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技術 エンジンの点火時期制御方法及びエンジンの点火時期制御装置

出願人 日産自動車株式会社
発明者 江頭猛白井幸成
出願日 2006年6月19日 (14年6ヶ月経過) 出願番号 2006-168470
公開日 2007年12月27日 (13年0ヶ月経過) 公開番号 2007-332926
状態 特許登録済
技術分野 点火時期の電気的制御 機関出力の制御及び特殊形式機関の制御
主要キーワード トレース点 適合点 多節リンク 実行処理手順 誤差補正量 O2センサ 算出処理手順 書き入れ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

可変バルブタイミング機構に与える指令値は変わらないのに、可変バルブ機構に与える指令値によって吸気バルブ開閉タイミングが進遅角した場合でも、トレース点火時期基本値を精度良く算出し得るエンジン点火時期制御方法を提供する。

解決手段

吸気バルブの作動角は一定のまま吸気バルブの開閉タイミングを指令値に応じて進遅角する可変バルブタイミング機構(27)と、吸気バルブのバルブリフト最大量及び吸気バルブの作動角を指令値に応じて可変制御する可変バルブ機構(28)とを備えるエンジンにおいて、エンジンの回転速度、エンジンの負荷、可変バルブタイミング機構(27)に与える指令値及び可変バルブ機構(28)に与える指令値に基づいてトレース点火時期基本値を算出するトレース点火時期基本値算出処理手順と、この算出されたトレース点火時期基本値で火花点火を行う火花点火処理手順とをエンジンコントローラ(31)が含む。

概要

背景

吸気バルブ作動角は一定のまま吸気バルブの開閉タイミング(開時期と閉時期)を指令値に応じて進遅角する可変バルブタイミング機構を備えるエンジンにおいて、吸気バルブ閉時期VC吸気下死点吸気行程が終了するときにおけるピストンの下死点のこと)であるのときのトレース点火時期トレース点火時期基本値とし、これに吸気バルブ閉時期IVCが吸気下死点からズレたとき、このトレース点火時期基本値に吸気バルブ閉時期IVCの吸気下死点からのズレ量に応じたトレース点火時期補正量を加えることで、トレース点火時期推定値を算出するものがある(特許文献1参照)。
特開2005−23806公報

概要

可変バルブタイミング機構に与える指令値は変わらないのに、可変バルブ機構に与える指令値によって吸気バルブの開閉タイミングが進遅角した場合でも、トレース点火時期基本値を精度良く算出し得るエンジンの点火時期制御方法を提供する。吸気バルブの作動角は一定のまま吸気バルブの開閉タイミングを指令値に応じて進遅角する可変バルブタイミング機構(27)と、吸気バルブのバルブリフト最大量及び吸気バルブの作動角を指令値に応じて可変制御する可変バルブ機構(28)とを備えるエンジンにおいて、エンジンの回転速度、エンジンの負荷、可変バルブタイミング機構(27)に与える指令値及び可変バルブ機構(28)に与える指令値に基づいてトレース点火時期基本値を算出するトレース点火時期基本値算出処理手順と、この算出されたトレース点火時期基本値で火花点火を行う火花点火処理手順とをエンジンコントローラ(31)が含む。

目的

そこで本発明は、可変バルブタイミング機構と可変バルブ機構とを備えるエンジンにおいて、可変バルブタイミング機構に与える指令値は変わらないのに、可変バルブ機構に与える指令値によって吸気バルブの開閉タイミング(開時期や閉時期)が進角したり遅角したりした場合でも、トレース点火時期基本値を精度良く算出し得るエンジンの点火時期制御方法及びエンジンの点火時期制御装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

吸気バルブ作動角は一定のまま吸気バルブの開閉タイミング指令値に応じて進遅角する可変バルブタイミング機構と、吸気バルブのバルブリフト最大量及び吸気バルブの作動角を指令値に応じて可変制御する可変バルブ機構とを備えるエンジンにおいて、エンジンの回転速度、エンジンの負荷、前記可変バルブタイミング機構に与える指令値及び前記可変バルブ機構に与える指令値に基づいてトレース点火時期基本値を算出するトレース点火時期基本値算出処理手順と、この算出されたトレース点火時期基本値で火花点火を行う火花点火実行処理手順とを含むことを特徴とするエンジンの点火時期制御方法

請求項2

前記トレース点火時期基本値を、前記可変バルブタイミング機構に与える指令値、吸気バルブ中心角のいずれか一つまたは前記可変バルブ機構に与える指令値、吸気バルブ作動角、吸気バルブリフト最大量のいずれか一つの一次式近似することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの点火時期制御方法。

請求項3

前記トレース点火時期基本値を前記可変バルブタイミング機構に与える指令値、吸気バルブ中心角のいずれか一つの一次式で近似する場合にその一次式の傾きと切片とを前記可変バルブ機構に与える指令値、吸気バルブ作動角、吸気バルブリフト最大量のいずれか一つの一次式で近似し、前記トレース点火時期基本値を前記可変バルブ機構に与える指令値、吸気バルブ作動角、吸気バルブリフト最大量のいずれか一つの一次式で近似する場合にその一次式の傾きと切片とを前記可変バルブタイミング機構に与える指令値、吸気バルブ中心角のいずれか一つの一次式で近似することを特徴とする請求項2に記載のエンジンの点火時期制御方法。

請求項4

前記一次式の傾きと切片とを、前記一次式で近似した第1のトレース点火時期基本値が実トレース点火時期と所定の適合点で一致するように設定することを特徴とする請求項3に記載のエンジンの点火時期制御方法。

請求項5

前記一次式の傾きと切片とを、前記第1のトレース点火時期基本値がさらに前記適合点以外で実トレース点火時期より進角しないよう前記第1のトレース点火時期基本値を遅角側にオフセットして設定することを特徴とする請求項4に記載のエンジンの点火時期制御方法。

請求項6

前記適合点以外で実トレース点火時期より進角しないよう遅角側にオフセットして設定している第2のトレース点火時期基本値とトレース点火時期補正量とからトレース点火時期推定値を算出するトレース点火時期推定値算出処理手順と、このトレース点火時期推定値を前記第2のトレース点火時期基本値に代えて火花点火を行う火花点火実行処理手順とを含み、前記適合点で前記トレース点火時期推定値と実トレース点火時期とが一致するように前記トレース点火時期補正量を設定することを特徴とする請求項5に記載のエンジンの点火時期制御方法。

請求項7

前記適合点を中心として所定の補正範囲を設け、この補正範囲において前記トレース点火時期推定値が、前記第2のトレース点火時期基本値の直線へと滑らかにつながるように前記適合点以外でのトレース点時期補正量を算出することを特徴とする請求項6に記載のエンジンの点火時期制御方法。

請求項8

吸気バルブの作動角は一定のまま吸気バルブの開閉タイミングを指令値に応じて進遅角する可変バルブタイミング機構と、吸気バルブのバルブリフト最大量及び吸気バルブの作動角を指令値に応じて可変制御する可変バルブ機構とを備えるエンジンにおいて、エンジンの回転速度、エンジンの負荷、前記可変バルブタイミング機構に与える指令値及び前記可変バルブ機構に与える指令値に基づいてトレース点火時期基本値を算出するトレース点火時期基本値算出手段と、この算出されたトレース点火時期基本値で火花点火を行う火花点火実行手段とを含むことを特徴とするエンジンの点火時期制御装置

請求項9

前記トレース点火時期基本値を、前記可変バルブタイミング機構に与える指令値、吸気バルブ中心角のいずれか一つまたは前記可変バルブ機構に与える指令値、吸気バルブ作動角、吸気バルブリフト最大量のいずれか一つの一次式で近似することを特徴とする請求項8に記載のエンジンの点火時期制御装置。

