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技術 洩れ検査方法及び洩れ検査装置

出願人 株式会社ナック
発明者 飯田明由金野祥久半田哲也
出願日 2006年6月7日 (13年9ヶ月経過) 出願番号 2006-159087
公開日 2007年12月20日 (12年3ヶ月経過) 公開番号 2007-327849
状態 特許登録済
技術分野 気密性の調査・試験
主要キーワード 移動防止板 自動アーム 差圧圧力 測定温度差 環境温度差 測定温度データ 差圧データ 空気供給ユニット
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重要な関連分野

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図面 (8)

課題

洩れ検査時の測定対象容器基準容器との差圧温度補正ができ、洩れ検査の精度を上げる洩れ検査装置及び洩れ検査方法

解決手段

ワーク容器66とマスタ容器80の空気を平衡状態とした後に、これらの間を遮断し、マスタ容器80内部及びワーク容器66内部の空気温度T1、T2が測定される。その後、マスタ容器80内部及びワーク容器66内部の空気温度T3、T4が測定される。また、差圧測定部42で、ワーク容器66内部とマスタ容器80内部の空気圧力との測定差圧PAが測定される。判定ユニット78では、これらの測定データを用いて理論差圧が求められ、測定差圧との差によりワーク容器66の洩れの有無の判定を行う。

概要

背景

一般に、圧力の絶対値を精度良く測定することは困難であるため、洩れ検出のための圧力検出方法としては、差圧式が用いられる。

差圧式の洩れ検出方法は、基準となる容器マスタ)とワークに同時に圧縮空気送り込み、時系列で両者の圧力差を差圧式の圧力センサで測定し、洩れ検出を行う。

例えば、特許文献1には、ワークからの圧力洩れがない場合におけるワークとマスタとの差圧経時変化を、マスタデータとして保存しておき、各ワークの測定時に得られる差圧測定データとマスタデータとを比較することにより、ワークの真の圧力洩れ量を求めるリークテスタが開示されている。

しかし、特許文献1のリークテスタにおいては、ワークの温度と外部環境温度とが異なる場合を想定しておらず、例えば、生産工程で溶接され、あるいは高温乾燥炉で乾燥された直後のワークの洩れ検査を行う場合には、ワークとマスタの温度が異なり、温度差で発生する圧力変化による差圧の測定誤差が大きくなるので、洩れ検査を精度良く行うことは困難である。

また、洩れ検査する場合には、ワークの温度が所定温度となるまで冷却又は自然放置して待たなければならず、検査前の待ち時間が増加し全体の検査時間が長くなる。

一方、特許文献2には、被検査体基準タンクとの間に発生する差圧値D1及び所定時間経過後の差圧の変化分ΔD3を、被検査体とシール治具の温度差毎に測定し、各温度差における差圧値D1と差圧の変化分ΔD3との差をドリフト補正値として、差圧の補正を行う洩れ検査装置校正方法が開示されている。

しかし、特許文献2の洩れ検査装置では、被検査体そのものの温度を測定しており、被検査体の内部の空気の温度を測定していないので、例えば、被検査体の内部の空気の温度と被検査体の温度に温度差が生じた場合は、差圧の測定誤差が生じる。

また、被検査体と基準タンクの差圧のみに着目しており、被検査体の内部の圧力変化及び基準タンクの内部の圧力変化をそれぞれ独立したものとして検討していないので、例えば、基準タンクの内部の空気の温度と、被検査体の内部の空気の温度に差がある場合は、この温度差に伴う差圧の測定誤差が生じる。
特開2000−205991
特開2005−017107

概要

洩れ検査時の測定対象容器基準容器との差圧の温度補正ができ、洩れ検査の精度を上げる洩れ検査装置及び洩れ検査方法ワーク容器66とマスタ容器80の空気を平衡状態とした後に、これらの間を遮断し、マスタ容器80内部及びワーク容器66内部の空気温度T1、T2が測定される。その後、マスタ容器80内部及びワーク容器66内部の空気温度T3、T4が測定される。また、差圧測定部42で、ワーク容器66内部とマスタ容器80内部の空気圧力との測定差圧PAが測定される。判定ユニット78では、これらの測定データを用いて理論差圧が求められ、測定差圧との差によりワーク容器66の洩れの有無の判定を行う。

目的

本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、洩れ検査時の測定対象容器と基準容器との差圧の温度補正ができ、洩れ検査の精度を上げることのできる洩れ検査装置及び洩れ検査方法を得ることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

気体供給源から測定対象容器及び基準容器気体を供給し、前記測定対象容器の内部の気体と前記基準容器の内部の気体とを所定の平衡圧力P0の平衡状態とするとともに、前記測定対象容器及び前記基準容器における気体の流入及び流出を遮断する気体供給手段と、前記測定対象容器の内部の気体の圧力と前記基準容器の内部の気体の圧力との測定差圧PAを求める差圧測定手段と、前記基準容器の内部の気体の温度を測定する第1温度測定手段と、前記測定対象容器の内部の気体の温度を測定する第2温度測定手段と、前記基準容器における前記平衡状態から所定時間t経過後の、気体の温度変化及び前記平衡圧力P0に基づいて定められる気体の圧力を理論圧力P1とし、前記測定対象容器における前記平衡状態から所定時間t経過後の、気体の温度変化及び前記平衡圧力P0に基づいて定められる気体の圧力を理論圧力P2として、前記理論圧力P1と前記理論圧力P2との差である理論差圧PBと前記測定差圧PAとを比較して、前記測定対象容器の洩れの有無を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする洩れ検査装置

請求項2

前記第1温度測定手段及び前記第2温度測定手段が、前記測定対象容器及び前記基準容器の内部において所定の距離離間して配置される複数の温度測定部を有することを特徴とする請求項1に記載の洩れ検査装置。

請求項3

前記判定手段が、洩れの無い基準測定対象容器を用いて得られた測定差圧PCと理論差圧PDとの関係に基づいて、前記測定対象容器における前記測定差圧PA又は前記理論差圧PBを補正した補正差圧PFを定め、前記測定対象容器における前記測定差圧PA又は前記理論差圧PBと前記補正差圧PFとを比較し、前記測定対象容器の洩れの有無を判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の洩れ検査装置。

請求項4

前記測定対象容器及び前記基準容器が置かれた環境の環境温度を測定する第3温度測定手段が設けられ、前記判定手段が、前記第2温度測定手段で測定される測定温度と前記第3温度測定手段で測定される前記環境温度との温度差による前記理論差圧PDとのずれ量を予め求めておき、測定時の前記環境温度に対するずれ量を用いて、前記補正差圧PFを求めることを特徴とする請求項3に記載の洩れ検査装置。

