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図面 (9)

課題

加速の要求がある運転モードにある間の車両減速後の再加速時の応答遅れを、エンジン出力特性を変更することにより防止する。

解決手段

運転モードが再加速対応モードである間、アクセル開度APOをt1に低下させ、t2より再び増大させる場合、車両の減速後の再加速時に駆動力を増加させるようt1からt2までのアクセル開度低下状態のもとで、エンジン出力特性を変更し、再加速時t2の応答性を高める。

概要

背景

無段変速機を含む自動変速機は通常、エンジン負荷を代表するアクセル開度スロットル開度と、車速とから、所定のマップをもとに、目標となる変速機入力回転数目標変速段を決定し、変速機入力回転数や選択変速段がこれら目標となる変速機入力回転数や目標変速段となるよう変速させるのが普通である。

しかしかかる変速制御にあっては、変速制御が上記の所定マップにより一義的に決まってしまい、道路条件や好みに応じて様々に変化する運転傾向の全てに好ましい変速制御ではあり得ない。
例えばきびきび感のあるスポティー走行好む場合は、ロー側変速比となることが好ましく、また、山道などでの連続湾曲路を走行する時も、頻繁に変速を繰り返すよりもロー側変速比を保つことが好ましい。

そこで従来、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているように、アクセル開度やその変化速度、車速や車体前後加速度ブレーキ操作操舵角や車体への横加速度、車体へのヨーレートカーナビゲーション(GPS)情報のような車両運転情報に係わるデータを解析して運転者の運転傾向を判定し、この運転傾向に符合した駆動力制御が可能となるような自動変速機の変速制御技術が提案されている。

これらの変速制御技術によれば、運転者の運転傾向が再加速を要求する運転傾向である場合、本来ならハイ側変速比へのアップシフトが行われる高車速、低アクセル開度でのもとでも、次にアクセル開度を増大して行う再加速時における加速性能のためにロー側変速比を保ったり、ロー側変速比へダウンシフトさせたりすることができる。これにより、再加速を要求している運転者の希望を叶えることが可能となる。

例えば、山道などでの連続湾曲路を走行する時は再加速を要求している運転傾向であるとの判定のもと、比較的ロー側の変速比が保たれるように変速制御の変更を行うことで、コーナー手前アクセルペダルからの足放によるアップシフトと、コーナー通過後の踏み込み再加速によるダウンシフトとが繰り返し行われるのを回避し、ロー側変速比のままで連続湾曲路をきびきびと走破し得るようになる。
特開平07−280076号公報
特開平07−243516号公報

概要

再加速の要求がある運転モードにある間の車両減速後の再加速時の応答遅れを、エンジン出力特性を変更することにより防止する。 運転モードが再加速対応モードである間、アクセル開度APOをt1に低下させ、t2より再び増大させる場合、車両の減速後の再加速時に駆動力を増加させるようt1からt2までのアクセル開度低下状態のもとで、エンジン出力特性を変更し、再加速時t2の応答性を高める。

目的

しかし、自動変速機の変速制御形態を運転者の運転傾向に応じて変化させるという上記の運転傾向適応制御変速機単体で行ったとしても以下の問題が発生する。
すなわち、自動変速機が再加速の要求がある運転傾向に対応した変速制御に変更したとしても、アクセル開度低下状態からアクセル開度を増大させて再加速する状況下において、エンジンはアクセル開度低下に対応した出力特性となるため、アクセル踏み込み時のエンジンの出力応答遅れが大きくなり駆動力不足を生じ、結果として、車両減速後の再加速時の応答遅れが大きくなるという問題を生じる。
本発明は、再加速の要求がある運転傾向にある間エンジンの出力特性を変更することにより上記の問題解決を実現することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

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請求項1

アクセル操作に対するエンジン出力特性を変更可能な出力特性変更手段付きエンジンと、少なくとも再加速対応モードを含む複数の運転モードを、運転者運転情報に基づき判定する運転モード判定手段と、を備え、前記再加速対応モードは、車両の減速後の再加速時に駆動力を増加させるようアクセル開度を増大させるまでの間のアクセル開度低下状態のもとで、前記エンジン出力特性を変更することを特徴とする車両用パワートレーン制御装置

請求項2

請求項1に記載の車両用パワートレーンの制御装置において、前記判定した運転モードに符号した変速制御特性となるよう変速制御特性を変更可能な変速制御特性変更手段付き自動変速機を有し、前記再加速対応モードは、前記変速制御特性変更手段が変速制御特性を再加速対応モード用の変速制御特性に変更する場合にアクセル開度を増大させるまでの間のアクセル開度低下状態のもとで、前記エンジン出力特性を変更することを特徴とする車両用パワートレーンの制御装置。

請求項3

請求項1または2に記載の車両用パワートレーンの制御装置において、前記再加速対応モードは、アクセル開度低下状態のもとで、フューエルカット禁止することを特徴とする車両用パワートレーンの制御装置。

請求項4

請求項1または2に記載の車両用パワートレーンの制御装置において、前記エンジンは、吸排気弁弁リフト量および開閉タイミング制御によって出力を加減し得る可変動弁機構を有し、前記再加速対応モードは、アクセル開度低下状態のもとで、スロットル開度を開いて前記吸排気弁の弁リフト量および開閉タイミング制御のみにより出力を加減することを特徴とする車両用パワートレーンの制御装置。

請求項5

請求項2に記載の車両用パワートレーンの制御装置において、前記変速制御特性変更手段は、再加速対応モードでの変速制御特性を、アクセル開度低下状態のもとでロー側変速比変速させるものであり、前記再加速対応モードは、エンジン回転数を前記ロー側変速比への変速後のエンジン回転数へ向け上昇させるためのエンジントルク増大の量を、運転モードが再加速対応モードと異なる運転モードである場合よりも大きくすることを特徴とする車両用パワートレーンの制御装置。

請求項6

請求項1に記載の車両用パワートレーンの制御装置において、前記運転モード判定手段は、所定の走行期間において、アクセルおよびブレーキを踏み込んだり戻したりする操作量が所定量以上で、かつ、コーナーの通過速度が所定速度以上の運転傾向にあるとき、運転モードを前記再加速対応モードと判定することを特徴とする車両用パワートレーンの制御装置。

