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技術 冷却システムおよびこれを搭載する自動車並びに冷却システムの制御方法

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 菊池義晃石原鉄也
出願日 2006年3月28日 (14年8ヶ月経過) 出願番号 2006-088407
公開日 2007年10月11日 (13年2ヶ月経過) 公開番号 2007-267494
状態 特許登録済
技術分野 ハイブリッド電気車両 車両の推進装置の配置・取付け 推進装置の冷却,吸排気,燃料タンクの配置 自動車用空気調和 車両の電気的な推進・制動 車両の電気的な推進・制動 車両用空気調和 二次電池の保守(温度調整,ガス除去)
主要キーワード ブロワーファン 所定程度 空気管路 吸気モード シフトレバ 車室内また 暗騒音 電池負荷
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年10月11日)のものです。
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図面 (13)

課題

車載されたバッテリを冷却する際に生じる異音により運転者や乗員に違和感を与えるのを抑制する。

解決手段

乗員室内の空気をバッテリ用ブロワーファンの駆動により吸気してバッテリに送風する室内吸気モードエアコンエバポレータ)により冷却された空気をバッテリ用ブロワーファンの駆動により吸気してバッテリに送風するA/C吸気モードとをダンパにより切り替える際、車速Vが所定車速Vref以上のときには直ちにダンパを切り替え(S320〜S340)、車速Vが所定車速未満のときにはダンパの切り替えを禁止する(S350,S360)。車速が大きいときには走行に基づく騒音暗騒音)によりダンパの切替に伴って発生する風切り音マスクすることができるから、車速Vが所定車速Vref以上のときに限ってダンパを切り替えることにより、運転者や乗員に違和感を与えるのを抑制できる。

概要

背景

従来、この種の冷却システムとしては、車両に搭載され、車室内車室外から空気を吸気してバッテリ送風する通路エバポレータにより冷却された空気を吸気してバッテリに送風する通路とをダンパにより切り替えてバッテリを冷却するものが提案されている(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。この冷却システムでは、バッテリの温度などに基づいてダンパを切り替えることにより、バッテリを適正な温度範囲内に維持することができるとしている。
特開2005−93434号公報
特開2005−254974号公報

概要

車載されたバッテリを冷却する際に生じる異音により運転者や乗員に違和感を与えるのを抑制する。乗員室内の空気をバッテリ用ブロワーファンの駆動により吸気してバッテリに送風する室内吸気モードエアコン(エバポレータ)により冷却された空気をバッテリ用ブロワーファンの駆動により吸気してバッテリに送風するA/C吸気モードとをダンパにより切り替える際、車速Vが所定車速Vref以上のときには直ちにダンパを切り替え(S320〜S340)、車速Vが所定車速未満のときにはダンパの切り替えを禁止する(S350,S360)。車速が大きいときには走行に基づく騒音暗騒音)によりダンパの切替に伴って発生する風切り音マスクすることができるから、車速Vが所定車速Vref以上のときに限ってダンパを切り替えることにより、運転者や乗員に違和感を与えるのを抑制できる。

目的

本発明の冷却システムおよびこれを搭載する自動車並びに冷却システムの制御方法は、バッテリなどの蓄電装置を冷却する際の異音による違和感を運転者や乗員に与えるのを抑制することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

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請求項1

自動車に搭載された蓄電装置を冷却する冷却システムであって、異なる場所の空気を吸気して前記蓄電装置に送風する複数の送風モードを有する送風手段と、前記複数の送風モードにおける各送風路開通遮断とを切り替えることにより該複数の送風モードを切り替える送風モード切替手段と、車室内における騒音の程度を検出または推定する騒音程度検出推定手段と、前記送風モード切替手段を介して前記蓄電装置に送風されている状態で前記送風モードの切替要求がなされたとき、前記検出または推定された騒音の程度に基づいて前記送風モードが切り替えられるよう前記送風手段と前記送風モード切替手段とを制御する制御手段とを備える冷却システム。

請求項2

前記制御手段は、前記検出または推定された騒音の程度が所定程度以上のときには前記切替要求に応じた送風モードに切り替えられるよう前記送風手段と前記送風モード切替手段とを制御し、前記検出または推定された騒音程度が前記所定程度未満のときには前記切替要求に拘わらず現在設定されている送風モードが維持されるよう前記送風手段と前記送風モード切替手段とを制御する手段である請求項1記載の冷却システム。

請求項3

請求項1または2記載の冷却システムであって、車室内の空気調和を行なう空調装置を備え、前記複数の送風モードは、車室内また車室外の空気を吸気して直接に前記蓄電装置に送風する第1の送風モードと、前記空調装置により冷却された空気を吸気して前記蓄電装置に送風する第2の送風モードとを含む冷却システム。

請求項4

前記制御手段は、前記切替要求として前記第1の送風モードから前記第2の送風モードへの切替要求がなされたとき、前記検出または推定された騒音の程度が所定程度以上のときには前記第2の送風モードに切り替えられるよう前記送風手段と前記送風モード切替手段とを制御し、前記検出または推定された騒音の程度が前記所定程度未満のときには前記第1の送風モードを維持すると共に前記蓄電装置への送風が増量されるよう前記送風手段と前記送風モード切替手段とを制御する手段である請求項3記載の冷却システム。

