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図面 (20)

課題・解決手段

ミクロンおよびサブミクロンサイズ形体を有する導電性金属トレースを直接書き込む新規低温法。この方法では、チップを有してもよいし有しなくてもよい平坦ビーム、たとえばAFMカンチレバーを使用して、金属前駆体インクのトレースを基材上に引く。金属トレースの寸法は、カンチレバーの形状によって直接制御することができ、そのため、微細加工カンチレバーによって1ミクロンから100ミクロン超の幅のトレースを制御可能に付着させることができる。先鋭なチップを有するカンチレバーを使用して最小形体サイズをサブミクロンスケールまでさらに減らすことができる。形体の高さは、類似材料または異種材料の層を構築することによって増すことができる。この付着法によって導電率が高くロバストパターンを得るために、二つの一般的なインク調合法が設計された。両インク系の主要成分は直径100nm未満のナノ粒子である。ナノ粒子は通常、バルク材料よりも有意に低い融点を有するため、ばらばらの粒子集合を非常に低い温度(300℃未満、さらには約120℃)で融解焼結または凝集させて連続(多)結晶質膜にすることができる。第一の方法では、炭化水素キャップしたナノ粒子を適当な溶媒中に分散させ、それをパターンの形で表面に付着させたのち、加熱によって膜を焼鈍して連続金属パターンを形成することができる。第二の方法では、還元性マトリックスの存在で金属化合物を表面に運び、次いで、加熱によってその場でナノ粒子を形成すると、それが続いて凝集して連続金属パターンを形成する。白金および金インクを用いた研究では、いずれのナノ粒子ベースの方法も、低い抵抗率(4マイクロオーム.cm)および優れた接着性を有するミクロンサイズのトレースをガラスおよび酸化ケイ素上に形成した。

概要

背景

背景
多くの現在の振興技術分野においては、材料、特に金属および半導体ミクロンおよびサブミクロンサイズ形体パターンで付着させることができる直接書込み技術が商業的に強く要望されている。大部分のマイクロエレクトロニクス装置フォトリソグラフィー技術によって製造されるが、直接書き込み技術の必要性は、加法欠損修復および回路修正の分野で特に顕著である。たとえば、損傷または欠損したフォトマスクは、ナノスケール形体上の欠失材料の加法的修復に適当したツールの欠如のせいで、マイクロエレクトロニクス産業にとってきわめて高いコストにおいて廃棄されている。ミクロン長スケールでは、フラットパネルディスプレーFPD)における薄膜トランジスタ(TFT)アレイ金属部品への損傷は、ミクロンサイズの導電トレースを付着させるための迅速で廉価な方法の欠如のせいで、修復しにくい。装置を製造するためにフォトリソグラフィーを実施することができるが、それには、その技術を少量の高性能部品またはプロトタイプ用途の場合に途方もなく高くつくものにする複雑で高額な機器使用を要する。このような場合、直接書き込み法のような他の技術が独自の利点および能力を提供することができる。もっとも一般的な直接書き込み技術として、インクジェット印刷は、生物学的分子からマイクロエレクトロニクス材料まで種々の範囲の材料に印刷するための簡便でフレキシブルな方法を提供する。しかし、この技術の解像度は一般に、多くの用途には不十分である15〜200ミクロンサイズのドットに限定される(例えばEdwardsらへの、米国特許出願第2004/0261700号参照)。他の直接書き込みツール、たとえばレーザアシスト付着、電子またはイオンビームリソグラフィーは、同様な解像度の制限を受けるか、多くの用途にとって費用がかかりすぎるか、能動的および受動的なマイクロエレクトロニクスまたはオプトエレクトロニクス部品直接製造または修復への適用を妨げる重大な材料制限を抱えている。特に、電子ビームリソグラフィーイオンビーム微細加工、レーザまたは電子ビームアシスト化学蒸着は(部分的な)真空を要し、それが、非常に大きなフラットパネル(たとえばワイドTVまたはコンピュータ画面)の場合には法外に高くつく。

概要
非限定的な概要を使用して本発明をさらに説明する。100ミクロンからサブミクロン寸法までの制御可能な形体サイズを提供する、導電性金属形体を書き込むための新規接触法が開発された。この方法では、(微細加工)カンチレバーにたとえば分子またはナノ粒子状インク装填することができ、このインクを、表面に接触させることにより、たとえばラインまたはドットパターンの形態でごく少量ずつ小出しする。本形態では、カンチレバーの装填および付着を受動的に実施することができる。しかし、微細加工カンチレバーの複雑さを増すことにより、さらなるシステムが能動的なインク送り出しを組み込むことができる。加えて、この方法とで適合性である多数の金属前駆体インク系が開発されて、多数の異なる金属および金属酸化物材料パターン付けを実施することができるようになった。重要なことには、前駆体インクは、周囲環境条件下でパターン付けし、比較的低い温度で金属膜転換することができ、そのおかげで、高温加工に耐えられない基材、たとえばプラスチックにも塗布することができる。

好ましい態様で、本発明は、たとえば導電性金属または金属前駆体に対して書き込む方法であって、カンチレバー端を有する、チップレスカンチレバーであることができるカンチレバーを提供する工程、カンチレバー端に配置されたインクを提供する工程、基材表面を提供する工程、およびインクがカンチレバー端から基材表面に運ばれるようにカンチレバー端または基材表面を動かす工程を含む方法を提供する。基材表面を動かし、カンチレバーを固定状態に保持することもできるし、基材表面を動かし、カンチレバーを固定状態に保持することもできる。インク送り出しを生じさせる動きは、一般に、カンチレバーと基材表面との接触を生じさせることができるが、おそらくはカンチレバーと表面との間にインクがあってもよい。

もう一つの好ましい態様で、本発明は、導電性金属または金属前駆体に対して書き込む方法であって、それぞれがカンチレバー端を有する、端部にチップを含むこともできるし、チップレスカンチレバーであることもでき、約1ミクロン〜約20ミクロンであるギャップを間に有する二つ以上のカンチレバーを提供する工程、ギャップに配置されたインクを提供する工程、基材表面を提供する工程、インクがギャップから基材表面に運ばれるように二つ以上のカンチレバーをギャップおよび基材表面と接触させる工程を含む方法を提供する。

本発明はまた、マイクロリソグラフィーまたはナノリソグラフィーのためのインク調合物であって、一つまたは複数の金属塩および一つまたは複数の溶媒を含み、金属塩の濃度が約1mg/100μL〜約500mg/100μLであるインク調合物を提供する。金属塩の量は、適当な分散および適当な質量密度ならびに所与の用途のための厚さを提供するのに十分な高さに調節することができる。

本発明はまた、導電性金属に対して直接書き込む方法であって、カンチレバー端を有する、チップレスカンチレバーであるカンチレバーを提供する工程、カンチレバー端に配置された、金属ナノ粒子を含むインクを提供する工程、基材表面を提供する工程、インクがカンチレバー端から基材表面に運ばれるようにカンチレバー端と基材表面とを接触させる工程を含む方法を提供する。

本発明の重要な利点は、ある特定のシステムに関して多様な異なるサイズ、たとえば約1ミクロン〜約15ミクロンまたは横方向寸法、たとえば長さおよび幅に関して約1ミクロン〜約10ミクロン(たとえば一桁)で、優れた制御をもって作動する能力を含む。ノズルまたはピペット目詰まりに関する問題を多くの態様で回避することができる。これを実施するための機器使用は比較的簡単であり、たとえば高真空を要しない。見当合わせおよび融通性は優れている。量産および使い捨てが可能である。

加えて、番号を付した一連の態様が提供される。
1.導電被覆を所望のパターンで基材に付着させる方法であって、ナノリソグラフィーにより、前駆体で被覆されたチップを使用して、前駆体を所望のパターンで基材に付着させる工程、前駆体を配位子と接触させる工程、電子を配位子から前駆体に移動させるのに十分なエネルギーを加え、それにより、前駆体を分解して導電性析出物を所望のパターンで形成し、それによって導体パターンを直接基材上に形成する工程を含む方法。
2. チップがナノスコピックチップである、1記載の方法。
3. チップが走査プローブマイクロスコピックチップである、1記載の方法。
4. チップが原子間力顕微鏡チップである、1記載の方法。
5. 被覆が少なくとも約80%の純度の金属を含む、1記載の方法。
6. 被覆が約10オングストローム未満の厚さの金属を含む、1記載の方法。
7. 被覆が少なくとも約100オングストロームの厚さの金属を含む、1記載の方法。
8. 前駆体が、カルボン酸塩ハロゲン化物擬ハロゲン化物および硝酸塩からなる群より選択される塩を含む、1記載の方法。
9. 前駆体がカルボン酸塩を含む、1記載の方法。
10. パターンが回路を含む、1記載の方法。
11. 配位子が、アミンアミドホスフィン硫化物およびエステルからなる群より選択される物質を含む、1記載の方法。
12. 配位子が、窒素供与体硫黄供与体およびリン供与体からなる群より選択される、1記載の方法。
13.析出物が金属を含む、1記載の方法。
14. 析出物が、銅、亜鉛パラジウム白金、銀、金、カドミウムチタンコバルト、鉛、スズ、ケイ素およびゲルマニウムからなる群より選択される、1記載の方法。
15. 析出物が導体を含む、1記載の方法。
16. 析出物が半導体を含む、1記載の方法。
17. 基材が非導体を含む、1記載の方法。
18. 基材が導体および半導体の少なくとも一つを含む、1記載の方法。
19. エネルギーを加える工程が、熱を加えることを含む、1記載の方法。
20. エネルギーを加える工程が、赤外線またはUV線を加えることを含む、1記載の方法。
21. エネルギーを加える工程が、振動エネルギーを加えることを含む、1記載の方法。
22. 前駆体が、カルボン酸塩、ハロゲン化物、擬ハロゲン化物、硝酸塩からなる群より選択される塩を含み、配位子が、アミン、アミド、ホスフィン、硫化物およびエステルからなる群より選択される物質を含む、1記載の方法。
23. 析出物が、銅、亜鉛、パラジウム、白金、銀、金、カドミウム、チタン、コバルト、鉛、スズ、ケイ素およびゲルマニウムからなる群より選択される、19記載の方法。
24. エネルギーを加えるステップが、輻射熱を加えることを含む、19記載の方法。
25.導電性金属を所望のパターンで基材に印刷する方法であって、
ナノリソグラフィーにより、前駆体で被覆されたチップを使用して、金属前駆体および配位子を所望のパターンにしたがって直接基材上に引く工程、および
エネルギーを加えることによって前駆体を分解して、基材から実質的な量の前駆体を除去することなく、また、基材から実質的な量の金属を除去することなく、導電性金属を所望のパターンで形成する工程
を含む方法。
26.金属パターンが、不純物が約20重量%未満である実質的に純粋な金属を含む、25記載の方法。
27. 分解する工程が熱分解を含む、25記載の方法。
28. 分解する工程が、約300℃未満の温度で熱分解することを含む、25記載の方法。
29. 金属が、元素金属合金、金属/金属複合材金属セラミックス複合材および金属ポリマー複合材からなる群より選択される、25記載の方法。
30. 金属前駆体をチップから基材に付着させてナノ構造を形成し、次いで、前駆体ナノ構造を金属付着物に転換する工程を含むナノリソグラフィー法。
31. チップと基材との間に電気バイアスを使用せずに付着および転換を実施する、30記載の方法。
32. 基材の他に化学薬剤を使用して付着および転換を実施する、30記載の方法。
33. チップがナノスコピックチップである、30記載の方法。
34. チップが走査プローブマイクロスコピックチップである、30記載の方法。
35. チップがAFMチップである、30記載の方法。
36. チップと基材との間に電気バイアスを使用せずに付着および転換を実施する、35記載の方法。
37.多層を形成するために繰り返される、30記載の方法。
38. チップが、前駆体と反応しないように適合されている、30記載の方法。
39. 少なくとも一つのナノワイヤを別の構造と接続するために使用される、30記載の方法。
40. 少なくとも二つの電極を接続するために使用される、30記載の方法。
41.センサを調製するために使用される、30記載の方法。
42.リソグラフィーテンプレートを製造するために使用される、30記載の方法。
43.バイオセンサを調製するために使用される、30記載の方法。
44. 本質的に金属前駆体からなるインク組成物をナノスコピックチップから基材に付着させてナノ構造を形成し、次いで、ナノ構造の金属前駆体を金属形態に転換する工程から本質的になるナノリソグラフィー法。
45. 転換が、化学薬剤を使用しない熱転換である、44記載の方法。
46. 転換が、還元剤を使用して実施される化学転換である、44記載の方法。
47. 還元剤を蒸気状態で使用して転換を実施する、44記載の方法。
48. チップがAFMチップである、44記載の方法。
49. チップが、前駆体と反応しない表面を含む、44記載の方法。
50.多層構造を形成するために複数回繰り返される、44記載の方法。
51.インクと基材との間に電気化学バイアスまたは反応を使用せずに印刷する方法であって、金属前駆体インク組成物をチップからミクロ構造またはナノ構造の形態で基材に付着させて、互いに約1ミクロン未満離れたばらばらの物体を有するアレイを形成する工程を含む方法。
52. 前駆体から金属を形成する工程をさらに含む、51記載の方法。
53. ばらばらの物体が互いに約500nm以下離れている、51記載の方法。
54. ばらばらの物体が互いに約100nm以下離れている、51記載の方法。
55.カンチレバー端を有する、端部にチップを含むこともできるし、チップレスカンチレバーであることもできるカンチレバーを提供する工程、
カンチレバー端に配置されたインクを提供する工程、
基材表面を提供する工程、
インクがカンチレバー端から基材表面に運ばれるようにカンチレバー端と基材表面とを接触させる工程
を含む方法。
56. 基材表面を動かし、カンチレバーを固定する、55記載の方法。
57. 基材表面を固定し、カンチレバーを動かす、55記載の方法。
58. カンチレバーがチップレスカンチレバーである、55記載の方法。
59. カンチレバーがカンチレバー端にチップを含む、55記載の方法。
60. インクが一つまたは複数の金属を含む、55記載の方法。
61. インクが一つまたは複数の金属塩を含む、55記載の方法。
62. インクが一つまたは複数の金属ナノ粒子を含む、55記載の方法。
63. インクが一つまたは複数の疎水性ナノ粒子を含む、55記載の方法。
64. インクが一つまたは複数の親水性ナノ粒子を含む、55記載の方法。
65. インクが、有機シェルを有する一つまたは複数の金属ナノ粒子を含む、55記載の方法。
66. インクが、絶縁シェルを有する一つまたは複数の金属ナノ粒子を含む、55記載の方法。
67. インクが疎水性インクである、55記載の方法。
68. インクが親水性インクである、55記載の方法。
69. インクが疎水性インクであり、基材表面が疎水面である、55記載の方法。
70. インクが親水性インクであり、基材表面が親水面である、55記載の方法。
71. インクが疎水性薬剤および親水性薬剤の両方を含む、55記載の方法。
72. インクが、約100nm以下の平均直径を有する一つまたは複数の金属ナノ粒子を含む、55記載の方法。
73. インクが一つまたは複数の生物学的分子を含む、55記載の方法。
74. インクが一つまたは複数のペプチドまたはタンパク質を含む、55記載の方法。
75. インクが一つまたは複数の核酸を含む、55記載の方法。
76. インクが一つまたは複数のゾルゲル物質を含む、55記載の方法。
77. インクが一つまたは複数の磁性材料またはその前駆体を含む、55記載の方法。
78. インクが一つまたは複数の半導体材料またはその前駆体を含む、55記載の方法。
79. インクが一つまたは複数の光学材料またはその前駆体を含む、55記載の方法。
80. インクが、100℃を超える沸点を有する一つまたは複数の溶媒を含む、55記載の方法。
81. インクが、基材表面に化学吸着または基材表面と共有結合する一つまたは複数の化合物を含む、55記載の方法。
82. インクが基材表面に形体を形成する、55記載の方法。
83. インクが表面に金属酸化物を形成する、55記載の方法。
84. インクが表面に合金を形成する、55記載の方法。
85. インクが、カンチレバーの形状によって制御される寸法を有する形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
86. インクが、約1ミクロン〜約100ミクロンの幅を有する形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
87. インクが基材表面に形体を形成し、その形体が融解焼結または凝集条件に付される、55記載の方法。
88. インクが基材表面に形体を形成し、その形体が焼鈍に付される、55記載の方法。
89. インクが基材表面に形体を形成し、その形体が光に付される、55記載の方法。
90. インクが基材表面に形体を形成し、その形体がレーザに付される、55記載の方法。
91. インクが基材表面に形体を形成し、その形体が電流に付される、55記載の方法。
92. インクが、基材表面の一つまたは複数の電極と接触する形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
93. インクが、基材表面に形体を形成し、約300℃以下の温度で焼鈍に付される、55記載の方法。
94. インクが、基材表面に形体を形成し、約100℃〜約300℃の温度で焼鈍に付される、55記載の方法。
95. インクが基材表面で還元反応に付される、55記載の方法。
96. インクが、接触ののち連続的になる形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
97. インクが、約10マイクロオーム*cm以下の抵抗率を有する金属状態に転換される形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
98. インクが、約1マイクロオーム*cm〜約10マイクロオーム*cmの抵抗率を有する金属状態に転換される形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
99. インクが、約5nm〜約1ミクロンの幅を有する形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
100. 基材表面にインクの層を形成するために繰り返される、55記載の方法。
101. 基材表面にインクの層を形成するために繰り返され、インクが同じ材料である、55記載の方法。
102. 基材表面にインクの層を形成するために繰り返され、インクが異なる材料である、55記載の方法。
103. インクが、ラインである形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
104. インクが、ドットである形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
105. カンチレバーがAFMカンチレバーである、55記載の方法。
106. 基材表面がガラスである、55記載の方法。
107. 基材表面が薄膜トランジスタアレイである、55記載の方法。
108.フラットパネルディスプレーを修復するために使用される、55記載の方法。
109. カンチレバーが、インクで満たされた微細加工インクウェルを使用してインクを装填される、55記載の方法。
110. カンチレバーを約10°以下の角度で基材表面と接触させる、55記載の方法。
111. カンチレバーを約5°以下の角度で基材表面と接触させる、55記載の方法。
112. カンチレバーが、光学顕微鏡検査法によって見た場合、接触によって曲げられる、55記載の方法。
113.力フィードバックの使用によって接触を実施する、55記載の方法。
114.圧電走査機構の使用によって接触を実施する、55記載の方法。
115. カンチレバーが約1ミクロン〜約100ミクロンの幅を有する、55記載の方法。
116. カンチレバーが約5ミクロン〜約25ミクロンの幅を有する、55記載の方法。
117. カンチレバーが直線的なビーム形カンチレバーである、55記載の方法。
118. 力フィードバックの使用によって接触を実施する、55記載の方法。
119. カンチレバーが約0.001N/m〜約0.50N/mのばね定数を有する、55記載の方法。
120. カンチレバーが約0.004N/m〜約0.20N/mのばね定数を有する、55記載の方法。
121. カンチレバーが約100ミクロン〜約400ミクロンの長さを有する、55記載の方法。
122. カンチレバーが約150ミクロン〜約300ミクロンの長さを有する、55記載の方法。
123. カンチレバーが、インクを平行に付着させる複数のカンチレバーの一つである、55記載の方法。
124. インクがポリオールインクである、55記載の方法。
125. インクが金属塩を一つまたは複数のアルコールまたはポリオールとともに含む、55記載の方法。
126. インクが、約1ミクロン〜約15ミクロンの横方向寸法を有する形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
127. インクが、約1ミクロン〜約10ミクロンの横方向寸法を有する形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
128. インクが、約1ミクロン〜約15ミクロンの横方向寸法を有する形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
129. 請求項55の方法によって調製された、基材表面およびその上のインクを含む基材。
130. 導電性金属に対して書き込む方法であって、
それぞれがカンチレバー端を有する、端部にチップを含むこともできるし、チップレスカンチレバーであることもでき、約1ミクロン〜約20ミクロンであるギャップを間に有する二つ以上のカンチレバーを提供する工程、ギャップに配置されたインクを提供する工程、基材表面を提供する工程、インクがギャップから基材表面に運ばれるように二つ以上のカンチレバーをギャップおよび基材表面と接触させる工程を含む方法。
131. ギャップが約1ミクロン〜約5ミクロンである、130記載の方法。
132. ギャップが約5ミクロン〜約10ミクロンである、130記載の方法。
133. ギャップが約10ミクロン〜約20ミクロンである、130記載の方法。
134. ナノリソグラフィーのためのインク調合物であって、一つまたは複数の金属塩および一つまたは複数の溶媒を含み、金属塩の濃度が約1mg/100μL〜約500mg/100μLであるインク調合物。
135. 金属塩の濃度が約1mg/100μL〜約200mg/100μLである、134記載のインク調合物。
136. 金属塩の濃度が約5mg/100μL〜約30mg/100μLである、134記載のインク調合物。
137. 異なる平均分子量を有する二つ以上のオリゴマーまたはポリマー添加物をさらに含む、134記載のインク調合物。
138. 少なくとも一つのオリゴマーおよび少なくとも一つのポリマーをさらに含む、134記載のインク調合物。
139. 二つ以上の金属塩を含む、100記載のインク調合物。
140.エポキシをさらに含む、100記載のインク調合物。
141. 導電性金属に対して直接書き込む方法であって、カンチレバー端を有する、端部にチップを含むこともできるし、チップレスカンチレバーであることもできるカンチレバーを提供する工程、カンチレバー端に配置された、金属ナノ粒子を含むインクを提供する工程、基材表面を提供する工程、インクがカンチレバー端から基材表面に運ばれるようにカンチレバー端と基材表面とを接触させる工程を含む方法。
142. インクが基材表面に形体を形成し、その形体が後処理に付される、141記載の方法。
143. インクが基材表面に形体を形成し、その形体が熱処理に付される、141記載の方法。
144. インクが基材表面に形体を形成し、その形体が光処理に付される、141記載の方法。
145. インクが基材表面に形体を形成し、その形体が約300℃未満で熱処理に付される、141記載の方法。

詳細な説明
好ましい態様では簡便に「カンチレバーマイクロデポジション(CMD)」と呼ぶことができる本発明は、以下に実施例で記載する態様をはじめとする数多くの態様で実施することができる。

態様1:カンチレバーマイクロデポジション
第一の態様では、本発明は、カンチレバーまたはマイクロブラシを使用してマイクロメートルスケールおよびサブマイクロメートルのパターンを製造する方法であって、(1)カンチレバーまたはマイクロブラシを提供する工程、(2)該カンチレバーまたはマイクロブラシに配置されたインク、すなわち化合物またはそれらの混合物を提供する工程、(3)基材表面を提供する工程、および(4)インクがカンチレバーまたはマイクロブラシから基材表面に運ばれるようにマイクロブラシと基材表面とを接触させる工程を含む方法を提供する。図36はこの方法の原理を示す。

好ましくは、得られるパターンの最小横方向寸法(基材表面に対して平行に測定、たとえばラインの幅)は0.5ミクロン〜15ミクロンの範囲である。その最大横方向寸法(たとえばラインの長さ)は100ミクロンを超え、好ましくは200ミクロンを超え、その高さ(たとえば該局所面に対して実質的に直交方向に測定)は1nm〜2ミクロンの範囲である。

好ましくは、カンチレバーまたはマイクロブラシは、微細加工された装置、すなわち、フォトリソグラフィー、電子ビームリソグラフィー、薄膜付着エッチングリフトオフおよび集束イオンビームマイクロ加工をはじめとする標準微細加工技術を使用して製造されたマイクロエレクトロメカニカルシステムMEMS)である。マイクロブラシは、自由端およびマクロスコピックまたはメゾスコピック体に結合された端部を有するカンチレバーの形状を有してもよいし、多数のカンチレバーを含む装置であってもよい。カンチレバーは、カンチレバーの主平面から突出するチップを有してもよいし、有しなくてもよい。メゾ/マクロスコピック体は、ダイシングした(ケイ素またはガラス)ウェーハであってもよい。

二つ以上の隣接するカンチレバー体が、インク貯蔵または小出しに使用することができる一定の幅または可変性の幅のギャップまたはスリットを形成することができる。カンチレバー体および/またはそれが取り付けられるメゾスコピックもしくはマクロスコピック体にマイクロ流体回路が形成されてもよい。マイクロ流体回路は、インク送り出しのための貯留部、チャネルおよびバイアスを含むことができる。チャネルおよび貯留部は、二つの実質的に平行な面(たとえば上記スリットの壁)または三つ以上の面(たとえば開いたチャネルまたは完全に閉じたチャネルを形成する)によって形成することができる。好ましい態様では、実質的に平坦なチップレスカンチレバーが使用される。

有機および無機化合物、たとえば金属塩および錯体、ゾル・ゲル前駆体、ポリマー、生体分子、たとえば核酸(たとえばDNA)、ペプチドおよびタンパク質、ナノ粒子および溶液またはそれらの混合物をはじめとする多種のインクを付着させることができる。付着は、基材洗浄表面下準備、穿孔、レーザまたはイオンビームによる微細加工、フォトリソグラフィーおよび熱または光の適用による硬化をはじめとする多数の処理の前または後に実施することができる。

本発明を実施するのに有用な文献
カンチレバー、チップ、インク、基材表面および接触方法当技術分野で公知であり、当業者は、本発明を、以下に記す好ましい態様および実施例を含むその多くの態様で実施する際に以下の技術文献を参照することができる。加えて、本明細書中、参考文献の一覧が後に提供され、本明細書におけるすべての参考文献は、全体として参照により本明細書に組み入れられ、本発明の実施において一般に拠り所となることができる。

カンチレバーマイクロデポジションは、NanoInk社(Chicago,IL)によって商業的に開発された技術である、一般に(1)ナノメートルスケール頂点を有する先鋭なチップがインクで被覆され、(2)インクがチップからメニスカスを通って基材に流れて接触接合部で自然に凝縮するディップペンナノリソグラフィー(Dip Pen Nanolithography(商標))(DPN(商標))に関連するが、それとは別のものである。DPN印刷とは対照的に、本発明は、先鋭なチップを必要とせず、むしろ、好ましくは、平坦でへら状のマイクロメートルサイズのカンチレバーまたはインク塗布手段としてのカンチレバーを使用する。カンチレバーマイクロデポジションは高サブマイクロメートルから10ミクロン範囲までの臨界寸法のパターンの製造に最適に使用され、一方、DPN印刷は超高解像(たとえばナノスケール)パターン付けに最適である。

カンチレバーマイクロデポジションは、その解像度は低めであるが、特により高い速度(表面に対するカンチレバーまたはマイクロブラシの速度)を使用することができるため、そのスループット毎秒平方ミクロン単位)はDPN印刷のスループットよりも高い。概して、本発明に使用されるカンチレバーは基材の表面と直に接触しない。むしろ、インクの層が表面とマイクロブラシまたはカンチレバー端との間に捕らえられる。理論によって拘束されることは望まないが、カンチレバーと表面との間の空間における流体力学毛管張力との相互作用インク付着を制御すると考えられる。たとえば、パターンの高さおよび全体的品質連続性)は、カンチレバーに加わる圧力の影響を受けやすいが、DPNでは、これは一般に当てはまらない。ライン幅は、カンチレバー幅と強く相関し(たとえば図37および38を参照)、概ねパターン付け速度から独立しているが、対照的に、DPN印刷では、点源(チップ-サンプ接点)からのインクの拡散速度およびパターン付け速度によって制御される。

しかし、インク、インク送り出し技術、カンチレバー/ブラ製造法、カンチレバー位置制御技術ならびにコンピュータ制御設計および製造アルゴリズムをはじめとし限定される、ディップペンナノリソグラフィーに関連する多数の技術的開発がカンチレバーマイクロデポジションに強く関連している。

着機器(たとえばNSCRIPTOR(商標)プラットフォーム)、コンピュータソフトウェア環境チャンバペン、基材、キット、インク、インクウェル、較正ソフトウェア、位置合わせソフトウェア、付属品などをはじめとする、DPN印刷に関連する多様な製品をNanoInk社から得ることができる。シングルDPN印刷プローブ、受動的マルチプローブアレイ、Aフレームカンチレバー、飛込み板形カンチレバーおよびACモードカンチレバーは、NanoInk社から得ることができる。同じく入手可能であるものは、先鋭化および非先鋭化チップである。DIPPEN NANOLITHOGRAPHYTM(商標)およびDPN(商標)は、NanoInk, Inc., Chicago,ILの商標であり、本明細書においてしかるべく使用される。

DPN印刷および付着法は、全体として参照により本明細書に組み入れられ、特に付着を実施するための実験パラメータに関して本発明の開示を支援する以下の特許出願および特許公開公報に広く記載されている:
1. 1999年1月7日出願の米国特許仮出願第60/115,133号("Dip Pen Nanolithography")。
2. 1999年10月4日出願の米国特許仮出願第60/157,633号("MethodsUtilizing Scanning Probe Microscope Tips and Products Therefor or Produced Thereby")。
3. 2000年1月5日出願の米国特許通常出願第09/477,997号("Methods Utilizing Scanning Probe Microscope Tips and Products Therefor or Produced Thereby")、既に2003年10月21日出願のMirkinらへの米国特許第6,635,311号。
4. 2000年5月26日出願の米国特許仮出願第60/207,713号("Methods Utilizing Scanning Probe Microscope Tips and Products Therefor or Produced Thereby")。本出願は、例えば湿潤化学エッチング、作業例、参照および図について記載し、全体として参照によりすべて組み入れられる)。
5. 2000年5月26日出願の米国特許仮出願第60/207,711号("Methods Utilizing Scanning Probe Microscope Tips and Products Therefor or Produced Thereby")。
6. 2001年5月24日出願の米国特許通常出願第09/866,533号("Methods Utilizing Scanning Probe Microscope Tips and Products Therefor or Produced Thereby")。本出願は、例えば湿潤化学エッチング、作業例(例えば実施例5)、参照および図について記載し、全体として参照によりすべて組み入れられる)。
7. 2002年5月30日公開の米国特許公開番号第2002/0063212 A1号("Methods Utilizing Scanning Probe Microscope Tips and Products Therefor or Produced Thereby")。
8. 2002年9月5日公開の米国特許公開番号第2002/0122873 A1号("Nanolithography Methods and Products Produced Therefor and Produced Thereby")。
9. 2000年1月7日出願のPCT公開番号第PCT/US00/00319号に基づく2000年7月13日公開のPCT公開第WO 00/41213 A1号("Methods Utilizing Scanning Probe Microscope Tips and Products Therefor or Produced Thereby")。
10. 2001年5月25日出願のPCT公開番号第PCT/USO1/17067号に基づく2001年12月6日公開のPCT公開第WO01/91855 A1号("Methods Utilizing Scanning Probe Microscope Tips and Products Therefor or Produced Thereby")。
11. 2001年10月2日出願の米国特許仮出願第60/326,767号("Protein Arrays with Nanoscopic Features Generated by Dip-Pen Nanolithography")、2003年4月10日公開済みのMirkinらへの第2003/0068446号。
12. 2001年11月30日出願の米国特許仮出願第60/337,598号("Patterning of Nucleic Acids by Dip-Pen Nanolithography")および2002年12月2日出願のMirkinらへの米国特許通常出願第10/307,515号。
13. 2001年12月17日出願の米国特許仮出願第60/341,614号("Patterning of Solid State Features by Dip-Pen Nanolithography")、2003年4月28日公開済みのMirkinらへの第2003/0162004号。本出願は、金属製、金属酸化物および無機固体状態構造の記述を含む。
14. 2002年3月27日出願の米国特許仮出願第60/367,514号("Method and Apparatus for Aligning Patterns on a Substrate")およびEbyらへの2003年10月2日公開第2003/0185967号。
15. 2002年5月14日出願の米国特許仮出願第60/379,755号("Nanolithographic Calibration Methods")および2003年2月28日出願のCruchon-Dupeyratらへの米国特許通常出願第10/375,060号。
16. 加えて、2003年8月26日出願のCrockerらへの米国通常出願第10/647,430号(公開済み、第2004/0127025号)("Processes for fabricationg conductive patterns using nanolithography as a patterning tool")は、本発明にしたがってパターン付けすることができる多様な金属インクを記載しており、全体として参照により本明細書に組み入れられる(当業者が本発明を実施することをさらに可能にするため、原文の多くを以下に提供する)。また、2004年2月12日に第2004/0026681号("Protosubstrates")として公開されたCrunchon-Dupeyratらへの米国通常出願は、マクロスケール試験することができるマイクロおよびナノ構造に対して印刷するための多様な態様を記載しており、全体として参照により本明細書に組み入れられる。また、2004年1月15日に公開されたMirkinらへの米国通常出願("Electrostatically Driven Nanolithography")公開番号第2004/0008330号は、導電性ポリマーのパターン付けを記載しており、全体として参照により本明細書に組み入れられる。また、2003年5月21日に出願されたMirkinらへの米国通常出願第10/442,189号("Peptide and Protein Nanoarrays and Direct-Write Nonolithographic Printing of Peptides and Proteins")が、全体として参照により本明細書に組み入れられ、本発明にしたがってパターン付けすることができる多様なペプチドおよびタンパク質を記載している。また、2003年10月21日出願のVan Crockerらへの米国特許出願第10/689,547号("Nanometer Scale Engineering Structures...")が全体として参照により本明細書に組み入れられる。また、2003年11月12日出願のCruchon-Dupeyratらへの米国特許出願第10/705,776号("Methods and Apparatus for Ink Delivery...")が全体として参照により本明細書に組み入れられる。

