に混合されることにより、水抽出エキスとなる。

0015

また、ここでのエキス類とは、大きく2群に分けられる。
具体的には、請求項2に記載したように、第一工程で使用する2種類以上のエキス類は、畜肉、魚肉、鶏ガラ及び魚介類、並びにこれらから抽出されたエキスよりなる第1群と、野菜類及び果実類、並びにこれらから抽出乃至搾汁されたエキスよりなる第2群のうち、少なくとも第1群及び第2群からそれぞれ1種類以上ずつ選択されたものであることが好ましい。

0016

第1群を構成するエキス類としては、アミノ酸を多く含む畜肉、魚肉、鶏ガラ及び魚介類、並びにこれらから抽出されたエキスよりなる群から選ばれた、少なくとも1種類以上のものが挙げられる。
ここで畜肉としては、例えば牛肉豚肉鶏肉などを挙げることができ、また、魚肉としては、例えば鰹、鮪、鰯などを挙げることができる。鶏ガラとしては、例えば廃鶏ガラブロイラーガラなどを挙げることができ、魚介類としては、例えばアワビホタテアサリカキエビイカなどを挙げることができる。
畜肉、魚肉、鶏ガラ及び魚介類は、そのまま、或いは予めミンチにしても構わず、特に形状にはこだわらない。また、第1群のエキス類には、生臭さ等を消すためにニンニクショウガ等の香辛料類を加えることも可能である。

0017

一方、第2群を構成するエキス類としては、野菜類及び果実類、並びにこれらから抽出乃至搾汁されたエキスよりなる群から選ばれた少なくとも1種類以上のものが挙げられる。
なお、ここで「これらから抽出乃至搾汁されたエキス」とは、「野菜類及び/又は果実類から抽出乃至搾汁されたジュース」を含む概念である。
ここで野菜類及び果実類としては、特に糖類を多く含む野菜類及び果実類が用いられ、例えばタマネギセロリ、二ンジンキャベツ等の野菜類や、リンゴバナナパイン等の果実類を挙げることができる。
野菜類及び果実類は、そのままでも、或いは予め粉砕しても構わず、特に形状にはこだわらない。また、野菜類及び果実類としては、予め加熱等の処理を行い、ペースト状にしたものを用いることもできる。
さらに、第2群として、上記野菜類及び/又は果実類からのエキス類に加えて、砂糖乳糖ブドウ糖果糖異性化糖などの糖類を添加
することも可能である。

0018

本発明においては、第一工程で用いる2種類以上のエキス類には、前述の第1群及び第2群から、それぞれ少なくとも1種類ずつ選ばれる必要がある。
一方、第二工程で用いる1種類以上のエキス類は、前述の第1群及び第2群のどちらから選ばれても差し支えない。
即ち、第二工程で使用するエキス類は、請求項3に記載するように、畜肉、魚肉、鶏ガラ及び魚介類、野菜類及び果実類からそれぞれ抽出されたエキスの中から選択されたものであればよい。

0019

第一工程ならびに第二工程での各種エキス類の混合割合自体は特に限定されない。求めるエキスの香りや風味などに応じて、適宜比率で混合することができる。
なお、本発明に使用する原料としては、上記に加えて、水や油脂などを用いることもできる。

0020

本発明の第一工程においては、2種以上のエキス類を混合した後、加熱する。
エキス類の混合加熟手段は、第1群、第2群の原料、及びその他の原料を均一に混合加熱できるものであればよく、例えば蒸気ジャケット式加熟斜軸加熱攪拌ニーダー横軸加熱撹拌ニーダー等を用いることができる。

0021

本発明の第一工程における加熱条件としては、80〜120℃の温度で、10分間〜8時間、好ましくは90〜110℃の温度で、30分間〜5時間、加熱をすることが望ましい。
加熱条件が、各々上記条件範囲(温度と時間)の下限に満たないと、好ましい香り及び風味の再現が不十分となりやすい。一方、各々上記条件範囲(温度と時間)の上限を超えると、加熱が強過ぎて、焦げ風味が生じる等でエキスの品質を損ないやすい。
また、加熱条件については、使用する原料の組合せに応じて、各々最適な条件を設定することで、特徴あるエキスを得ることができる。
なお、加熱終了後、エキスに固形物がある場合は、必要に応じて、濾過遠心分離等の方法で固形物を除去することができる。また、エキス分に油脂がある場合は、必要に応じて、遠心分離や静置分離等の方法で油脂を除去することができる。

