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技術 新エネルギー発電システム出力変動緩和装置

出願人 沖縄電力株式会社株式会社沖縄エネテック株式会社明電舎
発明者 高原景滋中村覚國場裕介松田宙倫宮城勝比嘉直人新膳健裕片岡康夫野村昌克
出願日 2006年2月24日 (14年2ヶ月経過) 出願番号 2006-047648
公開日 2007年9月6日 (12年8ヶ月経過) 公開番号 2007-228737
状態 特許登録済
技術分野 交流の給配電
主要キーワード 移動平均回数 許容変化率 原動機用 補完効果 許容変化量 変化率制御 緩和制御 前回サンプリング
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図面 (8)

課題

自然エネルギー電気エネルギーに変換して電力発電する発電部の発電電力気象条件に大きく影響されるため、この発電電力の電力変動発電設備の発電機は追従できない問題を有している。

解決手段

発電部の発電電力を検出して変化率演算部に入力する。また、この変化率演算部に発電設備の発電機のガバナの最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるような制限値に設定された正方向変化率設定値、及び負方向変化率設定値を入力する。変化率演算部は入力された各信号を基に充放電部に対する充放電指令値を演算する。

概要

背景

風力太陽光などの自然エネルギーを利用した発電ステムは、それ自体では発電電力気象条件に大きく影響されるために種々の手法により電力変動緩和が図られ、例えば、太陽光発電システムとしては特許文献1が公知となっている。

特許文献1のものは、複数設置された太陽電池の出力を集電し、系統連系インバータを介して電力系統に接続すると共に、太陽電池とインバータ間に蓄電装置を有する充放電回路を接続し、太陽電池の出力が充放電回路を介して蓄電装置に充電、或いは放電するように構成したものである。そして、この充放電時の制御は、太陽電池の発電電力を検出し、その電力移動平均値を算出して充放電制御を実施して日射の変動による太陽電池の発電電力変動を吸収して電力系統への逆潮流電力の変動を抑制している。

特許文献2には、離島等において商用電源としてディーゼル発電機を設置し、出力変動の大きい風力発電システム分散電源として接続したシステム構成のものが開示されている。この文献2には、有効電力及び無効電力変動による周波数変動をインバータ及び電力貯蔵装置により抑制するに当たって、風力発電システムの有効電力変動を検出し、ディーゼル発電機のガバナ特性カットオフ周波数から割り出されたカットオフ周波数を有する高域フィルタにより有効電力変動から短周期変動分を抽出し、インバータの有効電力指令値を作成することが記載されている。
特開2001−5543号公報
特開2000−4541号公報

概要

自然エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する発電部の発電電力は気象条件に大きく影響されるため、この発電電力の電力変動に発電設備の発電機は追従できない問題を有している。発電部の発電電力を検出して変化率演算部に入力する。また、この変化率演算部に発電設備の発電機のガバナの最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるような制限値に設定された正方向変化率設定値、及び負方向変化率設定値を入力する。変化率演算部は入力された各信号を基に充放電部に対する充放電指令値を演算する。

目的

したがって本発明が目的とするところは、異常な検出値の影響が残らないことおよび発電部の出力変動の急変時においても発電設備の発電機用ガバナまたは/および電力系統が追従可能な電力変動となるような自然エネルギーを利用した発電システムに用いる新エネルギー発電システム出力変動緩和装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

電力系統から独立した発電設備自然エネルギー電気エネルギーに変換して電力発電する発電部を連系し、この発電設備と発電部との間に電力貯蔵部を有する充放電部を接続し、電力貯蔵部に蓄えたエネルギーを充放電部で充電または放電制御することにより前記発電部の出力と充放電部の出力とを加減算して電力の変動を緩和するものにおいて、前記発電部の発電電力を検出して変化率演算部に入力し、且つこの変化率演算部に前記発電設備のガバナの最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるような制限値に設定された前記発電電力の正方向変化率設定値、及び負方向変化率設定値とを導入し、この変化率演算部の出力と発電部の発電電力検出値との差分を前記充放電部の充放電指令値とすることを特徴とした自然エネルギーを利用した発電システムに用いる新エネルギー発電システム出力変動緩和装置

