図面 (/)

技術 モータ制御装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 河崎高志鐘本宏行
出願日 2006年4月18日 (13年10ヶ月経過) 出願番号 2006-114911
公開日 2007年11月1日 (12年3ヶ月経過) 公開番号 2007-288948
状態 特許登録済
技術分野 機関出力の制御及び特殊形式機関の制御 無整流子電動機の制御
主要キーワード モータ回転トルク 瞬断現象 電動回転機 ストロークカウンタ 動作角 回転角範囲 同回転角 逆回転状態
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年11月1日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (12)

課題

検出動作位置実動作位置からずれることに起因するモータ動作位置の制御精度の低下を抑制するとともに動作不良状態の誤判定を的確に抑制すること。

解決手段

この装置は、ブラシレスモータ回転角の変化を限界動作角規制するストッパ部材と、回転角変化に伴って周期的に変化する位置センサ出力信号に基づきモータの回転角(検出回転角)を検出する位置検出系と備える。検出回転角に基づくフィードバック制御と、検出回転角と目標回転角とが一致しない状況において同検出回転角が変化しないときに動作不良状態である旨を判定する異常判定とを実行する。検出回転角と実際の回転角とが不一致であると判定されるときには(S219:NO)、それら回転角を一致させるべく検出回転角を補正するとともに(S211〜S218)、検出回転角と実際の回転角とが一致するまでの間(S219:NO→YES)、異常判定の実行を禁止する(S221)。

概要

背景

近年、例えば内燃機関機関バルブバルブ特性を変更する可変動弁機構などといった各種機構を駆動するための駆動源として、モータ(例えば電動回転機)を用いることが多用されている。そうしたモータの動作位置を制御するモータ制御装置は、モータの動作位置に応じた信号を出力する位置センサやその出力信号を取り込む電子制御装置などによって構成された位置検出系を備えている。そして、位置検出系によって検出された動作位置と各種機構の目標駆動状態に対応した動作位置とが一致するようにモータの動作位置がフィードバック制御される(特許文献1参照)。

また位置センサとして、例えばエンコーダなど、モータの動作位置の変化に伴って出力信号が周期的に変化するセンサが設けられるモータ制御装置も多用されている。このモータ制御装置では、位置センサの出力信号の周期的な変化に合わせて電子制御装置(詳しくは、そのメモリ)に記憶されている動作位置が逐次更新され、その更新された動作位置がモータの動作位置として検出される。

一方、モータ制御装置は、各種機構やモータ自体への異物の噛み込みなどによって、例えばモータを回転させることのできない状態になるなど、モータの動作位置を適正に変更することのできない動作不良状態になることがある。そのように動作不良状態になったときに、これに適切に対処するために、異常発生の旨を判定する装置が実用されている。

ちなみに上記動作不良状態は、例えば以下に記載する条件が全て満たされることをもって判定することが可能である。
・モータの動作位置が、同モータの駆動に伴って動作する部分とストッパ部材との当接によって規制される位置(限界動作位置)ではないこと。
・モータの動作位置を変更するべく同モータが駆動されていること。
・モータの動作位置が変化していないこと。
特開2005−23883号公報

概要

検出動作位置実動作位置からずれることに起因するモータ動作位置の制御精度の低下を抑制するとともに動作不良状態の誤判定を的確に抑制すること。この装置は、ブラシレスモータ回転角の変化を限界動作角で規制するストッパ部材と、回転角変化に伴って周期的に変化する位置センサの出力信号に基づきモータの回転角(検出回転角)を検出する位置検出系と備える。検出回転角に基づくフィードバック制御と、検出回転角と目標回転角とが一致しない状況において同検出回転角が変化しないときに動作不良状態である旨を判定する異常判定とを実行する。検出回転角と実際の回転角とが不一致であると判定されるときには(S219:NO)、それら回転角を一致させるべく検出回転角を補正するとともに(S211〜S218)、検出回転角と実際の回転角とが一致するまでの間(S219:NO→YES)、異常判定の実行を禁止する(S221)。

目的

本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、検出動作位置が実動作位置からずれることに起因するモータ動作位置の制御精度の低下を抑制するとともに動作不良状態の誤判定を的確に抑制することのできるモータ制御装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

モータの駆動に伴って動作する部分との当接を通じて同モータの動作位置の変化を限界動作位置で規制するストッパ部材と、前記モータの動作位置の変化に伴って周期的に変化する位置センサ出力信号に基づき同モータの動作位置を検出する位置検出系と有してなり、前記位置検出系によって検出される検出動作位置目標とする動作位置になるように該検出動作位置に基づく前記モータの動作位置のフィードバック制御を実行するとともに、前記検出動作位置と前記目標とする動作位置とが一致しない状況において同検出動作位置が変化しないときに動作不良状態である旨を判定する異常判定を実行するモータ制御装置であって、前記検出動作位置と実動作位置との一致の有無を判定し、それら動作位置が不一致であると判定されるときには、それら動作位置を一致させるべく前記検出動作位置を補正するとともに、その補正を通じて前記検出動作位置と前記実動作位置とが一致するまでの間、前記異常判定の実行を禁止することを特徴とするモータ制御装置。

請求項2

請求項1に記載のモータ制御装置において、前記モータは、電動回転機であってその回転に伴って互いに位相のずれたパルス信号を周期的に出力する複数の電気角センサを有し、それら電気角センサの出力パターンに基づく通電相切り換えを通じて駆動されるものであり、前記位置検出系は、前記モータの回転に伴って互いに位相のずれたパルス信号を各別に出力する複数の前記位置センサを有してなるとともに、それら位置センサからのパルス信号のエッジ間隔が前記複数の電気角センサからのパルス信号のエッジ間隔より短く設定されてなり、前記複数の位置センサからのパルス信号のエッジカウントしたカウント値に基づいて前記モータの動作位置を検出するものであり、前記不一致であることは、前記複数の電気角センサからのパルス信号のエッジ発生毎前回のエッジ発生時における前記カウント値と今回のエッジ発生時における前記カウント値との実関係を求め、該求めた実関係が正常な関係と異なることをもって判定されることを特徴とするモータ制御装置。

請求項3

請求項2に記載のモータ制御装置において、前記検出動作位置を補正することは、前記実関係の前記正常な関係からのずれ量に相当する分だけ前記カウント値を変更することにより行われることを特徴とするモータ制御装置。

請求項4

請求項3に記載のモータ制御装置において、前記検出動作位置が前記実動作位置へと徐々に移行するように、前記カウント値を徐々に変更することを特徴とするモータ制御装置。

請求項5

前記モータは、内燃機関機関バルブバルブ特性を変更する可変動弁機構の駆動に用いられるものである請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータ制御装置。

技術分野

0001

本発明は、モータの実際の動作位置に基づいて同モータの駆動を制御するモータ制御装置に関するものである。

背景技術

0002

近年、例えば内燃機関機関バルブバルブ特性を変更する可変動弁機構などといった各種機構を駆動するための駆動源として、モータ(例えば電動回転機)を用いることが多用されている。そうしたモータの動作位置を制御するモータ制御装置は、モータの動作位置に応じた信号を出力する位置センサやその出力信号を取り込む電子制御装置などによって構成された位置検出系を備えている。そして、位置検出系によって検出された動作位置と各種機構の目標駆動状態に対応した動作位置とが一致するようにモータの動作位置がフィードバック制御される(特許文献1参照)。

0003

また位置センサとして、例えばエンコーダなど、モータの動作位置の変化に伴って出力信号が周期的に変化するセンサが設けられるモータ制御装置も多用されている。このモータ制御装置では、位置センサの出力信号の周期的な変化に合わせて電子制御装置(詳しくは、そのメモリ)に記憶されている動作位置が逐次更新され、その更新された動作位置がモータの動作位置として検出される。

0004

一方、モータ制御装置は、各種機構やモータ自体への異物の噛み込みなどによって、例えばモータを回転させることのできない状態になるなど、モータの動作位置を適正に変更することのできない動作不良状態になることがある。そのように動作不良状態になったときに、これに適切に対処するために、異常発生の旨を判定する装置が実用されている。

