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技術 振動式トランスデューサの振動子の製造方法

出願人 横河電機株式会社
発明者 三島猛鈴木広志猿谷敏之
出願日 2006年2月22日 (14年1ヶ月経過) 出願番号 2006-045041
公開日 2007年9月6日 (12年6ヶ月経過) 公開番号 2007-225367
状態 未査定
技術分野 流体圧力測定
主要キーワード 伝導形式 長手辺 励振成分 入力トランス 電解アルカリ 励振電流 P拡散 導電形式
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

振動子を製造する際に用いる2つの保護膜間の位置合わせずれ位置ズレ)によりH形の振動子の左右の振動梁の長さが異なってしまうという課題を解決する。

解決手段

シリコン単結晶導電形式がn形の基板上に形成された薄肉ダイアフラムの上に犠牲層としてP拡散層を形成し、先のP拡散層内にH形の振動梁とこれを固定する固定端を有する振動子をP++拡散層で形成し、先のP拡散層を電解アルカリエッチングでエッチングして先の振動子を形成する振動式トランスデューサの振動子の製造方法であって、長辺が先の振動梁の方向に沿って先の振動梁の外方に配置された矩形状の開口部を有する保護膜により前記開口部にエッチング液注入し、先のP拡散層をエッチングして先の振動梁を形成する構成にしたものである。

概要

背景

図3に従来の振動式トランスデューサの構成を示す。図3において、振動子本体10は、例えば伝導形式がn形のシリコン単結晶で出来たダイアフラム11の上に一体に形成されたp形のシリコンで出来た固定端12A、12Bおよび振動梁12Cを有する第1振動子12と、固定端13A、13Bおよび振動梁13Cを有する第2振動子13およびこれ等の第1振動梁12C、第2振動梁13Cを中央部分で連結する第3振動子14で構成されるH形の振動子などで構成されている。

ダイアフラム11は周囲に肉厚部(図示せず)を有するn形のシリコン基板の下面に中央部をエッチングして薄肉として形成されており、測定圧力がこの面に印加されることによって全体として変位する。このダイアフラム11の上面の結晶面(100)の一部にはエッチングにより各振動子収納されるH形状の凹部15が形成されている。

第1振動子12の固定端12A、12Bの上には電極16,17が、さらに第2振動子13の固定端13A、13Bの上には電極18,19が、それぞれ形成されている。振動子本体10の上部にはこれと平行に磁石20が配置され、振動梁12C、13Cに直角に磁場を発生させている。

励振手段として機能する入力トランス21の出力端子は電極16,17に、その入力端子22の一端は出力端子23に、他端はコモンラインに接続されている。

励振検出手段として機能する出力トランス24の入力端子は電極18、19に接続され、その出力端子25、26は増幅器27の入力端にそれぞれ接続されている。さらに増幅器27の出力端は出力端子23に接続されている。

なお、以上の図3においては説明の便宜上、ダイアフラム11の上部を覆うシエルを除いて記載しているが、後述するように実際には第1振動子12〜第3振動子14の周囲は所定の間隔を以てエピタキシャル成長などの半導体技術でダイアフラム11と一体に覆われ、さらにこの内部は真空に保持され振動子の振動に対して高いQフアクタが維持されるようになっている。

以上の構成において、入力トランス21に増幅器27から入力された電圧により、第1振動子12が磁石20の磁場との相互作用により励振されて振動する。この振動により、第2振動子13は第3振動子14を介して振動させられ、この振動は磁石20との相互作用により出力トランス24の入力端に起電力eを発生される。

この起電力eは出力トランス24を介して増幅器27に入力され増幅されて出力端子23に取り出される。この増幅された電圧は入力トランス21に正帰還され、これが繰り返されて系が自励発振をする。

