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技術 需給制御システムの発電機出力補正制御方式

出願人 東京電力ホールディングス株式会社
発明者 高田浩幸加藤浩二外川勇
出願日 2006年3月22日 (14年8ヶ月経過) 出願番号 2006-078371
公開日 2007年10月4日 (13年1ヶ月経過) 公開番号 2007-259544
状態 特許登録済
技術分野 発電機の制御
主要キーワード 揚水機 運転基準 揚水式発電所 出力調整量 電力需要変動 負荷変動量 運用計画システム 微少変動
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図面 (6)

課題

系統周波数基準周波数に維持およびAFC量・ガバナフリー量確保に、的確なタイミングでの起動および的確な制御量による発電機出力補正ができる。

解決手段

系統周波数偏差ΔFの積分演算部11と、AFC保有量に対するAFC・ガバナフリー稼働率の積分演算部12はそれぞれ動作不感帯からの逸脱量を積分し、いずれかの積分満了を発電機出力補正の起動条件とする。制御量演算部15はΔFおよびAFC・ガバナフリー稼働率の不感帯幅逸脱方向系統容量系統定数、変化残量などを基に発電機出力補正制御量ΔPを算定する。出力配分処理部18は補正制御量先行需要予測制御により作成した配分順位に従って追加配分する。積分動作および動作不感帯内に収めるための積分リセット/積分再開部13、不感帯変更処理部14、再起動時間制限部17を含む。

概要

背景

電力需要は、季節などの自然環境変化による長周期的な変化、および曜日/日時などの社会活動の変化による短周期的な変化を伴い、これら変化に追従して発電所側の供給電力を制御する需給制御が行われる。この需給制御システムは、中央給電指令所コンピュータシステム中枢部として構築され、例えば、非特許文献1に記載されるように、需要予測各発電所発電可能電力量および経済性などを考慮して需給運用計画を予め作成しておき、この計画ベースに当日の需給制御を行い、時々刻々変動する電力需要に対しては供給とバランスをとると共に、水力発電火力発電原子力発電融通受電および他社受電などの供給電力を総合的に組み合わせて経済的に行う。

図5は、需給制御システムの要部ブロック構成を示す。中央給電指令所には、前日に需給運用計画を作成しておく需給運用計画システム1と、この需給運用計画に従って当日の需給制御を行う需給制御システム2を備える。

需給制御システム2の運転基準出力制御部(DPC)2Aは、当日の運用計画と、当日の天候変化等を基にした予測負荷変動から、発電機群3の各発電機に配分した出力指令(DPC値)として与える。このDPC値の決定に際して、コンピュータ処理による自動需給制御機能と操作員による手動需給制御機能による調整、さらには周波数緊急補正制御機能による調整がなされる。

AFC出力調整部2Bは、電力需要変動予想実績に差が生じたために発生した需給不均衡や、先行需要予測制御では制御しきれない微小負荷変動によって、系統周波数基準周波数を保つことができなくなった場合、系統周波数と基準周波数の差、系統容量、ならびに、系統定数から系統周波数を基準周波数に復するために必要な出力調整量(AR量、地域要求電力量という)を算出し、発電機群3の火力発電所水力発電所に伝達することにより、発電機の出力を自動的に増減して系統周波数を基準周波数に戻す機能をもつ。

系統周波数変動は、周期が数分までの微少変動分と、数分から10数分程度までの短周期変動分、および10数分以上の長周期変動分に分けられる。これら周波数変動のうち、微少変動分のうち20秒程度までのものは系統負荷特性により吸収させる。そして、20秒以上の微少変動および短周期変動についてはAFC出力調整部2Bにより周波数偏差ΔF、負荷変動量ΔPを検出して発電機出力を変化させる負荷周波数制御により吸収する。なお、数分までの負荷変化に対しては、発電機群3の発電機が調速機を用いて発電機回転数一定値に保持しようとするガバナフリー運転で個別に対処している。長周期変動については、1日の負荷曲線によって支配される変化の一部としてとらえ、経済負荷配分制御により対処している。

