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技術 放射性廃棄物の処分容器、処分施設及び処分方法

出願人 株式会社日立製作所
発明者 日野祐子野下健司
出願日 2006年4月28日 (14年6ヶ月経過) 出願番号 2006-124958
公開日 2007年11月15日 (13年0ヶ月経過) 公開番号 2007-298319
状態 未査定
技術分野 汚染除去及び汚染物処理
主要キーワード 放射能廃棄物 プラセオジム酸化物 処分容器 技術報告書 埋設孔 セメント系充填材 充填形 候補材料
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図面 (3)

課題

地中埋設された放射性廃棄物における有機系の放射性物質の移動を抑制し、地表に到達する放射性物質の量を低減すること。

解決手段

放射性廃棄物を収納する放射性廃棄物の処分容器1において、放射性廃棄物を包囲して設けられる部材に、有機系の放射性物質を吸着させる希土類酸化物ジルコニウム酸化物のうち、少なくとも1種を含ませるようにする。ここで、希土類酸化物は、ユウロピウム酸化物プラセオジム酸化物のうち、少なくとも一方であるものとする。

概要

背景

一般に、原子力施設等から排出される放射性廃棄物は、処分容器収納して地中に設けられた処分施設埋設して処分される。

放射性廃棄物を処分容器に収納する際は、処分容器に収納された放射性廃棄物の周囲の空隙に、セメント等の充填材充填して隙間を埋めた後、処分容器の蓋をして密閉される。放射能廃棄物が収納された複数の処分容器は、ピットと呼ばれる容器内に収納し、処分施設に定置埋設されるが、ピット内の処分容器の周囲の隙間には、例えば、セメント等の充填材が充填され、ピットの外周側には、ベントナイト系粘土等の充填材が充填される。

しかしながら、地中に埋設処分された放射性廃棄物は、長時間が経過すると土壌地下水により処分容器が暴露されて劣化し、処分容器内に地下水が浸入することにより、処分容器内の放射性廃棄物中に含まれる放射性元素が地下水に溶出し、処分容器から漏れ出すおそれがある。

そのため、放射性廃棄物の処分施設においては、例えば、放射性物質が処分容器から漏れ出しても、処分施設内に充填されたセメント、粘土、あるいは処分施設周囲の岩盤、土壌等に放射性物質を吸着させることにより、放射性物質の移動速度を低下させ、地表生活圏に到達する放射性物質が安全な量まで十分に低減されるように設計されている。

ところで、一般に、放射性廃棄物に含まれる放射性物質には、無機系のものと有機系のものがある。特に、炭素放射性同位元素が含まれる有機系の放射性物質は、無機系の放射性物質と比べて、セメントや粘土等の充填材、岩盤、土壌等への吸着性能が低いため、地表に到達する放射性物質の量の減少を妨げる要因となっている。

これに対し、酸化チタンからなる光触媒物質を処分施設の充填材に添加し、地下水に溶出して処理容器から漏れ出した有機系の放射性物質を光触媒物質と接触させることにより、有機系よりも吸着性能の高い無機系に酸化分解させ、吸着性能を向上させる技術が報告されている(特許文献1参照。)。

また、放射性廃棄物から出る放射線が充填材中の水を分解し、その際に生成するOHラジカルにより有機系の放射性物質を無機系に酸化分解する方法が知られている(非特許文献1参照)。

特開2003−107196号公報
原環センター技術報告書(RWMC−TRJ−04002−2),財団法人原子力環境整備促進・資金管理センター,平成16年7月,p.88−93

概要

地中に埋設された放射性廃棄物における有機系の放射性物質の移動を抑制し、地表に到達する放射性物質の量を低減すること。放射性廃棄物を収納する放射性廃棄物の処分容器1において、放射性廃棄物を包囲して設けられる部材に、有機系の放射性物質を吸着させる希土類酸化物ジルコニウム酸化物のうち、少なくとも1種を含ませるようにする。ここで、希土類酸化物は、ユウロピウム酸化物プラセオジム酸化物のうち、少なくとも一方であるものとする。

