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技術 視覚を改善するための方法および装置

出願人 リバイタルヴィジョン,エルエルシー
発明者 エレンボゲン,ニル
出願日 2004年11月4日 (13年0ヶ月経過) 出願番号 2006-539069
公開日 2007年10月4日 (10年1ヶ月経過) 公開番号 2007-527738
状態 拒絶査定
技術分野 眼耳の治療、感覚置換 リハビリ用具
主要キーワード 全部実行 協調活動 視覚的能力 評価セッション 視覚的入力 空間定位 矯正状態 円環レンズ

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図面 (20)

課題・解決手段

少なくとも片方の目の特定の目の状態に関して個人視覚的能力改善する方法であって、評価段階の少なくとも1つの評価セッションにおいて、少なくとも1つの視覚障害に関して個人の視覚的能力を検査するために選択された複数の画像を個人に表示し、かつ前記少なくとも1つの視覚障害に関して個人の視覚的能力のレベルを示す個人からの応答顕在化し、前記応答を利用して、検出された視覚障害に関して個人を治療し、それによって検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力を改善するように設計された別の複数の画像を選択し、治療段階において、個人の前記少なくとも片方の目に、それぞれの目のための低減された屈折を有する訓練用眼鏡を適用し、前記検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力が改善されるまで、少なくとも1回の治療セッションで前記別の複数の画像を個人に表示すること、を含む方法。

背景

視覚系は、目(つまり光受容器)における光の検出および伝達から始まり、空間統合の幾つかの段階を通して、各段階で複雑さを増す受容野を形成する、視覚処理段階の階層として古典的に記述される(最近の見識は後方投射重視しているが)、極めて精巧な光学処理機構である。

網膜結像される全ての構成要素が同等に知覚されるわけではない。一部は、脳内における神経系処理の効率によって制約される。一次視覚皮質における画像分析の重要な段階は、特定の方向に(方位選択性)特定のスケールサイズ選択性)で変化する画像コントラストを感受する受容野(ユニット)が関与する。ヒトのコントラスト感度は、これらのユニット(フィルタ)の集約的応答によって最もよく説明される。

皮質細胞ニューロン)は画像分析器として高度に特殊化かつ最適化されているので、方位、視野の位置、および空間周波数のような視覚画像の限定された範囲のパラメータ(フィルタ)のみに反応する。したがって、画像特性化するために、視覚処理は多くのニューロンの協調活動が関与する。これらの神経系相互作用は、興奮および抑制の両方をもたらす。方向性受容野間の空間的相互作用は、対応するニューロンユニットの活動を調節するのに重要な要素である。

コントラストは、視覚処理に関係する皮質細胞を活性化する最も重要なパラメータの1つである。同一刺激の反復提示に対する個々のニューロンの応答は、非常に変わりやすいノイズが多い)。ノイズは、個々の皮質ニューロンによる視覚信号信頼できる検出および識別に本質的制約課すことがある。神経系相互作用は各空間周波数でコントラストに対する感度を決定し、神経系活動組合せはコントラスト感度関数CSF)を設定する。理論的には、ニューロンの応答と知覚との間の関係は主としてニューロン活動信号対雑音比(S/N比)によって決定されることが示唆される。脳は多数のニューロンにわたって応答をプールして、単一の細胞のノイズの多い活動を平均化し、こうして信号対雑音比を改善し、実質的に改善された視性能を導く。

幾つかの研究で、個々の皮質ニューロンのノイズは、刺激条件の適切な選択によって実験的に制御することができることが示された:Kasamatsu,T.、Polat,U.、Pettet,M.W.およびNorcia,A.M.「Colinear Facilitation Promotes Reliability of Single−cell Responses in Cat Striate Cortex」、Exp Brain Res 138、163‐72.(2001)、ならびにPolat,U.、Mizobe,K.、Pettet,M.W.、Kasamatsu,T.およびNorcia,A.M.「Collinear Stimuli Regulate Visual Responses Depending on Cell’s Contrast Threshold」、Nature 391、580‐4(1998)。そのような研究はまた、刺激パラメータの制御を通して低レベルのコントラスト感度を2倍に高めることができることも示している。神経系レベルでは、応答ノイズの同時低減無しに感度の改善は期待されず、あるいは大幅に低減される。ニューロンの効率改善を導く刺激条件の精密な制御は、脳の可塑性のための基礎である神経系変容を開始するのに必須である。

脳の可塑性は、時々損傷または脳卒中の後に、しかしより一般的には新しい技能の獲得において、変化した条件順応する神経系の能力に関係する。脳の可塑性は、反復実行中の成人の皮質の物理的変容を指し示す証拠により、多くの基本タスクで実証されてきた。幾つかの研究は、視機能の改善を導く特定の視覚的タスクの反復実行の結果得られる神経系相互作用の可塑性を実証している。技能学習のような視機能の改善は、数年間の再検査後、維持された。興奮相互作用の範囲の増大および抑制の低減の両方が、正常な視覚の被験者およびサル観察された。これらの研究は、反復実行を通して活性化された特定の連絡が変容して機能の改善を導く、視覚皮質の活動依存可塑性を指し示す。

上述した関連出願の技術は、ノイズの低減および信号強度の増加のため、ニューロンの効率を改善しかつCSFの改善を誘発し、続いて空間解像度視力)の顕著な改善を伴う、一組の患者特定的刺激を使用して、特定のニューロン相互作用を精査している。

側方マスキング」:CSFの調節
視覚刺激の典型的な基礎的要素ガボールパッチである(図1aおよび1b)。「ガボールパッチ」は、視覚神経科学の分野で幅広く使用されている。それらは、一次視覚皮質のニューロンの受容野の形状を効率的に説明し整合し、したがって最も効果的な刺激を表すことが示されてきた。

ガボール関数の組は、空間的範囲(および/または時間的範囲)が限定された奇数正弦)および偶数余弦)波関数集合定義される。

単一のニューロンのコントラスト応答は、ネコおよびサルの視覚皮質におけるニューロン活動の単一ユニット記録によって示される通り、隣接するニューロンの活動によって調節することができる。

ネコ被験体を利用して侵襲的に行われたPolat,U.、Mizobe,K.、Pettet,M.W.、Kasamatsu,T.およびNorcia,A.M.による最近の研究は、図2に示すように、コントラストとニューロン応答との間の直線的関係(緑色の線)を実証した。1998年にNatureに発表された研究は、フランキング画像によって取り囲まれたときの同一ターゲットに対する非直線的応答を明らかにした(青色の線)。これらのフランキング画像は、低コントラストレベルで応答を増大させ(促進)、高コントラストレベルで応答を低減させる(抑制)ことが明らかになった。ネコの視覚に関与する神経連絡に関するこの基本的な発見は、ヒトの視覚の改善のための本発明に関係する技術にとっても基本的である。

成人のヒト被験者の低レベルのコントラスト感度は、ガボールパッチパラメータの特定の制御を通して著しく増加することができることが実証された。ターゲットガボール画像に加えて共線方向フランキングガボールが表示される場合、この刺激制御技術は「側方マスキング」と呼ばれる。

図3および4に示される結果は、側方マスキング技術を使用して心理物理学的タスクにさらされた、正常な視覚を持つ被験者(成人)から導出される。

非常に正確かつ被験者特定的な刺激付与計画の下で被験者がコントラスト調節を実施した場合、コントラスト感度の劇的な改善が達成される。

弱視について
弱視は、目の病理存在しないが屈折矯正によって治療または改善することができない目の視力の低減と定義される。それは視力障害を導く中枢神経系の発達異常である。それは、幼児期に一方の目が斜視でありかつ/または焦点が著しくずれるときに引き起こされる。目から脳に送られる2つの画像の間の差が、脳が両方の画像を単一の画像に融合することができないような差である場合、複視または不良視界を回避するために、「弱い」目の画像は脳によって劇的に抑制される。弱視は、先進国の人口の2%〜4%に影響を及ぼす一般的な公衆衛生問題である。

