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課題
射出成形技術で使用するノズル10が、ノズル本体20内に加工すべき射出成形体用の少なくとも1つの流路30を有する。この流路30は、その下端部でノズル40及びインサート50を通じて少なくとも1つの寄せ型12,13によって形成された射出成形機の鋳型に流れ連結されている。好ましくは粉末金属状の耐磨耗性の材料から製造されたインサート50が、流路30の下端部で限定的に長手方向に摺動するようにノズル40内に配置されている。さらにインサート50は、ダイカスト開口部18を形成する。射出成形ノズル10の場合、開位置と閉位置との間で移動するニードル弁60が、溶融樹脂路30及びインサート50を通過する。このインサート50は、心出し本体を形成する。流入テーパ54は、ニードル60の実際の弁部65を中心合わせする。高い熱伝導性の材料から成るノズル40が、下からノズル本体20内にねじ込まれ得る。ノズル40は、インサート50の上部53を包囲する。又はノズル40及びインサート50を一体的に形成し、これらを一緒に長手方向に摺動するようにノズル本体20内に挿入する。ノズル40及び/又はインサート50がしっかり保持されるように、インサート又は心出し本体50が、支持フランジ52を有する。
概要
背景
流体状の物質、特に溶融樹脂を分離可能な工具ブロック(寄せ型)に供給するため、通常の射出成形ノズル、特にホットランナノズル又はコールドランナノズルが利用される。これらのノズルは、多くの場合に温度調節されるノズル本体を有する。流路又は溶融樹脂路が、このノズル本体内に形成されている。この流路又は溶融樹脂路は、ノズルに通じかつ射出成形機の寄せ型によって形成された鋳型の中空体(Formkavitaet)に流体連結されている。溶融物が、寄せ型まで同じ温度に保持されるように、下から固定してノズル本体内に格納されたノズルが、高温を伝える材料から成る。隙間が、熱的に分離するために射出成形ノズルと工具との間に形成されている。
この場合、特に摩滅成分で充填されている材料の加工時に、ノズルの磨耗が比較的高いことが欠点である。したがって、ノズルを規則的な間隔で交換する必要がある。このことは、従来のノズルの場合はこれに応じて時間がかかる。
同じ問題が、ニードル・ノズル(Nadelverschlussduesen) で存在する。これらのニードル・ノズルは、多くの場合に空気式又は油圧式に作動されるニードル弁を有する。これらのニードル弁は、開位置から閉位置に周期的に移動される。この場合にノズル及び工具の損傷を阻止するため、可能な限り精確なニードルの送りが必要である。
これに対して例えばドイツ連邦共和国特許第32 45 571 号明細書は、ニードル弁を下の端部で多段に形成することを提唱する。この場合、直径方向に拡張した作動縁部が、ニードルの実際の弁部分の前方に設けられている。ノズルが、ホッパーを有する心出し本体を形成する。好ましくはシリンダ状の弁部分が常に非接触にノズル内に挿入されるように、ホッパーが、閉鎖過程時にニードル弁の作動縁部に連動する。
ノズル本体内にしっかりと挿入された心出し本体の磨耗をさらに低減するため、この心出し本体は、高剛性の材料から製造される。それにもかかわらず、ここではノズルを規則的な間隔で設置する必要がある。このことは、相当な経費につながる。しかも望ましくない熱拡散が、ダイカスト開口部及び密閉座の領域内で発生する。ダイカスト開口部及び密閉座は、さらに寄せ型内にも存在する。ダイカスト開口部及び密閉部を磨耗に対して保護する必要がある場合、このことは、高い経費だけによって可能である。
端部で円錐形に形成されたノズルパッキンが、寄せ型とノズル本体との間に設けられていることによって、ドイツ連邦共和国特許出願公開第 31 24 958号明細書(=米国特許第4,286,941 )が、このことを阻止する。このノズルパッキンは、絶縁する隙間を越えて寄せ型内の適切に形成された開口部に延在する。ノズルパッキンの内側の孔が、同様に円錐形に形成されている。この孔は、ダイカスト開口部の形成下でニードル弁の先細り端部をその閉鎖位置内に収容する。ノズル本体内にしっかりと固定されたノズルパッキンが、熱を伝えにくい材料から製造され、鋳型の内壁の一部を形成する。
したがって、確かに、ニードル弁の外部加熱したノズル本体と冷たい工具との間が熱的に分離される。しかしながら、寄せ型までの均質な温度分布に対する高い熱伝導性のノズルは設けられていない。ノズルパッキンの交換は、比較的高い経費及び工具の使用だけによって可能である。さらに、寄せ型内のノズルパッキンが、再生不可能な支持部であることが欠点である。その結果、ノズルパッキンの前面と鋳型の内壁との間の異なる熱膨張が原因で、詰まり(Versatz) が発生しうる。このことは、生産結果に不利に影響しうる。
ヨーロッパ特許出願公開第0 638 407 号明細書は、ノズル本体を有する射出ノズルを開示する。熱分散を向上させるため、高い熱伝導性のノズルが、ノズル本体内の端部に固定して取り付けられている。ノズルは、加熱された鋼製の中心ブッシュを収容する。中心ブッシュの自由端部が、寄せ型内のショルダーに係合する。中心ブッシュは、ニードル弁の中心合わせに使用される。ニードル弁は、シリンダ状の弁部分によって寄せ型内に形成されたダイカスト孔の非常に短いシリンダ状の部分を閉鎖する。ホットノズルから寄せ型に向かう熱伝導を僅かに保持するため、中心ブッシュが、同様に最小限の深さだけで寄せ型に接触する。
