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技術 カラーフィルター用インクジェットインク及びその製造方法、カラーフィルターの製造方法、並びに液晶表示装置の製造方法

出願人 大日本印刷株式会社
発明者 西田知則竹内理恵
出願日 2006年6月6日 (13年8ヶ月経過) 出願番号 2006-157884
公開日 2007年12月20日 (12年2ヶ月経過) 公開番号 2007-328062
状態 特許登録済
技術分野 インクジェット(インク供給、その他) 光学フィルタ 液晶4(光学部材との組合せ) 液晶4(光学部材との組合せ)
主要キーワード 有機材料表面 不可視光線 オリフィス表面 濡れ試験 表面ムラ 表面形状計測装置 厚膜部分 初期吐出
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

端部に厚膜部分が生じ難く、且つ表面ムラが低減された良好な画素等を形成可能なカラーフィルター用インクジェットインク及びその製造方法を提供し、上記目的を達成するインクジェットインクを用いたカラーフィルターの製造方法、並びに上記カラーフィルターの製造方法を用いた液晶表示装置の製造方法を提供する。

解決手段

少なくともバインダー成分、顔料、及び、溶剤からなり、前記溶剤が、第一溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を溶剤の全量に対して60〜95重量%含有し、更に第二溶剤として沸点が130℃以上180℃未満の溶剤成分を溶剤の全量に対して5〜40重量%含有することを特徴とする、カラーフィルター用インクジェットインクである。

概要

背景

近年、パーソナルコンピューター発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイ需要が増加する傾向にある。しかしながら、このカラー液晶ディスプレイが高価であることからコストダウンの要求が高まっており、特にコスト的に比重の高いカラーフィルターに対するコストダウンの要求が高い。
このようなカラーフィルターにおいては、通常赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色着色パターンを備え、R、G、およびBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶シャッタとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
従来より行われているカラーフィルターの製造方法としては、例えば染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性高分子材料を形成し、これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターン染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G、およびBのカラーフィルター層を形成する。

また、他の方法としては顔料分散法がある。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、およびBのカラーフィルター層を形成する。
さらに他の方法としては、電着法や、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、およびBの3回印刷を行った後、樹脂熱硬化させる方法等を挙げることができる。
しかしながら、いずれの方法も、R、G、及びBの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、同様の工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。

これらの問題点を解決したカラーフィルターの製造方法として、基板表面にインクジェット方式インクを吹き付けて着色層(画素部)を形成する方法が提案されている(特許文献1)。
インクジェット方式でインクを正確なパターンに合わせて吹き付けて画素を形成するためには、吐出ヘッドから吐出する際の直進性、安定性が求められる。しかし、インクの蒸発速度が早すぎると、吐出ヘッドのノズル先端でインクの粘度が急激に増加してインク滴飛行曲がりが発生したり、時間を空けて間歇的に吐出すると目詰まりを起こして再吐出できなくなったりする。
さらに、ヘッド13のオリフィス表面13aにインクが塗れ広がっていると、図7に示すように正面方向Vxに吐出されたインク滴14が、インクの塗れ広がった方向Vyに引張られ、飛行曲がりが発生する。従って、オリフィス表面でのインクの塗れ広がりによって、吐出の直進性はさらに悪くなる。
また、インクジェット方式で基板上に着色インクを吹き付けた時に、乾燥速度が速すぎるとインク層表面吐出直後波打ったまま又は傾いたままの状態で固化してしまいレベリングが不十分となり、一方、乾燥速度が遅すぎると加熱プロセスによって完全に乾燥させることが困難になるか又は乾燥可能であっても能率が悪い。従って、吐出性能のみ考えれば乾燥し難いインクを用いれば良いことになるが、インク層を完全に乾燥させるためには適度な乾燥性も必要になる。

カラーフィルターの着色剤としては顔料を用いることが多いが、カラーフィルター用インク顔料分散性が悪いと、顔料粒子同士の凝集により吐出ヘッドのノズル部で目詰まりを起こす。従って、着色剤として顔料を用いる場合には、顔料分散性もインクの吐出性能に影響を与える。
特許文献2には、着色剤、バインダー樹脂、及び、常圧における沸点が250℃以上の溶媒を含有するインクジェット方式カラーフィルター用樹脂組成物が開示されている。この公報に開示されたインクジェット方式カラーフィルター用樹脂組成物は高沸点の溶剤を用いているので、やはり、吐出ヘッドのノズル先端でインクが乾燥し難く、目詰まりを起こし難い。
しかし、これらの公報に開示されたインクを基板上に吐出した後は、インク層を乾燥させる過程において、乾燥し難い湿潤剤高沸点溶剤が最後まで残り、完全に乾燥させることが困難となる。

以上の問題点を解決した、ヘッドから吐出した時の直進性、安定性に優れ、均一性の高いパターンが得られると共に、効率よく乾燥させることができるカラーフィルター用インクジェットインクとして、発明者らは、特許文献3に、少なくともバインダー成分、顔料、及び、溶剤からなり、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を、前記溶剤の全量に対して90重量%以上の割合で含有することを特徴とするカラーフィルター用インクジェットインクを開示している。

特開昭59−75205号公報
特開2000−310706号公報
特開2002−201387号公報
特開2004−29261号公報

概要

端部に厚膜部分が生じ難く、且つ表面ムラが低減された良好な画素等を形成可能なカラーフィルター用インクジェットインク及びその製造方法を提供し、上記目的を達成するインクジェットインクを用いたカラーフィルターの製造方法、並びに上記カラーフィルターの製造方法を用いた液晶表示装置の製造方法を提供する。少なくともバインダー成分、顔料、及び、溶剤からなり、前記溶剤が、第一溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を溶剤の全量に対して60〜95重量%含有し、更に第二溶剤として沸点が130℃以上180℃未満の溶剤成分を溶剤の全量に対して5〜40重量%含有することを特徴とする、カラーフィルター用インクジェットインクである。

目的

本発明は上記実状に鑑みて成し遂げられたものであり、その第一の目的は、インクジェット方式において吐出安定性に優れながら、端部に厚膜部分が生じ難く、且つ表面ムラが低減された良好な画素等を形成可能なカラーフィルター用インクジェットインク及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、端部に厚膜部分が生じ難く表面ムラが低減された良好な画素等を備え、表示不良が低減されたカラーフィルターを得ることが可能なカラーフィルターの製造方法を提供することにある。
また、本発明の第三の目的は、上記目的を達成するカラーフィルターの製造方法を用いた液晶表示装置の製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
5件

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請求項1

少なくともバインダー成分、顔料、及び、溶剤からなり、前記溶剤が、第一溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を溶剤の全量に対して60〜95重量%含有し、更に第二溶剤として沸点が130℃以上180℃未満の溶剤成分を溶剤の全量に対して5〜40重量%含有することを特徴とする、カラーフィルター用インクジェットインク

請求項2

前記第二溶剤の23℃での粘度が0.5〜6mPa・sであることを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルター用インクジェットインク。

請求項3

前記第二溶剤の含有量が前記溶剤の全量に対して5〜30重量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のカラーフィルター用インクジェットインク。

請求項4

請求項5

前記第二溶剤が、エステル類、およびエーテル類よりなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のカラーフィルター用インクジェットインク。

請求項6

前記第二溶剤が、エチレングリコールモノエチルエーテルエチレングリコールモノプロピルエーテルエチレングリコールモノイソプロピルエーテルエチレングリコールモノブチルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテルプロピレングリコールモノプロピルエーテルプロピレングリコールモノブチルエーテルジエチレングリコールメチルエチルエーテルジエチレングリコールジメチルエーテルジプロピレングリコールジメチルエーテルグリセリン1,3−ジメチルエーテルエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートアセト酢酸メチル蟻酸ヘキシル酢酸シクロヘキシル乳酸エチルプロピオン酸イソアミルプロピオン酸ブチル酪酸ブチルクエン酸トリブチルシュウ酸ジメチル、3−エトキシプロピオン酸エチルジイソアミルエーテル、及び1、8−シネオールよりなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載のカラーフィルター用インクジェットインク。

請求項7

顔料及び必要に応じて顔料分散剤を、第一溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を含有する分散体調製溶剤に混合して顔料分散体を調製する工程と、得られた当該顔料分散体及び少なくともバインダー成分を、新たに用意した前記第一溶剤及び沸点が130℃以上180℃未満の溶剤成分からなる第二溶剤の混合溶剤に混合するか、又は新たに用意した前記第一溶剤に混合後、前記第二溶剤を添加することにより、溶剤全量に占める前記第一溶剤の配合割合が60〜95重量%及び前記第二溶剤の配合割合が5〜40重量%になるように調節する工程を有することを特徴とする、カラーフィルター用インクジェットインクの製造方法。

請求項8

基板上の所定領域に前記請求項1乃至6のいずれかに記載のカラーフィルター用インクジェットインクを、インクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成する工程と、前記インク層を硬化させて着色硬化層を形成する工程とを含むことを特徴とする、カラーフィルターの製造方法。

請求項9

基板表面の所定領域内の濡れ性を選択的に変化させて、周囲と比べて親インク性の大きいインク層形成領域を形成する工程を更に含み、前記インク層形成領域に、前記請求項1乃至7のいずれかに記載のカラーフィルター用インクジェットインクをインクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成することを特徴とする、請求項8に記載のカラーフィルターの製造方法。

請求項10

前記インク層を減圧乾燥する工程を更に含む、請求項8又9に記載のカラーフィルターの製造方法。

請求項11

前記請求項8乃至10のいずれかに記載のカラーフィルターの製造方法を用いてカラーフィルターを製造する工程と、当該製造されたカラーフィルターと液晶駆動側基板を対向させて組み立てる工程を有する、液晶表示装置の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、画素部のような所定パターン硬化層を形成するのに用いられるカラーフィルター用インクジェットインク、当該インクジェット用インクの製造方法、当該インクジェット用インクを用いてカラーフィルターを製造する方法、並びに当該カラーフィルターを用いて液晶表示装置を製造する方法に関する。

背景技術

0002

近年、パーソナルコンピューター発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイ需要が増加する傾向にある。しかしながら、このカラー液晶ディスプレイが高価であることからコストダウンの要求が高まっており、特にコスト的に比重の高いカラーフィルターに対するコストダウンの要求が高い。
このようなカラーフィルターにおいては、通常赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色着色パターンを備え、R、G、およびBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶シャッタとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
従来より行われているカラーフィルターの製造方法としては、例えば染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性高分子材料を形成し、これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターン染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G、およびBのカラーフィルター層を形成する。

0003

また、他の方法としては顔料分散法がある。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、およびBのカラーフィルター層を形成する。
さらに他の方法としては、電着法や、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、およびBの3回印刷を行った後、樹脂熱硬化させる方法等を挙げることができる。
しかしながら、いずれの方法も、R、G、及びBの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、同様の工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。

0004

これらの問題点を解決したカラーフィルターの製造方法として、基板表面にインクジェット方式インクを吹き付けて着色層(画素部)を形成する方法が提案されている(特許文献1)。
インクジェット方式でインクを正確なパターンに合わせて吹き付けて画素を形成するためには、吐出ヘッドから吐出する際の直進性、安定性が求められる。しかし、インクの蒸発速度が早すぎると、吐出ヘッドのノズル先端でインクの粘度が急激に増加してインク滴飛行曲がりが発生したり、時間を空けて間歇的に吐出すると目詰まりを起こして再吐出できなくなったりする。
さらに、ヘッド13のオリフィス表面13aにインクが塗れ広がっていると、図7に示すように正面方向Vxに吐出されたインク滴14が、インクの塗れ広がった方向Vyに引張られ、飛行曲がりが発生する。従って、オリフィス表面でのインクの塗れ広がりによって、吐出の直進性はさらに悪くなる。
また、インクジェット方式で基板上に着色インクを吹き付けた時に、乾燥速度が速すぎるとインク層表面吐出直後波打ったまま又は傾いたままの状態で固化してしまいレベリングが不十分となり、一方、乾燥速度が遅すぎると加熱プロセスによって完全に乾燥させることが困難になるか又は乾燥可能であっても能率が悪い。従って、吐出性能のみ考えれば乾燥し難いインクを用いれば良いことになるが、インク層を完全に乾燥させるためには適度な乾燥性も必要になる。

0005

カラーフィルターの着色剤としては顔料を用いることが多いが、カラーフィルター用インク顔料分散性が悪いと、顔料粒子同士の凝集により吐出ヘッドのノズル部で目詰まりを起こす。従って、着色剤として顔料を用いる場合には、顔料分散性もインクの吐出性能に影響を与える。
特許文献2には、着色剤、バインダー樹脂、及び、常圧における沸点が250℃以上の溶媒を含有するインクジェット方式カラーフィルター用樹脂組成物が開示されている。この公報に開示されたインクジェット方式カラーフィルター用樹脂組成物は高沸点の溶剤を用いているので、やはり、吐出ヘッドのノズル先端でインクが乾燥し難く、目詰まりを起こし難い。
しかし、これらの公報に開示されたインクを基板上に吐出した後は、インク層を乾燥させる過程において、乾燥し難い湿潤剤高沸点溶剤が最後まで残り、完全に乾燥させることが困難となる。

0006

以上の問題点を解決した、ヘッドから吐出した時の直進性、安定性に優れ、均一性の高いパターンが得られると共に、効率よく乾燥させることができるカラーフィルター用インクジェットインクとして、発明者らは、特許文献3に、少なくともバインダー成分、顔料、及び、溶剤からなり、主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を、前記溶剤の全量に対して90重量%以上の割合で含有することを特徴とするカラーフィルター用インクジェットインクを開示している。