弱視眼の視覚機能は劇的に低下する。弱視の視力は20/30未満と定義されるが、ひどい場合は「法的失明」レベル(20/200)、ときにはもっと悪い場合さえある。NIH/NEI視力障害研究(VAIS)によると、弱視は、糖尿病性網膜症緑内障黄斑変性症、および白内障を凌ぐ、20から70歳+のグループにおける単眼失明の主要な原因である。

弱視の患者は実質的に片方の目だけを使用し、三次元(立体)視を持たない。当然、彼らの空間定位は損なわれ、かつ彼らは低減された周辺視を有する。彼らは、何らかの理由で彼らの良い方の目が失明した場合、盲目になる危険性が高い。弱視はまた教育および職業の機会の制約につながることもあり、また個人生活様式にも影響を及ぼすことがある。成人の弱視者の間で行われた生活の質の調査は、これらの影響の広がりを実証している。

弱視は、子供がかなり小さいときに小児科医によって診断されることが理想的である。小児眼科医による治療は、子供が3歳または4歳の時までに、状態を是正する潜在的可能性を有する。しかし、この状態を治療するために、幼い子供は良い方の目を覆う眼帯を長期間着用しなければならない。かなりの数の子供は眼帯を不快または社会的きまりの悪いものと感じ、かつ良い方の目だけを覆うことに当然の反感を持つ。その結果コンプライアンスが低下し、それは非効率な治療につながる。コンプライアンスの欠如は、検出の遅れおよび治療の失敗とあいまって、かなりの数の子供が状態に苦しみながら成人期(9歳以上の臨界年齢)に達する結果を生じている。

弱視は、9歳未満の子供のときにだけ、良い方の目を閉塞し、「弱視眼」を強制的に機能させることによって治療できると考えられている。「臨界年齢」と呼ばれる年齢である9歳を過ぎた個人では、治療できないと考えられる。

近視について
近視は、光軸と平行に目に入射する光線が網膜の前で合焦する屈折状態と定義される。それは、最遠焦点位置が無限遠ではなく観測者に近い点に配置される屈折状態と呼ぶこともでき、したがって近視はしばしば近眼または近視眼とも呼ばれる。近眼である場合、遠方視力は常にぼやける一方、近見視力は特定の範囲内でしばしば優れている。

この光学的状態の原因は多数ある。眼球が長すぎて、目の後部で網膜の手前で結像することがある。あるいは、目の焦点レンズが強すぎる。

眼鏡およびコンタクトレンズは、最も安全かつ最も実用的な光学的療法である。眼鏡かコンタクトレンズかを問わず、レンズパワーマイナスパワーであり、それは近眼の過度のプラスパワーを相殺する。これで画像は目の後部で網膜上にきれいに合焦する。

近視はしばしば、乱視結合して発生する。乱視は、目の光学系の反りによって生じる視力のゆがみである。図11aに示す通り、目の後部で網膜に提示される画像は、特定の経線に沿って特定の角度で入射する光波だけ焦点が合わない。図11bに示す通り、乱視は一般的に、目とは逆の非点収差レンズ(眼鏡またはコンタクトレンズ)によって矯正される。そのようなレンズは円環レンズまたはシリンダレンズと呼ばれる。

概要

少なくとも片方の目の特定の目の状態に関して個人の視覚的能力を改善する方法であって、評価段階の少なくとも1つの評価セッションにおいて、少なくとも1つの視覚障害に関して個人の視覚的能力を検査するために選択された複数の画像を個人に表示し、かつ前記少なくとも1つの視覚障害に関して個人の視覚的能力のレベルを示す個人からの応答を顕在化し、前記応答を利用して、検出された視覚障害に関して個人を治療し、それによって検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力を改善するように設計された別の複数の画像を選択し、治療段階において、個人の前記少なくとも片方の目に、それぞれの目のための低減された屈折を有する訓練用眼鏡を適用し、前記検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力が改善されるまで、少なくとも1回の治療セッションで前記別の複数の画像を個人に表示すること、を含む方法。

目的

本発明の目的は、一般的に様々な型の目の状態に関し、特に乱視の有無に関わらず弱視および近視に関して、視覚を改善するための方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

少なくとも片方の目の特定の目の状態に関して個人視覚的能力改善する方法であって、評価段階の少なくとも1つの評価セッションにおいて、少なくとも1つの視覚障害に関して個人の視覚的能力を検査するために選択された複数の画像を個人に表示し、かつ前記少なくとも1つの視覚障害に関して個人の視覚的能力のレベルを示す個人からの応答顕在化し、前記応答を利用して、検出された視覚障害に関して個人を治療し、それによって検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力を改善するように設計された別の複数の画像を選択し、治療段階において、個人の前記少なくとも片方の目に、それぞれの目のための低減された屈折を有する訓練用眼鏡を適用し、前記検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力が改善されるまで、少なくとも1回の治療セッションで前記別の複数の画像を個人に表示すること、を含む方法。

請求項2

前記治療段階は複数の治療セッションを含み、その各々のセッションにおいて、検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力を徐々に改善するために、その後の治療セッションの複数の画像を選択するために使用される応答を顕在化するように設計された、複数の画像を個人に表示する、請求項1に記載の方法。

請求項3

各治療セッション後に、検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力を徐々に改善するために、次の治療セッションのための訓練用眼鏡の屈折は、決められたように、増加、低下、または同じに維持される、請求項2に記載の方法。

請求項4

検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力を徐々に改善するために、訓練用眼鏡が適用される目が、決められたように、左目右目または両目に変更しうる、請求項3に記載の方法。

請求項5

1回の治療セッションで表示される複数の画像の少なくとも1つの予め定められたパラメータは、その後の治療セッションで変動される、請求項2に記載の方法。

請求項6

前記治療セッションの各々が複数の視覚タスクを含み、その各々のタスクにおいて、検出された障害に関して個人の視覚的能力を徐々に改善するために、それぞれの治療セッションのその後の視覚タスクに表示される少なくとも1つの他の画像を選択するのに有用な応答を顕在化するように設計された刺激を含む、少なくとも一つの画像を個人に表示する、請求項2に記載の方法。

請求項7

少なくとも1回の治療セッション後に、検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力を徐々に改善するために、次の治療セッションのための訓練用眼鏡の屈折は、決められたように、増加、低下、または同じに維持される、請求項6に記載の方法。

請求項8

検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力を徐々に改善するために、訓練用眼鏡が適用される目が、決められたように、左目、右目または両目に変更しうる、請求項7に記載の方法。

請求項9

治療段階の前記セッションの少なくとも幾つかにおける前記視覚タスクは、刺激の空間周波数が変更される空間周波数変化を含む、請求項6に記載の方法。

請求項10

空間周波数は、低い空間周波数から開始して徐々により高い空間周波数へ進むように変化する、請求項9に記載の方法。

請求項11

少なくとも一つの治療セッション後に、検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力を徐々に改善するために、次の治療セッションのための訓練用眼鏡の屈折は、決められたように、増加、低下、または同じに維持される、請求項9に記載の方法。

請求項12

検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力を徐々に改善するために、訓練用眼鏡が適用される目が、決められたように、左目、右目または両目に変更しうる、請求項11に記載の方法。

請求項13

治療段階における前記治療セッションの少なくとも幾つかにおいて、刺激の方向性が変更される、請求項6に記載の方法。

請求項14

目の状態が乱視ゾーンのひずみ領域によって特徴付けられる乱視を含み、かつ治療段階における前記治療セッションの少なくとも幾つかにおいて、刺激の方向性が乱視ゾーンのひずみ領域に向かって進むことによって変更される、請求項13に記載の方法。

請求項15

少なくとも1回の治療セッション後に、検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力を徐々に改善するために、次の治療セッションのための訓練用眼鏡の屈折は、決められたように、増加、低下、または同じに維持される、請求項13に記載の方法。

請求項16

検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力を徐々に改善するために、訓練用眼鏡が適用される目が、決められたように、左目、右目または両目に変更しうる、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記治療段階は、個人が所望コントラストファネルを表す所望の範囲のコントラストレベルを達成することによって、個人のコントラスト感度機能を改善するのに充分な回数の治療セッションを含む、請求項6に記載の方法。