請求項7

請求項2に記載の車両用パワートレーンの制御装置において、前記判定した運転モードが再加速対応モードである間、前記変速制御特性変更手段は、車両減速度設定値以上のとき、変速制御特性をロー側変速比へ変速する変速制御特性に変更することを特徴とする車両用パワートレーンの制御装置。

請求項8

請求項2に記載の車両用パワートレーンの制御装置において、前記運転モード判定手段が判定した運転モードが再加速対応モードである間、前記変速制御特性変更手段は、車両減速度が設定値未満の場合に、車両がコーナーを走行しているときもしくはアクセル開度の低下速度設定速度以上のアクセル急戻し操作が行われたとき、変速制御特性をロー側変速比を維持する変速制御特性に変更することを特徴とする車両用パワートレーンの制御装置。

技術分野

0001

本発明は、車両用パワートレーン制御装置に関し、特に、車両情報から判定した運転モードに符号するよう車両用パワートレーンの制御を行う車両用パワートレーンの制御装置に関するものである。

背景技術

0002

無段変速機を含む自動変速機は通常、エンジン負荷を代表するアクセル開度スロットル開度と、車速とから、所定のマップをもとに、目標となる変速機入力回転数目標変速段を決定し、変速機入力回転数や選択変速段がこれら目標となる変速機入力回転数や目標変速段となるよう変速させるのが普通である。

0003

しかしかかる変速制御にあっては、変速制御が上記の所定マップにより一義的に決まってしまい、道路条件や好みに応じて様々に変化する運転傾向の全てに好ましい変速制御ではあり得ない。
例えばきびきび感のあるスポティー走行好む場合は、ロー側変速比となることが好ましく、また、山道などでの連続湾曲路を走行する時も、頻繁に変速を繰り返すよりもロー側変速比を保つことが好ましい。

0004

そこで従来、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているように、アクセル開度やその変化速度、車速や車体前後加速度ブレーキ操作操舵角や車体への横加速度、車体へのヨーレートカーナビゲーション(GPS)情報のような車両運転情報に係わるデータを解析して運転者の運転傾向を判定し、この運転傾向に符合した駆動力制御が可能となるような自動変速機の変速制御技術が提案されている。

0005

これらの変速制御技術によれば、運転者の運転傾向が再加速を要求する運転傾向である場合、本来ならハイ側変速比へのアップシフトが行われる高車速、低アクセル開度でのもとでも、次にアクセル開度を増大して行う再加速時における加速性能のためにロー側変速比を保ったり、ロー側変速比へダウンシフトさせたりすることができる。これにより、再加速を要求している運転者の希望を叶えることが可能となる。

0006

例えば、山道などでの連続湾曲路を走行する時は再加速を要求している運転傾向であるとの判定のもと、比較的ロー側の変速比が保たれるように変速制御の変更を行うことで、コーナー手前アクセルペダルからの足放によるアップシフトと、コーナー通過後の踏み込み再加速によるダウンシフトとが繰り返し行われるのを回避し、ロー側変速比のままで連続湾曲路をきびきびと走破し得るようになる。
特開平07−280076号公報
特開平07−243516号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、自動変速機の変速制御形態を運転者の運転傾向に応じて変化させるという上記の運転傾向適応制御変速機単体で行ったとしても以下の問題が発生する。
すなわち、自動変速機が再加速の要求がある運転傾向に対応した変速制御に変更したとしても、アクセル開度低下状態からアクセル開度を増大させて再加速する状況下において、エンジンはアクセル開度低下に対応した出力特性となるため、アクセル踏み込み時のエンジンの出力応答遅れが大きくなり駆動力不足を生じ、結果として、車両減速後の再加速時の応答遅れが大きくなるという問題を生じる。
本発明は、再加速の要求がある運転傾向にある間エンジンの出力特性を変更することにより上記の問題解決を実現することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

この目的のため、本発明による車両用パワートレーンの制御装置は、請求項1に記載のごとくに構成する。
先ずパワートレーンを説明するに、これは、アクセル操作に対するエンジン出力特性を変更可能な出力特性変更手段付きエンジンを備えるものである。

0009

本発明は、かかる車両用パワートレーンにおいて、
少なくとも再加速対応モードを含む複数の運転モードを、運転者の運転情報に基づき判定する運転モード判定手段を備え、再加速対応モードでは、車両の減速後の再加速時に駆動力を増加させるようアクセル開度を増大させるまでの間のアクセル開度低下状態のもとで、エンジン出力特性を変更するよう構成したものである。

発明の効果

0010

かかる本発明による車両用パワートレーンの制御装置では、
再加速対応モードが、車両の減速後の再加速時に駆動力を増加させるようアクセル開度を増大させるまでの間のアクセル開度低下状態のもとで、エンジン出力特性を変更するから、アクセル再踏み込み時の駆動力を増加させて車両減速後の再加速時の応答性を高めることができる。

発明を実施するための最良の形態

0011

以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になる制御装置を具えた車両用パワートレーン、および、その制御系を示す概略システム図で、1はエンジン、2は無段式もしくは有段式の自動変速機を示す。

0012

エンジン1は、吸気管3内にスロットルバルブ4および気筒ごとの燃料噴射弁5を具え、スロットルバルブ4を開度制御することでエンジン吸気量が決定され、この吸気量に合わせて燃料噴射弁5の開度制御により燃料噴射量が決定される。これらの混合気を図示せざる点火プラグにより点火させてエンジン1の運転を行う。
自動変速機2は、コントロールバルブボディー6を具え、その内部に組み込んだ変速制御回路により選択変速段(有段式自動変速機)や変速比(無段変速機)が決定され、エンジン1からの回転をこれら変速段や変速比に応じ変速して、図示せざる駆動車輪に伝達する。

