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技術 Ti含有極低炭素鋼スラブの製造方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 鶴丸裕史高岡隆司黒瀬芳和川嶋一斗士
出願日 2006年3月10日 (14年11ヶ月経過) 出願番号 2006-065609
公開日 2007年9月20日 (13年4ヶ月経過) 公開番号 2007-239062
状態 特許登録済
技術分野 連続鋳造 鋳造前の予備処理と金属の鋳造 溶融状態での鋼の処理
主要キーワード スリーバー 液圧バルジ試験 高強度化元素 エンド部分 還流速度 脱ガス処理装置 精整ライン 自動車向け
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年9月20日)のものです。
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図面 (3)

課題

表面品質内部品質が共に優れるTi含有極低炭素鋼スラブの製造方法を提案する。

解決手段

溶鋼脱炭し、Al予備脱酸し、Ti脱酸する真空脱ガス処理を施した後、Caを添加し、その後、連続鋳造してTi含有極低炭素鋼スラブを製造する方法において、上記Al予備脱酸およびTi脱酸における総還流量を2000t以上確保すると共に、Arガスの吹き込みを行うことなく連続鋳造することを特徴とするTi含有極低炭素鋼スラブの製造方法。

概要

背景

自動車用鋼板家電製品等に用いられる鋼板には、優れた深絞り性が求められるため、極低炭素鋼にTiを添加したTi含有極低炭素鋼スラブ素材とした冷延鋼板や、溶融亜鉛めっき鋼板電気亜鉛めっき鋼板等の表面処理鋼板が多く用いられている。また、近年、上記鋼板に対する品質要求は、ますます厳しくなりつつあり、深絞り性に優れるだけでなく、表面品質内部品質にも優れる、いわゆる無欠陥鋼板であることが求められるようになってきている。

しかし、従来の上記Tiを添加した極低炭素鋼の溶製では、溶鋼中の溶存酸素を、全てAlで脱酸していたため、溶鋼中には大量のAl2O3が発生していた。さらに、溶鋼中に添加したAlは再酸化して、さらにAl2O3が発生する。これらのAl2O3は、その後、凝集合体して粗大なクラスターとなり、そのほとんどは、RH脱ガス処理装置等で浮上分離し除去されるものの、浮上しきれずに溶鋼中に残留したAl2O3クラスターは、その後の連続鋳造において、鋼片表層部に補足されてヘゲスリーバー等の表面欠陥の原因となったり、あるいは、浸漬ノズル等の内壁付着堆積してノズル閉塞を起こして円滑な鋳造作業を困難にしたり、さらには、それが剥落して鋼片中に取り込まれ、介在物等の内部欠陥を引き起こしたりするという弊害を引き起こす。

そこで、Alで脱酸した極低炭素鋼の連続鋳造においては、従来、上ノズルや浸漬ノズルからArガスを吹き込み、Al2O3クラスターによるノズル詰まりを防止すると共に、鋳型内に注入された溶鋼に上昇流を発生させてAl2O3クラスターの浮上を促進する対策が実施されている。

しかし、Arガスの吹込みは、新たな問題を引き起こす。というのは、Arガスが鋳型溶鋼中を上昇する際、凝固シェルに補足され、それがブローホール等の欠陥の原因となったり、あるいは、Arガスの上昇と溶鋼の上昇とのバランス崩れた場合にはガス沸きが起り湯面変動によってモールドパウダーが鋼片内に巻き込まれて、パウダー性の欠陥を誘発したりするおそれがあるからである。

上記の問題に対する技術として、例えば、特許文献1には、炭素含有率を0.01%以下まで脱炭した溶鋼に、アルミナ系介在物を生成させることがないように、Tiを2分割して添加し、さらにCaを添加してから還流真空脱ガス装置により還流して介在物を浮上分離することにより、表面疵とノズル閉塞を防止する薄鋼板用素材溶製方法が開示されている。

また、特許文献2には、Tiを0.010mass%以上含有するTi含有極低炭素鋼を対象とし、Alで予備脱酸後、Ti脱酸し、その後、Caを添加することことにより、介在物の組成ならびに形態を制御し、連続鋳造時における浸漬ノズルの閉塞を起こさずに表面性状が優れた冷延鋼板を得る技術が開示されている。
特開2001−105101号公報
特開平11−100611号公報