0022

次に、本発明の第二工程においては、第一工程で得られたエキスに対して、新たに1種類以上のエキス類を混合した後、加熟する。エキス類の混合機器については、第一工程で述べたものと同じでよい。
第二工程における加熟条件は、50〜120℃の温度で、5分間〜3時間、好ましくは70℃〜90℃の温度で、5分間〜1時間、加熱を行うことが望ましい。
加熟条件が、各々上記条件範囲(温度と時間)の下限に満たないと、熱による殺菌効果を得られないばかりか、複数のエキスの味及び風味の一体感が得られず、自然な「素材の風味」の発現が不十分となりやすい。一方、各々上記条件範囲(温度と時間)の上限を超えると、求める「素材の風味」が飛散したり、新たに焦げ風味が生じたりと、エキスの品質を損ないやすい。

0023

上記のように、本発明の第一工程及び第二工程を経ることにより、目的とする自然な「素材の風味」と「コクや濃厚感」を合わせ持ったエキスを、得ることができる。
第二工程の加熱後に得られたエキスは、そのまま液体状で使用できることはもちろんのこと、加熱、減圧及び/又は真空等の濃縮処理を行うことでペースト状にしたり、また、噴霧乾燥ドラム乾燥及び/又は凍結乾燥等の乾燥処理を行うことで、粉末状にしたりするなど、使用する製品にあった形状に加工することが可能である。

0024

このようにして得られたエキスは、請求項4に記載するように、スープ、ソース、ブイヨン又はルーの製造原料として用いることもできる。スープ、ソース、ブイヨン又はルーを製造する方法については、常法により行えばよい。
例えば、上記のようにして得られたエキスを、その他の原料と一緒に混合し、密封加熱殺菌及び/又は無菌充填することで、缶詰め、瓶詰め或いはパウチ詰め形態のスープ、ソース、ブイヨン又はルーを製造することができる。
また、上記のようにして得られたエキスを、その他の原料と一緒に混合、乾燥、造粒及び/又は打錠することにより、粉状、顆粒状、キューブ状のスープ、ソース、ブイヨン又はルーを製造することができる。

0025

次に、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれにより制限されるものではない。

0026

実験例1
固形分濃度50質量%のチキンミートエキス1質量部、固形分濃度50質量%のチキンガラエキス1質量部、固形分濃度50質量%のタマネギエキス1質量部並びに固形分濃度50質量%のニンジンエキス1質量部を加え、合計の固形分濃度が50質量%の混合エキス調合した。
この混合エキスを水で希釈し、固形分濃度が各々30、40、50質量%となるように、3種類の混合エキスを調製した。
これらを90℃の条件下で60分間加熱処理をして評価対象試料を得た(第一工程或いは第二工程単独での条件区)。

0027

上記のようにして得られた3種類の評価対象試料について、加熱前の混合エキスをコントロールとして、「鶏風味」、「野菜風味」、「ブイヨン風味」、「濃厚感」、「コク(味の持続性)」の5項目に関して、当社味覚検査員4名にて官能評価を行った。
なお、評価時の飲用時濃度は、固形分濃度2質量%で統一した。

0028

評価基準
コントロール(加熱前の混合エキス)に対して、以下の7段階で評価した。
・非常に弱い:+
・弱い :++
・やや弱い :+++
・差なし :++++
・やや強い :+++++
・強い :++++++
・非常に強い:+++++++

0029

0030

表1に示す通り、加熱前の固形分渡度が40質量%以上の場合、加熱後に濃厚感とコク(味の持統性)が強くなることが明らかとなった。しかしながら、鶏風味、野菜風味といった素材由来の風味は、加熱前の固形分濃度に関係なく、加熱後に弱くなることが明らかとなった。
すなわち、エキスの加熱濃縮に際して、第一工程或いは第二工程のみの処理では、「素材の風味」と「コクや濃厚感」を合わせ持ったエキス品質を実現できない。