請求項5

前記制御手段は、前記切替要求として前記第2の送風モードから前記第1の送風モードへの切替要求がなされたとき、前記検出または推定された騒音の程度が所定程度以上のときには前記第1の送風モードに切り替えられるよう前記送風手段と前記送風モード切替手段とを制御し、前記検出または推定された騒音の程度が前記所定程度未満のときには前記第2の送風モードを維持すると共に前記蓄電装置への送風が減量されるよう前記送風手段と前記送風モード切替手段とを制御する手段である請求項3または4記載の冷却システム。

請求項6

前記第2の送風モードは、車室内の空気調和に必要な風量と前記蓄電装置に送風すべき風量との和の風量により前記空調装置を作動させると共に該蓄電装置に送風すべき風量をもって該空調装置により冷却された空気を吸気して前記蓄電装置に送風するモードである請求項3ないし5いずれか記載の冷却システム。

請求項7

前記制御手段は、更に前記切替要求がなされたときに前記蓄電装置に送風されている風量に基づいて前記送風モードが切り替えられるよう前記送風手段と前記送風モード切替手段とを制御する請求項1ないし6いずれか記載の冷却システム。

請求項8

前記騒音程度検出推定手段は、車速を検出する車速検出手段を備え、前記検出された車速に基づいて前記騒音の程度を設定する手段である請求項1ないし7いずれか記載の冷却システム。

請求項9

内燃機関を備える自動車に搭載された請求項1ないし8いずれか記載の冷却システムであって、前記騒音程度検出推定手段は、前記内燃機関の回転数を検出する機関回転数検出手段を備え、前記検出された内燃機関の回転数に基づいて前記騒音の程度を設定する手段である冷却システム。

請求項10

車室内に音声を調整可能な音量をもって出力する音声出力手段を備える自動車に搭載された請求項1ないし9いずれか記載の冷却システムであって、前記騒音程度検出推定手段は、前記音声出力手段における音量の調整状態に基づいて前記騒音の程度を設定する手段である冷却システム。

請求項11

請求項1ないし10いずれか記載の冷却システムであって、前記蓄電装置の温度に関係する温度関係パラメータを検出する温度関係パラメータ検出手段を備え、前記送風モードの切替要求は、前記検出された温度関係パラメータに基づいてなされる要求である冷却システム。

請求項12

前記蓄電装置は、車両が備える走行用電動機と電力やりとり可能な装置である請求項1ないし11いずれか記載の冷却システム。

請求項13

請求項1ないし12いずれか記載の冷却システムを搭載する自動車。

請求項14

車室内の空気調和を行なう空調装置と、異なる場所の空気を吸気して自動車に搭載された蓄電装置に送風する複数の送風モードを有する送風手段と、前記複数の送風モードにおける各送風路の開通と遮断とを切り替えることにより該複数の送風モードを切り替える送風モード切替手段とを備える冷却システムの制御方法であって、前記送風モード切替手段を介して前記蓄電装置に送風されている状態で前記送風モードの切替要求がなされたとき、車室内における騒音の程度に基づいて前記送風モードが切り替えられるよう前記送風モード切替手段を制御する冷却システムの制御方法。

技術分野

0001

本発明は、自動車に搭載された蓄電装置を冷却する冷却システムおよびこれを搭載する自動車並びに冷却システムの制御方法に関する。

背景技術

0002

従来、この種の冷却システムとしては、車両に搭載され、車室内車室外から空気を吸気してバッテリ送風する通路エバポレータにより冷却された空気を吸気してバッテリに送風する通路とをダンパにより切り替えてバッテリを冷却するものが提案されている(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。この冷却システムでは、バッテリの温度などに基づいてダンパを切り替えることにより、バッテリを適正な温度範囲内に維持することができるとしている。
特開2005−93434号公報
特開2005−254974号公報

発明が解決しようとする課題

0003

上述した構成の冷却システムでは、バッテリを冷却する際にバッテリに送風するブロワファンやダンパの作動に伴って異音が生じる。バッテリの冷却は運転者や乗員が知らないうちに行なわれるのが通常であるから、バッテリを冷却する際の異音の発生は運転者や乗員に違和感を与える。

0004

本発明の冷却システムおよびこれを搭載する自動車並びに冷却システムの制御方法は、バッテリなどの蓄電装置を冷却する際の異音による違和感を運転者や乗員に与えるのを抑制することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明の冷却システムおよびこれを搭載する自動車並びに冷却システムの制御方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。

0006

本発明の冷却システムは、
自動車に搭載された蓄電装置を冷却する冷却システムであって、
異なる場所の空気を吸気して前記蓄電装置に送風する複数の送風モードを有する送風手段と、
前記複数の送風モードにおける各送風路開通遮断とを切り替えることにより該複数の送風モードを切り替える送風モード切替手段と、
車室内における騒音の程度を検出または推定する騒音程度検出推定手段と、
前記送風モード切替手段を介して前記蓄電装置に送風されている状態で前記送風モードの切替要求がなされたとき、前記検出または推定された騒音の程度に基づいて前記送風モードが切り替えられるよう前記送風手段と前記送風モード切替手段とを制御する制御手段と
を備えることを要旨とする。

0007

この本発明の冷却システムでは、異なる場所の空気を吸気して蓄電装置に送風する複数の送風モードの各送風路の開通と遮断とを切り替えることにより複数の送風モードを切り替える送風モード切替手段を介して蓄電装置に送風されている状態で送風モードの切替要求がなされたとき、車室内における騒音の程度に基づいて送風モードが切り替えられるよう送風手段と送風モード切替手段とを制御する。車室内の騒音に応じて送風モード切替手段の作動に伴って生じる風切り音などの異音はマスクされるから、車室内における騒音の程度に基づいて送風モードを切り替えることにより、運転者や乗員に違和感を与えるのを抑制することができる。

