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技術 環形動物の忌避剤

出願人 保土谷化学工業株式会社
発明者 斉藤裕安斎達雄
出願日 2006年2月27日 (14年9ヶ月経過) 出願番号 2006-049551
公開日 2007年9月6日 (13年3ヶ月経過) 公開番号 2007-223984
状態 特許登録済
技術分野 捕獲、駆除 農薬・動植物の保存
主要キーワード 勢力範囲 感知能力 実地試験 人体近傍 スプレー条件 害虫駆除組成物 リシノール酸塩 忌避剤組成物
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この項目の情報は公開日時点(2007年9月6日)のものです。
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課題

持続性に優れ、天然物由来のように安全性があり、且つ環境負荷の低減が期待できる環形動物忌避剤を提供すること。

解決手段

植物性油脂および植物性油脂の誘導体界面活性剤の中から選択される1種または2種以上を有効成分とするアニオン系環形動物の忌避剤、および環形動物の忌避方法

概要

背景

ヤマビルとは日本産ヒル類の一種であり、ミミズと同じ仲間の環形動物門、ヒル綱目、ヤマビル科に属している。棲であり、陸棲のヒルで唯一吸血性を持つ。体長は2〜5cmであるが、伸びると5〜7cmになる。吸血量は1ml程度であり、吸血後は体重が5〜10倍になる。東森林に生息している。カモシカを主な媒介とし、カモシカの生息地域の拡大と共に勢力範囲を広げて、結果として人間への被害も増大している。山道林道等の落葉草木に潜んでおり、動物や人の呼気体温動き体臭などを感知して寄ってくる。移動速度は約1m/分と体長の割には早く、大きさも小さいことから知らぬ間に吸血されていることが多々ある。吸血時にはヒルジンと言う物質を出しながら吸血する。ヒルジンにはモルヒネ様作用、毛細血管透過性を高める作用等があり吸血されても殆ど気づかないが、血液の凝固作用を阻止する作用もあるため、吸血されても数時間止血できない場合が多い。そのため、知らぬ間に吸血部が血だらけになっていたと言う事例が数多く報告されている。

防除方法としては、殺ヒル剤、忌避剤の使用などが挙げられる。殺ヒル剤としてはディート消石灰石灰窒素木酢液食塩などが挙げられる。しかしながら、これらを散布して広範囲な草木に潜むヒルを完全駆除することは難しい。そのため実際に山林などに入る場合には忌避剤を使用するのが一般的である。

忌避剤としては、食塩や界面活性剤衣服にしみこませる、虫やヒル専用の忌避剤をスプレーする方法などがある。しかしながら、食塩や界面活性剤は水溶性であるために、水分での流亡等の理由により持続性が弱く、また忌避剤にはディート等の殺虫成分が含まれており環境負荷に対する不安が残る。

一方、ヤマビル、環形動物の忌避効果を謳っているものや忌避剤としては(1)皮膚外用剤(例えば、特許文献1参照)。(2)環形動物忌避水性組成物(例えば、特許文献2参照)や、(3)吸血性環形動物忌避剤(例えば、特許文献3参照)や、(4)ヤマビルの忌避剤及び忌避剤組成物(例えば、特許文献4参照)等が報告されている。
特開平08−183720号公報
特開平07−173005号公報
特開昭60−061509号公報
特開平07−196407号公報

特許文献1に記載の技術は蛭についての記載はあるが、忌避成分はディートを中心としたものであり、更に主題はこれら成分を配合した日焼け防止剤についてである。特許文献2に記載の技術は水性樹脂等を用いたマイクロカプセル技術を要する環形動物の忌避剤についてであるが、有効成分としてジエチルトルアミド(ディート)を用いている。特許文献3に記載の技術はジエチルトルアミド(ディート)やピレスロイド系殺虫成分を有効成分として用いたものである。特許文献4では広く界面活性剤全般を有効成分とする可能性を示しているが、具体的にはカチオン系、非イオン系(ノニオン系)、両性界面活性剤について記述されている。以上のように、既存の環形動物の忌避剤としては殺虫成分を使用したものが殆どであり、またアニオン系の界面活性剤における忌避効果について具体的に言及した報告はまだ無い。

一方、アニオン系の界面活性剤を具体的に使用した例として、摂食害虫駆除組成物(例えば、特許文献5参照)がある。ここでは、陸棲・水棲軟体動物等脚目節足動物用の駆除剤について述べており、リシノール酸塩を用いている。ただし環形動物は含まれていない。
特開2002−322001公報