0005

ちなみに上記動作不良状態は、例えば以下に記載する条件が全て満たされることをもって判定することが可能である。
・モータの動作位置が、同モータの駆動に伴って動作する部分とストッパ部材との当接によって規制される位置(限界動作位置)ではないこと。
・モータの動作位置を変更するべく同モータが駆動されていること。
・モータの動作位置が変化していないこと。
特開2005−23883号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、上記モータ制御装置にあっては、その位置センサの出力信号にノイズ侵入したり、位置検出系への電力供給がごく短い時間停止される現象(いわゆる瞬断現象)が発生したりすることによって、同位置検出系により検出される動作位置(検出動作位置)が実際の動作位置(実動作位置)からずれることがある。

0007

そして、この場合にはモータ、ひいては各種機構を目標とする駆動状態で駆動することができなくなってしまう。また、この状態で実動作位置が前記限界動作位置になるようなことがあると、このとき検出動作位置が限界動作位置ではなくモータを回転させることが可能な状態であると判断されているにもかかわらず、実際には特定方向にモータを回転させることができない状態となり、上述した動作不良状態であると誤って判定されるおそれがある。

0008

ここで、そのように検出動作位置が実動作位置からずれた場合に、それら検出動作位置および実動作位置を一致させるための補正処理を実行することも考えられる。こうした補正処理を実行することによって、検出動作位置と実動作位置とのずれが解消されるようになり、モータ動作位置の制御精度の低下が抑制されるようになる。

0009

ただし、そうした装置であっても、検出動作位置と実動作位置とのずれが解消されるまでの間に実動作位置が前記限界動作位置になるようなことがあると、このとき動作不良状態であると誤判定されるおそれがある。

0010

このように上記補正処理を実行する装置は、モータ動作位置の制御精度の低下を抑制することが可能になるものの、動作不良状態の誤判定を的確に回避することが可能になるとは云えず、改善の余地が残る。

0011

本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、検出動作位置が実動作位置からずれることに起因するモータ動作位置の制御精度の低下を抑制するとともに動作不良状態の誤判定を的確に抑制することのできるモータ制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

以下、上記目的を達成するための手段およびその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、モータの駆動に伴って動作する部分との当接を通じて同モータの動作位置の変化を限界動作位置で規制するストッパ部材と、前記モータの動作位置の変化に伴って周期的に変化する位置センサの出力信号に基づき同モータの動作位置を検出する位置検出系と有してなり、前記位置検出系によって検出される検出動作位置が目標とする動作位置になるように該検出動作位置に基づく前記モータの動作位置のフィードバック制御を実行するとともに、前記検出動作位置と前記目標とする動作位置とが一致しない状況において同検出動作位置が変化しないときに動作不良状態である旨を判定する異常判定を実行するモータ制御装置であって、前記検出動作位置と実動作位置との一致の有無を判定し、それら動作位置が不一致であると判定されるときには、それら動作位置を一致させるべく前記検出動作位置を補正するとともに、その補正を通じて前記検出動作位置と前記実動作位置とが一致するまでの間、前記異常判定の実行を禁止することをその要旨とする。

0013

上記構成によれば、検出動作位置と実動作位置とが一致しなくなった場合に、その不一致が検出動作位置の補正を通じて解消される。そのため、検出動作位置が実動作位置からずれることに起因するモータ動作位置の制御精度の低下を抑制することができる。

0014

ここで、実動作位置と検出動作位置とが一致していないときに実動作位置が前記限界動作位置になると、検出動作位置が限界動作位置ではなくモータを回転させることの可能な位置であるにもかかわらず、特定方向にモータを回転させることができない状態になってしまう。そのため、このとき前記異常判定を実行すると、動作不良状態になっていると誤って判定されてしまう。この点、上記構成によれば、そのように検出動作位置と前記実動作位置とが不一致であるときに異常判定の実行が禁止されるために、動作不良状態の誤判定を的確に抑制することができる。

0015

請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモータ制御装置において、前記モータは、電動の回転機であってその回転に伴って互いに位相のずれたパルス信号を周期的に出力する複数の電気角センサを有し、それら電気角センサの出力パターンに基づく通電相切り換えを通じて駆動されるものであり、前記位置検出系は、前記モータの回転に伴って互いに位相のずれたパルス信号を各別に出力する複数の前記位置センサを有してなるとともに、それら位置センサからのパルス信号のエッジ間隔が前記複数の電気角センサからのパルス信号のエッジ間隔より短く設定されてなり、前記複数の位置センサからのパルス信号のエッジカウントしたカウント値に基づいて前記モータの動作位置を検出するものであり、前記不一致であることは、前記複数の電気角センサからのパルス信号のエッジ発生毎前回のエッジ発生時における前記カウント値と今回のエッジ発生時における前記カウント値との実関係を求め、該求めた実関係が正常な関係と異なることをもって判定されることをその要旨とする。

0016

通常、モータ(電動の回転機)の回転時には、複数の電気角センサから互いに位相のずれたパルス信号が周期的に出力される。そのため、それら電気角センサからのパルス信号のエッジをカウントすることにより、そのカウント値に基づいてモータの動作位置(回転角)を大まかに検出することはできる。ただし、モータの動作位置の検出に高い精度が要求される場合には、そうした大まかな位置検出ではその検出精度が足りなくなる。そのため上記構成では、モータの回転に伴って各電気角センサからのパルス信号のエッジ間隔よりも短いエッジ間隔で周期的にパルス信号を出力する位置センサが設けられ、その位置センサからのパルス信号のエッジをカウントしたカウント値に基づいてモータの動作位置が検出される。これにより、モータの動作位置の検出を高精度で行うことが可能になる。

0017

こうした装置において、位置センサからの信号にノイズが侵入すると、そのノイズのエッジが位置センサからのパルス信号のエッジと誤認されてこれがカウントされ、上記カウント値がモータの実際の動作位置に対応しない値になるおそれがある。

0018

上記構成にあっては、そうしたカウント値の上記実際の動作位置に対応する値からのずれ分が、各電気角センサからのパルス信号の前回のエッジ発生時におけるカウント値と今回のエッジ発生時におけるカウント値との関係に現れる。具体的には、そのずれの分だけ実際の関係が正常な関係からずれる。

0019

上記構成によれば、そうした実関係と正常な関係とが同一であることをもって検出動作位置と実動作位置とが一致していることを判定し、実関係と正常な関係とが異なることをもってそれら動作位置が一致していないことを判定するといったように、実関係を用いて検出動作位置と実動作位置との一致の有無を判定することができる。しかも上記実関係を、これを求めるための新たなセンサ等を追加することなく、駆動用としてモータに通常取り付けられている電気角センサを用いて求めることができる。

0020

なお実関係は、各電気角センサからのパルス信号の前回のエッジ発生時におけるカウント値と今回のエッジ発生時におけるカウント値との差や、それらカウント値の比を含む。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のモータ制御装置において、前記検出動作位置を補正することは、前記実関係の前記正常な関係からのずれ量に相当する分だけ前記カウント値を変更することにより行われることをその要旨とする。

0021

上記構成によれば、前記カウント値の前記実際の動作位置に対応する値からのずれを的確に補正することができ、検出動作位置の実動作位置からのずれを的確に補正することができる。

0022

請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のモータ制御装置において、前記検出動作位置が前記実動作位置へと徐々に移行するように、前記カウント値を徐々に変更することをその要旨とする。

0023

ここで、検出動作位置を補正する際にこれを徐々に変化させることにより、その補正に伴うモータ回転トルク急変を回避することが可能になる。ただし、この場合には検出動作位置と実動作位置とが一致するようになるまでの期間が長くなるために、前述した動作不良状態であると誤判定される可能性が高くなる。

0024

上記構成によれば、そのように検出動作位置を徐々に変化させる装置にあって、動作不良状態の誤判定を的確に抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータ制御装置において、前記モータは、内燃機関の機関バルブのバルブ特性を変更する可変動弁機構の駆動に用いられるものであることをその要旨とする。