この場合、ノズル及び中心ブッシュがノズル本体内に固定して取り付けられている点が欠点である。このことは、磨耗部品の急ぎの交換を阻止する。しかも、寄せ型内の最も短い座は、ノズル本体の熱膨張を補償できるようにするため、延長継目が中心ブッシュと寄せ型内のショルダーとの間に依然として残るという問題を取り付け時に招きうる。中心ブッシュが、最も短い座によって鋳型内に正しく受け止められない場合、特に中心ブッシュが傾く時に、損傷が、ホットノズルの加熱時に発生しうる。その他の欠点は、中心ブッシュが鋳型まで達しない、すなわち密閉座が寄せ型内に存在する点にある。ニードル弁が、ダイカスト孔の非常に短いシリンダ状の部分だけを閉鎖するので、迅速な漏れが、特に制御の困難な熱膨張によって引き起こされうる。
ドイツ連邦共和国特許第 32 45 571号明細書
ドイツ連邦共和国特許出願公開第 31 24 958号明細書
ヨーロッパ特許出願公開第 0 638 407号明細書
概要
射出成形技術で使用するノズル10が、ノズル本体20内に加工すべき射出成形体用の少なくとも1つの流路30を有する。この流路30は、その下端部でノズル40及びインサート50を通じて少なくとも1つの寄せ型12,13によって形成された射出成形機の鋳型に流れ連結されている。好ましくは粉末金属状の耐磨耗性の材料から製造されたインサート50が、流路30の下端部で限定的に長手方向に摺動するようにノズル40内に配置されている。さらにインサート50は、ダイカスト開口部18を形成する。射出成形ノズル10の場合、開位置と閉位置との間で移動するニードル弁60が、溶融樹脂路30及びインサート50を通過する。このインサート50は、心出し本体を形成する。流入テーパ54は、ニードル60の実際の弁部65を中心合わせする。高い熱伝導性の材料から成るノズル40が、下からノズル本体20内にねじ込まれ得る。ノズル40は、インサート50の上部53を包囲する。又はノズル40及びインサート50を一体的に形成し、これらを一緒に長手方向に摺動するようにノズル本体20内に挿入する。ノズル40及び/又はインサート50がしっかり保持されるように、インサート又は心出し本体50が、支持フランジ52を有する。
目的
本発明の課題は、従来の技術のこれら及びその他の欠点を解決すること、及び、射出成形機で使用する射出成形ノズルを提供することにある。この射出成形ノズルは、簡単な手段によって安価に構成されていて、同様にノズル及び/又はこのノズルの中に設けられているインサートの簡単で迅速な交換を可能にする。この場合、温度分布の欠点及び熱膨張の影響を大幅に排除しなければならない。ニードル・ノズルとしての射出成形ノズルの構成では、さらに、高い交換負荷の下でも常に確実な動作を保証する不変に精確なニードルの送り及び密閉を実現しなければならない。
効果
実績
- 技術文献被引用数
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- 牽制数
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請求項1
ノズル本体(20)を有する射出成形機内で使用する射出成形ノズル(10)にあって、加工すべき射出成形体用の少なくとも1つの流路(30)が、ノズル本体(20)内に形成されていて、この流路は、ノズル(40)に合流し、その端面が、ノズル(40)内に設けられているインサート(50)を通じて少なくとも1つの寄せ型(12,13)によって形成された射出成形機の鋳型に流れ連結されている射出成形ノズルにおいて、ノズル本体(20)内に配置されたノズル(40)及び/又はノズル(40)内に配置されたインサート(50)が、長手方向に摺動するように形成されていて、射出成形ノズルが、動作の間にノズル本体(20)と寄せ型(12,13)との間に挟み込まれていることを特徴とする射出成形ノズル。
請求項2
インサート(50)の首部(53)が、ノズル(40)内に挿入可能であることを特徴とする請求項1に記載の射出成形ノズル。
請求項3
請求項4
インサート(50)の端部(56)が、寄せ型(12)内に突出する請求項1〜3のいずれか1項に記載の射出成形ノズル。
請求項5
端部(56)は、ダイカスト開口部(18)を有するか又は形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の射出成形ノズル。
請求項6
端部(56)は、鋳型の一部を形成又は限定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の射出成形ノズル。
請求項7
端部(56)の少なくとも一部が、寄せ型(12)に形合わせされていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の射出成形ノズル。
請求項8
インサート(50)は、射出成形ノズル(10)に対する心出し本体を形成する請求項1〜7のいずれか1項に記載の射出成形ノズル。
請求項9
隙間(87)が、インサート(50)と寄せ型(12)との間に形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の射出成形ノズル。
請求項10
ノズル(40)は、高い熱伝導性の材料から製造されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の射出成形ノズル。
請求項11
インサート(50)は、高い熱伝導性の材料又は熱を伝えにくい材料から製造されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の射出成形ノズル。
請求項12
ノズル(40)及びインサート(50)は、一体的にかつ同じ材料から製造されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の射出成形ノズル。
請求項13