概要

持続性に優れ、天然物由来のように安全性があり、且つ環境負荷の低減が期待できる環形動物の忌避剤を提供すること。植物性油脂および植物性油脂の誘導体で界面活性剤の中から選択される1種または2種以上を有効成分とするアニオン系環形動物の忌避剤、および環形動物の忌避方法

目的

本発明は、持続性に優れ、天然物由来のように安全性があり、且つ環境負荷の低減が期待できる環形動物の忌避剤を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

植物性油脂および植物性油脂の誘導体であるアニオン系界面活性剤の中から選択される1種または2種以上を有効成分とする環形動物忌避剤

請求項2

前記した有効成分が[1]式で表されるリシノール酸またはリシノール酸誘導体である請求項1記載の環形動物の忌避剤。

請求項3

前記したリシノール酸誘導体が、リシノール酸カリウムまたはリシノール酸ナトリウムである請求項2記載の環形動物の忌避剤。

請求項4

環形動物の忌避剤が、ポリグリコール類および樹脂の中から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの項に記載の環形動物の忌避剤。

請求項5

前記したポリグリコール類がポリエチレングリコールであり、前記した樹脂がポリアクリル酸ナトリウムである、請求項4記載の環形動物の忌避剤。

請求項6

環形動物の忌避剤が、有機溶媒および/または水を含有するエアゾル剤である請求項1〜請求項5いずれかの項に記載の環形動物の忌避剤。

請求項7

前記した環形動物がヤマビルである請求項1〜請求項6いずれかの項に記載の環形動物の忌避剤。

請求項8

植物性油脂および植物性油脂の誘導体であるアニオン系界面活性剤の中から選択される1種または2種以上を有効成分とする環形動物の忌避剤を使用することを特徴とする、環形動物の忌避方法

請求項9

前記した有効成分が[1]式で表されるリシノール酸またはリシノール酸誘導体である請求項8記載の環形動物の忌避方法。

請求項10

環形動物の忌避剤が、ポリグリコール類および樹脂の中から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項8または請求項9記載の環形動物の忌避方法。

請求項11

環形動物の忌避剤が、有機溶媒および/または水を含有するエアゾル剤として使用されることを特徴とする請求項8〜請求項10いずれかの項に記載の環形動物の忌避方法。

請求項12

前記した環形動物がヤマビルである請求項8〜請求項11いずれかの項に記載の環形動物の忌避方法。

技術分野

0001

本発明は有効成分として植物性油脂、または植物性油脂の誘導体であるアニオン系界面活性剤を用いたヤマビル環形動物忌避剤に関するものである。

背景技術

0002

ヤマビルとは日本産ヒル類の一種であり、ミミズと同じ仲間の環形動物門、ヒル綱目、ヤマビル科に属している。棲であり、陸棲のヒルで唯一吸血性を持つ。体長は2〜5cmであるが、伸びると5〜7cmになる。吸血量は1ml程度であり、吸血後は体重が5〜10倍になる。東森林に生息している。カモシカを主な媒介とし、カモシカの生息地域の拡大と共に勢力範囲を広げて、結果として人間への被害も増大している。山道林道等の落葉草木に潜んでおり、動物や人の呼気体温動き体臭などを感知して寄ってくる。移動速度は約1m/分と体長の割には早く、大きさも小さいことから知らぬ間に吸血されていることが多々ある。吸血時にはヒルジンと言う物質を出しながら吸血する。ヒルジンにはモルヒネ様作用、毛細血管透過性を高める作用等があり吸血されても殆ど気づかないが、血液の凝固作用を阻止する作用もあるため、吸血されても数時間止血できない場合が多い。そのため、知らぬ間に吸血部が血だらけになっていたと言う事例が数多く報告されている。

0003

防除方法としては、殺ヒル剤、忌避剤の使用などが挙げられる。殺ヒル剤としてはディート消石灰石灰窒素木酢液食塩などが挙げられる。しかしながら、これらを散布して広範囲な草木に潜むヒルを完全駆除することは難しい。そのため実際に山林などに入る場合には忌避剤を使用するのが一般的である。

0004

忌避剤としては、食塩や界面活性剤衣服にしみこませる、虫やヒル専用の忌避剤をスプレーする方法などがある。しかしながら、食塩や界面活性剤は水溶性であるために、水分での流亡等の理由により持続性が弱く、また忌避剤にはディート等の殺虫成分が含まれており環境負荷に対する不安が残る。