一般に、ハードウェア、ソフトウェアおよび機器類をはじめとする、現在の技術水準のDPN(商標)印刷および付着関連製品もまたNanoInk社(Chicago,IL)から市販されており、本発明を実施するためにこれらを使用することができる。たとえば、パターン付けにはNSCRIPTOR(商標)機器を使用することができる。DPN印刷は、たとえばGinger, Zhang, and Mirkin, Angew. Chem. Int. Ed., 2004, 43(1), 30-45でさらに記載されている。

DPN印刷処理の平行法は、たとえば2003年11月4日出願の、Liuらへの米国特許出願第6,642,129号に記載されているように実施することができる。

加えて、以下の文献は、直接書き込みナノリソグラフィーとともに使用される湿式ケミカルエッチング法を記載しており、図面、参考文献および実施例を含む全体として参照により本明細書に組み入れられる。Zhang et al, "Dip-Pen Nanolithography-Based Methodology for Preparing Arrays of Nanostructures Functionalized with Oligonucleotides"; Adv. Mat., 2002, 14, No. 20, October 16, pages 1472-1474; Zhang et al., "Biofunctionalized Nanoarrays of Inorganic Structures Prepared by Dip-Pen Nanolithography"; Nanotechnology, 2003, 14, 1113-1117; Zhang et al., "Fabrication of Sub-50 nm Solid-State Nanostructures on the Basis of Dip-Pen Nanolithography"; Nano Lett., 2003, 3, 43-45。加えて、米国特許出願“Fabrication of Solid-State Nanostructures including sub-50 nm Solid-State Nanostructures Based on Nanolithography and Wet Chemical Etching”(2003年12月3日出願の、Mirkinらへの出願第10/725,939号)もまた、本発明で使用することができるエッチングおよび単層レジストを記載しており、全体として参照により本明細書に組み入れられる。

原文Fundamentals of Microfabrication, The Science of Minitaturization, 2nd Ed., Marc J. Madouは、加法および減法を含むマイクロおよびナノテクノロジー、たとえばリソグラフィー(第一章)、乾式エッチング法によるパターン転写(第二章)、加法によるパターン転写(第三章)および湿式バルク微細加工(第四章)を記載している。また、原文Direct-Write Technologies for Rapid PrototypingApplications: Sensors, Electronics, and Integrated Power Sources (Eds. A. Pique and D. B. Chrisey)は、加法および減法を含むマイクロおよびナノテクノロジーを記載している。たとえば、バルク微細加工およびエッチングが617〜619頁に記載されている。サブ100ナノメートル長スケールでのDPN印刷が第十章に記載されている。

さらなる態様
態様2:導電性金属および他のパターンを製造するためのカンチレバーマイクロデポジションおよび硬化
好ましい態様で、たとえば本発明は、導電性金属に対して書き込む方法であって、(1)カンチレバー端を有する、端部にチップを含むこともできるし、チップレスカンチレバーであることもできるカンチレバーを提供する工程、(2)カンチレバー端に配置されたインクを提供する工程、(3)基材表面を提供する工程、および(4)インクがカンチレバー端から基材表面に運ばれるようにカンチレバー端と基材表面とを接触させる工程を含む方法を提供する。付着ののち、好ましくは、たとえば中間出力レーザまたは赤外線ガンの使用による局所熱硬化工程を実施する。

もう一つの好ましい態様では、以下さらに説明するスタンプチップを使用して材料を付着させる。スタンプチップは、たとえば、全体として参照により本明細書に組み入れられる、2004年2月13日出願の“Direct-Write Nanolithography with Stamp Tip:Fabrication and Applications”と題するH. Zhangらへの米国特許仮出願第60/544,260号および2005年2月14日出願の米国通常特許出願第11/056,391号(代理人番号083847-0264)に記載されている。

カンチレバーは当技術分野で公知であり、たとえばMikroMasch USA(Portland, OR)から市販されている。カンチレバーは、所望により、被覆し、官能化することができる。また、チップレスカンチレバーが、たとえばGreenらへの米国特許第5,958,701号;Agarwalへの第6,524,435号;Hendersonらへの第6,573,369号に記載されているように、当技術分野で公知である。

本発明の重要な特徴は、カンチレバーの形状大きさおよび形状を使用して、インクから基材表面に形成される形体の少なくとも一つの寸法を制御することができることである。

インクは特に限定されないが、本発明の主要な態様は、多くの場合に金属塩を使用する金属前駆体インクおよび金属ナノ粒子インクをはじめとする金属系インクである。有用な態様が上記特許出願番号16(導体パターン)でさらに記載されており、以下さらに記載する。

一般に、三つの主要なインク成分は、(1)付着される主材料、たとえば一つまたは複数の金属または金属塩、(2)一つまたは複数の溶媒、および(3)所望により、一つまたは複数の添加物を含む。インクの成分を調節して、カンチレバー、チップ(あるならば)および基材とともに作用させることができる。

インクは、所望により、基材表面への送り出しの前にカンチレバーまたはカンチレバーチップの上で完全または部分的に乾燥させることができる。インクは、送り出しののち、基材表面上で完全または部分的に乾燥させることができる。

インクのナノ粒子は特に限定されないが、本発明の主要な態様は金属系インクである。無機化合物をナノ粒子中に使用することもできる。ナノ粒子は、実質的に均質であることもできるし、不均質であることもできる。所望により、コアシェル構造を有することもできる。所望により、有機表面被覆またはシェルを有することもできる。磁性であることもできる。ドープされているかドープされていないかにかかわらず、半導電性であることができる。ナノ粒子は、電気絶縁性であることもできるし、絶縁シェルを有することもできる。ナノ粒子は、親水性であることもできるし、疎水性であることもできる。ナノ粒子はまた、導体、強磁性材料を含む磁性材料、半導体および光学材料をはじめとする他の技術的に有用な材料の前駆体であることもできる。ナノ粒子は、量子閉じ込め効果を示し、有用な性質、たとえば様々な色のエレクトロルミネセンスおよびフォトルミネセンスを示すことができる。ナノ粒子は、表面に化学吸着または共有結合するように官能化することができる。

溶媒系は特に限定されない。高沸点であるインク溶媒が一般に好ましい。たとえば、約100℃を超える、特に約150℃を超える沸点の溶媒を使用することができる。たとえば芳香族炭化水素高沸点溶媒の1種である。

基材表面に運ばれると、インクは、望みどおり乾燥し始めて形体を形成し、この形体は、好ましくはたとえば1ヶ月後でも安定である。好ましくは、形体を硬化させ、攻撃性溶媒およびエッチング系をはじめとする溶媒を用いる洗浄に対して安定化することができる。形体は、焼鈍、光、レーザ、電流および他の刺激に付すことができる。

多くの場合、たとえば高い導電率を提供する連続的な構造の塊を形成することが望ましい。多くの場合、形体と表面または表面上の他の形体、たとえば電極との間に高品質接点を形成することが望ましい。

形体は、ナノ構造であることもできるし、ミクロ構造であることもできる。積層を実施して高さを増すことができるため、形体の高さは特に限定されない。本明細書に記載する方法を使用してナノスケールおよびミクロンスケールの寸法を調製することができるため、横方向寸法、たとえば長さおよび幅は特に限定されない。たとえば、ドット径またはライン幅は、たとえば、約5nm〜約1ミクロンであることができる。または、ドット径またはライン幅は、たとえば、約1ミクロン〜約100ミクロンまたは約5ミクロン〜約25ミクロンであることができる。

本発明を実施する際に使用するためのさらなる参考文献が明細書の残り部分に記載されている。これらの参考文献のいずれかが従来技術であることを認めない。以下の非限定的な実施例によって本発明をさらに説明する。

実施例
以下の実施例では、この新規な方法によって金および白金トレースを書き込んで、ガラスのような基材に強く接着する低抵抗率トレースを形成した。実施例は(1)実験部および(2)結果および論考に細分されている。

実験
材料
すべての金属塩は、Aldrich(Milwaukee, WI)から市販されている最高純度のものを購入した。標準微細加工法により、窒化ケイ素カンチレバーを、チップ付きおよびチップなしで、様々なビーム幅を有するものとして調製した。カンチレバー幅の効果をさらに試験するため、いくつかのカンチレバーは、集束イオンビーム(FIB)技術を使用して狭窄した。

ナノ粒子調製
ナノ粒子は、M.J. Hostetler et. al., Langmuir 14, 17 (1998)にMurrayと共同研究者によって記載されている方法を使用して調製した。

パターン付け
Thermomicroscopes CR Research機器またはNSCRIPTOR(NanoInk、Chicago,IL)機器の平行移動ステージを使用して、ミクロンサイズのパターンを形成した。zステップモータを使用してカンチレバーをインクで満たした微細加工インクウェルと接触させることにより、カンチレバーを種々の金属前駆体インクで被覆した。次いで、zモータおよびx-y平行移動ステージを使用して、被覆したカンチレバーを基材の上方に配置し、カンチレバーを表面と接触させた。カンチレバーは、カンチレバーの端部だけが表面と接触するよう、わずかな角度(数度)で接触させた。光学顕微鏡検査法によって監視される可撓性カンチレバーのわずかな曲げが、接触が起こったことを示した。ミクロスケールの形体をパターン付けする場合には、機器の力フィードバックおよび圧電走査位置決め機構を使用する必要がなかったことを記しておく。しかし、ナノスケールパターンの場合、これら繊細位置決め機構が、サブミクロンおよび場合によってはサブ100nmスケールで、形体のサイズおよび位置合わせの制御を提供した。

結果および論考
インク付着
数百ミクロン、さらにはサブミクロンしかない寸法のラインおよびドットパターンを可能にする、表面にインクで直接書き込む新規な方法が開発された。このインク送り出し法は以下の一般的な工程を含むものであった。

インク装填
可撓性カンチレバーにインクを装填した。用途に依存して、カンチレバーは、端部に先鋭なチップを有することもできるし、チップレスであることもでき、様々な端部形状および数ミクロンから数百ミクロンまでの幅を有することができる。インク装填は、カンチレバーをインクの滴または貯留部と接触させたのち取り出すことにより、受動的に実施することができる。インクがカンチレバーの下面を濡らし、凝集力によって接着する。インクの受動的な装填および送り出しは実施例で実証した。C. Bergaudらによって記載されている、液体インクを能動的に吸い上げ、エレクトロウェッティングおよび誘電泳動によって付着を制御する方法を使用することもできる。

手法
カンチレバーを、パターン付けする表面と接触させることができる。大部分の場合、レーザ力フィードバック機構は不要であり、圧電走査/位置決め機構も不要である。機械的「Z」ステップモータを使用してカンチレバーを表面と接触させることができ、光学顕微鏡検査法を使用して、表面と接触したときのカンチレバーの撓みを検出することができる。

形体制御
ラインパターンは、カンチレバーを表面に沿って引くことによって形成することができる。NSCRIPTORおよびThermomicroscopes CP Researchプラットフォームの場合、「X」および「Y」ステップモータまたは微調節手動位置決スクリューを使用して、レバーを表面に沿って所望のパターンの形に平行移動させることができる。市販の高解像度圧電ステージ(NPoint, Madison, WI)をいずれかの機器にレトロフィットしてもよい。NSCRIPTORプラットフォームの場合、カスタムパターン設計ソフトウェアを使用してカンチレバーの動きを指図することができる。重要なことには、カンチレバーを表面に沿ってカンチレバーの長手軸の方向に平行移動させるならば、ライン幅は、図1に示すように、カンチレバーの端部の幅と直接関連することができる。したがって、カンチレバーの形状大きさによってラインの形状、たとえばライン幅を制御することができる。標準微細加工技術を使用すると、約1ミクロン〜約100ミクロンの幅のカンチレバーを製造することができる。したがって、この方法では、1ミクロン未満から100ミクロンをゆうに超えるまでの幅を有するラインパターンを形成することができる。種々のカンチレバー構造を使用してパターン付けすることができる大きな範囲のライン幅が図1〜7に示されている。たとえば、図1は、幅60および45ミクロンのラインの光学画像を示す。図6は、幅5および4ミクロンのラインの光学およびAFM高さ画像を示し、図7は、幅3および2ミクロンのラインを示す。もっとも狭いライン幅でさえ、ラインは、4マイクロオーム.cmの低い抵抗率を生じさせるのに十分な連続性を有する。

最良の形体制御は、直線的なビーム形カンチレバーを用いて達成され、「V字形」または「A字形」カンチレバーは、制御された幅のラインを形成しなかった。また、広く多様なカンチレバーばね定数(すなわち、0.004N/m〜0.19N/mの剛性)および長さ(150〜300ミクロン)によってライン形状の制御を達成することができる。また、固定幅のカンチレバーに最適な長さは材料のばね定数に依存する。実際には、幅15ミクロン、長さ150ミクロン、ばね定数0.032N/mのカンチレバーによって非常に良好なライン制御が達成されたが、幅15ミクロン、長さ300ミクロン、ばね定数0.004N/mのカンチレバーでは並み程度のライン制御しか達成されなかった。集束イオンビームのような先進リソグラフィー法を使用すると、カンチレバーの寸法をミリングによってさらに減らすことができる。表面を固定カンチレバーの下で平行移動させると、工程が同等に作用するということが理解されよう。現在の機器では、毎秒20ミクロンの速度での1回のカンチレバーパスで100ミクロンの幅および1ミクロン未満の幅の線を製造することができるが、毎秒10ミクロンの書き込み速度により、より高い導電率のトレースが得られる。

形体高さ制御
いくつかのパターン付け変数を制御することにより、ライントレースの高さを変えることができる。一般に、1回のパスによって形成されるラインパターンの太さは、硬化後で1nm未満〜数百ナノメートルであることができる(以下のセクションを参照)。ライン形状に対する最適な制御を保証するためには、カンチレバーを、表面に対して平行ではなく、数度よりも大きな角度で表面と接触させる。カンチレバーと表面との間の距離、カンチレバーの力または曲げおよびチップの平行移動速度を制御することにより、トレースの高さを変えることができる。

カンチレバーを高い力で表面に押し当てると、パターン付けされるトレースの高さが減少する。金属インクの場合でパス1回あたりの最大の高さを達成するためには、カンチレバーと表面との間の距離を、接触を失わない範囲で最大限にすることができる。したがって、高めの粘度および高い金属濃度のインクを使用すると、この方法でより高いパターンが可能になる。予備的な実験では、カンチレバーの撓みを監視しながらカンチレバーと表面との間の距離を変えることにより、力を大まかに制御した。表面に接近し、表面をパターン付けする際のカンチレバーと基材との間の力を感知するための圧電材料をカンチレバー内に埋め込むことにより、高さ/力制御をさらに改善することができる。パターンの高さを増すもう一つの方法がパターン付けの際のカンチレバーの平行移動速度を下げることであるという定性観測暗示されている。低速のチップ平行移動では、1回のパスで高さ100nmの形体(硬化後)を形成することができる。ドットパターンを形成するためには、カンチレバーを表面と接触させ、一定時間(普通は数秒)接触状態を維持したのち、取り去る。

分割カンチレバーおよび多数のカンチレバー
カンチレバーの形状大きさを変更することにより、最大インク装填量、ひいては最大ライン長を増すことができる。長さ50ミクロン〜200ミクロンである単一カンチレバーを用いると、図8に示すように二つの異なるチップ形状大きさに関して1回の装填ステップで長さ数百ミクロンのラインを再現可能に得ることができる。非常に小さなギャップ(ミクロン)を間に有する隣接するカンチレバーを用いて書き込むことにより、インクの総供給量(すなわち、1回の浸漬から得られる量)を大幅に改善することができる。インク供給量の増大は、より高いパターンまたはより長いラインパターンを生じさせることができる。カンチレバーの間のスリットまたはギャップは、毛管作用によってインクを保持するための貯留部として作用する。カンチレバーどうしが密な間隔(数ミクロン〜10ミクロン)で設けられている場合、この方法を使用してトレースのライン幅を増すこともできる。または、多数のカンチレバーがより大きく離れて配置されている場合、それらを使用して同じまたは異なるインクのドットまたはラインパターンを平行に形成することができる。図9は、多数の隣接するカンチレバーを用いて形成されたパターン付けラインの光学画像である。得られる最大ライン長(ひいてはインク装填量)が「ペン」の中のカンチレバー(1、4、2個の隣接するカンチレバー)の数の増大とともに増すようすに注目すること。また、ライン幅の増大がペンの中のカンチレバーの数とともに増大することに注目すること。

層化
多数の層を適用することによってラインおよびドットパターンの高さを増すことができる。通常、金属インクの場合、まず各層を加熱によって硬化させたのち、同じ金属前駆体インクの第二の層を塗布する。ナノスケールの2層パラジウムパターンが図10のAFM画像およびライン走査に示されている。第一の層の2nmから第二の層の10nmまでの高さの増大に注目すること。この実験で使用したインクは、80%エチレングリコール:20%水に溶解した酢酸パラジウム飽和溶液であった。他の用途の場合、異種材料、たとえば金属、酸化物および半導体の層化形体を構築する必要があるかもしれない。これらの実験の場合、基材をパターン付け機器から取り出して各層を硬化させたが、改良された機器は、表面に付着したままでインクを焼鈍または焼結することができるエネルギー源を含むこともできる。エネルギー源は、熱硬化のための加熱サンプルステージであってもよいし、レーザまたは他の光源であってもよいし、電流を基材に印加して最終的な金属または金属酸化物形態へのインクの転換を誘発する方法であってもよい。

インク
導電性形体をパターン付けする一般的な方法は、適切な前駆体インクおよび分散剤を選択する工程、たとえば前記セクションで記載した方法を使用してインクを表面に塗布する工程、および最後にたとえば熱などのエネルギーを加えることによってパターンを処理して前駆体材料を最終的な所望の材料に転換する工程を含む。このセクションでは、このパターン付け方法と適合性である二つの異なるナノ粒子インク方法を記載する。具体的な用途に関しては、異なるインクの改変または組み合わせを使用することが有用であるかもしれない。

1.単層保護ナノ粒子インク
無機材料は、その高い融点のせいで、基材に直接書き込むには一般に望ましくない。しかし、多くの材料のナノ粒子(直径100nm未満)は、バルク材と比べて極端融点低下(1000℃にもなる)を示す。したがって、ナノ粒子は、低温連続膜に転換することができる金属および金属酸化物の直接書き込み付着のためのインクを得るルートを提供する。この原理は、他者により、たとえばインクジェット技術と組み合わせて応用されている。Jacobsonら(米国特許第6,294,401号)は、ナノ粒子インク、たとえばCdTeおよびCdSeから出発して、II〜VI半導体パターンを形成した(またRidley et al. Science 1999 286 746-749参照)。直接書き込みインクに最良のナノ粒子は、担体溶媒またはマトリックス中に容易に分散し、周囲条件で良好な安定性を有し、調製が廉価であり、低温できれいに連続膜に転換することができる。

インク調製
Hostetler、Murrayらによって記載されている方法にしたがって種々のアルカンチオールキャップした金ナノ粒子を調製した。この方法は、他の金属ナノ粒子、たとえば白金、パラジウムおよび銀を調製するためにも使用されている。加えて、この用途に等しく有用であろう他の金属の安定化ナノ粒子を調製する類似の方法が数多くある。そのような方法は、粒子凝集するのを防ぐため、種々の界面活性剤、脂質およびポリマーを使用する。しかし、この合成法は比較的簡単であり、低温で金属膜に分解することができる安定な粒子を生じさせるため、Hostetler、Murray法を選択した。Subramanianと共同研究者らは、ナノ粒子が連続膜に転換される温度が安定化界面活性剤中の炭素の数およびナノ粒子の直径と強く関連し、短い鎖および大きな粒子ほど低温で分解するということを報告した(Huang, J. Electrochem. Soc. 2003, 150, G412)。

疎水性粒子の場合にはヘキサンチオールを選択し、親水性粒子の場合にはチオクト酸及びメルカプトコハク酸を選択した。Murrayと共同研究者らによって記載された手法にしたがって粒子を合成したのち、その粒子を高沸点溶媒、たとえばメシチレンキシレンおよびジメチルホルムアミド中に分散することによってインクを調製して、インクの蒸発を減らした。

ナノ粒子インク付着および金属への転換
対象の基材と適合性であるインクを達成するためには、一般に、インクが表面を濡らすことを可能にするチオールキャップ性界面活性剤および溶媒を選択することが有用である。たとえば、ナノ粒子が、ヘキサンチオールを界面活性剤として使用して調製されるならば、そのナノ粒子は疎水性になり、非極性溶媒、たとえばトルエン、メシチレンおよびキシレン中に良好に分散する。これらのインクは、疎水性または非清浄面をパターン付けするのに非常に有用であった。他方、チオクト酸またはメルカプトコハク酸を用いて調製されたナノ粒子は、比較的極性の溶媒、たとえばアルコール中に分散し、そのため、清浄なガラス、石英酸化ケイ素、ケイ素および窒化ケイ素のような親水面をパターン付けするために使用した。インクが表面と非適合性である場合、インクは、連続したラインを形成せず、表面からディウェッティングして滴を形成する。メシチレンのような一部の非極性溶媒は、親水性および疎水性両方のガラス面に有用であった。インクを適当な基材に付着させたのち、ホットエアガンで表面を250℃で数秒間加熱することにより、ナノ粒子パターンを連続金属膜に転換した。原則として、温度が絶縁有機シェルを除去するのに十分である限り、ナノ粒子は、レーザまたは加熱ステージをはじめとする多数の異なるエネルギー源を使用してバルク金属に転換することができる。図1〜7で、光学画像は、2個の金電極間に書かれた金トレースを硬化の前後で示し、AFMライン走査は、一つのインク層で約12nm〜90nmの平均高さを得ることができることを示す。

驚くことに、長鎖炭素化合物、たとえばC-5〜C-50、好ましくはC-10〜C-18の添加が結果を改善した。好ましくは、長鎖炭素は200℃以上の沸点を有する。図1および2に示す例のインク組成物と同様に、本発明者らは、高沸点の長鎖炭素化合物(好ましくは10〜18炭素)をインク調合物に添加した。たとえば、沸点がそれぞれ215℃および270℃のドデカンまたはペンタデカンを使用することができる。図3〜7に示す例で、本発明者らは、ペンタデカン1〜2マイクロリットルを(ナノ粒子、メシチレンおよびチオクト酸)で構成されたナノ粒子溶液4マイクロリットルにアテンドした。これらの長鎖炭素は、ナノ粒子上の炭素鎖と相互作用し、互いに噛み合って三次元構造を形成して、図1および2の光学画像との比較において図3〜7の光学画像に示すような連続的で均質な膜を形成する。図2DのAFM画像を図3C、4A&B、5C、6B&E、7B&Eと比較することにより、図3〜7では亀裂または穴がほとんど見られず、穴および亀裂が存在する図2Dと比較して、硬化後に比較的平滑な面が形成する。長鎖炭素の添加は、表面上またはインクウェル中での蒸発速度を、メシチレンの場合での数分からペンタデカンの場合での2、3時間まで減らし、それが、図3〜5の光学画像に示す均質なラインの形成に役立った。

金トレースの性質
驚くことに、ナノ粒子前駆体から調製された金膜は、清浄なガラス面に非常に良好に付着したが(図40を参照)、キャップ基の性質が接着において重要な役割を演じることができる。たとえば、酸終端化チオールキャップ基、たとえばチオクト酸で調製されたナノ粒子はガラス上に膜を形成し、この膜は、テープストリップをパターン上に配置し、こすったのち剥がすスコッチテープ試験に耐えるものであった。しかし、これらのガラス上の親水膜水洗によって剥がれた。他方、疎水性金ナノ粒子から製造された硬化膜(すなわち、メチル終端化アルカンチオール、たとえばヘキサンチオールでキャップされたもの)は、スコッチテープ試験によって剥がれたが、水洗処理には耐えた。最良の全体的接着および導電率は、親水性の薬剤および疎水性の薬剤を金ナノ粒子と合わせることによって得られた。具体的には、有機可溶性インクは、ヘキサンチオールを用いて調製されたナノ粒子をメシチレンに溶解したのちチオクト酸100mg/mlを加えることによって製造された。この混成インクの単層パターンは、スコッチテープ接着試験の後でも無傷のままであり、水洗にも耐えた。事実、インクは、優れた書き込み性を有し、書き込み中にガラス面を十分に濡らし、250℃できれいに硬化した。スコッチテープおよび洗浄試験に対する優れた耐性証拠が図1および2に示されている。得られた金薄膜メタリックイエローであり、AFMによる測定で厚さ約50〜100nmであり、2プローブ構造による測定で優れた導電率を示す。たとえば、長さが約250ミクロン、幅が約15ミクロンである、図2に示すようなトレースは約18オーム測定抵抗値を有する。したがって、この特定のトレースに関しては8マイクローム.cmの抵抗率が計算され、パターン付きトレースに関して4マイクロオーム.cmの低さの抵抗率が測定された。参考までに、金のバルク抵抗率は2.44マイクロオーム.cmである。酸終端化チオールと疎水性メチル終端化チオールとの比を有するナノ粒子からインクを調製することによって同様な結果を得ることができる。異種のチオールキャップ分子を様々な比で有する粒子は、その場で調製することもできるし、Hostetlerと共同研究者らによって記載されている場所交換反応(M. J. Hostetler, S. J. Green, J. J. Stokes, and R. W. Murray, J. Am. Chem. Soc. 1996, 118, 4212-4213)を使用して自在に調製することもできる。この実施例では金粒子インクを実証したが、パターン付け法は一般に、キャップ配位子を用いて調製することができるいかなるナノ粒子材料にも適用可能である。Cu、Pd、Ag、Ru、Mo、CdSe、Ni、Coおよびその他をはじめとする材料から、ナノメートル未満から100ナノメートルまでの範囲の粒度の粒子を製造する手法の様々な報告が文献にある。

ナノ粒子インクを用いたナノスケールパターン
ナノ粒子ベースのインク調合物は、サブミクロンサイズのパターンを生じさせるためのディップペンナノリソグラフィー印刷法を使用してパターン付けすることができる。一つの実験では、窒化ケイ素カンチレバー/チップアセンブリを使用して、ヘキサンチオールキャップした金ナノ粒子(メシチレン中の飽和溶液)を石英上でパターン付けした。具体的には、チップをケイ素インクウェル中のナノ粒子インクの滴と数秒間接触させることによってチップをナノ粒子インクで被覆した。そして、被覆したチップを使用して石英表面にラインおよびドット形体を形成した。たとえば、ドットパターンは、図11に示すようにチップを表面と10秒間接触させて保持することによって形成した。加える力を0.2nNから4nNまで変えることにより、ドットの直径および高さを幅50nmから85nmまで、高さ2.5nmから7.5nmまで変化させた。チップを表面上で一定の速度(約0.15ミクロン/秒)で平行移動させることによってラインを形成した。図12に示すように、加える力を変化させることにより、ラインの高さおよび幅を変化させた。ナノスケール粒子パターンは、ヒートガンから熱を加えること(250℃、5秒)によって硬化させ、再びイメージング立証した。図13。

2.ポリオールインク
ナノ粒子を調製するもう一つの方法は、アルコールまたはポリオールの存在で熱によって金属塩を化学的還元する方法である。この方法は、分散ナノ粒子を製造する手段としてFiglarzらによって報告されたものである(米国特許第4,539,041号)。方法は、連続膜を形成するための同様な方法を報告したChowらによって改善された。このポリオール法を、ナノスケールおよびマイクロスケールの導体パターンのためのインクとして使用するためのナノ粒子を形成するために創造的かつ好都合に適合させることができる。

インク調製
金属前駆体インクの一般的配合は、マトリックスおよび金属塩を含有するアルコールを含む。パターン付けののち、塩をその場でナノ粒子に転換すると、ナノ粒子は、熱の増大によって金属膜に凝集する。予備的実験では、この方法が、金属、たとえばAu、Pt、PdおよびAgに関して実証されたが、多くの他の金属および合金(米国特許第 5,759,230号および第4,539,041号に概説)が同じくこの方法に適合可能である。

ポリオールインクによるナノメートルスケールパターン
実施例1
20%ミリポア水および80%エチレングリコールに溶解したヘキサクロロ白金(IV)酸水素(水和物)10mg/100μLからなる前駆体インクを使用して白金のナノスケール形体を書き込んだ。DPN印刷技術を使用して、このインクを清浄なガラスまたは酸化ケイ素基材に書き込むことができる。ミクロンサイズのパターンの場合、チップレスカンチレバーがパターンのサイズおよび厚さの最適な制御を提供し、ナノスケールパターンの場合、可撓性カンチレバーの端部に超先鋭なチップ(たとえば窒化ケイ素)を有するカンチレバーが最適な解像度を提供する。付着後ホットプレートまたはホットエアガンで加熱することにより、前駆体パターン金属形体に転換する。この硬化または転換反応は250℃付近の温度で急速に(数秒で)起こる。パターンの厚さは、硬化工程と硬化工程との間にインクの層を追加することによって増すことができる。図10は、このインクを使用して酸化ケイ素上に形成された層化ナノスケールパターンを示す。同様な方法を使用して、酸化ケイ素上で金電極間にミクロンサイズの白金トレースを引いた。図14は、インクで被覆したカンチレバーをその短軸に対して平行な方向に平行移動させることによって白金塩化物インクで引いた長さ110ミクロンのラインを示す。硬化後、単層のインクは高い抵抗値を示したが、後続の層を加えてパターンの高さ、ひいては導電率を増すこともできた。

実施例2
もう一つの例では、白金インクを使用して、ミクロンサイズの金電極の間にドット形体を形成した。ドットは、図15の光学画像に示すように、被覆されたチップ/カンチレバーアセンブリを表面と短時間(数秒間)接触させたのち、チップを引っ込めて滴を残すことによって形成される。滴のサイズは、表面に対するインクの湿潤性、チップの装填および場合によってはチップ-基材保持時間に依存する。

実施例3
金属塩前駆体インクの粘度および湿潤性を変化させるために、いくつかの異なるポリマーを添加物として使用した。たとえば、エチレングリコールに代えてポリエチレングリコールを還元剤として用いることにより、インクの性質が改善した。二つの異なる分子量のポリエチレングリコールの混合物を使用することにより、特に有用な白金インクが得られる。このインクを調製するためには、ヘキサクロロ白金(IV)酸水素(水和物)100mgを、分子量300および10,000のポリエチレングリコールそれぞれ30mgを含有する水溶液15マイクロリットルに溶解した。インクはガラス面を十分に湿潤させ、熱による硬化ののち、導電性白金膜を形成する。たとえば、図16は、クロム電極間に引かれた単層白金トレースの例を示す。硬化後、長さ50ミクロンのトレースの抵抗値は80オームであり、トレースは、洗浄およびスコッチテープ剥離試験の際、表面に十分に接着した。