0007

特開昭59−75205号公報
特開2000−310706号公報
特開2002−201387号公報
特開2004−29261号公報

発明が解決しようとする課題

0008

着色インクをインクジェット方式で基板上に吹き付けて画素を形成する場合には、画素の端部が盛り上がる場合がある。このように平均膜厚よりも厚膜の部分が画素に生じる場合には、厚膜部分の画素が暗くなったり、クラックが生じやすくなるためITO成膜不良が起こって断線等を引き起こす等により、表示不良の問題が生じる。更に、液晶層ギャップが正確に取れなくなる等の問題が生じる。

0009

特許文献4には、カラーフィルターの画素形成時、スリットコート方式において塗布面端部に形成されるツノ形状の厚膜部が形成されないようにする解決する手段として、着色顔料アクリル系モノマーアクリル系樹脂光重合開始剤希釈溶媒、及び界面活性剤を主成分とするカラーフィルタ用重合性組成物において、該界面活性剤としてフェニル基を有し分子量が3×103〜4×103のシリコン系界面活性剤を用いることを特徴とするカラーフィルタ用重合性組成物を開示している。しかしながら、画素にシリコン系界面活性剤を用いる場合、その量が多いと、体積抵抗値が低下して電気特性に問題が生じる場合や、その上に形成されるオーバーコート層をはじき易くなるといったリコート性に問題が生じる場合がある。

0010

また、着色インクをインクジェット方式で基板上に吹き付けて画素を形成する場合には、画素を形成するインク層を乾燥させる過程においてオーブン等の風の影響により、画素表面に放射状のムラが生じる場合がある。このような画素表面のムラは、表示ムラを引き起こし、表示不良の問題が生じる。

0011

本発明は上記実状に鑑みて成し遂げられたものであり、その第一の目的は、インクジェット方式において吐出安定性に優れながら、端部に厚膜部分が生じ難く、且つ表面ムラが低減された良好な画素等を形成可能なカラーフィルター用インクジェットインク及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、端部に厚膜部分が生じ難く表面ムラが低減された良好な画素等を備え、表示不良が低減されたカラーフィルターを得ることが可能なカラーフィルターの製造方法を提供することにある。
また、本発明の第三の目的は、上記目的を達成するカラーフィルターの製造方法を用いた液晶表示装置の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクは、少なくともバインダー成分、顔料、及び、溶剤からなり、前記溶剤が、第一溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を溶剤の全量に対して60〜95重量%含有し、更に第二溶剤として沸点が130℃以上180℃未満の溶剤成分を溶剤の全量に対して5〜40重量%含有することを特徴とする。
本発明者らが詳細に検討した結果、インクジェット方式で基板上に吹き付けて画素を形成する場合の画素端部の厚膜部分は、画素を形成するインク層を乾燥する際、端部から乾燥し易いために、画素端部のインクの粘度及び表面張力上がり、画素端部へ溶質流動が生じることにより、乾燥後に端部が盛り上がることにより生じると推定された。また、インク層を乾燥させる過程においてオーブン等の風の影響で溶質の流動が生じることにより、画素表面に放射状のムラが生じると推定された。

0013

本発明によれば、インクジェットインク方式において吐出安定性に優れる上記特定の第一溶剤に、更に第二溶剤として沸点が130℃以上180℃未満の溶剤成分を適量組み合わせることにより、上記特定の第一溶剤のみを用いた場合に比べて乾燥速度をより最適に上昇することができ、乾燥過程における溶質の流動を抑制することができるようになり、その結果、膜の端部盛り上がり及び表面の放射状のムラが低減されると推定される。本発明によれば、界面活性剤を用いることなく、揮発して画素中に残らない溶剤によって膜の端部盛り上がり及び表面の放射状のムラを低減できるため、界面活性剤を含有してこれらを低減する場合に比べて、電気特性や、画素上に形成されるオーバーコート層をはじき易くなるといったリコート性に問題が生じないという利点を有する。

0014

本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクにおいては、前記第二溶剤の23℃での粘度が0.5〜6mPa・sであることを特徴とすることが好ましい。この場合には、インクの粘度を適切に低下することが可能で、インク自体濡れ広がり性が向上する結果、着弾したインク滴がインク層形成領域全体の隅々にまで濡れ広がり易くなる。

0015

本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクにおいては、前記第二溶剤の含有量が前記溶剤の全量に対して5〜30重量%であることが、画素の端部に厚膜部分が生じ難く、且つ表面ムラが低減されやすい点から好ましい。

0016

本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクにおいては、前記第一溶剤が、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートジエチレングリコールジブチルエーテルアジピン酸ジエチルシュウ酸ジブチルマロン酸ジメチルマロン酸ジエチルコハク酸ジメチル、及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上であることが、ヘッドから吐出した時の直進性、安定性に優れ、更に効率よく乾燥させることができる点から好ましい。

0017

本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクにおいては、前記第二溶剤が、エステル系溶剤、およびエーテル系溶剤よりなる群から選択される1種以上であることが、ヘッドから吐出した時の直進性、安定性を阻害することなく、効率よく乾燥させて端部に厚膜部分が生じ難く、且つ表面ムラが低減された良好な画素を形成可能な点から好ましい。

0018

本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクにおいては、中でも、前記第二溶剤が、エチレングリコールモノエチルエーテルエチレングリコールモノプロピルエーテルエチレングリコールモノイソプロピルエーテルエチレングリコールモノブチルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテルプロピレングリコールモノプロピルエーテルプロピレングリコールモノブチルエーテルジエチレングリコールメチルエチルエーテルジエチレングリコールジメチルエーテルジプロピレングリコールジメチルエーテルグリセリン1,3−ジメチルエーテルエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートアセト酢酸メチル蟻酸ヘキシル酢酸シクロヘキシル乳酸エチルプロピオン酸イソアミルプロピオン酸ブチル酪酸ブチルクエン酸トリブチルシュウ酸ジメチル、3−エトキシプロピオン酸エチルジイソアミルエーテル、及び1、8−シネオールよりなる群から選択される1種以上であることが、ヘッドから吐出した時の直進性、安定性を阻害することなく、効率よく乾燥させて端部に厚膜部分が生じ難く、且つ表面ムラが低減された良好な画素を形成可能な点から好ましい。

0019

また、本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクの製造方法は、顔料及び必要に応じて顔料分散剤を、第一溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を含有する分散体調製溶剤に混合して顔料分散体を調製する工程と、得られた当該顔料分散体及び少なくともバインダー成分を、新たに用意した前記第一溶剤及び沸点が130℃以上180℃未満の溶剤成分からなる第二溶剤の混合溶剤に混合するか、又は新たに用意した前記第一溶剤に混合後、前記第二溶剤を添加することにより、溶剤全量に占める前記第一溶剤の配合割合が60〜95重量%及び前記第二溶剤の配合割合が5〜40重量%になるように調節する工程を有することを特徴とする。
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクの製造方法によれば、顔料分散体を調製するのに適した第一溶剤を用いて顔料分散体を調製した後、その第二溶剤の性状により、バインダー成分等を添加するインク調製時又はインク調製後の使用直前に第二溶剤を添加することにより、顔料分散体やインクの長期保存安定性を確保することができる。

0020

更に、本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、基板上の所定領域に上記本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクを、インクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成する工程と、前記インク層を硬化させて着色硬化層を形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、上記本発明に係るインクジェットインクを用いてインクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成する工程を有することにより、端部に厚膜部分が生じ難く表面ムラが低減された良好な画素を備え、表示不良が低減されたカラーフィルターを得ることが可能である。また、インクジェット方式を用いた製造方法であるため、コストダウンや歩留まりの向上を実現可能である。

0021

上記本発明に係るカラーフィルターの製造方法においては、基板表面の所定領域内の濡れ性を選択的に変化させて、周囲と比べて親インク性の大きいインク層形成領域を形成する工程を更に含み、前記インク層形成領域に、上記本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクをインクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成することが好ましい。この場合には、インク層形成領域にインクを付着させた後、インクの濡れ広がり性がより向上し、色抜けや膜厚ムラをより効果的に防止できるからである。

0022

上記本発明に係るカラーフィルターの製造方法においては、前記インク層を減圧乾燥する工程を更に含むことが、端部に厚膜部分が生じ難く表面ムラが低減された良好な画素を得る点から好ましい。

0023

また、本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、上記本発明に係るカラーフィルターの製造方法を用いてカラーフィルターを製造する工程と、当該製造されたカラーフィルターと液晶駆動側基板を対向させて組み立てる工程を有する。

発明の効果

0024

本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクは、インクジェット方式において吐出安定性に優れながら、端部に厚膜部分が生じ難く、且つ表面ムラが低減された良好な画素等を形成可能である。また、本発明のインクジェットインクによれば、界面活性剤を用いることなく、揮発して画素中に残らない溶剤によって膜の端部盛り上がり及び表面の放射状のムラを低減できるため、界面活性剤を含有してこれらを低減する場合に比べて、電気特性や、画素上に形成されるオーバーコート層をはじき易くなるといったリコート性に問題が生じないという利点を有する。
本発明に係るインクを用いたカラーフィルターの製造方法によれば、端部に厚膜部分が生じ難く表面ムラが低減された良好な画素等を備え、表示不良が低減されたカラーフィルターを製造することができる。
また、本発明に係る液晶表示装置の製造方法によれば、表示不良が低減されたより性能の良いカラーフィルターを用いることから、高品質な液晶表示装置とすることができる。

発明を実施するための最良の形態

0025

以下において本発明を詳しく説明する。なお本発明において光には、可視及び非可視領域波長電磁波、さらには放射線が含まれ、放射線には、例えばマイクロ波電子線が含まれる。具体的には、波長5μm以下の電磁波、及び電子線のことを言う。また本発明において(メタアクリルとはアクリル又はメタクリルのいずれかであることを意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートのいずれかであることを意味し、(メタ)アクリロイルとはアクリロイル又はメタクリロイルのいずれかであることを意味する。

0026

1.カラーフィルター用インクジェットインク
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクは、少なくともバインダー成分、顔料、及び、溶剤からなり、前記溶剤が、第一溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を溶剤の全量に対して60〜95重量%含有し、更に第二溶剤として沸点が130℃以上180℃未満の溶剤成分を溶剤の全量に対して5〜40重量%含有することを特徴とする。
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクは、カラーフィルターにおける画素や遮光部等の着色層を、インクジェット方式により形成するのに適したインクである。

0027

本発明によれば、インクジェット方式において吐出安定性に優れる上記特定の第一溶剤に、更に第二溶剤として沸点が130℃以上180℃未満の溶剤成分を適量組み合わせることにより、上記特定の第一溶剤のみを用いた場合に比べて乾燥速度をより最適に上昇することができ、乾燥過程における溶質の流動を抑制することができるようになり、その結果、膜の端部盛り上がり及び表面の放射状のムラが低減されると推定される。本発明によれば、界面活性剤を用いることなく、揮発して画素中に残らない溶剤によって膜の端部盛り上がり及び表面の放射状のムラを低減できるため、界面活性剤を含有してこれらを低減する場合に比べて、電気特性や、画素上に形成されるオーバーコート層をはじき易くなるといったリコート性に問題が生じないという利点を有する。

0028

以下、本発明に係るインクジェットインクに用いられる成分を説明する。
(バインダー成分)
本発明に係るインクジェットインクは、成膜性や被塗工面に対する密着性を付与するために、バインダー成分を含有する。本発明において、バインダー成分とはインク中に含まれる、画素を所定の位置に付着させ固定するために含有させる成分であり、通常は混合物である。

0029

本発明に係るインクジェットインクは、インクジェット方式に用いるインクであるため、所定のパターンを形成するためには、所定のパターン形成領域にのみインクを選択的に付着させて固化すれば形成することができ、露光及び現像を行なうことによりパターンを形成する必要がない。従って、バインダー成分としては、それ自体は重合反応性のない樹脂のみから構成されるような単に乾燥固化するバインダー成分を用いてもよい。しかしながら、塗工膜に十分な強度、耐久性、密着性を付与するためには、インクジェット方式により基板上にインク層(塗工膜)のパターンを形成後、当該インク層を重合反応により硬化させることのできるバインダー成分を用いるのが好ましく、例えば、可視光線紫外線、電子線等により重合硬化させることができる光硬化性のバインダー成分や、加熱により重合硬化させることができる熱硬化性のバインダー成分のような、重合硬化可能なバインダー成分を用いることができる。

0030

(1)熱硬化性バインダー成分
熱硬化性バインダーとしては、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物硬化剤の組み合わせが通常用いられ、更に、熱硬化反応を促進できる触媒を添加しても良い。熱硬化性官能基としてはエポキシ基が好ましく用いられる。また、これらにそれ自体は重合反応性のない重合体を更に用いても良い。

0031

1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物として、通常は、1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物が用いられる。1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物は、エポキシ基を2個以上、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20個を1分子中に有するエポキシ化合物(エポキシ樹脂と称されるものを含む)である。エポキシ基は、オキシラン環構造を有する構造であればよく、例えば、グリシジル基オキシエチレン基エポキシシクロヘキシル基等を示すことができる。エポキシ化合物としては、カルボン酸により硬化しうる公知の多価エポキシ化合物を挙げることができ、このようなエポキシ化合物は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。

0032

エポキシ化合物としては、硬化膜耐溶剤性耐熱性を付与するために、比較的分子量の高い重合体と、硬化膜の架橋密度を高くしたり、低粘度化によりインクジェット吐出性能を向上させるために、比較的分子量の低い化合物とを併用することが好ましい。

0033

比較的分子量の高い重合体であるエポキシ化合物(以下、「バインダー性エポキシ化合物」ということがある)としては、少なくとも下記式(1)で表される構成単位及び下記式(2)で表される構成単位から構成され且つグリシジル基を2個以上有する重合体を用いることができる。

