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技術 車載用電子装置およびそれを搭載する車両

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 廣中良臣
出願日 2006年6月7日 (13年6ヶ月経過) 出願番号 2006-158746
公開日 2007年12月20日 (12年0ヶ月経過) 公開番号 2007-329003
状態 特許登録済
技術分野 静電気の除去 車両用電気・流体回路 プリント板等の取付
主要キーワード 製造寸法 グランドループ 自動車用電子制御装置 耐ノイズ性能 ケースグランド 車載用電子装置 ボディアース コントロールコンピュータ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年12月20日)のものです。
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図面 (16)

課題

耐静電気性能が向上した車載用電子装置およびそれを搭載する車両を提供する。

解決手段

インバータユニットは、接地電位とされる導電性筐体2と、筐体2内に収容される制御基板17と、制御基板17に形成される導電パターンと筐体2との間に所定電圧以上の高電圧印加されると放電する放電ギャップ18とを備える。好ましくは、インバータユニットは、制御基板17を覆い、導電パターンと電気的に接続された導電板50をさらに備える。放電ギャップ18は、導電板50と筐体2との間で形成される。

概要

背景

静電気や過電圧に対する保護を図るため、電子装置には、一般に過電圧を逃がすための保護素子が設けられる。特開2003−151794号公報(特許文献1)には、このような保護素子が搭載された自動車用電子制御装置が開示されている。

この電気制御装置は、筐体に接続されるケースグランドと、ケースグランドに接続される電子回路とから構成される自動車用電子制御装置である。そして、その電子回路は、センサからの出力信号集積回路に伝達する信号線と、信号線の端子制御用グランドとを有するコネクタと、信号線とケースグランドとの間に設けられたEMC保護を目的とするコンデンサを有するとともに、コンデンサに印加された電荷をケースグランドに放電させる静電気保護素子を有する。
特開2003−151794号公報

概要

耐静電気性能が向上した車載用電子装置およびそれを搭載する車両を提供する。インバータユニットは、接地電位とされる導電性の筐体2と、筐体2内に収容される制御基板17と、制御基板17に形成される導電パターンと筐体2との間に所定電圧以上の高電圧が印加されると放電する放電ギャップ18とを備える。好ましくは、インバータユニットは、制御基板17を覆い、導電パターンと電気的に接続された導電板50をさらに備える。放電ギャップ18は、導電板50と筐体2との間で形成される。

目的

この発明の目的は、耐静電気性能が向上した車載用電子装置およびそれを搭載する車両を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

導電性筐体と、前記筐体内に収容される制御基板と、前記制御基板に形成される導電パターンと前記筐体との間に所定電圧以上の高電圧印加されると放電する放電ギャップとを備える、車載用電子装置

請求項2

前記制御基板を覆い、前記導電パターンと電気的に接続された導電板をさらに備え、前記放電ギャップは、前記導電板と前記筐体との間で形成される、請求項1に記載の車載用電子装置。

請求項3

前記導電板は、前記制御基板を覆う第1の部分と、前記第1の部分の外側の少なくとも一部に設けられ放電経路を形成する第2の部分とを含み、前記第2の部分と前記筐体との最近接距離は、前記第1の部分と前記筐体との最近接距離よりも短い、請求項2に記載の車載用電子装置。

請求項4

前記第2の部分には、前記筐体に向けて最近接距離を形成する突起が形成される、請求項3に記載の車載用電子装置。

請求項5

前記第2の部分と前記筐体との最近接距離を形成する部分が接触しないように前記第2の部分と前記筐体の間に配置される絶縁部材をさらに備える、請求項3に記載の車載用電子装置。

請求項6

前記筐体は、車載された際に接地電位となる、請求項1に記載の車載用電子装置。

請求項7

前記導電パターンとの間で前記制御基板上において前記放電ギャップを形成する導電性のボディアースパターンと、前記ボディアースパターンを前記筐体に電気的に接続する導電部材とをさらに備える、請求項1に記載の車載用電子装置。