0031

実施例1
実験例1にて使用した、初期固形分濃度50質量%の加熱後混合エキス(第一工程或いは第二工程単独の条件)を、サンプルAとした。
次に、固形分濃度50質量%のチキンミートエキス1質量部、固形分濃度50質量%のタマネギエキス1質量部並びに固形分濃度50質量%のニンジンエキス1質量部を加え、合計の固形分濃度が50質量%の混合エキスを調合した。これを90℃の条件下で50分問加熱処理をした(第一工程)後に、固形分濃度50質量%のチキンガラエキス1質量部を加えて10分間加熱した(第二工程)ものをサンプルBとした。
また、固形分濃度50質量%のチキンミートエキス1質量部、固形分濃度50質量%のチキンガラエキス1質量部並びに固形分濃度50質量%のタマネギエキス1質量部を加え、合計の固形分濃度50質量%の混合エキスを調合した。これを90℃の条件下で50分間加熱処理をした(第一工程)後に、国形分濃度50質量%のニンジンエキス1質量部を加えて10分間加熱した(第二工程)ものをサンプルCとした。
さらに、固形分濃度50質量%のチキンミートエキス1質量部、固形分濃度50質量%のタマネギエキス1質量部を加え、合計の固形分濃度が50質量%の混合エキスを調合した。これを90℃の条件下で50分間加熱処理をした(第一工程)後に、固形分濃度50質量%のチキンガラエキス1質量部並びに固形分濃度50質量%のニンジンエキス1質量部を加えて10分間加熱した(第二工程)ものをサンプルDとした。
最後に、固形分濃度50質量%のチキンガラエキス1質量部並びに固形分濃度50質量%のニンジンエキス1質量部を加え、合計の固形分濃度が50質量%の混合エキスを調合した。これを90℃の条件下で10分間加熱処理をした(第二工程)後に、固形分濃度50質量%のチキンミートエキス1質量部、固形分濃度50質量%のタマネギエキス1質量部を加えて50分間加熱した(第一工程)ものをサンプルEとした。このサンプルEは、サンプルDについての第一工程と第二工程の順序を逆にしたものである。

0032

上記のようにして得られたサンプルA〜Eについて、実施例1にて使用した固形分濃度50質量%の加熱前混合エキスをコントロールとして、「鶏風味」、「野菜風味」、「ブイヨン風味」、「濃厚感」、「コク(味の持続性)」の5項目に関して官能評価を行った結果を表2に示した。なお、評価時の飲用時濃度、評価基準は実施例1と同じで行った。

0033

0034

表2に示す通り、サンプルB〜D(本発明品)のように、第一工程と第二工程とを逐次経る方法、すなわち一部の肉エキスと野菜エキスを予め混合加熱してから、時間差で別のエキスを加えて加熱する方法を取ることで、「素材の風味」をコントロールのレベルと同等に保持しつつ、且つ、「コクや濃厚感」について、第一工程或いは第二工程単独で加熱処理した条件(サンプルA)や、第一工程と第二工程の順序を逆にした条件(サンプルE)よりも、強く感じることのできるエキスを実現できることが明らかとなった。

0035

本発明によれば、細かな条件コントロール等を要することなく、手作りのブイヨン等に感じられる、「素材の風味」並びに「コクや濃厚感」を併せ持ったエキスを効率的に得ることができる。
従って、本発明は、加工食品の分野を含む食品産業界において有効に利用されることが期待される。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 坪川佳子の「 野蚕消化物由来抽出物の製造方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】これまで利用されてこなかった野蚕の消化物の利用を図り、その消化物から有効成分を抽出し付加価値の高い商品を提供することを目的とする。【解決手段】野蚕の5齢幼虫に桜の葉を給餌する給餌工程(S1)と... 詳細

  • アイディールブレーン株式会社の「 加圧加工システム」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】海又は湖に対象物を浸漬して対象物を加圧加工する加圧加工システムであって、海又は湖に浸漬した対象物を容易に回収することが可能な加圧加工システムを提供する。【解決手段】本発明は、海又は湖に対象物P... 詳細

  • 日本製粉株式会社の「 トマトソースフィリング」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】フィリングが内包されたパンなどの食品を高温で加熱調理したとき、フィリングが外包生地に染み出たり、あるいは外部に漏出したりすることがないような包餡適性を有し、一方でトマトの風味を維持して、自然な... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