0005

一方、ヤマビル、環形動物の忌避効果を謳っているものや忌避剤としては(1)皮膚外用剤(例えば、特許文献1参照)。(2)環形動物忌避水性組成物(例えば、特許文献2参照)や、(3)吸血性環形動物忌避剤(例えば、特許文献3参照)や、(4)ヤマビルの忌避剤及び忌避剤組成物(例えば、特許文献4参照)等が報告されている。
特開平08−183720号公報
特開平07−173005号公報
特開昭60−061509号公報
特開平07−196407号公報

0006

特許文献1に記載の技術は蛭についての記載はあるが、忌避成分はディートを中心としたものであり、更に主題はこれら成分を配合した日焼け防止剤についてである。特許文献2に記載の技術は水性樹脂等を用いたマイクロカプセル技術を要する環形動物の忌避剤についてであるが、有効成分としてジエチルトルアミド(ディート)を用いている。特許文献3に記載の技術はジエチルトルアミド(ディート)やピレスロイド系殺虫成分を有効成分として用いたものである。特許文献4では広く界面活性剤全般を有効成分とする可能性を示しているが、具体的にはカチオン系、非イオン系(ノニオン系)、両性界面活性剤について記述されている。以上のように、既存の環形動物の忌避剤としては殺虫成分を使用したものが殆どであり、またアニオン系の界面活性剤における忌避効果について具体的に言及した報告はまだ無い。

0007

一方、アニオン系の界面活性剤を具体的に使用した例として、摂食害虫駆除組成物(例えば、特許文献5参照)がある。ここでは、陸棲・水棲軟体動物等脚目節足動物用の駆除剤について述べており、リシノール酸塩を用いている。ただし環形動物は含まれていない。
特開2002−322001公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、持続性に優れ、天然物由来のように安全性があり、且つ環境負荷の低減が期待できる環形動物の忌避剤を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0009

本発明者等は持続性に優れ、環境負荷にも配慮した環形動物の忌避剤を検討した。その結果、特にリシノール酸及びリシノール酸誘導体でアニオン系界面活性剤であるリシノール酸塩に、環形動物に対する忌避性を見いだし、本発明を完成するに至った。

0010

即ち、本発明は植物性油脂および植物性油脂の誘導体であるアニオン系界面活性剤の中から選択される1種または2種以上を有効成分とする環形動物の忌避剤である。

0011

また本発明は、植物性油脂および植物性油脂の誘導体であるアニオン系界面活性剤の中から選択される1種または2種以上を有効成分とする環形動物の忌避剤を使用することを特徴とする、環形動物の忌避方法である。

0012

環形動物の忌避剤を使用する場合、衣服や長靴にスプレーして忌避効果を持たせるのが簡便である。本発明の環形動物の忌避剤は、有機溶媒および/または水を含有するエアゾル剤として使用することができる。

0013

ヤマビルが生息するような地域は雑草が茂っており、夜露や湿度で有効成分が流されやすく、また人体発汗の影響も受けやすい。さらには摩擦による有効成分の剥離も起きるので、忌避効果の持続性が必要である。本発明では、ポリグリコール類および樹脂の中から選択される1種または2種以上を、環形動物の忌避剤中に含有させることによって、スプレー部に膜を作り長時間の持続性を付与している。

0014

環形動物の忌避剤有効成分の植物性油脂および植物性油脂の誘導体であるアニオン系界面活性剤の中で、好ましいのは[1]式で表されるリシノール酸またはリシノール酸誘導体である。リシノール酸誘導体として具体的には、リシノール酸カリウムおよびリシノール酸ナトリウムが挙げられる。

0015

0016

リシノール酸はひまし油椿油、スズラン等に含まれる天然物である。工業的にはリシノール酸を70〜80%含むひまし油を抽出することによって得られる。リシノール酸は椿油、スズランの少量成分として含まれているが、これらの毒性成分の1つに数えられている。殺菌効果下等動物に対する麻痺効果があり、嘗て漁場に椿油を投入し、気絶し水上に浮遊してきた捕獲する漁法も存在した。当然これらの魚を人間が食べても全くの無害である。しかし多量に摂取した場合は下痢を誘発しやすく、乳幼児下剤として用いられており、更に化粧品医薬品、潤滑剤、印刷インキ等にも用いられている。一方、リシノール酸をけん化して得るリシノール酸カリウムやリシノール酸ナトリウムに関しては、食品類製造機器洗浄剤として用いられている。このようにリシノール酸及びリシノール酸塩は古くから人間が使用してきたものであり安全性が確認されている。