0025

前記モータが内燃機関の可変動弁機構の駆動に用いられる場合、位置検出系によって同モータの動作位置が検出されるとともに、その検出された動作位置が目標とするバルブ特性に対応した位置になるようにモータが駆動される。これにより、機関バルブのバルブ特性が目標とするバルブ特性になるように、可変動弁機構が駆動制御される。上記構成によれば、そうした可変動弁機構の制御精度の低下を抑制するとともに、その動作不良状態についての誤検出を的確に抑制することができる。

発明を実施するための最良の形態

0026

以下、本発明にかかるモータ制御装置を具体化した一実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態にかかるモータ制御装置が搭載される内燃機関についてそのシリンダヘッド周り断面構造を示している。

0027

図1に示すように、内燃機関1の内部にはシリンダヘッド2、シリンダブロック3、およびピストン5によって燃焼室が区画形成されており、この燃焼室6には吸気通路7および排気通路8が接続されている。そして、燃焼室6と吸気通路7との間は吸気バルブ9の開閉動作によって連通・遮断され、燃焼室6と排気通路8との間は排気バルブ10の開閉動作によって連通・遮断される。

0028

シリンダヘッド2には、吸気バルブ9を駆動するための吸気カムシャフト11と排気バルブ10を駆動するための排気カムシャフト12とが設けられている。これら吸気カムシャフト11および排気カムシャフト12は、内燃機関1のクランクシャフトからの回転伝達によって回転する。吸気カムシャフト11には吸気カム11aが設けられており、排気カムシャフト12には排気カム12aが設けられている。そして、吸気カムシャフト11と吸気カム11aとの一体回転を通じて吸気バルブ9が開閉動作し、排気カムシャフト12と排気カム12aとの一体回転を通じて排気バルブ10が開閉動作する。

0029

また、吸気バルブ9と吸気カム11aとの間には、吸気バルブ9のバルブ特性(具体的には、吸気バルブ9の最大リフト量および吸気カム11aの作用角)を可変とする可変動弁機構14が設けられている。この可変動弁機構14の駆動制御は、例えば吸入空気量を多く必要とする機関運転状態になるほど最大リフト量および作用角が大きくなるように実行される。これは吸気バルブ9の最大リフト量や吸気カム11aの作用角を大きくするほど、吸気通路7から燃焼室6への空気の吸入が効率よく行われ、上述した吸入空気量に関する要求を満たすことが可能なためである。

0030

次に、可変動弁機構14の構造について説明する。
可変動弁機構14は、吸気カムシャフト11に対して平行に延びるロッカシャフト15およびコントロールシャフト16と、それらシャフト15,16の軸線を中心に揺動する入力アーム17および出力アーム18とを備えている。そして、回転する吸気カム11aにより押されて入力アーム17が揺動すると、これに伴い出力アーム18が揺動するようになっている。

0031

入力アーム17は、吸気カム11aに押しつけられるようにスプリング20によって吸気カム11a側に付勢されている。また出力アーム18と吸気バルブ9との間にはロッカアーム21が設けられており、このロッカアーム21の基端部はラッシュアジャスタ22によって支持され、先端部は吸気バルブ9に接触している。さらにロッカアーム21は、吸気バルブ9のバルブスプリング24によって出力アーム18側に付勢されて、同出力アーム18に押しつけられている。そして、吸気カム11aの回転に伴って入力アーム17が出力アーム18ともども揺動すると、同出力アーム18の揺動がロッカアーム21を介して吸気バルブ9に伝達されて、同吸気バルブ9がリフトされる。

0032

可変動弁機構14にあっては、上記ロッカシャフト15がパイプ形状に形成されており、同ロッカシャフト15の内部に上記コントロールシャフト16が軸方向に移動可能に配設されている。この可変動弁機構14は、ロッカシャフト15に対するコントロールシャフト16の軸方向位置の変更を通じて、入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置の変更が可能な構造になっている。そして、このように入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置を変更することによって、吸気カム11aの回転に伴って出力アーム18が揺動したときにおける吸気バルブ9の最大リフト量、および吸気カム11aの吸気バルブ9に対する作用角が変更される。具体的には、入力アーム17と出力アーム18とを揺動方向について互いに接近させるほど、吸気バルブ9の最大リフト量および吸気カム11aの作用角は小さくなる。

0033

次に、可変動弁機構14を駆動するべく上記コントロールシャフト16を軸方向に変位させるための駆動機構および同駆動機構の駆動を制御する制御装置について、図2を参照して説明する。

0034

図2に示すように、コントロールシャフト16の基端部(図中右端部)には、ブラシレスモータ25が変換機構26を介して連結されている。この変換機構26は、ブラシレスモータ25の回転運動をコントロールシャフト16の軸方向への直線運動に変換するためのものである。そして、上記ブラシレスモータ25の所定の回転角範囲(例えば10回転分の回転角範囲(0〜3600°))内での回転駆動を通じて、コントロールシャフト16が軸方向に変位させられ、可変動弁機構14が駆動される。

0035

なお、可変動弁機構14はコントロールシャフト16との当接を通じて、同コントロールシャフト16の先端(図中左端)側への移動を限界動作位置で規制するストッパ部材27と、該コントロールシャフト16の基端(図中右端)側への移動を限界動作位置で規制するストッパ部材28とを備えている。ブラシレスモータ25の回転角にあってはコントロールシャフト16の先端側の限界動作位置に対応する角度と同基端側の限界動作位置に対応する角度とが限界動作位置(限界動作角)となり、それら限界回転角によって上記所定の回転角範囲が定まる。

0036

ちなみに、ブラシレスモータ25を正方向に回転させると、コントロールシャフト16は先端側に変位し、入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置が互いに接近するように変更される。一方、ブラシレスモータ25を逆方向に回転させると、コントロールシャフト16は基端側に変位し、入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置が互いに離間するように変更される。

0037

上記ブラシレスモータ25としては三相巻線を有する4極6巻線のものが採用されている。ブラシレスモータ25は電力を供給する相(通電相)の切り換えを通じて駆動される。具体的には、ブラシレスモータ25には切り換え可能な6つの通電パターンが設定されており、同ブラシレスモータ25の駆動を制御する際には、それら通電パターンのうちの一つが選択的に設定されて同ブラシレスモータ25の各相の巻線への通電が行われる。

0038

本実施の形態の装置は、ブラシレスモータ25の駆動制御など、各種の機関制御を実行する電子制御装置30を備えている。この電子制御装置30は、各種の演算処理を実行するCPU、その演算に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果が一時的に記憶される不揮発性メモリ30aなどのRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えている。

0039

電子制御装置30の入力ポートには、3つの電気角センサS1,S2,S3および2つの位置センサS4,S5が接続されている。本実施の形態では、各電気角センサS1〜S3および電子制御装置30によって、ブラシレスモータ25の動作位置(回転角)を検出する位置検出系が構成されている。電子制御装置30の入力ポートには、アクセルペダル踏み込み量を検出するためのアクセルポジションセンサ31や、内燃機関1のクランクシャフトの回転速度(機関回転速度)を検出するための回転速度センサ32、イグニッションスイッチ33等も接続されている。

0040

また、電子制御装置30の出力ポートには、ブラシレスモータ25の駆動回路等が接続されている。
そしてブラシレスモータ25の駆動制御に際しては、電子制御装置30により、各種センサの出力信号に基づき機関運転状態や同ブラシレスモータ25の回転角が演算されるとともに、その演算結果に基づいてブラシレスモータ25が駆動される。これにより、可変動弁機構14の駆動(詳しくは、コントロールシャフト16の軸方向位置)が制御されて吸気バルブ9のバルブ特性が制御される。

0041

ところで、吸気バルブ9のバルブ特性はコントロールシャフト16の軸方向位置、言い換えれば、ブラシレスモータ25の上記所定の回転角範囲内での回転角に対応したものとなる。したがって、吸気バルブ9のバルブ特性を精度良く制御するためには、ブラシレスモータ25の回転角を正確に検出し、その回転角が目標とするバルブ特性に対応する角度となるようにブラシレスモータ25を駆動することが重要になる。