0034

(R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、R2は炭素数1〜12
炭化水素基である。)

0035

(R3は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。)
式(1)で表される構成単位は、下記式(3)で表されるモノマーから誘導される。

0036

(R1およびR2は式(1)と同じである。)

0037

式(3)で表されるモノマーをバインダー性エポキシ化合物の構成単位として用いることにより、本発明の硬化性樹脂組成物から形成される硬化塗膜に充分な硬度および透明性を付与することができる。式(3)において、R2は、炭素数1〜12の炭化水素基であり、直鎖脂肪族、脂環式芳香族いずれの炭化水素基であってもよく、さらに付加的な構造、例えば二重結合、炭化水素基の側鎖、スピロ環の側鎖、環内架橋炭化水素基等を含んでいてもよい。

0038

上記式(3)で表されるモノマーとして具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、パラ−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等を例示することができる。

0039

式(3)において、R1として好ましいのは水素またはメチル基であり、R2として好ましいのは炭素数1〜12のアルキル基であり、そのなかでも特にメチル基及びシクロヘキシル基が好ましい。上記式(3)で表されるモノマーのなかで好ましいものとして、具体的にはメチルメタクリレート(MMA)及びシクロヘキシルメタクリレート(CHMA)を挙げることができる。

0040

重合体中の式(2)で表される構成単位は、下記式(4)で表されるモノマーから誘導される。

0041

(R3は式(2)と同じである。)

0042

式(4)で表されるモノマーは、重合体中にエポキシ基(エポキシ反応点)を導入するために用いられる。当該重合体を含有する硬化性樹脂組成物は保存安定性に優れており、保存中および吐出作業中に粘度上昇を生じ難いが、その理由の一つは式(2)または式(4)中のエポキシ基がグリシジル基だからであると推測される。式(4)で表されるモノマーの代わりに脂環式エポキシアクリレートを用いると、硬化性樹脂組成物の粘度が上昇しやすい。

0043

式(4)において、R3として好ましいのは水素またはメチル基である。式(4)で表されるモノマーとして、具体的にはグリシジル(メタ)アクリレートを例示することができ、特にグリシジルメタクリレートGMA)が好ましい。

0044

上記重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。また、上記重合体は、カラーフィルターの各細部に必要とされる性能、例えば硬度や透明性等が確保できる限り、式(1)あるいは式(2)以外の主鎖構成単位を含んでいてもよい。そのようなモノマーとして具体的には、アクリロニトリルスチレン等を例示することができる。

0045

上記バインダー性エポキシ化合物中の式(1)の構成単位と式(2)の構成単位の含有量は、式(1)の構成単位を誘導する単量体と式(2)の構成単位を誘導する単量体との仕込み重量比(式(1)を誘導する単量体:式(2)を誘導する単量体)で表した時に、10:90〜90:10の範囲にあるのが好ましい。
式(1)の構成単位の量が上記の比10:90よりも過剰な場合には、硬化の反応点が少なくなって架橋密度が低くなるおそれがあり、一方、式(2)の構成単位の量が上記の比90:10よりも過剰な場合には、嵩高い骨格が少なくなって硬化収縮が大きくなるおそれがある。

0046

また、上記バインダー性エポキシ化合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で表した時に3,000以上、特に4,000以上であることが好ましい。上記バインダー性エポキシ化合物の分子量が3,000よりも小さすぎるとカラーフィルターの細部としての硬化樹脂層に要求される強度、耐溶剤性等の物性が不足し易いからである。また、本発明に係るインクはインクジェット方式に用いられるので、上記バインダー性エポキシ化合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で表した時に20,000以下であることが好ましく、更に15,000以下であることが特に好ましい。当該分子量が20,000よりも大きすぎると粘度上昇が起こり易くなり、吐出ヘッドから吐出する時の吐出量の安定性や吐出方向の直進性が悪くなるおそれや、長期保存の安定性が悪くなるおそれがあるからである。

0047

上記バインダー性エポキシ化合物としては、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあるグリシジルメタクリレート(GMA)/メチルメタクリレート(MMA)系共重合体を用いるのが特に好ましい。なお、GMA/MMA系共重合体は本発明の目的を達成し得るものである限り、他のモノマー成分を含有していてもよい。

0048

上記バインダー性エポキシ化合物の合成例としては、例えば、温度計還流冷却器攪拌機滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、水酸基を含有しない溶剤を仕込み攪拌しながら120℃に昇温する。水酸基を含有しない溶剤を用いるのは、合成反応の最中にエポキシ基が分解するのを避けるためである。次いで上記式(3)で表されるモノマー、上記式(4)で表されるモノマー、及び、必要に応じて他のモノマーを組み合わせた組成物重合開始剤の混合物(滴下成分)を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下する。滴下終了後、120℃に降温して触媒を追加し3時間反応させ、130℃に昇温し2時間保ったところで反応を終了することにより、上記バインダー性エポキシ化合物が得られる。

0049

本発明に用いられる熱硬化性バインダー成分には、一分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物であって、上記バインダー性エポキシ化合物よりも分子量が小さいもの(以下、「多官能エポキシ化合物」ということがある。)を添加するのが好ましい。多官能エポキシ化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、これと組み合わせるバインダー性エポキシ化合物よりも小さいことを条件に、4,000以下が好ましく、3,000以下が特に好ましい。

0050

なお、エポキシ化合物のポリスチレン換算重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により求めることができ、測定条件としては、例えば、テトラヒドロフラン展開液とし、HLC−8029(東ソー株式会社製)を用いて測定することができる。

0051

上記バインダー性エポキシ化合物には、エポキシ基(グリシジル基)が式(2)で表される構成単位によって導入されているため、上記共重合体の分子内に導入できるエポキシ量には限界がある。硬化性樹脂組成物に比較的分子量が小さい多官能エポキシ化合物を添加すると、硬化性樹脂組成物中にエポキシ基が補充されてエポキシの反応点濃度が増加し、架橋密度を高めることができる。

0052

多官能エポキシ化合物の中でも、酸−エポキシ反応の架橋密度を上げるためには、一分子中にエポキシ基を4個以上有するエポキシ化合物を用いるのが好ましい。特に、本発明の硬化性樹脂組成物をインクジェット方式で用いる場合であって、インクジェット方式の吐出ヘッドからの吐出性を向上させるために前記バインダー性エポキシ化合物の重量平均分子量を10,000以下とした場合には、硬化樹脂層の強度や硬度が低下し易いので、そのような4官能以上の多官能エポキシ化合物を硬化性樹脂組成物に配合して架橋密度を充分に上げるのが好ましい。

0053

多官能エポキシ化合物としては、一分子中にエポキシ基を2個以上含有するものであれば特に制限はなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂ナフタレン型エポキシ樹脂ビフェニル型エポキシ樹脂フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA含核ポリオール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂グリオキザール型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂複素環型エポキシ樹脂などを使用できる。

0054

より具体的には、商品エピコート828(油化シェルエポキシ社製)などのビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名YDF−175S(東都化成社製)などのビスフェノールF型エポキシ樹脂、商品名YDB−715(東都化成社製)などの臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名EPICLON EXA1514(大日本インキ化学工業社製)などのビスフェノールS型エポキシ樹脂、商品名YDC−1312(東都化成社製)などのハイドロキノン型エポキシ樹脂、商品名EPICLON EXA4032(大日本インキ化学工業社製)などのナフタレン型エポキシ樹脂、商品名エピコートYX4000H(油化シェルエポキシ社製)などのビフェニル型エポキシ樹脂、商品名エピコート157S70(油化シェルエポキシ社製)などのビスフェノールA型ノボラック系エポキシ樹脂、商品名エピコート154(油化シェルエポキシ社製)、商品名YDPN−638(東都化成社製)などのフェノールノボラック型エポキシ樹脂、商品名YDCN−701(東都化成社製)などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、商品名EPICLON HP−7200(大日本インキ化学工業社製)などのジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、商品名エピコート1032H60(油化シェルエポキシ社製)などのトリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、商品名VG3101M80(三井化学社製)などの3官能型エポキシ樹脂、商品名エピコート1031S(油化シェルエポキシ社製)などのテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、商品名デナコールEX−411(ナガセ化成工業社製)などの4官能型エポキシ樹脂、商品名ST−3000(東都化成社製)などの水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名エピコート190P(油化シェルエポキシ社製)などのグリシジルエステル型エポキシ樹脂、商品名YH−434(東都化成社製)などのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、商品名YDG−414(東都化成社製)などのグリオキザール型エポキシ樹脂、商品名エポリードGT−401(ダイセル化学社製)などの脂環式多官能エポキシ化合物、トリグリシジルイソシアネート(TGIC)などの複素環型エポキシ樹脂などを例示することができる。また、必要であれば、エポキシ反応性希釈剤として、商品名ネオトートE(東都化成社製)などを混合することができる。

0055

これらの多官能エポキシ化合物の中でも、商品名エピコート157S70(油化シェルエポキシ社製)などのビスフェノールA型ノボラック系エポキシ樹脂、及び、商品名YDCN−701(東都化成社製)などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が特に好ましい。

0056

本発明に用いられる熱硬化性バインダー成分には、通常、硬化剤が組み合わせて配合される。硬化剤としては、例えば、多価カルボン酸無水物または多価カルボン酸を用いる。
多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸無水イタコン酸無水コハク酸無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸無水物エチレングリコールビストリメリテイト、グリセリントリストリメリテイトなどのエステル基含有酸無水物を挙げることができ、特に好ましくは、芳香族多価カルボン酸無水物を挙げることができる。また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
また、本発明に用いられる多価カルボン酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族多価カルボン酸、およびフタル酸、イソフタル酸テレフタル酸ピロメリット酸トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸を挙げることができ、好ましくは芳香族多価カルボン酸を挙げることができる。

0057

これら多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸は、1種単独でも2種以上の混合でも用いることができる。本発明に用いられる硬化剤の配合量は、エポキシ基を含有する成分(モノマーと樹脂)100重量部当たり、通常は1〜100重量部の範囲であり、好ましくは5〜50重量部である。硬化剤の配合量が1重量部未満であると、硬化が不充分となり、強靭な塗膜を形成することができない。また、硬化剤の配合量が100重量部を超えると、塗膜の基板に対する密着性が劣るうえに、均一で平滑な塗膜を形成することができない。

0058

また、本発明において熱硬化性バインダー成分には、硬化樹脂層の硬度および耐熱性を向上させるために、酸−エポキシ間の熱硬化反応を促進できる触媒を添加してもよい。そのような触媒としては、加熱硬化時に活性を示す熱潜在性触媒を用いることができる。

0059

熱潜在性触媒は、加熱されたとき、触媒活性を発揮し、硬化反応を促進し、硬化物に良好な物性を与えるものであり、必要により加えられるものである。この熱潜在性触媒は、60℃以上の温度で酸触媒活性を示すものが好ましく、このようなものとしてプロトン酸ルイス塩基中和した化合物、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類オニウム化合物類等が挙げられ、前記特開平4−218561号公報に記載されているような各種の化合物を使用することができる。具体的には、(イ)ハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類リン酸モノ及びジエステル類などを、アンモニアモノメチルアミントリエチルアミンピリジンエタノールアミン類などの各種アミン若しくはトリアルキルホスフィン等で中和した化合
物、(ロ)BF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2などのルイス酸を前述のルイス塩基で中和した化合物、(ハ)メタンスルホン酸エタンスルホン酸ベンゼンスルホン酸などと第一級アルコール第二級アルコールとのエステル化合物、(ニ)第一級アルコール類、第二級アルコール類のリン酸モノエステル化合物リン酸ジエステル化合物等を挙げることができる。また、オニウム化合物としては、アンモニウム化合物[R3NR']+X-、スルホニウム化合物[R3SR']+X-、オキソニウム化合物[R3OR']+X-等を挙げることができる。なお、ここでR及びR'はアルキルアルケニルアリールアルコキシ等である。

0060

(2)光硬化性バインダー成分
紫外線、電子線等の光により重合硬化させることができる光硬化性樹脂を含むバインダー成分においては、成膜性や被塗工面に対する密着性を付与することを目的として比較的分子量の高い重合体を含むことが好ましい。ここでいう比較的分子量が高いとは、所謂モノマーやオリゴマーよりも分子量が高いことをいい、重量平均分子量5,000以上を目安にすることができる。比較的分子量の高い重合体としては、それ自体は重合反応性のない重合体、及び、それ自体が重合反応性を有する重合体のいずれを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いても良い。そして、比較的分子量の高い重合体を主体とし、必要に応じて、光重合性官能基を2つ以上有する多官能モノマーやオリゴマー、光重合性官能基を1つ有する単官能のモノマーやオリゴマー、光により活性化する光重合開始剤、及び、増感剤などを配合して、光硬化性バインダー成分を構成する。

0061

それ自体は重合反応性のない重合体を比較的分子量の高い重合体として用いる場合には、バインダー成分に、光重合性官能基を2つ以上有する多官能モノマー、オリゴマーのような多官能重合性成分を配合する。この場合、バインダー系内において、多官能重合性成分が光照射によりそれ自体が自発的に重合するか、或いは、光照射により活性化した光重合開始剤等の他の成分の作用により重合して塗工膜中にネットワーク構造を形成し、当該ネットワーク構造内に重合反応性のない樹脂や顔料などの成分が包み込まれて硬化する。

0062

そのような重合反応性のない重合体としては、例えば、次のモノマーの2種以上からなる共重合体を用いることができる:アクリル酸メタクリル酸メチルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートベンジルアクリレートベンジルメタクリレート、スチレン、ポリスチレンマクロモノマー、及びポリメチルメタクリレートマクロモノマー

0063

より具体的には、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレートマクロモノマー/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレンマクロモノマー共重合体などを例示することができる。