0017

即ち、リシノール酸系化合物軟体動物体表面や人間の腸などの粘膜質状で蠕動運動機能を有する組織の動きを止める働きがあると考えられる。ヤマビルは動物の排出する二酸化炭素、体温を感知することから、体表面は極めて鋭敏感知能力を持っていると思われ、この組織への効果という点で、リシノール酸化合物は極めて有効であると考えられる。

発明の効果

0018

本発明の環形動物の忌避剤は、持続性に優れ、天然物由来のように毒性が低く安全性があり、且つ環境負荷の低減が期待できる。

発明を実施するための最良の形態

0019

以下、本発明の構成成分、製造方法について具体的に説明する。ここではその一例を記載するものであって、リシノール酸、リシノール酸塩などのリシノール酸系化合物、高分子化合物を加えるのであれば、その製剤形態には拘らない。

0020

本発明の製剤形態の一つとして、エアゾル剤が挙げられる。エアゾル剤は有効成分、溶媒補助剤混合攪拌して均質原液を調製し、容器充填したものである。更に噴射剤と共に噴射ノズル付きの容器に充填したもの等がある。

0021

本発明の忌避剤有効成分濃度としては、特に制限はない。使用する際のスプレー条件ボトルの形状、使用者使い方、スプレー時間)で異なるが、一般的には1〜30%、望ましくは5〜20%である。

0022

またこれら成分をスプレー後にスプレー部に長時間保持させるためには、以下の様な物質が助剤として用いられる。特徴は常温(10〜35℃)付近固体であり、非水溶性難水溶性であること等である。これらを添加することによって忌避剤有効成分が衣類浸透し易く、また皮膜を形成して忌避剤有効成分を保護し、スプレー部に水が接触しても忌避剤有効成分の流亡を防ぎ、また摩擦による剥離を防ぐ効果が期待できる。

0023

以上の効果を有する物質として、ポリグリコール類としてはポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリエチレンポリプロピレングリコール等が挙げられ、樹脂としてはポリアクリル酸ナトリウム等のアクリル系樹脂塩化ビニル系樹脂スチレンアクリル系樹脂ポリエステル系樹脂ウレタン系樹脂シリコン系樹脂天然ゴムなどが挙げられる。もちろんこれら助剤が無くて、忌避剤有効成分だけでも忌避効果があることは言うまでもない。

0024

使用する溶媒としては上記したような忌避剤有効成分、および各種助剤を溶解するものであれば、特に制限はされない。しかし人体近傍でスプレーすることを考慮すると、安全面からエタノールグリコール類や水が適している。

0025

本発明の忌避剤組成物は、上記構成成分、即ちリシノール酸系化合物、グリコール類、樹脂類を溶媒に分散・希釈し容器に収する方法で製造できる。容器への収缶については一般的な方法で差し支えはなく、容器もプラスチックや金属など通常使用するもので構わない。

0026

次に実施例、比較例、試験例を挙げて更に本発明の説明を行うが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下の例では「部」は「質量部」を表す。又、実験に用いた原料は以下の通りである。
リシノール酸カリウム:花王(株)製 FR−25(リシノール酸カリウム25%水溶液
ポリエチレングリコール♯4000:関東化学(株)製
エタノール:純正化学(株)試薬特級
ポリアクリル酸ナトリウム:純正化学(株)製
塩化ナトリウム:純正化学(株)製

0027

リシノール酸カリウム10部(FR−25では40部)、エタノール60部を市販乳化機コンビミックス」(PRIMIX(株)製)で攪拌し均一に混合し、これをスプレーボトルに入れて目的物とした。

0028

リシノール酸カリウム10部(FR−25では40部)、ポリエチレングリコール♯4000を10部、エタノール50部を市販乳化機「コンビミックス」(PRIMIX(株)製)で攪拌し均一に混合し、これをスプレーボトルに入れて目的物とした。

0029

リシノール酸カリウム10部(FR−25では40部)、ポリエチレングリコール♯4000を10部、ポリアクリル酸ナトリウム2部、エタノール48部を市販乳化機「コンビミックス」(PRIMIX(株)製)で攪拌し均一に混合し、これをスプレーボトルに入れて目的物とした。

0030

リシノール酸カリウム2部(FR−25では8部)、ポリエチレングリコール♯4000 を10部、エタノール82部を市販乳化機「コンビミックス」(PRIMIX(株)製)で攪拌し均一に混合し、これをスプレーボトルに入れて目的物とした。

