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技術 最適な制振処理のレイアウトおよびパネル形状のレイアウトを決定するための方法

出願人 リーターテクノロジーズアーゲー
発明者 カプリオリダヴィデアールクイストヤヴィエールロドリグエツ
出願日 2004年10月14日 (16年4ヶ月経過) 出願番号 2006-530152
公開日 2007年4月12日 (13年10ヶ月経過) 公開番号 2007-509383
状態 拒絶査定
技術分野 CAD
主要キーワード 温度カメラ 構造応答 構造的振動 FEMシミュレーション 構造体部品 複合ベース 基準構成 振動軽減
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課題・解決手段

本発明は、音響性能の観点から制振処理と車両構造体部分のパネル形状レイアウトについての最適化方法についてなされたものである。この新規最適化ツールは、遺伝的アルゴリズムに基づいており、振動応答を決めるための実験的な方法論を用いることなく、材料、厚さ、局所的な制振分布によって車体パネルに関する最適な制振処理を効率的に予測することができる。本発明は非常に多くの解ドメインの効率的な探索をすることができ、全車両の計算(金属シートと制振処理タイプ、形状、厚さ、温度、そして分布)における多数の変数でさえ考慮できる可能性を有しいる。本発明による最適化の方法はオープンアーキテクチャーを有しており、容易に、修正ができ他のシミュレーション方法論との連結をすることができる。

概要

背景

重量およびコストの軽減へと向かう自動車産業における現在のトレンドにより、より短い開発期間および優れた騒音振動ハーシュネス(NVH)特性がますます求められるようになってきていることと相俟って、車両の制振処理の効率的な最適化を可能にする設計方法論の必要性が求められている。それらの方法論は、開発時間の短縮および高性能な制振処理構成(high performance treatment configurations)の実現のために不可欠である。それらは、車両のコンピュータ支援エンジニアリング(以下、CAEという。)設計のフローへ組み込むことができ、それにより試作車両を作る前に、必要な情報を共有できる設計およびプラットフォーム部品の提供に利用することができる。

車両の制振処理(dampingtreatments)を最適化するため、当業者にとって公知である多数の方法が存在する。しかしながら、これらの方法はすべて、標準的な実験計画法に基づいており、一般に勾配法に基づく方法である。それらのいずれも、多数の最適化変数を効率的かつ高い信頼性で取り扱うことができない。

特許文献1には、振動の減衰を最適化する方法が知られている。この方法は、制振材を使用し、振動応答が最大である点を割り出した後に、振動応答が最大である領域にのみ制振材を適用している。車両構成部品の各部の振動応答が、いくつかの車両構成部品を一点から加振した後に調べられる。この方法の欠点は、振動応答を割り出すために実験的な方法論を使用するところにあると見ることができる。この公知の方法では、振動が最大である領域に制振材を適用しなければならないが、本発明は、振動の減少が全体効果を最大にする領域に目を向けており、これは、元の振動の大きさに着目するのとは異なっている。

パッシブ型制振処理の最適化の分野におけるさらなる公知の文献であって、この分野においてなされた試みを開示している文献が非特許文献1に見られる。この文献では、粘弾性制振処理の性能を最適化するための遺伝的アルゴリズムの使用を開示し、サンドイッチマルチレイヤー粘弾性複合構造、特には2つの複合積層体の間に粘弾性層を有するパッシブ型の取扱いでなされた複合ベースビームの減衰に関係している。この構造は、まさにFE(有限要素)コードで離散化されたサンドイッチ・ビームであり、この特定のビーム構造レイアウトシミュレートするために開発され、積層された面がベルヌーイオイラー・ビームとして振る舞うと考える一方で、コア層挙動ティモシェンコの仮説によって計算されている。しかしながら、この方法は、車両の車体パネルの制振処理の最適化には適していない。この方法によって使用される制振モデルは、制振が加振周波数によって決められるADF非弾性変位場)モデルである。この方法は、モデルの全体にわたって温度が一定かつ均一であるという仮定に基づいており、種々の構造層温度依存性を考慮していない。

さらに、この方法の目的は、積層ビームに適用されるパッシブ型制振処理の「幾何形状的」な最適化である。「幾何形状的」とは、最適化サイクルにおいて幾何形状的な設計変数のみが考慮に入れられるということを意味している。実際、最適化に関する限り、粘弾性層についてただ1つの設計変数(厚さ)のみが考慮されている。この提案による最適化方法においては、制振重量および固有周波数の変化についてのみ制約条件が設定され、構造的振動のみを取り扱うことが可能(対象範囲の全体にわたる単純平均のみが考慮される)である。すなわち、この方法では、音響上の目標(ある位置における音圧レベルPLとして)を考慮することができない。

また、非特許文献1に開示されている方法では、粘弾性層に関するただ1つの最適化変数のみを考慮している。特には、この方法は、予め決められた制振材の厚さにのみ関係している。つまり、この方法では、最適な制振材の発見または選択を行なうことはできない。さらに、この方法は、ビームにおける粘弾性層の位置を固定であると仮定しており、非均一な温度や材料の分布、あるいは複合層の他の設計変数を考慮していない。

さらに、非特許文献1に提示された最適化目標は、構造的振動の低減に基礎をおいている。それゆえに、選択可能な2つの目的関数が使用されている。第1の目的関数(非特許文献1中の式15)は、時間Tにわたる平方速度の和を表しており、第2の目的関数(同上式16)は、最初の5つの曲げ自然ノード(bendingnatural nodes)の減衰係数の平方の和を表している。さらに、追加の質量および構造特性の変更に関するペナルティ評価関数(Penalty cost function)が、考慮されている。しかし、最適化音域スペクトルにおける音響的最適解の改善の質についての制御は、考慮されていない。
欧州特許公開第1177950号
Trindade,Marcelo A.,XP008028067「Optimization of sandwich/multilayer viscoelastic composite structure for vibration damping)」,Proceedings of the 20th International Conference on Offshore Mechanics and Arctic Engineering、OMAE2001、Volume 3,Materials,June 3−8,2001,Rio de JS10045WOaneiro,Brazil,pages 257−264