目的

本発明は、地中に埋設された放射性廃棄物における有機系の放射性物質の移動を抑制し、地表に到達する放射性物質の量を低減することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

放射性廃棄物収納する放射性廃棄物の処分容器において、前記放射性廃棄物を包囲して設けられる部材に、有機系の放射性物質吸着させる希土類酸化物ジルコニウム酸化物のうち、少なくとも1種を含ませてなることを特徴とする放射性廃棄物の処分容器。

請求項2

前記放射性廃棄物を包囲して設けられる部材は、前記処分容器に収納された前記放射性廃棄物の周囲の空隙に充填された充填材と前記処分容器自体との少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載の放射性廃棄物の処分容器。

請求項3

前記希土類酸化物は、ユウロピウム酸化物プラセオジム酸化物のうち、少なくとも一方であることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射性廃棄物の処分容器。

請求項4

放射性廃棄物が収納された複数の処分容器をピット内に収納して地中埋設処分する放射性廃棄物の処分施設において、前記放射性廃棄物を包囲して設けられる部材に、有機系の放射性物質を吸着させる希土類酸化物、ジルコニウム酸化物のうち、少なくとも1種を含ませてなることを特徴とする放射性廃棄物の処分施設。

請求項5

前記放射性廃棄物を包囲して設けられる部材は、前記処分容器に収納された前記放射性廃棄物の周囲の空隙に充填された充填材、前記処分容器自体、前記ピット内の前記処分容器の周囲の空隙に充填された充填材、前記ピット自体、前記ピットの外周側の空間に充填された充填材のうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項4に記載の放射性廃棄物の処分施設。

請求項6

前記希土類酸化物は、ユウロピウム酸化物、プラセオジム酸化物のうち、少なくとも一方であることを特徴とする請求項4又は5に記載の放射性廃棄物の処分施設。

請求項7

放射性廃棄物を収納し、該放射性廃棄物の周囲の空隙に第1の充填材を充填して密封した前記処分容器をピット内の空間に収納し、該ピット内の前記処分容器の周囲に第2の充填材を充填し、地中に埋設する放射性廃棄物の処分方法であって、前記第1の充填材と、前記第2の充填材と、前記処分容器自体と、前記ピット自体のいずれかの部材に、有機系の放射性物質を吸着させる希土類酸化物、ジルコニウム酸化物のうち、少なくとも1種を含ませてなることを特徴とする放射性廃棄物の処分方法。

請求項8

前記希土類酸化物は、ユウロピウム酸化物、プラセオジム酸化物のうち、少なくとも一方であることを特徴とする請求項7に記載の放射性廃棄物の処分方法。

技術分野

0001

本発明は、放射性廃棄物地中埋設処分する際の放射性廃棄物の処分容器処分施設及び処分方法に関する。

背景技術

0002

一般に、原子力施設等から排出される放射性廃棄物は、処分容器に収納して地中に設けられた処分施設に埋設して処分される。

0003

放射性廃棄物を処分容器に収納する際は、処分容器に収納された放射性廃棄物の周囲の空隙に、セメント等の充填材充填して隙間を埋めた後、処分容器の蓋をして密閉される。放射能廃棄物が収納された複数の処分容器は、ピットと呼ばれる容器内に収納し、処分施設に定置埋設されるが、ピット内の処分容器の周囲の隙間には、例えば、セメント等の充填材が充填され、ピットの外周側には、ベントナイト系粘土等の充填材が充填される。

0004

しかしながら、地中に埋設処分された放射性廃棄物は、長時間が経過すると土壌地下水により処分容器が暴露されて劣化し、処分容器内に地下水が浸入することにより、処分容器内の放射性廃棄物中に含まれる放射性元素が地下水に溶出し、処分容器から漏れ出すおそれがある。

0005

そのため、放射性廃棄物の処分施設においては、例えば、放射性物質が処分容器から漏れ出しても、処分施設内に充填されたセメント、粘土、あるいは処分施設周囲の岩盤、土壌等に放射性物質を吸着させることにより、放射性物質の移動速度を低下させ、地表生活圏に到達する放射性物質が安全な量まで十分に低減されるように設計されている。