請求項8

前記ボディアースパターンは、前記導電パターンに向かう第1の突起を有し、前記導電パターンは、前記第1の突起に向かう第2の突起を有する、請求項7に記載の車載用電子装置。

請求項9

前記筐体に取り付けられ外部から配線が接続される端子をさらに備え、前記端子と前記導電パターンとは電気的に接続されている、請求項1に記載の車載用電子装置。

請求項10

請求項1〜9のいずれか1項に記載の車載用電子装置を搭載する車両。

技術分野

0001

この発明は、車載用電子装置およびそれを搭載する車両に関し、特に車載用電子装置を保護する構成に関する。

背景技術

0002

静電気や過電圧に対する保護を図るため、電子装置には、一般に過電圧を逃がすための保護素子が設けられる。特開2003−151794号公報(特許文献1)には、このような保護素子が搭載された自動車用電子制御装置が開示されている。

0003

この電気制御装置は、筐体に接続されるケースグランドと、ケースグランドに接続される電子回路とから構成される自動車用電子制御装置である。そして、その電子回路は、センサからの出力信号集積回路に伝達する信号線と、信号線の端子制御用グランドとを有するコネクタと、信号線とケースグランドとの間に設けられたEMC保護を目的とするコンデンサを有するとともに、コンデンサに印加された電荷をケースグランドに放電させる静電気保護素子を有する。
特開2003−151794号公報

発明が解決しようとする課題

0004

電気自動車ハイブリッド自動車に搭載され車両駆動用モータに接続されるインバータユニットについて、車載用電子装置の一例として説明する。なお、他の車載用電子装置であっても同様な課題がある。

0005

インバータユニットの筐体中には精密機器収納されている。冬場など静電気が溜まりやすいときに、筐体に接地されたコネクタの端子に静電気が印加され精密機器にダメージを与える場合がある。この場合、端子から精密機器に至るまでにボディアースに静電気を逃がすことが好ましい。

0006

図13は、インバータユニットと制御ECU(Electric Control Unit)との接続を示した第1の検討例である。

0007

図13を参照して、制御ECU508とインバータユニット502とは、信号線134およびグランド線132で接続される。

0008

制御ECU508側では、信号線134とグランド線132との間にはツェナーダイオードD12が設けられ、グランド線132は制御ECU508の筐体と電気的に接続される。そして、制御ECU508の筐体はボディアースGNDBに電気的に接続される。

0009

一方、インバータユニット502側では、筐体内部のインバータ制御基板516に対して信号線134およびグランド線132が接続されている。制御基板516上には信号線134とグランド線132との間に接続されるツェナーダイオードD11が設けられている。そして基板上の制御グランドGNDSにグランド線132が接続される。なお、制御グランドGNDSは、信号線134によって与えられる信号の基準電位を表わす。

0010

また、インバータユニット502の内部においてグランド線132とインバータユニット502の筐体とが電気的に接続され、筐体はボディアースGNDBに電気的に接続されている。

0011

このようにグランド線132を制御ECU508側で筐体を介してボディアースGNDBに接続し、インバータユニット502側でも筐体を介してボディアースGNDBに接続すると、過電圧に対しての保護は手厚くなるが、ノイズに弱くなる場合がある。ボディアースGNDBは具体的には車両のフレームでありグランド線132を往路とするとフレームが復路となってしまう。すなわち、グランド線132、インバータの筐体、車両フレーム、ECUの筐体、グランド線132の経路グランドループが形成されてしまうからである。

0012

グランドループが形成されると、ループ鎖交する磁束の変化によってそのループに電流が流れる。ループに電流が流れると、グランド線502の電位が一様でなくなりトラブルの原因となる。

0013

図14は、インバータユニットと制御ECUとの接続を示した第2の検討例である。
図14に示した第2の検討例は、インバータユニット502内部においてグランド線132が筐体に接続されていない点が図15に示した第1の検討例と異なる。他の部分については、図14図13は同じであるので説明は繰返さない。

