図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2007年9月13日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

ポリアニリン中に窒化ホウ素ナノチューブが均一に分散された複合フィルムとその製造方法を提供する。

解決手段

酸化マグネシウム酸化鉄(II)及びホウ素を1100〜1700℃に加熱して、酸化ホウ素蒸気を発生させ、この蒸気とアンモニアガスを反応させて窒化ホウ素ナノチューブを製造する。その後、この窒化ホウ素ナノチューブとエメラディン形ポリアニリンを有機溶媒中で超音波処理して静置することにより、窒化ホウ素ナノチューブが分散されたポリアニリンフィルムを形成する。

概要

背景

異なる2種類以上の物質を組み合わせて構成された複合材料は、セラミックスプラスチック金属材料などの材料のマトリックス相連続相とも呼ばれている。)が持つ弱点を補うために、不連続な強化材を分散させて作られた材料である。
ナノチューブ高分子複合材料ポリマーコンポジット)の強化材に最初に使用した例として、カーボンナノチューブを無溶剤形液状エポキシ樹脂に添加して硬化させた複合材料が知られている(たとえば、非特許文献1参照)。
ナノチューブをコンポジット化することによって、新規電気的性質光学的性質発現させたり、機械的強度熱伝導性を向上させたりすることが期待されている(たとえば、非特許文献2参照)。
一方、代表的な導電性ポリマーであるポリアニリンフィルムマトリックスとし、カーボンナノチューブを強化材としたコンポジットも知られている。このカーボンナノチューブ/ポリアニリンコンボジットの大部分は、カーボンナノチューブを溶媒に分散させた分散液中でポリアニリンの重合を行ういわゆるin-situ 重合により製造されている(たとえば、非特許文献3〜7参照)。

P.M.Ajayan他、Science 265 巻、1212頁、1994年
P.J.F.Harris、International Materials Reviews 49巻、31頁、2004年
R.Sainz 他、Adv.Mater.17巻、278 頁、2005年
Murielle Cochet 他、Chem.Commun. 2001年、1450頁
H.Zengin他、Adv.Mater.14巻、1480頁、2002年
H.J.Choi他、Diam.Relat.Mater. 14巻、766 頁、2005年
X.Zhang 他、Appl.Phys.A 80 巻、1813頁、2005年

概要

ポリアニリン中に窒化ホウ素ナノチューブが均一に分散された複合フィルムとその製造方法を提供する。酸化マグネシウム酸化鉄(II)及びホウ素を1100〜1700℃に加熱して、酸化ホウ素蒸気を発生させ、この蒸気とアンモニアガスを反応させて窒化ホウ素ナノチューブを製造する。その後、この窒化ホウ素ナノチューブとエメラディン形ポリアニリンを有機溶媒中で超音波処理して静置することにより、窒化ホウ素ナノチューブが分散されたポリアニリンフィルムを形成する。

目的

本発明は、上記の現状に鑑み、窒化ホウ素ナノチューブを強化材として、ポリアニリンをマトリックスとする新規な複合フィルムとその製造方法を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

窒化ホウ素ナノチューブ強化材とし、ポリアニリンマトリックスとして、窒化ホウ素ナノチューブが分散されていることを特徴とする、複合フィルム

請求項2

前記窒化ホウ素ナノチューブと前記ポリアニリンとの重量比が、窒化ホウ素ナノチューブ1重量部に対してポリアニリンが0.5〜100重量部の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の複合フィルム。

請求項3

前記ポリアニリンがエメラディン形であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の複合フィルム。

請求項4

窒化ホウ素ナノチューブおよびエメラルディン形ポリアニリンを有機溶媒に添加し、超音波処理を施す工程を含むことにより、窒化ホウ素ナノチューブが分散されたポリアニリンフィルムを形成することを特徴とする、複合フィルムの製造方法。

請求項5

前記窒化ホウ素ナノチューブは、酸化マグネシウム酸化鉄(II)およびホウ素を1100〜1700℃で加熱した状態で、アンモニアガスを作用させて得ることを特徴とする、請求項4に記載の複合フィルムの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ポリアニリンフィルム中に窒化ホウ素ナノチューブが均一に分散されてなる複合フィルムとその製造方法に関する。

