図面 (/)

技術 合金ナノ粒子の製造方法、および水素吸蔵合金

出願人 国立大学法人九州大学
発明者 北川宏山内美穂森田均
出願日 2006年3月9日 (14年9ヶ月経過) 出願番号 2006-064810
公開日 2007年9月20日 (13年3ヶ月経過) 公開番号 2007-239053
状態 特許登録済
技術分野 ナノ構造物 水素、水、水素化物 金属質粉又はその懸濁液の製造 粉末冶金
主要キーワード 動特性測定装置 固溶体型 Pdナノ粒子 放出サイクル プラトー領域 水素吸蔵圧 Pd原子 シェル型構造
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年9月20日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

水素吸収放出サイクルを適用しなくてもパラジウムとこれ以外の金属原子とが固溶して単一種結晶格子を形成した状態となった合金ナノ粒子を得る、新たな製造方法を提供する。また、同サイクルを適用しても相分離しないパラジウム/ロジウム(Pd/Rh)合金を提供する。

解決手段

Pd塩と、Rh塩または金(Au)塩である金属塩と、有機高分子と、多価アルコールとを含む溶液を加熱して、Pd塩に含まれるPdイオンと上記金属塩に含まれる金属イオンとを同時に還元し、Pd原子と金属原子とが固溶して単一種の結晶格子を形成した合金ナノ粒子を得る。また、この方法により製造可能になった合金として、PdおよびRhを含み、PdとRhとが単一種の結晶格子を形成し、水素吸収/放出サイクルを適用した後にも単一種の結晶格子が維持される合金ナノ粒子からなる水素吸蔵合金を提供する。

概要

背景

水素は、燃焼後の生成物が水であるために環境負荷が小さく、今後の主要燃料として期待されている。水素の貯蔵には、水素を可逆的に吸収/放出する水素吸蔵合金が必要となる。パラジウム(Pd)は、水素吸蔵特性を有し、ロジウム(Rh)との合金化によってその水素吸蔵量が増大することが知られている。

本発明者は、先に新たな合金ナノ粒子の製造方法を提案した(特許文献1)。この製造方法は、アルコール還元法により得たコアシェル型構造を有するナノ粒子水素吸収放出サイクルを適用することにより、ナノ粒子の構造をコア・シェル型から固溶体型へと変化させるものである。コア・シェル型構造を有するナノ粒子は、まず、コアとなる金属ナノ粒子(特許文献1の実施例ではPdナノ粒子)をアルコール還元法により形成し、次いでこの金属ナノ粒子の表面にシェルとなる金属(同実施例では白金(Pt)シェル)を析出させることにより作製される。

アルコール還元法によるコア・シェル型のナノ粒子の作製は、種々の金属について試行されている(特許文献2;特に[0003][0004])。特許文献2によると、アルコール還元法により、塩化パラジウム塩化白金とを同時還元すると、PtからなるコアとPdからなるシェルとを有するナノ粒子が形成される([0003])。また、アルコール還元法による同時還元により、金(Au)からなるコアとPtからなるシェルとを有するナノ粒子を得ることもできる([0004])。アルコール還元法に用いるポリビニルピロリドンPVP)が金よりも白金と強い相互作用をもつために、AuとPtとを同時に還元しても、AuがPtよりも先に還元され、Auコア・Ptシェル構造が生成する。

アルコール還元法によるPd塩とRh塩との同時還元についても報告がある(非特許文献1)。非特許文献1において得られたナノ粒子のEXAFSによる解析結果を参照すると、Pdの配位数はRhの配位数よりも大きくなっている(Table II−V)。これは、Pdがコアを形成し、Rhがシェルを形成していることを示している。
特開2005−272970号公報
特開平9−225317号公報
原田他、「ストラクチャル・アナリシス・オブポリマー・プロテクテッド・パラジウム/ロジウム・バイメタリッククラスターズ・ユージング・エグザフス」、ザ・ジャーナル・オブ・フィジカルケミストリー、アメリカン・ケミカルソサエティー、1993年、97巻、41号、10741〜10749頁