0014

図14に示すようにすれば、グランドループが形成されず、図13の検討例よりも耐ノイズ性能が向上する。

0015

図15は、図14に示した検討例の問題点を説明するための図である。
車両の生産時には、フレームに対して順にECUやインバータユニットを作業者組付けていく。インバータユニット502は、フレームに組み付けられることによって筐体がボディアースGNDBに接続され、その後制御ECU508から伸びる信号線134およびグランド線132を含む配線がインバータユニット502の筐体に設けられたコネクタに挿入される。

0016

図15は、インバータユニット502がフレームに組みつけられているが、まだ信号線134およびグランド線132がインバータユニット502に接続されていない状態を示す。このような状態において、信号線が取り付けられるコネクタ部分に静電気等によるサージが印加される場合も考えられる。このような状態では、制御グランドGNDSは、ボディアースGNDBに対してフローティングであるので、端子に加えられたサージが極めて大きいとツェナーダイオードD11で吸収しきれず内部の電子部品E11まで伝わる場合も考えられる。

0017

したがって、組立作業をする作業者が静電気に十分な対策をとる必要があり手数がかかることが考えられる。

0018

この発明の目的は、耐静電気性能が向上した車載用電子装置およびそれを搭載する車両を提供することである。

課題を解決するための手段

0019

この発明は、要約すると、車載用電子装置であって、導電性の筐体と、筐体内に収容される制御基板と、制御基板に形成される導電パターンと筐体との間に所定電圧以上の高電圧が印加されると放電する放電ギャップとを備える。

0020

好ましくは、車載用電子装置は、制御基板を覆い、導電パターンと電気的に接続された導電板をさらに備える。放電ギャップは、導電板と筐体との間で形成される。

0021

より好ましくは、導電板は、制御基板を覆う第1の部分と、第1の部分の外側の少なくとも一部に設けられ放電経路を形成する第2の部分とを含む。第2の部分と筐体との最近接距離は、第1の部分と筐体との最近接距離よりも短い。

0022

さらに好ましくは、第2の部分には、筐体に向けて最近接距離を形成する突起が形成される。

0023

さらに好ましくは、車載用電子装置は、第2の部分と筐体との最近接距離を形成する部分が接触しないように第2の部分と筐体の間に配置される絶縁部材をさらに備える。

0024

好ましくは、筐体は、車載された際に接地電位となる。
好ましくは、車載用電子装置は、導電パターンとの間で制御基板上において放電ギャップを形成する導電性のボディアースパターンと、ボディアースパターンを筐体に電気的に接続する導電部材とをさらに備える。

0025

より好ましくは、ボディアースパターンは、導電パターンに向かう第1の突起を有し、導電パターンは、第1の突起に向かう第2の突起を有する。

0026

好ましくは、車載用電子装置は、筐体に取り付けられ外部から配線が接続される端子をさらに備える。端子と導電パターンとは電気的に接続されている。

0027

この発明は他の局面に従うと、上記いずれかの車載用電子装置を搭載する車両である。

発明の効果

0028

この発明によれば、車載用電子装置の耐静電気性能が向上し、かつ耐ノイズ性能も低下させないで済む。

発明を実施するための最良の形態

0029

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。

0030

[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態に係る車両100の構成を示すブロック図である。

0031

図1を参照して、車両100は、ハイブリッド自動車であって、高圧バッテリ4と、補機バッテリ6と、インバータユニット1と、HVハイブリッドコントロールコンピュータ8と、モータジェネレータMG1,MG2,MGRと、動力分割機構PGと、エンジンENGと、前輪WFと、後輪WRとを含む。