概要

本発明は、音響性能の観点から制振処理と車両構造体部分のパネル形状レイアウトについての最適化方法についてなされたものである。この新規最適化ツールは、遺伝的アルゴリズムに基づいており、振動応答を決めるための実験的な方法論を用いることなく、材料、厚さ、局所的な制振分布によって車体パネルに関する最適な制振処理を効率的に予測することができる。本発明は非常に多くの解ドメインの効率的な探索をすることができ、全車両の計算(金属シートと制振処理タイプ、形状、厚さ、温度、そして分布)における多数の変数でさえ考慮できる可能性を有しいる。本発明による最適化の方法はオープンアーキテクチャーを有しており、容易に、修正ができ他のシミュレーション方法論との連結をすることができる。

目的

本発明の目的は、公知の方法の欠点を克服し、構造的負荷を受けている構造体部品フレームおよびパネルからなる)の最適な制振処理のレイアウトおよびパネル形状のレイアウトの決定に適しており、特には所定の負荷条件のもとにある構造車体フレームまたはパネルの最適な制振処理および/または幾何学的形状レイアウトの決定に適しており、多数の変数を効率的かつ確実に扱うことができる安定した最適化およびシミュレーションCAE法を実現することにある。

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請求項1

車両の構造体部品、特には構造体フレームにおける最適な制振レイアウトを決定するための最適化およびシミュレーションCAE方法であって、該方法は、入力変数を作るための下記1)および2)の入力ステップ、すなわち、1)制振を最適化しなければならない車両の構造有限要素(FE)モデルを作成するステップ、2)考えられる制振処理の数(N個)を規定し、その材料特性データならびに車体材料の特性データを決定するステップ、を有しており、さらに、下記3)の計算ステップ、すなわち、3)前記入変数遺伝的アルゴリズムを適用するステップ、を有しており、該アルゴリズムは、下記a)〜f)の各ステップ、すなわち、a)前記入力変数(等価材料の制振特性、空間的分布、厚さ、重量、などのバイナリ文字列)から個体(バイナリ文字列でコード化された制振パッケージ処理構成)の集団を生成するステップ、b)前記個体集団のうちランダムに選択された個体/遺伝子を、遺伝的統計演算子によって突然変異(個体のビットの変化)および/または交叉(ビット・シーケンス交換)させ、新世代の個体/遺伝子を生成するステップ、c)前記新世代の各個体を所定の目的関数(OF)に従って統計的選択によって選択するステップ、すなわち予め決めた適応度優先基準/指定の目標(より小さな重量、より少ない振動、より低い音圧レベル、より低いコスト、など/目的関数)の値を計算するステップ、d)前記目的関数に関して、個体の突然変異および/または交叉の可能性を当該個体の性能に関連付けるステップ、e)前記可能性で関連付けた個体を、遺伝的統計演算子によって突然変異および/または交叉させ、次の新世代の個体/遺伝子を生成するステップ、およびf)実行された世代の数に対するOFの勾配が所定の平坦さに達するまで、ステップc)、d)、およびe)を繰り返し、一式の最適化制振構成をもたらすステップ、において選択的な繰り返し計算を実行し、そして、入力変数を作り出すための下記4)〜6)の入力ステップ、すなわち、4)制振を最適化しなければならないダッシュフロア、またはトンネルなど構造車体フレームおよび/またはパネルを含む車体の構造有限要素(FE)モデルをさらに生成し、音響目標/SPLが必要とされる場合には、客室境界要素(BE)モデルを生成するステップ、5)考えられる制振処理の対象となりうる制振パッチを定義するステップ、6)処理なしも含めた考えられる制振処理の数(N個)を規定するステップ、をさらに有し、また、下記7)、8)の計算ステップ、すなわち、7)等価材料の制振特性、特には全体の厚さ、重量、多孔性曲げ剛性伸び剛性曲げ損失係数伸び損失係数粘弾性、温度などを、関与するすべての材料の温度および周波数依存性を含む任意の車体パネルパラメータにおける前記考えられる制振処理の数の任意の組み合わせのそれぞれについてのこれら材料特性から、例えばEMERALDによる多層シミュレーションによって計算するステップ、8)加振構造物構造体、および使用材料に関して制振を最適化しなければならない車両の周波数ドメインにおける動的応答(特にはNVH応答変換関数を用いることにより)、特には振動挙動を計算するため、基準構成についてNASTRANなどのFEMシミュレーション、すなわち有限要素モデル・シミュレーションを実行するステップ、をさらに有していることを特徴とする方法。

請求項2

車両の構造体部品内のパネル形状レイアウト、特には構造的負荷が加えられる構造パネルにおける最適なパネル形状レイアウトの決定、すなわち所定の負荷条件のもとでの車体パネルの最適な形状レイアウトの決定に関係しており、さらに下記1)〜4)のステップ、すなわち、1)制振処理を適用すべき領域を規定するステップ、2)形状修正を実行できる表面を規定し、形状変更幾何形状レイアウトの主要寸法を特定するステップ、3)各領域の制振レイアウトおよび温度条件を規定し、等価材料特性をEMERALDによって評価し、FEモデルの各パネル/領域を前記で得られた対応する等価材料特性で自動的に更新するステップ、4)各表面を、修正された対応する形状レイアウトで自動的に更新するステップ、を有していることを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項3

重量および騒音・振動・ハーシュネス(NVH)性能に関して、特には振動および音響圧力について、追加の制約条件または目的関数を規定するステップをさらに有していることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、車両の車体部品について最適な制振処理のレイアウトを決定するための最適化およびシミュレーションCAE法に関する。

背景技術

0002

重量およびコストの軽減へと向かう自動車産業における現在のトレンドにより、より短い開発期間および優れた騒音振動ハーシュネス(NVH)特性がますます求められるようになってきていることと相俟って、車両の制振処理の効率的な最適化を可能にする設計方法論の必要性が求められている。それらの方法論は、開発時間の短縮および高性能な制振処理構成(high performance treatment configurations)の実現のために不可欠である。それらは、車両のコンピュータ支援エンジニアリング(以下、CAEという。)設計のフローへ組み込むことができ、それにより試作車両を作る前に、必要な情報を共有できる設計およびプラットフォーム部品の提供に利用することができる。