インサート(50)は、耐摩耗性の材料から製造されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の射出成形ノズル。
請求項14
ノズル(40)及び/又はインサート(50)は、開口ダイカスト(90)を形成することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の射出成形ノズル。
請求項15
ノズル(40)及び/又はインサート(50)は、円錐状のノズル先端(94)を有するか又は形成し、このノズル先端(94)は、分離面(16)に接するか又は分離面(16)から突出することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の射出成形ノズル。
請求項16
支持スリーブ(70)が、インサート(50)と寄せ型(12)との間に配置されていることを特徴とする請求項14又は15に記載の射出成形ノズル。
請求項17
支持スリーブ(70)が、長手方向に摺動するように形成されていて、射出成形ノズル(10)の動作の間にインサート(50)と寄せ型(12)との間に挟み込まれていることを特徴とする請求項16に記載の射出成形ノズル。
請求項18
支持スリーブ(70)は、隙間(92)を限定することを特徴とする請求項16又は17に記載の射出成形ノズル。
請求項19
支持スリーブ(70)は、ダイカスト開口部(18)を形成することを特徴とする請求項16〜18のいずれか1項に記載の射出成形ノズル。
請求項20
支持スリーブ(70)は、鋳型の一部を形成するか又は限定することを特徴とする請求項16〜19のいずれか1項に記載の射出成形ノズル。
請求項21
射出成形ノズル(10)は、ニードルノズルであり、この場合、ニードル弁(60)が設けられていて、このニードル弁(60)は、溶融樹脂路(30)及びノズル(40)を長手方向に摺動するように通過し、開位置から閉位置に移動可能であり、この場合、ニードル弁(60)の下端が、弁部(65)を有するか又は形成し、この弁部(65)は、閉位置で密閉座(D)内に嵌合することを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の射出成形ノズル。
請求項22
ニードル弁(60)の弁部(65)に対する密閉座(D)が、インサート(50)の端部(56)内に形成されていることを特徴とする請求項21に記載の射出成形ノズル。
請求項23
インサート(50)は、ニードル弁(20)用のニードル送りを形成し、この場合、弁部(65)が、ニードル弁(60)の閉位置に到達する直前に接触するように、ニードル弁(60)はインサート(50)内に敷設されていることを特徴とする請求項21又は22に記載の射出成形ノズル。
請求項24
密閉座(D)の前方でニードル弁(60)を中心合わせするインサート(50)は、少なくとも1つの流入テーパ(54,57)を有し、この場合、第1流入テーパ(54)は、インサート(50)の首部(53)内に形成されていて、第2テーパ(57)は、端部(56)内に形成されていることを特徴とする請求項21〜23のいずれか1項に記載の射出成形ノズル。
請求項25
ニードル弁(60)は、弁部(65)に向かって先細りに形成されていて、この場合、直径のより大きいニードル部(62)から直径のより小さい弁部(65)にかけた移行部(63)が、円錐状に及び/又は円形に延在することを特徴とする請求項21〜24のいずれか1項に記載の射出成形ノズル。
請求項26
ニードル弁(60)の側面が、アーチ形部分,ゆるい斜面,凹部(68)等を有することを特徴とする請求項21〜25のいずれか1項に記載の射出成形ノズル。
請求項27
技術分野
背景技術
0002
流体状の物質、特に溶融樹脂を分離可能な工具ブロック(寄せ型)に供給するため、通常の射出成形ノズル、特にホットランナノズル又はコールドランナノズルが利用される。これらのノズルは、多くの場合に温度調節されるノズル本体を有する。流路又は溶融樹脂路が、このノズル本体内に形成されている。この流路又は溶融樹脂路は、ノズルに通じかつ射出成形機の寄せ型によって形成された鋳型の中空体(Formkavitaet)に流体連結されている。溶融物が、寄せ型まで同じ温度に保持されるように、下から固定してノズル本体内に格納されたノズルが、高温を伝える材料から成る。隙間が、熱的に分離するために射出成形ノズルと工具との間に形成されている。
0003
この場合、特に摩滅成分で充填されている材料の加工時に、ノズルの磨耗が比較的高いことが欠点である。したがって、ノズルを規則的な間隔で交換する必要がある。このことは、従来のノズルの場合はこれに応じて時間がかかる。
0004
同じ問題が、ニードル・ノズル(Nadelverschlussduesen) で存在する。これらのニードル・ノズルは、多くの場合に空気式又は油圧式に作動されるニードル弁を有する。これらのニードル弁は、開位置から閉位置に周期的に移動される。この場合にノズル及び工具の損傷を阻止するため、可能な限り精確なニードルの送りが必要である。
0005
これに対して例えばドイツ連邦共和国特許第32 45 571 号明細書は、ニードル弁を下の端部で多段に形成することを提唱する。この場合、直径方向に拡張した作動縁部が、ニードルの実際の弁部分の前方に設けられている。ノズルが、ホッパーを有する心出し本体を形成する。好ましくはシリンダ状の弁部分が常に非接触にノズル内に挿入されるように、ホッパーが、閉鎖過程時にニードル弁の作動縁部に連動する。
0006