請求項18

少なくとも1回の治療セッション後に、検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力を徐々に改善するために、所望のコントラストファネルを表す所望の範囲のコントラストレベルを達成するために、次の治療セッションのための訓練用眼鏡の屈折は、決められたように、増加、低下、または同じに維持される、請求項17に記載の方法。

請求項19

検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力を徐々に改善するために、訓練用眼鏡が適用される目が、決められたように、左目、右目または両目に変更しうる、請求項18に記載の方法。

請求項20

前記評価段階は複数の評価セッションを含み、その各々のセッションにおいて、応答を顕在化するために少なくとも一つの複数の画像が個人に表示され、各々の評価セッションの応答は次の評価セッションにおいて表示される複数の画像を選択するために利用される、請求項2に記載の方法。

請求項21

前記評価セッションの各々が複数の視覚タスクを含み、その各々のタスクにおいて、検出された障害に関して個人の視覚的能力の評価を徐々に改善するために、それぞれの評価セッションのその後の視覚タスクに表示される少なくとも1つの他の画像を選択するのに有用な応答を顕在化するように設計された、少なくとも一つの画像を個人に表示する、請求項20に記載の方法。

請求項22

少なくとも治療段階における前記複数の画像は、ガボール関数に基づいた画像である、請求項1に記載の方法。

請求項23

前記評価段階および前記治療段階の両方において前記複数の画像がクライアント端末に表示され、前記顕在化した応答が遠隔配置されたサーバー通信され、検出された視覚障害に関して個人を治療するように設計された前記別の複数の画像を選択するために利用される、請求項1に記載の方法。

請求項24

前記目の状態は近視であるか、または近視を含む、請求項1に記載の方法。

請求項25

前記目の状態は乱視であるか、または乱視を含む、請求項1に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、上記の関連出願に記載された技術に従って視覚改善するための方法に関する。以下の背景は、本発明の改善を理解するのに役立つであろう。

背景技術

0002

視覚系は、目(つまり光受容器)における光の検出および伝達から始まり、空間統合の幾つかの段階を通して、各段階で複雑さを増す受容野を形成する、視覚処理段階の階層として古典的に記述される(最近の見識は後方投射重視しているが)、極めて精巧な光学処理機構である。

0003

網膜結像される全ての構成要素が同等に知覚されるわけではない。一部は、脳内における神経系処理の効率によって制約される。一次視覚皮質における画像分析の重要な段階は、特定の方向に(方位選択性)特定のスケールサイズ選択性)で変化する画像コントラストを感受する受容野(ユニット)が関与する。ヒトのコントラスト感度は、これらのユニット(フィルタ)の集約的応答によって最もよく説明される。

0004

皮質細胞ニューロン)は画像分析器として高度に特殊化かつ最適化されているので、方位、視野の位置、および空間周波数のような視覚画像の限定された範囲のパラメータ(フィルタ)のみに反応する。したがって、画像特性化するために、視覚処理は多くのニューロンの協調活動が関与する。これらの神経系相互作用は、興奮および抑制の両方をもたらす。方向性受容野間の空間的相互作用は、対応するニューロンユニットの活動を調節するのに重要な要素である。

0005

コントラストは、視覚処理に関係する皮質細胞を活性化する最も重要なパラメータの1つである。同一刺激の反復提示に対する個々のニューロンの応答は、非常に変わりやすいノイズが多い)。ノイズは、個々の皮質ニューロンによる視覚信号信頼できる検出および識別に本質的制約課すことがある。神経系相互作用は各空間周波数でコントラストに対する感度を決定し、神経系活動組合せはコントラスト感度関数CSF)を設定する。理論的には、ニューロンの応答と知覚との間の関係は主としてニューロン活動信号対雑音比(S/N比)によって決定されることが示唆される。脳は多数のニューロンにわたって応答をプールして、単一の細胞のノイズの多い活動を平均化し、こうして信号対雑音比を改善し、実質的に改善された視性能を導く。

0006

幾つかの研究で、個々の皮質ニューロンのノイズは、刺激条件の適切な選択によって実験的に制御することができることが示された:Kasamatsu,T.、Polat,U.、Pettet,M.W.およびNorcia,A.M.「Colinear Facilitation Promotes Reliability of Single−cell Responses in Cat Striate Cortex」、Exp Brain Res 138、163‐72.(2001)、ならびにPolat,U.、Mizobe,K.、Pettet,M.W.、Kasamatsu,T.およびNorcia,A.M.「Collinear Stimuli Regulate Visual Responses Depending on Cell’s Contrast Threshold」、Nature 391、580‐4(1998)。そのような研究はまた、刺激パラメータの制御を通して低レベルのコントラスト感度を2倍に高めることができることも示している。神経系レベルでは、応答ノイズの同時低減無しに感度の改善は期待されず、あるいは大幅に低減される。ニューロンの効率改善を導く刺激条件の精密な制御は、脳の可塑性のための基礎である神経系変容を開始するのに必須である。

0007

脳の可塑性は、時々損傷または脳卒中の後に、しかしより一般的には新しい技能の獲得において、変化した条件順応する神経系の能力に関係する。脳の可塑性は、反復実行中の成人の皮質の物理的変容を指し示す証拠により、多くの基本タスクで実証されてきた。幾つかの研究は、視機能の改善を導く特定の視覚的タスクの反復実行の結果得られる神経系相互作用の可塑性を実証している。技能学習のような視機能の改善は、数年間の再検査後、維持された。興奮相互作用の範囲の増大および抑制の低減の両方が、正常な視覚の被験者およびサル観察された。これらの研究は、反復実行を通して活性化された特定の連絡が変容して機能の改善を導く、視覚皮質の活動依存可塑性を指し示す。

0008

上述した関連出願の技術は、ノイズの低減および信号強度の増加のため、ニューロンの効率を改善しかつCSFの改善を誘発し、続いて空間解像度視力)の顕著な改善を伴う、一組の患者特定的刺激を使用して、特定のニューロン相互作用を精査している。

0009

側方マスキング」:CSFの調節
視覚刺激の典型的な基礎的要素ガボールパッチである(図1aおよび1b)。「ガボールパッチ」は、視覚神経科学の分野で幅広く使用されている。それらは、一次視覚皮質のニューロンの受容野の形状を効率的に説明し整合し、したがって最も効果的な刺激を表すことが示されてきた。

0010

ガボール関数の組は、空間的範囲(および/または時間的範囲)が限定された奇数正弦)および偶数余弦)波関数集合定義される。

0011

単一のニューロンのコントラスト応答は、ネコおよびサルの視覚皮質におけるニューロン活動の単一ユニット記録によって示される通り、隣接するニューロンの活動によって調節することができる。

0012

ネコ被験体を利用して侵襲的に行われたPolat,U.、Mizobe,K.、Pettet,M.W.、Kasamatsu,T.およびNorcia,A.M.による最近の研究は、図2に示すように、コントラストとニューロン応答との間の直線的関係(緑色の線)を実証した。1998年にNatureに発表された研究は、フランキング画像によって取り囲まれたときの同一ターゲットに対する非直線的応答を明らかにした(青色の線)。これらのフランキング画像は、低コントラストレベルで応答を増大させ(促進)、高コントラストレベルで応答を低減させる(抑制)ことが明らかになった。ネコの視覚に関与する神経連絡に関するこの基本的な発見は、ヒトの視覚の改善のための本発明に関係する技術にとっても基本的である。

0013

成人のヒト被験者の低レベルのコントラスト感度は、ガボールパッチパラメータの特定の制御を通して著しく増加することができることが実証された。ターゲットガボール画像に加えて共線方向フランキングガボールが表示される場合、この刺激制御技術は「側方マスキング」と呼ばれる。

0014

図3および4に示される結果は、側方マスキング技術を使用して心理物理学的タスクにさらされた、正常な視覚を持つ被験者(成人)から導出される。

0015

非常に正確かつ被験者特定的な刺激付与計画の下で被験者がコントラスト調節を実施した場合、コントラスト感度の劇的な改善が達成される。

0016

弱視について
弱視は、目の病理存在しないが屈折矯正によって治療または改善することができない目の視力の低減と定義される。それは視力障害を導く中枢神経系の発達異常である。それは、幼児期に一方の目が斜視でありかつ/または焦点が著しくずれるときに引き起こされる。目から脳に送られる2つの画像の間の差が、脳が両方の画像を単一の画像に融合することができないような差である場合、複視または不良視界を回避するために、「弱い」目の画像は脳によって劇的に抑制される。弱視は、先進国の人口の2%〜4%に影響を及ぼす一般的な公衆衛生問題である。