0042

そのため本実施の形態では、上述した電気角センサS1〜S3および位置センサS4,S5の出力信号に基づき、以下に記載するようにブラシレスモータ25の回転角が検出されて、その回転角が高い精度で検出される。

0043

以下、そうしたブラシレスモータ25の回転角の検出手順について説明する。
ここでは先ず、各センサS1〜S5の出力信号について説明する。
図3は、ブラシレスモータ25の回転角の変化に伴う各センサS1〜S5の出力信号の推移(同図(a)〜(e))、およびそれら出力信号の変化に応じて変更される各種カウンタのカウント値の推移を示している(同図(f)〜(h))。

0044

図3に示すように、各電気角センサS1〜S3(同図(a)〜(c))はそれぞれ、ブラシレスモータ25の回転時において、同ブラシレスモータ25のロータと一体回転する4極の多極マグネット磁気に応じてパルス状の信号、すなわちハイ信号「H」とロー信号「L」とを交互に周期的に出力する。それら電気角センサS1〜S3の上記ロータに対する周方向位置は、各電気角センサS1〜S3からのパルス信号が互いにずれたタイミングで出力されるように定められている。なお、各電気角センサS1〜S3から出力されるパルス信号のエッジはそれぞれブラシレスモータ25の45°回転毎に発生する。また、各電気角センサS1〜S3のうちの一つのセンサからのパルス信号は、他の二つのセンサからのパルス信号に対して、ブラシレスモータ25の30°回転分だけ進んだ回転角あるいは遅れた回転角で発生する。

0045

一方、各位置センサS4,S5(同図(d),(e))はそれぞれ、ブラシレスモータ25の回転時において、同ブラシレスモータ25のロータと一体回転する48極の多極マグネットの磁気に応じてパルス状の信号、すなわちハイ信号「H」とロー信号「L」とを交互に周期的に出力する。それら位置センサS4,S5の上記ロータに対する周方向位置は、各位置センサS4,S5からのパルス信号が互いにずれたタイミングで出力されるように定められている。なお、各位置センサS4,S5から出力されるパルス信号のエッジはそれぞれブラシレスモータ25の7.5°回転毎に発生する。また、各位置センサS4,S5のうちの一つのセンサからのパルス信号は、他のセンサからのパルス信号に対して、ブラシレスモータ25の3.75°回転分ずれた回転角で発生する。

0046

このように、位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジ間隔は、電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジ間隔(15°)よりも短い間隔(3.75°)となる。また、位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジが4回発生する毎に、電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジが1回発生する。

0047

次に、こうした各センサS1〜S5の出力信号に応じて変更される各種カウンタのカウント値について、図3および図4を併せ参照しつつ説明する。
図4は、各種カウンタのカウント値を変更する処理(カウント処理)の具体的な処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、電子制御装置30により、位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジ間隔よりも短い間隔をもって周期的に実行される。

0048

図4に示すように、この処理では先ず、ステップS101の処理において、各電気角センサS1〜S3からのパルス信号(図3(a)〜(c))の出力パターンに基づいて電気角カウンタのカウント値Ce(図3(f))が変更される。詳しくは、図5(a)に電気角カウンタのカウント値Ceと上記出力パターンとの関係を示すように、電気角カウンタのカウント値Ceとして、各電気角センサS1〜S3の出力信号(ハイ信号「H」あるいはロー信号「L」)の組み合わせに応じて、「0」〜「5」の整数値のうちのいずれか一つが設定される。具体的には、ブラシレスモータ25が正方向に回転する場合において15°回転する毎に「0」→「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「0」といった順に変化する値が電気角カウンタのカウント値Ceとして設定される。

0049

なお、このカウント値Ceとして設定される各値(0,1,2,3,4,5)は、前述したブラシレスモータ25の6つの通電パターンに各別に対応している。本実施の形態では、そうした電気角カウンタのカウント値Ceに基づいてブラシレスモータ25の各相の巻線に対する通電パターンが切り換えられることによって、同ブラシレスモータ25の回転が制御される。

0050

次に、ステップS102(図4)の処理において、各位置センサS4,S5(図3(d),(e))からのパルス信号の出力パターンに基づいて位置カウンタのカウント値Cp(図3(g))が増減される。この位置カウンタのカウント値Cpは、位置センサS4,S5の一方のセンサの出力信号が立ち上がりエッジ、または立ち下がりエッジになったタイミングで増減される。詳しくは、図5(b)に位置カウンタのカウント値Cpと上記出力パターンとの関係を示すように、位置センサS4,S5の一方のセンサの出力信号が立ち上がりエッジ「↑」あるいは立ち下がりエッジ「↓」のいずれであるか、また他方のセンサの出力信号がハイ信号「H」とロー信号「L」とのいずれであるかに応じて、位置カウンタのカウント値Cpに「+1」または「−1」が加算される。

0051

こうした処理を通じて、位置カウンタのカウント値Cpは、各位置センサS4,S5からのパルス信号がエッジになる毎に、ブラシレスモータ25の正回転時には「1」ずつ加算されるとともに逆回転時には「1」ずつ減算される。なお、この位置カウンタのカウント値Cpは、イグニッションスイッチ33がオフ操作される度に「0」にリセットされる。したがって、位置カウンタのカウント値Cpは、イグニッションスイッチ33がオン操作された後におけるブラシレスモータ25の回転角の変化量に相当する値になる。

0052

その後、ステップS103(図4)の処理において、そのように変化する位置カウンタのカウント値Cpに応じてストロークカウンタのカウント値Cs(図3(h))が変更される。具体的には、後述する学習値Prの正負反転させた値(−Pr)を位置カウンタのカウント値Cpに加算した値(=Cp−Pr)がストロークカウンタのカウント値Csとして設定される。

0053

なお、上記学習値Prは、前記コントロールシャフト16がその移動可能範囲における先端側(図2の左端側)の限界動作位置になるようにブラシレスモータ25の回転角を変化させたときにおける位置カウンタのカウント値Cpに対応する値である。この学習値Prは、イグニッションスイッチ33がオン操作された後において所定の学習条件が満たされたときに学習され、電子制御装置30の不揮発性メモリ30aに記憶される。したがって、上述のようにして得られるストロークカウンタのカウント値Csは、コントロールシャフト16の上記限界動作位置に対応する角度を基準としたブラシレスモータ25の回転角を表す値となる。

0054

そして、本実施の形態では、このように求められた電気角カウンタのカウント値Ceやストロークカウンタのカウント値Csがブラシレスモータ25の回転角として用いられて、同回転角に基づく同ブラシレスモータ25の駆動制御が実行される。

0055

以下、そうしたブラシレスモータ25の駆動制御にかかる処理について具体的に説明する。なお、この駆動制御にかかる一連の処理は、電子制御装置30により、位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジ発生周期よりも短い所定周期毎に実行される。

0056

ここでは先ず、上記駆動制御のうち、ストロークカウンタのカウント値Csに基づいてブラシレスモータ25の回転トルクを調節する制御について説明する。
この制御にかかる処理では先ず、アクセルペダルの踏み込み量や機関回転速度に基づいて、ブラシレスモータ25の回転角についての制御目標値目標回転角TMA)が算出される。次に、この目標回転角TMAと上述のように検出される回転角(検出回転角MA(ここでは、ストロークカウンタのカウント値Cs))との偏差が求められるとともに、同偏差に基づいてモータ制御量Msigが算出される。そして、このモータ制御量Msigに応じて、ブラシレスモータ25の各相の巻線に対する供給電力量電力供給時間が調節される。こうした処理を通じて、ブラシレスモータ25の回転トルクが機関運転状態に見合うように調節される。なお、目標回転角TMAと検出回転角MAとが一致している場合には、このとき設定されている通電パターンに対応する各巻線に対して、ブラシレスモータ25の回転角を現状の角度で維持することの可能な所定量の電力が供給される。

0057

ちなみに、ブラシレスモータ25への供給電力量の調節は、上記モータ制御量Msigに応じてブラシレスモータ25の駆動回路に出力されるデューティ信号を設定することによって行われる。このデューティ信号は、予め定められたごく短い単位時間において、ブラシレスモータ25に電力が供給される時間と同電力が供給されない時間との比(デューティ比)を規定する信号であり、同デューティ比が高くなるほどブラシレスモータ25に供給される電力が多くなる。