0013

スロットルバルブ4、燃料噴射弁5、および図示せざる点火プラグを介したエンジン1の制御は、エンジンコントローラ7でこれを実行し、コントロールバルブボディー6を介した自動変速機2の変速制御は、変速機コントローラ8によりこれを行う。
そして、これらコントローラ7,8は両者間で演算結果や入力情報共有するものとし、両者に共通な入力情報として、スロットルバルブ4のスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ9からの信号と、運転者がエンジン出力要求値指令するためのアクセルペダル10の踏み込み量(アクセル開度APO)を検出するアクセル開度センサ11からの信号と、エンジン1の回転数Neを検出するエンジン回転センサ12からの信号と、車速VSPを検出する車速センサ13からの信号とを入力する。そのほかに、運転者の運転モードを判定するのに用いる車体前後加速度Gxや、ブレーキ操作や、操舵角や、車体横加速度Gyや、ヨーレートφや、カーナビゲーション(GPS)情報のような車両運転状態に係わるデータを検出するための車両運転状態センサ群14からの信号を入力する。

0014

ここで自動変速機2の変速制御について補足するに、変速機コントローラ8は、エンジン負荷を代表するアクセル開度APOやスロットル開度TVOと、車速VSPとから、所定の変速マップをもとに、運転状態に適切な目標変速段や変速機入力回転数を決定し、選択変速段や変速機入力回転数がこれら決定した目標のものとなるよう、コントロールバルブボディー6を介して自動変速機2を変速させる。

0015

他方で変速機コントローラ8は、上記のような通常の変速制御のほかに、アクセル開度APOやその変化速度、車速VSPや車体前後加速度Gx、ブレーキ操作、操舵角、車体横加速度Gy、ヨーレートφ、カーナビゲーション(GPS)情報などの車両運転状態に係わるデータを解析して運転者の運転モード(再加速対応モード、燃費モード)を判定し、この判定結果をエンジンコントローラ7に送信すると共に、当該判定した運転モードに符合する駆動力特性となるよう自動変速機の変速制御特性を、上記のような通常の変速制御特性と異ならせることをも行う。

0016

かかる運転モード適応変速制御としては、再加速対応モードの運転モードである場合、本来ならハイ側変速比へのアップシフトが行われる高車速、低アクセル開度での走行中でも、次にアクセル開度を増大して行う再加速時の加速性能のためにロー側変速比を保ったり、ロー側変速比へダウンシフトさせるといった変速制御特性の変更がある。これによれば、再加速対応モードの運転モードにより素早い再加速を要求している運転者の希望を叶えることが可能となる。

0017

例えば、山道などでの連続湾曲路を走行する時は再加速対応モードの運転モードであるとの判定のもと、比較的ロー側の変速比が保たれるように変速制御特性の変更を行うことで、コーナー手前のアクセルペダルからの足放によるアップシフトと、コーナー通過後の踏み込み再加速によるダウンシフトとが繰り返し行われるのを回避し、ロー側変速比のままで連続湾曲路をきびきびと走破することができるようになる。

0018

上記のように運転モード適応制御を自動変速機単体で行う場合、前述した問題を生ずるため、これらの問題が解消されるよう、本実施例においてはエンジンコントローラ7が運転モードに関する情報を得て、図2のステップS9に示す制御を行うようにする。
先ず変速機コントローラ8による演算処理を説明するに、ステップS1では車速VSP、アクセル開度APO、ブレーキ操作の仕方、横加速度Gyなどの運転情報のデータを解析して運転者の走行履歴に基づいて運転者の運転モードを判定する。
運転情報のデータ解析は、所定の走行期間(例えば30秒間)において、アクセル開度APOおよびブレーキ操作の仕方からアクセルおよびブレーキを踏み込んだり戻したりする操作量、すなわち加減速操作量のデータの取得と、横加速度Gyからコーナー走行か否かの情報を得てコーナー走行時の車速データを取得することにより行われる。これら加減速操作量とコーナー通過速度に基づき運転者の運転モードを判定する。加減速操作量が所定量以上の大きな値であり、コーナーの通過速度が所定車速以上の高い走行であれば再加速対応モードと判定し、逆に加減速操作量が所定量より小さくコーナーの通過速度が所定車速よりも低い走行であれば燃費モードと判定する。

0019

ステップS2においては、上記の判定結果から運転モードは、再加速対応モードであるか、それとも燃費モードであるかを判定する。
再加速対応モードの運転モードであれば、ステップS3において、再加速対応モードの変速制御特性に変更すべきか否かの判定を行う。

0020

この判定に当たっては、先ずステップS4において、車両減速度Gxが設定値以上の大きなものであるか否かを判定する。この判定は、減速後の踏み込み再加速時に備えて行うものである。例えば、コーナー手前の減速からコーナー通過後の踏み込み再加速の応答性が求められる山道などの連続湾曲路を走行中、コーナー手前にさしかかったとき運転者はブレーキを踏み込むため車両減速度Gxは設定値以上の大きなものとなる。車両減速度Gxが大きいと判定されたときは、本発明における変速制御特性変更手段に相当するステップS5において、ロー側変速比へ変速する指令をコントロールバルブボディー6へ出力し、後述するステップS9でエンジン出力特性変更制御を行う。これによりコーナー手前での減速からコーナー通過後の踏み込み再加速の応答性を高めることができる。
車両減速度Gxが小さいときは、ステップS6において、コーナー走行中もしくはアクセル開度APOの低下速度設定速度以上のアクセル急戻し操作(アクセル開度APOの急低下)が行われたかどうかをチェックし、コーナー走行中もしくはアクセル開度APOの急低下と判定するときは、本発明における変速制御特性変更手段に相当するステップS7においてロー側変速比を維持する指令をコントロールバルブボディー6へ出力し、後述するステップS9でエンジン出力特性変更制御を行う。

0021

これにより、素早い再加速を要求している再加速対応モードの運転モードの時に運転者の希望を叶えることができると共に、さらに連続湾曲路を走行する時、コーナー手前のアクセルペダルからの足放によるアップシフトと、コーナー通過後の踏み込み再加速によるダウンシフトとが繰り返し行われるのを回避して、ロー側変速比のままで連続湾曲路をきびきびと走破することができる。

