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技術 プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法

出願人 パナソニック株式会社
発明者 瀧井謙昌森田雅史山下英毅
出願日 2006年4月28日 (14年6ヶ月経過) 出願番号 2006-125549
公開日 2007年11月15日 (13年0ヶ月経過) 公開番号 2007-299583
状態 特許登録済
技術分野 電子管及び放電灯用電極の製造 ガス放電表示管
主要キーワード ターゲット表 電子ビーム出力 蒸着室内 電子ジャーナル スパッタ電極 スパッタ電圧 耐イオン衝撃性 プラズマガン
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この項目の情報は公開日時点(2007年11月15日)のものです。
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図面 (4)

課題

保護膜の成膜生産性を低下させることなく、耐イオン衝撃性を高めた高輝度で長寿命のPDPおよびその製造方法を提供する。

解決手段

PDPの表示電極対を覆う誘電体層上に形成する保護膜を、第1の保護膜と第2の保護膜との2層構成とした。スパッタリング法で形成した厚み100nmの第1の保護膜と、真空蒸着法で形成した厚み900nmの第2の保護膜とで構成される保護膜の膜減り量が1000nmになる時間は、従来の保護膜の2倍以上となる。これは、第2の保護膜は、緻密に形成された第1の保護膜の上に形成されているため、同じ真空蒸着法で単層に形成された保護膜より緻密になっているからである。

概要

背景

プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と記す)は、対向配置した前面基板背面基板との周縁部を封着部材によって封着した構造であって、前面基板と背面基板との間に形成された放電空間には、ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などの放電ガス封入されている。

前面基板は、ガラス基板の片面にストライプ状に形成された走査電極維持電極とからなる複数の表示電極対と、これらの表示電極対を覆う誘電体層および保護膜とを備えている。表示電極対は、それぞれ透明電極と、その透明電極上に形成した金属材料からなるバス電極とによって構成されている。

背面基板は、ガラス基板の片面に表示電極対と直交する方向にストライプ状に形成された複数のアドレス電極と、これらのアドレス電極を覆う下地誘電体層と、放電空間をアドレス電極毎に区画するストライプ状の隔壁と、隔壁間の溝に順次塗布された赤色、緑色および青色の蛍光体層とを備えている。

表示電極対とアドレス電極とは直交していて、その交差部が放電セルになる。これらの放電セルはマトリクス状に配列され、表示電極対の方向に並ぶ赤色、緑色および青色の蛍光体層を有する3個の放電セルが、カラー表示のための画素になる。PDPは順次、走査電極とアドレス電極間、および走査電極と維持電極間に所定の電圧印加してガス放電を発生させ、そのガス放電で生じる紫外線で蛍光体層を励起し、発光させることによりカラー画像を表示している。

ここで、保護膜は、ガス放電時に生じるイオン衝撃から誘電体層および電極を保護する役割耐スパッタ性)と、その放電時に2次電子を放出し電荷を保持する、いわゆるメモリ機能の役割を果たす。そのため保護膜は、耐イオン衝撃性(耐スパッタ性)と2次電子放出性に優れる酸化マグネシウム(MgO)などの金属酸化膜が一般的に用いられている。

この金属酸化膜の保護膜を形成する方法としては、成膜速度が高く比較的良質な金属酸化膜を形成することができる電子ビーム蒸着法が広く用いられている(例えば、非特許文献1参照)。

また近年、PDPの輝度を向上するため、PDP内で放電ガスの圧力またはXe分圧を上げることが必要とされるようになってきた。ところが放電ガスの圧力またはXe分圧が上がると、保護膜がイオン衝撃によって削られる量も多くなり、PDPの寿命が短くなっていた。そこで、イオン衝撃によって削られにくくするために、保護膜を緻密にする方法が検討されてきた。