0008

こうした本発明の冷却システムにおいて、前記制御手段は、前記検出または推定された騒音の程度が所定程度以上のときには前記切替要求に応じた送風モードに切り替えられるよう前記送風手段と前記送風モード切替手段とを制御し、前記検出または推定された騒音程度が前記所定程度未満のときには前記切替要求に拘わらず現在設定されている送風モードが維持されるよう前記送風手段と前記送風モード切替手段とを制御する手段であるものとすることもできる。送風モードの切替要求がなされたときに車室内における騒音の程度が所定程度以上となるのを待って送風モードを切り替えることにより、蓄電装置を冷却しながら送風モード切替手段の作動に伴って生じる風切り音などの異音による違和感を運転者や乗員に与えるのを抑制することができる。

0009

また、本発明の冷却システムにおいて、車室内の空気調和を行なう空調装置を備え、前記複数の送風モードは、車室内または車室外の空気を吸気して直接に前記蓄電装置に送風する第1の送風モードと、前記空調装置により冷却された空気を吸気して前記蓄電装置に送風する第2の送風モードとを含むものとすることもできる。

0010

この第1の送風モードと第2の送風モードとを備える態様の本発明の冷却システムにおいて、前記制御手段は、前記切替要求として前記第1の送風モードから前記第2の送風モードへの切替要求がなされたとき、前記検出または推定された騒音の程度が所定程度以上のときには前記第2の送風モードに切り替えられるよう前記送風手段と前記送風モード切替手段とを制御し、前記検出または推定された騒音の程度が前記所定程度未満のときには前記第1の送風モードを維持すると共に前記蓄電装置への送風が増量されるよう前記送風手段と前記送風モード切替手段とを制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、第1の送風モードを維持することによる蓄電装置の冷却不足を抑制することができる。

0011

また、第1の送風モードと第2の送風モードとを備える態様の本発明の冷却システムにおいて、前記制御手段は、前記切替要求として前記第2の送風モードから前記第1の送風モードへの切替要求がなされたとき、前記検出または推定された騒音の程度が所定程度以上のときには前記第1の送風モードに切り替えられるよう前記送風手段と前記送風モード切替手段とを制御し、前記検出または推定された騒音の程度が前記所定程度未満のときには前記第2の送風モードを維持すると共に前記蓄電装置への送風が減量されるよう前記送風手段と前記送風モード切替手段とを制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、第2の送風モードを維持することによる蓄電装置の無駄な冷却を抑制することができる。

0012

さらに、第1の送風モードと第2の送風モードとを備える態様の本発明の冷却システムにおいて、前記第2の送風モードは、車室内の空気調和に必要な風量と前記蓄電装置に送風すべき風量との和の風量により前記空調装置を作動させると共に該蓄電装置に送風すべき風量をもって該空調装置により冷却された空気を吸気して前記蓄電装置に送風するモードであるものとすることもできる。こうすれば、第2の送風モード時に車室内の空気調和に影響を与えるのを抑制することができる。

0013

また、本発明の冷却システムにおいて、前記制御手段は、更に前記切替要求がなされたときに前記蓄電装置に送風されている風量に基づいて前記送風モードが切り替えられるよう前記送風手段と前記送風モード切替手段とを制御するものとすることもできる。蓄電装置に送風されている風量は送風モード切替手段の作動に伴って生じる音の程度を予測するものとなるから、この風量に基づいて送風モードを切り替えることにより、運転者や乗員に違和感を与えるのをより確実に抑制することができる。

0014

また、本発明の冷却システムにおいて、前記騒音程度検出推定手段は、車速を検出する車速検出手段を備え、前記検出された車速に基づいて前記騒音の程度を設定する手段であるものとすることもできる。

0015

また、内燃機関を備える自動車に搭載された本発明の冷却システムにおいて、前記騒音程度検出推定手段は、前記内燃機関の回転数を検出する機関回転数検出手段を備え、前記検出された内燃機関の回転数に基づいて前記騒音の程度を設定する手段であるものとすることもできる。

0016

また、車室内に音声を調整可能な音量をもって出力する音声出力手段を備える自動車に搭載された本発明の冷却システムにおいて、前記騒音程度検出推定手段は、前記音声出力手段における音量の調整状態に基づいて前記騒音の程度を設定する手段であるものとすることもできる。

0017

また、本発明の冷却システムにおいて、前記蓄電装置の温度に関係する温度関係パラメータを検出する温度関係パラメータ検出手段を備え、前記送風モードの切替要求は、前記検出された温度関係パラメータに基づいてなされる要求であるものとすることもできる。こうすれば、必要に応じて第2の送風モードを用いることができる。

