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技術 灯火類消点灯制御装置及び制御方法

出願人 オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社
発明者 宮下将之
出願日 2006年3月15日 (14年9ヶ月経過) 出願番号 2006-071053
公開日 2007年9月27日 (13年3ヶ月経過) 公開番号 2007-245883
状態 拒絶査定
技術分野 車両の外部照明装置、信号
主要キーワード 消灯判定 点灯ステップ 並木道 後尾灯 消灯条件 オートライト制御 負極性電源 点灯判定
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

コストをかけずに自動消点灯の信頼性を向上する。

解決手段

制御手段(16)は、照度検知手段(14)によって検知された車両周囲照度(D1)が第一点灯基準照度(SLon1)を下回ったときに灯火類点灯し、前記照度(D1)が第一点灯基準照度(SLon1)よりも高照度側の第二点灯基準照度(SLon2)を下回り且つ第一点灯基準照度(SLon1)を上回っている状態が点灯基準時間だけ継続したときに灯火類を点灯し、前記照度(D1)が消灯基準照度(SLoff)を上回った状態が消灯基準時間だけ継続したときに灯火類を消灯する。

概要

背景

今日、多くの車両に搭載されている灯火類消点灯制御装置(いわゆるオートライトシステム)は、車両周囲の明るさ(以下、照度)に応じて車両の灯火類を自動消点灯するものであり、運転者の負担を軽減できるばかりか、灯火類のつけ忘れや消し忘れを防止できる点で安全性にも大きく寄与するものである。

この装置の基本形は、車両周囲の照度が所定の点灯基準照度(灯火類を点灯すべき照度)を下回ったとき(単純にいえば暗くなったとき)に灯火類を点灯し、また、消灯基準照度(灯火類を消灯すべき照度)を上回ったとき(単純にいえば明るくなったとき)に灯火類を消灯するというものであるが、かかる簡単な仕組みでは、自動消点灯の信頼性が乏しく、しばしば不必要な点灯が行われることがあり、煩わしさを感じるという不都合がある。また、灯火類のうちの前照灯は、対向車歩行者に対する合図(パッシング)として用いられることもあり、不必要な点灯は歩行者や対向車に誤解を与えかねないという不都合もある。

図5は、不要点灯の説明図である。この図において、縦軸は車両周囲の照度を表し、横軸は時間を表している。また、SLonは所定の点灯基準照度(灯火類を点灯すべき照度)であり、SLoffは消灯基準照度(灯火類を消灯すべき照度)である。

ここで、走行中の車両の時間経過を、以下の三つのパターンに分けることにする。第一パターンはトンネル進入からトンネルを抜けるまでであり、第二パターンは並木道などの断続した日陰部分を走行しているときであり、第三パターンは日暮れ時に走行しているときである。期待すべき結果は、第一パターンと第三パターンで灯火類点灯であり、第二パターンでは灯火類を点灯する必要がない。つまり、トンネル内は(無照明の場合はもちろんのこと仮に照明があったとしても)相当暗いため、自車前方の確認と自車の存在を周囲に知らせるために灯火類を点灯する必要があり、同様に、日暮れ時の走行の際にも灯火類の早め点灯を行って自車の存在を周囲に知らせる必要があるが、並木道などの断続した日陰部分は、単に直射日光に晒されていないだけであり、自車前方が見にくくなるとも、周囲から自車の存在が分かりにくくなるともいい難く、したがって、かかる並木道などの断続した日陰部分における灯火類点灯は、不必要な点灯ということができるからである。

さて、この図を参照すると、第一パターン(トンネル内走行)では、車両周囲の照度がSLonを下回っているため灯火類が点灯される。同様に、第三パターン(日暮れ時走行)においても、車両周囲の照度がSLonを下回っているため灯火類が点灯される。したがって、これらの第一パターンと第三パターンについては、上記の「期待すべき結果」が満たされる。

一方、第二パターン(並木道などの断続した日陰の走行)については、上記の「期待すべき結果」は満たされない。車両周囲の照度が日陰を通る度にSLonを下回り、断続的に灯火類が点灯されてしまうからである。かかる不都合は、SLonを低照度側に移動することによって解消できるが、そうすると今度は、第一パターンと第三パターンの灯火類点灯が遅れるので好ましくない。

下記の特許文献1には、車両周囲の照度が前照灯を点灯させるべき照度(図5のSLonに相当)以下になった状態が“所定時間”続いた場合に前照灯を点灯させるようにしたもの(従来技術1)が記載されている。この従来技術1によれば、前記の第二パターンにおける日陰部分を通過する時間が“所定時間”以内であれば、灯火類は点灯しない。したがって、不要な灯火類点灯を回避して煩わしさをなくすことができる。

しかし、この従来技術1は、車両周囲の照度が前照灯を点灯させるべき照度(図5のSLonに相当)以下になった状態が“所定時間”続かなければ、灯火類を点灯しないため、たとえば、上記の第一パターン(トンネル内走行)や第三パターン(日暮れ時走行)において、灯火類点灯が“所定時間”だけ遅れることとなり、とりわけ、トンネル進入時の灯火類の点灯遅れは、安全性の面で好ましくない。

下記の特許文献2には、ビデオカメラ車両前方の画像を撮影し、その画像に含まれる暗部の割合が所定量を超えたときにトンネルのような暗所に進入しようとしているものと判断して前照灯を点灯させるもの(従来技術2)が記載されている。この従来技術2では、トンネル等の暗所にさしかかる前に前照灯を点灯できるため、従来技術1のような不都合はない。