ノズル本体内にしっかりと挿入された心出し本体の磨耗をさらに低減するため、この心出し本体は、高剛性の材料から製造される。それにもかかわらず、ここではノズルを規則的な間隔で設置する必要がある。このことは、相当な経費につながる。しかも望ましくない熱拡散が、ダイカスト開口部及び密閉座の領域内で発生する。ダイカスト開口部及び密閉座は、さらに寄せ型内にも存在する。ダイカスト開口部及び密閉部を磨耗に対して保護する必要がある場合、このことは、高い経費だけによって可能である。
0007
端部で円錐形に形成されたノズルパッキンが、寄せ型とノズル本体との間に設けられていることによって、ドイツ連邦共和国特許出願公開第 31 24 958号明細書(=米国特許第4,286,941 )が、このことを阻止する。このノズルパッキンは、絶縁する隙間を越えて寄せ型内の適切に形成された開口部に延在する。ノズルパッキンの内側の孔が、同様に円錐形に形成されている。この孔は、ダイカスト開口部の形成下でニードル弁の先細り端部をその閉鎖位置内に収容する。ノズル本体内にしっかりと固定されたノズルパッキンが、熱を伝えにくい材料から製造され、鋳型の内壁の一部を形成する。
0008
したがって、確かに、ニードル弁の外部加熱したノズル本体と冷たい工具との間が熱的に分離される。しかしながら、寄せ型までの均質な温度分布に対する高い熱伝導性のノズルは設けられていない。ノズルパッキンの交換は、比較的高い経費及び工具の使用だけによって可能である。さらに、寄せ型内のノズルパッキンが、再生不可能な支持部であることが欠点である。その結果、ノズルパッキンの前面と鋳型の内壁との間の異なる熱膨張が原因で、詰まり(Versatz) が発生しうる。このことは、生産結果に不利に影響しうる。
0009
ヨーロッパ特許出願公開第0 638 407 号明細書は、ノズル本体を有する射出ノズルを開示する。熱分散を向上させるため、高い熱伝導性のノズルが、ノズル本体内の端部に固定して取り付けられている。ノズルは、加熱された鋼製の中心ブッシュを収容する。中心ブッシュの自由端部が、寄せ型内のショルダーに係合する。中心ブッシュは、ニードル弁の中心合わせに使用される。ニードル弁は、シリンダ状の弁部分によって寄せ型内に形成されたダイカスト孔の非常に短いシリンダ状の部分を閉鎖する。ホットノズルから寄せ型に向かう熱伝導を僅かに保持するため、中心ブッシュが、同様に最小限の深さだけで寄せ型に接触する。
0010
この場合、ノズル及び中心ブッシュがノズル本体内に固定して取り付けられている点が欠点である。このことは、磨耗部品の急ぎの交換を阻止する。しかも、寄せ型内の最も短い座は、ノズル本体の熱膨張を補償できるようにするため、延長継目が中心ブッシュと寄せ型内のショルダーとの間に依然として残るという問題を取り付け時に招きうる。中心ブッシュが、最も短い座によって鋳型内に正しく受け止められない場合、特に中心ブッシュが傾く時に、損傷が、ホットノズルの加熱時に発生しうる。その他の欠点は、中心ブッシュが鋳型まで達しない、すなわち密閉座が寄せ型内に存在する点にある。ニードル弁が、ダイカスト孔の非常に短いシリンダ状の部分だけを閉鎖するので、迅速な漏れが、特に制御の困難な熱膨張によって引き起こされうる。
ドイツ連邦共和国特許第 32 45 571号明細書
ドイツ連邦共和国特許出願公開第 31 24 958号明細書
ヨーロッパ特許出願公開第 0 638 407号明細書
発明が解決しようとする課題
0011
本発明の課題は、従来の技術のこれら及びその他の欠点を解決すること、及び、射出成形機で使用する射出成形ノズルを提供することにある。この射出成形ノズルは、簡単な手段によって安価に構成されていて、同様にノズル及び/又はこのノズルの中に設けられているインサートの簡単で迅速な交換を可能にする。この場合、温度分布の欠点及び熱膨張の影響を大幅に排除しなければならない。ニードル・ノズルとしての射出成形ノズルの構成では、さらに、高い交換負荷の下でも常に確実な動作を保証する不変に精確なニードルの送り及び密閉を実現しなければならない。
課題を解決するための手段
0012
本発明の主な特徴は、請求項1中に記載されている。構成は、請求項2〜27中に記載されている。
0013
ノズル本体を有する射出成形機内で使用する射出成形ノズルの場合、−加工すべき射出成形体用の少なくとも1つの流路が、ノズル本体内に形成されている。この流路は、ノズルに合流し、その端面が、ノズル内に設けられているインサートを通じて少なくとも1つの寄せ型によって形成された射出成形機の鋳型に流れ連結されている。−本発明は、ノズル本体内に配置されたノズル及び/又はノズル内に配置されたインサートが長手方向に摺動するように形成されていて、射出成形ノズルが動作の間にノズル本体と寄せ型との間に挟み込まれていることを提唱する。
0014
長手方向に摺動する座によって、ノズル及び/又はこの中に挿入されたインサートをいつでも迅速に容易に取り外すことが可能である。工具やその他の補助手段はもはや必要でない。それにもかかわらず、ノズル又はインサートは、射出成形ノズルの動作の間に確実に保護されている、すなわちノズルと寄せ型の間に挟み込まれている。ノズル又はインサートを固定する追加の手段又は補助手段は必要でない。射出成形ノズルは、何回も再利用され得る。
0015
別の重要な利点は、ノズル及び/又はこの中に長手方向に摺動するように敷設されたインサートを交換するための装置を変える時間が最小限に低減される。このことは、工具のコストに有利に作用する。このことは、修理の場合に同様に成立する。
0016
さらに、例えば開口ダイカスト又はノズル先端を有する射出成形ノズルの代わりに、ニードル・ノズルを使用しなければならない場合又はダイカスト点の直径を変更しなければならない場合、インサートが、別の構造形又は実施形によっていつでも迅速に容易に交換され得ることが利点である。
0017