以上のように、振動子本体10は励振用の第1振動子12と、起電力検出用の第2振動子13とに分けられ、第3振動子14で第1振動子12と第2振動子13の腹の部分を機械的に結合するようにしたので、励振電流成分が起電力eに重畳せず、高い励振成分の除去比(S/N比)が得られる。

図4は、図1に示す振動式トランスデューサの振動子を製造する製造方法を示す工程図である。なお、この工程図では説明を簡単にするために、振動子本体10の代わりに第3振動子14を結合しない状態の梁状の第1振動子12の振動梁12Cを製造するものとして説明する。

図4(a)は保護膜の生成とその一部を開口する工程を示している。n形のシリコン単結晶の基板30の結晶面(100)の上にシリコン酸化物あるいはシリコン窒化物などの保護膜31を形成し、この後で第1振動子12の振動梁12Cの形状に沿うパターンが形成されたマスクを用いて保護膜31の一部に開口部32を形成する。

次に、図4(b)に移行するが、この工程は基板30の中に凹部を形成する工程である。1050℃の水素ガス雰囲気中で、例えば塩化水素を用いてエッチングを行って、開口部32に対応する基板30の凹部33を形成する。

図4(c)はエピタキシャル工程を示している。1050℃の水素ガスの雰囲気中でソースガスに塩化水素を混入して多層選択エピタキシャル成長を行う。この点について以下にさらに詳細に説明する。

第1ステップとして、ボロンの濃度が1018cm−3のP形シリコンP拡散層)により凹部33の上に隙間対応部の下半分として機能する第1エピタキシャル層(第1犠牲層)34を選択エピタキシャル成長させる。

第2ステップとして、ボロンの濃度が1020cm−3以上のP形シリコン(P++拡散層)により第1エピタキシャル層34の上に開口部32を塞ぐようにして第1振動子12の振動梁12Cに相当する第2エピタキシャル層35を選択エピタキシャル成長させる。

第3ステップとして、ボロンの濃度が1018cm−3以上のP形シリコン(P拡散層)により第2エピタキシャル層35の上に隙間対応部の上半分として機能する第3エピタキシャル層(第3犠牲層)36を選択エピタキシャル成長させる。

第4ステップとして、ボロンの濃度が1020cm−3のP形シリコン(P++拡散層)により第3エピタキシャル層36の上に後述するシエルに相当する第4エピタキシャル層37を選択エピタキシャル成長させる。

図4(d)はエッチング液注入する注入口を形成する工程である。この工程では、保護膜31をフッ化水素酸(HF)でエッチングして除去し、第4エピタキシャル層37の側面にエッチング液を注入する注入口38を設ける。

図4(e)は振動子と基板などとの間に隙間を形成する選択エッチングの工程を示す。エッチング液に対してn形の基板30が逆バイアスになるように電源Epから正の電圧を印加して基板30を保護しながら注入口38からアルカリ液を注入して第1エピタキシャル層34と第3エピタキシャル層36とを選択エッチングして除去する。

最後に、図4(f)に示す密封工程に移行する。この工程では、1050℃の水素ガスの雰囲気中でn形シリコンのエピタキシャル成長を行い、基板30と第4エピタキシャル層37の外表面にエピタキシャル層39を形成してその一部でシエル40を構成すると共に注入口38を閉じて密封する。この密封工程は、以上の方法以外に熱酸化法スパッタ法真空蒸着法、或いは絶縁物等により注入口38を閉じるなど各種の方法がある。

この後、図示していないが、基板30の底面側からエッチングによって基板30を掘り起こしてダイアフラム11を形成する。

図5はH形の振動子本体を形成する場合の工程を示す。図5(a)は保護膜形成とH形開口工程を示す。シリコンの基板30の結晶面(100)の上面にシリコン酸化膜或いはシリコン窒化膜などの保護膜Aを形成した後、H形に開口部を持つマスクを用いて基板30の表面に形成された保護膜AをH形にホトリソグラフィにより除去し保護膜AにH形の開口部41、42を形成する。