0006

ところで、一般に、放射性廃棄物に含まれる放射性物質には、無機系のものと有機系のものがある。特に、炭素放射性同位元素が含まれる有機系の放射性物質は、無機系の放射性物質と比べて、セメントや粘土等の充填材、岩盤、土壌等への吸着性能が低いため、地表に到達する放射性物質の量の減少を妨げる要因となっている。

0007

これに対し、酸化チタンからなる光触媒物質を処分施設の充填材に添加し、地下水に溶出して処理容器から漏れ出した有機系の放射性物質を光触媒物質と接触させることにより、有機系よりも吸着性能の高い無機系に酸化分解させ、吸着性能を向上させる技術が報告されている(特許文献1参照。)。

0008

また、放射性廃棄物から出る放射線が充填材中の水を分解し、その際に生成するOHラジカルにより有機系の放射性物質を無機系に酸化分解する方法が知られている(非特許文献1参照)。

0009

特開2003−107196号公報
原環センター技術報告書(RWMC−TRJ−04002−2),財団法人原子力環境整備促進・資金管理センター,平成16年7月,p.88−93

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、一般に、有機系の放射性物質を無機系の形態に酸化分解する反応の過程は複雑な経路を有し、有機系の放射性物質が完全に無機系の形態まで分解されないと、放射性物質が有機系の形態のまま、地下水に同伴して地中を移動することになる。この場合、地表に到達する放射性物質の量を安全なレベルまで低減するには、処分施設の深度をより深く設計する必要がある。

0011

また、光触媒物質による酸化分解やOHラジカルによる酸化分解の場合、放射性廃棄物からの放射線が酸化反応を進める上で必要となる。このため、放射性廃棄物から離れて放射線の量が十分でない位置、あるいは埋設処分後長時間が経過し、放射性廃棄物中の放射線量が減少した場合等、放射線量の減少を考慮した分解率の評価が設計上必要となる。

0012

本発明は、地中に埋設された放射性廃棄物における有機系の放射性物質の移動を抑制し、地表に到達する放射性物質の量を低減することを課題とする。

課題を解決するための手段

0013

先ず、本発明の原理について説明する。

0014

原環センター技術報告書(RWMC−TRJ−04002−2)によれば、放射性物質と接する材料の吸着性能を表す指標となる分配係数の値が1mL/g以上であれば、放射性物質の移動速度が低下し、地表の生活圏への到達量を十分に低減する効果があると報告されている。

0015

そのため、本発明者らは、各種の材料について分配係数を測定する試験を実施した。この試験では、純水と有機系の放射性物質を高効率で吸着することができる候補材料を、液体固体比が10mL/gになるように試験容器に入れ、その中に放射性廃棄物から放出された有機系の放射性物質の一つである炭素の放射性同位体C−14により標識した酢酸を、1×10−7mol/Lの濃度になるよう添加し、試験容器を密封した。その試験容器を2日間、回転させながら内容物を攪拌し混合した。試験終了後、内容物をろ過して固体と液体に分離し、液体中のC−14濃度を測定し、固体に吸着したC−14量と液体中のC−14量を求め、以下の式1により分配係数を算出した。

0016

分配係数(mL/g)=(固体に吸着したC−14量(mol/g))/(液体中のC−14量(mol/mL))・・・(式1)

0017

上記の試験を実施した結果、表1に示すように、金属酸化物、特に希土類酸化物ユウロピウム酸化物(Eu2O3)、プラセオジム酸化物(Pr6O11)が分配係数1以上を示すことを知見した。また、ジルコニウム酸化物(ZrO2)も分配係数が1以上であることを知見した。比較のため、セメント系充填材の分配係数も表1に示す。

0018

0019

充填材に添加する金属酸化物のうち希土類酸化物としては、表1に示したユウロピウム酸化物とプラセオジム酸化物の吸着性がよいことが確認されたが、希土類元素には、「テトラド効果」と呼ばれる、周期律表で4つ隣の元素が類似の性質を示す特徴があることから、ユウロピウムの4つ隣の元素であるホルミウム酸化物についても、有機系の放射性物質に対する高い吸着性能を有するものと推測される。