請求項10

前記トレース点火時期基本値を前記可変バルブタイミング機構に与える指令値、吸気バルブ中心角のいずれか一つの一次式で近似する場合にその一次式の傾きと切片とを前記可変バルブ機構に与える指令値、吸気バルブ作動角、吸気バルブリフト最大量のいずれか一つの一次式で近似し、前記トレース点火時期基本値を前記可変バルブ機構に与える指令値、吸気バルブ作動角、吸気バルブリフト最大量のいずれか一つの一次式で近似する場合にその一次式の傾きと切片とを前記可変バルブタイミング機構に与える指令値、吸気バルブ中心角のいずれか一つの一次式で近似することを特徴とする請求項9に記載のエンジンの点火時期制御装置。

請求項11

前記一次式の傾きと切片とを、前記一次式で近似した第1のトレース点火時期基本値が実トレース点火時期と所定の適合点で一致するように設定することを特徴とする請求項10に記載のエンジンの点火時期制御装置。

請求項12

前記一次式の傾きと切片とを、前記第1のトレース点火時期基本値がさらに前記適合点以外で実トレース点火時期より進角しないよう前記第1のトレース点火時期基本値を遅角側にオフセットして設定することを特徴とする請求項11に記載のエンジンの点火時期制御装置。

請求項13

前記適合点以外で実トレース点火時期より進角しないよう遅角側にオフセットして設定している第2のトレース点火時期基本値とトレース点火時期補正量とからトレース点火時期推定値を算出するトレース点火時期推定値算出手段と、このトレース点火時期推定値を前記第2のトレース点火時期基本値に代えて火花点火を行う火花点火実行手段とを含み、前記適合点で前記トレース点火時期推定値と実トレース点火時期とが一致するように前記トレース点火時期補正量を設定することを特徴とする請求項12に記載のエンジンの点火時期制御装置。

請求項14

前記適合点を中心として所定の補正範囲を設け、この補正範囲において前記トレース点火時期推定値が、前記第2のトレース点火時期基本値の直線へと滑らかにつながるように前記適合点以外でのトレース点時期補正量を算出することを特徴とする請求項13に記載のエンジンの点火時期制御装置。

技術分野

0001

本発明は、エンジン内燃機関)の点火時期制御方法及びエンジンの点火時期制御装置に関する。

背景技術

0002

吸気バルブ作動角は一定のまま吸気バルブの開閉タイミング(開時期と閉時期)を指令値に応じて進遅角する可変バルブタイミング機構を備えるエンジンにおいて、吸気バルブ閉時期VC吸気下死点吸気行程が終了するときにおけるピストンの下死点のこと)であるのときのトレース点火時期トレース点火時期基本値とし、これに吸気バルブ閉時期IVCが吸気下死点からズレたとき、このトレース点火時期基本値に吸気バルブ閉時期IVCの吸気下死点からのズレ量に応じたトレース点火時期補正量を加えることで、トレース点火時期推定値を算出するものがある(特許文献1参照)。
特開2005−23806公報

発明が解決しようとする課題

0003

ところで、上記の可変バルブタイミング機構に加えて、吸気バルブのバルブリフト最大量及び吸気バルブの作動角を指令値に応じて可変制御する可変バルブ機構を備えるエンジンがある。こうしたエンジンでは、可変バルブタイミング機構に与える指令値は変わらないのに、可変バルブ機構に与える指令値によって吸気バルブの開閉タイミング(開時期や閉時期)が進角したり遅角したりするため、この進遅角後の吸気バルブ開閉タイミングに最適なトレース点火時期基本値が、この進遅角前の吸気バルブ開閉タイミングに最適なトレース点火時期基本値と相違することになる。

0004

しかしながら、上記特許文献1の技術には可変バルブ機構について一切記載がないため、可変バルブタイミング機構と可変バルブ機構とを備えるエンジンに特許文献1の技術をそのまま適用した場合において、可変バルブ機構に与える指令値によって吸気バルブの開閉タイミングが進遅角したときに全く対応できず、トレース点火時期基本値の算出に誤差が生じてしまう。

0005

そこで本発明は、可変バルブタイミング機構と可変バルブ機構とを備えるエンジンにおいて、可変バルブタイミング機構に与える指令値は変わらないのに、可変バルブ機構に与える指令値によって吸気バルブの開閉タイミング(開時期や閉時期)が進角したり遅角したりした場合でも、トレース点火時期基本値を精度良く算出し得るエンジンの点火時期制御方法及びエンジンの点火時期制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、吸気バルブの作動角は一定のまま吸気バルブの開閉タイミングを指令値に応じて進遅角する可変バルブタイミング機構と、吸気バルブのバルブリフト最大量及び吸気バルブの作動角を指令値に応じて可変制御する可変バルブ機構とを備えるエンジンにおいて、エンジンの回転速度、エンジンの負荷、前記可変バルブタイミング機構に与える指令値及び前記可変バルブ機構に与える指令値に基づいてトレース点火時期基本値を算出し、この算出されたトレース点火時期基本値で火花点火を行うように構成する。

発明の効果

0007

本発明によれば、可変バルブタイミング機構と可変バルブ機構とを備えるエンジンにおいて、エンジンの回転速度、エンジンの負荷、可変バルブタイミング機構に与える指令値及び可変バルブ機構に与える指令値に基づいてトレース点火時期基本値を算出し、この算出されたトレース点火時期基本値で火花点火を行うので、可変バルブタイミング機構に与える指令値は変わらないのに、可変バルブ機構に与える指令値によって吸気バルブの開閉タイミング(開時期や閉時期)が進角したり遅角したりした場合でも、トレース点火時期基本値を精度良く算出することができ、トレース点火時期基本値の算出(推定)精度が向上する。

発明を実施するための最良の形態

0008

以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。

0009

図1は、エンジンの点火時期制御方法の実施に直接使用するエンジンの点火時期制御装置の概略構成を示している。

0010

空気は吸気コレクタ2に蓄えられた後、吸気マニホールド3を介して各気筒燃焼室5に導入される。燃料は各気筒の吸気ポート4に配置された燃料インジェクタ21より噴射供給される。空気中に噴射された燃料は気化しつつ空気と混合してガス混合気)を作り、燃焼室5に流入する。この混合気は吸気弁15が閉じることで燃焼室5内に閉じこめられ、ピストン6の上昇によって圧縮される。

0011

この圧縮混合気に対して高圧火花により点火を行うため、パワートランジスタ内蔵の点火コイルを各気筒に配した電子配電システム点火装置11を備える。すなわち、点火装置11は、バッテリからの電気エネルギーを蓄える点火コイル13と、点火コイル13の一次側への通電遮断を行うパワートランジスタ(図示しない)と、燃焼室5の天井に設けられ点火コイル13の一次電流の遮断によって点火コイル13の二次側に発生する高電圧を受けて、火花放電を行う点火プラグ14とからなっている。

0012

圧縮上死点より少し手前で点火プラグ14により火花が飛ばされ圧縮混合気に着火されると、火炎広がりやがて爆発的に燃焼し、この燃焼によるガス圧がピストン6を押し下げ仕事を行う。この仕事はクランクシャフト7の回転力として取り出される。燃焼後のガス(排気)は排気弁16が開いたときに排気通路8へと排出される。

0013

排気通路8には三元触媒9、10を備える。三元触媒9、10は排気の空燃比理論空燃比を中心とした狭い範囲(ウインドウ)にあるとき、排気中に含まれるHC、CO、NOxといった有害三成分を同時に効率よく除去できる。空燃比は吸入空気量と燃料量の比であるので、エンジンの1サイクル4サイクルエンジンではクランク角で720°区間)当たりに燃焼室5に導入される吸入空気量と、燃料インジェクタ21からの燃料噴射量との比が理論空燃比となるように、エンジンコントローラ31ではエアフローセンサ32からの吸入空気流量の信号とクランク角センサ(33、34)からの信号に基づいて燃料インジェクタ21からの燃料噴射量を定めると共に、三元触媒9の上流に設けたO2センサ35からの信号に基づいて空燃比をフィードバック制御している。