このH形の開口部41、42は、第1の振動子12の振動梁12C、第2の振動子13の振動梁13Cと第3振動梁14の各々で形成されるH形の梁の方向が基板30の結晶軸<001>の方向とこれに直角の方向になるように配列する。

また、この開口部41の両端には固定端12A、12Bに各々対応する開口部41A、41Bが、開口部42の両端には固定端13A、13Bに対応する開口部42A、42Bがそれぞれ形成されている。

図5(b)は凹部形成工程を示す。図4(b)と同様にして、保護膜Aの開口部41、42の下の基板30にエッチングにより凹部43、44を形成する。

図5(c)はエピタキシャル工程を示す。図5(c−1)は平面、図5(c−2)は図5(c−1)のX1−X2断面である。図4(c)と同様にして、凹部43、44の上に第1エピタキシャル層34A、第2エピタキシャル層35A、第3エピタキシャル層36Aがそれぞれ形成される。

図6(d)は保護膜Aを除去後に保護膜Bを形成する保護膜形成工程を示す。図5(c−2)の工程に続く工程である。図6(d−1)は平面、図6(d−2)は図6(d−1)のX1−X2断面である。

第2エピタキシャル層35Aには、第1振動子12の振動梁12C、固定端12A、12Bに各々対応する第1振動子層46の振動梁層46C、固定層46A、46Bが、また第2振動子13の振動梁13C、固定端13A、13Bに対応する第2振動子層48の振動梁層48C、固定層48A、固定層48Bが、また第3振動子14に対応する振動子層45がそれぞれ形成されている。

これらの上には、保護膜Bが形成され、この保護膜Bには、エッチング液を注入するための太線で示す長六角形状の開口端OS1を持つ開口部49が形成されている。

開口端OS1の長手辺L1およびL2は振動梁層46C、48Cの外部に配置され、短辺S1、S2、S3、およびS4は振動梁層46C、48Cの上で基板30の結晶面(111)と表面が交わる線L3に沿って配置されている。結晶面(111)はエッチング液によりエッチストップされる境界面を示す。

次に、図6(e)のエッチング工程に移る。図4(e)の選択エッチングと同様にして、第1エピタキシャル層34Aと第3エピタキシャル層36Aを除去して、振動梁12C、固定端12A、12Bと振動梁13C、固定端13A、13Bを形成する。

このようにして形成された振動梁12C、固定端12A、12B、および振動梁13C、固定端13A、13Bを分かり易くするために、抜き出して表示すると、図6(f)のようになる。

固定端12A、12Bおよび固定端13A、13Bは、正確には振動梁12C、13Cにそれぞれ若干突き出した図6(f)の斜線で示す部分となる。このため、振動梁12Cの長さはL4となり、振動梁13Cの長さはL5になっている。

この後は、図4(f)の密封工程と同様にしてシエルが形成され、振動子本体10が形成される。

なお、特許文献1には、H形の振動子を用いた振動式トランスデューサとその製造方法が記載されている。

特公平7−104217号公報

概要

振動子を製造する際に用いる2つの保護膜間の位置合わせずれ位置ズレ)によりH形の振動子の左右の振動梁の長さが異なってしまうという課題を解決する。シリコン単結晶で導電形式がn形の基板上に形成された薄肉のダイアフラムの上に犠牲層としてP拡散層を形成し、先のP拡散層内にH形の振動梁とこれを固定する固定端を有する振動子をP++拡散層で形成し、先のP拡散層を電解アルカリエッチングでエッチングして先の振動子を形成する振動式トランスデューサの振動子の製造方法であって、長辺が先の振動梁の方向に沿って先の振動梁の外方に配置された矩形状の開口部を有する保護膜により前記開口部にエッチング液を注入し、先のP拡散層をエッチングして先の振動梁を形成する構成にしたものである。

目的

従って、本発明の目的は、振動梁と同一パターンで振動梁の長さを決定し、左右の振動梁の長さに差が出来ないようにした振動式トランスデューサの振動子の製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