周波数緊急補正制御部は、AFC出力調整部2Bでは対応しきれない周波数制御手段として設けられるもので、大地震等によって大規模な発電機脱落負荷脱落などが起き、電力需要と供給電力の大幅なアンバランスで大幅な周波数上昇または周波数低下が発生した場合、例えば出力変化速度が速い発電機を優先的に選択し、それらの発電機の出力調整を行うことにより、できるだけ速く系統周波数を基準周波数に戻す機能をもつ。

発電機群3の各発電機は、需給制御システム2から伝送されてくるDPC値やAR量に従って自動出力制御装置APFC)3Aと調速機(ガバナー)3Bにより発電機3Cの出力Pおよび周波数F(回転速度)を制御し、送配電系統を経て地域の負荷群へ電力を供給する。
電気学会技術報告(II部)第302号「電力系統の需給制御技術」

概要

系統周波数を基準周波数に維持およびAFC量・ガバナフリー量確保に、的確なタイミングでの起動および的確な制御量による発電機出力補正ができる。系統周波数偏差ΔFの積分演算部11と、AFC保有量に対するAFC・ガバナフリー稼働率の積分演算部12はそれぞれ動作不感帯からの逸脱量を積分し、いずれかの積分満了を発電機出力補正の起動条件とする。制御量演算部15はΔFおよびAFC・ガバナフリー稼働率の不感帯幅逸脱方向、系統容量、系統定数、変化残量などを基に発電機出力補正制御量ΔPを算定する。出力配分処理部18は補正制御量を先行需要予測制御により作成した配分順位に従って追加配分する。積分動作および動作不感帯内に収めるための積分リセット/積分再開部13、不感帯変更処理部14、再起動時間制限部17を含む。

目的

本発明の目的は、系統周波数を基準周波数に維持およびAFC量・ガバナフリー量確保に、的確なタイミングでの起動および的確な制御量による発電機出力補正ができる需給制御システムの発電機出力補正制御方式を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

系統運用発電機の出力を補正制御して系統周波数基準周波数に維持および系統周波数の調整可能なAFC量・ガバナフリー量を確保する発電機出力補正制御手段を備えた需給制御システムにおいて、前記発電機出力補正制御手段は、系統周波数偏差ΔFと、AFC保有量に対するAFC・ガバナフリー稼動率のそれぞれについて、動作不感帯からの逸脱量を積分し、いずれか一方が積分満了となったときに発電機出力補正制御の起動指令を得る積分演算手段と、前記起動指令が与えられた時点で、系統周波数偏差ΔFおよびAFC・ガバナフリー稼働率不感帯幅逸脱方向系統容量系統定数、変化残量などを基に発電機出力補正制御量ΔPを算定する制御量演算手段と、前記補正制御量先行需要予測制御により作成した配分順位に従って追加配分を行う出力配分処理手段とを備えたことを特徴とする需給制御システムの発電機出力補正制御方式。

請求項2

前記積分演算手段による積分演算に対し、系統周波数偏差ΔFまたはAFC・ガバナフリー稼働率が不感帯を逸脱して積分実施中に不感帯内に戻った場合に不感帯内では積分量を減算し、減算により積分量が0以下となった場合はその積分をリセットし、次に不感帯を逸脱するまで積分を停止し、系統周波数偏差ΔF、AFC・ガバナフリー稼働率が不感帯を逸脱して積分実施中に不感帯内に戻り、その後、積分量が0以下となる前に逆側の不感帯を逸脱した場合、系統周波数偏差ΔF、AFC・ガバナフリー稼働率の両方の積分をリセットし、逆側の不感帯逸脱による積分を開始させ、前記積分満了の時、系統周波数偏差ΔF、AFC・ガバナフリー稼働率の積分量をリセットし、系統周波数緊急補正起動時に系統周波数偏差ΔF、AFC・ガバナフリー稼働率の積分量をリセットする、積分リセット/再開条件手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の需給制御システムの発電機出力補正制御方式。

請求項3

前記積分演算手段による積分演算に対し、揚水式発電所揚水機並列予定している場合、揚水機の並列予定時刻付近で、前記周波数偏差の上側不感帯幅を揚水並列用周波数偏差上側不感帯幅まで拡大変更し、前記AFC・ガバナフリー稼働率の下側不感帯幅を揚水並列用AFC・ガバナフリー稼動率下側不感帯幅まで拡大変更し、揚水式発電所の揚水機の解列を予定している場合、揚水機の解列予定時刻付近で、前記周波数偏差の下側不感帯幅を揚水並列用周波数偏差下側不感帯幅まで拡大変更し、前記AFC・ガバナフリー稼働率の上側不感帯幅を揚水並列用AFC・ガバナフリー稼働率上側不感帯幅まで拡大変更する、不感帯幅変更処理手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の需給制御システムの発電機出力補正制御方式。