0014

吸気コレクタ2の上流には絞り弁23がスロットルモータ24により駆動される、いわゆる電子制御スロットル22を備える。運転者が要求するトルクアクセルペダル41の踏み込み量アクセル開度)に現れるので、エンジンコントローラ31ではアクセルセンサ42からの信号に基づいて目標トルクを定め、この目標トルクを実現するための目標空気量を定め、この目標空気量が得られるようにスロットルモータ24を介して絞り弁23の開度を制御する。

0015

吸気バルブ15、排気バルブ16は、クランクシャフト7を動力源として、各々吸気側カムシャフト25及び排気側カムシャフト26に設けられたカムの動作により開閉駆動される。吸気側には、吸気バルブ15のバルブリフト最大量及び作動角を連続的に可変制御する多節リンク状の機構で構成される可変バルブ機構(VEL機構)28を備える。このVEL機構28には吸気バルブ15のバルブリフト最大量及び作動角を検出するVE角度センサ43が併設されている。

0016

同じく吸気側には、クランクシャフト7と吸気側カムシャフト25との回転位相差を連続的に可変制御して、吸気バルブ15の開閉タイミング(開時期IVOと閉時期IVC)を進遅角する可変バルブタイミング機構(VTC機構)27を備える。また、吸気側カムシャフト25の他端には吸気側カムシャフト25の回転位置を検出するためのカム角度センサ34が併設されている。

0017

これらVEL機構28及びVTC機構27を備える場合のバルブリフト特性図2に示す。VTC機構27の非作動時かつVEL機構28の非作動時のバルブリフト特性が実線であるとすると、VTC機構27の非作動状態でVEL機構28に指令値(VEL角度)を与えて作動させたときには吸気バルブ15の作動角及びバルブリフト最大量がVEL機構28の非作動時より大きくなるためバルブリフト特性が破線の特性へと移り、吸気バルブ開時期IVOはVEL機構28の非作動時より進角され、吸気バルブ閉時期IVCはVEL機構28の非作動時より遅角される。またVEL機構28の非作動状態でVTC機構27に指令値(VTC角度)を与えて作動させたときには作動角一定のまま吸気バルブ開時期IVO及び吸気バルブ閉時期IVCが進角されるためバルブリフト特性が一点鎖線の特性へと移る。さらに、VTC機構27に指令値を与えて作動させると共にVEL機構28にも指令値を与えて作動させたときは二点鎖線の特性へと移る。このようにして、VEL機構28及びVTC機構27を組み合わせて用いることで、任意のクランク角位置における吸気バルブの開閉制御が可能となる。これらVEL機構28及びVTC機構27(可変動弁装置)の具体的な構成は特開2003−3872号公報により公知であるので、その詳しい説明は省略する。

0018

VEL機構28、VTC機構27の各アクチュエータ指令して、吸気バルブ15のリフト特性バルブタイミング開閉時期)や吸気バルブ15のバルブリフト最大量)を変えると燃焼室5に残留する不活性ガスの量が変化する。燃焼室5内の不活性ガスの量が増えるほどポンピングロスが減って燃費がよくなるので、運転条件によりどのくらいの不活性ガスが燃焼室5内に残留したらよいかを目標吸気バルブ閉時期や目標バルブリフト最大量にして予め定めており、エンジンコントローラ31ではそのときの運転条件(エンジンの負荷と回転速度)より目標吸気バルブ閉時期と目標バルブリフト最大量とを定め、それら目標値が得られるようにVTC機構27及びVEL機構28の各アクチュエータを介して吸気バルブ15の閉時期とバルブリフト最大量とを制御する。

0019

また、ノックセンサ37からの信号、エンジンの負荷と回転速度の信号がVEL角度センサ43からのVEL角度の信号、カム角度センサ34からのVTC角度の信号と共に入力されるエンジンコントローラ31では、点火コイル13を介して点火プラグ14の一次側電流の遮断時期である点火時期を制御する。ここで、VEL角度とは、VEL機構28に与える指令値のことで、このVEL角度がゼロであるときVEL機構28は非作動状態にあり、VEL角度が正の値で大きくなるほど吸気バルブ15の作動角及びバルブリフト最大量が大きくなる。また、VTC角度とは、VTC機構27に与える指令値のことで、このVTC角度がゼロであるときVTC機構28は非作動状態の最遅角位置にあり、VTC角度が正の値で大きくなるほど吸気バルブ開時期IVO及び吸気バルブ閉時期IVCが進角される。

0020

さて、点火時期は、MBT最大トルクの得られる最小進角値)とトレース点火時期とから定まる。ここで、トレース点火時期とは、エンジンにダメージを与えることのない軽いノック許容している点火時期のことで、トレース点火時期よりも点火時期を進めることは避けなければならない。

0021

そこで、VTC機構27に加えてVEL機構28をも備えるエンジンを対象としてトレース点火時期について検討したところを次に述べる。

0022

図3は、エンジン回転速度NRPMと充填効率ITACとを所定値に保った状態でVTC角度とVEL角度を様々に相違させたときにトレース点火時期基本値がどうなるかを、横軸にVTC角度を、縦軸にトレース点火時期を採ったグラフにまとめたものである(実験結果)。

0023

図3より、最小VEL角度のときVTC角度を大きくするほどトレース点火時期基本値が進角側に向かい、VTC角度の小さな領域であればVEL角度を大きくするほどトレース点火時期基本値が進角側に向かい、VTC角度の大きな領域ではVEL角度を大きくするほどトレース点火時期基本値が逆の遅角側に向かっている。このため、本発明では実線で示したようにVTC角度に対するトレース点火時期基本値の特性を一次式(直線)で近似することとする。つまり、VTC角度を変数として次式によりトレース点火時期基本値を算出する。

0024

トレー点火時期基本値=一次式傾き×VTC角度+一次式切片
…(補1)
ただし、一次式切片:VTC角度がゼロのときのトレース点火時期基本値、
このようにトレース点火時期基本値を一次式で近似したとき、その一次式は傾きと切片とで特定できるので、一次式傾き(近似式傾き)、一次式切片(近似式切片)を、横軸をVEL角度として改めてまとめてみたところ、一次式傾きについて図4の特性が、一次式切片について図5の特性が得られた。図4図5より、本発明ではVEL角度に対する一次式傾き、VEL角度に対する一次式切片の各特性についても一次式で近似することとする。つまり、VEL角度を変数として次式により一次式傾き、一次式切片を算出する。

0025

一次式傾き=一次式傾きの傾き×VEL角度+一次式傾きの切片
…(補2)
一次式切片=一次式切片の傾き×VEL角度+一次式切片の切片
…(補3)
ただし、一次式傾きの切片:VEL角度がゼロのときの一次式傾き、
一次式切片の切片:VEL角度がゼロのときの一次式切片、
すると、一次式傾きを近似する一次式、一次式切片を近似する一次式も、傾きと切片とで特定できることとなる。この場合に、図4図5に示した一次式の傾きと切片(k、l、m、n)はエンジン回転速度NRPM、充填効率ηc毎に異なるはずであるから、図4図5に示した一次式の傾きと切片(一次式傾きの傾きk、一次式傾きの切片l、一次式切片の傾きm、一次式切片の切片n)つまり、図4に示した一次式傾きについてその傾きと切片(k、l)、図5に示した一次式切片についてその傾きと切片(m、n)はエンジン回転速度NRPMと充填効率ηcのマップとする。