0031

リシノール酸10部、ポリエチレングリコール♯4000を10部、エタノール80部を市販乳化機「コンビミックス」(PRIMIX(株)製)で攪拌し均一に混合し、これをスプレーボトルに入れて目的物とした。

0032

〔比較例1〕
ポリエチレングリコール♯4000を10部、ポリアクリル酸ナトリウム2部、エタノール88部を販乳化機「コンビミックス」(PRIMIX(株)製)で攪拌し均一に混合し、これをスプレーボトルに入れて目的物とした。

0033

〔比較例2〕
塩化ナトリウム10部、精製水90部を市販乳化機「コンビミックス」(PRIMIX(株)製)で攪拌し均一に混合し、これをスプレーボトルに入れて目的物とした。
一般的な食塩水である。

0034

〔比較例3〕
市販忌避剤「ヒルノックスプレー剤アミノエタノール薬剤。エタノールで希釈されている。

0035

上記薬剤の組成一覧を[表1]に表した。

0036

0037

[忌避性効果確認試験
直径9cmのシャーレ上に直径7cmの濾紙を載せ、その濾紙中心部に供試薬剤1mlをマイクロピペットを使って滴下した。そしてこの液滴が濾紙全体に拡展するまで放置した。液が濾紙全体に拡展したのを確認後、乾燥機に入れて濾紙を乾燥させた。次にこの濾紙の中心部に直径3cmに切り取った円状の濾紙を載せ、その上に体長約2cmのヤマビルを1匹載せた。このヤマビルが直径3cmの濾紙外に出て、下に敷いた直径7cmの濾紙の上を徘徊するかどうかを観察した。結果を[表2]に示す。

0038

0039

乾燥後の7cmの濾紙上には供試薬剤の有効成分を含む固形分が残存している。〔実施例1〕〜〔実施例5〕、及び〔比較例2〕〔比較例3〕は忌避成分が含まれているから、当然ながらヤマビルはそれらのある濾紙上を徘徊することはなく、中央部の3cm濾紙上に止まっていたが、忌避成分を含まない〔比較例1〕では自由に徘徊していた。即ち、リシノール酸、リシノール酸塩、塩化ナトリウム、市販剤に忌避効果があることが分かった。また〔比較例1〕の様なポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウムに忌避効果は無いと考えられる。〔実施例4〕でもこの実験では忌避効果は確認できたが、効果がやや弱く慣れると徘徊し濾紙外に逃亡したものもいたことから、現実的にはもう少しリシノール酸系化合物の高濃度化が必要と考えられる。〔比較例2〕においても同様のことが言えると思われる。

0040

[忌避剤の実地試験
供試薬剤を長靴から10cm離してスプレーし吹付けた。長靴は高さ32cmの市販品で、各剤均一な速度で一方の片面に10秒程度吹付けた。これを風乾後に履き、ヤマビルが生息する山中を1時間歩き、その後靴に付着しているヤマビルの数を数えた。この実験を晴天時の乾燥した状態と、雨天後の路面が湿っている状態で行った。結果を[表3]に示す。

0041

0042

晴天時においては〔比較例1〕以外、一応の効果が見られている。即ち靴に適当量以上の忌避剤有効成分が付着していれば、忌避効果を確認することができる。また〔実施例6〕の結果と同様にポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウムに忌避効果は無いと考えられる。

0043

一方、雨天後においては晴天時に比べて効果が劣っている。特に〔比較例2〕が顕著である。雨天後は路面が湿っており、草木も水滴を多く含んでいることから、そういった所を歩くことによって、有効成分が流亡したものと推定される。また乾燥時よりも湿潤時の方がヤマビルに適した環境でもある。流亡を防ぐには高分子化合物で保持する事が有効と考えられ、〔実施例1〕、〔実施例3〕を比較した場合その傾向が見られる。〔実施例3〕に関しては〔比較例3〕と同等以上の効果を得ている。〔実施例4〕に関しては、有効成分量が少ないため効果は劣っている。〔実施例5〕は〔実施例4〕相当の結果となった。これはリシノール酸自体が常温で液体のため、常温では固体であるリシノール酸塩に比べて、長靴への付着性が弱かったためと考えられる。

0044

即ち、リシノール酸系化合物を加える事によって、ヤマビルに対する忌避性が発揮され、さらにポリエチレングリコールやポリアクリル酸ナトリウムの様な高分子化合物を加えることによって持続性の優れた忌避剤となることが確認できた。

0045

本発明の環形動物の忌避剤は、持続性が要求される場面、毒性が低く安全性が求められ、且つ環境負荷の低減が求められる場面に適している。

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