請求項5

気体供給源から測定対象容器及び基準容器に気体を供給し、前記測定対象容器の内部の気体と前記基準容器の内部の気体とを所定の平衡圧力P0の平衡状態とする工程と、前記基準容器における前記平衡状態から所定時間t経過後の、気体の温度変化及び前記平衡圧力P0に基づいて定められる気体の圧力である理論圧力P1を求める工程と、前記測定対象容器における前記平衡状態から所定時間t経過後の、気体の温度変化及び前記平衡圧力P0に基づいて定められる気体の圧力である理論圧力P2を求める工程と、前記理論圧力P1と前記理論圧力P2との差である理論差圧PBを求めるとともに、前記差圧PAと前記理論差圧PBとを比較して、前記測定対象容器の洩れの有無を判定する工程と、を有することを特徴とする洩れ検査方法

請求項6

洩れの無い基準測定対象容器を用いて得られた差圧PCと理論差圧PDとの関係に基づいて、前記測定対象容器における前記測定差圧PA又は理論差圧PBを補正した補正差圧PFを求める工程と、前記測定対象容器における前記測定差圧PA又は前記理論差圧PBと前記補正差圧PFとを比較して、前記測定対象容器の洩れの有無を判定する工程と、を有することを特徴とする請求項5に記載の洩れ検査方法。

請求項7

前記測定対象容器及び前記基準容器が置かれた環境の環境温度を測定する工程と、前記測定対象容器における測定温度と前記環境温度との温度差による前記理論差圧PDとのずれ量を予め求めておき、測定時の前記環境温度に対するずれ量を用いて、前記補正差圧PFを求める工程と、を有することを特徴とする請求項6に記載の洩れ検査方法。

技術分野

0001

本発明は、測定対象容器の圧力と、基準容器の圧力との差圧により洩れの有無を検査する洩れ検査方法及び洩れ検査装置に関する。

背景技術

0002

一般に、圧力の絶対値を精度良く測定することは困難であるため、洩れ検出のための圧力検出方法としては、差圧式が用いられる。

0003

差圧式の洩れ検出方法は、基準となる容器マスタ)とワークに同時に圧縮空気送り込み、時系列で両者の圧力差を差圧式の圧力センサで測定し、洩れ検出を行う。

0004

例えば、特許文献1には、ワークからの圧力洩れがない場合におけるワークとマスタとの差圧の経時変化を、マスタデータとして保存しておき、各ワークの測定時に得られる差圧測定データとマスタデータとを比較することにより、ワークの真の圧力洩れ量を求めるリークテスタが開示されている。

0005

しかし、特許文献1のリークテスタにおいては、ワークの温度と外部環境温度とが異なる場合を想定しておらず、例えば、生産工程で溶接され、あるいは高温乾燥炉で乾燥された直後のワークの洩れ検査を行う場合には、ワークとマスタの温度が異なり、温度差で発生する圧力変化による差圧の測定誤差が大きくなるので、洩れ検査を精度良く行うことは困難である。

0006

また、洩れ検査する場合には、ワークの温度が所定温度となるまで冷却又は自然放置して待たなければならず、検査前の待ち時間が増加し全体の検査時間が長くなる。

0007

一方、特許文献2には、被検査体基準タンクとの間に発生する差圧値D1及び所定時間経過後の差圧の変化分ΔD3を、被検査体とシール治具の温度差毎に測定し、各温度差における差圧値D1と差圧の変化分ΔD3との差をドリフト補正値として、差圧の補正を行う洩れ検査装置の校正方法が開示されている。

0008

しかし、特許文献2の洩れ検査装置では、被検査体そのものの温度を測定しており、被検査体の内部の空気の温度を測定していないので、例えば、被検査体の内部の空気の温度と被検査体の温度に温度差が生じた場合は、差圧の測定誤差が生じる。

0009

また、被検査体と基準タンクの差圧のみに着目しており、被検査体の内部の圧力変化及び基準タンクの内部の圧力変化をそれぞれ独立したものとして検討していないので、例えば、基準タンクの内部の空気の温度と、被検査体の内部の空気の温度に差がある場合は、この温度差に伴う差圧の測定誤差が生じる。
特開2000−205991
特開2005−017107

発明が解決しようとする課題

0010

本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、洩れ検査時の測定対象容器と基準容器との差圧の温度補正ができ、洩れ検査の精度を上げることのできる洩れ検査装置及び洩れ検査方法を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明の請求項1に係る洩れ検査装置は、気体供給源から測定対象容器及び基準容器に気体を供給し、前記測定対象容器の内部の気体と前記基準容器の内部の気体とを所定の平衡圧力P0の平衡状態とするとともに、前記測定対象容器及び前記基準容器における気体の流入及び流出を遮断する気体供給手段と、前記測定対象容器の内部の気体の圧力と前記基準容器の内部の気体の圧力との測定差圧PAを求める差圧測定手段と、前記基準容器の内部の気体の温度を測定する第1温度測定手段と、前記測定対象容器の内部の気体の温度を測定する第2温度測定手段と、前記基準容器における前記平衡状態から所定時間t経過後の、気体の温度変化及び前記平衡圧力P0に基づいて定められる気体の圧力を理論圧力P1とし、前記測定対象容器における前記平衡状態から所定時間t経過後の、気体の温度変化及び前記平衡圧力P0に基づいて定められる気体の圧力を理論圧力P2として、前記理論圧力P1と前記理論圧力P2との差である理論差圧PBと前記測定差圧PAとを比較して、前記測定対象容器の洩れの有無を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。

0012

上記構成によれば、測定対象容器及び基準容器の内部の気体の温度変化と、平衡圧力P0とに基づいて、基準容器の内部の気体の圧力P1と測定対象容器の内部の気体の圧力P2との差圧である理論差圧PBが求められる。P1、P2は、ボイルシャルルの法則によって求めることができ、例えば、基準容器の内部の気体の温度がT1からT3に変化し、測定対象容器の内部の気体の温度がT2からT4に変化したとすると、P1=P0×T3/T1、及びP2=P0×T4/T2を用いて計算する。

0013

理論差圧PBは、測定対象容器及び基準容器の内部の気体の温度変化による差圧であり、測定差圧と理論差圧との差が測定対象容器の洩れによる差圧となる。

0014

従って、洩れ検査時の測定対象容器の内部の気体の温度が基準容器の内部の気体の温度と異なっていても、理論差圧を求めることにより測定対象容器の洩れによる差圧が得られるので、洩れの有無を正確に判定でき、洩れ検査を精度良く行うことができる。

0015

また、測定対象容器が所定の温度になるまで待つ必要がないので、検査時間を短くすることができる。

0016

本発明の請求項2に係る洩れ検査装置は、前記第1温度測定手段及び前記第2温度測定手段が、前記測定対象容器及び前記基準容器の内部において所定の距離離間して配置される複数の温度測定部を有することを特徴とする。

0017

上記構成によれば、測定対象容器の内部及び基準容器の内部において、例えば、左右方向、上下方向に所定の距離離間して配置された複数の温度測定部で温度測定を行い、得られた複数の測定温度を平均することによって、より正確な測定温度を得ることができる。