0026

次に、このトレース点火時期基本値の一次式での近似方法妥当か否かを検討したところを述べる。

0027

図6(A)は上記一次式傾き、一次式切片の傾きと切片(k、l、m、n)を用い、VTC角度が最大値に近くかつVEL角度がほぼ中央の位置をトレース点火時期基本値の適合点(★印参照)としてトレース点火時期基本値を設定したところを破線で書き入れたものであるが、破線で示した第1のトレース点火時期基本値のままでは、○印で囲んだVEL角度、VTC角度のときつまり適合点以外で、第1のトレース点火時期基本値(破線)が実トレース点火時期より進角するためノックが発生する。

0028

そこで、図6(B)に示したように実トレース点火時期を辿る位置まで、第1のトレース点火時期基本値を遅角側にオフセットすることで(一点鎖線参照)、ノックの発生を抑制できることとなる。しかしながら、適合点以外で実トレース点火時期より進角しないよう遅角側にオフセットして設定しているトレース点火時期基本値、つまり一点鎖線で示した第2のトレース点火時期基本値によれば、今度は★印で示した適合点のVTC角度のとき、実トレース点火時期とこの第2のトレース点火時期基本値(一点鎖線)との間に点火時期の誤差が発生してしまう。このため、適合点のVTC角度のときに、第2のトレース点火時期基本値と実トレース点火時期とが一致する補正機能を追加する必要がある。ただし、適合点のVTC角度のときのみ補正して第2のトレース点火時期基本値と実トレース点火時期とを一致させると、適合点を外れたVTC角度のとき第2のトレース点火時期基本値と実トレース点火時期との間に点火時期差が生じトルク段差を誘発する可能性がある。

0029

そこで、図6(C)に示したように適合点のVTC角度を中心として所定の補正範囲を設け、この補正範囲において適合点のVTC角度のときに、第2のトレース点火時期基本値と実トレース点火時期とが一致するように滑らかにつなぐトレース点時期補正量を導入する。すなわち、
トレース点火時期補正量=適合点の実トレース点火時期
−第2のトレース点火時期基本値の、適合点のVTC角度のときの値
…(補4)
の式により与えられるトレース点火時期補正量が最大となり、後はVTC角度が適合点より小さい側に(あるいは大きい側に)離れるほど徐々に小さくなって最後は補正範囲の境界でゼロとなるトレース点火時期補正量を算出させる。

0030

そして、第2のトレース点火時期基本値にこのトレース点時期補正量を加算した値をトレース点火時期推定値として、つまり次式によりトレース点火時期推定値を算出する。

0031

トレース点火時期推定値=第2のトレース点火時期基本値+トレース点火時期補正量
…(補5)
(補5)式右辺の第2のトレース点火時期基本値の単位は圧縮上死点より進角側に計測した値[degBTDC]であるため、正の値のトレース点火時期補正量[deg]を加算することは、第2のトレース点火時期基本値よりも進角されることを意味する。こうして算出されたトレース点火時期推定値は、図6(C)に示した破線のように、補正範囲内において、第2のトレース点火時期基本値(一点鎖線)から離れて適合点の実トレース時期に向かう直線(破線)となる。

0032

図3では横軸をVTC角度に採り、図4図5では横軸にVEL角を採った場合で説明したが、実はVTC角度とVEL角度を入れ換えても、同様となることを確認している。つまり、図3において横軸にVEL角度を採っても、図3に示したのと同様の特性が、また、図4図5において横軸にVTC角度を採っても、図4図5に示したのと同様の特性が得られるので、この場合にも図6(A)〜図6(C)で説明したのと同様にしてトレース点火時期推定値の算出方法を考えることができる。

0033

なお、実施形態では、図6(A)〜図6(C)に示したように、適合点をVTC角度が最大値に近くかつVEL角度がほぼ中央の位置としているが、適合点はこの場合に限られるものでない。

0034

このようにして、トレース点火時期推定値の算出方法に対する考え方が定まったので、次には具体的に考える。

0035

上記のVTC角度、VEL角度はVTC機構27、VEL機構28に対する指令値のため、実際の吸気バルブ15のリフト特性を直接表している値でないので、図19に示したように、バルブリフト最大量の位置のクランク角より吸気下死点(BDC)までのクランク角区間を吸気バルブ15の「中心角」として定義すると、吸気バルブ15の作動角及びバルブリフト最大量はVEL角度により定まり、吸気バルブ15の中心角はVTC角度により定まるので、上記の(補1)式〜(補3)式は次のように書き直すことができる。

0036

トレー点火時期基本値=近似式傾き×中心角+近似式切片
…(補1’)
近似式傾き=近似式傾きの傾き×作動角(またはリフト)+近似式傾きの切片
…(補2’)
近似式切片=近似式切片の傾き×作動角(またはリフト)+近似式切片の切片
…(補3’)
(補1’)式、(補2’)式右辺の作動角は、吸気バルブ15の開時期IVOより閉時期IVCまでのクランク角区間のことである。また、吸気バルブ15のバルブリフト最大量は吸気バルブ15のバルブリフトが最大となる位置のバルブリフト量であるが、(補1’)式、(補2’)式を含めて、以下ではこれを単に吸気バルブ15の「リフト」という。

0037

また、(補1’)式〜(補3’)式において、作動角(またはリフト)と中心角とを入れ換えた次式が考えられる。

0038

トレー点火時期基本値=近似式傾き×作動角(またはリフト)+近似式切片
…(補1”)
近似式傾き=近似式傾きの傾き×中心角+近似式傾きの切片
…(補2”)
近似式切片=近似式切片の傾き×中心角+近似式切片の切片
…(補3”)
これら(補1’)式〜(補3’)式や(補1”)式〜(補3”)式では3つの傾きと3つの切片が出てくるので、それぞれを区別するため、(補1’)式〜(補3’)式を次の(補6)式〜(補8)式のように、また(補1”)式〜(補3”)式を次の(補6’)式〜(補8’)式のように書き換える。

0039

トレー点火時期基本値=作動角感度×作動角+作動角切片
…(補6)
作動角感度=作動角感度中心角感度×中心角+作動角感度中心角切片
…(補7)
作動角切片=作動角切片中心角感度×中心角+作動角切片中心角切片
…(補8)
トレー点火時期基本値=リフト感度×リフト+リフト切片
…(補6’)
リフト感度=リフト感度中心角感度×中心角+リフト感度中心角切片
…(補7’)
リフト切片=リフト切片中心角感度×中心角+リフト切片中心角切片
…(補8’)
後述するように、(補6)式〜(補8)式に従う場合が第1実施形態、(補6’)式〜(補8’)式に従う場合が第2実施形態である。

0040

エンジンコントローラ31で実行されるこの制御について以下のフローチャートに基づいて詳述する。

0041

図7図10は第1実施形態のフローチャートである。このうち、図7はトレース点火時期推定値を算出するためのもので、Ref信号の入力毎に実行する。

0042

テップ01では、クランク角センサ(33、34)により検出されるエンジン回転数NRPM[rpm]、エアフローセンサ32により検出される吸入空気量MA[kg/s]を読み込む。この吸入空気量MAからは次式により充填効率を算出する。

0043

ITAC=MA/MAMX …(補9)
ただし、MAMX:充填効率最大値の吸入空気量[kg/s]、実機による適合値とする
ステップ02では、基本トレース点火時期推定値ESTTRACE1[degBTDC]を算出する。この値の算出については図8により後述する。

0044

ステップ03ではノックセンサ37の出力に基づいてノック補正量KNKRET[deg]を算出する。例えば、ノックを判定したときにはクランク角で1degのリタード量をノック補正量として、またノック判定しないときには一定時間経過ごとにクランク角で1deg進角するような進角量をノック補正量として算出する。この場合、ノックを判定したときのノック補正量KNKRETには負の符号を、ノック判定しないときのノック補正量KNKRETには正の符号を付ける。