背景技術

0002

異なる2種類以上の物質を組み合わせて構成された複合材料は、セラミックスプラスチック金属材料などの材料のマトリックス相連続相とも呼ばれている。)が持つ弱点を補うために、不連続な強化材を分散させて作られた材料である。
ナノチューブ高分子複合材料ポリマーコンポジット)の強化材に最初に使用した例として、カーボンナノチューブを無溶剤形液状エポキシ樹脂に添加して硬化させた複合材料が知られている(たとえば、非特許文献1参照)。
ナノチューブをコンポジット化することによって、新規電気的性質光学的性質発現させたり、機械的強度熱伝導性を向上させたりすることが期待されている(たとえば、非特許文献2参照)。
一方、代表的な導電性ポリマーであるポリアニリンフィルムをマトリックスとし、カーボンナノチューブを強化材としたコンポジットも知られている。このカーボンナノチューブ/ポリアニリンコンボジットの大部分は、カーボンナノチューブを溶媒に分散させた分散液中でポリアニリンの重合を行ういわゆるin-situ 重合により製造されている(たとえば、非特許文献3〜7参照)。

0003

P.M.Ajayan他、Science 265 巻、1212頁、1994年
P.J.F.Harris、International Materials Reviews 49巻、31頁、2004年
R.Sainz 他、Adv.Mater.17巻、278 頁、2005年
Murielle Cochet 他、Chem.Commun. 2001年、1450頁
H.Zengin他、Adv.Mater.14巻、1480頁、2002年
H.J.Choi他、Diam.Relat.Mater. 14巻、766 頁、2005年
X.Zhang 他、Appl.Phys.A 80 巻、1813頁、2005年

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、カーボンナノチューブと構造が類似している窒化ホウ素ナノチューブを強化材とし、ポリマーをマトリックスとした複合フィルムは、いまだ知られていない。

0005

本発明は、上記の現状に鑑み、窒化ホウ素ナノチューブを強化材として、ポリアニリンをマトリックスとする新規な複合フィルムとその製造方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するために、本発明の複合フィルムは、窒化ホウ素ナノチューブを強化材とし、ポリアニリンをマトリックスとして、窒化ホウ素ナノチューブが分散されていることを特徴とする。
上記構成において、窒化ホウ素ナノチューブとポリアニリンとの重量比は、好ましくは、窒化ホウ素ナノチューブ1重量部に対してポリアニリンが0.5〜100重量部の範囲である。上記ポリアニリンは、好ましくは、エメラディン形である。
この構成によれば、窒化ホウ素ナノチューブを強化材とし、ポリアニリンをマトリックスとし、窒化ホウ素ナノチューブが均一に分散されたポリアニリンフィルムからなる、複合フィルムを提供することができる。

0007

本発明の複合フィルムの製造方法は、窒化ホウ素ナノチューブおよびエメラルディン形ポリアニリンを有機溶媒に添加し、超音波処理を施す工程を含むことにより、窒化ホウ素ナノチューブが分散されたポリアニリンフィルムを形成することを特徴とする。
上記構成において、窒化ホウ素ナノチューブは、好ましくは、酸化マグネシウム酸化鉄(II)およびホウ素を1100〜1700℃に加熱した状態で、アンモニアガスを作用させて得る。
この構成によれば、窒化ホウ素ナノチューブおよびエメラルディン形ポリアニリンを容器内のN,N−ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒に分散させて混合液とし、この混合液を超音波処理した後、静置することにより、容器の底に窒化ホウ素ナノチューブが均一に分散されたポリアニリンフィルムが形成される。その際、窒化ホウ素ナノチューブとして純度の高いものを用いることが好ましく、酸化マグネシウム、酸化鉄(II)およびホウ素を1100〜1700℃に加熱して、酸化ホウ素蒸気を発生させ、ここで発生した蒸気にアンモニアガスを作用させることにより得ることができる。一方、ポリアニリンは有機溶媒に可溶タイプのエメラルディン形を使用することができる。