特にアルカリ土類金属酸化物であるMgOの保護膜は、水、炭酸ガスなどの不純ガスを吸収しやすく、その結果保護膜の緻密さが低下すると考えられる。そのため、不純ガスを除去しつつ保護膜の電子ビーム蒸着中の酸素分圧と、基板温度とを調整して保護膜を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
2001FPテクノロジー大全、株式会社電子ジャーナル、2000年10月25日、p598−p600
特開2000−277009号公報

概要

保護膜の成膜の生産性を低下させることなく、耐イオン衝撃性を高めた高輝度で長寿命のPDPおよびその製造方法を提供する。PDPの表示電極対を覆う誘電体層上に形成する保護膜を、第1の保護膜と第2の保護膜との2層構成とした。スパッタリング法で形成した厚み100nmの第1の保護膜と、真空蒸着法で形成した厚み900nmの第2の保護膜とで構成される保護膜の膜減り量が1000nmになる時間は、従来の保護膜の2倍以上となる。これは、第2の保護膜は、緻密に形成された第1の保護膜の上に形成されているため、同じ真空蒸着法で単層に形成された保護膜より緻密になっているからである。

目的

本発明は上記課題を解決するためになされたもので、保護膜の成膜の生産性を低下させることなく、耐イオン衝撃性を高めた高輝度で長寿命のPDPおよびその製造方法を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

第1のガラス基板上に第1の電極誘電体層と前記誘電体層を覆う第1の保護膜と前記第1の保護膜を覆う第2の保護膜とを備えた第1の基板と、第2のガラス基板上に第2の電極と隔壁蛍光体層とを備えた第2の基板とが対向配置されたプラズマディスプレイパネルであって、前記第1の保護膜は前記第2の保護膜より緻密であり、前記第1の保護膜と前記第2の保護膜との平均屈折率波長633nmに対して、1.60以上であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。

請求項2

前記第1の保護膜の屈折率が波長633nmに対して、1.68以上1.74以下であることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。

請求項3

前記第2の保護膜の屈折率が波長633nmに対して、1.60以上1.72以下であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のプラズマディスプレイパネル。

請求項4

第1のガラス基板上に第1の電極と誘電体層と前記誘電体層を覆う第1の保護膜を形成し、前記第1の保護膜を覆う第2の保護膜を形成した第1の基板と、第2のガラス基板上に第2の電極と隔壁と蛍光体層とを形成した第2の基板とを対向配置するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記第1の保護膜を前記第2の保護膜より緻密に形成することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。

請求項5

前記第1の保護膜をスパッタリング法で、前記第2の保護膜を真空蒸着法で形成することを特徴とする請求項4記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法に関し、特に前面基板の保護膜に関する。

背景技術

0002

プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と記す)は、対向配置した前面基板と背面基板との周縁部を封着部材によって封着した構造であって、前面基板と背面基板との間に形成された放電空間には、ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などの放電ガス封入されている。

0003

前面基板は、ガラス基板の片面にストライプ状に形成された走査電極維持電極とからなる複数の表示電極対と、これらの表示電極対を覆う誘電体層および保護膜とを備えている。表示電極対は、それぞれ透明電極と、その透明電極上に形成した金属材料からなるバス電極とによって構成されている。

0004

背面基板は、ガラス基板の片面に表示電極対と直交する方向にストライプ状に形成された複数のアドレス電極と、これらのアドレス電極を覆う下地誘電体層と、放電空間をアドレス電極毎に区画するストライプ状の隔壁と、隔壁間の溝に順次塗布された赤色、緑色および青色の蛍光体層とを備えている。

0005

表示電極対とアドレス電極とは直交していて、その交差部が放電セルになる。これらの放電セルはマトリクス状に配列され、表示電極対の方向に並ぶ赤色、緑色および青色の蛍光体層を有する3個の放電セルが、カラー表示のための画素になる。PDPは順次、走査電極とアドレス電極間、および走査電極と維持電極間に所定の電圧印加してガス放電を発生させ、そのガス放電で生じる紫外線で蛍光体層を励起し、発光させることによりカラー画像を表示している。