0045

ステップ04では、基本トレース点火時期推定値BESTTRACE1にノック補正量KNKRETを加算した値をトレース点火時期推定値ESTTRACE1として、つまり次式によりトレース点火時期推定値ESTTRACE1[degBTDC]を算出する。

0046

ESTTRACE1=BESTTRACE1+KNKRET …(2)
このようにして算出したトレース点火時期推定値ESTTRACE1は、図示しないフローにおいて、MBTの得られる基本点火時期MBTCALと比較され、小さい方の値が最終的な点火時期ADV[degBTDC]として選択される。点火時期の単位は、圧縮上死点を基準として進角側に計測したクランク角位置であるので、小さい方を選択するとは、トレース点火時期推定値ESTTRACE1と基本点火時期MBTCALのうち遅角側の値を選択することである。そして、選択された値が点火時期指令値として点火レジスタに移され、実際のクランク角がこの点火時期指令値と一致したタイミングでエンジンコントローラ31より一次電流を遮断する点火信号がパワートランジスタに出力される。

0047

基本トレース点火時期推定値BESTTRACE1が選択されているときにノックが生じたときには、次回の点火時に基本トレース点火時期推定値BESTTRACE1よりノック補正量KNKRETの分だけ遅角された値がトレース点火時期推定値ESTTRACE1となる。

0048

図8は基本トレース点火時期推定値を算出するためのもので、図7のステップ02のサブルーチンである。

0049

ステップ021では、カム角度センサ34により検出される実VTC角度(REVTC)と、VEL角度センサ43により検出される実VEL角度(REVEL)を読み込む。

0050

ステップ022では、実VEL作動角REVELから図11を内容とするテーブルを参照することにより、吸気バルブ15の作動角REEVENTを算出する。図11の作動角のテーブル特性はVEL機構28の仕様により決まる。吸気バルブ15の作動角は図19を用いて説明したように吸気バルブ15の開時期IVOより閉時期IVCまでのクランク角区間のことである。

0051

ステップ022ではまた、実VTC角度REVTCから次式により吸気バルブ15の中心角RETIMINGを算出する。

0052

RETIMING=RETIMING0+REVTC …(3)
ただし、RETIMING0:吸気バルブの中心角の初期位置、
(3)式右辺の吸気バルブの中心角の初期位置RETIMING0は、VTC機構27の非作動時の吸気バルブの中心角のことで、エンジンジオメトリーから決まる。吸気バルブ15の中心角は、図19を用いて説明したように、バルブリフト最大量となる位置のクランク角より吸気下死点(BDC)までのクランク角区間のことである。

0053

ステップ023では、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1[degBTDC]を、またステップ024では、トレース点火時期誤差補正量TRACEERR1[deg]を算出し、ステップ025で基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1にトレース点火時期誤差補正量TRACEERR1を加算した値(トレース点火時期誤差補正量TRACEERR1だけ進角側の値)を基本トレース点火時期推定値BESTTRACE1[degBTDC]として、つまり次式により基本トレース点火時期推定値BESTTRACE1を算出する。(4)式は上記(補5)式に対応する。

BESTTRACE1=BBESTTRACE1+TRACEERR1
…(4)
(4)式は図6(C)に示したように適合点のVTC角度を中心とする所定の補正範囲で破線の特性を求める操作に相当する。(4)式右辺の基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1、トレース点火時期誤差補正量TRACEERR1の算出については後述する。

0054

図9は基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1を算出するためのもので、図8のステップ023のサブルーチンである。

0055

ステップ0231ではエンジン回転速度NRPMと充填効率ITACから図12を内容とするマップを参照することにより基本トレース点火時期推定基本値の作動角感度中心角感度EVSLTIMSLを、ステップ0232ではエンジン回転速度NRPMと充填効率ITACから図13を内容とするマップを参照することにより基本トレース点火時期推定基本値の作動角感度中心角切片EVSLTIMINをそれぞれ算出し、ステップ0233で次式により基本トレース点火時期推定基本値の作動角感度を算出する。(5)式は上記(補7)式と同じである。

0056

EVSL=EVSLTIMSL×RETIMING+EVSLTIMIN
…(5)
ただし、EVSL :作動角感度、
EVSLTIMSL:作動角感度中心角感度、
RETIMING :吸気バルブの中心角、
EVSLTIMIN:作動角感度中心角切片、
ステップ0234ではエンジン回転速度NRPMと充填効率ITACから図14を内容とするマップを参照することにより基本トレース点火時期推定基本値の作動角切片中心角感度EVINTIMSLを、ステップ0235ではエンジン回転速度NRPMと充填効率ITACから図15を内容とするマップを参照することにより基本トレース点火時期推定基本値の作動角切片中心角切片EVINTIMINをそれぞれ算出し、ステップ0236で次式により基本トレース点火時期推定基本値の作動角切片を算出する。(6)式は上記(補8)式と同じである。

0057

EVIN=EVINTIMSL×RETIMING+EVINTIMIN
…(6)
ただし、EVIN :作動角切片、
EVINTIMSL:作動角切片中心角感度、
RETIMING :吸気バルブの中心角、
EVINTIMIN:作動角切片中心角切片、
ステップ0237では、次式により基本トレース点火時期推定基本値を算出する。(7)式は上記(補6)式と同じである。

0058

BBESTTRACE1=EVSL×REEVENT+EVIN
…(7)
ただし、BBESTTRACE1:基本トレース点火時期推定基本値、
EVSL :作動角感度、
REEVENT :吸気バルブの作動角、
EVIN :作動角切片、
ここで、図12に示した作動角感度中心角感度EVSLTIMSL、図13に示した作動角感度中心角切片EVSLTIMIN、図14に示した作動角切片中心角感度EVINTIMSL、図15に示した作動角切片中心角切片EVINTIMINの各マップ特性はエンジン回転速度NRPM、充填効率ITAC、VEL角度、VTC角度が変化したとき、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACEが実トレースノック点火時期と同等もしくはリタードするよう予め適合しておく。

0059

図10はトレース点火時期誤差補正量TRACEERR1を算出するためのもので、図8のステップ024のサブルーチンである。

0060

ステップ0241ではエンジン回転速度NRPMと充填効率ITACから図16を内容とするマップを参照することにより吸気バルブ15の目標作動角TGEVENTを、ステップ0242ではエンジン回転速度NRPMと充填効率ITACから図17を内容とするマップを参照することにより吸気バルブ15の目標中心角TGTIMINGをそれぞれ算出する。図16に示した目標作動角TGEVENT、図17に示した目標中心角TGTIMINGの各マップ特性は、適合したエンジン回転速度NRPM、充填効率ITACの状態でベストな状態となるよう予め適合しておく。ここでベストな状態とは要求により定まるものである。例えば燃費(あるいはエンジン出力)が最適となるように目標作動角TGEVENT及び目標中心角TGTIMINGが定められる。

0061

ステップ0243では、そのときの吸気バルブ15の実作動角REEVENTの目標作動角TGEVENTからの誤差(TGEVENT−REEVENT)と、そのときの吸気バルブ15の実中心角RETIMINGの目標中心角TGTIMINGからの誤差(TGTIMING−RETIMING)とを用いて次式により作動角・中心角の誤差EVTIMERRを算出する。

0062

EVTIMERR=((TGEVENT−REEVENT)/a)^2
+((TGTIMING−RETIMING)/b)^2
…(8)
ただし、a、b:定数
定数a,bはステップ025で算出する基本トレース点火時期推定値BESTTRACE1が実トレースノック点火時期と同等もしくはリタードするよう予め適合しておく。

0063

ステップ0244では、この作動角・中心角誤差EVTIMERRと作動角・中心角誤差の閾値TH1を比較する。ここで、閾値TH1は図6(C)に示したように適合点よりいずれの範囲で、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1を補正するかを定める値(一定値)で、予め適合しておく。