0018

また、本発明の冷却システムにおいて、前記蓄電装置は、車両が備える走行用電動機と電力やりとり可能な装置であるものとすることもできる。

0019

本発明の自動車は、
上述した各態様のいずれかの本発明の冷却システム、即ち、基本的には、自動車に搭載された蓄電装置を冷却する冷却システムであって、異なる場所の空気を吸気して前記蓄電装置に送風する複数の送風モードを有する送風手段と、前記複数の送風モードにおける各送風路の開通と遮断とを切り替えることにより該複数の送風モードを切り替える送風モード切替手段と、車室内における騒音の程度を検出または推定する騒音程度検出推定手段と、前記送風モード切替手段を介して前記蓄電装置に送風されている状態で前記送風モードの切替要求がなされたとき、前記検出または推定された騒音の程度に基づいて前記送風モードが切り替えられるよう前記送風手段と前記送風モード切替手段とを制御する制御手段とを備える冷却システムを搭載する
ことを要旨とする。

0020

この本発明の自動車によれば、本発明の冷却システムを搭載するから、本発明の冷却システムが奏する効果と同様の効果、例えば、バッテリなどの蓄電装置を冷却する際の異音による違和感を運転者や乗員に与えるのを抑制することができる効果などを奏することができる。

0021

本発明の冷却システムの制御方法は、車室内の空気調和を行なう空調装置と、異なる場所の空気を吸気して自動車に搭載された蓄電装置に送風する複数の送風モードを有する送風手段と、前記複数の送風モードにおける各送風路の開通と遮断とを切り替えることにより該複数の送風モードを切り替える送風モード切替手段とを備える冷却システムの制御方法であって、
前記送風モード切替手段を介して前記蓄電装置に送風されている状態で前記送風モードの切替要求がなされたとき、車室内における騒音の程度に基づいて前記送風モードが切り替えられるよう前記送風モード切替手段を制御する
ことを要旨とする。

0022

この本発明の冷却システムの制御方法によれば、異なる場所の空気を吸気して蓄電装置に送風する複数の送風モードの各送風路の開通と遮断とを切り替えることにより複数の送風モードを切り替える送風モード切替手段を介して蓄電装置に送風されている状態で送風モードの切替要求がなされたとき、車室内における騒音の程度に基づいて送風モードが切り替えられるよう送風手段と送風モード切替手段とを制御する。車室内の騒音に応じて送風モード切替手段の作動に伴って生じる風切り音などの異音はマスクされるから、車室内における騒音の程度に基づいて送風モードを切り替えることにより、運転者や乗員に違和感を与えるのを抑制することができる。

発明を実施するための最良の形態

0023

次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。

0024

図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図であり、図2は、実施例のバッテリ46の冷却システム60の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図1に示すように、エンジン22と、エンジン22のクランクシャフト26にキャリアが接続されると共にデファレンシャルギヤ31を介して駆動輪32a,32bに連結された駆動軸34にリングギヤが接続された遊星歯車機構28と、遊星歯車機構28のサンギヤに接続された発電可能なモータMG1と、駆動軸34に動力入出力するモータMG2と、インバータ42,44を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ46と、乗員室90内を空気調和するエアコンディショナ(以下、エアコンという)50と、エアコン50により冷却された空気を用いてバッテリ46を冷却可能な冷却システム60と、乗員室90の運転席前方コンソールパネルに組み込まれチューナ(図示せず)や音声出力するスピーカ89aや音量調整ボタン89bなどを備えるオーディオ機器89と、車両の駆動系をコントロールすると共に実施例の冷却システム60をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。

0025

エンジン22は、エンジン22の運転状態を検出する各種センサからの信号、例えば、エンジン22のクランクシャフト26に取り付けられたクランクポジションセンサ23からのクランクポジションを入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御点火制御吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。

0026

モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)48により駆動制御されている。モータECU48には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子回転位置を検出する図示しない回転位置検出センサからの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU48からは、インバータ42,44へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU48は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。

0027

エアコン50は、図1および図2に示すように、冷媒圧縮高温高圧ガス状にするコンプレッサ51と、圧縮された冷媒を外気を用いて冷却し高圧の液状にするコンデンサ52と、冷却された冷媒を急激に膨張させ低温低圧の霧状にする膨張弁53と、低温低圧の冷媒と空気とを熱交換させることにより冷媒を蒸発させ低温低圧のガス状にするエバポレータ54と、エバポレータ54との熱交換により冷却された空気を乗員室90に送るエアコン用ブロワーファン55とを備え、エアコン用ブロワーファン55を駆動することにより内気と外気とを切り替える内外気切替用ダンパ56からフィルタ57を介して空気を吸気すると共に吸気した空気をエバポレータ54により冷却して乗員室90に送り出す。

0028

エアコン50は、エアコン用電子制御ユニット(以下、エアコンECUという)59により制御されている。エアコンECU59には、乗員室90内の温度を検出する温度センサ92からの室内温度Tinなどが入力されており、エアコンECU59からは、コンプレッサ51への駆動信号やエアコン用ブロワーファン55への駆動信号,内外気切替用ダンパ56への駆動信号,後述するモード切替用ダンパ68への駆動信号などが出力されている。エアコンECU59は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってエアコン50を制御すると共にエアコン50の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に送信する。

0029

冷却システム60は、乗員室90内の空気を吸気して直接にバッテリ46に送ることによりバッテリ46を冷却し(以下、この冷却モード室内吸気モードという)、又は、エアコン50のエバポレータ54により冷却された空気を吸気してバッテリ46に送ることによりバッテリ46を冷却(以下、この冷却モードをA/C吸気モードという)できるよう構成されている。冷却システム60は、図2に示すように、乗員室90(内気)とバッテリ46とを連通する空気管路62と、空気管路62上に設けられ吸気をバッテリ46に送るバッテリ用ブロワーファン64と、エアコン用ブロワーファン55からエバポレータ54を通過した空気の一部を空気管路62におけるバッテリ用ブロワーファン64の上流側に導く分岐管66と、空気管路62と分岐管66との合流部分に設けられ内気の遮断と分岐管66の遮断とを選択的に行なうモード切替用ダンパ68とを備える。