請求項2

電力系統に自然エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する発電部を連系し、この電力系統と発電部との間に電力貯蔵部を有する充放電部を接続し、電力貯蔵部に蓄えたエネルギーを充放電部で充電または放電制御することにより前記発電部の出力と充放電部の出力とを加減算して電力の変動を緩和するものにおいて、前記発電部の発電電力を検出して変化率演算部に入力し、且つこの変化率演算部に前記電力系統の最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるような制限値に設定された前記発電電力の正方向変化率設定値、及び負方向変化率設定値とを導入し、この変化率演算部の出力と発電部の発電電力検出値との差分を前記充放電部の充放電指令値とすることを特徴とした自然エネルギーを利用した発電システムに用いる新エネルギー発電システム出力変動緩和装置。

請求項3

電力系統と、この電力系統に接続される発電設備に自然エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する発電部を連系し、この電力系統および発電設備を有する系統と発電部との間に電力貯蔵部を有する充放電部を接続し、電力貯蔵部に蓄えたエネルギーを充放電部で充電または放電制御することにより前記発電部の出力と充放電部の出力とを加減算して電力の変動を緩和するものにおいて、前記発電部の発電電力を検出して変化率演算部に入力し、且つこの変化率演算部に前記発電設備のガバナの最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるような制限値に設定された前記発電電力の正方向変化率設定値、及び負方向変化率設定値とを導入し、この変化率演算部の出力と発電部の発電電力検出値との差分を前記充放電部の充放電指令値とすることを特徴とした自然エネルギーを利用した発電システムに用いる新エネルギー発電システム出力変動緩和装置。

請求項4

前記変化率演算部は、前回サンプリング時の変化率制限部の演算値と1サンプリング当たりの許容変化量上限値との和の値と、入力された前記発電部の発電電力検出値とを比較し、発電部の発電電力検出値が大きいときに前記和の値を変化率演算部の出力とすると共に、前回サンプリング時の変化率制限部の演算値と1サンプリング当たりの許容変化量下限値との差の値と、入力された前記発電部の発電電力検出値とを比較し、発電部の発電電力検出値が小さいときに前記差の値を変化率演算部の出力とし、発電部の発電電力検出値が前記和の値以下で、且つ前記差の値以上のときに前記発電電力検出値を変化率演算部の出力とすることを特徴とした請求項1乃至3記載の自然エネルギーを利用した発電システムに用いる新エネルギー発電システム出力変動緩和装置。

請求項5

前記電力貯蔵部の残量を検出して制限値補正部に出力し、この制限値補正部による補正値を前記正方向変化率設定値、及び負方向変化率設定値としたことを特徴とした請求項1乃至4記載の自然エネルギーを利用した発電システムに用いる新エネルギー発電システム出力変動緩和装置。

請求項6

前記発電設備を、小水力発電設備ディーゼル発電設備又はガスエンジン発電設備としたことを特徴とした請求項1又は3乃至5記載の自然エネルギーを利用した発電システムに用いる新エネルギー発電システム出力変動緩和装置。

技術分野

0001

本発明は、自然エネルギーを利用した発電ステム係り、特に発電電力の変動を緩和するための新エネルギー発電システム出力変動緩和装置に関するものである。

背景技術

0002

風力太陽光などの自然エネルギーを利用した発電システムは、それ自体では発電電力が気象条件に大きく影響されるために種々の手法により電力変動の緩和が図られ、例えば、太陽光発電システムとしては特許文献1が公知となっている。

0003

特許文献1のものは、複数設置された太陽電池の出力を集電し、系統連系インバータを介して電力系統に接続すると共に、太陽電池とインバータ間に蓄電装置を有する充放電回路を接続し、太陽電池の出力が充放電回路を介して蓄電装置に充電、或いは放電するように構成したものである。そして、この充放電時の制御は、太陽電池の発電電力を検出し、その電力移動平均値を算出して充放電制御を実施して日射の変動による太陽電池の発電電力変動を吸収して電力系統への逆潮流電力の変動を抑制している。