0020

このことから、これらの希土類酸化物やジルコニウム酸化物を、例えば、放射性廃棄物の処分容器や処分施設の隙間を埋めるために充填される充填材等に添加することで、有機系の放射性物質の吸着性能を向上させ、地表に到達する放射性物質の量を十分に低減することが可能となる。

0021

ここで、充填材に添加する希土類酸化物やジルコニウム酸化物は、充填材の一部であってもよいし、充填材の全部であってもよい。上記の試験条件のように、液体/固体比が10mL/gとなるように希土類酸化物等を添加すると、十分な吸着性能が得られる。また、例えば、分配係数が1である場合と同様の吸着性能が得られればよい場合には、実際の処分施設における充填材中の液体/固体比に対し、ユウロピウム酸化物では、70倍、プラセオジム酸化物では38倍、ジルコニウム酸化物では2.2倍の液体/固体比となる条件まで、希土類酸化物等を減らすことができる。

0022

上記の結果を踏まえ、本発明は、放射性廃棄物を収納する放射性廃棄物の処分容器において、放射性廃棄物を包囲して設けられる部材に、有機系の放射性廃棄物を吸着させる希土類酸化物、ジルコニウム酸化物のうち、少なくとも1種を含ませてなることを特徴としている。

0023

この構成によれば、処分容器が劣化し、例えば、有機系の放射性物質が地下水に溶出したとしても、放射性廃棄物を包囲して設けられる部材中の希土類酸化物やジルコニウム酸化物と有機系の放射性物質とが接触することにより、これらの金属酸化物の表面に放射性物質が吸着保持される。このため、地下水に同伴した有機系の放射性物質の移動を抑制し、地表に到達する放射性廃棄物の量を低減することができる。

0024

この場合において、放射性廃棄物を包囲して設けられる部材は、例えば、処分容器に収納された放射性廃棄物の周囲の空隙に充填された充填材と処分容器自体との少なくとも一方であるものとする。すなわち、有機系の放射性物質を吸着させる希土類酸化物は、例えば、処分容器に充填される充填材に添加されていてもよいし、処分容器自体に添加され、あるいは処分容器の内周面シート状に形成されていてもよい。

0025

また、希土類酸化物は、ユウロピウム酸化物、プラセオジム酸化物のうち、少なくとも一方であるものとする。これによれば、有機系の放射性物質に対し、高い吸着力を発揮するため、放射性物質の移動を効果的に抑制することができる。

0026

また、本発明は、放射性廃棄物が収納された複数の処分容器をピット内に収納し、地中に埋設処分する放射性廃棄物の処分施設において、放射性廃棄物を包囲して設けられる部材に、有機系の放射性物質を吸着させる希土類酸化物、ジルコニウム酸化物のうち、少なくとも1種を含ませてなることを特徴としている。

0027

この場合、放射性廃棄物を包囲して設けられる部材は、処分容器に収納された放射性廃棄物の周囲の空隙に充填された充填材、処分容器自体、ピット内の処分容器の周囲の空隙に充填された充填材、ピット自体、ピットの外周側の空間に充填された充填材のうち少なくとも一つであるものとする。

0028

これによれば、従来の放射性廃棄物の処分容器、処分施設の充填材あるいは構造材等に、有機系の放射性物質を吸着させる希土類酸化物やジルコニウム酸化物を含ませておくだけでよいため、処分容器や処分施設の構造、処分施設の建設深度等の変更を行う必要がなく、本発明の実施に要する工程の変更を少ない負荷で行うことができる。

0029

加えて、処分施設内は、放射性廃棄物を包囲して設けられる部材を複数形成することができるため、有機系の放射性物質を処分施設内で順次吸着し保持することができ、地表に到達する放射性廃棄物の量を十分に低減することができる。

0030

また、本発明は、放射性廃棄物を収納し、放射性廃棄物の周囲の空隙に第1の充填材を充填して密封した処分容器をピット内の空間に収納し、ピット内の処分容器の周囲に第2の充填材を充填し、地中に埋設する放射性廃棄物の処分方法であって、第1の充填材と、第2の充填材と、処分容器自体と、ピット自体のいずれかの部材に、有機系の放射性物質を吸着させる希土類酸化物、ジルコニウム酸化物のうち、少なくとも1種を含ませてなることを特徴としている。