0003

車両の制振処理(dampingtreatments)を最適化するため、当業者にとって公知である多数の方法が存在する。しかしながら、これらの方法はすべて、標準的な実験計画法に基づいており、一般に勾配法に基づく方法である。それらのいずれも、多数の最適化変数を効率的かつ高い信頼性で取り扱うことができない。

0004

特許文献1には、振動の減衰を最適化する方法が知られている。この方法は、制振材を使用し、振動応答が最大である点を割り出した後に、振動応答が最大である領域にのみ制振材を適用している。車両構成部品の各部の振動応答が、いくつかの車両構成部品を一点から加振した後に調べられる。この方法の欠点は、振動応答を割り出すために実験的な方法論を使用するところにあると見ることができる。この公知の方法では、振動が最大である領域に制振材を適用しなければならないが、本発明は、振動の減少が全体効果を最大にする領域に目を向けており、これは、元の振動の大きさに着目するのとは異なっている。

0005

パッシブ型制振処理の最適化の分野におけるさらなる公知の文献であって、この分野においてなされた試みを開示している文献が非特許文献1に見られる。この文献では、粘弾性制振処理の性能を最適化するための遺伝的アルゴリズムの使用を開示し、サンドイッチマルチレイヤー粘弾性複合構造、特には2つの複合積層体の間に粘弾性層を有するパッシブ型の取扱いでなされた複合ベースビームの減衰に関係している。この構造は、まさにFE(有限要素)コードで離散化されたサンドイッチ・ビームであり、この特定のビーム構造のレイアウトをシミュレートするために開発され、積層された面がベルヌーイオイラー・ビームとして振る舞うと考える一方で、コア層挙動ティモシェンコの仮説によって計算されている。しかしながら、この方法は、車両の車体パネルの制振処理の最適化には適していない。この方法によって使用される制振モデルは、制振が加振周波数によって決められるADF非弾性変位場)モデルである。この方法は、モデルの全体にわたって温度が一定かつ均一であるという仮定に基づいており、種々の構造層温度依存性を考慮していない。

0006

さらに、この方法の目的は、積層ビームに適用されるパッシブ型制振処理の「幾何形状的」な最適化である。「幾何形状的」とは、最適化サイクルにおいて幾何形状的な設計変数のみが考慮に入れられるということを意味している。実際、最適化に関する限り、粘弾性層についてただ1つの設計変数(厚さ)のみが考慮されている。この提案による最適化方法においては、制振重量および固有周波数の変化についてのみ制約条件が設定され、構造的振動のみを取り扱うことが可能(対象範囲の全体にわたる単純平均のみが考慮される)である。すなわち、この方法では、音響上の目標(ある位置における音圧レベルPLとして)を考慮することができない。

0007

また、非特許文献1に開示されている方法では、粘弾性層に関するただ1つの最適化変数のみを考慮している。特には、この方法は、予め決められた制振材の厚さにのみ関係している。つまり、この方法では、最適な制振材の発見または選択を行なうことはできない。さらに、この方法は、ビームにおける粘弾性層の位置を固定であると仮定しており、非均一な温度や材料の分布、あるいは複合層の他の設計変数を考慮していない。

0008

さらに、非特許文献1に提示された最適化目標は、構造的振動の低減に基礎をおいている。それゆえに、選択可能な2つの目的関数が使用されている。第1の目的関数(非特許文献1中の式15)は、時間Tにわたる平方速度の和を表しており、第2の目的関数(同上式16)は、最初の5つの曲げ自然ノード(bendingnatural nodes)の減衰係数の平方の和を表している。さらに、追加の質量および構造特性の変更に関するペナルティ評価関数(Penalty cost function)が、考慮されている。しかし、最適化音域スペクトルにおける音響的最適解の改善の質についての制御は、考慮されていない。
欧州特許公開第1177950号
Trindade,Marcelo A.,XP008028067「Optimization of sandwich/multilayer viscoelastic composite structure for vibration damping)」,Proceedings of the 20th International Conference on Offshore Mechanics and Arctic Engineering、OMAE2001、Volume 3,Materials,June 3−8,2001,Rio de JS10045WOaneiro,Brazil,pages 257−264

発明が解決しようとする課題

0009

本発明の目的は、公知の方法の欠点を克服し、構造的負荷を受けている構造体部品フレームおよびパネルからなる)の最適な制振処理のレイアウトおよびパネル形状のレイアウトの決定に適しており、特には所定の負荷条件のもとにある構造車体フレームまたはパネルの最適な制振処理および/または幾何学的形状レイアウトの決定に適しており、多数の変数を効率的かつ確実に扱うことができる安定した最適化およびシミュレーションCAE法を実現することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明の目的は、請求項1の特徴を有する方法によって達成され、特には軽量制振のための遺伝的最適化(Genetic Optimisation for Lightweight Damping:GOLD)と称される最適化ツールを使用することによって達成される。このツールの基礎は、遺伝的アルゴリズムに基づいている。ユーザは、さまざまな厚さの金属車体パネルに分布した、多数のさまざまな制振材の種類および制振材の厚さならびに制振パッケージ(damping package)の各領域の温度の違いを考慮に入れることができる。制振パッケージの最適化プロセスは、GOLDソフトウェアによって自動的に実行および制御される。ユーザは、簡易インターフェイスコマンドにて、重量およびNVH性能(振動または音圧)に関して、進行中の最適化プロセスを対話的に制御でき、特別な所望の目的および/または制約条件を直接あらかじめ設定することによって最適化プロセスをカスタマイズできる。

0011

以下で、本発明が前記の欠点を克服しており、公知の方法と相違していることを明らかにする。特に、このツールまたは方法が適用されると考えられる典型的な構造は、形状的ドメインノード分割(the discretisation of the geometrical domain)に依存し、周波数ドメインにおいて波動方程式数値的に解く市販のFEコード(Nastran)でシミュレートできる車体FEモデルである。ここでシミュレートされる制振機構は、構造層の全体において生じる曲げ、膜、およびせん断機構をすべて考慮しているが、鋼構造に適用された制振パッド(dampingpad)の追加の制振、質量、および剛性効果は、特別な等価材料を定式化することによって考慮される。この等価材料の記述は、Emeraldと呼ばれる方法によって、所与多層積層動的特性をただ1つの材料の記述(等価Ebending、等価Emembrane、等価膜損失係数、等価曲げ損失係数ポアソン比密度)で表現できるようにする。この制振効果をシミュレートするための等価方法は、FE解法高速化する(モデルの自由度の低減に役立つ)ことができ、さらにFE車体モデルの全体にわたるさまざまな制振分布をシミュレートする更新プロセスを高速化することができる。さらに、この方法は、GOLDで実行されるいくつかの作業においてなされるように、最適化サイクルの際に、FEモデルの種々の領域における温度分布を考慮に入れるうえで容易に役立ち、したがって最適化ツールによって適用される制振材を適切な操作効率で処理できる。