シリコン単結晶導電形式がn形の基板上に形成された薄肉ダイアフラムの上に犠牲層としてP拡散層を形成し、前記P拡散層内にH形の振動梁とこれを固定する固定端を有する振動子をP++拡散層で形成し、前記P拡散層を電解アルカリエッチングでエッチングして前記振動子を形成する振動式トランスデューサの振動子の製造方法であって、長辺が前記振動梁の方向に沿って前記振動梁の外方に配置された矩形状の開口部を有する保護膜により前記開口部にエッチング液注入し、前記P拡散層をエッチングして前記振動梁を形成すること特徴とする振動式トランスデューサの振動子の製造方法。

請求項2

前記固定端は前記振動梁に結合する(111)結晶面に沿う楔状の斜面を有し、前記開口部の短辺を前記斜面の内側への延長上であって前記振動梁の中心線クロスする位置に配置することを特徴とする請求項1に記載の振動式トランスデューサの振動子の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、振動式トランスデューサの製造方法に係り、特にシリコン基板に形成した梁状の振動子をその振動子の持つ固有振動数振動させておき、このシリコン基板に加えられる力、圧力、或いは差圧などの物理量に対応して振動子に生ずる固有振動数の変化からこれらの物理量を検出する振動式トランスデューサの振動子の製造方法に関する。

背景技術

0002

図3に従来の振動式トランスデューサの構成を示す。図3において、振動子本体10は、例えば伝導形式がn形のシリコン単結晶で出来たダイアフラム11の上に一体に形成されたp形のシリコンで出来た固定端12A、12Bおよび振動梁12Cを有する第1振動子12と、固定端13A、13Bおよび振動梁13Cを有する第2振動子13およびこれ等の第1振動梁12C、第2振動梁13Cを中央部分で連結する第3振動子14で構成されるH形の振動子などで構成されている。

0003

ダイアフラム11は周囲に肉厚部(図示せず)を有するn形のシリコン基板の下面に中央部をエッチングして薄肉として形成されており、測定圧力がこの面に印加されることによって全体として変位する。このダイアフラム11の上面の結晶面(100)の一部にはエッチングにより各振動子収納されるH形状の凹部15が形成されている。

0004

第1振動子12の固定端12A、12Bの上には電極16,17が、さらに第2振動子13の固定端13A、13Bの上には電極18,19が、それぞれ形成されている。振動子本体10の上部にはこれと平行に磁石20が配置され、振動梁12C、13Cに直角に磁場を発生させている。

0005

励振手段として機能する入力トランス21の出力端子は電極16,17に、その入力端子22の一端は出力端子23に、他端はコモンラインに接続されている。

0006

励振検出手段として機能する出力トランス24の入力端子は電極18、19に接続され、その出力端子25、26は増幅器27の入力端にそれぞれ接続されている。さらに増幅器27の出力端は出力端子23に接続されている。

0007

なお、以上の図3においては説明の便宜上、ダイアフラム11の上部を覆うシエルを除いて記載しているが、後述するように実際には第1振動子12〜第3振動子14の周囲は所定の間隔を以てエピタキシャル成長などの半導体技術でダイアフラム11と一体に覆われ、さらにこの内部は真空に保持され振動子の振動に対して高いQフアクタが維持されるようになっている。

0008

以上の構成において、入力トランス21に増幅器27から入力された電圧により、第1振動子12が磁石20の磁場との相互作用により励振されて振動する。この振動により、第2振動子13は第3振動子14を介して振動させられ、この振動は磁石20との相互作用により出力トランス24の入力端に起電力eを発生される。

0009

この起電力eは出力トランス24を介して増幅器27に入力され増幅されて出力端子23に取り出される。この増幅された電圧は入力トランス21に正帰還され、これが繰り返されて系が自励発振をする。