請求項4

前記制御量演算部で求めた補正制御量に上限値を設けて逐次出力する制御量調整手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3記載の需給制御システムの発電機出力補正制御方式。

請求項5

前記積分演算手段による積分演算に対し、前記起動条件成立時に系統周波数偏差ΔFおよびAFC・ガバナフリー稼働率の積分量をリセットして再起動させ、この再起動は発電機出力補正制御による補正制御が終了して再起動待ち時間が経過するまでは積分動作を停止させ、この後に系統周波数偏差ΔFまたはAFC・ガバナフリー稼働率が不感帯を逸脱した時点で積分再開許容する再起動制限手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4記載の需給制御システムの発電機出力補正制御方式。

技術分野

0001

本発明は、電力需要の変化に追従して発電所側の供給電力を制御する需給制御システム係り、特に系統周波数基準周波数に維持およびAFC量・ガバナフリー量確保のための系統運用発電機の出力補正制御方式に関する。

背景技術

0002

電力需要は、季節などの自然環境変化による長周期的な変化、および曜日/日時などの社会活動の変化による短周期的な変化を伴い、これら変化に追従して発電所側の供給電力を制御する需給制御が行われる。この需給制御システムは、中央給電指令所コンピュータシステム中枢部として構築され、例えば、非特許文献1に記載されるように、需要予測各発電所の発電可能電力量および経済性などを考慮して需給運用計画を予め作成しておき、この計画ベースに当日の需給制御を行い、時々刻々変動する電力需要に対しては供給とバランスをとると共に、水力発電火力発電原子力発電融通受電および他社受電などの供給電力を総合的に組み合わせて経済的に行う。

0003

図5は、需給制御システムの要部ブロック構成を示す。中央給電指令所には、前日に需給運用計画を作成しておく需給運用計画システム1と、この需給運用計画に従って当日の需給制御を行う需給制御システム2を備える。

0004

需給制御システム2の運転基準出力制御部(DPC)2Aは、当日の運用計画と、当日の天候変化等を基にした予測負荷変動から、発電機群3の各発電機に配分した出力指令(DPC値)として与える。このDPC値の決定に際して、コンピュータ処理による自動需給制御機能と操作員による手動需給制御機能による調整、さらには周波数緊急補正制御機能による調整がなされる。

0005

AFC出力調整部2Bは、電力需要変動予想実績に差が生じたために発生した需給不均衡や、先行需要予測制御では制御しきれない微小負荷変動によって、系統周波数が基準周波数を保つことができなくなった場合、系統周波数と基準周波数の差、系統容量、ならびに、系統定数から系統周波数を基準周波数に復するために必要な出力調整量(AR量、地域要求電力量という)を算出し、発電機群3の火力発電所水力発電所に伝達することにより、発電機の出力を自動的に増減して系統周波数を基準周波数に戻す機能をもつ。

0006

系統周波数変動は、周期が数分までの微少変動分と、数分から10数分程度までの短周期変動分、および10数分以上の長周期変動分に分けられる。これら周波数変動のうち、微少変動分のうち20秒程度までのものは系統負荷特性により吸収させる。そして、20秒以上の微少変動および短周期変動についてはAFC出力調整部2Bにより周波数偏差ΔF、負荷変動量ΔPを検出して発電機出力を変化させる負荷周波数制御により吸収する。なお、数分までの負荷変化に対しては、発電機群3の発電機が調速機を用いて発電機回転数一定値に保持しようとするガバナフリー運転で個別に対処している。長周期変動については、1日の負荷曲線によって支配される変化の一部としてとらえ、経済負荷配分制御により対処している。