0064

それ自体が重合反応性を有する重合体としては、非重合性バインダーの分子に重合性官能基を導入してなるオリゴマー又はオリゴマーよりも大分子量のポリマーであって、光照射を受けてそれ自体が重合反応を生じるか、或いは、光照射を受けて活性化した光重合開始剤などの他の成分の作用により重合反応を誘起するものを用いることができる。
各種のエチレン性二重結合含有化合物は、それ自体が重合反応性を有し、光硬化性樹脂として利用できる。従来において、例えばインク、塗料接着剤などの各種分野で用いられているUV硬化性樹脂組成物に配合されているプレポリマーは、本発明における比較的分子量の高い重合体として使用できる。従来から知られているプレポリマーとしては、ラジカル重合型プレポリマー、カチオン重合型プレポリマー、チオールエン付加型プレポリマーなどがあるが、いずれを用いてもよい。

0065

この中で、ラジカル重合型プレポリマーは、市場において最も容易に入手でき、例えば、エステルアクリレート類、エーテルアクリレート類ウレタンアクリレート類エポキシアクリレート類、アミノ樹脂アクリレート類、アクリル樹脂アクリレート類、不飽和ポリエステル類などを例示できる。

0066

本発明に係るインクの粘度が高すぎて吐出ヘッドからの吐出性に悪影響を及ぼさないように、それ自体が重合反応性を有する重合体として用いられるエチレン性二重結合含有化合物の分子量は、重量平均分子量で25,000以下であることが好ましい。

0067

比較的分子量の高い重合体は、インクの固形分全量に対して、通常、1〜50重量%の割合で配合する。ここで、配合割合を特定するためのインクの固形分とは、溶剤を除く全ての成分を含み、液状の重合性モノマー等も固形分に含まれる。

0068

それ自体が重合反応性を有する重合体を用いる場合にも、塗膜の強度や基盤に対する密着性を向上させるためには、多官能のモノマーやオリゴマーなどの多官能重合性成分を配合するのが好ましい。重合性を有する比較的分子量の高い重合体の分子は、比較的分子量の高い重合体同士で重合するだけでなく、多官能モノマー等の他の重合性成分とも重合してネットワークを形成し、硬化する。

0069

塗工膜のネットワーク構造を形成する多官能重合性成分としては、2官能以上のモノマー又はオリゴマーを用いることができる。光硬化性樹脂に十分な膜強度や密着性を付与するために、通常は4官能以上のモノマーやオリゴマーが用いられている。

0070

しかしながら、本発明に係るインクは、インクジェット方式のインクとして用いられるので、比較的分子量の高い重合体以外の重合性成分としては、官能基数が比較的少ない2官能乃至3官能のモノマー又はオリゴマーやモノマーを主体として用いるのが好ましく、粘度が100mPa・s以下の2乃至3官能モノマーを用いるのが特に好ましい。インクジェット方式の吹き付け作業中に、ヘッドの先端での粘度上昇が起こり難くなり、ヘッドの目詰まりが発生せず、作業中におけるインクの吐出性が安定するため、インクの吐出量や吐出方向が安定し、インクを基板上に所定のパターン通り正確に、且つ、均一に付着させることができるからである。

0071

2官能乃至3官能のモノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートトリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、3−ブチレングリコールジメタクリレート等を例示することができる。

0072

2乃至3官能モノマーの配合割合は、インクの固形分全量に対して、通常、20〜70重量%の割合で配合する。
ここで、2乃至3官能モノマーの配合割合が全固形分の20重量%に満たない場合には、インクがモノマーによって十分に希釈されず、インクの粘度が初めから高いか或いは溶剤分の揮発後に高くなり、インクジェットヘッドのノズルの目詰まりを起こすおそれがある。また、2乃至3官能モノマーの配合割合が全固形分の70重量%を超える場合には、塗膜の架橋密度が低くなり、塗膜の耐溶剤性、密着性、硬さが劣り、十分な特性が得られなくなるおそれがある。

0073

ただし、インク中に配合される多官能モノマーが全て2乃至3官能性モノマーである場合には、インクの乾燥による粘度上昇が起こり難いので、インクジェットヘッドの吐出性が安定するが、その反面、インク層を硬化して得られた硬化層の膜強度、基板に対する密着性、耐溶剤性等が不十分となる場合がある。そこで、上記の2乃至3官能モノマーと共に、4官能以上の多官能モノマーやオリゴマーを適量配合することにより架橋密度を上げて、硬化層のパターンに十分な膜強度と密着性を付与することができる。

0074

4官能のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレートペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等を例示することができる。

0075

4官能以上の多官能成分は、インクの固形分全量に対して、通常、1〜30重量%の割合で配合する。また、2乃至3官能性モノマーによる吐出性安定化と、4官能以上の多官能成分による強度及び密着性向上のバランスをとるために、2乃至3官能性モノマー100重量部に対して、4官能以上の多官能成分の配合割合を、通常は1〜50重量部とし、好ましくは当該配合割合の下限を2重量部以上とし、且つ/又は、当該配合割合の上限を35重量部以下とする。

0076

ここで、4官能以上の多官能成分の配合割合が前記2乃至3官能性モノマー100重量部に対して1重量部に満たない場合には、インクを硬化させた後の硬さ、耐溶剤性などの特性が十分に得られないおそれがある。また、4官能以上の多官能成分の前記配合割合が50重量部を超える場合には、インクの硬化速度が遅くなり、プロセススピードが遅くなるおそれがある。

0077

また、光硬化性のバインダー成分には、必要に応じて、単官能のモノマー、オリゴマーを配合してもよい。
単官能のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、スチレン、酢酸ビニル等のビニルモノマーや、n−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマーを例示することができる。

0078

光硬化性バインダー成分には、通常、使用する光源の波長に対して活性を有する光重合開始剤が配合される。光重合開始剤は、バインダーや多官能モノマーの反応形式の違い(例えばラジカル重合カチオン重合など)や、各材料の種類を考慮して適宜選択されるが、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モンフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドビスアシルフォスフィンオキサイドベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライド、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、1,3,5−トリアクロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、2−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビストリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メチルベンゾイルホルメート、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどの光重合開始剤を用いることができる。

0079

なお、光重合開始剤の含有量は、固形分全体に対して0.1〜5重量%、更に固形分全体に対して0.5〜2重量%であることが好ましい。
また、硬化したインク層に十分な密着性、強度、硬度を付与するためには、顔料やその他の成分を含めたインクの固形分全量に占めるバインダー成分の合計割合を50〜75重量%とするのが好ましい。

0080

(顔料)
着色剤としての顔料は、画素(画素部)のR、G、B等やブラックマトリックス層の求める色に合わせて、有機着色剤及び無機着色剤の中から任意のものを選んで使用することができる。有機着色剤としては、例えば、染料有機顔料天然色素等を用いることができる。また、無機着色剤としては、例えば、無機顔料体質顔料等を用いることができる。これらの中で有機顔料は、発色性が高く、耐熱性も高いので、好ましく用いられる。有機顔料としては、例えばカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行) においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。

0081

C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー60、C.I.ピグメントイエロー61、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー71、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー100、C.I.ピグメントイエロー101、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー106、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー113、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー116、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー119、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー126、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー152、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー175;

0082

C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ63、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73;C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38;
C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド14、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド30、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド37、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド40、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド42、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド50:1、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド57:2、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド90:1、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド101、C.I.ピグメントレッド102、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド105、C.I.ピグメントレッド106、C.I.ピグメントレッド108、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド113、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド151、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド174、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド265;

0083

C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60;C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36;C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25;C.I.ピグメントブラック1、ピグメントブラック7。

0084

また、前記無機顔料あるいは体質顔料の具体例としては、酸化チタン硫酸バリウム炭酸カルシウム亜鉛華硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄べんがら赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤群青紺青酸化クロム緑コバルト緑、アンバーチタンブラック、合成鉄黒カーボンブラック等を挙げることができる。本発明において、顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。

0085

カラーフィルターの基板上に、本発明のインクジェットインクを用いてブラックマトリックス層のパターンを形成する場合には、インクジェットインク中に遮光性の高い黒色顔料を配合する。遮光性の高い黒色顔料としては、例えば、カーボンブラックや四三酸化鉄などの無機系着色剤、或いは、シアニンブラックなどの有機系着色剤を使用できる。

0086

遮光性の高い顔料を含有するインクジェットインクで形成したインク層は、内部にまで光が到達し難いので、本発明のインクジェットインクを用いてブラックマトリックス層のパターンを形成する場合には、後述するバインダーは、光硬化性のバインダーを用いるよりも、熱硬化性バインダーを用いるのが好ましい。ただし、インク層の厚さや露光時間を長くするなど硬化方法を調節することによって、光でも硬化させることが可能である。

0087

画素を形成する場合には、顔料をインクジェットインクの固形分全量に対して、通常は1〜60重量%、好ましくは15〜40重量%の割合で配合する。顔料が少なすぎると、インクジェットインクを所定の膜厚(通常は0.1〜2.0μm)に塗布した際の透過濃度が十分でないおそれがある。また、顔料が多すぎると、インクジェットインクを基板上へ塗布し硬化させた際の基板への密着性、硬化膜の表面荒れ、塗膜硬さ等の塗膜としての特性が不十分となるおそれがある。

0088

(顔料分散剤)
顔料分散剤は、顔料を良好に分散させるためにインク中に必要に応じて配合される。顔料分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性シリコーン系フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、次に例示するような高分子界面活性剤高分子分散剤)が好ましい。

0090

(溶剤)
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクに用いられる溶剤は、第一溶剤として沸点が180℃〜260℃で、好ましくは210℃〜260℃で且つ常温(特に18℃〜25℃の範囲)での蒸気圧が0.5mmHg以下、好ましくは0.1mmHg以下の溶剤成分を溶剤の全量に対して60〜95重量%含有し、更に第二溶剤として沸点が130℃以上180℃未満の溶剤成分を溶剤の全量に対して5〜40重量%含有することを特徴とする。

0091

沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分は適度な乾燥性及び蒸発性を有している。そのため、このような溶剤成分を第一溶剤として高い配合割合で含有する本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクは、間歇吐出及び連続吐出のいずれを行う場合でも急速には乾燥しないので、インクジェットヘッドのノズル先端において急激な粘度の上昇や目詰まりを起こし難く、オリフィス表面の濡れ広がりも生じ難く、吐出方向や吐出量の安定性に優れている。従って、本発明のインクを用いてインクジェット方式により基板表面に所定のパターンに合わせて吐出することにより、画素部や遮光部等の着色硬化層を正確且つ均一に形成することができる。

0092

更に、本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクは、上記特定の第一溶剤に加えて、第二溶剤として沸点が130℃以上180℃未満の溶剤成分を適量組み合わせることにより、乾燥速度を最適化することができる。インクジェットヘッドのノズル先端においては急速に乾燥しないが、インク層乾燥時には乾燥速度が適度に速いことから溶質が流動することを抑制できる。従って、基板上に吐出された後は、基板表面になじんで十分にレベリングさせてから、適宜乾燥手段によって比較的短時間に且つ完全に乾燥させることができる。従って、本発明のインクを用いると、端部に厚膜部分が生じ難く、且つ表面ムラが低減された膜厚の均一性の高いパターンが得られると共に、効率よく乾燥させることができる。

0093

第一溶剤として用いられる溶剤成分は、上記した沸点と蒸気圧を有する溶剤であれば1種であっても又は2種以上の混合溶剤であっても良い。上記した沸点と蒸気圧を有する第一溶剤は、溶剤全量に対して60〜95重量%の割合で使用する必要がある。第一溶剤の割合が溶剤全量の60重量%以上の場合には、インクジェット方式に適した乾燥性、蒸発性を得ることができ、インクジェット間欠吐出安定性が向上する。第一溶剤の割合は、溶剤全量の70〜95重量%、更に溶剤全量の75〜95重量%、より更に溶剤全量の80〜92重量%とするのが好ましい。本発明においてはインクが着弾した後のインク層の乾燥速度を適切にするために、後述する第二溶剤を必須成分として含むが、更に、必要に応じて第一溶剤及び第二以外の溶剤成分を少量ならば含有しても良い。本発明のインクは着色剤として顔料を用いるので、顔料分散体を調製するために、顔料を分散させやすい分散溶剤を用いる必要がある場合があるからである。しかしながら、第一溶剤を溶剤全量に対して60〜95重量%の割合とするためには、第一溶剤及び/又は第二溶剤を適切に選択することにより顔料分散体の調製時に分散溶剤と混合使用するか、或いは、第一溶剤及び/又は第二溶剤をそのまま分散溶剤として使用するのが好ましい。

0094

第一溶剤の23℃での表面張力は、28mN/m以上であることが、パターニング時に親疎インク部へのインクの流出を低減できる点から好ましい。なお、第一溶剤が2種以上の混合溶剤である場合には、混合溶剤全体として上記表面張力を有することが好ましい。

0095

基板表面に濡れ性可変層を形成し露光することにより、基板上のインク層を形成したい部分に親インク性領域を形成し、当該親インク性領域にインクジェット方式によって本発明のインクを選択的に付着させる場合には、第一溶剤として、JIS K6768に規定する濡れ性試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマプロットグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が25°以上、好ましくは30°以上を示し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を示すものを選択して用いてもよい。第一溶剤が2種以上の混合溶剤である場合には、混合溶剤全体として上記接触角を有することが好ましい。