本発明の射出成形ノズルは、ホットランナノズル又はコールドランナノズルでもよい。
0018
インサートに形成されたフランジは、インサートに対する確実な当接面をノズル及び寄せ型に対して形成する。さらに、射出成形ノズルと工具とが熱的に良好に分離される。しかしながら他方では、インサートが完全に冷却され得ない。このことは、流路内の冷たい詰まりの形成の危険を低減する。これに対して高い熱伝導性のノズルは、寄せ型までの最適な温度分布を提供する。
0019
さらにインサートのフランジは、具体的な基準面を提供する。その結果、インサートの位置及びノズルと寄せ型との間の距離が精確に調整され得る。インサート自体が、ノズル本体を寄せ型に対して中心合わせする。この場合、ダイカスト開口部が、特にインサート内に形成されている。さらにこのインサートは、鋳型の内壁の一部を形成する。その結果、目視不可能なダイカスト点が生じる。
0020
本発明のその他の特徴,詳細及び利点を特許請求の範囲及び以下の図面に基づく実施の形態の説明から説明する:
発明を実施するための最良の形態
0021
図1中に共通に10で示した射出成形ノズルは、ニードル・ノズルとして形成されていて、(これ以外に図示しなかった)射出成形機の構成要素である。射出成形ノズルは、ハウジング11内に好ましくは外部加熱するノズル本体20を有する。流路30が、このノズル本体20内で長手軸線Lに対して同軸に形成されている。加工すべき溶融樹脂、例えば金属溶融樹脂,シリコン溶融樹脂又は合成溶融樹脂が、材料供給開口部17から流路30を通じて(詳しく示さなかった)鋳型に供給される。この鋳型は、寄せ型12,13間に形成されている。これらの寄せ型12,13は、(図示しなかった)工具板に固定されている。
0022
熱伝導性の材料から成るノズル40が、下からノズル本体20内に挿入、特にねじ込まれている。このノズル40は、溶融樹脂路30を下へ向かって形成する。ノズル40,ノズル本体20,ハウジング11及び寄せ型12は、隙間15を限定する。この隙間15は、射出成形ノズル10と寄せ型12とを互いに熱的に分離する。射出成形ノズル10のハウジング11が、隙間15の上で寄せ型12によって収容される。この場合、(詳しく示さなかった)接触面が、心出し部19を形成できる。
0023
耐磨耗性の材料から成るインサート50が、ノズル40と寄せ型12との間に軸線に沿って摺動するように配置されている。このインサート50は、射出成形ノズル10を寄せ型12に対して中心に合わせ、−隙間15と同様に−ノズル40と寄せ型12との間に熱的な分離をもたらす。すなわち、溶解可能な溶融樹脂が、高熱伝導性のノズル40を通じて鋳型まで一定の温度に保持される。同時に心出し本体50は、冷却された寄せ型12が熱せられることを阻止する。
0024
図2中には、図1の一部Iが拡大されて示されている。心出し本体50が、長手軸線Lに対して全体的に回転対称に形成されていることが分かる。この心出し本体50は、フランジ52及び幅の狭いシリンダ状の首部53を有する。この首部53は、下から溶融樹脂路30又はノズル40内に挿入されていて、長手方向に摺動するように敷設されている。
0025
心出し本体50が、その鋳型に面した端部に同様にシリンダ状の端部56を有す。この端部56は、長手軸線Lに対して同軸にダイカスト開口部18を形成し、同時に長手方向に摺動するようにシリンダ状の座86内に嵌合する。寄せ型12によって形成されたこの中心座86は、ダイカスト開口部18に対して同軸にあり、上に部分で段差状に及び/又は円錐状に形成され得る。その結果、心出し本体50の端部56が、取り付け時に常に問題なく座86内に収容され、射出成形ノズル10が、取り付け時に常に確実に中心合わせされる。
0026
端部56の外径は、寄せ型12に密に形合わせされている。その結果、溶融樹脂が、隙間15内に到達できない。それにもかかわらず、場合によっては、射出成形ノズル10の熱による長手方向の変化を一緒に補正できるようにするため、座86内の心出し本体50の長手方向の移動が可能である。このことは、首部53に対して同様に成立する。この首部53の外径も、ノズル40の内径に密に形合わせされている。したがって、一方では長手方向の摺動が保証されていて、他方では密な連結が発生する。
0027
端部56の例えば平坦に形成された前面58が、鋳型の一部を限定する。この場合、前面58及び(図示しなかった)鋳型の内壁がほぼ同一平面上に延在する。その結果、ダイカスト点(Angusspunkt) が、製造すべき製品上で目視不可能である。
0028
射出成形ノズル10の流路30が、心出し本体50を通じて形成される。これに対して、心出し本体50は、流動路59を形成する。この流動路59は、ダイカスト開口部18で終了する。その結果、溶融樹脂が、ホットノズル10の中心の整向に基づいて常に妨害されずに鋳型内に流入できる。
0029
ダイカスト開口部18を開閉するため、軸線方向に摺動可能なニードル弁60が設けられている。このニードル弁60は、溶融樹脂路30及びノズル40を長手方向に摺動して通過し、(図示しなかった)空気式の動作によって開位置から閉位置に移動され得る。少なくとも一部がシリンダ状に形成され、長手軸線Lに沿って直径内で幾重にも段差付けされたニードル弁60の端部が、弁部65を有する。この弁部65は、閉位置で心出し本体50の端部56を通過してダイカスト開口部18に嵌合する。このダイカスト開口部18は、ニードル弁60用のシリンダ状の密閉座Dを同時に形成する。
0030
直径内のより大きいニードル部分から直径内のより小さい部分にかけた遷移部分が、円錐又は円形に延在し得る。この場合、反り上がり縁部64が、ニードル部62とこれに連結している弁部65との間に形成されている。この反り上がり縁部64の直径は、ニードル弁60の弁部65の端部側の密閉縁部66の直径より大きい。