0032

動力分割機構PGは、エンジンENGとモータジェネレータMG1,MG2に結合され、これらの間で動力分配する機構である。たとえば動力分配機構としてはサンギヤプラネタリキャリヤリングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構を用いることができる。この3つの回転軸がエンジンENG、モータジェネレータMG1,MG2の各回転軸にそれぞれ接続される。なお動力分割機構PGの内部にモータジェネレータMG2の回転軸に対する減速機をさらに組み込んでもよい。

0033

モータジェネレータMG2の回転軸は、図示しない減速ギヤ差動ギヤを介して前輪WFを駆動する。モータジェネレータMGRの回転軸は、図示しない減速ギヤや差動ギヤを介して後輪WRを駆動する。

0034

高圧バッテリ4としては、ニッケル水素電池リチウムイオン電池等の二次電池燃料電池などを用いることができる。補機バッテリ6としては、たとえば12Vの鉛蓄電池を用いることができる。

0035

インバータユニット1は、筐体2と、筐体2に取り付けられたコネクタ30と、各々筐体2に収納される昇圧コンバータ12、インバータIPM(Intelligent Power Module)14、モータジェネレータ制御装置16、DC/DCコンバータ10とを含む。HVコントロールコンピュータ8から伸びる信号線やグランド線はコネクタ30に取り付けられる。

0036

すなわち、インバータユニット1は、筐体2に取り付けられ外部から配線が接続される端子をさらに含む。この端子がコネクタ30中の制御グランドGNDSが接続される端子であり、端子と後に図6で説明する導電パターン92とは電気的に接続されている。

0037

インバータIPM14は、インバータ20,22,24を含む。昇圧コンバータ12は、高圧バッテリ4の端子間電圧を昇圧してインバータ20,22,24に供給する。

0038

インバータ20は、昇圧コンバータ12から与えられる直流電圧三相交流に変換してモータジェネレータMG1に出力する。昇圧コンバータ12は、たとえば、リアクトルと、IGBT素子と、ダイオード等により構成される。

0039

インバータ20は、昇圧コンバータ12から昇圧された電圧を受けてたとえばエンジンENGを始動させるためにモータジェネレータMG1を駆動する。また、インバータ20は、エンジンENGから伝達される機械的動力によってモータジェネレータMG1で発電された電力を昇圧コンバータ12に戻す。このとき昇圧コンバータ12は、降圧回路として動作するようにモータジェネレータ制御装置16によって制御される。

0040

インバータ20は、電源ライン接地ラインとの間に並列に接続されているU相アーム、V相アーム、W相アームを含む。インバータ22の各相アームは、電源ラインと接地ラインとの間に直列接続された2つのIGBT素子と、その2つのIGBT素子とそれぞれ並列に接続される2つのダイオードとを含む。

0041

モータジェネレータMG1は、三相永久磁石同期モータであり、U,V,W相の3つのコイルは各々一方端が中点に共に接続されている。そして、各相コイル他方端がインバータ20の対応する相のアームに接続される。

0042

インバータ22は、昇圧コンバータ12に対してインバータ20と並列的に接続される。インバータ22は、車輪を駆動するモータジェネレータMG2に対して昇圧コンバータ12の出力する直流電圧を三相交流に変換して出力する。またインバータ22は、回生制動に伴い、モータジェネレータMG2において発電された電力を昇圧コンバータ12に戻す。このとき昇圧コンバータ12は降圧回路として動作するようにモータジェネレータ制御装置16によって制御される。

0043

インバータ22の構成については、インバータ20と同様であるので説明は繰返さない。モータジェネレータMG2は、三相の永久磁石同期モータであり、U,V,W相の3つのコイルは各々一方端が中点に共に接続されている。そして、各相コイルの他方端がインバータ22の対応する相のアームに接続される。

0044

インバータ24は、昇圧コンバータ12に対してインバータ20,22と並列的に接続される。インバータ24は、後輪を駆動するモータジェネレータMGRに対して昇圧コンバータ12の出力する直流電圧を三相交流に変換して出力する。またインバータ24は、回生制動に伴い、モータジェネレータMGRにおいて発電された電力を昇圧コンバータ12に戻す。このとき昇圧コンバータ12は降圧回路として動作するようにモータジェネレータ制御装置16によって制御される。