0018

従って、測定対象容器の内部又は基準容器の内部の気体の温度の測定精度が上がる。また、測定温度の精度が上がることにより、理論差圧の精度が向上し、洩れ検査の精度も向上する。

0019

本発明の請求項3に係る洩れ検査装置は、前記判定手段が、洩れの無い基準測定対象容器を用いて得られた測定差圧PCと理論差圧PDとの関係に基づいて、前記測定対象容器における前記測定差圧PA又は前記理論差圧PBを補正した補正差圧PFを定め、前記測定対象容器における前記測定差圧PA又は前記理論差圧PBと前記補正差圧PFとを比較し、前記測定対象容器の洩れの有無を判定することを特徴とする。

0020

上記構成によれば、例えば、差圧測定手段又は温度測定手段の測定ばらつきにより、洩れの無い基準測定対象容器において測定差圧と理論差圧とが一致しない場合でも、予め洩れの無い基準測定対象容器を用いて得られた測定差圧と理論差圧との関係に基づいて測定対象容器の測定差圧又は理論差圧を補正し、洩れによる差圧を求めることができるので、洩れ検査の精度がさらに向上する。

0021

本発明の請求項4に係る洩れ検査装置は、前記測定対象容器及び前記基準容器が置かれた環境の環境温度を測定する第3温度測定手段が設けられ、前記判定手段が、前記第2温度測定手段で測定される測定温度と前記第3温度測定手段で測定される前記環境温度との温度差による前記理論差圧PDとのずれ量を予め求めておき、測定時の前記環境温度に対するずれ量を用いて、前記補正差圧PFを求めることを特徴とする
上記構成によれば、例えば、洩れの無い基準測定対象容器が高温で、基準測定対象容器の内部の気体の測定温度と環境温度との温度差が大きいことによって、基準測定対象容器の測定差圧と理論差圧とが一致しない場合があっても、予め基準測定対象容器において測定温度と環境温度との温度差を変えて測定差圧と理論差圧との関係を求めておき、測定対象容器における測定温度と環境温度との温度差を、測定差圧と理論差圧との関係に用いて測定差圧又は理論差圧を補正し、洩れによる差圧を求めることができるので、高温の測定対象容器を用いても、洩れ検査を精度良く行うことができる。

0022

本発明の請求項5に係る洩れ検査方法は、気体供給源から測定対象容器及び基準容器に気体を供給し、前記測定対象容器の内部の気体と前記基準容器の内部の気体とを所定の平衡圧力P0の平衡状態とする工程と、前記基準容器における前記平衡状態から所定時間t経過後の、気体の温度変化及び前記平衡圧力P0に基づいて定められる気体の圧力である理論圧力P1を求める工程と、前記測定対象容器における前記平衡状態から所定時間t経過後の、気体の温度変化及び前記平衡圧力P0に基づいて定められる気体の圧力である理論圧力P2を求める工程と、前記理論圧力P1と前記理論圧力P2との差である理論差圧PBを求めるとともに、前記差圧PAと前記理論差圧PBとを比較して、前記測定対象容器の洩れの有無を判定する工程と、を有することを特徴とする。

0023

上記方法によれば、測定対象容器及び基準容器の内部の気体の温度変化と、平衡圧力P0とに基づいて、測定対象容器の内部の気体と基準容器の内部の気体の理論差圧が求められる。

0024

理論差圧は、測定対象容器及び基準容器の内部の気体の温度変化による差圧であり、測定差圧と理論差圧との差が、測定対象容器の洩れによる差圧となる。

0025

従って、洩れ検査時の測定対象容器の内部の気体の温度が基準容器の内部の気体の温度と異なっていても、理論差圧を求めることにより測定対象容器の洩れによる差圧が得られるので、洩れの有無を正確に判定でき、洩れ検査を精度良く行うことができる。

0026

本発明の請求項6に係る洩れ検査方法は、洩れの無い基準測定対象容器を用いて得られた差圧PCと理論差圧PDとの関係に基づいて、前記測定対象容器における前記測定差圧PA又は理論差圧PBを補正した補正差圧PFを求める工程と、前記測定対象容器における前記測定差圧PA又は前記理論差圧PBと前記補正差圧PFとを比較して、前記測定対象容器の洩れの有無を判定する工程と、を有することを特徴とする。

0027

上記方法によれば、例えば、差圧測定手段又は温度測定手段の測定ばらつきにより、洩れの無い基準測定対象容器において測定差圧と理論差圧とが一致しない場合でも、予め洩れの無い基準測定対象容器を用いて得られた測定差圧と理論差圧との関係に基づいて測定対象容器の測定差圧又は理論差圧を補正し、洩れによる差圧を求めることができるので、洩れ検査の精度がさらに向上する。

0028

本発明の請求項7に係る洩れ検査方法は、前記測定対象容器及び前記基準容器が置かれた環境の環境温度を測定する工程と、前記測定対象容器における測定温度と前記環境温度との温度差による前記理論差圧PDとのずれ量を予め求めておき、測定時の前記環境温度に対するずれ量を用いて、前記補正差圧PFを求める工程と、を有することを特徴とする。

0029

上記方法によれば、例えば、洩れの無い基準測定対象容器が高温で、基準測定対象容器の内部の気体の測定温度と環境温度との温度差が大きいことにより、基準測定対象容器の測定差圧と理論差圧とが一致しない場合があっても、予め基準測定対象容器において測定温度と環境温度との温度差を変えて測定差圧と理論差圧との関係を求めておき、測定対象容器における測定温度と環境温度との温度差を、測定差圧と理論差圧との関係に用いて測定差圧又は理論差圧を補正し、洩れによる差圧を求めることができるので、高温の測定対象容器を用いても、洩れ検査を精度良く行うことができる。

発明の効果

0030

本発明は上記構成としたので、洩れ検査時の測定対象容器と基準容器との差圧の温度補正ができ、洩れ検査の精度を上げることができる。

発明を実施するための最良の形態

0031

本発明の洩れ検査装置及び洩れ検査方法の第1実施形態を図面に基づき説明する。第1実施形態では、平衡状態での圧力と測定温度をボイル−シャルルの法則の式に代入して理論差圧を求め、理論差圧と測定差圧を比較して洩れの有無を判定する洩れ検査装置及び洩れ検査方法について説明する。

0032

図1には、本発明の洩れ検査装置が示されている。

0033

洩れ検査装置10には、一定の所定圧P0で空気を供給可能な空気ボンベ12が設けられており、所定圧P0の値は、図示されない圧力測定手段により測定され電圧として出力可能に設けられている。

0034

また、洩れ検査装置10は、差圧圧力ゲージ温度表示パネル、洩れ検査の開始、終了を行うボタンが設けられたコントロールパネル電源スイッチ、及び洩れの有無の判定を表示する表示パネル56が配置されたコントロールボックス11と接続されている。