0010

以上のように、振動子本体10は励振用の第1振動子12と、起電力検出用の第2振動子13とに分けられ、第3振動子14で第1振動子12と第2振動子13の腹の部分を機械的に結合するようにしたので、励振電流成分が起電力eに重畳せず、高い励振成分の除去比(S/N比)が得られる。

0011

図4は、図1に示す振動式トランスデューサの振動子を製造する製造方法を示す工程図である。なお、この工程図では説明を簡単にするために、振動子本体10の代わりに第3振動子14を結合しない状態の梁状の第1振動子12の振動梁12Cを製造するものとして説明する。

0012

図4(a)は保護膜の生成とその一部を開口する工程を示している。n形のシリコン単結晶の基板30の結晶面(100)の上にシリコン酸化物あるいはシリコン窒化物などの保護膜31を形成し、この後で第1振動子12の振動梁12Cの形状に沿うパターンが形成されたマスクを用いて保護膜31の一部に開口部32を形成する。

0013

次に、図4(b)に移行するが、この工程は基板30の中に凹部を形成する工程である。1050℃の水素ガス雰囲気中で、例えば塩化水素を用いてエッチングを行って、開口部32に対応する基板30の凹部33を形成する。

0014

図4(c)はエピタキシャル工程を示している。1050℃の水素ガスの雰囲気中でソースガスに塩化水素を混入して多層選択エピタキシャル成長を行う。この点について以下にさらに詳細に説明する。

0015

第1ステップとして、ボロンの濃度が1018cm−3のP形シリコンP拡散層)により凹部33の上に隙間対応部の下半分として機能する第1エピタキシャル層(第1犠牲層)34を選択エピタキシャル成長させる。

0016

第2ステップとして、ボロンの濃度が1020cm−3以上のP形シリコン(P++拡散層)により第1エピタキシャル層34の上に開口部32を塞ぐようにして第1振動子12の振動梁12Cに相当する第2エピタキシャル層35を選択エピタキシャル成長させる。

0017

第3ステップとして、ボロンの濃度が1018cm−3以上のP形シリコン(P拡散層)により第2エピタキシャル層35の上に隙間対応部の上半分として機能する第3エピタキシャル層(第3犠牲層)36を選択エピタキシャル成長させる。

0018

第4ステップとして、ボロンの濃度が1020cm−3のP形シリコン(P++拡散層)により第3エピタキシャル層36の上に後述するシエルに相当する第4エピタキシャル層37を選択エピタキシャル成長させる。

0019

図4(d)はエッチング液注入する注入口を形成する工程である。この工程では、保護膜31をフッ化水素酸(HF)でエッチングして除去し、第4エピタキシャル層37の側面にエッチング液を注入する注入口38を設ける。

0020

図4(e)は振動子と基板などとの間に隙間を形成する選択エッチングの工程を示す。エッチング液に対してn形の基板30が逆バイアスになるように電源Epから正の電圧を印加して基板30を保護しながら注入口38からアルカリ液を注入して第1エピタキシャル層34と第3エピタキシャル層36とを選択エッチングして除去する。

0021

最後に、図4(f)に示す密封工程に移行する。この工程では、1050℃の水素ガスの雰囲気中でn形シリコンのエピタキシャル成長を行い、基板30と第4エピタキシャル層37の外表面にエピタキシャル層39を形成してその一部でシエル40を構成すると共に注入口38を閉じて密封する。この密封工程は、以上の方法以外に熱酸化法スパッタ法真空蒸着法、或いは絶縁物等により注入口38を閉じるなど各種の方法がある。

0022

この後、図示していないが、基板30の底面側からエッチングによって基板30を掘り起こしてダイアフラム11を形成する。

0023

図5はH形の振動子本体を形成する場合の工程を示す。図5(a)は保護膜形成とH形開口工程を示す。シリコンの基板30の結晶面(100)の上面にシリコン酸化膜或いはシリコン窒化膜などの保護膜Aを形成した後、H形に開口部を持つマスクを用いて基板30の表面に形成された保護膜AをH形にホトリソグラフィにより除去し保護膜AにH形の開口部41、42を形成する。