0045

インバータ24の構成については、インバータ20と同様であるので説明は繰返さない。モータジェネレータMGRは、三相の永久磁石同期モータであり、U,V,W相の3つのコイルは各々一方端が中点に共に接続されている。そして、各相コイルの他方端がインバータ24の対応する相のアームに接続される。

0046

モータジェネレータ制御装置16は、3つのモータジェネレータのトルク指令値モータ回転数モータ電流値と、高圧バッテリ4の端子間電圧、昇圧コンバータ12の昇圧電圧バッテリ電流の各値とを受ける。そしてモータジェネレータ制御装置16は、昇圧コンバータ12に対して昇圧指示、降圧指示および動作禁止指示を出力する。

0047

さらに、モータジェネレータ制御装置16は、インバータ20に対して、昇圧コンバータ12の出力である直流電圧をモータジェネレータMG1を駆動するための交流電圧に変換する駆動指示と、モータジェネレータMG1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12側に戻す回生指示とを出力する。

0048

同様にモータジェネレータ制御装置16は、インバータ22に対して直流電圧をモータジェネレータMG2を駆動するための交流電圧に変換する駆動指示と、モータジェネレータMG2で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12側に戻す回生指示とを出力する。

0049

同様にモータジェネレータ制御装置16は、インバータ24に対して直流電圧をモータジェネレータMGRを駆動するための交流電圧に変換する駆動指示と、モータジェネレータMGRで発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12側に戻す回生指示とを出力する。

0050

DC/DCコンバータ10は、高圧バッテリ4の電圧を降圧して補機バッテリ6に充電を行なったり、補機バッテリ6に接続されている図示しないヘッドライト等の負荷に電力を供給したりする。DC/DCコンバータ10は、HVコントロールコンピュータ8との間で制御信号SDCをやり取りする。

0051

HVコントロールコンピュータ8は、モータジェネレータMG1,MG2,MGRをそれぞれ制御する制御信号SMG1,MG2,MGRをやり取りする信号線と、信号の基準となる制御グランドGNDSを接続するグランド線とによって、モータジェネレータ制御装置16に接続される。

0052

コネクタ30には、インバータユニット1の内部から、制御信号SMG1,MG2,MGR,SDCをやり取りする信号線と、制御グランドGNDSを接続するグランド線とが接続されている。HVコントロールコンピュータ8から伸びる配線群がこれら信号線にコネクタ30において接続される。

0053

インバータユニット1の筐体2はボディアースGNDBに電気的に接続されている。この接続は、たとえばアルミニウム製の筐体2を車体フレーム導電性金属ボルトナット締結することによって実現される。

0054

制御グランドGNDSと筐体2との間には放電ギャップ18が設けられる。
図2は、放電ギャップ18について説明するための図である。

0055

図2を参照して、HVコントロールコンピュータ8とインバータユニット1とは、信号線34およびグランド線32で接続される。

0056

HVコントロールコンピュータ8側では、信号線34とグランド線32との間にはツェナーダイオードD2が設けられ、グランド線32はHVコントロールコンピュータ8の筐体と電気的に接続される。そして、HVコントロールコンピュータ8の筐体はボディアースGNDBに電気的に接続される。

0057

一方、インバータユニット1側では、筐体2内部のモータジェネレータ制御装置16の基板に対して信号線34とグランド線32とが接続されている。モータジェネレータ制御装置16の基板上には信号線34とグランド線32との間に設けられるツェナーダイオードD1が設けられている。制御グランドGNDSにグランド線32が接続される。なお、制御グランドGNDSは、信号線34によって与えられる信号の基準電位を表わす。また、インバータユニット1の内部においてグランド線32とインバータユニット1の筐体2との間には、放電ギャップ18が設けられている。筐体2はボディアースGNDBに電気的に接続されている。