特開平10−297355号公報
特開2001−39210号公報

概要

コストをかけずに自動消点灯の信頼性を向上する。制御手段(16)は、照度検知手段(14)によって検知された車両周囲の照度(D1)が第一点灯基準照度(SLon1)を下回ったときに灯火類を点灯し、前記照度(D1)が第一点灯基準照度(SLon1)よりも高照度側の第二点灯基準照度(SLon2)を下回り且つ第一点灯基準照度(SLon1)を上回っている状態が点灯基準時間だけ継続したときに灯火類を点灯し、前記照度(D1)が消灯基準照度(SLoff)を上回った状態が消灯基準時間だけ継続したときに灯火類を消灯する。

目的

本発明の目的は、コストをかけずに自動消点灯の信頼性を向上できる灯火類消点灯制御装置及び制御方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

車両周囲照度を検知する照度検知手段と、前記照度検知手段によって検知された車両周囲の照度に基づいて車両の灯火類点灯及び消灯を制御する制御手段とを備えた灯火類消点灯制御装置において、前記制御手段は、前記照度検知手段によって検知された車両周囲の照度が第一点灯基準照度を下回ったときに前記灯火類を点灯する第一点灯手段と、前記照度検知手段によって検知された車両周囲の照度が前記第一点灯基準照度よりも高照度側の第二点灯基準照度を下回り且つ前記第一点灯基準照度を上回っている状態が点灯基準時間だけ継続したときに前記灯火類を点灯する第二点灯手段と、前記照度検知手段によって検知された車両周囲の照度が前記第二点灯基準照度よりも高照度側の消灯基準照度を上回った状態が消灯基準時間だけ継続したときに前記灯火類を消灯する消灯手段とを有することを特徴とする灯火類消点灯制御装置。

請求項2

前記点灯基準時間の長さを自在に変更できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の灯火類消点灯制御装置。

請求項3

車両周囲の照度を検知する照度検知ステップと、前記照度検知ステップによって検知された車両周囲の照度に基づいて車両の灯火類の点灯及び消灯を制御する制御ステップとを含む灯火類消点制御方法において、前記制御ステップは、前記照度検知ステップによって検知された車両周囲の照度が第一点灯基準照度を下回ったときに前記灯火類を点灯する第一点灯ステップと、前記照度検知ステップによって検知された車両周囲の照度が前記第一点灯基準照度よりも高照度側の第二点灯基準照度を下回り且つ前記第一点灯基準照度を上回っている状態が点灯基準時間だけ継続したときに前記灯火類を点灯する第二点灯ステップと、前記照度検知ステップによって検知された車両周囲の照度が前記第二点灯基準照度よりも高照度側の消灯基準照度を上回った状態が消灯基準時間だけ継続したときに前記灯火類を消灯する消灯ステップとを含むことを特徴とする灯火類消点灯制御方法。

請求項4

前記点灯基準時間の長さを自在に変更できるようにしたことを特徴とする請求項3記載の灯火類消点灯制御方法。

技術分野

0001

本発明は、灯火類消点灯制御装置に関し、詳しくは、自動車等車両の前照灯後尾灯及び車幅灯などの灯火類を自動消点灯する灯火類消点灯制御装置及び制御方法に関する。

背景技術

0002

今日、多くの車両に搭載されている灯火類消点灯制御装置(いわゆるオートライトシステム)は、車両周囲の明るさ(以下、照度)に応じて車両の灯火類を自動消点灯するものであり、運転者の負担を軽減できるばかりか、灯火類のつけ忘れや消し忘れを防止できる点で安全性にも大きく寄与するものである。

0003

この装置の基本形は、車両周囲の照度が所定の点灯基準照度(灯火類を点灯すべき照度)を下回ったとき(単純にいえば暗くなったとき)に灯火類を点灯し、また、消灯基準照度(灯火類を消灯すべき照度)を上回ったとき(単純にいえば明るくなったとき)に灯火類を消灯するというものであるが、かかる簡単な仕組みでは、自動消点灯の信頼性が乏しく、しばしば不必要な点灯が行われることがあり、煩わしさを感じるという不都合がある。また、灯火類のうちの前照灯は、対向車歩行者に対する合図(パッシング)として用いられることもあり、不必要な点灯は歩行者や対向車に誤解を与えかねないという不都合もある。

0004

図5は、不要点灯の説明図である。この図において、縦軸は車両周囲の照度を表し、横軸は時間を表している。また、SLonは所定の点灯基準照度(灯火類を点灯すべき照度)であり、SLoffは消灯基準照度(灯火類を消灯すべき照度)である。

0005

ここで、走行中の車両の時間経過を、以下の三つのパターンに分けることにする。第一パターンはトンネル進入からトンネルを抜けるまでであり、第二パターンは並木道などの断続した日陰部分を走行しているときであり、第三パターンは日暮れ時に走行しているときである。期待すべき結果は、第一パターンと第三パターンで灯火類点灯であり、第二パターンでは灯火類を点灯する必要がない。つまり、トンネル内は(無照明の場合はもちろんのこと仮に照明があったとしても)相当暗いため、自車前方の確認と自車の存在を周囲に知らせるために灯火類を点灯する必要があり、同様に、日暮れ時の走行の際にも灯火類の早め点灯を行って自車の存在を周囲に知らせる必要があるが、並木道などの断続した日陰部分は、単に直射日光に晒されていないだけであり、自車前方が見にくくなるとも、周囲から自車の存在が分かりにくくなるともいい難く、したがって、かかる並木道などの断続した日陰部分における灯火類点灯は、不必要な点灯ということができるからである。

0006

さて、この図を参照すると、第一パターン(トンネル内走行)では、車両周囲の照度がSLonを下回っているため灯火類が点灯される。同様に、第三パターン(日暮れ時走行)においても、車両周囲の照度がSLonを下回っているため灯火類が点灯される。したがって、これらの第一パターンと第三パターンについては、上記の「期待すべき結果」が満たされる。