0030

ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。このハイブリッド用電子制御ユニット70には、バッテリ46の温度を検出する温度センサ47aからの電池温度Tbやバッテリ46の出力端子に取り付けられた電流センサ47bからの充放電電流Ib,空気管路62におけるバッテリ46の入口付近に取り付けられた温度センサ69からの吸気温度Tbi,イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,音量調整ボタン89bからの操作信号などが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、バッテリ用ブロワーファン64への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU48,エアコンECU59と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU48,エアコンECU59と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。

0031

次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、バッテリ46を冷却する際の動作について説明する。図3は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるバッテリ冷却処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、温度センサ47aにより検出された電池温度Tbが所定温度(例えば50℃)以上のときに所定時間毎(例えば数十msec毎)に繰り返し実行される。

0032

バッテリ冷却処理ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、温度センサ69からの吸気温度Tbiやバッテリ46の電池負荷Lb,車速センサ88からの車速V,エアコン50のA/C風量Qacなどの制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、バッテリ46の電池負荷Lbは、例えば、バッテリ46の充放電電力(電流センサ47bにより検出された充放電電流Ibの2乗にバッテリ46の内部抵抗を乗じた値)を所定回数に亘って導出すると共にこれらの平均をとることにより求めることができる。また、エアコン50のA/C風量Qacは、乗員室90側に吹き出すべき風量として操作者により設定された設定風量設定温度,温度センサ92からの室内温度Tinなどに基づいて設定されたものをエアコンECU59から通信により入力するものとした。

0033

こうしてデータを入力すると、入力した吸気温度Tbiと電池負荷Lbと現在設定されている冷却モードMcとに基づいて冷却モード要求を判定する(ステップS110)。この判定は、吸気温度Tbiと電池負荷Lbと現在設定されている冷却モードMcと冷却モード要求判定マップとに基づいて行なわれる。冷却モード要求判定用マップの一例を図4に示す。吸気温度Tbiと電池負荷Lbはバッテリ46の温度(電池温度Tb)に大きな影響を与えるパラメータとして考えることができるから、吸気温度Tbiや電池負荷Lbが大きいときにはバッテリ46の温度が大きく上昇するためバッテリ46の冷却を促進する必要があると判断してA/C吸気モードを要求し、吸気温度Tbiや電池負荷Lbが小さいときにはバッテリ46の温度はそれ程大きくは上昇しないためバッテリ46の冷却を促進する必要はないと判断して室内吸気モードを要求するのである。現在設定されている冷却モードMcと今回判定した冷却モードMcとが異なる場合は、冷却モードMcの切替を要求するものとなる。

0034

冷却モードMcとして室内吸気モードが要求されると(ステップS120)、入力した車速Vに基づいてバッテリ46に送風すべき目標バッテリ風量Qb*を設定し(ステップS130)、設定した目標バッテリ風量Qb*でバッテリ用ブロワーファン64を駆動制御して(ステップS180)、本ルーチンを終了する。ここで、室内吸気モード時の目標バッテリ風量Qb*は、実施例では、車速Vと目標バッテリ風量Qb*との関係を予め求めてマップとしてROM74に記憶しておき、車速Vが与えられると記憶しているマップから対応する目標バッテリ風量Qb*を導出して設定するものとした。このマップの一例を図5に示す。車速Vが大きくなると、走行に基づく騒音も大きくなり、運転者や乗員に与える暗騒音も大きくなる。一方、バッテリ用ブロワーファン64の駆動は運転者や乗員が知らないうちに行なわれるのが通常であるから、バッテリ用ブロワーファン64が大きな回転数で駆動すると、駆動音により運転者や乗員に違和感や不快感を与える場合がある。実施例では、車速Vが大きくなるほど大きくなる暗騒音によりバッテリ用ブロワーファン64の駆動音を大きくマスクすることができることを考えて、車速Vが大きくなるほど大きな目標バッテリ風量Qb*でバッテリ用ブロワーファン64を駆動することを許容することにより、運転者や乗員に違和感や不快感を与えない範囲内でバッテリ用ブロワーファン64を駆動してバッテリ46を冷却するのである。

0035

一方、冷却モードMcとしてA/C吸気モードが要求されると(ステップS120)、入力した車速VとA/C風量Qacとに基づいて目標バッテリ風量Qb*を設定すると共に(ステップS140)、設定した目標バッテリ風量Qb*だけA/C風量Qacを増量するようエアコンECU59に指示し(ステップS150)、設定した目標バッテリ風量Qb*でバッテリ用ブロワーファン64を駆動制御して(ステップS180)、本ルーチンを終了する。増量指示を受けたエアコンECU59は、A/C風量Qacを目標バッテリ風量Qb*の分だけ増量させてエアコン用ブロワーファン55を駆動する。したがって、目標バッテリ風量Qb*をもってエアコン用ブロワーファン55からの送風された空気を吸気してバッテリ46に送風するものとしても乗員室90内の空気調和には何らの影響を受けない。ここで、A/C吸気モード時の目標バッテリ風量Qb*は、実施例では、車速VとA/C風量Qacと目標バッテリ風量Qb*との関係を予め求めてマップとしてROM74に記憶しておき、車速VとA/C風量Qacとが与えられると記憶しているマップから対応する目標バッテリ風量Qb*を導出して設定するものとした。このマップの一例を図6に示す。図示するように、A/C吸気モード時の目標バッテリ風量Qb*は、同一の車速Vでも室内吸気モード時の目標バッテリ風量Qb*に比して小さな値として設定される。これは、上述したように、A/C吸気モード時には目標バッテリ風量Qb*の分だけA/C風量Qacを増量してエアコン用ブロワーファン55を駆動することから、バッテリ用ブロワーファン64の駆動音に比してエアコン用ブロワーファン55の駆動音が大きくなり、運転者や乗員は違和感や不快感を感じやすくなることに基づいている。