発明の効果

0008

本発明により、窒化ホウ素ナノチューブを含有した複合フィルムを提供することができる。よって、弾性率、熱伝導性、耐熱性、寸法安定性等の物性の向上が期待される。

発明を実施するための最良の形態

0009

先ず、本発明の複合フィルムについて説明する。
本発明の複合フィルムは、窒化ホウ素ナノチューブを強化材としポリアニリンをマトリックスとして構成され、窒化ホウ素ナノチューブが均一に分散されたポリアニリンフィルムからなる。ここで、窒化ホウ素ナノチューブとポリアニリンとの重量比は、窒化ホウ素ナノチューブ1重量部に対し、ポリアニリンは0. 5〜100重量部を含有していることが好ましい。ポリアニリンの重量部が100重量部よりも多い場合には、窒化ホウ素ナノチューブの量が少なすぎて、複合フィルムにおける強化材としての作用が十分に発揮されない。逆に、ポリアニリンの重量部が0. 5重量部よりも少ないと、生成した複合フィルムの強度が脆く、自己支持性に乏しく、実用的な複合フィルムが得られないので好ましくない。

0010

次に、この複合フィルムの製造方法について説明する。
複合フィルムは、窒化ホウ素ナノチューブとエメラルディン形ポリアニリンと、N,N−ジメチルホルムアミド等の有機溶媒とからなる混合物を容器に入れ超音波処理を行う。その後、静置することにより、容器の底に窒化ホウ素ナノチューブが均一に分散されたフィルムが形成される。
ここで、窒化ホウ素ナノチューブとして、種々の製法により作製されたものを用いることができるが、酸化マグネシウム、酸化鉄(II)およびホウ素を1100〜1700℃に加熱して酸化ホウ素の蒸気を発生させ、この発生した蒸気にアンモニアガスを作用させて得たものを用いるのが、収量および高純度の点から好ましい。この際、1900℃以上の加熱温度では、収量は増加するが純度は低下するので、好ましくない。
一方、ポリアニリンとして、有機溶媒に可溶な非導電性のエメラルディンタイプを用いるのが好ましい。その際、市販品を使用すれば、わざわざ製造する手間を省くことが出来て都合がよい。

0011

次に、実施例を示してさらに具体的に本発明を説明する。
先ず、窒化ホウ素ナノチューブを以下の手順に従って製造した。
ホウ素粉末2g、酸化鉄(II)(FeO)粉末1g及び酸化マグネシウム(MgO)粉末1gの混合物を窒化ホウ素製るつぼに入れ、このるつぼを縦型高周波誘導加熱炉の中に配置した。加熱炉中の混合物を1400℃に加熱し、酸化ホウ素の蒸気を生成した。この生成した蒸気に反応させるようにアンモニアガスを流しながら、1400℃に2時間加熱を継続することにより、加熱炉中の反応管管壁近傍に窒化ホウ素ナノチューブを生成した。
この生成した窒化ホウ素ナノチューブは、直径20〜50nm、チューブ壁の厚さ6〜18nm、長さはおよそ10μmであった。

0012

次に、上記のようにして製造した窒化ホウ素ナノチューブ0.2gとエメラルディンベースのポリアニリン(アルドリッチ社製)0.2gとをN,N−ジメチルホルムアミド10cm3 中に添加し、室温で1.5時間超音波処理した。
その後、この混合液を12時間静置することにより、ガラス瓶の底にフィルムが形成された。

0013

図1は、実施例で形成した複合フィルムの走査型電子顕微鏡像を示す図である。図1から、実施例で形成した複合フィルムは、窒化ホウ素ナノチューブがポリアニリンのマトリックスに分散されて埋め込まれている複合フィルムであることが分かる。ここで、マトリックスから窒化ホウ素ナノチューブの一部が出現しているが、これは、複合フィルムをシリコンウエハに搭載する際に複合フィルムが損傷したためである。