0007

一方、第二パターン(並木道などの断続した日陰の走行)については、上記の「期待すべき結果」は満たされない。車両周囲の照度が日陰を通る度にSLonを下回り、断続的に灯火類が点灯されてしまうからである。かかる不都合は、SLonを低照度側に移動することによって解消できるが、そうすると今度は、第一パターンと第三パターンの灯火類点灯が遅れるので好ましくない。

0008

下記の特許文献1には、車両周囲の照度が前照灯を点灯させるべき照度(図5のSLonに相当)以下になった状態が“所定時間”続いた場合に前照灯を点灯させるようにしたもの(従来技術1)が記載されている。この従来技術1によれば、前記の第二パターンにおける日陰部分を通過する時間が“所定時間”以内であれば、灯火類は点灯しない。したがって、不要な灯火類点灯を回避して煩わしさをなくすことができる。

0009

しかし、この従来技術1は、車両周囲の照度が前照灯を点灯させるべき照度(図5のSLonに相当)以下になった状態が“所定時間”続かなければ、灯火類を点灯しないため、たとえば、上記の第一パターン(トンネル内走行)や第三パターン(日暮れ時走行)において、灯火類点灯が“所定時間”だけ遅れることとなり、とりわけ、トンネル進入時の灯火類の点灯遅れは、安全性の面で好ましくない。

0010

下記の特許文献2には、ビデオカメラ車両前方の画像を撮影し、その画像に含まれる暗部の割合が所定量を超えたときにトンネルのような暗所に進入しようとしているものと判断して前照灯を点灯させるもの(従来技術2)が記載されている。この従来技術2では、トンネル等の暗所にさしかかる前に前照灯を点灯できるため、従来技術1のような不都合はない。

0011

特開平10−297355号公報
特開2001−39210号公報

発明が解決しようとする課題

0012

上記の従来技術2は、トンネル等の暗所にさしかかる前に灯火類を自動点灯できるという優れた利点を有するが、ビデオカメラや画像処理装置等の大がかりなシステムが必要であり、コストが嵩み、多くの車両に簡単に搭載できないという問題点がある。

0013

本発明の目的は、コストをかけずに自動消点灯の信頼性を向上できる灯火類消点灯制御装置及び制御方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0014

本発明に係る灯火類消点灯制御装置は、車両周囲の照度を検知する照度検知手段と、前記照度検知手段によって検知された車両周囲の照度に基づいて車両の灯火類の点灯及び消灯を制御する制御手段とを備えた灯火類消点灯制御装置において、前記制御手段は、前記照度検知手段によって検知された車両周囲の照度が第一点灯基準照度を下回ったときに前記灯火類を点灯する第一点灯手段と、前記照度検知手段によって検知された車両周囲の照度が前記第一点灯基準照度よりも高照度側の第二点灯基準照度を下回り且つ前記第一点灯基準照度を上回っている状態が点灯基準時間だけ継続したときに前記灯火類を点灯する第二点灯手段と、前記照度検知手段によって検知された車両周囲の照度が前記第二点灯基準照度よりも高照度側の消灯基準照度を上回った状態が消灯基準時間だけ継続したときに前記灯火類を消灯する消灯手段とを有することを特徴とするものである。
また、本発明に係る灯火類消点灯制御方法は、車両周囲の照度を検知する照度検知ステップと、前記照度検知ステップによって検知された車両周囲の照度に基づいて車両の灯火類の点灯及び消灯を制御する制御ステップとを含む灯火類消点灯制御方法において、前記制御ステップは、前記照度検知ステップによって検知された車両周囲の照度が第一点灯基準照度を下回ったときに前記灯火類を点灯する第一点灯ステップと、前記照度検知ステップによって検知された車両周囲の照度が前記第一点灯基準照度よりも高照度側の第二点灯基準照度を下回り且つ前記第一点灯基準照度を上回っている状態が点灯基準時間だけ継続したときに前記灯火類を点灯する第二点灯ステップと、前記照度検知ステップによって検知された車両周囲の照度が前記第二点灯基準照度よりも高照度側の消灯基準照度を上回った状態が消灯基準時間だけ継続したときに前記灯火類を消灯する消灯ステップとを含むことを特徴とするものである。
ここで、車両周囲の照度とは、車両周囲の明るさを表すものであればよく、照度以外のものであってもよい。
本発明によれば、車両周囲の照度が第一点灯基準照度を下回ったときに灯火類を点灯するので、たとえば、第一点灯基準照度をトンネル内の照度より若干高めにしておけば、当該トンネルへの進入と同時に灯火類を点灯することができる。
また、車両周囲の照度が前記第一点灯基準照度よりも高照度側の第二点灯基準照度を下回り且つ前記第一点灯基準照度を上回っている状態が点灯基準時間だけ継続したときにも灯火類を点灯するので、たとえば、並木道などの断続した日陰部分を通過する際には、一つ一つの日陰の通過時間が上記の点灯基準時間に満たないため、灯火類の点灯は行われない。このため、かかる並木道などの断続した日陰部分を通過する際の不必要な灯火類の点灯を回避できる。なお、日陰の通過時間が上記の点灯基準時間を超える場合、つまり、灯火類の点灯を必要とする程度の長めの日陰を通過する際には、灯火類の点灯を行うことができる。
また、車両周囲の照度が前記第二点灯基準照度よりも高照度側の消灯基準照度を上回った状態が消灯基準時間だけ継続したときに前記灯火類を消灯するので、上記の状態(車両周囲の照度が消灯基準照度を上回った状態)が消灯基準時間だけ継続しないような場合、たとえば、夜間やトンネル内走行中に道路照明や対向車の前照灯などによって一時的に上記の状態(車両周囲の照度が消灯基準照度を上回った状態)が生じた場合には、不本意に灯火類が消灯されてしまうことがない。
また、本発明の好ましい態様は、前記点灯基準時間の長さを自在に変更できるようにしたことを特徴とするものである。
このようにすると、運転者の所望により、そのときの走行状態に応じて、点灯基準時間を長めに設定したり、短めに設定したりすることができ、実情に即した自動点灯制御特性を与えることができる。たとえば、点灯基準時間を短めに設定すれば、日陰部分で灯火類が点灯しやすい特性に変更することができ、その逆に、点灯基準時間を長めに設定すれば、日陰部分で灯火類が点灯しにくい特性に変更することができる。