0036

ステップS120で冷却モードMcの切替要求がなされていると判定されると、冷却モードMcを切り替えている最中にないと判定されたときには(ステップS160)、モード切替処理を開始する(ステップS170)。そして、バッテリ用ブロワーファン64を駆動制御して(ステップS180)、本ルーチンを終了する。図7は、実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70によりバッテリ冷却処理ルーチンと並行して実行されるモード切替処理の一例を示すフローチャートである。以下、モード切替処理の詳細について説明する。

0037

モード切替処理では、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、車速Vを入力し(ステップS200)、入力した車速Vと所定車速Vrefとを比較する(ステップS210)。ここで、所定車速Vrefは、走行に基づく騒音によってモード切替用ダンパ68を切り替える際に生じうる風切り音を十分にマスクすることができる程度の車速として実験上求められたものを用いるものとした。車速Vが所定車速Vref以上と判定されると、直ちにモード切替用ダンパ68が切り替えられるようエアコンECU59に指示し(ステップS220)、モード切替用ダンパ68の切替が完了するのを待って(ステップS230)、切替完了フラグFに値1を設定して(ステップS240)、本処理を終了する。車速Vが大きいときには、走行に基づく騒音(暗騒音)も大きくなるから、モード切替用ダンパ68の切替の際に風切り音などの異音が生じても、生じた異音は暗騒音によってマスクされ、運転者や乗員に違和感や不快感を与えることがない。なお、モード切替用ダンパ68の切替が完了したか否かは、モード切替用ダンパ68の切替に通常要する時間よりも若干長い時間が経過したか否かを判定したり、モード切替用ダンパ68の位置を検知するセンサを設けてこのセンサからの信号に基づいて判定したりすることにより行なうことができる。切替完了フラグFに値1が設定されると、冷却モードMcの切替は完了したと判断し、次にステップS120で冷却モードMcの切替要求がなされるまで、室内吸気モードに切り替えられたときには図3のバッテリ冷却処理ルーチンのステップS130の処理に進み、A/C吸気モードに切り替えられたときにはステップS140の処理に進んでそれぞれ処理が実行されることになる。

0038

一方、車速Vが所定車速Vref未満と判定されると、モード切替用ダンパ68の切替(冷却モードMcの切替)を禁止すると共に(ステップS250)、図8に例示する切替禁止時処理を実行して(ステップS260)、本処理を終了する。このように走行に基づく騒音(暗騒音)が小さくモード切替用ダンパ68を切り替える際に生じる風切り音をマスクすることができないときには、現在設定されている冷却モードMcがそのまま維持することにより、運転者や乗員に違和感や不快感を与えるのを抑制しているのである。この場合、図3のバッテリ冷却処理ルーチンのステップS120で再び冷却モードMcの切替要求がなされていると判定されると共にステップS160で冷却モードMcが切り替えられている最中にないと判定されると、再び図7のモード切替処理が実行されることになる。以下、図8の切替禁止時処理について説明する。

0039

切替禁止時処理では、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、現在設定されている冷却モードMcを調べ(ステップS262)、室内吸気モードが設定されていると判定されたときには目標バッテリ風量Qb*(車速Vに基づいて図5のマップを用いて定まる値)を所定量Qb1だけ増量し(ステップS264)、A/C吸気モードが設定されていると判定されたときには目標バッテリ風量Qb*(車速VとA/C風量Qacとに基づいて図6のマップを用いて定まる値)を所定量Qb2だけ減量すると共に(ステップS266)、減量した目標バッテリ風量Qb*だけA/C風量Qacを増量するようエアコンECU59に指示して(ステップS268)、本処理を終了する。ここで、所定量Q1はバッテリ用ブロワーファン64の駆動が運転者や乗員に違和感や不快感を与えない範囲内で行なわれ、所定量Q2はバッテリ用ブロワーファン64の駆動がバッテリ46を冷却することができる必要最小限で行なわれるよう定めるものとした。これにより、A/C吸気モードでのバッテリ46の冷却が必要であるにも拘わらず室内吸気モードを維持することによるバッテリ46の冷却不足を補うことができ、室内吸気モードで十分にバッテリ46を冷却できるにも拘わらずA/C吸気モードを維持することによるエアコン50の無駄なエネルギ消費を抑制することができる。