0022

しかし、ステップS2で燃費モードの運転モードと判定したり、ステップS6でコーナー走行中もしくはアクセル開度APOの急低下と判定しない時は、制御をそのまま終了して上記した再加速対応モードの制御を行わず、前記した変速マップに基づく通常の制御を遂行する。

0023

ステップS5およびステップS7を実行した後はステップS8において、再加速対応モードの運転モードであることの情報を変速機コントローラ8からエンジンコントローラ7へ送信する。
エンジンコントローラ7は、かかる再加速対応モードの運転モードであるとの情報を受けたとき、ステップS9において、アクセル開度APOを低下させた後再び開度増大させる再加速時の駆動力を増加させるようアクセル開度を増大させるまでの当該アクセル開度低下状態のもとで、エンジン出力特性を以下に詳述するごとくに変更する。
従ってステップS9は、本発明における再加速対応モードのエンジン出力特性変更制御に相当する。

0024

ステップS9で行う再加速対応モードのエンジン出力特性変更制御を以下に詳述する。
まず、フューエルカット装置付きエンジンにおける再加速対応モードのエンジン出力特性変更制御について説明する。
今日の殆どのエンジンで燃費対策のために採用されているが、アクセル開度を全閉付近まで低くした状態ではエンジンからの出力が要求されていないことからエンジンへの燃料供給中止するフューエルカット装置がある。
このフューエルカット装置は、燃料供給中止を或るエンジン回転数未満になるまで継続すると、燃料供給を再開してもエンジンが自立運転不能になるため、設定エンジン回転数まで低下したら、たとえ上記アクセル開度低下状態が続いていてもフューエルリカバーにより燃料供給を再開させるものである。

0025

かかるフューエルカット装置付きエンジンを備えた車両用パワートレーンにあって、運転モード適応制御を変速機単体で行うと、以下のような問題が発生する。
運転モードが再加速対応モードのものである間に図5のごとくアクセル開度APOを瞬時t1に低下させ、瞬時t2より再び開度増大させる場合につき説明すると、自動変速機は瞬時t1におけるアクセル開度APOの低下によっても再加速時の応答性能重視してロー側変速比選択傾向となるような変速制御特性にされる。

0026

かかるロー側変速比選択傾向によりエンジン回転数が高めにされることから、また、アクセル開度APOが低下状態であることによって、エンジンは波線で示す空燃費時系列変化から明らかなようにフューエルカットされ、エンジントルクTeが波線で示すように一旦負トルクとなる。
そして、瞬時t2にアクセル開度APOの増大により再加速を行うと、エンジンはフューエルカット状態からフューエルリカバーされ、エンジントルクTeが負トルクから正トルクへと極性変化する。

0027

かかる極性変化のため再加速瞬時t2の前後におけるエンジントルクTeの段差が大きくなること、また、エンジンがフューエルカット状態からフューエルリカバーされてエンジントルクTeが負トルクから正トルクになるまでの応答遅れが不可避であること、更に、伝動系における要素間隙間であるバックラッシュが波線で示すように負トルク側から正トルク側へと反転して正トルク伝達開始までの無駄時間も不可避であることを原因として、再加速操作開始時t2から、実際にエンジントルクTeが増大後のアクセル開度APOに対応したトルク値に至る瞬時t4までの時間Δt2が長くなる。
このため、自動変速機が再加速対応モードの運転モードに呼応してロー側変速比選択モードにされていても、再加速操作開始時t2以後における車速VSPの波線で示す経時変化から明らかなように、再加速応答遅れが大きくなるという問題を生ずる。

0028

先ずエンジン1が、図5につき前述したようなフューエルカット装置付きエンジンであって、自動変速機2のみに対し上記ステップS5またはステップS7での変速制御特性変更制御(運転モード適応制御)を行った場合に発生する、図5につき前述した問題を解消するための再加速対応モードのエンジン出力特性変更制御を説明する。

0029

この時のエンジン出力特性変更制御は図3に示すごときもので、先ずステップS11において、変速機コントローラ8からの変速機情報をもとに、図2のステップS5(ロー側変速比への変速)またはステップS7(ロー側変速比の維持)での変速制御特性の変更(ロー側変速比の選択傾向)が行われているか否かをチェックする。
これが行われていなければ、つまり図2から明らかなように、運転モードが燃費モードである時や(ステップS2)、運転モードが再加速対応モードであっても変速制御特性の変更を行うべきでない時は(ステップS4、ステップS6)、ステップS12において、図4(a)に例示する通常時のフューエルカット制御マップをもとにエンジン回転数Neおよびアクセル開度APOから、フューエルカット域か否かを判定する。

0030

通常時のフューエルカット域は図4(a)に示すように、アクセル開度APOが全閉近くの小さな状態で、且つ、フューエルリカバー回転数Ne1を越えている領域とし、
アクセル開度APOを全閉近くに低下させている間、エンジン回転数Neがフューエルリカバー回転数Ne1を超えていれば、エンジンコントローラ7が燃料噴射弁5を閉じてエンジン1への燃料噴射を行わないことによりフューエルカットを行う。
そしてエンジンコントローラ7は、アクセル開度APOが全閉近くに低下していても、エンジン回転数Neがフューエルリカバー回転数Ne1まで低下したら、エンジンストール防止のために燃料噴射弁5を開いてエンジン1への燃料噴射を再開させることによりフューエルリカバーを行う。

0031

次のステップS13においては、ステップS12での判定結果が図4(a)のフューエルカット域か否かをチェックし、フューエルカット域であれば、ステップS14において上記のフューエルカットを実行し、図4(a)のフューエルカット域でなくフューエルリカバー域であれば、ステップS15において上記のフューエルリカバーを実行する。

0032

図3のステップS11で、図2のステップS5またはステップS7による変速制御特性の変更(ロー側変速比の選択傾向)が行われていると判定するときは、つまり図2から明らかなように、運転モードが再加速対応モードであり(ステップS2)、且つ、ステップS7での変速制御特性の変更を行うべきである時は(ステップS4、ステップS6)、ステップS16において、図4(b)に例示する再加速対応モード時のフューエルカット制御マップをもとにエンジン回転数Neおよびアクセル開度APOから、フューエルカット域か否かを判定する。