0096

濡れ性に関して上記挙動を示す溶剤を用いてインクを調製すると、インクは、後述する濡れ性可変層の濡れ性を変化させる前は当該濡れ性可変層の表面に対して大きな反撥性を示し、当該濡れ性可変層の濡れ性を変化させて親水性が大きくなる方向に変化させた後は当該濡れ性可変層の表面に対して大きな親和性を示す。従って、濡れ性可変層の表面の一部を選択的に露光して形成した親インク性領域に対するインクの濡れ性と、その周囲の領域に対する撥インク性領域の濡れ性の差を大きくとることができるようになり、親インク性領域にインクジェット方式で吹き付けたインクが、親インク性領域の隅々にまで均一に濡れ広がる。

0097

ここで、臨界表面張力に関し上記特性を有する試験片は如何なる材料で形成されていても差し支えない。臨界表面張力30mN/mを示す試験片としては、例えば、表面が平滑なポリメチルメタクリレートポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデンポリエチレンテレフタレート、平滑なガラス表面に前記ポリマーや表面改質剤等を塗布したものの中から実際に上記試験を行って該当するものを選択することができる。また、臨界表面張力70mN/mを示す試験片としては、例えば、ナイロン親水化処理したガラス表面等を塗布したものの中から実際に上記試験を行って該当するものを選択することができる。

0098

第一溶剤は、以下に示すような溶剤の中から選んで用いることができる:エチレングリコールモノヘキシルエーテルジエチレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル類;エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類;酢酸2−エチルヘキサン酸無水酢酸のような脂肪族カルボン酸類又はその酸無水物酢酸エチル安息香酸プロピルのような脂肪族又は芳香族エステル類炭酸ジエチルのようなジカルボン酸ジエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチルのようなアルコキシカルボン酸エステル類アセト酢酸エチルのようなケトカルボン酸エステル類クロロ酢酸ジクロロ酢酸のようなハロゲン化カルボン酸類;エタノールイソプロパノールフェノールのようなアルコール類又はフェノール類ジエチルエーテルアニソールのような脂肪族又は芳香族エーテル類2−エトキシエタノール、1−メトキシ2−プロパノールのようなアルコキシアルコール類;ジエチレングリコール、トリプロピレングリコールのようなグリコールオリゴマー類;2−ジエチルアミノエタノールトリエタノールアミンのようなアミノアルコール類;2−エトキシエチルアセテートのようなアルコキシアルコールエステル類;アセトンメチルイソブチルケトンのようなケトン類;N−エチルモルホリン、フェニルモルホリンのようなモルホリン類ペンチルアミントリペンチルアミン、アニリンのような脂肪族又は芳香族アミン類

0099

第一溶剤として使用できる溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、及び、コハク酸ジエチルなどを例示することができる。これらの溶剤は、沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の要求を満たしているだけでなく、顔料の分散性、分散安定性も比較的良好であり、3−メトキシブチルアセテートやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)のような従来から顔料分散体の調製に用いられている溶剤と混合し或いは混合せずそのまま分散溶剤として用い、顔料分散体を調製することができる。

0100

さらに、具体例として挙げたこれらの溶剤は、JIS K6768に規定する濡れ性試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が25°以上を示し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を示すという要求も満たしている。従って、これらの溶剤は、基板表面に濡れ性可変層を設けて露光し、露光部分と非露光部分の間の濡れ性の差を利用してインクを選択的に付着させる場合にも、第一溶剤として好適に用いることができる。

0101

また、本発明は、溶剤中に第二溶剤として沸点が130℃以上180℃未満の溶剤成分を溶剤全量の5〜40重量%含有することが特徴である。第二溶剤は上記第一溶剤よりも適切に低い沸点を有する。従って、第二溶剤は、溶剤全量の5〜40重量%となる範囲内で上記第一溶剤に適量組み合わせることにより、インクジェットヘッドのノズル先端においては急速に乾燥しないが、インク層乾燥時に溶質が流動することを抑制し、乾燥速度を適切に調整することが可能になる成分である。第二溶剤として用いられる溶剤成分は、上記沸点を有する溶剤であれば単独で又は2種以上混合して用いても良い。

0102

中でも、第二溶剤に用いられる各溶剤成分の沸点は、更に、140℃〜180℃であることが、特に140℃〜175℃であることが、端部に厚膜部分が生じ難く、且つ表面ムラが低減された良好な塗膜が得られ易い点から好ましい。
また、前記第二溶剤の23℃での粘度は、0.5〜6mPa・sであることが好ましい。このような場合には、第二溶剤が含まれることにより、上記第一溶剤が奏する効果を阻害することなくインクの粘度を適切に低下することが可能で、インク自体の濡れ広がり性が向上する結果、着弾したインク滴がインク層形成領域全体の隅々にまで濡れ広がり易くなる。その結果、多様化している基板に対しても、着弾したインクがブラックマトリックスのきわ部分にまで濡れ広がることが可能になり、画素の色抜けや輝度低下を防止できる。領域の隅にインクを付着させるために領域の端の方にインクを着弾させる方法もあるが、この方法だとブラックマトリックスの間隙からインクが流出する恐れがある。それに対し、本発明のようにインク自体によってブラックマトリックスのきわ部分にまで濡れ広がらせることは、インク流出の恐れがなくより望ましい方法である。前記第二溶剤の23℃での粘度は、更に0.5〜3mPa・sであることが好ましい。第二溶剤が2種以上混合して用いられる場合には、単独では上記範囲外であっても混合溶剤の粘度が上記範囲であれば、好適に用いられる。ここで、本発明における23℃での粘度は、回転振動粘度計(例えば、山一電機社製、回転振動型粘度計ビスコメイトVM−1Gなど)により測定することができる。

0103

前記第二溶剤の23℃での表面張力は、35mN/m以下であれば好適に用いることができる。中でも、前記第二溶剤の23℃での表面張力が28mN/m以下である場合には、上記第一溶剤が奏する効果を阻害することなく表面張力を適切に低下することが可能で、インク自体の濡れ広がり性が向上するため、着弾したインク滴がインク層形成領域全体の隅々にまで濡れ広がり易くなる。ここで、本発明における23℃での表面張力は、表面張力計ウィルヘルミ法)(例えば、協和界面科学社製、自動表面張力計CBVP−Zなど)により測定することができる。

0104

また、前記第二溶剤としては、上記沸点を有する溶剤であれば良いが、第一溶剤との相溶性に優れる溶剤を適宜選択して用いることが好ましい。
前記第二溶剤としては、具体的には、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルのようなグリコールエーテル類や、グリセリン1,3−ジメチルエーテルのようなグリセリンエーテル類などの多価アルコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類を含むグリコールエステル類や、グリセリン1−モノアセタートのようなグリセリンエステル類などの多価アルコールエステル類;イソ吉草酸イソ酪酸、プロピオン酸、酪酸のようなカルボン酸類イソ吉草酸エチル、蟻酸ヘキシル、酢酸アミル酢酸イソアミル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル、乳酸メチル、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸ブチル、クエン酸トリブチル、シュウ酸ジメチルのような脂肪族エステル類;3−エトキシプロピオン酸エチルのようなアルコキシカルボン酸エステル類;アセト酢酸メチルのようなケトカルボン酸エステル類;n−アミルアルコールイソアミルアルコール、2−エチルブタノールグリシドールn−ヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−オクタノールシクロヘキサノール2−ヘプタノール3−ヘプタノール、n−ヘプタノールのような1価アルコール類;ジイソアミルエーテル、及び1、8−シネオールのようなエーテル類;エチル−n−ブチルケトンジイソブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、メチルシクロヘキサノン、メチル−n−ヘキシルケトン、アセチルアセトンジアセトンアルコールのようなケトン類;ノナンデカン等のアルカン類等が挙げられる。

0105

中でも、グリコールエーテル類やグリセリンエーテル類などの多価アルコールエーテル類を含むエーテル類、およびグリコールエステル類やグリセリンエステル類などの多価アルコールエステル類、脂肪族エステル類、アルコキシカルボン酸エステル類、ケトカルボン酸エステル類を含むエステル類よりなる群から選択される1種以上を用いることが好ましい。上記のようなエステル類、およびエーテル類を用いる場合には、バインダー成分等に反応性が高い樹脂を用いた場合であっても、インクの安定性を良好に維持しやすいという利点がある。また、グリコールエーテル類、グリコールエステル類を用いる場合には、ガラス基材に対する濡れ性が向上し、インク層形成領域全体の隅々にまで濡れ広がり易くなり、画素の色抜け防止に効果的である。

0106

前記第二溶剤としては中でも特にエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、グリセリン1,3−ジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アセト酢酸メチル、蟻酸ヘキシル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸ブチル、クエン酸トリブチル、シュウ酸ジメチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジイソアミルエーテル、及び1、8−シネオールよりなる群から選択される1種以上である溶剤が好適に用いられる。

0107

本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクにおいては、前記第二溶剤の含有量は、中でも、溶剤全量に対して5〜30重量%、より更に5〜25重量%、特に8〜20重量%であることが、上記第一溶剤の効果を阻害することなく、ヘッドから吐出した時の直進性、安定性に優れ、更に効率よく乾燥させることができ、端部に厚膜部分が生じ難く、且つ表面ムラが低減された良好な画素等を形成し易い点から好ましい。

0108

上述したように、本発明に係るインクの溶剤は、第一溶剤を60〜95重量%含有し、更に第二溶剤を5〜40重量%含有し、必要に応じて分散溶剤のような他の溶剤成分が配合されてなるものである。このような溶剤を、当該溶剤を含むインクの全量に対して、通常は40〜95重量%の割合で用いて吐出させるインクを調製する。溶剤が少なすぎると、インクの粘度が高く、インクジェットヘッドからの吐出が困難になる。また、溶剤が多すぎると、所定の濡れ性変化部位(インク層形成部位)に対するインク盛り量(インク堆積量)が十分でないうちに、当該濡れ性変化部位に堆積させたインクの膜が決壊し、周囲の非露光部へはみ出し、さらには、隣の濡れ性変化部位(インク層形成部位)にまで濡れ広がってしまう。言い換えれば、インクを付着させるべき濡れ性変化部位(インク層形成部位)からはみ出さないで堆積させることのできるインク盛り量が不十分となり、乾燥後の膜厚が薄すぎて、それに伴い十分な透過濃度を得ることができなくなる。

0109

(その他の成分)
本発明のカラーフィルター用インクジェットインクには、必要に応じて、その他の添加剤を1種又は2種以上配合することができる。そのような添加剤としては、次のようなものを例示できる。
a)増感剤:例えば、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエートなど。
b)硬化促進剤連鎖移動剤):例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールなど、
c)高分子化合物からなる光架橋剤又は光増感剤高分子光架橋・増感剤は、光架橋剤あるいは光増感剤として機能しうる官能基を主鎖および/または側鎖中に有する高分子化合物であり、その例としては、4−アジドベンズアルデヒドポリビニルアルコールとの縮合物、4−アジドベンズアルデヒドとフェノールノボラック樹脂との縮合物、4−(メタ)アクリロイルフェニルシンナモイルエステルの(共)重合体、1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン等を挙げることができる。

0110

d)分散助剤:例えば、銅フタロシアニン誘導体等の青色顔料誘導体黄色顔料誘導体等など。
e)充填剤:例えば、ガラス、アルミナなど。
f)密着促進剤:例えば、ビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシランビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなど。
g)酸化防止剤:例えば、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノールなど。
h)紫外線吸収剤:例えば、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなど。
i)凝集防止剤:例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、或いは各種の界面活性剤など。

0111

また、本発明に係るインクジェットインクにおいて、上記顔料(P)と顔料以外の固形分(V)の配合重量比(P/V)は、0.3〜1.2であることが、インクの吐出性能、インクの決壊防止、及び得られる膜物性のバランスの点から好ましい。P/V比が低すぎると、充分な着色力を得るためには画素形成領域に付着させるインクの液滴量を多くしなければならないため、画素形成領域からインクが決壊するなどの問題が起こる場合がある。一方、P/V比が高すぎると、吐出ヘッドで目詰まりや飛行曲がりが発生する等の吐出性能が低下したり、膜の表面が荒れるなどの問題が起こる場合がある。

0112

(インクの製造方法)
本発明のカラーフィルター用インクジェットインクは、各成分を上記溶剤に投入して混合し、固形成分を溶解又は分散させて製造しても良い。
しかしながら、顔料をバインダー等の他の成分と共に溶剤全体中に直接投入攪拌混合すると、顔料を溶剤中に十分に分散させられないことが多い。そこで通常は、上記第一溶剤、及び必要に応じて顔料の分散性及び分散安定性が良好な溶剤(分散溶剤)を含む分散体調製溶剤を用意し、そこに顔料を必要に応じて顔料分散剤と共に投入してディソルバーなどにより十分攪拌し、顔料分散液を調製する。そして、得られた顔料分散液を、顔料以外の成分と共に、ほとんど第一溶剤からなるか又は第一溶剤のみからなる溶剤に投入し、ディソルバーなどにより十分に攪拌混合し、最後に第二溶剤を添加することによって、本発明に係るインクジェットインクとすることができる。或いは、得られた顔料分散液を、顔料以外の成分と共に、ほとんど第一溶剤からなるか又は第一溶剤のみからなる溶剤に第二溶剤を添加した混合溶剤に投入し、ディソルバーなどにより十分に攪拌混合し、本発明に係るインクジェットインクとすることができる。

0113

すなわち、本発明に係るインクジェットインクの製造方法は、顔料及び必要に応じて顔料分散剤を、第一溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を含有する分散体調製溶剤に混合して顔料分散体を調製する工程と、得られた当該顔料分散体及び少なくともバインダー成分を、新たに用意した前記第一溶剤及び沸点が130℃以上180℃未満の溶剤成分からなる第二溶剤の混合溶剤に混合するか、又は新たに用意した前記第一溶剤に混合後、前記第二溶剤を添加することにより、溶剤全量に占める前記第一溶剤の配合割合が60〜95重量%及び前記第二溶剤の配合割合が5〜40重量%になるように調節する工程を有することを特徴とする。