0007

周波数緊急補正制御部は、AFC出力調整部2Bでは対応しきれない周波数制御手段として設けられるもので、大地震等によって大規模な発電機脱落負荷脱落などが起き、電力需要と供給電力の大幅なアンバランスで大幅な周波数上昇または周波数低下が発生した場合、例えば出力変化速度が速い発電機を優先的に選択し、それらの発電機の出力調整を行うことにより、できるだけ速く系統周波数を基準周波数に戻す機能をもつ。

0008

発電機群3の各発電機は、需給制御システム2から伝送されてくるDPC値やAR量に従って自動出力制御装置APFC)3Aと調速機(ガバナー)3Bにより発電機3Cの出力Pおよび周波数F(回転速度)を制御し、送配電系統を経て地域の負荷群へ電力を供給する。
電気学会技術報告(II部)第302号「電力系統の需給制御技術」

発明が解決しようとする課題

0009

図5において、AFC出力調整部2Bで調整可能な量(以下、AFC保有量という)は、火力発電機において現在指令値の約5%にすぎず、AFC出力調整部2Bで調整できる量には限界がある。このため、需給不均衡量が大きいときなどはAFC保有量を使い切ってしまい、系統周波数を基準周波数に戻すことができなくなる。現状では、このような状態になる前に、手動需給制御機能により、手動で発電機の出力指令値を変更し、系統周波数を基準周波数に戻すとともに、AFC保有量を確保している。

0010

揚水式発電所揚水機の並解列時や方の急峻な負荷上昇時間帯における比較的大きな需給変動に対しても、通常のAFC保有量では、保有量、保有速度ともに不足し、系統周波数を基準周波数に維持できなくなることがある。このような状況のときも、手動で発電機の出力指令値を変更して、系統周波数を基準周波数に戻すとともに、AFC保有量を確保している。

0011

このような系統周波数の逸脱回避およびAFC量確保には、周波数偏差やAFC量・ガバナフリー量の瞬時値を参考にして、操作員が経験的に調整しているが、的確なタイミングでの起動操作および経済負荷配分等を含めた的確な調整操作が難しく、不経済な発電機運用となることが多い。なお、AFC量・ガバナフリー量の調整は、一方の量または両方の量を調整することを意味する。

0012

本発明の目的は、系統周波数を基準周波数に維持およびAFC量・ガバナフリー量確保に、的確なタイミングでの起動および的確な制御量による発電機出力補正ができる需給制御システムの発電機出力補正制御方式を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

(1)本発明の第1は、系統運用発電機の出力を補正制御して系統周波数を基準周波数に維持および系統周波数の調整可能なAFC量・ガバナフリー量を確保する発電機出力補正制御手段を備えた需給制御システムにおいて、
前記発電機出力補正制御手段は、
系統周波数偏差ΔFと、AFC保有量に対するAFC・ガバナフリー稼動率のそれぞれについて、動作不感帯からの逸脱量を積分し、いずれか一方が積分満了となったときに発電機出力補正制御の起動指令を得る積分演算手段と、
前記起動指令が与えられた時点で、系統周波数偏差ΔFおよびAFC・ガバナフリー稼働率不感帯幅逸脱方向、系統容量、系統定数、変化残量などを基に発電機出力補正制御量ΔPを算定する制御量演算手段と、
前記補正制御量を先行需要予測制御により作成した配分順位に従って追加配分を行う出力配分処理手段とを備えたことを特徴とするものである。

0014

(2)本発明の第2は、前記積分演算手段による積分演算に対し、
系統周波数偏差ΔFまたはAFC・ガバナフリー稼働率が不感帯を逸脱して積分実施中に不感帯内に戻った場合に不感帯内では積分量を減算し、減算により積分量が0以下となった場合はその積分をリセットし、次に不感帯を逸脱するまで積分を停止し、
系統周波数偏差ΔF、AFC・ガバナフリー稼働率が不感帯を逸脱して積分実施中に不感帯内に戻り、その後、積分量が0以下となる前に逆側の不感帯を逸脱した場合、系統周波数偏差ΔF、AFC・ガバナフリー稼働率の両方の積分をリセットし、逆側の不感帯逸脱による積分を開始させ、
前記積分満了の時、系統周波数偏差ΔF、AFC・ガバナフリー稼働率の積分量をリセットし、
系統周波数緊急補正の起動時に系統周波数偏差ΔF、AFC・ガバナフリー稼働率の積分量をリセットする、
積分リセット/再開条件手段を備えたことを特徴とするものである。