0024

このH形の開口部41、42は、第1の振動子12の振動梁12C、第2の振動子13の振動梁13Cと第3振動梁14の各々で形成されるH形の梁の方向が基板30の結晶軸<001>の方向とこれに直角の方向になるように配列する。

0025

また、この開口部41の両端には固定端12A、12Bに各々対応する開口部41A、41Bが、開口部42の両端には固定端13A、13Bに対応する開口部42A、42Bがそれぞれ形成されている。

0026

図5(b)は凹部形成工程を示す。図4(b)と同様にして、保護膜Aの開口部41、42の下の基板30にエッチングにより凹部43、44を形成する。

0027

図5(c)はエピタキシャル工程を示す。図5(c−1)は平面、図5(c−2)は図5(c−1)のX1−X2断面である。図4(c)と同様にして、凹部43、44の上に第1エピタキシャル層34A、第2エピタキシャル層35A、第3エピタキシャル層36Aがそれぞれ形成される。

0028

図6(d)は保護膜Aを除去後に保護膜Bを形成する保護膜形成工程を示す。図5(c−2)の工程に続く工程である。図6(d−1)は平面、図6(d−2)は図6(d−1)のX1−X2断面である。

0029

第2エピタキシャル層35Aには、第1振動子12の振動梁12C、固定端12A、12Bに各々対応する第1振動子層46の振動梁層46C、固定層46A、46Bが、また第2振動子13の振動梁13C、固定端13A、13Bに対応する第2振動子層48の振動梁層48C、固定層48A、固定層48Bが、また第3振動子14に対応する振動子層45がそれぞれ形成されている。

0030

これらの上には、保護膜Bが形成され、この保護膜Bには、エッチング液を注入するための太線で示す長六角形状の開口端OS1を持つ開口部49が形成されている。

0031

開口端OS1の長手辺L1およびL2は振動梁層46C、48Cの外部に配置され、短辺S1、S2、S3、およびS4は振動梁層46C、48Cの上で基板30の結晶面(111)と表面が交わる線L3に沿って配置されている。結晶面(111)はエッチング液によりエッチストップされる境界面を示す。

0032

次に、図6(e)のエッチング工程に移る。図4(e)の選択エッチングと同様にして、第1エピタキシャル層34Aと第3エピタキシャル層36Aを除去して、振動梁12C、固定端12A、12Bと振動梁13C、固定端13A、13Bを形成する。

0033

このようにして形成された振動梁12C、固定端12A、12B、および振動梁13C、固定端13A、13Bを分かり易くするために、抜き出して表示すると、図6(f)のようになる。

0034

固定端12A、12Bおよび固定端13A、13Bは、正確には振動梁12C、13Cにそれぞれ若干突き出した図6(f)の斜線で示す部分となる。このため、振動梁12Cの長さはL4となり、振動梁13Cの長さはL5になっている。

0035

この後は、図4(f)の密封工程と同様にしてシエルが形成され、振動子本体10が形成される。

0036

なお、特許文献1には、H形の振動子を用いた振動式トランスデューサとその製造方法が記載されている。

0037

特公平7−104217号公報

発明が解決しようとする課題

0038

しかし、このような振動式トランスデューサには、次のような課題があった。振動子を形成する保護膜Aのパターンと、固定端のエッチストップに使用する保護膜Bが別パターンで形成されている。このため、保護膜Aのパターンと保護膜Bのパターン間の位置ズレが横方向に発生した場合、振動梁12Cと13Cの梁の長さに差が出来てしまい、この結果、振動梁12Cと振動梁13Cの固有振動数が異なり、性能劣化の原因になる。