実施例4
金は、白金よりもバルク抵抗率がずっと低い。したがって、薄膜トランジスタにおける金属トレースの修復のような用途の場合に金属トレースの導電率を改善するために、金塩テトラクロロ金(III)水素三水和物)に基づく同様な金属インク前駆体を試験した。典型的な配合は、80%エチレングリコール/20%水中にAu塩100mgを含む。金前駆体インクは、書き込み中に酸化ケイ素およびガラス面を十分に湿潤させ、ホットプレート上200℃で5〜10秒間硬化させた。得られた膜は光学顕微鏡写真では黒く写り、AFM画像によると、小さな分離した粒子からなるものであった。単層トレースは普通、非導電性であり、清浄な酸化ケイ素基材には不十分にしか接着しなかった。後続の層(最大で5層)が個々の粒子の高さおよび直径を数百ナノメートルまで増大させたが、高い抵抗値(長さ100ミクロンの電極ギャップをはさんで数百オーム)では粒子間分離が生じる。図17のAFM走査は、酸化ケイ素上で金電極間に付着した3層の金塩化物インクの後に形成した大きな金粒子を示す。

実施例5
酸化ケイ素上に導電トレースを形成するのに有用なインクは、金および白金前駆体インクの性質を合わせたものであろう。したがって、金の高い導電性ならびに白金の優れた付着および膜接着性を得るために、金および白金に基づく合金形成性インクを開発した。たとえば、パターン付け法とで非常に適合性であった一つの調合物は、300および10,000MWポリエチレングリコールそれぞれ60mgを含有する水30マイクロリットルに同時に溶解した白金塩100mgおよび金塩50mgからなるものであった。図17Aに示す、酸化ケイ素上で30ミクロンのギャップをまたいで引いた2層パターンは、硬化後、90オームの抵抗値を示した。PDMS(ポリジメチルシロキサン)被覆されたAFMチップを用いてクロム電極間に書き込んだ同じ合金インクの6層は、硬化後、32オームの抵抗値を示し、80nmの高さに達した(図17B)。図17Cは、原子間力顕微鏡検査法によって測定された6層パターンにおける均一なAu-Pt粒子を示す。金属トレースの導電率をさらに高めるため、基材を銀増強溶液中に1時間浸漬した。光学画像およびAFM画像は、銀増強溶液が、すでに金を含有する区域だけで銀被覆を形成するということを示した。この実験は、パターンが金金属を完全還元状態で含有するというさらなる証拠を提供する。電流電圧測定は、銀が付着されたのち抵抗値が24Ωに低下したことを示す。

実施例6
ガラス面(および他多くの表面)へのポリオールインクの接着を改善する一つの方法は、少量のエポキシをインク調合物に加えることである。一つのそのようなインクの場合、四塩化金水素85mgをジメチルホルムアミド50マイクロリットルに溶解した。この塩溶液3マイクロリットルに対し、エチレングリコール1マイクロリットルおよびエポキシ混合物1マイクロリットルを加えた。Epotekから購入したエポキシ(377 Epotek)2部を金属塩の非存在で120℃で1時間硬化させ、Aldrichから購入したエポキシ(ビスフェノールF)を150℃で1分間硬化させたが、硬化時間は金塩の存在で増大した。得られたインク混合物は、標準付着工程では表面まで容易に移行したが、ガラス面を非常に良好には濡らさなかった。パターン付けののち、熱を使用して金属塩をナノ粒子に転換し、エポキシを架橋させた。得られた膜はきわめて良好にガラス面に接着し、すべての標準洗浄処理(水洗およびスコッチテープ剥離)および機械的磨耗に耐えた。インクの金属含量が十分に高い限り、金電極間に形成された金属トレースは十分に低い抵抗値を有した。図18は、エポキシ増強インクを使用して150℃で2時間硬化させて調製した、ガラス上の大きな金形体の光学顕微写真を示す。膜の抵抗値は0.3オームであった。

実施例7
前記実施例すべてにおいては、インクの供給源および主送り出しツールとしてカンチレバーを使用してミクロンスケールのパターンを付着した。しかし、これらの金属前駆体インクを使用してサブミクロンサイズの形体を形成するためには、インク送り出しのための供給源およびツールとしてカンチレバーの端部に先鋭なチップを使用することが有用である。ミクロンおよびサブミクロンスケールパターン付けに特に良好に作用する一つの金属インクは、上記の金インクを改変したものである。インクを調製するには、塩化金(85.5mg)をジメチルホルムアミド50μLに溶解する。この溶液に対し、エチレングリコール1μLおよびチオクト酸0.1mgを加える。このインクは窒化ケイ素チップを用いて付着させることができるが、PDMS(ポリジメチルシロキサン)被覆されたチップを書き込みに使用するならば、パターン付けの信頼性が改善する。このインクを石英基材に書き込むと、図19のAFM画像で実証するように、高さ15nmの形体が得られる。前駆体インクパターンは、オーブン中120℃で5分間、次いで250℃で10秒間硬化させる。重要なことに、パターンは、優れた安定性を示し、水洗およびそれぞれ120℃で10分間の2回のピラニア溶液洗浄(3:1、H2SO4/H2O2)に耐える。

以下の参考文献すべてが全体として参照により本明細書に組み入れられる。
インクおよび付着技術に関連するさらなる参考文献

参考文献16からのさらなる記載(「導体パターン」)
当業者が本発明を実施することをさらに可能にするため、全体として参照により本明細書に組み入れられる上記参考文献16を以下に提供する(特許出願“Processes forFabricating Conductive Patterns Using Nanolithography as a Patterning Tool”)。

さらなる背景情報として、バイオテクノロジー診断、マイクロエレクトロニクスおよびナノテクノロジーにおける多くの重要な用途が必須構成要件の一つとして金属のナノ構造を要する。たとえば、より小さく、より高速コンピュータチップおよび回路板を提供するためにはより良好なマイクロエレクトロニクスが必要であり、金属が、回路を完成させるのに必要な導電性を提供することができる。金属はまた、触媒として使用することもできる。しかし、金属の加工は困難であり、ナノスケールでの作業は事態をより困難にするおそれがある。多くの方法はミクロンレベルの製造に限定されている。多くの方法は、電気化学的バイアスまたは非常に高い温度の必要性によって制限される。そのうえ、多くの方法は、付着工程の物理的要件、たとえばインク粘度によって制限される。とりわけ、位置合わせ、膜およびワイヤを層化する能力、高い解像度ならびに融通性を提供する、金属ナノ構造を製造するためのより良い方法が必要である。

概要として、本発明は、発明の範囲を限定することなく本明細書で概要を記す一連の態様を含む。たとえば、本発明は、導電被覆を所望のパターンで基材に付着させる方法であって、(a)ナノリソグラフィーにより、前駆体で被覆されたチップを使用して前駆体を所望のパターンで基材に付着させる工程、(b)前駆体を配位子と接触させる工程、(c)電子を配位子から前駆体に移動させるのに十分なエネルギーを場合によっては分散照射光源から加え、それにより、前駆体を分解して導電性析出物を所望のパターンで形成し、そのようにして導体パターンを直接基材上に形成する工程を含む方法を提供する。

本発明はまた、導電性金属を所望のパターンで基材上に印刷する方法であって、(a)ナノリソグラフィーにより、前駆体で被覆されたチップを使用して、金属前駆体および配位子を所望のパターンにしたがって直接基材上に引く工程、および(b)場合によっては分散照射光源からエネルギーを加えることによって前駆体を分解して、基材から実質的な量の前駆体を除去することなく、また、基材から実質的な量の金属を除去することなく、導電性金属を所望のパターンで形成する工程を含む方法を提供する。

本発明はまた、金属前駆体をチップから基材に付着させてナノ構造を形成し、次いで前駆体ナノ構造を金属付着物に転換する工程を含む、ナノリソグラフィー法を提供する。付着は、チップと基材との間に電気バイアスを使用せずに実施することができる。

本発明はまた、金属前駆体をナノスコピックチップから基材に付着させてナノ構造を形成し、次いで、ナノ構造の金属前駆体を金属形態に転換する工程から本質的になるナノリソグラフィー法を提供する。本発明の基本的かつ新規な局面は本明細書の至る所で記されているが、これらの局面は、スタンプおよびレジストが要らず、電気化学的バイアスが要らず、一般的な研究室および製造施設では容易に利用できない高価な装備が要らず、基材とインクとの反応が要らないということを含む。したがって、組成物およびインクは、これらの制限なしで調合およびパターン付けすることができる。

本発明はまた、インクと基材との間に電気化学的バイアスまたは反応を使用せずに印刷する方法であって、金属前駆体インク組成物をチップからミクロ構造またはナノ構造の形態で基材に付着させて、互いに約1ミクロン以下、約500nm以下または約100nm以下離れたばらばらの物体を有するアレイを形成する工程を含む方法を提供する。

本発明はまた、本発明の方法によって調製される、基材およびその上にあるばらばらのナノスコピックおよび/またはマイクロスコピック金属付着物を含むパターン付きアレイを提供する。金属付着物は、たとえば、長方形正方形、ドットまたはラインであることができる。

本発明はまた、たとえばセンサ、バイオセンサおよびリソグラフィーテンプレートを調製することならびに本明細書に記載する他の用途を含む、これらの方法を使用する方法を提供する。

参考文献16の図1は、本発明の実施例1におけるパラジウム構造のAFMデータを示す。

参考文献16の図2は、本発明の実施例3におけるパラジウム構造のAFMデータを示す。

参考文献16の図3は、本発明の実施例4におけるパラジウム構造のAFMデータを示す。

参考文献16の図4は、本発明の実施例5におけるパラジウム構造のAFMデータを示す。

参考文献16の図5は、本発明の実施例5におけるパラジウム構造のAFMデータを示す。

参考文献16における詳細な説明(「導体パターン」)
参考文献16は、全体として参照により本明細書に組み入れられる、2002年8月26日出願のCrockerらへの仮出願第60/405,741号および2002年10月21日出願のCrockerらへの仮出願第60/419,781号に対する恩典を主張する。

上記のように、DPN(商標)及びDIPPEN NANOLITHOGRAPHY(商標)は、NanoInk, Inc.の商標であり、本明細書においてしかるべく使用される(例えば、DPN印刷またはDIP PEN NANOLITHOGRAPHY印刷)。DPN法および装備は、本発明にしたがってナノリソグラフィーを実施するために使用することができるNScriptor(商標)を含め、NanoInk, Inc.(Chicago,IL)から一般に市販されている。

本明細書は、当業者が本発明を実施するための、技術文献の参照を含むガイダンスを提供するが、この参照は、その技術文献が従来技術であることを認めることにはならない。

直接書き込み技術は、たとえばDirect-Write Technologies for Rapid PrototypingApplications: Sensors, Electronics, and Integrated Power Sources, Ed. by A. Pique and D. B. Chrisey, Academic Press, 2002に記載されている方法によって実施することができる。たとえばMirkin, DemersおよびHongによる第十章は、サブ100ナノメートル長さスケールにおけるナノリソグラフィー印刷を記載しており、参照により本明細書に組み入れられる(303〜312頁)。311〜312頁は、本発明の実施において当業者を導くことができる、ナノスコピックチップから基材に運ばれるパターン付け化合物を使用する走査プローブリソグラフィーおよび直接書き込み法に関するさらなる参照文献を提供している。この原文はまた、導体パターンを記載している。

ナノリソグラフィーおよびナノ加工はまた、Marc J. MadouのFundamentals of Microfabrication, The Science of Miniaturization, 2nd Ed.に、344〜357頁の金属付着を含め、記載されている。

本出願には、ディップペンナノリソグラフィー(DPN)印刷をパターン付けツールとして使用して導体パターンを製造するための多数の実施態様が開示されている。本開示におけるすべての態様に関し、DPN印刷法を開示する以下の文献が、参照により本明細書に組み入れられ、本開示の一部を構成する:
(1)Pinerら、Science、1999年1月29日、第283巻、661-663頁
(2)1999年1月7日出願のMirkinらへの米国特許仮出願第60/115,133号
(3)1999年10月4日出願のMirkinらへの米国特許仮出願第60/207,713号
(4)2000年1月5日出願のMirkinらへの米国特許通常出願第09/477,997号
(5)2000年5月26日出願のMirkinらへの米国特許仮出願第60/207,713号
(6)2000年5月26日出願のMirkinらへの米国特許仮出願第60/207,711号
(7)2001年5月24日出願のMirkinらへの米国特許通常出願第09/866,533号
(8)2002年5月30日公開のMirkinらへの米国特許公開番号第2002/0063212 A1号。

本発明は、印刷するために1個のみのチップの使用に限定されず、多数のチップを使用することができる。たとえば、2003年1月30日公開の、Liuらへの米国特許公開公報第2003/0022470号(“Parallel, Individually Addressable Probes for Nanolithography”)を参照すること。

特に、2001年5月24日出願の先願第09/866,533号(上記参考文献7および8、2002年5月30日公開第2002/0063212 A1号)では、直接書き込みナノリソグラフィー印刷の背景および手順が詳細に記載されて、たとえば、背景(1〜3頁)、概要(3〜4頁)、図面の簡単な説明(4〜10頁)、走査プローブ顕微鏡チップの使用(10〜12頁)、基材(12〜13頁)、パターン付け化合物(13〜17頁)、たとえばチップの被覆をはじめとする実施法(18〜20頁)、ナノプロッタを含む機器類(20〜24頁)、多層ならびに関連の印刷およびリソグラフィー法の使用(24〜26頁)、解像度(26〜27頁)、アレイおよびコンビナトリアルアレイ(27〜30頁)、ソフトウェアおよび較正(30〜35頁、68〜70頁)、疎水性化合物で被覆されたチップを含む、キットおよび他の物品(35〜37頁)、実施例(38〜67頁)、対応する請求項および要約(71〜82頁)ならびに図面1〜28を含む広く多様な態様を包含している。この開示は、ここで繰り返す必要はないが、全体として参照により本明細書に組み入れられる。

また、2002年9月5日公開のMirkinらへの米国特許公開第2002 0122873 A1号は、ここで繰り返す必要はないが、全体として参照により本明細書に組み入れられる。この公開出願は、たとえば、外部開口および内部キャビティを有するチップの使用ならびにインク(または付着化合物)を基材に運ぶための電気的、機械的および化学的駆動力の使用を含む。一つの方法は、アパーチャを通過する付着化合物の移動の速度および範囲が駆動力によって制御されるアパーチャペンナノグラフィーを含む。この公開出願はまた、被覆されたチップ、パターン、基材、インク、パターン付け化合物、付着化合物、マルチチップナノリソグラフィー、多数の付着化合物およびアレイを記載している。

ナノリソグラフィーはまた、以下の参考文献に記載されている。
(a)B. W. Maynor et al., Langmuir, 17, 2575-2578("Au'Ink'forAFM'Dip-Pen' Nanolithography")は、金属イオンの表面誘発還元による金ナノ構造の形成を記載している。しかし、この方法は、その処理を制限し、本発明では不要である、適切な金前駆体および金と反応する基材表面の入念な選択を含む。
(b)Y. Li et al., J. Am. Chem. Soc., 2001, 123, 2105-2106("Electrochemical AFM 'Dip-Pen'Nanolithography")は、白金金属の付着を記載している。しかし、この方法は、その処理を制限し、本発明では不要である、チップと基材との間の外部電気化学的バイアスの使用を含む。

DPN印刷法では、インクが基材に転写される。基材は、平坦なもの、粗いもの、カーブしたものまたは表面形体を有するものであることができる。基材は、事前にパターン付けすることもできる。基材へのインクの固定化は、化学吸着および/または共有結合によって実施することができる。転写されるインクは、望むならば、製造設計の一部として直接使用することもできるし、さらなる製造のためのテンプレートとして間接的に使用することもできる。たとえば、タンパク質をDPN印刷によって基材に直接パターン付けすることもできるし、タンパク質と結合するために使用されるテンプレート化合物をパターン付けすることもできる。DPN印刷の利点および用途は数多くあり、上記参考文献に記載されている。たとえば、高い解像度および優れた位置合わせを有する複雑な構造を達成することができる。1ミクロン未満、特に100nm未満、特に50nm未満のライン幅、断面および周囲を有する構造を達成することができる。要するに、DPN印刷は、抜群の制御および融通性をもってナノメートルレベルで製造およびリソグラフィーを実施することを可能にするナノ製造/ナノリソグラフィー技術である。このタイプのナノ製造およびナノリソグラフィーは、ミクロンスケールの作業により適している多くの技術では達成することが困難である。また、DPN印刷は、望むならば、ミクロンスケール構造を製造するために使用することもできるが、一般に、ナノ構造が好ましい。

チップは、ナノスコピックチップであることができる。これは、AFMチップを含む走査プローブマイクロスコピックチップであることができる。中空であることもできるし、非中空であることもできる。インクは、中空チップの中央を通過して、チップの端部を被覆することができる。チップは、前駆体インクの印刷を容易にするように改変することもできる。一般には、チップがインクと反応せず、チップを長期間にわたって使用することができることが好ましい。

ナノリソグラフィーによって付着されるパターンは、パターンの形状によって特に限定されない。一般的なパターンとしては、ドットおよびラインならびにそれらのアレイがある。パターンの高さは、たとえば、約10nm以下であることができ、より好ましくは、約5nm以下であることができる。ラインがパターン付けされるならば、ラインは、たとえば、幅が約1ミクロン以下、特に幅が約500nm以下、特に幅が約100nm以下であることができる。ドットがパターン付けされるならば、ドットは、たとえば、幅が直径で約1ミクロン以下、特に幅が約500nm以下、特に幅が約100nm以下であることができる。

ナノリソグラフィーは、好ましくは、ナノ構造を形成するために実施されるが、ミクロンスケールの構造もまた、対象になることができる。たとえば、面積が1〜10平方ミクロンの構造、たとえば長方形、正方形、ドットまたはラインをパターン付けするために使用される実験は、より小さなナノ構造のための実験を設計するのにも有用である。

もう一つの態様で、ナノスコピックパターンを含む導体パターンは、以下の工程
1)被覆されたチップを使用して前駆体、たとえば金属塩を所望のパターンで基材に付着させる工程、
2)適切な配位子、たとえば窒素、リンまたは硫黄のような供与体原子を含む配位子を基材に適用する工程、
3)電子を配位子から前駆体に移動させるのに十分なエネルギー、たとえば輻射熱を加え、それにより、前駆体を分解して析出物、たとえば金属を形成する工程
を使用するDPNを使用して形成される。

金属パターン付け法および化学は、(1)参照により本明細書により組み入れられる、Sharmaらへの米国特許第5,980,998号(1999年11月9日発行)、および(2)参照により本明細書により組み入れられる、Narangらへの米国特許第6,146,716号(2000年11月14日発行)に開示されている。しかし、これらの参考文献は、ディップペンナノリソグラフィー印刷または付着のための他のナノリソグラフィーの使用を開示または示唆してもいないし、DPN印刷から生じる利点を開示または示唆してもいない。どちらかといえば、貯留部およびアプリケータを含むディスペンサを用いた従来の印刷法の使用を開示している。本明細書では、Sharmaの第5,980,998号特許に開示された化学およびパターン付けが予想外の方法で一般に改変されて、DPN印刷をパターン付け法として含む予想外の結果をもたらし、DPN印刷法が予想外の方法で変形されて、Sharmaの第5,980,998号特許に開示された化学を含む予想外の結果をもたらす態様が開示されている。

本明細書では、インク溶液は一般に、溶媒および溶質を含むと考えられる。溶媒は、溶質を溶媒和することができるいかなる物質であることもできるが、一般には、廉価で利用しやすい比較的無毒性の物質、たとえば水、各種アルコールなどを含むと考えられる。溶質は一般に、金属または他の物質が溶液から析出するようにエネルギー源の影響下で互いに化学反応する少なくとも二つの成分を含むと考えられる。好ましい態様では、溶質の一つの成分は塩を含み、溶液のもう一つの成分は適切な配位子を含む。本明細書で使用する「塩」とは、酸(A)と塩基(B)との組み合わせをいう。例は、金属塩、たとえばギ酸銅酢酸銅アクリル酸銅チオシアン酸銅およびヨウ化銅である。他の例は、非金属塩、たとえばギ酸アンモニウムおよびアクリル酸アンモニウムである。

溶液の種々の成分は、同時または逐次に基材に付着させることもできるし、二つの組み合わせで基材に付着させることもできる。したがって、塩は、配位子と同時に付着させてもよいし、配位子とは別に付着させてもよいと考えられる。また、溶媒そのものが塩または配位子の一つまたは複数の局面を構成する、またはそれに寄与すると考えられる。

本明細書で使用する「配位子」(L)とは、熱的に活性化してレドックス反応で塩の一つまたは複数の局面を押し退けて、AB+L<−>AL+BまたはAB+L<−>A+BLになるような任意の物質をいう。本明細書で考えられる方法では、好ましい配位子は、非結晶質であり、非金属残渣を残さず、通常の周囲温度条件の下で安定している。もっとも好ましい配位子はまた、レドックス反応に参与することができ、その場合、特定の塩が、一般には約300℃未満であると考えられる妥当な温度で使用される。

好ましいクラスの配位子は、窒素供与体、たとえばシクロヘキシルアミンである。しかし、多数の他の窒素供与体およびそれらの混合物を使用することもできる。例は、3-ピコリンルチジンキノリンおよびイソキノリンシクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘプチルアミン、シクロオクチルアミンなどである。しかし、これらはほんのいくつかの例であり、多くの他の脂肪族第一級第二級および第三級アミンおよび/または芳香族窒素供与体を使用することもできる。

考えられる溶液としては、塩および配位子以外に他の化合物がある。たとえば、水およびアルコールを用いる、または用いない窒素供与体溶媒中のギ酸銅(II)の混合物を使用して、チップから基材への輸送を容易にしてもよい。少量の溶媒ベースのポリマーまたは界面活性剤もまた、チップから基材への輸送を容易にし、より良好な膜形成性を付与するために前駆体溶液レオロジーを調節するのに有用な添加物になりうる。他方、より多量の高沸点溶媒および/または添加物、たとえばトリエチルホスフェート、Triton X100、グリセロールなどは、温度感受性基材、たとえばKapton(商標)または紙における不完全な熱分解のせいで製造される膜を汚染する傾向にあるため、避けることが好ましい。さらに、基材をカップリング剤で処理して、基材表面の疎水性または親水性を変化させるカップリング剤の関数として基材への付着材料の接着を改善することが価値あることであるかもしれない。

塩が金属を含有する場合、すべての金属が考えられる。好ましい金属としては、導電性元素、たとえば銅、銀および金が挙げられるが、半導体、たとえばケイ素およびゲルマニウムもまた挙げられる。目的によっては、特に触媒の製造の場合、金属、たとえばカドミウム、クロム、コバルト、鉄、鉛、マンガンニッケル、白金、パラジウム、ロジウム、銀、スズ、チタン、亜鉛などを使用することができると考えられる。また、本明細書で使用する「金属」としては、合金、金属/金属複合材、金属セラミック複合材、金属ポリマー複合材および他の金属複合材がある。

基材としては、化合物を付着させることができる実質的にいかなる物質をも挙げることができる。たとえば、考えられる基材としては、金属および非金属、導体および非導体、可撓性および非可撓性材料、吸収性および非吸収性材料、平坦およびカーブした材料、テキスチャ入りおよびテキスチャなし材料、中実および中空材料ならびに大小の物体がある。特に好ましい基材は、回路板、紙、ガラスおよび金属物体である。もう一つの観点から見ると、考慮される基材の幅が、本教示を有利に適用することができる考えられる物体の範囲の指標を提供する。したがって、本明細書で教示する方法および装置は、マルチチップモジュールPCMCIAカード印刷回路板シリコンウェーハセキュリティ印刷装飾印刷、触媒、静電シールド水素輸送膜汎関数勾配材料、ナノ材料の製造、バッテリ電極燃料電池電極アクチュエータ電気接点コンデンサなどを含む多様な用途に使用することができる。方法および装置は、センサおよびバイオセンサとして使用することができる。方法および装置は、さらなるリソグラフィー、たとえば刷り込みナノリソグラフィーのテンプレートを調製するために使用することができる。方法を使用してナノワイヤおよびナノチューブを接続することが特に対象である。

したがって、基材は、電子装置、たとえばコンピュータディスクドライブまたは他のデータ処理もしくは記憶装置電話もしくは他の通信装置およびバッテリ、コンデンサ、充電器制御装置または他のエネルギー貯蔵関連装置に設置されてもよいし、その一部を形成するものでもよい、特に回路板をはじめとする任意の適当な基材を表すものと考えられる。

本明細書で考慮される適当なエネルギー源としては、基材または被覆に過度な損傷を生じさせることなく所望の化学反応を生じさせることができる任意のエネルギー源がある。したがって、特に好ましいエネルギー源は、特に赤外線ランプおよびホットエアブロワを含む輻射性および対流性の熱源である。他の適当なエネルギー源としては、電子ビームならびにX線ガンマ線および紫外線を含む非IR波長の放射装置がある。さらに他の適当なエネルギー源としては、振動源、たとえばマイクロ波トランスミッタがある。また、種々のエネルギー源を多数の方法で適用することができると考えるべきである。好ましい態様では、エネルギー源は、基材に付着した前駆体/配位子に向けて送られる。しかし、代替態様では、たとえば、加熱した配位子を常温の前駆体に適用してもよいし、加熱した前駆体を常温の配位子に適用してもよい。

本発明からは、たとえば平滑面、良好な被覆接着および被覆厚さの制御をはじめとする多くの利点を認めることができる。本教示の様々な態様のさらに別の利点は、被覆を少なくとも80重量%の純度で付着させることができることである。より好ましい態様では、被覆に含めることを意図する金属または他の物質の純度は少なくとも90重量%であり、さらに好ましい態様では、純度は少なくとも95%であり、もっとも好ましい態様では、純度は少なくとも97%である。

本教示の様々な態様のさらに別の利点は、廃棄物をほとんど出すことなく被覆を付着させることができることである。好ましい態様では、基材に付着される材料の少なくとも80重量%がとどまって所望のパターンを形成する。たとえば、ギ酸銅(II)を使用して銅回路を製造するならば、基材に付着される銅の少なくとも80%がとどまって所望のパターンを形成することができ、銅の20%以下が「廃棄物」として除去される。より好ましい態様では、廃棄物は10%以下であり、さらに好ましい態様では、廃棄物は95%以下であり、もっとも好ましい態様では、廃棄物は3%以下である。

本教示の様々な態様のさらに別の利点は低温作業である。金属は、たとえば約150℃未満、好ましくは約100℃未満、より好ましくは約75℃未満、もっとも好ましくは通常の室温(25〜30℃)で所望のパターンに付着させることができる。レドックスまたは「硬化」工程もまた、約100℃未満、より好ましくは約75℃未満、さらには約50℃の比較的低い温度で実施することができる。さらに低い温度も可能であるが、約50℃未満では、大部分の用途にとってレドックス反応が遅すぎる傾向にある。これらの範囲は、前駆体溶液を室温で調製することを可能にし、付着を室温で実施することを可能にし、分解を、ヒートガンから出るような比較的低い熱を使用して室温環境で達成することを可能にする。

従来技術は、本発明を実施するために使用することができるさらなる方法および組成物を記載している。例えば、Sharmaらへの米国特許第5,894,038号(1999年4月13日)は、全体として参照により本明細書に組み入れられ、(1)パラジウム前駆体の溶液を調製する工程、(2)パラジウム前駆体を基材の表面に適用する工程、(3)前駆体を熱に付すことによってパラジウム前駆体を分解する工程を含む、基材上にパラジウムの層を形成する方法を含むパラジウムの直接付着を開示している。この方法はまた、本発明にしたがってナノリソグラフィーを実施するために適合することもできる。

加えて、Sharmaらへの米国特許第5,846,615号(1998年12月8日)は、全体として参照により本明細書に組み入れられ、基材上に金の層を形成するための金前駆体の分解を開示している。この方法はまた、本発明にしたがってナノリソグラフィーを実施するために適合することもできる。

さらに米国特許第4,933,204号は、全体として参照により本明細書に組み入れられ、金形体を形成するための金前駆体の分解を開示している。この方法はまた、本発明にしたがってナノリソグラフィーを実施するために適合することもできる。

よりさらに、Sharmaらへの米国特許第6,548,122号(2003年4月15日)も、全体として参照により本明細書に組み入れられ、ギ酸銅(II)前駆体ならびに金および銀前駆体の使用を開示している。

本発明は範囲が広いと考えられるが、以下のインクまたはパターン付け化合物が本発明に特に重要である:ギ酸銅または酢酸銅;硫酸銀硝酸銀テトラフルオロホウ酸銀;パラジウムクロリドアセテートおよびアセチルアセトネート;六クロロ白金(IV)酸;クエン酸鉄アンモニウム;亜鉛、ニッケル、カドミウム、チタン、コバルト、鉛、鉄およびスズのカルボン酸塩、(擬)ハロゲン化物、硫酸塩および硝酸塩;金属カルボニル錯体、たとえばクロムヘキサカルボニルアミン塩基、たとえばシクロヘキシルアミン、3-ピコリン、(イソ)キノリン、シクロペンチルアミン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ホルムアミドエチレンジアミン;ポリマー、たとえばポリエチレンオキシド)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ビニルカルボゾール)およびポリ(アクリルアミド)。

好ましい態様では、たとえば、付着は、水溶液をインクとして使用して実施することができ、その場合、溶液は、水、金属塩および水溶性ポリマー、たとえば約50,000以下の分子量を有するポリアルキレンオキシドポリマーを含む。水溶液はまた、還元剤の担体として有用である。たとえば、10%ポリエチレンオキシド(MW10,000)を含む水中、アミノシラン化ガラスに対するDPN印刷による塩化パラジウム二ナトリウムの付着を実施することができ(Schott Glass company)、その後、還元剤、たとえばジメチルアミンボラン錯体DMAB)の0.03M水溶液を使用するパラジウム金属への化学還元を実施する。還元に最良の条件を決定するために、還元剤の濃度を変更することができる。還元の前後にパターンの原子間力顕微鏡写真を得ることができる。AFMイメージングは、構造を付着させるために使用したチップまたは異なるチップを用いて実施することができる。異なるチップが使用される場合、特にそのチップが付着のためではなくイメージングのために選択または適合されたものであるならば、イメージはより良好になることができる。一般に、印刷インクで工業的に使用されているポリマーを本発明で使用することができる。

もう一つの好ましい態様では、ナノリソグラフィー付着は、パラジウムアセチルアセトネート(Pd(acac))から酸化ケイ素基材に対し、DPN印刷ならびにその後(1)還元剤、たとえばホルムアミドのような液状還元剤および(2)パターン付き表面への熱の適用による還元によって実施することができる。もう一つの系は、DMF溶媒中の酢酸パラジウムである。パターン付けおよび還元の前に、Pd(acac)を、ハロゲン化溶媒、たとえばクロロホルムをはじめとする有機溶媒に溶解して、中実チップを被覆または中空チップの中に通すために使用するインクを形成することができる。熱処理は、たとえば約100℃〜約300℃または約150℃の温度を含め、還元を実施するのに十分であることができる。加熱時間、温度および雰囲気条件は、所望のパターンを達成するために調節することができる。一般に、150℃で1〜5分の加熱時間が所望の結果を達成することができる。付着されるパターンの安定性は、溶媒洗浄によって試験することができ、実験条件を変更して安定性を改善することができる。基材およびインク組成を含むナノリソグラフィー実験変数を変更して、より高い解像度を提供することもできる。還元の前および熱の適用の後に、パターンの高さ走査分析の使用を含むAFM顕微鏡写真を得ることができる。イメージングパラメータを変更して解像度を改善することができる。

場合によっては、金被覆したチップのようなチップが直接カンチレバー上で金属塩の還元を触媒してしまうことがある。これを防ぐためには、チップ組成を変更することができる。たとえば、チップ上でのこの還元を避けるためには、アルミニウム被覆プローブが有用である。一般に、チップは、好ましくは、長期使用のために選択され、適合され、インクとの触媒反応を避ける。

ナノリソグラフィーパターン付けされた金属塩の還元はまた、液相還元ではなく気相還元によって実施することができ、その場合、還元剤は、蒸気形態に転換され、パターン付けされた基材の上に通される。還元剤を蒸気状態に加熱するためには、必要に応じ、当技術分野で公知のヒータを使用することができる。場合によっては、このタイプの処置が還元中の元のパターンの保存を改善することができる。