0114

中でも、得られた当該顔料分散体、バインダー成分及び必要に応じてその他の成分を、新たに用意した前記第一溶剤に混合後、第二溶剤をインク使用直前など後から添加することにより、溶剤全量に占める前記第一溶剤の配合割合が60〜95重量%及び前記第二溶剤の配合割合が5〜40重量%になるように調節する工程を有する方が、インクの長期保存安定性の点から好ましい。第二溶剤は分散剤やバインダー成分に対する溶解性が低いか無いことがあるため、顔料分散時や、バインダー成分溶解時に第二溶剤を添加すると安定性を崩したりする恐れがあるからである。乾燥速度を最適化するために添加するという目的において、インクを調整した最終段階で添加することが好ましい。また、バインダー成分及び必要に応じてその他の成分は、予め、前記第一溶剤に混合乃至分散させてバインダー溶液とした後、得られた当該顔料分散体と当該バインダー溶液を混合後、第二溶剤をインク使用直前など後から添加することにより、溶剤全量に占める前記第一溶剤の配合割合が60〜95重量%及び前記第二溶剤の配合割合が5〜40重量%になるように調節する工程を有する方が好ましい。

0115

しかしながら、第二溶剤の中でも、顔料分散剤と親和性が高いなど好適に用いられる溶剤である場合には、顔料分散体調製溶剤中に第二溶剤を分散溶剤として含有しても良い。すなわち、インクジェットインクの製造方法は、顔料及び必要に応じて顔料分散剤を、第一溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分と第二溶剤として沸点が130℃以上180℃未満の溶剤成分を含有する分散体調製溶剤に混合して顔料分散体を調製する工程と、得られた当該顔料分散体、バインダー成分及び必要に応じてその他の成分を、新たに用意した前記第一溶剤に混合することにより、溶剤全量に占める前記第一溶剤の配合割合が60〜95重量%及び前記第二溶剤の配合割合が5〜40重量%になるように調節する工程を有しても良い。

0116

顔料分散液を投入する残部の溶剤としては、最終的な溶剤全体の組成から顔料分散液の調製に用いた溶剤の分を差し引いた組成を有するものを用い、最終濃度にまで希釈してインクジェットインクを完成させても良い。また、顔料分散液を比較的少量の溶剤に投入して高濃度のインクジェットインクを調製しても良い。高濃度のインクジェットインクは、そのまま保存し、使用直前に最終濃度に希釈してインクジェット方式に使用することができる。

0117

本発明においては、特に、第一溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分の配合割合を溶剤全体の60〜95重量%とするので、顔料分散液の調製時に3−メトキシブチルアセテートやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)のような従来から用いられている顔料分散用溶剤を十分な量だけ用いることができない場合がある。その場合には、第一溶剤として使用可能な溶剤の中から顔料の分散性、分散安定性が比較的良好なものを選択し、従来から用いられている分散溶剤と混合したものを分散溶剤として用いるか、或いは、第一溶剤をそのまま分散溶剤として用いる。

0118

(用途)
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクは、カラーフィルターにおいて画素やブラックマトリックス等、所定のパターンを有する着色層を形成するのに特に好適に用いられる。カラーフィルターとしては、液晶表示装置等の画像出力装置に用いられるカラーフィルター、或いは固体撮像素子等の画像入力装置に用いられるカラーフィルターのいずれにも好適に用いることができる。

0119

2.カラーフィルターの製造方法
本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、基板上の所定領域に上記本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクを、インクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成する工程と、前記インク層を硬化させて着色硬化層を形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクにR、G、B又はブラック等の所望の顔料を配合し、カラーフィルターの透明基板上の所定領域にインクジェット方式により選択的に付着させ、硬化させることによって、画素部や遮光層などの着色硬化層を形成することができる。

0120

上記のような工程を含むカラーフィルターの製造方法の一例を、以下に説明する。先ず、図1(A)に示すようにカラーフィルターの透明基板1を準備する。この透明基板としては、従来よりカラーフィルターに用いられているものであれば特に限定されるものではないが、例えば石英ガラスパイレックス登録商標)ガラス、合成石英板等の可とう性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム光学用樹脂板等の可とう性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。この中で特にコーニング社製7059ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラスであるため、アクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルターに適している。本発明においては、通常、透明基板を用いるが、反射性の基板や白色に着色した基板でも用いることは可能である。また、基板は、必要に応じてアルカリ溶出防止やガスバリア性付与その他の目的で表面処理を施したものを用いてもよい。

0121

次に、図1(B)に示すように、透明基板1の一面側の画素部間の境界となる領域に遮光部2を形成する。遮光部2は、スパッタリング法真空蒸着法等により厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより形成することができる。このパターニングの方法としては、スパッタ等の通常のパターニング方法を用いることができる。

0122

また、遮光部2としては、樹脂バインダー中にカーボン微粒子金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層であってもよい。用いられる樹脂バインダーとしては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチンカゼインセルロース等の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さらにはO/Wエマルジョン型樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンエマルジョン化したもの等を用いることができる。このような樹脂製遮光部の厚みとしては、0.5〜10μmの範囲内で設定することができる。このような樹脂製遮光部のパターニングの方法としては、フォトリソ法印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。

0123

次に、図1(C)に示すように、遮光部のパターン上に、撥インク性凸部を必要に応じて形成する。このような撥インク性凸部の組成は、撥インク性を有する樹脂組成物であれば、特に限定されるものではない。また、特に透明である必要はなく、着色されたものであってもよい。例えば、遮光部に用いられる材料であって、黒色の材料を混入しない材料等を用いることができる。具体的には、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の水性樹脂を1種または2種以上混合した組成物や、O/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を挙げることができる。本発明においては、取扱性および硬化が容易である点等の理由から、光硬化性樹脂が好適に用いられる。また、この撥インク性凸部は、撥インク性が強いほど好ましいので、その表面をシリコーン化合物含フッ素化合物等の撥インク処理剤で処理したものでもよい。

0124

撥インク性凸部のパターニングは、撥インク性樹脂組成物の塗工液を用いる印刷や、光硬化性塗工液を用いるフォトリソグラフィーにより行うことができる。撥インク性凸部の高さは、上述したようにインクジェット法により着色する際にインクが混色することを防止するために設けられるものであることから、ある程度高いことが好ましいが、カラーフィルターとした場合の全体の平坦性を考慮すると、画素部の厚さに近い厚さであることが好ましい。具体的には、吹き付けるインクの堆積量によっても異なるが、通常は0.1〜3.0μmの範囲内であることが好ましい。

0125

また、撥インク性凸部の形成において、撥インク性を付与するのに、プラズマ処理等の表面処理を用いても良い。表面処理としては、例えば、導入ガスにフッ素又はフッ素化合物を含んだガスを使用し、減圧雰囲気下大気圧雰囲気下でプラズマ照射をする減圧プラズマ処理大気圧プラズマ処理が挙げられる。フッ素系化合物及び酸素を含んだガス中でプラズマ処理を行なうと、有機材料においては上記反応と並行してフッ素系化合物が有機材料表面入り込む現象が生ずる。特にフッ素系化合物が酸素よりも多い場合、例えば、フッ素系化合物及び酸素の総量に対するフッ素系化合物の含有量が60%以上に設定されているような、フッ素系化合物の量が過多ガス雰囲気下では、酸素による酸化反応よりもフッ素系化合物混入化現象の方が盛んになるため、混入化現象によって有機材料表面が非極性化され、撥インク性が付与される。

0126

次に、各色の画素部形成用インクとして、各色の上記本発明に係るインクジェットインクを用意する。そして、図1(D)に示すように、透明基板1の表面に、遮光層2のパターンにより画成された各色の画素部形成領域4R、4G、4Bに、対応する色の画素部形成用インクをインクジェット方式により吹き付けてインク層を形成する。このインクの吹き付け工程において、画素部形成用インクは、ヘッド5の先端部で粘度増大を起こし難く、良好な吐出性を維持し続けることができる。従って、所定の画素部形成領域内に、対応する色のインクを正確に、且つ、均一に付着させることができ、また、第二溶剤が所定の表面張力や粘度を有する場合には隅々にまで濡れ広がり、正確なパターンで色ムラや色抜けのない画素部を形成することができる。また、各色の画素部形成用インクを、複数のヘッドを使って同時に基板上に吹き付けることもできるので、各色ごとに画素部を形成する場合と比べて作業効率を向上させることができる。

0127

次に、図1(E)に示すように、各色のインク層6R、6G、6Bを乾燥し必要に応じてプリベークした後、適宜露光及び/又は加熱することにより硬化させる。中でも、本発明においては、通常のプリベーク段階の前に前記インク層を減圧乾燥する工程を更に含むことが、インク層の端部が乾燥後に盛り上がらず、表面の放射状ムラを抑制することが出来る点から好ましい。減圧乾燥の条件としては、例えば、0.1〜20Torrで1〜20分間減圧乾燥することが挙げられる。その際に、20℃〜60℃の温度範囲内で基板温度を制御することが好ましい。そして、減圧乾燥後に、例えば、60〜140℃のホットプレート上で3〜20分間のプリベークを行う。また、加熱と減圧乾燥を同時に行っても良い。その後インク層を適宜露光及び/又は加熱すると、インクジェットインク中に含まれる硬化性樹脂架橋要素架橋反応を起こし、インク層が硬化し着色硬化層が形成される。

0128

画素の厚さは、通常0.5〜2.5μm程度とする。また、赤色画素6Rが最も薄く、緑色画素6G、青色画素6Bの順に厚くなるというように各色の画素の厚さを変えて、各色ごとに最適な厚みに設定してもよい。

0129

また、本発明において製造されるカラーフィルターにおいては、前記画素の膜厚の最高値、中でも前記画素の端部の膜厚の最高値が3.5μm以下、更に3μm以下であることが好ましい。また、本発明において製造されるカラーフィルターにおいては、前記画素の膜厚の最高値、中でも前記画素の端部の膜厚の最高値と平均膜厚との差が1μm以下、更に0.7μm以下であることが好ましい。このような場合には、厚膜部分の画素が暗くなったり、クラックによるITO成膜不良が起こって断線等を引き起こす等の問題が生じないため、表示不良が低減するからである。また、液晶層のギャップが正確に取れなくなる等の問題が生じないからである。なお、膜厚は、基板からの高さをいう。また、画素の平均膜厚は、画素内の塗膜体積画素面積で割ることにより、算出する。更に、端部の膜厚の最高値とは、端部盛り上がり部位の中で膜厚が最も高い箇所における膜厚の値をいう。

0130

次に、図1(F)に示すように、透明基板の画素部7R、7G、7Bを形成した側に、保護層8を形成する。保護層は、カラーフィルターを平坦化するとともに、画素部等に含有される成分が、液晶表示装置の液晶層へ溶出するのを防止するために設けられる。保護層の厚みは、使用される材料の光透過率、カラーフィルターの表面状態等を考慮して設定することができ、例えば、0.1〜2.0μmの範囲で設定することができる。保護層は、例えば、公知の透明感光性樹脂、二液硬化型透明樹脂等の中から、透明保護層として要求される光透過率等を有するものを用いて形成することができる。

0131

このようにして、本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクを用いてカラーフィルター101が製造される。この例においては、本発明のインクを用いて画素部を形成するが、本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクを用いるインクジェット方式によれば、画素部以外にも遮光部2などを所望のパターン状に形成することができる。

0132

遮光部2を形成したい場合には、本発明のカラーフィルター用インクジェットインクであって黒色顔料などの遮光性着色剤を配合してなる遮光部形成用インクを調製し、この遮光部形成用インクを、透明基板1の表面の所定領域にインクジェット方式により選択的に付着させてインク層を所定のパターン状に形成し、当該インク層を電離放射線照射などの方法で硬化させ、必要に応じてベークすることによって遮光部を形成できる。

0133

また、上記例においては、図1(B)に示すように、透明基板1の一面側の画素部間の境界となる領域に遮光部2を形成し、更にその上に、図1(C)に示すように、撥インク性凸部3を形成しているが、図3に示すように、遮光部2と撥インク性凸部3の機能を兼ね備えたような、比較的高さがあって隔壁役割も果たす遮光部2のみを基板上に設けても良い。この場合の遮光部2としては、撥インク性を有することが好ましく、例えば、撥水性材料を混合した撥水性遮光部、撥水性材料が表面に塗布された撥水性遮光部や、プラズマ処理により撥水性が付与された遮光部などが挙げられる。これら撥水性を付与する手段は、上記撥水性凸部において説明したのと同様の手段を用いることができる。

0134

また、本発明に係るカラーフィルターの製造方法においては、基板表面の所定領域内の濡れ性を選択的に変化させて、周囲と比べて親インク性の大きいインク層形成領域を形成する工程を更に含み、前記インク層形成領域に、上記本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクをインクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成することが好ましい。親インク性の大きいインク層形成領域にインクを付着させると、インクの濡れ広がり性がより向上し、色抜けや膜厚ムラをより効果的に防止でき、明るさや色むらが生じない画素を得ることができるからである。