概要

表面品質と内部品質が共に優れるTi含有極低炭素鋼スラブの製造方法を提案する。溶鋼を脱炭し、Al予備脱酸し、Ti脱酸する真空脱ガス処理を施した後、Caを添加し、その後、連続鋳造してTi含有極低炭素鋼スラブを製造する方法において、上記Al予備脱酸およびTi脱酸における総還流量を2000t以上確保すると共に、Arガスの吹き込みを行うことなく連続鋳造することを特徴とするTi含有極低炭素鋼スラブの製造方法。

目的

そこで、本発明の目的は、表面品質と内部品質が共に優れるTi含有極低炭素鋼スラブの製造方法を提案することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
2件

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請求項1

溶鋼脱炭し、Al予備脱酸し、Ti脱酸する真空脱ガス処理を施した後、Caを添加し、その後、連続鋳造してTi含有極低炭素鋼スラブを製造する方法において、上記Al予備脱酸およびTi脱酸における総還流量を2000t以上確保すると共に、Arガスの吹き込みを行うことなく連続鋳造することを特徴とするTi含有極低炭素鋼スラブの製造方法。

請求項2

上記スラブは、C:0.01mass%以下、Si:0.2mass%以下、Mn:1.0mass%以下、P:0.050mass%以下、S:0.050mass%以下、Ti:0.010〜0.060mass%、Al:0.005mass%以下、Ca:0.0010〜0.0030mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有することを特徴とする請求項1に記載のTi含有極低炭素鋼スラブの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、表面品質および内部品質に優れたTi含有極低炭素鋼スラブの製造方法に関するものである。

背景技術

0002

自動車用鋼板家電製品等に用いられる鋼板には、優れた深絞り性が求められるため、極低炭素鋼にTiを添加したTi含有極低炭素鋼スラブを素材とした冷延鋼板や、溶融亜鉛めっき鋼板電気亜鉛めっき鋼板等の表面処理鋼板が多く用いられている。また、近年、上記鋼板に対する品質要求は、ますます厳しくなりつつあり、深絞り性に優れるだけでなく、表面品質や内部品質にも優れる、いわゆる無欠陥鋼板であることが求められるようになってきている。

0003

しかし、従来の上記Tiを添加した極低炭素鋼の溶製では、溶鋼中の溶存酸素を、全てAlで脱酸していたため、溶鋼中には大量のAl2O3が発生していた。さらに、溶鋼中に添加したAlは再酸化して、さらにAl2O3が発生する。これらのAl2O3は、その後、凝集合体して粗大なクラスターとなり、そのほとんどは、RH脱ガス処理装置等で浮上分離し除去されるものの、浮上しきれずに溶鋼中に残留したAl2O3クラスターは、その後の連続鋳造において、鋼片表層部に補足されてヘゲスリーバー等の表面欠陥の原因となったり、あるいは、浸漬ノズル等の内壁付着堆積してノズル閉塞を起こして円滑な鋳造作業を困難にしたり、さらには、それが剥落して鋼片中に取り込まれ、介在物等の内部欠陥を引き起こしたりするという弊害を引き起こす。

0004

そこで、Alで脱酸した極低炭素鋼の連続鋳造においては、従来、上ノズルや浸漬ノズルからArガスを吹き込み、Al2O3クラスターによるノズル詰まりを防止すると共に、鋳型内に注入された溶鋼に上昇流を発生させてAl2O3クラスターの浮上を促進する対策が実施されている。

0005

しかし、Arガスの吹込みは、新たな問題を引き起こす。というのは、Arガスが鋳型溶鋼中を上昇する際、凝固シェルに補足され、それがブローホール等の欠陥の原因となったり、あるいは、Arガスの上昇と溶鋼の上昇とのバランス崩れた場合にはガス沸きが起り湯面変動によってモールドパウダーが鋼片内に巻き込まれて、パウダー性の欠陥を誘発したりするおそれがあるからである。

0006

上記の問題に対する技術として、例えば、特許文献1には、炭素含有率を0.01%以下まで脱炭した溶鋼に、アルミナ系介在物を生成させることがないように、Tiを2分割して添加し、さらにCaを添加してから還流真空脱ガス装置により還流して介在物を浮上分離することにより、表面疵とノズル閉塞を防止する薄鋼板用素材溶製方法が開示されている。