0058

次に、前記駆動制御のうち、電気角カウンタのカウント値Ceに基づいてブラシレスモータ25の通電相を切り換える制御について説明する。
上記目標回転角TMAと検出回転角MAとが異なる場合には、それら目標回転角TMAおよび検出回転角MAの関係によって定まる回転方向にブラシレスモータ25が回転するように、前述した通電パターンが順次切り換えられる。

0059

ブラシレスモータ25の回転速度は一定ではないため、単に電気角カウンタのカウント値Ceが変化したことをもって上記通電パターンの切り換えを行うと、その切り換えにかかる処理の実行時間や巻線における電流立ち上がり時間等の影響によって、実際に通電パターンが切り換わる時期にずれが生じてしまう。そして、そうしたずれが生じると、これがブラシレスモータ25の回転トルクの不要な低下を招き、可変動弁機構14を適切に駆動することができなくなる。

0060

ブラシレスモータ25の回転速度が高いときほどカウント値Ceが変化する時間間隔が短くなるのに対し、切り換えにかかる処理の実行時間や巻線における電流の立ち上がり時間等はブラシレスモータ25の回転速度が変化してもさほど変わらない。そのため、ブラシレスモータ25の回転速度が高いときほど早いタイミングで通電パターンの切り換えを開始することにより、上記カウント値Ceが変化するタイミングと実際に通電パターンが切り換わるタイミングとを一致させることが可能になると云える。この点をふまえて本実施の形態では、電気角カウンタのカウント値Ceが変化するタイミングを基準に、ブラシレスモータ25の回転速度が高いときほど早い時期において通電パターンの切り換えが開始されるように、制御目標とする通電パターン(目標通電パターン)が設定される。

0061

なお、そのように目標通電パターンを設定する際には、ブラシレスモータ25の回転速度として、所定期間における上記位置カウンタのカウント値Cpの変化量や上記ストロークカウンタのカウント値Csの変化量が用いられる。

0062

このように、ストロークカウンタのカウント値Csや電気角センサのカウント値Ceに基づいてブラシレスモータ25の駆動制御を実行することにより、上記検出回転角MAが目標回転角TMAに精度良く制御されるようになり、ひいては吸気バルブ9のバルブ特性が目標とする特性に精度良く制御されるようになる。

0063

本実施の形態のモータ制御装置は、可変動弁機構14やブラシレスモータ25への異物の噛み込みなどによって、同ブラシレスモータ25の回転角を変更することのできない動作不良状態(モータロック状態)になることがある。そのため本実施の形態では、モータロック状態の発生の有無を判定する異常判定が実行される。

0064

この異常判定では、目標回転角TMAと検出回転角MAとが一致しない状況において同検出回転角MAが変化しないときにモータロック状態になっている旨が判定される。具体的には、以下の(条件1)〜(条件3)が全て満たされることをもって異常発生の旨が判定される。
(条件1)コントロールシャフト16がストッパ部材27,28に当接していないこと。具体的には、検出回転角MAが前記限界動作角ではないこと。
(条件2)ブラシレスモータ25に実際に電流が流れていること。具体的には、ブラシレスモータ25の巻線電流が所定量以上であること。なお巻線電流は、例えばブラシレスモータ25の各相の巻線への通電/非通電を切り換えるスイッチング素子に内蔵された電流検出用抵抗等を用いて検出される。
(条件3)目標回転角TMAと検出回転角MAとが異なっており、同検出回転角MAを変更するべくブラシレスモータ25が駆動されていること。具体的には、前記デューティ信号のデューティ比が所定比率以上であること。

0065

ところで、位置カウンタのカウント値Cpは、常にブラシレスモータ25の実際の回転角に対応しているとは限らず、実際の回転角に対応した値からずれることがある。例えば位置センサS4,S5から出力される信号にノイズが発生すると、そのノイズによるエッジと位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジとを見分けることができず、ノイズによるエッジをパルス信号のエッジと誤認してこれがカウントされて、位置カウンタのカウント値Cpがブラシレスモータ25の実際の回転角と対応しなくなってしまう。

0066

以下、そうした不具合が発生する状況について、図6を参照して具体的に説明する。なお図6において、(a)および(b)は各位置センサS4,S5の出力信号の推移を示し、(c)は電気角カウンタのカウント値Ceの推移を示し、(d)はブラシレスモータ25の正回転中における位置カウンタのカウント値Cpの推移を示し、(e)は同逆回転中における位置カウンタのカウント値Cpの推移を示している。

0067

ブラシレスモータ25の正回転中において、位置センサS4(同図(a))からの信号にノイズが侵入し、そのノイズが位置センサS5からのパルス信号の立ち下がりエッジと重なると、上記ノイズの発生しているタイミングT12,T13,T14での位置センサS4,S5からの信号の出力パターンは、図7(a)に示されるようなパターンとなる。その結果、タイミングT12,T13,T14においてそれぞれ位置カウンタのカウント値Cpに「−1」が加算され、図6(d)に二点鎖線で示すように同カウント値Cpが「1」ずつ減少してゆく。

0068

ここで上記ノイズが侵入しない場合には、図6(d)に実線で示すように、タイミングT12,T14においては位置カウンタのカウント値Cpが変更されず、タイミングT13において位置カウンタのカウント値Cpに「1」が加算される。

0069

このため、上記ノイズが侵入した場合には位置カウンタのカウント値Cpが(二点差線)、タイミングT14以降において、ブラシレスモータ25の実際の回転角に対応する値(実線)に対して「4」だけ小さくなる。

0070

一方、ブラシレスモータ25の逆回転中において、位置センサS4(同図(a))からの信号にノイズが侵入して、そのノイズが位置センサS5からのパルス信号の立ち上がりエッジと重なった場合にも、位置カウンタのカウント値Cpがブラシレスモータ25の実際の回転角に対応する値からずれることになる。

0071

すなわち、上記ノイズの発生しているタイミングT14,T13,T12での位置センサS4,S5からの信号の出力パターンが図7(b)に示されるようなパターンとなり、タイミングT14,T13,T12においてそれぞれ位置カウンタのカウント値Cpに「1」が加算される。これにより、図6(e)に二点差線で示すように、タイミングT14,T13,T12において上記カウント値Cpが「1」ずつ増加してゆく。

0072

そして、上記ノイズが侵入しない場合には、タイミングT14,T12では位置カウンタのカウント値Cpが変更されず、タイミングT13においてカウント値Cpに「−1」が加算される。

0073

このため、上記ノイズが発生した場合には位置カウンタのカウント値Cpが(二点差線)、タイミングT12以降において、ブラシレスモータ25の実際の回転角に対応する値(実線)に対して「4」だけ大きくなる。

0074

このように、位置カウンタのカウント値Cpがブラシレスモータ25の実際の回転角と対応しなくなると、同カウント値Cp(正確にはストロークカウンタのカウント値Cs)に基づき検出されるブラシレスモータ25の検出回転角MAが不正確な値になる。したがって、この検出回転角MAに基づいてブラシレスモータ25の駆動制御を実行しても、可変動弁機構14を目標とする駆動状態で駆動することができず、吸気バルブ9のバルブ特性が目標とする特性からずれ、内燃機関1の運転に悪影響に及ぼすおそれがある。

0075

こうした不都合の発生を抑制するためには、ブラシレスモータ25の実際の回転角に対応する位置カウンタのカウント値と実際の位置カウンタのカウント値Cpとのずれ量を求め、そのずれ量に相当する分だけカウント値Cpを補正すればよい。本実施の形態では、以下の(イ)〜(ニ)の処理を実行することによって、そうした位置カウンタのカウント値Cpの補正を行い、同カウント値Cpをブラシレスモータ25の実際の回転角に対応する値に戻すようにしている。

0076

(イ)電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジ発生毎に、今回のエッジ発生時における位置カウンタのカウント値Cptと前回のエッジ発生時における位置カウンタのカウント値Cplとの差ΔCp(=Cpt−Cpl)を算出する。