0135

基板表面の所定領域内の濡れ性を選択的に変化させて、周囲と比べて親インク性の大きいインク層形成領域を形成する工程としては、特に限定されず、上述したようなプラズマ処理等の表面処理を用いても良い。例えば、フッ素系化合物及び酸素を含んだガス中でプラズマ処理を行なうと、無機材料の表面にはプラズマ放電により未反応基が発生し、酸素により未反応基が酸化されてカルボニル基や水酸基等の極性基が発生し、親インク性が付与される。一方、有機材料においては上記反応と並行してフッ素系化合物が有機材料表面に入り込む現象が生ずる。特にフッ素系化合物が酸素よりも多い場合、例えばフッ素系化合物及び酸素の総量に対するフッ素系化合物の含有量が60%以上に設定されているような、フッ素系化合物の量が過多のガス雰囲気下では、酸素による酸化反応よりもフッ素系化合物混入化現象の方が盛んになるため、混入化現象によって有機材料表面が非極性化され、撥インク性が付与される。したがって、ガラス基板上に有機材料により遮光部2や凸部を形成した後に、上記のようなフッ素形化合物が過多の条件でプラズマ処理を行なうと、インク層形成領域に該当するガラス基板上は周囲に比べて親インク性が大きくなり、遮光部2や凸部は撥インク性となり、凸部は撥インク性凸部3となる。このようにして得られたインク層形成領域はインクが濡れ広がり易く、色抜けや膜厚ムラが防止される上、他のインク形成領域との境界に該当する凸部からのインク流出が防止される。また、この場合において、遮光部2を無機材料で形成し、その上に凸部を有機材料で形成すると、ガラス基板と遮光部2は、親インク性が大きくなり、凸部は撥インク性となる。

0136

一方、基板表面の所定領域内の濡れ性を選択的に変化させて、周囲と比べて親インク性の大きいインク層形成領域を形成する工程の他の方法としては、カラーフィルターの透明基板上に、光触媒の作用により親インク性が大きくなる方向に濡れ性を変化させる濡れ性可変層を形成し、当該濡れ性可変層の表面の所定領域内の濡れ性を露光により選択的に変化させて、周囲と比べて親インク性の大きいインク層形成領域を形成する方法がある。

0137

このような濡れ性可変層を基板上に設ける場合には、第一溶剤として、JIS K6768に規定する濡れ性試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が25°以上を示し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を示すものを用いて調製したインクを用いるのが好ましい。

0138

本発明に係るカラーフィルターの製造方法において、上記のような濡れ性可変層を基板上に設ける態様の一例を、以下に説明する。先ず、図2(A)に示すように、カラーフィルターの透明基板1の一面側の画素部間の境界となる領域に遮光部2を形成する。この遮光部のパターンによって、各色の画素部形成領域4R、4G、4Bが画成される。透明基板1としては、図1を用いて述べた例において説明したものと同じものを用いることができ、遮光部2も、図1を用いて述べた例において説明したものと同様のものを設けることができる。

0139

次に、図2(B)に示すように、透明基板1の表面の少なくとも一部領域、特に、この例では、画素部形成領域を含む領域に、濡れ性可変層としての光触媒含有層9をベタ塗りのパターン(ソリッドパターン状)に形成する。

0140

次に、図2(C)に示すように、光触媒含有層9にフォトマスク10を介して光線12を照射して露光を行い、画素部形成領域4R、4G、4Bの親インク性を増大させる。
上記光触媒含有層9のような濡れ性可変層の画素部形成領域の濡れ性を選択的に変化させて親インク性を大きくすると、本発明のインクは、画素部形成領域に容易に付着して均一に広がり、一方、画素部形成領域の周囲領域では強く反撥して排除されるので、画素部形成領域に選択的に且つ均一に付着し、その結果、正確なパターンで色ムラや色抜けのない画素部を形成することができる。

0141

この方法において用いる濡れ性可変層は、JIS K6768に規定する濡れ試験において示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が、濡れ性を変化させる前においては20〜50mN/mを示し、且つ、濡れ性を変化させた後においては40〜120mN/m、更に好ましくは70〜110mN/mを示すものであることが好ましい。

0142

臨界表面張力をこのように変化させることのできる濡れ性可変層を用いると、インクは、濡れ性を変化させて親インク性を大きくした画素部形成領域等のパターン形成領域において、非常に小さな接触角を示し、一方、パターン形成領域の周囲においては非常に大きな接触角を示し、濡れ性の差を非常に大きくとることができる。

0143

フォトマスク10を用いて露光を行う場合は、隣接し合う画素部形成領域間の境界部に非露光部を確保しつつ、露光部11の幅を画素部形成領域4の幅よりも広くとるようにすることが好ましい。このようにすることにより、画素部形成領域4の隅々まで十分に露光され、親インク性が増大するので、画素部の色抜け等の不都合が生じ難くなる。光触媒含有層9は、フォトマスクを用いずとも、レーザー光線走査によるフォトリソグラフィーなどの他の方法で所定のパターン状に露光してもよい。また、透明基板の裏面側(光触媒含有層9が設けられているのとは反対側)から露光を行うと、遮光部2がフォトマスクとして機能するので、フォトマスクが不要である。

0144

光触媒含有層9に照射される光は、光触媒を活性化できるものであれば可視光線であっても不可視光線であっても差し支えないが、通常は、紫外光を含む光を用いる。このような紫外光を含む光源としては、例えば、水銀ランプメタルハライドランプキセノンランプ等を挙げることができる。この露光に用いる光の波長は400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範囲から設定することができ、また、露光に際しての光の照射量は、露光された部位が光触媒の作用により親水性を増大させるのに必要な照射量とすることができる。

0145

親インク性が大きくなる方向に濡れ性を変化させることのできる濡れ性可変層としては、例えば、a)図示した光触媒含有層9のように光触媒を含有し且つ光触媒の作用により濡れ性可変層自体の親水性が増大するもののほか、b)濡れ性可変層の下側(透明基板側)に光触媒含有層を備え、光触媒含有層内に存在する光触媒の作用によって濡れ性可変層の親水性が増大するもの、c)光触媒及び当該光触媒の作用により分解するバインダーからなる分解性濡れ性可変層であって、当該分解性濡れ性可変層の露光部分が分解、除去されて親水性を有する下地、例えば透明基板等が露出するもの、或いは、d)光触媒の作用により分解するバインダーからなる分解性濡れ性可変層の下側に光触媒含有層を備え、光触媒含有層内に存在する光触媒の作用によって当該分解性濡れ性可変層の露光部分が分解、除去されて親水性を有する下地、例えば光触媒含有層等が露出するものなどを例示することができる。

0146

本発明における「親インク性が大きくなる方向に濡れ性を変化させることのできる濡れ性可変層」は、基板に濡れ性可変層を設けてなる積層体において、濡れ性可変層形成面の濡れ性を親インク性が大きくなる方向に変化させるものであればよく、上記例示a)、b)のように、濡れ性可変層自体の親インク性が増大するものだけでなく、上記例示c)、d)のように、濡れ性可変層が分解して親インク性の下地が露出するものも、これに含まれる。

0147

なお、上記a)図示した光触媒含有層9のように光触媒を含有し且つ光触媒の作用により濡れ性可変層自体の親水性が増大するもの、及びb)濡れ性可変層の下側(透明基板側)に光触媒含有層を備え、光触媒含有層内に存在する光触媒の作用によって濡れ性可変層の親水性が増大するものについては、特開2001−350012号公報の段落番号149〜段落番号174記載のものを好適に用いることができる。

0148

次に、本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクであって、1又は2以上の顔料を配合してなる、各色の画素部形成用インクを用意する。そして、上述した図2(C)の工程において親インク性を増大させた画素部形成領域4R、4G、4Bに、対応する色の画素部形成用インクを選択的に付着させて、図2(D)に示すようなインク層6R、6G、6Bを形成する。

0149

次に、図2(E)に示すように、各色のインク層6R、6G、6Bをバインダー系に応じて光照射するか又は加熱することにより硬化させ、さらに必要に応じて、ベークを行って各色の画素部7R、7G、7Bを形成する。次に、図2(F)に示すように、透明基板の画素部7R、7G、7Bを形成した側に、保護層8を形成する。図2(E)及び図2(F)に示すような光硬化工程及び保護層形成工程は、図1を用いて述べた例において説明したものと同様に行うことができる。

0150

他の例においては、このようにしてカラーフィルター102が製造される。この例においては、本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクである画素部形成用インクを用いて画素部を形成するが、本発明に係るインクを、基板表面の濡れ性の差を利用して親インク性領域だけに選択的に付着させることによって、遮光部2のような画素部以外の着色硬化層も所望のパターン状に形成することができる。

0151

3.液晶表示装置の製造方法
本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、上記本発明に係るカラーフィルターの製造方法を用いてカラーフィルターを製造する工程と、当該製造されたカラーフィルターと液晶駆動側基板を対向させて組み立てる工程を有する。

0152

本発明に係る液晶表示装置の製造方法によれば、上記本発明に係るインクジェットインクを用い、より性能の良いカラーフィルターが得られる上記本発明に係るカラーフィルターの製造方法を用いた工程を有することから、高品質な液晶表示装置とすることができる。
上記のようにして製造されたカラーフィルターと、液晶駆動側基板(TFTアレイ基板)を対向させ、両基板の内面側周縁部をシール剤により接合すると、両基板は所定距離セルギャップを保持した状態で貼り合わされる。そして、基板間の間隙部に液晶を満たして密封することにより、本発明に係る製造方法により製造される液晶表示装置に属する、アクティブマトリックス方式のカラー液晶表示装置が得られる。
液晶表示装置におけるその他の製造方法及び構成は、通常用いられる方法及び構成を用いることができるので、ここでは説明を省略する。

0153

本発明に係る製造方法によって得られる液晶表示装置としては、上述したカラーフィルターを有するものであれば特に限定はされず、公知の液晶表示装置を挙げることができる。具体的には、IPS(In-Plane Switching)型、STN(Super Twisted Nematic)型、TN(Twisted Nematic)型、強誘電性型、反強誘電性型、MVAモード型等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

0154

(製造例1:バインダー性エポキシ化合物の合成)
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、表1に示す配合割合に従って、水酸基を含有しない溶剤ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(別名ブチルカルビトールアセテート、以下、BCAと示すことがある。)を40.7重量部仕込み、攪拌しながら加熱して140℃に昇温した。次いで、140℃の温度で第1表に記載した組成の単量体、及び、重合開始剤の混合物(滴下成分)54.7重量部を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後、110℃に降温し重合開始剤及び水酸基を含有しない溶剤ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA)の混合物(追加触媒成分)4.6重量部を添加し、110℃の温度を2時間保ったところで反応を終了することにより、表1に記載の特性を有するバインダー性エポキシ化合物が得られた。

0155

*1)表中の略号は以下の通りである。
GMA:グリシジルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
パーブチルO:t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート日本油脂(株)製商品名)
*2)重量平均分子量:ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算の値である。

0156

(実施例1〜6:カラーフィルター用青色インクジェットインクの調製)
(1)顔料分散液の調製
各顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼社製)を用いて4時間分散し、PB15:6(C.I.ピグメントブルー15:6)顔料分散液及びPV23(C.I.ピグメントバイオレット23)顔料分散液を調製した。
[顔料分散液の組成]
・各顔料:10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン製)(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・顔料分散補助剤(N−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート共重合体(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):70重量部

0157

(2)バインダーの調製
サンプル瓶テフロン(登録商標)被覆した回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置した。このサンプル瓶の中に、下記の割合に従って前記製造例1に記載のバインダー性エポキシ化合物、多官能エポキシ樹脂等を加え、室温で十分に攪拌溶解し、次いで、粘度調整のために希釈溶剤を加えて攪拌溶解した後、これを濾過してバインダー組成物を得た。
[バインダー組成物の配合割合]
・製造例1のバインダー性エポキシ化合物(溶剤BCA中に固形分30重量%):15重量部
・多官能エポキシ樹脂(商品名エピコート151S70、ジャパンエポキシレジン製):3重量部
ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル:1.5重量部
・トリメリット酸:3重量部

0158

上記調製したPB15:6顔料分散液46.8重量部及びPV23顔料分散液3.2重量部、及び、バインダー組成物22.5重量部、及び第一溶剤のBCA17.5重量部を充分に混合した後、最後に各第二溶剤を10重量部添加し、表3に示されるような配合割合を有する実施例1〜6のカラーフィルター用青色インクジェットインクを得た。

0159

(比較例1〜2:比較カラーフィルター用青色インクジェットインクの調製)
実施例と同じ顔料分散液及びバインダー組成物を用いて、PB15:6顔料分散液46.8重量部及びPV23顔料分散液3.2重量部、及び、バインダー組成物22.5重量部、BCA27.5重量部を充分に混合し、第二溶剤を含まない比較例1のカラーフィルター用青色インクジェットインクを得た。
また、実施例と同じ顔料分散液及びバインダー組成物を用いて、PB15:6顔料分散液46.8重量部及びPV23顔料分散液3.2重量部、及び、バインダー組成物22.5重量部、BCA24.5重量部を充分に混合した後、第二溶剤を3重量部添加し、表3に示されるように溶剤の全量に対して第二溶剤が5〜40重量%含まれない比較例2のカラーフィルター用青色インクジェットインクを得た。

0160

(比較例3:比較カラーフィルター用青色インクジェットインクの調製)
(1)顔料分散液の調製
各顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼社製)を用いて4時間分散し、PB15:6(C.I.ピグメントブルー15:6)顔料分散液及びPV23(C.I.ピグメントバイオレット23)顔料分散液を調製した。
[顔料分散液の組成]
・各顔料:10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン製)(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・顔料分散補助剤(N−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート共重合体(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):52.2重量部
・3−エトキシプロピオン酸エチル:17.8重量部

0161

上記調製したPB15:6顔料分散液46.8重量部及びPV23顔料分散液3.2重量部、及び、実施例と同じバインダー組成物22.5重量部、BCA3.2重量部を充分に混合した後、最後に第二溶剤を24.3重量部添加し、表3に示されるように溶剤の全量に対して第一溶剤が60〜95重量%含まれない比較例3のカラーフィルター用青色インクジェットインクを得た。