発明の効果

0015

本発明によれば、従来技術2のようなビデオカメラや画像処理装置等の大がかりなシステムを必要とすることなく、たとえば、トンネル通過時の灯火類の自動点灯及び日暮れ時の自動点灯を行うことができ、且つ、並木道などの断続した日陰部分を通過する際の不必要な灯火類の点灯を回避することができる。したがって、コストをかけずに多くの車両に簡単に搭載できる信頼性の高い灯火類消点灯制御装置及び制御方法を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0016

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。

0017

図1は、灯火類消点灯制御装置の構成図である。この図において、灯火類消点灯制御装置1は、車両のイグニッションスイッチ2を介してバッテリ3の正極性電圧+Vbが加えられる+電源端子4と、車両のオートライトスイッチ5を介してバッテリ3の負極性電圧−Vb(接地電位でもある)が加えられる−電源端子6と、第一リレー7の接地端側に接続される第一リレー駆動出力端子8と、第二リレー9の接地端側に接続される第二リレー駆動出力端子10とを備える。

0018

図示の第一リレー7及び第二リレー9は、車両の灯火類をオンオフ(点灯/消灯)するための電磁リレーを表している。これらの第一リレー7及び第二リレー9には不図示の電磁接点が備えられており、各々の電磁接点を介してバッテリ3からの電源電圧(+Vb)が車両の灯火類(前照灯、後尾灯、車幅灯など)に断接可能に供給されるようになっている。

0019

以下、説明の便宜上、第一リレー7を前照灯と後尾灯のオンオフ用とし、第二リレー9を車幅灯のオンオフ用とすることにする。第一リレー7及び第二リレー9の接地端側と接地電位の間には、それぞれ前照灯と後尾灯の手動オンオフスイッチ11並びに車幅灯の手動オンオフスイッチ12が入れられている。これにより、運転者によって、これらの手動オンオフスイッチ11、12が操作された場合には、前照灯と後尾灯並びに車幅灯の手動オンオフを行うことができるようになっている。

0020

さらに、灯火類消点灯制御装置1には、前記の各端子4、6、8、10に加えて、電源回路13、照度情報生成回路14、入力回路15、制御回路16及び出力回路17が設けられている。

0021

電源回路13は、車両のイグニッションスイッチ2がオンになって+電源端子4に正極性電源+Vbが加えられると、この正極性電源+Vbから灯火類消点灯制御装置1の各部の動作に必要な内部電源電圧を生成し、その内部電源電圧を照度情報生成回路14、入力回路15、制御回路16及び出力回路17に供給する。

0022

照度情報生成回路14は、車両の所定位置(車両周囲の明るさを感知できる適切な位置、たとえば、ダッシュボード前方等)に取り付けられた光電変換素子(例:cds等)14aからの光信号(車両周囲の明るさに応じた電気信号)を照度信号D1に変換して制御回路16に出力する。

0023

入力回路15は、車両のオートライトスイッチ5がオンになって−電源端子6に負極性電源−Vbが加えられると、オートライトの制御開始を指示するオートライト制御開始信号D2をアクティブにして制御回路16に出力する。なお、この入力回路15は、車両のオートライトスイッチ5がオフになって−電源端子6に負極性電源−Vbが加えられなくなると、オートライトの制御開始を指示するオートライト制御開始信号D2をインアクティブにして制御回路16に出力する。

0024

制御回路16は、特にそれに限定されないが、主要な機能をソフトウェアで実現するマイクロプロセッサで構成されている。この制御回路16は、電源回路13から内部電源が供給されていること、及び、入力回路15からのオートライト制御開始信号D2がアクティブになっていることの二つの条件が満たされている間、後述するオートライト制御(図2参照)を繰り返し実行し、その制御の結果、灯火類を点灯すべきと判定されたときには、前照灯と後尾灯用の点灯信号D3と車幅灯用の点灯信号D4とをアクティブにして出力回路17に出力する一方、灯火類を消灯すべきと判定されたときには、同点灯信号D3、D4をインアクティブにして出力回路17に出力する。

0025

出力回路17は、点灯信号D3、D4がアクティブのときに、第一リレー駆動出力端子8及び第二リレー駆動出力端子10を介して、第一リレー7及び第2リレー9に接地電位を供給し、これらの第一リレー7及び第2リレー9を励磁状態とすることにより、手動オンオフスイッチ11、12のオンオフにかかわらず、不図示の前照灯と後尾灯並びに車幅灯を強制的に点灯状態とする。また、この出力回路17は、点灯信号D3、D4がインアクティブのときに、第一リレー7及び第2リレー9への接地電位の供給を停止し、これらの第一リレー7及び第2リレー9を非励磁状態とすることにより、不図示の前照灯と後尾灯並びに車幅灯を消灯状態とする。ただし、この場合、手動オンオフスイッチ11、12がオンになっていれば、不図示の前照灯と後尾灯並びに車幅灯は点灯状態をそのまま維持する。

0026

図2は、制御回路16で実行されるオートライト制御のフローチャートを示す図である。このフローチャートは、電源回路13からの内部電源供給直後に実行される初期化処理(ステップS1)(たとえば、マイクロプロセッサの自己診断や各種変数の初期化処理等)と、当該初期化処理(ステップS1)の実行以降に、所定の周期(たとえば、10ms周期)ごとに繰り返し実行される点灯ロジック(ステップS2)及び消灯ロジック(ステップS3)とを含む。