0077

(ロ)電気角カウンタのカウント値Ceの変化に基づきブラシレスモータ25の回転状態が「正回転状態」、「逆回転状態」、および「回転反転状態」のうちのいずれであるかを判断する。具体的には先ず、今回のエッジ発生時におけるカウント値Ceの変化方向と前回のエッジ発生時におけるカウント値Ceの変化方向とを求める。そして図8に示すように、それら変化方向が共にブラシレスモータ25の正回転を示す方向である場合には正回転状態であると判断し、それら変化方向が共にブラシレスモータ25の逆回転を示す方向である場合には逆回転状態であると判断する。各変化方向が互いに異なる方向である場合には、回転反転状態であると判断する。

0078

(ハ)ブラシレスモータ25の回転状態に応じて、上記ΔCpの正常時の値である正常値Jを設定する。この正常値Jとして具体的には、正回転状態である場合には「n」が設定され、逆回転状態である場合には「−n」が設定され、回転反転状態である場合には「0」が設定される。なお上記「n」は、電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジ間において位置センサS4,S5から出力されるパルス信号のエッジ数(本実施の形態では「4」)である。

0079

(ニ)上記差ΔCpの上記正常値Jからのずれ量「J−ΔCp」を補正値Kcpとして算出し、同補正値Kcp分の補正を位置カウンタのカウント値Cpに加える。
本実施の形態の装置では、上記ノイズの発生に起因して位置カウンタのカウント値Cpがブラシレスモータ25の実際の回転角に対応する値からずれると、そのずれ分だけ上記差ΔCpが正常値Jからずれるといったように、ずれ分が上記差ΔCpに現れる。そのため、上記(ニ)の処理のように、上記差ΔCpの正常値Jからのずれ量に相当する補正値Kcp分の補正を位置カウンタのカウント値Cpに加えることにより、ブラシレスモータ25の実際の回転角に対応する値からの上記カウント値Cpのずれを解消することができる。また本実施の形態では、上記差ΔCpおよび補正値Kcpを、これを求めるための新たなセンサ等を追加することなく、駆動用としてブラシレスモータ25に取り付けられている電気角センサS1〜S3を用いて求めることができる。

0080

以下、上述した位置カウンタのカウント値Cpの補正の概要について、図6を参照して説明する。
前述したように、ブラシレスモータ25の正回転中において位置センサS4(同図(a))の出力信号にノイズが侵入すると(タイミングT12〜T14)、位置カウンタのカウント値Cp(同図(d)に二点差線で示す値)が、ブラシレスモータ25の実際の回転角に対応する値(同図(d)に実線で示す値)に対して「4」だけ小さくなる。その後において電気角カウンタのカウント値Ce(同図(c))が変化すると(タイミングT11)、このとき上記差ΔCpとして、その正常値J(=4)に対して「−4」だけずれた値(=0)が算出される。そして、正常値Jからの上記差ΔCpのずれ量(=4)が補正値Kcpとして算出されて、同補正値Kcpが位置カウンタのカウント値Cp(二点鎖線)に加算される。これにより、同図(d)中に矢印Aで示すように、位置カウンタのカウント値Cpがブラシレスモータ25の実際の回転角に対応する値(実線)になるように補正される。

0081

一方これも前述したように、ブラシレスモータ25の逆回転中において位置センサS4(同図(a))の出力信号にノイズが侵入すると(タイミングT14〜T12)、位置カウンタのカウント値Cp(同図(e)に二点差線で示す値)がブラシレスモータ25の実際の回転角に対応する値(同図(e)に実線で示す値)に対して「4」だけ大きくなる。その後において電気角カウンタのカウント値Ce(図6(c))が変化すると(タイミングT14)、このとき上記ΔCpとして、その正常値J(=−4)から「4」だけずれた値(=0)が算出される。そして、正常値Jからの上記差ΔCpのずれ量(=−4)が補正値Kcpとして算出されて、同補正値Kcpが位置カウンタのカウント値Cp(二点鎖線)に加算される。これにより、同図(e)中に矢印Bで示すように、位置カウンタのカウント値Cpがブラシレスモータ25の実際の回転角に対応する値(実線)になるように補正される。

0082

このように本実施の形態では、ブラシレスモータ25の検出回転角MAと実際の回転角とが一致しなくなった場合であっても、上述した位置カウンタのカウント値Cpの補正を通じて、検出回転角MAと実際の回転角との不一致が解消される。そのため、ブラシレスモータ25の検出回転角MAが実際の回転角からずれることに起因する同ブラシレスモータ25の回転角についての制御精度の低下や、可変動弁機構14の駆動状態についての制御精度の低下を抑制することができる。

0083

ここで仮に、上述した位置カウンタのカウント値Cpの補正に際して同カウント値Cpに補正値Kcpを一時に加算すると、その加算に際して検出回転角MAが急変して同検出回転角MAと目標回転角TMAとの差が急拡大するために、その差を「0」にするべくブラシレスモータ25が駆動されてその回転トルクの急変を招くおそれがある。また、これに伴って可変動弁機構14の駆動状態が急変して内燃機関1の吸入空気量が急変するため、内燃機関1の出力トルクの急変(トルクショック)を招くおそれもある。

0084

この点をふまえ、本実施の形態では、位置カウンタのカウント値Cpに補正値Kcpを加算する際に同カウント値Cpに対して補正値Kcpを徐々に加算することによって、カウント値Cpの補正に伴う検出回転角MAの急変を回避するようにしている。具体的には、予め定められた所定期間Tkおきに位置カウンタのカウント値Cpを所定値αずつ補正するといった処理が、補正量の総量と補正値Kcpの絶対値とが等しくなるまで繰り返し実行される。

0085

ところで本実施の形態の装置にあって、ブラシレスモータ25の実際の回転角と検出回転角MAとが一致していないときに、実際の回転角が前記限界動作角になると、検出回転角MAが限界動作角ではなくブラシレスモータ25を回転させることの可能な角度であるにもかかわらず、同ブラシレスモータ25を特定方向に回転させることができない状態になってしまう。そのため、このとき前述した異常判定が実行されると、前記(条件1)〜(条件3)が全て満たされ、モータロック状態になっていると誤って判定されてしまう。

0086

しかも本実施の形態では、検出回転角MAが実際の回転角からずれた場合に、同検出回転角MAが実際の回転角へと徐々に移行するように位置カウンタのカウント値Cpが補正されるため、検出回転角MAと実際の回転角とが一致するようになるまでの期間が長くなり易い。そのため、検出回転角MAが実際の回転角へと一時に移行するように位置カウンタのカウント値が補正される構成と比べて、モータロック状態が誤判定される可能性が高くなる。

0087

そこで本実施の形態では、上記検出回転角MAと実際の回転角とが不一致であると判定されるときに、位置カウンタのカウント値Cpの補正を通じて上記検出回転角MAと実際の回転角とが一致するようになるまでの間、上記異常判定の実行を禁止するようにしている。

0088

以下、そうした異常判定の実行を禁止する処理を含む位置カウンタのカウント値Cpを補正する処理(補正処理)の詳細について、図9および図10を参照して説明する。
なお、図9および図10は補正処理の具体的な処理手順を示すフローチャートであり、それらフローチャートに示される一連の処理は、電子制御装置30により、位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジ発生周期よりも短い所定周期毎に実行される。

0089

図9に示すように、この処理では先ず、補正実行フラグがオフ操作されているか否かが判断される(ステップS201)。この補正実行フラグは、検出回転角MAと実際の回転角とが一致していると判定されるとき(補正値Kcp=「0」)にオフ操作され、検出回転角MAと実際の回転角とが不一致であると判定されるとき(補正値Kcp≠「0」)にオン操作されるフラグである。

0090

ここで、補正実行フラグがオフ操作されている場合には(ステップS201:YES)、前述した(イ)の処理が実行される(ステップS202〜S204)。
すなわち先ず、電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジが発生したときに(ステップS202:YES)、このときの位置カウンタのカウント値Cpが今回のエッジ発生時におけるカウント値Cptとして記憶されるとともに、記憶されていたカウント値Cptが前回のエッジ発生時におけるカウント値Cplとして記憶される(ステップS203)。その後、それらカウント値Cpt,Cplの差ΔCp(=Cpt−Cpl)が算出される(S204)。