0039

以上の点について、図7を用いて具体的に説明する。図7に示すように、太線で示す開口部49を持つ保護膜Bの開口端OS1が、保護膜Aに対して細線で示すように右にΔXだけ位置ズレした場合、矢印のように左側の振動梁46Cは2ΔXだけ短くなり、右側の振動梁48Cは2ΔXだけ長くなる。

0040

つまり、左側の振動梁12Cは2ΔXだけ短くなり、右側の振動梁13Cは2ΔXだけ長くなる。従って、左右の振動梁の長さの差は4ΔXとなるという問題がある。

0041

従って、本発明の目的は、振動梁と同一パターンで振動梁の長さを決定し、左右の振動梁の長さに差が出来ないようにした振動式トランスデューサの振動子の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0042

このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、シリコン単結晶で導電形式がn形の基板上に形成された薄肉のダイアフラムの上に犠牲層としてP拡散層を形成し、先のP拡散層内にH形の振動梁とこれを固定する固定端を有する振動子をP++拡散層で形成し、先のP拡散層を電解アルカリエッチングでエッチングして先の振動子を 形成する振動式トランスデューサの振動子の製造方法であって、長辺が先の振動梁の方向に沿って先の振動梁の外方に配置された矩形状の開口部を有する保護膜により前記開口部にエッチング液を注入し、先のP拡散層をエッチングして先の振動梁を形成するようにしたものである。

0043

また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載した振動式トランスデューサの振動子の製造方法において、先の固定端は先の振動梁に結合する(111)結晶面に沿う楔状の斜面を有し、先の開口部の短辺を先の斜面の内側への延長上であって先の振動梁の中心線クロスする位置に配置するようにしたものである。

発明の効果

0044

以上説明したことから明らかなように、請求項1に記載した本発明によれば、長辺が先の振動梁の方向に沿って先の振動梁の外方に配置された矩形状の開口部を有する保護膜により前記開口部にエッチング液を注入し、先のP拡散層をエッチングして先の振動梁を形成するようにしたので、左右の振動梁の長さを揃えることができる。

0045

また、請求項2に記載した本発明によれば、請求項1に記載した振動式トランスデューサの振動子の製造方法において、先の固定端は先の振動梁に結合する(111)結晶面に沿う楔状の斜面を有し、先の開口部の短辺を先の斜面の内側への延長上であって先の振動梁の中心線とクロスする位置に配置するようにしたので、より適切に左右の振動梁の長さを揃えることができる。

0046

これらにより、左右の振動子の固有振動数が同一になり、振動式トランスデューサの性能向上に寄与することが出来るという効果がある。そして、本発明は、振動子を製造する際に用いる2つの保護膜間の位置合わせずれ(位置ズレ)によりH形の振動子の左右の振動梁の長さが異なってしまうという課題を解決する。

発明を実施するための最良の形態

0047

以下本発明について図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に係る製造工程の要部の1実施例を示す構成図である。なお、図3図7に示す従来技術と同一の機能を有する部分には同一の符号を付して適宜にその説明を省略する。

0048

図1(a)(b)は、図5(a)に示す保護膜Aを除去後に保護膜Cを形成する保護膜形成工程を示す。図1(a)は平面、図1(b)は図1(a)に記載されたA−A断面である。

0049

第2エピタキシャル層35Aには、振動梁12C、固定端12A、12Bに各々対応する第1振動子層50の振動梁層50C、固定層50A、50Bが、また振動梁13C、固定端13A、13Bに対応する第2振動子層51の振動梁層51C、固定層51A、固定層51Bが、また第3振動子14に対応する振動子層45がそれぞれ形成されている。

0050

固定層50A、50B、固定層51A、51Bの振動梁50C、および51C側は、楔状の斜面S50A、S50B、およびS51A、S51Bを介して、振動梁50C、および51Cに接続している。そして、斜面S50A、S50B、S51A、S51Bは、基板30の結晶面(111)と表面が交わる斜線L8と同じ傾斜である。