好ましい態様では、付着は、塩化第二鉄アンモニウム酒石酸、硝酸銀および水からなる銀塩エマルションの場合、アミノシラン化ガラス基材に対し、DPN印刷ののちUVランプ下で光還元による現像によって実施することができる。AFMイメージングを実施してパターンを示すことができる。

もう一つの好ましい態様では、還元工程は、化学還元剤を使用することなく、金属塩を還元するのに十分な熱および十分な時間で実施することができる。たとえば、約400℃未満の温度または約200℃未満の温度を使用することができる。当業者は、所与のインク系およびパターンに基づいて温度および実験を相応に選択することができる。

本発明の付着法はまた、一つまたは複数の付着前工程、インク被覆を改善するための一つまたは複数のプローブ清浄または化学改変工程およびディップペンナノリソグラフィー印刷技術を使用することができる一つまたは複数の付着工程、清浄工程および検査工程を含む一つまたは複数の付着後工程を含むことができる。

付着前基材表面処理工程としては以下のものがあるが、これらに限定されない(特に順序なし)。
(1)プラズマ、UVまたはオゾン洗浄、水洗、乾燥、ブロー乾燥
(2)化学洗浄、たとえばピラニア洗浄、塩基エッチング(たとえば過酸化水素および水酸化アンモニウム)、
(3)インク輸送または付着を促進するための化学的もしくは物理的改変または共有結合的改変(たとえば、酸化ケイ素に荷電面を与えるための塩基処理アミノもしくはメルカプトシラン化剤、化学的反応官能基を有するポリマーを用いるシラン化
(4)後続の工程の有害作用に対する保護(たとえばレジストまたは薄膜による被覆)、
(5)光学顕微鏡検査法(たとえばAIMS)、電子顕微鏡検査法(たとえばCD SEM)またはイメージング(たとえばEDS、AES、XPS)、イオンイメージング(たとえばTOFSSIMS)または走査プローブイメージング(たとえばAFM、AC、AFM、NSOM、EFM...)に由来する技術、以下に付着後セクションで詳述するいずれかの工程およびそれらの組み合わせを用いた基材の検査

プローブ清浄または改変工程としては以下のものがあるが、これらに限定されない(特に順序なし)。
(a)プラズマ洗浄、水洗、乾燥、ブロー乾燥、
(b)化学洗浄、たとえばピラニア洗浄、塩基エッチング(たとえば過酸化水素および水酸化アンモニウム)、
(c)インク被覆、付着または輸送を促進または増強するためのプローブの化学的または物理的改変(たとえば、窒化ケイ素チップの荷電面を付与するための塩基処理、アミノもしくはメルカプトシラン化剤を用いるシラン化、小分子またはポリマー剤、たとえばポリ(エチレングリコール)を用いる共有結合的改変)このような改変は、気孔率を増す、またはインク送り出しに利用可能な表面積を増すことによってチップへのインクの装填量を増す改変を含む。

付着工程
付着工程としては、たとえばDPN(商標)印刷による一つまたは複数のインクの付着または一つまたは複数のプローブを用いる付着があるが、これらに限定されない。可能なインクとしては、前駆体、最終パターンのバルクを形成する化合物、触媒、溶媒、小分子またはポリマー担体ホストマトリックス材または犠牲還元剤および上記物質の混合物があるが、これらに限定されない。これらは、薄膜として付着させることもできるし、厚い多層(多数の付着工程によって形成)として、層間で化学組成を変更して、または変更せずに、付着させることもできる。

付着後工程として以下のものがあるが、これらに限定されない(特に順序なし)。
(1)たとえばヒートランプホットエアブローまたはホットプレートによる基材の加熱、
(2)基材への電磁放射線(たとえばIR、可視光およびUV光)または荷電粒子(たとえば、電子、ガンまたはプラズマ源から導出されるイオン)の照射。この処理は、空気中、真空中または溶液中、増感剤を用いて、または用いずに実施することができる。
(3)一つまたは複数の溶液へのパターン付き基材の浸漬、
(4)電気化学還元
(5)化学還元、
(6)蒸気またはガスへのパターン付き基材の暴露
(7)パターン付き基材の音波処理ならびに、該当する場合、上記で概説した工程のすべてのナノスケールの局所的等価処理。エネルギーおよび/または組成物の供給源は、DPNプローブと同じであってもよいし、同じでなくてもよい一つまたは複数のプローブによって提供される。以下のものがあるが、これらに限定されない。
(a)付着物質または包囲基材の局所加熱
(b)付着物質または包囲基材の局所照射およびそれらのすべての組み合わせ。

すべてまたはいくつかの工程の連続を何回か繰り返すこともできる。

金属ナノ構造は、ナノワイヤを含むことができる導電性ナノスコピックグリッドの形態にあることができる。たとえば、クロスバー構造を形成することができる。それぞれの上に金属層を形成することができる。ナノスコピック導体パターンをマイクロスコピックおよびマクロスコピック試験方法統合するための構造を含めることもできる。所望により、抵抗器、コンデンサ、電極およびインダクタを使用して回路を形成することができる。所望により、半導体およびトランジスタを使用することができる。構造の高さを増すために多層の形成を実施することができる。異なる金属を多層の異なる層に用いることができる。本発明の方法は、電極を電気的に接続するために使用することができる。センサ用途では、たとえば、金属付着物は、分析対象物が構造に結合したとき変化する抵抗率を有することができる。たとえばバイオセンサ用途では、抗体-抗原DNAハイブリダイゼーション、タンパク質吸収および他の分子認識事象を使用して抵抗率の変化を誘発することができる。また、本発明の方法はバーコード用途にも使用することができる。

例えば、Chenへの米国特許第6,579,742号は、ナノ計算機およびマイクロエレクトロニクス用途のための、刷り込みによって形成されるナノリソグラフィー構造を記載している。しかし、刷り込みは、型他着性効果から悪影響を受けるおそれがある。米国特許第6,579,742号のナノ計算機用途および構造は、本明細書に記載するナノリソグラフィー法を使用して実施することができ、この特許は、全体として参照により本明細書に組み入れられる。

基材は、たとえば2003年5月23日出願の、Cruchon-Dupeyratらへの米国特許通常出願第10/444,061号 "Protosubstrates"に記載されているプロト基材であることができる。これは、印刷構造の導電率をマクロスコピック法によって試験することを可能にする。

参考文献16の非限定的な実施例を以下に記す。

参考文献16の実施例
一般手順
この方法は、金属ナノパターンの直接付着を提供する。酸化性化合物還元性化合物とを混合し、チップに塗布し、DPN(商標)印刷または付着により、選択した場所で基材に付着させることができる。その後、インク混合物を加熱することができる(基材全体の加熱または局所的なプローブ誘発加熱によって)。具体的には、金属塩と有機配位子とのカクテルを使用することができる。典型的なインク調合物は、金属塩(たとえばカルボン酸塩、硝酸塩またはハロゲン化物)を適切な有機ルイス塩基または配位子(アミン、ホスフィン)とともに含むことができる。また、インクの溶解度、反応性またはレオロジー性を変化させる添加物(小分子、たとえばエチレングリコール、ポリマー、たとえばポリエチレンオキシド、PMMAポリビニルカルバゾールなど)を使用してもよい。インク混合物の付着ののち、周囲環境または不活性環境(たとえば40〜200℃)でやさしく加熱すると、塩が金属析出物および揮発性有機物を形成する不均化を支援することができる。この手順は、穏やかな条件下で有機汚染物質をほとんど伴わずにたとえば銅をはじめとする多様な金属または金属酸化物の付着を可能にする(たとえば、Sharmaらの米国特許第5,980,998号を参照。この完全な開示内容は、特に付着される材料に関して、参照により本明細書に組み入れられる)。反応が起こる前にパターン付き基材から配位子が蒸発するならば、潜在的なピットフォールが生じるかもしれない。この場合、加熱の前の第二の工程で、塩パターン付けされた基材を配位子に暴露することができる。

着実験およびAFMイメージングは、CP Research AFM(Veeco Instruments, Santa Barabara, CA)またはNSCRIPTOR(NanoInk)を用いて実施することができる。付着およびイメージングの両方に関し、トポグラフィーまたは側方力モードを含む接触モードを使用することができる。

参考文献16の実施例1
この方法の使用の一つの具体例は、DPN(商標)印刷または付着を使用して、クロロホルムに溶解したパラジウムアセチルアセトネート(1mg/マイクロリットル、一般には、ほぼ飽和したインク溶液が望ましい)を酸化ケイ素、ガラスまたはアミノシラン化ガラス上にパターン付けした。ドットのパターン付けののち、ホルムアミド1滴(1マイクロリットル)を水平な基材に載せ、150℃に2分間加熱した。得られた金属パターンは、溶媒洗浄(水、アルコールおよび他の非極性有機化合物)に対して安定であったが、還元前の塩パターンは、溶媒洗浄によって除去された。図1は、ホルムアミドおよび熱による処理の前(図1a)および後(図1bおよび1c)のパターンのAFM画像および高さ走査を示す。

参考文献16の実施例2
パラジウムナノパターンをDPN印刷によって付着させ、気相還元によって金属化した。DPN技術を使用して、ジメチルホルムアミド中の酢酸パラジウムからなるDPNインクを酸化ケイ素上にパターン付けした。使用したDPNペンは、金被覆を施した窒化ケイ素プローブであった。この方法は、アルミニウム被覆を施したDPNプローブとでも良好に作用する。理由は、Al被覆は、金被覆を施したプローブと同じく、カンチレバー上で直接金属塩の還元を触媒することがないからである。パターン付けの前に、ミリポア水中5分間の音波処理によってケイ素/酸化ケイ素ウェーハを清浄した。パターン付き基材を円錐形ポリエチレンチューブに垂直に入れ、ホルムアミド液10マイクロリットルをチューブの底に入れた。チューブを加熱ブロックに載せ、80℃で30分間加熱して、蒸気が金属前駆体の還元を生じさせるようにした。この方法は、基材上の金属パターンを保存するため、有用である。得られる金属構造は、溶媒洗浄および他の一般的な清浄方法に対して耐性であった。

参考文献16の実施例3
DPNによって付着させ、化学還元によって金属化したパラジウムナノパターン。10%ポリエチレンオキシド(MW10,000)を含む水中の塩化パラジウム二ナトリウムからなるDPNインクを、DPN技術を使用してアミノシラン化ガラス(Schott Glass company)上にパターン付けした。パターン付けした基材をジメチルアミン:ボラン錯体(DMAB)の0.03M水溶液に暴露して金属前駆体の導電性金属への還元を生じさせた。得られた金属構造は溶媒洗浄に対して耐性である。図2は、DMABによる処理の前(2a)および後(2b、2c)のパターンのAFM画像および高さ走査を示す。

参考文献16の実施例4
DPNによって付着させ、化学還元によって金属化した白金ナノパターン。水中四塩化白金からなるDPNインクを、DPN技術を使用してアミノシラン化ガラス(Schott Glass company)上にパターン付けした。パターン付けした基材をジメチルアミン:ボラン錯体(DMAB)の0.03M水溶液に暴露して金属前駆体の導電性金属への還元を生じさせた。還元反応は浸漬から数秒のうちに起こる。得られた金属構造は溶媒洗浄に対して耐性である。図3は、DPNによって付着させ、DMABによって還元した白金ナノ構造のAFM高さ走査を示す。

参考文献16の実施例5
DPNによって付着させたパラジウムパターン。DPN技術を使用して、ジメチルホルムアミド中酢酸パラジウムからなるDPNインクを酸化ケイ素上にパターン付けした。パターン付けの前に、基材をピラニア溶液中、80℃で15分間清浄した。パターン付けののち、ホットプレートを使用して、基材を空気中で少なくとも1分間加熱した。加熱ののち、パターンをAFMによってイメージングした。得られた金属構造は、高いトポグラフィーを示し、溶媒洗浄および他の一般的な清浄方法に対して耐性である。図4および5は、還元の前(中央図)および熱還元の後(右図)の所望の構造設計(左図)および実際のパターンを示す。これらのパターン、特にすでに還元されたパターンのイメージングは、たとえば、付着に使用したものではない清浄なチップを使用することによって改善することができる。

概して、参考文献16では、金属ナノ構造のナノリソグラフィー付着は、マイクロエレクトロニクス、触媒作用および診断で使用するための被覆チップを使用して提供される。AFMチップを金属前駆体で被覆し、その前駆体を基材上にパターン付けすることができる。パターン付けされた前駆体は、熱の適用により、金属状態に転換することができる。これをもって「参考文献16からのさらなる記載(「導体パターン」)」のセクションを締めくくる。

さらなる実施例
以下、本発明を、特に代替インク調合物、パターン付けすることができる代替基材に関してさらに例証し、実施可能にするさらなる実施例を記載する。また、多層パターン付け、マイクロ流体貯留部を使用するカンチレバーへのインクの送り出しおよび実際のTFT基材の修復を実証した。

実施例8:インク調合物
多様なインク組成物をカンチレバーとの接触によって直接書き込みすることができる。前述のポリオールおよび金ナノ粒子/メシチレンインクに加え、以下のインク調合物がCMDによって良好に付着した。

インク組成物#1:メシチレン/デカノール混合物中の金ナノ粒子
上記実施例に記載した金ナノ粒子インクをアルコール、たとえばデカノールCH3(CH2)9OHの添加によって改良した。デカノールの添加は、親水性基材の湿潤を改善し、特に、付着したインクが該親水性基材上で滴になり、不連続な(非導電性)ラインを生じさせるであろうビーズ化を防止する。このインク組成物は通常、ヘキサンチオールでキャップした金ナノ粒子1mgを、メシチレンに溶解したチオクト酸1.5μL(1mg/ml)およびデカノール0.3μLに溶解することによって調製した。250〜300℃で7分間、高温硬化させたのち120℃で60分間、低めの温度で硬化させることにより、インクを低抵抗率金属形態に転換した。

インク組成物#2:1,3,5-トリエチルベンゼン中の金ナノ粒子
メシチレンおよびデカノールに代えて、メシチレンよりも沸点が高い溶媒である1,3,5-トリエチルベンゼン(1,3,5-TEB)を用いることにより、上記の金ナノ粒子インクをさらに改良した。溶媒の置換は、上記デカノールベースのインクよりもインクの寿命増し(乾燥の減少により)、最終的にはナノ粒子析出および有用な金属含量の損失をもたらすであろう、デカノールに富む相とメシチレンに富む相との間の相分離を回避する。

インク組成物#3:市販の銀ナノ粒子インク
市販の銀ペースト(Harima Chemicals, Japan, http://www.harima.co.jpから得たナノペーストNPS-J)をフラットパネルディスプレー修復のためのインクとして使用した。銀ペーストは、ガス蒸発によって形成され、分散剤によって保護された単分散ナノ粒子を含む。平均ナノ粒子直径は約7nmである。各ナノ粒子が分散剤で覆われているため、このインクは、高い金属含有量ででもほとんど液体のように作用する。したがって、最適な粘度に達するためにこのインクを濃縮する(空気中での溶媒蒸発により)ことが必要であるかもしれない。このインクを用いる、印刷、小出しおよび含浸による回路形成は当技術分野で公知である。その焼結温度は200℃未満である。銀、金(Harima NPG-J)または他のタイプのナノ粒子を含む同様な市販インクを使用することもできる。

実施例9:種々の基材への種々のインクの付着
図20、21、22および39は、種々の基材に対する実施例8で開示したインクの良好な付着を示すものである。たとえば、図20は、Harima銀ナノ粒子インク(組成物#3)を使用することによる、窒化ケイ素基材への銀ラインの直接書き込みを示す。認められるライン幅および質のばらつきは、時間的なインクの粘度増大(濃度増)の結果である。時間とともに、インクは粘稠になりすぎて途切れのないラインを形成できなくなった。すべてのラインは、基材に対する同じカンチレバー速度で引いた。認められる条線は、この実験で使用した高精度ステージ断続的な運動アーチファクトである。図21は、ガラス基材への同じインクの付着を示す。図22は、クロム薄膜で被覆されたガラス基材への市販の銀ナノ粒子インクの付着および低温硬化を示す。レーザアブレーションを使用してクロム膜に溝を形成し、下にあるガラス基材(画像中央)を露出させた。そして、チップレスカンチレバーを使用して、クロム膜上、レーザアブレーションギャップの各側かつギャップをまたいで2本のラインを引いた。クロム膜そのものへの付着はうまくいったが、ギャップをまたぐ部分ではそうはいかなかった。理由は、この場合、レーザアブレーションののち残ったガラス基材がとりわけ粗かったからである(付着される膜よりも高い>1ミクロン)。図39は、クロムおよびガラスに対するインク組成物#1の付着を示し、図30(以下さらに詳細に記す)は、金ナノ粒子/1,3,5-TEBインクの付着を示す。

実施例10:多層パターンの製造
図23は、上記の金ナノ粒子/メシチレンインクで被覆されたチップレスカンチレバーを使用する多層ライン(3層まで)の製造を示す。第一の層を基材に付着させた。インクを再装填したのち、カンチレバーを第一層ラインの開始位置に再び配置し、それを使用して第一層ラインの直接上に第二層ラインを引いた。付着材料の量が小さいため、第一層中の溶媒は、中間の熱硬化工程の必要なしに第二層の書き込みを許すのに十分な速さで乾燥する。同じ工程を繰り返して第三層ラインを形成することによって第三の層を付着させた。この方法は、より高い導電率を有する太いラインの製造を可能にし、ライン連続性を改善する。また、ラインの幅広化が認められた。しかし、ライン幅広化の一部は、既存のXYステージの限界から生じると考えられる。繰り返し精度がより高いステージに換えるならば、より細いラインが得られるはずである。

実施例11:カンチレバーへのインクの送り出し
図24は、微細加工貯留部への浸漬による、インクによるチップレスカンチレバー(スリット付きでもよいし、スリットなしでもよい)の被覆を示す。この実験では、微細加工カンチレバーをNSCRIPTOR機器(NanoInk, Inc. Chicago,IL)走査ヘッドに取り付け、機器に組み込まれた平面画像顕微鏡およびXYモータステージの助けを借りてケイ素微細加工インクウェルチップの上方に配置した。通常はディップペンナノリソグラフィー印刷の場合にインクをチップに送るために使用されるこのインクウェルチップの製造は、Cruchon-Dupeyratらへの米国特許出願第10/705,776号および関連技術に記載されている。インクウェルは、ピペットを使用してインクを付着させることができるマイクロ流体ミリメートルスケール貯留部を含む。カンチレバーを前記貯留部の一つのインクのプールに浸漬した(画像の下部)。画像Bのカンチレバーの周囲のメニスカスに注目すること。この方法は、適切な(Z軸)位置決め装置およびソフトウェアを使用して容易に自動化される。

実施例12:実際のTFT液晶ディスプレー(LCD)サンプルの修復
図25は、薄膜トランジスタ(TFT)フラットパネルディスプレーの修復を示す。レーザアブレーションを使用して、フラットパネルディスプレー上で電子回路を形成する導電トレースの欠陥を各側で保護する絶縁(窒化ケイ素)層に穴を形成した。これらの穴の間に金ナノ粒子インクでラインを引いた。そして、そのラインを硬化させてトレースの左側部分と右側部分との間に電気的ブリッジを形成して、欠陥を修復した。

実施例13:一体化されたスリットまたはマイクロ流体チャネルを有するカンチレバーを用いる付着
図26は、インク貯蔵スリットまたはチャネルを有するチップレスカンチレバーの略図である。このカンチレバーは、1回の浸漬ごとにより多量のインクを貯蔵することができ、それが他方でラインの全長でより良好な均一性、増大したライン高さ、より良好な導電率および高いステップに書き込むためのより良好な能力を生じさせる。図27は、三角形または長方形であることができ、流体貯蔵のための貯留部として働く拡大部分を含むことができるチップレスカンチレバーの四つのさらなる設計を示す。製造技術は、当技術分野で公知であるAFMカンチレバーの製造のための方法から適合させることができる。簡潔にいうと、窒化ケイ素膜犠牲ケイ素基材へのCVDによって付着させる。そして、窒化ケイ素の一部をパターン付けし、次いでエッチングしてカンチレバーおよびスリットを形成する。下にあるケイ素を部分的に異方性エッチングしてカンチレバーを解放してもよい。または、窒化ケイ素層をPyrexガラスウェーハ接合し、ケイ素基材を全体的にエッチングしてもよい。そして、ウェーハをダイシングして、チップレススリットカンチレバーを末端に有するチップを得る。カンチレバーは、場合によっては、薄い反射性金属層で被覆されてもよい。金属被覆は、インクと反応したり、インクに対して他のかたちで影響したりしないよう、注意深く選択されなければならない。図28、29は、ガラス基材上かつ該ガラス基材上にパターン付けされた金電極の間のギャップをまたぐインク組成物#3(銀ナノ粒子)のスリット窒化ケイ素カンチレバー(図26の青写真にしたがって製造)を用いた実際の付着を示す。画像Bにおける2個の金電極の間の抵抗値は、熱硬化の後で約100オームであった。ヒートガン硬化の後では、おそらくは硬化中のアロイングまたはディウェッティングの結果として、金電極の上に直接付着したインクは見えないことに注意すること。図30は、同じタイプのカンチレバーを用いた場合の金ナノ粒子/1,3,5-TEBインク組成物#2の付着を実証する。

さらなる態様
以下、特にフラットパネルディスプレー修復のための機器および方法に関してさらなる態様を記載する。

態様3:カンチレバーマイクロデポジションおよびレーザ硬化を使用したフラットパネルディスプレー修復のための機器および方法
本発明はさらに、フラットパネルディスプレー基材および類似の装置上のオープントレースにおけるギャップを修復するための機器であって、(1)インクを受けるように適合されているカンチレバー(またはマイクロブラシ)、(2)該インクを該基材上で修復パッチの形にパターン付けするために該カンチレバーと接触し、該カンチレバーを該フラットパネルディスプレー基材の表面上で平行移動させるように適合されたカンチレバー保持・位置決め手段、(3)該インクを該カンチレバーに供給するインク供給機構、(4)場合によっては、付着した材料を導電に適合した低抵抗率形態に転換するように適合された硬化システムを含む機器を提供する。硬化システムは、レーザおよびその集束光学素子を含むことができる。カンチレバー位置決め手段は、(1)該マイクロブラシの動きをX、Y、Z軸に沿いに制御するナノメートル解像度ステージ、(2)該マイクロブラシを該基材と接触させるように適合された粗動広範囲Zステージ、(3)マイクロブラシをZ軸を中心に任意の角度に位置決めすることができる回転ステージ、(4)場合によっては、カンチレバー接触検出手段を含むことができる。

カンチレバーまたはカンチレバー装置が少なくとも部分的に反射被覆を有する場合、該接触検出およびカンチレバー撓み測定手段は、(1)ビデオカメラ、その対応する光学素子、光源および該カンチレバーの少なくとも一部によって反射される光の明度を測定するように適合された計算手段、(2)レーザ反射センサ、および(3)共焦点距離測定システムからなる群より選択することができる。

好ましい態様で、本発明は、フラットパネルディスプレーおよび他の実質的に平坦な回路、たとえば印刷回路板の修復に適合された機器を提供する。機器は、以下のいくつかまたはすべてを含むことができる。
(1)(サブ)マイクロメートル幅のカンチレバー、
(2)カンチレバーの微動を提供するマイクロ/ナノメートルスケールのXYZステージ、および
(3)付着材料(「インク」)を硬化させるためのレーザ、
(4)接面操作の前に材料(「インク」)をマイクロカンチレバーに供給するインク供給機構、
(5)インク供給のためのグロスZ動を供給することができる大可動域Zステージ動、
(6)カンチレバーをZ軸を中心に任意の角度に位置決めすることができる回転ステージ。

図31は、カンチレバーの明度をビデオイメージングによって監視して表面へのカンチレバーの接面を検出する、この機器の第一の設計を示す。この態様では、マイクロブラシまたはカンチレバーが基材と接触する正確な高さを検出する作業は、ナノメートルスケールXYZステージがカンチレバーを下に移動させるとき、カンチレバーに対応するビデオ画像を明度の変化に関してコンピュータで監視することによって達成される。適切な照明の下で接触すると、接触の検出を可能にするのに十分な感度で明度の劇的な変化が起こる(カンチレバーの曲げにより)。接触後、ナノメートルスケールXYZステージがカンチレバーをXYZ方向に動かして、インクを2D面および3D面構造に付着させることができる。360°モータ式回転ステージは、カンチレバーを常に押すのではなく引くことを可能にする(すなわち、その長手に対して平行な方向にその自由端からその拘束端まで。以下の実施例を参照)。これが、不十分なパターン付け結果を招くカンチレバーの腰折れおよび他の問題を防止する。

インクをカンチレバーに塗布するためには、カンチレバーを、インクウェル回転ステージのレベルよりも上になるまで、粗動モータ式Zステージによって上に動かす。そして、インクウェル回転ステージがインクウェルをカンチレバーの真下の位置まで回転させる。そして、カンチレバーをインクウェルの中に降ろすと、インクがカンチレバーを被覆する。そして、カンチレバーを再び上に動かし、インクウェルを回転させてカンチレバー区域の外に出す。すると、カンチレバーがインクを基材に付着させる準備ができる。

所与の区域でインク付着が完了したのち、硬化レーザを起動する。ミラーおよびビームスプリッタ(またはレーザからの光を選択的に基材に向けて反射させる他の装置)を介して、レーザ光をインクが付着された区域に向けて送る。硬化は、ビームスプリッタを通過してカメラおよび顕微鏡アセンブリに達するときに起こると考えることができる。アセンブリ全体を大きな距離(メートル単位)にわたって動かして、アセンブリを、基材のうち、修復を要する区域の上に配置することができる。必要なフラットパネルディスプレー支持フレームおよび広範位置決めシステムは図示しないが、当技術分野で公知である。または、アセンブリ全体を大きな距離(メートル単位)にわたって動かしてカンチレバーまたは硬化レーザを修復区域の上に配置することができるガントリのXY動を利用して、レーザ光をミラーなしで下または斜めに向けることができる。直接レーザ照明の使用は硬化工程の顕微鏡視検を妨げるかもしれないことに注意すること。

もう一つの態様(図32)では、マイクロブラシまたはカンチレバーが基材と接触する正確な高さを検出する作業は、カンチレバーに集束したZ軸レーザ反射センサ(Keyence Corp., Japan)の出力のコンピュータ監視によって達成される。接触すると、接触の検出を可能にする感度でセンサ出力の劇的な変化が起こる。接触後、ナノメートルスケールXYZステージはカンチレバーをXYZ方向に動かして、インクを2D面および3D面構造に付着させることができる。さらに別の態様(図33)では、カンチレバーが基材と接触する正確な高さを検出する作業は、カンチレバーに標的を合わせた共焦点距離センサ(同じくKeyence Corp.から市販)の出力のコンピュータ監視によって達成される。共焦点センサは内蔵CCDアレイを組み込むことができるため、レーザ硬化は、起こると同時に視ることができる。

本発明はさらに、前駆体インクを局所付着させたのち該インクを導電性形態に硬化させることによる、フラットパネルディスプレー基材上のオープントレースにおけるギャップの加法的修復の方法であって、
カンチレバー(またはマイクロブラシ)を提供する工程、
前駆体インクを提供する工程、
該インクを該カンチレバーに配置する工程、
基材表面を提供する工程、
インクがカンチレバーから基材表面に運ばれるように該カンチレバーと該基材表面とを接触させる工程、
付着したインクを硬化させる工程
を含む方法を提供する。

実施例14:双方向書き込みおよびカンチレバー回転
図34では、金ナノ粒子インクを装填した5μmチップレスカンチレバーから金トレースを導電性ITO(インジウムスズ酸化物)電極の絶縁ギャップをまたいで付着させた。この実験を多数回繰り返すと、これらの金トレースがしばしば途切れ、ITOステップの一つだけに隣接して小さなギャップを有するということがわかった。図35は、チップレスカンチレバーを使用してラインを引くときトポグラフィーステップの近くにいかにしてギャップが形成されるのかを説明する。この図では、カンチレバーが、非導電性ガラス基材上の、溝(図34を参照)によって分けられている2個のITOアイランドの上で右から左にインクでラインを引く。カンチレバー端は忠実右縁上にインクを付着させるが、カンチレバー体が左縁に当たると、溝の底から持ち上がるおそれがある。これは、インクの硬化後、非導電性ラインを生じさせるかもしれない。この問題に対する簡単な対策は、(i)たとえば右から左にインクの第一の層を書き込むこと、(ii)第一の層の上で左から右に第二の層を書き込むことからなる(「双方向書き込み」とも呼ばれる方法)。カンチレバーをその長手に対して平行にその自由端からその拘束端まで動かしたとき最良のパターン付け結果(もっとも細いライン)が得られたため、好ましくは、第二の層を書き込む前にカンチレバーを180°回転させる。そうでなければ、カンチレバーが屈曲または腰折れし、不要な区域にインクを放出するおそれがある。これは、パターン付け機器の中にカンチレバー回転ステージを組み込むことによって最良に達成される。

当業者は、本発明の多数の代替態様および応用が存在することを認識するであろう。これらの代替態様は本発明の範囲に入るものと考えられる。特に、これは、(iii)フラットパネルディスプレー上の導電トレースのネットワークの製造、(ii)フラットパネルディスプレーの、金属導電トレース以外の要素、たとえば半導電性(ポリシリコン)層、透明な導電性酸化物層(たとえばITO)の修復または製造、(iii)特に、フラットパネルディスプレーのカラーフィルタの修復、(iv)他のタイプのフラットまたはフレキシブルディスプレーの修復または製造、たとえば(v)有機発光ダイオード(OLED)ディスプレーの修復、(vi)UVフォトリソグラフィーで使用されるフォトマスクをはじめとする、半導体チップ製造で使用されるマスクの製造または修復、(vii)マイクロまたはナノ構造スタンプまたは型の製造または修復、(vii)薄膜抵抗器または他の厚膜もしくは薄膜受動コンポーネントの製造または修復ならびに(viii)他のミクロンスケール精度付着用途のための、該カンチレバーの使用を含む。CMDに使用されるカンチレバーは、より良好なインク保持または付着能力のための改変することもできる。たとえば、カンチレバー全体をポリマー、たとえばPDMS(ポリジメチルシロキサン)の層で被覆してもよい。一体化されたアクチュエータ、たとえば一体化されたヒータおよび熱駆動バイモルフ素子を有するカンチレバーを使用してパターン付けをより高度に制御してもよい。CMDに適合されたカンチレバーは、他の装置とで同じチップに組み合わせてもよく、たとえば、原子間力顕微鏡検査法カンチレバーを高解像度イメージングのためのチップと一体化したものまたはカンチレバーを付着後のインク硬化のための加熱チップと一体化したものがある。

以下は、オープンライン修復のための典型的な仕様である。

概要

ミクロンおよびサブミクロンサイズの形体を有する導電性金属トレースを直接書き込む新規な低温法。この方法では、チップを有してもよいし有しなくてもよい平坦なビーム、たとえばAFMカンチレバーを使用して、金属前駆体インクのトレースを基材上に引く。金属トレースの寸法は、カンチレバーの形状によって直接制御することができ、そのため、微細加工カンチレバーによって1ミクロンから100ミクロン超の幅のトレースを制御可能に付着させることができる。先鋭なチップを有するカンチレバーを使用して最小形体サイズをサブミクロンスケールまでさらに減らすことができる。形体の高さは、類似材料または異種材料の層を構築することによって増すことができる。この付着法によって導電率が高くロバストなパターンを得るために、二つの一般的なインク調合法が設計された。両インク系の主要成分は直径100nm未満のナノ粒子である。ナノ粒子は通常、バルク材料よりも有意に低い融点を有するため、ばらばらの粒子集合を非常に低い温度(300℃未満、さらには約120℃)で融解、焼結または凝集させて連続(多)結晶質膜にすることができる。第一の方法では、炭化水素キャップしたナノ粒子を適当な溶媒中に分散させ、それをパターンの形で表面に付着させたのち、加熱によって膜を焼鈍して連続金属パターンを形成することができる。第二の方法では、還元性マトリックスの存在で金属化合物を表面に運び、次いで、加熱によってその場でナノ粒子を形成すると、それが続いて凝集して連続金属パターンを形成する。白金および金インクを用いた研究では、いずれのナノ粒子ベースの方法も、低い抵抗率(4マイクロオーム.cm)および優れた接着性を有するミクロンサイズのトレースをガラスおよび酸化ケイ素上に形成した。