0015

(3)本発明の第3は、前記積分演算手段による積分演算に対し、
揚水式発電所の揚水機の並列予定している場合、揚水機の並列予定時刻付近で、前記周波数偏差の上側不感帯幅を揚水並列用周波数偏差上側不感帯幅まで拡大変更し、前記AFC・ガバナフリー稼働率の下側不感帯幅を揚水並列用AFC・ガバナフリー稼動率下側不感帯幅まで拡大変更し、
揚水式発電所の揚水機の解列を予定している場合、揚水機の解列予定時刻付近で、前記周波数偏差の下側不感帯幅を揚水並列用周波数偏差下側不感帯幅まで拡大変更し、前記AFC・ガバナフリー稼働率の上側不感帯幅を揚水並列用AFC・ガバナフリー稼働率上側不感帯幅まで拡大変更する、
不感帯幅変更処理手段を備えたことを特徴とするものである。

0016

(4)本発明の第4は、前記制御量演算部で求めた補正制御量に上限値を設けて逐次出力する制御量調整手段を備えたことを特徴とするものである。

0017

(5)本発明の第5は、前記積分演算手段による積分演算に対し、前記起動条件成立時に系統周波数偏差ΔFおよびAFC・ガバナフリー稼働率の積分量をリセットして再起動させ、この再起動は発電機出力補正制御による補正制御が終了して再起動待ち時間が経過するまでは積分動作を停止させ、この後に系統周波数偏差ΔFまたはAFC・ガバナフリー稼働率が不感帯を逸脱した時点で積分再開許容する再起動制限手段を備えたことを特徴とするものである。

発明の効果

0018

以上のとおり、本発明によれば、系統周波数を基準周波数に維持およびAFC量・ガバナフリー量確保に、的確なタイミングでの起動および的確な制御量による発電機出力補正ができる。

0019

具体的には、電力系統の需給不均衡時、揚水機の並解列時、朝方の急峻な負荷上昇時間帯などにおいて、系統周波数が基準周波数を逸脱し続けたり、AFC・ガバナフリー稼動量が増えたときは、系統周波数を基準周波数に戻すのに必要な量、あるいはAFC・ガバナフリーで調整した発電機出力増減量で発電機指令値を補正するため、系統周波数を的確に基準周波数に戻し、AFC保有量を的確に確保し続けることができる。

0020

また、配分処理においては、先行需要予測制御で作成した配分順位に従った補正量の配分を行うことにより、先行需要予測制御の補正機能としてふさわしい、経済負荷配分を考慮した発電機出力補正制御が可能である。

0021

また、起動条件は、不感帯からの逸脱量の積分量が積分満了値に達したときとしているので、的確なタイミングで起動させることができる。

発明を実施するための最良の形態

0022

図1は、本発明の実施形態を示す発電機出力補正制御装置の機能ブロックであり、各部は、コンピュータ資源(CPU、メモリデータベースなど)を利用したソフトウェア処理で実現される。

0023

この発電機出力補正制御装置は、系統周波数を基準周波数に維持し、AFC量・ガバナフリー量を確保しておくため、周波数逸脱分やAFC・ガバナフリーによる発電機出力増減分を、自動的に出力指令値に反映させる補正制御機能を持つ。

0024

この補正制御は、過制御や不足制御になることを防ぎ、適切なタイミングで起動させるようにするため、周波数偏差やAFC量・ガバナフリー量の瞬時値から起動条件を決めるのではなく、系統周波数偏差と、AFC保有量に対するAFC・ガバナフリー稼動量(AFC・ガバナフリー稼働率)のそれぞれについて、動作不感帯からの逸脱量を積分し、いずれか一方が積分満了となったときを起動条件とする。その上で、周波数偏差あるいはAFC・ガバナフリーの稼動率を動作不感帯内に収めるために必要な補正制御量を決定する。

0025

さらに、変化速度の速い発電機のみを調整することによって、発電費用の安い発電機が低出力になるなどの不経済運用を避けるため、出力補正制御対象発電機の選定には先行需要予測制御による選定発電機と同じ配分順位により決定する。