0051

そして、これらの上には、保護膜Cが形成され、この保護膜Cには、エッチング液を注入するための太線で示す長方形状の開口端OS2持つ開口部52が形成されている。

0052

開口端OS2の長手辺L6およびL7は振動梁層50C、51Cの外部に配置され、短辺S5、S6は振動梁層50C、51Cの中心線Y1−Y2と斜線L8と交わる交点をクロスする点に配置される。

0053

なお、結晶面(111)は、図2に示すように、内部が開口された任意のマスクパターン53に外接する長方形54の斜線で示した面55で形成され、基板30の結晶面(111)と表面が交わる線L8は長方形54に対応する。このマスクパターン53の開口部にエッチング液を注入することによって内部をエッチングするが、このエッチングは結晶面(111)でエッチストップされる性質を持つ。

0054

図1(c)は、エッチング工程を示す。このエッチングは図2に示した結晶面(111)でエッチングがエッチストップされる性質を利用して行う。図6(e)に示す選択エッチングと同様にして、第1エピタキシャル層34Aと第3エピタキシャル層36Aを除去して、振動梁12C、固定端12A、12Bと振動梁13C、固定端13A、13Bに対応する部分を形成する。

0055

図1(d)は、このようにして形成されたこれらに対応する振動子の構成を示す。図1(d)において、従来の第1振動子12の振動梁12C、固定端12A、12Bおよび第2振動子13の振動梁13C、固定端13A、13Bに対応する構成は、第1振動子56の振動梁56C、固定端56A、56Bおよび第2振動子57の振動梁57C、固定端57A、57Bとなる。

0056

そして、固定層50A、50B、固定層51A、51Bの振動梁50C、51C側の楔状の斜面S50A、S50B、S51A、S51Bに対応する構成は、第1振動子56、第2振動子57の斜面S56A、S56B、S57A、S57Bとなる。

0057

つまり、固定端56A、56Bおよび固定端57A、57Bは、それぞれ振動梁56C、振動梁57C側に突出せず、固定端56A、56Bおよび固定端57A、57Bは振動梁56C、振動梁57Cを含まない構成となっている。その結果、振動梁56C、振動梁57Cの長さL9、L10は、等しい長さになっている。

0058

これは、図1に示す第2エピタキシャル層34で形成される振動梁層50C、51C、固定層50A,50B、51A,51Bの形状をそのまま生かした形で、エッチングにより振動梁56C、57Cと固定端56A,56B、57A,57Bを形成したためである。

0059

この後は、図4(f)の従来の密封工程と同様にしてシエルが形成される。

図面の簡単な説明

0060

本発明の1実施例を示す製造工程図である。
図1に示すエッチングのエッチストップを説明する説明図である。
従来の振動式トランスデューサの全体構成を示す構成図である。
図3に示す振動子の製造工程を示す工程図である。
図4に示す製造工程の一部を改良してH形振動子を製造する製造工程を示す工程図である。
図5に続く製造工程を示す工程図である。
図3に示す従来の振動式トランスデューサの問題点を説明する説明図である。

符号の説明

0061

10、30基板
12、56 第1振動子
13、57、 第2振動子
14 第3振動子
15 凹部
21入力トランス
24出力トランス
27増幅器
31 保護膜
32 開口部
33、43、44 凹部
34 第1エピタキシャル層
35 第2エピタキシャル層
36 第3エピタキシャル層
37 第4エピタキシャル層
38注入口
41、42、49、52 開口部
45振動子層
46、50 第1振動子層
46C、50C振動梁層
46A、46B、50A、50B固定層
48、51 第2振動子層
48C、51C 振動梁層
48A、48B、51A、51B 固定層
S50A、S50B、S51A、S51B 斜面
S56A、S56B、S57A、S57B 斜面
56A、56B、57A、57B固定端
A、B、C 保護膜
L8斜線
OS1、OS2 開口端

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