0012

さらに、GOLDで実行される最適化の典型的な目的は、制振処理について考えられる位置のそれぞれについて、「最良の」厚さおよび適用すべき制振材を特定することにある。それを実行した結果として、最適化ツールが、考えられる制振材およびその厚さの指定さられた集まりについて、定められた目標を達成するために適用される。目標については、構造的振動に関する目標を検討できるだけでなく、音響ターゲット(SPL)をも検討できることに注目しなければならない。さらに、制約条件およびペナルティ関数を、追加される制振重量に適用できるだけでなく、基準構成(a reference configuration)の改善と比較対応させて完全応答スペクトルで探索された各構成のそれぞれの改善に連結して処理をするためにも適用することができる。

0013

さらに、GOLDプロセスには、車両の部品/車体について特定できる多数の考えられる制振可能領域と同数の多数の変数がある。これらの変数のそれぞれは、特定の領域のそれぞれが有することのできる、考えられる制振処理構成の集まり(a pool of potential dampingtreatment configuration)について言及している。このことは、このツールが、部品の全体にわたる制振層の最適な制振材および厚さならびに分布マップを特定(この最適化レイアウトは、一般に20を超える設計パラメータを有する次元の問題をもたらす。)するのに使用できることを意味している。

0014

さらに、ユーザは、NVH応答振動音響コスト、など)など、さまざまな量に基づくいくつかの異なった目的関数(OF)の種類を選択しカスタマイズすることができる。これらの量はそれぞれ、独立に検討することができる。あるいは、それらの量の2つかそれ以上を、ユーザの望むとおり、重要さの異なるレベルに従って組み合わせることができる。このことは、さまざまな量を組み合わせることができ、その組合せのそれぞれに他に対して決められた優先度、および/または目標として使用される決められた割当て値および/または範囲を与えることができることを意味する。OF記述の基礎は、これらの量の任意のいずれかが、部品/車両の「基準制振処理構成」の動的挙動を参照する点にある。このようにして、このアルゴリズムによって探索されたそのような最適構成のそれぞれの改善を、基準構成と比べて質的に分析することができ、さらに基準構成のスペクトルを使用してNVH性能についての制約条件を適用することができる。

0015

本発明は、GOLDと呼ばれるが、車両の制振処理の自動最適化のための新規なツールである。考えられる不連続関数がきわめて多数である複雑な最適化問題を取り扱うための最も強力な方法論であると考えられる遺伝的アルゴリズムに基づいており、有限要素(FE)および境界要素(BE)シミュレーション技法を使用する。このツールの適用分野は、典型的には、低−中程度の周波数範囲にある。制振処理の最適化について考えられる変数としては、
パネル材料
パネル厚さ;
・制振処理の種類;
・制振処理の厚さ;
パネル領域の温度;例えば、より高い温度をトンネルまたはダッシュ領域における車体パネルに割り当てることができ、あるいは温度カメラから得られる温度分布マップを考慮に入れることができる;
・制振処理の局所分布
がありうる。

0016

実際、GOLDはきわめて多数の最適化変数を考慮することができ、これにより、理論的には、膨大な数(典型的には数十億)の制振処理構成を考えることができ、標準的な実験計画DOE)法および勾配法に基づく方法では解くことが実際上できない最適化問題を、効率的に処理することができる。最適化のために必要な初期入力データは、以下のとおりである。
・制振を最適化しようとする対象の構造(車体)のFEモデル;
・音響目標が必要な場合には、客室のBE(またはFE)モデル;
・最適化において使用が考えられるすべての制振処理の材料パラメータ
・制振パッチ(dampingpatches)の定義、すなわち車体パネルにおいて制振の適用が可能である領域;
・ユーザが求めるのであれば、重量およびNVH性能(振動または音圧)に関するさらなる追加の制約条件を定めることができる。

0017

最適化プロセスの最初において、設計者が制振を適用できると判断するすべてのパネル領域が、制振パッチと呼ばれる1組のサブ領域に分割される。制振パッチは、ちょうど制振処理が可能なパッドである。「可能な」とは、当該パッチを処理できるか、または処理できないかを意味する。GOLDは、常に、パッチをのままに残す可能性を考慮に入れている。各制振パッチは、前記最適化変数を種々の組み合わせで有することができる。制振パッチの集合および構成に応じて、さまざまな制振パッケージが見出される。制振処理は、測定された周波数および温度依存材料特性から出発し、Emeraldの方法論によって車両FEモデルに含まれる。しかしながら、GOLDは、任意の制振シミュレーションの方法論に連結することができる。

0018

典型的な遺伝的進化の流れに従い、最適化が、選択的な(selective)繰り返し(世代)の連続として実行される。個体と呼ばれバイナリ文字列として符号化された1つの制振パッケージが、最適化問題の考えられる1つの解である。各個体(バイナリ文字列)が、車体パネルの処理構成、すなわち制振パッチについて選択される制振処理の特定の空間的分布に対応する。各世代ステップにおいて、定義された目的関数(OF)に従って最も良好に振る舞う個体が選択される。次いで、個体のグループが、例えば選択された個体間の交叉(いくつかのビットシーケンス交換)や突然変異(個体についてのビット変化)など、GOLDに組み込まれた遺伝的統計演算子によって、新たな個体を生成できる。統計的選択に従い、最も良好に振る舞う個体が生殖の可能性が最大であり、最も良好でない振る舞いの個体は、生殖の可能性が小さく、あるいは放棄されて新たな個体と置き替えることさえ可能である。最初の集団ランダムに選択されており、その各個体はきわめて相違している。これは、大域的なOFの最大値を達成するため、最適化ドメインの大域的探索が行なわれることを意味している。勾配法に基づく最適化技法と異なり、GOLDによって実行される最適化は、局所最大が発見された場合でも停止しない。最適である可能性がある個体が発見された場合に、個体の振動および音響応答の計算が、GOLDによって自動的に実行される。最適化プロセスの最後に、最良の個体のグループ(集団)がメモリに保持され、最適な制振パッケージを選択することができる。