0064

従って、作動角・中心角誤差EVTIMERRが閾値TH1より大きいときには補正範囲にないので、ステップ0245に進んでトレース点火時期誤差補正量TRACEERR1=0とする。

0065

一方、作動角・中心角誤差EVTIMERRが閾値TH1以下であるときには適合点を中心とする所定の補正範囲にあると判断してステップ0246に進み、エンジン回転速度NRPMと充填効率ITACから図18を内容とするマップを参照することにより、トレース点火時期推定誤差補正量基本値BTRACEERR1を算出する。このトレース点火時期推定誤差補正量基本値BTRACEERR1は、上記(補4)式の値を求めるものである。

0066

ステップ0247では、次式によりトレース点火時期誤差補正量TRACEERR1を算出する。

0067

TRACEERR1=BTRACEERR1
×(TH1−EVTIMERR)/TH1
…(9)
(9)式右辺の(EVTIMERR/TH1)は1以下の正の値である。吸気バルブ15の実作動角REEVENTが目標作動角TGEVENTと一致し、吸気バルブ15の実中心角RETIMINGも目標中心角TGTIMINGと一致するとき作動角・中心角誤差EVTIMERR=0となり、このとき、(9)式よりトレース点火時期推定誤差補正量基本値BTRACEERR1がそのままトレース点火時期誤差補正量TRACEERR1となる。また、吸気バルブ15の実作動角REEVENTが目標作動角TGEVENTから離れかつ吸気バルブ15の実中心角RETIMINGが目標中心角TGTIMINGから離れるほど作動角・中心角誤差EVTIMERRが大きくなって閾値TH1に近づいて行き、作動角・中心角誤差EVTIMERRが閾値TH1と一致したとき、トレース点火時期誤差補正量TRACEERR1はゼロとなる。すなわち、(9)式は図6(C)に示したように適合点を中心とする所定の補正範囲で一点鎖線の特性から破線の特性へと進角側に移すための補正量を求める操作である。

0068

上記のトレース点火時期推定誤差補正量基本値BTRACEERR1の特性は、吸気バルブ15の実作動角REEVENTが適合点の吸気バルブ15の作動角(つまり目標作動角TGEVENT)に近づいてゆくほどステップ025で算出する基本トレース点火時期推定値BESTTRACE1が、適合点の実トレースノック点火時期に近づいて行くように、つまり図6(C)に示した破線の特性が得られるように予め適合しておく。

0069

ここで、本実施形態の作用効果を説明する。

0070

本実施形態(請求項1、8に記載の発明)によれば、VTC機構27とVEL機構28とを備えるエンジンにおいて、エンジンの回転速度NRPM、エンジンの負荷、VTC機構27に与える指令値及びVEL機構28に与える指令値に基づいて基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1(トレース点火時期基本値)を算出し(図8のステップ023、図9参照)、この算出された基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1(トレース点火時期基本値)で火花点火を行うので、VTC角度(VTC機構27に与える指令値)は変わらないのに、VEL角度(VEL機構28に与える指令値)によって吸気バルブ15の開時期や閉時期(開閉タイミング)が進角したり遅角したりした場合でも、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1(トレース点火時期基本値)を精度良く算出することができ、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1(トレース点火時期基本値)の算出(推定)精度が向上する。

0071

本実施形態(請求項2、9に記載の発明)によれば、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1(トレース点火時期基本値)を、吸気バルブ15の作動角REEVENTの一次式で近似するので(図9のステップ0237参照)、吸気バルブ15の作動角、VEL角度(VEL機構28に与える指令値)が相違する場合でも、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1(トレース点火時期基本値)を容易に算出できる。

0072

本実施形態(請求項3、10に記載の発明)によれば、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1(トレース点火時期基本値)を吸気バルブ15の作動角REEVENTの一次式で近似する場合に、基本トレース点火時期推定基本値の作動角感度EVSL(一次式の傾き)と基本トレース点火時期推定基本値の作動角切片EVIN(一次式の切片)とを吸気バルブ15の中心角RETIMINGの一次式で近似するので(図9のステップ0233、0236参照)、吸気バルブ15の中心角、VTC角度(VTC機構27に与える指令値)が相違する場合でも、基本トレース点火時期推定基本値の作動角感度EVSL(一次式の傾き)と基本トレース点火時期推定基本値の作動角切片EVIN(一次式の切片)とを容易に算出できる。

0073

基本トレース点火時期推定基本値の作動角感度EVSL(一次式の傾き)と基本トレース点火時期推定基本値の作動角切片EVIN(一次式の切片)とを、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1(一次式で近似した第1のトレース点火時期基本値)が所定の適合点で実トレース点火時期と一致するように設定したとき、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1(第1のトレース点火時期基本値)が適合点以外では実トレース点火時期より進角してノックが発生することがあり得るのであるが、本実施形態(請求項5、12に記載の発明)によれば、基本トレース点火時期推定基本値の作動角感度EVSL(一次式の傾き)と基本トレース点火時期推定基本値の作動角切片EVIN(一次式の切片)とを、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1(第1のトレース点火時期基本値)がさらに適合点以外で実トレース点火時期より進角しないよう基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1(第1のトレース点火時期基本値)を遅角側にオフセットして設定するので、適合点以外でのノックの発生を回避できる。

0074

本実施形態(請求項6、13に記載の発明)によれば、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1(適合点以外で実トレース点火時期より進角しないよう遅角側にオフセットして設定している第2のトレース点火時期基本値)とトレース点火時期誤差補正量TRACEERR1(トレース点火時期補正量)とから基本トレース点火時期推定値BESTTRACE1(トレース点火時期推定値)を算出し(図8のステップ025参照)、この基本トレース点火時期推定値BESTTRACE1(トレース点火時期推定値)を基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1(第2のトレース点火時期基本値)に代えて火花点火を行うと共に、適合点で基本トレース点火時期推定値BESTTRACE1(トレース点火時期推定値)と実トレース点火時期とが一致するようにトレース点火時期推定誤差補正量基本値BTRACEERR1(トレース点火時期補正量)を設定するので(図10のステップ0246参照)、適合点で基本トレース点火時期推定値BESTTRACE1(トレース点火時期推定値)と実トレース点火時期との間に点火時期誤差が発生してしまうことを避けることができる。

0075

適合点でのみ基本トレース点火時期推定値BESTTRACE1(トレース点火時期推定値)と実トレース点火時期とが一致するように基本トレース点火時期推定値BESTTRACE1(トレース点火時期補正量)を設定したのでは、適合点とそれ以外とでトレース点火時期推定値と実トレース点火時期との間に点火時期差が生じトルク段差を誘発する可能性があるのであるが、本実施形態(請求項7、14に記載の発明)によれば、適合点を中心として所定の補正範囲を設け、この補正範囲において基本トレース点火時期推定値BESTTRACE1(トレース点火時期推定値)が、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1(第2のトレース点火時期基本値の直線)へと滑らかにつながるように、トレース点火時期誤差補正量TRACEERR1(適合点以外でのトレース点時期補正量)を算出するので(図10のステップ0247参照)、こうしたトルク段差を誘発することがない。

0076

次に、図20図23は第2実施形態のフローチャートで、図20図21図22図23はそれぞれ図7図8図9図10に対応する。

0077

ここでは、第1実施形態との違いを主に説明する。

0078

図20においてステップ11、14で基本トレース点火時期推定値BESTTRACE2、トレース点火時期推定値ESTTRACE2を算出するが、内容的には同様の値を算出している。ただし、第1実施形態で算出する値であることを表すために第1実施形態では記号の最後に「1」を付しているので、第2実施形態で算出する値であることを表すために第2実施形態では記号の最後を「1」に代えて「2」を付している。この「2」は図21図22図23においても使用している。