概要

水素吸収/放出サイクルを適用しなくてもパラジウムとこれ以外の金属原子とが固溶して単一種結晶格子を形成した状態となった合金ナノ粒子を得る、新たな製造方法を提供する。また、同サイクルを適用しても相分離しないパラジウム/ロジウム(Pd/Rh)合金を提供する。 Pd塩と、Rh塩または金(Au)塩である金属塩と、有機高分子と、多価アルコールとを含む溶液を加熱して、Pd塩に含まれるPdイオンと上記金属塩に含まれる金属イオンとを同時に還元し、Pd原子と金属原子とが固溶して単一種の結晶格子を形成した合金ナノ粒子を得る。また、この方法により製造可能になった合金として、PdおよびRhを含み、PdとRhとが単一種の結晶格子を形成し、水素吸収/放出サイクルを適用した後にも単一種の結晶格子が維持される合金ナノ粒子からなる水素吸蔵合金を提供する。

目的

本発明の目的は、水素吸収/放出サイクルを適用しなくても、Pd原子とPd以外の金属原子とが固溶して単一種の結晶格子を形成した状態となった合金ナノ粒子を得る、新たな製造方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、水素吸収/放出サイクルを適用しても、相分離しないPd/Rh合金からなる水素吸蔵合金の提供にある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

パラジウム塩と、ロジウム塩または金塩である金属塩と、有機高分子と、多価アルコールと、を含む溶液を加熱し、前記パラジウム塩に含まれるパラジウムイオンと前記金属塩に含まれる金属イオンとを同時に還元することにより、パラジウム原子と前記金属イオンに由来する金属原子とを含み、単一種結晶格子内在する合金ナノ粒子を得る、合金ナノ粒子の製造方法。

請求項2

前記多価アルコールがエチレングリコールである請求項1に記載の合金ナノ粒子の製造方法。

請求項3

前記有機高分子がポリビニルピロリドンである請求項1に記載の合金ナノ粒子の製造方法。

請求項4

前記金属塩がロジウム塩である請求項1に記載の合金ナノ粒子の製造方法。

請求項5

パラジウムおよびロジウムを含む合金ナノ粒子からなり、前記合金ナノ粒子において前記パラジウムと前記ロジウムとが単一種の結晶格子を形成し、前記合金ナノ粒子に水素吸収放出サイクルを適用した後にも前記単一種の結晶格子が維持される、水素吸蔵合金

請求項6

パラジウム塩と、ロジウム塩と、有機高分子と、多価アルコールと、を含む溶液を加熱し、前記パラジウム塩に含まれるパラジウムイオンと前記ロジウム塩に含まれるロジウムイオンとを同時に還元することにより得た、請求項5に記載の水素吸蔵合金。

技術分野

0001

本発明は、合金ナノ粒子の製造方法に関し、さらに、この方法により製造が可能となった新たな水素吸蔵合金に関する。

背景技術

0002

水素は、燃焼後の生成物が水であるために環境負荷が小さく、今後の主要燃料として期待されている。水素の貯蔵には、水素を可逆的に吸収/放出する水素吸蔵合金が必要となる。パラジウム(Pd)は、水素吸蔵特性を有し、ロジウム(Rh)との合金化によってその水素吸蔵量が増大することが知られている。

0003

本発明者は、先に新たな合金ナノ粒子の製造方法を提案した(特許文献1)。この製造方法は、アルコール還元法により得たコアシェル型構造を有するナノ粒子水素吸収放出サイクルを適用することにより、ナノ粒子の構造をコア・シェル型から固溶体型へと変化させるものである。コア・シェル型構造を有するナノ粒子は、まず、コアとなる金属ナノ粒子(特許文献1の実施例ではPdナノ粒子)をアルコール還元法により形成し、次いでこの金属ナノ粒子の表面にシェルとなる金属(同実施例では白金(Pt)シェル)を析出させることにより作製される。

0004

アルコール還元法によるコア・シェル型のナノ粒子の作製は、種々の金属について試行されている(特許文献2;特に[0003][0004])。特許文献2によると、アルコール還元法により、塩化パラジウム塩化白金とを同時還元すると、PtからなるコアとPdからなるシェルとを有するナノ粒子が形成される([0003])。また、アルコール還元法による同時還元により、金(Au)からなるコアとPtからなるシェルとを有するナノ粒子を得ることもできる([0004])。アルコール還元法に用いるポリビニルピロリドンPVP)が金よりも白金と強い相互作用をもつために、AuとPtとを同時に還元しても、AuがPtよりも先に還元され、Auコア・Ptシェル構造が生成する。