0035

空気ボンベ12の上部には、パイプ接続部12Aが設けられており、パイプ接続部12Aには、ステンレス製の第1パイプ14が接続されている。第1パイプ14の途中には、制御回路からの信号によりバルブ開閉を自動で行う電磁式の第1電磁バルブ16が設けられている。

0036

第1パイプ14の端部には、空気の流路分岐させる三方継手18が接続されており、三方継手18における第1パイプ14と反対側の継手には、ステンレス製の第2パイプ20が接続されている。また、三方継手18におけるもう一方の継手には、ステンレス製の第3パイプ22が接続されている。

0037

第3パイプ22の途中には、制御回路からの信号によりバルブの開閉を自動で行う電磁式の第2電磁バルブ24が設けられている。

0038

第2パイプ20における三方継手18と反対側の端部には、三方継手26が接続されている。

0039

三方継手26における、第2パイプ20と異なる2箇所の継手の一方には、ステンレス製の第4パイプ28が接続され、他方には、同様に、ステンレス製の第5パイプ32が接続されている。

0040

第4パイプ28の途中には、制御回路からの信号によりバルブの開閉を自動で行う電磁式の第3電磁バルブ30が設けられており、第4パイプ28の一方の端部には、三方継手36が接続されている。

0041

三方継手36における、第4パイプ28と異なる2箇所の継手の一方は、洩れ検査装置10の外部に配置されるパイプが接続される第1接続部38に接続されている。

0042

三方継手36における、第4パイプ28及び第1接続部38と異なる側の継手には、ステンレス製の第6パイプ40が接続されている。

0043

一方、第5パイプ32の途中には、制御回路からの信号によりバルブの開閉を自動で行う電磁式の第4電磁バルブ34が設けられており、第5パイプ32の一方の端部には、三方継手44が接続されている。

0044

三方継手44における、第5パイプ32と異なる2箇所の継手の一方は、洩れ検査装置10の外部に配置されるパイプが接続される第2接続部46に接続されている。

0045

三方継手44における、第5パイプ32及び第2接続部46と異なる側の継手には、ステンレス製の第7パイプ48が接続されている。

0046

ここで、洩れ検査装置10の近傍には、洩れ検査に用いられるマスタ容器80が配置されている。

0047

マスタ容器80は、アルミ等の金属製の受台82上に載置され、受台82に設けられた一対の移動防止板82Aにより固定されている。マスタ容器80は一方の側面に開口部80Aを有しており、開口部80Aには、第1キャップ84が嵌め込まれている。これによりマスタ容器80が密閉されている。

0048

第1キャップ84には、中空円筒状に突出した第1継手86及び第2継手88が設けられている。第1継手86には、空気ボンベ12からの空気をマスタ容器80内に流入させる硬質ナイロンチューブからなる第8パイプ52の一端が挿通され、接着剤及び洩れ防止剤の塗布により空気の洩れがないように固定されている。

0049

第8パイプ52の他端は、第2接続部46に接続されており、第1電磁バルブ16及び第4電磁バルブ34の開放により、空気ボンベ12内の空気が、マスタ容器80内に流入するようになっている。

0050

第2継手88には、マスタ容器80の内部の温度を測定する第1温度計90が挿通され、第1温度計90の先端は、マスタ容器80の長手方向の中央部に位置している。第1温度計90として、変形しにくく、応答速度が速く、且つ直径の小さい細管測温抵抗体が用いられており、マスタ容器80内部で計測された温度は、電圧として出力されるようになっている。

0051

第1温度計90の他端は、第1温度計90の出力電圧を伝達する第1ケーブル92の一端に接続されている。

0052

一方、マスタ容器80の上方には、図示しない回転駆動手段により回転駆動される駆動ローラ58、及び駆動ローラ58に張架された無端ベルト60からなるベルトコンベア54が設けられており、駆動ローラ58の回転駆動により、無端ベルト60が移動するようになっている。

0053

無端ベルト60の中空部には、アルミ等の金属製の支持台62が設けられており、無端ベルト60の撓みを防止している。

0054

ベルトコンベア54上には、アルミ等の金属製の受台64が配置されており、受台64の上には、洩れ検査の対象であるワーク容器66が載置されている。

0055

ワーク容器66は、受台64に設けられた一対の移動防止板64Aにより固定されており、ベルトコンベア54の動作により、洩れ検査を行う位置まで搬送されるようになっている。

0056

ワーク容器66は一方の側面に開口部66Aを有しており、開口部66Aには、第2キャップ68が嵌め込まれている。これによりワーク容器66が密閉されている。ワーク容器66の容積とマスタ容器80の容積は等しくなっている。

0057

ここで、第2キャップ68は、図示されない自動アームにより開口部66Aに着脱可能に設けられており、洩れ検査を行うワーク容器66のみに第2キャップ68が装着されるようになっている。

0058

なお、1つのワーク容器66の洩れ検査が終了し、ワーク容器66の内部の空気の排気動作が所定時間経過した後、第2キャップ68は前述の自動アームにより開口部66Aより脱離され、次のワーク容器67がベルトコンベア54により、洩れ検査位置まで搬送されるようになっている。次のワーク容器67の開口部67Aに第2キャップ68が嵌め込まれ、次の洩れ検査が行われるようになっている。

0059

第2キャップ68には、中空円筒状に突出した第3継手70及び第4継手72が設けられている。第3継手70には、空気ボンベ12からの空気をワーク容器66内に流入させる硬質ナイロンチューブからなる第9パイプ50の一端が挿通され、接着剤及び洩れ防止剤の塗布により空気の洩れがないように固定されている。

0060

第9パイプ50の他端は、第1接続部38に接続されており、第1電磁バルブ16及び第3電磁バルブ30の開放により、空気ボンベ12内の空気が、ワーク容器66内に流入するようになっている。

0061

第4継手72には、ワーク容器66の内部の温度を測定する第2温度計74が挿通され、第2温度計74の先端は、ワーク容器66の長手方向の中央部に位置している。第2温度計74として、変形しにくく、応答速度が速く、且つ直径の小さい細管形測温抵抗体が用いられており、ワーク容器66内部で計測された温度は、電圧として出力されるようになっている。

0062

第2温度計74の他端は、第2温度計74の出力電圧を伝達する第2ケーブル76の一端に接続されている。

0063

第6パイプ40の端部及び第7パイプ48の一端は、第6パイプの内部の空気の圧力と、第7パイプ48の内部の空気の圧力との差圧を測定する差圧測定部42に接続されている。

0064

差圧測定部42に隣接する位置には、洩れ検査の判定を行う判定ユニット78が設けられており、差圧測定部42と判定ユニット78とは、差圧測定部42で測定された差圧データを判定ユニット78へ送信するための送信ケーブル96により接続されている。