0027

フローチャートで使用する定数と変数を定義する。定数は「SLoff」、「SLon1」及び「SLon2」の三つであり、変数は「ON_TMR」及び「OFF_TMR」の二つである。

0028

SLoffは、灯火類の消灯基準照度である。すなわち、車両周囲の照度がその照度を上回ったときに灯火類を“消灯”すべきと判断するための基準照度である。以下、説明の便宜上、SLoffを1,500ルクス(lx)とする。SLon1及びSLon2は、いずれも灯火類の点灯基準照度である。すなわち、車両周囲の照度がその照度を下回ったときに灯火類を“点灯”すべきと判断するための基準照度である。SLon1とSLon2は、SLoffよりも低照度で、且つ、「SLon1<SLon2」の関係にある。たとえば、説明の便宜上、SLon1は200ルクス、SLon2は1,000ルクスである。

0029

ON_TMRは灯火類の点灯判定時間、OFF_TMRは灯火類の消灯判定時間である。これらはいずれも必要に応じて値が変更される“変数”であり、各々の初期値はON_TMR=1000d、OFF_TMR=100dである。なお、これらの初期値の“d”は、その直前の数が10進表記の数値であることを示す記号である。つまり、ON_TMR=1000(10)、OFF_TMR=100(10)と同じ意味である。ON_TMRは点灯ロジックのステップS2dを実行する度にその値を一つ減らし、また、OFF_TMRは消灯ロジックのステップS3dを実行する度にその値を一つ減らす。点灯ロジックと消灯ロジックの実行周期は上記定義のとおり「10ms」であるから、結局、ON_TMRの初期値(1000d)は1000×10ms=10秒を意味し、OFF_TMRの初期値(100d)は100×10ms=1秒を意味する。10秒は後述の“ON遅延時間”に相当し、1秒は後述の“OFF遅延時間”に相当する。言うまでもなく、これらの時間(10秒、1秒)は説明のための便宜値である。

0030

フローチャートを開始すると、最初にステップS1でON_TMRとOFF_TMRを初期化し、次いで、ステップS2の点灯ロジックを実行する。

0031

この点灯ロジックでは、まず、灯火類が消灯中であるか否か、つまり、前照灯と後尾灯用の点灯信号D3と車幅灯用の点灯信号D4とがインアクティブになっているか否かを判定する(ステップS2a)。灯火類が消灯中でなければ(点灯中であれば)、ON_TMRを初期化(ON_TMR←1000d)して(ステップS2h)、ステップS3の消灯ロジックに進み、消灯中であれば、以下の処理を実行する。

0032

すなわち、照度情報生成回路14からの照度信号D1を取り込み、「D1≦SLon1」であるか否か、つまり、車両周囲の照度がSLon1(=200ルクス)を下回っているか否かを判定する(ステップS2b)。そして、「D1≦SLon1」である場合には、ON_TMRをゼロリセット(ON_TMR←0d)し(ステップS2c)、ON_TMRの減算操作(ON_TMR←ON_TMR−1)を行い(ステップS2d)、ON_TMRのタイムアップを判定する(ステップS2e)。ここで、ON_TMRのタイムアップとは、ON_TMRの値が0又は負値になることをいう。

0033

上記のように、ステップS2cでON_TMRをゼロリセットし、ステップS2dでON_TMRの減算操作を行った場合、ON_TMRの値は−1になる(したがって、タイムアップする)ので、この場合、ステップS2eの判定結果が“YES”となり、前照灯と後尾灯及び車幅灯を強制点灯するために、各々の点灯信号D3、D4をアクティブにする(ステップS2f)。

0034

さて、前記定義のとおり、SLon1は200ルクスである。この照度(200ルクス)はかなり暗く、たとえば、日没後の時間帯やトンネル内などのように灯火類の点灯を必要とする明るさに相当する。図示の点灯ロジック(ステップS2)によれば、車両周囲の照度(D1)がSLon1を下回っているときには、ON_TMRをゼロリセットして強制的に点灯信号D3、D4をアクティブにするから、たとえば、車両がトンネル内に進入したときに前照灯や後尾灯及び車幅灯を直ちに点灯して、車両前方を明るく照らして障害物等の確認をできるようにすると共に、自車の存在を周囲に知らせることができるようになる。

0035

一方、車両周囲の照度(D1)がSLon1を下回っていないときには、「D1≦SLon2」であるか否か、つまり、車両周囲の照度がSLon2(=1,000ルクス)を下回っているか否かを判定する(ステップS2g)。そして、「D1≦SLon2」である場合には、ON_TMRの減算操作(ON_TMR←ON_TMR−1)を行い(ステップS2d)、ON_TMRのタイムアップを判定する(ステップS2e)。

0036

上記のとおり、ON_TMRのタイムアップとは、ON_TMRの値が0又は負値になることをいい、また、ON_TMRの現在の値は、このフローチャートの初回実行時又はステップS2aにおける初回の消灯判定時においては、初期値の1000dのままである。したがって、この段階では、ステップS2dの減算操作により、1000d−1=999dであり、ステップS2eで、ON_TMRのタイムアップは判定されない。ON_TMRのタイムアップが判定されるのは、この点灯ロジック(ステップS2)を少なくとも1000回(ON_TMRの初期値で定められた回数)繰り返したときである。点灯ロジック(ステップS2)を1000回繰り返してもなお車両周囲の照度がSLon2(=1,000ルクス)を下回っている場合には、前照灯と後尾灯及び車幅灯を強制点灯するために、各々の点灯信号D3、D4をアクティブにする(ステップS2f)。