0019

ユーザは、最適化プロセスの全体を、最適化の状態が反復計算ごとに主なパラメータ一緒リアルタイムで表示される視覚的でユーザフレンドリーな制御パネルにて監視することができる。探索された解空間(すなわち、考えられる解のすべてを含んでいるドメイン)は、典型的には、mNの次元を有しており、ここで、
・Nは考えられる制振パッチの数であり、
・mは考えられる処理の解の数である。

0020

最終的な最適化目標は、典型的には、以下の量の低減である。
・制振パッケージの重量
・周波数に対する振動応答
・周波数に対する音響応答(音圧レベル:SPL)

0021

前記2番目の量の評価には、構造FE(すなわち、Nastran)の実行が必要である。

0022

その手順を以下で説明するが、前記最後の量の評価には、構造FEの実行に加え、音響BEまたはFEの計算が必要である。

0023

一般に、車体上の取り付け点から室内への伝達関数は、通常、車体音響性能のための目標として与えられる。伝達関数は、典型的には、p/Fjという形であり、ここでpは、乗員のの位置における音圧であり、Fjは、エンジンまたはサスペンションの取り付け点において一方向に加わる力である。伝達関数p/Fjは、FE/BEの非結合アプローチによって計算され、これはすなわち、構造体への流体の負荷が無視されることを意味する。この方法論は、3つの主要なステップに分割することができる。第1のステップにおいて、キャビティを囲んでいる構造体の各ノードについて、加振力Fjによる振動速度vkを計算するため、FE解析が適用される。第2の段階においては、音響キャビティのBE解析が、すなわちSYSNOISEにおいて、体積速度単位源をp/Fjが計算される点に配置することによって実行される。BEメッシュの各ノードにおける圧力が、出力としてとられる。このようにして、伝達関数p/vkが繰り返し計算される。第3の段階においては、第1のステップからの速度および第2のステップからのp/vkが組み合わされ、p/Fjの振幅および位相が計算される。

0024

この技法は、結合された振動−音響計算を実行する標準的なFEツール(AKUSMODなど)と比べて、いくつかの利点をもたらす。第1の大きな利点は、最初の2つのステップが独立である点にある。構造体のみが変更され、客室の形状が同じままである場合に、第2のステップを繰り返す必要がなく、その逆も然りである。第2の特できる利点は、客室におけるパネルの内部吸収を、モーダル音響の制振というよりはむしろ、局所的に考慮に入れることができる点にある。最後に、振動車体パネルの音圧への寄与を、きわめて容易に計算できる。主たる近似は、2方向の結合が考慮されないということである。さらに、BE要素の計算は時間がかかる可能性がある。しかしながら、BE計算がただ1回のみ実行され、必要であれば、音響FE計算で置き替え可能である点を考慮すべきである。

0025

最適化プロセスは容易にカスタマイズすることができ、所定の目標の組を選択することができる。ユーザは、簡潔テキスト・インターフェイス・ファイルに含まれたいくつかのコマンド・ラインを変更するだけで、上述の最適化目標のいずれかを別個かつ直接に変更することができ、あるいはそれらの任意の組み合わせを選択することができる。特別な目的に他の目的に対する優先度を与えることも可能である。これにより、ユーザが適用を望む特定の制約に従って、重量の軽減とNVH性能の改善(構造振動またはSPL)との間の最良の妥協が実現可能になる。

0026

2つの異なるアルゴリズムが、GOLD最適化ツールボックスに組み込まれている。すなわち、
・標準的な遺伝的アルゴリズムが、比較的大きな集団について機能し、より通常の勾配で最適解へと収束する。
ミクロ遺伝的アルゴリズムは、はるかに少ない集団について多数の世代を可能にする。良好な解を含んでいるドメインへと高速に収束し、したがってOF曲線の勾配が大きく減少する。

0027

GOLDの効率性および汎用性ゆえ、単純な試験の事例、自動車の部品、または自動車の車体を含む幅広い範囲の制振最適化問題への適用が容易である。以下では、いくつかの典型例を検討する。

0028

平坦矩形プレートの制振最適化)
最初に、GOLD最適化ツールボックスを、比較的単純な試験の事例に適用した。試験用の構造は、800mm×500mmの寸法および2mmの厚さの自由−自由の平坦な鋼製矩形プレートであった。まず、プレートのFEモデルを作成した。次いで、所与の基準制振処理構成を載せたプレートの平均二乗速度(MSV)応答を計算した。14個の出力点を、それが試験用構造のMSV応答の特徴を上手く表わすために充分であることを評価した後、プレート表面にわたってランダムに分布させた。加振は、角においてプレート表面と直角に加えられる単位点力とした。基準制振処理は、全プレート表面上の2mm厚の制振材の層とした。その後、プレートの表面を、すべて同じ表面寸法で、考えられる16個の矩形の制振パッチに分割した。

0029

次いで、プレートについて多目的最適化を実行し、基準制振処理よりも低いMSV応答レベルおよび少なくとも20%少ない重量を与えると予測される最適化された新たな制振パッケージを見つけるため、GOLDを使用した。このケースでは、温度を変数とせず、標準的な室温に固定した。各パッチについて、GOLDは、裸、2mm、4mm、および6mmの制振という4つの異なる構成の中から選択を行なうことが可能であった。GOLDによる遺伝的アルゴリズム最適化は、2mmおよび6mmの制振というプレート上の2つの異なる厚さの制振パッチの最適分布を達成できた。GOLDは、プレートの振動挙動について大きな改善の実現を達成し、最初の処理とくらべて23%の制振重量の低減が実現できた。次いで、GOLDによって予測された最適制振パッケージを実験的に製作して測定した。実験の設定においては、自由−自由の境界条件再現するためにプレートを吊り下げシェーカーによってFEモデルと同じ位置および方向にホワイトノイズで加振し、出力信号の取得のために小さな低質加速度計を使用した。