0005

アルコール還元法によるPd塩とRh塩との同時還元についても報告がある(非特許文献1)。非特許文献1において得られたナノ粒子のEXAFSによる解析結果を参照すると、Pdの配位数はRhの配位数よりも大きくなっている(Table II−V)。これは、Pdがコアを形成し、Rhがシェルを形成していることを示している。
特開2005−272970号公報
特開平9−225317号公報
原田他、「ストラクチャル・アナリシス・オブポリマー・プロテクテッド・パラジウム/ロジウム・バイメタリッククラスターズ・ユージング・エグザフス」、ザ・ジャーナル・オブ・フィジカルケミストリー、アメリカン・ケミカルソサエティー、1993年、97巻、41号、10741〜10749頁

発明が解決しようとする課題

0006

上記で報告されているナノ粒子は、水素吸蔵合金、触媒等としての応用が期待されている。しかし、特許文献1が開示するように、単一の結晶格子を有する固溶体型のナノ粒子を得るためには、水素吸収/放出サイクルを複数回適用する必要があった。特許文献1によれば、固溶体型のナノ粒子は、コア・シェル型のナノ粒子よりも優れた水素吸蔵特性を有する。したがって、水素吸蔵合金としての使用を考慮すると、ナノ粒子は、製造した段階から固溶体型であることが望ましい。

0007

水素吸蔵合金以外の用途においても、固溶体型への変換を図るために、コア・シェル型のナノ粒子に水素吸収/放出サイクルを適用するのは煩雑であり、製造コストの上昇をもたらす。

0008

また、上記のように、Pd/Rh合金は、Pdよりも水素吸蔵量が大きいが、水素吸収/放出サイクルにより、合金相分離の傾向を示すという問題があった。相分離すると、Rhとの合金化による水素吸蔵量増大の効果も失われる。Pd/Rh合金には、Rhとの合金化により水素吸蔵圧力が上昇するという問題もある。

0009

本発明の目的は、水素吸収/放出サイクルを適用しなくても、Pd原子とPd以外の金属原子とが固溶して単一種の結晶格子を形成した状態となった合金ナノ粒子を得る、新たな製造方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、水素吸収/放出サイクルを適用しても、相分離しないPd/Rh合金からなる水素吸蔵合金の提供にある。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、Pd塩と、Rh塩またはAu塩である金属塩と、有機高分子と、多価アルコールとを含む溶液を加熱することにより、Pd塩に含まれるPdイオンと上記金属塩に含まれる金属イオンとを同時に還元し、Pd原子と上記金属イオンに由来する金属原子とが固溶して単一種の結晶格子を形成した合金ナノ粒子を得る、合金ナノ粒子の製造方法を提供する。

0011

本発明は、その別の側面から、PdおよびRhを含む合金ナノ粒子からなり、この合金ナノ粒子においてPdとRhとが単一種の結晶格子を形成し、この合金ナノ粒子に水素吸収/放出サイクルを適用した後にも単一種の結晶格子が維持される水素吸蔵合金を提供する。単一種の結晶格子が維持されるか否かを判断するための水素吸収/放出サイクルは、具体的には、後述する条件での処理(573Kで20気圧(2MPa)の水素雰囲気中に2時間放置し、その後、7×10-4Paにまで真空引きする処理)とすればよい。

発明の効果

0012

本発明によれば、水素吸収/放出サイクルを適用しなくても、単一種の結晶格子が内在する(換言すれば完全に固溶体型となった)合金ナノ粒子を得ることができる。多価アルコールは、エタノールに代表される一価アルコールに比べて強い還元作用を有すると考えられる。この強い還元作用をパラジウムイオンと特定の金属イオンとの同時還元に適用すると、水素吸収/放出サイクルを適用しなくても、完全に固溶体型となった合金ナノ粒子を得ることができる。

0013

また、本発明によれば、水素吸収/放出サイクルを適用した後にも、相分離せずに合金化の効果が維持されたPd/Rh合金からなる水素吸蔵合金を提供できる。

発明を実施するための最良の形態

0014

多価アルコールの強い相互作用を適用しても、例えばイリジウム(Ir)のようにPdと分離する傾向が強い金属は、Pdと固溶体型の合金ナノ粒子を形成することができない。上述のRh等の金属は、Pdとの相溶性がある程度高いために、多価アルコールの強い還元力を作用させると固溶体型の合金ナノ粒子が形成されると考えられる。