0037

さて、前記定義のとおり、SLon2は1,000ルクスである。この照度(1,000ルクス)は、SLon1の照度(200ルクス)に比べて明るいものの、SLoffの照度(1,500ルクス)よりは暗く、灯火類を点灯すべきか否かの判断に迷う明るさである。そこで、図示の点灯ロジック(ステップS2)では、車両周囲の照度(D1)がSLon1を上回り且つSLon2を下回っている状態が所定時間(上記の1000回に相当する時間、すなわち、1000×10ms=10秒)継続した場合に、灯火類を点灯すべき状況であると判断し、強制的に点灯信号D3、D4をアクティブにする。

0038

したがって、たとえば、並木道などの日陰が断続する場所を走行するときには、各々の日陰の通過時間が短く、上記の10秒に満たないから、かかる場所における不必要な灯火類の点灯を回避することができ、煩わしさの防止と、対向車等への誤解を招く合図(パッシング)の防止を図ることができる。

0039

なお、日陰の長さは様々である。たとえば、太陽の位置が低い場合は長い影ができ、それに伴って日陰の通過時間が長くなることもある。このため、状況によっては、日陰を通過中にON_TMRがタイムアップしてしまい、不必要な灯火類の点灯が行われる可能性を否定できない。これに対処するためには、たとえば、ON_TMRの初期値(1000d)を、運転者の所望によって長短変更できるようにしておくことが好ましい。そのときの走行状態に応じて、ON_TMRの初期値を多めに設定したり、少なめに設定したりすることができ、実情に即した日陰通過の自動点灯制御特性を与えることができるからである。

0040

次に、ステップS3の消灯ロジックについて説明する。この消灯ロジックは、灯火類の点灯中に、車両周囲の照度(D1)がSLoff(=1,500ルクス)を上回ったとき(たとえば、夜が明けたとき又はトンネルを通過したとき等)に灯火類を消灯するためのブロックである。

0041

この消灯ロジックでは、まず、灯火類が点灯中であるか否か、つまり、前照灯と後尾灯用の点灯信号D3と車幅灯用の点灯信号D4とがアクティブになっているか否かを判定する(ステップS3a)。点灯中でなければ(消灯中であれば)、OFF_TMRを初期化(OFF_TMR←100d)し(ステップS3b)、10ms後に再びステップS2の点灯ロジックを実行する。

0042

一方、ステップS3aで灯火類の点灯中が判定された場合は、照度情報生成回路14からの照度信号D1を取り込み、又は、先の点灯ロジックで取り込み済みの照度信号D1を利用して、「D1≧SLoff」であるか否か、つまり、車両周囲の照度がSLoff(=1,500ルクス)を上回っているか否かを判定する(ステップS3c)。そして、「D1≧SLoff」でない場合には、OFF_TMRを初期化(OFF_TMR←100d)し(ステップS3b)、10ms後に再びステップS2の点灯ロジックを実行するが、「D1≧SLoff」である場合には、OFF_TMRの減算操作(OFF_TMR←OFF_TMR−1)を行い(ステップS3d)、OFF_TMRのタイムアップを判定する(ステップS3e)。ここで、OFF_TMRのタイムアップとは、ON_TMRのタイムアップと同様に、OFF_TMR値が0又は負値になることをいう。

0043

OFF_TMRの現在の値は、このフローチャートの初回実行時又はステップS3aにおける初回の点灯判定時においては、初期値の100dのままである。したがって、この段階では、ステップS3dの減算操作により、100d−1=99dであり、ステップS3eで、OFF_TMRのタイムアップは判定されない。OFF_TMRのタイムアップが判定されるのは、この消灯ロジック(ステップS3)を少なくとも100回(OFF_TMRの初期値で定められた回数)繰り返したときである。消灯ロジック(ステップS3)を100回繰り返してもなお車両周囲の照度がSLoff(=1,500ルクス)を上回っている場合には、前照灯と後尾灯及び車幅灯を強制消灯するために、各々の点灯信号D3、D4をインアクティブにする(ステップS3f)。

0044

さて、前記定義のとおり、SLoffは1,500ルクスである。この照度(1,500ルクス)は、SLon1の照度(200ルクス)はもちろんのこと、SLon2の照度(1,000ルクス)よりも明るい。したがって、「D1≧SLoff」となった場合には、これらのSLon1やSLon2に従って灯火類を点灯したときの状況が解消され(つまり、車両周囲が明るくなり)、もはや、灯火類を点灯し続ける必要がないと判断することができる。しかしながら、「D1≧SLoff」となったときに、直ちに灯火類を消灯すると不都合を生じることがある。道路照明や対向車の前照灯などにより、一時的に「D1≧SLoff」となり得るケースがあるからである。このようなケースで、その都度、灯火類を消灯すると、とりわけ、夜間の場合に一瞬車両前方が真っ暗になって安全を確保できなくなる。

0045

そこで、図示の消灯ロジック(ステップS3)では、「D1≧SLoff」の状態、つまり、車両周囲の照度(D1)がSLoffを上回っている状態が所定時間(上記の100回に相当する時間、すなわち、100×10ms=1秒)継続した場合にのみ、灯火類を消灯すべき状況であると判断し、強制的に点灯信号D3、D4をインアクティブにしている。

0046

このようにすることにより、一時的に「D1≧SLoff」となり得るケースを灯火類の消灯判断から除外することができ、とりわけ、夜間の場合に一瞬車両前方が真っ暗になるという安全上あってはならない状況を回避することができる。

0047

図3は、本実施形態における作用説明図である。この図において、縦軸は車両周囲の照度を表し、横軸は時間を表している。前記前提のとおりSLonは1,500ルクス、SLon2は1,000ルクス、SLon1は200ルクスである。時間軸に沿った「トンネル」、「並木道などの断続した日陰」及び「日暮れ」は、冒頭の不要点灯説明図(図5)における三つのパターンに相当する。すなわち、第一パターンはトンネルの進入からトンネルを抜けるまでであり、第二パターンは並木道などの断続した日陰部分を走行しているときであり、第三パターンは日暮れ時に走行しているときである。なお、以下の説明においては、車両のオートライトスイッチ5がオンになっているものとする。