0162

(比較例4〜5:比較カラーフィルター用青色インクジェットインクの調製)
実施例と同じ顔料分散液及びバインダー組成物を用いて、PB15:6顔料分散液46.8重量部及びPV23顔料分散液3.2重量部、及び、バインダー組成物22.5重量部、BCA17.5重量部を充分に混合した後、第二溶剤を10重量部添加し、比較例4及び比較例5のカラーフィルター用青色インクジェットインクを得た。
なお、表2に、実施例及び比較例において用いられた溶剤の沸点、23℃における粘度、及び表面張力を示す。ここで、23℃での粘度は、回転振動型粘度計(山一電機社製、回転振動型粘度計ビスコメイトVM−1G)により測定した。また、23℃での表面張力は、表面張力計(ウィルヘルミ法)(協和界面科学社製、自動表面張力計CBVP−Z)により測定した。

0163

[評価]
上記で得られた実施例1〜6及び比較例1〜5のインクジェットインクについて、下記の評価を行った。評価結果を表3に示す。
1.カラーフィルターの表面ムラ
(1)カラーフィルターの作成
厚み0.7mmで10cm×10cmのガラス基板(旭硝子(株)製)上に、ブラックマトリックス用硬化性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法より線幅20μm、膜厚1.2μmのブラックマトリックスパターンを形成した。
上記基板のブラックマトリックスにより区画された画素形成部に、得られたインクジェットインクをインクジェット方式によって、正確且つ均一に付着させた。
その後、120秒間10Torrで減圧乾燥を行い、更に、80℃のホットプレート上で10分間プリベークを行った。その後、クリーンオーブン内で、200℃で30分加熱してポストベークを行い、更に230℃で30分加熱してポストベークを行って、基板上に乾燥硬化後の平均膜厚が1.8μmの画素パターンを形成した。
画素パターンを形成した基板を、IPAに5分間浸漬させ、次いでIPA蒸気にて乾燥を行ない洗浄した後、基板設定温度200℃にて、6×10−3Torrの真空下でITO(酸化インジウムスズ)電極を120nmの厚さになるように成膜した。このITO成膜を行った基板を更にIPAに5分間浸漬し、IPAで蒸気洗浄を行った後、ポリイミドスピンコートし、180℃、60分間の焼成を行って配向膜を形成し、カラーフィルターを得た。

0164

(2)表面の撮像によるムラ評価
得られたカラーフィルターについて、表面を撮像することによりムラを評価した。
図4に示すように、白色蛍光灯21をカメラ20の撮像光軸がカラーフィルター100の撮像領域を貫いて延長する位置(カメラ20の対向位置)に配置して、白色蛍光灯によって裏側からカラーフィルターを照射した状態で、カメラ20によりカラーフィルター100の全面を透過光で撮像した。カメラ20はカラーフィルターの基板に対して垂直な方向から70〜80度傾斜させて撮像した。光源としては白色蛍光灯を用い、カメラとしてはモノクロラインセンサカメラを用いた。

0165

2.インクジェット吐出性
[吐出安定性の試験]
インクジェットヘッドにインクを充填し当該ヘッドから吐出して、上述と同様に光触媒含有濡れ性可変層を設けて所定のパターン状に露光したガラス製透明基板の画素部形成領域の中心部に、ドロップ径30μmで滴下した。さらに、初期吐出を停止してヘッドを30分間静止させた後、同じヘッドから別の画素部形成領域の中心部に、ドロップ径30μmで滴下した。このような間歇吐出において、最初に吐出動作を行った時の吐出性(初期吐出性)と、その後に再吐出を行った時の吐出性(間歇吐出安定性)を観察し、下記基準に従って評価した。
[初期吐出性の評価基準
○:ヘッドの全部の穴(オリフィス)からインクを吐出することが可能である。
△:ヘッドにインクの出ない穴が一部ある。
×:ヘッドのほとんどの穴からインクが出ない。
[間歇吐出安定性の評価基準]
○:ヘッドの全部の穴からインクを再吐出することが可能である。
△:ヘッドにインクの出ない穴が一部ある。
×:ヘッドのほとんどの穴からインクが出ない。

0166

3.塗膜端部の膜厚
基板上の塗膜形成部に、上記各インクジェットインクを用いて、インクジェット方式によって正確且つ均一に付着させた。
その後、120秒間10Torrで減圧乾燥を行い、更に、80℃のホットプレート上で10分間プリベークを行った。その後、クリーンオーブン内で、200℃で30分加熱してポストベークを行い、更に230℃で30分加熱してポストベークを行って、基板上に乾燥硬化後の平均膜厚が1.8μmとなる塗膜を形成した。
塗膜端部の膜厚の測定は、光干渉方式により、光干渉方式の三次元非接触表面形状計測装置(米国マイクロマップ社、製品名Micromap557N)により行なった。端部の膜厚の最高値を示した。

0167

*1)顔料分散液やバインダー成分等は固形分のみの重量部を表示し、インク中に含まれる溶剤は全て最下段に計上した。

0168

表3の結果より、溶剤の組成が規定の範囲となるように第二溶剤を添加した実施例1〜6のインクは、インクジェット方式において吐出安定性に優れながら、カラーフィルターの表面ムラが低減され、且つ、塗膜端部の膜厚を低減することができた。一方、第二溶剤を添加していない比較例1のインクは、カラーフィルターに表面ムラができ、塗膜端部の膜厚が厚いものとなった。また、第一溶剤及び第二溶剤の含有量が規定の範囲外で第二溶剤が少ない比較例2のインクは、カラーフィルターの表面ムラを低減する効果と塗膜端部の膜厚を低減する効果が不充分であった。また、第一溶剤及び第二溶剤の含有量が規定の範囲外で第一溶剤が少ない比較例3のインクは、カラーフィルターの表面ムラを低減する効果と塗膜端部の膜厚を低減する効果は充分だったものの、インクジェット方式における吐出安定性に劣っていた。更に、第二溶剤よりも沸点が高い溶剤を用いた比較例4のインクは、カラーフィルターの表面ムラを低減する効果と塗膜端部の膜厚を低減する効果が不充分であった。第二溶剤よりも沸点が低い溶剤を用いた比較例5のインクは、カラーフィルターの表面ムラを低減する効果と塗膜端部の膜厚を低減する効果は充分だったものの、インクジェット方式における吐出安定性に劣っていた。

0169

(実施例7及び8:カラーフィルター用赤色インクジェットインクの調製)
(1)顔料分散液の調製
各顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼社製)を用いて4時間分散し、PR254(C.I.ピグメントレッド254)顔料分散液及びPR177(C.I.ピグメントレッド177)顔料分散液を調製した。
[顔料分散液の組成]
・各顔料:10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン製)(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・顔料分散補助剤(N−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート共重合体((溶剤BCA中に固形分30重量%))):10重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):70重量部

0170

(2)バインダーの調製
下記の割合に従って、実施例1に用いたバインダーと同様に調製した。
[バインダーの組成]
・製造例1のバインダー性エポキシ化合物(溶剤BCA中に固形分30重量%):10重量部
・多官能エポキシ樹脂(商品名エピコート151S70、ジャパンエポキシレジン製):2重量部
・ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル:1重量部
・トリメリット酸:2重量部

0171

(3)インクの調製
上記調製したPR254顔料分散液68.85重量部及びPR177顔料分散液6.15重量部、及び、バインダー組成物15重量部、及びBCA1重量部を充分に混合した。その後、第二溶剤を9重量部添加し、表4に示される配合割合の実施例7及び8のカラーフィルター用赤色インクジェットインクを得た。

0172

(比較例6:カラーフィルター用赤色インクジェットインクの調製)
実施例7と同じ顔料分散液及びバインダー組成物を用いて、PR254顔料分散液68.85重量部及びPR177顔料分散液6.15重量部、及びバインダー組成物15重量部とBCA10重量部を充分に混合し、第二溶剤を含まない表4に示される配合割合の比較例6のカラーフィルター用赤色インクジェットインクを得た。

0173

0174

実施例のインクジェットインクを用いた場合、表面ムラが低減され、端部膜厚が所望の範囲であったのに対し、比較例のインクジェットインクを用いた場合、表面ムラがみられ、且つ端部膜厚が所望の範囲を超えていた。

0175

(実施例9及び10:カラーフィルター用緑色インクジェットインクの調製)
(1)顔料分散液の調製
各顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼社製)を用いて4時間分散し、PG36(C.I.ピグメントグリーン36)顔料分散液、PG7(C.I.ピグメントグリーン7)顔料分散液、PY138(C.I.ピグメントイエロー138)顔料分散液及びPY150(C.I.ピグメントイエロー150)顔料分散液を調製した。
[顔料分散液の組成]
・各顔料:10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン製)(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・顔料分散補助剤(N−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート共重合体(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):70重量部

0176

(2)バインダーの調製
下記の割合に従って、実施例1に用いたバインダーと同様に調製した。
[バインダーの組成]
・製造例1のバインダー性エポキシ化合物(溶剤BCA中に固形分30重量%):11重量部
・多官能エポキシ樹脂(商品名エピコート151S70、ジャパンエポキシレジン製):2.2重量部
・ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル:1.1重量部
・トリメリット酸:2.2重量部

0177

(3)インクの調製
上記調製したPG36顔料分散液19.25重量部、PG7顔料分散液13.65重量部、PY138顔料分散液24.64重量部及びPY150顔料分散液12.46重量部、及び、バインダー組成物16.5重量部とBCA3.5重量部を充分に混合した。その後、第二溶剤を10重量部添加し、表5に示される配合割合の実施例9及び10のカラーフィルター用緑色インクジェットインクを得た。

0178

(比較例7:カラーフィルター用緑色インクジェットインクの調製)
実施例9と同じ顔料分散液及びバインダー組成物を用いて、PG36顔料分散液19.25重量部、PG7顔料分散液13.65重量部、PY138顔料分散液24.64重量部及びPY150顔料分散液12.46重量部、及び、バインダー組成物16.5重量部とBCA13.5重量部を充分に混合し、第二溶剤を含まない表5に示される配合割合の比較例7のカラーフィルター用緑色インクジェットインクを得た。

0179

0180

実施例のインクジェットインクを用いた場合、表面ムラが低減され、端部膜厚が所望の範囲であったのに対し、比較例のインクジェットインクを用いた場合、表面ムラがみられ、且つ端部膜厚が所望の範囲を超えていた。

0181

(実施例11:カラーフィルターの作製)
厚み0.7mmで10cm×10cmのガラス基板(旭硝子(株)製)上に、ブラックマトリックス用硬化性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法により線幅20μm、膜厚1.2μmのブラックマトリックスパターンを形成した。
上記基板のブラックマトリックスにより区画された青色画素形成部に、実施例1の青色インクジェットインクをインクジェット方式によって、正確且つ均一に付着させた。次に、同じ基板の緑色画素形成部に、実施例9の緑色用インクジェットインクをインクジェット方式によって正確且つ均一に付着させた。次に、同じ基板の赤色画素形成部に、実施例7の赤色用インクジェットインクをインクジェット方式によって正確且つ均一に付着させた。
その後、120秒間10Torrで減圧乾燥を行い、更に、80℃のホットプレート上で10分間プリベークを行った。その後、クリーンオーブン内で、200℃で30分加熱してポストベークを行い、更に230℃で30分加熱してポストベークを行って、基板上に乾燥硬化後の平均膜厚が1.8μmのRGB3色の画素パターンを形成した。
RGB画素パターンを形成した基板を、IPAに5分間浸漬させ、次いでIPA蒸気にて乾燥を行ない洗浄した後、基板設定温度200℃にて、6×10−3Torrの真空下でITO(酸化インジウムスズ)電極を120nmの厚さになるように成膜した。このITO成膜を行った基板を更にIPAに5分間浸漬し、IPAで蒸気洗浄を行った後、ポリイミドをスピンコートし、180℃、60分間の焼成を行って配向膜を形成し、カラーフィルターを得た。得られたカラーフィルターの表面ムラの写真図5に示す。

0182

(比較例8:カラーフィルターの作製)
青色インクジェットインクとして比較例1の青色インクジェットインク、緑色インクジェットインクとして比較例7の緑色インクジェットインク、赤色インクジェットインクとして比較例6の赤色インクジェットインクを用いた以外は、実施例8と同様にして基板上にRGB3色の画素パターンを形成し、同様にカラーフィルターを製造した。得られたカラーフィルターの表面ムラの写真を図6に示す。

0183

0184

実施例の本発明にかかるインクジェットインクを用いた実施例11においては、カラーフィルターの図5に示すように表面ムラが低減され、且つ、画素の端部の膜厚を低減させることができた。一方、上記特定の第二溶剤が含まれないインクを用いた比較例8においては、図6に示すようにカラーフィルターの表面ムラが生じ、画素の端部の膜厚は、それぞれ表6に示すように厚くなってしまった。

図面の簡単な説明

0185

本発明に係るインクジェットインクを用いてカラーフィルターを製造する方法の説明図である。
本発明に係るインクジェットインクを用いてカラーフィルターを製造する別の方法を説明する図である。
本発明に係るインクジェットインクを用いてカラーフィルターを製造する方法の他の例を説明する図である。
本発明に係るカラーフィルターの表面ムラを評価する方法を説明する図である。
本発明に係る実施例11のカラーフィルターの表面を撮像した写真である。
本発明に係る比較例8のカラーフィルターの表面を撮像した写真である。
インクのオリフィス表面への濡れ広がり及びインク滴の飛行曲がりを説明する図である。

符号の説明

0186

1 透明基板
2遮光部
撥インキ性凸部
4画素部形成領域
5インクジェットヘッド
インキ層
7 画素部
8 保護膜
9光触媒含有層
10フォトマスク
11露光部
12光線
13オリフィス
14インク滴
20カメラ
21白色蛍光灯
100、101、102 カラーフィルター

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