0091

次に、前述した(ロ)および(ハ)の処理が実行される(ステップS205〜S209)。
すなわち先ず、各電気角センサS1〜S3からのパルス信号の前回のエッジ発生時および今回のエッジ発生時のそれぞれにおける電気角カウンタのカウント値Ceの変化方向に基づいて、ブラシレスモータ25の回転状態が判断される(ステップS205,S206)。そして、ブラシレスモータ25が正回転状態である場合には(ステップS205:YES)、前記正常値Jとして「4」が設定される(ステップS207)。一方、ブラシレスモータ25が逆回転状態である場合には(ステップS205:NO且つステップS206:YES)、正常値Jとして「−4」が設定される(ステップS208)。他方、ブラシレスモータ25が回転反転状態である場合には(ステップS205:NO且つステップS206:NO)、正常値Jとして「0」が設定される(ステップS209)。

0092

その後、上記差ΔCpの上記正常値Jからのずれ量(=J−ΔCp)が算出されるとともに、同ずれ量が補正値Kcpとして設定される(ステップS210)。
そして、このように補正値Kcpが設定された後、同補正値Kcpを位置カウンタのカウント値Cpに加算する処理が実行される(図10のステップS211〜S218)。

0093

具体的には、補正値Kcpが正の値(Kcp>0)である場合には(ステップS211:YES)、所定期間Tkおきの補正タイミングにおいて(ステップS212:YES)、位置カウンタのカウント値Cpに所定値αが加算されるとともに(ステップS213)、補正値Kcpから所定値αが減算される(ステップS214)。

0094

一方、補正値Kcpが負の値(Kcp<0)である場合には(ステップS211:NO且つステップS215:YES)、所定期間Tk毎の補正タイミングにおいて(ステップS216:YES)、位置カウンタのカウント値Cpから所定値αが減算されるとともに(ステップS217)、補正値Kcpに所定値αが加算される(ステップS218)。

0095

なお、補正タイミングであることは(ステップS212,S216)、補正値Kcpが設定された後に所定期間Tkが経過したこと、あるいは前記所定値αの加算または減算が行われてから所定期間Tkが経過したことをもって判断される。したがって本処理を通じて、位置カウンタのカウント値Cpが所定期間Tkおきに所定値αずつ加減算補正されて、同カウント値Cpがブラシレスモータ25の実際の回転角に対応する値へと徐々に変更されるようになる。

0096

ここで、上述した補正に伴う位置カウンタのカウント値Cpの推移は上記所定期間Tkや所定値αの設定態様によって異なったものとなる。具体的には、所定期間Tkが長く設定されるほど、また所定値αが小さく設定されるほど、位置カウンタのカウント値Cpは緩やかに変化するようになる。本実施の形態では、所定期間Tkおよび所定値αとして、前述したトルクショックが生じるほどの内燃機関1の吸入空気量の急変を招くことのない時間および値が設定される。具体的には、上記所定期間Tkとしては位置センサS4,S5からのパルス信号の直前におけるエッジ間の時間と等しい時間が設定され、上記所定値αとしては「1」が設定される。

0097

そして、このように位置カウンタのカウント値Cpが補正される度に、補正値Kcpが「0」になったか否かが判断される(ステップS219)。
補正値Kcpが「0」でない場合には(ステップS219:NO)、前記補正実行フラグが「オン」操作される(ステップS220)。したがって、この場合には(図9のステップS201:NO)、位置カウンタのカウント値Cpを補正する処理(図10のステップS211〜S218)が繰り返し実行される。

0098

また、この場合には判定禁止フラグが「オン」操作される(ステップS221)。この判定禁止フラグは、これが「オン」操作されることによって前述した異常判定の実行が禁止されるようになるフラグである。したがって、この場合には異常判定の実行が禁止される。

0099

その後において本処理が繰り返し実行されて、補正値Kcpが「0」になると(ステップS219:YES)、補正実行フラグが「オフ」操作される(ステップS222)。そして、この場合にはステップS202〜S210の処理を通じて新たに設定される補正値Kcpが「0」でなくなるまでの間(ステップS211:NO且つステップS215:NO)、位置カウンタのカウント値Cpを補正する処理(ステップS212〜S214,ステップS216〜S218)が実行されない。

0100

また、この場合には判定禁止フラグが「オフ」操作され(ステップS223)、その後において異常判定の実行が許可される。
以下、上述した補正処理の処理態様について、図11を参照して具体的に説明する。

0101

なお図11は補正処理の処理態様の一例を示すタイミングチャートである。同図11において、(a)および(b)は各位置センサS4,S5の出力信号の推移を示し、(c)は電気角カウンタのカウント値Ceの推移を示し、(d)はブラシレスモータ25の正回転中における位置カウンタのカウント値Cpの推移を示し、(e)は同逆回転中における位置カウンタのカウント値Cpの推移を示している。

0102

先ず、ブラシレスモータ25の正回転中において、位置センサS4(同図(a))の検出信号にノイズが侵入すると(タイミングT23〜T25)、直後に電気角カウンタのカウント値Ce(同図(c))が変化したときに(タイミングT26)、上述したずれ量「J−(Cpt−Cpl)=4」が補正値Kcpとして設定される。

0103

そして、補正値Kcpの分だけ位置カウンタのカウント値Cpを補正するべく、同カウント値Cpに所定期間Tkおきに所定値αが加算される。こうして所定値αが加算される度に、位置カウンタのカウント値Cp(同図(d)に二点差線で示す値)がブラシレスモータ25の実際の回転角に対応する値(同図(d)に実線で示す値)に徐々に近づいてゆく。

0104

そうしたカウント値Cpの補正が、位置カウンタのカウント値Cpに加算した所定値αの合計値が補正値Kcpの絶対値と等しくなるまでの間(タイミングT26〜T27)、繰り返し実行される。そして、上記合計値が補正値Kcpの絶対値と等しくなったときに(タイミングT27)、位置カウンタのカウント値Cpがブラシレスモータ25の実際の回転角に対応する値と等しくなる。

0105

一方、ブラシレスモータ25の逆回転中において、位置センサS4(同図(a))の検出信号にノイズが侵入すると(タイミングT25〜T23)、直後に電気角カウンタのカウント値Ce(同図(c))が変化したときに(タイミングT22)、上述したずれ量「J−(Cpt−Cpl)=−4」が補正値Kcpとして設定される。

0106

そして、補正値Kcpの分だけ位置カウンタのカウント値Cpを補正するべく、同カウント値Cpから所定期間Tkおきに所定値αが減算される。こうして所定値αが減算される度に、位置カウンタのカウント値Cp(同図(e)に二点差線で示す値)がブラシレスモータ25の実際の回転角に対応する値(同図(e)に実線で示す値)に徐々に近づいてゆく。

0107

そうしたカウント値Cpの補正が、位置カウンタのカウント値Cpから減算した所定値αの合計値が補正値Kcpの絶対値と等しくなるまでの間(タイミングT22〜T21)、繰り返し実行される。そして、上記合計値が補正値Kcpの絶対値と等しくなったときに(タイミングT21)、位置カウンタのカウント値Cpがブラシレスモータ25の実際の回転角に対応する値と等しくなる。

0108

このように本実施の形態にかかる補正処理を実行することにより、検出回転角MAと実際の回転角とが一致しなくなった場合であっても、その不一致が検出回転角MA(正確には、位置カウンタのカウント値Cp)の補正を通じて解消される。そのため、検出回転角MAが実際の回転角からずれることに起因するブラシレスモータ25の制御精度の低下や、可変動弁機構14の制御精度の低下を抑制することができる。

0109

また、検出回転角MAが徐々に変化するように同検出回転角MA(正確には、位置カウンタのカウント値Cp)が補正されるため、その補正に伴うブラシレスモータ25の回転トルクの急変を回避することができ、内燃機関1の吸入空気量が急変してトルクショックが生じることを抑制することができる。