0007

また、特許文献2には、Tiを0.010mass%以上含有するTi含有極低炭素鋼を対象とし、Alで予備脱酸後、Ti脱酸し、その後、Caを添加することことにより、介在物の組成ならびに形態を制御し、連続鋳造時における浸漬ノズルの閉塞を起こさずに表面性状が優れた冷延鋼板を得る技術が開示されている。
特開2001−105101号公報
特開平11−100611号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、特許文献1の技術は、Tiのみで脱酸を行うため、大量に発生するTi酸化物による表面性状の低下やコストの上昇は免れない。また、特許文献1および2の技術では、ある程度の表面品質および内部品質の改善が得られるものの、品質要求が厳しい自動車用等の厳格材にはまだ不十分なレベルである。

0009

そこで、本発明の目的は、表面品質と内部品質が共に優れるTi含有極低炭素鋼スラブの製造方法を提案することにある。

課題を解決するための手段

0010

発明者らは、従来のTi含有極低炭素鋼が抱える上記問題点を解決するべく、検討を重ねた。その結果、Ti含有極低炭素鋼スラブの品質を改善するためには、溶鋼を真空脱ガス処理する際のAl予備脱酸およびTi脱酸における総還流量を十分に確保すること、および、連続鋳造時においては、Arガスの吹込みを行わないことが有効であることを見出し、本発明を完成させた。

0011

すなわち、本発明は、溶鋼を脱炭し、Al予備脱酸し、Ti脱酸する真空脱ガス処理を施した後、Caを添加し、その後、連続鋳造してTi含有極低炭素鋼スラブを製造する方法において、上記Al予備脱酸およびTi脱酸における総還流量を2000t以上確保すると共に、Arガスの吹き込みを行うことなく連続鋳造することを特徴とするTi含有極低炭素鋼スラブの製造方法である。

0012

本発明の上記スラブは、C:0.01mass%以下、Si:0.2mass%以下、Mn:1.0mass%以下、P:0.050mass%以下、S:0.050mass%以下、Ti:0.010〜0.060mass%、Al:0.005mass%以下、Ca:0.0010〜0.0030mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有することを特徴とする。

発明の効果

0013

本発明によれば、表面品質および内部品質に優れた鋼スラブを得ることができるので、深絞り性だけでなく表面品質や内部品質への要求が厳しい自動車向けの各種冷延鋼板や表面処理鋼板の素材として好適に用いることができる。

発明を実施するための最良の形態

0014

本発明において、Ti含有極低炭素鋼を精錬する方法は、転炉等で溶製した溶鋼を、RH等の真空脱ガス処理装置を用いて、脱炭処理リムド処理)して所望のC量まで低減した、次いで、Alを添加して予備脱酸して溶鋼中の溶存酸素を200massppm以下100massppm以上まで低減し、その後、Tiを添加して完全脱酸するキルド処理を施す方法である。

0015

ここで、本発明において、Alによる予備脱酸を行う目的は、Alで溶存酸素が100〜200massppmとなるよう予備脱酸した場合には、溶鋼中のAl濃度が0.005mass%以下となるため、生成する介在物がAl2O3−MnO−FeO系となり、浮上分離しやすいからである。また、Ti単独での脱酸と比較して、原料コストを下げることもできる。これに対して、Alで完全に脱酸した場合には、生成する大量のAl2O3が巨大なクラスターとなり、真空脱ガス処理で完全に浮上分離し難くなる他、残存したAl2O3クラスターが浸漬ノズルの内壁に付着堆積し、ノズル閉塞を起こしたり、それが剥離して介在物欠陥の原因となったり、あるいはさらに、鋳型内で凝固シェル内に補足されて表面欠陥の原因となるからである。したがって、本発明においては、Alによる予備脱酸は必須の工程である。

0016

Alの予備脱酸に続き、本発明では、Tiを添加して脱酸し、所望の酸素量まで低減する。Tiの添加により、予備脱酸で残存したAl2O3系介在物および溶鋼中の酸素は、TiO2−Al2O3−FeO系介在物(組成は、TiO2:85mass%、Al2O3:13mass%、FeO:2mass%)となり、巨大なクラスターには成長しない。そのため、この介在物は、少量であれば、製品の表面品質および内部品質を害することがない。

0017

しかし、上記Al予備脱酸後のTi脱酸により生成したTiO2−Al2O3−FeO系介在物は、固相であるため、ノズル閉塞を起こす可能性が依然として高い。そこで、従来技術では、連続鋳造時に、浸漬ノズルからのArガスの吹き込みを行っていたが、Arガスの吹き込みは、Arガスの補足による気泡性表面欠陥や、ガス沸き(湯面変動)によるパウダー性欠陥を引き起こす原因ともなる。