0031

このようにして放射性廃棄物を処理することにより、基本的に、従来と同様の処理法により、処分容器から漏洩した有機系の放射性廃棄物の移動速度を低下させ、地表に到達する放射性物質の量を低減することができる。

0032

また、従来技術の酸化分解法では、有機系の放射性物質を無機系に分解する際に放射線を必要とするため、その効果を発揮するには放射線量の減少を考慮した分解率の評価が必要であったが、本発明によれば、放射線を必要としないため、有機系の放射性物質を吸着させる希土類酸化物やジルコニウム酸化物を含む部材の設置場所が制限されないという設計上の利点がある。

発明の効果

0033

本発明によれば、地中に埋設された放射性廃棄物における有機系の放射性物質の移動を抑制し、地表に到達する放射性物質の量を低減することができる。

発明を実施するための最良の形態

0034

以下、本発明を適用してなる第1の実施形態について図面に基づいて説明する。

0035

本実施形態の放射性廃棄物の処分方法は、原子力発電所等から排出される放射性廃棄物を処分容器に収納し、地中に掘削して形成された処分施設内に埋設処分することにより行われる。

0036

図1は、本発明を適用してなる放射性廃棄物の処分施設において処分容器が埋設された状態を示す縦断面図である。

0037

本実施形態の処分施設は、放射性廃棄物が収納された処分容器1と、この処分容器を複数個収納するピット2と、埋設孔3とを備えて構成される。すなわち、処分施設内に掘削して形成された埋設孔3内には、ピット2が定置埋設され、このピット2の内部に複数の処分容器が収納されている。

0038

ピット2内の隣り合う処分容器1同士の隙間、処分容器1とピット2との隙間、及びピット2と埋設孔3との隙間には、例えば、セメントやベントナイト系の粘土等からなる充填材11,12がそれぞれ充填形成されている。

0039

本実施形態では、これらの充填材11,12に、所定の金属酸化物を添加する。添加する金属酸化物は、希土類金属酸化物、特にユウロピウム酸化物(Eu2O3)、若しくはプラセオジム酸化物(Pr6O11)、あるいはジルコニウム酸化物(ZrO2)が望ましい。これらの金属酸化物は1種類でもよいし、複数種類を混合したものでもよい。

0040

金属酸化物を、セメントや粘土等の従来の充填材に添加する際は、有機系の放射性廃棄物との接触効率を高めるため、例えば、粒状にして、予め充填材11,12に添加し、均一に分散するまで混合する。

0041

このようにして作製された充填材11,12を、処分施設内のピット2内の隣り合う処分容器1同士の隙間、処分容器1とピット2との隙間、及びピット2と埋設孔3との隙間等に充填し、放射性廃棄物の周囲を覆うようにする。

0042

これにより、埋設処分された放射性廃棄物から溶出する放射性物質は、地下水の流れとともに充填材11,12の間を移動するが、その際に有機系の放射性物質と充填材11,12に添加された金属酸化物とが接触し、放射性物質が高効率で吸着される。このため、有機系の放射性物質の移動速度が低下し、地表に到達する放射性物質の量を低減することが可能となる。

0043

また、本実施形態では、充填材11,12に金属酸化物を添加する例について説明したが、これに限定されず、例えば、ピット2等の構造体自体に金属酸化物が含まれるように構成してもよい。この場合、例えば、金属酸化物をピット2の内周面にシート状に形成するようにしてもよい。

0044

次に、本発明を適用してなる第2の実施形態について図2を用いて説明する。

0045

図2は、本発明を適用してなる放射性廃棄物の処分容器の断面図である。

0046

図に示すように、放射性廃棄物21を処分容器1に収納し、放射性廃棄物21同士の間、及び放射性廃棄物21と処分容器1との間に生じる隙間に充填材13を充填した後、蓋22で封止する。