目的

このような場合、直接書き込み法のような他の技術が独自の利点および能力を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
2件

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請求項1

カンチレバー端を有する、チップレスカンチレバーであるカンチレバーを提供する工程、カンチレバー端に配置されたインクを提供する工程、基材表面を提供する工程、インクがカンチレバー端から基材表面に運ばれるようにカンチレバー端または基材表面を動かす工程、を含む方法。

請求項2

基材表面を動かし、カンチレバーを固定する、請求項1記載の方法。

請求項3

基材表面を固定し、カンチレバーを動かす、請求項1記載の方法。

請求項4

基材が、フラットパネルディスプレー基材である、請求項1記載の方法。

請求項5

インクが、一つまたは複数の金属、金属塩または金属ナノ粒子を含む、請求項1記載の方法。

請求項6

インクが、100℃を超える沸点を有する一つまたは複数の溶媒を含む、請求項1記載の方法。

請求項7

インクが、カンチレバーの形状によって制御される寸法を有する形体を基材表面に形成する、請求項1記載の方法。

請求項8

インクが、約1ミクロン〜約100ミクロンの幅を有する形体を基材表面に形成する、請求項1記載の方法。

請求項9

インクが基材表面に形体を形成し、その形体が、融解焼結、または凝集条件に付される、請求項1記載の方法。

請求項10

インクが基材表面に形体を形成し、その形体が焼鈍に付される、請求項1記載の方法。

請求項11

インクが基材表面に形体を形成し、その形体が光に付される、請求項1記載の方法。

請求項12

インクが基材表面に形体を形成し、その形体がレーザ硬化に付される、請求項1記載の方法。

請求項13

インクが、接触ののち連続的になる形体を基材表面に形成する、請求項1記載の方法。

請求項14

インクが、約10マイクロオーム.cm以下の抵抗率を有する金属状態転換される形体を基材表面に形成する、請求項1記載の方法。

請求項15

インクが、約5nm〜約1ミクロンの幅を有する形体を基材表面に形成する、請求項1記載の方法。

請求項16

基材表面にインクの層を形成するために繰り返される、請求項1記載の方法。

請求項17

カンチレバーが、インク貯蔵スリットまたはチャネルを含む、請求項1記載の方法。

請求項18

カンチレバーが、約1ミクロン〜約100ミクロンの幅および約100ミクロン〜約400ミクロンの長さを有する、請求項1記載の方法。

請求項19

カンチレバーが、約5ミクロン〜約25ミクロンの幅を有する、請求項1記載の方法。

請求項20

カンチレバーが、直線的なビーム形カンチレバーであり、カンチレバーを押すのではなく引く、請求項1記載の方法。

請求項21

薄膜トランジスタ修復のために使用される、請求項1記載の方法。

請求項22

カンチレバーが、インクを平行に付着させる複数のカンチレバーの一つである、請求項1記載の方法。

請求項23

インクが、ポリオールインクである、請求項1記載の方法。

請求項24

インクが、金属塩を一つまたは複数のアルコールまたはポリオールとともに含む、請求項1記載の方法。

請求項25

インクが、約1ミクロン〜約15ミクロンの横方向寸法を有する形体を基材表面に形成する、請求項1記載の方法。

請求項26

インクが、約1ミクロン〜約10ミクロンの横方向寸法を有する形体を基材表面に形成する、請求項1記載の方法。

請求項27

インクが、約1ミクロン〜約15ミクロンの横方向寸法を有する形体を基材表面に形成する、請求項1記載の方法。

請求項28

それぞれがカンチレバー端を有する、端部にチップを含むこともでき、またはチップレスカンチレバーであることもでき、約1ミクロン〜約20ミクロンであるギャップを間に有する、二つ以上のカンチレバーを提供する工程、ギャップに配置されたインクを提供する工程、基材表面を提供する工程、およびインクがギャップから基材表面に運ばれるように二つ以上のカンチレバーをギャップにインクが配置された状態で基材表面と接触させる工程、を含む、導電性金属に対して書き込む方法。

請求項29

ギャップが、約1ミクロン〜約5ミクロンである、請求項28記載の方法。

請求項30

ギャップが、約5ミクロン〜約10ミクロンである、請求項28記載の方法。

請求項31

ギャップが、約10ミクロン〜約20ミクロンである、請求項28記載の方法。

請求項32

一つまたは複数の金属塩および一つまたは複数の溶媒を含み、金属塩の濃度が約1mg/100μL〜約500mg/100μLである、ナノリソグラフィーまたはマイクロリソグラフィーのためのインク調合物

請求項33

金属塩の濃度が、約1mg/100μL〜約200mg/100μLである、請求項32記載のインク調合物。

請求項34

金属塩の濃度が、約5mg/100μL〜約30mg/100μLである、請求項32記載のインク調合物。

請求項35

異なる平均分子量を有する二つ以上のオリゴマーまたはポリマー添加物をさらに含む、請求項32記載のインク調合物。

請求項36

少なくとも一つのオリゴマーおよび少なくとも一つのポリマーをさらに含む、請求項32記載のインク調合物。

請求項37

二つ以上の金属塩を含む、請求項32記載のインク調合物。

請求項38

エポキシをさらに含む、請求項32記載のインク調合物。

請求項39

カンチレバー端を有するチップレスカンチレバーを提供する工程、カンチレバー端に配置された、一つまたは複数の金属、一つまたは複数の金属ナノ粒子または一つまたは複数の金属塩を含む、インクを提供する工程、基材表面を提供する工程、およびインクがカンチレバー端から基材表面に運ばれるようにカンチレバー端と基材表面を接触させる工程、を含む、導電性金属または金属前駆体に対して直接書き込む方法。

請求項40

カンチレバーを押すのではなく引く、請求項39記載の方法。

請求項41

チップレスカンチレバーが、カンチレバーのアレイの一部である、請求項39記載の方法。

請求項42

インクが、金属ナノ粒子を含む、請求項39記載の方法。

請求項43

インクを、基材表面に送り出したのち、硬化させる、請求項39記載の方法。

請求項44

インクを、基材表面に送り出したのち、約300℃以下の温度で硬化させる、請求項39記載の方法。

請求項45

ナノ粒子インク装填されたチップレスカンチレバーから金属トレース導体間の絶縁ギャップをまたいで付着させる工程を含む方法。

請求項46

カンチレバーを提供する工程、前駆体インクを提供する工程、該インクを該カンチレバーに配置する工程、基材表面を提供する工程、インクがカンチレバーから基材表面に運ばれるように該カンチレバーと該基材表面を接触させる工程、および付着したインクを導電性形態に硬化させる工程、を含む、前駆体インクを局所付着させたのち該インクを導電性形態に硬化させることによる、フラットパネルディスプレー基材上のオープントレースにおけるギャップの加法的修復の方法。

請求項47

(1)インクを基材に付着させるための、マイクロメートル幅のカンチレバー、(2)カンチレバーの微動を提供するマイクロ/ナノメートルスケールXYZステージ、(3)基板に付着したインクを硬化させるためのレーザ、(4)付着の前にインクをカンチレバーに供給するインク供給機構または装置、(5)インク供給のためのグロスZ動を供給するための大可動域Zステージムーバ、および(6)カンチレバーをZ軸を中心に任意の角度に位置決めすることができる回転ステージ、を含む、フラットパネルディスプレーおよび他の実質的にフラット回路の修復に適合された機器

請求項48

インクを付着させたときのカンチレバーの曲げを検出するための装置をさらに含む、請求項47記載の機器。

請求項49

(1)インクを受けるように適合されたカンチレバー、(2)該インクを該基材上で修復パッチの形にパターン付けするために該カンチレバーと接触し、該カンチレバーを該フラットパネルディスプレー基材の表面上で平行移動させるように適合されたカンチレバー保持および位置決め装置、(3)該インクを該カンチレバーに供給するインク供給装置、ならびに(4)任意に、付着した材料を導電に適合した低抵抗率形態に転換するように適合された硬化システム、を含む、フラットパネルディスプレー基材および類似の装置上のオープントレースにおけるギャップを修復するための機器。

請求項50

硬化システムが存在し、硬化システムがレーザおよびその集束光学素子を含み、カンチレバー位置決め装置が、(1)該カンチレバーの動きをX、Y、Z軸沿いに制御するナノメートル解像度ステージ、(2)該カンチレバーを該基材と接触させるように適合された粗動広範囲Zステージ、(3)カンチレバーをZ軸を中心に任意の角度に位置決めすることができる回転ステージ、(4)任意に、カンチレバー接触検出装置を含む、請求項49記載の機器。

技術分野

0001

発明の分野
本発明は一般に、(i)カンチレバマイクロデポジションと呼ぶことができる、インク被覆されたマイクロ加工チップレス)カンチレバーを使用するミクロンスケールの直接書き込みパターン付け法、および(ii)フラットパネルディスプレー修復、特にTFT LCD(薄膜トランジスタ液晶ディスプレー)修復へのその用途に関する。

0002

優先権
本出願は、全体として参照により組み入れられる、2004年2月25日出願の米国特許仮出願第60/547,091号(代理人番号083847-0234)の優先権を主張する。本出願は、2003年8月26日出願の米国特許通常出願第10/647,430号(代理人番号083847-0200)の一部係属出願でもあり、2002年8月26日出願の米国特許仮出願第60/405,741号(代理人番号083847-0150)の優先権を主張する。

背景技術

0003

背景
多くの現在の振興技術分野においては、材料、特に金属および半導体ミクロンおよびサブミクロンサイズ形体パターンで付着させることができる直接書込み技術が商業的に強く要望されている。大部分のマイクロエレクトロニクス装置フォトリソグラフィー技術によって製造されるが、直接書き込み技術の必要性は、加法欠損修復および回路修正の分野で特に顕著である。たとえば、損傷または欠損したフォトマスクは、ナノスケール形体上の欠失材料の加法的修復に適当したツールの欠如のせいで、マイクロエレクトロニクス産業にとってきわめて高いコストにおいて廃棄されている。ミクロン長スケールでは、フラットパネルディスプレー(FPD)における薄膜トランジスタ(TFT)アレイ金属部品への損傷は、ミクロンサイズの導電トレースを付着させるための迅速で廉価な方法の欠如のせいで、修復しにくい。装置を製造するためにフォトリソグラフィーを実施することができるが、それには、その技術を少量の高性能部品またはプロトタイプ用途の場合に途方もなく高くつくものにする複雑で高額な機器使用を要する。このような場合、直接書き込み法のような他の技術が独自の利点および能力を提供することができる。もっとも一般的な直接書き込み技術として、インクジェット印刷は、生物学的分子からマイクロエレクトロニクス材料まで種々の範囲の材料に印刷するための簡便でフレキシブルな方法を提供する。しかし、この技術の解像度は一般に、多くの用途には不十分である15〜200ミクロンサイズのドットに限定される(例えばEdwardsらへの、米国特許出願第2004/0261700号参照)。他の直接書き込みツール、たとえばレーザアシスト付着、電子またはイオンビームリソグラフィーは、同様な解像度の制限を受けるか、多くの用途にとって費用がかかりすぎるか、能動的および受動的なマイクロエレクトロニクスまたはオプトエレクトロニクス部品直接製造または修復への適用を妨げる重大な材料制限を抱えている。特に、電子ビームリソグラフィーイオンビーム微細加工、レーザまたは電子ビームアシスト化学蒸着は(部分的な)真空を要し、それが、非常に大きなフラットパネル(たとえばワイドTVまたはコンピュータ画面)の場合には法外に高くつく。

0004

概要
非限定的な概要を使用して本発明をさらに説明する。100ミクロンからサブミクロン寸法までの制御可能な形体サイズを提供する、導電性金属形体を書き込むための新規接触法が開発された。この方法では、(微細加工)カンチレバーにたとえば分子またはナノ粒子状インクを装填することができ、このインクを、表面に接触させることにより、たとえばラインまたはドットパターンの形態でごく少量ずつ小出しする。本形態では、カンチレバーの装填および付着を受動的に実施することができる。しかし、微細加工カンチレバーの複雑さを増すことにより、さらなるシステムが能動的なインク送り出しを組み込むことができる。加えて、この方法とで適合性である多数の金属前駆体インク系が開発されて、多数の異なる金属および金属酸化物材料パターン付けを実施することができるようになった。重要なことには、前駆体インクは、周囲環境条件下でパターン付けし、比較的低い温度で金属膜転換することができ、そのおかげで、高温加工に耐えられない基材、たとえばプラスチックにも塗布することができる。

0005

好ましい態様で、本発明は、たとえば導電性金属または金属前駆体に対して書き込む方法であって、カンチレバー端を有する、チップレスカンチレバーであることができるカンチレバーを提供する工程、カンチレバー端に配置されたインクを提供する工程、基材表面を提供する工程、およびインクがカンチレバー端から基材表面に運ばれるようにカンチレバー端または基材表面を動かす工程を含む方法を提供する。基材表面を動かし、カンチレバーを固定状態に保持することもできるし、基材表面を動かし、カンチレバーを固定状態に保持することもできる。インク送り出しを生じさせる動きは、一般に、カンチレバーと基材表面との接触を生じさせることができるが、おそらくはカンチレバーと表面との間にインクがあってもよい。

0006

もう一つの好ましい態様で、本発明は、導電性金属または金属前駆体に対して書き込む方法であって、それぞれがカンチレバー端を有する、端部にチップを含むこともできるし、チップレスカンチレバーであることもでき、約1ミクロン〜約20ミクロンであるギャップを間に有する二つ以上のカンチレバーを提供する工程、ギャップに配置されたインクを提供する工程、基材表面を提供する工程、インクがギャップから基材表面に運ばれるように二つ以上のカンチレバーをギャップおよび基材表面と接触させる工程を含む方法を提供する。

0007

本発明はまた、マイクロリソグラフィーまたはナノリソグラフィーのためのインク調合物であって、一つまたは複数の金属塩および一つまたは複数の溶媒を含み、金属塩の濃度が約1mg/100μL〜約500mg/100μLであるインク調合物を提供する。金属塩の量は、適当な分散および適当な質量密度ならびに所与の用途のための厚さを提供するのに十分な高さに調節することができる。

0008

本発明はまた、導電性金属に対して直接書き込む方法であって、カンチレバー端を有する、チップレスカンチレバーであるカンチレバーを提供する工程、カンチレバー端に配置された、金属ナノ粒子を含むインクを提供する工程、基材表面を提供する工程、インクがカンチレバー端から基材表面に運ばれるようにカンチレバー端と基材表面とを接触させる工程を含む方法を提供する。

0009

本発明の重要な利点は、ある特定のシステムに関して多様な異なるサイズ、たとえば約1ミクロン〜約15ミクロンまたは横方向寸法、たとえば長さおよび幅に関して約1ミクロン〜約10ミクロン(たとえば一桁)で、優れた制御をもって作動する能力を含む。ノズルまたはピペット目詰まりに関する問題を多くの態様で回避することができる。これを実施するための機器使用は比較的簡単であり、たとえば高真空を要しない。見当合わせおよび融通性は優れている。量産および使い捨てが可能である。

0010

加えて、番号を付した一連の態様が提供される。
1.導電被覆を所望のパターンで基材に付着させる方法であって、ナノリソグラフィーにより、前駆体で被覆されたチップを使用して、前駆体を所望のパターンで基材に付着させる工程、前駆体を配位子と接触させる工程、電子を配位子から前駆体に移動させるのに十分なエネルギーを加え、それにより、前駆体を分解して導電性析出物を所望のパターンで形成し、それによって導体パターンを直接基材上に形成する工程を含む方法。
2. チップがナノスコピックチップである、1記載の方法。
3. チップが走査プローブマイクロスコピックチップである、1記載の方法。
4. チップが原子間力顕微鏡チップである、1記載の方法。
5. 被覆が少なくとも約80%の純度の金属を含む、1記載の方法。
6. 被覆が約10オングストローム未満の厚さの金属を含む、1記載の方法。
7. 被覆が少なくとも約100オングストロームの厚さの金属を含む、1記載の方法。
8. 前駆体が、カルボン酸塩ハロゲン化物擬ハロゲン化物および硝酸塩からなる群より選択される塩を含む、1記載の方法。
9. 前駆体がカルボン酸塩を含む、1記載の方法。
10. パターンが回路を含む、1記載の方法。
11. 配位子が、アミンアミドホスフィン硫化物およびエステルからなる群より選択される物質を含む、1記載の方法。
12. 配位子が、窒素供与体硫黄供与体およびリン供与体からなる群より選択される、1記載の方法。
13.析出物が金属を含む、1記載の方法。
14. 析出物が、銅、亜鉛パラジウム白金、銀、金、カドミウムチタンコバルト、鉛、スズ、ケイ素およびゲルマニウムからなる群より選択される、1記載の方法。
15. 析出物が導体を含む、1記載の方法。
16. 析出物が半導体を含む、1記載の方法。
17. 基材が非導体を含む、1記載の方法。
18. 基材が導体および半導体の少なくとも一つを含む、1記載の方法。
19. エネルギーを加える工程が、熱を加えることを含む、1記載の方法。
20. エネルギーを加える工程が、赤外線またはUV線を加えることを含む、1記載の方法。
21. エネルギーを加える工程が、振動エネルギーを加えることを含む、1記載の方法。
22. 前駆体が、カルボン酸塩、ハロゲン化物、擬ハロゲン化物、硝酸塩からなる群より選択される塩を含み、配位子が、アミン、アミド、ホスフィン、硫化物およびエステルからなる群より選択される物質を含む、1記載の方法。
23. 析出物が、銅、亜鉛、パラジウム、白金、銀、金、カドミウム、チタン、コバルト、鉛、スズ、ケイ素およびゲルマニウムからなる群より選択される、19記載の方法。
24. エネルギーを加えるステップが、輻射熱を加えることを含む、19記載の方法。
25.導電性金属を所望のパターンで基材に印刷する方法であって、
ナノリソグラフィーにより、前駆体で被覆されたチップを使用して、金属前駆体および配位子を所望のパターンにしたがって直接基材上に引く工程、および
エネルギーを加えることによって前駆体を分解して、基材から実質的な量の前駆体を除去することなく、また、基材から実質的な量の金属を除去することなく、導電性金属を所望のパターンで形成する工程
を含む方法。
26.金属パターンが、不純物が約20重量%未満である実質的に純粋な金属を含む、25記載の方法。
27. 分解する工程が熱分解を含む、25記載の方法。
28. 分解する工程が、約300℃未満の温度で熱分解することを含む、25記載の方法。
29. 金属が、元素金属合金、金属/金属複合材金属セラミックス複合材および金属ポリマー複合材からなる群より選択される、25記載の方法。
30. 金属前駆体をチップから基材に付着させてナノ構造を形成し、次いで、前駆体ナノ構造を金属付着物に転換する工程を含むナノリソグラフィー法。
31. チップと基材との間に電気バイアスを使用せずに付着および転換を実施する、30記載の方法。
32. 基材の他に化学薬剤を使用して付着および転換を実施する、30記載の方法。
33. チップがナノスコピックチップである、30記載の方法。
34. チップが走査プローブマイクロスコピックチップである、30記載の方法。
35. チップがAFMチップである、30記載の方法。
36. チップと基材との間に電気バイアスを使用せずに付着および転換を実施する、35記載の方法。
37.多層を形成するために繰り返される、30記載の方法。
38. チップが、前駆体と反応しないように適合されている、30記載の方法。
39. 少なくとも一つのナノワイヤを別の構造と接続するために使用される、30記載の方法。
40. 少なくとも二つの電極を接続するために使用される、30記載の方法。
41.センサを調製するために使用される、30記載の方法。
42.リソグラフィーテンプレートを製造するために使用される、30記載の方法。
43.バイオセンサを調製するために使用される、30記載の方法。
44. 本質的に金属前駆体からなるインク組成物をナノスコピックチップから基材に付着させてナノ構造を形成し、次いで、ナノ構造の金属前駆体を金属形態に転換する工程から本質的になるナノリソグラフィー法。
45. 転換が、化学薬剤を使用しない熱転換である、44記載の方法。
46. 転換が、還元剤を使用して実施される化学転換である、44記載の方法。
47. 還元剤を蒸気状態で使用して転換を実施する、44記載の方法。
48. チップがAFMチップである、44記載の方法。
49. チップが、前駆体と反応しない表面を含む、44記載の方法。
50.多層構造を形成するために複数回繰り返される、44記載の方法。
51.インクと基材との間に電気化学バイアスまたは反応を使用せずに印刷する方法であって、金属前駆体インク組成物をチップからミクロ構造またはナノ構造の形態で基材に付着させて、互いに約1ミクロン未満離れたばらばらの物体を有するアレイを形成する工程を含む方法。
52. 前駆体から金属を形成する工程をさらに含む、51記載の方法。
53. ばらばらの物体が互いに約500nm以下離れている、51記載の方法。
54. ばらばらの物体が互いに約100nm以下離れている、51記載の方法。
55.カンチレバー端を有する、端部にチップを含むこともできるし、チップレスカンチレバーであることもできるカンチレバーを提供する工程、
カンチレバー端に配置されたインクを提供する工程、
基材表面を提供する工程、
インクがカンチレバー端から基材表面に運ばれるようにカンチレバー端と基材表面とを接触させる工程
を含む方法。
56. 基材表面を動かし、カンチレバーを固定する、55記載の方法。
57. 基材表面を固定し、カンチレバーを動かす、55記載の方法。
58. カンチレバーがチップレスカンチレバーである、55記載の方法。
59. カンチレバーがカンチレバー端にチップを含む、55記載の方法。
60. インクが一つまたは複数の金属を含む、55記載の方法。
61. インクが一つまたは複数の金属塩を含む、55記載の方法。
62. インクが一つまたは複数の金属ナノ粒子を含む、55記載の方法。
63. インクが一つまたは複数の疎水性ナノ粒子を含む、55記載の方法。
64. インクが一つまたは複数の親水性ナノ粒子を含む、55記載の方法。
65. インクが、有機シェルを有する一つまたは複数の金属ナノ粒子を含む、55記載の方法。
66. インクが、絶縁シェルを有する一つまたは複数の金属ナノ粒子を含む、55記載の方法。
67. インクが疎水性インクである、55記載の方法。
68. インクが親水性インクである、55記載の方法。
69. インクが疎水性インクであり、基材表面が疎水面である、55記載の方法。
70. インクが親水性インクであり、基材表面が親水面である、55記載の方法。
71. インクが疎水性薬剤および親水性薬剤の両方を含む、55記載の方法。
72. インクが、約100nm以下の平均直径を有する一つまたは複数の金属ナノ粒子を含む、55記載の方法。
73. インクが一つまたは複数の生物学的分子を含む、55記載の方法。
74. インクが一つまたは複数のペプチドまたはタンパク質を含む、55記載の方法。
75. インクが一つまたは複数の核酸を含む、55記載の方法。
76. インクが一つまたは複数のゾルゲル物質を含む、55記載の方法。
77. インクが一つまたは複数の磁性材料またはその前駆体を含む、55記載の方法。
78. インクが一つまたは複数の半導体材料またはその前駆体を含む、55記載の方法。
79. インクが一つまたは複数の光学材料またはその前駆体を含む、55記載の方法。
80. インクが、100℃を超える沸点を有する一つまたは複数の溶媒を含む、55記載の方法。
81. インクが、基材表面に化学吸着または基材表面と共有結合する一つまたは複数の化合物を含む、55記載の方法。
82. インクが基材表面に形体を形成する、55記載の方法。
83. インクが表面に金属酸化物を形成する、55記載の方法。
84. インクが表面に合金を形成する、55記載の方法。
85. インクが、カンチレバーの形状によって制御される寸法を有する形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
86. インクが、約1ミクロン〜約100ミクロンの幅を有する形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
87. インクが基材表面に形体を形成し、その形体が融解焼結または凝集条件に付される、55記載の方法。
88. インクが基材表面に形体を形成し、その形体が焼鈍に付される、55記載の方法。
89. インクが基材表面に形体を形成し、その形体が光に付される、55記載の方法。
90. インクが基材表面に形体を形成し、その形体がレーザに付される、55記載の方法。
91. インクが基材表面に形体を形成し、その形体が電流に付される、55記載の方法。
92. インクが、基材表面の一つまたは複数の電極と接触する形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
93. インクが、基材表面に形体を形成し、約300℃以下の温度で焼鈍に付される、55記載の方法。
94. インクが、基材表面に形体を形成し、約100℃〜約300℃の温度で焼鈍に付される、55記載の方法。
95. インクが基材表面で還元反応に付される、55記載の方法。
96. インクが、接触ののち連続的になる形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
97. インクが、約10マイクロオーム*cm以下の抵抗率を有する金属状態に転換される形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
98. インクが、約1マイクロオーム*cm〜約10マイクロオーム*cmの抵抗率を有する金属状態に転換される形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
99. インクが、約5nm〜約1ミクロンの幅を有する形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
100. 基材表面にインクの層を形成するために繰り返される、55記載の方法。
101. 基材表面にインクの層を形成するために繰り返され、インクが同じ材料である、55記載の方法。
102. 基材表面にインクの層を形成するために繰り返され、インクが異なる材料である、55記載の方法。
103. インクが、ラインである形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
104. インクが、ドットである形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
105. カンチレバーがAFMカンチレバーである、55記載の方法。
106. 基材表面がガラスである、55記載の方法。
107. 基材表面が薄膜トランジスタアレイである、55記載の方法。
108.フラットパネルディスプレーを修復するために使用される、55記載の方法。
109. カンチレバーが、インクで満たされた微細加工インクウェルを使用してインクを装填される、55記載の方法。
110. カンチレバーを約10°以下の角度で基材表面と接触させる、55記載の方法。
111. カンチレバーを約5°以下の角度で基材表面と接触させる、55記載の方法。
112. カンチレバーが、光学顕微鏡検査法によって見た場合、接触によって曲げられる、55記載の方法。
113.力フィードバックの使用によって接触を実施する、55記載の方法。
114.圧電走査機構の使用によって接触を実施する、55記載の方法。
115. カンチレバーが約1ミクロン〜約100ミクロンの幅を有する、55記載の方法。
116. カンチレバーが約5ミクロン〜約25ミクロンの幅を有する、55記載の方法。
117. カンチレバーが直線的なビーム形カンチレバーである、55記載の方法。
118. 力フィードバックの使用によって接触を実施する、55記載の方法。
119. カンチレバーが約0.001N/m〜約0.50N/mのばね定数を有する、55記載の方法。
120. カンチレバーが約0.004N/m〜約0.20N/mのばね定数を有する、55記載の方法。
121. カンチレバーが約100ミクロン〜約400ミクロンの長さを有する、55記載の方法。
122. カンチレバーが約150ミクロン〜約300ミクロンの長さを有する、55記載の方法。
123. カンチレバーが、インクを平行に付着させる複数のカンチレバーの一つである、55記載の方法。
124. インクがポリオールインクである、55記載の方法。
125. インクが金属塩を一つまたは複数のアルコールまたはポリオールとともに含む、55記載の方法。
126. インクが、約1ミクロン〜約15ミクロンの横方向寸法を有する形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
127. インクが、約1ミクロン〜約10ミクロンの横方向寸法を有する形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
128. インクが、約1ミクロン〜約15ミクロンの横方向寸法を有する形体を基材表面に形成する、55記載の方法。
129. 請求項55の方法によって調製された、基材表面およびその上のインクを含む基材。
130. 導電性金属に対して書き込む方法であって、
それぞれがカンチレバー端を有する、端部にチップを含むこともできるし、チップレスカンチレバーであることもでき、約1ミクロン〜約20ミクロンであるギャップを間に有する二つ以上のカンチレバーを提供する工程、ギャップに配置されたインクを提供する工程、基材表面を提供する工程、インクがギャップから基材表面に運ばれるように二つ以上のカンチレバーをギャップおよび基材表面と接触させる工程を含む方法。
131. ギャップが約1ミクロン〜約5ミクロンである、130記載の方法。
132. ギャップが約5ミクロン〜約10ミクロンである、130記載の方法。
133. ギャップが約10ミクロン〜約20ミクロンである、130記載の方法。
134. ナノリソグラフィーのためのインク調合物であって、一つまたは複数の金属塩および一つまたは複数の溶媒を含み、金属塩の濃度が約1mg/100μL〜約500mg/100μLであるインク調合物。
135. 金属塩の濃度が約1mg/100μL〜約200mg/100μLである、134記載のインク調合物。
136. 金属塩の濃度が約5mg/100μL〜約30mg/100μLである、134記載のインク調合物。
137. 異なる平均分子量を有する二つ以上のオリゴマーまたはポリマー添加物をさらに含む、134記載のインク調合物。
138. 少なくとも一つのオリゴマーおよび少なくとも一つのポリマーをさらに含む、134記載のインク調合物。
139. 二つ以上の金属塩を含む、100記載のインク調合物。
140.エポキシをさらに含む、100記載のインク調合物。
141. 導電性金属に対して直接書き込む方法であって、カンチレバー端を有する、端部にチップを含むこともできるし、チップレスカンチレバーであることもできるカンチレバーを提供する工程、カンチレバー端に配置された、金属ナノ粒子を含むインクを提供する工程、基材表面を提供する工程、インクがカンチレバー端から基材表面に運ばれるようにカンチレバー端と基材表面とを接触させる工程を含む方法。
142. インクが基材表面に形体を形成し、その形体が後処理に付される、141記載の方法。
143. インクが基材表面に形体を形成し、その形体が熱処理に付される、141記載の方法。
144. インクが基材表面に形体を形成し、その形体が光処理に付される、141記載の方法。
145. インクが基材表面に形体を形成し、その形体が約300℃未満で熱処理に付される、141記載の方法。

0011

詳細な説明
好ましい態様では簡便に「カンチレバーマイクロデポジション(CMD)」と呼ぶことができる本発明は、以下に実施例で記載する態様をはじめとする数多くの態様で実施することができる。

0012

態様1:カンチレバーマイクロデポジション
第一の態様では、本発明は、カンチレバーまたはマイクロブラシを使用してマイクロメートルスケールおよびサブマイクロメートルのパターンを製造する方法であって、(1)カンチレバーまたはマイクロブラシを提供する工程、(2)該カンチレバーまたはマイクロブラシに配置されたインク、すなわち化合物またはそれらの混合物を提供する工程、(3)基材表面を提供する工程、および(4)インクがカンチレバーまたはマイクロブラシから基材表面に運ばれるようにマイクロブラシと基材表面とを接触させる工程を含む方法を提供する。図36はこの方法の原理を示す。

0013

好ましくは、得られるパターンの最小横方向寸法(基材表面に対して平行に測定、たとえばラインの幅)は0.5ミクロン〜15ミクロンの範囲である。その最大横方向寸法(たとえばラインの長さ)は100ミクロンを超え、好ましくは200ミクロンを超え、その高さ(たとえば該局所面に対して実質的に直交方向に測定)は1nm〜2ミクロンの範囲である。

0014

好ましくは、カンチレバーまたはマイクロブラシは、微細加工された装置、すなわち、フォトリソグラフィー、電子ビームリソグラフィー、薄膜付着エッチングリフトオフおよび集束イオンビームマイクロ加工をはじめとする標準微細加工技術を使用して製造されたマイクロエレクトロメカニカルシステムMEMS)である。マイクロブラシは、自由端およびマクロスコピックまたはメゾスコピック体に結合された端部を有するカンチレバーの形状を有してもよいし、多数のカンチレバーを含む装置であってもよい。カンチレバーは、カンチレバーの主平面から突出するチップを有してもよいし、有しなくてもよい。メゾ/マクロスコピック体は、ダイシングした(ケイ素またはガラス)ウェーハであってもよい。

0015

二つ以上の隣接するカンチレバー体が、インク貯蔵または小出しに使用することができる一定の幅または可変性の幅のギャップまたはスリットを形成することができる。カンチレバー体および/またはそれが取り付けられるメゾスコピックもしくはマクロスコピック体にマイクロ流体回路が形成されてもよい。マイクロ流体回路は、インク送り出しのための貯留部、チャネルおよびバイアスを含むことができる。チャネルおよび貯留部は、二つの実質的に平行な面(たとえば上記スリットの壁)または三つ以上の面(たとえば開いたチャネルまたは完全に閉じたチャネルを形成する)によって形成することができる。好ましい態様では、実質的に平坦なチップレスカンチレバーが使用される。