0018

そこで、発明者らは、Al予備脱酸およびTi脱酸で生成した脱酸生成物を真空脱ガス処理段階でほぼ完全に除去し、連続鋳造工程まで持ち来たさないことが重要であるとの考えの下、Al予備脱酸およびTi脱酸(いわゆるキルド処理)の処理時間を変えることにより、キルド処理における総還流量(還流速度(t/分)×処理時間(分))を変えて、浸漬ノズルの閉塞や製品の表面品質および内部品質に及ぼす影響を実験により確認した。その結果、Al予備脱酸およびTi脱酸(キルド処理)時における総還流量を2000t以上確保することが必要であることがわかった。なお、還流速度が小さい処理装置では、上記総還流量を確保するためには、キルド処理時間が長くなるため、溶鋼温度の低下も大きくなるので、出鋼温度を高めとすることが好ましい。

0019

上記、キルド処理における総還流量の規制により、溶鋼中に残存する介在物は大幅に低減される。しかし、ノズル閉塞を引き起こす可能性は依然として残る。そこで、本発明では、Ti脱酸後の溶鋼に対し、Caを添加してAl2O3の融点を下げ、ノズル内壁への介在物の付着堆積を防止する。このためには、Caは、0.0010〜0.0030mass%の範囲で添加する必要がある。0.0010mass%未満では、上記添加効果が得られず、一方、0.0030mass%超えでは、ノズルの溶損が大きくなるからである。この、Caの添加は、真空脱ガス処理後、機側で、ワイヤ添加や撃ち込み等の方法で行うことができる。

0020

Ca添加した溶鋼は、連続鋳造機鋳造して鋼スラブとする。この際、本発明では、浸漬ノズルからのArガス吹き込みは行う必要はない。むしろ、Ti含有極低炭素鋼で高品質のスラブを得るためには、Arガスの吹き込みは、好ましくない。というのは、本発明の極低炭素鋼は、Al予備脱酸し、Ti脱酸しているので基本的に巨大な介在物が少ないことに加えて、Ca処理しているので浸漬ノズルへの介在物の付着が少ないからであり、Arガスの吹き込みによって、却って気泡性欠陥やパウダー性欠陥を誘発するおそれがあるからである。なお、上述したように、溶鋼中に添加したCaは、Al2O3の融点を下げるため、連続鋳造で用いるタンディッシュは、Al2O3系介在物等で汚染されていない清浄なものを使用することが好ましい。

0021

次に、本発明の鋼スラブが有すべき好ましい成分組成について説明する。
C:0.01mass%以下
Cは、鋼の強度を高め、深絞り性に最も影響を与える元素であり、0.01mass%を超えると、製品での深絞り性が確保できなくなるため、0.01mass%にすることが好ましい。より好ましくは、0.0020mass%以下である。

0022

Si:0.2mass%以下
Siは、脱酸元素として、また、鋼の高強度化のために添加される元素であるが、0.2mass%を超えると、めっき性が低下し、表面性状も劣化する傾向があるので、0.2mass%以下とすることが好ましい。

0023

Mn:1.0mass%以下
Mnは、鋼の高強度化元素として、またSによる熱間脆性を防止する元素として添加される。しかし、1.0mass%を超えると、製品の材質硬質化し、深絞り性を劣化させるので1.0mass%以下が好ましい。

0024

P:0.050mass%以下
Pは、不可避的に混入する不純物元素であるが、深絞り性を劣化することなく高強度化するのに有効な元素である。しかし、極低炭素鋼においては、0.050mass%を超えると、耐二次加工脆性の劣化を招くので、0.050mass%以下とすることが好ましい。

0025

S:0.050mass%以下
Sは、不可避的に混入する不純物元素であり、鋼の熱間脆性を引き起こしたり、耐食性を劣化させる元素である。特にSの含有量が0.050mass%を超えると、溶鋼中でCaS等の硫化物を生成し、深絞り性を低下させたり、冷延鋼板の耐錆性を劣化させたりするのため、0.050mass%以下が好ましい。

0026

Al:0.005mass%以下
Alは、脱酸元素と添加される。しかし、本発明では、Alは予備脱酸にのみ使用され、0.005mass%を超えて多量に添加すると、生成される酸化物系介在物が巨大クラスターを形成し、浮上分離し難くなるため好ましくない。そのため、本発明では、Alの含有量は、0.005mass%以下に制限する。