0033

再加速対応モード時のフューエルカット域は図4(b)に示すように、図4(a)に示す通常時のフューエルカット制御マップにおけるフューエルカット域にフューエルカット禁止域を設定して、エンジン回転数Ne≧Ne2の高回転域に限った領域とし、
アクセル開度APOを全閉近くに低下させている間、エンジン回転数Neが高い設定回転数Ne2以上であれば、エンジンコントローラ7が燃料噴射弁5を閉じてエンジン1への燃料噴射を行わないことによりフューエルカットを行う。
そしてエンジンコントローラ7は、アクセル開度APOが全閉近くに低下していても、エンジン回転数Neが高い設定回転数Ne2未満であれば、本発明の以下に説明する作用効果を達成するために、燃料噴射弁5を開いてエンジン1への燃料噴射を再開させることによりフューエルリカバーを行う。

0034

次のステップS13においては、ステップS16での判定結果が図4(b)のフューエルカット域か否かをチェックし、フューエルカット域であれば、ステップS14において上記のフューエルカットを実行し、図4(b)のフューエルカット域でなくフューエルリカバー域またはフューエルカット禁止域であれば、ステップS15において上記のフューエルリカバーを実行する。

0035

かかる再加速対応モード時の図4(b)に基づくフューエルカット制御によれば、図5につき前述した問題を以下のように解消することができる。
図5は、運転モードが再加速対応モードのものであり、且つ、図2のステップS5またはステップS7における変速制御特性の変更(ロー側変速比の選択傾向)を行う間に、アクセル開度APOを瞬時t1に低下させ、瞬時t2より再び開度増大させる時の動作タイムチャートで、自動変速機は瞬時t1におけるアクセル開度APOの低下によっても再加速時の再加応答性能を重視してロー側変速比選択傾向となるような変速制御特性にされる。

0036

かかるロー側変速比選択傾向によりエンジン回転数が高めにされる(Ne>Ne1)ことから、また、アクセル開度APOが低下状態であることにより、通常なら図4(a)から明らかなようにフューエルカットが実行されて空燃費が図5の波線で示すようなものとなり、エンジントルクTeが波線で示すように一旦負トルクになると共に、バックラッシュも負トルク側のバックラッシュになる。
しかし本実施例によれば、このような場合は図4(b)のマップに基づくフューエルカット制御に切り替わることから、同図のフューエルカット禁止域におけるフューエルカットの禁止により、図5のアクセル開度低下時t1以後もフューエルカットが行われることがない。

0037

このため、空燃費が図5のアクセル開度低下時t1以後も実線で示すように低下されず、それまでと同じに保たれ、従って、エンジントルクTeが実線で示すように正トルクを維持すると共に、伝動系における要素間隙間であるバックラッシュも正トルク側のバックラッシュを維持する。
よって、アクセル開度APOの増大により再加速を行う瞬時t2の前後でエンジンは燃料を供給され続けることとなり、エンジントルクTeは瞬時t2の前後でも正トルクに維持される。

0038

これにより再加速瞬時t2の前後におけるエンジントルクTeの段差が小さくなること、また、エンジントルクTeが上記の通り再加速瞬時t2の前後で正トルクを維持するためその極性変化に伴う応答遅れを回避し得ること、更に、バックラッシュも図5に実線で示すように正ルク側のバックラッシュを維持するためその反転に伴うトルク伝達開始までの無駄時間も回避し得ることを原因として、
再加速操作開始時t2から、実際にエンジントルクTeが増大後のアクセル開度APOに対応したトルク値に至る瞬時t3までの時間Δt1を従来のΔt2よりも短縮することができる。
このため、自動変速機が再加速対応モードの運転モードに対応してロー側変速比選択傾向にされる(図2のステップS5またはステップS7)こととも相まって、再加速操作開始時t2以後における車速VSPの実線で示す経時変化から明らかなように、再加速応答遅れを小さくすることができる。
なお、今回の説明においては、フューエルカット装置付きエンジンにおける再加速対応モードのエンジン出力特性変更制御を図2のステップS5またはステップS7の変速制御特性の変更を行った場合の例を示したが、変速制御特性変更手段を備えていない車両用パワートレーンにおいても、アクセル開度低下状態でエンジン回転数が高めにされる状況は当然考えられるため、上記のフューエルカット装置付きエンジンにおける再加速対応モードのエンジン出力特性変更制御を適用することができることはいうまでもない。

0039

次に、排気管内燃焼式ターボ過給器付きエンジンにおける図2のステップS9で行う再加速対応モードのエンジン出力特性変更制御について説明する。
特開平5−321804号公報に記載されているごとく、エンジンの排気エネルギーを利用してエンジンへの吸気を過給下に行うターボ過給器付きエンジンにおいて、再加速時における所謂ターボラグと称せられる過給応答遅れを解消するため、再加速前のアクセル開度低下によりエンジン排気管内圧が低くなっている状態で、燃料と空気との未燃混合気を排気管内に供給して燃焼させるミスファイアリングにより排気管内圧を高め、これにより再加速時にターボ過給が速やかに行われるようにしたものもある。

0040

かかる排気管内燃焼式ターボ過給器および前記フューエルカット装置を具えたエンジンと、上記運転モード適応型自動変速機との組み合わせになる車両用パワートレーンにあって、運転モード適応制御を変速機単体で行うと、以下のような問題が発生する。
運転モードが再加速対応モードのものである間に図6のごとくアクセル開度APOを瞬時t1に低下させ、瞬時t2より再び開度増大させる場合につき説明すると、自動変速機は瞬時t1におけるアクセル開度APOの低下によっても再加速時の再加応答性能を重視してロー側変速比選択傾向となるような変速制御特性に変更される。

0041

かかるロー側変速比選択傾向によりエンジン回転数が高めにされることから、また、アクセル開度APOが低下状態であることによって、エンジンはフューエルカットされる。
このフューエルカットは、エンジンへの燃料供給を中止することから、燃料と空気との未燃混合気を排気管内に供給して燃焼させるミスファイアリングを行わせることができなくし、排気管内圧が波線で示すように低下してこれを高めることができない。