0016

有機および無機化合物、たとえば金属塩および錯体、ゾル・ゲル前駆体、ポリマー、生体分子、たとえば核酸(たとえばDNA)、ペプチドおよびタンパク質、ナノ粒子および溶液またはそれらの混合物をはじめとする多種のインクを付着させることができる。付着は、基材洗浄表面下準備、穿孔、レーザまたはイオンビームによる微細加工、フォトリソグラフィーおよび熱または光の適用による硬化をはじめとする多数の処理の前または後に実施することができる。

0017

本発明を実施するのに有用な文献
カンチレバー、チップ、インク、基材表面および接触方法当技術分野で公知であり、当業者は、本発明を、以下に記す好ましい態様および実施例を含むその多くの態様で実施する際に以下の技術文献を参照することができる。加えて、本明細書中、参考文献の一覧が後に提供され、本明細書におけるすべての参考文献は、全体として参照により本明細書に組み入れられ、本発明の実施において一般に拠り所となることができる。

0018

カンチレバーマイクロデポジションは、NanoInk社(Chicago,IL)によって商業的に開発された技術である、一般に(1)ナノメートルスケール頂点を有する先鋭なチップがインクで被覆され、(2)インクがチップからメニスカスを通って基材に流れて接触接合部で自然に凝縮するディップペンナノリソグラフィー(Dip Pen Nanolithography(商標))(DPN(商標))に関連するが、それとは別のものである。DPN印刷とは対照的に、本発明は、先鋭なチップを必要とせず、むしろ、好ましくは、平坦でへら状のマイクロメートルサイズのカンチレバーまたはインク塗布手段としてのカンチレバーを使用する。カンチレバーマイクロデポジションは高サブマイクロメートルから10ミクロン範囲までの臨界寸法のパターンの製造に最適に使用され、一方、DPN印刷は超高解像(たとえばナノスケール)パターン付けに最適である。

0019

カンチレバーマイクロデポジションは、その解像度は低めであるが、特により高い速度(表面に対するカンチレバーまたはマイクロブラシの速度)を使用することができるため、そのスループット毎秒平方ミクロン単位)はDPN印刷のスループットよりも高い。概して、本発明に使用されるカンチレバーは基材の表面と直に接触しない。むしろ、インクの層が表面とマイクロブラシまたはカンチレバー端との間に捕らえられる。理論によって拘束されることは望まないが、カンチレバーと表面との間の空間における流体力学毛管張力との相互作用インク付着を制御すると考えられる。たとえば、パターンの高さおよび全体的品質連続性)は、カンチレバーに加わる圧力の影響を受けやすいが、DPNでは、これは一般に当てはまらない。ライン幅は、カンチレバー幅と強く相関し(たとえば図37および38を参照)、概ねパターン付け速度から独立しているが、対照的に、DPN印刷では、点源(チップ-サンプ接点)からのインクの拡散速度およびパターン付け速度によって制御される。

0020

しかし、インク、インク送り出し技術、カンチレバー/ブラ製造法、カンチレバー位置制御技術ならびにコンピュータ制御設計および製造アルゴリズムをはじめとし限定される、ディップペンナノリソグラフィーに関連する多数の技術的開発がカンチレバーマイクロデポジションに強く関連している。

0021

着機器(たとえばNSCRIPTOR(商標)プラットフォーム)、コンピュータソフトウェア環境チャンバペン、基材、キット、インク、インクウェル、較正ソフトウェア、位置合わせソフトウェア、付属品などをはじめとする、DPN印刷に関連する多様な製品をNanoInk社から得ることができる。シングルDPN印刷プローブ、受動的マルチプローブアレイ、Aフレームカンチレバー、飛込み板形カンチレバーおよびACモードカンチレバーは、NanoInk社から得ることができる。同じく入手可能であるものは、先鋭化および非先鋭化チップである。DIPPEN NANOLITHOGRAPHYTM(商標)およびDPN(商標)は、NanoInk, Inc., Chicago,ILの商標であり、本明細書においてしかるべく使用される。

0022

DPN印刷および付着法は、全体として参照により本明細書に組み入れられ、特に付着を実施するための実験パラメータに関して本発明の開示を支援する以下の特許出願および特許公開公報に広く記載されている:
1. 1999年1月7日出願の米国特許仮出願第60/115,133号("Dip Pen Nanolithography")。
2. 1999年10月4日出願の米国特許仮出願第60/157,633号("MethodsUtilizing Scanning Probe Microscope Tips and Products Therefor or Produced Thereby")。
3. 2000年1月5日出願の米国特許通常出願第09/477,997号("Methods Utilizing Scanning Probe Microscope Tips and Products Therefor or Produced Thereby")、既に2003年10月21日出願のMirkinらへの米国特許第6,635,311号。
4. 2000年5月26日出願の米国特許仮出願第60/207,713号("Methods Utilizing Scanning Probe Microscope Tips and Products Therefor or Produced Thereby")。本出願は、例えば湿潤化学エッチング、作業例、参照および図について記載し、全体として参照によりすべて組み入れられる)。
5. 2000年5月26日出願の米国特許仮出願第60/207,711号("Methods Utilizing Scanning Probe Microscope Tips and Products Therefor or Produced Thereby")。
6. 2001年5月24日出願の米国特許通常出願第09/866,533号("Methods Utilizing Scanning Probe Microscope Tips and Products Therefor or Produced Thereby")。本出願は、例えば湿潤化学エッチング、作業例(例えば実施例5)、参照および図について記載し、全体として参照によりすべて組み入れられる)。
7. 2002年5月30日公開の米国特許公開番号第2002/0063212 A1号("Methods Utilizing Scanning Probe Microscope Tips and Products Therefor or Produced Thereby")。
8. 2002年9月5日公開の米国特許公開番号第2002/0122873 A1号("Nanolithography Methods and Products Produced Therefor and Produced Thereby")。
9. 2000年1月7日出願のPCT公開番号第PCT/US00/00319号に基づく2000年7月13日公開のPCT公開第WO 00/41213 A1号("Methods Utilizing Scanning Probe Microscope Tips and Products Therefor or Produced Thereby")。
10. 2001年5月25日出願のPCT公開番号第PCT/USO1/17067号に基づく2001年12月6日公開のPCT公開第WO01/91855 A1号("Methods Utilizing Scanning Probe Microscope Tips and Products Therefor or Produced Thereby")。
11. 2001年10月2日出願の米国特許仮出願第60/326,767号("Protein Arrays with Nanoscopic Features Generated by Dip-Pen Nanolithography")、2003年4月10日公開済みのMirkinらへの第2003/0068446号。
12. 2001年11月30日出願の米国特許仮出願第60/337,598号("Patterning of Nucleic Acids by Dip-Pen Nanolithography")および2002年12月2日出願のMirkinらへの米国特許通常出願第10/307,515号。
13. 2001年12月17日出願の米国特許仮出願第60/341,614号("Patterning of Solid State Features by Dip-Pen Nanolithography")、2003年4月28日公開済みのMirkinらへの第2003/0162004号。本出願は、金属製、金属酸化物および無機固体状態構造の記述を含む。
14. 2002年3月27日出願の米国特許仮出願第60/367,514号("Method and Apparatus for Aligning Patterns on a Substrate")およびEbyらへの2003年10月2日公開第2003/0185967号。
15. 2002年5月14日出願の米国特許仮出願第60/379,755号("Nanolithographic Calibration Methods")および2003年2月28日出願のCruchon-Dupeyratらへの米国特許通常出願第10/375,060号。
16. 加えて、2003年8月26日出願のCrockerらへの米国通常出願第10/647,430号(公開済み、第2004/0127025号)("Processes for fabricationg conductive patterns using nanolithography as a patterning tool")は、本発明にしたがってパターン付けすることができる多様な金属インクを記載しており、全体として参照により本明細書に組み入れられる(当業者が本発明を実施することをさらに可能にするため、原文の多くを以下に提供する)。また、2004年2月12日に第2004/0026681号("Protosubstrates")として公開されたCrunchon-Dupeyratらへの米国通常出願は、マクロスケール試験することができるマイクロおよびナノ構造に対して印刷するための多様な態様を記載しており、全体として参照により本明細書に組み入れられる。また、2004年1月15日に公開されたMirkinらへの米国通常出願("Electrostatically Driven Nanolithography")公開番号第2004/0008330号は、導電性ポリマーのパターン付けを記載しており、全体として参照により本明細書に組み入れられる。また、2003年5月21日に出願されたMirkinらへの米国通常出願第10/442,189号("Peptide and Protein Nanoarrays and Direct-Write Nonolithographic Printing of Peptides and Proteins")が、全体として参照により本明細書に組み入れられ、本発明にしたがってパターン付けすることができる多様なペプチドおよびタンパク質を記載している。また、2003年10月21日出願のVan Crockerらへの米国特許出願第10/689,547号("Nanometer Scale Engineering Structures...")が全体として参照により本明細書に組み入れられる。また、2003年11月12日出願のCruchon-Dupeyratらへの米国特許出願第10/705,776号("Methods and Apparatus for Ink Delivery...")が全体として参照により本明細書に組み入れられる。

0023

一般に、ハードウェア、ソフトウェアおよび機器類をはじめとする、現在の技術水準のDPN(商標)印刷および付着関連製品もまたNanoInk社(Chicago,IL)から市販されており、本発明を実施するためにこれらを使用することができる。たとえば、パターン付けにはNSCRIPTOR(商標)機器を使用することができる。DPN印刷は、たとえばGinger, Zhang, and Mirkin, Angew. Chem. Int. Ed., 2004, 43(1), 30-45でさらに記載されている。

0024

DPN印刷処理の平行法は、たとえば2003年11月4日出願の、Liuらへの米国特許出願第6,642,129号に記載されているように実施することができる。

0025

加えて、以下の文献は、直接書き込みナノリソグラフィーとともに使用される湿式ケミカルエッチング法を記載しており、図面、参考文献および実施例を含む全体として参照により本明細書に組み入れられる。Zhang et al, "Dip-Pen Nanolithography-Based Methodology for Preparing Arrays of Nanostructures Functionalized with Oligonucleotides"; Adv. Mat., 2002, 14, No. 20, October 16, pages 1472-1474; Zhang et al., "Biofunctionalized Nanoarrays of Inorganic Structures Prepared by Dip-Pen Nanolithography"; Nanotechnology, 2003, 14, 1113-1117; Zhang et al., "Fabrication of Sub-50 nm Solid-State Nanostructures on the Basis of Dip-Pen Nanolithography"; Nano Lett., 2003, 3, 43-45。加えて、米国特許出願“Fabrication of Solid-State Nanostructures including sub-50 nm Solid-State Nanostructures Based on Nanolithography and Wet Chemical Etching”(2003年12月3日出願の、Mirkinらへの出願第10/725,939号)もまた、本発明で使用することができるエッチングおよび単層レジストを記載しており、全体として参照により本明細書に組み入れられる。

0026

原文Fundamentals of Microfabrication, The Science of Minitaturization, 2nd Ed., Marc J. Madouは、加法および減法を含むマイクロおよびナノテクノロジー、たとえばリソグラフィー(第一章)、乾式エッチング法によるパターン転写(第二章)、加法によるパターン転写(第三章)および湿式バルク微細加工(第四章)を記載している。また、原文Direct-Write Technologies for Rapid PrototypingApplications: Sensors, Electronics, and Integrated Power Sources (Eds. A. Pique and D. B. Chrisey)は、加法および減法を含むマイクロおよびナノテクノロジーを記載している。たとえば、バルク微細加工およびエッチングが617〜619頁に記載されている。サブ100ナノメートル長スケールでのDPN印刷が第十章に記載されている。

0027

さらなる態様
態様2:導電性金属および他のパターンを製造するためのカンチレバーマイクロデポジションおよび硬化
好ましい態様で、たとえば本発明は、導電性金属に対して書き込む方法であって、(1)カンチレバー端を有する、端部にチップを含むこともできるし、チップレスカンチレバーであることもできるカンチレバーを提供する工程、(2)カンチレバー端に配置されたインクを提供する工程、(3)基材表面を提供する工程、および(4)インクがカンチレバー端から基材表面に運ばれるようにカンチレバー端と基材表面とを接触させる工程を含む方法を提供する。付着ののち、好ましくは、たとえば中間出力レーザまたは赤外線ガンの使用による局所熱硬化工程を実施する。

0028

もう一つの好ましい態様では、以下さらに説明するスタンプチップを使用して材料を付着させる。スタンプチップは、たとえば、全体として参照により本明細書に組み入れられる、2004年2月13日出願の“Direct-Write Nanolithography with Stamp Tip:Fabrication and Applications”と題するH. Zhangらへの米国特許仮出願第60/544,260号および2005年2月14日出願の米国通常特許出願第11/056,391号(代理人番号083847-0264)に記載されている。

0029

カンチレバーは当技術分野で公知であり、たとえばMikroMasch USA(Portland, OR)から市販されている。カンチレバーは、所望により、被覆し、官能化することができる。また、チップレスカンチレバーが、たとえばGreenらへの米国特許第5,958,701号;Agarwalへの第6,524,435号;Hendersonらへの第6,573,369号に記載されているように、当技術分野で公知である。

0030

本発明の重要な特徴は、カンチレバーの形状大きさおよび形状を使用して、インクから基材表面に形成される形体の少なくとも一つの寸法を制御することができることである。

0031

インクは特に限定されないが、本発明の主要な態様は、多くの場合に金属塩を使用する金属前駆体インクおよび金属ナノ粒子インクをはじめとする金属系インクである。有用な態様が上記特許出願番号16(導体パターン)でさらに記載されており、以下さらに記載する。

0032

一般に、三つの主要なインク成分は、(1)付着される主材料、たとえば一つまたは複数の金属または金属塩、(2)一つまたは複数の溶媒、および(3)所望により、一つまたは複数の添加物を含む。インクの成分を調節して、カンチレバー、チップ(あるならば)および基材とともに作用させることができる。

0033

インクは、所望により、基材表面への送り出しの前にカンチレバーまたはカンチレバーチップの上で完全または部分的に乾燥させることができる。インクは、送り出しののち、基材表面上で完全または部分的に乾燥させることができる。

0034

インクのナノ粒子は特に限定されないが、本発明の主要な態様は金属系インクである。無機化合物をナノ粒子中に使用することもできる。ナノ粒子は、実質的に均質であることもできるし、不均質であることもできる。所望により、コアシェル構造を有することもできる。所望により、有機表面被覆またはシェルを有することもできる。磁性であることもできる。ドープされているかドープされていないかにかかわらず、半導電性であることができる。ナノ粒子は、電気絶縁性であることもできるし、絶縁シェルを有することもできる。ナノ粒子は、親水性であることもできるし、疎水性であることもできる。ナノ粒子はまた、導体、強磁性材料を含む磁性材料、半導体および光学材料をはじめとする他の技術的に有用な材料の前駆体であることもできる。ナノ粒子は、量子閉じ込め効果を示し、有用な性質、たとえば様々な色のエレクトロルミネセンスおよびフォトルミネセンスを示すことができる。ナノ粒子は、表面に化学吸着または共有結合するように官能化することができる。

0035

溶媒系は特に限定されない。高沸点であるインク溶媒が一般に好ましい。たとえば、約100℃を超える、特に約150℃を超える沸点の溶媒を使用することができる。たとえば芳香族炭化水素高沸点溶媒の1種である。

0036

基材表面に運ばれると、インクは、望みどおり乾燥し始めて形体を形成し、この形体は、好ましくはたとえば1ヶ月後でも安定である。好ましくは、形体を硬化させ、攻撃性溶媒およびエッチング系をはじめとする溶媒を用いる洗浄に対して安定化することができる。形体は、焼鈍、光、レーザ、電流および他の刺激に付すことができる。

0037

多くの場合、たとえば高い導電率を提供する連続的な構造の塊を形成することが望ましい。多くの場合、形体と表面または表面上の他の形体、たとえば電極との間に高品質接点を形成することが望ましい。

0038

形体は、ナノ構造であることもできるし、ミクロ構造であることもできる。積層を実施して高さを増すことができるため、形体の高さは特に限定されない。本明細書に記載する方法を使用してナノスケールおよびミクロンスケールの寸法を調製することができるため、横方向寸法、たとえば長さおよび幅は特に限定されない。たとえば、ドット径またはライン幅は、たとえば、約5nm〜約1ミクロンであることができる。または、ドット径またはライン幅は、たとえば、約1ミクロン〜約100ミクロンまたは約5ミクロン〜約25ミクロンであることができる。

0039

本発明を実施する際に使用するためのさらなる参考文献が明細書の残り部分に記載されている。これらの参考文献のいずれかが従来技術であることを認めない。以下の非限定的な実施例によって本発明をさらに説明する。

0040

実施例
以下の実施例では、この新規な方法によって金および白金トレースを書き込んで、ガラスのような基材に強く接着する低抵抗率トレースを形成した。実施例は(1)実験部および(2)結果および論考に細分されている。

0041

実験
材料
すべての金属塩は、Aldrich(Milwaukee, WI)から市販されている最高純度のものを購入した。標準微細加工法により、窒化ケイ素カンチレバーを、チップ付きおよびチップなしで、様々なビーム幅を有するものとして調製した。カンチレバー幅の効果をさらに試験するため、いくつかのカンチレバーは、集束イオンビーム(FIB)技術を使用して狭窄した。

0042

ナノ粒子調製
ナノ粒子は、M.J. Hostetler et. al., Langmuir 14, 17 (1998)にMurrayと共同研究者によって記載されている方法を使用して調製した。

0043

パターン付け
Thermomicroscopes CR Research機器またはNSCRIPTOR(NanoInk、Chicago,IL)機器の平行移動ステージを使用して、ミクロンサイズのパターンを形成した。zステップモータを使用してカンチレバーをインクで満たした微細加工インクウェルと接触させることにより、カンチレバーを種々の金属前駆体インクで被覆した。次いで、zモータおよびx-y平行移動ステージを使用して、被覆したカンチレバーを基材の上方に配置し、カンチレバーを表面と接触させた。カンチレバーは、カンチレバーの端部だけが表面と接触するよう、わずかな角度(数度)で接触させた。光学顕微鏡検査法によって監視される可撓性カンチレバーのわずかな曲げが、接触が起こったことを示した。ミクロスケールの形体をパターン付けする場合には、機器の力フィードバックおよび圧電走査位置決め機構を使用する必要がなかったことを記しておく。しかし、ナノスケールパターンの場合、これら繊細位置決め機構が、サブミクロンおよび場合によってはサブ100nmスケールで、形体のサイズおよび位置合わせの制御を提供した。

0044

結果および論考
インク付着
数百ミクロン、さらにはサブミクロンしかない寸法のラインおよびドットパターンを可能にする、表面にインクで直接書き込む新規な方法が開発された。このインク送り出し法は以下の一般的な工程を含むものであった。

0045

インク装填
可撓性カンチレバーにインクを装填した。用途に依存して、カンチレバーは、端部に先鋭なチップを有することもできるし、チップレスであることもでき、様々な端部形状および数ミクロンから数百ミクロンまでの幅を有することができる。インク装填は、カンチレバーをインクの滴または貯留部と接触させたのち取り出すことにより、受動的に実施することができる。インクがカンチレバーの下面を濡らし、凝集力によって接着する。インクの受動的な装填および送り出しは実施例で実証した。C. Bergaudらによって記載されている、液体インクを能動的に吸い上げ、エレクトロウェッティングおよび誘電泳動によって付着を制御する方法を使用することもできる。

0046

手法
カンチレバーを、パターン付けする表面と接触させることができる。大部分の場合、レーザ力フィードバック機構は不要であり、圧電走査/位置決め機構も不要である。機械的「Z」ステップモータを使用してカンチレバーを表面と接触させることができ、光学顕微鏡検査法を使用して、表面と接触したときのカンチレバーの撓みを検出することができる。

0047

形体制御
ラインパターンは、カンチレバーを表面に沿って引くことによって形成することができる。NSCRIPTORおよびThermomicroscopes CP Researchプラットフォームの場合、「X」および「Y」ステップモータまたは微調節手動位置決スクリューを使用して、レバーを表面に沿って所望のパターンの形に平行移動させることができる。市販の高解像度圧電ステージ(NPoint, Madison, WI)をいずれかの機器にレトロフィットしてもよい。NSCRIPTORプラットフォームの場合、カスタムパターン設計ソフトウェアを使用してカンチレバーの動きを指図することができる。重要なことには、カンチレバーを表面に沿ってカンチレバーの長手軸の方向に平行移動させるならば、ライン幅は、図1に示すように、カンチレバーの端部の幅と直接関連することができる。したがって、カンチレバーの形状大きさによってラインの形状、たとえばライン幅を制御することができる。標準微細加工技術を使用すると、約1ミクロン〜約100ミクロンの幅のカンチレバーを製造することができる。したがって、この方法では、1ミクロン未満から100ミクロンをゆうに超えるまでの幅を有するラインパターンを形成することができる。種々のカンチレバー構造を使用してパターン付けすることができる大きな範囲のライン幅が図1〜7に示されている。たとえば、図1は、幅60および45ミクロンのラインの光学画像を示す。図6は、幅5および4ミクロンのラインの光学およびAFM高さ画像を示し、図7は、幅3および2ミクロンのラインを示す。もっとも狭いライン幅でさえ、ラインは、4マイクロオーム.cmの低い抵抗率を生じさせるのに十分な連続性を有する。

0048

最良の形体制御は、直線的なビーム形カンチレバーを用いて達成され、「V字形」または「A字形」カンチレバーは、制御された幅のラインを形成しなかった。また、広く多様なカンチレバーばね定数(すなわち、0.004N/m〜0.19N/mの剛性)および長さ(150〜300ミクロン)によってライン形状の制御を達成することができる。また、固定幅のカンチレバーに最適な長さは材料のばね定数に依存する。実際には、幅15ミクロン、長さ150ミクロン、ばね定数0.032N/mのカンチレバーによって非常に良好なライン制御が達成されたが、幅15ミクロン、長さ300ミクロン、ばね定数0.004N/mのカンチレバーでは並み程度のライン制御しか達成されなかった。集束イオンビームのような先進リソグラフィー法を使用すると、カンチレバーの寸法をミリングによってさらに減らすことができる。表面を固定カンチレバーの下で平行移動させると、工程が同等に作用するということが理解されよう。現在の機器では、毎秒20ミクロンの速度での1回のカンチレバーパスで100ミクロンの幅および1ミクロン未満の幅の線を製造することができるが、毎秒10ミクロンの書き込み速度により、より高い導電率のトレースが得られる。

0049

形体高さ制御
いくつかのパターン付け変数を制御することにより、ライントレースの高さを変えることができる。一般に、1回のパスによって形成されるラインパターンの太さは、硬化後で1nm未満〜数百ナノメートルであることができる(以下のセクションを参照)。ライン形状に対する最適な制御を保証するためには、カンチレバーを、表面に対して平行ではなく、数度よりも大きな角度で表面と接触させる。カンチレバーと表面との間の距離、カンチレバーの力または曲げおよびチップの平行移動速度を制御することにより、トレースの高さを変えることができる。

0050

カンチレバーを高い力で表面に押し当てると、パターン付けされるトレースの高さが減少する。金属インクの場合でパス1回あたりの最大の高さを達成するためには、カンチレバーと表面との間の距離を、接触を失わない範囲で最大限にすることができる。したがって、高めの粘度および高い金属濃度のインクを使用すると、この方法でより高いパターンが可能になる。予備的な実験では、カンチレバーの撓みを監視しながらカンチレバーと表面との間の距離を変えることにより、力を大まかに制御した。表面に接近し、表面をパターン付けする際のカンチレバーと基材との間の力を感知するための圧電材料をカンチレバー内に埋め込むことにより、高さ/力制御をさらに改善することができる。パターンの高さを増すもう一つの方法がパターン付けの際のカンチレバーの平行移動速度を下げることであるという定性観測暗示されている。低速のチップ平行移動では、1回のパスで高さ100nmの形体(硬化後)を形成することができる。ドットパターンを形成するためには、カンチレバーを表面と接触させ、一定時間(普通は数秒)接触状態を維持したのち、取り去る。

0051

分割カンチレバーおよび多数のカンチレバー
カンチレバーの形状大きさを変更することにより、最大インク装填量、ひいては最大ライン長を増すことができる。長さ50ミクロン〜200ミクロンである単一カンチレバーを用いると、図8に示すように二つの異なるチップ形状大きさに関して1回の装填ステップで長さ数百ミクロンのラインを再現可能に得ることができる。非常に小さなギャップ(ミクロン)を間に有する隣接するカンチレバーを用いて書き込むことにより、インクの総供給量(すなわち、1回の浸漬から得られる量)を大幅に改善することができる。インク供給量の増大は、より高いパターンまたはより長いラインパターンを生じさせることができる。カンチレバーの間のスリットまたはギャップは、毛管作用によってインクを保持するための貯留部として作用する。カンチレバーどうしが密な間隔(数ミクロン〜10ミクロン)で設けられている場合、この方法を使用してトレースのライン幅を増すこともできる。または、多数のカンチレバーがより大きく離れて配置されている場合、それらを使用して同じまたは異なるインクのドットまたはラインパターンを平行に形成することができる。図9は、多数の隣接するカンチレバーを用いて形成されたパターン付けラインの光学画像である。得られる最大ライン長(ひいてはインク装填量)が「ペン」の中のカンチレバー(1、4、2個の隣接するカンチレバー)の数の増大とともに増すようすに注目すること。また、ライン幅の増大がペンの中のカンチレバーの数とともに増大することに注目すること。

0052

層化
多数の層を適用することによってラインおよびドットパターンの高さを増すことができる。通常、金属インクの場合、まず各層を加熱によって硬化させたのち、同じ金属前駆体インクの第二の層を塗布する。ナノスケールの2層パラジウムパターンが図10のAFM画像およびライン走査に示されている。第一の層の2nmから第二の層の10nmまでの高さの増大に注目すること。この実験で使用したインクは、80%エチレングリコール:20%水に溶解した酢酸パラジウム飽和溶液であった。他の用途の場合、異種材料、たとえば金属、酸化物および半導体の層化形体を構築する必要があるかもしれない。これらの実験の場合、基材をパターン付け機器から取り出して各層を硬化させたが、改良された機器は、表面に付着したままでインクを焼鈍または焼結することができるエネルギー源を含むこともできる。エネルギー源は、熱硬化のための加熱サンプルステージであってもよいし、レーザまたは他の光源であってもよいし、電流を基材に印加して最終的な金属または金属酸化物形態へのインクの転換を誘発する方法であってもよい。

0053

インク
導電性形体をパターン付けする一般的な方法は、適切な前駆体インクおよび分散剤を選択する工程、たとえば前記セクションで記載した方法を使用してインクを表面に塗布する工程、および最後にたとえば熱などのエネルギーを加えることによってパターンを処理して前駆体材料を最終的な所望の材料に転換する工程を含む。このセクションでは、このパターン付け方法と適合性である二つの異なるナノ粒子インク方法を記載する。具体的な用途に関しては、異なるインクの改変または組み合わせを使用することが有用であるかもしれない。

0054

1.単層保護ナノ粒子インク
無機材料は、その高い融点のせいで、基材に直接書き込むには一般に望ましくない。しかし、多くの材料のナノ粒子(直径100nm未満)は、バルク材と比べて極端融点低下(1000℃にもなる)を示す。したがって、ナノ粒子は、低温連続膜に転換することができる金属および金属酸化物の直接書き込み付着のためのインクを得るルートを提供する。この原理は、他者により、たとえばインクジェット技術と組み合わせて応用されている。Jacobsonら(米国特許第6,294,401号)は、ナノ粒子インク、たとえばCdTeおよびCdSeから出発して、II〜VI半導体パターンを形成した(またRidley et al. Science 1999 286 746-749参照)。直接書き込みインクに最良のナノ粒子は、担体溶媒またはマトリックス中に容易に分散し、周囲条件で良好な安定性を有し、調製が廉価であり、低温できれいに連続膜に転換することができる。

0055

インク調製
Hostetler、Murrayらによって記載されている方法にしたがって種々のアルカンチオールキャップした金ナノ粒子を調製した。この方法は、他の金属ナノ粒子、たとえば白金、パラジウムおよび銀を調製するためにも使用されている。加えて、この用途に等しく有用であろう他の金属の安定化ナノ粒子を調製する類似の方法が数多くある。そのような方法は、粒子凝集するのを防ぐため、種々の界面活性剤、脂質およびポリマーを使用する。しかし、この合成法は比較的簡単であり、低温で金属膜に分解することができる安定な粒子を生じさせるため、Hostetler、Murray法を選択した。Subramanianと共同研究者らは、ナノ粒子が連続膜に転換される温度が安定化界面活性剤中の炭素の数およびナノ粒子の直径と強く関連し、短い鎖および大きな粒子ほど低温で分解するということを報告した(Huang, J. Electrochem. Soc. 2003, 150, G412)。

0056

疎水性粒子の場合にはヘキサンチオールを選択し、親水性粒子の場合にはチオクト酸及びメルカプトコハク酸を選択した。Murrayと共同研究者らによって記載された手法にしたがって粒子を合成したのち、その粒子を高沸点溶媒、たとえばメシチレンキシレンおよびジメチルホルムアミド中に分散することによってインクを調製して、インクの蒸発を減らした。

0057

ナノ粒子インク付着および金属への転換
対象の基材と適合性であるインクを達成するためには、一般に、インクが表面を濡らすことを可能にするチオールキャップ性界面活性剤および溶媒を選択することが有用である。たとえば、ナノ粒子が、ヘキサンチオールを界面活性剤として使用して調製されるならば、そのナノ粒子は疎水性になり、非極性溶媒、たとえばトルエン、メシチレンおよびキシレン中に良好に分散する。これらのインクは、疎水性または非清浄面をパターン付けするのに非常に有用であった。他方、チオクト酸またはメルカプトコハク酸を用いて調製されたナノ粒子は、比較的極性の溶媒、たとえばアルコール中に分散し、そのため、清浄なガラス、石英酸化ケイ素、ケイ素および窒化ケイ素のような親水面をパターン付けするために使用した。インクが表面と非適合性である場合、インクは、連続したラインを形成せず、表面からディウェッティングして滴を形成する。メシチレンのような一部の非極性溶媒は、親水性および疎水性両方のガラス面に有用であった。インクを適当な基材に付着させたのち、ホットエアガンで表面を250℃で数秒間加熱することにより、ナノ粒子パターンを連続金属膜に転換した。原則として、温度が絶縁有機シェルを除去するのに十分である限り、ナノ粒子は、レーザまたは加熱ステージをはじめとする多数の異なるエネルギー源を使用してバルク金属に転換することができる。図1〜7で、光学画像は、2個の金電極間に書かれた金トレースを硬化の前後で示し、AFMライン走査は、一つのインク層で約12nm〜90nmの平均高さを得ることができることを示す。

0058

驚くことに、長鎖炭素化合物、たとえばC-5〜C-50、好ましくはC-10〜C-18の添加が結果を改善した。好ましくは、長鎖炭素は200℃以上の沸点を有する。図1および2に示す例のインク組成物と同様に、本発明者らは、高沸点の長鎖炭素化合物(好ましくは10〜18炭素)をインク調合物に添加した。たとえば、沸点がそれぞれ215℃および270℃のドデカンまたはペンタデカンを使用することができる。図3〜7に示す例で、本発明者らは、ペンタデカン1〜2マイクロリットルを(ナノ粒子、メシチレンおよびチオクト酸)で構成されたナノ粒子溶液4マイクロリットルにアテンドした。これらの長鎖炭素は、ナノ粒子上の炭素鎖と相互作用し、互いに噛み合って三次元構造を形成して、図1および2の光学画像との比較において図3〜7の光学画像に示すような連続的で均質な膜を形成する。図2DのAFM画像を図3C、4A&B、5C、6B&E、7B&Eと比較することにより、図3〜7では亀裂または穴がほとんど見られず、穴および亀裂が存在する図2Dと比較して、硬化後に比較的平滑な面が形成する。長鎖炭素の添加は、表面上またはインクウェル中での蒸発速度を、メシチレンの場合での数分からペンタデカンの場合での2、3時間まで減らし、それが、図3〜5の光学画像に示す均質なラインの形成に役立った。