0006

ここで、保護膜は、ガス放電時に生じるイオン衝撃から誘電体層および電極を保護する役割耐スパッタ性)と、その放電時に2次電子を放出し電荷を保持する、いわゆるメモリ機能の役割を果たす。そのため保護膜は、耐イオン衝撃性(耐スパッタ性)と2次電子放出性に優れる酸化マグネシウム(MgO)などの金属酸化膜が一般的に用いられている。

0007

この金属酸化膜の保護膜を形成する方法としては、成膜速度が高く比較的良質な金属酸化膜を形成することができる電子ビーム蒸着法が広く用いられている(例えば、非特許文献1参照)。

0008

また近年、PDPの輝度を向上するため、PDP内で放電ガスの圧力またはXe分圧を上げることが必要とされるようになってきた。ところが放電ガスの圧力またはXe分圧が上がると、保護膜がイオン衝撃によって削られる量も多くなり、PDPの寿命が短くなっていた。そこで、イオン衝撃によって削られにくくするために、保護膜を緻密にする方法が検討されてきた。

0009

特にアルカリ土類金属酸化物であるMgOの保護膜は、水、炭酸ガスなどの不純ガスを吸収しやすく、その結果保護膜の緻密さが低下すると考えられる。そのため、不純ガスを除去しつつ保護膜の電子ビーム蒸着中の酸素分圧と、基板温度とを調整して保護膜を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
2001FPテクノロジー大全、株式会社電子ジャーナル、2000年10月25日、p598−p600
特開2000−277009号公報

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、このように不純ガスを除去しつつ電子ビーム蒸着中の酸素分圧と、基板温度とを調整して保護膜を形成しても、保護膜の耐スパッタ性を向上させるために保護膜の緻密さを向上させることは困難である。そのため、PDPの輝度向上のために放電ガスの圧力またはXe分圧を上昇させたPDPに対しては、耐スパッタ性が十分でなく、PDPの寿命が低下してしまう。

0011

一般に、電子ビーム蒸着などの真空蒸着は、その成膜の特性上、成膜速度は高いものの、膜質は緻密さに欠ける。そのため、上述のように保護膜の耐スパッタ性を向上させることは困難であり、PDPの寿命を延ばすことは困難である。一方、スパッタリング法で保護膜を形成すると、膜質は緻密になるものの、成膜速度が低く、生産性が悪いという課題があった。

0012

本発明は上記課題を解決するためになされたもので、保護膜の成膜の生産性を低下させることなく、耐イオン衝撃性を高めた高輝度で長寿命のPDPおよびその製造方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0013

上記の課題を解決するために本発明は、第1のガラス基板上に第1の電極と誘電体層と誘電体層を覆う第1の保護膜と第1の保護膜を覆う第2の保護膜とを備えた第1の基板と、第2のガラス基板上に第2の電極と隔壁と蛍光体層とを備えた第2の基板とが対向配置されたPDPであって、第1の保護膜は第2の保護膜より緻密であり、第1の保護膜と第2の保護膜との平均屈折率波長633nmに対して、1.60以上としたことである。

0014

このように保護膜を2層構成とし、第1の保護膜を第2の保護膜より薄く緻密にしているので、生産性を低下させることなく、保護膜の膜質を緻密にすることができる。また、このような構成の保護膜としているので、従来の生産性の高い方法でのみ形成した保護膜の波長633nmに対する屈折率1.60より、屈折率を高くすることができる。その結果、耐イオン衝撃性を高めた高輝度で長寿命のPDPとなる。