0030

このより軽い最適化制振パッケージについて最適化によって予測されるMSV応答の改善は、FEモデルの値と、最適化された制振パッケージを載せたプレートの実験で設定された値とを、シミュレーションによるMSV応答および測定したMSV応答とともに比較することによって、実験的に確認することができた。これにより、GOLDによってなされたMSV低減の予測が正しかったことが実験によって明確に確認することができた。

0031

(車体部品についての制振最適化)
車体部品についてのGOLDの適用の事例は、平坦なプレートについての最初の検証の事例の後の次のステップに行った。その部品は、単純化した境界条件をもった実際の車体のフロアの一部とした。まず、その振動応答を、当初の制振処理を考慮して計算した。同じ境界条件および加振条件についての未処理の部品の比較用測定を行い、シミュレーションが振動パターンをよく再現できることを示した。特に、振動レベルの大きい領域が、レベルが完全に一致しないにせよ測定とシミュレーションとで同じ領域であると評価していることが重要であった。次いでGOLDを使用し、部品について制振処理の最適化を実行し、改善された振動結果、すなわち元の基準制振処理と比べ同じ制振重量を保ちつつより低いMSVレベルを与えると予測される最適化された新しい制振パッケージを探した。フロアについて考えられる制振領域(制振処理の適用の候補となりうる領域)を、15個の考えられる制振パッチに分割した。金属シート厚さ、制振の種類および厚さについて可能な構成のそれぞれについて、GOLD用に材料特性についての1組の入力を作成した。各パッチは、裸のまま残してもよく、あるいは考えられる3つの処理構成を載せることができる。すなわちこの最適化問題について考えられる解の総数は、415≒1.1×109となる。

0032

妥当な計算時間で最適化を収束させるために、まずミクロ遺伝的アルゴリズムを5つの個体からなる縮小集団について適用した。充分な世代の数に達し、目的関数の漸近的挙動に達する、約1時間後にミクロ・アルゴリズムを停止させた。このステップにおいて得られた個体の集団を、標準的な遺伝的アルゴリズムへの入力として使用し、この標準的な遺伝的アルゴリズムを、30の個体および40の世代について実行した。GOLDを実行してちょうど10時間後、最適化解の分布および平均二乗速度応答を調べることができた。最適な分布は、考えられる15個の候補のうち11個の処理されたパッチからなる。平均二乗速度振動応答において大きな改善が予測できた。その後、この予測による最適化制振パッケージを、実際の車体の部品について製作し、実験的検証を実行した。このケースにおいて、おそらくは構造体のモデル化不正確であるために、未処理の部品の振動レベルについてシミュレーションと実験との間にいくらか乖離が見られたが、GOLDによって予測された制振パッケージが元の基準パッケージよりも全体的に良好であることが、実験によって確認された。

0033

また、制振処理の空間的最適化に対するGOLDの性能について、「試行錯誤」の類の非自動的な反復計算に対しても試験した。主としてユーザの経験に基づく「手動」による最適化の計算ループでは、平均二乗速度応答が元の制振パッケージよりもわずかに良好となる処理領域および厚さの分布を見出した。しかしながら、数日の計算の後に、手動による最適化では、さらなる振動応答の改善をもたらすことができず、最適化した応答は、依然としてGOLDよりも劣っていた。これにより、標準的な手動による最適化技法に比べて自動によるGOLDの最適化プロセスの方が概ね効率が高いということができる。

0034

(車体パネルについての制振最適化)
GOLDの実際の車両への適応例は、上級リムジンの車体について実行される制振最適化である。この車両モデルについて、制振処理の質量を元の制振パッケージに比べて少なくとも30%減らしつつ前部フロアの振動挙動を改善するために、多目的制振処理の最適化を実行した。

0035

車体全体およびフロアについての計算を、部分構造化技法(a substructuring technique)により車体の残りの部分をモデル化して実行した。このやり方で、より現実に近い境界条件をパネルに適用することができる(ノードにおける制約条件)。この特定の試験の適用においては、垂直単位変位加振を使用した。

0036

最初に、何ら制振処理をしていないパネルのFEモデルを、一式測定結果に対して検証し、シミュレーションによるパネル振動応答と測定したパネル振動応答との概ね良好な一致が、明確に確認された。この最初の検証ステップの後、車体の元の制振処理についてFE計算を実行し、MSV応答を抽出して最適化によって改善すべき基準事例として使用した。

0037

制振領域(制振処理の適用が考えられる候補領域)を考えられる17の制振パッチに分割した。最適化において、各パッチは、裸のままであってよく、あるいは考えられる7つの異なる制振処理(材料および厚さが異なる)のうちの1つを載せることができる。

0038

フロアパネルの金属シートの厚さが与えられ、ダッシュ、トンネル、前部および後部フロア領域について温度の異なる領域を考慮した。一般に、制振材は温度依存性が強く、したがって温度の異なるパネル領域に同じ処理をすると、機械的特性は異なったものとなる。この挙動は、GOLDよって正確に考慮される。実際、異なる厚さおよび/または温度をもついくつかの部位から物理的に構成される同じパッチを考慮することが可能である。

0039

GOLD用の種々の入力材料特性の組を、
・金属シートの厚さ、
・制振厚さ、
・制振材、
・温度
について可能な構成のそれぞれについて生成した。

0040

それぞれ17個のパッチをもった8個の処理構成によって与えられる最適化ドメインは、最適化問題について考えられる817=2.25×1015個の解からなる。当然ながら、この数は、最適化について考えられるすべての構成を含んでいるが、そのうちのいくつかは、例えば「17個のパッチすべてが裸」または「すべてのパッチが最大の処理厚さで処理される」など、非現実的なものである可能性がある。

0041

妥当な計算時間で最適化を良好に収束させるため、まずミクロ遺伝的アルゴリズムを、考えられる多数の世代数で、5つの個体からなる縮小集団について適用した。67番目の世代の後、実行された世代の数に対して目的関数の勾配の平坦化が認められ、したがって約30分の後に、この世代においてミクロ・アルゴリズムを停止させた。これらのステップにて得られた個体の集団を、標準的な遺伝的アルゴリズムへの入力として使用し、この標準的な遺伝的アルゴリズムを、60の個体および120の世代について実行した。