0059

金トレースの性質
驚くことに、ナノ粒子前駆体から調製された金膜は、清浄なガラス面に非常に良好に付着したが(図40を参照)、キャップ基の性質が接着において重要な役割を演じることができる。たとえば、酸終端化チオールキャップ基、たとえばチオクト酸で調製されたナノ粒子はガラス上に膜を形成し、この膜は、テープストリップをパターン上に配置し、こすったのち剥がすスコッチテープ試験に耐えるものであった。しかし、これらのガラス上の親水膜水洗によって剥がれた。他方、疎水性金ナノ粒子から製造された硬化膜(すなわち、メチル終端化アルカンチオール、たとえばヘキサンチオールでキャップされたもの)は、スコッチテープ試験によって剥がれたが、水洗処理には耐えた。最良の全体的接着および導電率は、親水性の薬剤および疎水性の薬剤を金ナノ粒子と合わせることによって得られた。具体的には、有機可溶性インクは、ヘキサンチオールを用いて調製されたナノ粒子をメシチレンに溶解したのちチオクト酸100mg/mlを加えることによって製造された。この混成インクの単層パターンは、スコッチテープ接着試験の後でも無傷のままであり、水洗にも耐えた。事実、インクは、優れた書き込み性を有し、書き込み中にガラス面を十分に濡らし、250℃できれいに硬化した。スコッチテープおよび洗浄試験に対する優れた耐性証拠が図1および2に示されている。得られた金薄膜メタリックイエローであり、AFMによる測定で厚さ約50〜100nmであり、2プローブ構造による測定で優れた導電率を示す。たとえば、長さが約250ミクロン、幅が約15ミクロンである、図2に示すようなトレースは約18オーム測定抵抗値を有する。したがって、この特定のトレースに関しては8マイクローム.cmの抵抗率が計算され、パターン付きトレースに関して4マイクロオーム.cmの低さの抵抗率が測定された。参考までに、金のバルク抵抗率は2.44マイクロオーム.cmである。酸終端化チオールと疎水性メチル終端化チオールとの比を有するナノ粒子からインクを調製することによって同様な結果を得ることができる。異種のチオールキャップ分子を様々な比で有する粒子は、その場で調製することもできるし、Hostetlerと共同研究者らによって記載されている場所交換反応(M. J. Hostetler, S. J. Green, J. J. Stokes, and R. W. Murray, J. Am. Chem. Soc. 1996, 118, 4212-4213)を使用して自在に調製することもできる。この実施例では金粒子インクを実証したが、パターン付け法は一般に、キャップ配位子を用いて調製することができるいかなるナノ粒子材料にも適用可能である。Cu、Pd、Ag、Ru、Mo、CdSe、Ni、Coおよびその他をはじめとする材料から、ナノメートル未満から100ナノメートルまでの範囲の粒度の粒子を製造する手法の様々な報告が文献にある。

0060

ナノ粒子インクを用いたナノスケールパターン
ナノ粒子ベースのインク調合物は、サブミクロンサイズのパターンを生じさせるためのディップペンナノリソグラフィー印刷法を使用してパターン付けすることができる。一つの実験では、窒化ケイ素カンチレバー/チップアセンブリを使用して、ヘキサンチオールキャップした金ナノ粒子(メシチレン中の飽和溶液)を石英上でパターン付けした。具体的には、チップをケイ素インクウェル中のナノ粒子インクの滴と数秒間接触させることによってチップをナノ粒子インクで被覆した。そして、被覆したチップを使用して石英表面にラインおよびドット形体を形成した。たとえば、ドットパターンは、図11に示すようにチップを表面と10秒間接触させて保持することによって形成した。加える力を0.2nNから4nNまで変えることにより、ドットの直径および高さを幅50nmから85nmまで、高さ2.5nmから7.5nmまで変化させた。チップを表面上で一定の速度(約0.15ミクロン/秒)で平行移動させることによってラインを形成した。図12に示すように、加える力を変化させることにより、ラインの高さおよび幅を変化させた。ナノスケール粒子パターンは、ヒートガンから熱を加えること(250℃、5秒)によって硬化させ、再びイメージング立証した。図13。

0061

2.ポリオールインク
ナノ粒子を調製するもう一つの方法は、アルコールまたはポリオールの存在で熱によって金属塩を化学的還元する方法である。この方法は、分散ナノ粒子を製造する手段としてFiglarzらによって報告されたものである(米国特許第4,539,041号)。方法は、連続膜を形成するための同様な方法を報告したChowらによって改善された。このポリオール法を、ナノスケールおよびマイクロスケールの導体パターンのためのインクとして使用するためのナノ粒子を形成するために創造的かつ好都合に適合させることができる。

0062

インク調製
金属前駆体インクの一般的配合は、マトリックスおよび金属塩を含有するアルコールを含む。パターン付けののち、塩をその場でナノ粒子に転換すると、ナノ粒子は、熱の増大によって金属膜に凝集する。予備的実験では、この方法が、金属、たとえばAu、Pt、PdおよびAgに関して実証されたが、多くの他の金属および合金(米国特許第 5,759,230号および第4,539,041号に概説)が同じくこの方法に適合可能である。

0063

ポリオールインクによるナノメートルスケールパターン
実施例1
20%ミリポア水および80%エチレングリコールに溶解したヘキサクロロ白金(IV)酸水素(水和物)10mg/100μLからなる前駆体インクを使用して白金のナノスケール形体を書き込んだ。DPN印刷技術を使用して、このインクを清浄なガラスまたは酸化ケイ素基材に書き込むことができる。ミクロンサイズのパターンの場合、チップレスカンチレバーがパターンのサイズおよび厚さの最適な制御を提供し、ナノスケールパターンの場合、可撓性カンチレバーの端部に超先鋭なチップ(たとえば窒化ケイ素)を有するカンチレバーが最適な解像度を提供する。付着後ホットプレートまたはホットエアガンで加熱することにより、前駆体パターン金属形体に転換する。この硬化または転換反応は250℃付近の温度で急速に(数秒で)起こる。パターンの厚さは、硬化工程と硬化工程との間にインクの層を追加することによって増すことができる。図10は、このインクを使用して酸化ケイ素上に形成された層化ナノスケールパターンを示す。同様な方法を使用して、酸化ケイ素上で金電極間にミクロンサイズの白金トレースを引いた。図14は、インクで被覆したカンチレバーをその短軸に対して平行な方向に平行移動させることによって白金塩化物インクで引いた長さ110ミクロンのラインを示す。硬化後、単層のインクは高い抵抗値を示したが、後続の層を加えてパターンの高さ、ひいては導電率を増すこともできた。

0064

実施例2
もう一つの例では、白金インクを使用して、ミクロンサイズの金電極の間にドット形体を形成した。ドットは、図15の光学画像に示すように、被覆されたチップ/カンチレバーアセンブリを表面と短時間(数秒間)接触させたのち、チップを引っ込めて滴を残すことによって形成される。滴のサイズは、表面に対するインクの湿潤性、チップの装填および場合によってはチップ-基材保持時間に依存する。

0065

実施例3
金属塩前駆体インクの粘度および湿潤性を変化させるために、いくつかの異なるポリマーを添加物として使用した。たとえば、エチレングリコールに代えてポリエチレングリコールを還元剤として用いることにより、インクの性質が改善した。二つの異なる分子量のポリエチレングリコールの混合物を使用することにより、特に有用な白金インクが得られる。このインクを調製するためには、ヘキサクロロ白金(IV)酸水素(水和物)100mgを、分子量300および10,000のポリエチレングリコールそれぞれ30mgを含有する水溶液15マイクロリットルに溶解した。インクはガラス面を十分に湿潤させ、熱による硬化ののち、導電性白金膜を形成する。たとえば、図16は、クロム電極間に引かれた単層白金トレースの例を示す。硬化後、長さ50ミクロンのトレースの抵抗値は80オームであり、トレースは、洗浄およびスコッチテープ剥離試験の際、表面に十分に接着した。

0066

実施例4
金は、白金よりもバルク抵抗率がずっと低い。したがって、薄膜トランジスタにおける金属トレースの修復のような用途の場合に金属トレースの導電率を改善するために、金塩テトラクロロ金(III)水素三水和物)に基づく同様な金属インク前駆体を試験した。典型的な配合は、80%エチレングリコール/20%水中にAu塩100mgを含む。金前駆体インクは、書き込み中に酸化ケイ素およびガラス面を十分に湿潤させ、ホットプレート上200℃で5〜10秒間硬化させた。得られた膜は光学顕微鏡写真では黒く写り、AFM画像によると、小さな分離した粒子からなるものであった。単層トレースは普通、非導電性であり、清浄な酸化ケイ素基材には不十分にしか接着しなかった。後続の層(最大で5層)が個々の粒子の高さおよび直径を数百ナノメートルまで増大させたが、高い抵抗値(長さ100ミクロンの電極ギャップをはさんで数百オーム)では粒子間分離が生じる。図17のAFM走査は、酸化ケイ素上で金電極間に付着した3層の金塩化物インクの後に形成した大きな金粒子を示す。

0067

実施例5
酸化ケイ素上に導電トレースを形成するのに有用なインクは、金および白金前駆体インクの性質を合わせたものであろう。したがって、金の高い導電性ならびに白金の優れた付着および膜接着性を得るために、金および白金に基づく合金形成性インクを開発した。たとえば、パターン付け法とで非常に適合性であった一つの調合物は、300および10,000MWポリエチレングリコールそれぞれ60mgを含有する水30マイクロリットルに同時に溶解した白金塩100mgおよび金塩50mgからなるものであった。図17Aに示す、酸化ケイ素上で30ミクロンのギャップをまたいで引いた2層パターンは、硬化後、90オームの抵抗値を示した。PDMS(ポリジメチルシロキサン)被覆されたAFMチップを用いてクロム電極間に書き込んだ同じ合金インクの6層は、硬化後、32オームの抵抗値を示し、80nmの高さに達した(図17B)。図17Cは、原子間力顕微鏡検査法によって測定された6層パターンにおける均一なAu-Pt粒子を示す。金属トレースの導電率をさらに高めるため、基材を銀増強溶液中に1時間浸漬した。光学画像およびAFM画像は、銀増強溶液が、すでに金を含有する区域だけで銀被覆を形成するということを示した。この実験は、パターンが金金属を完全還元状態で含有するというさらなる証拠を提供する。電流電圧測定は、銀が付着されたのち抵抗値が24Ωに低下したことを示す。

0068

実施例6
ガラス面(および他多くの表面)へのポリオールインクの接着を改善する一つの方法は、少量のエポキシをインク調合物に加えることである。一つのそのようなインクの場合、四塩化金水素85mgをジメチルホルムアミド50マイクロリットルに溶解した。この塩溶液3マイクロリットルに対し、エチレングリコール1マイクロリットルおよびエポキシ混合物1マイクロリットルを加えた。Epotekから購入したエポキシ(377 Epotek)2部を金属塩の非存在で120℃で1時間硬化させ、Aldrichから購入したエポキシ(ビスフェノールF)を150℃で1分間硬化させたが、硬化時間は金塩の存在で増大した。得られたインク混合物は、標準付着工程では表面まで容易に移行したが、ガラス面を非常に良好には濡らさなかった。パターン付けののち、熱を使用して金属塩をナノ粒子に転換し、エポキシを架橋させた。得られた膜はきわめて良好にガラス面に接着し、すべての標準洗浄処理(水洗およびスコッチテープ剥離)および機械的磨耗に耐えた。インクの金属含量が十分に高い限り、金電極間に形成された金属トレースは十分に低い抵抗値を有した。図18は、エポキシ増強インクを使用して150℃で2時間硬化させて調製した、ガラス上の大きな金形体の光学顕微写真を示す。膜の抵抗値は0.3オームであった。

0069

実施例7
前記実施例すべてにおいては、インクの供給源および主送り出しツールとしてカンチレバーを使用してミクロンスケールのパターンを付着した。しかし、これらの金属前駆体インクを使用してサブミクロンサイズの形体を形成するためには、インク送り出しのための供給源およびツールとしてカンチレバーの端部に先鋭なチップを使用することが有用である。ミクロンおよびサブミクロンスケールパターン付けに特に良好に作用する一つの金属インクは、上記の金インクを改変したものである。インクを調製するには、塩化金(85.5mg)をジメチルホルムアミド50μLに溶解する。この溶液に対し、エチレングリコール1μLおよびチオクト酸0.1mgを加える。このインクは窒化ケイ素チップを用いて付着させることができるが、PDMS(ポリジメチルシロキサン)被覆されたチップを書き込みに使用するならば、パターン付けの信頼性が改善する。このインクを石英基材に書き込むと、図19のAFM画像で実証するように、高さ15nmの形体が得られる。前駆体インクパターンは、オーブン中120℃で5分間、次いで250℃で10秒間硬化させる。重要なことに、パターンは、優れた安定性を示し、水洗およびそれぞれ120℃で10分間の2回のピラニア溶液洗浄(3:1、H2SO4/H2O2)に耐える。

0070

以下の参考文献すべてが全体として参照により本明細書に組み入れられる。
インクおよび付着技術に関連するさらなる参考文献

0071

参考文献16からのさらなる記載(「導体パターン」)
当業者が本発明を実施することをさらに可能にするため、全体として参照により本明細書に組み入れられる上記参考文献16を以下に提供する(特許出願“Processes forFabricating Conductive Patterns Using Nanolithography as a Patterning Tool”)。

0072

さらなる背景情報として、バイオテクノロジー診断、マイクロエレクトロニクスおよびナノテクノロジーにおける多くの重要な用途が必須構成要件の一つとして金属のナノ構造を要する。たとえば、より小さく、より高速コンピュータチップおよび回路板を提供するためにはより良好なマイクロエレクトロニクスが必要であり、金属が、回路を完成させるのに必要な導電性を提供することができる。金属はまた、触媒として使用することもできる。しかし、金属の加工は困難であり、ナノスケールでの作業は事態をより困難にするおそれがある。多くの方法はミクロンレベルの製造に限定されている。多くの方法は、電気化学的バイアスまたは非常に高い温度の必要性によって制限される。そのうえ、多くの方法は、付着工程の物理的要件、たとえばインク粘度によって制限される。とりわけ、位置合わせ、膜およびワイヤを層化する能力、高い解像度ならびに融通性を提供する、金属ナノ構造を製造するためのより良い方法が必要である。

0073

概要として、本発明は、発明の範囲を限定することなく本明細書で概要を記す一連の態様を含む。たとえば、本発明は、導電被覆を所望のパターンで基材に付着させる方法であって、(a)ナノリソグラフィーにより、前駆体で被覆されたチップを使用して前駆体を所望のパターンで基材に付着させる工程、(b)前駆体を配位子と接触させる工程、(c)電子を配位子から前駆体に移動させるのに十分なエネルギーを場合によっては分散照射光源から加え、それにより、前駆体を分解して導電性析出物を所望のパターンで形成し、そのようにして導体パターンを直接基材上に形成する工程を含む方法を提供する。

0074

本発明はまた、導電性金属を所望のパターンで基材上に印刷する方法であって、(a)ナノリソグラフィーにより、前駆体で被覆されたチップを使用して、金属前駆体および配位子を所望のパターンにしたがって直接基材上に引く工程、および(b)場合によっては分散照射光源からエネルギーを加えることによって前駆体を分解して、基材から実質的な量の前駆体を除去することなく、また、基材から実質的な量の金属を除去することなく、導電性金属を所望のパターンで形成する工程を含む方法を提供する。

0075

本発明はまた、金属前駆体をチップから基材に付着させてナノ構造を形成し、次いで前駆体ナノ構造を金属付着物に転換する工程を含む、ナノリソグラフィー法を提供する。付着は、チップと基材との間に電気バイアスを使用せずに実施することができる。

0076

本発明はまた、金属前駆体をナノスコピックチップから基材に付着させてナノ構造を形成し、次いで、ナノ構造の金属前駆体を金属形態に転換する工程から本質的になるナノリソグラフィー法を提供する。本発明の基本的かつ新規な局面は本明細書の至る所で記されているが、これらの局面は、スタンプおよびレジストが要らず、電気化学的バイアスが要らず、一般的な研究室および製造施設では容易に利用できない高価な装備が要らず、基材とインクとの反応が要らないということを含む。したがって、組成物およびインクは、これらの制限なしで調合およびパターン付けすることができる。

0077

本発明はまた、インクと基材との間に電気化学的バイアスまたは反応を使用せずに印刷する方法であって、金属前駆体インク組成物をチップからミクロ構造またはナノ構造の形態で基材に付着させて、互いに約1ミクロン以下、約500nm以下または約100nm以下離れたばらばらの物体を有するアレイを形成する工程を含む方法を提供する。

0078

本発明はまた、本発明の方法によって調製される、基材およびその上にあるばらばらのナノスコピックおよび/またはマイクロスコピック金属付着物を含むパターン付きアレイを提供する。金属付着物は、たとえば、長方形正方形、ドットまたはラインであることができる。

0079

本発明はまた、たとえばセンサ、バイオセンサおよびリソグラフィーテンプレートを調製することならびに本明細書に記載する他の用途を含む、これらの方法を使用する方法を提供する。

0080

参考文献16の図1は、本発明の実施例1におけるパラジウム構造のAFMデータを示す。

0081

参考文献16の図2は、本発明の実施例3におけるパラジウム構造のAFMデータを示す。

0082

参考文献16の図3は、本発明の実施例4におけるパラジウム構造のAFMデータを示す。

0083

参考文献16の図4は、本発明の実施例5におけるパラジウム構造のAFMデータを示す。

0084

参考文献16の図5は、本発明の実施例5におけるパラジウム構造のAFMデータを示す。

0085

参考文献16における詳細な説明(「導体パターン」)
参考文献16は、全体として参照により本明細書に組み入れられる、2002年8月26日出願のCrockerらへの仮出願第60/405,741号および2002年10月21日出願のCrockerらへの仮出願第60/419,781号に対する恩典を主張する。

0086

上記のように、DPN(商標)及びDIPPEN NANOLITHOGRAPHY(商標)は、NanoInk, Inc.の商標であり、本明細書においてしかるべく使用される(例えば、DPN印刷またはDIP PEN NANOLITHOGRAPHY印刷)。DPN法および装備は、本発明にしたがってナノリソグラフィーを実施するために使用することができるNScriptor(商標)を含め、NanoInk, Inc.(Chicago,IL)から一般に市販されている。

0087

本明細書は、当業者が本発明を実施するための、技術文献の参照を含むガイダンスを提供するが、この参照は、その技術文献が従来技術であることを認めることにはならない。

0088

直接書き込み技術は、たとえばDirect-Write Technologies for Rapid PrototypingApplications: Sensors, Electronics, and Integrated Power Sources, Ed. by A. Pique and D. B. Chrisey, Academic Press, 2002に記載されている方法によって実施することができる。たとえばMirkin, DemersおよびHongによる第十章は、サブ100ナノメートル長さスケールにおけるナノリソグラフィー印刷を記載しており、参照により本明細書に組み入れられる(303〜312頁)。311〜312頁は、本発明の実施において当業者を導くことができる、ナノスコピックチップから基材に運ばれるパターン付け化合物を使用する走査プローブリソグラフィーおよび直接書き込み法に関するさらなる参照文献を提供している。この原文はまた、導体パターンを記載している。

0089

ナノリソグラフィーおよびナノ加工はまた、Marc J. MadouのFundamentals of Microfabrication, The Science of Miniaturization, 2nd Ed.に、344〜357頁の金属付着を含め、記載されている。

0090

本出願には、ディップペンナノリソグラフィー(DPN)印刷をパターン付けツールとして使用して導体パターンを製造するための多数の実施態様が開示されている。本開示におけるすべての態様に関し、DPN印刷法を開示する以下の文献が、参照により本明細書に組み入れられ、本開示の一部を構成する:
(1)Pinerら、Science、1999年1月29日、第283巻、661-663頁
(2)1999年1月7日出願のMirkinらへの米国特許仮出願第60/115,133号
(3)1999年10月4日出願のMirkinらへの米国特許仮出願第60/207,713号
(4)2000年1月5日出願のMirkinらへの米国特許通常出願第09/477,997号
(5)2000年5月26日出願のMirkinらへの米国特許仮出願第60/207,713号
(6)2000年5月26日出願のMirkinらへの米国特許仮出願第60/207,711号
(7)2001年5月24日出願のMirkinらへの米国特許通常出願第09/866,533号
(8)2002年5月30日公開のMirkinらへの米国特許公開番号第2002/0063212 A1号。

0091

本発明は、印刷するために1個のみのチップの使用に限定されず、多数のチップを使用することができる。たとえば、2003年1月30日公開の、Liuらへの米国特許公開公報第2003/0022470号(“Parallel, Individually Addressable Probes for Nanolithography”)を参照すること。

0092

特に、2001年5月24日出願の先願第09/866,533号(上記参考文献7および8、2002年5月30日公開第2002/0063212 A1号)では、直接書き込みナノリソグラフィー印刷の背景および手順が詳細に記載されて、たとえば、背景(1〜3頁)、概要(3〜4頁)、図面の簡単な説明(4〜10頁)、走査プローブ顕微鏡チップの使用(10〜12頁)、基材(12〜13頁)、パターン付け化合物(13〜17頁)、たとえばチップの被覆をはじめとする実施法(18〜20頁)、ナノプロッタを含む機器類(20〜24頁)、多層ならびに関連の印刷およびリソグラフィー法の使用(24〜26頁)、解像度(26〜27頁)、アレイおよびコンビナトリアルアレイ(27〜30頁)、ソフトウェアおよび較正(30〜35頁、68〜70頁)、疎水性化合物で被覆されたチップを含む、キットおよび他の物品(35〜37頁)、実施例(38〜67頁)、対応する請求項および要約(71〜82頁)ならびに図面1〜28を含む広く多様な態様を包含している。この開示は、ここで繰り返す必要はないが、全体として参照により本明細書に組み入れられる。

0093

また、2002年9月5日公開のMirkinらへの米国特許公開第2002 0122873 A1号は、ここで繰り返す必要はないが、全体として参照により本明細書に組み入れられる。この公開出願は、たとえば、外部開口および内部キャビティを有するチップの使用ならびにインク(または付着化合物)を基材に運ぶための電気的、機械的および化学的駆動力の使用を含む。一つの方法は、アパーチャを通過する付着化合物の移動の速度および範囲が駆動力によって制御されるアパーチャペンナノグラフィーを含む。この公開出願はまた、被覆されたチップ、パターン、基材、インク、パターン付け化合物、付着化合物、マルチチップナノリソグラフィー、多数の付着化合物およびアレイを記載している。

0094

ナノリソグラフィーはまた、以下の参考文献に記載されている。
(a)B. W. Maynor et al., Langmuir, 17, 2575-2578("Au'Ink'forAFM'Dip-Pen' Nanolithography")は、金属イオンの表面誘発還元による金ナノ構造の形成を記載している。しかし、この方法は、その処理を制限し、本発明では不要である、適切な金前駆体および金と反応する基材表面の入念な選択を含む。
(b)Y. Li et al., J. Am. Chem. Soc., 2001, 123, 2105-2106("Electrochemical AFM 'Dip-Pen'Nanolithography")は、白金金属の付着を記載している。しかし、この方法は、その処理を制限し、本発明では不要である、チップと基材との間の外部電気化学的バイアスの使用を含む。

0095

DPN印刷法では、インクが基材に転写される。基材は、平坦なもの、粗いもの、カーブしたものまたは表面形体を有するものであることができる。基材は、事前にパターン付けすることもできる。基材へのインクの固定化は、化学吸着および/または共有結合によって実施することができる。転写されるインクは、望むならば、製造設計の一部として直接使用することもできるし、さらなる製造のためのテンプレートとして間接的に使用することもできる。たとえば、タンパク質をDPN印刷によって基材に直接パターン付けすることもできるし、タンパク質と結合するために使用されるテンプレート化合物をパターン付けすることもできる。DPN印刷の利点および用途は数多くあり、上記参考文献に記載されている。たとえば、高い解像度および優れた位置合わせを有する複雑な構造を達成することができる。1ミクロン未満、特に100nm未満、特に50nm未満のライン幅、断面および周囲を有する構造を達成することができる。要するに、DPN印刷は、抜群の制御および融通性をもってナノメートルレベルで製造およびリソグラフィーを実施することを可能にするナノ製造/ナノリソグラフィー技術である。このタイプのナノ製造およびナノリソグラフィーは、ミクロンスケールの作業により適している多くの技術では達成することが困難である。また、DPN印刷は、望むならば、ミクロンスケール構造を製造するために使用することもできるが、一般に、ナノ構造が好ましい。

0096

チップは、ナノスコピックチップであることができる。これは、AFMチップを含む走査プローブマイクロスコピックチップであることができる。中空であることもできるし、非中空であることもできる。インクは、中空チップの中央を通過して、チップの端部を被覆することができる。チップは、前駆体インクの印刷を容易にするように改変することもできる。一般には、チップがインクと反応せず、チップを長期間にわたって使用することができることが好ましい。

0097

ナノリソグラフィーによって付着されるパターンは、パターンの形状によって特に限定されない。一般的なパターンとしては、ドットおよびラインならびにそれらのアレイがある。パターンの高さは、たとえば、約10nm以下であることができ、より好ましくは、約5nm以下であることができる。ラインがパターン付けされるならば、ラインは、たとえば、幅が約1ミクロン以下、特に幅が約500nm以下、特に幅が約100nm以下であることができる。ドットがパターン付けされるならば、ドットは、たとえば、幅が直径で約1ミクロン以下、特に幅が約500nm以下、特に幅が約100nm以下であることができる。

0098

ナノリソグラフィーは、好ましくは、ナノ構造を形成するために実施されるが、ミクロンスケールの構造もまた、対象になることができる。たとえば、面積が1〜10平方ミクロンの構造、たとえば長方形、正方形、ドットまたはラインをパターン付けするために使用される実験は、より小さなナノ構造のための実験を設計するのにも有用である。

0099

もう一つの態様で、ナノスコピックパターンを含む導体パターンは、以下の工程
1)被覆されたチップを使用して前駆体、たとえば金属塩を所望のパターンで基材に付着させる工程、
2)適切な配位子、たとえば窒素、リンまたは硫黄のような供与体原子を含む配位子を基材に適用する工程、
3)電子を配位子から前駆体に移動させるのに十分なエネルギー、たとえば輻射熱を加え、それにより、前駆体を分解して析出物、たとえば金属を形成する工程
を使用するDPNを使用して形成される。

0100

金属パターン付け法および化学は、(1)参照により本明細書により組み入れられる、Sharmaらへの米国特許第5,980,998号(1999年11月9日発行)、および(2)参照により本明細書により組み入れられる、Narangらへの米国特許第6,146,716号(2000年11月14日発行)に開示されている。しかし、これらの参考文献は、ディップペンナノリソグラフィー印刷または付着のための他のナノリソグラフィーの使用を開示または示唆してもいないし、DPN印刷から生じる利点を開示または示唆してもいない。どちらかといえば、貯留部およびアプリケータを含むディスペンサを用いた従来の印刷法の使用を開示している。本明細書では、Sharmaの第5,980,998号特許に開示された化学およびパターン付けが予想外の方法で一般に改変されて、DPN印刷をパターン付け法として含む予想外の結果をもたらし、DPN印刷法が予想外の方法で変形されて、Sharmaの第5,980,998号特許に開示された化学を含む予想外の結果をもたらす態様が開示されている。

0101

本明細書では、インク溶液は一般に、溶媒および溶質を含むと考えられる。溶媒は、溶質を溶媒和することができるいかなる物質であることもできるが、一般には、廉価で利用しやすい比較的無毒性の物質、たとえば水、各種アルコールなどを含むと考えられる。溶質は一般に、金属または他の物質が溶液から析出するようにエネルギー源の影響下で互いに化学反応する少なくとも二つの成分を含むと考えられる。好ましい態様では、溶質の一つの成分は塩を含み、溶液のもう一つの成分は適切な配位子を含む。本明細書で使用する「塩」とは、酸(A)と塩基(B)との組み合わせをいう。例は、金属塩、たとえばギ酸銅酢酸銅アクリル酸銅チオシアン酸銅およびヨウ化銅である。他の例は、非金属塩、たとえばギ酸アンモニウムおよびアクリル酸アンモニウムである。

0102

溶液の種々の成分は、同時または逐次に基材に付着させることもできるし、二つの組み合わせで基材に付着させることもできる。したがって、塩は、配位子と同時に付着させてもよいし、配位子とは別に付着させてもよいと考えられる。また、溶媒そのものが塩または配位子の一つまたは複数の局面を構成する、またはそれに寄与すると考えられる。

0103

本明細書で使用する「配位子」(L)とは、熱的に活性化してレドックス反応で塩の一つまたは複数の局面を押し退けて、AB+L<−>AL+BまたはAB+L<−>A+BLになるような任意の物質をいう。本明細書で考えられる方法では、好ましい配位子は、非結晶質であり、非金属残渣を残さず、通常の周囲温度条件の下で安定している。もっとも好ましい配位子はまた、レドックス反応に参与することができ、その場合、特定の塩が、一般には約300℃未満であると考えられる妥当な温度で使用される。

0104

好ましいクラスの配位子は、窒素供与体、たとえばシクロヘキシルアミンである。しかし、多数の他の窒素供与体およびそれらの混合物を使用することもできる。例は、3-ピコリンルチジンキノリンおよびイソキノリンシクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘプチルアミン、シクロオクチルアミンなどである。しかし、これらはほんのいくつかの例であり、多くの他の脂肪族第一級第二級および第三級アミンおよび/または芳香族窒素供与体を使用することもできる。

0105

考えられる溶液としては、塩および配位子以外に他の化合物がある。たとえば、水およびアルコールを用いる、または用いない窒素供与体溶媒中のギ酸銅(II)の混合物を使用して、チップから基材への輸送を容易にしてもよい。少量の溶媒ベースのポリマーまたは界面活性剤もまた、チップから基材への輸送を容易にし、より良好な膜形成性を付与するために前駆体溶液レオロジーを調節するのに有用な添加物になりうる。他方、より多量の高沸点溶媒および/または添加物、たとえばトリエチルホスフェート、Triton X100、グリセロールなどは、温度感受性基材、たとえばKapton(商標)または紙における不完全な熱分解のせいで製造される膜を汚染する傾向にあるため、避けることが好ましい。さらに、基材をカップリング剤で処理して、基材表面の疎水性または親水性を変化させるカップリング剤の関数として基材への付着材料の接着を改善することが価値あることであるかもしれない。

0106

塩が金属を含有する場合、すべての金属が考えられる。好ましい金属としては、導電性元素、たとえば銅、銀および金が挙げられるが、半導体、たとえばケイ素およびゲルマニウムもまた挙げられる。目的によっては、特に触媒の製造の場合、金属、たとえばカドミウム、クロム、コバルト、鉄、鉛、マンガンニッケル、白金、パラジウム、ロジウム、銀、スズ、チタン、亜鉛などを使用することができると考えられる。また、本明細書で使用する「金属」としては、合金、金属/金属複合材、金属セラミック複合材、金属ポリマー複合材および他の金属複合材がある。

0107

基材としては、化合物を付着させることができる実質的にいかなる物質をも挙げることができる。たとえば、考えられる基材としては、金属および非金属、導体および非導体、可撓性および非可撓性材料、吸収性および非吸収性材料、平坦およびカーブした材料、テキスチャ入りおよびテキスチャなし材料、中実および中空材料ならびに大小の物体がある。特に好ましい基材は、回路板、紙、ガラスおよび金属物体である。もう一つの観点から見ると、考慮される基材の幅が、本教示を有利に適用することができる考えられる物体の範囲の指標を提供する。したがって、本明細書で教示する方法および装置は、マルチチップモジュールPCMCIAカード印刷回路板シリコンウェーハセキュリティ印刷装飾印刷、触媒、静電シールド水素輸送膜汎関数勾配材料、ナノ材料の製造、バッテリ電極燃料電池電極アクチュエータ電気接点コンデンサなどを含む多様な用途に使用することができる。方法および装置は、センサおよびバイオセンサとして使用することができる。方法および装置は、さらなるリソグラフィー、たとえば刷り込みナノリソグラフィーのテンプレートを調製するために使用することができる。方法を使用してナノワイヤおよびナノチューブを接続することが特に対象である。