0110

また、検出回転角MAと実際の回転角とが一致していないことが判明してから(補正値Kcp≠「0」)、それら検出回転角MAと実際の回転角とが一致するようになるまでの期間(正回転中のタイミングT26〜T27、逆回転中のタイミングT22〜T21)、異常判定の実行が禁止される。そのため上記期間にあっては、たとえ前述した(条件1)〜(条件3)が全て満たされる状況になってもモータロック状態であるとの判定がなされなくなり、モータロック状態の誤検出を的確に抑制することができる。

0111

以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)検出回転角MAと実際の回転角とが不一致であると判定されるときに、それら回転角を一致させるべく位置カウンタのカウント値Cpを補正するとともに、その補正を通じて検出回転角MAと実際の回転角とが一致するまでの期間、モータロック状態の発生の有無を判定する異常判定の実行を禁止するようにした。そのため、検出回転角MAが実際の回転角からずれることに起因するブラシレスモータ25の回転角の制御精度の低下や可変動弁機構14の制御精度の低下を抑制するとともに、モータロック状態の誤判定を的確に抑制することができる。

0112

(2)複数の電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジ発生毎に前回のエッジ発生時における位置カウンタのカウント値Cplと今回のエッジ発生時における位置カウンタのカウント値Cptとの差ΔCpを求め、この差ΔCpがその正常値Jと異なることをもって、検出回転角MAと実際の回転角とが不一致であると判定することができる。しかも、上記差ΔCpを、これを求めるための新たなセンサ等を追加することなく、駆動用としてブラシレスモータ25に取り付けられている電気角センサS1〜S3を用いて求めることができる。

0113

(3)上記差ΔCpの正常値Jからのずれ量の分だけ位置カウンタのカウント値Cpを補正するようにしたために、位置カウンタのカウント値Cpの上記ブラシレスモータ25の実際の回転角に対応する値からのずれを的確に補正することができ、検出回転角MAの上記実際の回転角からのずれを的確に補正することができる。

0114

(4)検出回転角MAが実際の回転角へと徐々に移行するように位置カウンタのカウント値Cpが補正されるために、モータロック状態と誤判定される可能性が高い装置にあって、その誤判定を的確に抑制することができる。

0115

なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・動作不良状態である旨を判定するための条件は、例えば検出回転角MAと目標回転角TMAとの偏差が所定値以上の状態が所定期間継続されていることといった条件を採用するなど、検出回転角MAと目標回転角TMAとが一致しない状況において同検出回転角MAが殆ど変化しない状態であることを判定可能な条件であれば、適宜変更可能である。

0116

・ブラシレスモータ25の実際の回転角と検出回転角MAとの一致の有無を判定する方法は、前記差ΔCpと正常値Jとが一致しないことをもって判定する手法に限らず、任意に変更可能である。

0117

例えば、前回のエッジ発生時におけるカウント値Cplと今回のエッジ発生時におけるカウント値Cptとの比(Cpl/Cpt、あるいはCpt/Cpl)を算出し、その比が正常時における比と異なることをもって、検出回転角MAと実際の回転角とが不一致であると判定するようにしてもよい。このように各カウント値Cpl、Cptの実関係を求めるとともに、該求めた実関係と正常な関係とを比較することによって、検出回転角MAと実際の回転角との一致の有無を判定することができる。

0118

・補正処理は、検出回転角MAと実際の回転角とが不一致であると判定されてからそれら検出回転角MAと実際の回転角とが一致するようになるまでにタイムラグがある処理であれば、任意に変更可能である。そうした補正処理としては、例えば前記学習値Prを学習する処理を採用することができる。また、そうしたタイムラグのある処理であれば、検出回転角MAと実際の回転角とのずれ分を解消するための補正が一時に行われる補正処理を実行するようにしてもよい。

0119

・本発明は、位置検出系への電力供給がごく短い時間停止される現象、いわゆる瞬断現象が発生して検出回転角が実際の回転角からずれた場合に、これを補正する補正処理を実行する装置にも適用することができる。なお同構成にあっては、瞬断現象が発生したことをもって検出回転角と実際の回転角とが不一致であると判定するようにしてもよい。

0120

通常、電子制御装置によって演算された値は揮発性のメモリに記憶されているため、瞬断現象が発生すると、そうした演算値である位置カウンタのカウント値は消失し、これによって検出回転角が実際の回転角からずれてしまう。そうした場合であっても、ブラシレスモータの限界回転角における位置カウンタのカウント値を学習することにより、検出回転角と実際の回転角とが一致するように同検出回転角を補正することができる。また、こうした装置にあって、検出回転角と実際の回転角とが不一致であると判定されてからそれら回転角が一致するまでの間(例えば、瞬断現象が発生してから上記学習が完了するまでの間)、異常判定の実行を禁止することにより、動作不良状態の誤判定を的確に抑制することができる。

0121

・本発明は、例えばステッピングモータの駆動を制御するモータ制御装置など、ブラシレスモータ以外の電動の回転機の駆動を制御するモータ制御装置にも適用することができる。

0122

・本発明は、排気バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁機構を備えた内燃機関にあって、同可変動弁機構の駆動に用いられる電動回転機の回転を制御するモータ制御装置にも適用することができる。

0123

・本発明にかかるモータ制御装置は、機関バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁機構の駆動に用いられる電動回転機以外の電動回転機にも適用することができる。そうした電動回転機としては例えば、排気通路と吸気通路とを繋ぐ連通路の途中に設けられた流路調節弁の駆動制御を通じて同排気通路から吸気通路へと排気再循環させる排気再循環機構を備えた内燃機関にあって、同流路調節弁の駆動制御に用いられる電動回転機などが挙げられる。

0124

・本発明は、電動の回転機の駆動を制御するモータ制御装置に限らず、油圧駆動式の回転機の駆動を制御するモータ制御装置にも適用することができる。また、回転機の駆動を制御するモータ制御装置に限らず、可動部が直線運動するモータの駆動を制御するモータ制御装置にも、本発明は適用可能である。

図面の簡単な説明

0125

本発明を具体化した一実施の形態にかかるモータ制御装置が適用される内燃機関のシリンダヘッド周りの断面構造を示す断面図。
同実施の形態の可変動弁機構を駆動する駆動機構およびその駆動機構の駆動を制御する制御装置を示す略図。
(a)〜(h)各種センサの出力信号の推移およびそれら出力信号の変化に応じて変更される各種カウンタのカウント値の推移を示すタイミングチャート。
カウント処理の具体的な理手順を示すフローチャート。
(a)電気角カウンタのカウント値と各電気角センサからのパルス信号の出力パターンとの関係を示す表、(b)位置カウンタのカウント値と各位置センサからの出力パターンとの関係を示す表。
(a)〜(e)ノイズ発生時における位置カウンタのカウント値の推移の一例を示すタイミングチャート。
(a)および(b)図6のタイミングT12,T13,T14での位置センサからの信号に応じた位置カウンタのカウンタ値の加減算態様を示す表。
電気角カウンタのカウント値の変化方向とブラシレスモータの回転状態との関係を示す表。
補正処理の具体的な処理手順を示すフローチャート。
補正処理の具体的な処理手順を示すフローチャート。
(a)〜(e)補正処理の処理態様の一例を示すタイミングチャート。

符号の説明

0126

1…内燃機関、2…シリンダヘッド、3…シリンダブロック、5…ピストン、6…燃焼室、7…吸気通路、8…排気通路、9…吸気バルブ、10…排気バルブ、11…吸気カムシャフト、11a…吸気カム、12…排気カムシャフト、12a…排気カム、14…可変動弁機構、15…ロッカシャフト、16…コントロールシャフト、17…入力アーム、18…出力アーム、20…スプリング、21…ロッカアーム、22…ラッシュアジャスタ、24…バルブスプリング、25…ブラシレスモータ、26…変換機構、27,28…ストッパ部材、30…電子制御装置、30a…不揮発性メモリ、31…アクセルポジションセンサ、32…回転速度センサ、33…イグニッションスイッチ、S1,S2,S3…電気角センサ、S4,S5…位置センサ。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