0017

弱視眼の視覚機能は劇的に低下する。弱視の視力は20/30未満と定義されるが、ひどい場合は「法的失明」レベル(20/200)、ときにはもっと悪い場合さえある。NIH/NEI視力障害研究(VAIS)によると、弱視は、糖尿病性網膜症緑内障黄斑変性症、および白内障を凌ぐ、20から70歳+のグループにおける単眼失明の主要な原因である。

0018

弱視の患者は実質的に片方の目だけを使用し、三次元(立体)視を持たない。当然、彼らの空間定位は損なわれ、かつ彼らは低減された周辺視を有する。彼らは、何らかの理由で彼らの良い方の目が失明した場合、盲目になる危険性が高い。弱視はまた教育および職業の機会の制約につながることもあり、また個人生活様式にも影響を及ぼすことがある。成人の弱視者の間で行われた生活の質の調査は、これらの影響の広がりを実証している。

0019

弱視は、子供がかなり小さいときに小児科医によって診断されることが理想的である。小児眼科医による治療は、子供が3歳または4歳の時までに、状態を是正する潜在的可能性を有する。しかし、この状態を治療するために、幼い子供は良い方の目を覆う眼帯を長期間着用しなければならない。かなりの数の子供は眼帯を不快または社会的きまりの悪いものと感じ、かつ良い方の目だけを覆うことに当然の反感を持つ。その結果コンプライアンスが低下し、それは非効率な治療につながる。コンプライアンスの欠如は、検出の遅れおよび治療の失敗とあいまって、かなりの数の子供が状態に苦しみながら成人期(9歳以上の臨界年齢)に達する結果を生じている。

0020

弱視は、9歳未満の子供のときにだけ、良い方の目を閉塞し、「弱視眼」を強制的に機能させることによって治療できると考えられている。「臨界年齢」と呼ばれる年齢である9歳を過ぎた個人では、治療できないと考えられる。

0021

近視について
近視は、光軸と平行に目に入射する光線が網膜の前で合焦する屈折状態と定義される。それは、最遠焦点位置が無限遠ではなく観測者に近い点に配置される屈折状態と呼ぶこともでき、したがって近視はしばしば近眼または近視眼とも呼ばれる。近眼である場合、遠方視力は常にぼやける一方、近見視力は特定の範囲内でしばしば優れている。

0022

この光学的状態の原因は多数ある。眼球が長すぎて、目の後部で網膜の手前で結像することがある。あるいは、目の焦点レンズが強すぎる。

0023

眼鏡およびコンタクトレンズは、最も安全かつ最も実用的な光学的療法である。眼鏡かコンタクトレンズかを問わず、レンズパワーマイナスパワーであり、それは近眼の過度のプラスパワーを相殺する。これで画像は目の後部で網膜上にきれいに合焦する。

0024

近視はしばしば、乱視結合して発生する。乱視は、目の光学系の反りによって生じる視力のゆがみである。図11aに示す通り、目の後部で網膜に提示される画像は、特定の経線に沿って特定の角度で入射する光波だけ焦点が合わない。図11bに示す通り、乱視は一般的に、目とは逆の非点収差レンズ(眼鏡またはコンタクトレンズ)によって矯正される。そのようなレンズは円環レンズまたはシリンダレンズと呼ばれる。

0025

本発明の目的は、一般的に様々な型の目の状態に関し、特に乱視の有無に関わらず弱視および近視に関して、視覚を改善するための方法を提供することである。

0026

本発明の広範な態様では、少なくとも片方の目の特定の目の状態に関して個人の視覚的能力を改善する方法であって、
評価段階の少なくとも1つの評価セッションで、少なくとも1つの視覚障害に関して個人の視覚的能力を検査するために選択された複数の画像を個人に表示し、かつ少なくとも1つの視覚障害に関して個人の視覚的能力のレベルを示す個人からの応答を顕在化するステップと、
該応答を利用して、検出された視覚障害に関して個人を治療し、それによって検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力を改善するように設計された別の複数の画像を選択するステップと、
治療段階で、個人の少なくとも片方の目に、それぞれの目のための低減された屈折を有する訓練用眼鏡を適用するステップと、
検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力が改善されるまで、少なくとも1回の治療セッションで別の複数の画像を個人に表示するステップと、
を含む方法を提供する。

0027

下述する本発明の好適な実施形態では、治療段階は複数の治療セッションを含み、その各々で、検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力を徐々に改善すべく、その後の治療セッションの複数の画像を選択するために使用される応答を顕在化するように設計された、複数の画像を個人に表示する。少なくとも1回の治療セッション後に、検出された視覚障害に関して個人の視覚的能力を徐々に改善するために、次の治療セッションのための訓練用眼鏡の屈折は、決められたように、増加、低下、または同じに維持される。1回の治療セッションで表示される複数の画像の少なくとも1つの予め定められたパラメータは、その後の治療セッションで変動される。

0028

さらに詳しくは、上述した好適な実施形態では、治療段階は複数の治療セッションを含み、その各々が複数の視覚タスクを含む。各々のそのようなタスクで、検出された障害に関して個人の視覚的能力を徐々に改善するために、それぞれの治療セッションのその後の視覚タスクに表示される少なくとも1つの他の画像を選択するのに有用な応答を顕在化するように設計された刺激を含む、少なくとも一つの画像を個人に表示する。

0029

記載される一つの好適な実施形態では、治療段階のセッションの少なくとも幾つかにおける視覚タスクは、刺激の空間周波数が変更される空間周波数変化を含む。記載する通り、空間周波数は、低い空間周波数から開始して徐々により高い空間周波数へ進むように変化する。

0030

記載される別の好適な実施形態では、治療段階のセッションの少なくとも幾つかで、刺激の方向性が変更される。記載される好適な実施形態は、目の状態が乱視ゾーンのひずみ領域によって特徴付けられる乱視を含み、かつ治療段階の治療セッションの少なくとも幾つかで、刺激の方向性が乱視ゾーンのひずみ領域に向かって進みながら変更される。

0031

記載される全ての好適な実施形態では、治療段階は、個人が所望の範囲のコントラストレベルを達成することによって、個人の感度コントラスト関数を改善するのに充分な回数の治療セッションを含む。

0032

評価段階および治療段階の両方で複数の画像がクライアント端末に表示されるシステムであって、顕在化した応答が遠隔配置されたサーバー通信され、検出された視覚障害に関して個人を治療するように設計された別の複数の画像を選択するために利用されるように構成されたシステムにおいて、本発明を下述する。

0033

図面の説明
本明細書では本発明を単に例示し図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の好ましい実施態様を例示考察することだけを目的としており、本発明の原理概念側面の最も有用でかつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示していることを強調するものである。この点について、本発明を基本的に理解するのに必要である以上に詳細に本発明の構造の詳細は示さないが、図面について行う説明によって本発明のいくつもの形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。

0034

図1a〜4は上記背景技術の説明で言及した図である。
図5は本発明に従って治療に含めることのできる視覚刺激の様々な操作を示す一連の図である。
図6弱視患者の低下したCSF(コントラスト感度関数)を示すグラフである。
図7は弱視患者の異常側方相互作用を示すグラフである。
図8は本発明に従って治療する患者の視力の改善を示すグラフである。
図9は治療段階中の視力の改善およびその後の改善を示すグラフである。
図10は治療段階中のコントラスト感度関数の改善およびその後の改善を示すグラフである。
図11aおよび11bはそれぞれ近視眼および乱視眼の状態を示す図である。
図12は近視患者の低下したCSFを示すグラフである。
図13は本発明に従って治療した近視患者の側方相互作用の向上を示すグラフである。
図14は本発明に従って治療した患者の非矯正視力の改善を示す。
図15は本発明に従った治療段階中のCSFの改善を示すグラフである。
図16は本発明に従って構成された1つのシステムのアーキテクチャを示すブロック図である。
図17は治療セッションサイクルにおいてサーバー側によって実行される操作を示すフローチャートである。
図18は選択されたVPT(視覚タスク)セッションでサーバー側によって実行される操作を示すフローチャートである。
図19は評価セッションの分析を示すフローチャートである。
図20および21は治療セッションの分析を示すフローチャートである。