0108

したがって、基材は、電子装置、たとえばコンピュータディスクドライブまたは他のデータ処理もしくは記憶装置電話もしくは他の通信装置およびバッテリ、コンデンサ、充電器制御装置または他のエネルギー貯蔵関連装置に設置されてもよいし、その一部を形成するものでもよい、特に回路板をはじめとする任意の適当な基材を表すものと考えられる。

0109

本明細書で考慮される適当なエネルギー源としては、基材または被覆に過度な損傷を生じさせることなく所望の化学反応を生じさせることができる任意のエネルギー源がある。したがって、特に好ましいエネルギー源は、特に赤外線ランプおよびホットエアブロワを含む輻射性および対流性の熱源である。他の適当なエネルギー源としては、電子ビームならびにX線ガンマ線および紫外線を含む非IR波長の放射装置がある。さらに他の適当なエネルギー源としては、振動源、たとえばマイクロ波トランスミッタがある。また、種々のエネルギー源を多数の方法で適用することができると考えるべきである。好ましい態様では、エネルギー源は、基材に付着した前駆体/配位子に向けて送られる。しかし、代替態様では、たとえば、加熱した配位子を常温の前駆体に適用してもよいし、加熱した前駆体を常温の配位子に適用してもよい。

0110

本発明からは、たとえば平滑面、良好な被覆接着および被覆厚さの制御をはじめとする多くの利点を認めることができる。本教示の様々な態様のさらに別の利点は、被覆を少なくとも80重量%の純度で付着させることができることである。より好ましい態様では、被覆に含めることを意図する金属または他の物質の純度は少なくとも90重量%であり、さらに好ましい態様では、純度は少なくとも95%であり、もっとも好ましい態様では、純度は少なくとも97%である。

0111

本教示の様々な態様のさらに別の利点は、廃棄物をほとんど出すことなく被覆を付着させることができることである。好ましい態様では、基材に付着される材料の少なくとも80重量%がとどまって所望のパターンを形成する。たとえば、ギ酸銅(II)を使用して銅回路を製造するならば、基材に付着される銅の少なくとも80%がとどまって所望のパターンを形成することができ、銅の20%以下が「廃棄物」として除去される。より好ましい態様では、廃棄物は10%以下であり、さらに好ましい態様では、廃棄物は95%以下であり、もっとも好ましい態様では、廃棄物は3%以下である。

0112

本教示の様々な態様のさらに別の利点は低温作業である。金属は、たとえば約150℃未満、好ましくは約100℃未満、より好ましくは約75℃未満、もっとも好ましくは通常の室温(25〜30℃)で所望のパターンに付着させることができる。レドックスまたは「硬化」工程もまた、約100℃未満、より好ましくは約75℃未満、さらには約50℃の比較的低い温度で実施することができる。さらに低い温度も可能であるが、約50℃未満では、大部分の用途にとってレドックス反応が遅すぎる傾向にある。これらの範囲は、前駆体溶液を室温で調製することを可能にし、付着を室温で実施することを可能にし、分解を、ヒートガンから出るような比較的低い熱を使用して室温環境で達成することを可能にする。

0113

従来技術は、本発明を実施するために使用することができるさらなる方法および組成物を記載している。例えば、Sharmaらへの米国特許第5,894,038号(1999年4月13日)は、全体として参照により本明細書に組み入れられ、(1)パラジウム前駆体の溶液を調製する工程、(2)パラジウム前駆体を基材の表面に適用する工程、(3)前駆体を熱に付すことによってパラジウム前駆体を分解する工程を含む、基材上にパラジウムの層を形成する方法を含むパラジウムの直接付着を開示している。この方法はまた、本発明にしたがってナノリソグラフィーを実施するために適合することもできる。

0114

加えて、Sharmaらへの米国特許第5,846,615号(1998年12月8日)は、全体として参照により本明細書に組み入れられ、基材上に金の層を形成するための金前駆体の分解を開示している。この方法はまた、本発明にしたがってナノリソグラフィーを実施するために適合することもできる。

0115

さらに米国特許第4,933,204号は、全体として参照により本明細書に組み入れられ、金形体を形成するための金前駆体の分解を開示している。この方法はまた、本発明にしたがってナノリソグラフィーを実施するために適合することもできる。

0116

よりさらに、Sharmaらへの米国特許第6,548,122号(2003年4月15日)も、全体として参照により本明細書に組み入れられ、ギ酸銅(II)前駆体ならびに金および銀前駆体の使用を開示している。

0117

本発明は範囲が広いと考えられるが、以下のインクまたはパターン付け化合物が本発明に特に重要である:ギ酸銅または酢酸銅;硫酸銀硝酸銀テトラフルオロホウ酸銀;パラジウムクロリドアセテートおよびアセチルアセトネート;六クロロ白金(IV)酸;クエン酸鉄アンモニウム;亜鉛、ニッケル、カドミウム、チタン、コバルト、鉛、鉄およびスズのカルボン酸塩、(擬)ハロゲン化物、硫酸塩および硝酸塩;金属カルボニル錯体、たとえばクロムヘキサカルボニルアミン塩基、たとえばシクロヘキシルアミン、3-ピコリン、(イソ)キノリン、シクロペンチルアミン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ホルムアミドエチレンジアミン;ポリマー、たとえばポリエチレンオキシド)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ビニルカルボゾール)およびポリ(アクリルアミド)。

0118

好ましい態様では、たとえば、付着は、水溶液をインクとして使用して実施することができ、その場合、溶液は、水、金属塩および水溶性ポリマー、たとえば約50,000以下の分子量を有するポリアルキレンオキシドポリマーを含む。水溶液はまた、還元剤の担体として有用である。たとえば、10%ポリエチレンオキシド(MW10,000)を含む水中、アミノシラン化ガラスに対するDPN印刷による塩化パラジウム二ナトリウムの付着を実施することができ(Schott Glass company)、その後、還元剤、たとえばジメチルアミンボラン錯体DMAB)の0.03M水溶液を使用するパラジウム金属への化学還元を実施する。還元に最良の条件を決定するために、還元剤の濃度を変更することができる。還元の前後にパターンの原子間力顕微鏡写真を得ることができる。AFMイメージングは、構造を付着させるために使用したチップまたは異なるチップを用いて実施することができる。異なるチップが使用される場合、特にそのチップが付着のためではなくイメージングのために選択または適合されたものであるならば、イメージはより良好になることができる。一般に、印刷インクで工業的に使用されているポリマーを本発明で使用することができる。

0119

もう一つの好ましい態様では、ナノリソグラフィー付着は、パラジウムアセチルアセトネート(Pd(acac))から酸化ケイ素基材に対し、DPN印刷ならびにその後(1)還元剤、たとえばホルムアミドのような液状還元剤および(2)パターン付き表面への熱の適用による還元によって実施することができる。もう一つの系は、DMF溶媒中の酢酸パラジウムである。パターン付けおよび還元の前に、Pd(acac)を、ハロゲン化溶媒、たとえばクロロホルムをはじめとする有機溶媒に溶解して、中実チップを被覆または中空チップの中に通すために使用するインクを形成することができる。熱処理は、たとえば約100℃〜約300℃または約150℃の温度を含め、還元を実施するのに十分であることができる。加熱時間、温度および雰囲気条件は、所望のパターンを達成するために調節することができる。一般に、150℃で1〜5分の加熱時間が所望の結果を達成することができる。付着されるパターンの安定性は、溶媒洗浄によって試験することができ、実験条件を変更して安定性を改善することができる。基材およびインク組成を含むナノリソグラフィー実験変数を変更して、より高い解像度を提供することもできる。還元の前および熱の適用の後に、パターンの高さ走査分析の使用を含むAFM顕微鏡写真を得ることができる。イメージングパラメータを変更して解像度を改善することができる。

0120

場合によっては、金被覆したチップのようなチップが直接カンチレバー上で金属塩の還元を触媒してしまうことがある。これを防ぐためには、チップ組成を変更することができる。たとえば、チップ上でのこの還元を避けるためには、アルミニウム被覆プローブが有用である。一般に、チップは、好ましくは、長期使用のために選択され、適合され、インクとの触媒反応を避ける。

0121

ナノリソグラフィーパターン付けされた金属塩の還元はまた、液相還元ではなく気相還元によって実施することができ、その場合、還元剤は、蒸気形態に転換され、パターン付けされた基材の上に通される。還元剤を蒸気状態に加熱するためには、必要に応じ、当技術分野で公知のヒータを使用することができる。場合によっては、このタイプの処置が還元中の元のパターンの保存を改善することができる。

0122

好ましい態様では、付着は、塩化第二鉄アンモニウム酒石酸、硝酸銀および水からなる銀塩エマルションの場合、アミノシラン化ガラス基材に対し、DPN印刷ののちUVランプ下で光還元による現像によって実施することができる。AFMイメージングを実施してパターンを示すことができる。

0123

もう一つの好ましい態様では、還元工程は、化学還元剤を使用することなく、金属塩を還元するのに十分な熱および十分な時間で実施することができる。たとえば、約400℃未満の温度または約200℃未満の温度を使用することができる。当業者は、所与のインク系およびパターンに基づいて温度および実験を相応に選択することができる。

0124

本発明の付着法はまた、一つまたは複数の付着前工程、インク被覆を改善するための一つまたは複数のプローブ清浄または化学改変工程およびディップペンナノリソグラフィー印刷技術を使用することができる一つまたは複数の付着工程、清浄工程および検査工程を含む一つまたは複数の付着後工程を含むことができる。

0125

付着前基材表面処理工程としては以下のものがあるが、これらに限定されない(特に順序なし)。
(1)プラズマ、UVまたはオゾン洗浄、水洗、乾燥、ブロー乾燥
(2)化学洗浄、たとえばピラニア洗浄、塩基エッチング(たとえば過酸化水素および水酸化アンモニウム)、
(3)インク輸送または付着を促進するための化学的もしくは物理的改変または共有結合的改変(たとえば、酸化ケイ素に荷電面を与えるための塩基処理アミノもしくはメルカプトシラン化剤、化学的反応官能基を有するポリマーを用いるシラン化
(4)後続の工程の有害作用に対する保護(たとえばレジストまたは薄膜による被覆)、
(5)光学顕微鏡検査法(たとえばAIMS)、電子顕微鏡検査法(たとえばCD SEM)またはイメージング(たとえばEDS、AES、XPS)、イオンイメージング(たとえばTOFSSIMS)または走査プローブイメージング(たとえばAFM、AC、AFM、NSOM、EFM...)に由来する技術、以下に付着後セクションで詳述するいずれかの工程およびそれらの組み合わせを用いた基材の検査

0126

プローブ清浄または改変工程としては以下のものがあるが、これらに限定されない(特に順序なし)。
(a)プラズマ洗浄、水洗、乾燥、ブロー乾燥、
(b)化学洗浄、たとえばピラニア洗浄、塩基エッチング(たとえば過酸化水素および水酸化アンモニウム)、
(c)インク被覆、付着または輸送を促進または増強するためのプローブの化学的または物理的改変(たとえば、窒化ケイ素チップの荷電面を付与するための塩基処理、アミノもしくはメルカプトシラン化剤を用いるシラン化、小分子またはポリマー剤、たとえばポリ(エチレングリコール)を用いる共有結合的改変)このような改変は、気孔率を増す、またはインク送り出しに利用可能な表面積を増すことによってチップへのインクの装填量を増す改変を含む。

0127

付着工程
付着工程としては、たとえばDPN(商標)印刷による一つまたは複数のインクの付着または一つまたは複数のプローブを用いる付着があるが、これらに限定されない。可能なインクとしては、前駆体、最終パターンのバルクを形成する化合物、触媒、溶媒、小分子またはポリマー担体ホストマトリックス材または犠牲還元剤および上記物質の混合物があるが、これらに限定されない。これらは、薄膜として付着させることもできるし、厚い多層(多数の付着工程によって形成)として、層間で化学組成を変更して、または変更せずに、付着させることもできる。

0128

付着後工程として以下のものがあるが、これらに限定されない(特に順序なし)。
(1)たとえばヒートランプホットエアブローまたはホットプレートによる基材の加熱、
(2)基材への電磁放射線(たとえばIR、可視光およびUV光)または荷電粒子(たとえば、電子、ガンまたはプラズマ源から導出されるイオン)の照射。この処理は、空気中、真空中または溶液中、増感剤を用いて、または用いずに実施することができる。
(3)一つまたは複数の溶液へのパターン付き基材の浸漬、
(4)電気化学還元
(5)化学還元、
(6)蒸気またはガスへのパターン付き基材の暴露
(7)パターン付き基材の音波処理ならびに、該当する場合、上記で概説した工程のすべてのナノスケールの局所的等価処理。エネルギーおよび/または組成物の供給源は、DPNプローブと同じであってもよいし、同じでなくてもよい一つまたは複数のプローブによって提供される。以下のものがあるが、これらに限定されない。
(a)付着物質または包囲基材の局所加熱
(b)付着物質または包囲基材の局所照射およびそれらのすべての組み合わせ。

0129

すべてまたはいくつかの工程の連続を何回か繰り返すこともできる。

0130

金属ナノ構造は、ナノワイヤを含むことができる導電性ナノスコピックグリッドの形態にあることができる。たとえば、クロスバー構造を形成することができる。それぞれの上に金属層を形成することができる。ナノスコピック導体パターンをマイクロスコピックおよびマクロスコピック試験方法統合するための構造を含めることもできる。所望により、抵抗器、コンデンサ、電極およびインダクタを使用して回路を形成することができる。所望により、半導体およびトランジスタを使用することができる。構造の高さを増すために多層の形成を実施することができる。異なる金属を多層の異なる層に用いることができる。本発明の方法は、電極を電気的に接続するために使用することができる。センサ用途では、たとえば、金属付着物は、分析対象物が構造に結合したとき変化する抵抗率を有することができる。たとえばバイオセンサ用途では、抗体-抗原DNAハイブリダイゼーション、タンパク質吸収および他の分子認識事象を使用して抵抗率の変化を誘発することができる。また、本発明の方法はバーコード用途にも使用することができる。

0131

例えば、Chenへの米国特許第6,579,742号は、ナノ計算機およびマイクロエレクトロニクス用途のための、刷り込みによって形成されるナノリソグラフィー構造を記載している。しかし、刷り込みは、型他着性効果から悪影響を受けるおそれがある。米国特許第6,579,742号のナノ計算機用途および構造は、本明細書に記載するナノリソグラフィー法を使用して実施することができ、この特許は、全体として参照により本明細書に組み入れられる。

0132

基材は、たとえば2003年5月23日出願の、Cruchon-Dupeyratらへの米国特許通常出願第10/444,061号 "Protosubstrates"に記載されているプロト基材であることができる。これは、印刷構造の導電率をマクロスコピック法によって試験することを可能にする。

0133

参考文献16の非限定的な実施例を以下に記す。

0134

参考文献16の実施例
一般手順
この方法は、金属ナノパターンの直接付着を提供する。酸化性化合物還元性化合物とを混合し、チップに塗布し、DPN(商標)印刷または付着により、選択した場所で基材に付着させることができる。その後、インク混合物を加熱することができる(基材全体の加熱または局所的なプローブ誘発加熱によって)。具体的には、金属塩と有機配位子とのカクテルを使用することができる。典型的なインク調合物は、金属塩(たとえばカルボン酸塩、硝酸塩またはハロゲン化物)を適切な有機ルイス塩基または配位子(アミン、ホスフィン)とともに含むことができる。また、インクの溶解度、反応性またはレオロジー性を変化させる添加物(小分子、たとえばエチレングリコール、ポリマー、たとえばポリエチレンオキシド、PMMAポリビニルカルバゾールなど)を使用してもよい。インク混合物の付着ののち、周囲環境または不活性環境(たとえば40〜200℃)でやさしく加熱すると、塩が金属析出物および揮発性有機物を形成する不均化を支援することができる。この手順は、穏やかな条件下で有機汚染物質をほとんど伴わずにたとえば銅をはじめとする多様な金属または金属酸化物の付着を可能にする(たとえば、Sharmaらの米国特許第5,980,998号を参照。この完全な開示内容は、特に付着される材料に関して、参照により本明細書に組み入れられる)。反応が起こる前にパターン付き基材から配位子が蒸発するならば、潜在的なピットフォールが生じるかもしれない。この場合、加熱の前の第二の工程で、塩パターン付けされた基材を配位子に暴露することができる。

0135

着実験およびAFMイメージングは、CP Research AFM(Veeco Instruments, Santa Barabara, CA)またはNSCRIPTOR(NanoInk)を用いて実施することができる。付着およびイメージングの両方に関し、トポグラフィーまたは側方力モードを含む接触モードを使用することができる。

0136

参考文献16の実施例1
この方法の使用の一つの具体例は、DPN(商標)印刷または付着を使用して、クロロホルムに溶解したパラジウムアセチルアセトネート(1mg/マイクロリットル、一般には、ほぼ飽和したインク溶液が望ましい)を酸化ケイ素、ガラスまたはアミノシラン化ガラス上にパターン付けした。ドットのパターン付けののち、ホルムアミド1滴(1マイクロリットル)を水平な基材に載せ、150℃に2分間加熱した。得られた金属パターンは、溶媒洗浄(水、アルコールおよび他の非極性有機化合物)に対して安定であったが、還元前の塩パターンは、溶媒洗浄によって除去された。図1は、ホルムアミドおよび熱による処理の前(図1a)および後(図1bおよび1c)のパターンのAFM画像および高さ走査を示す。

0137

参考文献16の実施例2
パラジウムナノパターンをDPN印刷によって付着させ、気相還元によって金属化した。DPN技術を使用して、ジメチルホルムアミド中の酢酸パラジウムからなるDPNインクを酸化ケイ素上にパターン付けした。使用したDPNペンは、金被覆を施した窒化ケイ素プローブであった。この方法は、アルミニウム被覆を施したDPNプローブとでも良好に作用する。理由は、Al被覆は、金被覆を施したプローブと同じく、カンチレバー上で直接金属塩の還元を触媒することがないからである。パターン付けの前に、ミリポア水中5分間の音波処理によってケイ素/酸化ケイ素ウェーハを清浄した。パターン付き基材を円錐形ポリエチレンチューブに垂直に入れ、ホルムアミド液10マイクロリットルをチューブの底に入れた。チューブを加熱ブロックに載せ、80℃で30分間加熱して、蒸気が金属前駆体の還元を生じさせるようにした。この方法は、基材上の金属パターンを保存するため、有用である。得られる金属構造は、溶媒洗浄および他の一般的な清浄方法に対して耐性であった。

0138

参考文献16の実施例3
DPNによって付着させ、化学還元によって金属化したパラジウムナノパターン。10%ポリエチレンオキシド(MW10,000)を含む水中の塩化パラジウム二ナトリウムからなるDPNインクを、DPN技術を使用してアミノシラン化ガラス(Schott Glass company)上にパターン付けした。パターン付けした基材をジメチルアミン:ボラン錯体(DMAB)の0.03M水溶液に暴露して金属前駆体の導電性金属への還元を生じさせた。得られた金属構造は溶媒洗浄に対して耐性である。図2は、DMABによる処理の前(2a)および後(2b、2c)のパターンのAFM画像および高さ走査を示す。

0139

参考文献16の実施例4
DPNによって付着させ、化学還元によって金属化した白金ナノパターン。水中四塩化白金からなるDPNインクを、DPN技術を使用してアミノシラン化ガラス(Schott Glass company)上にパターン付けした。パターン付けした基材をジメチルアミン:ボラン錯体(DMAB)の0.03M水溶液に暴露して金属前駆体の導電性金属への還元を生じさせた。還元反応は浸漬から数秒のうちに起こる。得られた金属構造は溶媒洗浄に対して耐性である。図3は、DPNによって付着させ、DMABによって還元した白金ナノ構造のAFM高さ走査を示す。

0140

参考文献16の実施例5
DPNによって付着させたパラジウムパターン。DPN技術を使用して、ジメチルホルムアミド中酢酸パラジウムからなるDPNインクを酸化ケイ素上にパターン付けした。パターン付けの前に、基材をピラニア溶液中、80℃で15分間清浄した。パターン付けののち、ホットプレートを使用して、基材を空気中で少なくとも1分間加熱した。加熱ののち、パターンをAFMによってイメージングした。得られた金属構造は、高いトポグラフィーを示し、溶媒洗浄および他の一般的な清浄方法に対して耐性である。図4および5は、還元の前(中央図)および熱還元の後(右図)の所望の構造設計(左図)および実際のパターンを示す。これらのパターン、特にすでに還元されたパターンのイメージングは、たとえば、付着に使用したものではない清浄なチップを使用することによって改善することができる。

0141

概して、参考文献16では、金属ナノ構造のナノリソグラフィー付着は、マイクロエレクトロニクス、触媒作用および診断で使用するための被覆チップを使用して提供される。AFMチップを金属前駆体で被覆し、その前駆体を基材上にパターン付けすることができる。パターン付けされた前駆体は、熱の適用により、金属状態に転換することができる。これをもって「参考文献16からのさらなる記載(「導体パターン」)」のセクションを締めくくる。

0142

さらなる実施例
以下、本発明を、特に代替インク調合物、パターン付けすることができる代替基材に関してさらに例証し、実施可能にするさらなる実施例を記載する。また、多層パターン付け、マイクロ流体貯留部を使用するカンチレバーへのインクの送り出しおよび実際のTFT基材の修復を実証した。

0143

実施例8:インク調合物
多様なインク組成物をカンチレバーとの接触によって直接書き込みすることができる。前述のポリオールおよび金ナノ粒子/メシチレンインクに加え、以下のインク調合物がCMDによって良好に付着した。

0144

インク組成物#1:メシチレン/デカノール混合物中の金ナノ粒子
上記実施例に記載した金ナノ粒子インクをアルコール、たとえばデカノールCH3(CH2)9OHの添加によって改良した。デカノールの添加は、親水性基材の湿潤を改善し、特に、付着したインクが該親水性基材上で滴になり、不連続な(非導電性)ラインを生じさせるであろうビーズ化を防止する。このインク組成物は通常、ヘキサンチオールでキャップした金ナノ粒子1mgを、メシチレンに溶解したチオクト酸1.5μL(1mg/ml)およびデカノール0.3μLに溶解することによって調製した。250〜300℃で7分間、高温硬化させたのち120℃で60分間、低めの温度で硬化させることにより、インクを低抵抗率金属形態に転換した。

0145

インク組成物#2:1,3,5-トリエチルベンゼン中の金ナノ粒子
メシチレンおよびデカノールに代えて、メシチレンよりも沸点が高い溶媒である1,3,5-トリエチルベンゼン(1,3,5-TEB)を用いることにより、上記の金ナノ粒子インクをさらに改良した。溶媒の置換は、上記デカノールベースのインクよりもインクの寿命増し(乾燥の減少により)、最終的にはナノ粒子析出および有用な金属含量の損失をもたらすであろう、デカノールに富む相とメシチレンに富む相との間の相分離を回避する。

0146

インク組成物#3:市販の銀ナノ粒子インク
市販の銀ペースト(Harima Chemicals, Japan, http://www.harima.co.jpから得たナノペーストNPS-J)をフラットパネルディスプレー修復のためのインクとして使用した。銀ペーストは、ガス蒸発によって形成され、分散剤によって保護された単分散ナノ粒子を含む。平均ナノ粒子直径は約7nmである。各ナノ粒子が分散剤で覆われているため、このインクは、高い金属含有量ででもほとんど液体のように作用する。したがって、最適な粘度に達するためにこのインクを濃縮する(空気中での溶媒蒸発により)ことが必要であるかもしれない。このインクを用いる、印刷、小出しおよび含浸による回路形成は当技術分野で公知である。その焼結温度は200℃未満である。銀、金(Harima NPG-J)または他のタイプのナノ粒子を含む同様な市販インクを使用することもできる。

0147

実施例9:種々の基材への種々のインクの付着
図20、21、22および39は、種々の基材に対する実施例8で開示したインクの良好な付着を示すものである。たとえば、図20は、Harima銀ナノ粒子インク(組成物#3)を使用することによる、窒化ケイ素基材への銀ラインの直接書き込みを示す。認められるライン幅および質のばらつきは、時間的なインクの粘度増大(濃度増)の結果である。時間とともに、インクは粘稠になりすぎて途切れのないラインを形成できなくなった。すべてのラインは、基材に対する同じカンチレバー速度で引いた。認められる条線は、この実験で使用した高精度ステージ断続的な運動アーチファクトである。図21は、ガラス基材への同じインクの付着を示す。図22は、クロム薄膜で被覆されたガラス基材への市販の銀ナノ粒子インクの付着および低温硬化を示す。レーザアブレーションを使用してクロム膜に溝を形成し、下にあるガラス基材(画像中央)を露出させた。そして、チップレスカンチレバーを使用して、クロム膜上、レーザアブレーションギャップの各側かつギャップをまたいで2本のラインを引いた。クロム膜そのものへの付着はうまくいったが、ギャップをまたぐ部分ではそうはいかなかった。理由は、この場合、レーザアブレーションののち残ったガラス基材がとりわけ粗かったからである(付着される膜よりも高い>1ミクロン)。図39は、クロムおよびガラスに対するインク組成物#1の付着を示し、図30(以下さらに詳細に記す)は、金ナノ粒子/1,3,5-TEBインクの付着を示す。

0148

実施例10:多層パターンの製造
図23は、上記の金ナノ粒子/メシチレンインクで被覆されたチップレスカンチレバーを使用する多層ライン(3層まで)の製造を示す。第一の層を基材に付着させた。インクを再装填したのち、カンチレバーを第一層ラインの開始位置に再び配置し、それを使用して第一層ラインの直接上に第二層ラインを引いた。付着材料の量が小さいため、第一層中の溶媒は、中間の熱硬化工程の必要なしに第二層の書き込みを許すのに十分な速さで乾燥する。同じ工程を繰り返して第三層ラインを形成することによって第三の層を付着させた。この方法は、より高い導電率を有する太いラインの製造を可能にし、ライン連続性を改善する。また、ラインの幅広化が認められた。しかし、ライン幅広化の一部は、既存のXYステージの限界から生じると考えられる。繰り返し精度がより高いステージに換えるならば、より細いラインが得られるはずである。

0149

実施例11:カンチレバーへのインクの送り出し
図24は、微細加工貯留部への浸漬による、インクによるチップレスカンチレバー(スリット付きでもよいし、スリットなしでもよい)の被覆を示す。この実験では、微細加工カンチレバーをNSCRIPTOR機器(NanoInk, Inc. Chicago,IL)走査ヘッドに取り付け、機器に組み込まれた平面画像顕微鏡およびXYモータステージの助けを借りてケイ素微細加工インクウェルチップの上方に配置した。通常はディップペンナノリソグラフィー印刷の場合にインクをチップに送るために使用されるこのインクウェルチップの製造は、Cruchon-Dupeyratらへの米国特許出願第10/705,776号および関連技術に記載されている。インクウェルは、ピペットを使用してインクを付着させることができるマイクロ流体ミリメートルスケール貯留部を含む。カンチレバーを前記貯留部の一つのインクのプールに浸漬した(画像の下部)。画像Bのカンチレバーの周囲のメニスカスに注目すること。この方法は、適切な(Z軸)位置決め装置およびソフトウェアを使用して容易に自動化される。

0150

実施例12:実際のTFT液晶ディスプレー(LCD)サンプルの修復
図25は、薄膜トランジスタ(TFT)フラットパネルディスプレーの修復を示す。レーザアブレーションを使用して、フラットパネルディスプレー上で電子回路を形成する導電トレースの欠陥を各側で保護する絶縁(窒化ケイ素)層に穴を形成した。これらの穴の間に金ナノ粒子インクでラインを引いた。そして、そのラインを硬化させてトレースの左側部分と右側部分との間に電気的ブリッジを形成して、欠陥を修復した。

0151

実施例13:一体化されたスリットまたはマイクロ流体チャネルを有するカンチレバーを用いる付着
図26は、インク貯蔵スリットまたはチャネルを有するチップレスカンチレバーの略図である。このカンチレバーは、1回の浸漬ごとにより多量のインクを貯蔵することができ、それが他方でラインの全長でより良好な均一性、増大したライン高さ、より良好な導電率および高いステップに書き込むためのより良好な能力を生じさせる。図27は、三角形または長方形であることができ、流体貯蔵のための貯留部として働く拡大部分を含むことができるチップレスカンチレバーの四つのさらなる設計を示す。製造技術は、当技術分野で公知であるAFMカンチレバーの製造のための方法から適合させることができる。簡潔にいうと、窒化ケイ素膜犠牲ケイ素基材へのCVDによって付着させる。そして、窒化ケイ素の一部をパターン付けし、次いでエッチングしてカンチレバーおよびスリットを形成する。下にあるケイ素を部分的に異方性エッチングしてカンチレバーを解放してもよい。または、窒化ケイ素層をPyrexガラスウェーハ接合し、ケイ素基材を全体的にエッチングしてもよい。そして、ウェーハをダイシングして、チップレススリットカンチレバーを末端に有するチップを得る。カンチレバーは、場合によっては、薄い反射性金属層で被覆されてもよい。金属被覆は、インクと反応したり、インクに対して他のかたちで影響したりしないよう、注意深く選択されなければならない。図28、29は、ガラス基材上かつ該ガラス基材上にパターン付けされた金電極の間のギャップをまたぐインク組成物#3(銀ナノ粒子)のスリット窒化ケイ素カンチレバー(図26の青写真にしたがって製造)を用いた実際の付着を示す。画像Bにおける2個の金電極の間の抵抗値は、熱硬化の後で約100オームであった。ヒートガン硬化の後では、おそらくは硬化中のアロイングまたはディウェッティングの結果として、金電極の上に直接付着したインクは見えないことに注意すること。図30は、同じタイプのカンチレバーを用いた場合の金ナノ粒子/1,3,5-TEBインク組成物#2の付着を実証する。

0152

さらなる態様
以下、特にフラットパネルディスプレー修復のための機器および方法に関してさらなる態様を記載する。

0153

態様3:カンチレバーマイクロデポジションおよびレーザ硬化を使用したフラットパネルディスプレー修復のための機器および方法
本発明はさらに、フラットパネルディスプレー基材および類似の装置上のオープントレースにおけるギャップを修復するための機器であって、(1)インクを受けるように適合されているカンチレバー(またはマイクロブラシ)、(2)該インクを該基材上で修復パッチの形にパターン付けするために該カンチレバーと接触し、該カンチレバーを該フラットパネルディスプレー基材の表面上で平行移動させるように適合されたカンチレバー保持・位置決め手段、(3)該インクを該カンチレバーに供給するインク供給機構、(4)場合によっては、付着した材料を導電に適合した低抵抗率形態に転換するように適合された硬化システムを含む機器を提供する。硬化システムは、レーザおよびその集束光学素子を含むことができる。カンチレバー位置決め手段は、(1)該マイクロブラシの動きをX、Y、Z軸に沿いに制御するナノメートル解像度ステージ、(2)該マイクロブラシを該基材と接触させるように適合された粗動広範囲Zステージ、(3)マイクロブラシをZ軸を中心に任意の角度に位置決めすることができる回転ステージ、(4)場合によっては、カンチレバー接触検出手段を含むことができる。

0154

カンチレバーまたはカンチレバー装置が少なくとも部分的に反射被覆を有する場合、該接触検出およびカンチレバー撓み測定手段は、(1)ビデオカメラ、その対応する光学素子、光源および該カンチレバーの少なくとも一部によって反射される光の明度を測定するように適合された計算手段、(2)レーザ反射センサ、および(3)共焦点距離測定システムからなる群より選択することができる。

0155

好ましい態様で、本発明は、フラットパネルディスプレーおよび他の実質的に平坦な回路、たとえば印刷回路板の修復に適合された機器を提供する。機器は、以下のいくつかまたはすべてを含むことができる。
(1)(サブ)マイクロメートル幅のカンチレバー、
(2)カンチレバーの微動を提供するマイクロ/ナノメートルスケールのXYZステージ、および
(3)付着材料(「インク」)を硬化させるためのレーザ、
(4)接面操作の前に材料(「インク」)をマイクロカンチレバーに供給するインク供給機構、
(5)インク供給のためのグロスZ動を供給することができる大可動域Zステージ動、
(6)カンチレバーをZ軸を中心に任意の角度に位置決めすることができる回転ステージ。

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