0004

特許文献2には、離島等において商用電源としてディーゼル発電機を設置し、出力変動の大きい風力発電システム分散電源として接続したシステム構成のものが開示されている。この文献2には、有効電力及び無効電力変動による周波数変動をインバータ及び電力貯蔵装置により抑制するに当たって、風力発電システムの有効電力変動を検出し、ディーゼル発電機のガバナ特性カットオフ周波数から割り出されたカットオフ周波数を有する高域フィルタにより有効電力変動から短周期変動分を抽出し、インバータの有効電力指令値を作成することが記載されている。
特開2001−5543号公報
特開2000−4541号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上述のように、電力系統に自然エネルギーを利用した発電システムを電源として連系する場合、電力貯蔵装置やインバータを用いて逆潮流電力の変動を抑制しているが、その制御において、特許文献1では電力の移動平均値を算出し、この算出値に基づいた信号により充放電制御を実行しているため、以下の問題を有している。

0006

すなわち、移動平均は、入力信号系列をx(nT)とすると、この入力信号系列x(nT)から順にN点(Nは移動平均回数)を取り出し、それらを加算し、その結果をNで割ることによって入力信号系列x(nT)の移動平均である出力系列y(nT)を得ている。このため、移動平均回数を大きくすると加算量が大きくなり、過去の入力を記憶するための領域も大きくなって制御演算装置処理能力を超えてしまうか、若しくは高価な処理能力の高い制御演算装置が必要となる。

0007

また、このような移動平均を用いた場合、通常、スタートアップ時にリングバッファのすべてのフィールド(フィールド数は上記したNに対応)を初回検出値で埋める方式がよく採用され、この初回検出値が不安定な入力データなどから得られた異常な検出値であると、リングバッファのすべてのフィールド分の検出が終了するまで異常な検出値の影響が残ってしまうという問題がある。

0008

さらに、特許文献2のように、有効電力の変動量を検出して高域フィルタを介してインバータの指令値を生成する場合、変動量の大きさによって変動抑制後の系統に与える変動量の傾きが変わってくる。一般に、系統に接続された発電機が変動に追従できる出力の変化率には限界があり、そのため系統に与える変動を発電機が追従できる限界内に収めるような移動平均数カットオフ周波数を設定する必要がある。しかし、自然エネルギーを用いた発電装置出力変化量は大きく、高域フィルタによる出力の変動抑制を行った場合でも変動量の大きさによって
出力変動の急変に追従できず、系統側の発電機の追従範囲を超えた変化率が出力されることがある。同様に、移動平均による出力変動抑制の場合も、発電機の追従範囲を超えた変化率が出力されることがある。

0009

したがって本発明が目的とするところは、異常な検出値の影響が残らないことおよび発電部の出力変動の急変時においても発電設備発電機用ガバナまたは/および電力系統が追従可能な電力変動となるような自然エネルギーを利用した発電システムに用いる新エネルギー発電システム出力変動緩和装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明の第1は、電力系統から独立した発電設備に自然エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する発電部を連系し、この発電設備と発電部との間に電力貯蔵部を有する充放電部を接続し、電力貯蔵部に蓄えたエネルギーを充放電部で充電または放電制御することにより前記発電部の出力と充放電部の出力とを加減算して電力の変動を緩和するものにおいて、
前記発電部の発電電力を検出して変化率演算部に入力し、且つこの変化率演算部に前記発電設備のガバナの最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるような制限値に設定された前記発電電力の正方向変化率設定値、及び負方向変化率設定値とを導入し、この変化率演算部の出力と発電部の発電電力検出値との差分を前記充放電部の充放電指令値とすることを特徴としたものである。