0015

本発明による合金ナノ粒子は、いわゆるアルコール還元法により製造される。アルコール還元法は、従来から知られているように、有機高分子の存在下、アルコールを含む溶液中で金属イオンを還元するナノ粒子の製造方法である。

0016

有機高分子としては、水溶性のポリマーが好ましく、具体的にはポリビニルピロリドン(PVP)のような環状アミド構造を有するポリマーが好適であるが、これに限らず、目的とする金属粒子の種類等に応じ、例えばポリビニルアルコールポリビニルエーテルポリアクリレートポリアクリロニトリル等を用いてもよい。

0017

アルコールは、溶液中で還元剤として作用する。本発明では、エチレングリコールに代表される多価アルコールを用いる。多価アルコールは、一価のアルコールよりも高い還元作用を発揮することができる。多価アルコールとしては、エチレングリコールとともに、プロピレングリコールグリセリン等が挙げられる。

0018

金属イオンを還元するために溶液を加熱する温度は、90℃以上、例えば90℃〜198℃、さらには90℃〜150℃が適当である。また、同時還元によって完全に固溶体型である合金ナノ粒子を得るためには、できるだけ短時間で金属イオンを還元することが望ましい。上記温度で加熱する時間は、例えば1.5時間以内、好ましくは1時間以内、である。短時間で加熱するほうが完全に固溶体型となった合金ナノ粒子が得られやすい傾向があるためである。

0019

溶液中における有機高分子の量を相対的に増やすと、析出するナノ粒子の粒径は小さくなるため、これを利用すればナノ粒子の粒径を制御できる。添加する金属塩の濃度を調整することによっても、析出する金属の量、ひいてはナノ粒子の粒径を制御できる。得られる粒子組成均一性も高い。このように、アルコール還元法は、粒径等の制御性に優れており、ナノ粒子の製造方法として適している。

0020

本発明による合金ナノ粒子の粒径は、特に制限はないが、100nm以下、例えば0.5nm〜100nm、さらには1nm〜100nm、特に2nm〜50nm、とりわけ2nm〜20nmが好適であり、10nm以下であってもよい。

0021

本発明により得られる合金ナノ粒子は、特に粒径が小さい場合には、有機高分子で被覆された状態で使用することが好ましい。この状態は微粒子酸化防止に有効である。保護剤となる有機高分子は、特に制限されず、アルコール還元法で用いる各種ポリマーをそのまま用いればよい。

0022

本発明による水素吸蔵合金は、本発明の製造方法において金属塩としてRh塩を用いて得たものであってもよい。この水素吸蔵合金は、水素吸収/放出サイクルの適用前から、PdとRhとが原子レベルで固溶したものとなる。

0023

以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は、本欄における上記記載と同様、本発明の実施形態の例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。

0024

(Pd/Rh合金ナノ粒子の合成)
PVP0.111g(1mmol)をエチレングリコール20mlに添加し、マグネチックスターラーにより撹拌し溶解して、PVPエチレングリコール溶液を調製した。一方で、硝酸パラジウム(II) n水和物0.0133g(水を39.9重量%含む)(0.05mmol)と塩化ロジウム(III)三水和物0.0132gとを水2mlに溶解させて、Pd−Rh混合水溶液を得た。Pd−Rh混合水溶液をPVPエチレングリコール溶液に添加し、加熱を開始した。温度が95 ℃に至った段階で1時間撹拌し、黒褐色溶液を得た。

0025

この溶液が室温に戻った後、遠心分離用チューブに移し、ジエチルエーテルアセトンを添加し(試料溶液:ジエチルエーテル:アセトン=5:4:5、体積比)、この溶液を遠心分離した。その後、上澄みを捨て、得られた黒色沈殿をエタノール5mlに溶解させた。さらにジエチルエーテルを加え、濁った溶液を再び遠心分離した。再び上澄みを捨て、アセトン5ml、ジエチルエーテル15mlを加え、さらに遠心分離した。こうして得た沈殿をアセトンで3回洗浄し、真空引きし、乾固させ、Pd/Rh合金ナノ粒子を得た。