0048

まず、第一パターン(トンネル走行)について説明する。日中の道路走行中は、晴天下はもちろんのこと曇天下であっても車両周囲の照度(D1)は充分な明るさであり、D1がSLon1やSLon2を下回ることはない。したがって、この走行状態にある限り、車両のオートライトスイッチ5がオンになっていたとしても灯火類は点灯しない。

0049

今、日中の道路上からトンネルに入った場合を想定すると、トンネルへの進入に伴って車両周囲の照度(D1)は急激に低下する(暗くなる)。こうした急激な照度の低下は、トンネル内に照明設備がない場合は当然のこと、たとえ、照明設備あった場合であっても照明設備の照度は太陽光に比べてはるかに暗いため必然的に発生する。SLon1の値(=200ルクス)は、このようなトンネル又はそれに相当する道路設備内の照度を案し、それを若干上回るように設定されたものである。

0050

したがって、トンネルへの進入に伴って車両周囲の照度(D1)が低下してSLon1を下回ると、図2のステップS2aの判定結果が“YES”となり、ON_TMRをゼロリセット(ステップS2c)して強制的に点灯信号D3、D4をアクティブにする(ステップS2f)から、前照灯や後尾灯及び車幅灯を直ちに点灯して、車両前方を明るく照らして障害物等の確認をできるようにすると共に、自車の存在を周囲に知らせることができるようになる。

0051

トンネル内を走行中は、車両周囲の照度(D1)がSLon1を下回る状態が続く。このため、上記のトンネルへの進入時と同様に、図2のステップS2aの判定結果が“YES”となり、ON_TMRをゼロリセット(ステップS2c)して強制的に点灯信号D3、D4をアクティブ(ステップS2f)にし、前照灯や後尾灯及び車幅灯の点灯を継続する。

0052

トンネルを抜けると、車両周囲の照度(D1)が急激に明るくなるため、灯火類を直ちに消灯しても差し支えないが、本実施形態では、前記で述べた不都合(夜間やトンネル内走行中において道路照明や対向車の前照灯などの影響による不本意な消灯)を回避するために、車両周囲の照度(D1)がSLoffを上回っている状態が所定時間(ステップS3の消灯ロジックが100回繰り返される時間;100×10ms=1秒)継続した場合に、灯火類を消灯するようにしている。図中の“OFF遅延時間”が上記の所定時間(1秒)に相当する。つまり、「D1≧SLoff」の状態が“OFF遅延時間”だけ続いたときにはじめて灯火類を消灯するようにしている。

0053

このように、本実施形態においては、第一パターン(トンネル内走行)の際に、トンネルへの進入とほぼ同時に灯火類を点灯し、トンネル内はその点灯状態を維持し、トンネルを抜けた後、所定時間(OFF遅延時間)の経過後に灯火類を消灯することができる。

0054

なお、上記の所定時間(OFF遅延時間)を設けたことにより、たとえば、複数のトンネルが狭い間隔で続く場合にトンネルとトンネルの間の通過時間が上記の所定時間(OFF遅延時間)以下であれば、灯火類を点灯したままにしておくことができるという付随効果も得られる。

0055

次に、第二パターン(並木道などの断続した日陰を走行するとき)について説明する。日中の日陰部分の明るさは太陽光直下よりも暗いが、トンネル内ほどではない。今、日陰部分の照度がSLon2を若干下回る程度とすると、車両が日陰部分を通過する際に「D1≦SLon2」となる。このため、点灯ロジックのステップS2gの判定結果が“YES”となるが、本実施形態では、この判定結果だけでは灯火類を点灯しない。少なくとも「D1≦SLon2」の状態が所定時間(ステップS2の点灯ロジックが1000回繰り返される時間;1000×10ms=10秒)継続したときに、灯火類を点灯するようにしている。

0056

多くの場合、並木道などの日陰の通過時間はきわめて短く、「D1≦SLon2」の状態が所定時間(ステップS2の点灯ロジックが1000回繰り返される時間=10秒)続くことはないからである。図中の“ON遅延時間”は、この所定時間(10秒)のことを指している。

0057

したがって、本実施形態では、この第二パターンの場合に灯火類の不必要な点灯を行わないようにすることができ、煩わしさをなくすことができると共に、対向車や歩行者への誤解を招きかねない合図(パッシング)を回避することができる。

0058

次に、第三パターン(日暮れ時の走行)について説明する。日暮れ時は、車両周囲の照度(D1)がゆっくりとしかも確実に低下するため、ある時点で「D1≦SLon2」の状態になる。そして、先の第二パターンでも説明したとおり、この状態(D1≦SLon2)が所定時間(ステップS2の点灯ロジックが1000回繰り返される時間:ON遅延時間)継続すると、灯火類を点灯する。

0059

このように、第三パターン(日暮れ時走行)の際にも、「D1≦SLon2」の状態が所定時間(ON遅延時間)継続したときに、灯火類を点灯することができ、灯火類のつけ忘れを回避し、車両前方の確認と周囲への自車の存在告知とを支障なく行うことができる。また、SLon2の値を適切に設定することにより、日暮れ時の“早め点灯”を行うことが可能となり、交通安全にも寄与することができる。

0060

図4は、SLon2のみに着目した本実施形態の作用説明図である。この図においては、先の第一パターンの代わりに「長めの日陰」が例示されている。他のパターン(第二及び第三パターン)は先の例(図3)と同じである。長めの日陰とは、トンネル内ほどではないにせよ、視認性が悪くなる程度の暗さ、したがって、灯火類を点灯した方がよいと考えられる通過時間が長い日陰のことをいう。