0079

図21図20ステップ12のサブルーチン)においてステップ122では実VEL角度REVELから図24を内容とするテーブルを参照することにより、吸気バルブ15のリフトRELIFTを算出する。図24のリフトのテーブル特性はVEL機構28の仕様により決まる。

0080

ステップ123では、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE2[degBTDC]を、またステップ124では、トレース点火時期誤差補正量TRACEERR2[deg]を算出し、ステップ125で基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE2にトレース点火時期誤差補正量TRACEERR2を加算した値(トレース点火時期誤差補正量TRACEERR2だけ進角側の値)を基本トレース点火時期推定値BESTTRACE2[degBTDC]として、つまり次式により基本トレース点火時期推定値BESTTRACE2を算出する。(10)式は上記(補5)式に対応する。
BESTTRACE2=BBESTTRACE2+TRACEERR2
…(10)
(10)式は図6(C)に示したように適合点のVTC角度を中心とする所定の補正範囲で破線を求める操作に相当する。(10)式右辺の基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE2、トレース点火時期誤差補正量TRACEERR2の算出については後述する。

0081

図22図21のステップ123のサブルーチン)において、ステップ1231ではエンジン回転速度NRPMと充填効率ITACから図25を内容とするマップを参照することにより基本トレース点火時期推定基本値のリフト感度中心角感度LISLTIMSLを、ステップ1232ではエンジン回転速度NRPMと充填効率ITACから図26を内容とするマップを参照することにより基本トレース点火時期推定基本値のリフト感度中心角切片LISLTIMINをそれぞれ算出し、ステップ1233で次式により基本トレース点火時期推定基本値のリフト感度を算出する。(11)式は上記(補7’)式と同じである。

0082

LISL=LISLTIMSL×RETIMING+LISLTIMIN
…(11)
ただし、LISL :リフト感度、
LISLTIMSL:リフト感度中心角感度、
RETIMING :吸気バルブの中心角、
LISLTIMIN:リフト感度中心角切片、
ステップ1234ではエンジン回転速度NRPMと充填効率ITACから図27を内容とするマップを参照することにより基本トレース点火時期推定基本値のリフト切片中心角感度LIINTIMSLを、ステップ1235ではエンジン回転速度NRPMと充填効率ITACから図28を内容とするマップを参照することにより基本トレース点火時期推定基本値のリフト切片中心角切片LIINTIMINをそれぞれ算出し、ステップ1236で次式により基本トレース点火時期推定基本値のリフト切片を算出する。(12)式は上記(補8’)式と同じである。

0083

LIIN=LIINTIMSL×RETIMING+LIINTIMIN
…(12)
ただし、LIIN :リフト切片、
LIINTIMSL:リフト切片中心角感度、
RETIMING :吸気バルブの中心角、
LIINTIMIN:リフト切片中心角切片、
ステップ1237では、次式により基本トレース点火時期推定基本値を算出する。(13)式は上記(補6’)式と同じである。

0084

BBESTTRACE2=LISL×RELIFT+LIIN
…(13)
ただし、BBESTTRACE2:基本トレース点火時期推定基本値、
LISL :リフト感度、
RELIFT :吸気バルブのリフト、
LIIN :リフト作動角切片、
ここで、図25に示したリフト感度中心角感度LISLTIMSL、図26に示したリフト感度中心角切片LISLTIMIN、図27に示したリフト切片中心角感度LIINTIMSL、図28に示したリフト切片中心角切片LIINTIMINの各マップ特性はエンジン回転速度NRPM、充填効率ITAC、VEL角度、VTC角度が変化したとき、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACEが実トレースノック点火時期と同等もしくはリタードするよう予め適合しておく。

0085

図23図21のステップ124のサブルーチンの)においてステップ1241ではエンジン回転速度NRPMと充填効率ITACから図29を内容とするマップを参照することにより吸気バルブ15の目標リフトTGLIFTを、ステップ1242ではエンジン回転速度NRPMと充填効率ITACから図17を内容とするマップを参照することにより吸気バルブ15の目標中心角TGTIMINGをそれぞれ算出する。図29に示した目標リフトTGLIFT、図17に示した目標中心角TGTIMINGの各マップ特性は、適合したエンジン回転速度NRPM、充填効率ITACの状態でベストな状態となるよう予め適合しておく。ここでベストな状態とは要求により定まるものである。例えば燃費(あるいはエンジン出力)が最適となるように目標リフトTGLIFT及び目標中心角TGTIMINGが定められる。

0086

ステップ1243では、そのときの吸気バルブ15の実リフトRELIFTの目標リフトTGLIFTからの誤差(TGLIFT−RELIFT)と、そのときの吸気バルブ15の実中心角RETIMINGの目標中心角TGTIMINGからの誤差(TGTIMING−RETIMING)とを用いて次式によりリフト・中心角の誤差LITIMERRを算出する。

0087

LITIMERR=((TGLIFT−RELIFT)/c)^2
+((TGTIMING−RETIMING)/d)^2
…(14)
ただし、c、d:定数、
定数c,dはステップ125で算出する基本トレース点火時期推定値BESTTRACE2が実トレースノック点火時期と同等もしくはリタードするよう予め適合しておく。

0088

ステップ1244では、このリフト・中心角誤差LITIMERRとリフト・中心角誤差の閾値TH2を比較する。ここで、閾値TH2は図6(C)に示したように適合点よりいずれの範囲で、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE2を補正するかを定める値(一定値)で、予め適合しておく。

0089

従って、リフト・中心角誤差LITIMERRが閾値TH2より大きいときには補正範囲にないので、ステップ1245に進んでトレース点火時期誤差補正量TRACEERR2=0とする。

0090

一方、リフト・中心角誤差LITIMERRが閾値TH2以下であるときには適合点を中心とする所定の補正範囲にあると判断してステップ1246に進み、エンジン回転速度NRPMと充填効率ITACから図30を内容とするマップを参照することにより、トレース点火時期推定誤差補正量基本値BTRACEERR2を算出する。このトレース点火時期推定誤差補正量基本値BTRACEERR2は、上記(補4)式の値を求めるものである。

0091

ステップ1247では、次式によりトレース点火時期誤差補正量TRACEERR2を算出する。

0092

TRACEERR2=BTRACEERR2×(LITIMERR/TH2)
…(15)
(15)式右辺の(LIEVTIMERR/TH2)は1以下の正の値である。吸気バルブ15の実リフトRELIFTが目標リフトTGLIFTと一致し、吸気バルブ15の実中心角RETIMINGも目標中心角TGTIMINGと一致するときリフト作動角・中心角誤差LITIMERR=0となり、このとき、(15)式よりトレース点火時期推定誤差補正量基本値BTRACEERR2がそのままトレース点火時期誤差補正量TRACEERR2となる。また、吸気バルブ15の実リフトRELIFTが目標リフトTGLIFTから離れかつ吸気バルブ15の実中心角RETIMINGが目標中心角TGTIMINGから離れるほどリフト作動角・中心角誤差LITIMERRが大きくなって閾値TH1に近づいて行き、リフト作動角・中心角誤差LITIMERRが閾値TH1と一致したとき、トレース点火時期誤差補正量TRACEERR2はゼロとなる。すなわち、(15)式は図6(C)に示したように適合点を中心とする所定の補正範囲で一点鎖線の特性から破線の特性へと進角側に移すための補正量を求める操作である。

0093

上記のトレース点火時期推定誤差補正量基本値BTRACEERR2の特性は、吸気バルブ15の実リフトRELIFTが適合点の吸気バルブ15のリフト(つまり目標リフトTGLIFT)に近づいてゆくほどステップ125で算出する基本トレース点火時期推定値BESTTRACE2が、適合点の実トレースノック点火時期に近づいて行くように、つまり図6(C)に示した破線の特性が得られるように予め適合しておく。