0011

本発明の第2は、電力系統に自然エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する発電部を連系し、この電力系統と発電部との間に電力貯蔵部を有する充放電部を接続し、電力貯蔵部に蓄えたエネルギーを充放電部で充電または放電制御することにより前記発電部の出力と充放電部の出力とを加減算して電力の変動を緩和するものにおいて、
前記発電部の発電電力を検出して変化率演算部に入力し、且つこの変化率演算部に前記電力系統の最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるような制限値に設定された前記発電電力の正方向変化率設定値、及び負方向変化率設定値とを導入し、この変化率演算部の出力と発電部の発電電力検出値との差分を前記充放電部の充放電指令値とすることを特徴としたものである。

0012

本発明の第3は、電力系統と、この電力系統に接続される発電設備に自然エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する発電部を連系し、この電力系統および発電設備を有する系統と発電部との間に電力貯蔵部を有する充放電部を接続し、電力貯蔵部に蓄えたエネルギーを充放電部で充電または放電制御することにより前記発電部の出力と充放電部の出力とを加減算して電力の変動を緩和するものにおいて、
前記発電部の発電電力を検出して変化率演算部に入力し、且つこの変化率演算部に前記発電設備のガバナの最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるような制限値に設定された前記発電電力の正方向変化率設定値、及び負方向変化率設定値とを導入し、この変化率演算部の出力と発電部の発電電力検出値との差分を前記充放電部の充放電指令値とすることを特徴としたものである。

0013

本発明の第4は、前記変化率演算部は、前回サンプリング時の変化率制限部の演算値と1サンプリング当たりの許容変化量上限値との和の値と、入力された前記発電部の発電電力検出値とを比較し、発電部の発電電力検出値が大きいときに前記和の値を変化率演算部の出力とすると共に、前回サンプリング時の変化率制限部の演算値と1サンプリング当たりの許容変化量下限値との差の値と、入力された前記発電部の発電電力検出値とを比較し、発電部の発電電力検出値が小さいときに前記差の値を変化率演算部の出力とし、発電部の発電電力検出値が前記和の値以下で、且つ前記差の値以上のときに前記発電電力検出値を変化率演算部の出力とすることを特徴としたものである。

0014

本発明の第5は、前記電力貯蔵部の残量を検出して制限値補正部に出力し、この制限値補正部による補正値を前記正方向変化率設定値、及び負方向変化率設定値としたことを特徴としたものである。

0015

本発明の第6は、前記発電設備を、小水力発電設備ディーゼル発電設備又はガスエンジン発電設備としたことを特徴としたものである。

発明の効果

0016

以上のとおり、本発明によれば、変化率演算部の出力と発電部の発電電力検出値との差分となる充放電量の指令値は、異常な検出値が入力された場合でも当該異常値以降の指令値に影響せず、発電設備の発電機用ガバナまたは/および電力系統が十分に追従できる範囲内に電力変動を抑えたことにより、発電設備または/および電力系統に発電部を連系したときの電力は安定し、発電部の出力変動による電力系統、発電設備または負荷への悪影響は緩和される。
また、電力変動の緩和制御のために、変化率の演算信号を用いているので、移動平均を用いたものと比較すると加減算と比較とがそれぞれ2回と前回値を1つ記憶するだけでよいため、少ない演算で電力変動の緩和制御が可能となり、電力変動に即応した追従制御が可能になる。且つ、移動平均・高域フィルタを用いる方法と比較して、発電部における発電電力の変動量が大きい場合でも電力貯蔵部を充放電制御することで、変動緩和後の電力変動を発電機用ガバナまたは/および電力系統が追従できる範囲内に抑えることができるので電力品質の向上が図れる。
さらに、電力系統や発電設備と電力貯蔵部とを協調した電力変動の緩和制御とすることで、発電設備を取り除いて発電部を電力系統に接続したときには、電力系統が追従できる範囲内に電力変動を抑えることで系統に接続される負荷への電力変動を緩和することができ、発電設備が電力系統に接続されたときには、発電設備の発電機用ガバナが追従できる範囲内に電力変動内に抑えることで、系統に接続される負荷及び電力系統への電力変動の波及はなくなる。そして、前記の協調を行うことで、電力系統や発電設備が応答出来ない時間のみ電力貯蔵部で補償すれば良いので電力貯蔵部の設備容量を小さくすることが出来る。
また、小水力発電設備、ディーゼル発電設備又はガスエンジン発電設備とした場合、本発明の電力変動の緩和制御は、前記発電設備が従来から備えているガバナによる出力調整機能の利用が可能となり、既設のこれら発電設備への適用が可能である。そのうえ、小水力発電設備、ディーゼル発電設備又はガスエンジン発電設備を併用した発電システムとすることで、発電部からの電力潮流を一定に保持できると共に発電部を太陽光発電することで、日中の前記発電設備の発電電力を低減し、夜間の発電設備による発電電力を増加させて、太陽光発電と発電設備との相互補完効果を得ることができる。
なお、発電部が電力系統と連系した場合において、発電部と接続する電力系統が小規模な場合や発電部と接続する電力系統が末端にある場合には、当該電力系統は発電部の出力変動の影響を受け易いが、本発明の出力変動緩和制御によって電力系統の出力は安定し、出力変動抑制の効果が顕著となる。