0042

GOLDの実行の後、最適化判定条件に従って最良解が列挙され、最適化された解が抽出できた。この解は、(考えられる17個の候補のうち)7つの制振処理されたパッチから構成されている。MSVの平均およびピーク・レベルの大きな改善が、フロアの制振処理の、元の制振処理に対する33%の重量軽減とともに達成された。最初のMSV曲線と最適化によるMSV曲線を比較すると、制振処理の効率が異なる3つの周波数ドメインを識別できる。
・100Hz未満においては局所パネル・モードが存在せず、したがって実際のところ、処理による振動軽減/制振効果は存在せず、制振処理の適用による改善はいずれにせよ存在し得ない。
・100Hzと175Hzの間では、制振処理による控え目な効果を見て取ることができる。
・175kHz超では、特にモードのピークの近傍において重要な改善が達成されている(最大5dB超)。

0043

ここに記載した戦略によって、817の可能性からなる巨大な最適化空間を、173のNastranの実行を行なって効率的に探索できた。これは、標準的なUnix(登録商標ワークステーションにおいて全体で33時間の計算時間を意味する。探索された解の数および計算時間における進歩は、標準的なDOE技法に対して甚大である。上記GOLD最適化による予測を検証するため、さらに実際の車両についての制振パッケージの実験的な最適化を、Diamonds方法論によって実行した。この実験的な最適化プロセスは、ほぼ同じ位相的分布で制振処理された同じ車体パネルの同じ制振材を選択することに帰着した。しかしながら、車体のプロトタイプは、実験−数値解析を結合したDiamondsの最適化の実行が必要とされる。というのも、GOLDは純粋に数値的な手順であり、プロトタイプが利用可能になる前でも適用可能だからである。

0044

本発明を、以下のとおり要約することができる。

0045

このツールを適用するときに考えられる典型的な構造体は、車体のFEモデルである。これらモデルの振動の動的挙動は、典型的には、形状ドメインのノード分割に依存し、周波数ドメインにおいては波動方程式を数値的に解く市販のFEコード(MSCNastran)でシミュレートされる。

0046

音響性能(音圧レベルSPL、および音響伝達関数p/F)を評価するために最も利用されている数値解析法は、種々の形式境界要素法または有限要素法(MSCNastranのような)である。

0047

遺伝的アルゴリズムは、静的解析および流体力学解析など種々の設計目的に関して、構造部品のエンジニアリング設計を支援するのに幅広く使用されている。

0048

NVHの目的に関して自動車産業で評価される典型的な量は、パネル表面による各単一点の周波数応答関数(FRFs)、または種々の平均化したFRFsである。

0049

今日では、制振層の適用は、車体パネルの動的特性および客室のNVH特性を改善するために自動車産業において広く知られた慣例である。

0050

今日では、車体パネルの強化および補強リブエンボスソープフィルムのレイアウトなど)の適用もまた、車体パネルの動的特性および客室のNVH特性を改善するために自動車産業において広く知られた慣例である。

0051

本発明の目的は、構造体全体にわたる複数の制振位置、種々の制振材、各材料のそれぞれの種々の厚さの値、および部品の表面の種々の形状変更(リブ、エンボス、ソープフィルムの配置など)を問題の設計変数として考慮して、構造体のFE部品(典型的には車体パネル)内での最適な制振処理および表面形状のレイアウトを同時に特定するための方法を提供することにある。

0052

さらに、本発明の目的は、大規模なFE構造の最適化を高速かつ効率的なやり方で、多数の設計パラメータを考慮して取り扱うことができる方法を提供することにある。

0053

さらに、本発明の目的は、異なる制振層および形状表面レイアウトに対して有限要素モデルの高速なシミュレーションおよび更新を可能にする方法を提供することにある。これは、以下のステップによって可能である。
・制振処理を適用すべき領域の定義。
形状修正を実行できる表面を定義し、当該形状変更の形状レイアウト主要寸法(例えば、押し出しリブの長さおよび幅ならびに高さ)の特定。
・制振レイアウトの各領域および温度条件の定義、そしてEmeraldによる等価材料特性の評価。
・FEモデルの各パネル/領域を、計算した対応する等価材料特性で自動的に更新。
・各表面を、対応する形状レイアウト修正にて自動的に更新。

0054

本発明の1つ以上の方法によれば、FE部品の振動挙動の最適化が可能である。これは、以下のステップによって可能である。
・負荷条件を定義する。
・パネル/構造体全体にわたって、最適化アルゴリズムの目的関数の一部である構造応答ノードを定義する。
・FE動的解によって、部品/車体の表面全体にわたって「基準の制振処理および形状レイアウト構成」の動的挙動を評価する。
・基準構成についての計算結果は、制振処理の固有の特性(重量、コスト、など)、構造体応答平均、構造体応答伝達関数といったいくつかの異なる量である。これらの量を、最適化目標/制約条件として使用することができる。
・最適化アルゴリズムによって探索した各構成における改善を、基準構成と比較して定性的に解析する。

0055

本発明の1つ以上の方法によれば、部品の音響挙動(SPL、p/F)の最適化が可能である。これは、以下のステップによって可能である。
・負荷条件を定義する。
・パネル/構造全体にわたって、最適化アルゴリズムの目的関数の一部である構造体応答ノードを定義する。
・FE動的解によって、部品/車体の表面全体にわたって「制振処理および形状レイアウト基準構成」の動的挙動を評価し、FE動的解によって、部品/車体の周波数応答関数を取得する。
音響量を評価しようとする点を定義する。
・構造体メッシュに加えて音響メッシュを構築し、「制振処理および形状レイアウト基準構成」の音響性能を(有限要素または境界要素によって)計算し、構造体および音響のFRFsを結合させる。
・基準構成についての計算結果は、制振処理の固有の特性(重量、コスト、など)、音響応答平均、音響応答伝達関数といったいくつかの異なる量である。これらの量を、最適化目標/制約条件として使用することができる。
・最適化アルゴリズムによって探索した各構成における改善を、基準構成と比較して定性的に解析する。