0040

以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、乗員室90内の空気を吸気して直接バッテリ46に送風する室内吸気モードの空気管路62とエアコン50により冷却された空気を吸気してバッテリ46に送風するA/C吸気モードの分岐管66をモード切替用ダンパ68により選択的に遮断することにより冷却モードMcを切り替えるものにおいて、冷却モードMcの切替要求がなされたとき、車速Vが所定車速Vref以上のときには切替要求に応じた冷却モードMcに切り替わるようモード切替用ダンパ68を制御し、車速Vが所定車速Vref未満のときにはモード切替用ダンパ68の切替を禁止して現在設定されている冷却モードMcを維持するから、モード切替用ダンパ68の切替に伴って生じる風切り音などの異音を走行に基づく騒音でマスクすることができる。この結果、モード切替用ダンパ68の切替に伴う風切り音などの異音により運転者や乗員に違和感や不快感を与えるのを抑制することができる。しかも、モード切替用ダンパ68の切替を禁止しているときには、現在設定されている冷却モードMcが室内吸気モードのときには目標バッテリ風量Qb*を所定量Q1だけ増量し、現在設定されている冷却モードMcがA/C吸気モードのときには目標バッテリ風量Qb*を所定量Q2だけ減量してバッテリ用ブロワーファン64を駆動制御するから、バッテリ46の冷却不足やエアコン50の無駄なエネルギ消費を抑制することができる。

0041

実施例のハイブリッド自動車20では、図7のモード切替処理において、車速V(走行に基づく騒音)に基づいてモード切替用ダンパ68の切替の許否を判定するものとしたが、モード切替用ダンパ68の切替要求がなされたときのバッテリ用ブロワーファン64の風量(目標バッテリ風量Qb*)も考慮してモード切替用ダンパ68の切替の許否を判定するものとしてもよい。バッテリ用ブロワーファン64の風量はモード切替用ダンパ68を切り替えたときに発生しうる風切り音を予測するものとなるから、走行に基づく騒音がモード切替用ダンパ68を切り替えたときに発生する風切り音をマスクすることができるか否かをより正確に判定することができる。車速Vと目標バッテリ風量Qb*とモード切替用ダンパ68の切替の許否との関係の一例を図9に示す。

0042

実施例のハイブリッド自動車20では、図7のモード切替処理において、車速Vが所定車速Vref未満のときにはモード切替用ダンパ68の切替を禁止するものとしたが、バッテリ用ブロワーファン64の風量を一時的に制限してからモード切替用ダンパ68の切替を行なうものとしてもよい。この場合の変形例のモード切替処理を図10に示す。図10のモード切替処理では、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、車速Vを入力し(ステップS300)、入力した車速Vと所定車速Vrefとを比較し(ステップS310)、車速Vが所定車速Vref以上と判定されると、直ちにモード切替用ダンパ68が切り替えられるようエアコンECU59に指示し(ステップS340)、モード切替用ダンパ68の切替が完了するのを待って(ステップS350)、切替完了フラグFに値1を設定して(ステップS360)、本処理を終了する。一方、車速Vが所定車速Vref未満と判定されると、バッテリ用ブロワーファン64の目標バッテリ風量Qb*を所定量Qlimまで制限し(ステップS320)、バッテリ46への実際の送風が所定量Qlimまで低下するのに必要な所定時間が経過するのを待って(ステップS330)、モード切替用ダンパ68が切り替えられるようエアコンECU59に指示し(ステップS340)、モード切替用ダンパ68の切替が完了したときに(ステップS350)、切替完了フラグFに値1を設定して(ステップS360)、本処理を終了する。ここで、所定量Qlimは、モード切替用ダンパ68を切り替える際に生じる風切り音を運転者や乗員に違和感や不快感を与えない範囲内に収めるための風量として実験上求められたものを用いるものとした。したがって、走行に基づく騒音(暗騒音)が小さくモード切替用ダンパ68を切り替える際に生じる風切り音をマスクすることができないときには、バッテリ用ブロワーファン64の目標バッテリ風量Qb*を小さくしてモード切替用ダンパ68の切替に伴う風切り音の発生を抑制することにより、運転者や乗員に違和感や不快感を与えるのを抑制することができる。

0043

図11に車速Vが所定車速Vref未満のときに室内吸気モードからA/C吸気モードに切り替える際のバッテリ用ブロワーファン64の風量とエアコン用ブロワーファン55の風量とモード切替用ダンパ68の位置の時間変化の様子を示し、図12に車速Vが所定車速Vref未満のときにA/C吸気モードから室内吸気モードに切り替える際のバッテリ用ブロワーファン64の風量とエアコン用ブロワーファン55の風量とモード切替用ダンパ68の位置の時間変化の様子を示す。図11に示すように、時刻t1に室内吸気モードからA/C吸気モードへの切替要求がなされると、バッテリ用ブロワーファン64の目標バッテリ風量Qb*を所定量Qlimまで制限し、時刻t2にモード切替用ダンパ68をA/C吸気モード側に切り替え、モード切替用ダンパ68の切替が完了した時刻t3に目標バッテリ風量Qb*の制限が解除されてA/C吸気モードによるバッテリ46への送風を行なう。また、図12に示すように、時刻t4にA/C吸気モードから室内吸気モードへの切替要求がなされると、バッテリ用ブロワーファン64の目標バッテリ風量Qb*を所定量Qlimまで制限すると共に目標バッテリ風量Qb*によるA/C風量Qacの増量を解除し、時刻t5にモード切替用ダンパ68の位置を室内吸気モード側に切り替え、モード切替用ダンパ68の切替が完了した時刻t6に目標バッテリ風量Qb*の制限が解除されて室内吸気モードによるバッテリ46の送風を行なう。