0031
反り上がり縁部64は、ニードル弁60を溶融樹脂路30内のその中心位置から偏向した場合に心出し本体50によって中心合わせするために使用される。したがって、壊れやすい弁部65が損傷せず、ダイカスト開口部18が常に圧密に閉鎖される。これに対して、第1流入テーパ54が、心出し本体50の首部53内に設けられている。第1流入テーパは、長手軸線Lに対して同心状にシリンダ状の案内部55内に移行する。この案内部55の内径は、ニードル弁60のニードル部62の外径より大きい。ダイカスト開口部18の前に形成された心出し本体50内の第2テーパ57が、案内部55の内径をニードル弁60の弁部65の直径に低減する。
0032
溶解可能な材料が、動作中に材料供給開口部17を通じて射出成形ノズル10に供給される。この溶解可能な材料は、流路30,ノズル40,流動路59及びダイカスト開口部18を通過して鋳型に流入する。例えばノズル40とインサート50との間の作動スリット88は、ノズル本体20及びノズル40が作動温度に達するまで妨害されずに膨張できるように決定されている。動作温度に達すると、インサート50が、ノズル40によってノズル本体20と寄せ型12との間に固定して挟み込まれる。この場合、フランジ52の下面が、下の接触面51を形成する。フランジ52は、インサート50の目視可能な拡張部分によって形成される。接触面51は、寄せ型のステップ14に平面状に当接する。この場合、インサート50の端部の(詳しく示さなかった)高さは、前面58によって一緒に形成されたインサート50が常に同一平面にあるように決定されている。スリット88を限定するフランジ52の上面が、ノズル40の下の前面に一体的に密接する。その結果、フランジ50が常に位置を精確に保持されている。
0033
ニードル弁60が、−図3a〜3c中に示したように−開位置からその閉位置に移動する場合、ニードル弁60は、反り上がり縁部64及び第1流入テーパによって長手軸線Lに対して自動的に中心合わせして整合される。この場合、弁部65が、密閉座D内に入るまで、ニードル部62が、心出し本体50の案内部55内で位置安定にさらに挿入される(図3c)。この場合、反り上がり縁部64から密閉縁部66までの長さx+yが、案内部55及び第2テーパの長さb+cより小さいので、ニードル弁60の壊れやすい密閉縁部66が、ノズル40にも心出し本体50にも当接しない。好ましくは弱く丸くされたニードル弁60の密閉縁部66が密閉機能を有さず、心出し本体50が好ましくは耐磨耗性の材料から成るので、反り上がり縁部64と流入テーパ54との接触は問題でない。
0034
望ましくない逆圧が、ニードル弁60の閉鎖過程の間に溶融樹脂内で発生しないように、心出し本体50内の第1流入テーパ54が、(詳しく図示しなかった)ニードル弁60を同心状に摺動可能に包囲するリブ,軸リブ等を有してもよい。これに加えて又はこの代わりに、ニードル弁60を−図2中に示したように−ニードル部62の領域内の側面にアーチ形部分又は凹部68を有する。その結果、ニードル弁60によって排除された溶融樹脂が、妨害されずに溶融樹脂路30内に流れ戻され得る。凹部68は、図2の実施形ではほぼV字状に形成されている。
0035
ニードル弁60も、−図3cに示したように−その弁部65又はこの弁部の (詳しく図示しなかった)前面によってインサート50と同一平面に閉鎖する。その結果、ほとんど目視不可能なダイカスト点が、弁部上に生じる。必要に応じて、弁部は、打ち出し部(Praegung)を有してもよい。
0036
例えばインサート50が、その最大の耐用期間に達したために、このインサー50を交換する必要がある場合、最初に材料供給開口部17を通じた液状の合成樹脂の流入が遮断される。引き続き射出成形ノズル10が、工具から取り出されるか又は寄せ型12,13から除去される。インサート50が露出された直後に、このインサート50は、ノズル40だけから引き出され、新しいインサート50に交換する必要がある。これに対して、工具は必要ない。インサート50は、もはや迅速に容易に取り外すことができ、同様に迅速に容易に挿入することができる。交換のための時間及び作業経費は最小限である。
0037
例えば、別のニードル弁60又は別のダイカスト開口部18が使用されなければならない場合、密閉座Dの直径も、インサート50によって同様に簡単に変更することができる。密閉座Dが、インサートD内に形成されているので、ニードル弁60は、ノズル10を常に確実に閉鎖できる。それ故に、ノズル10の熱による長さの変化が密閉に影響しない。
0038
図4の実施の形態では、射出成形ノズル10が、同様にニードル・ノズルとして形成されている。この射出成形ノズル10は、上のニードル弁62に大きい直径を有する軸線方向に沿って摺動するニードル弁60を有する。この直径は、円錐状の又は円形の移行部63で弁部65に向かって先細る。
0039
摺動するインサート50が、ノズル40の下端部方向に突出する。このインサート50は、ニードル弁60及びノズル10に対する心出し本体を形成する。これに対して心出し本体50は、上部の首部53を有する。この首部53は、軸線方向に沿って摺動するようにノズル40及び第1流テーパ54内に挿入可能である。この第1流入テーパ54は、ニードル弁60の反り上がり縁部64に連動する。端部56が、寄せ型12内の中心座86に嵌合し、ニードル弁60用のもう1つのテーパ57有する。
0040