0065

ここで、第1パイプ14、第1電磁バルブ16、三方継手18、第2パイプ20、第3パイプ22、第2電磁バルブ24、三方継手26、第4パイプ28、第3電磁バルブ30、第5パイプ32、第4電磁バルブ34、三方継手36、第1接続部38、三方継手44、第2接続部46、第7パイプ48、第9パイプ50、及び第8パイプ52によって、気体供給手段としての空気供給ユニットが形成されている。

0066

また、パイプ接続部12A内部の図示されない圧力センサには、空気ボンベ12が排出する空気の圧力を電圧出力として判定ユニット78に伝達するためのセンサケーブル94の一端が接続されており、センサケーブル94の他端は判定ユニット78に接続されている。

0067

判定ユニット78は、第1電磁バルブ16、第2電磁バルブ24、第3電磁バルブ30、第4電磁バルブ34の開閉を所定のプログラムにより制御する図示しない制御回路を有するとともに、空気ボンベ12から放出される空気の所定の圧力のデータ保存、マスタ容器80内部の空気の温度測定とデータ保存、ワーク容器66内部の空気の温度測定とデータ保存、及び測定時間の計測を行うとともに、各測定データを元に後述の演算処理を行って差圧の判定が行なわれるようになっている。

0068

次に、本発明の第1実施形態の作用について説明する。

0069

図2は洩れ検査装置10(図1参照)の構成を模式化したものであり、図3は第1電磁バルブ16、第2電磁バルブ24、第3電磁バルブ30、第4電磁バルブ34の開閉状態を示したものである。

0070

図2及び図3において、予め、判定ユニット78には良品不良品識別するための圧力差の規格値及び洩れ検査時の各データの測定時間が設定されている。

0071

まず、図3aに示すように、第1電磁バルブ16、第3電磁バルブ30、第4電磁バルブ34が開放され、第2電磁バルブ24が閉止される。

0072

次に、空気ボンベ12の図示されないコックが開かれ、所定の空気圧P0の空気が矢印A、矢印B、矢印Cの方向に流入し、ワーク容器66及びマスタ容器80の内部に空気圧P0の空気が供給される。

0073

次に、図3bに示すように、第1電磁バルブ16が閉止され、ワーク容器66及びマスタ容器80の内部の圧力の変動が収まるのを待つため、数秒間待機状態となる。

0074

このとき、ワーク容器66及びマスタ容器80の内部は連通しており、矢印Dで示したように平衡状態となる。この平衡状態でのワーク容器66及びマスタ容器80の内部の空気の圧力(平衡圧力)は、図示しない圧力計等の圧力測定手段により測定可能とされているが、ワーク容器66及びマスタ容器80の大きさ、空気を供給する時間、各バルブを閉じる時間、等の各測定条件組合せによっては、平衡圧力が空気ボンベ12から供給される空気の圧力P0とほぼ等しいとすることができる。ここでは、平衡圧力がP0であるとする。平衡圧力P0のデータは、判定ユニット78に保存される。

0075

次に、図3cに示すように、第3電磁バルブ30及び第4電磁バルブ34が閉止され、数秒間待機状態となる。矢印E及び矢印Fで示したように、ワーク容器66及びマスタ容器80の内部の空気は遮断され、ワーク容器66の内部の空気の圧力及び温度と、マスタ容器80の内部の空気の圧力及び温度は、それぞれ独立して変化することになる。

0076

次に、第1洩れ検査として、ワーク容器66及びマスタ容器80の内部の空気が遮断されてから数秒間待機後の差圧が測定され、判定ユニット78において、測定差圧が所定の規格内にあるかどうかが判定される。

0077

測定差圧が所定の規格内のときは、後述の第2洩れ検査を開始し、測定差圧が所定の規格外にあるときは、判定ユニット78に接続された洩れ検査の判定を表示する表示パネル56(図1参照)に「洩れ有り」の判定結果が表示され、洩れ検査を終了する。

0078

第1洩れ検査は、例えば、空気供給後にワーク容器66に穴が開き、測定差圧
が大となったものを洩れ検査の初期段階で除くことにより、無駄な検査時間を省き、洩れ検査を効率良く行うために実施される。

0079

次に、第1洩れ検査において測定差圧が所定の規格内にあったワーク容器66に対して、第2洩れ検査が開始される。

0080

ここで、第1電磁バルブ16が開放されてから、第2洩れ検査の開始までの工程の経過時間t1が、時間データとして判定ユニット78に保存される。

0081

次に、第2洩れ検査として、前述の平衡圧力P0の状態においてワーク容器66及びマスタ容器80の温度測定が開始され、温度測定開始時のマスタ容器80の内部の空気の温度T1が第1温度計90により測定されて、ワーク容器66内部の空気の温度T2が第2温度計74により測定され、測定温度データT1、T2が判定ユニット78内部に保存される。

0082

次に、ワーク容器66からの空気の洩れの有無を正確に判断するため、所定時間待機状態となる。ここで、所定時間は、事前実験データを収集し、ワーク容器66の種類毎に定められたものであり、本実施形態においては、数十秒間待機状態としている。

0083

ここで、第1電磁バルブ16が開放されてから、数十秒間待機終了時までの経過時間t2が、時間データとして判定ユニット78に保存される。経過時間t2が測定終了時である。

0084

次に、測定終了時のマスタ容器80の内部の空気の温度T3が第1温度計90により測定され、ワーク容器66内部の空気の温度T4が第2温度計74により測定されて、測定温度データT3、T4が判定ユニット78内部に保存される。

0085

また、差圧測定部42により、測定終了時におけるワーク容器66内部の空気の圧力とマスタ容器80の内部の空気の圧力との測定差圧PAが測定され、測定差圧PAのデータが判定ユニット78内部に保存される。

0086

次に、判定ユニット78において、前述のデータP0、T1、T2、T3、T4を用いて、以下の演算方法により理論差圧PBが求められる。

0087

ここで、理論差圧PBの演算について説明する。

0088

ワーク容器66及びマスタ容器80の内部の空気の温度、圧力は変化をし、また、ワーク容器66及びマスタ容器80の内部の容積は、測定時間によらず一定であるので、容積一定の状態でのボイル−シャルルの法則が適用できる。

0089

マスタ容器80において、測定開始時の内部の空気の圧力はP0、測定温度はT1であり、測定終了時の内部の空気の測定温度はT3である。ここで、測定終了時のマスタ容器80の内部の空気の圧力をP1とおくと、ボイル−シャルルの等容積変化関係式によりP1=P0×(T3/T1)となる。

0090

一方、ワーク容器66において、測定開始時の内部の空気の圧力はP0、測定温度はT2であり、測定終了時の内部の空気の測定温度はT4である。ここで、測定終了時のワーク容器66の内部の空気の圧力をP2とおくと、ボイル−シャルルの等容積変化の関係式によりP2=P0×(T4/T2)となる。