0047

本実施形態では、この充填材13の一部に、金属酸化物を添加し、あるいは充填材の全部を金属酸化物とする。

0048

添加する金属酸化物は、第1の実施形態と同様、希土類金属酸化物、特にユウロピウム酸化物若しくはプラセオジム酸化物、あるいはジルコニウム酸化物が望ましい。これらの金属酸化物は1種類でもよいし、複数種類を混合したものでもよい。

0049

本実施形態によれば、埋設処分された放射性廃棄物から溶出する放射性物質は、地下水の流れとともに充填材13の間を移動するが、その際に有機系の放射性物質と充填材13に添加された金属酸化物が接触し、放射性物質が高効率で吸着される。これにより、有機系の放射性物質の移動速度が低下し、地表に到達する放射性物質の量を低減することが可能になる。

0050

また、本実施形態では、収納容器1に充填された充填材13に金属酸化物を添加する例について説明したが、これに限定されず、収納容器1自体に金属酸化物が含まれるように構成してもよい。この場合、例えば、金属酸化物を処分容器の内周面にシート状に形成するようにしてもよい。

0051

次に、本発明を適用してなる第3の実施の形態について、図1及び図2を用いて説明する。

0052

本実施形態の放射性廃棄物の処分方法においては、先ず、図2に示すように、放射性廃棄物21を処分容器1に収納し、隙間に充填材13を充填した後、蓋22で封止する。そして、図1に示すように、この処分容器1をピット2内に複数個収納し、ピット2内の隣り合う処分容器1同士の隙間、処分容器1とピット2との隙間に充填材11を充填し、ピット2と埋設孔3との隙間に充填材12を充填して定置埋設する。

0053

本実施形態では、処分容器1内の充填材13に希土類酸化物のユウロピウム酸化物とプラセオジム酸化物の一方又は両方を添加し、ピット2内の充填材11と埋設孔3内の充填材12にジルコニウム酸化物を添加する。

0054

表1に示したように、希土類酸化物であるユウロピウム酸化物とプラセオジム酸化物は、ジルコニウム酸化物より分配係数が高いが、これはユウロピウム酸化物とプラセオジム酸化物の方がジルコニウム酸化物より高効率に有機系の放射性物質を吸着できることを示している。このため、放射性廃棄物21から放出される放射性物質の濃度は、放射性廃棄物21の近傍に位置する充填材13の中の方が、充填材11及び12より高いと考えられる。

0055

そこで、充填材13に希土類酸化物を添加し、高効率で有機系の放射性物質を吸着させることにより、放射性廃棄物から地下水に溶出した有機系の放射性物質の量を効率的に低減できる。

0056

一方、処分容器1の外に放出された有機系の放射性物質は、充填材11及び12に添加されているジルコニウム酸化物に吸着するため、地中を移動する放射性物質の量をさらに低減できる。

0057

また、ジルコニウム酸化物は希土類酸化物より安価であるため、体積が大きい充填材11及び12に添加する酸化物をジルコニウム酸化物にすることで、添加する金属酸化物に要する費用を低減することができる。

0058

以上述べたように、上記実施形態によれば、処分容器1が劣化することにより、放射性廃棄物から有機系の放射性物質が地下水に溶出し、さらに、地下水に同伴して処分容器1から漏洩したとしても、放射性廃棄物を包囲して設けられる充填材や構造材に含まれる、希土類酸化物、ジルコニウム酸化物に放射性物質が吸着保持されるため、放射性物質の地中における移動を抑制し、地表に到達する放射性廃棄物の量を低減することができる。

0059

加えて、本発明によれば、有機系の放射性物質を無機系に分解するために放射線を必要としないため、希土類酸化物やジルコニウム酸化物の位置の制限がなく、処分施設の設計自由度を向上させることができる。

0060

なお、本発明は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱せずに種々改変を加え、多種多様の形態の変形もなし得ることは云うまでもない。

図面の簡単な説明

0061

本発明を適用してなる放射性廃棄物の処分施設において処分容器が埋設された状態を示す縦断面図である。
本発明を適用してなる放射性廃棄物の処分容器の断面図である。

符号の説明

0062

1処分容器
2ピット
3埋設孔
11,12,13充填材
21放射性廃棄物
22 蓋

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