発明を実施するための最良の形態

0035

治療概念‐概要
以下でさらに詳述する通り、本発明は、患者が一連の心理物理学的ビジュアルタスク「視覚タスク(VPT)」にさらされるコンピュータによる対話型治療を含む。VPTは、個人の視覚プロセスを測定または改善することを目的とする。実際には、各VPTは一般的に、視覚プロセスの特定の態様をターゲットとするように設計される。

0036

当該システムによって実現される様々なVPTは、以下の操作を全部実行するための構成を有する。
1.患者の視覚皮質の1つまたはそれ以上の領域を刺激するように設計された視覚刺激を患者に提供する。
2.入力装置(例えばコンピュータマウス)を使用して患者から視覚刺激に対する応答を受信する。
3.閾レベルに達するまで、前の視覚刺激に対する応答に基づいてさらなる視覚刺激を提供する。

0037

治療は連続的な30分間のセッションで施され、各セッションは一連のVPTから構成され、週に2〜3回、全部で約30回のセッションがある。

0038

各患者は個別の特定神経系能力を患っているので、治療は各々の個別被験者に合わせ個別化され、特別調整される。被験者特異性は以下の手段によって達成される。
1.被験者がさらされる一組の視覚タスクの実行を通しての各被験者神経系障害または非効率または規範的範囲内の能力の解析および識別。この段階はコンピュータによる評価段階と呼ばれ、通常は最高3回までのセッションで構成される。その結果、治療計画が定められる。
2.前記解析に基づいて、制御された環境患者特異的刺激を施すこと。識別された神経系障害または非効率に対処しかつ改善し、あるいは規範的範囲以上にニューロン活動を改善するために、視覚刺激パラメータはアルゴリズムにより制御され、各被験者の必要に応じて調整される。これらは治療段階であり、各々の個別性能によって、通常約30回ないし50回の治療セッションから構成される。

0039

各治療セッションは、潜在的に改善されると診断された視覚皮質の機能を直接かつ選択的に訓練するように設計される。各セッション中に、アルゴリズムは患者の応答を解析し、それに従って視覚問題のレベルをさらなる改善に最も効果的な範囲に調整する。

0040

セッションとセッションの間に、患者の性能および進捗が測定され、アルゴリズムによって次の治療セッションの視覚刺激パラメータの設定に考慮される。こうして、各被験者に対し個別の訓練スケジュールが、視機能の初期状態機能障害重症度、および治療訓練の進捗に基づいて設計される。

0041

視覚刺激パラメータはアルゴリズムにより制御され、各被験者の必要に応じて調整される。これらのパラメータの中には空間周波数、ガボールパッチの空間配置、コントラストレベル、方位(局所的および大域的)、タスク順序文脈、および露出タイミングがある。

0042

上述の治療は、(1)弱視、(2)近視(乱視の有無に関係なく)、(3)老眼、(4)遠視、(5)正視(超正常視を得るため)、(6)屈折矯正手術後の不正視患者(残留屈折異常が残っている)、および(8)緑内障または老人性黄斑変性症(AMD)のような視力を低下させる眼病を含むが、それらに限らない幾つかの目の状態を持つ被験者の視力を改善するために使用することができる。それはまた、小児期の近視の進行を軽減するためにも使用することができる。

0043

本発明は特に弱視および近視(乱視の有無に関係なく)の治療に有用であり、したがって以下ではそのような治療に関連して記述する。

0044

弱視の治療原理
上述の通り、弱視は、屈折矯正によって治癒または改善することのできない目の視力低下と定義される。たとえ最良の屈折矯正を使用した場合でも、弱視者は、視力低下、コントラスト感度関数(CSF)の低下、および輪郭検出障害を含む、空間視における幾つかの機能異常によって特徴付けられる。主に高空間周波数で顕著なCSFの低下は、低いS/N(信号対雑音)比から結果的に生じると考えられる。低いS/N比は、文字識別機能を制限することが示されている。

0045

弱視者が矯正レンズの使用または手術を通して矯正できないこれらの機能異常を患う理由は、個人の視覚プロセスの神経系構成要素の欠損である。弱視者は、不充分なコントラスト応答の根底にある効果およびクラウディング効果である、異常神経系相互作用ならびに興奮の低下および抑制の増加に苦しんでいる。

0046

図7は、これらの異常神経系相互作用の結果生じる異常な「側方マスキング」のグラフを、正常な「側方マスキング」グラフと比較して提示する。

0047

弱視治療は、不充分な側方相互作用を改善し、S/N比を高め、輪郭統合障害および空間定位を改善することを目的とする。

0048

これは主として、側方抑制の軽減に焦点を合わせた視覚タスク(VPT)を通して達成される。側方相互作用の練習は、これらの相互作用の範囲の増大につながる。

0049

個別化された治療セッションを通して、刺激のサイズ(空間周波数)および方位は、低い空間周波数から始めて徐々に高い方に進みながら、各サイズで4つの方位に変更される。

0050

訓練の空間周波数は、コンピュータによる評価中に測定される異常のレベルに応じて選択される。弱視者はしばしば、中ないし高空間周波数における亜正常コントラスト感度に悩まされている。

0051

最適改善のために、達成されたコントラスト閾値はコントラストファネル(contrast funnel)内に入らなければならない。コントラストがこのファネルを超える場合、コントラスト閾値を低下させるために、ガボールパッチは局所的方位軸に向かって伸長される。

0052

最適な屈折矯正にもかかわらずさまざまな方位の不均等なコントラスト応答を意味する経線弱視は、(低コントラストが達成される)容易なものから始めて徐々に難しいものに移動しながら、方位を変更することによって対処される。

0053

異常な側方相互作用は抑制の増大に現れるので、抑制のゾーンは高い注目を集める。VPTは当初、低い抑制レベルの領域に集中する。改善および特定レベルの促進の生成により、焦点は徐々により高い抑制レベルの領域に移動し、続いてそれも同様に改善する。

0054

弱視治療はまた、空間定位を改善することをも目的とする。これはアラインメントずれVPTの練習を通して達成される。治療は単眼であり、弱視眼は訓練される一方、他眼は半透明レンズにより閉塞される。

0055

治療は、弱視眼にとって最良の屈折矯正を使用して実行される。最良の屈折矯正は、日常的活動の全てにおいても使用すべきである。両眼の間に大きい屈折差が存在する場合、両眼からの異なる画像サイズの脳への投影を回避するために、コンタクトレンズのみを使用する必要がある。

0056

上述したNVC(神経系視力矯正)治療の原理は、臨界期中(9歳まで)の脳への異常な視覚入力のために視覚系が充分に発達しない状態である、弱視の臨床治療で証明された。該治療は、弱視眼で20/30から20/100の間のベースライン視力を有する成人(9歳から55歳まで)に対する制御された無作為プラシーボ臨床試験試験された。試験は、イスラエルのシーバ医療センターの賛助により実行された。GCP準拠のため、公認外部監査人が試験を規定通り監視した。

0057

臨床試験合格基準は以下の通りである。
1.終了した被験者の最小限60%でベースラインを超えるETDRSチャートにおける最小限2ラインの最良の矯正視力(BCVA)の改善
2.治療から3ヵ月後の改善された視力(+/−50%)の維持