0044

実施例のハイブリッド自動車20では、図8の切替禁止時処理において、冷却モードMcの切替が禁止されているとき、冷却モードMcが室内吸気モードのときには目標バッテリ風量Qb*を増量し冷却モードMcがA/C吸気モードのときには目標バッテリ風量Qb*を減量するものとしたが、冷却モードMcが室内吸気モードのときには目標バッテリ風量Qb*を増量するが冷却モードMcがA/C吸気モードのときには目標バッテリ風量Qb*を減量しないものとするものとしてもよいし、冷却モードMcがA/C吸気モードのときには目標バッテリ風量Qb*を減量するが冷却モードMcが室内吸気モードのときには目標バッテリ風量Qb*を増量しないものとするものとしてもよいし、目標バッテリ風量Qb*の増量も減量も行なわないものとしてもよい。

0045

実施例のハイブリッド自動車20では、車速Vを車室内における騒音(暗騒音)に置き換えたものや騒音を推定するための検出値として考えるものとしたが、車室内における騒音(暗騒音)を置き換えることができる他のパラメータを用いるものとしてもよい。例えば、クランクポジションセンサ23により検出されて演算されたエンジン22の回転数Neやオーディオ機器89の音調調整ボタン89bにより調整された音量を用いるものとしてもよいし、乗員室90内にマイクを設置すると共に設置したマイクで実際に検出した騒音レベルを用いるものとしてもよい。

0046

実施例のハイブリッド自動車20では、吸気温度Tbiと電池負荷Lbに基づいて冷却モードMcを判定するものとしたが、吸気温度Tbiのみに基づいて冷却モードMcを判定するものとしてもよいし、電池負荷Lbのみに基づいて冷却モードMcを判定するものとしてもよいし、電池温度Tbやその上昇率などの他のパラメータを用いて冷却モードMcを判定するものとしてもよい。

0047

実施例のハイブリッド自動車20では、冷却システム60の冷却モードMcとして、内気(乗員室90内の空気)を吸気して直接にバッテリ46に送風する室内吸気モードとエアコン50(エバポレータ54)により冷却された空気を吸気してバッテリ46に送風するA/C吸気モードとを備えるものとしたが、異なる場所の空気を吸気してバッテリに送風する2つ以上のモードを備えるものであれば、例えば外気を吸気してバッテリに送風するものとしてもよいしトランクルーム内の空気を吸気してバッテリに送風するものとしてもよい。

0048

実施例では、本発明の冷却システム60をエンジン22と遊星歯車機構28とモータMG1,MG2と備えるハイブリッド自動車20におけるモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ46の冷却に適用するものとしたが、これ以外のハイブリッド自動車における走行用のモータと電力をやりとりするバッテリなどの蓄電装置の冷却に適用するものとしてもよいし、走行用の動力源としてモータのみを備える自動車におけるモータと電力をやりとりするバッテリなどの蓄電装置の冷却に適用するものとしてもよい。また、エンジンの自動停止自動始動とが可能な自動車における自動始動の際に用いる蓄電装置の冷却に適用するものとしてもよい。

0049

以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。

0050

本発明は、冷却システムの製造産業や自動車の製造産業に利用可能である。

図面の簡単な説明

0051

実施例のハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
実施例のバッテリ46の冷却システム60の構成の概略を示す構成図である。
実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるバッテリ冷却処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
冷却モード要求判定用マップの一例を示す説明図である。
車速Vと車室内吸気モード時の目標バッテリ風量Qb*との関係の一例を示すマップである。
車速VとA/C吸気モード時のA/C風量Qacと目標バッテリ風量Qb*との関係の一例を示すマップである。
モード切替処理の一例を示すフローチャートである。
切替禁止時処理の一例を示すフローチャートである。
車速Vと目標バッテリ風量Qb*とモード切替用ダンパ68の切替の許否との関係の一例を示す説明図である。
変形例のモード切替処理の一例を示すフローチャートである。
車速Vが所定車速Vref未満のときに室内吸気モードからA/C吸気モードに切り替える際のバッテリ用ブロワーファン64の風量とエアコン用ブロワーファン55の風量とモード切替用ダンパ68の位置の時間変化の様子を示す説明図である。
車速Vが所定車速Vref未満のときにA/C吸気モードから室内吸気モードに切り替える際のバッテリ用ブロワーファン64の風量とエアコン用ブロワーファン55の風量とモード切替用ダンパ68の位置の時間変化の様子を示す説明図である。

符号の説明

0052

20ハイブリッド自動車、22エンジン、23クランクポジションセンサ、24エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26クランクシャフト、28遊星歯車機構、31デファレンシャルギヤ、32a,32b駆動輪、34駆動軸、42,44インバータ、46バッテリ、47a温度センサ、47b電流センサ、48モータ用電子制御ユニット(モータECU)、50エアコンディショナ(エアコン)、51コンプレッサ、52コンデンサ、53膨張弁、54エバポレータ、55 エアコン用ブロワーファン、56内外気切替用ダンパ、57フィルタ、59エアコン用電子制御ユニット(エアコンECU)、60 冷却システム、62空気管路、64 バッテリ用ブロワーファン、66分岐管、68モード切替用ダンパ、69 温度センサ、70ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80イグニッションスイッチ、81シフトレバー、82シフトポジションセンサ、83アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88車速センサ、89オーディオ機器、89aスピーカ、89b音量調整ボタン、90乗員室、92 温度センサ、MG1,MG2 モータ。

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