0026

以下、図1の発電機出力補正制御装置の各機能を、図2図4を参照して詳細に説明する。

0027

(1)起動条件
(1a)系統周波数偏差(ΔF)積分
図1におけるΔF積分演算部11は、一定周期(例えば1秒毎)に検出する系統周波数Fに対し、基準周波数Frefからの偏差ΔFが動作不感帯を逸脱した場合、その逸脱分を積分し、この積分値の絶対値が積分満了値以上となった時点で発電機出力補正制御の起動指令を出力する。

0028

この周波数偏差ΔF、積分量S、および起動条件は次式から求める。

0029

ΔF=F−Fref …(1)
ただし、ΔF>ΔFHとなったときFS=ΔF−ΔFH、ΔF<−ΔFLとなったときFS=ΔF+ΔFLとする。

0030

S=ΣFS…(2)
起動条件|S|≧S1 …(3)
ここで、ΔF:周波数偏差[Hz]、F:系統周波数[Hz]、Fref:基準周波数[Hz]、ΔFH:周波数偏差上側不感帯幅[Hz]、ΔFL:周波数偏差下側不感帯幅[Hz]、 FS:不感帯からの偏差分[Hz]、S:周波数偏差の積分量[Hz・秒]、S1:周波数偏差の積分満了値[Hz・秒]。

0031

以上の演算による起動条件は、例えば、図2に示すような周波数変動と積分量および起動タイミングとする。このように、不感帯からの逸脱量の積分量が積分満了値に達したときを周波数補正の起動条件とすることにより、周波数変動が不感帯を瞬時的に逸脱した場合の不要な起動をなくし、的確なタイミングで周波数補正の起動を得る。

0032

(1b)AFC・ガバナフリー稼働率積分
図1におけるAFC・ガバナフリー稼働率積分演算部12は、一定周期(例えば1秒毎)に出力するAFC・ガバナフリー稼働量とAFC保有量から、AFC・ガバナフリー稼働率が不感帯を逸脱した場合、その逸脱率を積分し、この積分量の絶対値が積分満了値以上となった時点で発電機出力補正制御の起動指令を得る。

0033

このAFC・ガバナフリー稼働率AFC%、積分量Sは次式から求める。

0034

AFC%=AFC/HOYU×100 …(4)
ただし、AFC%>ΔAFCHとなったときAFCS=AFC%一ΔAFCH、AFC%<−ΔAFCLとなったときAFCS=AFC%+ΔAFCLとする。

0035

S=ΣAFCS …(5)
起動条件|S|≧S2 …(6)
ここで、AFC:AFC・ガバナフリー稼働量[MW]、AFC%:AFC・ガバナフリー稼働率[%]、HOYU:AFC保有量[MW]、ΔAFCH:AFC・ガバナフリー稼働率上側不感帯幅[%]、ΔAFCL:AFC・ガバナフリー稼働率下側不感帯幅[%]、 AFCS:不感帯からの偏差分[%]、S:AFC・ガバナフリー稼働率の積分量[%・秒]、S2:AFC・ガバナフリー稼働率の積分満了値[%・秒]。

0036

以上の演算による起動条件は、例えば、図3に示すようなAFC・ガバナフリー稼働率と積分量および起動タイミングとする。このように、不感帯からの逸脱量の積分量が積分満了値に達したときを周波数補正の起動条件とすることにより、AFC・ガバナフリー稼働率が不感帯を瞬時的に逸脱した場合の不要な起動をなくし、的確なタイミングで周波数補正の起動を得る。

0037

(2)積分リセット/再開条件
図1における積分リセット/積分再開条件部13は、ΔF積分演算部11またはAFC・ガバナフリー稼働率積分演算部12による積分演算に、以下の修正処理を行う。

0038

(2a)積分量の減算
系統周波数偏差、AFC・ガバナフリー稼働率が不感帯を逸脱して積分実施中に不感帯内に戻った場合、不感帯内では積分量を減算し、この減算により積分量が0以下となった場合はその積分をリセットし、次に不感帯を逸脱するまで積分を停止する。