0027

Ti:0.010〜0.060mass%
Tiは、Alによる予備脱酸後の脱酸元素として、また、深絞り性を改善する元素として添加される。これらの効果を得るためには、0.010mass%以上の添加が好ましい。一方、0.060mass%を超えて添加すると、上記効果が飽和するだけでなく、Ti2O3系介在物の増大と原料コストの上昇という弊害を招くので、0.060mass%以下とするのが好ましい。

0028

Ca:0.0010〜0.0030mass%
Caは、Al2O3の融点を下げて、浸漬ノズル内壁への脱酸生成物の付着堆積を防止するために添加する元素であり、また、S系介在物の形態を制御し、加工性を向上する元素でもある。これらの効果を得るためには、0.0010mass%以上の添加が必要である。しかし、0.0030mass%を超えると、ノズルの溶損が大きくなるため、上限は0.0030mass%とする。

0029

本発明のTi含有極低炭素鋼は、上記成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。ただし、本発明の効果を害しない限り、上記以外の成分を、不純物レベルを超えて添加することを何ら拒むものではない。例えば、Nbは、0.010mass%以下、Bは、0.0005mass%以下の範囲で添加してもよい。

0030

転炉出鋼した300トンの溶鋼を、RH真空脱ガス装置にてリムド処理して脱炭し、Al予備脱酸して酸素濃度を121massppmまで低減し、引き続き、Ti脱酸し(合計キルド処理時間:28分、総還流量:3080t)、C:0.0008mass%、Si:tr、Mn:0.09mass%、P:0.010mass%、S:0.006mass%、Ti:0.044mass%、Al:tr.、O:tr.の溶鋼とした。この溶鋼に、Caをワイヤで0.0023mass%添加し、その後、2ストランドの連続鋳造機で鋳造し、厚さ:215mm×幅:1750mmの鋼スラブとした。この際、AストランドではArガスの吹き込みは行わず、Bストランドでのみ上ノズルおよび浸漬ノズルからのArガスの吹き込みを通常の工程量およびその1/2量で行った他は、両ストランドとも同一条件とした。なお、鋳造後、上ノズル、浸漬ノズルを回収し、介在物の付着状況を観察したが、いずれのストランドでもノズル詰まりは観察されなかった。

0031

上記のようにして得た鋼スラブは、その後、熱間圧延し、冷間圧延して製品コイルとし、最終の精整ラインで、鋼板表面を目視観察し、表面欠陥の混入率調査し、同じ成分系の通常工程材であるAl脱酸材の表面欠陥混入率をベース(1.0)として、下記の式から表面欠陥混入率指数を求めた。
表面欠陥混入率指数=本発明材の表面欠陥混入率/Al脱酸材の表面欠陥混入率
結果を、図1に示した。図1から、本発明に従い製造したTi含有極低炭素鋼スラブは、連続鋳造時のArガスの吹き込みをゼロとすることにより、表面品質が大きく改善されることがわかる。

0032

Al予備脱酸およびTi脱酸における合計の還流時間を変えて、総還流量を1300〜3200tの範囲で変化させた以外は、実施例1と全く同じ条件で、Ti脱酸極低炭素鋼を溶製し、Arガスの吹き込みを行うことなく連続鋳造してスラブを製造し、熱間圧延、冷間圧延し、製品コイルとした。この製品コイルのトップ、ミドルエンド部分からそれぞれ7枚のサンプルを採取し、液圧バルジ試験を行い、割れまたはネッキングの発生した個数を調べた。そして、総還流量が2000tの時の割れまたはネッキングの平均発生個数をベース(1.0)とし、下記の式からバルジ試験評価指数を求めた。
バルジ試験評価指数=(割れまたはネッキングの平均発生個数)/(総還流量が2000tの時の割れまたはネッキングの平均発生個数)
結果を図2に示したが、総還流量を2000t以上確保することにより、バルジ試験評価指数が大きく低下しており、介在物起因のプレス割れが起き難くなっていることがわかる。また、比較例として、通常工程材であるAl脱酸材のバルジ試験評価指数も示したが、同じ総還流量では、本発明材の方がプレス割れが起きにくいことがわかる。

図面の簡単な説明

0033

連続鋳造時のタンディッシュノズルガス流量と表面欠陥混入率指数との関係を示すグラフである。
真空脱ガスにおける総還流量とバルジ試験評価指数との関係を示すグラフである。

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