0015

また本発明のPDPの第1の保護膜の屈折率が波長633nmに対して、1.68以上1.74以下としてもよい。

0016

第1の保護膜の屈折率をこの範囲にすると、緻密な保護膜となり、耐イオン衝撃性が高くなる。

0017

また本発明のPDPの第2の保護膜の屈折率が波長633nmに対して、1.60以上1.72以下としてもよい。

0018

第2の保護膜の屈折率をこの範囲にすると、従来の保護膜に比べて緻密となり、十分に耐イオン衝撃性の高い保護膜となる。

0019

さらに本発明は、第1のガラス基板上に第1の電極と誘電体層と誘電体層を覆う第1の保護膜を形成し、第1の保護膜を覆う第2の保護膜を形成した第1の基板と、第2のガラス基板上に第2の電極と隔壁と蛍光体層とを形成した第2の基板とを対向配置するPDPの製造方法であって、第1の保護膜を第2の保護膜より緻密に形成する方法である。

0020

このように第2の保護膜を、それより緻密な第1の保護膜の上に形成しているので、第2の保護膜を単独で形成するより、第1の保護膜の結晶性のよい緻密な下地の影響を受けて第2の保護膜は緻密になる。その結果、生産性を低下させることなく、保護膜の膜質を緻密にすることができ、耐イオン衝撃性を高めた高輝度で長寿命のPDPの製造方法を提供できる。

0021

また本発明のPDPの製造方法は、第1の保護膜をスパッタリング法で、第2の保護膜を真空蒸着法で形成してもよい。

0022

このように第1の保護膜をスパッタリング法で形成すると、緻密な保護膜を形成することができ、第2の保護膜を真空蒸着法で形成すると生産性の高い保護膜の形成方法となる。

発明の効果

0023

以上のように本発明によれば、誘電体層の保護膜を2層構成にし、緻密な第1の保護膜の上に第2の保護膜を形成しているので、第2の保護膜を単独で形成されるときより緻密になる。その結果、生産性を低下させることなく、保護膜の膜質を緻密にすることができ、耐イオン衝撃性を高めた高輝度で長寿命のPDPおよびその製造方法を提供できる。

発明を実施するための最良の形態

0024

以下、本発明の実施の形態のPDPおよびその製造方法について図面を用いて説明する。

0025

(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態のPDPの部分断面斜視図であり、図2図1の矢印A方向からみた放電セルの部分断面図である。図1および図2において、PDP100は、第1の基板である前面板10と、第2の基板である背面板20とが放電空間30を介して対向配置された構成となっている。

0026

前面板10は、第1のガラス基板である前面ガラス基板11上に対になった互いに平行な走査電極と維持電極とからなる複数の第1の電極である表示電極対12と、発光時のコントラストを高めるためのブラックストライプと呼ばれる複数の光吸収層16が形成されている。そして、表示電極対12と光吸収層16とを覆うように誘電体層13と、誘電体層13を覆うMgOからなる第1の保護膜14と、第1の保護膜14を覆う同じくMgOからなる第2の保護膜15とが形成されている。

0027

背面板20は、第2のガラス基板である背面ガラス基板21上に表示電極対12と直交する複数の第2の電極であるアドレス電極22が、またアドレス電極22を覆うように下地誘電体層23が形成されている。そして、下地誘電体層23上にアドレス電極22と平行な複数の隔壁24が形成され、さらに隔壁24と下地誘電体層23上には蛍光体層25が形成されている。

0028

そして隔壁24で区切られた放電空間30には、Ne−Xeの混合ガスなどからなる放電ガスが、53200Pa〜79800Paの圧力で封入されている。放電空間30において表示電極対12と、アドレス電極22との交点が放電セルを形成している。

0029

このような構成において、まず表示電極対12とアドレス電極22との間に電圧をかけると、この間で小さな書き込み放電が生じ、その後、表示電極対12間で主放電が生じる。放電は放電セル内のXeとNeの混合ガスが電離したプラズマ放電であるが、そのプラズマから発生した紫外線が蛍光体層25に照射され、蛍光体層25が発光することで画像が表示される。