0061

このような長めの日陰に車両が入ると、「D1≦SLon2」の状態が生じるので、この状態が所定時間(ON遅延時間)継続したとき(タイムアップしたとき)に灯火類を点灯する。また、日陰を抜けた後、「D1≧SLoff」の状態が“OFF遅延時間”だけ続いたときに灯火類を消灯する。

0062

他のパターン(第二及び第三パターン)については、先の例(図3)と同様である。すなわち、第二パターン(並木道などの断続した日陰を走行するとき)では、「D1≦SLon2」の状態が所定時間(ON遅延時間)継続しないため灯火類を点灯せず、また、第三パターン(夕暮時走行)では、図示の例の場合、「D1≦SLon2」の状態が所定時間(ON遅延時間)継続する前(タイムアップする前に)に「D1≦SLon1」の状態になったため、直ちに灯火類を点灯している。

0063

以上のとおり、本実施形態によれば、トンネル内に進入すると同時に灯火類を点灯し、トンネルを抜けてから所定時間(OFF遅延時間)の経過後に灯火類を消灯することができる。また、並木道などの断続した日陰を通過しているときは、その日陰通過時間が所定時間(ON遅延時間)を越えない限り、灯火類を点灯しない。また、日暮れ時走行の際には、周囲の明るさが所定の照度(SLon2)を下回ってから所定時間(ON遅延時間)経過後に灯火類を点灯することができる。

0064

したがって、走行安全上必要と思われる状況(トンネル内走行や日暮れ時走行など)の場合には灯火類を自動点灯する一方、不必要と思われる状況(並木道などの断続した日陰を走行するとき)の場合には灯火類の点灯を行わないようにすることができる。

0065

しかも、かかる効果は、図1に示す灯火類消点灯制御装置1、すなわち、電源回路13、照度情報生成回路14、入力回路15、制御回路16及び出力回路17からなる灯火類消点灯制御装置1を備えるだけで実現することができ、これらの構成に要するコストは、冒頭の従来技術2のようなビデオカメラや画像処理装置等の大がかりなシステムに比べて遙かに少なくて済むから、本発明の目的、すなわち、「コストをかけずに自動消点灯の信頼性を向上できる灯火類消点灯制御装置及び制御方法を提供すること」を達成することができるのである。

0066

なお、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではない。本発明の思想にとって欠くことのできない事項は、以下のとおりである。

0067

(1)消灯基準照度と点灯基準照度:
一つの消灯基準照度(SLoff)と二つの点灯基準照度(SLon1、SLon2)。これらは「SLoff>SLon2>SLon1」の関係を満たさなければならない。つまり、SLoffよりもSLon2の照度が低く、且つ、SLon2よりもSLon1の照度が低くなければならない。
(2)灯火類の点灯条件
A.車両周囲の照度(D1)がSLon1を下回ったときには速やかに灯火類を点灯しなければならない。
B.車両周囲の照度(D1)がSLon2を下回り、且つ、SLon1を上回っているときには、その状態が所定時間(実施例中のON遅延時間)継続した場合に灯火類を点灯しなければならない。ただし、その状態が所定時間(実施例中のON遅延時間)継続しない場合には灯火類を点灯してはならない。
(3)灯火類の消灯条件
A.車両周囲の照度(D1)がSLoffを上回ったときには、その状態が所定時間(実施例中のOFF遅延時間)継続した場合に灯火類を消灯しなければならない。ただし、その状態が所定時間(実施例中のOFF遅延時間)継続しない場合には灯火類を消灯してはならない。

0068

(1)は、(2)及び(3)に必要な事項である。また、(2)のAは、トンネル内などの通過の際に灯火類を速やかに点灯するために必要な事項である。また、(2)のBは、並木道などの断続した日陰を走行する際の不必要な灯火類の点灯を防止するために必要な事項である。また、(3)のAは、たとえば、夜間やトンネル内走行中に道路照明や対向車の前照灯などによる影響で不本意に灯火類が消灯されてしまわないようにするための必要な事項である。

0069

少なくとも、発明の思想上は、これらの(1)〜(3)の事項を全て満たす構成になっていればよい。トンネル内で自動点灯することができると共に、並木道などの断続した日陰部分で不必要な点灯を回避することができ、さらに、日暮れ時の自動点灯を行うことができるからであり、しかも、夜間やトンネル内走行中に道路照明や対向車の前照灯などによる影響で不本意に灯火類が消灯されてしまわないようにすることもできるからである。したがって、(1)〜(3)の事項を全て満たしている限り、その実施方法の如何は問わない。上記のようにマイクロプロセッサ(制御回路16)を主体にして構成された灯火類消点灯制御装置1はもちろんのこと、その全体をハードロジックで構成した灯火類消点灯制御装置1であってもよいし、その他の構成の灯火類消点灯制御装置1であっても構わない。

0070

なお、以上の説明では、車両周囲の明るさを「照度」としているが、これに限定されない。明るさを表現できるものであれば、どのような物理量及び単位であっても構わないことは当然である。

図面の簡単な説明

0071

灯火類消点灯制御装置の構成図である。
制御回路16で実行されるオートライト制御のフローチャートを示す図である。
本実施形態における作用説明図である。
SLon2のみに着目した本実施形態の作用説明図である。
不要点灯の説明図である。

符号の説明

0072

1灯火類消点灯制御装置
14照度情報生成回路(照度検知手段)
16制御回路(制御手段、第一点灯手段、第二点灯手段、消灯手段)
D1照度
SLon1点灯基準照度(第一点灯基準照度)
SLon2 点灯基準照度(第二点灯基準照度)
SLoff 消灯基準照度(消灯基準照度)

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