0039

なお、系統周波数偏差、AFC・ガバナフリー稼働率のいずれか一方が積分量の減算により積分をリセットした場合、もう一方の積分には影響を与えない。

0040

(2b)不感帯逸脱方向の反転
系統周波数偏差、AFC・ガバナフリー稼働率が不感帯を逸脱して積分実施中に不感帯内に戻り、その後、積分量が0以下となる前に逆側の不感帯を逸脱した場合(急激に不感帯逸脱方向が逆側に反転した場合)、系統周波数偏差、AFC・ガバナフリー稼働率の両方の積分をリセットし、逆側の不感帯逸脱による積分を開始させる。

0041

(2c)発電機出力補正制御機能の起動時のリセット
積分演算部11または12の起動条件が成立したとき(積分満了時)、系統周波数偏差、AFC・ガバナフリー稼働率の積分量をリセットする。

0042

(2d)系統周波数緊急補正機能の起動時のリセット
系統周波数緊急補正機能の起動時に系統周波数偏差、AFC・ガバナフリー稼働率の積分量をリセットする。

0043

以上のように、ΔF積分演算またはAFC・ガバナフリー稼働率積分演算に対する積分リセット/再開処理により、例えば周波数偏差ΔFが不感帯逸脱と不感帯内復帰を繰り返す場合に適正な積分量に修正し、的確な起動を得る。

0044

(3)揚水並解列時の不感帯幅変更
揚水並解列の指令を予定している場合で、発電機出力補正制御機能の起動条件が成立した場合、揚水並解列の制御と発電機出力補正制御による火力発電機の出力変更が重なり、系統周波数を急変させてしまうおそれがある。

0045

この不都合を解消するため、図1における揚水並解列時の不感帯幅変更処理部14は、揚水並解列時刻付近において、ΔF積分演算部11およびAFC・ガバナフリー稼働率積分演算部12における不感帯幅を以下のように自動調整する。

0046

(3a)揚水並列指令が予定されている場合、不感帯幅を以下の通り変更する。

0047

ΔF積分演算部11の周波数偏差上側不感帯幅ΔFHは、揚水並列用周波数偏差上側不感帯幅[Hz]まで拡大変更する。

0048

AFC・ガバナフリー稼働率積分演算部12の稼働率下側不感帯幅ΔAFCLは、図4に例を示すように、揚水並列用AFC・ガバナフリー稼動率下側不感帯幅[%]まで拡大変更する。

0049

(3b)揚水解列指令が予定されている場合、不感帯幅を以下の通り変更する。

0050

ΔF積分演算部11の周波数偏差下側不感帯幅ΔFLは、揚水並列用周波数偏差下側不感帯幅[Hz]まで拡大変更する。

0051

AFC・ガバナフリー稼働率積分演算部12の稼働率上側不感帯幅ΔAFCHは、揚水並列用AFC・ガバナフリー稼働率上側不感帯幅[%]まで拡大変更する。

0052

なお、上記の不感帯幅は、並解列する揚水機の定格電力に応じて予め設定しておく。

0053

(4)制御量演算
図1における制御量演算部15は、系統周波数偏差ΔFの積分量、AFC・ガバナフリー稼働率の積分量のいずれかが満了となり、起動条件を満足した時点で以下の(7)式により発電機出力補正制御量ΔPを算定する。

0054

ΔP={AR(ΔF)−AR(ΔFの逸脱方向の周波数不感帯幅)×α}+{AFC%−AFCの逸脱方向のAFC・ガバナフリー稼働率不感帯幅×β}×HOYU/100−変化残量合計 …(7)
ただし、ΔPの第1項、第2項はそれぞれ次の条件が成立する時にのみ加算する。

0055

第1項:|AR(ΔF)|≧|AR(ΔFの逸脱方向の周波数不感帯幅)×α|
第2項:|AFC%|≧|AFCの逸脱方向のAFC・ガバナフリー稼働率不感帯幅×β|
ここで、ΔF:F−Fref、AR(ΔF)=−PL×K×ΔF/10とする。また、AR(ΔFの逸脱方向の周波数不感帯幅)は、上側逸脱時:AR(ΔFH)=−PL×K×ΔFH/10、下側逸脱時:AR(ΔFL)=−PL×K×(−ΔFL)/10とする。また、ΔP:補正制御量[MW]、K:系統定数[%MW/0.1Hz]、PL:系統容量[MW]、α:AR制御量の補正係数時間帯毎に10点設定可能)、β:AFC・ガバナフリー稼働率の補正係数(時間帯毎に10点設定可能)、変化残量合計:同方向の出力変化中の発電機の変化残量合計。