0042

従って、再加速時t2にターボ過給を速やかに行わせることができず、エンジントルクTeが波線で示す緩やかな時系列変化をもって上昇することとなる。
このため、再加速操作開始時t2から、実際にエンジントルクTeが増大後のアクセル開度APO対応のトルク値に至る瞬時t4までの時間Δt2が長くなり、自動変速機が再加速対応モードの運転モードに呼応してロー側変速比選択傾向にされていても、再加速操作開始時t2以後における車速VSPの波線で示す経時変化から明らかなように、再加速応答遅れが大きくなるという問題を生ずる。

0043

以下にターボ過給器とフューエルカット装置付きエンジンにおける図2のステップS9で行う再加速対応モードのエンジン出力特性変更制御を説明する。

0044

この時のエンジン出力特性変更制御も、図3につき前述したと同様なもので、図2のステップS5またはステップS7による変速制御特性の変更(ロー側変速比の選択傾向)が行われていなければ図4(a)の通常時フューエルカット制御マップに基づき、また、図2のステップS5またはステップS7による変速制御特性の変更(ロー側変速比の選択傾向)が行われていれば図4(b)の再加速対応モード時フューエルカット制御マップに基づきフューエルカット制御を行う。

0045

かかる再加速対応モード時の図4(b)に基づくフューエルカット制御によれば、図6につき前述した問題を以下のように解消することができる。
図6は、運転モードが再加速対応モードのものであり、且つ、図2のステップS5またはステップS7による変速制御特性の変更(ロー側変速比の選択傾向)を行う間に、アクセル開度APOを瞬時t1に低下させ、瞬時t2より再び開度増大させる時の動作タイムチャートで、自動変速機は瞬時t1におけるアクセル開度APOの低下によっても再加速時の再加速応答性能を重視してロー側変速比選択傾向となるような変速制御特性にされる。

0046

かかるロー側変速比選択傾向によりエンジン回転数が高めにされる(Ne>Ne1)ことから、また、アクセル開度APOが低下状態であることにより、通常なら図4(a)から明らかなようにフューエルカットが実行される。
このフューエルカットは、エンジンへの燃料供給を中止することから、燃料と空気との未燃混合気を排気管内に供給して燃焼させる前記ミスファイアリングを行わせることができなくし、排気管内圧が図6に波線で示すように低下してこれを高めることができない。
従って、再加速時t2にターボ過給を速やかに行わせることができず、エンジントルクTeが図6に波線で示す緩やかな時系列変化をもって上昇することとなる。
このため、再加速操作開始時t2から、実際にエンジントルクTeが増大後のアクセル開度APO対応のトルク値に至る瞬時t4までの時間Δt2が長くなり、自動変速機が再加速対応モードの運転モードに呼応してロー側変速比選択傾向にされていても、再加速操作開始時t2以後における車速VSPの波線で示す経時変化から明らかなように、再加速応答遅れが大きくなるという問題を生ずる。

0047

しかし本実施例によれば、このような場合、図4(b)のマップに基づくフューエルカット制御に切り替わることから、同図のフューエルカット禁止域におけるフューエルカットの禁止により、図5のアクセル開度低下時t1以後もフューエルカットが行われることがない。このため、エンジンへの燃料供給が継続され、燃料と空気との未燃混合気を排気管内に供給して燃焼させるミスファイアリングを行わせることができて、排気管内圧を図6のアクセル開度低下時t1以後も実線で示すように高く保つことができる。
従って、再加速時t2にターボ過給を速やかに行わせることができ、エンジントルクTeを図6に実線で示すごとく速やかに上昇させることができる。
よって、再加速操作開始時t2から、実際にエンジントルクTeが増大後のアクセル開度APO対応のトルク値に至る瞬時t3までの時間Δt1が、従来のΔt2に比べて短縮することができ、自動変速機が再加速対応モードの運転モードに対応してロー側変速比選択傾向にされていることとも相まって、再加速操作開始時t2以後における車速VSPの実線で示す経時変化から明らかなように、再加速応答遅れを改善することができる。
なお、今回の説明においては、排気管内燃焼式ターボ過給器とフューエルカット装置付きエンジンにおける再加速対応モードのエンジン出力特性変更制御を図2のステップS5またはステップS7の変速制御特性の変更を行った場合の例を示したが、変速制御特性変更手段を備えていない車両用パワートレーンにも、アクセル開度低下状態でエンジン回転数が高めにされる状況は当然考えられるため、上記の排気管内燃焼式ターボ過給器とフューエルカット装置付きエンジンにおける再加速対応モードのエンジン出力特性変更制御を適用することができることは言うまでもない。

0048

次に、可変動弁機構付きエンジンにおける図2のステップS9で行う再加速対応モードのエンジン出力特性変更制御について説明する。
特開2001−280167号公報に記載されているごとく、吸気系スロットルバルブのスロットル開度制御によるほかに、吸排気弁弁リフト量および開閉タイミング制御によっても出力を加減し得る可変動弁機構付きエンジンにおいて、
吸排気弁の弁リフト量および開閉タイミング制御によるエンジン出力制御は応答性に優れるも、アイドリング運転を含む低アクセル開度時は精度が悪くなることから、この低アクセル開度時はスロットル開度制御の併用によりエンジン出力制御を行い、それ以外は、スロットル開度を開いて吸排気弁の弁リフト量および開閉タイミング制御のみによりエンジン出力制御を行うようにしたものもある。

0049

かかる可変動弁機構付きのエンジンでは以下のような問題が発生する。
図7のごとくアクセル開度APOを瞬時t1に低下させ、瞬時t2より再び開度増大させる場合につき説明すると、エンジンは、アクセル開度APOが低下状態であることによって、波線で示すような吸気弁リフト量制御と、スロットル開度TVO制御とによりエンジントルクTeを加減される。
従って、アクセル開度APOを増大させる再加速時t2にエンジン吸気系がスロットル開度TVOにより絞られていることとなり、再加速でスロットル開度TVOが波線図示のごとくに開かれて、可変動弁機構の制御のみによるエンジントルク制御に切り替わるとはいっても、その応答遅れによりエンジントルクTeが波線で示すように遅れて上昇を開始する。