0094

ここで、第2実施形態の作用効果を説明する。

0095

第2実施形態(請求項1、8に記載の発明)によれば、VTC機構27とVEL機構28とを備えるエンジンにおいて、エンジンの回転速度NRPM、エンジンの負荷、VTC角度(VTC機構27に与える指令値)及びVEL角度(VEL機構28に与える指令値)に基づいて基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE2(トレース点火時期基本値)を算出し(図21のステップ123、図22参照)、この算出された基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE1(トレース点火時期基本値)で火花点火を行うので、VTC角度(VTC機構27に与える指令値)は変わらないのに、VEL角度(VEL機構28に与える指令値)によって吸気バルブ15の開時期や閉時期(開閉タイミング)が進角したり遅角したりした場合でも、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE2(トレース点火時期基本値)を精度良く算出することができ、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE2(トレース点火時期基本値)の算出(推定)精度が向上する。

0096

第2実施形態(請求項2、9に記載の発明)によれば、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE2(トレース点火時期基本値)を、吸気バルブ15のリフトRELIFTの一次式で近似するので(図22のステップ1237参照)、吸気バルブ15のリフト、VEL角度(VEL機構28に与える指令値)が相違する場合でも、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE2(トレース点火時期基本値)を容易に算出できる。

0097

第2実施形態(請求項3、10に記載の発明)によれば、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE2(トレース点火時期基本値)を吸気バルブ15のリフトRELIFT(バルブリフト最大量)の一次式で近似する場合に基本トレース点火時期推定基本値のリフト感度LISL(一次式の傾き)と基本トレース点火時期推定基本値のリフト切片LIIN(一次式の切片)とを吸気バルブ15の中心角RETIMINGの一次式で近似するので(図22のステップ1233、1236参照)、吸気バルブ15の中心角RETIMING、VTC角度(VTC機構27に与える指令値)が相違する場合でも、基本トレース点火時期推定基本値のリフト感度LISL(一次式の傾き)と基本トレース点火時期推定基本値のリフト切片LIIN(一次式の切片)とを容易に算出できる。

0098

基本トレース点火時期推定基本値のリフト感度LISL(一次式の傾き)と基本トレース点火時期推定基本値のリフト切片LIIN(一次式の切片)とを、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE2(一次式で近似した第1のトレース点火時期基本値)が所定の適合点で実トレース点火時期と一致するように設定したとき、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE2(第1のトレース点火時期基本値)が適合点以外では実トレース点火時期より進角してノックが発生することがあり得るのであるが、第2実施形態(請求項5、12に記載の発明)によれば、基本トレース点火時期推定基本値のリフト感度LISL(一次式の傾き)と基本トレース点火時期推定基本値のリフト切片LIIN(一次式の切片)とを、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE2(第1のトレース点火時期基本値)がさらに適合点以外で実トレース点火時期より進角しないよう基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE2(第1のトレース点火時期基本値)を遅角側にオフセットして設定するので、適合点以外でのノックの発生を回避できる。

0099

第2実施形態(請求項6、13に記載の発明)によれば、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE2(適合点以外で実トレース点火時期より進角しないよう遅角側にオフセットして設定している第2のトレース点火時期基本値)とトレース点火時期誤差補正量TRACEERR2(トレース点火時期補正量)とから基本トレース点火時期推定値BESTTRACE2(トレース点火時期推定値)を算出し(図21のステップ125参照)、この基本トレース点火時期推定値BESTTRACE2(トレース点火時期推定値)を基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE2(第2のトレース点火時期基本値)に代えて火花点火を行うと共に、適合点で基本トレース点火時期推定値BESTTRACE2(トレース点火時期推定値)と実トレース点火時期とが一致するようにトレース点火時期推定誤差補正量基本値BTRACEERR2(トレース点火時期補正量)を設定するので(図23のステップ1246参照)、適合点で基本トレース点火時期推定値BESTTRACE2(トレース点火時期推定値)と実トレース点火時期との間に点火時期誤差が発生してしまうことを避けることができる。

0100

適合点でのみ基本トレース点火時期推定値BESTTRACE2(トレース点火時期推定値)と実トレース点火時期とが一致するように基本トレース点火時期推定値BESTTRACE2(トレース点火時期補正量)を設定したのでは、適合点とそれ以外とでトレース点火時期推定値と実トレース点火時期との間に点火時期差が生じトルク段差を誘発する可能性があるのであるが、第2実施形態(請求項7、14に記載の発明)によれば、適合点を中心として所定の補正範囲を設け、この補正範囲において基本トレース点火時期推定値BESTTRACE2(トレース点火時期推定値)が、基本トレース点火時期推定基本値BBESTTRACE2(第2のトレース点火時期基本値の直線)へと滑らかにつながるように、トレース点火時期誤差補正量TRACEERR2(適合点以外でのトレース点時期補正量)を算出するので(図23のステップ1247参照)、こうしたトルク段差を誘発することがない。

0101

請求項1に記載の発明において、トレース点火時期基本値算出処理手順図8のステップ023、図9によりまたは図21のステップ123、図22により果たされている。

0102

請求項8に記載の発明において、トレース点火時期基本値算出手段の機能は図8のステップ023、図9によりまたは図21のステップ123、図22により果たされている。

図面の簡単な説明

0103

本発明の第1実施形態のエンジンの点火時期制御装置の概略構成図。
VEL機構及びVTC機構を備える場合のバルブリフト特性図。
VTC角度、VEL角度とトレース点火時期基本値の関係を示す特性図。
VEL角度に対する近似式傾きの特性図。
VEL角度に対する近似式切片の特性図。
トレース点火時期基本値の直線近似方法が妥当か否かを検討するために用いたVTC角度、VEL角度とトレース点火時期の関係を示す特性図。
トレース点火時期基本値の直線近似方法が妥当か否かを検討するために用いたVTC角度、VEL角度とトレース点火時期の関係を示す特性図。
トレース点火時期基本値の直線近似方法が妥当か否かを検討するために用いたVTC角度、VEL角度とトレース点火時期の関係を示す特性図。
第1実施形態のトレース点火時期推定値の算出を説明するためのフローチャート。
第1実施形態の基本トレース点火時期推定値の算出を説明するためのフローチャート。
第1実施形態の基本トレース点火時期推定基本値の算出を説明するためのフローチャート。
第1実施形態のトレース点火時期誤差補正量の算出を説明するためのフローチャート。
第1実施形態の吸気バルブ作動角の特性図。
第1実施形態の作動角感度中心角感度の特性図。
第1実施形態の作動角感度中心角切片の特性図。
第1実施形態の作動角切片中心角感度の特性図。
第1実施形態の作動角切片中心角切片の特性図。
第1実施形態の目標作動角の特性図。
第1、第2の実施形態の目標中心角の特性図。
第1実施形態の推定誤差補正量基本値の特性図。
吸気バルブのバルブリフト特性図。
第2実施形態のトレース点火時期推定値の算出を説明するためのフローチャート。
第2実施形態の基本トレース点火時期推定値の算出を説明するためのフローチャート。
第2実施形態の基本トレース点火時期推定基本値の算出を説明するためのフローチャート。
第2実施形態のトレース点火時期誤差補正量の算出を説明するためのフローチャート。
第2実施形態のリフトの特性図。
第2実施形態のリフト感度中心角感度の特性図。
第2実施形態のリフト感度中心角切片の特性図。
第2実施形態のリフト切片中心角感度の特性図。
第2実施形態のリフト切片中心角切片の特性図。
第2実施形態の目標リフトの特性図。
第2実施形態の推定誤差補正量基本値の特性図。

符号の説明

0104

11点火装置
27VTC機構(可変バルブタイミング機構)
28VEL機構(可変バルブ機構)
31エンジンコントローラ
34カム角度センサ
37ノックセンサ
43VEL角度センサ

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