0030

次に、誘電体層13の保護膜について詳細に説明する。上述したように保護膜は、誘電体層13を覆う第1の保護膜14と、第1の保護膜14を覆う第2の保護膜15とで構成されている。そして第1の保護膜14は、第2の保護膜15より薄く、膜密度が大きく緻密である。また第1の保護膜14と第2の保護膜15との平均屈折率は、可視光波長域の波長633nmに対して1.60以上、1.75以下である。ここで平均屈折率とは、第1の保護膜14の屈折率と、第2の保護膜15の屈折率との膜厚加重平均であり、次の(数1)で示される。

0031

0032

Navは平均屈折率、N1は第1の保護膜14の屈折率、T1は第1の保護膜14の膜厚、N2は第2の保護膜15の屈折率、T2は第2の保護膜15の膜厚である。

0033

本発明の実施の形態のPDP100の保護膜は、厚み約100nmの第1の保護膜14と、厚み約900nmの第2の保護膜15とからなる薄膜である。ここで第1の保護膜14はスパッタリング法によって形成されており、第2の保護膜15は真空蒸着法によって形成されている。その結果、第1の保護膜14の屈折率は、波長633nmに対して1.71であり、第2の保護膜15の屈折率は、波長633nmに対して1.66であった。これは、第1の保護膜14は、第2の保護膜15より緻密であることを示している。

0034

一方、従来のMgO膜単層構造の保護膜を、本発明の実施の形態での第2の保護膜15形成時の真空蒸着法の条件と同条件で厚さ約1000nmに形成したとき、その屈折率は波長633nmに対して1.57であった。このように同条件の真空蒸着法でMgO膜を形成したにもかかわらず、MgO膜の緻密さには違いがあった。すなわち、本発明の実施の形態のMgO膜の方が、従来の単層のMgO膜より緻密であった。

0035

これは、本発明の実施の形態では、真空蒸着法によって形成された第2の保護膜15の下地に、スパッタリング法により第1の保護膜14を形成してあったからである。すなわち、スパッタリング法により形成した非常に緻密で、結晶性の良い下地の第1の保護膜14の上に真空蒸着法により成長する第2の保護膜15は、下地の影響を受けて緻密になる。この結果、本発明の実施の形態のスパッタリング法による第1の保護膜14と、真空蒸着法による第2の保護膜15とからなる2層構造の緻密な薄膜では、耐イオン衝撃性が高くなる。

0036

図3は、本発明の実施の形態のPDPの保護膜の膜減り量を示す図である。PDP100の保護膜は第1の保護膜14と第2の保護膜15とで構成されているが、図3はこの保護膜が放電ガスのイオン衝撃によって単位時間に削られる量を示し、横軸はその単位時間をとり、縦軸は保護膜の膜減り量である。ここで単位時間とは、従来の真空蒸着法で形成した1000nmのMgO膜が、放電ガスのイオン衝撃によって全て削られるまでの時間のことである。

0037

図3に示すように、本発明の実施の形態のスパッタリング法で形成した厚み100nmの第1の保護膜と、真空蒸着法で形成した厚み900nmの第2の保護膜とで構成される保護膜の膜減り量が1000nmになる時間は、従来の保護膜の2倍以上となっている。これは、同じ真空蒸着法で形成した従来の保護膜と、第2の保護膜とで膜減り量が大きく異なり、第2の保護膜の膜減り量は従来の半分以下となっている。上述したように、第2の保護膜は、緻密に形成された第1の保護膜の上に形成されているため、同じ真空蒸着法で単層に形成された保護膜より緻密になっているからである。

0038

なお、本発明の実施の形態における第1の保護膜の厚みをさらに大きくすれば、さらなるPDPの長寿命化が可能となる。

0039

ところで、第2の保護膜もスパッタリング法により緻密に形成することが考えられるが、真空蒸着法の形成速度が約500〜1000nm/minに対して、スパッタリング法の形成速度は約5〜10nm/minであり2桁程度小さい。これは、保護膜をスパッタリング法のみで形成する場合は生産性が著しく低下することを示し、現実的ではない。従って、真空蒸着法での生産性を維持し、なおかつ耐スパッタ性を向上させるためには、本発明の実施の形態に示したようにスパッタリング法で形成した下地膜の保護膜の上に、真空蒸着法で保護膜を形成すればよい。