0056

本発明は、一態様において、NVH評価のための構造パネルの制振処理および形状レイアウトの最適化問題の際に考慮に入れられる設計変数の複雑さおよび数を増すための新たな方法論にある。設計変数は、
構造表面にわたる制振パッドの複数の位置、
・いくつかの異なる制振/パネル材料
・各制振/パネル材料についての種々の厚さ値
・構造体表面の形状修正の複数の位置
・各形状修正の主要寸法
であってよい。

0057

この多数の変数は、遺伝的アルゴリズムの適用によって取り扱うことができる。このアルゴリズムは、FEモデルを新たな構造体形状および制振レイアウトで更新できるルーチンを含んでおり、ひとたびアルゴリズムの最適化戦略が指定されると、ユーザは、種々の量に基づいた、いくつかの異なる目的関数の種類を選択し、カスタマイズできる。それらは、NVH応答および/または制振処理の固有の特徴(重量、コスト、など)であってよい。それらの量はそれぞれ、目標として独立に検討することができ、また「制振処理および形状レイアウト基準構成」の値に拘束することもできる。あるいは、それらの2つ以上を、ユーザの望むとおり、重要さのさまざまな度合いに従って組み合わせることができる。これは、さまざまな量を組み合わせることができ、それらのそれぞれに他に対する所定の優先度、および/または目標/制約条件として使用される所定の割り当て値および/または範囲を与えることができることを意味する。この操作を実行できるようにするため、ユーザは、以下の準備ステップを実行しなければならない。
・負荷条件を定義する。
・制振処理の適用が考えられる領域(「パッチ」と呼ばれる)を定義する。
・アルゴリズムが最適化のために使用することができる、考えられるパネルの制振処理を定義する。
・構造体表面について、形状修正の適用が考えられる領域を定義する。
・アルゴリズムが最適化の際に適用を試みることができる、考えられる形状修正のそれぞれについて、主要寸法の範囲を定義する。
・考えられる制振処理の組み合わせのそれぞれについて、併せて各パネル構造体の厚さおよび温度について、すべての等価材料特性を(Emeraldによって)計算する。
・制振処理レイアウトおよび表面形状レイアウトに係るモデルの「基準構成」を定義し、評価する。

0058

本明細書において述べた方法「MSCNastran」は、有限要素分割法の分類に属する広く知られた市販のソフトウェアである。この方法は、形状的ドメインの分割に依拠しており、点(ノード)間の関係を記述するマトリクス剛性、質量、および制振について)を構築して構造体を記述し、周波数ドメインでは波動方程式を数値解析的に含んでいる。この数値解析的な方法の理論的および実用的側面の両者に関しては重要な刊行済み文献、すなわちH.Kardestuncer、D.H.Norrieの「有限要素ハンドブック(Finite Element Handbook)」、McGraw−Hill Book Company、MCS Software、Nastran quick reference guideがある。

0059

本明細書において述べたEMERALD(積層の制振処理の詳細定義および割り当てのための等価材料評価:Equivalent Material Evaluation for the Refinement and Allocation of Layered Damping)法は、有限要素構造体(車体など)において制振材を正確に表現することを目的とするよく知られた数値解析ツールである。この方法によれば、構造体の制振処理された領域が、裸の場合についての純粋な鋼の特性の代わりに、一式の機械的特性によって記述される仮想の等価材料として表現される。「等価材料」とは、所与の変形の種類について現実の異方性多層材料と同じ特性を有している仮想的な均質材料と理解すべきである。

0060

本発明の利点は、当業者にとって明らかである。GOLDは、本件出願人によって開発された新規な最適化ツールであり、遺伝的アルゴリズムに基づき、材料、厚さ、および局所的制振分布に関して、車体パネルについて最適な制振パッケージを効率的に予測することができる。GOLDは、きわめて巨大な解領域を効率的に探索することができるようにするとともに、たとえ車体全体の計算であっても多数の変数を考慮に入れる能力を有している(金属シートおよび制振処理の種類、厚さ、温度、および分布)。単純なプレートから車体全体への適用まで、さまざまな試験用の事例において成功が検証されている。アルゴリズムおよびカスタマイズ機能の幅広い選択肢ゆえ、特定のユーザのニーズ(重量の軽減、振動の低減、音響の改善、特定の周波数範囲の改善、など)に従って、幅広い範囲の最適化戦略を定義することができる。GOLDは、オープンアーキテクチャを有しており、したがって修正および他のシミュレーションの方法論との連結が容易である。例えばすべてのMSCNastran(登録商標)の特徴、特には部分構造化技法(スーパーエレメント)およびモーダル重畳計算と互換性がある。

0061

GOLDは、FEシミュレーションによる車体の制振パッケージの設計において、最適化の実現の役に立つ。GOLDは、きわめて多数の変数(おそらくは不連続である)を有する複雑な最適化問題を取り扱うための最も強力な方法論であると考えられる遺伝的アルゴリズムに基づいている。最適化は、一連の繰り返し計算がカスケード式に実行される。各繰り返し計算において、一式の解が探索され、より少ない振動、より少ない重量、より低いSPLなどといった特定の所与の制約条件に基づいて最良の解が選択される。新たな繰り返し計算が実行されるたびに、集団がより良い方向へと進化し、淘汰(selection)プロセスにおいて最良の解が保持されて新たな解を生成できる一方で、最悪の解は放棄されて新たな解で置き換えられる。繰り返し計算および解の生成のプロセスの全体が、MatLab(登録商標)ソフトウェア・パッケージで書かれ、GOLDソフトウェアに組み込まれた特別の演算子によって自動的に実行および制御される。

0062

ユーザは、簡単なインターフェイス・コマンドで最適化の制約条件を直接あらかじめ設定することによって、制振パッケージの最適化を自由にカスタマイズすることができる。さらにユーザは、最適化の流れの状態が繰り返し計算ごとにリアルタイムで表示される視覚的な制御パネルにおいて、最適化プロセスを監視することができる。GOLDの主たる特徴の1つは、入力変数の数をきわめて多くできる点にある。ユーザは、多数のさまざまな材料、金属および制振材の分布および厚さ、ならびに制振パッケージにおけるさまざまな温度の領域を、考慮に入れることができる。

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