0058

図3は、放電ギャップ18による基板の保護について説明するための図である。
図3を参照して、放電ギャップ18は、車両の組立工程中に、モータジェネレータ制御装置16の静電耐圧よりも高い電圧がコネクタ端子T1,T2に印加されてしまった場合にこれを速やかに筐体2を通じてボディアースGNDBに逃がすことで、モータジェネレータ制御装置16を保護する。

0059

コネクタ端子T1に印加された静電気による高電圧は、矢印A1の経路でツェナーダイオードD1に至り、放電ギャップ18で放電が発生する。そして高電圧は、ツェナーダイオードD1を通過して矢印A2の経路でボディアースGNDBに抜けていく。したがって、内部の電子部品E1に高電圧が印加されてしまうことを避けることができる。

0060

図4は、図1に示したインバータユニット1の具体的な構造例を示す平面図である。
図5は、図4のV−V断面を示す断面図である。

0061

図4図5を参照して、インバータユニット1は、接地電位とされる導電性の筐体2と、筐体2内に収容される制御基板17と、制御基板17に形成される導電パターン92と筐体2との間に所定電圧以上(たとえば数kV)の高電圧が印加されると放電する放電ギャップ18とを含む。

0062

筐体2は、たとえばアルミニウム等の導電性の金属で形成されている。筐体2にはパワー素子やコンデンサ等を収容する樹脂ケース54が配置される。樹脂ケース54の側面下部には、ボルトを通すために本体から張り出した部分が設けられている。樹脂ケース54は、ボルト56〜58によって取り付けられている。

0063

インバータユニット1は、さらに、外部から信号線やグランド線が接続されるコネクタ30と、コネクタ30と制御基板上のコネクタ74とを接続する配線76とを含む。配線76は、グランド線が接続されるコネクタ74の端子と制御基板17上の制御グランドである導電パターン92とを接続する。導電パターン92は制御基板17の下面に形成されている。

0064

インバータユニット1は、制御基板17を下側から覆い、導電パターン92と電気的に接続された導電板50をさらに含む。制御基板17には、ノイズの影響を受けやすい電子部品72が実装されている。導電板50は、樹脂ケース54内部のパワー素子が発生するノイズから制御基板17を守るシールド機能を有すると共に、静電気を放電させる放電経路としても働く。筐体2には、内側の側壁に部分的に設けられた張り出し突起84が設けられている。放電ギャップ18は、導電板50と筐体2の張り出し突起84との間で形成される。

0065

樹脂ケース54の上面の四隅には、制御基板17を取り付けるためのボス(突起部)が設けられている。ボスの上に導電板50が配置され、そのさらに上には制御基板17が配置され、ねじ61〜64によって制御基板17および導電板50は樹脂ケース54上部のボスに取り付けられる。制御基板17に形成された導電パターン92と導電板50とは、ねじ61が締め付けられた結果、電気的に接続される。

0066

図6は、図4に示される放電ギャップ付近を詳細に説明するための図である。
図7は、図6のVII−VII断面を示す断面図である。

0067

図6図7を参照して、導電板50は、制御基板17を覆う第1の部分52と、第1の部分52の外側の少なくとも一部に設けられ放電経路を形成する第2の部分80とを含む。なお、第1の部分52は、樹脂ケース54に収納されているパワー素子等からのノイズが制御基板17に伝わりにくくするためのシールド板である。第2の部分80と筐体2との最近接距離D1は、第1の部分52と筐体との最近接距離よりも短い。距離D1は、たとえば0.1mm〜1.5mmの範囲が良く、好ましくは1mm程度にすることができる。

0068

なお、対象となる電圧と距離D1は、概ね比例関係にある。距離D1は短いほど静電気からの保護の面では好ましいが、部品製造寸法公差や取り付け時の寸法誤差を考慮すると、制御基板17自体の静電耐圧を考慮してその静電耐圧を超える位の高電圧が印加された場合に放電が発生するように距離D1を決めるとよい。