0026

透過型電子顕微鏡TEM)を用いた観察)
Pd/Rh合金ナノ粒子をTEM観察した。TEM観察は、加速電圧200kV、倍率10万倍として行った。平均粒径は、TEM写真中の任意エリアから約300個の粒子を選出して直径(粒径)を測定した。TEM写真を図1に、粒径の測定結果図2に示す。図2に示した統計の結果から、平均粒径および標準偏差を算出した。Pd/Rh合金ナノ粒子の平均粒径は4.0nm、標準偏差は0.9nmであった。

0027

粉末X線回折による分析
0.5mmφのガラスキャピラリーに上記で得たPd/Rh合金ナノ粒子を封入した。測定は波長0.068812nmの放射光を用いて行った。図3に、Pdナノ粒子、Rhナノ粒子とともに、Pd/Rh合金ナノ粒子についての測定結果を示す。この結果より、Pd/Rh合金ナノ粒子には単一の面心立方(fcc)格子が内在することが確認できた。なお、Pdナノ粒子およびRhナノ粒子も、上記と同様のアルコール還元法により得たものを用いた。

0028

さらに、水素吸収/放出サイクルに伴う構造の変化を観察するため、上記で得たPd/Rh合金ナノ粒子を、573Kで2MPaの水素雰囲気下に2時間保持し、その後、7×10-4Paにまで真空引きして、上記サイクルを1回適用した。水素吸収/放出サイクル適用前後のX線回折パターン図4に示す。図4に示したように、水素吸収/放出サイクルの適用後、Pd/Rh合金ナノ粒子に相分離の傾向は見られず、X線回折パターンに現れたピークはむしろ鋭くなった。

0029

比較のために、バルクのPd/Rh合金に対しても、上記と同じ条件で水素吸収/放出サイクルを1回適用した。このサイクルの適用前後のX線回折パターンを図5に示す。バルク合金では水素処理によってピークが分裂したことがわかる(例えば図5に矢印で示したピーク)。このピークの分裂はPdとRhとが相分離したことを示している。

0030

このように、バルク合金では、水素放出吸収サイクルの適用によって合金が相分離する傾向を示すが、合金ナノ粒子では、Rh添加の効果が同サイクルの適用によっても失われないことが確認できた。

0031

水素吸蔵能力の確認)
上記で得たPd/Rh合金ナノ粒子について、PCT(Hydrogen Pressure -Composition-Isotherms)曲線を測定した。測定には、PCT自動特性測定装置(鈴木商製)を用いた。結果を図6に示す。測定温度は303Kとした。

0032

熔融急冷法等で作製したバルクのPd/Rh合金箔の場合、Rhの添加に伴って水素吸蔵圧力が大幅に上昇することが知られている。しかし、図6に示したように、合金ナノ粒子では、0.1MPa(760Torr)以下の水素圧力プラトー領域が現れている。図6に示したように、Pd/Rh合金ナノ粒子は、水素圧力1MPaにおいてもまだプラトー領域にあるため、高圧下ではさらに大きな水素吸蔵量を示すと考えられる。

0033

本発明の製造方法によれば、水素吸収/放出サイクルを適用しなくても、複数種の金属原子が原子レベルで合金化されたナノ粒子を得ることができる。本発明は、導電性ペースト、触媒、水素吸蔵合金の分野、において利用価値が高い。さらに、本発明は、水素吸収/放出サイクルを適用しても相分離する傾向を示さないPd/Rh合金を提供するものとして、水素吸蔵合金の分野において多大な利用価値を有する。

図面の簡単な説明

0034

実施例で作製したPd/Rh合金ナノ粒子のTEM写真である。
実施例で作製したPd/Rh合金ナノ粒子の粒径分布を示す図である。
実施例で測定した、Pd/Rh合金ナノ粒子、Pdナノ粒子、Rhナノ粒子のX線回折パターンを示す図である。
実施例で測定した、Pd/Rh合金ナノ粒子の水素吸収/放出サイクルの適用前後におけるX線回折パターンを示す図である。
実施例で測定した、Pd/Rhバルク合金の水素吸収/放出サイクルの適用前後におけるX線回折パターンを示す図である。
実施例で測定したPd/Rh合金ナノ粒子のPCT曲線(水素雰囲気圧力:0.1MPa、1MPa)を、PdバルクのPCT曲線とともに示す図である。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