発明を実施するための最良の形態

0017

図1は、本発明の実施例を示す構成図である。1は自然エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する発電部で、ここでは太陽電池で示され、太陽電池の場合には図示省略されているが複数並列設置されている。2はDC/DCコンバータで、太陽電池の出力電力が最大になるよう制御される。3は充放電部でDC/DCコンバータ等より構成されている。4は充放電部に接続された電力貯蔵部で、蓄電池電気二重層キャパシタ等が使用され、出力変動の急変には大電流出力が可能な電気二重層キャパシタが好適である。

0018

5は連系用のインバータで、発電部1の発電出力若しくは電力貯蔵部4によって貯蔵された電力を連系する相手方電圧と同じ大きさで、且つ同じ位相交流電圧に変換して連系する相手方の系統に逆潮流させる。6は発電設備で、小水力発電設備やディーゼル発電設備等が用いられ、発電設備の出力は変圧器7を通って電力系統に出力される。8は負荷、10は変化率演算部で、この変化率演算部10は発電部1の発電電力検出値の変化率(1サンプリング当たりの変化量)に制限を持たせるためのもので、その制限値は電力系統に接続される発電設備6の発電機用ガバナ、または/および電力系統が最大追従可能な電力変化量よりも小さな変化率となるように設定される。したがって、変化率演算部10の出力は発電設備6の発電機ガバナ、または/および電力系統で追従可能な変動成分で、その出力は減算部9において発電部1の発電電力検出値との差分がとられ、その信号の極性が正の場合には充放電部3に対する放電指令となり、負の極性時には充電指令となって充放電部3に出力される。

0019

なお、DC/DCコンバータ2は発電部1が風力発電機DCリンク方式の場合にはAC/DCコンバータとなり、ACリンク方式の場合にはコンバータ2は不要となる。また、ACリンク方式の場合には、図1で示すインバータ5が双方向導通のインバータとして構成され、充放電部3で行われる充放電指令をインバータ5で行い電力貯蔵部4と直列に接続されるか、若しくは、電力貯蔵部4、充放電部3と直列に接続され、これら直列に接続された回路が発電設備6と発電部1との連系系統に接続される。

0020

図2は変化率演算部10のブロック図を示したものである。11は自然エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する発電部1の発電電力検出値で、その検出値は変化率制限部20と減算部9に出力される。12は発電部1による発電電力の正方向変化率設定値、13は負方向変化率設定値で、各設定値は発電設備6または電力系統が追従可能な許容変化率上下限値となっている。14は所定の時間間隔で出力されるサンプリング信号、16及び17は乗算部で、乗算部16はサンプリング信号発生の都度、正方向変化率制限値を加算部18に出力する。また、乗算部17はサンプリング信号発生の都度、負方向変化率制限値を減算部19に出力する。15は遅延部で、変化率演算部10の出力となる変化率制限部20の1サンプリング前に演算された演算値が記憶される。