0058

以下は臨床試験結果の最重要点である。
1.治療群(患者数44名)内の成功率は70.5%(44名のうちの31名)であった。
2.44名の患者全員(改善を示さなかった患者を含む)の間の平均改善は2.5ETDRSラインであった。
3.参照群は改善を示さなかった。
4.治療に成功した(患者の70%)下位群内の平均改善は、視力の倍増である3.1ラインであった。
5.治療に成功した下位群のほぼ半分は、20/25以上の視力に達する一方、19%(6名の患者)は20/20以上の視力に改善された(「超正常視」)。
6.20/50以下のベースラインVAを有する患者のうち、70%は20/40以上の最終VAに達した。
7.治療群のコントラスト感度関数(CSF)は際立って顕著に改善した。治療後のCSF平均は正常範囲内であった。
8.追加的視覚機能、つまり両眼機能および読字能力(近見視力)が治療群の間で顕著に改善された。
9.治療の12ヵ月後の維持監視は優れた結果を示した。
図8は、全治療群患者の個別の視力改善を提示する。図9は、治療段階中の治療群の平均視力の改善、および治療の1年後のこの改善の維持を提示する。図10は、治療段階中の治療群の平均コントラスト感度関数の改善、および治療の1年後のこの改善の維持を提示する。

0059

NVC第二世代の適用
第一世代の適用(上述した弱視治療)は、視覚系の「後端」つまり神経系構成要素が欠損しているが、視覚系の「前端」つまり眼球または光学系構成要素生来または矯正レンズを使用することにより最適であるという視覚状態に対処した。視覚は、欠損のあるまたは亜正常な神経系構成要素によって制限される。この治療の目的は、視力を改善するために、欠損神経系の機能を可能な限り規範レベルの近くまで改善することである。

0060

第二世代の用途は異なる状況、つまり次善の眼球状態を有する被験者に対処するが、彼らのニューロン結合性は正常に発達しており、比較的効率的に画像を処理することができる。これらの視覚状態では、視覚的入力は亜正常であり、視覚系の眼球の「前端」によって制限される。

0061

この治療の目的は、コントラスト感度の改善およびそれによる視力の改善につながるニューロンのS/N比を改善するために、神経系構成要素の機能を規範的範囲以上にさらに高めることである。個人のコントラスト感度関数を改善することは単に、より明瞭に見る能力を改善することを意味する。

0062

神経系処理の効率を高めることによってコントラスト感度を改善する能力は、治療を近視、老眼、遠視のような異種状態の視力の改善に適用可能にする。他の可能な用途として、屈折矯正手術後の被験者の残留屈折異常、および緑内障または加齢性黄斑変性症(AMD)のような視力を低下させる他の眼病がある。

0063

別の可能な適用は、子供の近視の進行を低減することにある。この状態は、人生の早期に提示される視覚画像に直接関係するようである。近視の動物モデルは、ぼやけた視覚画像(目を閉塞することから、またレンズにより屈折異常を誘導することから生じる)が、結果的に異常な目の成長を直接引き起こし、しばしば極めて細長い眼球をもたらし、重度の近視をもたらすことを明瞭に立証した。したがって、幼児期の発達中の近視眼の視覚を増強または鮮明化することができれば、これが正のフィードバックループを破ることができ、かつ近視の進行を顕著に低減することができる可能性があるということになる。

0064

近視の治療原理
近視では、ニューロン結合性は正常に発達し、画像を比較的効率的に処理することができるが、視覚的入力が亜正常であり、光学系によって制限される。中および高空間周波数の可視性は、それらの物理的コントラストが高い場合でも、低コントラストとして知覚される。したがって、弱視のCSFに似て、高空間周波数のCSFは低減され、その結果視力(VA)は低下する。図12は、近視患者の低減された非矯正CSFを示す。

0065

視覚皮質のニューロンの活性は、信号強度(コントラスト)に直接関係する。実効コントラストが低い場合、ニューロンは弱く活性化され、結果的にそれぞれの空間周波数で低いS/N比をもたらす。低いS/N比は、文字識別に対する性能を制限することが示されている。

0066

霧視は現在の光学系に比較してニューロンの次善の活動から生じるので、軽度の近視の治療は、S/N(信号対雑音)比を改善し、側方相互作用をさらに改善し、かつ特に中〜高空間周波数でCSFを増強することを目的とする。

0067

これは主として、側方興奮の増加に焦点を置いた視覚タスク(VPT)を通して達成される。

0068

促進増加
促進ゾーンは高い注目を受ける。側方相互作用の練習は、これらの相互作用の範囲の増加を導く。治療は2〜4波長のターゲット‐フランカーズ分離距離における促進レベルの増大に焦点を置く。前記ターゲット‐フランカーズ分離距離での視覚タスクは、さらなる知覚学習を可能にするために繰り返される。図13は、近視患者の側方相互作用の強化を示す。

0069

訓練眼
治療は両眼または単眼のいずれかである。両方の目の非矯正視力およびそれぞれの最良の矯正屈折に従って決定が行われる。この決定は治療の過程再評価される。両眼の訓練が好ましい。しかし、両眼の間の正規化された非矯正視覚能力の差が、両眼性を可能にする限度を超える場合には、より強い方の目だけがデフォルトで活動する。したがって、そのような場合、より弱い方の目を訓練することを目的とするときに、より強い方の目は半透明レンズで被覆され、弱い方の目だけが単眼で訓練される。

0070

訓練眼は治療の過程で次のように変更することができる。
1.両眼の間の視力差が弱い方の目の訓練を正当化する程度まで増大する視力の変化があった場合、両眼から単眼へ。
2.両眼の間の視力差が両眼性を可能にする限度まで低下したとき、または弱い方の目の視覚の改善が進まなくなったときに、単眼から両眼へ。
3.主として比較的重度の乱視の場合、単眼から単眼へ。

0071

屈折矯正を低減した訓練用眼鏡
最適な改善のために、任意の構成(空間周波数、方位、露出期間)で達成されるコントラスト閾値は、コントラストファネル内に入らなければならない。近眼の人はぼやけ遠視力(非矯正時または矯正状態で)に悩まされているので、多くの患者は様々な空間周波数および方位に対する有効コントラストファネルを超過するかもしれない。

0072

コントラストを要求範囲内に維持するために、屈折矯正が低減された訓練用眼鏡を患者に提供することが好ましい。

0073

訓練用眼鏡の屈折値は、訓練眼の決定(左、右、または両眼)、それぞれの眼の非矯正視力、および患者の屈折に応じて決定される。この決定は、達成されたコントラストレベルに基づいて、治療の過程で変更することができる。

0074

提供される訓練用眼鏡の屈折は、0.5ディオプター(D)の間隔で、しかしそれに限定されず、から被験者の最良の屈折矯正までの間の任意の値とする。例えば、−1.75Dの屈折異常を持つ被験者には、−1.5Dまたは−1.0Dまたは−0.5Dの屈折率または屈折が全く無い訓練用眼鏡を与えることができる。

0075

空間周波数
個別化された治療セッションを通して、刺激のサイズ(空間周波数)は、低い空間周波数から始めて徐々により高い周波数へ移動しながら変更される。

0076

訓練空間周波数は、コンピュータによる評価中に測定される亜正常のレベルに従って選択される。近眼の人はしばしば、部分屈折矯正を使用するとき、または矯正しないとき、中ないし高空間周波数で亜正常のコントラスト感度に悩まされている。

0077

達成される知覚学習を安定化するために、性能に従って、同一空間周波数の繰返しが適用される。

0078

空間周波数は眼スワップ管理にも依存する。例えば両眼訓練から単眼訓練へスワップするときに、高い空間周波数が低い空間周波数に低減される。

0079

方位
各空間周波数で、患者は様々な方位で訓練される。第一世代の適用では、光学的非点収差が無効になるように、被験者は最良の屈折矯正を使用して訓練されるが、ここでは訓練方位は経線亜正常のレベルによって選択される。

0080

乱視が存在しない場合、訓練方位は0度、45度、90度、および135度である。しかし、乱視がある場合、より容易な方位から始めて、徐々にひずみ領域へと進みながら、乱視ゾーンに徐々に近づく。各空間周波数で、6つの方位またはさらにそれ以上が関係することがある。例えば90度で非点収差のある被験者は次の順序で、つまり0、135、45、60、75、90、または0、45、135、105、75、90、または同様の順序で訓練することができる。

0081

軽度の乱視の臨床治療結果
軽度の近視または低度の屈折異常を有する被験者の治療で、上述した第二世代の適用に従って試験が実行された。軽度の近視とは、最高−1.5DS(球面度)までの球面屈折および−0.5DC(円柱度)までの非点収差と定義される。