0091

理論差圧PBは、P1とP2との差で定義される。本実施形態においては、測定差圧PB=P1−P2で定義するが、PB=P2−P1で定義してもよい。

0092

いま、PB=P1−P2であるので、PB=P0×(T3/T1−T4/T2)となる。

0093

このようにして、所定の空気圧P0と、マスタ容器80の内部の空気の測定温度T1、T3、及びワーク容器66の内部の空気の測定温度T2、T4を用いて理論差圧PBが得られる。

0094

理論差圧PBは、ワーク容器66及びマスタ容器80の内部の空気の温度変化により生じる差圧であり、ワーク容器66における空気の洩れによる差圧ではない。

0095

よって、本実施形態では、ワーク容器66の空気の洩れを判定する場合に、測定差圧PAから理論差圧PBを差し引いたPA−PBについて、所定の規格内にあるかどうかを判定することにより、ワーク容器66の洩れの有無を判定する。

0096

図4は、横軸を時間、縦軸を圧力とし、時間経過による測定差圧PAの変化を示す測定差圧曲線PMと、時間経過による理論差圧PBの変化を示す理論差圧曲線PTをグラフ化したものである。

0097

図4グラフにおいて、時間t1では、ワーク容器66及びマスタ容器80の内部の空気の圧力は平衡状態で等しくP0となっているので、差圧は0となる。

0098

時間t2では、測定差圧がPAで、理論差圧がPBとなっており、PA−PBが、ワーク容器66の洩れにより生じた差圧である。

0099

ここで、PA−PBが所定の規格以内(予め定めた所定の閾値以内)の場合は、表示パネル56に「洩れ無し」の判定が表示され、規格外(予め定めた所定の閾値を越えた値)の場合は、「洩れ有り」の判定が表示されて、第2洩れ検査が終了する。

0100

次に、図3dに示すように、ワーク容器66の第2洩れ検査が終了した後、第2電磁バルブ24、第3電磁バルブ30、第4電磁バルブ34が開放され、矢印Hから矢印G、及び矢印Jから矢印Gの方向に空気が流出し、ワーク容器66及びマスタ容器80の内部の空気が排気される。

0101

以上の工程によりワーク容器66の洩れ検査が全て終了する。

0102

以上説明したように、本発明の第1実施形態においては、ワーク容器66の内部の空気の温度がマスタ容器80の内部の空気の温度と異なっていても、ワーク容器66及びマスタ容器80の内部の空気の測定温度の変化から理論差圧を求めて、測定差圧と比較することにより、ワーク容器66における空気の洩れによる差圧が明確となるので、ワーク容器66及びマスタ容器80の内部の空気の温度に関わらず、洩れの有無を正確に判定でき、洩れ検査を精度良く行うことができる。

0103

また、ワーク容器66の内部の空気の温度が、マスタ容器80の内部の空気の温度と同一となるまで待つ必要がないので、洩れ検査の時間を短くすることができる。

0104

さらに、第1洩れ検査、第2洩れ検査と分けることにより、洩れ検査を効率良く行える。

0105

次に、本発明の洩れ検査装置及び洩れ検査方法の第2実施形態を図面に基づき説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部品には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。

0106

第2実施形態では、複数の温度測定部により測定されるデータから代表温度を求める方法について説明する。

0107

図5には、ワーク容器66(図1参照)に温度計を複数箇所配置した状態の断面図が示されている。

0108

ワーク容器66の内部空間内の上部中央の位置には、第1温度計100が設けられており、第1温度計100の図示しない温度センサ部は、ワーク容器66の奥行き方向(図5の右方向)における中央部分に位置するように配置されている。

0109

ワーク容器66の内部空間内の中央部の位置には、第2温度計102が設けられており、第2温度計102の図示しない温度センサ部は、ワーク容器66の奥行き方向(図5の右方向)における中央部分に位置するように配置されている。

0110

ワーク容器66の内部空間内の中央部の位置には、第3温度計104が設けられており、第3温度計104の図示しない温度センサ部は、ワーク容器66の奥行き方向(図5の右方向)における最深部(右側の内壁近傍)に位置するように配置されている。

0111

ワーク容器66の内部空間内の中央部の位置には、第4温度計106が設けられており、第4温度計106の図示しない温度センサ部は、ワーク容器66の奥行き方向(図5の右方向)の長さの略1/4の位置となるように配置されている。

0112

ワーク容器66の内部空間内の下部中央の位置には、第5温度計108が設けられており、第5温度計108の図示しない温度センサ部は、ワーク容器66の奥行き方向(図5の右方向)における中央部に位置するように配置されている。

0113

ワーク容器66の内部空間内の中央部右端近傍の位置には、第6温度計110が設けられており、第6温度計110の図示しない温度センサ部は、ワーク容器66の奥行き方向(図5の右方向)における中央部に位置するように配置されている。

0114

このように、ワーク容器66の内部空間において、第1温度計100〜第6温度計110が所定の距離離間して上下方向、又は左右方向に配置されており、奥行き方向においても、所定の長さの位置となるように配置されている。

0115

判定ユニット78(図1参照)は、第1温度計100の測定温度A、第2温度計102の測定温度B、第3温度計104の測定温度C、第4温度計106の測定温度D、第5温度計108の測定温度E、及び第6温度計110の測定温度Fのデータを元にし、ワーク容器66の代表温度TWを求めるようになっている。

0116

本実施形態においては、代表温度TWは、測定温度A、B、C、D、E、Fを平均して求めるようになっている。

0117

なお、図示しないマスタ容器80についても、同様に6箇所の温度測定が行われるようになっており、マスタ容器80の代表温度TMも、ワーク容器66と同様の方法で求められるようになっている。

0118

次に、本発明の第2実施形態の作用について説明する。

0119

ワーク容器66の内部の空気の温度の測定時に、判定ユニット78(図1参照)において、第1温度計100〜第6温度計110により測定された温度データが平均され、ワーク容器66の代表温度TWが求められる。

0120

一方、マスタ容器80においても、同様の方法で代表温度TMが求められる。

0121

以上説明したように、本発明の第2実施形態においては、ワーク容器66の内部及びマスタ容器80の内部において、左右方向、上下方向に所定の距離離間し、さらに奥行き方向の位置を変えて配置された第1温度計100〜第6温度計110により温度測定を行い、得られた複数の測定温度を平均することによって、より正確な測定温度である代表温度を得ることができる。

0122

従って、ワーク容器66の内部又は基準容器80の内部の空気の温度の測定精度が上がるので、理論差圧の精度が向上し、洩れ検査の精度も向上する。

0123

次に、本発明の洩れ検査装置及び洩れ検査方法の第3実施形態を図面に基づき説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部品には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。