0021

なお、サンプリング間隔変動周期に比べて短くし過ぎるとサンプリング間の変化率が常に上下限値内に収まり補償動作が行われず、逆にサンプリング間隔を変動周期に比べて長くし過ぎると補償が追いつかず、発電部の出力変動がそのまま電力系統や負荷に出ることになる。そのため、サンプリング間隔は想定される最も短い発電部1の出力変動周期よりも長く、且つ出力変動がそのまま系統に出ても影響が出ない周期よりも短く設定される。また、このサンプリング間隔の設定と同様に変化率の上下限値の設定レベルが重要となり、これらを案して合理的に設定される。

0022

以上のように構成された本発明においてその作用を説明する。
自然エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する発電部1の発電電力は、インバータ5に供給されて連系する相手方と同じ大きさの電圧で、且つ同じ位相の交流電圧に変換されて連系する相手方に送出される。発電部1の発電電力は図示省略された検出部により検出され、変化率演算部10の変化率制限部20と減算部9に出力される。変化率演算部10には予め図示省略された設定部から発電電力の正方向変化率設定値と負方向変化率設定値がそれぞれ入力される。各設定値は乗算部16と17にそれぞれ印加され、サンプリング信号が発振されたときに加算部18と減算部19にそれぞれ出力されて1サンプリング前の演算値と加算及び減算が実行される。その結果の各信号は変化率制限部20に出力される。

0023

図3変化率制御部20の動作フローを示したもので、ステップS1では、入力された発電部1の発電電力検出値と加算部18の出力信号との比較、すなわち、発電電力検出値と1サンプリング前の演算値+許容変化率の上限値との比較判定が行われ、発電電力検出値が当該演算値と上限値との和より大きい場合にはステップS3に移行して、変化率制御部20の演算値(変化率制御部10の出力)を1サンプリング前の値+許容変化率(加算部18の出力)とするための処理が実行される。

0024

一方、S1で入力された発電電力が加算部18の出力値より小さい場合、ステップS2に移行して発電部1の発電電力と減算部19の出力信号との比較、すなわち、発電電力検出値と1サンプリング前の演算値−許容変化率の下限値との比較判定が行われ、発電電力検出値が当該演算値と下限値との差より小さい場合にはステップS4に移行して、変化率制御部20の演算値(変化率制御部10の出力)を1サンプリング前の演算値−許容変化率(減算部19の出力)とするための処理が実行される。
ステップS2で発電電力検出値が減算部19の出力値より大きい場合、ステップ5で変化率制御部20の演算値(変化率制御部10の出力)を発電電力検出値とするための処理が実行される。そして、変化率制御部20の演算値と発電電力検出値との減算を減算部9において実行し、電力貯蔵部4に対する充放電指令値として充放電部3に出力する。これにより、発電部1の発電電力の変動分で、発電機6の原動機用ガバナの追従性を超えた分が電力貯蔵部4の充放電指令値となり、発電部1の出力と電力貯蔵部4の出力との和による電力変動分はガバナの追従可能な範囲に抑えることができる。

0025

したがって、この実施例によれば、変化率演算部10から出力される充放電量の指令値は発電機6のガバナが十分に追従できる電力変動内に抑えることが可能となったことにより系統連系点の電力は安定し、発電部1の出力変動による電力系統への悪影響はなくなる。

0026

図4は、本発明による電力変動の緩和制御による発電機の負荷変動を示したもので、(a)は電力変動緩和制御を実施しなかった場合、(b)は本発明による発電機の負荷変動を示したものである。

0027

図5は、他の実施例を示したもので、図1の実施例との相違点は変化率制限値(変化率設定値)を電力貯蔵量に関連付けて可変するようにしたことである。すなわち、21は電力貯蔵量の検出部で、この検出部によって検出された検出値は制限値補正部22に出力される。制限値補正部22は、電力貯蔵量に対する正方向変化率制限値と負方向変化率制限値との補正量がテーブル状に形成され、貯蔵量に応じて各変化率の制限値を設定している。他は前述の実施例と同じであるのでその説明を省略する。