0082

軽度の近視は世界中で1億人以上に影響を及ぼしている。軽度の近視の罹患率は中国人口の間でより高い。シンガポール、香、および台湾では、人口の80%以上が近視であり、人口の30%は軽度の近視の定義の範囲内に該当する。

0083

軽度の近視の治療の効率は2つの前臨床試験で立証された。悪い方の目で球面度≦1.50DSの近視およびいずれか一方の目で≦0.50DCの乱視、および悪い方の目で非矯正VAベースライン視力≦20/100を持つ成人(17歳〜55歳)で治療が試験された。

0084

臨床試験の成功基準は次の通りである。
1.ベースラインUCVA<=20/32の場合、最終UCVA<=20/20
2.ベースライン20/32<UCVA<=20/63の場合、最終UCVA<=(ベースライン‐2ETDRSライン)
3.ベースライン20/63<UCVA<=20/100の場合、完了した被験者の最小限60%で、最終UCVA<=20/40

0085

以下は試験結果の最重要点である。
1.成功率は79.5%であった(34眼のうち27眼)
2.平均視力改善は2.7ETDRSラインであった。
3.治療した目の55%が20/25以上の視力に達する一方、35%は20/20以上(「超正常視力」)の視力まで改善した。
4.コントラスト感度関数(CSF)は際立って顕著に改善した。治療後の非矯正CSF平均は充分に正常範囲内であった。

0086

図14は、治療した全ての目の個々の非矯正視力の改善を表す。図15は、治療段階中の治療群の平均CSF(コントラスト感度関数)の改善を示す。

0087

以下は、第一および第二世代の適用間の主要な相違点である。

0088

コントラストファネル
用語「コントラストファネル」とはニューロビジョン(NeuroVision)治療を受けながら、最適視力改善を得るために患者が到達することが期待されるコントラストレベルの望ましい範囲を指す。

0089

このコントラスト範囲(最小コントラストおよび最大コントラストとして定義される)は次のような一連のパラメータに依存する。
1.改善の目標とする患者の目の状態
2.規範値‐正常視力の被験者が同様のタスクで達成するであろう値
3.VPT空間周波数
4.VPT方位
5.VPT露出期間
6.使用する訓練用眼鏡
7.訓練モード‐両眼または単眼

0090

例えば斜め方向の最適コントラスト範囲は、縦方向および横方向の場合より高い。

0091

治療アルゴリズムは、個々の患者がファネル内の所望のコントラストレベルを達成することを可能にするために、治療セッションのパラメータを調整する。

0092

好適なハードウェアおよびソフトウェア実現
図16〜21は、上述した本発明の好適なハードウェアおよびソフトウェア実現を示す。

0093

図16に示したハードウェア実現は、ホストサーバー800およびクライアント端末820を含む。ホストサーバー800は一般的に、情報要求を受信して応答するように構成されたサーバーソフトウェア801を持つ、ネットワーク上のコンピュータシステム802である。一般的に、コンピュータシステム802は、データファイル格納し、かつネットワークトラフィックを含むネットワーク資源を管理するためにも専用される。コンピュータシステム802は一般的にプロセッサ804およびデータ格納装置806を含み、一般的にインターネット840のようなグローバル通信ネットワークに接続される。

0094

ホストサーバー800はプロセッサ804を通して、本明細書に記載する好適な方法に従ってプロセッサ804に多数の活動を実行させる一連の命令備えたソフトウェア808にアクセスする。ホストサーバー800はまた、システムの個人に関する情報を格納するクライアントデータベース812にもアクセスする。この情報は、識別情報および過去のVPTセッション中の個人の性能に関連するデータを含むことができる。クライアントデータベース812は、クライアント端末820など、ホストサーバー800の外に常駐することができる。

0095

クライアント端末820は、個人がホストサーバー800にアクセスするためのインタフェースを提供するリモート端末である。クライアント端末820は一般的に、インターネット840のような通信ネットワークによってホストサーバー800に通信可能に結合されたコンピュータシステム822である。コンピュータシステム822は一般的にプロセッサ824、データ格納装置826、ディスプレイ画面828、入力装置830、および本明細書に記載の方法に従ってプロセッサ824に多数の活動を実行させる一連の命令を備えたソフトウェアを含む。

0096

図17は、該方法がホストサーバー800でいかに実行されるかの好適な実現を表すフローチャートである。ステップ900から開始され、ホストサーバー800は最初にクライアント端末820からVPTセッションへのアクセス要求を受信する。この要求は、インターネット840のような通信ネットワークで、クライアント端末820からホストサーバー800へ送信される。

0097

ステップ902で、クライアント端末820からの要求が有効であるかどうかを決定するために認証ルーチンが実行される。一般的に、ホストサーバー800はこれを、インターネットでクライアント端末820にユーザ名およびパスワードの入力要求を送信することによって行う。ステップ904で、クライアント端末820からユーザ名およびパスワードデータを受信すると、ホストサーバー800はそのデータを、クライアントデータベース812に格納されたユーザ名およびパスワードデータと比較する。ホストサーバー800が個人を真正であると決定すると、プロセスはステップ906に続く。個人が真正でないとみなされる場合、ステップ918に示すように、VPTセッションへのアクセスが拒絶されることを個人に通知するメッセージがクライアント端末820に送信される。その時点で、個人は彼または彼のユーザ名およびパスワード情報を何回も再入力することができるかもしれない。

0098

ホストサーバー800が供給されたユーザ名およびパスワードが本物であると決定した後、ステップ906で、VPTセッションが選択され、初期組のVPTセッションパラメータが生成される。一般的に、これらのパラメータは事前に定められる。VPTセッションは下述する方法によって選択され、VPTセッションパラメータはステップ916に関連して下述するように生成される。VPTセッションパラメータは、コントラストレベル、輪郭、空間周波数、物体間距離、ターゲットの配置、局所的および/または大域的方位、ならびに個人の視覚プロセスを試験または改善するために使用されるVPTおよびVPT画像100の各々のためのプレゼンテーション時間のような項目を定める。

0099

ステップ908で、初期VPTセッションパラメータがインターネット840でクライアント端末820に配信される。クライアント端末820に常駐するソフトウェアは、VPTセッションパラメータを受信し、それらを使用してVPT画像100およびVPTを動的に生成するように構成される。ひとたびパラメータが配信されると、ホストサーバー800とのさらなる対話を必要とせずに、VPTセッションをクライアント端末820で単独で実行することができる。この好適な構成は、VPTセッションを遅延または中断無く個人に施すことを可能にする。

0100

VPTセッションが個人に施された後、ステップ910で、ホストサーバー800はクライアント端末820から一組の個人性能データを受信する。個人性能データとは、VPTセッション中に施与された各シリーズのVPTに対し生成された安定値を主として含む、個人の性能に関するデータである。それはまた、クライアント端末820によって受信されたユーザ入力の一部または全部を含めることもできる。個人性能データはクライアント端末820によって生成され、次いでインターネット840でホストサーバー800に返送される。

0101

ステップ912で、ホストサーバー800はクライアント端末820から受信する個人性能データを格納する。

0102

ステップ914で、ホストサーバー800は個人性能データを解析して、視覚障害を明らかにし、かつ個人の視覚プロセスの性能のレベルを決定する。ソフトウェア808は、プロセッサ804がこの解析を実行するための命令およびデータを提供する。これは、個人性能データを「正常視力」の個人から収集したデータ、つまり視覚プロセスの各々の異なる側面に対する一般的な許容レベルの性能に基づくデータと比較することによって行われる。これは個人の性能レベルを評価するのに役立つ。プロセッサ804は、データ格納装置806に格納されている「正常観測者」の性能データに関連するデータを使用して、この比較を実行する。

0103

ステップ916で、少なくとも部分的にホストサーバー800によって受信された個人の性能データに基づき、かつプロセッサ804によって個人の性能データに対して実行される分析に基づき、次のVPTセッションで使用するための新しいVPTセッションパラメータが生成される。これらの新しいパラメータは、個人の性能レベルに基づいて個人の視覚的能力をさらに改善するために、再び特定のVPT画像100およびVPTを定義する。