0069

このように距離D1を設定することにより、静電気による高電圧が印加された場合に放電ギャップ18で放電が発生し、制御基板17が保護される。

0070

第2の部分80には、筐体に向けて最近接距離を形成する突起82が形成される。たとえば、この突起82は、金属板プレスすることで形成することができる。なお、突起82がなくても筐体2との最近接距離が第1の部分52と筐体2との最近接距離よりも近ければ第2の部分80と筐体2との間で放電ギャップが形成される。たとえば、端部が側壁に近接するようにしても良い。

0071

以上説明したように、実施の形態1では、車両においてグランドループを形成することなく、インバータユニットの静電耐圧を向上させることができる。

0072

[第1変形例]
図5で説明したように、筐体2に樹脂ケース54が取り付けられその上に導電板50が取り付けられるような構造では、放電ギャップの寸法をバラツキなく一定に保つのは難しい。樹脂ケース54の高さの寸法誤差や、ボルトやねじ締め付け部分の寸法誤差が累積するためである。したがって、ギャップが小さくなる方向に各部の寸法バラツキが偏ると、突起82が筐体2に接触してしまうことも考えられる。すると、図13で説明したようにグランドループが発生し、電子装置がノイズに弱くなる場合がある。

0073

放電ギャップを一定に保とうとすれば、樹脂ケース54の高さ等、部品の寸法公差や、ボルトやねじ等の締め付けトルクの管理などを厳しくしなければならないので製造コストが上昇する。

0074

図8は、実施の形態1の第1変形例を説明するための図である。
図9は、図8のIX−IX断面を示す断面図である。

0075

図8図9を参照して、第1変形例に係るインバータユニットは、図7に示した導電板の構成に加えて、第2の部分80と筐体2との最近接距離を形成する部分が接触しないように第2の部分80と筐体2の間に配置される絶縁部材96をさらに含む。他の部分の構成については、実施の形態1と同様であるので説明は繰返さない。絶縁部材96としては、たとえば、絶縁紙を用いることができるが、絶縁体であればよく種々のものを使用することができる。

0076

絶縁部材96の厚みD3は、突起82の高さD2よりも大きい必要がある。このような高さ関係とすることで、樹脂ケース54の高さ等、部品の寸法公差や、ボルトやねじ等の締め付けトルクの管理などをあまり厳しくしないでも、突起82が筐体2と接触することを避けることができる。

0077

[第2変形例]
図10は、実施の形態1の第2変形例を説明するための図である。

0078

図10を参照して、第1変形例に係るインバータユニットは、図7に示した導電板の第2の部分80に代えてねじ貫通孔が設けられている第2の部分80Aを含む。他の部分の構成については、実施の形態1と同様であるので説明は繰返さない。

0079

第1変形例に係るインバータユニットは、第2の部分80Aと筐体2との最近接距離を形成する部分が接触しないように第2の部分80Aと筐体2の間に配置される絶縁部材96Aをさらに含む。この絶縁部材96Aはたとえば樹脂等で形成されている。絶縁部材96Aの中央にはねじ98を貫通させるための貫通孔が設けられている。このような絶縁部材96Aは、たとえば、樹脂を導電板を挟むように一体成形して形成することができる。また、上部と下部を別部材として樹脂成形し導電板の両側からはめ込んでこのような形状としても良い。

0080

絶縁部材をこのような形状とし、突起82の近傍でねじ98と絶縁部材96Aとで導電板の第2の部分80Aを固定すれば、グランドループの形成が避けられるばかりでなく、放電ギャップの寸法を一層精度良く管理することができる。