0028

この実施例によれば、電力貯蔵部の残量を考慮した変化率の上限、下限が設定されるので、より安定した電力の制御が可能となる。

0029

図6は、図1の構成から発電設備6を取り除き、発電部1を電力系統に連系した場合の実施例を示したものである。この実施例での変化率演算部10は、発電部1の発電電力検出値の変化率に制限を持たせるために、連系された電力系統の最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるように設定される。その制御は、図1図3と同様であるので説明は省略する。また、図5のように、変化率演算部10に電力貯蔵量検出部21及び制限値補正部22を追加してもよいことは勿論である。

0030

この実施例によれば、電力系統が追従できる電力変動内に抑えることができるので、この電力系統に接続される負荷への電力変動が緩和できるものである。また、発電部1を電力系統と連系した場合において、発電部1の出力に対して、例えば、離島のような小規模な電力系統で発電部出力の依存度が高い場合、または電力系統の末端で系統内の協調が得難い場合など、発電部1の出力変動の影響を受け易く出力変動が大きくなる。しかし、本発明では、このような場合でも電力系統の出力が安定し、電力変動緩和制御による効果が顕著となるものである。

0031

図7は、図1又は図5の実施例に電力系統を連系した場合の実施例を示したものである。この実施例での変化率演算部10も、図1などで示す実施例と同様に、発電部1の発電電力検出値の変化率に制限を持たせるために、発電設備の発電機用ガバナが最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるように設定され、且つ図1などで示す実施例と同様の演算が実施されて充放電指令値が出力される。

0032

この実施例によれば、発電設備の発電機用ガバナが追従できる電力変動内に抑えることができるので、他の電力系統に接続される負荷への電力変動が緩和できるものである。
なお、図6で示す実施例以外での発電設備6としては、発電設備であれば特に限定するものではないが、特に小水力発電設備、ディーゼル発電設備又はガスエンジン発電設備とした場合、従来から備えているガバナによる出力調整機能の利用が可能となる。これによって、既設の小水力発電設備、ディーゼル発電設備又はガスエンジン発電設備への電力変動の緩和制御の適用が可能である。また、小水力発電設備、ディーゼル発電設備又はガスエンジン発電設備を併用した発電システムとしたことで、発電部からの電力潮流を一定に保持できると共に、発電部を太陽光発電することで日中の前記発電設備の発電電力を低減し、夜間の発電設備による発電電力を増加させて、太陽光発電と発電設備との相互補完効果を得ることができる。

図面の簡単な説明

0033

本発明の第1の実施形態を示す構成図。
変化率演算部の構成図。
変化率演算部の動作フローチャート
電力変動緩和の比較図で、(a)は平準化不実施時の発電機の負荷状態、(b)は変動緩和実施時の発電機の負荷状態図。
本発明の第2の実施形態を示す構成図。
本発明の第3の実施形態を示す構成図。
本発明の第4の実施形態を示す構成図。

符号の説明

0034

1…発電部
2… DC/DCコンバータ
3…充放電部
4…電力貯蔵部
5…インバータ
6…発電設備
7…変圧器
8…負荷
9… 減算部
10…変化率演算部
15…遅延部
16、17…乗算部
18…加算部
19… 減算部
20…変化率制限部
21…電力貯蔵量検出部
22…制限値補正部

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  • 東京瓦斯株式会社の「 発電システム」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】発電の状況を報知する場合に、利用者の立場に立った有用な報知を行う。【解決手段】エネルギー消費機器である電力消費機器24(家電及び照明等)の動作回数(オン・オフ動作回数)のカウント値nが、予め定... 詳細

  • 株式会社NTTファシリティーズの「 周波数制御システム」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】電力系統の周波数維持に用いられる需給調整の供給を容易にする周波数制御システムを提供する。【解決手段】電力系統における周波数を検出する周波数検出部と、蓄電部の周波数−出力電力特性に関する情報を格... 詳細

  • 株式会社日立製作所の「 調整力監視装置及び調整力監視方法」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】電力系統の系統周波数維持に必要な調整力の可否判定を支援する調整力統監視装置を提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係る調整力監視装置は、電力系統の必要調整力を監視する変動周期と、必要調... 詳細

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