0056

このように、発電機出力補正制御量ΔPは、系統周波数偏差ΔFおよびAFC・ガバナフリー稼働率の不感帯幅、逸脱方向、系統容量、系統定数、変化残量などを基に算定し、必要な発電機出力補正量算定を的確にする。

0057

(5)制御量上限調整
AFC・ガバナフリー稼働量は、周波数偏差の減少に対して遅れて復帰していくことから、算出した補正制御量を一度に指令出力した場合、系統周波数が逆側に大きく逸脱する可能性がある。このことから、図1における制御量調整部16は、制御量演算部15で求めた補正制御量を一度に出力せずに、以下の(8)式による上限を設けて逐次出力する。

0058

ΔPmax=AR(ΔFmax) …(8)
ここで、ΔPmax:一度に出力する補正制御量の上限値[MW]、AR(ΔFmax):−PL×K×ΔFmax/10、ΔFmax:補正制御量上限周波数偏差(設定値)[Hz]、AR(ΔFmax):補正制御量上限周波数偏差分のAR量[MW]。

0059

このように、発電機出力補正制御の動作時点から予め設定した制御間隔時間毎に再計算、補正制御量配分、補正制御量出力を行い、発電機出力補正制御で系統周波数が過剰に逸脱してしまうのを防止する。

0060

(6)再起動時間制限
図1における再起動時間制限部17は、発電機出力補正制御の起動時に、系統周波数偏差ΔFおよびAFC・ガバナフリー稼働率の積分量をリセットして再起動させ、この再起動に際して、発電機出力補正制御による補正制御が終了し、再起動待ち時間(設定値:例えば時間帯毎に10点設定可能)が経過するまでは積分動作を停止させ、再起動待ち時間が経過した後、系統周波数偏差ΔFまたはAFC・ガバナフリー稼働率が不感帯を逸脱した時点で積分再開を許容する。

0061

このように、発電機出力補正制御が終了した時点から一定時間だけ待って系統周波数偏差ΔFおよびAFC・ガバナフリー稼働率の積分演算を再開させることにより、発電機出力補正に対する応答遅れによる過制御/不足制御を防止して制御の安定化を図る。

0062

(7)出力配分処理
図1における出力配分処理部18は、制御量調整部16から出力される補正制御量を先行需要予測制御により作成した配分順位に従って追加配分を行う。この処理は、以下のようにする。

0063

(7a)先行需要予測制御により一定時間(例えば、30秒)以内に補正制御量とは逆方向の変更予定があり、まだ、その変更指令が出力されていない場合、この逆方向指令変更予定を取り消し、出力補正の有効にする。

0064

(7b)先行需要予測制御による指令値作成機能で作成した配分順位に従って、補正制御量を以下の追加配分とする。

0065

(a)発電機出力上げ補正時
・揚水解列(先行需要予測制御により、至近に揚水解列予定があるとき)
・先行需要予測制御における配分順位に従った水力発電機・火力発電機の出力増加指令
(b)発電機出力下げ補正時
・揚水並列(待機中の揚水並列があるとき)
・先行需要予測制御における配分順位に従った水力発電機・火力発電機の出力減少指令
このように、先行需要予測制御で作成した配分順位に従った補正量の配分を行うことにより、先行需要予測制御の補正機能としてふさわしい、経済負荷配分を考慮した発電機出力補正制御を得る。

図面の簡単な説明

0066

本発明の実施形態を示す発電機出力補正制御装置の機能ブロック。
系統周波数偏差ΔFの積分動作の例。
AFC・ガバナフリー稼動率の積分動作の例。
揚水並列時におけるAFC・ガバナフリー稼動率不感帯幅の自動変更の例。
需給制御システムの要部ブロック構成。

符号の説明

0067

1…需給運用計画システム
2…需給制御システム
3…発電機群
11…周波数偏差積分演算部
12…AFC・ガバナフリー稼動率積分演算部
13…積分リセット/積分再開条件部
14…不感帯幅変更処理部
15…制御量演算部
16…制御量調整部
17…再起動時間制限部
18…出力配分処理部

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