0081

[実施の形態2]
実施の形態1では、導電板と筐体との間で放電ギャップを形成したが、他の部分に放電ギャップを形成しても良い。

0082

図11は、実施の形態2に係るインバータユニットの放電ギャップを説明するための図である。

0083

図12は、図11のXII−XII断面を示す断面図である。
図11図12を参照して、インバータユニット1Aは、導電パターン192との間で制御基板117上において放電ギャップ18Aを形成する導電性のボディアースパターン194と、ボディアースパターン194を筐体102に電気的に接続する導電部材であるスペーサ155およびねじ161とをさらに備える。スペーサ155の下部には雄ねじが形成されており、筐体102に形成されたねじ穴にねじ込まれている。スペーサ155の上部には内壁雌ねじが形成された穴が設けられている。制御基板117は、ねじ161によってスペーサ155にねじ留めされている。ねじ161の頭部とボディアースパターン194とが当接するので、ボディアースGNDBに接続されている筐体102とボディアースパターン194とは導電性のスペーサ155を介して電気的に接続される。

0084

より好ましくは、ボディアースパターン194は、導電パターン192に向かう第1の突起200を有し、導電パターン192は、第1の突起200に向かう第2の突起201を有する。第1の突起200と第2の突起201との間には、放電ギャップ18Aが形成されている。これらの突起部は、普通の使用状態で信号の伝達には使用されない。

0085

放電ギャップ18Aの距離D2は、たとえば0.1mm〜1.5mmの範囲が良く、好ましくは1mm程度にすることができる。

0086

以上の構成とすることにより、コネクタで印加された静電気による高電圧は、導電パターン192から矢印A3に示す経路で放電し、ねじ161に伝達され、スペーサ155を介して矢印A4に示す経路でボディアースGNDBに抜ける。

0087

このため、実施の形態1と同様実施の形態2でも車両においてグランドループを形成することなく、インバータユニットの静電耐圧を向上させることができる。

0088

なお、本実施の形態では車載用電子装置がインバータユニットである場合について説明したが、本発明は車載用電子装置に広く適用することが可能である。

0089

また、車両がエンジンとモータとを車両駆動に併用するハイブリッド自動車である場合について説明したが、本発明は電気自動車や燃料電池自動車のようにモータを用いるインバータを搭載したり、他の電子装置を搭載したりする車両であれば適用することができる。

0090

今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

図面の簡単な説明

0091

実施の形態1に係る車両100の構成を示すブロック図である。
放電ギャップ18について説明するための図である。
放電ギャップ18による基板の保護について説明するための図である。
図1に示したインバータユニット1の具体的な構造を示す平面図である。
図4のV−V断面を示す断面図である。
図4に示される放電ギャップ付近を詳細に説明するための図である。
図6のVII−VII断面を示す断面図である。
実施の形態1の第1変形例を説明するための図である。
図8のIX−IX断面を示す断面図である。
実施の形態1の第2変形例を説明するための図である。
実施の形態2に係るインバータユニットの放電ギャップを説明するための図である。
図11のXII−XII断面を示す断面図である。
インバータユニットと制御ECU(Electric Control Unit)との接続を示した第1の検討例である。
インバータユニットと制御ECUとの接続を示した第2の検討例である。
図14に示した検討例の問題点を説明するための図である。

符号の説明

0092

1,1Aインバータユニット、2,102筐体、4高圧バッテリ、6補機バッテリ、8HVコントロールコンピュータ、10 DC/DCコンバータ、12昇圧コンバータ、16モータジェネレータ制御装置、17,117制御基板、18,18A放電ギャップ、20,22,24インバータ、30,74コネクタ、32,132グランド線、34,134信号線、50導電板、52 第1の部分、54樹脂ケース、56〜58ボルト、61〜64,161 ねじ、72,E1電子部品、76配線、80,80A 第2の部分、82,200,201突起、84張り出し突起、92,192導電パターン、96,96A絶縁部材、100 車両、155スペーサ、194ボディアースパターン、D1,D2,D11,D12ツェナーダイオード、ENGエンジン、14IPM、MG1,MG2,MGRモータジェネレータ、PG動力分割機構、T1,T2コネクタ端子、WF前輪、WR後輪。

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