0014

走査型電子顕微鏡の中で、実施例で形成した複合フィルムに電子ビーム照射した。図2は、実施例で形成した複合フィルムに電子ビームを照射した後の生成物の像を示す図である。図2から、電子ビームを照射したことにより、ポリアニリンが分解して消失し、窒化ホウ素ナノチューブが出現したことを確認することができる。複合フィルム中の窒化ホウ素ナノチューブのモルフォロジーは、純粋な窒化ホウ素ナノチューブと同様であった。

0015

図3は上記実施例で形成した複合フィルムの高分解能透過型電子顕微鏡像を示す図である。図3から、窒化ホウ素ナノチューブがポリアニリンで覆われていることが分かった。さらに、窒化ホウ素は完全に結晶構造を維持していることが分かった。

0016

図4は、上記実施例で形成した複合フィルム(EB/BNNT)、窒化ホウ素ナノチューブ単独(BNNT)およびエメラルディンベースポリアニリン単独(EB)の各X線回折パターンを示す図である。図の縦軸X線回折強度任意目盛)、横軸は角度(°)、すなわちX線の原子面への入射角θの2倍に相当する角度(°)である。
図4から分かるように、窒化ホウ素ナノチューブ単独(BNNT)のX線回折パターンは、2θ=26°、41°、43°及び54°にピークを有する。エメラルディンベースポリアニリン単独(EB)のX線回折パターンは、2θ=19°を中心とするブロードなピークを有する。それに対し、実施例で形成した複合フィルム(EB/BNNT)のX線回折パターンでは、エメラルディンベースポリアニリンおよび窒化ホウ素ナノチューブのそれぞれ単独の材料に由来するピークを有している。エメラルディンベースポリアニリンに関連するピークの半値幅が10°から3°まで減少してシャープとなった。
以上のことから、ポリアニリン中に窒化ホウ素ナノチューブが分散されてなる複合フィルムが形成できていることが裏付けられる。

0017

(比較例)
次に比較例を示す。
強化材として窒化ホウ素ナノチューブの代わりにカーボンナノチューブを用い、実施例と同様、カーボンナノチューブとエメラルディンベースのポリアニリンとをN,N−ジメチルホルムアミド中に添加し超音波処理を行った。
その結果、ガラス瓶の底にはフィルムは形成されなかった。

0018

ここで、窒化ホウ素ナノチューブの代わりにカーボンナノチューブを用いて、同様な操作を施しても、フィルムは形成されなかったという事実は、注目すべきことである。

0019

本発明により、窒化ホウ素ナノチューブが均一に分散されたポリアニリン複合フィルムを提供することが可能となったので、高強度、高弾性率高熱伝導性等が要求される製品への応用が期待される。

図面の簡単な説明

0020

実施例で形成した複合フィルムの走査型電子顕微鏡像を示す図である。
実施例で形成した複合フィルムに電子ビームを照射した後の生成物の像を示す図である。
実施例で形成した複合フィルムの高分解能透過型電子顕微鏡像を示す図である。
実施例で形成した複合フィルム、窒化ホウ素ナノチューブ単独およびエメラルディンベースポリアニリン単独の各X線回折のパターンを示す図である。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 学校法人早稲田大学の「 光学デバイス、分析装置、及び光学デバイスの製造方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】試料からのラマン散乱光を表面プラズモンにより更に増強でき、分析装置に組み込んだ時に、より高感度で表面増強ラマン散乱光の測定を実現できる、簡単な構造を有する光学デバイスを提供する。【解決手段】表... 詳細

  • 三菱ケミカル株式会社の「 ヒートシール用フィルムおよび収納袋」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】高強度かつ薄膜であり、適度な通気性、優れた熱寸法安定性、ならびに、発熱体の高速充填加工に適したヒートシール性およびホットタック性を有しており、通気発熱性物質の収納袋としてより好適に使用できるヒ... 詳細

  • 三井化学株式会社の「 ゴム組成物およびその架橋体」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】EPDMなどのエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が有するほかの特性を維持しながら、優れた耐油性をも有するゴム組成物およびゴム架橋体を提供する。【解決手段】エチレン・炭素原子数3〜... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