0124

第1実施形態において、ワーク容器66の洩れが無くても理論差圧からずれた差圧となる場合があり、このずれ量は、ワーク容器66の内部の空気の温度と外部の環境温度との温度差により異なることが判った。

0125

そこで、第3実施形態では、理論差圧を測定対象容器の内部の空気の温度と外部の環境温度との温度差に応じて補正することとした。

0126

図6に示すように、基準ワーク容器67の近傍には、環境温度を測定する第3温度計116が設けられており、第3温度計116と、ワーク容器66の洩れ判定を行う判定ユニット114が、ケーブル118で接続されている。第3温度計116の測定温度は、電圧値として判定ユニット114に入力されるようになっている。

0127

基準ワーク容器67は、予めワーク容器66とマスタ容器80の内部の空気の温度をほぼ等しい状態にして、第1実施形態で説明した方法を用いて洩れが無いと判定されたワーク容器66を用いるが、マスタ容器80を用いてもよい。

0128

また、基準ワーク容器67の他の選定方法としては、ワーク容器66の内部に所定圧力の空気を供給して加圧し、水没させて目視気泡確認をして、気泡が確認されなかったものを基準ワーク容器67とする方法を用いてもよく、また、ワーク容器66の内部に所定圧力のヘリウムを供給して加圧し、ヘリウムの洩れを検知するヘリウムリークディテクタで確認する方法を用いてもよい。

0129

判定ユニット114において、洩れのない基準ワーク容器67の内部の空気の圧力とマスタ容器80の内部の空気の圧力との差である測定差圧PC、及びボイル−シャルルの法則を用いて求められる理論差圧PD、洩れ検査を行う基準ワーク容器67とマスタ容器80との測定差圧PA、ボイル−シャルルの法則を用いて求められる理論差圧PBのデータ以外に、さらに後述の方法により補正差圧PFが求められ、データ保存されるようになっている。

0130

ここで、補正差圧PFについて説明する。

0131

ワーク容器66の洩れ検査時におけるワーク容器66の容器の温度は、ワーク容器66の製造方法によって異なり、例えば、鋳型を用いて製造された後に、洩れ検査工程にワーク容器66が搬送され、洩れ検査を行うような場合には、ワーク容器66の温度が、前述の環境温度に対して高温の状態で行われる。ワーク容器66の容器の温度は、環境温度に対して収束するように温度変化するので、ワーク容器66の内部の空気も温度変化して低下する。

0132

そこで、ワーク容器66の内部の空気の温度が、環境温度に対して高温であるときに、ワーク容器66及びマスタ容器80の測定差圧及び理論差圧がどのように変化するかを確認した。

0133

なお、ワーク容器66の内部の空気の温度と環境温度との温度差の影響を確認するために、基準ワーク容器67を用いて、洩れによる差圧を除いて確認した。

0134

図7は、基準ワーク容器67(図6参照)を、図示しないヒータ等の加熱手段により加熱し、基準ワーク容器67の内部の空気の測定開始時の温度T2と環境温度T5との温度差ΔT=T2−T5を、ΔT1、ΔT2、ΔT3と変化させたときの、測定差圧PCと、ボイル−シャルルの法則を用いて求められる理論差圧PDの変化を示したグラフであるが、測定差圧PCと理論差圧PDとが一致しない結果(ずれ)が得られた。

0135

基準ワーク容器67を用いて得られる測定差圧PC及び理論差圧PDは、基準ワーク容器67における空気の洩れが無いので、PC−PD=0、つまり、PC=PDとなるはずであるが、実際には測定差圧PCと理論差圧PDとが異なり、ずれを生じる結果となった。

0136

基準ワーク容器67における測定差圧PCと理論差圧PDとの差は、第1温度計90及び第2温度計74のばらつきや、差圧測定部42(図6参照)の内部の図示しない差圧センサのばらつき等により生じる測定系の誤差、または、ワーク容器66自体が軟質で変形したり、ワーク容器66をシールする治具パッキン等がずれることによるワーク容器66の容積変化によると考えられるが、この誤差は、測定結果によると、基準ワーク容器67の内部の空気の温度と環境温度との温度差に依存することが判った。

0137

本実施形態においては、基準ワーク容器67の内部の空気の測定開始時の温度T1と環境温度T5との温度差ΔTにおける測定差圧PCと理論差圧PDとの間に相関関係が認められるので、温度差ΔTに対する、測定差圧と理論差圧の比の近似式を求め、この近似式を理論差圧の補正式αとする。

0138

この補正式αを用いて理論差圧PBを補正したものが、補正差圧PFである。

0139

次に、補正差圧PFの求め方について説明する。

0140

なお、以下において、基準ワーク容器67を用いたときの測定差圧をPC、理論差圧をPDとし、実際に洩れ検査を行うワーク容器66を用いたときの測定差圧をPA、理論差圧をPBとして区別して記載する。また、理論差圧PDの演算方法は、実施形態1における理論差圧PBの演算方法と同様であるので、演算式導出過程の説明を省略する。

0141

なお、前記各実施形態と同様に基準ワーク容器67を用いて、平衡状態での空気の平衡圧力P、測定開始時のマスタ容器80の内部の空気の測定温度T1、基準ワーク容器67の内部の空気の測定温度T2、環境温度T5、測定終了時の測定差圧PC、マスタ容器80の内部の空気の測定温度T3、及び基準ワーク容器67の内部の空気の測定温度T4のデータが得られるようになっている。

0142

また、平衡圧力P、測定温度T1、T2、T3、T4を用いて、理論差圧PD=P×(T3/T1−T4/T2)が求められるようになっている。

0143

ここで、基準ワーク容器67を加熱することにより、図7aに示すように、測定開始時の基準ワーク容器67の内部の空気の温度T2と環境温度T5の差である環境温度差ΔT=T2−T5を、ΔT1、ΔT2、ΔT3と変化させて、測定差圧PC(PC1、PC2、PC3)と、理論差圧PD(PD1、PD2、PD3)のデータを得る。

0144

図7aは、環境温度差ΔTがΔT1のときに、測定差圧PC/理論差圧PD=α2/α1=PC1/PD1であることを示している。なお、本実施形態では、ΔTをΔT1〜ΔT3と3段階で変化させたデータを用いて説明しているが、ΔTを4段階以上に変化させ、データ数を増やすことが好ましい。

0145

次に、得られた測定差圧PC及び理論差圧PDのデータに対して、それぞれ指数関数の近似式a×exp(b×ΔT)を用いて、最小2乗法等の方法により、係数a、bを求める。

0146

ここで、理論差圧PDの曲線の近似式がα1=a1×exp(b1×ΔT)であり、測定差圧PCの曲線の近似式がα2=a2×exp(b2×ΔT)であったとすると、測定差圧PCと理論差圧PDの比で表される補正式αは、α=α2/α1=(a2×exp(b2×ΔT))/a1×exp(b1×ΔT)=(a2/a1)×exp((b2−b1)×ΔT)となる。