0050

このため、再加速操作開始時t2から、実際にエンジントルクTeが増大後のアクセル開度APO対応のトルク値に至る瞬時t4までの時間Δt2が長くなり、再加速操作開始時t2以後における車速VSPの波線で示す経時変化から明らかなように、再加速応答遅れが大きくなるという問題を生ずる。

0051

上記問題を解決するために、低アクセル開度のもとではスロットル開度制御と、吸排気弁の弁リフト量および開閉タイミング制御とによりエンジン出力特性を決定するようにした可変動弁機構付きエンジンにおける図2のステップS9で行う再加速対応モードのエンジン出力特性変更制御を以下に説明する。

0052

図2のステップS9で行う再加速対応モードのエンジン出力特性変更制御を本実施例では、低アクセル開度のもとでもスロットル開度制御と、吸排気弁の弁リフト量および開閉タイミング制御とによりエンジン出力特性を決定するのでなく、高応答な吸排気弁の弁リフト量および開閉タイミング制御のみによりエンジン出力特性を決定するようになす。

0053

かかる可変動弁機構のみを用いたエンジン出力特性変更制御によれば、図7につき前述した問題を以下のように解消することができる。
図7は、運転モードが再加速対応モードのものであり、アクセル開度APOを瞬時t1に低下させ、瞬時t2より再び開度増大させる時の動作タイムチャートである。

0054

エンジンは通常なら上記した通り、アクセル開度APOが低下状態であることによって、波線で示すような吸気弁リフト量制御と、スロットル開度TVO制御とによりエンジントルクTeを加減される。
従って通常時は、アクセル開度APOを増大させる再加速時t2にエンジン吸気系がスロットル開度TVOにより絞られていることとなり、再加速でスロットル開度TVOが波線図示のごとくに開かれて、可変動弁機構の制御のみによるエンジントルク制御に切り替わるとはいっても、その応答遅れによりエンジントルクTeが波線で示すように遅れて上昇を開始する。

0055

このため、再加速操作開始時t2から、実際にエンジントルクTeが増大後のアクセル開度APO対応のトルク値に至る瞬時t4までの時間Δt2が長くなり、再加速操作開始時t2以後における車速VSPの波線で示す経時変化から明らかなように、再加速応答遅れが大きくなるという問題を生ずる。

0056

ところで本実施例においては、エンジン出力特性変更制御を上記した通り、低アクセル開度であっても、高応答な吸排気弁の弁リフト量および開閉タイミング制御のみによるエンジン出力制御方式に変更するため、
図7のアクセル開度低下時t1以後も、スロットル開度TVOが実線で示すように瞬時t1における開度を維持することとなり、結果として、エンジン出力が図7に実線で示す吸気弁リフト量のみにより決定される。

0057

従って、アクセル開度APOを増大させる再加速時t2にエンジン吸気系がスロットル開度TVOにより絞られていないこととなり、図7の再加速時t2にエンジントルクTeを実線で示すように速やかに上昇を開始させることができる。

0058

このため、再加速操作開始時t2から、実際にエンジントルクTeが増大後のアクセル開度APO対応のトルク値に至る瞬時t3までの時間Δt1が従来のΔt2よりも短縮され、再加速操作開始時t2以後における車速VSPの実線で示す経時変化から明らかなように、再加速応答遅れを小さくすることができる。
なお、今回は可変動弁機構付きエンジンにおける再加速対応モードのエンジン出力変更制御を図2のステップS5またはステップS7の変速制御特性の変更を行った場合の例を示したが、変速制御特性変更手段を備えていない車両用パワートレーンにも、判定した運転モードが再加速対応モードである間アクセル開度低下状態のもとでは上記の可変動弁機構付きエンジンにおける再加速対策エンジン出力変更制御を適用できることはいうまでもない。

0059

次に、変速時回転同期エンジントルク制御手段付きエンジンにおける図2のステップS9で行う再加速対応モードのエンジン出力特性変更制御について説明する。
特開平10−281276号公報に記載されているごとく、自動変速機の変速時において、変速ショックを軽減しつつできるだけ速く変速が完了するよう、トレードオフの関係にある両要求を高次元でバランスさせるため、エンジン回転数を予定の応答で変速後回転数に一致させるべくエンジントルクを一時的に増大(トルクアップ)させたり、低下(トルクダウン)させる変速時回転同期エンジントルク制御手段もある。

0060

かかる変速時回転同期エンジントルク制御手段付きのエンジンと、上記運転モード適応型自動変速機との組み合わせになる車両用パワートレーンにあって、運転モード適応制御を変速機単体で行うと、以下のような問題が発生する。
運転モードが再加速対応モードのものである間に図8のごとくアクセル開度APOを瞬時t1に低下させ、瞬時t2より再び開度増大させる場合につき説明すると、自動変速機は瞬時t1におけるアクセル開度APOの低下によっても、再加速時の応答性能を重視して変速比iにより示すごとくロー側変速比となるような変速制御特性にされる。

0061

かかる変速に際し上記の変速時回転同期エンジントルク制御手段は、トレードオフの関係にある変速ショックおよび変速応答に関した両要求を高次元でバランスさせるため、エンジントルクTeを波線で示すごとく一時的に増大させてエンジン回転数を、変速比iが波線で示すような予定の応答で瞬時t4に変速後変速比に到達するよう回転上昇させる。

0062

しかし、エンジントルクTeを波線で示すごとくにトルクアップさせるのでは、変速比iが波線で示すようにゆっくりと変速後変速比に到達することから、変速開始瞬時t1’から変速終了瞬時t4までの時間Δt4が比較的長くなる。
従って、連続湾曲路などのようにアクセル開度APOの低下瞬時t1から再加速瞬時t2までの時間が短くなる再加速対応モードの運転モードにあっては、再加速用のダウンシフトが終了する瞬時t4よりも前の瞬時t3に、アクセル開度APOの増大による駆動力増大要求が発生し、この要求に対して駆動力不足を生ずる。
つまり、自動変速機が再加速対応モードの運転モードに呼応しロー側変速比になろうとしても、これが再加速に伴う駆動力増大要求の発生に間に合わず、このため、車速VSPの波線で示す経時変化から明らかなように再加速応答遅れが大きくなるという問題を生ずる。