インサート50が、首部53と端部56との間に支持フランジ52を有する。この支持フランジ52の軸線方向に形成されたリング状の回転リブ82が、寄せ型12のステップ14上に設置される。これに対して作動スリット88に隣接するフランジ52の上面は摺動するように形成されている。ノズル10が、その動作温度に達した時に、この上面は、ノズル40に水平に隣接する。
0041
シリンダ状の端部56が、長手軸線Lに対して同軸にフランジ52に隣接する。端部56の端面が、ダイカスト開口部18及びその中にニードル弁60用の密閉座60を形成する。さらに案内部55及び第2テーパ57が、端部56内に形成されている。図4中では、どのようにしてニードル弁60が、開位置からその閉位置に達するかが分かる。この場合、弁部65が、密閉座D内に一体的に嵌合し、これによってダイカスト開口部18を閉鎖する。この場合、弁部65の密閉縁部66が、その一部を鋳型内に深く突出させる。
0042
図4の実施形では、ノズル40とインサート50とが別々に形成されている。この場合、ノズル本体20内に取り付けられたノズル40が、高い熱伝導性の材料から成り、長手方向に摺動するインサート50が、耐熱性の材料から成る。
0043
これに対して図5中に示された射出成形ノズル10の構成は、ノズル40とインサート50とが一体的にかつ全体的に高い熱伝導性の材料から製造されている。ノズルの一部40,50が、下からノズル本体20内に長手方向に摺動するように挿入される。この場合、さらにフランジ52に接して形成されたインサート50の回転リブ82が、寄せ型12のステップ14上で支持される。これに対してノズル40が、例えば円錐状のカラーの形態のストッパ22をノズル本体20内に有する。
0044
図5中では、フランジに接して形成された回転リブ82が、比較的小さい接触面を形成すること及び長手方向に摺動するように座86内に嵌合する端部56が、減少した壁の厚さを有する。良好な熱伝導性のノズルの一部40,50から寄せ型12への熱伝導が、この手段によって最小限に保持される。−インサート50の端部56が、寄せ型12に直接接触しているので−この端部56は、確かに寄せ型12の温度をほぼ受け取る。端部56内の僅かな壁の厚さによって及び端部56と寄せ型12との間にさらに形成された隙間87によって、しかしながら熱の損失は比較的僅かに保持される。端部56内の低減された壁の厚さは、好ましくは外周に沿って形成されたステップ81によって、すなわち外径の低減によって実現される。内部孔59は、これに応じて段差状又は円錐状に形成され得る。ステップ81が、好ましくはリング状の隙間87内にあることが好ましい。その結果、比較的急な温度勾配がそこに形成され得る。
0045
この実施形のさらに重要な利点は、流路30がノズルの一部40,50によってダイカスト開口部18まで常に最適に温度調節されることにある。これによって、いわゆる冷たい詰まりがダイカスト開口部18の前方で発生しない。このことは、生産結果に良好に作用する。同時に、ノズルの一部40,50が、ノズル本体20から簡単に引き出され、新しいノズルの一部を挿入することによって交換することによって、ノズルの一部40,50は、磨耗時又は幾何学的変化の場合にいつでも迅速に容易に交換され得る。
0046
図5中にさらに示すように、ノズルの一部40,50は、ニードル弁60用の第1流入テーパ60でもよい。このノズルの一部40,50は、インサート50の端部56の領域内で案内部55内に移動する。この案内部55は、第2テーパ57で終了する。この第2テーパ57は、ダイカスト開口部18内に直接合流する。
0047
図6は、開口ダイカスト90を有するニードル弁60なしの射出成形ノズル10を示す。この開口ダイカスト90の端面が、インサート50の端部56によって形成される。このインサート50は、ここでもノズル40と一体的にこのノズル40と共に長手方向に摺動するように下からノズル本体20内に挿入されている。この場合、インサート50のフランジ52の平坦な接触面51が、熱を伝えにくい材料から成るシリンダ状の支持スリーブ70上に設置される。この支持スリーブ70は、長手軸線Lに対して同心状に形成されていて、寄せ型12の座86内に挿入されている。
0048
同様に円錐状に形成されたダイカスト開口部18に対して密に接近できるようにするため、インサート50の端部56は、その外周に沿って円錐状にとがらせてある。こうして、加工すべき溶融樹脂と寄せ型12との間の直接の接触が最小限にされる。支持スリーブ70とノズルの一部40,50との間に形成された隙間92が、射出成形ノズル10と工具12,13との間の熱的な分離を提供する。
0049
図7は、異なる構造を示す。ここでは、座86内で長手方向に摺動するように配置された支持スリーブ70が、ダイカスト開口部18を形成し、したがって鋳型の内壁の一部を形成する。支持スリーブ70は、長手軸線Lに対して同軸にフランジ縁部72を有する。このフランジ縁部72の軸線方向に形成された回転リブ73が、寄せ型12のステップ14上に支持される。さらに別の支持リング74が、ノズル本体20と支持スリーブ70との間に配置されている。支持リング74のリングリブ75が、フランジ縁部72内に嵌合し、かつ動作温度の到達時に軸方向リブ76によって支持スリーブ70上に支持される。
0050
ここでも、長手方向に摺動するようにノズル本体20内に挿入されたノズルの一部40,50及び長手方向に摺動するように寄せ型12内に挿入された支持スリーブ70が、ソケット機構を形成する。構造部品40,50,70が、それらの固定部から簡単に引き出され、新しい構造部品を差し込むことによって交換されることによって、このソケット機構は、常に最適な長さ調整を保証し、常に工具を使用することなしに交換又は置換することができる。ノズルの一部40,50,支持スリーブ70及び支持リング74が、動作中にノズル本体20と寄せ型12との間に挟み込まれる。その結果、全ての部品が確実に保護されている。個別の又は追加の固定要素は必要でない。