0147

この補正式αに測定温度差ΔTを代入するだけで、上記αを求めることができ、補正差圧PFを求めることができる。

0148

図7bは、実際に洩れ検査を行うワーク容器66における、環境温度差ΔTを変化させたときの、理論差圧PB、補正差圧PF、測定差圧PAを曲線で示したものである。

0149

ワーク容器66における環境温度差ΔT=ΔT1のとき、理論差圧PBはPF1に補正される。

0150

ここで、前述の補正式αのΔTにΔT1を代入して得られた補正比率β1であったとすると、補正差圧はPF1=β1×PB1となる。

0151

この補正差圧PF1と、測定差圧PA1との差PA1−PF1が、ワーク容器66からの洩れによる差圧となる。

0152

次に、本発明の第3実施形態の作用について説明する。

0153

予め、基準ワーク容器67及びマスタ容器80を用いて各データを収集し、前述の方法で補正式αを作成して、判定ユニット114に記憶させておく。

0154

次に、基準ワーク容器67に代えて、洩れ検査を行うワーク容器66を洩れ検査装置の第2キャップ68に接続し、環境温度を測定する。このときの環境温度をT11とする。

0155

次に、第1実施形態と同様の手順により、ワーク容器66における測定開始時の空気の圧力P0、マスタ容器80の内部の空気の温度T7、ワーク容器66の内部の空気の温度T8、測定終了時のマスタ容器80の内部の空気の温度T9、ワーク容器66の内部の空気の温度T10、及びワーク容器66とマスタ容器80の内部の圧力の差圧PAの各測定データを得る。

0156

次に、P0、T7、T8、T9、T10を用いて、理論差圧PB=P0×(T9/T7−T10/T8)を求める。

0157

次に、環境温度差ΔT=T8−T11の値を、補正式αに代入し、補正比率βを求める。

0158

次に、PF=β×PBにより、補正差圧PFを求める。

0159

次に、測定差圧PAと補正差圧PFとの差が所定の規格値に入っていれば、表示パネル56に「洩れ無し」の表示をし、入っていなければ「洩れ有り」の表示をする。

0160

以上説明したように、本発明の第3実施形態においては、差圧測定部42、第1温度計90、及び第2温度計74のばらつき等によって、洩れの無い基準ワーク容器67において測定差圧PCと理論差圧PDとが一致しない場合に、予め基準ワーク容器67を用いて得られた測定差圧PCと理論差圧PDとの比である補正式αによって、ワーク容器66の理論差圧PBを補正し、洩れによる差圧の有無を判断できるので、洩れ検査の精度がさらに向上する。

0161

また、基準ワーク容器67の温度が高温で、基準ワーク容器67の内部の気体の測定温度と環境温度との温度差が大きくなることによって、基準ワーク容器67の測定差圧PCと理論差圧PBとが一致しない場合においても、予め基準ワーク容器67において測定温度と環境温度との温度差ΔTを変えて得られた、測定差圧PCと理論差圧PDとの比である補正式αに、ワーク容器66における測定温度と環境温度との温度差ΔTを用いて理論差圧PBを補正し、洩れによる差圧の有無を判断できるので、高温のワーク容器66を用いても、洩れ検査を精度良く行うことができる。

0162

なお、本発明は上記の各実施形態に限定されない。

0163

洩れ検査に用いる気体は、空気以外にも、例えば、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いてもよい。また、ワーク容器66、基準ワーク容器67及びマスタ容器80の形状は、内部の温度及び圧力が測定できるものであれば、直方体形状以外に、円筒形状や扁平形状であってもよく、また、複雑な形状をしたものであっても適用できる。

0164

マスタ容器80は、ワーク容器66と同一形状でなくともよく、ワーク容器66と同じ容積となるように容積を変更可能な、可変式のシリンダー等の容器を用いてもよい。

0165

また、空気ボンベ12の代わりに、コンプレッサ等の空気供給手段を用いてもよい。電磁バルブ(16、24、30、34)は、必要に応じて手動で操作できるようにしてもよい。

0166

差圧測定部42とワーク容器66、基準ワーク容器67、及びマスタ容器80との接続は、第6パイプ40の一端及び第7パイプ48の一端に接続する以外に、ワーク容器66の内部とマスタ容器80の内部とを直接通気可能とするパイプを設け、このパイプの途中に接続する構造としてもよい。

0167

第1温度計90及び第2温度計74の数は、単数、複数を問わず、設置位置についても特に制限はない。これらの温度計は、ワーク容器66の内壁に接しない位置が好ましい。さらに、熱電対等の他の温度計測手段を用いても良い。

0168

さらに、受台64、82、及び無端ベルト60を冷却するためのファン等の冷却手段を設けてもよい。

0169

また、理論差圧PBを補正せずに、測定差圧PAを補正した補正差圧PFを求め、理論差圧PBと補正差圧PFとを用いて、洩れによる差圧の有無を判断してもよい。

図面の簡単な説明

0170

本発明の第1実施形態に係る洩れ検査装置の斜視図である。
本発明の第1実施形態に係る洩れ検査装置の模式図である。
本発明の第1実施形態に係る洩れ検査装置のバルブの開閉手順を示す模式図である。
本発明の第1実施形態に係る洩れ検査装置による測定差圧と理論差圧を比較したグラフである。
本発明の第2実施形態に係る洩れ検査装置の温度測定手段を示したものである。
本発明の第3実施形態に係る洩れ検査装置の模式図である。
(a)は基準ワーク容器の内部の空気の温度と環境温度との温度差を変化させたときの測定差圧PC及び理論差圧PDのグラフである。(b)はワーク容器の内部の空気の温度と環境温度との温度差を変化させたときの測定差圧PA、理論差圧PB、及び補正差圧PFのグラフである。

符号の説明

0171

10 洩れ検査装置
12空気ボンベ(空気供給源
14 第1パイプ(共通配管
16 第1電磁バルブ(第3開閉弁
20 第2パイプ(共通配管)
28 第4パイプ(第1配管
30 第3電磁バルブ30(第1開閉弁)
32 第5パイプ(第2配管)
34 第4電磁バルブ(第2開閉弁)
40 第6パイプ(バイパス配管
42差圧測定部(差圧測定手段)
48 第7パイプ(バイパス配管)
50 第9パイプ(第1配管)
52 第8パイプ(第2配管)
66ワーク容器(測定対象容器)
67基準ワーク容器(基準測定対象容器)
74 第2温度計(第2温度測定手段)
78判定ユニット(判定手段)
80マスタ容器(基準容器)
90 第1温度計(第1温度測定手段)
100 第1温度計(温度測定部)
102 第2温度計(温度測定部)
104 第3温度計(温度測定部)
106 第4温度計(温度測定部)
108 第5温度計(温度測定部)
110 第6温度計(温度測定部)
116 第3温度計(第3温度測定手段)

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