0063

図2のステップS9で行う再加速対応モードのエンジン出力特性変更制御を、エンジン1が、図8につき前述したようなダウンシフト時回転同期用トルクアップ機能付きエンジンであって、自動変速機2のみに対し図2のステップS5による変速制御特性の変更、すなわち、ロー側変速比への変速を行った場合に発生する、図8につき前述した問題を解消するための再加速対応モードのエンジン出力特性変更制御につき以下に説明する。

0064

自動変速機2に対し図2のステップS5による変速制御特性の変更制御(ロー側変速比への変速)を行う時のダウンシフト時回転同期用トルクアップ制御を本実施例では、エンジン回転数をダウンシフト後のエンジン回転数へ向け上昇させるためのエンジントルク増大量が、変速制御特性変更制御(ロー側変速比への変速)を行わない場合よりも大きくなるようなダウンシフト時回転同期用トルクアップ制御となす。

0065

かかる変速制御特性変更時のダウンシフト時回転同期用トルクアップ制御によれば、図8につき前述した問題を以下のように解消することができる。
図8は、運転モードが再加速対応モードのものであり、且つ、図2のステップS5による変速制御特性の変更(ロー側変速比への変速)を行う間に、アクセル開度APOを瞬時t1に低下させ、瞬時t2より再び開度増大させる時の動作タイムチャートで、自動変速機は瞬時t1におけるアクセル開度APOの低下によっても再加速時の再加速応答性能を重視してロー側変速比選択傾向となし、希望のロー側変速比へのダウンシフトが行われるような変速制御特性にする。

0066

このダウンシフト時にエンジンは通常なら、トレードオフの関係にある変速ショックおよび変速応答に関した両要求を高次元でバランスさせるため、エンジントルクTeを波線で示すごとく一時的に増大させてエンジン回転数を、変速比iが波線で示すような予定の応答で瞬時t4に変速後変速比に到達するよう回転上昇させる。

0067

しかし、エンジントルクTeを波線で示すごとくにトルクアップさせるのでは、変速比iが波線で示すようにゆっくりと変速後変速比に到達することから、変速開始瞬時t1’から変速終了瞬時t4までの時間Δt4が比較的長くなる。
従って、連続湾曲路などのようにアクセル開度APOの低下瞬時t1から再加速瞬時t2までの時間が短くなる再加速対応モードの運転モードにあっては、再加速用のダウンシフトが終了する瞬時t4よりも前の瞬時t3に、アクセル開度APOの増大による駆動力増大要求が発生し、この要求に対して駆動力不足を生ずる。
つまり、自動変速機が再加速対応モードの運転モードに対応しロー側変速比になろうとしても、これが再加速に伴う駆動力増大要求の発生に間に合わず、このため、車速VSPの波線で示す経時変化から明らかなように再加速応答遅れが大きくなるという問題を生ずる。

0068

ところで本実施例によれば、自動変速機2に対し図2のステップS5による変速制御特性変更制御(ロー側変速比への変速)を行う場合のダウンシフト時回転同期用エンジントルクアップ制御を、アクセル開度を増大させるまでの間のアクセル開度低下状態で回転同期用のエンジントルク増大量が通常時よりも大きくなるようなものにして、増大後のエンジントルクTeを図8に波線で示すよりも大きな実線図示のごときものとするため、変速比iが実線図示の時系列変化をもって、ダウンシフト開始時t1’からΔt3の短時間で速やかに変速後変速比になる。

0069

このため、連続湾曲路などのようにアクセル開度APOの低下瞬時t1から再加速瞬時t2までの時間が短くなる再加速対応モードの運転モードであっても、アクセル開度APOの増大による駆動力増大要求が発生する瞬時t3よりも前に再加速用のダウンシフトを終了させることができ、アクセル開度APOの増大による駆動力増大要求に対して駆動力不足になることがない。
従って、再加速に伴う駆動力増大要求の発生時に、再加速用の自動変速機のダウンシフトを確実に終わらせておくことができ、このダウンシフトにより、車速VSPの実線で示す経時変化から明らかなように再加速応答遅れが大きくなるという問題を回避することができる。

図面の簡単な説明

0070

本発明の一実施例になる制御装置を具えた車両用パワートレーン、および、その制御系を示す概略システム図である。
図1における車両用パワートレーンの制御プログラムを示すフローチャートである。
図2に示す制御プログラムにおける再加速対応モード用エンジン出力特性変更制御に関した制御プログラムを示すフローチャートである。
図3の再加速対応モード用のエンジン出力特性変更制御で用いるフューエルカット制御マップを示し、 (a)は、再加速対応モード用エンジン出力特性変更制御を行わない場合の通常時のフューエルカット領域を示すマップ図、 (b)は、再加速対応モード用エンジン出力特性変更制御を行う場合のフューエルカット領域およびフューエルカット禁止領域を示すマップ図である。
図3に示す再加速対応モード用エンジン出力特性変更制御を行った場合の動作と、行わなかった場合の動作とを比較して示す、動作タイムチャートである。
他の実施例になる再加速対応モード用エンジン出力特性変更制御を行った場合の動作と、行わなかった場合の動作とを比較して示す、動作タイムチャートである。
更に他の実施例になる再加速対応モード用エンジン出力特性変更制御を行った場合の動作と、行わなかった場合の動作とを比較して示す、動作タイムチャートである。
別の実施例になる再加速対応モード用エンジン出力特性変更制御を行った場合の動作と、行わなかった場合の動作とを比較して示す、動作タイムチャートである。

符号の説明

0071

1エンジン
2自動変速機
3吸気管
4スロットルバルブ
5燃料噴射弁
6コントロールバルブボディー
7エンジンコントローラ
8変速機コントローラ
9スロットル開度センサ
10アクセルペダル
11アクセル開度センサ
12エンジン回転センサ
13車速センサ
14車両運転状態センサ群

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