0051
図8の実施形では、インサート50又は一体的なノズルの一部40,50の端面が、全体的に円錐状のノズル先端94を形成する。このノズル先端94は、例えば周囲に分散した3つの流出口95を有する。これらの流出口95は、溶融樹脂路30をダイカスト開口部18に連結する。このダイカスト開口部18は、寄せ型12によって形成される。ここでも、ノズル40と一緒に長手方向に摺動してノズル本体20内に挿入されたインサート50のフランジ52が、熱を伝えにくい支持スリーブ70上に支持される。この支持スリーブ70は、ノズル先端94及び寄せ型に向かって隙間92を限定する。この隙間92は、ノズル10と工具12,13との間の熱的な分離を改善する。
0052
図9の構造は、インサート50又はノズルの一部40,50が図8による幾何構造を有するだけで、図7の構造に類似する。円錐先端94が、同様に円錐状のダイカスト開口部18を貫通し、同時に分離面16を通過する。ダイカスト開口部18が、支持スリーブ70によって形成される。
0053
本発明は、説明した実施の形態に限定されないで、いろいろな方法で変更可能である。したがって、個々の構成部品に優先方向(Vorzugsrichtung) を与えるため、例えばノズル40とノズル本体20との間,インサート50とノズル40との間及び/又はインサート50と寄せ型12との間にそれぞれロック装置(Verdrehsicherung)を設けてもよい。ノズル先端94によって形成されたインサート50を側面の(幾つかの)吹きつけ部(Anspritzung) 用に形成してもよい。
0054
インサート50内のニードル弁60に対する密閉座Dは、必ずしもシリンダ状に形成する必要はない。同様に端部領域65内に円錐状に形成されたニードル弁60を収容できるようにするため、例えば円錐形にしてもよい。流動路59が全体的に円錐状に形成されているので、シリンダ状の案内部55はこの場合は省略される。しかしながらここでも重要なことは、密閉座D及びダイカスト開口部18がインサート50又はこのインサート50の端部56内に配置されている点である。したがって、これらは、加工すべき材料に比べて壊れやすいために、製品の特性に対して非常に重要な工具の領域が、いつでも迅速に容易に交換され得る。
0055
射出成形ノズル10の耐用期間を向上できるようにするため、インサート50と一体なノズル40を必要に応じて高い熱伝導性で同時に耐摩耗性の材料から製造してもよい。
0056
本発明は、一般に射出成形技術で使用するノズル10を提供することが分かる。この射出成形技術は、ノズル本体20内に少なくとも1つの加工すべき射出成形体用の流路30を有する。下端部では、流路30が、ノズル40及びインサート50を通じて少なくとも1つの寄せ型12,13によって形成された射出成形機の鋳型(Formkavitaet)に流れ連結されている。インサート50が、流路30の下端部内で限定的に長手方向に摺動するようにノズル40内に配置されている。さらにインサート50は、ダイカスト開口部18を形成する。射出成形ノズル10の場合、開位置と閉位置との間で移動するニードル弁60が、溶融樹脂路30及びインサート50を通過する。インサート50は、全体的に心出し本体を形成する。例えば流入テーパ54が、インサート50内でニードル60の実際の弁部65を中心合わせする。高い熱伝導性の材料から成るノズル40は、下からノズル本体20内にねじ込まれ得るか又は長手方向に摺動するように挿入され得る。このノズル40は、インサート50の上部53を包囲する。又はノズル40及びインサート50を一体的に形成し、これらを一緒に長手方向に摺動するようにノズル本体20内に挿入する。ノズル40及び/又はインサート50が、固定されて保持されるように、インサート又は心出し本体50は、支持フランジ52を有する。
0057
特許請求の範囲,詳細な説明及び図面から導かれる全ての特徴及び利点並びに構成的な詳細及び空間的な配置は、それ自体に対しても異なる組み合わせに対しても本発明で重要に成りえる。
図面の簡単な説明
0058
一部を断面図にしたニードル・ノズルの形態の射出成形ノズルの側面図である。
図1のニードル・ノズルの断面拡大図である。
図1のニードル・ノズルのニードル弁を異なる位置で示す。
図1のニードル・ノズルのニードル弁を異なる位置で示す。
図1のニードル・ノズルのニードル弁を異なる位置で示す。
一部を断面にしたニードル・ノズルの別の実施形の下の部分の拡大図である。
図4を変更した構造の図4に類似の図である。
開口ダイカストを有する射出成形ノズルを示す。
変更した構造の図6の射出成形ノズルを示す。
ノズル先端を有する射出成形ノズルを示す。
変更した構造の図8の射出成形ノズルを示す。
符号の説明
0059
D密閉座
L長手軸線
10射出成形ノズル
11ハウジング
12工具/寄せ型
13 工具/寄せ型
14 ステップ
15 隙間
16分離面
17材料供給開口部
18ダイカスト開口部
19心出し部
20ノズル本体
22ストッパ
30流路/溶融樹脂路
40 ノズル
50インサート/心出し本体
51 接触面
52フランジ
53 首部
54 第1流入テーパ
55 案内部
56 端部
57 第2テーパ
58 前面
59流動路
60ニードル弁
62ニードル部
63移行部
64反り上がり縁部
65 弁部
66 密閉縁部
68 白抜き部/凹部
70支持スリーブ
72フランジ縁部
73回転リブ
74支持リング
75リングリブ
76軸方向リブ
81 ステップ
82 回転リブ
86 座
87 隙間
88 作動スリット
90 開口ダイカスト
92 隙間
94ノズル先端
95 流出口