0040

次に、本発明の実施の形態の第1の保護膜をスパッタリング法で、第2の保護膜を真空蒸着法でMgO膜を形成する場合の形成条件の一例を示す。

0041

まず第1の保護膜の形成方法を説明する。真空ポンプ排気しながらガス供給配管によりアルゴンガス100sccm、酸素ガス10sccmを導入し、チャンバ内の圧力を0.5Paに保つ。次に、スパッタ電源によりスパッタ電極に−5000Vの交流高電圧を印加する。この電圧によりチャンバ内にプラズマが発生し、プラズマ中のイオンターゲット表面に衝突する。その際、ターゲットのMgOがスパッタリングされスパッタ粒子として飛び出し基板に付着する。本発明の実施の形態では、基板を300℃に加熱しながら、約10分間成膜し、第1の保護膜を約100nm形成した。

0042

次に第2の保護膜の形成方法を説明する。蒸着室には、蒸着源であるMgOの粒を入れたハース電子銃、磁場を印加する偏向マグネットなどを設けている。電子銃から照射した電子ビームを、偏向マグネットにより発生する磁場によって偏向して蒸着源に照射し、蒸着源であるMgOの蒸気流を発生させる。そして、発生させた蒸気流を、基板保持具に保持させ、基板の表面に堆積させて第2の保護膜を形成する。本発明の実施の形態では、成膜室である蒸着室内真空度を2×10−2Pa程度になるように酸素ガスの導入量排気量とを制御しながら、基板を300℃に加熱している。そして、10kWで電子銃から照射された電子ビームにより、一定速度約800mm/minで蒸着室内を搬送し、第1の保護膜100nmの上に、第2の保護膜を約900nm形成した。

0043

上述した第1の保護膜と第2の保護膜の形成条件のうちで、スパッタリング法での圧力、スパッタ電圧、基板温度、バイアス電圧などのプロセス条件、および真空蒸着法での圧力、基板温度、電子ビーム出力、搬送速度などのプロセス条件を変化させることにより、屈折率を変えることができる。すなわち、第1の保護膜の屈折率を波長633nmに対して1.68以上、1.74以下、第2の保護膜の屈折率を波長633nmに対して1.60以上、1.72以下とすることができる。

0044

スパッタリング法でのバイアス電圧については、スパッタ電極に高電圧を印加している最中にバイアス電源によってバイアス電極RF電力を印加することでプラズマ中のイオンを保護膜に照射することができる。そして保護膜に照射するイオンのエネルギーによって、基板に到達したスパッタ粒子の動き活発化できるので、RFバイアス電源で印加する電力によって膜密度をコントロールできる。

0045

なお、本発明の実施の形態では緻密な第1の保護膜の形成方法としてスパッタリング法で説明したが、プラズマガンによる形成でもよい。

0046

以上述べてきたように本発明は、生産性を低下させることなく、保護膜の膜質を緻密にすることができ、耐イオン衝撃性を高めた高輝度で長寿命のPDPとすることができるため、表示品質に優れたPDPとして有用である。

図面の簡単な説明

0047

本発明の実施の形態のPDPの部分断面斜視図
図1の矢印A方向からみた放電セルの部分断面図
本発明の実施の形態のPDPの保護膜の膜減り量を示す図

符号の説明

0048

10前面板(第1の基板)
11前面ガラス基板(第1のガラス基板)
12表示電極対(第1の電極)
13誘電体層
14 第1の保護膜
15 第2の保護膜
16光吸収層
20背面板(第2の基板)
21背面ガラス基板(第2のガラス基板)
22アドレス電極(第2の電極)
23下地誘電体層
24隔壁
25蛍光体層
30放電空間
100プラズマディスプレイパネル(PDP)

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