0104

図16に示したハードウェアのさらなる詳細および図17のフローチャートの操作は、多くの変異および変形と共に、2002年11月13日に出願され、2003年6月12日に米国特許出願第2003/0109800号として公開された上記の米国特許出願第169609号にさらに詳しく記載されており、その内容を参照によって本書に組み込む。

0105

図18は、選択されたVPTセッションを決定する好適な方法を示す。図18に示すフローチャートは、初期評価が開始される前に(ステップ950、952)、治療中に患者に適用される訓練用眼鏡の型について決定が行われる(ステップ954、956)ことを除いて、上記の公開された米国特許出願第169609号のフローチャート(図10)と同様である。前述の通り、それぞれの目のために屈折を低下させた訓練用眼鏡が、特に治療される目の状態が乱視の有無に関係なく近視である場合に、治療される一方または両方の目に適用される。したがって、コントラストを所望の範囲内に維持するために、低減された屈折矯正付きの訓練用眼鏡が患者に提供される。

0106

前にも述べた通り、訓練用眼鏡の型が決定されるだけでなく、訓練される目も決定される。治療中に、目のスワップが行われ、そこで訓練される目が左眼右眼、または両眼に変更される。訓練される目、訓練用眼鏡、および空間周波数の変更の間に論理的依存性がある。訓練される目が変更されるときに、空間周波数のみならず、訓練用眼鏡も変更することができる。

0107

図18のフローチャートに示した残りの操作は基本的に、上記公開特許出願に記載されたものと同一である(図10)。

0108

したがって、そこに記載される通り、個人の視覚的能力を確定する評価段階および個人の視覚を改善する治療段階の2つの形のVPTセッションが利用可能である。したがって、ステップ1000に示す通り、VPTセッションの選択における第1ステップは、個人が評価段階を受けたことがあるかどうかを決定することである。評価が完了していない場合、プロセスにおける次のステップは、ステップ1002に進むことである。そうでない場合、フローチャートはステップ1010に続く。

0109

評価段階およびステップ1002から始めて、個人は評価を受けて個人の視覚プロセスの状態を確定する。このデータは、個人の視覚障害をターゲットとする効果的なVPTの生成を可能にする。それはまた、個人の視覚が特定のVPTセッションの過程でかつ経時的に改善しているかどうかを評価するためのベースラインのデータセットをもたらす。評価プロセスは必要または希望に応じて折々実行することができる。

0110

ステップ1004で、過去のVPTセッションからのユーザ入力および性能データが解析される。このデータは、個人の視覚を評価するために使用するVPT画像100およびVPTセッションを選択するパラメータを確立するのに有用な情報を提供する。

0111

ステップ1006で、第1群の潜在的VPTセッションからVPTセッションが選択される。各VPTセッション内のVPTは、個人の視覚プロセスの様々な側面に関するデータを個人から収集し、身体的欠損または神経系欠損の有無を検出するために使用される。

0112

ひとたびVPTセッションが選択されると、ステップ1008で、VPTセッションのためのパラメータが生成される。これらのパラメータは、個人に提示されるVPT画像を規定し、特にVPTの難度を他の特性と共に制御する。

0113

ステップ1010で、個人の視覚プロセスの様々な側面を改善し、視覚障害を緩和するための治療段階が開始される。治療段階の流れは評価段階のそれとほとんど同じである。ステップ1012で、過去のVPTセッションからのユーザ入力が解析される。ステップ1014で、第2群のVPTセッションからVPTセッションが選択される。この第2群のVPTセッションは、評価段階について述べた群とは異なる。ステップ1016で、個人に提示されるVPT画像を再び規定するパラメータが生成される。

0114

図19は、評価セッションの解析に関係する操作を示すフローチャートである。3つのそのような評価セッションが示されている。

0115

第1評価セッションでは、開始サイズ/空間周波数の決定(ステップ1110)、および開始露出期間の決定(ステップ1112)が行われる。次いで、訓練用眼鏡の屈折に必要な変更について決定が行われる(ステップ1114)。データが完全でない場合、上述した操作が繰り返される(ステップ1116)。

0116

第2評価セッションでは、主な方位順序の決定(ステップ1120)、悪い方位スライスの決定(ステップ1122)、および必要な追加的方位の決定(ステップ1124)が行われる。次いで、訓練用眼鏡の屈折の変更が必要か否かの決定が行われる(1126)。データが完全でない場合、上述した操作が繰り返される(ステップ1128)。

0117

第3評価セッションでは、欠如したデータが埋められ(ステップ1130)、必要な追加のパラメータについて決定が行われる(1132)。

0118

図20および21は、治療セッションの解析に関係する操作を示す。したがって、最初の操作は、正規化達成コントラスト(ステップ1200)、各マスク距離における促進(ステップ1202)、および総合および最適範囲の促進(ステップ1204)を計算することである。次いで、正規化コントラストが満足のいくものであるか否かについて決定が行われる(ステップ1206)。否の場合、正規化コントラストが所望のファネル内にあるか否かについて決定が行われ(ステップ1208)、否である場合、訓練用眼鏡の屈折が適切に増減される(ステップ1210)。

0119

他方、操作1206で、正規化コントラストが満足のいくものであることが分かった場合、促進および最適促進が満足のいくものであるか否かについて決定が行われる(ステップ1212)。否の場合、同じ状態が繰り返される(ステップ1214)が、諾である場合、プログラムは次の状態に進む(ステップ1216)。

0120

図21のフローチャートに示すように、治療セッションで上述の操作が実行された後、視力が変化したか否か、あるいは最後の方位が行われたか否かの決定が行われる(ステップ1220)。否の場合、解析は完了するが、諾の場合、新しい視力に基づいて訓練眼が再決定され(ステップ1222)、訓練用眼鏡の屈折の必要な変化が決定され(ステップ1224)、かつ状態つまり空間周波数、方位、露出が決定される(ステップ1226)。

0121

上述の操作は、所望の「コントラストファネル」、つまり上述の治療を受けながら最適な視覚の改善を達成するために患者が到達することが期待されるコントラストレベルの望ましい範囲が達成されるまで実行される。

0122

本発明を、その具体的実施態様とともに説明してきたが、多くの変形と変更が当業技術者には明らかであることは明白である。したがって、本発明は、本願の特許請求の範囲の精神と広い範囲内に入っているこのような変形と変更をすべて含むものである。本明細書に記載のすべての刊行物、特許、特許願および言及されるアクセッション番号によって同定される配列は、あたかも、個々の刊行物、特許、特許願および言及されるアクセッション番号によって同定される配列各々が、本願に具体的にかつ個々に参照して示されているように、本願に援用するものである。さらに、本願における任意の文献の引用もしくは確認は、このような文献が本発明に対する従来技術として利用できるという自白とみなすべきではない。

図面の簡単な説明

0123

上記背景技術の説明で言及した図である。
上記背景技術の説明で言及した図である。
上記背景技術の説明で言及した図である。
上記背景技術の説明で言及した図である。
本発明に従って治療に含めることのできる視覚刺激の様々な操作を示す一連の図である。
弱視患者の低下したCSF(コントラスト感度関数)を示すグラフである。
弱視患者の異常側方相互作用を示すグラフである。
本発明に従って治療する患者の視力の改善を示すグラフである。
治療段階中の視力の改善およびその後の改善を示すグラフである。
治療段階中のコントラスト感度関数の改善およびその後の改善を示すグラフである。
それぞれ近視眼および乱視眼の状態を示す図である。
近視患者の低下したCSFを示すグラフである。
本発明に従って治療した近視患者の側方相互作用の向上を示すグラフである。
本発明に従って治療した患者の非矯正視力の改善を示す。
本発明に従った治療段階中のCSFの改善を示すグラフである。
本発明に従って構成された1つのシステムのアーキテクチャを示すブロック図である。
治療セッションサイクルにおいてサーバー側によって実行される操作を示すフローチャートである。
選択されたVPT(視覚タスク)セッションでサーバー側によって実行される操作を示すフローチャートである。
評価セッションの分析を示すフローチャートである。
治療セッションの分析を示すフローチャートである。
治療セッションの分析を示すフローチャートである。

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